説明

遠隔監視を提供する消費者食品検査装置

【課題】食品サンプル中の有害汚染物質の存在を検査するための消費者食品検査装置を提供する。
【解決手段】化学、生物及び/又は電離放射線汚染物質の検出時に視覚的合図を生成するシステムと、有害汚染物質の検出に応答して、消費者検査装置の地球規模での位置、有害汚染物質の特定、並びに時間及び日付を遠隔監視施設へ送信するための処理システムと、を含む。
【効果】この消費者食品検査装置を用いることにより、食品の迅速な即時検査を、食品の摂取前に実施することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品(foodstuff)の安全性検査に関し、より具体的には、食品中の有害な汚染物質の存在を検出して汚染された食品の摂取を回避する、消費者向けの携帯検査装置に関する。
【0002】
(関連特許)
本発明は、「消費者食品検査装置」という名称の米国特許第7,776,266号及び第7,527,765号(それぞれ2010年8月17日、2009年5月5日付け)の両方に関連し、これらの教示は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
世界における最近の事件は、生物、化学、及び/又は、放射能による大量破壊兵器を用いた、従来にないテロ攻撃への懸念を生じさせている。これらの事件は、テロ攻撃に対する国家の食品及び水供給の脆弱性に関して国際的な認識をさらに高めた。このような攻撃において、ある種の生物剤、化学剤、及び/又は、放射性物質が用いられると、食品及び水の供給に危険な汚染を与え得る。このような汚染は、多数の死者や、胎児の異常、失明、身体的奇型、及び精神虚弱などの重大な長期健康障害や、ガンなどの慢性疾病をもたらす破壊的な影響を多くの人口に及ぼす。食品及び水の意図的な汚染は現実かつ進行中の脅威である。
【0004】
米国疾病予防管理センター(CDC)は、起こり得るテロ攻撃で重要な物質となり得るいくつかの有害な汚染物質を特定した。最重要な生物剤(「カテゴリーA」の物質)の中には、炭疽菌(anthrax)及びボツリヌス菌(botulism)があるが、これらはいずれも致死性の病原菌であり、食品及び水を汚染するために使用される可能性がある。
【0005】
CDCにより特定された有害汚染物質の大部分は、それらが緩やかな伝播性と緩やかな罹病率、及び低い死亡率のため、「カテゴリーB」の物質に分類された。カテゴリーBの物質には、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)及びサルモネラ腸炎菌(Salmonella enteritidis)などのサルモネラ属菌種(Salmonella spp.)、赤痢菌(Shigella dysenteriae)などのシゲラ属菌種(Shigella spp.)、腸管出血性大腸菌O104:H4(E. coli O104:H4)、腸管出血性大腸菌O157:H7(E. coli O157:H7)、及び志賀毒素産生性大腸菌非O157:H7(E. coli non-O157:H7 STEC)などのエシェリキア属菌種(Escherichia spp.)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)などのカンピロバクター属菌種(Campylobacter spp.)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)などのリステリア属菌種(Listeria spp.)などを含むものがある。最近、ドイツ政府は、腸管出血性大腸菌O104:H4アウトブレイク(outbreak)への対処、及びその発生源の特定で大変な困難を経験した。大腸菌は腎臓や他の臓器に広範な損傷を与える可能性がある。
【0006】
また、CDCは、テロ攻撃で考えられる物質として特定の化学物質を特定した。それらには、農薬、ダイオキシン、フラン、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)、シアン化物、重金属(例えば、ヒ素、鉛、及び水銀など)、並びに、マイコトキシンや海産毒(marine toxin)などの他の天然及び合成の慢性毒素が含まれる。CDCは、テロリストがこれらの物質を様々に組み合わせて使用し、複数の場所で同時に攻撃を行う可能性があると警告を発した。
【0007】
また、これらの物質は、万一、テロ行為とは無関係な意図的でない食品汚染(例えば、プロセスの不具合、操作エラー)のために、不注意で食品及び水の供給網に取り込まれた場合、著しい脅威をもたらすことも知られている。食中毒(food poisoning)による大規模なアウトブレイクは頻繁に発生し、時には数十万人に影響を与える。
【0008】
意図的でない汚染により発生した大規模なアウトブレイクの例として、いくつかある事件の中で特に、1984年、米国の41の州において、汚染されたアイスクリームのプリミックス(pre-mix)に関係して推計224,000人が罹患した(sickened)サルモネラ腸炎菌感染アウトブレイク、1985年、米国酪農工場から出荷された牛乳の殺菌後汚染に関係して約170,000人が罹患したネズミチフス菌感染アウトブレイク、1991年、中国において、汚染された二枚貝(clams)により発生して300,000人近くに影響を与えた、食品が媒介する史上最も大規模な疾病事件であるA型肝炎アウトブレイク、及び、1996年、日本において、学校給食で出された汚染カイワレ大根に関係して約8,000人が罹患した(うち数人が死亡)腸管出血性O157:H7アウトブレイクが含まれる。
【0009】
世界保健機関(WHO)は、病原菌により汚染された食品及び水が原因で、毎年、全世界中で約200万人の子供たちが死亡すると推定している。先進国では、3人のうち1人は、毎年、何らかの食中毒に悩まされている。米国では、食品/水汚染に起因して、毎年、約7,600万件の疾病、約325,000件の入院、約5,000人の死亡が発生していると推定される。
【0010】
また、農薬、天然毒素及び合成毒素、海産毒、マイコトキシン、重金属、シアン化物、及び他の急性毒性化学物質(acutely toxic chemicals)による汚染に起因した食中毒も報告されている。1981年のある死亡事件では、スペインで販売された食用油製品が化学剤で汚染され、800人以上が死亡し、20,000人以上が負傷した。1985年には、米国で、農薬アルジカルブによる処理土壌で成長した西瓜を食べた1,400人近くが体調を崩したことが報道された。1971年から1972年にかけて、イラクにおいて、水銀で汚染された小麦から作られたパンを食べた6,500人以上が神経学的症状で入院し、459人が死亡した。加えて、1960年代には、日本において、汚染された水中で捕獲され高度に汚染された魚を食べた200人以上が水銀中毒で苦しんだ。
【0011】
今日の世界市場において、1国の食品汚染は、世界の他の地域の公衆衛生に著しい影響を及ぼす。1989年に、米国30州の約25,000人の人々が、メキシコから輸入されたカンタロープ・メロンのサルモネラ・チェスターにより罹患した。1996年及び1997年に、米国の21州、及びカナダの2州における2,500人の人々が、グアテマラの汚染されたラズベリーを食べた後、シクロスポラ感染症を発症した。
【0012】
