説明

遠隔地監視システム

【課題】監視対象領域をカメラ装置により撮像し、撮像した画像データをデータセンターに蓄積することで通信ネットワークを介して遠隔地から閲覧可能にした遠隔地監視システムにおいて、監視の動作に影響を与えることなく省電力を図ることが可能なシステムを提供する。
【解決手段】遠隔地にある監視対象領域に自然エネルギー発電手段11を電源とするローカル監視装置1を設置し、このローカル監視装置1に備える撮像手段13と、撮像手段13により撮像した画像データを外部へ送出する通信手段18とに対する電力供給を間欠的に行い、撮像手段と通信手段とを一定時間毎に所定時間だけ作動させて電力供給が行われている間に監視動作を行う。また、画像データを蓄積するデータセンター4に監視対象領域に関するリアルタイム映像の閲覧要求を受け付ける機能を備え、必要に応じてローカル監視装置を連続動作させて監視対象領域の現在状況を確認可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象領域をカメラ装置により撮像し、撮像した画像データをデータセンターに蓄積することで通信ネットワークを介して遠隔地から閲覧可能にした遠隔地監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、山間部の道路や河川のように商用電源の確保が困難な場所に太陽電池を電源とするカメラ装置を設置し、監視対象物や領域を撮像した画像データをインターネット網等の通信ネットワークを利用して離れた場所から確認可能にした監視システムが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、太陽電池と蓄電池とを電力供給源とする監視カメラ端末を離れた場所に設置し、被写体を撮影した撮影画像を遠隔の監視センターへ伝送するシステムが開示されており、特に、カメラの撮影画像に含まれる輝度信号のレベルに応じて周囲の照度を検出し、検出した照度に応じて監視センターへ伝送する撮影画像の更新速度を可変する構成が提案されている。この提案によれば、例えば夜間に人がいなくなったようなオフィスを監視する場合に、監視カメラが周囲の明るさを検出して夜間における撮影画像の送出を昼間よりも少なくするようにしており、24時間同じ様に撮影画像を送出する監視活動をなくして不要な撮影画像の送出のために電力が無駄に消費されるのを防いでいる。これにより、大きな容量の蓄電池を不要にすると共に装置の省電を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−186387号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載される監視カメラ端末では、昼間と同じ様に監視活動を行う必要のない夜間における撮影画像の送出を少なくすることで無駄な電力の消費を防ぐようにしているが、監視カメラ端末の電源は常に通電された状態で作動しており、被写体の撮影と撮影した画像を送出する頻度を昼間に対して夜間に下げるものである為、監視カメラ端末としての待機電力が常に消費されているという問題があった。特定の領域の監視を行うという使用目的からして、夜間の撮影回数を極端に少なくしたり撮影した画像を送出する頻度を極端に少なくすることはできない為、監視活動を手薄にすることなく省電効果を上げることが困難であった。
【0006】
本発明は上記の様な問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、監視の動作に影響を与えることなく省電力を図ることが可能なシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために本発明は、監視対象領域の状況を通信ネットワークを介して遠隔地から監視可能にした遠隔地監視システムにおいて、自然エネルギーを利用した太陽光、風力等の自然エネルギー発電手段と、該自然エネルギー発電手段により発電した電力を用いて監視対象領域を撮像する撮像手段と、前記自然エネルギー発電手段により発電した電力を蓄電する蓄電池と、前記撮像手段により撮像した画像データを通信ネットワークを介して外部へ出力する通信手段とを備えるローカル監視装置と、該ローカル監視装置と通信ネットワークを介して接続し、ローカル監視装置から出力される画像データを蓄積するデータセンターと、を備え、前記ローカル監視装置は、前記撮像手段及び前記通信手段の電源を一定時間毎に所定時間オンする間欠動作を行い、電源を所定時間オンする間に監視対象領域を撮像すると共に撮像した画像データを前記データセンターへ送信することを特徴とする遠隔地監視システムを提案する。
