説明

遠隔制御装置

【課題】簡単な構成を実現し遠隔地からも容易に被制御機器を遠隔制御すること。
【解決手段】遠隔制御装置10は、操作部11と、信号入力部12と、電圧監視部13と、受信部14と、送信部15と、音声出力部16と、表示部17とを備える。これら各構成部11〜17は、制御部20に接続され、この制御部20を介して接続された電源18からの電力供給を受けて動作する。制御部20は、操作部11への操作入力によって得られた操作入力信号のみならず、信号入力部12を介して外部から入力した外部入力信号によっても被制御機器の制御コードを選択し対応する制御信号を生成して、送信部15を介してこの制御信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御目標(ターゲット)となる被制御機器に制御信号を送信する遠隔制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遠隔にある被制御機器に制御信号を送信するための遠隔制御装置として、例えば下記特許文献1に開示されているリモコン装置が知られている。このリモコン装置は、複数の被制御機器を一括して制御可能で、かつ各機器ごとに専用のリモコン装置を用意する必要がない構成とされており、具体的には例えば次のように制御をおこなう。
【0003】
すなわち、従来のリモコン装置においては、まず制御対象となる被制御機器にそれぞれ識別用のIDコードが割り当てられている。そして、被制御機器の制御に必要なリモコン制御データはこれらのIDコードに関連付けられたうえで、パーソナルコンピュータやその他の補助機器に保持されている。また、被制御機器から補助機器にIDコードを送信した場合、補助機器は送信されたIDコードに該当するリモコン制御データをリモコン送信機に転送する。そして、リモコン装置は、補助機器からロードしたリモコン制御データを記憶し、以後リモコン装置による被制御機器の遠隔制御が可能となるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−61166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来のリモコン装置では、被制御機器から送信されたIDコードを受信した補助機器によって、このIDコードに該当する被制御機器のリモコン制御データをリモコン送信機に送信し、この制御データを受信したリモコン送信機によって遠隔制御を実現する。このため、補助機器を介在させる必要があり、リモコン装置の構成の簡素化を図ることが困難であるという問題がある。
【0006】
また、リモコン送信機から被制御機器を制御するリモコン制御データを実際に送信する場合は、このリモコン送信機に備えられた操作キーへの指示入力が必要となるため、操作者が実際にリモコン送信機を操作しなければならず、遠隔地からのリモコン送信機を介して遠隔制御をおこなうことはできないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、簡単な構成を実現し遠隔地からも容易に被制御機器を遠隔制御することができる遠隔制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遠隔制御装置は、入力信号に基づいて被制御機器の制御信号を出力する遠隔制御装置であって、装置本体に設けられた操作部への操作入力による操作入力信号と、外部から入力した外部入力信号とを入力信号としてそれぞれ受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた入力信号に基づいて、記憶手段に記憶された前記被制御機器の制御コードを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された制御コードに応じた制御信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、出力手段は、制御信号を複数の異なるキャリア周波数を用いて出力する。また、出力手段によって用いられる複数の異なるキャリア周波数は、33.3kHz及び37.9kHzである。さらに、出力手段は、受付手段によって入力信号が受け付けられるごとに、複数の異なるキャリア周波数による制御信号を順番に出力する。
【0010】