他の食品汚染は、人間の細胞を損傷し得る電離放射線である。例えば、ロシアにおける悪名高いチェルノブイリ原子力発電所事故の結果、約4,000人の人々がヨウ素131(I−131)などの有害な放射線にさらされ、その後、これらの人々に甲状腺ガンを発症させた。また、2011年3月には、日本の福島における原子力発電所の少なくとも部分的なメルトダウンに起因して、損傷を受けた原子炉を制御する努力が継続された際に、高レベルの放射性物質が継続的に食料供給に入り込んだ。日本は福島第1原子力発電所からの放射線にさらされた地域で生産されたホウレン草と牛乳を含む多くの食品に制限を加えた。食品中には、ヨウ素131(I−131)、セシウム137(Cs137)、及びセシウム134(Cs134)が検出された。原子量発電所から45マイル離れた町、日立市において、ある農場のホウレン草は、安全と考えられるI−131量及びセシウム量に対して、27倍のI−131及び4倍のセシウムを含有していた。原子力発電所から18マイル以上離れた飯館村において、ある酪農場からの生乳は、安全と考えられるI−131レベルよりも17倍も高いレベルであった。高レベルのI−131は、牛乳の摂取(consumption)を通して体内に吸収され、そして、甲状腺に蓄積されて、前述のように甲状腺ガンを発症させ得る。また、高レベルのセシウムは細胞を損傷し、人間に他の種類のガンを発症させ得る。日本の専門家が、原子力発電所から拡散する放射線によって照射された食品の場所を特定し、その結果として消費者に対する健康被害を防止するために検疫すべき食品を特定するには、相当の時間と検査労力を要した。ヨウ素I−131は約8日の半減期を有しているので、原子炉事故後の少なくとも最初の数週間は、通常、極めて支配的な食品汚染物質である。放射性ヨウ素は、乳牛が放牧されている土地に降下して、牛乳の汚染に関連する重大な問題を引き起こす可能性がある。また、原子炉事故に起因した放射性核種は、新鮮な野菜に不可視のちりとして降下し、消費者に放射線障害をもたらす可能性もある。
【0013】
ヨウ素131は、前述のように、8日の比較的短い半減期を有するが、他の放射生成物(radiation products)は、例えば、放射性セシウムによる土壌汚染など、依然として問題となるであろう。セシウム137及びセシウム134は約2年の半減期を有する放射性核種であり、核爆発によるよりも原子炉で生成される。その結果、人々は土壌からのガンマ放射線による外部被爆、そして、例えば、放射性セシウムを含む汚染食品を摂取した(consuming)後の内部被爆の両方を受ける。牛乳は前述の照射生成物(irradiation products)により容易に汚染され得る重要な食品であるが、食肉、淡水魚、及び穀物も、これら危険な放射性生成物(radioactive products)の大きな供給源である。土壌に直接降下する、あるいは、草地若しくはその他の植物から降雨によって洗い出される放射性セシウムに関しては、土壌の性質に応じて、続く数年の間に根を経由して植物に吸収され得る。しかし、土壌からの外部ガンマ放射線は、セシウム、さらにストロンチウム放射性生成物に関して、3〜5年以上、又はそれよりも長く持続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、食品の迅速な即時検査を摂取前に実施することを目的とした食品検査装置の必要性がある。また、検査手技の訓練を殆どせずに、又はこれを全くせずに使用するため、コンパクトで、携帯可能かつ簡易な食品検査装置が必要である。さらに、故意の、又は意図しない食品及び水汚染により引き起こされる疾病、負傷、及び死亡事件を、防止又は最小限に抑えることを目的とした食品検査装置が必要性もある。加えて、ドイツ、及び日本の福島における最近の主な食品汚染事件が示すように、検査装置による汚染食品の検出、食品汚染物質自体の識別(identify)、食品の識別、食品の供給源(source)、及び消費者食品検査装置の地理的位置を遠隔監視施設へ送信する手段を備えた、即効力のある消費者食品検査装置の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、概略的には、食品の迅速な即時検査を摂取前に実施するのに有用な消費者食品検査装置に関する。本発明の食品検査装置は、コンパクトかつ携帯可能であり、例えば、消費者の家庭、又はレストランなどのあらゆる場所において消費者により使用されることが意図される。本発明の食品検査装置は、食品中における化学剤、生物剤、及び放射性物質などの潜在的に有害な汚染物質を分析・検出するとともに、ユーザーに対して摂取する前に警告することを目的とする。また、食品検査装置は、消費者に過敏性反応又はアレルギー反応の効果を発現させる食品固有のアレルゲン(food specific allergens)を検出することもできる。さらに、食品検査装置の一実施形態には、食品汚染物資の特定、検査される食品及びその供給源又は由来の識別(identity)、検査装置の地理的位置を可能にする手段、及び前述の全て、又は少なくとも一部を遠隔監視施設へ送信するための伝送システムが含まれる。
【0016】
本発明の食品検査装置は、少量の食品サンプルの分析が可能であり、検査手技の大がかりな訓練なしに消費者によって実施することができる。食品検査装置は、製作及び実施が簡易でコスト効果があり、ユーザーが汚染食品を摂取することを効果的に防止しつつ、そのコンパクトなサイズにより携帯性が向上するとともに操作が目立たなくなる(enhances discreet operation)。
【0017】
本発明の食品検査装置は、食品サンプルを検査アッセイ(test assays)により検査可能な形に処理するように設計される。用いられる検査アッセイは、フロースルー(flow through)及び側方流動(lateral flow)アッセイなどのクロマトグラフィーアッセイを含むディップスティック(dipstick)アッセイの形態、又は他のディップスティックアッセイであるのが好ましい。検査アッセイは、ディップスティック形態の側方流動アッセイであるのが最も好ましい。側方流動アッセイの使用は経験のないユーザーに容易に実施できる比較的簡単な1ステップ分析プロセスをもたらす。
【0018】
一般に、側方流動アッセイは、通常、紙、ニトロセルロース、又は他の多孔質不活性材料の細長い矩形の構成要素を含むのが典型的であり、その上に、対象物質(すなわち、有害汚染物質)に対して特別の親和性を有するアッセイ試薬のストライプ(stripes)又は層が印刷される。側方流動アッセイはサンプル中に浸漬されるサンプル端部を含み、流体は毛管作用によってストリップ(strip)に吸い込まれる。サンプルがアッセイ試薬のゾーンを通過する際に、例えば、1つ以上のストライプの形で可能な視覚的合図(visual cue)又は色変化となり得る化学反応が起きる。本発明の一実施形態における視覚的合図又は色変化は比色計(colorimeter)によって検出される。
【0019】
本発明の一態様において、食品サンプル中の有害な汚染物質の存在を検査するための消費者装置(consumer device)を提供し、かつ、危険であるとの知見(unsafe finding)を遠隔監視施設へ送る方法であって、
基板において、頂部が開口した内部受容領域を含む容器(vessel)を形成し、前記内部受容領域が食品サンプルを保持する廃棄可能なサンプルコンテナ(disposable sample container)を受容するように構成されるステップと、
食品サンプル中の有害汚染物質の存在を示す出力信号を生成するために、少なくとも1つの有害汚染物質検出器を前記容器に近接した前記基板中に装着するステップと、
前記装置の地理的な位置を示す信号を提供するために、前記基板中に全地球測位センサ(GPS)を装着するステップと、
前記基板中にマイクロプロセッサを装着するステップと、
データを遠隔監視施設へ送信するために、前記基板中に送信手段を装着するステップと、
