説明

遠隔操作システム、情報端末とコンピュータ装置、情報端末コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置プログラム

【課題】情報端末によってコンピュータ装置を遠隔操作する遠隔操作システムにおいて、専用プログラム以外のプログラムにも対応可能な、操作性の改善を行うことを目的とする。
【解決手段】コンピュータ装置は、設定情報を格納する設定情報格納手段5と、自動処理を制御する自動処理制御手段6と、自動処理対象のウィンドウか否かを判定するウィンドウ判定処理手段7と、自動処理対象ウィンドウの操作を行う自動入力処理手段8とを有し、自動処理制御手段6の制御のもと、ウィンドウ判定処理手段7によって自動処理対象ウィンドウの判定を行い、自動処理対象ウィンドウであると判定した場合、自動入力処理手段8により、設定情報格納手段5の情報を用いて、アカウント情報やパスワード情報の自動入力を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末等から、ウィンドウ機能によるグラフィカルユーザインターフェースを持つサーバーコンピュータ等を制御する際の遠隔操作システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ装置やPDAといった情報端末の普及に伴い、あるコンピュータ装置を異なるコンピュータ装置やPDAといった情報端末によって操作可能な遠隔操作システムが提供されている。
【0003】
このような遠隔操作システムにおいては、情報端末におけるユーザ操作情報をコンピュータ装置に通知し、コンピュータ装置の画面情報を情報端末に通知することにより、情報端末によるコンピュータ装置の遠隔操作を実現している。
【0004】
通常、コンピュータ装置を操作する際、使用するアプリケーションによっては、様々なアカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号などの入力が必要になることがあり、遠隔操作システムにおいても、情報端末によって、これらの入力操作を行わなければ使用することができない。
【0005】
キーボードがないなどの入力デバイスの構成によっては、文字入力操作には煩雑な操作が必要であり、従来、このような煩雑な操作を改善する方法の一つとして、特許文献1のような認証方法があった。
【0006】
特許文献1の認証方法では、携帯端末において、サーバー認証に必要なIDおよびパスワードの登録操作を行うと、当該情報をCompactHTMLの画面メモ機能によって、携帯端末内に保存する。
【0007】
以降、当該サーバーへの接続は、登録時に保存した画面メモを携帯端末に表示し、登録操作で指定したキーコードを入力することで、IDおよびパスワードを入力することなく、画面メモ内に保存した情報を用いてサーバーへの認証要求が行われる。
【特許文献1】特開2001−344209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記方法は、CompactHTMLの画面メモ機能を用いているものであり、この機能を用いる場合は、コンピュータ装置で動作するアプリケーションの認証要求を行うプログラム(例えば、メーラープログラム)が、CompactHTMLの画面メモ機能の認証方法に対応している必要があった。
【0009】
このため、CompactHTMLの画面メモ機能に対応していないプログラムではこの認証方法を用いることができないという問題点があった。
【0010】
実際に広く用いられているメーラープログラムなどは、この機能を実現しておらず、遠隔操作システムで、上記方法による操作改善を図るためには、遠隔操作に対応して専用に用意したメーラープログラムなどを使用して遠隔操作する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、コンピュータ装置においてウィンドウ判定処理手段(ウィンドウ判定処理プログラム)が常時実行されており、遠隔操作の対象となっているウィンドウが自動入力対象ウィンドウになっているかどうかの判定を行い、自動入力対象ウィンドウになっているときには、アカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号などの情報の自動入力を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遠隔操作システムは、コンピュータ装置でアカウント情報やパスワード情報や電話番号などの情報の自動入力を行うことにより、情報端末からコンピュータ装置を操作する際に必要となる入力操作を抑制でき、汎用に作成されたプリケーションを遠隔操作する場合にも、情報端末における煩雑な文字入力操作を削減できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の遠隔操作システムの実施の形態は、