【0008】
(2)上記提案の遠隔地監視システムにおける前記データセンターは、前記ローカル監視装置から送信される画像データを通信ネットワークを介して受信し、受信した画像データを記憶装置に蓄積する画像データ蓄積手段と、蓄積した画像データを通信ネットワークを介して接続されるユーザーの情報処理端末で閲覧可能にする画像データ閲覧手段とを備え、前記ローカル監視装置において一定時間毎に撮像された監視対象領域の画像データを遠隔地のユーザーが閲覧可能であることが望ましい。
【0009】
(3)また、前記データセンターは、通信ネットワークを介して接続されるユーザーの情報処理端末から前記ローカル監視装置に対するリアルタイム映像の要求を受け付けるリアルタイム映像要求受付手段と、該リアルタイム映像要求受付手段においてリアルタイム映像の要求を受け付けた場合に、ローカル監視装置側の間欠動作に基づくデータセンターへの接続を待ってローカル監視装置へリアルタイム映像の要求指示を与えるリアルタイム映像送信指示手段とを備え、ローカル監視装置では、前記通信手段によってデータセンターへ接続した際に前記リアルタイム映像送信指示手段からリアルタイム映像の要求指示を受けると、前記撮像手段及び前記通信手段の電源オンオフ動作を間欠動作からオン状態が連続する連続動作に切り換え、連続動作を行う間に監視対象領域を連続して撮像すると共に、撮像した画像データをデータセンターへ送信してユーザーの情報処理端末上でリアルタイム映像を閲覧可能にすることが望ましい。
【0010】
(4)また、上記(3)提案の遠隔地監視システムにおいて、ローカル監視装置がリアルタイム映像の要求指示を受けた際に行う前記撮像手段及び前記通信手段の電源の連続動作は、通信ネットワークに接続されたユーザーの情報処理端末によるリアルタイム映像の要求終了指示が行われるまでの間継続することが望ましい。
【0011】
(5)また、上記(3)提案の遠隔地監視システムにおいて、ローカル監視装置がリアルタイム映像の要求指示を受けた際に行う前記撮像手段及び前記通信手段の電源の連続動作は、ローカル監視装置側において予め設定された連続動作時間が経過するまでの間継続することが望ましい。
【0012】
(6)また、上記(3)提案の遠隔地監視システムにおいて、ローカル監視装置がリアルタイム映像の要求指示を受けた際に行う前記撮像手段及び前記通信手段の電源の連続動作は、データセンター側において予め設定された連続動作時間が経過するまでの間継続することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遠隔地にある監視対象領域に自然エネルギー発電手段を電源とするローカル監視装置を設置し、このローカル監視装置に備える撮像手段と、撮像手段により撮像した画像データを外部へ送出する通信手段とに対する電力供給を間欠的に行い、撮像手段と通信手段とを一定時間毎に所定時間だけ作動させて電力供給が行われている間に監視動作を行うようにしている。そして、次回の監視動作を実行するまでの間は電力の供給を一切行わず、待機電力を含めて消費電力の発生を防いでいる。これによりローカル監視装置の監視活動を低下させることなく電力消費量を節減させることが可能になり、自然エネルギー発電手段で発電して蓄電池に蓄電した充電残量に余力を与えることができる。
【0014】
また、通信ネットワークを介してローカル監視装置をデータセンターに接続し、ローカル監視装置側で撮像手段を間欠的に作動させて撮像した画像データをデータセンターに蓄積し、蓄積した画像データを離れた場所に存在するユーザーの情報処理端末で閲覧可能にしている。従って、ローカル監視装置が一定時間毎に電源のオン/オフを繰り返す間欠動作を行いつつも、ユーザーはデータセンターに蓄積された画像を閲覧することができ、ローカル監視装置の電力供給が完全に絶たれて動作を行っていない状態が定期的に発生する中で、何ら支障無く監視対象領域の状態を監視することができる。
