説明

遠隔温度監視システム

【課題】閲覧する者に応じた必要な情報を提供する。
【解決手段】本発明は、遠隔地に複数設置された冷蔵又は冷凍設備の温度を監視する遠隔温度監視システムであって、各設備の内部温度を示す温度情報を取得する温度情報取得部と、各設備の動作を規定する設定情報を取得する設定情報取得部と、温度情報、設定情報、及び、設備を有する顧客に関する顧客情報が記憶される第1記憶装置を含む第1サーバーと、第1サーバーに記憶された情報の一部を取得し、外部から閲覧可能な閲覧情報として記憶する第2記憶装置を含み、アクセスした閲覧者を識別する識別情報に応じて閲覧情報の閲覧可能範囲を制限する第2サーバーとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔温度監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗に設置された冷凍冷蔵庫や冷凍冷蔵ショーケースからの情報を、遠隔地にあるセンターに設置した端末装置で受信し、異常の発生時において、異常が生じた旨の情報並びに異常の内容を示す情報を移動体通信装置で受信するようにした冷凍設備の遠隔管理装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−245595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述の装置では、移動体通信装置とセンターとで同じ情報を閲覧できるようになっていた。しかしながら、一般に、センターと移動体端末とでは必要とされる情報の種類や量は異なる。この点は、管理者と顧客のように情報の閲覧者が異なっている場合も同様である。
そして、必要とされる情報の種類や量が異なるにも拘わらず同じ情報を用いた場合、顧客には不要な情報が多く存在することでアクセスに対するレスポンスが悪化してしまう可能性がある。また、非公開の情報にまで不法にアクセスされ、閲覧されてしまうセキュリティ上の問題も起こり得る。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、閲覧する者に応じた必要な情報を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の遠隔温度監視システムは、遠隔地に複数設置された冷蔵又は冷凍設備の温度を監視する遠隔温度監視システムであって、前記各設備の内部温度を示す温度情報を取得する温度情報取得部と、前記各設備の動作を規定する設定情報を取得する設定情報取得部と、前記温度情報、前記設定情報、及び、前記設備を有する顧客に関する顧客情報が記憶される第1記憶装置を含む第1サーバーと、前記第1サーバーに記憶された情報の一部を取得し、外部から閲覧可能な閲覧情報として記憶する第2記憶装置を含み、アクセスした閲覧者を識別する識別情報に応じて前記閲覧情報の閲覧可能範囲を制限する第2サーバーとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、店舗や倉庫等に設置した複数の冷凍冷蔵庫や冷凍冷蔵ショーケースから、庫内温度や冷媒圧力等の被監視情報を取得して第1サーバーに含まれる第1記憶装置に記憶し、その記憶した情報のうち、一部の情報だけを第2サーバーに含まれる第2記憶装置に記憶させて、顧客からは第2サーバーのみをアクセス(閲覧)可能にしたので、顧客に公開可能な情報のみを提供し、第1サーバーに記憶している非公開情報を秘匿できる。これにより、情報セキュリティが確保できるものである。また、第2サーバーに記憶しておく情報量を抑制できるので、顧客からのアクセスに対するレスポンスが向上する。また、第2記憶装置に記憶させた情報に関して、閲覧者(識別情報)に応じて閲覧可能範囲を制限しているので、閲覧する者に応じて選択的に情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】遠隔温度監視システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】(a)は、データサーバーの構成を説明するブロック図である。(b)は、メモリーに設けられた記憶領域を説明する図である。(c)は、データベース用記憶装置に設けられた記憶領域を説明する図である。