ネットワーク等を経由して接続された情報端末がコンピュータ装置上で動作するアプリケーションを遠隔操作する遠隔操作システムであって、
情報端末を、
コンピュータ装置に遠隔操作開始信号を送信する端末通信処理手段を有するように、
コンピュータ装置を、
情報端末からの遠隔操作開始信号を受信するコンピュータ通信処理手段と、
自動入力対象ウィンドウに自動入力を行う際に使用する自動入力情報を格納しておく設定情報格納手段と、
自動入力情報を自動入力するウィンドウか否かを判定するウィンドウ判定処理手段と、
ウィンドウ判定処理手段で自動入力処理対象となるウィンドウと判定されたウィンドウに対し、自動入力情報を自動入力する自動入力処理手段と、
設定情報格納手段に格納された自動入力情報を取得し、ウィンドウ判定処理手段および自動入力処理手段による自動入力対象ウィンドウへの自動入力処理を制御する、自動処理制御手段とを有するように構成したものである。
【0014】
この構成により、情報端末からコンピュータ装置を操作する際に、情報端末からアカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などを入力せずに、コンピュータ装置で自動で入力することを可能にしたものである。
【0015】
そのため、汎用に作成されたプリケーションを遠隔操作する場合にも、情報端末における煩雑な文字入力操作を削減できるという効果がある。
【0016】
本発明の遠隔操作システムの実施の形態は、さらに、
コンピュータ装置を、
自動起動するアプリケーション情報を登録した設定情報格納手段と、
情報端末からの遠隔操作開始信号により、設定情報格納手段に登録されている自動起動するアプリケーションの起動状態を確認し、未起動の場合、当該アプリケーションを起動する自動処理制御手段とを有するように構成したものである。
【0017】
この構成により、遠隔操作時に使用するアプリケーションを登録しておくことで、遠隔操作開始時に使用するアプリケーションを起動する操作をせずとも自動的に起動するようにし、決まったアプリケーションを遠隔操作する場合に決まった起動操作を省くことができるようにしたものである。
【0018】
本発明の遠隔操作システムの実施の形態は、さらに、
コンピュータ装置を、
遠隔操作を許可するための認証情報を登録した設定情報格納手段と、
遠隔操作を許可するための認証情報が設定済の場合には、コンピュータ装置のコンピュータ表示手段にパスワード入力画面を表示し、情報端末の遠隔操作による入力と設定情報格納手段に登録されている遠隔操作を許可するための認証情報とを用いた認証を行う自動処理制御手段とを有するように構成したものである。
【0019】
この構成により、認証ができる人のみに遠隔操作を限ることにより、コンピュータ装置のセキュリティを向上できるようにしたものである。
【0020】
本発明の遠隔操作システムの実施の形態は、さらに
情報端末を、
複数のユーザから選択されたユーザの、ユーザ特定情報を送信する端末通信処理手段を有するように、
コンピュータ装置を、
各ユーザに対する
(a)自動入力処理で使用する自動入力情報
(b)自動起動するアプリケーション情報
(c)遠隔操作を許可するための認証情報
の少なくとも一つの情報を有する設定情報格納手段と、
設定情報格納手段に蓄積されている複数のユーザに対する少なくとも一つの情報から、情報端末によって通知されたユーザ特定情報に対応する情報を取得する自動処理制御手段とを有するように構成したものである。
【0021】
この構成により、コンピュータ装置に蓄積されている複数ユーザに対する情報から、情報端末によって通知されたユーザに対応する情報を取得し、自動処理を行うことができ、一つのコンピュータ装置を複数のユーザが遠隔操作できるようにしたものである。
【0022】
本発明の遠隔操作システムの実施の形態は、さらに、
コンピュータ装置が、設定情報格納手段に蓄積されている複数のユーザを特定可能なユーザ特定情報を送信し、情報端末が、受信したユーザ特定情報から一つのユーザを選択し、対応するユーザ特定情報を送信するように構成したものである。
【0023】
この構成により、コンピュータ装置に蓄積されている複数のユーザから、情報端末で使用するユーザを選択できるようにし、情報端末での使用ユーザ指定操作が簡単に行えるようにしたものである。
【0024】
また、本発明の情報端末の実施の形態は、
