説明

遠心機

【課題】遺伝子学的検査の前処理用のスピンダウンを効率よく行うことができ、コンパクトで使い勝手のよい小型の遠心分離機であって、大量のチューブのスピンダウンを一度に行える小型遠心分離機を提供する。
【解決手段】本体基体10と、マイクロチューブを装着してスピンダウンのための回転を行う挿入体12とを有し、該挿入体は円筒形状の挿入体基体11と該挿入体基体から遠心方向に突出した複数の連結壁部120と連結壁部の他端辺部に連接した外周壁部121とにより挿入体基体から遠心方向に突出形成した複数の横断面略T字状に構成し、一の断面略T字状の連結壁部と外周壁部は両隣のそれぞれの断面略T字状の連結壁部と外周壁部との間においてマイクロチューブを挿入可能な挿入部Aを構成し、該挿入部にマイクロチューブの連結帯部を挿入して挿入体を回転することにより、マイクロチューブ内の試料のスピンダウンを行う遠心分離機を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子学的検査等において、チューブに秤量した微量の溶液を遠心力によってチューブの底に落とすために用いる、特に小型でかつ多数本に対して効率的に遠心力をかけるための遠心機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療機関等で臨床検査に供される生態成分の分析に用いる検査材料である溶液等は、チューブの先端が細いことから途中でとどまってしまい、チューブの底にたまらないことから、遺伝子学的検査法において前処理用としてスピンダウン操作が必要であった。
この遺伝子学的検査においては、通常8連チューブが用いられるが、今までのスピンダウンに対してはこの8連のチューブを2本セットでき、100ボルト電源を用いた小型遠心機が用いられてきた。
スピンダウンではないが、例えばDNA、RNAの精製のための遠心処理のための遠心分離機を示すものとして特開平10−15436号(特許文献1)が存在し、これは8連の連接チューブを用いた遠心分離機を示している。
【0003】
この場合、チューブを配設する平面部は平面状に構成され、この平面部分の端辺部にチューブを挿入して配設するものである。
従って、平面状の平面部が長方形であれば両長辺に二列のチューブをセットして平面部を回転させて遠心を行うものであり、或いは三角形状或いは四角形状の平面部のそれぞれの端辺部にチューブを並べて、該平面部の平板の中心部分である軸心部分にて遠心回転させるものである。
又、スピンダウンではなく血液に関しては、遠心分離によって血液を分離させ、析出物である血清や血漿等を分離させて、検査を行っているものである。
例えば医療機関等に設置している血液の遠心分離機に関しては、100V電源を用いた大型の機器からなるものであると共に一度に多数の試料検体を遠心分離可能とするものが多用されている。
【0004】
例えば、特開平11‐156243号(特許文献2)や特開2001‐886号(特許文献3)などが存在する。
これらは大型の機器からなり、特に高遠心加速時のバランスの維持をより適確に得る各種の方策が明示されている。
即ち、大型機器および多数の検体容器に対して100V電源を用いて一度に回転させることから、回転バランスを適切にとることは効率の上のみならず機器稼動上どうしても要求されるものであった。
これに対して、小規模の医療機関や出先等においては、この様な大型の機器は用いることはできず、例えば実登3073294号(特許文献4)の図3に示す簡易型血液遠心分離機や特開2001−229294号(特許文献5)の図4に示す血液遠心分離機が明示されている。
【0005】
更には、特開2004‐333219号(特許文献6)に示す遠心分離機が存在する。
これらは、乾電池などを用いることによって稼動すると共に小型であり、小規模の医療機関や出先等においても簡単に使用することができるものである。
【特許文献1】特開平10‐15436
【特許文献2】特開平11‐156243
【特許文献3】特開2001‐886
【特許文献4】実登3073294号
【特許文献5】特開2001−229294
【特許文献6】特開2004‐333219
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の様に、スピンダウンに関して前記8連チューブを2本セットでき、100ボルト電源を用いた小型遠心機が用いられてきたが、最近では病原微生物が猛威を揮い、遺伝子学的検査の需要は増加の一途をたどり、人や動物或いは植物等に関するバイオ関係分野での研究や医療機関での資料の前処理において大量処理を必要とすることとなり、このことより従来以上の本数を一度に簡単にスピンダウンすることが必要であった。
