説明

遠隔監視システム及び遠隔監視方法,プログラム

【課題】ごみの集積所などの屋内外にある特定の箇所を遠隔監視するためのシステムを低コストで構築する。
【解決手段】屋内外の特定箇所aに物体が進入しその物体が放置されたという状況をセンサ装置30が検知し、検知信号を取得した情報管理端末20が検知信号を中央管理装置40へ送信し、中央管理装置40が検知信号を基に特定箇所aの状況を判断する。情報管理端末20と中央管理装置40とを、既存の通信回線である送電監視用の通信回線10で接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の箇所を遠隔で監視する遠隔監視システム及び遠隔監視方法,遠隔監視用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、地域住民から出されるごみは、指定された曜日に回収車が定められたエリアのごみ集積所を巡回して回収する。回収車によるごみ収集の開始時刻は事前に告知されているが、エリアの回収量や道路状況により実際の集積所の回収時刻にはバラつきが生じている。これにより、住民は、回収時刻に間に合わせるつもりでごみを出しても既に回収された後であったり、回収済みとは気付かずにごみを出してしまったりと、煩わしい事態に見舞われる。このような事態を回避するために夜間にごみを投棄する住民も多いが、夜間にごみを投棄されると回収するまでに長時間有するため、その間に鳥獣によってごみが荒らされてしまうという問題があった。
【0003】
一方で、有料ごみや資源ごみは指定の日時に出さなければならないが、それにもかかわらず、手間がかかるという理由で、通常のごみとして投棄されてしまうことがあり、回収されないまま長期間放置されるという問題があった。
【0004】
このような問題を鑑みて、ごみの収集に関連する技術が特許文献1乃至4に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された関連技術は、特殊なごみ箱を利用した廃棄物投棄状況把握システムの一例であり、このシステムは、ごみの量を計量する計量手段と、計量されたごみの量の情報を通信回線を介して送信する送信手段とを備えた特殊なごみ箱を利用している。
【0006】
特許文献2に開示された関連技術は、産業廃棄物の蓄積状況把握方法、産業廃棄物の回収方法及び産業廃棄物蓄積状況監視システムの一例であり、このシステムは、重量計測手段及び撮像手段などからなる監視手段と、この監視手段により得られる情報を管理する管理手段と、その管理された情報を閲覧する閲覧手段とで構成され、建設現場等で発生する産業廃棄物の状況と物量とを管理し公開するとしている。
【0007】
また、特許文献3に開示された関連技術は、産業廃棄物の排出現場に設置する廃棄物収集用ITコンテナに重量を計量する手段と材質等を判別する手段と通信手段とを設けて、廃棄物の集積状況を排出者や運搬車両に送信し収集業務の合理化を実現している。特許文献4では、複数の現場で廃棄される廃棄物の廃棄位置と、廃棄物の重量と、廃棄物の取扱い金額とに基づいて産業廃棄物収集運搬車両の収集運搬の最短経路を決定している。
【0008】
【特許文献1】特開2002−120904号公報
【特許文献2】特開2002−205046号公報
【特許文献3】特開2003−63603号公報
【特許文献4】特開2004−299903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1乃至4に開示された関連技術を、一般家庭から日常的に排出されるごみの集積所に適用すると、特殊なごみ箱やコンテナなどを相当な数設置しなければならず膨大なコストがかかってしまう。また、上述した関連技術は、屋内や業者の敷地内に設けられた廃棄物置き場の監視を想定しているので、廃棄物置き場から廃棄物の集積状況データを送信するのにLANを使用すればよいが、一般ごみの集積所は道路脇の電柱下など屋外の適当な場所に設けられていることが多く、屋外の場所における物体の有無を監視するのに、どのように通信インフラを構築すればよいのかという問題点があった。
【0010】
