説明

遠隔監視システム、ネットワーク相互接続装置及び通信制御方法

【課題】通信速度の変動が大きなネットワークを遠隔監視システムへ適用する場合においても、低通信遅延時間を要求するデータの通信遅延時間を小さく抑え、かつ、高スループットを実現する。
【解決手段】測定端末は、測定データをネットワーク相互接続装置150へ送信する。ネットワーク相互接続装置150の優先度判定部212は、受信した測定データを、監視センタまで要求通信遅延時間内に到達する必要がある第1データと、監視センタまで要求通信遅延時間内に到達しなくてもよい第2データとに分類する。送信バッファ部242は、第1、第2データ蓄積部220、221に蓄積された第1、第2データを、広域ネットワークへ送信する際に格納するFIFO方式のバッファである。送信制御部233は、第1及び第2データを送信バッファ部242へ流入させる際の速度を、ネットワークの通信速度に基づき動的に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視システム、ネットワーク相互接続装置及び通信制御方法に係り、特に、無線ネットワーク等の通信速度変動が急峻なネットワークに適用可能な遠隔監視システム、ネットワーク相互接続装置及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力・産業プラントなどの設備の監視や保守、エネルギー消費のモニタリングなどを、センサネットワークを使用して遠隔にて自動的に行う動きが高まっている。収集される測定データの分析を行う監視センタは、従来は監視対象のローカルネットワーク上に位置する場合がほとんどであったが、近年では、監視対象のデータを収集する通信端末数の増加、各通信端末が収集する情報量の増加のため、1つのローカルネットワークでは情報を収容しきれず、複数のローカルネットワークに分割して収容する(エリア分けする)ケースが増えてきた。また、1つの監視センタから、複数の異なる監視対象を集中監視したいという要求も高まっている。そのため、複数のローカルネットワークを用いて収集された情報を、広域ネットワークを通して1つの監視センタに集約する形態が広まってきた。
この広域ネットワークは、専用線を用いて十分な通信速度を確保するケースもあるが、今後は通信コストの面からイントラネット、インターネットなどで他システム、他端末と共通の通信リソースを共有し、十分な通信速度を確保することができないケースが増加していくものと考えられる。監視センタは設備の故障などをいち早く検知する必要があるため、設備の故障等を示す測定データは、広域ネットワークの通信速度に関係なく、常に一定の時間内に監視センタまで到達する必要がある。その一方で、測定データの中でも、例えば、正常に稼働している機器の状態を示す測定データ等は、一定時間内に監視センタに到達しなくてもよい。
このような、2つのネットワークを接続するネットワーク相互接続装置において、ネットワーク相互接続装置へ第一のネットワークから流入するデータの流入速度(以下、データ流入速度)が、ネットワーク相互接続装置が当該データを送出する第二のネットワークの通信速度(以下、通信速度)を上回る場合、ネットワーク装置内部においてデータが消失する。このデータ消失を防ぐために、ネットワーク相互接続装置は、流入したデータを一時的に蓄積するためのバッファを設ける。例えば、第二のネットワークとして無線ネットワークを用いる場合、通信速度が急峻に変動するため、大きな容量をもつバッファが用いられる。
2つのネットワークを経由する通信の品質を制御する方法として、ネットワーク相互接続装置における様々な優先度制御方法が提案されている。例えば特許文献1では、ネットワークの帯域幅に応じた優先度制御技術が開示されている。例えば特許文献2では、バッファにおけるデータの廃棄率に応じて、バッファの使用量を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−117125号公報
【特許文献2】特開平7−58775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワーク相互接続装置内部のバッファへは、データ流入速度と通信速度との差分の速度にてデータが蓄積される。データの通信遅延時間は、送信バッファに蓄積されているデータ量に比例する。そのため、バッファの容量を小さくすれば、通信遅延時間も小さくなる。例えば、送信バッファの最後尾のデータが送出されるまでの時間が小さくなる。しかし、バッファの容量が小さい場合、通信速度は大きいがバッファへ蓄積されているデータがないため、データを送出できないという状況が起こる。そのため、バッファの容量が小さいほど、ネットワーク相互接続装置が単位時間当たりに送出できる平均データ量(以下、スループット)は低下する。以上のように、通信遅延時間とスループットはバッファの容量に応じたトレードオフの関係にある。
【0005】
特許文献1記載の技術では、パケットが送出されるネットワークの帯域幅に応じて、メモリからのパケット読み出し速度を制御する。当該技術では、容量の大きなバッファを用いる場合、スループットを大きくすることができるが、データの通信遅延時間を小さく抑えることができない。また、容量の小さなバッファを用いる場合、データの通信遅延時間を小さく抑えることができるが、スループットを大きくすることができない。