【0015】
また、データセンターには監視対象領域に関するリアルタイム映像の閲覧要求を受け付ける機能を備えており、監視対象領域の現在の状況を確認することができる。通常はローカル監視装置側の電源オン/オフ動作に従って一定時間おきの画像データがデータセンターに蓄積される為、ユーザーが情報処理端末をデータセンターに接続して閲覧する画像データはローカル監視装置から送信されてきた過去の画像を確認することになる。ところが、このリアルタイム映像の閲覧要求をユーザーの情報処理端末からデータセンターに対して行うことにより、ローカル監視装置がそれまでの間欠動作から連続動作へと切り替わり、時間的に不連続で送られてきていた画像データを時間的に連続した画像データとしてしかも現在の状態を確認することができる。これにより、通常はローカル監視装置を間欠動作させて省電力を図り、必要に応じて監視動作を最優先させた詳細な監視を行うことができる。
【0016】
また、ユーザーの情報処理端末からリアルタイム映像の閲覧要求が行われた際のローカル装置の連続動作は、ユーザーによる要求終了指示の操作が行われるまでの間、またはローカル監視装置側で予め設定される時間が経過するまでの間、またはデータセンター側で予め設定される時間が経過するまでの間継続し、その後は通常の間欠動作に戻る為、必要以上に監視動作を強化することによる無駄な電力消費を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明実施例に係る遠隔地監視システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明実施例に係るローカル監視装置の外観を示す説明図である。
【図3】本発明実施例に係るローカル監視装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明実施例に係るデータセンターの内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明実施例の要部動作を示すタイミングチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明実施例に係る遠隔地監視システムの全体構成を示す説明図である。1はローカル監視装置で、太陽電池パネルと蓄電池、更にカメラとモバイル通信装置とを具備しており、例えば河川の水位を監視する為に河川付近に設置され、商用電源を必要とすることなく任意の設置箇所において太陽電池パネルにより自身が動作するために必要な電力を発電し、監視対象とする領域をカメラで撮像してその撮像した画像データを外部へ送信する機能を備えている。2はモバイルネットワークであり、いわゆる携帯電話等の移動通信端末を介したモバイル通信が可能となっている。本実施例ではローカル監視装置1に備えるモバイル通信装置(後述する)を用いてこのモバイルネットワークに接続する構成としており、監視対象となる任意の設置箇所からのデータ通信を可能にしている。3はインターネット網であり、前記ローカル監視装置1は前記モバイルネットワーク2を介してインターネット網に接続し、更には、離れた場所に存在する各種サーバーやパソコン等の情報処理端末との接続を可能にしている。4はデータセンターであり、このデータセンターには前記ローカル監視装置1で撮像した画像データを記憶し、外部から閲覧可能に蓄積する機能を備えている。5はパーソナルコンピューター等からなる情報処理端末であり、ユーザーはこの情報処理端末をインターネットに接続することで前記データセンターにアクセスし、データセンターが提供するASP(Application Service Provider)サービスを利用してデータセンターに蓄積された画像データの閲覧が可能になっている。
【0019】
次に、図2及び図3を基にして前記ローカル監視装置1の構成について説明する。図2はローカル監視装置1の外観を示す説明図で、図3は内部構成を示すブロック図である。11は太陽電池パネル(請求項に記載の自然エネルギー発電手段)であり、支柱12の上部位置に回動可能に取り付けられ、仰角方向に対して任意の角度で固定可能な構造となっている。太陽電池パネル11の下方位置にはやはり支柱12に対してカメラ13(請求項に記載の撮像手段)が取り付けられ、比較的高い位置に取り付けられるこのカメラ13により監視対象となる領域の状況を撮像するようにしている。14は収納ボックスであり、この収納ボックスの内部には蓄電池16、制御部17、モバイル通信装置18(請求項に記載の通信手段)が収納される。また、収納ボックスの上面には内部に収納するモバイル通信装置から延出するアンテナ15が固定されている。