コンピュータ装置上で動作するアプリケーションを遠隔操作する、コンピュータとネットワーク等を経由して接続された情報端末であって、
コンピュータ装置に対し、コンピュータ装置が、ユーザ操作の自動入力情報を設定情報格納手段から取得し、自動入力情報の自動入力処理対象となるウィンドウか否かを判定し、自動入力処理対象となるウィンドウの場合には、自動入力情報を自動入力するための、遠隔操作開始信号の送信を行う端末通信処理手段を有するように構成したものである。
【0025】
この構成により、コンピュータ装置を操作する情報端末からアカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などを入力せずに、コンピュータ装置で自動で入力するようにしたため、汎用に作成されたプリケーションを遠隔操作する場合にも、情報端末における煩雑な文字入力操作を削減できるようにしたものである。
【0026】
また、本発明のコンピュータ装置の実施の形態は、
コンピュータ装置上で動作するアプリケーションを、ネットワーク等を経由して接続された情報端末によって遠隔操作するコンピュータ装置であって、
情報端末からの遠隔操作開始信号を受信するコンピュータ通信処理手段と、
自動入力対象ウィンドウに自動入力を行う際に使用する自動入力情報を格納しておく設定情報格納手段と、
自動入力情報を自動入力するウィンドウか否かを判定するウィンドウ判定処理手段と、
ウィンドウ判定処理手段で自動入力処理対象となるウィンドウと判定されたウィンドウに対し、自動入力情報を自動入力する自動入力処理手段と、
設定情報格納手段に格納された自動入力情報を取得し、ウィンドウ判定処理手段および自動入力処理手段による自動入力対象ウィンドウへの自動入力処理を制御する、自動処理制御手段とを有するように構成したものである。
【0027】
この構成により、情報端末によって操作されるコンピュータ装置において、アカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などを自動で入力するようにしたため、汎用に作成されたプリケーションを遠隔操作する場合にも、情報端末における煩雑な文字入力操作を削減できるようにしたものである。
【0028】
本発明のコンピュータ装置の実施の形態は、さらに、
自動起動するアプリケーション情報を登録した設定情報格納手段と、
情報端末からの遠隔操作開始信号により、設定情報格納手段に登録されている自動起動するアプリケーションの起動状態を確認し、未起動の場合、当該アプリケーションを起動する自動処理制御手段と、
を有するように構成したものである。
【0029】
この構成により、遠隔操作時に使用するアプリケーションを登録しておくことで、遠隔操作開始時に使用するアプリケーションを起動する操作をせずとも自動的に起動するようにし、決まったアプリケーションを遠隔操作する場合に決まった起動操作を省くことができるようにしたものである。
【0030】
本発明のコンピュータ装置の実施の形態は、さらに、
遠隔操作を許可するための認証情報を登録した設定情報格納手段と、
遠隔操作を許可するための認証情報が設定済の場合には、コンピュータ装置のコンピュータ表示手段にパスワード入力画面を表示し、情報端末の遠隔操作による入力と設定情報格納手段に登録されている遠隔操作を許可するための認証情報とを用いた認証を行う自動処理制御手段と、
を有するように構成したものである。
【0031】
この構成により、認証ができる人のみに遠隔操作を限ることにより、コンピュータ装置のセキュリティを向上できるようにしたものである。
【0032】
本発明のコンピュータ装置の実施の形態は、さらに、
情報端末から送信された、複数のユーザから選択されたユーザを特定するユーザ特定情報を受信するコンピュータ通信処理手段と、
各ユーザに対する
(a)自動入力処理で使用する自動入力情報
(b)自動起動するアプリケーション情報
(c)遠隔操作を許可するための認証情報
の少なくとも一つの情報を有する設定情報格納手段と、
設定情報格納手段に蓄積されている複数のユーザに対する少なくとも一つの情報
から、情報端末によって通知されたユーザ特定情報に対応する情報を取得する自動処理制御手段と、
を有するように構成したものである。
【0033】
この構成により、コンピュータ装置に蓄積されている複数ユーザに対する情報から、情報端末によって通知されたユーザに対応する情報を取得し、自動処理を行うことができ、一つのコンピュータ装置を複数のユーザが遠隔操作できるようにしたものである。
【実施例】
【0034】
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0035】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の遠隔操作システムの機能ブロック図、図2は本発明の実施例1の遠隔操作システムの装置ブロック図である。
