説明

遠隔管理システム

【課題】通信ネットワークに接続された状態で、遠隔の箇所より管理、保守が行われるに際し、各々が高い信頼性の下で管理されるべきデータを遠隔の箇所より変更可能な被遠隔管理装置を提供する。
【解決手段】遠隔管理サーバが、データ設定指示電文を生成し、被遠隔管理装置へ送信する(S41)。制御プログラムは電文からデータ設定指示を抽出し、通信制御バンドルへ出力する(S42)。通信制御バンドルはデータ設定指示を、基本データ管理バンドルへ出力する(S43)。基本データ管理バンドルはデータ設定指示に基づき、被遠隔管理装置で設定すべきデータを取出し、基本データか拡張データかを判定する(S44)。基本データであれば、基本データ管理バンドルが該データの設定処理を実行する(S45)。拡張データであれば、拡張データ管理バンドルが該データの設定処理を実行する(S47)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔の箇所より通信ネットワークを通じて状態が監視される被遠隔管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被遠隔管理装置を、該装置より遠隔の箇所に位置するサーバを通じて簡略で高い信頼性の下に管理するために、トランスポート層及び/又はジッタ除去層のコンフィギュレーションを要求するCWMP(CPE WAN Management Protocol)コマンドの送出ステップを含む遠隔管理方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、従来、OSGiサービスプラットフォーム上で動作するバンドル(所定の動作を行うプログラムモジュール)のデータのコンフィギュレーションに関し、CWMPを使用してRMS(Remote Management Server)と通信を行うMA(Management Agent)を備える遠隔管理方法、も提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008-536415号公報
【特許文献2】US2007/0220093A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1、及び特許文献2に夫々開示されている技術は、ネットワーク(通信ネットワーク)に接続されている各種の機器類を、遠隔の箇所から管理、及び保守することを目的として提案されたものである。特許文献1について更に説明すれば、特許文献1には、TR-106に準拠するデータモデルを定義し、同じく上記ネットワーク(通信ネットワーク)接続される遠隔の箇所に位置するサーバからCWMPを利用して上記データモデルで表現されるデータにアクセスすることにより、コンフィギュレーション(設定、取得)を行う方法、及び該方法に対応するビデオ装置が開示されている。また、特許文献2について更に説明すれば、特許文献2には、上記バンドルがTR-069ライクなサービスインタフェースを使用して上記MAから管理できるように、TR-069/TR-106に準拠したサービスオブジェクトを提供することにより、上記バンドルのデータのコンフィギュレーションが行われる技術が開示されている。
【0005】
ところで、インターネットや、キャリア網や、ホームネットワーク等の通信ネットワークに接続される機器類(ネットワーク機器)を、上記通信ネットワークを介して該機器類より遠隔の箇所に位置するサーバ等の情報処理機器を利用して管理、及び保守等の作業が行えれば、保守員の現地への派遣コストの削減や、MTTR(Mean Time To Repair)の削減を図ることが可能になる。即ち、通信ネットワークを介して遠隔の箇所に位置するサーバから上記ネットワーク機器に対する設定作業を行うことで、ネットワーク機器が設置されている箇所に保守員が出向く必要がなくなる。これと共に、上記ネットワーク機器の動作状況が、上記ネットワーク機器から送信される諸々のデータを、上記サーバを介して常時監視し、ネットワーク機器に生じた障害をいち早く把握することにより、該障害の復旧に要する時間を短縮することも可能になる。
【0006】
近年、ネットワーク機器は多機能化や高機能化が著しく、それにより、これらネットワーク機器より遠隔の箇所に位置するサーバが、上記ネットワーク機器のために管理(設定、取得)すべきデータ(管理データ)も多様化してきている。また、同一機種のネットワーク機器であっても、使用される環境や用途等に応じて管理データが異なる場合も想定され得る。そこで、このような場合を予め想定して、上記ネットワーク機器に係わる管理データを体系化すると共に、該管理データのカスタマイズ(即ち、上記各々のネットワーク機器毎に管理データを取捨選択すること)が容易に行える構成にしておく必要がある。
【0007】
しかし、特許文献1、及び特許文献2には、上述したようにTR-106準拠のデータモデルを利用することにより、上記ネットワーク機器に係わる管理データを体系化する技術については、何れにも開示されているが、該管理データのカスタマイズに関する技術については、上記何れの特許文献にも開示されていない。
【0008】
従って本発明の目的は、通信ネットワークに接続された状態で、遠隔の箇所より管理、及び保守のための作業が行われるに際し、各々が高い信頼性の下で管理されるべきデータを上記遠隔の箇所より変更することが可能な被遠隔管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従う被遠隔管理装置は、遠隔の箇所より通信ネットワークを通じて状態が監視されるもので、予め与えられたデータ、及びそのデータに係わる指令を保持するデータ・指令保持部と、上記通信ネットワークを介して上記遠隔の箇所より新たにデータ、及びそのデータに係わる指令が送信された場合に、上記新たに送信されたデータ、及び指令と、上記データ・指令保持部に保持されているデータ、及び指令とが一致するかどうかチェックするデータ・指令チェック部と、上記データ・指令チェック部による上記チェックの結果、一致したことが確認された場合に、上記新たに送信されたデータ、及び指令に基づき、所定の処理動作を実行する処理動作実行部と、を備える。
