説明

遠隔制御照明装置に対する視覚フィードバック

本発明は、発光素子(112)を有する遠隔制御照明装置(100)に係る。当該照明装置は、遠隔制御からの制御信号に応じて、発光素子(112)のの特性を調整するようにされる。また、本発明は、遠隔制御照明システム、及び遠隔制御照明装置(100)の操作者に対して、照明装置の特性の調整に対する制御信号に応じてフィードバックを与える方法に係る。発光素子(112)を有する遠隔制御照明装置(100)が与えられる。該照明装置は、制御信号に応じて、発光素子(112)の第1の特性の調整、及び発光素子(112)の第2の特性の一時的変更を与えるようにされる。第2の特性の変更は、照明装置(100)の操作者に対してフィードバック信号として伝達される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を有する遠隔制御照明装置に係る。当該照明装置は、制御信号に応じて、発光素子の特性を調整するようにされる。また、本発明は、遠隔制御照明システム、一式の制御電子回路、及び、遠隔制御照明装置の操作者に対して照明装置の特性の調整に対する制御信号に応じてフィードバックを与える方法に係る。
【背景技術】
【0002】
照明装置又はシステムの市場は、完全な照明の問題解決策の提供に向かって、次第に電球の製造から離れている。この移行は、従来の光源の代替物としてのLEDの使用等である、技術開発及び動向によって支持される。かかる新しい技術開発は、光源を使用する新しい機会を作る。照明の問題解決策を提供する際の1つの重要な課題は、ユーザが照明装置の特性を制御し得る、直観的且つ容易に理解されるインターフェイスをどのように設計するか、ということである。
【0003】
従来の電球、省エネランプ、LEDを有するランプ、及びハロゲンランプ等である光源は次第に、色、輝度、焦点、拡散度、又はプログラミング状態等である特性のうち1つ又はそれより多くを制御する遠隔制御を有することができるよう設計される。遠隔制御を使用する際、操作者は、光源の特性を変更することができる。光源の特性はまた、所定のパス又はプログラムされたパスに従って変更され得る。操作者又は所定のパスによってもたらされる変更は、殆ど可視ではない、あるいは操作者には全く可視ではないことがある。例えば、微妙な色移行は、殆ど気付かれず、遠隔制御プログラミングにおける変更は、全く可視ではないこともあり得る。従来は、LED等である小型の有色光は、光源において有され、操作者が光源の特性を変更するよう遠隔制御信号を光源に対して送る時を示す。しかしながらこれは、特注である非標準的な光源のみが使用され得る、という不利点を有する。光源自体においてLED等であるフィードバックの視覚手段を有することは、それが潜在的に明るくまぶしい光源に大変近く位置付けられるため、あるいはランプシェードによって完全に覆われる可能性があるため、実用的ではない。
【0004】
US2003/0107888(特許文献1)は、個別の照明モジュールの選択調整及びプログラミングに対する方向性ワイヤレス遠隔制御を利用する遠隔制御モジュラー照明システムを開示する。個別の照明モジュールは、調整されるべき照明モジュールにおいて遠隔制御を一時的に向けることによって調整に対して選択され得る。その後の調整は、ランプに的を絞ることなく行われ得、操作者の注意を照らされている対象に向けさせ得る。家庭又は店舗用では、制御機能は、照明の照準、照明のオン及びオフの切替え、及び調光を有し得る。選択されるモジュールにおけるインジケータランプは、モジュールが全方向性遠隔制御コマンドを受信できる状態にあることを示すよう、点灯する。前出の特許文献1において、遠隔制御照明システムは、ワイヤレス遠隔制御からの所定の情報信号の受信に応じるよう、人間が感知可能である応答インジケータ手段を有する、ことを記載する。照明モジュールはまた、グループとしてあるいは個別に制御され得る。異なるグループの照明は、遠隔において(within the remote)定義され得、照明は、複数グループの構成部分であり得る(lights may be members of multiple groups)。
【0005】
先行技術における問題は、操作者がインジケータ手段によって与えられる応答を感知するには不十分なガイダンスを与えられる、ことである。
【特許文献1】US2003/0107888
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、先行技術の問題を緩和する、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、添付の独立請求項において記載される本発明によって満たされる。