また、操作部は複数の操作ボタンを有し、他の遠隔制御装置からの制御信号を受信する受信手段と、受信手段によって受信された制御信号が示す制御コードを記憶手段に記憶する学習記憶手段とをさらに備え、学習記憶手段は、受付手段によって複数の操作ボタンのうちの所定の操作ボタンの指定を示すボタン指定入力信号が受け付けられ、かつ受信手段によって他の遠隔制御装置からの制御信号が受信された場合は、受信された制御信号が示す制御コードを所定の操作ボタンに関連付けて記憶手段に記憶する。そして、出力手段は、制御信号を少なくとも2つの異なる方向に向かってそれぞれ出力するように装置本体に設けられた複数の信号出力部を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置本体に設けられた操作部への操作入力による操作入力信号のみならず、外部から入力した外部入力信号によっても、選択手段により制御コードの選択がおこなわれ、出力手段により制御コードに応じた制御信号が出力される。このため、被制御機器を、遠隔制御装置に対して外部から送信された入力信号によっても制御することができる。また、遠隔制御装置は、従来のものと比較して、制御コードの選択などをパーソナルコンピュータなどの補助機器を介在させずにおこなうことができる。これにより、簡単な構成を実現し遠隔地からも容易に被制御機器を遠隔制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る遠隔制御装置の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る遠隔制御装置の機能的構成を示すブロック図である。また、図2は、同遠隔制御装置による遠隔制御のイメージをあらわす説明図である。
【0013】
図1に示すように、遠隔制御装置10は、操作部11と、信号入力部12と、電圧監視部13と、受信部14とを備えている。また、遠隔制御装置10は、送信部15と、音声出力部16と、表示部17とを備えている。これら各構成部11〜17は、制御部20に接続され、この制御部20を介して接続された電源18からの電力供給を受けて動作する。
【0014】
操作部11は、例えば押しボタン式やスライド式などの複数のキーによって構成され、遠隔制御装置10への各種指示を入力するために設けられている。この操作部11への操作入力によって得られる操作入力信号は、制御部20へ入力される。また、この操作部11は、具体的には、後述するONボタン、OFFボタン、学習/送信切替ボタン及びスライドスイッチによって構成される。
【0015】
信号入力部12は、例えば通信インタフェース(I/F)によって構成され、外部から入力した外部入力信号を受け付ける。この信号入力部12によって受け付けられた外部入力信号は、制御部20へ出力される。信号入力部12には、信号を伝播する通信媒体として後述する2芯ケーブルが接続されており、この2芯ケーブルを介して外部から出力された外部信号を外部入力信号として受け付ける。
【0016】
電圧監視部13は、例えば電圧監視用IC(Integrated Circuit)によって構成され、遠隔制御装置10の電源18の電源電圧を監視する。電圧監視部13は、具体的には、電源18の電源電圧があらかじめ設定した所定の閾値以下となった場合に、遠隔制御装置10の動作が不安定となるのを防止するために制御部20へリセット信号を出力する。
【0017】
受信部14は、例えば赤外線受光素子によって構成され、他の遠隔制御装置から送信された被制御機器の制御コードに応じた制御信号としての赤外線信号を受信する。この受信部14は、具体的には、被制御機器を遠隔操作する他の遠隔制御装置としての専用リモコンなどから送信される赤外線信号を受信し、この赤外線信号を電気信号に変換して制御部20に出力する。なお、制御部20は、受信部14からの入力信号に基づいて、上記専用リモコンなどで用いられる被制御機器の制御コードを得る。
【0018】
送信部15は、例えば信号出力部である赤外線LED(Light Emitting
Diode)を有する通信モジュールによって構成され、制御部20によって選択された被制御機器の制御コードに応じた制御信号を出力する。また、送信部15は、制御信号を複数の異なるキャリア周波数を用いて出力する。そして、送信部15は、制御部20からの制御によって、操作部11や信号入力部12によって各入力信号が受け付けられるごとに、複数の異なるキャリア周波数による制御信号を順番に出力する。また、送信部15は、複数の異なるキャリア周波数のうち、一のキャリア周波数による制御信号の出力に不具合が生じた場合は、他のキャリア周波数による制御信号の出力のみをおこなう。
【0019】
なお、この送信部15によって出力される制御信号の複数の異なるキャリア周波数は、例えば33.3kHz及び37.9kHzである。ここで、この送信部15は、具体的には、上記信号出力部として遠隔制御装置10の装置本体に設けられた複数の赤外線LEDを有して構成されている。この場合、複数の赤外線LEDは、赤外線による制御信号を少なくとも2つの異なる方向に向かってそれぞれ出力するように装置本体に設けられている。
【0020】
音声出力部16は、例えばブザーやスピーカなど備えた音声インタフェース(I/F)によって構成され、遠隔制御装置10における警告音や確認音などの各種音声を出力する。表示部17は、例えばLEDやディスプレイなどによって構成され、LEDにより構成された場合は、遠隔制御装置10の操作状況や動作状況などに基づいて点灯、点滅及び消灯などをおこない、遠隔制御装置10の各種状態を報知する。電源18は、乾電池やバッテリなどの直流電源によって構成される。