また、住民が個別に不要品の回収を依頼する場合、原則として指定の日時に手渡しで不要品の引き渡しを行わなければならず、回収業者が指定の時刻に遅れたりすると、手渡すまでの時間を拘束されるため、住民にとって個別の不要品回収を依頼し難いという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記関連技術の問題点を改善し、ごみその他の物品の集積所など屋外にある特定の箇所における物体の搬入及び搬出の状態を遠隔監視するシステムを低コストで構築することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の遠隔監視システムは、屋内外の特定箇所における物体及び事象にかかる情報を検知しこれを検知信号として出力するセンサ装置と、この検知信号を取得し通信回線へ送出する情報管理端末と、この情報管理端末と通信回線を介して接続する中央管理装置とを備え、情報管理端末と中央管理装置とを接続する通信回線として、電力系統を常時監視するために予め構築された送電監視用の通信回線を用い、中央管理装置が、情報管理端末からの検知信号に基づいて特定箇所の状況を判断しその結果を記憶すると共に外部端末に対して判断結果を出力する情報管理手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の遠隔監視方法は、屋内外の特定箇所を遠隔監視する遠隔監視方法であり、センサ装置が特定箇所における物体及び事象にかかる情報を検知して検知信号を出力し、この検知信号を予め構築された送電監視用の通信回線へ送出し、送電監視用の通信回線を介して検知信号を受信した中央管理装置が、受信した検知信号に基づいて特定箇所の状況を判断しその結果を記憶すると共に、外部端末に対して判断結果を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明の遠隔監視用プログラムは、屋内外の特定箇所における物体及び事象にかかる情報を検知するセンサ装置から出力された検知信号を取得する検知信号取得機能と、取得した検知信号に基づいて特定箇所の状況を判断しその結果を記憶する情報管理機能と、外部端末に対して判断結果を出力する情報送信機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように、屋内外の特定箇所における物体及び事象にかかる情報を既存の送電監視用の通信回線を利用して収集するので、特定箇所の状況をコストをかけずに監視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明における一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明における一実施形態の遠隔監視システムの構成を示すブロック図である。まず最初に本実施形態の基本的な内容について説明し、その後に具体的な内容を詳細に説明する。
【0018】
本実施形態の遠隔監視システムは、基本的な構成として、屋内外の特定箇所aにおける物体及び事象にかかる情報を検知し検知信号を出力するセンサ装置30と、このセンサ装置30からの検知信号を取得し送出する情報管理端末20と、この情報管理端末20と通信回線10を介して接続した中央管理装置40とを備えている。
【0019】
本実施形態においては、情報管理端末20と中央管理装置40との間を、電力系統を常時監視するために予め構築された送電監視用の通信回線10を用いて接続している。送電監視用の通信回線10とは、もともと発電や変電,送電施設の監視または制御のために電力会社が保有する通信網であり、送電線に沿って敷設された光ファイバケーブルを利用した通信回線である。電力会社では、この送電監視用の通信回線10を利用して情報の送受信を行い、送電線状態の監視や変電所などの保守管理を行っている。
【0020】
センサ装置30は、物体の存在を検知するセンサであり、例えば、加重センサや距離センサ,赤外線センサなどである。情報管理端末20は、送電監視用の通信回線10と接続しており、センサ装置30からの検知信号を通信回線10を介して中央管理装置40へ送信する。
【0021】
中央管理装置40は、情報管理端末20から送信されてくる検知信号に基づいて特定箇所aの状況を判断しその結果を記憶すると共に外部端末50,60〜に対して判断結果を出力する情報管理手段20を備えている。
【0022】
ここで、上述した遠隔監視システムの基本的な動作を説明すると、センサ装置30が特定箇所aにおける物体及び事象にかかる情報を検知して検知信号を出力し、この検知信号を取得した情報管理端末20が検知信号を送電監視用の通信回線10へ送出し、中央管理装置40が送電監視用の通信回線10を介して検知信号を受信し、受信した検知信号に基づいて特定箇所aの状況を判断し、その結果を記憶すると共に、外部端末50,60〜に対して判断結果を出力する。この動作説明は、本発明の遠隔監視方法の一実施形態の基本的な内容を示している。
