説明

遠心式流体機械

【課題】遠心式流体機械において,羽根車内部の二次流れ損失を低減しつつ,流量低減時の羽根車の翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速を抑制し,羽根車作動範囲を維持することを可能とする羽根車を有する遠心式流体機械を提供する。
【解決手段】遠心式流体機械において,羽根車1を回転軸上流方向である吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ隣接する二つの羽根車翼における羽根車回転方向に対して後方にある翼131のシュラウド側が,回転方向前方にある翼132と,翼前縁付近において重なり部21を形成する遠心羽根車を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,遠心式羽根車を有する遠心式流体機械に関するもので,より詳細には遠心羽根車の羽根形状に関する。
【背景技術】
【0002】
回転する遠心式羽根車を有する遠心式流体機械は,従来から様々なプラントや空調機器,液体圧送ポンプなどにおいて利用されている。近年の環境負荷低減の要求の高まりを受け,これら遠心式流体機械には,従来以上の高効率化と,広作動範囲化が求められている。
【0003】
従来の遠心式流体機械の例を,図15を用いて以下に述べる。図15は,従来の遠心式流体機械の,羽根車回転軸を通る平面における断面図である。従来の遠心式流体機械は,主として,回転することで流体にエネルギーを付与するための遠心羽根車1と,この羽根車を回転させるための回転軸2と,羽根車の半径方向外側にあって羽根車出口から流入する流体の動圧を静圧へと変換するディフューザ3,及びディフューザの下流にあって下流流路6へ流体を導くリターンチャネル4とから構成される。羽根車1は,主軸と締結する円盤(ハブ)11と,それと対向する方向にある側板(シュラウド)12,及びハブとシュラウドに挟まれ周方向に並ぶ複数枚の翼13とから構成されるが,シュラウドが無い場合もある。ディフューザ3については,周方向に並ぶ複数枚の翼が存在するベーン付きディフューザ,及び翼のないベーンレスディフューザがある。
【0004】
この遠心式流体機械において流体は,羽根車吸込口5から吸引された後,順次羽根車,ディフューザ,リターンチャネルを通過して昇圧され,下流流路6へと導かれる。
【0005】
遠心式流体機械の高効率化の実現には,羽根車が非常に重要な役割を果たす。羽根車の高効率化に関しては,羽根車内部を流体が流れる際に壁面上で発生する摩擦損失や,羽根車入口から出口に向かい内部流体の相対流速が減少して壁面付近の流れの境界層厚みが増すことで生じる減速損失,そして,壁面付近の低流速・低エネルギー流体が,羽根車内部の主流方向と直交する断面内の静圧勾配により駆動されることで生じる,二次流れ損失などを低減する必要がある。
【0006】
これら損失の内の二次流れ損失を低減するため,これまで様々な手法が提案されている。例えば下記特許文献1のように,遠心式流体機械の羽根車にかかる翼負荷の分布を考察し,シュラウド側の翼負荷を翼前縁側に集中し,ハブ側の負荷を翼の後縁側に集中させることで,特に低エネルギー流体の集積が起きやすい,シュラウド側の翼後縁負圧面付近(後述の図16参照)におけるハブとシュラウドの間の静圧差を小さくし,二次流れ損失を低減した例がある。
【0007】
また,下記特許文献1,或いは特許文献2,特許文献3のように,羽根車翼後縁付近のハブ側がシュラウド側に対し,羽根車の回転方向に先行するような円周方向の翼の傾斜をつけることで,二次流れ損失を低減した例がある。このような翼後縁付近形状とすることで,図16(b)に示すような効果が得られる。図16は,シュラウドを除いて描いた,羽根車における隣接する二翼の図を示したものである。各翼13の圧力面14(羽根車回転方向に対し,先行する側の翼面)から羽根車内部を流れる流体に加わる翼力Fの向きは,翼の圧力面14に対して垂直な方向となる。従って例えば,図16(a)に示すような,これら特許文献とは反対の翼後縁付近の傾斜を有する(つまり,翼後縁17付近において,ハブ側がシュラウド側に対し,羽根車の回転方向に後退している)羽根車においては通常高まる翼圧力面ハブ側141の静圧が,図16(b)記載の形状では低下する。一方逆に,図16(a)に示すような羽根車において通常は低下する翼負圧面シュラウド側151の静圧が,図16(b)記載の形状では高まる。従って,図16(a)に示すような翼において,負圧面シュラウド側151に低エネルギー流体を集積するよう形成される二次流れが,図16(b)では抑制され,二次流れ損失が低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3693121号公報
【特許文献2】特許第2701604号公報