前記送信手段を動作させて前記遠隔監視施設にデータを送信し、これにより食品サンプル中の有害汚染物質の検出、及び食品サンプルの地理的な位置を通知するために、前記少なくとも1つの有害汚染物質検出器からの前記出力信号、及び前記GPS信号の両方に応答するように前記マイクロプロセッサをプログラムするステップと、
を含んで構成される。
【0020】
本発明のさらに他の態様において、食品サンプル中の有害汚染物質の存在を検査するための食品検査装置が提供され、この食品検査装置は、
液化された食品サンプルを保持するように構成された容器と、
未液化食品サンプルを液化食品サンプルに変換するために、前記容器と動作可能に接続される(operatively associated with)液化器と、
装置から分離可能な(dispensable)少なくとも1つの検査アッセイと、
を含んで構成され、検査アッセイは、少なくとも1つの有害汚染物質に対して親和性を有する少なくとも1つのアッセイ試薬を含み、液化食品サンプル中の有害汚染物質の存在の検出と、有害汚染物質の認識の際に視覚的合図を生成することの両方が可能である。
【0021】
食品検査装置は、容器の近くに配設された放射線検出器をさらに含んで構成され、食品サンプル中における通常のバックグラウンドレベルを超える量の電離放射線の存在を示すために、有害汚染物質として放射能物質の存在を検出することが好ましい。
【0022】
本発明の他の態様において、食品サンプル中の有害汚染物質の存在を検査する方法が提供され、この方法は、
食品サンプルを液化して液化食品サンプルを生成するステップと、
少なくとも1つの有害汚染物質に対して親和性を有するアッセイ試薬を含み、液化食品サンプルにおける有害汚染物質の存在の検出と視覚的表示との両方が可能である少なくとも1つの検査アッセイを実施するステップを含んで構成される。
同じ部材が同じ参照番号を有することのできる、以下の図面は、本発明の実施形態の例示であり、本願の一部をなす請求項によって包含される本発明の制限を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の食品検査装置の平面図である。
【図2】本発明による図1の線2−2に沿って切り取った部分断面図である。
【図3】本発明の一実施形態のための側方流動アッセイの展開図である。
【図4】本発明の第2の、かつ、好ましい実施形態のための食品検査装置の平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による図4の線5−5に沿って切り取った部分断面図である。
【図6】比色計のためのウインドウ(window)上に配置された検査アッセイ受容スロットの展開組立図である。
【図7】本発明の実施形態のための比色計設計の単純化された例である。
【図8】本発明の第2実施形態を提供するためのシステムを示す概要ブロック図である。
【図9A】含まれるマイクロプロセッサのプログラミングを含む、本発明の第2実施形態のための消費者検査装置を操作するのに必要なステップの例を示すフローチャートである。
【図9B】含まれるマイクロプロセッサのプログラミングを含む、本発明の第2実施形態のための消費者検査装置を操作するのに必要なステップの例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、概略的には、汚染された食品の摂取を防止するために、摂取の前に迅速かつ即時的な食品検査を実施するのに有用な消費者食品検査装置に関する。本発明の食品検査装置は、消費者の家庭、又はレストランなどのあらゆる場所で消費者により使用されることが意図される。本発明の食品検査装置は、化学剤、生物剤、及び/又は、放射性物質などの潜在的に有害な汚染物質を分析・検出するとともに、摂取する前にユーザーに警告するように設計される。食品検査装置は、消費者に過敏性又はアレルギー反応の効果を発現させ得る特定の食品アレルゲン検出に適用することができる。本発明の食品検査装置は、少量の食品サンプルを分析するように設計され、消費者による検査手技の大がかりな訓練なしに実施することができる。
【0025】
本発明の食品検査装置は、食品が人間の摂取にとって安全であり、消費者にとって危険となり得る有害な汚染物質がほぼないことを迅速かつ即時的に保証する。本発明は、検査プロセスの複雑さ、及びそれらの検査の実施に必要な時間を低減しながら、不適切な取り扱い又は怠慢による食品汚染の発生を防止又は実質的に最小化するように機能する。食品検査装置は、製作及び実施が簡易でコスト効果があり、そのコンパクトなサイズにより携帯性が向上するとともに操作が目立たなくなる。
【0026】
本発明の一実施形態において、食品サンプル中の有害汚染物質の存在を検査する食品検査装置が提供され、これは、液化食品サンプルを保持するように構成された容器と、装置から分離可能な少なくとも1つの検査アッセイと、を含む。少なくとも1つの検査アッセイは、少なくとも1つの有害汚染物質に対して親和性を有する少なくとも1つのアッセイ試薬を含み、液化食品サンプルにおいて有害汚染物質の存在を検出すること、及び有害汚染物質を認識した際に視覚的合図を生成することの両方が可能である。
【0027】
本発明の別の実施形態において、食品検査装置は、前記容器と動作可能に接続され、未液化食品サンプルを液化食品サンプルに変換するための液化器をさらに含むことができる。
【0028】
また、本発明の別の実施形態において、食品検査装置は、食品サンプルにおいて、通常のバックグラウンドレベルを超える量の電離放射線の存在を示すために、容器に近接して配設された放射線検出器をさらに含むことができ、これにより、放射性物質の存在を有害汚染物質として検出可能となる。
【0029】
また、上述の実施形態との組み合わせにおいて、本発明の好ましい実施形態は、食品の供給源又は由来、日付及び時間、食品検査装置の地理的位置を特定するためのシステム及び手段、及び前述の情報、及び危険であるとして検出された食品の汚染物質を特定するデータを遠隔監視施設へ送信する手段を含む。
【0030】
図1を参照すると、食品検査装置が示されており、全体を参照番号10で特定される。食品検査装置10は、携帯性、及び操作の目立ち難さのために、小さくコンパクトに作られるのが好ましく、摂取の安全性を向上させ、食中毒による病気、負傷及び死亡の可能性を防ぐために、潜在的に有害な汚染物質の存在について、食品及び/又は飲料の、少量のサンプルを処理・検査するのに用いられる。
【0031】
潜在的に有害な汚染物の代表的な例には、食品及び水の中で長期間残留可能であり、食品及び飲料製品を通して最終消費者に容易に広がり得る残留毒性物質から選択されるあらゆるものが含まれる。このような残留毒性物質は、化学剤(例えば、重金属、農薬、トキシン、化学物質)、生物剤(例えば、病原菌、疾病感染)、若しくは放射性物質、又はそれらの組み合わせ、及び/又は、人口のかなりの割合に有害反応を発生させ得る特定のアレルゲンとすることができる。
【0032】
図1及び2に示したように、食品検査装置10は、食品を液体又はピューレの形に変換するための液化器アセンブリ(assembly)14を支持するベース又は筺体12を含む。液化器アセンブリ14は、再充電可能なバッテリーなどの電源(図示省略)に電気的に接続するための電源スイッチ87、廃棄可能なサンプルコンテナ20を受容し保持するための容器18、ヒンジ24によって容器18に接続された液化器14のブレードアセンブリ22、及び液化器14を駆動するための押しボタンスイッチ16を含む。コンテナ20は、食品及び/又は液体の、少量のサンプルを受容し保持するように構成される。食品検査装置10は、検査の使用ごとに新しい廃棄可能なサンプルコンテナ20を分配するために、ベース12中に配置された任意のコンテナディスペンサ(図示省略)をさらに含むことができる。