【0010】
本発明に係る好適な実施形態では、上記遠隔の箇所より上記通信ネットワークを介して送信されるデータが、被遠隔管理装置が基本的な処理動作を実行するのに必要な基本データ及び/又は上記被遠隔管理装置の機能を拡張するのに必要な拡張データである。
【0011】
上記とは別の実施形態では、上記遠隔の箇所には、上記通信ネットワークを通じて上記被遠隔管理装置との間で通信を行う情報処理機器が設置されており、上記情報処理機器から送信されるデータ、及びそのデータに係わる指令を受信すべく、所定のプロトコルに従って上記情報処理機器と接続する通信接続部、を更に備える。
【0012】
また、上記とは別の実施形態では、上記所定のプロトコルが、CWMP(CPE WAN Management Protocol)である。
【0013】
また、上記とは別の実施形態では、上記データ・指令保持部、上記データ・指令チェック部、及び上記処理動作実行部が夫々有する機能が、被遠隔管理装置に搭載されるプログラムであって、何れもOSGiサービスプラットフォーム上で動作する、上記基本データを管理対象にする基本データ管理バンドル、上記拡張データを管理対象にする拡張データ管理バンドルにより実現される。
【0014】
また、上記とは別の実施形態では、上記基本データ管理バンドル、及び/又は上記拡張データ管理バンドルが、複数搭載されている。
【0015】
また、上記とは別の実施形態では、上記情報処理機器から送信されたデータが基本データである場合には、その基本データが上記何れの基本データ管理バンドルの管理対象であるか、また、上記情報処理機器から送信されたデータが拡張データである場合には、その拡張データが上記何れの拡張データ管理バンドルの管理対象であるかを識別するデータ識別部、を更に備える。
【0016】
更に、上記とは別の実施形態では、上記情報処理機器が、被遠隔管理装置と構成が同一である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信ネットワークに接続された状態で、遠隔の箇所より管理、及び保守のための作業が行われるに際し、各々が高い信頼性の下で管理されるべきデータを上記遠隔の箇所より変更することが可能な被遠隔管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る被遠隔管理装置を含む遠隔管理システムの全体構成の一例を示す機能ブロック図。
【図2】図1に記載した遠隔管理システムが含む被遠隔管理装置の内部構成の一例を示す機能ブロック図。
【図3】図2に記載したCPU上で動作する処理プログラムの構成の一例を示した図。
【図4】本発明の一実施形態に係る遠隔管理サーバが被遠隔管理装置に対しデータ設定を行うに際しての図3で示した各々の処理プログラムにおける処理動作の一例を示すフローチャート。
【図5】被遠隔管理装置から遠隔管理サーバに対してデータ変更通知を送信するに際しての、図3で示した各々の処理プログラムにおける処理動作の変形例を示すフローチャート。
【図6】本発明の他の実施形態に係る被遠隔管理装置を含む遠隔管理システムの全体構成の一例を示す機能ブロック図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る被遠隔管理装置のCPU上で動作する処理プログラムの構成の一例を示した図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る遠隔管理サーバが被遠隔管理装置に対しデータ設定を行うに際しての図7で示した各々の処理プログラムにおける処理動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る被遠隔管理装置を含む遠隔管理システムの全体構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0021】
上記遠隔管理システムは、図1に示すように、遠隔管理サーバ100と、該遠隔管理サーバ100の管理対象である、該遠隔管理サーバ100から遠隔の箇所に設置される被遠隔管理装置300とが、通信ネットワーク500を通じて接続される構成になっている。遠隔管理サーバ100は、例えば、CWMP等の所定のプロトコルに従い、通信ネットワーク500を通じて被遠隔管理装置300に係わる基本データ、及び拡張データの設定に際しての処理や、上記基本データ、及び上記拡張データの取得に際しての処理等を実行する。本実施形態では、遠隔管理装置100には、被遠隔管理装置300と同一の内部構成を備える装置が採用される。被遠隔管理装置300の内部構成については、後に詳述する。
【0022】
通信ネットワーク500は、例えば、公衆通信ネットワーク、又は、ホームネットワーク等の専用通信ネットワーク、或いは、公衆通信ネットワークと専用通信ネットワークとの組み合わせにより構成される(通信)ネットワーク等の何れかにより実現され得る。なお、公衆通信ネットワークは、例えば、光回線、CATV(Cable Television)、電話回線等で構成される有線媒体や、無線媒体を用いて構成される。また、専用通信ネットワークの一例であるホームネットワークは、例えば、通信ケーブル、電力線、内線電話回線等で構成された有線媒体や、無線媒体を用いて構成される。
【0023】
図2は、図1に記載の遠隔管理システムが含む被遠隔管理装置300の内部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0024】
上記被遠隔管理装置300は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)1と、主記憶部3と、補助記憶部5と、通信制御部7と、を内蔵しており、これらの各部(1、3、5、7)が、上記被遠隔管理装置300内に布設されるバスライン9を通じて接続される構成になっている。
