説明

遠赤外線洗濯物乾燥機、及び遠赤外線洗濯物乾燥方法

【課題】ランドリー工場において脱水された洗濯物を乾燥させる技術を改良し、処理能率を飛躍的に向上させ、かつ2酸化炭素の排出を軽減する。
【解決手段】符号5を付して示したのは回転ドラムであって、洗濯物はこの中へ投入される。前記回転ドラム5の周囲に多数の遠赤外線ヒータ7が配列される。該遠赤外線ヒータは、その放射面を回転ドラム5の中心線Xに向けている。前記回転ドラム5には、遠赤外線を透過させるため多数の透光孔5aが穿たれている。回転ドラム5内の洗濯物(図示省略)は、遠赤外線の照射を受けて、熱風によるよりも速やかに乾燥せしめられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドリー工場において、洗濯処理と脱水処理とを終えた洗濯物を乾燥させる技術に係り、作業能率を向上させ、併せて2酸化炭素排出量を低減させるように改良したものである。
【背景技術】
【0002】
図5は従来例の乾燥機を描いた模式的な断面図である。ケース1の中に多孔板製の回転ドラム2が設置されている。
該回転ドラムは、洗濯物を入れて矢印aのように回転する。洗濯物は撹拌されながら回転している。
ケース内の空気を排気ファン3で矢印bのように排気すると該ケース内が負圧になる。
ケース内が負圧になると、大気圧の外気が矢印eのように吸入されて熱交換ヒータ4を流通する。
この熱交換ヒータ4には矢印c,dのように蒸気が供給されていて吸入された外気を約160℃に加熱する。
加熱された熱風は矢印f,g,hのように流通して洗濯物を乾燥させる。符号6を付して示したのはリントフィルタであって、洗濯物から発生したリント(糸屑)を濾過して除去する。
【0003】
図6は、従来例の乾燥機の作動を説明するために示した温度グラフであって、横軸に時間をとり、縦軸に洗濯物の温度変化を描いてある。
時刻tで熱風の送給が始まると洗濯物の温度は、常温(20℃)からカーブO→Aに沿って昇温し、40℃〜50℃になる。
洗濯物は熱風で加熱されながら乾燥して気化潜熱を奪われるので、カーブA→Bの間はほぼ一定の温度を保つ。
乾燥処理の開始時点0に相当する時刻tから、カーブ上の点Aに相当する時刻tまでを蒸発昇温期と呼び、カーブ上の点Aに相当する時刻tからカーブ上の点Bに相当する時刻tまでを気化潜熱恒温期と呼ぶ。
【0004】
時刻tでカーブ上の点Bを通過すると、洗濯物から気化潜熱が奪われなくなるので、温度上昇が急速となり、カーブ上の点Bからカーブ上の点Cに向かって比較的急速に上昇する。
そのまま乾燥作業を継続しても、洗濯物が熱風温度の160℃よりも昇温することは無く、温度カーブは点Dで水平になる。
ここまで昇温させる必要は無いので、一般に、90℃(時刻t、カーブ上の点C)で終了する。
【特許文献1】特開2002−113291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗濯物乾燥の従来技術を要約すると、石油(重油)やガスなどの燃料を燃焼させて得られた蒸気により空気を加熱して160℃の熱風をつくり、この熱風を洗濯物に接触させて乾燥させる。
このため、乾燥速度には自ずから限界が有って、同じ体積容量の乾燥機の処理能率を飛躍的に上昇させることは困難である。
その上、燃焼に伴う2酸化炭素が地球規模の公害(温暖化)を招いている。
【0006】
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的は、同じ体積容量の乾燥機の処理能率を飛躍的に上昇させることができ、しかも2酸化炭素の発生量を減少せしめ得る洗濯物乾燥技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図1を参照して説明すると次の通りである。この[課題を解決するための手段]の欄は、図面との対照が容易なように括弧書きで図面符号を付記してあるが、この括弧付き符号は本発明の構成を図面のとおりに限定するものではない。
回転ドラム(5)は従来例(図5)における回転ドラム(2)に対応する構成部材である。しかし、従来例の回転ドラム(2)には通風用の孔が穿たれていたのに比して、本発明の回転ドラム(5)には、遠赤外線を透過せしめるための透光孔(5a)が設けられている。