【図3】(a)は、通報用コンピューター、第1データ収集用サーバー−、第2データ収集用サーバーの構成を説明するブロック図である。(b)は、メモリーに設けられた記憶領域を説明する図である。
【図4】(a)は、冷凍冷蔵設備の構成を説明するブロック図である。(b)は、メモリーに設けられた記憶領域を説明する図である。
【図5】(a)は、Webサーバーの構成を説明するブロック図である。(b)は、メモリーに設けられた記憶領域を説明する図である。(c)は、データベース用記憶装置に設けられた記憶領域を説明する図である。
【図6】内部温度の変化に基づく異常判断処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
===第1実施形態===
<システムの全体構成>
図1に示すように、この遠隔温度監視システムは、サービスセンター1内に配置されるデータサーバー10(第1サーバー)、分析サーバー20(異常判断部)、第1データ収集サーバー30(設定情報取得部)、及び、第2データ収集サーバー40(温度情報取得部)と、店舗50Aや倉庫50B等に設置される冷蔵冷凍設備51A,51Bと、サービスセンター1外に配置されるWebサーバー60(第2サーバー)とを有している。
【0010】
データサーバー10と、分析サーバー20、第1データ収集サーバー30及び第2データ収集サーバー40とは、サービスセンター1内のLAN(ローカルエリアネットワーク)で通信可能な状態で接続されている。第1データ収集サーバー30や第2データ収集サーバー40は、それぞれ冷蔵冷凍設備51A,51Bと通信可能な状態で接続されている。データサーバー10とWebサーバー60とは、VPN(仮想プライベートネットワーク)又は専用回線で接続されている。
【0011】
<データサーバー10について>
データサーバー10は、図2(a)に示すように、制御部11と、データベース用記憶装置12(第1記憶装置)と、通信用インタフェース13とを有している。制御部11は、CPU14とメモリー15とを有し、メモリー15に記憶されたプログラムをCPU14が実行することで、各種の制御動作が実現される。通信用インタフェース13は、データサーバー10における通信を制御する。
【0012】
図2(b)に示すように、メモリー15には、プログラムが記憶されるプログラム記憶領域15aやプログラムの実行時に用いられる作業用記憶領域15bが設けられている。
【0013】
データベース用記憶装置12には、遠隔温度監視システムで用いられる各種の情報が記憶されている。例えば、図2(c)に示すように、データベース用記憶装置12には、顧客情報記憶領域12a、社員情報記憶領域12b、設定情報記憶領域12c、第1温度情報記憶領域12d、第2温度情報記憶領域12e、及び、冷媒圧力情報記憶領域12fが設けられている。
【0014】
顧客情報記憶領域12aには、その顧客に関する情報が記憶されている。例えば、所在地、電話番号、使用機器、識別番号、契約内容(期間,コース)、及び、パスワードといった情報が記憶されている。
【0015】
社員情報記憶領域12bには、システムを管理する社員(管理者)に関する情報が記憶されている。例えば、識別情報やパスワードが記憶されている。
【0016】
設定情報記憶領域12cには、冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける設定情報が記憶されている。例えば、設定温度を示す設定温度情報、及び、霜取り動作中といった動作を示す動作情報が記憶されている。この設定情報は、第1データ収集サーバー30を通じて取得される。
【0017】
第1温度情報記憶領域12dには、冷蔵冷凍設備51A,51Bの庫内温度(内部温度)を示す第1温度情報が記憶されている。なお、この第1温度情報記憶領域12dには、サンプリングされた全ての情報(生データ)が記憶されている。そして、第1温度情報は、第2データ収集サーバー40を通じて取得される。
【0018】
第2温度情報記憶領域12eには、冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける所定時間毎の庫内温度を示す第2温度情報が記憶されている。即ち、第1温度情報記憶領域12dに記憶されている第1温度情報のサンプリング周期よりも長い周期、例えば、5分ごとの庫内温度を示す情報が記憶されている。この第2温度情報は、例えば、第1温度情報の平均値を算出したり、あるいはデータを適宜間引くことで取得され、Webサーバー60で用いられる。