【0025】
本実施形態では、主記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)の双方を含む。RAMは、ワークエリアとして機能する。ROMは、例えば各種のアプリケーション・プログラム等の、被遠隔管理装置300の有する諸機能を実現するのに必要なプログラムを格納する。主記憶部3には、CPU1の制御下で、バスライン9を通じてCPU1から与えられる各種の情報が記憶される。また、CPU1からバスライン9を通じて主記憶部3に情報読み出し指令が与えられることにより、主記憶部3に記憶されている各種の情報のうちから該情報読み出し指令に対応する情報が、主記憶部3からバスライン9を通じてCPU1へ出力される。
【0026】
補助記憶部5には、被遠隔管理装置300の処理動作を制御するためのプログラム(即ち、制御プログラム)が格納される。本実施形態では、補助記憶部5として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、Blue-Ray Discドライブ、CD-R((Compact Disc- Rewritable)ドライブ等)、磁気媒体ドライブ(フロッピディスクドライブ等)、光磁気ディスクドライブ(MO(Magneto-Optical Disk)ドライブ等)等のうちの何れかが用いられるのが好ましい。上記以外であれば、ROM、RAM等の半導体記憶装置を、補助記憶部5として用いることも可能である。補助記憶部5は、CPU1の制御下で、バスライン9を通じてCPU1から与えられる各種の情報等を所定の記憶領域に格納する。これと共に、補助記憶部5は、CPU1からバスライン9を通じて補助記憶部5に与えられる情報読み出し指令に応じて、格納している情報のうちから該情報読み出し指令に対応する情報を、バスライン9を通じてCPU1へ出力する。
【0027】
通信制御部7は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)や、UDP(User Datagram Protocol)等の所定のプロトコルに従って、ネットワーク(通信ネットワーク500)(図1で示した)を通じて接続される他の機器との間で情報(データ)の送/受信を行う。本実施形態では、通信制御部7として、モデムや、ネットワークアダプタや、無線送/受信装置等のうちの何れかが用いられる。通信制御部7は、CPU1の制御下で、バスライン9を通じてCPU1から与えられる各種の情報等を、通信ネットワーク500に接続される他の機器(例えば、図1で示した遠隔管理サーバ100等)へ送信する。これと共に、通信制御部7は、通信ネットワーク500を通じて他の機器(例えば、図1で示した遠隔管理装置100)から受信した各種の情報等を、バスライン9を通じてCPU1へ出力する。
【0028】
CPU1は、主記憶部3や、補助記憶部5に格納されているプログラム(制御プログラム)に基づき、被遠隔管理装置300が本来有する諸々の機能を発揮するよう、被遠隔管理装置300を構成する各部の動作を制御する。
【0029】
図3は、図2で示したCPU1上で動作する処理プログラムの構成の一例を示した図である。
【0030】
上記処理プログラムは、図3に示すように、制御プログラム29と、OSGiサービスプラットフォーム27と、通信制御バンドル21と、基本データ管理バンドル23と、拡張データ管理バンドル25と、を少なくとも有する。
【0031】
制御プログラム29は、主にハードウェア(少なくとも図2で示した主記憶部3、補助記憶部5、及び通信制御部7)の動作を制御するための機能を果す処理プログラムであり、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されるもので、OS(Operating System)と、デバイスドライバと、Java(登録商標)仮想マシンプログラムと、を少なくとも有する。制御プログラム29は、主記憶部3上において、CPU1により実行される。制御プログラム29は、被遠隔管理装置300の起動時(例えば、被遠隔管理装置300の駆動電源投入時等)に起動し、被遠隔管理装置300の停止時(例えば、被遠隔管理装置300の駆動電源断時等)に停止する。
【0032】
OSGiサービスプラットフォーム27は、特定の処理プログラムであるバンドルのライフサイクル、即ち、インストール、起動、停止、及びアンインストールを管理するための処理プログラムであり、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されている。ここで、上記バンドルのライフサイクルの1つであるインストールとは、該バンドルが図2で示した被遠隔管理装置300の主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されることを指す。また、上記バンドルのライフサイクルの別の1つである起動とは、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されている上記バンドルが、主記憶部3上においてCPU1による実行が開始されることを指す。また、上記バンドルのライフサイクルの更に別の1つである停止とは、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納され、主記憶部3上においてCPU1により実行されていた上記ハンドルの実行が終了したことを指す。上記バンドルのライフサイクルの更に別の1つであるアンインストールとは、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されていた上記ハンドルが、CPU1により主記憶部3、或いは、補助記憶部5から削除されたことを指す。なお、OSGiサービスプラットフォーム27の詳細については、前掲の特許文献2に記載されているので、ここでの説明は省略する。OSGiサービスプラットフォーム27も、制御プログラム29と同様に、被遠隔管理装置300の起動時に起動し、被遠隔管理装置300の停止時に停止する。OSGiサービスプラットフォーム27も、制御プログラム29と同様に、主記憶部3上において、CPU1により実行される。