【0023】
本実施形態は、このように構成されており、屋内外の特定箇所aにおける情報を既存の送電監視用の通信回線10を利用して収集するので、特定箇所aに在る物体等の状態をコストをかけずに監視することができる。
【0024】
次に、本実施形態について、さらに具体的に詳述する。図1に示すように、中央管理装置40は、情報管理端末20から検知信号を受信する信号受信手段41と、情報管理端末20からの検知信号に基づいて特定箇所aの状況を判断し、その判断結果を記憶手段46に記憶する情報管理手段42と、インターネット100と接続するインターネット接続手段43と、情報管理手段42に管理されている特定箇所aの状況を示す情報をインターネット100を介して外部に公開する情報公開手段44と、情報管理手段42に判断された特定箇所aの状況を示す情報を予め指定された端末へ送信するメール送信手段45と、各種情報を記憶する記憶手段46とを備えている。
【0025】
情報管理手段42は、情報管理端末20からの検知信号に基づいて特定箇所aの状況を判断し、その判断結果と特定箇所aの位置情報とを対応付けて記憶手段46に記憶する。情報公開手段44は、予め記憶手段46に記憶された地図情報データベースから地図情報を読み出して、特定箇所aの位置とその特定箇所aの状況情報とを地図上に表示してインターネット100を介したアクセスに対して公開する。メール送信手段45は、特定箇所aの状況を示す内容のEメールを予め指定されたアドレスへ送信する。
【0026】
次に、図1に示す実施形態の全体動作について説明する。ここで、以下に示す動作説明は、本発明の遠隔監視方法の一実施形態を示している。
【0027】
まず、センサ装置30が特定箇所aにおける物体及び事象にかかる情報を検知して検知信号を出力し、この検知信号を取得した情報管理端末20が検知信号を送電監視用の通信回線10へ送出し、情報管理手段42が検知信号に基づいて特定箇所aの状況を判断しその結果を記憶手段46に記憶すると共に外部に出力する。
【0028】
そして、この判断結果である特定箇所の状況を示す情報を、情報公開手段44が特定箇所の位置と共に地図上に表示して外部端末50,60〜に公開し、メール送信手段45が、特定箇所aの状況を示す内容のEメールを予め指定された外部端末50,60〜のうちのいずれかのアドレスへ送信する。
【0029】
本実施形態では、屋内外の特定箇所aに物体が進入しその物体が放置されたという状況をセンサ装置30が検知し、検知した情報を中央管理装置40が収集し公開できるので、路上脇などの一定範囲内を監視することができる。例えば、駐車禁止区域や駐輪禁止区域を特定箇所aとしてセンサ装置30を設置すれば、違法駐車や迷惑駐輪を効率よく取り締まることが可能になる。
【0030】
また、情報管理端末20と中央管理装置40とを、既存の通信回線である送電監視用の通信回線10で接続することで、通信インフラを新たに構築する必要が無く、コストをかけずにシステムを実現できる。送電監視用の通信回線10は、電力を供給する送電線に沿って配線されているので、屋外に設置されたセンサ装置30を接続するのに適している。
【0031】
図2は、本実施形態を簡略化したブロック図である。図2に示すように、中央管理装置40は、特定箇所aに関する情報を管理する情報管理手段42と、特定箇所aに関する情報をインターネットを介してPCや携帯電話などの情報端末50,60〜に公開する情報公開手段44と、特定箇所aに関する情報を指定の外部情報端末へ送信するメール送信手段45とを備えている。また、情報公開手段44は、特定箇所aの状況を示す情報を特定箇所aの位置と共に地図上に表示する地図表示機能44Aを有している。センサ装置30と情報管理端末20間の接続には配線200を用い、情報管理端末20と中央管理装置40間の接続には、送電監視用の通信回線である情報ネットワーク10を用いた構成である。
【0032】
次に、本実施形態の一例として、特定箇所aを一般ごみの集積所とした場合について説明する。
【0033】