【0019】
冷媒圧力情報記憶領域12fには、冷蔵冷凍設備51A,51Bが有する冷凍回路(冷却機構)の冷媒圧力を示す冷媒圧力情報が記憶される。この冷媒圧力情報は、第1データ収集サーバー30を通じて取得される。
【0020】
<分析サーバー20等について>
分析サーバー20は、第1温度情報記憶領域12dから第1温度情報を、設定情報記憶領域12cから設定情報を、冷媒圧力情報記憶領域12fから冷媒圧力情報をそれぞれ取得し、これらの情報を分析して冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける異常の有無を判断する。例えば、第1温度情報で示される庫内温度と設定情報で示される設定温度との差が判断基準値よりも大きい場合に、異常ありと判断する。また、第1温度情報で示される庫内温度の変化パターンが想定外のパターンを示した場合にも異常ありと判断する。さらに、冷媒圧力情報で示される冷媒圧力が異常な値を示した場合にも、異常ありと判断する。異常ありと判断した場合、分析サーバー20は、通報が必要である旨のメッセージをディスプレイに表示するなどして通報を促す。
【0021】
第1データ収集サーバー30は、冷蔵冷凍設備51A,51Bと通信可能な状態で接続され、設定情報や冷媒圧力情報を取得する。第2データ収集サーバー40もまた、冷蔵冷凍設備51A,51Bと通信可能な状態で接続され、冷蔵冷凍設備51A,51Bの庫内温度を取得する。例えば、1秒毎とか10秒毎といった短い周期で庫内温度を取得する。
【0022】
これらの分析サーバー20、第1データ収集サーバー30、及び、第2データ収集サーバー40は、いずれも同じように構成されている。例えば、図3(a)に示すように、制御部21,31,41と、通信用インタフェース22,32,42とを有している。制御部21,31,41は、CPU23,33,43とメモリー24,34,44とを有しており、メモリー24,34,44に記憶されたプログラムをCPU23,33,43が実行することで、各種の制御動作が実現される。図3(b)に示すように、メモリー24,34,44には、プログラムが記憶されるプログラム記憶領域24a,34a,44aやプログラムの実行時に用いられる作業用記憶領域24b,34b,44bが設けられている。通信用インタフェース22,32,42は、分析サーバー20、第1データ収集サーバー30、及び、第2データ収集サーバー40における通信を制御する。
【0023】
<冷蔵冷凍設備51A,51Bについて>
冷蔵冷凍設備51A,51Bは、例えば図4(a)に示すように、冷凍回路53(冷却機構)と、第1温度センサ54と、第2温度センサ55と、制御部56と、通信用インタフェース57とを有する。
【0024】
冷凍回路53は、庫内52(内部空間)を冷却する部分であり、蒸発器53aと、圧縮凝縮冷却ユニット53bとを有する。この冷凍回路53では、圧縮凝縮冷却ユニット53bから冷媒を蒸発器53aに供給する。そして、蒸発器53aでの冷媒の蒸発によって庫内を冷却し、冷却に用いられた冷媒を圧縮凝縮冷却ユニット53bに戻している。
【0025】
第1温度センサ54は、例えばサーミスタによって構成され、冷凍回路53の制御のために庫内温度を計測する。第2温度センサ55もまたサーミスタ等によって構成され、第2データ収集サーバー40へ送信するために庫内温度を計測する。
【0026】
制御部56は、冷凍回路53を制御する部分であり、CPU58とメモリー59とを有している。そして、メモリー59に記憶されたプログラムをCPU58が実行することで、各種の制御動作が実現される。通信用インタフェース57は、冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける通信を制御する。
【0027】
図4(b)に示すように、メモリー59の一部領域は、プログラムが記憶されるプログラム記憶領域59a、プログラムの実行時に用いられる作業用記憶領域59b、及び、設定温度や動作内容等の設定情報が記憶される設定情報記憶領域59cが設けられている。
