説明

遠赤外線放射物質の利用方法

【課題】生物体に有効な遠赤外線を人体、他の動物に対し最も有効に作用させるため、人体及び動物に対し有害な重金属や放射能を有する物質を含まず、遠赤外線を放射する物質を、経口にて消化器へ至らしめ、消化器官内において消化器官細胞へ遠赤外線を当て、免疫力を高めることを目的とした、健康増進効果のよい遠赤外線放射物質の新しい利用方法を提示すること。
【解決手段】遠赤外線放射機能を有し、人体の消化器官で消化、吸収されない物質の微細粉を、顆粒、錠剤、カプセルに詰め、あるいは乳酸菌飲料、お茶を含む清涼飲料水、飲料水に懸濁させ、又は加工食品に混入介在させ、経口飲用、食用することにより消化管を通過させることにより、消化器官通過時に消化器細胞に遠赤外線を放射せしめ、健康増進の一助とさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、健康増進を目的として利用される遠赤外線放射物質の利用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠赤外線の内で、波長8〜14μmの遠赤外線は育成光線と呼ばれ、水分子に対してその分子振動を活発にし、水分子を活性化し得る性質を有しており、育成光線を生命体に照射することにより、細胞内の水分を共振させ体内熱反応を起こし、副作用を与えることなく健康を増進させる効果があることが知られている。
【0003】
従来、実用に供される遠赤外線放射物質の一例を[特許文献1]、[特許文献2]に示し、その利用例を[特許文献2]〜[特許文献5]に示すが、その他の利用例としては伝統的なサウナ・岩盤浴、電気を用いて遠赤外線物質を高温に熱して用いる暖房器具等がある。
【特許文献1】特開 昭64−69564
【特許文献2】特開2002−38370
【特許文献3】登録実用新案第3059595号
【特許文献4】登録実用新案第3076215号
【特許文献5】特開2008−142491
【非特許文献1】長崎県窯業技術センター研究報告(平成20年度)「無機材料の遠赤外線放射特性と応用製品に関する研究」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
身体の外表面である皮膚へ遠赤外線を当てて身体を温め、間接的に免疫力を高め健康増進を図る従来の利用方法も[非特許文献1]で示されているように、身体へ期待するほどの温熱が伝わっていないことがわかり、併せて、「地球上の生物である動、植物に対し副作用を与えず活性を向上させる」という育生光線が元来持つ特性が十分生かされているとはいえず、遠赤外線を皮膚へ当てる方法に代わる利用方法を工夫する必要があった。
【問題を解決するための手段】
【0005】
放射能を有する物質や、重金属等身体に害毒を及ぼす物質を含まず、育成光線域の遠赤外線を放射する物質を微細粒化したものを、飲料水に懸濁させ又は食物とともに飲食し消化器官を通過させ、通過中に消化器官細胞に間近より直接育成光線を当てることにより、育生光線が持つ特性により消化器官細胞を活性化する。
【発明の効果】
【0006】
従来の遠赤外線利用方法は身体を温め、間接的に免疫力を高め健康増進を図ることであったが、[非特許文献1]に示されるように身体の温まる範囲が限定されることがわかってきた。免疫力に大きく影響を与える器官に小腸があり、小腸の細胞へ直接遠赤外線を当てれば免疫力向上に効果があると考えられるが、遠赤外線の性質として水分子に吸収されやすく、1mmの水の層があればほとんど吸収されてしまうため、小腸へ遠赤外線放射物質を送り込んでも放射される遠赤外線は、小腸内にみたされている水を主成分とする消化液および消化された栄養分に吸収され、小腸の表面細胞・絨毛へ届かないと考えられていた。
【0007】
併せ、経口摂取する食品は小腸において栄養として消化吸収される有機物またはミネラルが普通で、身体にとっての栄養素となる食物であることが常識であり、身体に無害であり遠赤外線を放つ機能物質でありながら、土の成分に似て消化吸収されずそのまま体外へ排出される遠赤外線放射物質を飲食する試みは、このような無機物を摂取しない慣習とあいまって従来は行われていなかった。
【0008】
ある養鶏業者が、飼育している鶏卵鶏の一群の数千羽の飼料に試験的にセラミックスの粉末を微量混入して与え他群と比較したところ、平均死亡率が半減し産卵した卵の等級が向上した事実を確認する機会があり、併せて猫特有の呼吸器の感染症に罹患し鼻水をたらした複数の猫へ、同じセラミックス粉末を水に混濁させ、微細粒が浮遊する上澄みを暫く飲用させ続けたところ、猫達が本症を快癒させた例に遭遇した。この猫の感染症は治りにくく、以前自宅へ通って来ていた野良猫が同じ感染症にかかり鼻水をたらして衰弱する様を見て知っていたため、鶏に対する効果についてはミネラル分を投与によるものとの感があったが、猫達の鼻水をたらしていた症状が解消し、元気を回復した不思議な現象に対する印象は強烈であった。
【0009】
その後、遠赤外線について知る機会があり、8〜14μm域の遠赤外線が生物活性を向上させる効果を持ち育生光線と呼ばれ、あわせて多くのセラミックスと呼ばれる物質が育生光線の波長域の遠赤外線を放射する能力を有することを知り、鶏と猫に起った現象は遠赤外線放射機能を有したセラミックスが動物の体内に取込まれ、その体内で育成光線を発することにより、その動物に対する遠赤外線の生物活性向上効果が際立って現れたケースではないかということに思い至った。