【0020】
本実施例では蓄電池16としてリチウムイオンバッテリーを用いており、このリチウムイオンバッテリーに対して太陽電池パネル11で発電した電力が制御部17を通じて充放電制御される。具体的には、日照条件に恵まれて太陽電池パネル11の発電量が十分であるときは、リチウムイオンバッテリー16の最大充電量までフローティング充電方式による充電を行い、一方、日照条件が悪化して太陽電池パネル11の発電量が不十分な場合には、リチウムイオンバッテリー16から放電してローカル監視装置1を構成する各機器への電力供給を行う。制御部17は、このようなリチウムイオンバッテリーの充放電制御機能の他にも、カメラ13及びモバイル通信装置18に対する電源制御機能も備えており、カメラとモバイル通信装置への電力供給をオン/オフ制御する。
【0021】
カメラ13とモバイル通信装置18への電力供給が全く行われていない状態(電源オフ)から電力供給が開始されると(電源オン)、まずモバイル通信装置18が動作可能な状態となり、次にカメラ13による監視対象領域の撮像が行われる。そして撮像された画像データはモバイル通信装置18によりモバイルネットワーク2とインターネット3を通じてFTP(File Transfer Protocol)によりデータセンター4へPUTされる。PUTされた画像データはデータセンター4に蓄積され、外部の情報処理端末から閲覧可能な状態となる。制御部17による電源オン/オフ制御は、予め設定される電源オン時間と電源オフ時間の設定値に基づいて行われる。本実施例では、電源オフ時間として10分、電源オン時間として1分が設定されており、これにより、カメラ13とモバイル通信装置18は、電力供給が行われない状態が10分間継続した後に1分間にわたって電力供給が行われ、その電力供給されている間に1フレームの静止画像が撮像されてデータセンター4へのPUTが行われる。この繰り返しによりデータセンター4には10分毎に1コマの画像が蓄積されていく。
【0022】
次に、データセンター4の内部構成について図4のブロック図を基にして説明する。21は通信部であり、この通信部を介してデータセンター4はインターネット網3に接続する。22は画像データ蓄積手段であり、ローカル監視装置1からインターネット網3を通じて送信されてくる画像データはこの画像データ蓄積手段にPUTされる。なお、画像データには撮像日時を特定する情報が付されて画像データ蓄積手段22に蓄積される。23は画像データ閲覧手段であり、データセンター4が外部に対して提供するASPサービスはこの画像データ閲覧手段により行われる。外部のユーザーが情報処理端末5を用いてデータセンター4にアクセスすると、画像データ蓄積手段22に蓄積された画像データの閲覧が画像データ閲覧手段23により可能になる。24は、ユーザーから前記ローカル監視装置1に対するリアルタイム映像の送信要求を受け付けるリアルタイム映像要求受付手段である。既に説明したようにローカル監視装置1では、その内部に備える制御部17によりカメラ13とモバイル通信装置18への電力供給を間欠的に行い、10分間の電源オフ期間の後に1分間の通電を行って1フレームの静止画像を撮像している。これによりインターネット網3を介してデータセンターに接続したユーザーは10分おきに撮像された画像データの閲覧が可能になっており、データセンター4へ接続するタイミングによっては最大10分の時間的遅れを持った画像データを閲覧することになる。そこでユーザーがローカル監視装置1における現在の状況を確認したい場合に、情報処理端末5を操作してデータセンター4に対してリアルタイム映像の閲覧要求を行うことができる。データセンター4では、リアルタイム映像要求受付手段24によりユーザーからの要求を受け付けると、リアルタイム映像送信指示手段25を通じてローカル監視装置1に現在の状況を画像データで送信するよう指示を行う。リアルタイム映像送信指示手段25は、ローカル監視装置1によるデータセンター4への接続を待ち、撮像した画像データのPUTを行う為に接続されてきたタイミングで指示を行う。但し、ローカル監視装置1は10分間の電源オフ期間をおいてデータセンター4に接続を行う為、リアルタイム映像送信指示手段25からローカル監視装置1に指示が伝達されるまでには最大10分の時間的遅れが生じる。