図3は、本実施形態の遠隔監視システムにおける特定箇所aを一般廃棄ごみの集積所とした場合の構成を示すブロック図である。この遠隔監視システムは、一定の範囲のエリア内にある複数のごみ集積所を監視するために、上述したセンサ装置30を複数設けた構成である。
【0034】
図3に示すように、この遠隔監視システムは、複数の場所に設けられたごみ集積所A〜N内の物体の有無を検知するセンサ装置30A〜30Nと、センサ装置30A〜30Nそれぞれに対して設けられた情報管理端末20A〜20Nと、送電監視用の通信回線10と、この送電監視用の通信回線10と接続し情報管理端末20A〜20Nからの信号を収集する中央管理装置40と、中央管理装置40と接続するインターネット100とで構成されている。送電監視用の通信回線10は、ごみ集積所A〜N付近に設置された情報管理端末20A〜20Nと中央管理装置40とを接続している。
【0035】
情報管理端末20A〜20Nとセンサ装置30A〜30Nとは、それぞれ独自の配線200で接続されており、インターネット100には、ごみ回収業者や自治体などのごみ回収者が所有する回収者側の情報端末50Aと、住民などのごみ投棄者が所有する投棄者側の情報端末60Aとが接続されている。
【0036】
図7は、センサ装置30Aと情報管理端末20Aとの接続形態を示す説明図である。情報管理端末20Aは、建物に電気を供給する配電線を支持している電柱400の上部に設置され送電監視用通信回線10と接続している。電柱400下に設けられた集積所A内にセンサ装置30Aが設置され電柱400に沿って引かれた配線200を介して情報管理端末20Aと接続されている。図7はセンサ装置30Aと情報管理端末20Aの接続形態を示しているが、センサ装置30B〜30Nと情報管理端末20B〜20Nとについても同様の接続形態を採用している。
【0037】
情報管理端末20A〜20Nは、センサ装置30A〜30Nから出力される信号を通信回線10へ送信する機能を有している。センサ装置30A〜30Nは、例えば、加重センサや距離センサ、赤外線センサなどである。
【0038】
中央管理装置40は、情報管理端末20A〜20Nからの信号を受信する信号受信手段41と、情報管理端末20からの信号に基づいて複数あるごみ集積所A〜Nのごみ回収状況を判断し、判断結果を記憶手段46に記憶させる情報管理手段42と、インターネット100と接続するインターネット接続手段43と、情報管理手段42に管理されたごみ集積所A〜Nの情報をインターネット100を介して外部に公開する情報公開手段44と、一定の条件に従いごみ集積所A〜Nのうちのいずれかの状況を示す情報を予め指定されたアドレスへ送信するメール送信手段45とを備えている。
【0039】
中央管理装置40における情報管理手段42が管理する情報を図6(A)に示す。図6(A)に示すように、情報管理手段42は、センサ装置30A〜30Nからの出力を基に集積所A〜Nのごみ集積状況を「集積中」,「回収済み」などと判断し、ごみ集積所A〜Nの位置情報としての住所と、それぞれのごみ集積状況とを対応付けて管理する。
【0040】
情報公開手段44は、予め記憶手段46に記憶された地図情報データベースから地図情報を読み出して、ごみ集積所A〜Nの位置とそのごみ集積状況とを地図上に表示してインターネット100を介したアクセスに対して公開する。インターネット上に公開する地図画像のイメージを図6(B)に示す。
【0041】
また、中央管理装置40における情報管理手段42は、回収者側の情報端末50Aからインターネット100を介して、指定の集積所及び日時に個別回収ごみが投棄される旨の通知を受けて、その旨を記憶手段46に登録する。
【0042】
メール送信手段45は、情報管理手段42が登録した指定の日時,指定の集積所にごみが出されたと判断した場合に、個別回収ごみが指定の集積所に有ることを通知するEメールを対応する回収者側の情報端末50Aへ送信し、個別回収ごみが回収されたと情報管理手段42が判断した場合、個別回収ごみが回収されたことを通知するEメールを投棄者側の情報端末60Aへ送信する。
【0043】
ここで、上述した情報管理手段42,情報公開手段44,メール送信手段45については、その機能内容をプログラム化してコンピュータに実行させる構成としてもよい。
【0044】
次に、図3に示す実施形態の全体動作について説明する。ここで、以下の動作説明は、本発明の遠隔監視方法の一実施形態を示している。
【0045】
図4は、図3に示す遠隔監視システムにおいて、ごみ集積所Aにごみが棄てられた場合の全体動作を示すシーケンス図である。