【特許文献3】特許第2730396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし,上記特許文献1〜3のように,羽根車翼後縁付近のハブ側がシュラウド側に対し羽根車の回転方向に先行するような円周方向の翼の傾斜をつける場合,図16(b)に記載したように,翼負圧面シュラウド側151では,静圧が前縁16から流れ方向に急激に高まってしまう。従って,特に相対流速の減速の度合いが大きい翼負圧面シュラウド側において流れ方向に対する静圧の逆圧力勾配が大きくなり,特に翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速が大流量側で生じるようになってしまい,羽根車作動範囲が狭まってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は上記従来技術の不具合を解決するためのもので,羽根車内部の二次流れ損失を低減しつつ,流量低減時の羽根車の翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速を抑制し,羽根車作動範囲を維持することを可能とする羽根車を有した,遠心式流体機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明では,羽根車を回転軸上流方向(吸込方向)から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ隣接する二翼における羽根車回転方向に対して後方にある翼のシュラウド側が,回転方向前方にある翼と,翼前縁付近において重なり部を形成する遠心羽根車を有する,遠心式流体機械を構成したことを特徴とする。
【0012】
また,羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車を吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,更に羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している遠心羽根車を有する,遠心式流体機械を構成したことを特徴とする。
【0013】
また,羽根車を吸込方向から見た場合に,羽根後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ仕様点において羽根車入射角を0゜以下にした遠心羽根車を有する,遠心式流体機械を構成したことを特徴とする。
【0014】
また,上記何れの遠心式流体機械においても,羽根車において,羽根車回転中心を通りかつ羽根車回転軸と平行な平面(子午面)と,子午面上におけるハブ・シュラウド各々の前縁から後縁の間において同一比率にあるハブ・シュラウド上の点をそれぞれ結んだ線(翼素)とが為す角度(Rake角)が,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとると共にそれより下流側では減少し,羽根出口において−5゜〜−35゜となる羽根車を有する,遠心式流体機械を構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば,羽根車内部の二次流れ損失を低減しつつ,流量低減時の羽根車の翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速を抑制して羽根車作動範囲を維持することを可能とし,更に十分な強度と製作性を兼ね備えた羽根車を有する遠心式流体機械を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明実施例1における遠心式流体機械の,羽根車回転軸を通る平面における断面図。
【図2】本発明実施例1における遠心式流体機械の,羽根車を回転軸上流方向(吸込方向から見た図。
【図3】従来ならびに本発明実施例1における遠心式流体機械の,3次元流体解析により導出した羽根車出口における半径方向流速分布図。
【図4】遠心式流体機械の羽根車における,隣接する2翼の重なり部に関する説明図。
【図5】遠心式流体機械の羽根車において,隣接する2翼の重なり部の大きさを変化させた場合の,3次元流体解析により導出した翼面静圧値の流れ方向分布。
【図6】従来ならびに本発明実施例1における遠心式流体機械の性能試験結果比較図。
【図7】遠心羽根車の子午面図を利用した,翼素の説明図。
【図8】Rake角の説明図。
【図9】本発明実施例1における遠心式流体機械の,Rake角分布図。
【図10】本発明実施例2における遠心式流体機械の,羽根車翼形状図。
【図11】遠心式流体機械の,子午面上の羽根車翼前縁形状の説明図と,羽根車翼前半付近の子午面方向速度に関する説明図。
【図12】遠心式流体機械において,羽根車翼入口ハブ側,シュラウド側径の大きさが異なる場合の,羽根車入口速度三角形の比較図。