【0023】
一方、リアルタイム映像の要求指示を受けたローカル監視装置1では、それまでに行っていた10分間の電源オフ期間の後に1分間電源オンを行う間欠動作から、連続動作への切り替えを行う。連続動作に切り替わると電源オン期間が通常動作の1分から5分へと延長され、電源を5分間オンした後に6分間の電源オフ期間を挟み、その後、再び通常の間欠動作に復帰する。この動作について図5を基に詳細に説明する。図5(a)はローカル監視装置1の通常状態である間欠動作を示すタイミングチャートである。t1は電源オフ期間(本実施例では10分)、t2は電源オン期間(本実施例では1分)であり、t1ではカメラ13及びモバイル通信装置18共に電源が完全にオフされている。次にt2では、先ずモバイル通信装置18の電源がオンとなり、次にカメラ13の電源がオンとなる。そして、通電状態となったカメラ13は監視対象領域の撮像を行い、モバイルネットワーク2及びインターネット網3を介してデータセンター4へ接続し、撮像した1フレームの静止画像データを送信(静止画出力)してPUTする。
【0024】
図5(b)はローカル監視装置1にリアルタイム映像の送信指示が行われた際の連続動作を示すタイミングチャートである。通常動作に基づく電源オフ期間t1(10分)が経過し、次にカメラ13及びモバイル通信装置18が通電状態となり、撮像した静止画像データを送信する為にデータセンター4へ接続を行うと、前記リアルタイム映像送信指示手段25からのリアルタイム映像送信指示を受け取る。これを受けて、通常動作時と同様に1フレームの静止画像データの蓄積を行った上で、カメラ13及びモバイル通信装置18に対する通電時間が5分に延長され、監視対象領域を連続的に撮像した映像データがデータセンター4へ送信される。これにより、データセンター4に対してリアルタイム映像の閲覧要求を行ったユーザーの情報処理端末5では、監視対象領域の現在の状況が連続的な映像データとして確認することができる。この場合の連続的な映像データは、静止画像を連続して撮像した複数フレームの静止画像をコマ送りするものでも良いし、また、所謂動画データとすることもできる。尚、実施例では、カメラ13及びモバイル通信装置18に対する通電時間の延長を5分としているが、この延長時間は予め設定した値に基づくものであり、5分に限定されるものではない。また、予め設定された延長時間に達する前に、ユーザーの情報処理端末5からのリアルタイム映像要求終了の操作により通電時間の延長を停止することも可能である。この場合、データセンター4に接続したユーザーがリアルタイム映像の要求を終了する操作を行うことにより、前記リアルタイム映像要求受付手段24及びリアルタイム映像送信指示手段25を通じてローカル監視装置1に通電時間延長停止の指示が伝達される。
【0025】
本発明は上記実施例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。例えば、上記実施例では自然エネルギー発電手段として太陽電池パネルを用いたが、自然エネルギーを用いて発電を行うものであれば良く、風力発電装置を用いることも可能である。また、上記実施例では、通常時の間欠動作として電源オフ期間を10分、電源オン時間を1分としているが、他の時間でも実施可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明による遠隔地監視システムは、セキュリティサービス、交通状況の監視、農業、河川の水位監視等、商用電源の確保が困難な設置箇所における監視の用途に用いることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ローカル監視装置
2 モバイルネットワーク
3 インターネット網
4 データセンター
5 情報処理端末
11 太陽電池パネル(自然エネルギー発電手段)
13 カメラ(撮像手段)
16 リチウムイオンバッテリー(蓄電手段)
17 制御部
18 モバイル通信装置(通信手段)