【0046】
住民がごみ集積所Aにごみを投棄すると(図4のステップA1)、まず、センサ装置30Aがごみの存在を検知し(図4のステップA2)、検知信号を情報管理端末20Aに送信する(図4のステップA3)。情報管理端末20Aが、センサ装置30Aからの信号を受信し、その検知信号を送電管理用の通信回路10を介して中央管理装置40へ送信する(図4のステップA4)。中央管理装置40においては、信号受信手段41が情報管理端末20Aからの信号を送電管理用の通信回路10を介して受信し、情報管理手段42がごみ集積所Aにおけるごみ集積状況を「集積中」に更新する(図4のステップA5)。情報公開手段44が、更新されたごみ集積所Aの情報を地図上に表示し(図4のステップA6)、ごみ集積所Aのごみ集積状況が示された地図(図6(B))をインターネット上に公開する(図4のステップA7)。
【0047】
回収者側の情報端末50が、インターネットを介して中央監視装置40にアクセスし、ごみ集積所A〜Nのごみ集積の有無を示す地図情報を表示し、一般ごみの回収者である自治体環境局は、情報端末50に表示されたごみ集積の有無を示す情報を参照し、すでにごみが集積されているごみ集積所Aを優先してごみの回収を行う(図4のステップA8)。また、インターネット上に公開されたごみ集積所の情報は、ごみ投棄者も情報端末60を用いて確認可能であるため、投棄者は、ごみ集積所Aに投棄したごみの回収状況を確認する(図4のステップA9)。
【0048】
ここで、上述した動作説明では、ごみ集積所Aにごみが棄てられた場合について説明したが、ごみ集積所B〜Nのいずれかにごみが棄てられた場合も同様である。
【0049】
このように、本実施形態のシステムは、ごみの集積状況がごみ回収者側で確認できるように構成されているため、ごみ回収側は集積状況を把握でき、当日の効率的な回収ルート設計を実施できる回収もれがなくなり効率的なごみ回収が可能になる。また、ごみ投棄者側もごみ回収状況を確認できるように構成されているため、ごみ投棄側が適切なタイミングでごみ出しを行うことができる。
【0050】
次に、図3に示す実施形態の全体動作の他の例について説明する。図5は、図3に示す遠隔監視システムにおいて、個別回収ごみがごみ集積所Aに廃棄される場合の全体動作を示すシーケンス図である。
【0051】
まず、通常の家庭ごみとは異なる不要品の個別回収ごみを廃棄したい投棄者が、ごみ処理業者に個別回収ごみの引き取りを依頼し回収費用を入金する(図5のステップB1)。依頼を受けたごみ処理業者は、回収料金を受領すると共に、回収の日程を調整し投棄者に指定するごみ集積所を通知する(図5のステップB2)。ごみ収集業者側は、指定した日時に指定の集積所Aに不要品が投棄される旨を情報端末50を用いて中央管理装置40へ通知する(図5のステップB3)。中央管理装置40における情報管理手段42が、情報端末50からの通知を受けて、指定された日時に集積所Aに不要品が投棄される旨を記憶手段46に登録する。
【0052】
ごみ投棄者は、指定された日程に指定の集積所Aに不要品を投棄する(図5のステップA1)。センサ装置30Aが不要品の搬入を検知し(図5のステップA2)、検知信号を情報管理端末20Aへ送信する(図5のステップA3)。情報管理端末20Aがセンサ装置30Aからの検知信号を受信し、その検知信号を中央管理装置40へ送信する(図5のステップA4)。中央管理装置40においては,信号受信手段41が情報管理端末20Aからの信号を受信し、情報管理手段42が指定のごみ集積所Aの情報に示すごみ回収状況を「ごみ有り」に更新する(図5のステップA5)。
【0053】
そして、メール送信手段45が、ごみ集積所Aにごみが検知された旨を通知するEメールを情報端末50に送信する(図5のステップB4)。情報端末50がEメールを受信し、回収者は、Eメールを参照し、ごみ集積所Aに向かい、個別回収ごみの回収を行う(図5のステップB5)。
【0054】
個別回収ごみが回収されると、センサ装置30Aが不要品の搬出を検知する(図5のステップA10)。そして同様に、情報管理端末20Aがセンサ装置30Aからの検知信号を受信し、その検知信号を中央管理装置40へ送信する。中央管理装置40においては,信号受信手段41が情報管理端末20Aからの信号を受信し、情報管理手段42が指定のごみ集積所Aの情報に示すごみ回収状況を「回収済み」に更新する。
【0055】