【図13】実施例2における遠心式流体機械で,羽根車翼入口ハブ側,シュラウド側径の大きさが異なる場合の,翼ハブ側形状の比較図。
【図14】本発明実施例3における遠心式流体機械の,羽根車翼形状図。
【図15】従来の遠心式流体機械の羽根車回転軸に平行な面における断面図。
【図16】シュラウドを除いて描いた,羽根車における隣接する2翼間を流れる流体に作用する翼力の方向と,翼間断面中の静圧分布の特徴の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,本発明の実施例を,図面を用いて説明する。尚,以下の説明にいておいて遠心式流体機械とは,例えば,遠心送風機又は遠心圧縮機を意味するものである。
【実施例1】
【0018】
以下,本発明の第1実施形態について,図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本実施例の遠心式流体機械の構成要素としては,図15に示す従来の遠心式流体機械と同様に,主として,回転することで流体にエネルギーを付与するための遠心羽根車1と,この羽根車を回転させるための回転軸2と,羽根車の半径方向外側にあって羽根車出口から流入する流体の動圧を静圧へと変換するディフューザ3,及びディフューザの下流にあって下流流路へ流体を導くリターンチャネル4とから構成される。羽根車1は,主軸と締結する円盤(ハブ)11と,それと対向する方向にある側板(シュラウド)12,及びハブとシュラウドに挟まれ周方向に並ぶ複数枚の翼13とから構成されるが,シュラウドが無いオープン羽根車となる場合もある。ディフューザ3については,周方向に並ぶ複数枚の翼が存在するベーン付きディフューザ,及び翼のないベーンレスディフューザがある。尚,本図では単段構成の遠心式流体機械を示しているが,図1に示すように,羽根車吸込口の上流に,上流側配管から流れを導入するための吸込ケーシング7や,羽根車吸込流れに予旋回を付与するためのインレットガイドベーン8が取り付けられる場合もある。また図1のように,羽根車,ディフューザ,リターンチャネルの組み合わせが複数段組み合わされた多段の遠心式流体機械となる場合もある。更に図1に示すように,最下流側にあるリターンチャネル出口には,吐出ケーシング9が設けられる場合もある。尚,本明細書において遠心式流体機械とは,例えば,遠心送風機又は遠心圧縮機を意味するものである。
【0020】
本実施例では,上記遠心式流体機械において,図2に示すように,羽根車を回転軸の上流方向(吸込方向)から見た場合に,羽根車翼後縁の付近ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ隣接する2翼における羽根車回転方向に対して後方にある翼131のシュラウド側が,回転方向前方にある翼132と,翼前縁付近において重なり部21が形成される遠心式羽根車を有するよう,構成してある。
【0021】
本構成の内,まず羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させることで,前記の通り,流体に作用する翼力の方向が変化することで翼間内の静圧分布が変化し,通常は翼の負圧面のシュラウド側に低エネルギー流体を集積するように形成される二次流れが抑制され,二次流れ損失を低減することが可能となる。
【0022】
図3(a)は翼後縁シュラウド側がハブ側より羽根車回転方向に対して前傾している場合,及び図3(b)は翼後縁シュラウド側がハブ側より羽根車回転方向に対して後傾している場合の,それぞれ3次元流体解析を実施して導出した,羽根車出口における半径方向流速Crの分布である。尚,Crは翼出口周速U2(=翼出口半径R2×羽根車角速度ω)で無次元化してある。図3(a)では,前記二次流れによる低エネルギー流体の集積で,翼負圧面シュラウド側付近に黒色で示される逆流域が存在している。一方図3(b)では,図3(a)で見られた逆流域が消失し,流れが一様化されていることが分かる。
【0023】
次に,羽根車の隣接する2翼において,羽根車回転方向に対して後方にある翼のシュラウド側が,回転方向前方にある翼と,翼前縁付近において重なり部を形成することによる効果を,図4を使用して説明する。図4は,遠心式羽根車において,前記の隣接する2翼の重なり部の大きさを徐々に変化させた場合の模式図を示している。これら3つの図中においてハッチングを施した領域は,翼前縁付近において,隣接する2翼の流れ方向各位置において,2翼間の距離が最も小さくなる面として定義した翼間流路断面の内,断面積が最小となるスロート面31を示したものである。図より,前記重なり部を徐々に小さくして行くと,スロート面に代表される翼間流路断面積が徐々に大きくなることが分かる。
【0024】