【0033】
通信制御バンドル21も、制御プログラム29や、OSGiサービスプラットフォーム27と同様に、処理プログラムの1種であり、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されている。通信制御バンドル21は、例えば、CWMP等の所定のプロトコルに従い、通信ネットワーク500を通じて他の機器(例えば、図1で示した遠隔管理サーバ100)との間で、各種の情報(データ)の通信を行う機能を果す。これと共に、通信制御バンドル21は、該通信制御バンドル21と同一の主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されている基本データ管理バンドル23との間で、データの授受を行う機能をも果す。通信ネットワーク500を通じて他の機器(例えば、図1で示した遠隔管理サーバ100)との間で通信を行う場合には、通信バンドル21は、制御プログラム29を通じて図2で示した通信制御部7を制御することにより、上記他の機器との間で各種の情報(データ)等の授受のために通信を行うことになる。なお、CWMPの詳細については、前掲の特許文献1に記載されているので、ここでの説明は省略する。通信制御バンドル21は、OSGiサービスプラットフォーム27によりライフサイクルが管理される。通信制御バンドル21も、制御プログラム29や、OSGiサービスプラットフォーム27と同様に、主記憶部3上において、CPU1により実行される。
【0034】
基本データ管理バンドル23も、制御プログラム29や、OSGiサービスプラットフォーム27や、通信制御バンドル21と同様に、処理プログラムの1種であり、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されており、主記憶部3上において、CPU1により実行される。基本データ管理バンドル23は、被遠隔管理装置300が本来有する諸々の機能を正常に発揮するのに必要な基本データを管理する機能を果す。これと共に、基本データ管理バンドル23は、該基本データ管理バンドル23と同一の主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されている拡張データ管理バンドル25との間で、データの授受を行う機能をも果す。通信制御バンドル21から基本データの設定指示を受けた場合には、基本データ管理バンドル23は、例えば、制御プログラム29を使用する等して、該データの設定処理を行う。また、通信制御バンドル21から基本データの取得指示を受けた場合には、基本データ管理バンドル23は、制御プログラム29を使用する等して、該データを取得すると共に、該データを、通信制御バンドル21へ渡す。基本データ管理バンドル23も、通信制御バンドル21と同様に、OSGiサービスプラットフォーム27によりライフサイクルが管理される。
【0035】
拡張データ管理バンドル25は、被遠隔管理装置300の有する諸機能を実現するのに必要な拡張データを管理する機能を果すと共に、基本データ管理バンドル23との間で、データの授受を行う機能をも果す処理プログラムである。拡張データ管理バンドル25も、制御プログラム29や、OSGiサービスプラットフォーム27や、通信制御バンドル21や、基本データ管理バンドル23と同様に、主記憶部3、或いは、補助記憶部5に格納されており、主記憶部3上において、CPU1により実行される。基本データ管理バンドル23から拡張データの設定指示を受けた場合には、拡張データ管理バンドル25は、例えば、制御プログラム29を使用する等して、該データの設定処理を行う。また、基本データ管理バンドル23から拡張データの取得指示を受けた場合には、拡張データ管理バンドル25は、制御プログラム29を使用する等して、該データを取得すると共に、該データを、基本データ管理バンドル23へ渡す。拡張データ管理バンドル25も、基本データ管理バンドル23や、通信制御バンドル21と同様に、OSGiサービスプラットフォーム27によりライフサイクルが管理される。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態に係る遠隔管理サーバ100が被遠隔管理装置300に対しデータ設定を行うに際しての図3で示した各々の処理プログラム(21、23、25、27、29)における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図4において、まず、遠隔管理サーバ100が、被遠隔管理装置300に対するデータ設定指示のための電文を生成し、該データ設定指示の電文(以後、「データ設定指示」と表記することもある。)を、CWMPを使用して通信ネットワーク500を通じ、被遠隔管理装置300へ送信する。遠隔管理サーバ100が、被遠隔管理装置300に対し、上記データ設定指示を送信する契機としては、遠隔管理サーバ100のオペレータによる指示の該遠隔管理サーバ100への入力、バッチプログラム等による該遠隔管理サーバ100の自動起動、前掲の特許文献2に記載されているような被遠隔管理装置300からのアクションに対する応答等が想定され得る(ステップS41)。
【0038】
上記データ設定指示の電文を受信すると、制御プログラム29は、上記電文から上記データ設定指示を抽出すると共に、該抽出したデータ設定指示を、通信制御バンドル21へ出力する(ステップS42)。上記データ設定指示を入力すると、通信制御バンドル21は、上記データ設定指示を、基本データ管理バンドル23へ出力する(ステップS43)。
【0039】