特許文献2記載の技術では、バッファにおける優先データの廃棄率に応じてバッファ使用量の閾値を変更し、バッファ使用量が閾値以下である場合には優先データと非優先データの両方をバッファへ流入させ、バッファ使用量が閾値以上である場合には優先データのみをバッファへ流入させる。当該技術では、通信速度が小さい場合においてもバッファ使用量(容量)が大きくなることがあるため、必ずしも通信遅延時間を小さく抑えることができない。
また、仮に特許文献1記載の技術と特許文献2記載の技術を組み合わせ、パケットが送出されるネットワークの帯域幅に応じてメモリからのパケット読み出し速度を制御し、廃棄率に応じてバッファ使用量の閾値を変更する場合を考える。この場合においても、通信速度が小さい場合に、バッファ使用量が大きくなることがあるため、必ずしも通信遅延時間を小さく抑えることができない。以上のように、低通信遅延時間と高スループットを両立することができないという課題がある。
本発明は上記課題を解決するための発明であり、低通信遅延時間を要求するデータの通信遅延時間を小さく抑え、かつ、高スループットを実現する遠隔監視システム、ネットワーク相互接続装置及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「1ないし複数の測定端末、前記測定端末と第1のネットワークを介して接続するネットワーク相互接続装置、前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して接続する監視センタからなる遠隔監視システムであって、前記測定端末は、取得した測定データを前記第1のネットワークを介して前記ネットワーク相互接続装置へ送信し、前記ネットワーク相互接続装置は、受信した前記測定データを、前記監視センタまで要求通信遅延時間内に到達する必要がある第1データ、または、監視センタまで要求通信遅延時間内に到達しなくてもよい第2データに分類し、前記第1データを蓄積する第1データ蓄積部と、前記第2データを蓄積する第2データ蓄積部を備え、前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に格納するファウストイン、ファウストアウト方式の送信バッファを備え、前記第1データ蓄積部に格納された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に格納された前記第2データを、前記送信バッファへ流入させる際の速度を動的に制御する」ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の解決手段によると、
ひとつ又は複数の測定端末と、前記測定端末と第1のネットワークを介して通信するネットワーク相互接続装置と、前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して通信する監視センタを備える遠隔監視システムにおける前記ネットワーク相互接続装置であって、
前記測定端末が測定した測定データを受信する受信部と、
受信した測定データを、他のデータよりも優先して送信する第1データと、他のデータよりも優先して送信しなくてもよい第2データとに分類する判定部と、
前記第1データを蓄積する第1データ蓄積部と、
前記第2データを蓄積する第2データ蓄積部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に第1データを優先して格納する送信バッファと、
前記送信バッファに格納された第1データ及び第2データを順に読み出して第2のネットワークに送信する送信部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記送信バッファへ流入させる際の流入速度を、前記第2のネットワークの通信速度に基づき動的に制御する送信制御部と
を備えたネットワーク相互接続装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の解決手段によると、
ひとつ又は複数の測定端末と、
前記測定端末と第1のネットワークを介して通信するネットワーク相互接続装置と、
前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して通信する監視センタと
を備え、
前記測定端末は、測定した測定データを前記ネットワーク相互接続装置に送信し、
前記ネットワーク相互接続装置は、
受信した測定データを、他のデータよりも優先して送信する第1データと、他のデータよりも優先して送信しなくてもよい第2データとに分類する判定部と、
前記第1データを蓄積する第1データ蓄積部と、
前記第2データを蓄積する第2データ蓄積部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に第1データを優先して格納する送信バッファと、