通風孔と透光孔とは外見的に類似しているが、技術的な意義は全く異なっていて、透光孔は遠赤外線を透過せしめるための開口である。
前記回転ドラム(5)の周囲に、多数の遠赤外線ヒータ(7)を配列し、洗濯物に対して遠赤外線を投射し、該洗濯物を昇温させる。
洗濯物に含まれている水分は昇温によって蒸発し、洗濯物が乾燥する。蒸発した水蒸気を除去して後続する蒸発を促進するために通風することが望ましい。ただし、従来例における乾燥用の熱風循環と、本発明における湿度抑制用の通風との技術的な意義は著しく異なっている。
【0008】
請求項1の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機の構成は、
(図1参照)脱水処理された洗濯物を入れて回転するドラムを具備する洗濯物乾燥機において、
回転ドラム(5)の外周面に対向離間せしめて、遠赤外線ヒータ(7)を配列するとともに、
前記回転ドラムの外周面に、遠赤外線を透過させる透孔(5a)を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機の構成は、前記請求項1に記載した構成要件に加えて、
(図2参照)前記遠赤外線ヒータ(7)の放射面が概ね長方形をなし、
かつ、配列された状態において該放射面は回転ドラム(5)と同心の凹円柱面を成していることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機の構成は、前記発明請求項2に記載した構成要件に加えて、
(図2参照)遠赤外線ヒータ放射面の長方形の長辺が回転ドラム(5)の中心線(X)に対して平行となるように、多数の遠赤外線ヒータ(7)が配列されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥方法は、
(図1参照)前記の請求項1に記載した遠赤外線洗濯物乾燥機を使用して、回転ドラム(5)を回転させながら洗濯物に遠赤外線を照射して乾燥させる方法であって、
(図3参照)乾燥工程の最初に、前記遠赤外線ヒータに定格の電流値を通電して定格放射強度の遠赤外線を放射させて、回転ドラム内の洗濯物を60℃〜80℃まで急速に昇温させ(t〜tの間、0〜αまで蒸発昇温期間)、
60℃〜80℃で(t〜tの間)気化潜熱恒温乾燥期間を行ない、
含水率の低下に伴って洗濯物の温度が急速に上昇し始めたら、100℃±20℃(点γ付近)で遠赤外線照射を停止するとともに、乾燥した洗濯物を回転ドラムから排出して乾燥処理を終了することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥方法は、
(図1参照)請求項1に記載した遠赤外線洗濯物乾燥機を使用して、前記の回転ドラム(5)を回転させながら洗濯物に遠赤外線を照射して乾燥させる方法であって、
乾燥工程の最初に、遠赤外線ヒータ(7)に定格の電流値を通電して定格放射強度の遠赤外線を放射させ、
(図4参照)回転ドラム内の洗濯物を40℃〜60℃(範囲Ra)まで昇温させ、
この(範囲Ra)40℃〜60℃で気化潜熱恒温乾燥を行ない、
洗濯物含水率の低下に伴って該洗濯物の温度が急速に上昇し始めたら、100℃±20℃で遠赤外線照射を停止するとともに、乾燥した洗濯物を回転ドラムから排出して乾燥処理を終了することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機を適用すると、
熱風による従来例に比して大きい熱エネルギーを、洗濯物に対して短時間で与えることができるので、該洗濯物が急速に昇温し、従来例におけるよりも高温で熱バランス(気化潜熱恒温状態)を維持して短時間で乾燥処理が終わる。
その上、回転ドラムに透光孔が穿たれているので、遠赤外線ヒータを回転ドラムの外側に配置してもドラム内へ遠赤外線を照射することができる。このため、遠赤外線ヒータを容易かつ強固に支持することができる。
しかも石油等の燃焼によらないで、電力によって加熱する方式であるから、2酸化炭素の排出量が抑制される。
(注)電力は、火力発電以外の発電方式も用いられているので、電力加熱による2酸化炭素排出量は、直接燃焼方式の約半分に相当する。
【0014】
