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遠方監視制御システム
説明

遠方監視制御システム

【課題】遠方監視制御システムにおいて、通信費用を低減し、データの応答性を確保する。
【解決手段】親局装置1から定周期呼出で子局装置2へ回線接続する際に、所定時間(事前接続時間)内に接続した子局装置2の回線接続を実施しない。該当子局装置2は、定周期呼出されない場合、親局装置1へ前回送信した送信済データと現在の最新データを比較し、著しく変化しているデータがある時に、該当子局装置2より親局装置1へ自動発信する。これにより、データの応答性を確保すると共に不要な接続を回避し、通信費用を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠方に点在する監視制御対象機器の監視制御を行う遠方監視制御システムに関し、特に非常時接続通信回線で接続される通信制御方式に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遠方監視の通信制御システムは監視制御を行う親局装置と、監視制御対象機器が接続される子局装置とを専用回線等により接続し、1:1接続方式で常時接続する情報通信を行う方式であった。
【0003】
一方、専用回線による常時接続の必要がない農業用水等の監視制御の場合、子局装置にデータを蓄積する。これにより、公衆回線等の非常時回線で接続し、1日に数回もしくは1回/時間程度(以下「定周期」とする)接続し、定周期により監視データを収集し、対象機器の監視制御を実施する方式を用いていた。非常時回線はDoPa回線等のパケット通信や公衆電話回線を利用した非常時接続通信回線(データ通信必要時に回線接続する方式、以下、「非常時接続方式」)と称する)で接続される。
【0004】
この非常時接続方式の経済的な運用方法として、特許文献1の記載がある。特許文献1では、遠方に点在する子局装置について、市外局番に位置する複数の子局装置のデータを一旦中継局に収集し、親局装置から中継局に接続して複数子局の監視データを収集することにより、市外局番通話を軽減している。ここで監視データとは監視制御対象機器の故障信号や状態信号(たとえばポンプ運転や停止)または計測データ(たとえばポンプ水位)である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−333674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非常時接続方式において、親局装置から子局装置へ回線接続する場合、(1)定周期で監視制御対象機器の監視データを収集する、(2)監視制御対象機器を制御する二種類がある。(1)の場合、親局装置の内部時刻もしくは監視制御端末からの呼出しにより実施する。(2)の場合、監視制御端末により必要に応じて対象子局機器と接続し、監視制御対象機器を制御する。
【0007】
一方、監視制御対象機器の故障信号等は直ちに親局に報告する必要がある。このため、(3)子局装置から親局装置へ接続する自動発信がある。しかし、多くの場合、自動発信後の定周期呼出を実施しても監視制御機器の監視データには大した変化が無く、無駄な接続となることが多い。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、この無駄な接続回数を減らして、より通信費用を低減できる遠方監視制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、データ通信の必要時に非常時接続通信回線方式で接続される親局装置と1以上の子局装置とを含む遠方監視制御システムであって、前記親局装置が、接続する全ての子局装置で監視制御している監視制御対象機器群の監視データを定周期で収集する際に、前回周期と今回周期の間の所定時間内に回線接続した子局装置に対しては、定周期収集による回線接続を回避する手段を設けることを特徴とする。
【0010】
前記親局装置が定周期収集による回線接続を回避された子局装置は、当該子局装置における監視制御対象機器の監視データの前回値と最新値を比較し著しい変化のある場合に、前記親局装置に自動発信し、前記監視制御対象機器の監視データを全て前記親局装置に報告する手段を設けることを特徴とする。
【0011】