【0021】
制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成され、内部に遠隔制御装置10のブートプログラムや動作プログラムが記録されたROM(Read Only Memory)及びCPUのワークエリアやデータの一時記憶領域として用いられる記憶手段であるRAM(Random Access Memory)などを備えて構成されている。この制御部20は、例えば操作部11からの操作入力信号に基づいて、遠隔制御装置10の動作モードとして、被制御機器の制御コードを学習する学習モードや被制御機器へ制御信号を送信する送信モードを切り替えて遠隔制御装置10を動作させる。
【0022】
この制御部20は、例えば遠隔制御装置10の動作モードが送信モードである場合、具体的には、操作部11からの操作入力信号及び信号入力部12からの外部入力信号のいずれかに基づいて、例えばあらかじめROMに記憶された被制御機器の制御コードを選択する。そして、制御部20は、選択された制御コードに応じた制御信号を生成し、生成した制御信号を送信部15へ出力する。
【0023】
また、制御部20は、例えば遠隔制御装置10の動作モードが学習モードである場合、具体的には、操作部11の複数の操作ボタンのうち、所定の操作ボタンの指定を示すボタン指定入力信号及び受信部14からの入力信号に基づいて、専用リモコンなどから得られた制御信号が示す制御コードを所定の操作ボタンに関連付けてRAMに記憶する学習機能を備える。
【0024】
そして、このように構成された遠隔制御装置10では、図2に示すように、複数の被制御機器である家電A21及び家電B22を、操作部11からの操作入力信号のみならず、サーバ23などの外部からの外部入力信号によっても遠隔制御することが可能となる。なお、例えば家電A21は照明装置であり、家電B22はエアコン装置や冷蔵庫などである。すなわち、この遠隔制御装置10によれば、例えば家電A21の電源のON/OFFと家電B22の電源のON/OFFとを、操作部11のONボタンやOFFボタンを操作者が直接押下するなどして操作することによりおこなうことができる。
【0025】
また、この遠隔制御装置10によれば、上記と同様に家電A21及び家電B22の電源のON/OFFを、サーバ23からの外部入力信号が信号入力部12を介して制御部20に入力されることにより遠隔からおこなうことができる。この場合、例えばサーバ23において、家電A21及び家電B22については時間制御(設定時間に基づいて電源のON/OFFをおこなう制御)、家電A21については明るさ制御(明るさの変化に基づいて電源のON/OFFをおこなう制御)及び家電Bについては温度・湿度制御(温度・湿度の変化に基づいて電源のON/OFFをおこなう制御)などをおこない、これらの制御に基づいて信号入力部12へ信号を出力するように設定すれば、家電A21及び家電B22の遠隔制御が可能となる。
【0026】
図3〜図7は、同遠隔制御装置の外観を示す外観図である。なお、図3は同遠隔制御装置の正面図、図4は側面図、図5は背面図、図6は上面図及び図7は下面図である。図3〜図7に示すように、遠隔制御装置10は、例えば樹脂成形部材からなる筐体本体部30を備え、上述した各構成部11〜17をこの筐体本体部30の内部に備えて構成されている。
【0027】
筐体本体部30の正面側には、上方に上述した送信部15の3つの赤外線LED41,42,43が筐体本体部30の正面方向と反対方向に向かって赤外線による制御信号を出力するように設けられている。また、筐体本体部30におけるこれら赤外線LED41〜43の下方側には、筐体本体部30の上方から下方に向かって順番に上述した操作部11のONボタン31、OFFボタン32及び学習/送信切替ボタン33が設けられている。
【0028】
そして、学習/送信切替ボタン33の下方側には、筐体本体部30に向かって左側に上述した表示部17のLEDからなるインジケータ35が、向かって右側に上述した音声出力部16のブザー36がそれぞれ設けられている。さらに、これらインジケータ35及びブザー36の下方側には、上述した受信部14の受光素子47が設けられている。なお、この受光素子47は、筐体本体部30の正面側の表面位置よりも内部側に凹んだ位置に設けられている。
【0029】
一方、筐体本体部30の上面側には、上記3つの赤外線LED41〜43と同様に、送信部15の他の3つの赤外線LED44,45,46が筐体本体部30の上面方向と反対方向に向かって赤外線による制御信号を出力するように設けられている。すなわち、これら赤外線LED41〜43と赤外線LED44〜46とは、それぞれ2つの異なる方向に向かって赤外線による制御信号を出力するように配置されている。このように構成された赤外線LED41〜46を有する送信部15を備えた遠隔制御装置10によれば、赤外線による制御信号の送信範囲(到達範囲)を拡大し、確実に被制御機器を遠隔制御することが可能となる。