請求項2の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機を適用すると、
遠赤外線ヒータから投射された遠赤外線が効率よく洗濯物に与えられる。
これにより、乾燥機の製造コストも運転コストも低減され、ひいては2酸化炭素発生の抑制効果も向上する。
【0015】
請求項3の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機を適用すると、回転ドラムの形状寸法に比して高密度の遠赤外線ヒータを配設することができる。このため熱的容量や処理能力に比して乾燥機の形状寸法が小形になる。
乾燥機の小形化によってランドリー工場における所要面積が節減され、かつ乾燥機外周面から周囲への放射による熱損失が抑制される。
【0016】
請求項4の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥方法を適用すると、
熱風による従来の乾燥方法に比して大きい熱エネルギーを、洗濯物に対して短時間で与えることができるので、該洗濯物が急速に昇温し、高温で熱バランス(気化潜熱恒温状態)を維持して短時間で乾燥処理が終わる。
しかも石油等の燃焼によらないで、電力によって加熱する方式であるから、2酸化炭素の排出量が抑制される。
【0017】
請求項5の発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥方法は、前記請求項4の乾燥方法と従来例の乾燥方法との折衷であって、
比較的高価な遠赤外線ヒータの設置個数(詳しくは遠赤外線ヒータの消費定格電力値)を低く抑えつつ、従来例におけるよりも高能率の乾燥処理を行ない、従来例におけるよりも2酸化炭素の排出量を節減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機の実施形態を示し、模式的な側面断面図である。模式化して描いてあるので、写実的な投影図ではない。
回転ドラム5は矢印aのように回転する(従来例における回転ドラムと類似)。その側壁に、多数の透光孔5aが形成されており、孔面積率は約0.6である。
前記回転ドラム5の外側に、該回転ドラムと同心の円に沿わしめて多数の遠赤外線ヒータ7が配列されている。符号8を付して示したのはヒータ支持フレームである。
【0019】
前掲の図1に描かれた実施形態の中から回転ドラム5と遠赤外線ヒータ7とを抽出して模式的に描いた斜視図を図2に示す。
この図2では、先に述べたヒータ支持フレーム8(図1参照)を省略して描き、多数の遠赤外線ヒータ7の内の一部分を破断して取り除いてある。
本例の遠赤外線ヒータは市販品を適用した公知の部材である。
市販されている遠赤外線ヒータは、一般に一つの放射面を有しており、放射面は円形又は長方形をなしている。
放射面は一般に、ほぼ平面状、又は僅かに凹形であるが、乾燥機メーカーから放射面形状を指定して注文することができる。
【0020】
本実施形態の遠赤外線ヒータ7は長方形(四隅には丸みが有る)の放射面を有しており、回転ドラム5とほぼ同じ曲率の凹円柱面を成し、同心円状に配列されている(符号Xを付して示したのは回転ドラム5の中心線である)。
これにより、遠赤外線ヒータ7から投射された遠赤外線がドラム内の洗濯物付近に集中し、効率よく該洗濯物を加熱する。
本発明において概ね長方形とは、長方形と見做し得る程度に類似した形状をいう。遠赤外線ヒータの放射面が概ね長方形であるから、回転ドラム5の外周に透き間無く(実際は狭い間隔で)配列することができる。
【0021】
(図1参照)回転ドラム5が矢印a方向に回転すると、その中の洗濯物は矢印Mのように掻き上げられて回転しながら撹拌される。撹拌されつつある洗濯物に向けて、遠赤外線ヒータ7から遠赤外線が投射されるので、該洗濯物は均一に加熱されて昇温する。
昇温した洗濯物は含有水分を水蒸気として放出し、次第に乾燥する。この場合、乾燥を促進するため、図外の通風機構によってドラム内を換気する。
【0022】
図1及び図2に示した本発明の遠赤外線洗濯物乾燥機を使用して行なう乾燥方法について、以下に二つの実施形態を説明する。
図3は第1実施形態を説明するための時間−温度カーブである。