22 画像データ蓄積手段
23 画像データ閲覧手段
24 リアルタイム映像要求受付手段
25 リアルタイム映像送信指示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象領域の状況を通信ネットワークを介して遠隔地から監視可能にした遠隔地監視システムにおいて、
自然エネルギーを利用した太陽光、風力等の自然エネルギー発電手段と、該自然エネルギー発電手段により発電した電力を用いて監視対象領域を撮像する撮像手段と、前記自然エネルギー発電手段により発電した電力を蓄電する蓄電池と、前記撮像手段により撮像した画像データを通信ネットワークを介して外部へ出力する通信手段とを備えるローカル監視装置と、
該ローカル監視装置と通信ネットワークを介して接続し、ローカル監視装置から出力される画像データを蓄積するデータセンターと、を備え、
前記ローカル監視装置は、前記撮像手段及び前記通信手段の電源を一定時間毎に所定時間オンする間欠動作を行い、電源を所定時間オンする間に監視対象領域を撮像すると共に撮像した画像データを前記データセンターへ送信することを特徴とする遠隔地監視システム。
【請求項2】
前記データセンターは、前記ローカル監視装置から送信される画像データを通信ネットワークを介して受信し、受信した画像データを記憶装置に蓄積する画像データ蓄積手段と、蓄積した画像データを通信ネットワークを介して接続されるユーザーの情報処理端末で閲覧可能にする画像データ閲覧手段とを備え、前記ローカル監視装置において一定時間毎に撮像された監視対象領域の画像データを遠隔地のユーザーが閲覧可能であることを特徴とする請求項1記載の遠隔地監視システム。
【請求項3】
前記データセンターは、通信ネットワークを介して接続されるユーザーの情報処理端末から前記ローカル監視装置に対するリアルタイム映像の要求を受け付けるリアルタイム映像要求受付手段と、該リアルタイム映像要求受付手段においてリアルタイム映像の要求を受け付けた場合に、ローカル監視装置側の間欠動作に基づくデータセンターへの接続を待ってローカル監視装置へリアルタイム映像の要求指示を与えるリアルタイム映像送信指示手段とを備え、
ローカル監視装置では、前記通信手段によってデータセンターへ接続した際に前記リアルタイム映像送信指示手段からリアルタイム映像の要求指示を受けると、前記撮像手段及び前記通信手段の電源オンオフ動作を間欠動作からオン状態が連続する連続動作に切り換え、連続動作を行う間に監視対象領域を連続して撮像すると共に、撮像した画像データをデータセンターへ送信してユーザーの情報処理端末上でリアルタイム映像を閲覧可能にすることを特徴とする請求項1記載の遠隔地監視システム。
【請求項4】
請求項3記載の遠隔地監視システムにおいて、ローカル監視装置がリアルタイム映像の要求指示を受けた際に行う前記撮像手段及び前記通信手段の電源の連続動作は、通信ネットワークに接続されたユーザーの情報処理端末によるリアルタイム映像の要求終了指示が行われるまでの間継続することを特徴とする遠隔地監視システム。
【請求項5】
請求項3記載の遠隔地監視システムにおいて、ローカル監視装置がリアルタイム映像の要求指示を受けた際に行う前記撮像手段及び前記通信手段の電源の連続動作は、ローカル監視装置側において予め設定された連続動作時間が経過するまでの間継続することを特徴とする遠隔地監視システム。
【請求項6】
請求項3記載の遠隔地監視システムにおいて、ローカル監視装置がリアルタイム映像の要求指示を受けた際に行う前記撮像手段及び前記通信手段の電源の連続動作は、データセンター側において予め設定された連続動作時間が経過するまでの間継続することを特徴とする遠隔地監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−62696(P2013−62696A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200094(P2011−200094)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000103138)エムケー精工株式会社 (174)
【出願人】(508173901)東京貿易機械株式会社 (3)
【Fターム(参考)】