【0030】
筐体本体部30の下面側には、上述した信号入力部12に接続されたケーブル37を筐体本体部30の内部へ導入するためのケーブル孔37bが形成されている。なお、このケーブル孔37bへ導入されるケーブル37は、2本の電線37aによって構成される2芯ケーブルであり、その縦断面は直径φ3程度の円形となるように形成されている。また、このケーブル37の各電線37aは、接続相手機器との接続が容易となるように、未接続の状態ではそれぞれハーフストリップなどにより端末処理されている。
【0031】
そして、筐体本体部30の背面側には、遠隔制御装置10の製造元や仕様諸元、ブランドなどを明記したシールを貼り付けるためのシール貼着領域24が設けられている。また、このシール貼着領域24の下方側には、上述した電源18としてのアルカリ単三型の2本の乾電池39を格納するための格納空間38aが形成され、この格納空間38aは、筐体本体部30に対して着脱自在なカバー部39により覆われている。
【0032】
なお、格納空間38aの乾電池39の上方側には、上述した操作部11のスライドスイッチ34が設けられている。また、図示は省略するが、本実施形態の遠隔制御装置10では、この筐体本体部30を専用のホルダなどに取り付けて壁や柱などの場所に固定した状態で使用することもできる。
【0033】
次に、本実施形態の遠隔制御装置10で用いられる制御コードと、この制御コードを構成する制御信号のキャリア周波数との対応関係について説明する。なお、ここでは制御部20によって選択される制御コードと、送信部15によって出力される制御信号とを合わせて送信コードとして説明する。本実施形態の遠隔制御装置10における送信コードとキャリア周波数との対応関係は、以下の表1にあらわすようなものとなる。
【0034】
【表1】

【0035】
すなわち、本実施形態の遠隔制御装置10においては、複数の被制御機器に対して表1に(1)〜(8)であらわすパターンの遠隔制御をおこなうことができる。なお、パターン(1)〜(4)は、遠隔制御装置10の制御部20のROMなどにあらかじめ記憶されたプリセットパターンであり、パターン(5)〜(8)は、遠隔制御装置10の制御部20のRAMなどに学習して記憶された学習パターンである。
【0036】
また、パターン(1)〜(4)における送信コードを構成する各コード間には、285msの時間的間隔が付加されており、パターン(5)〜(8)においては、同一の送信コードが37.9kHzと33.3kHzの異なるキャリア周波数で順番に出力される。これにより、種類の異なる家電A21及び家電B22を確実に遠隔制御することが可能となる。なお、パターン(5)〜(8)において、これらのキャリア周波数で出力することができないときは、37.9kHzのキャリア周波数によって送信コードが出力される。
【0037】
ここで、上述した学習パターンの送信コードを学習する際及び学習した送信コードを出力(送信)する際の遠隔制御装置10の操作及び動作について説明する。図8は、同遠隔制御装置における学習パターンの学習時における操作と動作を説明するためのフローチャートである。また、図9は、同遠隔制御装置における学習パターンの送信コードを送信する際の操作と動作を説明するためのフローチャートである。なお、図8及び図9に示す処理には、説明の便宜上人為的操作が含まれている。まず、送信コードを学習する際の学習モード時の操作及び動作について説明する。
【0038】
図8に示すように、まず、操作者によってスライドスイッチ34が操作され、チャネル1(ch1)あるいはチャネル2(ch2)の学習チャネル選択を受け付ける(ステップS1)。次に、操作者によって学習/送信切替ボタン33が押下されたら、学習/送信切替ボタン33押下を受け付け(ステップS2)、制御部20によって、押下時間が2秒以上であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0039】
押下時間が2秒以上でないと判断した場合(ステップS3:No)は、送信モードへ移行し(ステップS13)、学習モード時の処理を終了する。一方、押下時間が2秒以上であると判断した場合(ステップS3:Yes)は、制御部20によって、インジケータ35を点灯させ(ステップS4)、点灯してから30秒以内にONボタン31かOFFボタン32が押下されたか否かを判断する(ステップS5)。
【0040】
押下されたと判断した場合(ステップS5:Yes)は、制御部20によって、インジケータ35を点滅させ(ステップS6)、点滅してから30秒以内に受信部14によって外部の専用リモコンなどから送信された制御信号が受信されたか否かを判断する(ステップS7)。なお、ステップS6において、インジケータ35が点滅する際に、ブザー36を鳴らすようにしても良い。
【0041】