【0008】
本発明の第1の態様において、発光素子を有する遠隔制御照明装置が与えられる。当該照明装置は、制御信号に応じて、発光素子の第1の特性の調整と発光素子の第2の特性の一時的変更とを与えるようにされる。第2の特性の一時的変更は、照明装置の操作者に対してフィードバック信号として伝達される。
【0009】
本発明の第2の態様は、発光素子の第1の特性の調整に対する制御信号に応じて、フィードバック信号を与える方法に係る。当該方法は、発光素子の第1の特性を変更するよう制御信号を受信する段階、発光素子の第2の特性を一時的に変更する段階、及び、制御信号に従って発光素子の第1の特性を調整する段階を有し、第2の特性の変更は、制御信号の送信側に対してフィードバック信号として伝達される。
【0010】
本発明の意図は、視覚(光学的)フィードバック手段を与えるよう照明装置の輝度(明度)等である特性を利用すること、及び、遠隔制御信号の受信及び実行を示すことに対する方法を与えること、である。照明装置は、制御信号を受信するよう、制御電子回路及び通信インターフェイスを備えられる。更には、照明装置は、遠隔制御信号によって定義される動作を行うようにされる。照明装置は、制御信号を受信する際、照明装置の特性を操作者にとって可視である程度に一時的に変更することによって操作者に対して視覚フィードバック信号を与える。この変更は、可能であれば、操作者がそれを重視するよう強調され得る。続いて、制御電子回路は、受信される制御信号に従って制御特性を設定する。それに従った動作は、照明装置の特性の制御により実行され、故に操作者は、遠隔制御がもたらす特性の変更が行われたか否かについてフィードバックを受け得、また、影響を及される光源又は照明装置を視覚的に位置決めし得る。可聴フィードバック信号を送る段階、及び特性を変更する段階のオーダは、置換え可能である。したがって、かかる段階は、同時に、あるいは互いに前後して行われ得る。
【0011】
本発明に従った第1の実施例では、遠隔制御照明装置が与えられ、発光素子の第1及び第2の特性は、同一の特性である。これは、フィードバック信号を用いて、どの特性が変更されているかを操作者に示すという利点を有する。
【0012】
本発明の装置の第2の実施例では、遠隔制御照明装置が与えられる。発光素子の第1の特性は、第2の特性とは異なる。これは、変更されるべき特性が感知するのが大変困難である状況において、有利である。特性における一時的な変更は、フィードバック信号としての役割を果たす。
【0013】
有利には、フィードバック信号は、色、輝度、焦点、拡散度、方向、光源の変調又は光パターン(light pattern)、あるいはそれらの組合せにおける変更であるようにされる。照明装置から発される光の方向における変更は、照明装置から発される光が一時的に他の対象又は表面を照射する、ことを意味し得る。光パターンは、表面又は対象上へと異なるイメージを投射することによって得られる。更に、光パターンはまた、照明装置の光円錐を狭めるあるいは広げる結果として得られ得る。光源の変調における変化は、例えば、点滅(閃光、明滅)の異なる頻度を意味し、別個のオン/オフシーケンスが考慮されるだけではない。光源の特性を連続的に変える(反復的に低減及び/又は増大させる)ことはまた、変調されたフィードバック信号を与え得る。当業者は、上述された特性のうち複数又は全てがフィードバック信号として使用される変更を達成するよう組み合わされ得る、ことを認識する。
【0014】
望ましくは、遠隔制御照明装置は、フィードバック信号が照明装置に対する異なる制御信号によって異なるようにされる。これは、例えば増大が輝度において強調された増大をもたらす一方、低減が輝度において強調された低減をもたらすよう、フィードバック信号をカスタマイズする可能性に繋がる。
【0015】
他の実施例では、遠隔制御照明装置が与えられ、フィードバック信号は、操作者によって調整可能である。このようにして、操作者がフィードバック信号を容易に感知できるよう調整することは、可能である。
【0016】
更なる一実施例では、遠隔制御照明装置が与えられ、フィードバックは、プログラムされたスケジュールに従って調整可能である。この実施例は、フィードバック信号の個別の設定を可能にするという利点を有する。更には、遠隔制御照明装置が一日の異なる時間において異なるスキームを使用し得るようにする。例えば、一日のうち明るい時間中の輝度における移行は不適切であり得、その代わりに、色における変更は、フィードバック信号として使用され、夜間の輝度における変更は、容易に感知可能である(色の変更は容易に感知可能ではない)。