【0036】
ここで、(被制御側)コンピュータ装置100と(制御側)情報端末200とを合わせて遠隔操作システム300とする。
【0037】
図1において、100はコンピュータ装置であり、1はユーザからの指示入力を行うコンピュータ入力手段、2はネットワーク等とのデータのやりとりを行う送信手段と受信手段からなるコンピュータ通信処理手段、3は受信データの解析を行うコンピュータ受信データ解析手段、4は送信データを作成するコンピュータ送信データ生成手段、5は設定情報を格納する設定情報格納手段、6は自動処理を制御する自動処理制御手段、7は自動処理対象のウィンドウか否かを判定するウィンドウ判定処理手段、8は自動処理対象ウィンドウの操作を行う自動入力処理手段、9はデータを表示するコンピュータ表示手段である。10のコンピュータ装置制御手段は、コンピュータ通信処理手段2と、コンピュータ受信データ解析手段3と、コンピュータ送信データ生成手段4と、自動処理制御手段6と、ウィンドウ判定処理手段7と、自動入力処理手段8との各機能および機能間の動作、並びに、設定情報格納手段5に格納されたデータの流れ、コンピュータ入力手段1による入力情報、コンピュータ表示手段9によって表示するデータを制御するものである。
【0038】
なお、コンピュータ装置100は、ウィンドウ管理機能を用いるオペレーティングシステムが動作するコンピュータ等で実現されるものである。
【0039】
図2において、100はコンピュータ装置であり、31はコンピュータ入力装置、32はコンピュータ中央処理演算装置(CPU)、33はコンピュータリード・オンリー・メモリ(ROM)、34はコンピュータランダム・アクセス・メモリ(RAM)、35はコンピュータ液晶パネル、36はコンピュータ通信装置、37はCD−ROMなどのコンピュータ記録媒体38からデータを読み込むコンピュータ記録媒体読み取り装置である。
【0040】
図1に示したコンピュータ入力手段1は図2に示したコンピュータ入力装置31に、設定情報格納手段5はコンピュータRAM34に、コンピュータ受信データ解析手段3と、コンピュータ送信データ生成手段4と自動処理制御手段6とウィンドウ判定処理手段7と自動入力処理手段8とコンピュータ装置制御手段10は、コンピュータCPU32がコンピュータROM33及びコンピュータRAM34とデータのやりとりを行いながらコンピュータROM33に記憶されている制御プログラムを実行することに、コンピュータ通信処理手段2はコンピュータ通信装置36に、コンピュータ表示手段9はコンピュータ液晶パネル35に対応するものである。
【0041】
なお、本実施の形態では、コンピュータCPU32がコンピュータROM33に記憶されたプログラムを実行することにより制御する形態が示されているが、コンピュータで読み取り可能なコンピュータ記録媒体38に記録されたプログラムをコンピュータ記録媒体読み取り装置37から読み込み、コンピュータRAM34上に展開した後、コンピュータCPU32が実行する形態であっても構わない。このような形態を取ることにより、本実施例を汎用コンピュータで容易に実現することができる。
【0042】
また、図1において、200は情報端末であり、21はユーザからの指示入力を行う端末入力手段、22はネットワーク等とのデータのやりとりを行う送信手段と受信手段からなる端末通信処理手段、23は受信データの解析を行う端末受信データ解析手段、24は送信データを作成する端末送信データ生成手段、25はデータを表示する端末表示手段である。26の情報端末制御手段は、端末通信処理手段22と、端末受信データ解析手段23と、端末送信データ生成手段24との各機能および機能間の動作、並びに、端末入力手段21による入力情報、端末表示手段25によって表示するデータを制御するものである。
【0043】
図2において、200は情報端末であり、41は端末入力装置、42は端末中央処理演算装置(CPU)、43は端末リード・オンリー・メモリ(ROM)、44は端末ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、45は端末液晶パネル、46は端末通信装置、47はCD−ROMなどの端末記録媒体48からデータを読み込む端末記録媒体読み取り装置である。
【0044】
図1に示した端末入力手段21は図2に示した端末入力装置41に、端末受信データ解析手段23と端末送信データ生成手段24と情報端末制御手段26は、端末CPU42が端末ROM43及び端末RAM44とデータのやりとりを行いながら端末ROM43に記憶されている制御プログラムを実行することに、端末通信処理手段22は端末通信装置46に、端末表示手段25は端末液晶パネル45に対応するものである。