【0010】
前述のように、遠赤外線は水に吸収される性質があり、遠赤外線放射物質であるセラミックスの微細粒を経口で水あるいは食物とともに体内へ取込み、胃から小腸へと消化器官を通過させたとしても、遠赤外線放射物質が体温と同等に温められて放射する育生光線は周囲の水分に吸収されてしまい、消化器官の表面細胞には到達しないと理屈の上で知られており、併せて人の社会では土を体内に取込んで利用する文化がほとんどなく、毒にも薬にもならない土を口に含めば食感を損なうことを経験的に知っているため、セラミックスをあえて食する試みはなされていなかった。
【0011】
ところが、そのような知識を持たない鶏や猫がセラミックスを食して元気になった現象は、遠赤外線放射物質の新たな利用方法を提供してくれた。
【0012】
人にとって免疫に大きな影響をもつ消化器官である小腸は、食物の栄養分を消化吸収するための繊毛と呼ばれる組織が表面を覆っており、小腸の表面積は約200平米、テニスコート1面程度の広さを持つことが知られている。鶏や猫は人より体が小さいため人にはおよばぬものの、その動物の器官としては広い面積を有しており、消化吸収のシステムは人と似ていると考えられる。
【0013】
栄養素を有する食物と一緒に小腸を通過するセラミックスの微細粒は、食物が消化され吸収されるのに対し変化せず、体温に応じて遠赤外線である育生光線を放射し続けるが、周囲の水を主成分とする消化物がその育生光線を吸収する状態では、小腸の内面の細胞がその光線を受光するケースはセラミックスの微細粒が絨毛や表面細胞に接触した場合である。小腸は広い面積を有しており、セラミックスの微細粒が一定量存在すれば小腸の表面細胞と接触すると考えられる。
【0014】
また、小腸の絨毛が液状の消化物を吸収する場合に、絨毛周囲の消化液が絨毛に濾し取られ、消化されないセラミックスの微細粒が澱となって絨毛に付着しながら下流側へ移動して行くことも想定され、小腸の表面ではセラミックス微細粒と絨毛との間でこのような接触も実際に生じていると考えられる。
【0015】
小腸内では、セラミックス微細粒と絨毛を含む小腸の表面細胞との接触が生じても、セラミックス微細粒と表面細胞との間には僅かではあるが水が介在するため、セラミックスから放射される育成光線が全て接触する表面細胞へ届くわけではなく、遠赤外線放射物質であるセラミックスから放射された育成光線は水の膜厚に応じて吸収され、細胞へ届く量はかなり減少すると考えられるが、小腸は広い表面積を持っており、小腸の多くの表面細胞が育成光線を浴び活性化した結果が、鶏や猫が免疫力を高め元気になった現象に至ったものと考えられ、遠赤外線放射物質を人が経口して摂った場合でも同様の効果が期待できる。
【0016】
本発明なる遠赤外線放射物質の利用法は、消化吸収されない遠赤外線放射物質を経口にて体内へ取込み、消化器官を通過させ最終的には体外へ排出するものであるから、放射能を有する物質や重金属等、身体へ害を及ぼす毒性物質を含有しない安全な遠赤外線放射物質として、セラミックスのような物質を用いることになるが、そのような物質は意外にも身近に存在しており、私達が存在し生活している大地の土の成分から有機物や毒成分である重金属等を除いた無機物が、ほぼ該当することがわかった。
【0017】
便利で清潔さを求める現代社会では、土が経口で体内に入る機会はほとんどないが、かって土が地表の大部分を占めていた時代には、土ぼこりを吸込み、吸込んだ土が肺で痰になりそれを嚥下する等により、自然の営みのなかで土が遠赤外線放射物質として体内へ持込まれ、消化器官内、特に小腸において放射する育成光線が細胞に作用し、免疫機構を維持する上で大きく寄与していたのではないだろうか。
【0018】
地上で飼育する鶏は身体も強く、卵の質も良いことが知られており、その元気さの原因の一つが、地上での採餌時に土を同時に摂ることによるものと考えられる。
【0019】
近年、各種のアレルギー症や花粉症という症状が多く見られるようになった。このような症状は身体の免疫機構が関係していると考えられており、身体の免疫抗体機能に関しては小腸が大きく関与していることが知られ、本遠赤外線放射物質の利用方法は特に小腸の働きを向上させ活性化するため、このような症状を緩和する効果が期待できる。
【0020】
本発明の目的は遠赤外線の効果を利用して生物の免疫力を高めることであり、人間社会における人々の健康度合いを向上させ、病気を発症して苦しむ割合が低下するとともに、個人、社会全体双方の医療費の低減という経済的な効果も期待できる。
【0021】
また本発明は他の動物、家畜の飼料や養殖魚の飼料へ混入して与えることにより、同様の生物活性向上効果をもたらすことができる。
【0022】
植物においても、動物の消化器官に該当する水、栄養吸収する根部へ細胞へ付着するような形で育成光線放射する物質を与えれば、活性が向上し動物同様に成長度合いがよくなる等の効果が期待できる。
【0023】