そして、制御信号が受信されたと判断した場合(ステップS7:Yes)は、制御部20によって、受信した制御信号が示す制御コードを押下されたボタンに関連付けてRAMに記憶する(ステップS8)。このとき、制御部20によって、このステップS8による記憶処理における記憶が無事に成功したか否かを判断する(ステップS9)。
【0042】
記憶が成功したと判断した場合(ステップS9:Yes)は、例えばブザー36を断続的に2回鳴らすなどして学習成功を報知し(ステップS10)、インジケータ35を消灯させて(ステップS12)、一連の学習モード時の処理を終了する。一方、記憶が成功しなかったと判断した場合(ステップS9:No)は、例えばブザー36を2秒間連続的に鳴らすなどして学習失敗を報知し(ステップS11)、インジケータ35を消灯させて(ステップS12)、一連の学習モード時の処理を終了させる。なお、上記ステップS11において、学習失敗を報知する場合に、RAMの記憶領域に十分な空き領域が確保できなかったときは、例えばインジケータ35を5秒間に20回点滅させたり、ブザー36を5秒間に20回鳴動させたりするなどして報知をおこなうようにしても良い。
【0043】
また、上記ステップS5において、押下されなかったと判断した場合(ステップS5:No)及び上記ステップS7において、制御信号が受信されなかったと判断した場合(ステップS7:No)は、上記ステップS12に移行してインジケータ35を消灯させて(ステップS12)、一連の学習処理を終了する。次に、このような処理によって学習した送信コードを送信する際の送信モード時の操作及び動作について説明する。
【0044】
図9に示すように、まず、操作者によってスライドスイッチ34が操作され、チャネル1(ch1)あるいはチャネル2(ch2)の送信チャネル選択を受け付ける(ステップS14)。次に、操作者によって学習/送信切替ボタン33が押下されたら、学習/送信切替ボタン33押下を受け付け(ステップS15)、制御部20によって、押下時間が2秒未満であるか否かを判断する(ステップS16)。
【0045】
押下時間が2秒未満でないと判断した場合(ステップS16:No)は、学習モードへ移行し(ステップS21)、送信モード時の処理を終了する。一方、押下時間が2秒未満であると判断した場合(ステップS16:Yes)は、制御部20によって、インジケータ35を点滅させ(ステップS17)、点滅してから30秒以内にONボタン31かOFFボタン32が押下されたか否かを判断する(ステップS18)。
【0046】
押下されたと判断した場合(ステップS18:Yes)は、制御部20によって、押下されたボタンに関連付けて記憶した送信コードに応じた制御信号を送信(出力)し(ステップS19)、インジケータ35を消灯させて(ステップS20)、一連の送信モード時の処理を終了する。一方、押下されなかったと判断した場合(ステップS18:No)は、上記ステップS20に移行してインジケータ35を消灯させて(ステップS20)、一連の送信モード時の処理を終了する。
【0047】
なお、本実施形態の遠隔制御装置10は、例えば汎用照明リモコンにも適用することができ、この場合は、汎用照明リモコンのボタン操作によって被制御機器を遠隔操作することも可能となる。すなわち、例えばボタン押下に伴う接点短絡時間に基づいて、上述したパターン(1)〜(8)のような送信コードを出力するようにすれば良い。
【0048】
この場合、具体的には、接点短絡時間が1秒±0.35秒のときはパターン(1)あるいは(2)を送信し、2秒±0.35秒のときはパターン(3)あるいは(4)を送信し、3秒±0.35秒のときはパターン(5)あるいは(6)を送信し、4秒±0.35秒のときはパターン(7)あるいは(8)を出力する。また、接点短絡時間が5秒±0.35秒のときはチャネル1(ch1)を選択し、接点短絡時間が6秒±0.35秒のときはチャネル2(ch2)を選択する。
【0049】
なお、汎用照明リモコンのボタン操作による遠隔操作時の各チャネルは、遠隔制御装置10の筐体本体部30に設けられたスライドスイッチ34のスイッチ位置にかかわらず、優先的に接点短絡時間によって選択決定されるようにすれば操作性を向上させることができる。そして、遠隔制御時においてチャネル選択がなされていない場合は、優先的にチャネル1(あるいはチャネル2)を選択決定するようにすれば良い。
【0050】
また、上述した遠隔制御装置10においては、例えば乾電池39を筐体本体部30から取り外したときは、RAMのリフレッシュがおこなわれるため、学習した送信コードや選択決定したチャネルはリセットされる。しかし、乾電池39を取り外してから各種ボタン31〜33を押下しなければ、電源18に加えて備えられたバックアップ電源によってRAMに記録された情報が保持されているため、リセットされることを防止することができる。
【0051】