メール送信手段45が、ごみ集積所Aのごみが回収された旨を通知するEメールを投棄者側情報端末60に送信する(図5のステップB6)。情報端末50がEメールを受信し、情報端末60に受信されたEメールを確認した投棄者は、不要品の引き取り完了を確認する(図5のステップB7)。
【0056】
このように、本実施形態のシステムは、指定された時刻,指定されたごみ集積所Aにごみが投棄されたことが、ごみ回収者に即座に通知されるように構成されているため、回収者は通知をもとに即座に回収を行えば、集積所Aに自治体指定の時間帯以外にごみを放棄する時間を極力少なくすることができるため、プライベートなごみ出しであっても周辺住民や自治体へ不便をかけることなく、既存のごみ集積所A〜Nを活用して個別に依頼されたごみ回収を行うことができる。また、ごみの集積状況を回収者側と投棄者側の双方にEメールで通知できるように構成されているため、自治体の回収者が、有料の廃棄ごみをタイムリーに回収することもできる。
【0057】
ここで、上述した動作説明では、個別回収ごみの集積所にごみ集積所Aを指定した場合について示しているが、ごみ集積所B〜Nのいずれかを指定しても同様である。
【0058】
以上のように、本実施形態の遠隔監視システムでは、屋内外の特定箇所aに物体が進入しその物体が放置されたという状況をセンサ装置30が検知でき、検知した情報を中央管理装置40が収集し公開するので、特定箇所aをごみ集積所とすれば、点在するごみ集積所A〜Nの集積状況を一元管理でき、ごみ回収業務を効率化するとともに、ごみの投棄者の利便性を向上させる。
【0059】
また、ごみ集積所の監視に限らず、例えば、駐車禁止区域や駐輪禁止区域を特定箇所aとすれば、違法駐車や迷惑駐輪を効率よく取り締まることが可能になり、さらには、センサ装置30として防犯ブザーを電柱に設置して、防犯ブザーからの警報信号を送電監視用の回線10に伝送させて中央管理装置40で受信するような構成にすれば、路上における防犯の役割を担うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明にかかる一実施形態の遠隔監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した実施形態の遠隔監視システムの構成を簡略化して示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる実施形態の構成の他の例を示すブロック図である。
【図4】図3に開示した実施形態の全体の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図5】図3に開示した実施形態の全体の動作の他の例を示すシーケンス図である。
【図6】図3に開示した実施形態における中央管理装置が管理する情報の一例を示す図である。
【図7】図3に開示した実施形態におけるセンサ装置と情報管理端末との接続形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
a 特定箇所
A〜N ごみ集積所
10 送電監視用の通信回線
20,20A〜20N 情報管理端末
30,30A〜30N センサ装置
40 中央管理装置
41 信号受信手段
42 情報管理手段
43 インターネット接続手段
44 情報公開手段
45 メール送信手段
50 端末
60 端末
50A 回収者側の情報端末
60A 投棄者側の情報端末
100 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内外の特定箇所における物体及び事象にかかる情報を検知しこれを検知信号として出力するセンサ装置と、このセンサ装置からの検知信号を収集し通信回線へ送出する情報管理端末と、この情報管理端末と前記通信回線を介して接続する中央管理装置とを備え、
前記情報管理端末と前記中央管理装置とを接続する前記通信回線として送電監視用の通信回線を用い、
前記中央管理装置が、前記情報管理端末から送信されてくる検知信号に基づいて前記特定箇所の状況を判断しその結果を記憶すると共に外部端末に対して前記判断結果を出力する情報管理手段を備えたことを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記中央管理装置は、前記情報管理手段に管理されている前記特定箇所の状況を示す情報をインターネットを介して外部端末に公開する情報公開手段を備えたことを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項3】
