説明

遠隔制御装置

【課題】遠隔制御装置と端末機器間において、同一通信線にて互いに通信を行う場合で、遠隔制御装置から端末機器への送信時間間隔が分からない場合において、最適な送信タイミグで通信を行うものである。
【解決手段】遠隔制御装置1は、遠隔制御送信手段2と、遠隔制御受信手段3と、送受信を交互に切り換える遠隔制御反転手段4と、端末機器に対して送信時間の間隔を設定するタイマー5と、このタイマーの送信時間を変更し、端末機器からの応答時間を判断する遠隔制御通信制御手段6により、遠隔制御装置はタイマー時間を切り換えることにより、端末機器との間の最適な送信時間を判断することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一通信線で互いに送受信する端末機器と遠隔制御装置での遠隔制御装置の端末機器に対する送信時間の切り換え方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遠隔制御装置では、遠隔制御装置から端末機器への切り換え方法は予め固定に決められたものである。(例えば、特許文献1参照)
図7は、特許文献1参照に記載された従来の遠隔制御装置を示すものである。図7に示すように端末機器102は、空気調和機101からの信号を送信する送信手段103と、遠隔制御装置107からの信号を受信する受信手段103と、送受信を切り換える送受信切換手段105から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−224976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の構成では、送受信切換手段105が、送信手段103と受信手段103を切り換えるタイミング時間と、空調機101が受信可能な状態に切り換わるタイミング時間は不定のため、通信線106を介して接続される遠隔制御装置107は、空調機101と端末機器102の送受信時間の切り換えタイミング時間を予め知った上で、設定しておかなければならないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の発明を解決するものであり、遠隔制御装置が送受信の切り換えタイミングを、端末機器ごとに予め設定することなく、遠隔制御装置が自から送受信の切り換えタイミングの時間を判断することにより、最適な送受信タイミングを見つけ出すこととした遠隔制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明の遠隔制御装置は、送受信の切り換えタイミング時間を計測するためのタイマーと、タイマー時間を切り換えて、端末機器との送受信を行う通信手段を遠隔制御装置に設けたものである。
【0006】
これによって、端末機器側の送受信切り換え時間が、遠隔制御装置側で予め不明でも、通信することに検知し、送信間隔を判断することにより、送受信の失敗なく通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遠隔制御装置は、端末機器側の切り換え時間が分からない場合でも、主局である遠隔制御装置は、端末機器との最適な送受信タイミングを判断することにより、効率の良い通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、送信手段と、受信手段と、その送信手段と受信手段を交互に切り換える送受信切換え手段とからなる端末機器と、同じく送信手段と、受信手段と、切り換え手段と、端末機器に対して送信時間の間隔を設定するタイマーと、そのタイマーの送信時間を変更する変更手段を有し、遠隔制御手段は、端末機器に対してタイマーにより設定された時間間隔で送信し、送信後に端末機器からの応答が無い場合、又は受信データがミスした場合は、遠隔制御装置はタイマーに設定された時間を変更することにより再度送信を行い
、以後、端末機器からの送受信が正常になるまで繰り返すことにより、最適は送信タイミングを判断する。
【0009】
第2の発明は、請求項1に記載の遠隔制御装置において、複数のタイマー時間を記憶する記憶手段を有し、複数の端末機器と送受信する場合に、各端末機器ごとにタイマー時間を記憶し、端末機器ごとに送信時間を変更する。
【0010】
第3の発明は、請求項1に記載の遠隔制御装置において、通信リセット手を有し、端末機器との通信異常を検知した場合に、タイマーを初期化して、再度、端末機器からの送受信が正常になるまで繰り返す。
【0011】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれかの遠隔制御装置において、正常に通信できる最長の時間を検知する最長タイマーを有することにより、タイマーは通常は最長タイマーによる時間で送信する。
【0012】
第5の発明は、特に、第1の発明から第4の発明のいづれかの発明の遠隔制御装置に、請求項1から4において、最長タイマーと通常のタイマー時間とを切り換えるタイマー切り換え手段を設けて、端末機器への送信時間を切り換える。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和機1のブロック図である。同図において、図7と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。図6は、本実施例におけるタイミング図である。
【0015】
図1において、遠隔制御装置1は、端末機器102と送信するための遠隔制御送信手段2と、端末機器102からの信号を受信する遠隔制御受信手段3と、遠隔制御送信手段2と遠隔制御受信手段3の送受信を交互に切り換える遠隔制御反転手段4と、端末機器102に対して送信時間の間隔を設定するタイマー5と、タイマーの送信時間を変更して送信する遠隔制御通信制御手段6とからなる。
【0016】
以上のように構成された遠隔制御装置1は、端末機器102とは2線の通信107で接続されており、遠隔制御装置1の遠隔制御通信制御手段6は、端末機器102に対してタイマー5により設定された時間間隔で送信を行う。(図6のa)、送信後に端末機器102からの応答を遠隔制御受信手段3により受信しない場合、または受信を失敗したと遠隔制御受信手段3が判断した場合、遠隔制御通信制御手段6はタイマー5に設定された時間を変更することにより、変更したタイマー時間で再度送信を行う。(図6のb)以後、端末機器102からの受信が正常になるまで繰り返し、端末機器102と正常に受信した場合のタイマー時間を、端末機器102の最適な送信時間と判断する。
【0017】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における空気調和機のブロック図である。同図において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。
【0018】
図2において、請求項1に記載の遠隔制御装置1において、複数の端末機器102と端末機器202のタイマー時間を記憶する記憶手段7を設ける。
【0019】
以上のように構成された遠隔制御装置1の遠隔制御通信制御手段6は、複数の端末機器102、端末機器202と送受信するごとに、記憶手段より個々の送信時間を呼び出して
送信し、正常に受信が行われたときは、記憶手段7にそのタイマー時間を個々の室内機ごとに記憶する。そして、請求項1と同様に受信が正常になったときはそのタイマー時間を更新せず、以後そのタイマー時間にて送信する。