【0028】
<Webサーバー60について>
Webサーバー60は、図5(a)に示すように、制御部61と、データベース用記憶装置62(第2記憶装置)と、通信用インタフェース63とを有する。制御部61は、CPU64とメモリー65とを有しており、メモリー65に記憶されたプログラムをCPU64が実行することで、各種の制御動作が実現される。通信用インタフェース63は、Webサーバー60における通信を制御する。
【0029】
Webサーバー60は、顧客の冷蔵冷凍設備に係る温度監視データや異常発生の有無等を顧客別に公開するための閲覧用サーバーである。アクセス時のレスポンスを良くするために、データサーバー10が収集、記憶している第1温度情報のサンプリング周期よりも長い周期の第2温度情報をデータサーバー10から取得し、データベース用記憶装置62に記憶している。顧客はWebサーバー60に対するアクセス権限を与えられてアクセス可能であるが、セキュリティ確保のためにデータサーバー10は公開されておらず、アクセスは禁止されている。
【0030】
図5(b)に示すように、メモリー65には、プログラムが記憶されるプログラム記憶領域65aやプログラムの実行時に用いられる作業用記憶領域65bが設けられている。
【0031】
データベース用記憶装置62には、閲覧者の認証情報や閲覧者に閲覧させるための各種の情報が記憶されている。例えば、図5(c)に示すように、データベース用記憶装置62には、顧客情報記憶領域62a、社員情報記憶領域62b、設定情報記憶領域62c、第2温度情報記憶領域62d、及び、冷媒圧力情報記憶領域62eが設けられている。
【0032】
顧客情報記憶領域62aには、データサーバー10のデータベース用記憶装置12aに記憶されている顧客に関する情報のうち、その一部の情報を取得して記憶している。例えば、使用機器、識別番号、及び、パスワードといった情報が記憶されている。データサーバー10の顧客情報記憶領域12aに記憶されている情報と比較すると、所在地、電話番号、及び、契約内容(期間,コース)がない点で相違している。要するに、監視には不要な個人情報が除かれている。
【0033】
社員情報記憶領域62bには、社員に関する情報として、識別情報やパスワードが記憶されている。これらの情報は、データサーバー10に記憶されているものと同じである。
【0034】
設定情報記憶領域62cには、設定温度を示す設定温度情報、及び、動作を示す動作情報が記憶されている。第2温度情報記憶領域62dには、所定時間毎の庫内温度を示す第2温度情報が記憶されている。冷媒圧力情報記憶領域62eには、冷凍回路53の冷媒圧力を示す冷媒圧力情報が記憶されている。
【0035】
ここで、データサーバー10には生データである第1温度情報が記憶されているが、Webサーバー60には第1温度情報は記憶されていない。これは、サンプリング周期が短く、膨大な量の第1温度情報をWebサーバー60に記憶させると、Webサーバー60の負荷が過度に大きくなり、処理が遅くなってしまうからである。このような問題を解消するため、このシステムでは、データ量を少なくした第2温度情報をWebサーバー60に記憶させている。
【0036】
<システムの動作について>
次に、遠隔温度監視システムの動作について説明する。このシステムでは、第1データ収集サーバー30や第2データ収集サーバー40にて、設定温度情報、動作情報、第1温度情報、冷媒圧力情報が取得される。取得された各種の情報は、データサーバー10のデータベース用記憶装置12に記憶される。また、データサーバー10は、第1温度情報から第2温度情報を算出し、あるいは第1温度情報を適宜間引いて第2温度情報を構成しデータベース用記憶装置12に記憶したり、顧客や社員に関する情報をデータベース用記憶装置12に記憶したりする。
【0037】
Webサーバー60には、データベース用記憶装置12に記憶された情報のうち、閲覧可能とされる情報がVPN等を通じて送信されて記憶される。前述したように、一部の顧客情報、社員情報、設定情報、第2温度情報、及び、冷媒温度情報が記憶される。
【0038】