比較対照のため、前掲の図6に示した従来例の昇温カーブO−A−B−C−Dを鎖線で描き、第1実施形態の昇温カーブO−α−β−γを実線で描いてある。
【0023】
最初の乾燥工程において、従来例では水分を蒸発させながらカーブO−Aのように昇温
したが、本発明では遠赤外線で加熱するのでカーブO−αのように急速に昇温する。ここに急速にとは、従来例に比して急速の意である。
遠赤外線ヒータによる投入熱量が大きいので、熱バランス温度が高くなる。
すなわち、放射によって与えられる熱量と気化潜熱として奪われる熱量とが均衡する気化潜熱恒温(α−β)が70℃〜80℃になる。
従来例の気化潜熱恒温期(A−B)よりも高温の気化潜熱恒温期(α−β)においては、従来例におけるよりも盛んに蒸発が行なわれるので、従来例における気化潜熱恒温期終了時刻tよりも早期に、時刻tで気化潜熱恒温期が終了する。
【0024】
気化潜熱恒温期終了時刻t(カーブ上の点β)を過ぎると、気化潜熱を奪われなくなるので、先の蒸発昇温期(時刻t〜t、カーブ上の点O〜α)よりも急速に昇温する 乾燥昇温期(時刻t〜、カーブ上の点γ〜)を迎える。
従来例における乾燥昇温期は、洗濯物温度が蒸気温度(160℃)になるまで続いたが、本発明における乾燥昇温は蒸気温度の制約を受けないので、どこまでも続こうとする。
しかし洗濯物を90℃以上に加熱しても益無く有害であるから、カーブ上の点γ付近で乾燥処理を終了し、洗濯物を回転ドラム5から排出する。
ただし、前記の乾燥処理終了点(γ)は適宜に(例えば100℃±20℃)変えることができる。無意味にこの範囲(100℃±20℃)を避けても本発明の技術的範囲から離脱することはできない。
【0025】
図4は第2実施形態を説明するための時間−温度カーブである。
比較対照のため、前掲の図6及び図3に示した従来例の昇温カーブO−A−B−C−Dを1点鎖線で描くとともに、前掲の図3に示した第1実施形態のカーブO−α−β−γを2点鎖線で描き、
第2実施形態における洗濯物の昇温状態を表す区域に斑点を付して表してある。
本図4から読み取れるように、この第2実施形態は従来例(1点鎖線)と第1実施形態(2点鎖線)との折衷である。
【0026】
この第2実施形態の趣旨は次の通りである。
図1,図2を参照して説明した本発明の遠赤外線洗濯物乾燥機を製作する場合、遠赤外線ヒータの購入価格が比較的高価である。
そこで、前掲の図3を参照して考察すると、
回転ドラムの外周に、透き間無く遠赤外線ヒータを配置すると、第1実施形態のカーブO−α−β−γになるが、遠赤外線ヒータの設置個数を減らすと、カーブの傾斜が緩やかになり、
更に減らすと、従来例(カーブO−A−B−C−)に近づく。
【0027】
減らし過ぎて従来例のカーブに一致すると本発明の効果が無くなってしまうが、従来例カーブよりもグラフの上方に位置している範囲内で遠赤外線ヒータの設置個数を減らして製造コストを抑制しつつ、従来例よりも高能率の乾燥操作を行なうことができる。
第2実施形態は上述の考察に基づいて為され、発明の効果を保ちつつ製造コストの抑制
を図ったものである。
更に詳しく考察すると、同じ遠赤外線洗濯物乾燥機を使用しても、回転ドラム内に多量の洗濯物を投入して乾燥操作すると洗濯物温度−時間カーブの傾斜が緩やかになり、洗濯物の量を減らすとカーブの傾斜は急になる。
【0028】
(図3参照)いま仮に、或る特定の遠赤外線洗濯物乾燥機の中へ定格どおり100キログラムの洗濯物を入れて第1実施形態の乾燥操作を実施すると請求項4の方法に対応する。
同じ遠赤外線洗濯物乾燥機に120キログラム(過負荷)の洗濯物を入れて同様の操作を行なうと、洗濯物の温度−時間カーブはO−α−β−γよりも傾斜が緩やかになって、(図4参照)斑点を付して示した範囲内に移動する。
このような操作を行なうと、前記の第1実施形態よりも時間的な能率が低下するが、なお従来例の能率(カーブO−A−B−C−D)よりも高能率である。
このようにして図4に斑点を付して示した範囲内で遠赤外線乾燥するのが第2実施形態であって、請求項5に対応する。
【0029】
以上の考察から理解されるように、本発明の乾燥機に設置された遠赤外線ヒータの熱的容量と洗濯物の温度−時間カーブとは一義的に対応するものではない。
遠赤外線ヒータの熱的容量と、投入された洗濯物の量と、洗濯物の温度−時間カーブとが相互に関連して変化する。