通常,遠心式羽根車内部を流れる流体の相対流速は,翼前縁で最も速く,それより流れ方向下流では,半径増大により翼間流路断面積が増大するため,徐々に減速する減速流れとなる。ここで,図4の最右側の図のように隣接する2翼の重なり部を全く設けないような場合,羽根車内部でも特に流れの剥離・失速が生じ易い翼前半部の翼間流路断面積の増大率が大きくなり,羽根車内部の主流に沿う方向における相対流速が急激に減速されてしまう。従って,主流方向の静圧の逆圧力勾配も大きくなってしまう。更に本実施例では,羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させることによっても,前記の通り,翼負圧面シュラウド側の流れ方向に対する静圧の逆圧力勾配が大きくなる。以上の効果が相まって,隣接する2翼の重なり部を設けない場合には,特に翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速が大流量側で生じるようになってしまい,羽根車作動範囲が狭まってしまう。
【0025】
一方,図2に示す本実施例のように,隣接する2翼の重なり部を設けた場合には,図4の最左側の図のように,翼前半部の翼間流路断面積の増大率を抑制することができる。従って,たとえ羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させていても,羽根車内部の主流に沿う方向における相対流速の減速を抑制でき,結果として翼負圧面シュラウド側の流れ方向に対する静圧の逆圧力勾配を小さくできる。
【0026】
図5は,図4のように隣接する2翼の重なり部の大きさを3種類に変化させた場合の,シュラウド側翼面静圧値の流れ方向分布を,3次元流体解析を実施して導出し,比較したものである。横軸は,羽根車前縁を0,後縁を1とした,無次元流れ方向位置を示している。縦軸は,翼前縁静圧値に対する,各無次元流れ方向位置の翼面上における静圧上昇量を,羽根車出口周速U2基準の動圧1/2ρU22(ρ:密度)で無次元化した,翼面上における無次元静圧上昇を示している。尚,図中には,前記翼重なり部が最も大きい場合のスロート面積の値を1とした場合に,それよりも重なり部が小さい2種類の羽根車のスロート面積の値も示している。図より,前記2翼の重なり部の大きさが小さくなるにつれ(スロート面積が大きくなるにつれ),特に翼前半部における翼負圧面側の静圧上昇の流れ方向に対する勾配が増大し,逆圧力勾配が厳しくなることが分かる。以上から,隣接する2翼の重なり部が大きい程,羽根車前半部において主流方向の静圧の逆圧力勾配を抑制することが可能となり,遠心式流体機械の作動範囲の維持・拡大が可能となる。
【0027】
図6には,従来遠心式流体機械,並びに本実施例記載の遠心式流体機械の性能試験結果比較を示す。横軸は,仕様流量を1とした無次元流量を,縦軸には断熱ヘッド,並びに効率を示している。断熱ヘッド曲線の最も低流量側,つまり断熱ヘッド曲線の最も左側の流量点は,遠心式流体機械に大きな圧力脈動が生じ運転不可能となるサージングの発生流量である。尚,性能試験は,従来羽根車,並びに本実施例の羽根車のそれぞれに対し,それぞれマッチングをとって設計したベーン付ディフューザとリターンチャネルを組み合わせて,単段の遠心式流体機械を構成して実施した。図から,従来に対し本実施例に記載の遠心式流体機械は,効率,作動範囲ともに改善していることが分かる。
【0028】
尚,本実施例の遠心式流体機械では,後述の実施例2に記載しているように,羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車を吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,更に羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している特徴と組み合わせて,羽根車が構成されても良い。こうすることで,たとえ羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させていても,羽根車内部の主流に沿う方向における翼負圧面シュラウド側の静圧の逆圧力勾配を,更に緩和することが可能となる。これに関する詳細は,実施例2の中で述べる。
【0029】
ところで,本実施例の遠心式流体機械では,図2に示すように,羽根車翼の周方向に対する傾斜が大きくなる。従って,特に流体を押し退け始める翼前縁部,ならびに,羽根車回転方向に対してシュラウド側がハブ側より回転方向に対し後傾している翼後縁部の翼付け根付近で,大きな曲げ応力が生じてしまう。また,翼後縁部において,シュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させる度合いが大き過ぎると,羽根車翼の製作が非常に困難となってしまう。従って,羽根車翼の傾斜の度合いを適切に設定する必要がある。
【0030】
そこで本実施例における遠心式流体機械では,羽根車において,子午面と,翼素とが為すRake角を,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとらせると共にそれより下流側で減少させ,羽根出口において−5゜〜−35゜に設定する。以下,詳細を説明する。