親局装置は、全ての子局装置で監視制御している監視制御対象機器群の監視データを定周期で収集する際に、各子局装置との回線接続の実施有無を管理するための子局定周期呼出管理テーブルと、今回周期前の所定時間内に回線接続の有無を調べ、回線接続のある子局装置に対しては今回周期の回線接続を否と判定する親局データ編集処理部を備えることを特徴とする。
【0012】
子局装置は、監視制御している監視制御対象機器群の監視データについて、前記親局装置への報告済みデータを管理する送信済データテーブル、現在の最新入力データを管理する最新データテーブルを備え、前記親局装置による定周期収集が実施されなかった場合に、前記送信済データテーブルおよび前記最新データテーブルの監視データを比較し、その偏差が閾値を超えて変化している場合は、当該子局装置から当該監視データを前記親局装置へ自動発信することを特徴とする。
【0013】
また、前記子局装置は、前記送信済データテーブルと前記最新データテーブルの監視データを比較する際に、予め前記閾値を機器毎に登録するための偏差定数テーブルを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、親局装置と子局装置の無駄な接続回数を減らして通信費用を低減しつつ、データの応答性を確保する遠方監視制御システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は一実施例による遠方監視制御システムの構成を示す。親局装置1と、1以上の子局装置2とを通信回線網3を経由して必要時に回線接続し、データ通信する構成である。複数の子局装置2はそれぞれ1以上の監視制御対象機器5を監視制御する。親局装置1はこれら監視制御対象機器5からのデータを収集し、監視制御端末4へ報告する。
【0016】
親局装置1は通信回線網3にアクセスするための伝送制御部11、子局装置2から収集した監視制御対象機器5のデータを保持する記憶部12、子局装置2や監視制御端末4とのデータ授受するための記憶部12のデータを加工する親局データ編集処理部10等から構成される。
【0017】
子局装置2は通信回線網3にアクセスするための伝送制御部20、1以上の監視制御対象機器5にアクセスするための入出力処理部22、それらのデータを保持する記憶部23、およびデータを加工するための子局データ編集処理部21等から構成される。
【0018】
親局装置1は監視制御端末4からの機器5に対する制御要求、もしくはデータ収集要求により子局装置2に回線接続し、機器5に対する制御を実施したり、監視制御対象機器群6のデータ収集をする。さらに親局装置1は接続する全子局装置2の監視制御対象機器群6のデータを収集するために定周期で全子局装置2に接続する。
【0019】
これとは別に、子局装置2に接続される機器5の故障等を瞬時に親局装置1に報告するために、子局装置2からの自動発信により、該当子局装置2内の監視制御対象機器群6のデータを親局装置1に送信する。
【0020】
親局装置1が子局装置2に対し定周期で全データを収集する時、前回周期から今回周期の間に自動発信などにより接続している子局装置2は、今回周期で再接続しても該当子局装置2の監視制御対象機器群6のデータには大した変化のないことが多い。そこで、親局装置1の記憶部12に子局定周期呼出管理テーブル13を設ける。そして、定周期呼出しの所定時間前に親局装置1からの呼出しを実施した子局装置2、もしくは子局装置2からの自動発信による接続を実施した子局装置2に対して、子局定周期呼出管理テーブル13の該当子局番号の送信要否欄に「否」を登録する。ここで、定周期呼出の所定時間前に接続する「所定時間」とは前回周期から今回周期の間であって、より今回周期に近い時間帯である。実際には子局装置毎、もしくはシステムにより運用が異なるので、子局定周期呼出管理テーブル13に事前接続時間の範囲(定数)を登録する。
【0021】
図2に定周期呼出管理処理のフローを示す。この処理は監視制御端末4からの制御実施または自動発信による子局装置2の通信終了時に起動する。以下では子局による自動発信を例にして説明する。該当子局の自動発信が行われると、まず、該当子局の事前接続時間を子局周期呼出管理テーブル13より参照する(S101)。そして、該当子局の自動発信が事前接続時間内か、その諾否を判定する(S102)。諾(Yes)であれば、子局定時呼出管理テーブル13の該当定周期呼出の送信要否に「否」をセットする(S103)。子局の自動発信が事前接続時間外(No)であればそのまま終了する。
【0022】