基本データ管理バンドル23は、通信制御バンドル21から上記データ設定指示を入力すると、上記データ設定指示に基づき、被遠隔管理装置300において設定すべきデータを取り出すと共に、該取り出したデータが、基本データか拡張データかを判定する。本実施形態では、基本データは、例えば、TR-106で規定されるBaseline Profileとして管理されるデータ群とし、拡張データは、上記Baseline Profile以外のProfile(LAN Profileや、IPPing Profile等)として管理されるデータ群とする。即ち、上記判定処理は、該データが、上記Baseline Profileとして管理されるデータか、それとも、上記Baseline profile以外のProfileとして管理されるデータかを判定するための処理である。更に詳述すれば、基本データ管理バンドル23は、上記Baseline Profileとして管理されるデータ群を保持しており、該データが、上記データ群に含まれるかどうかを判定し、その結果が、該データが上記データ群に含まれないということであれば、上記拡張Profileに対応する拡張データ管理バンドル25に対し、該データを出力することになる(ステップS44)。
【0040】
一方、ステップS44での判定の結果が、該データが、上記Baseline Profileとして管理されるべきデータであるということであれば、基本データ管理バンドル23は、被遠隔管理装置300における該データの設定処理を実行する(ステップS45)。基本データ管理バンドル23が、上記設定処理を実行するに際して、制御プログラム29を使用する場合には、基本データ管理バンドル23から制御プログラム11に対して、該データが出力され、制御プログラム29が、該データの設定処理を実行すると共に、該設定処理の結果を、基本データ管理バンドル23に出力することになる(ステップS46)。ステップS45の設定処理において、基本データ管理バンドル23が制御プログラム29を使用しない場合には、基本データ管理バンドル23自身が、該データの設定処理を実行する。例えば、上記Baseline Profileとして管理されるデータのうち、遠隔管理サーバ100のURLの設定は、基本データ管理バンドル23が上記URLを保持していれば、上記設定処理に際して制御プログラム29を使用しなくてもよいため、基本データ管理バンドル23は、制御プログラム29に対し、該データを出力しないことになる。
【0041】
ステップS45において基本データの設定処理が実行されると、該設定処理の結果が、基本データ管理バンドル23から通信制御バンドル21に通知され(ステップS50)、該通知を入力すると、該設定処理の結果が、通信制御バンドル21から制御プログラム29に通知される(ステップS51)。該通知を入力すると、制御プログラム29は、該設定処理の結果に係わる電文を生成すると共に、生成した電文を、通信ネットワーク500を通じて遠隔管理サーバ100へ送信し(ステップS52)、遠隔管理サーバ100が該電文を受信して、所定の処理動作を実行することで、図4に示した被遠隔管理装置300に係わるデータ設定指示の一連の処理動作が終了する(ステップS53)。
【0042】
ステップS44での判定処理において、上記データが、上記データ群に含まれないと判定したことにより、基本データ管理バンドル23が、拡張データ管理バンドル25に対し、上記データを出力した場合には、拡張データ管理バンドル25は、上記データを入力し、上記データの設定処理を実行する(ステップS47)。拡張データ管理バンドル25が、上記設定処理を実行するに際して、制御プログラム29を使用する場合には、拡張データ管理バンドル25から制御プログラム11に対して、該データが出力され、制御プログラム29が、該データの設定処理を実行すると共に、該設定処理の結果を、拡張データ管理バンドル25に出力することになる(ステップS48)。ステップS47の設定処理において、拡張データ管理バンドル25が制御プログラム29を使用しない場合には、拡張データ管理バンドル25自身が、該データの設定処理を実行する。
【0043】
ステップS50において拡張データの設定処理が実行されると、該設定処理の結果が、拡張データ管理バンドル25から基本データ管理バンドル23に通知される(ステップS49)。該通知は、上述したように、基本データ管理バンドル23から、通信制御バンドル21を通じて制御プログラム29に送出され(ステップS50、S51)、制御プログラム29において、上記設定処理の結果に係わる電文が生成されて、該電文が制御プログラム29から遠隔管理サーバ100へ送信される(ステップS52)。そして、該電文を受信することにより、遠隔管理サーバ100において所定の処理が実行されることで(ステップS53)、一連の処理動作が終了する。
【0044】
ところで、図3で示した拡張データ管理バンドル25については、被遠隔管理装置300に複数搭載することが可能である。例えば、上記拡張データ管理バンドル(25)が、被遠隔管理装置300に2個搭載されているとすれば、そのうちの一方には、LAN Profileで管理されるデータ群を管理させ、他方には、IPPing Profileで管理されるデータ群を管理させるようにすることができる。この場合、図4のステップS44で示した判定処理において、基本データ管理バンドル23により、上記データが上記Baseline Profileとして管理されるデータ群に含まれないと判定されたとすれば、何れの拡張データ管理バンドル(25)が、何れの拡張File(LAN Profile、或いは、IPPing Profile)を管理しているかをチェックすることになる。そして、該チェック結果に基づき、基本データ管理バンドル23は、上記データを管理すべき拡張データ管理バンドル(25)を見出すと、該拡張データ管理バンドル(25)に対し、上記データを出力する。
【0045】
ここで、何れの拡張データ管理バンドル(25)が、何れの拡張Fileを管理するものであるかをチェックする手法としては、例えば、前掲の特許文献2に記載されているような方法が適用可能である。即ち、拡張データ管理バンドル(25)が、OSGiサービスプラットフォーム27が備えるサービスレジストリに、該拡張データ管理バンドル(25)自身が対応するProfile名と共にサービスインタフェースを登録し、基本データ管理バンドル23が、該登録されたサービスインタフェースをチェックするという手法である。