前記送信バッファに格納された第1データ及び第2データを順に読み出して第2のネットワークに送信する送信部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記送信バッファへ流入させる際の流入速度を、前記第2のネットワークの通信速度に基づき動的に制御する送信制御部と
を有する遠隔監視システムが提供される。
【0009】
本発明の第3の解決手段によると、
ひとつ又は複数の測定端末と、前記測定端末と第1のネットワークを介して通信するネットワーク相互接続装置と、前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して通信する監視センタを備える遠隔監視システムにおける通信制御方法であって、
ネットワーク相互接続装置は、
測定端末が測定した測定データを受信し、
受信した測定データを、他のデータよりも優先して送信する第1データと、他のデータよりも優先して送信しなくてもよい第2データとに分類し、
前記第1データと前記第2データを蓄積し、
蓄積された前記第1データと前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に第1データを優先して送信バッファに格納し、
送信バッファに格納された第1データ及び第2データを順に読み出して第2のネットワークに送信し、
蓄積された前記第1データと前記第2データを、送信バッファへ流入させる際の流入速度を、第2のネットワークの通信速度に基づき動的に制御する通信制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低通信遅延時間を要求するデータの通信遅延時間を小さく抑え、かつ、高スループットを実現する遠隔監視システム、ネットワーク相互接続装置及び通信制御方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の遠隔監視システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施例のネットワーク相互接続装置を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例の変調方式と広域ネットワーク通信速度の対応付けを示す説明図である。
【図4】第1の実施例の通信遅延時間と広域ネットワーク通信速度の対応付けを示す説明図である。
【図5】第1の実施例の送信バッファ使用量と通信遅延時間の関係を示す説明図である。
【図6】第1の実施例の送信制御部の動作を示すフロー図である。
【図7】第1の実施例の優先度判定テーブルを示す説明図である。
【図8】第2の実施例のネットワーク相互接続装置を示すブロック図である。
【図9】第3の実施例のネットワーク相互接続装置を示すブロック図である。
【図10】第4の実施例のネットワーク相互接続装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1に、第1の実施例に係る遠隔監視システムの全体構成図を示す。
遠隔監視システムは、ローカルネットワーク110及び広域ネットワーク120を含み、ローカルネットワーク110と広域ネットワーク120を接続するネットワーク相互接続装置150、ローカルネットワーク110を介してネットワーク相互接続装置(ネットワーク装置)150へ接続する1ないしは複数の測定端末130、及び、広域ネットワーク120に接続する監視センタ170を備える。
ローカルネットワーク110は例えば物理層にIEEE802.15.4を用いたPAN(Personal Area Network)であり、または物理層にIEEE802.11やIEEE802.3を用いたLAN(Local
Area Network)であり、またはセルラ網であり、或いはそれらの組み合わせからなる無線ないしは有線のネットワークである。
広域ネットワーク120は例えば物理層にIEEE802.11やIEEE802.3を用いたLAN(Local Area Network)であり、または物理層にIEEE802.16を用いたMAN(Metropolitan
Area Network)であり、またはセルラ網であり、或いはそれらの組み合わせからなる無線ないしは有線のネットワークである。
測定端末130はセンサを有し、センサ機能を用いて例えば電力、加速度、温度、湿度等を測定し、これらの測定データを取得する。測定データは、上述の例以外にも適宜のデータでもよい。測定端末130は、測定データをローカルネットワーク110を介してネットワーク相互接続装置150へ送信する。測定端末130は、測定データにデータの種別、当該測定端末を識別するためのアドレス等のヘッダ情報を追加する機能を有する。
ネットワーク相互接続装置150は、ローカルネットワーク110を介して受信した測定データを、広域ネットワーク120を介して監視センタ170へ送信する。
監視センタ170は広域ネットワーク120を介して、測定データを受信し、データの解析等を行う。監視センタ170は受信した測定情報の通信遅延時間を計測し、ネットワーク相互接続装置150へ送信する機能を有してもよい。監視センタ170はネットワーク相互接続装置150及び測定端末130の一方もしくは両方の動作を制御する機能を有しても良い。