【0033】
ブレードアセンブリ22は、ブレード筐体30と、ブレード筺体30の中央から延びて配置されるスピンドル26と、を含み、スピンドル26の周囲には複数の混合ブレード28が配設される。混合ブレード28は、食品サンプルに存在し得るあらゆる固体を切断し砕いて、それをピューレ形状に変換するように構成される。混合ブレード28は、洗浄のためにスピンドル26から取り外すことができる。ブレード筺体30に内蔵されるモーター(図示省略)は、運転中にスピンドル26及び複数のブレード28を機械的に駆動する。押しボタンスイッチ16は液化器モーター(図示省略)に電圧を印加するために押される。
【0034】
食品検査装置は、容器18の周囲に配設された放射線検出器アセンブリ32を含む。放射線検出器アセンブリ32は、通常のバックグラウンドの放射線レベルを超える量で、食品及び/又は液体サンプルから放射されるあらゆる電離放射線の存在を検出し測定するように設計される。放射線検出器アセンブリ32は食品サンプルから放射される電離放射線の量を消費者に知らせる。
【0035】
この情報は、「安全」表示灯36及び「危険(unsafe)」表示灯38を含む表示灯アセンブリ34によって伝えられる。これとは別に、表示灯アセンブリは測定ゲージとすることができる。電離放射線のレベルが予め設定された安全の閾値を超えて検出される場合、危険表示灯38が作動して、高いレベルの放射能、及び汚染の可能性がある放射性物質が存在するため、それぞれの食品を避けるように消費者に警告する。例えば、一般にセシウム及びストロンチウムが牛乳中に検出された場合、放射能の安全レベルは1kBq/Kg(1キロベクレル/キログラム)以下である。他の全ての同位元素は1kBq/Kg未満でなければならないことに留意されたい。
【0036】
放射線検出アセンブリ32は、ガイガー計、シンチレーション計、光電子増倍管、電離箱、半導体検出器、放射線量計、及びこれらの組み合わせを含む、任意の適切な電離放射線検出装置から選択することができる。例えば、放射線検出アセンブリは、ヨウ素131(I−131)、セシウム134(Cs−134)、及び/又はセシウム(CS−137)の波長を検出するのに用いることができるが、前述の放射線だけの検出に限定されるものではない。
【0037】
別の実施形態において、放射線検出アセンブリは、化学試薬を用いる放射能検査アッセイの形とすることができ、これにより、食品サンプルから放射する電離放射線との反応によって放射性物質の存在を示すことが可能である。放射能検査アッセイは、食品サンプルの近くに保持されて、危険な電離放射線を検出することができ、ここで、アッセイは、食品サンプルを汚染する危険な放射能の可視指示として、色を変化させ、あるいは、視覚的合図を生成する。
【0038】
食品検査装置10は、好ましくは、フロースルーアッセイ及び側方流動アッセイなどのクロマトグラフィーアッセイを含むディップスティックアッセイ形態の検査アッセイ(図示省略)を収容し保存する検査アッセイ供給室(test supply compartment)40をさらに含む。このような検査アッセイは、簡単な1ステッププロセスによって食品サンプル中の特定の成分を検出するように構成された。保存領域42は、以下で説明するように、食品サンプルの検査中に検査アッセイを保持するために提供される。検査アッセイは、処理の後、液化器アセンブリ14から食品サンプルの一部を受け取り、食品サンプルの汚染を検査するように構成される。制御ボタン46を備えるタイマー44は、消費者が結果をチェックするために検査アッセイの完了を判断し監視することを可能にする。
【0039】
検査アッセイは、フロースルーアッセイ若しくは側方流動アッセイなどのクロマトグラフィーアッセイを含むディップスティックアッセイの形態、又は他のディップスティックアッセイであるのが好ましい。検査アッセイは側方流動アッセイであるのが最も好ましい。このような検査アッセイは当該技術分野において既知であり、当業者であれば、特定の汚染物質を検出するために容易に製作及び設計することができる。また、それらは、様々なサプライヤー、例えば、ミシガン州ランシングにあるNeogon社の食品安全部門から市場で入手可能である。前述のように、側方流動アッセイの使用は、経験のない消費者により実施できる比較的簡単な1ステップ分析プロセスをもたらす。市販製品の適切な例には、腸管出血性大腸菌O157:H7、腸管出血性大腸菌O104:H4、リステリア属菌種、サルモネラ属菌種、サルモネラ腸炎菌、ピーナッツアレルゲン、アフラトキシン、デオキシニバレノール、及び食品及び動物飼料中の他の危険な物質を検出するための、Neogon社から販売される検査アッセイのREVEAL(登録商標)ラインが含まれる。
【0040】
一般に、側方流動アッセイは、通常、紙、ニトロセルロース、又は他の多孔質不活性材料の細長い矩形の構成要素を含むのが典型的であり、その上に、対象物質(すなわち、有害汚染物質)に対して特別の親和性を有するアッセイ試薬のストライプ又は層が印刷される。側方流動アッセイはサンプル中に浸漬されるサンプル端部を含み、流体は毛管作用によってストリップに吸い込まれる。サンプルがアッセイ試薬のゾーンを通過する際に、例えば、1つ以上のストライプの形で可能な視覚的合図(visual cue)又は色変化となり得る化学反応が起き、これにより、この例では、1以上の対象物質又は汚染物質の存在を示すことができる。このような側方流動アッセイ及びアッセイ試薬は当該技術分野において既知である。
【0041】
様々な試薬は、これを用いることにより、広範なアナライト(analyte)を検出して、食料中の有害汚染物質及び食品アレルゲンの存在をユーザーに警告できるとともに、免疫診断(immunodiagnostic)、酵素(enzymatic)、側方流動免疫クロマトグラフィー(lateral flow immunochromatography)、又は化学型反応から誘導することができる。本発明の検査アッセイに使用される試薬は、食料中に存在可能で、消費者の健康に対して危険な脅威を示す化学剤及び生物剤など、食品アレルゲン又は毒性物質に相当する対象物質又はアナライトに対して、特定の親和性を有するあらゆる物質であってよい。
【0042】
適切な試薬は、例えば、生物剤や化学剤などの有害汚染物質の検出を提供できるものから選択することができる。生物剤には、限定するものではないが、エシェリキア属菌種(例えば、腸管出血性大腸菌O104:H4及び腸管出血性大腸菌O157:H7)、バチルス属菌種(Bacillus spp.)(例えば、炭疽菌(Bacillus anthracis)及びセレウス菌(Bacillus cereus))、クロストリジウム属菌種(Clostridium spp.)(例えば、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)及びウェルシュ菌(Clostridium perfringens))、カンピロバクター属菌種(例えば、カンピロバクター・ジェジュニ)、サルモネラ属菌種(例えば、サルモネラ腸炎菌及びネズミチフス菌)、リステリア・モノサイトゲネス、シゲラ属菌種、連鎖球菌属菌種(Streptococcus spp.)、ビブリオ属菌種(Vibrio spp.)(例えば、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahemolytics)、及びビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus))、ブドウ球菌属菌種(Staphylococcus spp.)(例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus))、エルシニア属菌種(Yersinia spp.)(例えば、エンテロコリチカ菌(Yersinia enterocolitica))などの病原菌が含まれる。化学剤には、限定するものではないが、農薬、トキシン(リシン、ボツリン、アフラトキシン、ピロリジディンアルカロイド、スコンブロトキシン、ニューロトキシン、マイコトキシン(例えば、オクラトキシンAトキシン、パツリントキシン、フサリウムトキシン(例えば、フモニシン、デオキシニバレノール及びゼアレレノンを含むトリコテセン)など)、並びに、海産毒(例えば、シガテラトキシン、シェルフィッシュトキシンなどの、テトロドトキシンなど)、シアン化物、ニコチン、ダイオキシン、ポリ塩化フェニル、フラン、重金属(例えば、ひ素、鉛、及び水銀など)、ヒスタミン、ヒスタジンなどが含まれる。試薬は、例えば、アーモンド、卵、グリアジン、牛乳、ピーナッツ、大豆粕などに含まれるアレルゲンを検出できるものからさらに選択することができる。