更に持ち運びに便利である点や出先での活用ができる点、或いは場所をとらず使い勝手が良い点などを考慮するとできる限り小型であることが望まれるものであり、これらに適合する何らかの遠心機が必要である。
【0007】
又、特開平10−15436号(特許文献1)に関しては、8連のチューブを用いることができる点で極めて有用であるが、このチューブを設置する平面部は平板状のものであり、この平板の端辺部に一連でチューブを設置するものであることから、少なくとも一辺が8連のチューブを連接した長さ以上の長さとなるものであり、例えば正方形状の各辺にそれぞれ8連チューブを設置し、計4つの8連チューブを有する平面部を用いたものの他、長方形の平面部に8連のチューブを二つ設置したものであっても、三角形状の8連のチューブを3つ設置したものであっても、これらの平面部の面積は大きいものであり、機器自体がどうしても巨大となってしまうものである。
従って、特に明示してはいないが、もとより100ボルト電源での可動が前提といわざるを得ず、更には電源の点と共にその大きさの点から持ち運びが不便であり、又その使用においても更なる小型の使い勝手のよい機器が望まれるものである。
【0008】
更には、本構成においては、遠心の際の回転効率の点から8連のチューブは垂線方向ではなく回転の際の遠心方向である外側方向に傾斜した状態で設置するものであり、傾斜設置の際のチューブの長さ方向の長さも更に必要となり、機器自体が小型化するには別途何らかの方法が必要であった。
次に、仮に血液等の検査用の遠心分離機を用いた場合にあっても、前記のごとく各種の遠心分離機が存在するが、まず特開平11‐156243号(特許文献2)に関しては、前述の通り、多数の検体容器を一度に装着して回転するものであって、ボールバランサを装着することによって円滑なる回転を確保するものである。
【0009】
従って、もとより機器自体は大型であり、研究機関等に予め配置するものであって、きわめて多量の検体容器を一度に遠心分離するものであることから、バランスの配置をきっちりと行うことが必然的に必要となるばかりでなく、多数料の検体容器を遠心分離可能とはするが、持ち運びなどはほとんどできず又高額となることが考えられる。
更に、特開2001‐886号(特許文献3)に関しては、マイクロプレートを用いるものであり、一般的に8本12列の計96本の検体容器を挿入した該マイクロプレートを計4箇所に挿入可能としたものである。
【0010】
従って、本構成においても大型の機器となり、持ち運びなどを行う機器としては使いにくいものである。
又、実登3073294号(特許文献4)に示す簡易型血液遠心分離機に関しては、小型であり、きわめて使い勝手が良いが、一度に遠心分離できる検体容器は4個までであり、かつ一つずつ円盤内に設置することが必要となるものであり、簡易型としてはきわめて有意義であるが、検査すべき検体容器が複数以上になった場合にはきわめて使い勝手が良くはないものである。
更に、特開2001−229294号(特許文献5)も、簡易型の血液遠心分離機であり、一の検体容器のみ設置可能とするものであり、個々人に配布して自己の採取した血液を一の容器に入れて遠心分離をするには足りるが、多数本の検体容器を用いて一度に遠心分離をする際には使うことのできない機器である。
【0011】
又、特開2004‐333219号(特許文献6)には、複数本の検体容器を一度に効率よくかつ試料を有効に入手可能な持ち運びのできる簡易型血液遠心分離機が開示されている。
本構成はきわめて使い勝手が良いが、一度に遠心分離できる本数は複数本までであり、多数本を一度に遠心分離することの必要な場合には、向いていないものである。
以上のように、多数本のチューブを一度に設置して遠心できる反面極めて小型であり、持ち運びや取り扱いなどが簡単にできる初期の目的を発揮するスピンダウン専用の遠心機の提供が望まれている。
更には、仮に、血液などの遠心分離機を用いてスピンダウンを行うと仮定した場合であっても、低廉でかつ小規模の診療所や出先において8連のマイクロチューブを有効に活用しうる多数本を一度に遠心分離可能な血液の遠心分離機であって、極めてコンパクトな、又、更には乾電池等でも可動可能な、何らかの小型の遠心分離機の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記各課題を見事に解決するものであり、係るために請求項1に係る発明は、少なくとも本体基体と、マイクロチューブを装着してスピンダウンのための回転を行う挿入体とを有する遠心分離機であって、該挿入体は、円筒形状の挿入体基体と、該挿入体基体から遠心方向に突出した複数の連結壁部と連結壁部の他端辺部に連接した外周壁部とにより挿入体基体から遠心方向に突出形成した複数の横断面略T字状に構成し、一の断面略T字状の連結壁部と外周壁部は、両隣のそれぞれの断面略T字状の連結壁部と外周壁部との間において、マイクロチューブを挿入可能な挿入部を構成し、該挿入部にマイクロチューブの連結帯部を挿入して、挿入体を回転することにより、マイクロチューブ内の試料のスピンダウンを行う遠心分離機よりなり、係る発明によって前記課題を解決できるものである。