【0014】
図2に、第1の実施例におけるネットワーク相互接続装置150の機能ブロック構成の例を示す。
第1の実施例におけるネットワーク相互接続装置150は、例えば要求通信遅延時間保持部210、ローカルネットワーク受信部211、優先度判定部212、ローカルネットワーク送信部213、優先度判定テーブル(優先度判定情報記憶領域)214、優先データ蓄積部(第1データ蓄積部)220、一般データ蓄積部(第2データ蓄積部)221、広域ネットワーク通信速度推定部230、送信バッファ許容使用量決定部231、送信バッファ使用量制御部232、送信制御部233、送信バッファ使用量監視部241、送信バッファ部242、広域ネットワーク送信部243、及び、広域ネットワーク受信部244を有する。
ローカルネットワーク受信部211は、図1の測定端末130がローカルネットワーク110を介して送信した測定データを受信する。ローカルネットワーク送信部213はローカルネットワーク110と接続する測定端末130へデータを送信する。
優先度判定部212はローカルネットワーク受信部211から入力される測定データのヘッダ情報と、優先度判定テーブル214を参照して、測定データの優先度を判定する。測定データのヘッダ情報として、例えば、測定データの種別、測定データの送信元アドレス等がある。
図7に、優先度判定テーブル214の構成の一例を示す。優先度判定テーブル214は、データ種別710と優先度720を対応して記憶する。これらの情報は予め記憶されることができる。例えば、電力、加速度は優先、温度、湿度圧力等は一般(非優先)とすることができる。各データは適宜の識別子で表されてもよい。なお、図に示す例に限らず、適宜、優先/一般のデータを定めることができる。
優先度判定部212は、図7に示す優先度判定テーブル214を用いる場合、例えばヘッダ情報に基づき、測定データの種別が電力730であれば、優先度は優先740であると判定し、当該測定データを優先データ蓄積部220へ入力する。一方、優先度判定部212は、測定データの種別が温度750であれば、優先度は一般760であると判定し、当該測定データを一般データ蓄積部221へ入力する。以下の説明において、優先データ蓄積部220へ入力される測定データを優先データ(第1データ)、一般データ蓄積部221へ入力される測定データを一般データ(第2データ)と呼ぶこととする。優先データは、監視センタ170へ到達するまでの通信遅延時間を一定値以下に抑える必要があるデータであり、他のデータよりも優先して送信するデータである。一般データは、監視センタへ到達するまでの通信遅延時間に制約がないデータであり、他のデータよりも優先して送信しなくてもよいデータである。
要求通信遅延時間保持部210は、優先データが監視センタ170へ到達するまでの通信遅延時間の上限値(以下、要求通信遅延時間)を保持する。要求通信遅延時間保持部210が保持する要求通信遅延時間は、監視センタ170からの命令等に応じて、動的に変更されてもよい。
【0015】
優先データ蓄積部220は優先度判定部212から入力される優先データを蓄積する。一般データ蓄積部221は、優先度判定部212から入力される一般データを蓄積する。送信バッファ部242は、送信制御部233から入力される、優先データ及び一般データを蓄積するキューである。送信バッファ部242のデータ入出力方法としては、FIFO(First In、First Out)が用いられる。広域ネットワーク送信部243は、広域ネットワーク通信速度と等しい速度にて送信バッファ部242からデータを読み出して広域ネットワーク120へ送信する。
広域ネットワーク受信部244は広域ネットワーク120から流入するデータを受信する。送信バッファ使用量監視部241は、送信バッファ部242に蓄積されているデータ量を監視し、当該データ量を送信バッファ使用量制御部232へ通知する。
広域ネットワーク通信速度推定部230は、広域ネットワーク受信部244から入力される広域ネットワーク通信速度を推定する際に用いる情報(以下、通信速度推定基情報)から、現在の広域ネットワーク通信速度を推定し、推定結果を送信バッファ許容使用量決定部231と送信バッファ使用量制御部232へ通知する。通信速度推定基情報は、広域ネットワーク通信速度と相関をもつ情報であれば、種別は限定されない。
通信速度推定基情報は、例えば、広域ネットワーク120がセルラネットワークである場合には、セルラ基地局が広域ネットワーク受信部244を介してネットワーク相互接続装置150へ通知する変調方式等の情報であってもよい。この場合、広域ネットワーク通信速度推定部230は、図3に示す変調方式330と広域ネットワーク通信速度340の対応関係から、広域ネットワーク通信速度を推定する。この対応関係は広域ネットワーク通信速度推定部230に予め記憶されることができる。広域ネットワーク通信速度推定部230は、例えば、変調方式が16QAM(310)である場合には、広域ネットワーク通信速度はR1(320)であると推定する。なお、広域ネットワークの通信速度は電波環境により変動する場合があるが、本実施例では代表値を用いることができる。
【0016】