【0043】
本発明の別の実施形態において、適切な薬品は、限定するものではないが、ウラン、セシウム、キセノン、ヨウ素、カリウム、ストロンチウム、プルトニウム、イリジウム、及びトリウムの放射性同位元素を含む放射性物質などの有害汚染物質を検出できるものから選択することが可能である。
【0044】
図2を参照すると、食品検査装置10は、液化器アセンブリ14を収容するための陥凹領域(recessed area)48を含む。前述のように、食品サンプルを保持する廃棄可能なコンテナ20は、液化器アセンブリ14の容器18内に保持される。容器18は、陥凹領域48のサンプル井戸(sample well)50中に配置される。放射線検出器アセンブリ32は、容器18の周囲のサンプル井戸50に沿って延びる電離放射線センサ52を含む。ブレードアセンブリ22のブレード筺体30は、開位置と閉位置との間において、ヒンジ24の周りで動作可能である。開位置において、ブレード筺体30は陥凹領域48の保持井戸(holding well)54を塞ぐ。閉位置において、ブレード筺体30は容器18と結合し、廃棄可能なコンテナ20を閉じ込める。混合ブレード28はコンテナ20内に保持された食品サンプルに接触する。安全スイッチ(図示省略)は、閉位置のときに混合ブレード28を駆動する液化器モーター(図示省略)への電圧印加を許可するだけであることに留意されたい。
【0045】
筺体30が容器18に強固に結合されると、ブレードアセンブリ22は、電源スイッチ47がオンであることを条件として、押しボタン16によって作動する。混合ブレード28は十分な時間駆動されて食品サンプルを砕き、それを柔らかいペースト状、又は濃度の高い液体状に変換する。食品サンプルの混合の間に、放射線検出器アセンブリ32を用いて食品サンプル中の電離放射線を測定することができる。表示灯アセンブリ34(図1参照)は、測定された電離放射線が通常のバックグラウンドにおける放射線レベルを超えるかどうかを判定し、それに従って警告する。表示灯36、38は、夫々、安全である又は危険である放射線レベルを表示するために個別に点灯される。その後、ブレード筺体30を開位置に移動し、混合ブレード28をコンテナ20から引き抜く。食品サンプルの分析するための検査アッセイは、以下に説明するように、コンテナから実施される。
【0046】
図3を参照すると、本発明の好ましい実施形態のための検査アッセイが、側方流動アッセイ56の形で示される。側方流動アッセイ56は展開組立図として図示される。側方流動アッセイ56は、単一アナライト又は多重アナライトの検査のために製作することができる。側方流動アッセイ56の結果は目視で検出する、あるいは、適切なソフトウェアプログラムと組み合わせて、適切な光学読み取り機又はスキャナを用いて機械的に読み取ることができる。図3に示される側方流動アッセイ56は1つの実施形態のみを代表するが、本発明はこのようなものに限定されないことが理解されるであろう。
【0047】
図3に示すように、側方流動アッセイは、試薬パッド60と接触するサンプルパッド58を含む。試薬パッド60は、検査ゾーン64を含むメンブレン62と流体連絡する。メンブレン62は余剰サンプル貯留層66と流体連絡する。カバーストリップ68と裏当てストリップ70の間に、サンプルパッド58、試薬パッド60、メンブレン62及び余剰サンプル貯留層66が挿入され、挟まれる。
【0048】
サンプルパッド58は、側方流動アッセイ56のサンプル投入端に配設される。サンプルパッド58は、食品サンプル中に浸漬され、その一部は毛管作用によってサンプルパッド58中に吸い取られる。次いで、サンプルは、標識粒子又は着色粒子と共役結合する(conjugated)試薬であって、有害食品汚染物質に相当する対象物質又はアナライトに対して特異的な試薬(例えば、抗体)を含む試薬パッド60を通って、サンプルパッド58から毛管作用により運ばれる(wicked)。対象物質又は汚染物質が存在する場合、対象物質又は汚染物質は粒子に共役結合した試薬と結合する。次いで、対象物質−試薬−粒子の複合体は、試薬ゾーンを離れ、メンブレン62を通ってその検査ゾーン64に移動する。検査ゾーン64は、複合体を捕捉する定着した抗対象物質試薬(anti-target substance reagent)を含み、例えば、着色線65などの視覚的合図を生成する。サンプルの残りはメンブレン62の端部まで移動を続け、そこで余剰サンプル貯留層66に貯留される。
【0049】
試薬パッド60は、対象物質の存在にかかわらず、サンプルにより溶出される対照免疫複合体(control immune complex)をさらに含むことができる。対照複合体は、メンブレン62を通って対照ゾーンへ移動し、そこで、例えば、着色線67などの第2の視覚的合図を形成する。対象物質の存在又は不存在にかかわらず、対照線が対照ゾーンに生じ、これにより、検査アッセイが適切に機能していることを確認する。例えば、ディップスティック状側方流動アッセイ56などの複数のアッセイは、各々単一の汚染物質を検査するために保存領域42中に保持することができることに留意されたい。しかし、各検査アッセイはできる限り複数の汚染物質を検査できることが好ましい。
【0050】
図4〜9Bは、以下に説明されるように、改良されたユーザー検査装置70から、検査結果及び他の情報を遠隔監視施設43へ送信する本発明の好ましい実施形態を示す。図4及び5に示すように、図1〜3に示される本発明の第1実施形態の構成要素のいくつかは維持されているが、他の新しい構成要素が加えられ、他のいくつかの構成要素は変更された。特に、制御ボタン46は、放射線検査開始ボタン47及びアッセイ検査開始ボタン(start assay test button)49に置き換えられた。また、送信押しボタンスイッチ71が加えられた。コンピュータ又は他の装置をこの好ましい実施形態に含まれるマイクロプロセッサ27(図8参照)に接続するために、USBポート8が含まれた。図4及び5に示すように、他の新しく加えられた構成要素は、GPS(全地球測位センサ)アンテナ3、携帯アンテナ4、日時アンテナ29、検査アッセイ受容スロット6、及びUPC(universal product code)/QRC(QRコード:登録商標)スキャニングウインドウ85を含む。
【0051】