以上述べたように、本発明に係る遠隔制御装置によれば、筐体本体部30に設けられた各ボタン31〜33やスライドスイッチ34への操作による操作入力信号のみならず、外部のサーバ23などから入力した外部入力信号によっても、制御部20により制御コードの選択をおこない、送信部15により制御コードに応じた制御信号を出力することができる。また、従来のものと比較して、補助機器を介在させずに制御コードに応じた制御信号を出力することができる。これにより、簡単な構成を実現し遠隔地からも容易に被制御機器を遠隔制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係る遠隔制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】同遠隔制御装置による遠隔制御のイメージをあらわす説明図である。
【図3】同遠隔制御装置の外観を示す外観図である。
【図4】同遠隔制御装置の外観を示す外観図である。
【図5】同遠隔制御装置の外観を示す外観図である。
【図6】同遠隔制御装置の外観を示す外観図である。
【図7】同遠隔制御装置の外観を示す外観図である。
【図8】同遠隔制御装置における学習パターンの学習時における操作と動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】同遠隔制御装置における学習パターンの送信コードを送信する際の操作と動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
10…遠隔制御装置、11…操作部、12…信号入力部、13…電圧監視部、14…受信部、15…送信部、16…音声出力部、17…表示部、18…電源、20…制御部、21…家電A、22…家電B、23…サーバ、30…筐体本体部、31…ONボタン、32…OFFボタン、33…学習/送信切替ボタン、34…スライドスイッチ、35…インジケータ、36…ブザー、37…ケーブル、41〜46…赤外線LED、47…受光素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に基づいて被制御機器の制御信号を出力する遠隔制御装置であって、
装置本体に設けられた操作部への操作入力による操作入力信号と、外部から入力した外部入力信号とを入力信号としてそれぞれ受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた入力信号に基づいて、記憶手段に記憶された前記被制御機器の制御コードを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された制御コードに応じた制御信号を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記制御信号を複数の異なるキャリア周波数を用いて出力することを特徴とする請求項1記載の遠隔制御装置。
【請求項3】
前記出力手段によって用いられる前記複数の異なるキャリア周波数は、33.3kHz及び37.9kHzであることを特徴とする請求項2記載の遠隔制御装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記受付手段によって前記入力信号が受け付けられるごとに、前記複数の異なるキャリア周波数による前記制御信号を順番に出力することを特徴とする請求項2又は3記載の遠隔制御装置。
【請求項5】
前記操作部は複数の操作ボタンを有し、
他の遠隔制御装置からの制御信号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された制御信号が示す制御コードを前記記憶手段に記憶する学習記憶手段とをさらに備え、
前記学習記憶手段は、前記受付手段によって前記複数の操作ボタンのうちの所定の操作ボタンの指定を示すボタン指定入力信号が受け付けられ、かつ前記受信手段によって前記他の遠隔制御装置からの制御信号が受信された場合は、受信された制御信号が示す制御コードを前記所定の操作ボタンに関連付けて前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の遠隔制御装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記制御信号を少なくとも2つの異なる方向に向かってそれぞれ出力するように前記装置本体に設けられた複数の信号出力部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の遠隔制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−325102(P2007−325102A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154917(P2006−154917)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000103633)オーデリック株式会社 (10)
【出願人】(000110778)ニシム電子工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】