【0017】
本発明の更なる一実施例では、本発明に従った遠隔制御照明装置を少なくとも2つ有する照明システムが与えられる。視覚フィードバック信号は、一方の照明装置と他方の照明装置とでは異なる。
【0018】
本発明の更に他の一実施例では、例えばTV、オーディオ、加熱機器等の構成部品を制御する制御を有する、一式の電子制御回路が与えられる。該一式は、本発明に従った遠隔制御照明装置を少なくとも1つ有する。制御が該一式内において標準化されることは有利であり、一式において有される構成部品の使用を単純化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の請求項及び以下の説明を検討する際に明らかとなる。当業者は、本発明の異なる特徴が以下に記載されるもの以外の実施例を作るよう組み合わされ得る、ことを認識する。
【0020】
本発明は、非制限的な例として与えられる添付の図面から更に明らかである。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に従った照明装置100の一例を示す。照明装置100は、発光素子112、接続の第1の組110、電子制御回路108、接続の第2の組106、接続素子104、及び場合によっては筐体118を有する。発光素子112は、接続の第1の組110を介して電子制御回路108に対して接続される。電子制御回路は、接続の第2の組106を介して接続素子に対して接続される。接続素子104は、照明装置に対してエネルギを与えるソケット102に対して接続される。操作者は、遠隔制御(図示せず)を使用することによって、照明装置の特性を変更することができる。制御信号は、遠隔制御から電子制御回路まで送られ、該回路は図2に従って制御プロトコルを実行する。
【0022】
図2において、本発明の一実施例に従った方法の典型的なフロー図を示す。照明装置の特性における意図される、場合によっては僅かな変更は、遠隔制御(RC)変更を操作者に対して示すよう一時的に強調される。図2において、制御される照明装置の特性は、明度である。図2において記載される段階1−4は、以下の通り定義され得る。最初に、照明装置は、例えば大変低い輝度を有する光を放射し得る。段階1において、操作者は、遠隔制御を使用して、例えば「標準/通常」輝度に照明装置の輝度を変更する。段階2において、電子制御回路は、RC信号を受信し、操作者のコマンドに従って輝度を変更するよう信号を解釈する。段階3において、照明装置は、大変明るい光への一時的な変更等である輝度の強調された変更を実行し、よってフィードバック信号は、操作者に伝達される。この一時的な変更は、通常は1分より短く、望ましくはほんの一瞬から15秒までである。段階4において、照明装置は、操作者によって意図される輝度、即ち段階2に関連して記載された「通常」の輝度に設定される。したがって、照明装置は、遠隔制御によって与えられる調整を用いて、操作者が意図した照明装置の輝度である「通常」の輝度の光を放射する。
【0023】
本発明の他の実施例では、実際に制御されるべき特性とは異なる特性は、変更され、段階4において操作者にフィードバックされる。例えば、輝度の強調された変更を実行する代わりに、光の色における一時的な変更が実行される一方、制御されるべき特性は依然として輝度である。当業者は、この特定の実施例の対象が前に記載された実施例と組み合わされ得る、ことを認識する。
【0024】
更なる一例において、操作者は、複数の照明装置から1つの照明装置を選択することができる。操作者は、照明装置を選択し、照明装置自体の発光素子から発生する視覚フィードバック信号を用いてその選択を確認するよう、照明装置からフィードバックを受ける。続いて、操作者が照明装置を選択した際、照明装置は上述されたとおりに作動される。
【0025】
視覚フィードバック手段がフィードバックの可聴手段と組み合わされ得ることは、留意されるべきである。可聴フィードバック手段は、未公開特許出願EP05106628.0において記載され、参照としてここに組み込まれる。
【0026】
本発明は特定の例を参照して説明されてきたが、多くの異なる代替案、修正、及び同様のものは、当業者には明らかである。したがって、記載される例は、添付の請求項によって定義付けられる本発明の範囲を制限するよう意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に従った遠隔制御照明装置の側部断面図である。