図6には、検査アッセイ受容スロット6及び比色計ウインドウ7の展開組立図が示される。以下でより詳細に説明されるように、検査アッセイ56の供給端は、検査アッセイ受容スロット6の開放端80に挿入され、検査アッセイ56の供給端部82がスロット6の閉端9に当たるまで押し込まれる。検査アッセイにおけるウインドウ7の下部のベース又は筺体12に装着できるコンパクトな比色計センサ5の一例には、例えば、化学的又は細菌による食品汚染物質から得られる視覚的合図65の色を検出するものがある。この比色計5は、セラミック基板9、光検出器11、温度センサ13、内部帯(inner band)15、発光ダイオード(LED)17、外部帯(outer band)19、センサコーン(sensor cone)21、及びウインドウ7の下のレンズ23を含む。前述のように、検査アッセイ56が検査アッセイ受容スロット6に押し込まれた場合、比色計5は、食品汚染物質検査の実施から得られる視覚的合図65を読み取るよう機能する。具体的には、LED17に電圧が印加されることにより、検査アッセイ56のストリップにおける視覚的合図65の領域にレンズ23を通して光を投影する。光検出器11は、反射された光の色を、レンズ23を通して検出し、マイクロプロセッサ27(図8参照)により処理するための信号を提供する。この例では、2つのLED17が示される。また、温度センサ13は、マイクロプロセッサ27に対して、アッセイ検査の実施時における温度を示す信号を提供する。マイクロプロセッサ27は、温度、及び視覚的合図65より受けた光の波長から、視覚的合図65の色が化学的汚染物質、細菌汚染物質、又は他の食品汚染物質を示すかどうかを判定するようにプログラムされる。食品汚染物質が特定された場合、マイクロプロセッサ27は、以下でさらに説明するように、検査の結果をメモリ31に保存するようにさらにプログラムされる。比色計5は、適切な視覚的合図56の色センサの例を提供する目的のために図7に示されるのであって、限定するものではないことに留意されたい。
【0052】
図8は、好ましい実施形態の食品検査装置70に含まれる様々な構成要素の概要ブロック図を示す。図示されるように、直流電源85は、電源スイッチ87を介して様々な構成要素に電源を供給する。マイクロプロセッサ27は、後述されるように、遠隔監視施設43へ送信するために、様々な検査結果信号、及び他の信号・データに応答するようにプログラムされる。メモリ31はマイクロプロセッサのために提供される。USBポート8はマイクロプロセッサ27に接続される。放射線検出器アセンブリ32は、比色計5、UPC/QRC読み取り機45、放射線検査開始スイッチ47、アッセイ検査開始スイッチ49、標準局日時受信機(Bureau of Standards Date/Time Receiver)84、安全表示灯36、危険表示灯38、ディスプレイ25、タイマー44、及びマルチプレクサ35のように、マイクロプロセッサに接続される。GPSアンテナ3は、マルチプレクサ35に地理的な位置信号を順次提供するGPS受信機33に接続される。マルチプレクサ35の出力は、トランスミッタ37に接続されて、多重化信号(multiplexed signal)を、アンテナ4を介して携帯電話ネットワーク39から遠隔監視施設43に対して、直接、又はインターネット41を介して送信する。アンテナ29は、標準局日時受信機84に接続され、標準局から現在の日付・時間を受信する。
【0053】
マイクロプロセッサ27は、図9Aのステップ100〜128、及び図9Bのステップ130〜136の必要に応じた実行を確実にするようにプログラムされる。本発明の好ましい実施形態における消費者食品検査装置70を操作するステップを詳述するために、図9A及び9Bのフローチャートについて述べる。
【0054】
ここで、図4〜9A及び9Bに示される消費者食品検査装置の操作について好ましい実施形態を論じる。図9Aのフローチャートに関して、ユーザーは、操作を開始するために、ステップ100に示すように、先ず電源スイッチ47を操作して装置70を起動する。ステップ101において、UPC又はQRCコードが検査すべき食品の梱包から入手可能である場合、ユーザーはUPC/QRC読み取り機45のスキャニングウインドウ85の上にコードストリップを置く。このようなコードが検出され読み取られた場合、UPC/QRC読み取り機45は、ステップ102に示すように、検出されたコード信号を保存するためにメモリ31に供給する。しかし、UPC/QRCコードストリップが入手できない場合、ユーザーは、直接ステップ103に進んで、食品サンプルをサンプル容器20に置くことになる。ステップ104で質問されステップ105で確認されたときに、食品サンプルが液化又は粉砕されていない場合、ユーザーはステップ107に進んで、前述のように、ブレード筺体30を容器18の上に固定することによって液化器アセンブリ14を起動し、次に、食品サンプルが完全に粉砕又は液化されるまで液化器の押しボタンスイッチ16を押し続ける。食品サンプルが完全に粉砕又は液化された時点で、ステップ107は完了し、その後、ユーザーはステップ108に進み、放射線検査又はアッセイ検査のいずれの実施を希望するのかを決定する。ユーザーが放射線検査の実施を選択した場合、放射線検査開始ボタン47を押すことによってステップ109に入り、マイクロプロセッサ27は放射線検出器アセンブリ32を動作させて放射線の検査を行う。検査結果が、食品サンプルに放射線汚染のないことを示す場合、マイクロプロセッサ27は「安全」灯36を点灯し、さらなる動作は行われない。しかし、ステップ114において、食品サンプルが検査されて危険である放射線を含む場合、マイクロプロセッサ27は、ステップ115において、「危険」灯38を点灯し、ステップ113において、ディスプレイ25上に「食品の廃棄」という文言を表示するようにプログラムされる。また、マイクロプロセッサ27は、ステップ116において、危険であるという検査結果をメモリ31に保存する。ユーザーがアッセイ検査の実施を希望しない場合、マイクロプロセッサ27に、食品サンプルが危険である放射線により汚染されていると判明したことを示すデータをメモリ31からマルチプレクサ35へ伝送させる、送信スイッチ70による処理を選択できる。また、この時、食品サンプルの供給源と由来を示し、食品自体を特定するUPC/QRCコードが得られている場合、マイクロプロセッサ27は、メモリ31からマルチプレクサ35へコード化された情報を伝送する。また、マイクロプロセッサ27は、受信機84からの日時信号、及びGPS受信機33からのGPS信号がマルチプレクサ35に伝送されることを確実にする。マルチプレクサ35は、前述の信号を多重化し、それらをトランスミッタ37へ送るように動作する。マイクロプロセッサ27は、トランスミッタ37を動作させて、これにより、アンテナ4を介して携帯電話ネットワーク39から遠隔監視施設43に対して、直接、又はインターネット41を介して検査結果を送信する。
【0055】
前に示したように、ステップ108において、ユーザーは、放射線検査又はアッセイ検査を実施するかどうかを選択する。前述のように放射線検査が実施されたと仮定すると、ユーザーはアッセイ検査の実行も選択することができ、又は選択しないことも可能である。また、ユーザーが、すでに放射線検査を実施しないことを選択し、ステップ117に示されるようにアッセイ検査ルーチンのみの開始を選択することができるのは言うまでもない。アッセイ検査ルーチンは、ユーザーが特定の食品汚染物質のための検査を示す検査アッセイストリップ56を選択することにより、ステップ118において始まる。検査すべき食品汚染物質はカバーストリップ68の頂部に印刷されている(このような印刷は図3には示されない)。ステップ119において、アッセイストリップ56のサンプルパッド58は、サンプル容器20からブレード筺体30が取り除かれた後、食品サンプル中に浸漬される。ステップ120において、ユーザーは、食品汚染物質が印刷された検査アッセイストリップ56の供給端を、サンプルパッド58から検査アッセイ回収スロット(test assay recovery slot)6の開口部80に真っすぐに挿入し、回収スロット6の閉端9により内方へのさらなる移動が妨げられるまで検査アッセイストリップ56をそこに押し込む。