また、別の実施形態において、通信速度推定基情報は、測定端末130が送信した測定データが監視センタ170へ到達するまでの通信遅延時間であってもよい。一般に、ネットワークの通信速度と通信遅延時間は反比例の関係となる。そのため、広域ネットワーク通信速度推定部230は、監視センタ170から広域ネットワーク120を介して通知される通信遅延時間から広域ネットワーク通信速度を推定することができる。図4に、通信遅延時間と広域ネットワーク通信速度の関係の一例を示す。広域ネットワーク通信速度推定部241は、例えば、通知される通信遅延時間がD3(410)である場合には、広域ネットワーク通信速度はR3[Mbps](420)であると推定する。なお、図4に示すネットワークの通信速度と通信遅延時間の関係は、適宜の形式で広域ネットワーク通信速度推定部230に予め記憶されることができる。例えば、関係式が記憶されてもよいし、ネットワークの通信速度と通信遅延時間が対応したテーブル形式で記憶されてもよい。
送信バッファ許容使用量決定部231は、要求通信遅延時間保持部210が保持する要求通信遅延時間、及び広域ネットワーク通信速度推定部230から通知される現在の広域ネットワーク通信速度から、送信バッファ許容使用量を決定する。送信バッファ許容使用量制御部231は、決定した送信バッファ許容使用量を、送信バッファ使用量制御部232へ通知する。
【0017】
以下では、送信バッファ許容使用量の決定方法について説明する。送信バッファ部242へ新たに流入するデータの通信遅延時間(ここでは主に送信バッファでの遅延時間)は、送信バッファ部242の使用量を示す送信バッファ使用量と広域ネットワーク通信速度を用いて、次の式(1)により表される。
通信遅延時間=送信バッファ使用量/広域ネットワーク通信速度・・・(1)
式(1)において、通信遅延時間を要求通信遅延時間以下にするためには、次の式(2)の関係を満たす必要がある。
要求通信遅延時間≧送信バッファ使用量/広域ネットワーク通信速度・・・(2)
送信バッファ許容使用量は式(2)の関係を満たす送信バッファ使用量の最大値であり、次式により与えられる。
送信バッファ許容使用量=要求通信遅延時間×広域ネットワーク通信速度・・・(3)
なお、通信遅延は送信バッファ以外でも起こりうるため、これをさらに考慮して送信バッファ許容使用量を定めても良い。
【0018】
送信バッファ許容使用量決定部231は式(3)に、要求通信遅延時間保持部210が保持する要求通信遅延時間、及び広域ネットワーク通信速度推定部230から通知される現在の広域ネットワーク通信速度を代入して、送信バッファ許容使用量を決定する。
図5は、式(3)の関係を示すグラフである。送信バッファ許容使用量決定部231は、例えば、要求遅延時間がD(510)であり、広域ネットワーク通信速度がR1(520)である場合には、送信バッファ許容使用量をD×R1(530)に決定する。なお、図中ではR1<R2<R3である。
送信バッファ使用量制御部232は、送信バッファ許容使用量決定部231から通知される送信バッファ許容使用量、広域ネットワーク通信速度推定部230から通知される広域ネットワーク通信速度、及び送信バッファ使用量監視部241から通知される送信バッファ使用量から、送信バッファ部242へのデータ流入速度を決定し、当該データ流入速度を送信制御部233へ通知する。送信バッファ使用量制御部232は、送信バッファ部の使用量が、送信バッファ許容使用量を超えないように、データ流入速度を決定する。送信バッファ使用量制御部232は、例えば、バッファ使用量がバッファ許容使用量を上回っている場合には、データ流入速度を0に決定する。送信バッファ使用量制御部232は、例えば、バッファ使用量がバッファ許容使用量を下回っている場合には、データ流入速度を広域ネットワーク通信速度と等しい値に決定する。なお、広域ネットワーク通信速度と等しい値とする以外にも、広域ネットワーク通信速度に基づく値でもよい。なお、バッファ使用量がバッファ許容使用量を上回る前に、バッファ使用量とバッファ許容使用量の差が予め定められた量より小さくなった場合、データ流入速度を0より大きく広域ネットワーク通信速度より小さい値にしてもよい。なお、これ以外にも、送信バッファ許容使用量、広域ネットワーク通信速度及び送信バッファ使用量から適宜の手法でデータ流入速度を求めてもよい。
【0019】
送信制御部233は、優先データ蓄積部220と一般データ蓄積部221からデータを取り出し、送信バッファ使用量制御部232から通知されたデータ流入速度にて、送信バッファ部242へ流入させる。
図6に、送信制御部233の動作フローの一例を示す。送信制御部233は、優先データ蓄積部220へ蓄積されている優先データの有無を確認する(610)。送信制御部233は、優先データ蓄積部220へ蓄積されている優先データがある場合、優先データ蓄積部220から優先データを取り出し、送信バッファ使用量制御部232から通知されたデータ流入速度にて、送信バッファ部242へ流入させる(620)。送信制御部233は、優先データ蓄積部220に蓄積されている優先データが無い場合、一般データ蓄積部221へ蓄積されている一般データの有無を確認する(630)。送信制御部233は、一般データ蓄積部221へ一般データが蓄積されている場合、一般データ蓄積部221から一般データを取り出し、送信バッファ使用量制御部232から通知されたデータ流入速度にて、送信バッファ部242へ流入させる(640)。送信制御部233は、一般データ蓄積部221へ一般データが蓄積されていない場合、送信バッファ部243へデータを流入させない(650)。