【図2】本発明に従った方法の典型的なフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する遠隔制御照明装置であって、
該照明装置は、遠隔制御からの制御信号に応じて、前記発光素子の第1の特性の調整と前記発光素子の第2の特性の一時的変更とを与えるようにされ、
前記第2の特性の前記一時的変更は、前記照明装置の操作者に対してフィードバック信号として伝達される、
遠隔制御照明装置。
【請求項2】
前記発光素子の前記第1及び第2の特性は、同一の特性である、
請求項1記載の遠隔制御照明装置。
【請求項3】
前記発光素子の前記第1の特性は、前記第2の特性とは異なる、
請求項1記載の遠隔制御照明装置。
【請求項4】
前記フィードバック信号は、光源の色、輝度、焦点、拡散度、方向、光パターン又は光変調、あるいはそれらの組合せにおける変化であるようにされる、
請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置。
【請求項5】
前記フィードバック信号は、前記照明装置に対する異なる制御信号によって異なるようにされる、
請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置。
【請求項6】
前記フィードバック信号は、前記操作者によって調整可能であるようにされる、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置。
【請求項7】
前記フィードバック信号は、プログラムされたスケジュールに従って調整可能であるようにされる、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置。
【請求項8】
前記フィードバック信号は、可聴フィードバック信号と組み合わされる、
請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置。
【請求項9】
遠隔制御照明システムであって、
該遠隔制御照明システムは、請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置を少なくとも2つ有する、
遠隔制御照明システム。
【請求項10】
前記フィードバック信号は、一方の照明装置と他方の照明装置とでは異なる、
請求項9記載の遠隔制御照明システム。
【請求項11】
一式の制御電子回路であって、
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の遠隔制御照明装置を少なくとも1つ有する、
一式の制御電子回路。
【請求項12】
発光素子の第1の特性の調整に対する制御信号に応じて、フィードバック信号を与える方法であって:
・ 前記発光素子の第1の特性を変更するよう前記制御信号を受信する段階と;
・ 前記発光素子の第2の特性を一時的に変更する段階と;
・ 前記制御信号に従って前記発光素子の前記第1の特性を調整する段階と、
を有し、
前記第2の特性の変更は、前記制御信号の送信側に対してフィードバック信号として伝達される、
方法。
【請求項13】
前記送信側は操作者であり:
・ 前記操作者が前記フィードバック信号を調整し得る段階、
を更に有する、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
・ 前記フィードバック信号をプログラムされたスケジュールに従って調整する段階、
を更に有する、
請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
・ 望ましくは前記発光素子が前記発光素子の第1の特性を変更するよう前記制御信号を受信する前に、前記送信側において、複数の照明装置から1つの照明装置を選択する段階、
を更に有する、
請求項12乃至14のうちいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−501675(P2009−501675A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522133(P2008−522133)
【出願日】平成18年7月17日(2006.7.17)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052431
【国際公開番号】WO2007/010470
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】