【0031】
図7は,遠心羽根車の翼を,子午面(羽根車回転軸を通り,回転軸に平行な面)に投影した図である。図中の翼部分に描かれている点線が,子午面上におけるハブ・シュラウド各々の前縁から後縁の間において,流れ方向位置が同一比率にあるハブ・シュラウド上の点をそれぞれ結んだ線であり,これを翼素41と定義する。
【0032】
また図8は,前記Rake角に関する説明図である。図に示すように,Rake角51は,前記の各翼素と,この翼素のハブ側の点を通る子午面52を作成した際に,この子午面と翼の各部とが交差するラインとが為す角度として定義される。そして,この子午面に対し,翼素が羽根車回転方向に前進している場合を正のRake角,後退している場合を負のRake角として定義する。
【0033】
本実施例では,上記で定義されるRake角を,図9に示すように翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとらせると共に,それより下流側では前記最大値より減少させる。図9は,流れ方向のRake角分布を示したものである。横軸には,子午面における無次元流れ方向位置が示されており,翼前縁が0,翼後縁が1である。一方,縦軸にはRake角の値が示されている。本実施例ではこのようなRake角分布とすることで,次のような効果がある。
【0034】
前記の通り,本実施例における羽根車前縁の翼付け根部には,大きな曲げ応力が作用する。そしてこの曲げ応力は,翼の傾斜が大きい,つまりRake角の絶対値が大きい程,大きな値となる。従って,翼前縁におけるRake各の値は,なるべく小さくするのが良い。一方,羽根車内部流れの剥離・失速をなるべく低流量側で生じさせることを狙い,前記羽根車の隣接する2翼の重なり部を大きくするには,翼前半部の正のRake角をなるべく大きくするのが良い。以上を考慮した場合に,図9に示すように,Rake角を翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとらせる形状とすれば,曲げ応力が大きくなる翼前縁でのRake角を比較的小さく保てると同時に,それより下流側の正のRake角の値を大きくすることで,前記の隣接する2翼の重なり部を大きくすることができる。従って,翼前縁強度を維持する効果と,羽根車内部流れの剥離・失速を抑制する効果とを両立できる。
【0035】
また本実施例では,前記の通り羽根車内の二次流れ損失低減を狙い,羽根車後半部でRake角を徐々に減少させ負の値をとらせるよう,羽根車翼を形成している。この際,前記の翼後縁付近の製作性,ならびに曲げ応力とに配慮し,かつ二次流れ損失低減効果を得られるRake角の範囲を,数値解析により検討した。その結果,羽根車翼後縁のRake角は−5゜〜−35゜に設定することにした。
【0036】
以上により本実施例では,羽根車内部の二次流れ損失を低減しつつ,流量低減時の羽根車の翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速を抑制して羽根車作動範囲を維持することを可能とし,更に十分な強度と製作性を兼ね備えた羽根車を有した,遠心式流体機械を提供できる。
【実施例2】
【0037】
以下に,本発明における遠心式流体機械の第2の実施形態を示す。
【0038】
本実施例における遠心式流体機械では,実施例1と同様の構成要素(羽根車,ディフューザ,リターンチャネルなど)を有する遠心式流体機械において,図10(a)に示すように,羽根車のシュラウド前縁径121をハブ前縁径111より大きくし,かつ図10(b)に示すように,羽根車を回転軸の上流方向(吸込方向)から見た場合に,羽根車翼後縁の付近ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,更に羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線61に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している羽根車を有するよう,構成してある。
【0039】
本構成の内,まず羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させることで,前記の通り,流体に作用する翼力の方向が変化することで翼間内の静圧分布が変化し,通常は翼の負圧面のシュラウド側に低エネルギー流体を集積するように形成される二次流れが抑制され,二次流れ損失を低減することが可能となる。
【0040】
次に,羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,回転方向に対し羽根車シュラウド側をハブ側より,同一もしくは前進させることによる効果を,以下に説明する。