【0020】
本実施例によれば、優先データの通信遅延時間を要求通信遅延時間以下に抑え、尚且つ、広域ネットワーク120へ送出する単位時間当たりのデータ量であるスループットを大きくすることができる。また、遠隔監視システムへ無線ネットワーク等の通信速度の変動が大きなネットワークを適用する場合においても、低通信遅延時間を要求するデータの通信遅延時間を小さく抑え、かつ、高スループットを実現することができる。
例えば、広域ネットワーク120の通信速度が低下するにつれて、送信バッファ部243の許容使用量及び/又はデータの流入速度を小さくし、優先データを優先して送信バッファ部243に流入させることで、広域ネットワーク120の通信速度の低下に伴い一般データが送信バッファ部243に溜まる量を減らし、該一般データの後に送信バッファ部243に格納される優先データの遅延を短くすることが出来る。
【実施例2】
【0021】
実施例1では、測定データが当該測定データの優先度に応じて優先データと一般データに分類される例を示した。測定データは、優先度に応じて3以上に分類されてもよい。
図8に、本実施例のネットワーク相互接続装置800を示す。図8において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。なお、遠隔監視システムの全体構成は第1の実施例(例えば図1)と同様である。
図8に示すネットワーク相互接続装置800の優先度判定部212は、測定データをN(Nは3以上の整数)の優先度にて分類し、優先度に応じた蓄積部へデータを入力する。優先度判定テーブル214の構成は実施例1と同様であるが、記憶される優先度が異なる。本実施例では、優先度720には、N(Nは3以上の整数)に分類された優先度が記憶される。優先度判定部212は、実施例1と同様に、優先度判定テーブル214を参照して、受信したデータの優先度を判定できる。優先度1データ蓄積部820は、最も優先度の高い測定データを蓄積する。優先度2データ蓄積部821は、優先度が2番目に高い測定データを蓄積する。優先度Nデータ蓄積部822は、優先度が最も低い測定データを蓄積する。送信制御部233は、実施例1と同様に、優先度の高いデータ蓄積部から順に、データ蓄積部に蓄積されたデータがなくなるまでデータを取り出して送信バッファ部242に出力し、その後次の優先度のデータ蓄積部に蓄積されたデータを取り出すようにしてもよい。また、送信制御部233は、各優先度に対して割り当てられた重みに応じた量のデータを各データ蓄積部から取り出すようにしてもよい。
本実施例では、優先度が最も高いデータ(第1のデータに相当)の通信遅延時間を要求通信遅延時間以内にすることができる。尚且つ、優先度が最も高いデータ以外のデータ(第2乃至第Nのデータ)について、優先度が高いデータほど通信遅延時間を小さくすることができる。
【実施例3】
【0022】
図2に示したネットワーク相互接続装置150は、2以上の物理的装置から構成されてもよい。
図9に、本実施例のネットワーク相互接続装置900の構成を示す。図9において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。なお、遠隔監視システムの全体構成は第1の実施例(例えば図1)と同様である。本実施例のネットワーク相互接続装置900は、遅延制御装置910、及び広域ネットワーク通信装置920の2つの装置から構成されることができる。例えば、広域ネットワーク通信装置920がルータに相当し、遅延制御装置910をPC等の端末処理装置で構成してもよい。
【実施例4】
【0023】
図10に、本実施例のネットワーク相互接続装置1000の構成を示す。図10において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。なお、遠隔監視システムの全体構成は第1の実施例(例えば図1)と同様である。
本実施例の広域ネットワーク通信速度推定部1030は、送信バッファ部242に蓄積するデータ量の増加速度(以下、送信バッファ使用量増加速度)と、送信制御部1033が送信バッファ部242へデータを流入させる速度(以下、データ流入速度)から、広域ネットワーク通信速度を推定する。
広域ネットワーク通信速度、データ流入速度、バッファ使用量には次の関係がある
・広域ネットワーク通信速度がデータ流入速度と等しい場合、送信バッファ使用量は一定となる。
・広域ネットワーク通信速度がデータ流入速度よりも大きい場合、送信バッファ使用量は(広域ネットワーク通信速度−データ流入速度)の速度で減少する。
・広域ネットワーク通信速度がデータ流入速度よりも小さい場合、送信バッファ使用量は(データ流入速度−広域ネットワーク通信速度)の速度で増加する。
上記の関係から、広域ネットワーク通信速度は、バッファ使用量増加速度とデータ流入速度を用いて次式により表される。