次に、ステップ121において、ユーザーはアッセイ検査開始ボタン49を押し、この動作により、マイクロプロセッサ27が応答して比色計5を動作させることでアッセイ検査を実施し、これにより、検査開始から所定時間後に、視覚的合図65で示される色の波長を示す信号を得る。マイクロプロセッサ27は、得られた色の波長をメモリに保存された対応する食品汚染物質の波長と比較し、ステップ122に示されるように、食品サンプルが、安全であるかどうか、及び、汚染されていないかどうかを判定する。ステップ123のようにyesの場合、マイクロプロセッサ27は、ステップ124に示すように、「安全」灯36を点灯する。食品サンプルが汚染されている場合(ステップ126)、マイクロプロセッサ27は「危険」灯38を点灯することによって応答し(ステップ127)、これとともに、ステップ125でディスプレイスクリーン25上に「食品の廃棄」のメッセージを表示し、また、ステップ128に示すようにその結果をメモリ31に保存する。危険という検査結果を受信した後、食品中の放射線が危険であるという示唆の取得に対して前述したように、ユーザーは送信スイッチ71を押すように指示を受け、それにより、マイクロプロセッサ27が応答して、前述したように、メモリ31からマルチプレクサ35へ検査結果を送り、かつ、多重化をしてマルチプレクサ35の出力からトランスミッタ37へ供給するために、GPS信号、日時信号、UPC/QRC信号も一緒にメモリ31からマルチプレクサ35へ送る。次いで、トランスミッタ37は、前述のように、マイクロプロセッサ27により動作して、アンテナ4を介した携帯電話ネットワーク39によって、遠隔監視施設43へ直接、又はインターネット41を介して間接的に遠隔監視施設43へ送信する。図9Bのステップ130〜136のフローチャートは、前述の様々な信号データを遠隔監視施設43へ多重送信する前述のステップを示すことに留意されたい。図9Bのフローチャートに示すように、遠隔監視施設43へ送信される情報には、「危険」な放射線検査結果のみを含むか、「危険」な化学及び/又は生物汚染物質データのみを含むか、あるいは、場合によっては、ステップ133及び134からの放射線及び検査アッセイのデータ結果の両方が含まれてもよく、また、これらのデータに加えて、図示されるように、ステップ131による日時データ、及びステップ132によるUPC/QRCコーディングを含んでもよい。
【0056】
前述の議論は本発明の例示的実施形態を開示し説明するだけである。当業者であれば、それらの議論及び付属の請求項から、以下の請求項に定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更、修正、及び変形が行えることを容易に理解するであろう。例えば、トランスミッタ37はマルチプレクサ35からの出力信号をWiFiネットワーク又はラジオ送信経由で遠隔監視地点へ直接送信するようにできる。また、明細書及び図面を検討する当業者に明らかであるように、ベース又は筺体12は、代替的にシャーシ12として表現され、各々頂部、底部、及び側部を有することを意図されている。
【符号の説明】
【0057】
3…GPS(全地球測位システム)アンテナ、4…携帯アンテナ、5…比色計センサ、6…検査アッセイ受容スロット、7…比色計ウインドウ、8…USBポート、10,70…食品検査装置、11…光検出器、12…筺体、14…液化器、16…押しボタンスイッチ、17…発光ダイオード(LED)、18…容器、20…サンプルコンテナ、22…ブレードアセンブリ、23…レンズ、24…ヒンジ、25…ディスプレイ、26…スピンドル、27…マイクロプロセッサ、28…混合ブレード、29…日時アンテナ、30…ブレード筺体、32…放射線検出器アセンブリ、33…GPS受信機、34…表示灯アセンブリ、35…マルチプレクサ、36…「安全」表示灯、37…トランスミッタ、38…「危険」表示灯、39…携帯電話ネットワーク、41…インターネット、43…遠隔監視施設、44…タイマー、45…UPC/QRC読み取り機、46…制御ボタン、47,87…電源スイッチ、49…アッセイ検査開始ボタン、56…側方流動アッセイ(検査アッセイストリップ)、58…サンプルパッド、60…試薬パッド、62…メンブレン、64…検査ゾーン、65…着色線、66…廃棄物貯蔵器、67…着色線、71…送信押しボタンスイッチ、84…標準局日時受信機、85…UPC/QRCスキャニングウインドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品サンプル中の有害汚染物質の存在を検査して、危険であるという知見を遠隔監視施設へ送信するための一体的な消費者装置を提供する方法であって、
筺体の頂部において、頂部が開口した内部受容領域を含む容器を形成し、前記内部受容領域が食品サンプルを保持するように構成されるステップと、
前記食品サンプル中の有害汚染物質の存在を示す出力信号を生成するために、少なくとも1つの有害汚染物質検出器を前記容器に近接した前記筺体の頂部に装着するステップと、
前記消費者装置の地理的位置を示す信号を提供するために、前記筺体に全地球測位センサ(GPS)を装着するステップと、
前記筺体にマイクロプロセッサを装着するステップと、
データを遠隔監視施設へ送信するために、前記筺体に送信手段を装着するステップと、
前記送信手段を動作させて前記遠隔監視施設にデータを送信し、これにより食品サンプル中の有害汚染物質の検出、及び食品サンプルの地理的な位置を通知するために、前記少なくとも1つの有害汚染物質検出器からの前記出力信号、及び前記GPS信号の両方に応答するように前記マイクロプロセッサをプログラムするステップと、
を含んで構成される方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの有害汚染物質検出器は、前記容器中の食品から放射された放射線を検出し、かつ、前記食品サンプル中の有害な電離放射線の存在又は不存在を示すために、前記容器に近接して配置された放射線検出器であり、有害な放射線が放射性物質の通常のバックグラウンドレベルを超える量によって示される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの有害汚染物質検出器の前記装着ステップには、
少なくとも1つの有害汚染物質に親和性を有する少なくとも1つのアッセイ試薬を含んで構成される検査アッセイが少なくとも1つ含まれる検査アッセイ供給室を、前記筐体に形成するステップと、
食品サンプル中の特定の有害汚染物質を示す、前記検査アッセイの対象ゾーンにおける色変化を検出することにより、前記食品サンプルにより活性化された前記検査アッセイを読み取り、前記マイクロプロセッサに前記有害汚染物質の存在又は不存在を示す信号を出力する視覚手段を、前記筐体に形成するステップと、
が更に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記送信手段を装着するステップには、
前記GPS信号、及び検出された有害食品汚染物質を示す、前記マイクロプロセッサからの出力信号を、多重化して多重化出力信号を提供するために、前記筐体にマルチプレクサを装着するステップと、
前記多重化出力信号を前記遠隔監視施設へ送信するために、前記多重化出力信号を受け、かつ、前記マイクロプロセッサからの送信信号に応答するトランスミッタを、前記筐体に装着するステップと、