【0045】
なお、本実施の形態では、端末CPU42が端末ROM43に記憶されたプログラムを実行することにより制御する形態が示されているが、コンピュータで読み取り可能な端末記録媒体48に記録されたプログラムを端末記録媒体読み取り装置47から読み込み、端末RAM44上に展開した後、端末CPU42が実行する形態であっても構わない。このような形態を取ることにより、本実施例を汎用コンピュータで容易に実現することができる。
【0046】
図3は、このように構成された、コンピュータ装置100と情報端末200からなる遠隔操作システム300を示す一例図であり、コンピュータ装置100で動作中のメーラーソフトを情報端末200で遠隔操作している。
【0047】
この例では、コンピュータ装置100で実行中のメーラーソフトのウィンドウの画面(図3のコンピュータ装置の画面の点線内部分)を、情報端末200の画面に表示し、情報端末200における操作情報をコンピュータ装置100に通知することにより、メールの読み書きを遠隔操作している。
【0048】
情報端末200において、ユーザが端末入力手段21によって遠隔操作開始を指示すると、情報端末制御手段26は、端末送信データ生成手段24によって、遠隔操作開始要求通知データを作成し、端末通信処理手段22によって、コンピュータ装置100に送信する。
【0049】
コンピュータ装置100は、コンピュータ通信処理手段2によってデータを受信し、受信したデータをコンピュータ受信データ解析手段3で解析する。
【0050】
図4は、情報端末200から送信された遠隔操作開始要求を受信した場合の、コンピュータ装置100の動作を示すフローチャートである。
【0051】
各ステップは次の動作をする。
(ステップA1):自動処理制御手段6は、設定情報格納手段5の遠隔操作を許可するための認証情報を取得する。
(ステップA2):自動処理制御手段6は、ステップA1で取得した認証パスワード情報が設定済か否かを確認する。認証パスワード設定済の場合、ステップA3に、認証パスワード情報が未設定の場合、ステップA8に進む。
(ステップA3):自動処理制御手段6は、コンピュータ表示手段9にパスワード入力画面を表示する。
(ステップA4):コンピュータ通信処理手段2によって、情報端末200から通知された操作情報を受信し、受信データ解析手段3によって受信情報の解析を行う。
(ステップA5):自動処理制御手段6は、ステップA3で表示したパスワード入力画面に対して、ステップA4で受信した操作イベントを発行する。
(ステップA6):自動処理制御手段6は、ステップA5の操作イベントが入力完了イベントか否かを確認する。入力完了イベントの場合、ステップA7に進み、入力完了イベントでない場合、ステップA4に戻り、次に通知される操作情報の処理を行う。
(ステップA7):自動処理制御手段6は、ステップA1で取得した認証パスワードと入力文字列を照合する。照合に成功した場合、ステップA8に進む。照合に失敗した場合、ステップA3に戻る。
(ステップA8):自動処理制御手段6は、コンピュータ装置100がログオン済か否かを確認する。ログオン済でない場合、ステップA9で、自動処理制御手段6により、自動入力処理を行う。ステップA8で、コンピュータ装置100がログオン済の場合、ステップA10に進む。
(ステップA10):自動処理制御手段6は、設定情報格納手段5の自動起動するアプリケーション情報を取得する。
(ステップA11):自動処理制御手段6は、ステップA10で取得した自動起動するアプリケーション情報が設定済か否かを確認する。自動起動するアプリケーション情報が設定済の場合、ステップA12に進み、未設定の場合、ステップA14に進む。
(ステップA12):自動処理制御手段6は、自動起動が指定されたアプリケーションの起動状態を確認し、未起動の場合、ステップA13で、自動処理制御手段6は、ステップA10で取得した自動起動アプリケーションを起動する。自動処理対象ウィンドウが表示された場合、ステップA14で、自動処理制御手段6により、自動入力処理を行う。
【0052】
ここで、ステップA9、ステップA14で行う自動入力処理について、さらに詳しくその動作を説明する。
【0053】
コンピュータ装置100の自動処理制御手段6は、最前面に表示されるウィンドウを特定する情報(例えばウィンドウハンドル)を取得し、前回取得情報と比較して、最前面ウィンドウが変更されたか否かを監視する。
【0054】
図5は、自動処理制御手段6が、最前面ウィンドウが変更されたと判断した場合の動作を示すフローチャートである。各ステップは次の動作をする。