図3に子局周期呼出管理テーブルのデータ構成を示す。あらかじめ、各子局装置の子局番ごとに事前接続時間が設定されている。定周期呼出欄には、定周期呼出管理処理によって、送信要否(否0、要1)が設定される。
【0023】
次に、親局の定周期呼出処理を説明する。親局装置1の定周期呼出し時、子局定周期呼出管理テーブル13を参照しながら、送信「要」の子局装置2のみ呼出しを実施する。図4は親局装置と子局装置の接続を示すタイムチャートである。T1、T2、T3は定周期呼出タイミングを示し、定周期呼出タイミング(T2)の前に子局装置[1]と子局装置[2]で故障等による自動発信が実施されている。子局装置[1]の自動発信(C1)は周期呼出の事前接続時間(図4における塗り潰しの期間)より以前に発生し、子局装置[2]の自動発信(C2)は事前接続時間内に発生したとする。この場合、定周期呼出タイミング(T2)では、子局装置[2](P22)を除く、子局装置[1](P21)から子局装置[N](P2N)の全ての子局装置へ定周期呼出を実施する。
【0024】
図5に定周期呼出処理フローを示す。親局装置は定周期で処理を実行する。はじめに、子局番カウンタ=1から開始し(S201)、該当子局の送信要否を子局周期呼出管理テーブルから読み出す(S202)。次に、該当子局の呼出が必要か判定し(S203)、要であれば該当子局呼出処理を行い(S204)、否であれば何もしない。次に、全子局分呼出終了かを判定し(S205)、否であれば子局番カウンタを+1してS202の処理に戻る。
【0025】
親局装置1の定周期呼出処理で呼出されなかった子局装置2において、接続される監視制御対象機器群6の内で、著しくデータ変化のあった情報に関しては、親局装置1に報告する必要がある。そのため、子局装置2の記憶部23に定周期送信管理テーブル24、送信済データテーブル25、最新データテーブル26を設ける。また、監視制御対象機器のデータ変化量は機器毎、もしくはシステムにより運用が異なるため、その偏差量(閾値)を予め登録する偏差定数テーブル27を設ける。
【0026】
図4のタイムチャートで、親局装置1の定周期呼出し時に呼出されなかった子局装置2において、該当監視制御対象機器群6の内で、著しくデータ変化のあった子局装置2が自動発信を実施する例を示す。定周期呼出しタイミング(T3)の事前接続時間内に故障等による自動発信が子局装置[1](C3)で発生した場合である。定周期呼出しタイミング(T3)では子局装置[1]への定周期呼出しは実施されない(P31)。しかし、子局装置[1]では、装置内部の時刻により、親局装置1より定周期呼出タイミングになっても親局装置1より呼出しがない場合、定周期送信処理(後述)を実施し、データに著しい変化がある場合は親局装置1へ自動発信を実施する(C4)。
【0027】
図6に定周期送信処理のフローを示す。定周期送信処理は親局装置による定周期呼出が行われない場合に、子局により実行される(S301)。まず、機器番カウンタに1をセット(S302)し、機器番に該当する送信済みデータを送信済データテーブル25、最新データを最新データテーブル26及び偏差乗数テーブル27をそれぞれ参照する(S303−S305)。そして、送信済みデータと最新データを比較し、その差分が該当機器の偏差定数を上回っているか判定する(S306)。
【0028】
図7は送信済みデータテーブル、最新データテーブル、偏差定数テーブル及び定周期送信管理テーブルのデータ構成を示す。子局データ編集処理部21は定時呼出が送信否の場合に、該当機器の送信済み機器Mデータ28と最新機器Mデータ29を比較し、その偏差が該当機器の偏差定数である機器M定数値30より大きいか判定する。判定の結果、偏差定数テーブル27の機器M偏差定数30より変化量が大きい場合は、定周期送信管理テーブル24の送信要否に「要」をセットする(S309)。
【0029】
一方、比較した結果、データがそれ程変化していない場合は、全機器分比較したかチェックする(S307)。全機器分終了していない場合は機器番カウンタをインクリメント(S308)し、機器番カウンタに該当する送信済データテーブル25、最新データテーブル26、および偏差定数テーブル27を参照し、比較することを繰り返す。
【0030】
最後に定周期送信管理テーブル24の送信要否を参照し(S310)、送信「要」(Yes)の時、子局データ送信処理を実施(S311)し、子局装置2内の監視制御対象機器群6データを全て親局装置1に報告して終了する。定周期送信管理テーブル24の送信要否を参照した結果、送信「否」(No)時はそのまま終了する。