【0013】
或いは、請求項2に係る発明の様に、該複数の連結壁部は、少なくとも8ケ所突出形成するものであり、該連結壁部間に形成したマイクロチューブを挿入する挿入部を8ケ所有する遠心分離機を用いても多数本の設置を可能とする。
更に、請求項3に係る発明の様にマイクロチューブが連結帯部により連結した8連のマイクロチューブであり、該挿入部に8連のマイクロチューブの連結帯部を挿入することによってマイクロチューブを立てて装着することにより小型化を実現できた遠心分離機を用いることにより、小型の機器ながら64本のマイクロチューブを一度にバランスよくスピンダウンできることとなる。
【0014】
これらの場合、請求項4に係る発明の様に、連結帯部に代えてマイクロチューブの鍔部又は係止部を挿入部に挿入して装着する遠心分離機を用いてもよい。
更に、請求項5に係る発明の様に、回転と停止とを電源スイッチによって制御し、電源として持ち運び可能な乾電池又は小型のバッテリーを用いた遠心分離機を使用することによって持ち運びの便宜を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
まず、請求項1に係る発明により極めて多数本のマイクロチューブを円筒形状の挿入基体の半径とマイクロチューブの長さ程度を半径とする極めて幅の狭い範囲内での遠心回転を可能とするものであり、小型の遠心機によって一度に大量のマイクロチューブのスピンダウンを可能とする。
特に遺伝子学的検査の前処理用のスピンダウンを効率よく行うことができるものである。
更に、遠心操作によって上澄み採取や沈殿物採取或いは試料成分の比重差を利用した成分毎の分離などのためにも用いることもできる。
【0016】
更に、マイクロチューブを装着する該挿入体は、円筒形状の挿入体基体と該挿入体基体から遠心方向に突出した複数の連結壁部と連結壁部の他端辺部に連接した外周壁部とにより挿入体基体から遠心方向に突出形成した複数の横断面略T字状に構成し、一の断面略T字状の連結壁部と外周壁部は両隣のそれぞれの断面略T字状の連結壁部と外周壁部との間においてマイクロチューブを挿入可能な挿入部を構成するものであり、両隣の略T字状の連結壁部と外周壁部との間に囲まれた挿入部にマイクロチューブの連結帯部が挿入してマイクロチューブの底部は遠心方向に位置することとなる。
【0017】
従って、8連のチューブといえども配設時には縦方向への配設となり、横方向に不要な幅を取る必要がなくなる。
従って、8連のチューブといえども極めて小型の遠心分離機で足りるものである。
更に、円筒形状の挿入体基体の外周方向に8つの8連チューブを配設可能とするものであって、これらは全て回転半径内に位置するものとなり、極めて多数のマイクロチューブを最もコンパクトにかつ効率よく回転させることのできる極めて小型の遠心分離機を提供できるものである。
【0018】
又、請求項2に係る発明によればマイクロチューブを8列配設できるものであり、更に、請求項3に係る発明によれば、8連のマイクロチューブを用いることができ、これらによって遺伝子学的検査における前処理としてのスピンダウンに際して、一度に大量のチューブをスピンダウンすることができることとなる。
請求項4に係る発明によれば、マイクロチューブの連結帯部だけではなく、鍔部や係止部により挿入部への装着を行うものでもよく、さまざまな形態のチューブに対応することができることとなる。
請求項5に係る発明によれば、小型で持ち運びやすく極めて使い勝手の良い遠心分離機を提供できることとなり、近くに電源のない場所等でも十分に使用できることとなり不要な配線などをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明に係る遠心分離機の一例を示す図であり、略円柱形の本体基部10には蓋体2を被せることができるようになっており、8連のマイクロチューブ3を嵌入して定位置で設置可能な挿入体12を有している。
即ち、遠心分離機本体1の上部に円筒形状の挿入体基体11を有しており、この基体が円筒形状の中心軸心を軸心としてモータ等で遠心回転するものである。
この挿入体基体11には更にマイクロチューブ3を配設可能な挿入部Aを有する挿入体12を有している。