(ステップB1):ウィンドウ判定処理手段7は、最前面ウィンドウの属性情報(例えばウィンドウクラス)を取得する。
(ステップB2):ウィンドウ判定処理手段7は、ステップB1で取得したウィンドウの属性情報により、最前面ウィンドウが自動入力対象ウィンドウか否かを判定する。自動入力対象ウィンドウでない場合、終了する。
(ステップB3):自動処理制御手段6は設定情報格納手段5から、対象ウィンドウに該当する自動入力情報を取得する。
(ステップB4):自動処理制御手段6の制御のもと、自動入力処理手段8は、最前面ウィンドウの各入力フィールドに、ステップB3で取得した自動入力情報を入力する。
(ステップB5):自動入力処理手段8は、最前面ウィンドウに対し、入力確定イベントを発行し、自動入力処理を終了する。
【0055】
なお、本実施例においては、ステップA8,ステップA9に示すように、ログオンウィンドウを自動入力対象ウィンドウとする場合について説明を行ったが、ウィンドウ判定処理手段7による対象ウィンドウ判定条件によっては、ログオンウィンドウを自動入力対象ウィンドウとしないことも可能である。
【0056】
本実施例により、情報端末200からコンピュータ装置100を操作する際に、情報端末200からアカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などを入力せずに、コンピュータ装置100で自動で入力するようにしたため、汎用に作成されたプリケーションを遠隔操作する場合にも、情報端末における煩雑な文字入力操作を削減できるという作用が得られる。
【0057】
従って、ウィンドウ判定処理手段7が、アカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などの自動入力を行うかどうかを判断するプログラムを、コンピュータ装置100で実行するようにしておくことで、遠隔操作用の専用のアプリケーションを開発せずに、汎用の幅広いアプリケーションに対応できるという効果がある。
【0058】
また、入力手段に制限のある情報端末200で、アカウント情報やパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などのコンピュータ装置100を操作する際に必要となる複雑な入力操作を行う必要がないため、操作性の向上を図ることもできる。
【0059】
(実施例2)
実施例2は、コンピュータ装置100の設定情報格納手段5に、複数のユーザに関する情報を保存することにより、使用ユーザに応じた情報を自動入力する実施例である。
【0060】
以下、異なる複数のユーザによって、本遠隔操作システム300を利用する場合の動作について、説明を行う。
【0061】
情報端末200において、ユーザが端末入力手段21によって遠隔操作開始を指示すると、情報端末制御手段26は、端末送信データ生成手段24によって、登録ユーザ情報要求通知データを作成し、端末通信処理手段22によって、コンピュータ装置100に送信する。
【0062】
コンピュータ装置100は、コンピュータ通信処理手段2によってデータを受信し、受信したデータをコンピュータ受信データ解析手段3で解析する。
【0063】
コンピュータ装置100は、情報端末200から送信された登録ユーザ情報要求を受信した場合、コンピュータ送信データ生成手段4によって、設定情報格納手段5に格納された複数のユーザを特定する情報(ユーザ名やユーザ情報番号など)を通知するデータを作成し、コンピュータ通信処理手段2によって、情報端末200に通知する。
【0064】
情報端末200では、端末通信処理手段22で受信したデータを端末受信データ解析手段23で解析し、通知されたユーザ特定情報一覧を、端末表示手段25に表示する。
【0065】
ユーザが、端末入力手段21により、使用ユーザを選択すると、情報端末制御手段26は、端末送信データ生成手段24によって、選択ユーザ特定情報を含む遠隔操作開始要求通知データを作成し、端末通信処理手段22によって、コンピュータ装置100に送信する。
【0066】
コンピュータ装置100は、コンピュータ通信処理手段2によってデータを受信し、受信したデータをコンピュータ受信データ解析手段3で解析する。
【0067】
情報端末200から送信された遠隔操作開始要求を受信した場合の、コンピュータ装置100の動作は、図4、および図5に示すフローチャートと同じであるが、コンピュータ装置100の自動処理制御手段6は、図34のフローチャートのステップA1、ステップA10、および図5のフローチャートのステップB3で、設定情報格納手段5の情報を取得する際、情報端末200から、遠隔操作開始要求で通知されたユーザ特定情報によって特定されるユーザに関する情報を取得する。