本発明の実施形態として、遠赤外線利用法の一つとしてビンに飲料水とともに遠赤外線放射物質の微細粒を同封する例を示すが、同封した遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線が水分子に吸収され、遠赤外線を吸収した水分子は振動が活発になりクラスターが切断され水分子が小さくなり、体に吸収しやすい水になるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本方法による遠赤外線利用効果を得るためには、長期にわたり微量の遠赤外線放射物質をとり続けるため、摂取する遠赤外線物質は食物同様の安全性がまず要求され、放射能を有する物質ならびに毒性物質を含まない物質を用い、口に含んだ場合ざらつき感を感じない程度に微細化したものを、飲料水と混合して混濁状態で飲用する。
【0025】
あらかじめ微細化粒度を整えた遠赤外線放射物質を飲料水と一緒にビン詰めしたものが利用に便利であるが、その場合は長時間にわたり静置すると遠赤外線物質は底部に沈殿するため、飲用に際してはビンを振蕩させ沈殿した遠赤外線放射物質の微細粒を混濁状態にして飲用する。
【0026】
遠赤外線物質を混濁させた飲料水を練り物、パン生地用の水等として使用し加工食品として利用しても構わない。
【0027】
乾燥させたビール酵母と遠赤外線物質の微細粒をよく混合し錠剤に成形し飲用する方法、嚥下後消化器にて消化されるカプセルに微細化粒度を整えた遠赤外線物質の粉末を詰めて用いる方法等も利用に便利である。
【0028】
また本発明は他の動物、家畜の飼料や養殖魚の飼料へ混入して与えることにより、同様の生物活性向上効果をもたらすことができる。
【0029】
植物においても、水や栄養を吸収する根の先端部へ、育成光線放射物質の微細粒を吸収する水に浮遊させながら、先端細胞が水を吸収する際、育成光線放射物質の微細粒が濾しとられ根の先端細胞へ付着接触する形で与えることにより、生育を良好せしめることができる。
【0030】
使用する遠赤外線放射物質については、SiO2、TiO2等、食品添加物として従来からある物質を用いてもよいし、安全性が確認できれば育成光線の放射率が高くなるように種々の物質を調合したものでもよく、遠赤外線放射物質を特定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線のなかでも育成光線と呼ばれる波長を放射する機能を有し、人体に有害な重金属や放射能を有する物質等を含まない遠赤外線放射物質の微細粒を、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項2】
請求項1の遠赤外線放射物質が、人体の消化器官で消化吸収されない物質からなることを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項3】
請求項2の遠赤外線放射物質を整腸剤と混合し、経口飲用し易いように顆粒または錠剤に成形し、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項4】
請求項2の遠赤外線放射物質を経口飲用し易いように、消化器官内で消化溶解するカプセルに充填し、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項5】
請求項2の遠赤外線放射物質を加工食品の中に混入、介在させ、経口食用とすることを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項6】
請求項2の遠赤外線放射物質を乳酸菌飲料中に混入し、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項7】
請求項2の遠赤外線放射物質を清涼飲料水中に混入し、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項8】
請求項2の遠赤外線放射物質をペットボトル入りのお茶飲料中に混入し、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項9】
請求項2の遠赤外線放射物質をペットボトル入りの飲料水中に混入し、経口飲用することを特徴とする遠赤外線放射物質含有の利用方法。
【請求項10】
請求項12の飲料水を手に持って震盪させることのできる大きさの容器に詰めたことを特徴とするセラミックス含有の飲料水。
【請求項11】
請求項13の容器が透明であり水溶液の状態を目視確認可能であることを特徴とするセラミックス含有の飲料水。
【請求項12】
請求項2の遠赤外線放射物質をペットフード中に混入し、犬、猫、その他のペットに与えることを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項13】
請求項2の遠赤外線放射物質を牛、豚、馬、鶏など、家畜の飼料中に混入し、与えることを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項14】
請求項2の遠赤外線放射物質をはまち、うなぎなど、養殖魚類の飼料中に混入し、与えることを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。
【請求項15】
植物の生育に有害な物質や重金属や放射能を有する物質等を含まない物質を調合、加工して製造した、育成光線と呼ばれる波長を放射する機能を有する遠赤外線放射物質を、水に容易に沈殿しない大きさの微細粒に粉砕し水に混合し、栽培する植物の根部へ供給することを特徴とする遠赤外線放射物質の利用方法。