【0046】
上記のように、拡張データ管理バンドル(25)を被遠隔管理装置300に複数搭載した場合であっても、1個の拡張データ管理バンドル(25)で2つ以上のProfileを管理するようにしても差し支えない。その場合、拡張データ管理バンドル(25)は、OSGiサービスプラットフォーム27のサービスレジストリに対し、該拡張データ管理バンドル(25)が管理すべき全てのProfile名を登録することになる。
【0047】
図1乃至図4で説明した本発明の一実施形態、及び上述したような拡張データ管理バンドル(25)を複数個、被遠隔管理装置300に搭載した例においては、遠隔管理サーバ100から被遠隔管理装置300に対するデータ設定の仕方について、主に図4に記載のフローチャートを用いて説明した。しかし、被遠隔管理装置300の遠隔管理サーバ100からのデータ取得についても、図4に記載のフローチャートで示した処理手順と同一の処理手順により実現が可能である。
【0048】
次に、被遠隔管理装置300において管理すべきデータ(即ち、基本データ、及び拡張データ)に変更が生じた場合の、被遠隔管理装置300から遠隔管理サーバ100への変更通知について説明する。
【0049】
以下の説明においては、図3で示した基本データ管理バンドル23が、上記Baseline Profileとして管理されるデータ群のうちの、少なくとも遠隔管理サーバ100と通信するのに必要なデータ(例えば、遠隔管理サーバ100のURL、ID、パスワード等)を含んでいるものとする。
【0050】
図5は、被遠隔管理装置300から遠隔管理サーバ100に対してデータ変更通知を送信するに際しての、図3で示した各々の処理プログラムにおける処理動作の変形例を示すフローチャートである。
【0051】
図5において、まず、拡張データ管理バンドル25が、該拡張データ管理バンドル25自身が管理する拡張データの値に変更が生じたかどうかチェックする(ステップS61)。該チェック処理を実行するに際し、制御プログラム29を使用する場合には、拡張データ管理バンドル25は、制御プログラム29に対し、上記拡張データの値に変化があるかどうかの問い合わせを行う。この問い合わせを入力すると、制御プログラム29は、上記拡張データの値に変化が生じたかどうかチェックすると共に、該チェック結果を、拡張データ管理バンドル25に出力する(ステップS62)。
【0052】
上述したステップS61でのチェック処理において、制御プログラム29を使用しない場合には、拡張データ管理バンドル25は、自身(拡張データ管理バンドル25)で上記拡張データの値に変更が生じたかどうかのチェックを実行する。ステップS61でのチェックの結果、上記拡張データの値に変更が生じたと判断した場合、及びステップS62で制御プログラム29から上記拡張データの値に変更が生じたと判断した旨の出力があった場合には、拡張データ管理バンドル25は、基本データ管理バンドル23に、変更があったデータ名と、変更後の値の組み合わせとを出力する(ステップS63)。
【0053】
一方、基本データ管理バンドル23においても、拡張データ管理バンドル25におけると同様に、自身(基本データ管理バンドル23)が管理対象とする基本データの値に変更が生じたかどうかチェックする(ステップS64)。該チェック処理を実行するに際し、制御プログラム29を使用する場合には、基本データ管理バンドル23は、制御プログラム29に対し、上記基本データの値に変化があるかどうかの問い合わせを行う。この問い合わせを入力すると、制御プログラム29は、上記基本データの値に変化が生じたかどうかチェックすると共に、該チェック結果を、基本データ管理バンドル23に出力する(ステップS65)。
【0054】
上述したステップS64でのチェック処理において、制御プログラム29を使用しない場合には、基本データ管理バンドル23は、自身(基本データ管理バンドル23)で上記拡張データの値に変更が生じたかどうかのチェックを実行する。なお、上述したステップS61でのチェック処理、及びステップS64でのチェック処理は、何れも何らかの事象を契機として夫々非同期で実行される。上記各々のチェック処理が実行される契機としての事象とは、例えば、所定の時刻になったとき、或いは、所定の時間が経過したとき等が想定され得る。
【0055】
ステップS64でのチェックの結果、上記基本データの値に変更が生じたと判断した場合には、基本データ管理バンドル23は、通信制御バンドル21に、変更があったデータ名と、変更後の値とを組み合わせた変更データと、遠隔管理サーバ100と通信するのに必要なデータ(例えば、遠隔管理サーバ100のURL、ID、パスワード等の接続先データ)を、通信制御バンドル21に出力する(ステップS66)。上記変更データ、及び上記接続先データを入力すると、通信制御バンドル21は、これらのデータを制御プログラム29へ出力する(ステップS67)。上記データを入力すると、制御プログラム29は、上記変更データに係わる電文を生成すると共に、生成した電文を、通信ネットワーク500を通じて上記接続先データにより指示された遠隔管理サーバ100へ送信し(ステップS68)、遠隔管理サーバ100が該電文を受信して、所定の処理動作を実行することで、図5に示した被遠隔管理装置300から遠隔管理サーバ100に送信されるデータ変更通知に係わる一連の処理動作が終了する(ステップS69)。
【0056】
なお、ステップS63において、拡張データ管理バンドル25から基本データ管理バンドル23に、上記変更データと、遠隔管理サーバ100に係わる上記接続先データとが、通信制御バンドル21に出力された場合には、基本データ管理バンドル23が、これらのデータを通信制御バンドル21へ出力し(ステップS66)、以下、ステップS67、ステップS68、及びステップS69で夫々示した処理手順(詳細は上述したので、ここでの重ねての説明は省略する。)を経て、図5で示した一連の処理動作が終了することになる。