【0020】
該挿入体12は、円筒形状の基体11から遠心方向である外部方向に突出した連結壁部120を8箇所該基体11の外周面に均一な間隔をおいて突出形成しており、該連結壁部120の他端辺部には外周壁部121を有しており、他端辺部の両側方向に突出して形成した外周壁部121がそれぞれの連結壁部120に連接している。
従って、略円筒形の基体11から該側面方向に均一の間隔をおいて横断面略T字状の計8箇所の連結壁部120と外周壁部121とからなる挿入体12を有している。
【0021】
この一の断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121は、両隣のそれぞれの断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121との間において、8連チューブ3の連結帯部31を挿入可能な挿入部Aを構成することとなる。
従って、計8箇所の断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121から構成されたそれぞれの間である8箇所の挿入経路を形成することによって挿入部Aを構成し、該箇所にそれぞれ8連のマイクロチューブ3を立てて挿入することによって定位置で装着することとなる。
【0022】
8連のマイクロチューブ3はその連接されている連結帯部31を、該円筒形状の基体11と挿入部Aの両側のそれぞれの断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121との間に上下方向に挿入することによって、配設できるものである。
従って、円筒形状の基体11からは遠心方向にチューブの長さ分だけ外側に突出することとなる。
この場合円筒形状の基体11の外周面から円周方向にそれぞれマイクロチューブ3が配設されることから、該基体11から遠心方向にチューブ3の長さ分だけの広さ確保することによって該基体11の軸心による遠心回転を可能とするものである。
【0023】
図2は、図1に示す遠心分離機の挿入体12の挿入部Aのそれぞれに8つの8連のマイクロチューブ3を挿入している状態を示す図である。
本図に示すように、8連のマイクロチューブ3は挿入位置において連結帯部31が挿入して定位置で装着されることとなり、更に該挿入体12が略円筒形状の軸心部分11を軸として回転することにより、装着されたマイクロチューブ3も回転することとなり、マイクロチューブの底方向に対して遠心力が働いて試料等をチューブ底部30へ定置させることができ、所謂スピンダウンを可能とするものである。
【0024】
本図に示す本体基部10の側面に構成されているものがスイッチ13であり、基部10内には乾電池及び小型のモータ類を有しており、スイッチ13により乾電池の電源を用いて小型モータが可動し挿入体を軸回転されるものであり、該回転によって挿入体に装着したマイクロチューブ3を遠心回転させることができる。
尚、モータや乾電池及び挿入体12の回転に関しては、一般的な回路を用いて駆動させればよく、本図には明示しない。
少なくとも、回転と停止とをスイッチ13によって制御し、電源として持ち運び可能な乾電池や小型のバッテリー類を用いるものであればよい。
【0025】
更に、本図などにおいては、計8箇所の断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121から構成されたそれぞれの間である8箇所の挿入経路を形成することによる8箇所の挿入部Aを構成しているものであり、この8箇所に8連のチューブ3をそれぞれ装着可能であるが、必ずしも毎回8連チューブを8個装着しなくとも、必要に応じて任意の個数装着するものであってもよい。
即ち8連のマイクロチューブ3を例えば4つのみ装着するものであっても、或いは1乃至8の中の任意の個数装着するものであってもよい。
任意の個数の場合には、遠心回転に際してのバランスをとるようにバランスよく配置することが回転効率を上げられることからより望ましいものである。
【0026】
又、本説明においては、8連のマイクロチューブ3を装着することが前提で明示しているが、8連のものに限らず、他の数のマイクロチューブを連接した連接マイクロチューブであってもよく、更には単に一のマイクロチューブのみを用いるものであってももちろんよい。
但し、挿入部Aに装着可能な連結帯部31、又はこれに類する連結帯部状の鍔部等があれば、挿入部Aへの装着がより確実に行えることから、連結帯部31あるいはこれに類する連結帯部状のものがあればよい。
或いは、何らかの係止部があるものを用いてもよい。
【0027】