【0068】
本実施例では、情報端末200からコンピュータ装置100へ、登録ユーザ情報要求を通知し、コンピュータ装置100から情報端末200へ通知された登録ユーザ特定情報から選択したユーザ特定情報を、遠隔操作開始要求で通知する形態としているが、登録ユーザ情報要求通知を行わず、情報端末200の入力手段21によってユーザが指示したユーザ特定情報を、情報端末200からコンピュータ装置100へ通知する遠隔操作開始要求で指定する方法であっても構わない。
【0069】
この構成により、一台のコンピュータ装置100を複数のユーザが操作でき、かつ、それぞれのユーザに対応したアカウント情報とパスワード情報あるいはダイヤルアップ接続時の電話番号の情報などを自動入力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の遠隔操作システムは、コンピュータ装置でアカウント情報やパスワード情報や電話番号などの情報の自動入力を行うことにより、情報端末からコンピュータ装置を操作する際に必要となる入力操作を抑制でき、汎用に作成されたプリケーションを遠隔操作する場合にも、情報端末における煩雑な文字入力操作を削減できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施例1の遠隔操作システムの機能ブロック図
【図2】本発明の実施例1の遠隔操作システムの装置ブロック図
【図3】コンピュータ装置と情報端末との遠隔操作の画面の例を示す図
【図4】本発明の遠隔操作システムの動作を示すフローチャート
【図5】本発明の遠隔操作システムの複数ユーザで利用するときの動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0072】
2 コンピュータ通信処理手段
3 コンピュータ受信データ解析手段
4 コンピュータ送信データ生成手段
5 設定情報格納手段
6 自動処理制御手段
7 ウィンドウ判定処理手段
8 自動入力処理手段
10 コンピュータ装置制御手段
21 端末入力手段
22 端末通信処理手段
23 端末受信データ解析手段
24 端末送信データ生成手段
25 端末表示手段
26 情報端末制御手段
100 コンピュータ装置
200 情報端末
300 遠隔操作システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク等を経由して接続された情報端末がコンピュータ装置上で動作するアプリケーションを遠隔操作する遠隔操作システムであって、
前記情報端末は、
前記コンピュータ装置に遠隔操作開始信号を送信する端末通信処理手段を有し、
前記コンピュータ装置は、
前記情報端末からの遠隔操作開始信号を受信するコンピュータ通信処理手段と、
自動入力対象ウィンドウに自動入力を行う際に使用する自動入力情報を格納しておく設定情報格納手段と、
前記自動入力情報を自動入力するウィンドウか否かを判定するウィンドウ判定処理手段と、
前記ウィンドウ判定処理手段で自動入力処理対象となるウィンドウと判定されたウィンドウに対し、自動入力情報を自動入力する自動入力処理手段と、
前記設定情報格納手段に格納された前記自動入力情報を取得し、前記ウィンドウ判定処理手段および前記自動入力処理手段による自動入力対象ウィンドウへの自動入力処理を制御する、自動処理制御手段と、
を有する遠隔操作システム。
【請求項2】
前記コンピュータ装置は、
自動起動するアプリケーション情報を登録した前記設定情報格納手段と、
前記情報端末からの前記遠隔操作開始信号により、前記設定情報格納手段に登録されている自動起動するアプリケーションの起動状態を確認し、未起動の場合、当該アプリケーションを起動する前記自動処理制御手段と、
を有する請求項1記載の遠隔操作システム。
【請求項3】
前記コンピュータ装置は、
遠隔操作を許可するための認証情報を登録した前記設定情報格納手段と、
前記遠隔操作を許可するための認証情報が設定済の場合には、前記コンピュータ装置のコンピュータ表示手段にパスワード入力画面を表示し、前記情報端末の遠隔操作による入力と前記設定情報格納手段に登録されている前記遠隔操作を許可するための認証情報とを用いた認証を行う前記自動処理制御手段と、
を有する請求項1記載の遠隔操作システム。
【請求項4】
前記情報端末は、
複数のユーザから選択されたユーザの、ユーザ特定情報を送信する前記端末通信処理手段を有し、
前記コンピュータ装置は、
各ユーザに対する
(a)自動入力処理で使用する自動入力情報
(b)自動起動するアプリケーション情報
(c)遠隔操作を許可するための認証情報