そして、Webサーバー60は、アクセスした閲覧者100に応じて情報の閲覧可能範囲を制限する。すなわち、Webサーバー60は、端末から送信された識別情報を照合し、閲覧者として社員102がアクセスしていると判断した場合、記憶されている全ての情報を閲覧の対象とする。一方、閲覧者として顧客101がアクセスしていると判断した場合、記憶されている一部の情報を閲覧の対象とする。例えば、設定情報や第2温度情報を閲覧の対象とし、他の情報は閲覧の対象にはしない。
【0039】
システムの動作時において分析サーバー20は、第1温度情報に応じて冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける異常の有無を判断する。例えば、図6の上段に示すパターンaのように、冷却回路のオフ温度が一点鎖線で示すような経時変化をした場合、冷凍回路53を制御するための第1温度センサ54ーが何らかの検出異常を示していると考えられる。この場合、分析サーバー20は、異常と判断する。一方、図6の中段及び下段のパターンb,cに示すような経時変化をした場合、分析サーバー20は、異常とは判断しない。
【0040】
<まとめ>
このように本実施形態の遠隔温度監視システムでは、冷蔵冷凍設備51A,51Bの動作を規定する設定情報を、第1データ収集サーバー30を通じて取得し、冷蔵冷凍設備51A,51Bの内部温度を示す第1温度情報を、第2データ収集サーバー40を通じて取得している。そして、データサーバー10のデータベース用記憶装置12には、第1温度情報、この第1温度情報のサンプリング周期よりも長い周期で作成された第2温度情報、冷蔵冷凍設備51A,51Bを有する顧客に関する顧客情報を記憶させている。
【0041】
また、Webサーバー60のデータベース用記憶装置62には、データサーバー10のデータベース用記憶装置12に記憶された情報の一部が外部から閲覧可能な閲覧情報として記憶される。例えば、一部の顧客情報、設定情報、第2温度情報、及び、冷媒圧力情報が記憶される。さらに、Webサーバー60は、アクセス時の識別情報に基づいて閲覧者の資格及び閲覧権限を認識し、データベース用記憶装置に記憶された閲覧情報について、閲覧可能範囲を閲覧者毎に適宜定める。
【0042】
このため、閲覧者に閲覧され得る情報を選択してWebサーバー60のデータベース用記憶装置62に記憶させることができる。また、このデータベース用記憶装置62に記憶させた情報に関して、閲覧者に応じて閲覧可能範囲を制限しているので、閲覧する者に応じた必要な情報を提供できる。
【0043】
また、顧客情報には、顧客との契約内容を示す契約情報が含まれているが、Webサーバー60は、第2温度情報と設定情報とを取得し、契約情報を取得しないので、契約内容の漏洩を抑制できる。
【0044】
また、閲覧者100には、システムを管理する社員102(管理者)と顧客101とが含まれており、Webサーバー60は、社員102がアクセスした場合の閲覧可能範囲よりも、顧客101がアクセスした場合の閲覧可能範囲を狭く定めているので、閲覧者に応じて必要な情報を適切に提供できる。即ち、閲覧者に応じて選択的に情報を提供する。
【0045】
また、分析サーバー20は、データサーバー10のデータベース用記憶装置12に記憶された第1温度情報に基づき、冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける異常の有無を判断するので、遠隔地に設けられた冷蔵冷凍設備51A,51Bの管理を集中して行うことができる。
【0046】
また、冷蔵冷凍設備51A,51Bは、庫内52を冷却する冷凍回路53と、第1温度情報を取得するために庫内温度を検出する第2温度センサ55とを有しており、分析サーバー20は、第1温度情報から判断される冷凍回路53の動作温度の変化に基づいて、冷蔵冷凍設備51A,51Bにおける異常の有無を判断するので、冷蔵冷凍設備51A,51Bの異常を遠隔地からでも認識できる。
【0047】
===他の実施形態===
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また本発明はその等価物も含むものである。
【0048】