【0041】
まず,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車翼前縁シュラウド側を翼前縁ハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進させることによる効果を説明する。このようにすることで,シュラウド側の翼長さを長くすることができる。従って,単位翼長さ当りの翼負荷が低減され,単位翼長さ当りの翼面静圧上昇量は低下する。以上から,たとえ羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させていても,羽根車内部の主流に沿う方向における翼負圧面シュラウド側の静圧の逆圧力勾配を緩和することが可能となり,遠心式流体機械の作動範囲の維持・拡大が可能となる。
【0042】
但し,例えば公知例である特許文献2,或いは特許文献3のように,翼前縁のシュラウド径,ハブ径を略等しくした状態では,本実施例のように翼前縁において羽根車シュラウド側をハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進させたとしても,以下に示すように性能低下を生じる可能性がある。
【0043】
図11は,羽根車子午面において,羽根車翼前半付近の子午面方向速度に関する説明図である。図から分かる通り,翼前半においては,シュラウド側翼形状の子午面曲率はハブ側より大きく,羽根車流入流れには図中の記号71で示される方向に遠心力が作用する。従って,羽根車入口付近ハブ側の静圧は高まり,従って子午面方向速度が低下する。一方羽根車入口シュラウド側では静圧が低下し,子午面方向速度が増大する。
【0044】
図12は,上記の羽根車入口付近の子午面方向速度分布を考慮した上で求まる,羽根車翼入口シュラウド側,ハブ側それぞれの速度三角形を示したものである。図12(a)は,羽根車の翼前縁シュラウド径とハブ径を,略等しく為した場合(図11中の翼前縁161に相当)の入口速度三角形である。一方図12(b)は,羽根車の翼前縁シュラウド径をハブ径より大きくした場合(図11中の翼前縁162に相当)の入口速度三角形である。
【0045】
図12(a)に示すように,羽根車の翼前縁シュラウド径とハブ径を略等しく為した場合には,シュラウド側の翼入口周速U1sとハブ側の翼入口周速U1hとは略等しくなる。しかし入口子午面方向速度については,上記の通りシュラウド側の値Cm1sの方がハブ側の値Cm1hより大きくなる。従って図12(a)のように,シュラウド側における羽根車に対する相対流れ角β1sに対し,ハブ側における羽根車に対する相対流れ角β1hは大幅に小さくなってしまう。
【0046】
通常羽根車の翼の設計では,翼入口角β1bから入口相対流れ角β1を引いた値,つまり翼の入射角i1を,ハブ側とシュラウド側とでほぼ等しく設定する場合が多い。従って,羽根車の翼前縁シュラウド径とハブ径を略等しく為した場合には,ハブ側翼入口角度β1bhはシュラウド側翼入口角β1bsより大幅に小さくなる。また,羽根車の翼前縁シュラウド径とハブ径を略等しく為した場合には,ハブ側翼の半径方向長さが短くなる。そのため図13に示すように,羽根車の翼前縁シュラウド径とハブ径を略等しくしつつ,羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させようとすると,図中112に示すようにハブ側では,翼角度が小さくほぼ周方向を向いた翼前縁に対し,それより下流側で翼角度が急激に増大する部分が生じる。この翼角度が急激に増大する部分では,羽根車内部を流れる流体は翼に沿う方向に急激に減速され,特に翼負圧面では流れ方向の圧力勾配に打ち勝てず流れが剥離してしまい,効率が低下する。また図11に示すように,翼前半部ではハブ側の方がシュラウド側より静圧値は高いため,前記急減速域で運動エネルギーを失った翼表面付近の流体は,この静圧勾配の方向,つまりハブ側からシュラウド側に向かって流されてしまう。その結果,翼シュラウド側負圧面における低エネルギー流体の集積が促進されてしまい,たとえ羽根車翼前縁シュラウド側を翼前縁ハブ側より回転方向に対し同一もしくは前進させ,シュラウド側の翼長さを長くしたとしても,翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速の発生を抑制する効果が,得にくくなってしまう。
【0047】