の少なくとも一つの情報を有する前記設定情報格納手段と、
前記設定情報格納手段に蓄積されている複数のユーザに対する前記少なくとも一つの情報から、前記情報端末によって通知されたユーザ特定情報に対応する情報を取得する前記自動処理制御手段と、
を有する請求項1から3いずれか1項に記載の遠隔操作システム。
【請求項5】
前記コンピュータ装置が、前記設定情報格納手段に蓄積されている複数のユーザを特定可能なユーザ特定情報を送信し、前記情報端末が、受信したユーザ特定情報から一つのユーザを選択し、対応する前記ユーザ特定情報を送信することを特徴とする請求項4に記載の遠隔操作システム。
【請求項6】
コンピュータ装置上で動作するアプリケーションを遠隔操作する、前記コンピュータとネットワーク等を経由して接続された情報端末であって、
前記コンピュータ装置に対し、前記コンピュータ装置が、ユーザ操作の自動入力情報を設定情報格納手段から取得し、前記自動入力情報の自動入力処理対象となるウィンドウか否かを判定し、自動入力処理対象となるウィンドウの場合には、前記自動入力情報を自動入力するための、遠隔操作開始信号の送信を行う端末通信処理手段を有する情報端末。
【請求項7】
コンピュータ装置上で動作するアプリケーションを、ネットワーク等を経由して接続された情報端末によって遠隔操作するコンピュータ装置であって、
前記情報端末からの遠隔操作開始信号を受信するコンピュータ通信処理手段と、
自動入力対象ウィンドウに自動入力を行う際に使用する自動入力情報を格納しておく設定情報格納手段と、
前記自動入力情報を自動入力するウィンドウか否かを判定するウィンドウ判定処理手段と、
前記ウィンドウ判定処理手段で自動入力処理対象となるウィンドウと判定されたウィンドウに対し、自動入力情報を自動入力する自動入力処理手段と、
前記設定情報格納手段に格納された前記自動入力情報を取得し、前記ウィンドウ判定処理手段および前記自動入力処理手段による自動入力対象ウィンドウへの自動入力処理を制御する、自動処理制御手段と、
を有するコンピュータ装置。
【請求項8】
前記コンピュータ装置は、
自動起動するアプリケーション情報を登録した前記設定情報格納手段と、
前記情報端末からの前記遠隔操作開始信号により、前記設定情報格納手段に登録されている自動起動するアプリケーションの起動状態を確認し、未起動の場合、当該アプリケーションを起動する前記自動処理制御手段と、
を有する請求項7記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記コンピュータ装置は、
遠隔操作を許可するための認証情報を登録した前記設定情報格納手段と、
前記遠隔操作を許可するための認証情報が設定済の場合には、前記コンピュータ装置のコンピュータ表示手段にパスワード入力画面を表示し、前記情報端末の遠隔操作による入力と前記設定情報格納手段に登録されている前記遠隔操作を許可するための認証情報とを用いた認証を行う前記自動処理制御手段と、
を有する請求項7記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記コンピュータ装置は、
前記情報端末から送信された、複数のユーザから選択されたユーザを特定するユーザ特定情報を受信するコンピュータ通信処理手段と、
各ユーザに対する
(a)自動入力処理で使用する自動入力情報
(b)自動起動するアプリケーション情報
(c)遠隔操作を許可するための認証情報
の少なくとも一つの情報を有する前記設定情報格納手段と、
前記設定情報格納手段に蓄積されている複数のユーザに対する前記少なくとも一つの情報
から、前記情報端末によって通知されたユーザ特定情報に対応する情報を取得する前記自動処理制御手段と、
を有する請求項7から9いずれか1項に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
情報端末により実行されると、当該情報端末を請求項6記載の情報端末として動作させる、情報端末コンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータ装置で実行されると、当該コンピュータ装置を請求項7から10いずれか1項に記載のコンピュータ装置として動作させる、コンピュータ装置プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−201992(P2006−201992A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12315(P2005−12315)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】