前記請求項2に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記情報公開手段は、前記特定箇所の状況を示す情報を当該特定箇所の位置と共に地図上に表示して公開することを特徴とする遠隔監視システム
【請求項4】
前記請求項3に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記中央管理装置は、前記情報管理手段で判断された前記特定箇所の状況を示す情報を予め指定された外部端末へ送信するメール送信手段を備えたことを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項5】
前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記物体を廃棄ごみとすると共に、前記特定箇所を廃棄ごみの集積所とし、前記センサ装置を廃棄ごみ検知用のセンサ装置とし、前記中央管理装置における情報管理手段は、前記検知信号に基づいて前記集積所のごみ集積状況を判断することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項6】
前記請求項4に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記物体を廃棄ごみとすると共に、前記特定箇所を廃棄ごみの集積所とし、前記センサ装置を廃棄ごみ検知用のセンサ装置とし、
前記中央管理装置は、ごみ回収者側で利用される回収者側の端末から指定の集積所及び日時に個別回収ごみが投棄される旨の通知をインターネットを介して受信した場合にその旨を事前に登録する情報記憶手段を備え、
この登録した指定の日時,指定の集積所にごみが出されたと前記情報管理手段が判断した場合に、当該情報管理手段からの情報に基づいて前記メール送信手段は、前記個別回収ごみが指定の集積所に廃棄された旨の情報を対応する回収者側の端末へ送信することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項7】
前記請求項6に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記中央管理装置における前記メール送信手段は、前記個別回収ごみが回収されたと前記情報管理手段が判断した場合に、当該情報管理手段からの情報に基づいて前記個別回収ごみが回収された旨の情報を対応する投棄者側の端末へ送信することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項8】
屋内外の特定箇所を遠隔監視する遠隔監視方法において、
センサ装置が前記特定箇所における物体及び事象にかかる情報を検知して検知信号を出力し、
この検知信号を送電監視用の通信回線へ送出し、
中央管理装置が前記送電監視用の通信回線を介して前記検知信号を受信し、受信した検知信号に基づいて前記特定箇所の状況を判断し、その結果を記憶すると共に、外部端末に対して前記判断結果を出力することを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項9】
前記請求項8に記載の遠隔監視方法において、
前記中央管理装置が前記判断結果である前記特定箇所の状況を示す情報をインターネットを介して外部端末に公開することを特徴とすることを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項10】
前記請求項9に記載の遠隔監視方法において、
前記中央管理装置が前記判断結果である前記特定箇所の状況を示す情報を当該特定箇所の位置と共に地図上に表示して外部端末に公開することを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項11】
前記請求項10に記載の遠隔監視方法において、
前記中央管理装置が前記判断結果である前記特定箇所の状況を示す情報を予め指定された外部端末へ送信することを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項12】
前記請求項8乃至11のいずれか一項に記載の遠隔監視方法において、