【0020】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における空気調和機のブロック図である。同図において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。図3において、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の遠隔制御装置1において、通信リセット手段8を設ける。
【0021】
以上のように構成された遠隔制御装置1の遠隔制御通信制御手段6は、正常なタイマー時間により通信開始後に端末機器102からの受信が無い場合または、受信信号の異常を判断した場合、通信リセット手段8によりタイマー時間を通信開始初期時間に戻すことにより、再度、タイマー時間の変更により、正常に受信するまでのタイマー時間を変更し、再度最適なタイマー時間を判断する。
【0022】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における空気調和機のブロック図である。同図において、実施の形態3で説明した部分については同じ符号を用い説明を省略する。
【0023】
第4の発明の遠隔制御装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の遠隔制御装置において、正常に通信できる最長の時間を検知して記憶する最長タイマー9と、端末機器からの通信異常を検知する端末機器通信異常検知手段10を設ける。
【0024】
以上のように構成された遠隔制御装置1の遠隔制御通信制御手段6は、端末機器102が、遠隔制御装置1との通信異常を検知し、端末機器102からの異常を端末機器通信異常検知手段10が検知すると、その直前のタイマー時間を最長タイマー9に記憶しておき、その時間を最長タイマー9として、通常は最長タイマー7による時間で送信し、通信を効率の良く行う。
【0025】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5における空気調和機のブロック図である。同図において、実施の形態4で説明した部分については同じ符号を用い説明を省略する。
【0026】
第5の発明の遠隔制御装置は、請求項4に記載の遠隔制御装置において、最長タイマー9と通常のタイマー7とを切り換えるタイマー切換え手段11を設ける。
【0027】
以上のように構成された遠隔制御装置1で、遠隔制御通信制御手段6は、タイマー切換え手段11により通常は最長タイマー9にて端末機器との送信を行い、遠隔制御装置1が何か操作されたとき、遠隔制御通信制御手段6は、素早く端末機器を制御するためにタイマー7に切り換えて送信を行うことにより、端末機器102への送信時間を通信内容により切り換える。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように、本発明にかかる遠隔制御装置は、端末機器への自らの送信タイミングを端末機器側からの受信応答時間により判断することにより、端末機器の通信切換え時間が分からない場合でも、遠隔制御装置は最適な送受信タイミングを判断することにより、常に最適な送信タイミングで送信することが可能となり、送信タイミングの不明な任意の端末機器が接続されても、最適なタイミングで、無駄な無く通信することができるので、各種端末機器を接続可能な空気調和機等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1における空気調和機の構成ブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における空気調和機の構成ブロック図
【図3】本発明の実施の形態3における空気調和機の構成ブロック図
【図4】本発明の実施の形態4における空気調和機の構成ブロック図
【図5】本発明の実施の形態5における空気調和機の構成ブロック図
【図6】本発明の実施の形態1から5における空気調和機のタイミング図
【図7】従来の空気調和機における構成ブロック図
【符号の説明】
【0030】
1 遠隔制御装置
2 遠隔制御送信手段
3 遠隔制御受信手段
4 遠隔制御反転手段
5 遠隔制御通信制御手段
5 タイマー
6 遠隔制御通信制御手段
7 記憶手段
8 通信リセット手段
9 最長タイマー
10 端末機器通信異常検知手段
11 タイマー切換え手段
101 空気調和機
102 端末機器
103 送信手段
104 受信手段
105 反転手段
106 通信線
107 従来の遠隔制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信手段と、受信手段と、前記送信手段と受信手段を交互に切り換える反転手段とからなる端末機器と、遠隔制御送信手段と、遠隔制御受信手段と、遠隔制御反転手段と、前記端末機器に対して送信時間の間隔を設定するタイマーと、このタイマーの送信時間を変更して送信する通信制御手段とからなる遠隔制御装置であって、前記端末機器と遠隔制御装置は2線の通信線で接続されており、遠隔制御装置は、端末機器に対してタイマーにより設定された時間間隔で送信を行い、送信後に端末機器からの応答を受信しない場合、又は受信を失敗した場合、前記通信制御手段はタイマーに設定された時間を変更することにより、変更したタイマー時間で再度送信を行うことを繰り返し、端末機器からの送受信が正常になったとき、そのタイマー時間を端末機器との最適な送信時間とすることを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔制御装置において、複数のタイマー時間を記憶する記憶手段を有し、複数の端末機器と送受信する場合に、各端末機器ごとにタイマー時間を記憶し、端末機器ごとに最適な送信時間を判断し、その時間を記憶して端末機器ごとに送信時間を切り換えることを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項3】
請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の遠隔制御装置において、通信リセット手段を設けることにより、正常に通信開始後に端末機器からの受信が所定時間無いことを通信異常検知手段が検知した場合に、通信リセット手段により、タイマー時間を初期化し、正常に受信するまでタイマー時間を変更することを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の遠隔制御装置において、正常に通信できる最長の時間を検知する最長タイマーを有することにより、通常は最長タイマーによる時間で送信することを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項5】
請求項1から4において、最長タイマーと通常のタイマー時間とを切り換えるタイマー切り換え手段を設けて、端末機器への送信時間を切り換えることを特徴とする遠隔制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−211278(P2008−211278A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43237(P2007−43237)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】