広域ネットワーク通信速度=データ流入速度−送信バッファ使用量増加速度・・・(4)
本実施例の広域ネットワーク通信速度推定部1030は、式(4)を用いて広域ネットワーク通信速度を推定する。広域ネットワーク通信速度推定部1030は、送信バッファ使用量監視部1041から通知されるバッファ使用量から、(4)式の送信バッファ使用量増加速度を求める。広域ネットワーク通信速度推定部1030は、送信制御部1033から(4)式のデータ流入速度を通知される。
本実施例によれば、ネットワーク相互接続装置1000は、広域ネットワークの通信速度と相関をもつ情報を受信しない場合においても、広域ネットワーク通信速度を推定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、例えば、遠隔監視システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0025】
110 ローカルネットワーク
120、広域ネットワーク
130 測定端末
150、800、900、1000 ネットワーク相互接続装置
170 監視センタ
210 要求通信遅延時間保持部
211 ローカルネットワーク受信部
212 優先度判定部
213 ローカルネットワーク送信部
214 優先度判定テーブル
220 優先データ蓄積部
221 一般データ蓄積部
230、1030 広域ネットワーク通信速度推定部
231 送信バッファ許容使用量決定部
232 送信バッファ使用量制御部
233、1033 送信制御部
241、1041 送信バッファ使用量監視部
242 送信バッファ部
243 広域ネットワーク送信部
244 広域ネットワーク受信部
820 優先度1データ蓄積部
821 優先度2データ蓄積部
822 優先度Nデータ蓄積部
910 遅延制御装置
920 広域ネットワーク通信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ひとつ又は複数の測定端末と、前記測定端末と第1のネットワークを介して通信するネットワーク相互接続装置と、前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して通信する監視センタを備える遠隔監視システムにおける前記ネットワーク相互接続装置であって、
前記測定端末が測定した測定データを受信する受信部と、
受信した測定データを、他のデータよりも優先して送信する第1データと、他のデータよりも優先して送信しなくてもよい第2データとに分類する判定部と、
前記第1データを蓄積する第1データ蓄積部と、
前記第2データを蓄積する第2データ蓄積部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に第1データを優先して格納する送信バッファと、
前記送信バッファに格納された第1データ及び第2データを順に読み出して第2のネットワークに送信する送信部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記送信バッファへ流入させる際の流入速度を、前記第2のネットワークの通信速度に基づき動的に制御する送信制御部と
を備えたネットワーク相互接続装置。
【請求項2】
前記第2のネットワークの通信速度に基づいて、前記送信バッファの使用量最大値を示す許容使用量を動的に変更する許容使用量決定部
をさらに備える請求項1に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項3】
前記許容使用量決定部は、前記第2のネットワークの通信速度と、第1データが前記監視センタに到達するまでの要求通信遅延時間に基づいて、前記送信バッファの使用量最大値を示す許容使用量を求める請求項2に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項4】
前記送信バッファの使用量を監視する送信バッファ使用量監視部と、
前記送信バッファの使用量と、前記送信バッファの許容使用量と、前記第2のネットワークの通信速度とに基づいて、前記第1データ蓄積部と前記第2データ蓄積部から前記送信バッファへ流入するデータの流入速度を決定する送信バッファ使用量制御部と
をさらに備える請求項2に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項5】
前記送信バッファ使用量制御部は、前記送信バッファの使用量が、前記送信バッファの許容使用量を超えないように、データの流入速度を決定する請求項4に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項6】
前記送信バッファ使用量制御部は、前記送信バッファの使用量が前記送信バッファの許容使用量を上回っている場合には、データの流入速度を0にし、前記送信バッファの使用量が前記送信バッファの許容使用量を下回っている場合には、データの流入速度を第2のネットワークの通信速度と等しい値又は第2のネットワークの通信速度に基づく値にする請求項5に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項7】