【0057】
以上説明したように、図1乃至図4で示した本発明の一実施形態、及び図5で示した図3の処理動作の変形例によれば、被遠隔管理装置300に、図3に示したような、基本データ管理バンドル23と、1個又は2個以上の拡張データ管理バンドル(25)と、を搭載することにより、他のバンドル(例えば、残りの拡張データ管理バンドル(25)や、通信制御バンドル29等)の実行を停止させずに、高い信頼性の下で、個々の機器(被遠隔管理装置300)毎に管理すべきデータを変更することが可能になる。また、上述したように、OSGiサービスプラットフォーム27が、拡張データ管理バンドル25のライフサイクルを管理することができるので、被遠隔管理装置300の稼働中に特定の拡張Profileを管理する拡張データ管理バンドル25のインストール、起動、停止、アンインストールが可能である。このインストール、起動、停止、及びアンインストールの処理は、基本データ管理バンドル23や、別の拡張データ管理バンドル25の実行に影響を与えない(基本データ管理バンドル23や、別の拡張データ管理バンドル25の処理動作を停止させる必要がない)ため、機器(即ち、被遠隔管理装置300)を遠隔の箇所から管理、及び保守するのに必須の可用性を保証することができ、機器(即ち、被遠隔管理装置300)の信頼性を向上させることができる。
【0058】
一般に、上述したネット機器(即ち、被遠隔管理装置300や、遠隔管理サーバ100等)は、2以上の機能を併せ持つこともある。例えば、ホームルータ(Internet Gateway Device)の機能と、STB(Set Top Box)の機能とが実装された機器が、それである。一方、Broadband Forumでは、TR-106仕様に準拠して、ホームルータ用としてTR-098、STB用としてTR-135等のデータモデルが規定されている(http://www.broadband-forum.org/technical/trlist.php)。上述した本発明の一実施形態や、その変形例に係わる技術は、上述したような2以上の機能を実装した機器(即ち、被遠隔管理装置300や、遠隔管理サーバ100等)へも適用することが可能である。
【0059】
図6は、本発明の他の実施形態に係る被遠隔管理装置を含む遠隔管理システムの全体構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0060】
上記遠隔管理システムは、図6に示すように、遠隔管理サーバとして、符号100で示した機器に加えて、更に、符号700で示した機器をも備えている点で、図1で示した遠隔管理システムと構成が相違する。その他の構成については、図1で示した物と同一であるので、図6において、図1で示した物と同一物には、同一符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
【0061】
なお、上記遠隔管理システムでは、遠隔管理サーバ100が、被遠隔管理装置300の或る基本データ(以後、「第1の基本データ」と表記することもある。)、及び或る拡張データ(以後、「第1の拡張データ」と表記することもある。)の設定や、該第1の基本データ、及び該第1の拡張データの取得を、本発明の一実施形態におけると同様のプロトコル(CWMP)に従って実行する。また、遠隔管理サーバ700が、被遠隔管理装置300の、上記第1の基本データとは別の基本データ(以後、「第2の基本データ」と表記することもある。)、及び上記第1の拡張データとは別の拡張データ(以後、「第2の拡張データ」と表記することもある。)の設定や、該第2の基本データ、及び該第2の拡張データの取得を、上記プロトコル(CWMP)に従って実行する。
【0062】
図7は、本発明の他の実施形態に係る被遠隔管理装置300のCPU上で動作する処理プログラムの構成の一例を示した図である。
【0063】
上記処理プログラムの構成は、図7に示すように、符号23で示した基本データ管理バンドルに加えて、更に、符号73で示した基本データ管理バンドルを有すると共に、符号25で示した拡張データ管理バンドルに加えて、更に、符号75で示した拡張データ管理バンドルをも有する点において、図3で示した処理プログラムの構成と相違する。その他の構成については、図3で示した物と同一であるので、図7において、図3で示した物と同一物には、同一符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。以下では、図6で示した各部の、図3で示した各部との相違点について説明する。
【0064】
制御プログラム29は、主にハードウェア(少なくとも図2で示した主記憶部3、補助記憶部5、及び通信制御部7)の動作を制御するための機能(制御機能)を果すことで、例えば、ホームルータとしての処理動作と、STBとしての処理動作とを実行する。通信制御バンドル21は、2つの基本データ管理バンドル23、73との間で、データの授受を行う。基本データ管理バンドル23が管理対象とする基本データは、上述した第1の基本データであり、該第1の基本データについて、図3で説明したのと同様の処理動作を実行する。他方、基本データ管理バンドル73が管理対象とする基本データは、上述した第2の基本データであり、該第2の基本データについて、図3で説明したのと同様の処理動作を実行する。拡張データ管理バンドル25が管理対象とする基本データは、上述した第1の基本データに関連する上記第1の拡張データであり、該第1の拡張データについて、図3で説明したのと同様の処理動作を実行する。他方、拡張データ管理バンドル75が管理対象とする拡張データは、上述した第2の基本データに関連する第2の拡張データであり、該第2の拡張データについて、図3で説明したのと同様の処理動作を実行する。
【0065】