前記物体が廃棄ごみであると共に前記特定箇所が廃棄ごみの集積所である場合、
前記センサ装置が廃棄ごみの有無を検知し、
前記中央管理装置が前記検知信号に基づいて前記集積所におけるごみ集積状況を判断し、その結果を記憶すると共に、外部端末に対して当該判断結果を送信することを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項13】
前記請求項12に記載の遠隔監視方法において、
前記中央管理装置がごみ回収者側で利用される回収者側の端末から指定の集積所及び日時に個別回収ごみが投棄される旨の通知をインターネットを介して受信し、この旨を登録し、この登録した指定の日時,指定の集積所に個別回収ごみが出されたと判断した場合、前記個別回収ごみが指定の集積所に投棄された旨の情報を対応する回収者側の端末へ送信することを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項14】
前記請求項13に記載の遠隔監視方法において、
前記中央管理装置が前記個別回収ごみが回収されたと判断した場合、前記個別回収ごみが回収された旨の情報を対応する投棄者側の端末へ送信することを特徴とする遠隔監視方法。
【請求項15】
屋内外の特定箇所における物体及び事象にかかる情報を検知するセンサ装置から出力された検知信号を取得する検知信号取得機能と、
取得した検知信号に基づいて前記特定箇所の状況を判断しその結果を記憶する情報管理機能と、
前記判断結果を外部端末に対して出力する情報送信機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする遠隔監視用プログラム。
【請求項16】
前記請求項15に記載の遠隔監視用プログラムにおいて、
前記情報送信機能を、前記情報管理機能により判断された前記特定箇所の状況を示す情報をインターネットを介して外部端末に公開する機能としたことを特徴とする遠隔監視用プログラム。
【請求項17】
前記請求項16に記載の遠隔監視用プログラムにおいて、
前記情報送信機能を、前記情報管理機能により判断された前記特定箇所の状況を示す情報を当該特定箇所の位置と共に地図上に表示しインターネットを介して外部端末に公開する機能としたことを特徴とする遠隔監視用プログラム。
【請求項18】
前記請求項15に記載の遠隔監視用プログラムにおいて、
前記情報送信機能を、前記情報管理機能により判断された前記特定箇所の状況を示す情報を予め指定された外部端末へ送信する機能としたことを特徴とする遠隔監視用プログラム。
【請求項19】
前記請求項15乃至18に記載の遠隔監視用プログラムにおいて、
前記物体が廃棄ごみであると共に前記特定箇所が廃棄ごみの集積所である場合、
前記情報管理機能を、前記検知信号に基づいて前記集積所におけるごみの集積状況を判断しその結果を記憶する機能としたことを特徴とする遠隔監視用プログラム。
【請求項20】
前記請求項18に記載の遠隔監視用プログラムにおいて、
前記物体が廃棄ごみであると共に前記特定箇所が廃棄ごみの集積所である場合、
前記情報管理機能を、前記検知信号に基づいて前記集積所におけるごみの集積状況を判断しその結果を記憶する機能とし、
ごみ回収者側で利用される回収者側の端末から指定の集積所及び日時に個別回収ごみが投棄される旨の通知をインターネットを介して受信しその旨を事前に登録する登録機能と共に、前記情報送信機能を、この登録した指定の日時,指定の集積所にごみが出されたと前記情報管理機能で判断された場合に、前記個別回収ごみが指定の集積所に投棄された旨の情報を対応する回収者側の端末へ送信する機能として前記コンピュータに実行させることを特徴とする遠隔監視用プログラム。
【請求項21】
前記請求項20に記載の遠隔監視用プログラムにおいて、
前記情報送信機能を、前記個別回収ごみが回収されたと前記情報管理機能で判断された場合に、前記個別回収ごみが回収された旨の情報を対応する投棄者側の端末へ送信する機能としたことを特徴とする遠隔監視用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−98749(P2009−98749A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267096(P2007−267096)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】