が更に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記送信が、携帯電話ネットワークを介して前記遠隔監視施設へ直接的に送信するか、又は前記携帯電話ネットワークからインターネットを介して前記遠隔監視施設へ間接的に送信するか、のいずれかである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
現在の日付及び時間を示す信号を受信するための受信機を前記筺体に装着するステップと、
日付及び時間の信号を受信して前記マルチプレクサに日時信号を提供することにより、前記GPS信号及び前記食品汚染物質信号と多重化して、前記遠隔監視施設へ送信するために、前記マイクロプロセッサをプログラムするステップと、
を更に含んで構成される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記筺体の頂部に第1表示灯及び第2表示灯を装着するステップと、
所与の食品サンプルが安全であるという検査結果の場合に前記第1表示灯を点灯し、所与の食品サンプルが危険であるという検査結果の場合に前記第2表示灯を点灯するように、前記マイクロプロセッサをプログラムするステップと、
を更に含んで構成される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記筺体の頂部にディスプレイを装着するステップと、
前記ディスプレイが、通常は日時及び時間を表示し、食品サンプルが危険である細菌物質、化学物質、又は放射性物質により汚染されているという検査結果の場合、検査の完了時に「食品の廃棄」をさらに表示するように、前記マイクロプロセッサをプログラムするステップと、
を更に含んで構成される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記放射線検出器は、少なくともヨウ素131、セシウム137、及びセシウム134を検出可能であり、前記有害な放射線を検出したときに、前記放射線検出器の出力信号中に、放射線源がヨウ素131、セシウム137、又はセシウム134のうちの1つであるかどうかの指摘を含むことができる請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記検査アッセイの少なくとも1つが、大腸菌株O104:H4を検出するように構成され、他の検査アッセイが、大腸菌株O157:H7を検出するように構成される請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記筺体にUPC/QRC読み取り機を装着するステップと、
食品梱包上のUPC/QRCコードラベルを前記UPC/QRC読み取り機のスキャン窓を横断して動かし、これに応答して、食品梱包中の食品、その由来、及び梱包の日付を特定するデータ信号を前記マイクロプロセッサに提供するステップと、
前記読み取り機からの信号に応答して、前記マイクロプロセッサが、前記マルチプレクサへ同様のデータ信号を供給し、前記GPS信号、有害食品汚染物質を示す前記信号、及び前記日時信号を多重化して前記遠隔監視施設に送信するステップと、
を更に含んで構成される請求項6に記載の方法。
【請求項12】
未液化食品サンプルを液化食品サンプルに変換するために、前記容器と動作可能に接続される液化器を装着するステップを更に含んで構成される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記食品サンプル中の電離放射線の存在を示すために、前記容器に近接して配設された前記放射線検出器を配置するステップを更に含んで構成される請求項2に記載の方法。
【請求項14】
ガイガー計、シンチレーション計、光電子増倍管、電離箱、半導体検出器、放射線量計、及びこれらの組み合わせからなる群より前記放射線検出器を選択するステップを更に含んで構成される請求項2に記載の方法。
【請求項15】
ユーザーに放射性物質の存在を知らせるために、前記放射線検出器及びマイクロプロセッサと動作可能に接続される表示器アセンブリを前記筺体上に装着することを更に含んで構成される請求項2に記載の方法。
【請求項16】
対応する検査アッセイの検出プロセスを完了するのに必要な時間を監視し測定するために、前記筺体中にタイマーを装着するステップを更に含んで構成される請求項3に記載の方法。
【請求項17】
前記検査アッセイがクロマトグラフィーアッセイである請求項3に記載の方法。
【請求項18】
ディップスティックアッセイ、フロースルーアッセイ、側方流動アッセイ及びこれらの組み合わせからなる群より前記クロマトグラフィーアッセイを選択するステップを更に含んで構成される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アッセイ試薬が、生物剤、化学剤、食品アレルゲン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される有害汚染物質に対して特別の親和性を示す請求項3に記載の方法。
【請求項20】
前記生物剤が病原菌である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
エシェリキア属菌種、バチルス属菌種、クロストリジウム属菌種、カンピロバクター属菌種、サルモネラ属菌種、リステリア・モノサイトゲネス、シゲラ属菌種、連鎖球菌属菌種、ビブリオ属菌種、ブドウ球菌属菌種、エルシニア属菌種、及びこれらの菌株、並びに、これらの組み合わせからなる群より前記病原菌を選択するステップを更に含んで構成される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
腸管出血性大腸菌O104:H4、腸管出血性大腸菌O157:H7、炭疽菌、セレウス菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター・ジェジュニ、サルモネラ腸炎菌、ネズミチフス菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ菌、ビブリオ・バルニフィカス、黄色ブドウ球菌、エンテロコリチカ菌、及びこれらの組み合わせからなる群より前記病原菌を選択するステップを更に含んで構成される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
農薬、トキシン、リシン、ボツリン、アフラトキシン、ピロリジディンアルカロイド、スコンブロトキシン、ニューロトキシン、マイコトキシン、オクラトキシンAトキシン、パツリントキシン、フサリウムトキシン、フモニシン、トリコテセン、デオキシニバレノール、及びゼアレレノン、海産毒、シガテラトキシン、シェルフィッシュトキシン、及びテトロドトキシン、シアン化物、ニコチン、ダイオキシン、ポリ塩化フェニル、フラン、重金属、ひ素、鉛、及び水銀、ヒスタミン、ヒスタジン、並びに、これらの混合物からなる群より前記化学剤を選択するステップを更に含んで構成される請求項19に記載の方法。
【請求項24】
アーモンド、卵、グリアジン、へーゼルナッツ、牛乳、ピーナッツ、大豆粕、及びこれらの混合物からなる群より前記食品アレルゲンを選択するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate


【公開番号】特開2013−104872(P2013−104872A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236882(P2012−236882)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(509008651)ハロゲート ホールディングス カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】