一方図12(b)に示すように,羽根車の翼前縁シュラウド径をハブ径より大きくした場合には,シュラウド側の翼入口周速U1sの方が,ハブ側の翼入口周速U1hより大きくなる。入口子午面方向速度についても,上記の通りシュラウド側の値Cm1sの方がハブ側の値Cm1hより大きくなる。従って図12(b)のように,シュラウド側における羽根車に対する相対流れ角β1sと,ハブ側における羽根車に対する相対流れ角β1hの間にそれ程大きな差異は生じず,ハブ側翼入口角度β1bhとシュラウド側翼入口角β1bsの間にもそれ程大きな差異は生じない。更にこの場合,ハブ側翼の半径方向長さが長くなるため,図13中の113に示すように,ハブ側翼前縁より下流側で翼角度が急激に増大する部分は生じなくなる。従って,翼前半ハブ側負圧面の剥離が抑制されて羽根車効率が維持されると同時に,翼シュラウド側負圧面への低エネルギー流体の集積も抑制される。その結果,羽根車翼前縁シュラウド側を翼前縁ハブ側より回転方向に対し同一もしくは前進させることによる,翼負圧面シュラウド前縁付近における流れの剥離・失速の発生を抑制する効果を,十分発揮させることが可能となるのである。
【0048】
また本実施例における遠心式流体機械では,実施例1に記載した内容と同様,羽根車において,子午面と,翼素とが為すRake角が,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとると共にそれより下流側では減少し,羽根出口において−5゜〜−35゜に設定する特徴と組み合わせて,構成されても良い。
【実施例3】
【0049】
以下に,本発明における遠心式流体機械の第3の実施形態を示す。
【0050】
本実施例における遠心式流体機械では,実施例1,実施例2と同様の構成要素(羽根車,ディフューザ,リターンチャネルなど)を有する遠心式流体機械において,図14(a)に示すように羽根車翼後縁の付近ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ仕様点において,図14(b)に示すように羽根車入射角i1を0゜以下にした遠心羽根車を有するよう,構成してある。
【0051】
本実施例では,まず羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させることで,前記の通り,流体に作用する翼力の方向が変化することで翼間内の静圧分布が変化し,通常は翼の負圧面のシュラウド側に低エネルギー流体を集積するように形成される二次流れが抑制され,二次流れ損失を低減することが可能となる。
【0052】
一方,仕様点において羽根車入射角i1を0゜以下にすることで,以下の効果が生まれる。
【0053】
図14(b)に示す羽根車入口速度三角形から分かる通り,翼入口子午面方向速度Cm1は入口体積流量Q1に比例するため,流量低下と共にCm1は減少する。一方,翼入口周速U1は一定であるため,流量低下と共に翼入口相対速度W1の方向は徐々に変化し,翼入口相対流れ角β1は流量低下と共に減少する。従って流量低下と共に,翼に流入する流体の入射角i1(=β1b−β1)は増大する,つまり翼入口角β1bに対し入口相対流れ角β1bが次第に小さくなる。そのため流量低下と共に,翼に流入する流体は翼前縁に沿わない方向から流入することとなり,仕様点より低流量側の,ある流量点において,ついに流入流れは翼負圧面に沿って流れることができなくなり,負圧面前縁付近において剥離する。
【0054】
この翼負圧面前縁付近における流れの剥離が生じる流量は,仕様点における入射角i1を小さくすることで,低流量側へシフトさせることができる。そこで,仕様点において羽根車入射角i1を0゜以下に設定すれば,たとえ羽根車翼後縁付近でシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させていても,翼負圧面シュラウド側前縁付近における流れの剥離・失速の発生流量を低流量側へとシフトさせることができるため,羽根車作動範囲を維持することが可能となるのである。
【0055】
尚,本実施例の遠心式流体機械では,実施例1,実施例2に記載した内容と同様,羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車を吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,更に羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している特徴と組み合わせて,羽根車が構成されても良い。
【0056】
また本実施例における遠心式流体機械では,実施例1,実施例2に記載した内容と同様,羽根車において,子午面と,翼素とが為すRake角が,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとると共にそれより下流側では減少し,羽根出口において−5゜〜−35゜に設定する特徴と組み合わせて,構成されても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 遠心羽根車
2 回転軸
3 ディフューザ
4 リターンチャネル
5 羽根車吸込口
6 下流流路
7 吸込ケーシング
8 インレットガイドベーン
9 吐出ケーシング
11 ハブ
12 シュラウド
13,131,132 羽根車翼