【0031】
以上の本実施形態は農業用水等の監視制御システムのように、親局装置1と子局装置2が常時接続する必要がなく、必要な時に回線接続して監視制御する場合に好適である。この他に上下水分野等でも、常時監視制御する必要性のない水質管理等へ適用が可能である。これにより、回線接続費用を低減し、かつデータの応答性も確保するシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例による遠方監視制御システム全体構成図。
【図2】一実施例による親局装置の定周期呼出管理処理を示すフロー図。
【図3】親局装置で使用する子局定周期呼出管理テーブルのデータ構成図。
【図4】親局装置及び子局装置の定周期呼出し、自動発信に関するタイムチャート。
【図5】一実施例による親局装置の定周期呼出処理を示すフロー図。
【図6】一実施例による子局装置の自動送信処理を示すフロー図。
【図7】子局装置で使用するデータ構成図。
【符号の説明】
【0033】
1…親局装置、2…子局装置、3…通信回線網、4…監視制御端末、5…監視制御対象機器、6…監視制御対象機器群、10…親局データ編集処理部、11…伝送制御部(親局)、12…記憶部(親局)、13…子局定周期呼出管理テーブル、20…伝送制御部(子局)、21…子局データ編集部、22…入出力処理部、23…記憶部(子局)、24…定周期送信管理テーブル、25…送信済データテーブル、26…最新データテーブル、27…偏差定数テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信の必要時に非常時接続通信回線方式で接続される親局装置と、監視制御対象機器を監視制御する1以上の子局装置とを含む遠方監視制御システムであって、
前記親局装置が、接続する全ての子局装置で監視制御している監視制御対象機器群の監視データを定周期で収集する際に、前回周期と今回周期の間の所定時間内に回線接続した子局装置に対しては、定周期収集による回線接続を回避する手段を設けることを特徴とする遠方監視制御システム。
【請求項2】
請求項1において、前記親局装置が定周期収集による回線接続を回避された子局装置は、当該子局装置における監視制御対象機器の監視データの前回値と今回値を比較し著しい変化のある場合に、前記親局装置に自動発信し、前記機器の監視データを全て前記親局装置に報告する手段を設けることを特徴とする遠方監視制御システム。
【請求項3】
データ通信の必要時に非常時接続通信回線方式で接続される親局装置と1以上の子局装置とを含む遠方監視制御システムに用いられる親局装置であって、
全ての子局装置で監視制御している監視制御対象機器群の監視データを定周期で収集する際に、各子局装置との回線接続の実施有無を管理するための子局定周期呼出管理テーブルと、今回周期前の所定時間内に回線接続の有無を調べ、回線接続のある子局装置に対しては今回周期の回線接続を否と判定する親局データ編集処理部を備えることを特徴とする親局装置。
【請求項4】
データ通信の必要時に非常時接続通信回線方式で接続される親局装置と1以上の子局装置とを含む遠方監視制御システムに用いられる子局装置であって、
子局装置が監視制御している監視制御対象機器群の監視データについて、前記親局装置への報告済みデータを管理する送信済データテーブル、現在の最新入力データを管理する最新データテーブルを備え、
前記親局装置による定周期収集が実施されなかった場合に、前記送信済データテーブルおよび前記最新データテーブルの監視データを比較し、その偏差が閾値を超えて変化している場合は、当該子局装置から当該監視データを前記親局装置へ自動発信することを特徴とする子局装置。
【請求項5】
請求項4において、前記送信済データテーブルと前記最新データテーブルの監視データを比較する際に、予め前記閾値を機器毎に登録するための偏差定数テーブルを備えることを特徴とする子局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−226529(P2007−226529A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46724(P2006−46724)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】