前記第2のネットワークの通信速度が低下するにつれて、前記送信バッファの許容使用量及び/又は前記流入速度を小さくし、第1データを優先して前記送信バッファに流入させることで、前記第2のネットワークの通信速度の低下に伴い第2データが前記送信バッファに溜まる量を減らし、該第2データの後に前記送信バッファに格納される第1データの遅延を短くする請求項1に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項8】
前記第2のネットワークを介して受信する、前記第2のネットワークの通信速度と相関をもつ情報から、前記第2のネットワークの通信速度を推定する通信速度推定部
をさらに備える請求項1に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項9】
前記第2のネットワークは、セルラネットワークであり、
前記通信速度推定部は、該セルラネットワークの基地局から通知される変調方式を示す情報に基づき、対応する第2のネットワークの通信速度を推定する請求項8に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項10】
前記通信速度推定部は、
前記第2のネットワークを介して前記監視センタへ送信したデータに従い該監視センタが測定した通信遅延時間を、該監視センタから前記第2のネットワークを介して受信し、
受信した通信遅延時間に基づき、前記第2のネットワークの通信速度を推定する請求項8に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項11】
前記通信速度推定部は、前記送信バッファの使用量の時間変化と、前記送信バッファへ流入するデータの速度に基づいて、前記第2のネットワークの通信速度を推定する請求項1に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記測定データを第1乃至第N(Nは3以上の整数)データに分類し、
分類された第1乃至第Nデータを第1乃至第Nデータ蓄積部に蓄積する請求項1に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項13】
前記ネットワーク相互接続装置は、2以上の物理的な装置で実装されることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク相互接続装置。
【請求項14】
ひとつ又は複数の測定端末と、
前記測定端末と第1のネットワークを介して通信するネットワーク相互接続装置と、
前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して通信する監視センタと
を備え、
前記測定端末は、測定した測定データを前記ネットワーク相互接続装置に送信し、
前記ネットワーク相互接続装置は、
受信した測定データを、他のデータよりも優先して送信する第1データと、他のデータよりも優先して送信しなくてもよい第2データとに分類する判定部と、
前記第1データを蓄積する第1データ蓄積部と、
前記第2データを蓄積する第2データ蓄積部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に第1データを優先して格納する送信バッファと、
前記送信バッファに格納された第1データ及び第2データを順に読み出して第2のネットワークに送信する送信部と、
前記第1データ蓄積部に蓄積された前記第1データと、前記第2データ蓄積部に蓄積された前記第2データを、前記送信バッファへ流入させる際の流入速度を、前記第2のネットワークの通信速度に基づき動的に制御する送信制御部と
を有する遠隔監視システム。
【請求項15】
ひとつ又は複数の測定端末と、前記測定端末と第1のネットワークを介して通信するネットワーク相互接続装置と、前記ネットワーク相互接続装置と第2のネットワークを介して通信する監視センタを備える遠隔監視システムにおける通信制御方法であって、
ネットワーク相互接続装置は、
測定端末が測定した測定データを受信し、
受信した測定データを、他のデータよりも優先して送信する第1データと、他のデータよりも優先して送信しなくてもよい第2データとに分類し、
前記第1データと前記第2データを蓄積し、
蓄積された前記第1データと前記第2データを、前記第2のネットワークへ送信する際に第1データを優先して送信バッファに格納し、
送信バッファに格納された第1データ及び第2データを順に読み出して第2のネットワークに送信し、
蓄積された前記第1データと前記第2データを、送信バッファへ流入させる際の流入速度を、第2のネットワークの通信速度に基づき動的に制御する通信制御方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−66062(P2013−66062A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203565(P2011−203565)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】