更に詳細に考察すると、単なる「洗濯物の量」ではなく、洗濯物の質、洗濯物の含水率、及びドラム内の換気状態等が乾燥時間に影響を及ぼす。
そこで、第1実施形態(請求項4)と第2の実施形態(請求項5)との判別は、気化潜熱恒温乾燥状態における温度による。
すなわち、第1の実施形態(請求項4)における気化潜熱恒温乾燥温度は60℃〜80℃であり、
第2実施形態(請求項5)における気化潜熱恒温乾燥温度は40℃〜60℃である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機の1実施形態を模式的に描いた側面断面図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態に係る遠赤外線洗濯物乾燥機の要部を抽出して模式的に描いた斜視図である。
【図3】本発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機を用いて本発明の乾燥方法を実施した第1の実施形態における洗濯物温度−時間カーブを示す図表である。
【図4】本発明に係る遠赤外線洗濯物乾燥機を用いて本発明の乾燥方法を実施した第2の実施形態における洗濯物温度−時間カーブを示す図表である。
【図5】洗濯物乾燥機の従来例を表す断面図である。
【図6】従来例の洗濯物乾燥機を用いた乾燥操作における洗濯物温度−時間カーブを表す図表である。
【符号の説明】
【0031】
1…ケース
2…回転ドラム
3…排気ファン
3a…ファンモータ
4…熱交換ヒータ
5…回転ドラム
6…リントフィルタ
7…遠赤外線ヒータ
8…ヒータ支持フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水処理された洗濯物を入れて回転するドラムを具備する洗濯物乾燥機において、
回転ドラムの外周面に対向離間せしめて、遠赤外線ヒータを配列するとともに、
前記回転ドラムの外周面に、遠赤外線を透過させる透孔を形成したことを特徴とする、
遠赤外線洗濯物乾燥機。
【請求項2】
前記遠赤外線ヒータの放射面が概ね長方形をなし、
かつ、配列された状態において前記放射面が回転ドラムと同心の凹円柱面を成していることを特徴とする、請求項1に記載した遠赤外線洗濯物乾燥機。
【請求項3】
前記長方形の長辺が回転ドラムの中心線に対して平行となるように、多数の遠赤外線ヒータが配列されていることを特徴とする、請求項2に記載した遠赤外線洗濯物乾燥機。
【請求項4】
請求項1に記載した遠赤外線洗濯物乾燥機を使用して、前記の回転ドラムを回転させながら洗濯物に遠赤外線を照射して乾燥させる方法であって、
乾燥工程の最初に、遠赤外線ヒータに定格の電流値を通電して定格放射強度の遠赤外線を放射させて、回転ドラム内の洗濯物を60℃〜80℃まで急速に昇温させ、
60℃〜80℃で気化潜熱恒温乾燥を行ない、
含水率の低下に伴って洗濯物の温度が急速に上昇し始めたら、100℃±20℃で遠赤外線照射を停止するとともに、乾燥した洗濯物を回転ドラムから排出することを特徴とする、遠赤外線洗濯物乾燥方法。
【請求項5】
請求項1に記載した遠赤外線洗濯物乾燥機を使用して、前記の回転ドラムを回転させながら洗濯物に遠赤外線を照射して乾燥させる方法であって、
乾燥工程の最初に、遠赤外線ヒータに定格の電流値を通電して定格放射強度の遠赤外線を放射させて、回転ドラム内の洗濯物を40℃〜60℃まで昇温させ、
40℃〜60℃で気化潜熱恒温乾燥を行ない、
洗濯物含水率の低下に伴って該洗濯物の温度が急速に上昇し始めたら、100℃±20℃で遠赤外線照射を停止するとともに、乾燥した洗濯物を回転ドラムから排出することを特徴とする、遠赤外線洗濯物乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−125258(P2010−125258A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306239(P2008−306239)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(390027421)株式会社東京洗染機械製作所 (47)
【Fターム(参考)】