14 翼圧力面
15 翼負圧面
16,161,162 翼前縁
17 翼後縁
18 翼力
21 羽根車の隣接翼の重なり部
31 羽根車翼スロート面
41 翼素
51 Rake角
52 子午面
61 羽根車回転中心から径方向に引いた線
71 遠心力
111 ハブ前縁径
112,113 ハブ側翼形状
121 シュラウド前縁径
141 翼圧力面ハブ側
151 翼負圧面シュラウド側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心式流体機械において,羽根車を回転軸上流方向である吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ隣接する二つの羽根車翼における羽根車回転方向に対して後方にある翼のシュラウド側が,回転方向前方にある翼と,翼前縁付近において重なり部を形成する遠心羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項2】
請求項1に記載の遠心式流体機械において,前記羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車を吸込方向から見た場合に,羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している遠心羽根車を有することを特徴とする,遠心式流体機械。
【請求項3】
請求項2に記載の遠心式流体機械において,羽根車回転中心を通りかつ羽根車回転軸と平行な平面である子午面と,前記子午面上におけるハブ及びシュラウド各々の前縁から後縁の間において同一比率にあるハブ及びシュラウド上の点をそれぞれ結んだ線とがなす角度であるRake角が,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとると共にそれより下流側では減少し,羽根出口において−5゜〜−35゜となる羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項4】
遠心式流体機械において,羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車を回転軸上流方向である吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している遠心羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項5】
請求項4に記載の遠心式流体機械において,羽根車回転中心を通りかつ羽根車回転軸と平行な平面である子午面と,前記子午面上におけるハブ及びシュラウド各々の前縁から後縁の間において同一比率にあるハブ及びシュラウド上の点をそれぞれ結んだ線とが為す角度であるRake角が,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとると共にそれより下流側では減少し,羽根出口において−5゜〜−35゜となる羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項6】
遠心式流体機械において,羽根車を回転軸上流方向である吸込方向から見た場合に,羽根車翼後縁ではシュラウド側をハブ側より回転方向に対し後傾させ,かつ仕様点において羽根車入射角を0゜以下にした羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項7】
請求項6に記載の遠心式流体機械において,前記羽根車のシュラウド前縁径をハブ前縁径より大きくし,かつ羽根車を吸込方向から見た場合に,羽根車翼前縁では,羽根車回転中心から径方向に引いた線に対し,羽根車シュラウド側がハブ側より回転方向に対し,同一もしくは前進している遠心羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項8】
請求項7に記載の遠心式流体機械において,羽根車回転中心を通りかつ羽根車回転軸と平行な平面である子午面と,前記子午面上におけるハブ及びシュラウド各々の前縁から後縁の間において同一比率にあるハブ・シュラウド上の点をそれぞれ結んだ線とがなす角度であるRake角が,羽根車回転方向を正とした場合に,翼前縁から流れ方向中央までの間で最大値をとると共にそれより下流側では減少し,羽根出口において−5゜〜−35゜となる羽根車を有することを特徴とする遠心式流体機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−104417(P2013−104417A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251213(P2011−251213)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】