例えば、冷蔵冷凍設備51A,51Bに関し、冷凍設備であってもよいし、冷蔵設備であってもよい。また、サービスセンター1には、データサーバー10、分析サーバー20、第1データ収集サーバー30、及び、第2データ収集サーバー40を設けたものを例示したが、1つのサーバーで構成してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…サービスセンター,10…データサーバー,11…制御部,12…データベース用記憶装置,12a…顧客情報記憶領域,12b…社員情報記憶領域,12c…設定情報記憶領域,12d…第1温度情報記憶領域,13…通信用インタフェース,14…CPU,15…メモリー,15a…プログラム記憶領域,15b…作業用記憶領域,20…分析サーバー,21…制御部,22…通信用インタフェース,23…CPU,24…メモリー,24a…プログラム記憶領域,24b…作業用記憶領域,30…第1データ収集サーバー,31…制御部,32…通信用インタフェース,33…CPU,34…メモリー,34a…プログラム記憶領域,34b…作業用記憶領域,40…第2データ収集サーバー,41…制御部,42…通信用インタフェース,43…CPU,44…メモリー,44a…プログラム記憶領域,44b…作業用記憶領域,50A…店舗,50B…倉庫,51(51A,51B)…冷蔵冷凍設備,52…庫内,53…冷凍回路,53a…蒸発器,53b…圧縮凝縮冷却ユニット,54…第1温度センサ,55…第2温度センサ,56…制御部,57…通信用インタフェース,58…CPU,59…メモリー,59a…プログラム記憶領域,59b…作業用記憶領域,59c…設定情報記憶領域,60…Webサーバー,61…制御部,62…データベース用記憶装置,62a…顧客情報記憶領域,62b…社員情報記憶領域,62c…設定情報記憶領域,62d…第2温度情報記憶領域,62e…冷媒圧力情報記憶領域,63…通信用インタフェース,64…CPU,65…メモリー,65a…プログラム記憶領域,65b…作業用記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地に複数設置された冷蔵又は冷凍設備の温度を監視する遠隔温度監視システムであって、
前記各設備の内部温度を示す温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記各設備の動作を規定する設定情報を取得する設定情報取得部と、
前記温度情報、前記設定情報、及び、前記設備を有する顧客に関する顧客情報が記憶される第1記憶装置を含む第1サーバーと、
前記第1サーバーに記憶された情報の一部を取得し、外部から閲覧可能な閲覧情報として記憶する第2記憶装置を含み、アクセスした閲覧者を識別する識別情報に応じて前記閲覧情報の閲覧可能範囲を制限する第2サーバーと
を有することを特徴とする遠隔温度監視システム。
【請求項2】
前記第2サーバーは、前記第1サーバーの前記第1記憶装置に記憶された温度情報よりもサンプリング周期を長くした前記温度情報を前記第2記憶装置に記憶すると共に、顧客に対しては前記第1サーバーへのアクセスを禁止し、第2サーバーのみにアクセス可能としたことを特徴とする請求項1に記載の遠隔温度監視システム。
【請求項3】
前記顧客情報は、前記顧客との契約内容を示す契約情報を少なくとも含み、
前記第2サーバーは、
前記第1サーバーから前記温度情報と前記設定情報とを取得し前記第2記憶装置に記憶し、前記契約情報は取得しないことを特徴とする請求項2に記載の遠隔温度監視システム。
【請求項4】
前記閲覧者は、
システムを管理する管理者と、前記顧客とを少なくとも含み、
前記第2サーバーは、
前記管理者がアクセスした場合の閲覧可能範囲よりも、前記顧客がアクセスした場合の閲覧可能範囲を狭く定めることを特徴とする請求項3に記載の遠隔温度監視システム。
【請求項5】
前記第1記憶装置に記憶された前記温度情報に基づき、前記各設備における異常の有無を判断する異常判断部を有する請求項4に記載の遠隔温度監視システム。
【請求項6】
前記各設備は、
内部空間を冷却する冷却機構と、
前記温度情報を取得するために前記内部空間の温度を検出する温度センサと
を有し、
前記異常判断部は、
前記温度情報から判断される前記冷却機構の動作温度の変化に基づいて、前記設備における異常の有無を判断することを特徴とする請求項5に記載の遠隔温度監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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