図3は、図2に示す8連のマイクロチューブ3の一例を示す図であり、該マイクロチューブ3を連結帯部31で連結する多用されているマイクロチューブの一例を示す。
この様なマイクロチューブ3は連結帯部31が一定の幅を有しているものであり、該幅部分が挿入部Aに挿入することとなり、連結壁部120と外周壁部121によってそれぞれ回転方向及び遠心方向への移動が抑えられて定位置で固定されることとなり、遠心分離を可能とするものである。
尚、本発明に用いるマイクロチューブ3は例えば容量が0.2ml用の8連マイクロチューブが最適である。
或いは、例えば径が6ミリ程度以下で全長が24ミリ程度以下のものがコンパクトにまとまり最適であるが、この大きさに限定されるものではない。
【0028】
又、もし8連チューブを単位に切り離した場合であっても連結帯部31が残余することから、挿入部Aに挿入してスピンダウンを行うことができる。
図4は、挿入部Aに8連のマイクロチューブ3が装着した状態の一部拡大断面図である。
本図に示すように挿入部Aの8箇所の挿入経路にそれぞれマイクロチューブ3の連結帯部31が挿入し、連結壁部120と外周壁部121内に連結帯部31が位置し、軸回転によっても、連結帯部31が連結壁部120と外周壁部121によって引っかかり回転方向や遠心方向にはずれることなく、適切に遠心分離を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る遠心分離機の一例を示す図
【図2】図1に示す遠心分離機の挿入部にマイクロチューブを装着した状態を示す図
【図3】8連のマイクロチューブの一例を示す図
【図4】挿入部に8連のマイクロチューブを装着した一例の一部拡大断面図
【符号の説明】
【0030】
1、遠心分離機
10、本体基部
11、挿入体基体
12、挿入体
120、連結壁部
121、外周壁部
13、スイッチ
2、蓋体
3、マイクロチューブ
30、底部
31、連結帯部
32、蓋部
A、挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも本体基体10と、マイクロチューブを装着してスピンダウンのための回転を行う挿入体12とを有する遠心分離機であって、
該挿入体12は、円筒形状の挿入体基体11と、該挿入体基体11から遠心方向に突出した複数の連結壁部120と連結壁部120の他端辺部に連接した外周壁部121とにより挿入体基体11から遠心方向に突出形成した複数の横断面略T字状に構成し、
一の断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121は、両隣のそれぞれの断面略T字状の連結壁部120と外周壁部121との間において、マイクロチューブを挿入可能な挿入部Aを構成し、
該挿入部Aにマイクロチューブの連結帯部31を挿入して、挿入体12を回転することにより、マイクロチューブ内の試料のスピンダウンを行うことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
該複数の連結壁部120は、少なくとも8ケ所突出形成するものであり、該連結壁部120間に形成したマイクロチューブを挿入する挿入部Aを8ケ所有することを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
マイクロチューブが連結帯部31により連結した8連のマイクロチューブ3であり、該挿入部Aに8連のマイクロチューブ3の連結帯部31を挿入することによってマイクロチューブ3を装着することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項4】
連結帯部31に代えてマイクロチューブの鍔部又は係止部を挿入部Aに挿入して、装着するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項5】
回転と停止とを電源スイッチ13によって制御し、電源として持ち運び可能な乾電池又は小型のバッテリーを用いたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遠心分離機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−296456(P2007−296456A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125819(P2006−125819)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(502251016)
【出願人】(392018805)株式会社サガミ (2)
【Fターム(参考)】