上述した(図6、及び図7で示した)本発明の他の実施形態において、被遠隔管理装置300として、例えば、ホームルータとSTBとの機能を併せ持って実装された被遠隔管理装置が用いられるものとすると、基本データ管理バンドル23は、TR-098で規定されるBase Line Profileとして管理されるデータ群を第1の基本データとして管理し、拡張データ管理バンドル25は、上記Basel ine Profile以外のProfile(Ethernet(登録商標)LAN ProfileやWiFiLAN Profileなど)として管理されるデータ群を第1の拡張データとして管理する。一方、基本データ管理バンドル73は、TR-135で規定されるBaseline Profileとして管理されるデータ群を第2の基本データとして管理し、拡張データ管理バンドル75は、上記Baseline Profile以外のProfile(PVR ProfileやIGMP Profileなど)として管理されるデータ群を第2の拡張データとして管理する。なお、拡張データ管理バンドル25、及び拡張データ管理バンドル75は、1台の被遠隔管理装置300に夫々複数(2以上)搭載することも可能である。
【0066】
図8は、本発明の他の実施形態に係る遠隔管理サーバが被遠隔管理装置に対しデータ設定を行うに際しての図7で示した各々の処理プログラムにおける処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0067】
図8において、まず、遠隔管理サーバ100、又は遠隔管理サーバ700が、被遠隔管理装置300に対するデータ設定指示のための電文を生成し、該データ設定指示の電文(以後、「データ設定指示」と表記することもある。)を、CWMPを使用して通信ネットワーク500を通じ、被遠隔管理装置300へ送信する(ステップS81)。
【0068】
上記データ設定指示の電文を受信すると、制御プログラム29は、上記電文から上記データ設定指示を抽出すると共に、該抽出したデータ設定指示を、通信制御バンドル21へ出力する(ステップS82)。上記データ設定指示を入力すると、通信制御バンドル21は、上記データ設定指示が、何れの基本データ管理バンドル(23、73)が管理対象としている基本データに関するものであるか、及び、何れの拡張データ管理バンドル(25、75)が管理対象としている拡張データに関するものであるかを判定する。該判定処理は、例えば、上記データ設定指示に含まれるデータ名を用いて行われる。例えば、TR-098で規定されるデータのデータ名は、必ず「Internet Gateway Device.」で始まり、TR-135で規定されるデータのデータ名は、必ず「Device. STB Service.」で始まるため、通信制御バンドル21は、これらの名称を用いて上記判定処理を行うことになる(ステップS83)。
【0069】
通信制御バンドル21は、ステップS83での判定処理結果に基づき、基本データ管理バンドル23、又は、基本データ管理バンドル73に対し、上記データ設定指示を出力する。例えば、上記データ名が「Internet Gateway Device.」で始まる名称である場合には、通信制御バンドル21は、基本データ管理バンドル23に上記データ指示を出力する。また、上記データ名が「Device. STB Service.」で始まる名称である場合には、通信制御バンドル21は、基本データ管理バンドル73に上記データ設定指示を出力する(ステップS84)。ステップS84で基本データ管理バンドル23に対し通信制御バンドル21から上記データ設定指示が出力された場合には、図4のステップS44乃至ステップS49で夫々示したのと同様の処理動作が、基本データ管理バンドル23において実行される。この場合、図4のステップS47、及びステップS49で夫々示した処理動作は、拡張データ管理バンドル25において実行される(ステップS85)。
【0070】
次に、基本データ管理バンドル23は、上記データ設定処理の結果、及び被遠隔管理装置300が遠隔管理サーバ100との間でデータ通信を行うのに必要な接続先データ(遠隔管理サーバ100のURL、ID、パスワード等)を通信制御バンドル21へ出力する。上記データ設定処理の結果とは、例えば、図4のステップS45、又はステップS46で夫々示した処理動作における上記データ設定処理の結果、或いは、図4のステップS49で示した処理動作における拡張データ管理バンドル25から出力された処理結果、或いは、図4のステップS44で示したのと同様の処理動作における判定処理での、上記データが何れのProfileにも属しないと判定された場合の、該判定結果等である(ステップS86)。
【0071】
ステップS84で基本データ管理バンドル73に対し通信制御バンドル21から上記データ設定指示が出力された場合には、図4のステップS44乃至ステップS49で夫々示したのと同様の処理動作が、基本データ管理バンドル73において実行される。この場合、図4のステップS47、及びステップS49で夫々示した処理動作は、拡張データ管理バンドル75において実行される(ステップS87)。
【0072】
次に、基本データ管理バンドル73は、上記データ設定処理の結果、及び被遠隔管理装置300が遠隔管理サーバ700との間でデータ通信を行うのに必要な接続先データ(遠隔管理サーバ700のURL、ID、パスワード等)を通信制御バンドル21へ出力する。上記データ設定処理の結果とは、例えば、図4のステップS45、又はステップS46で夫々示した処理動作における上記データ設定処理の結果、或いは、図4のステップS49で示した処理動作における拡張データ管理バンドル75から出力された処理結果、或いは、図4のステップS44で示したのと同様の処理動作における判定処理での、上記データが何れのProfileにも属しないと判定された場合の、該判定結果等である(ステップS88)。
【0073】
ステップS85での処理結果等がステップS86で示した処理動作を介して通信制御バンドル21に出力されるか、又は、ステップS87での処理結果等がステップS88で示した処理動作を介して通信制御バンドル21に出力されることにより、上記処理結果等が、通信制御バンドル21から制御プログラム29に通知される(ステップS89)。該通知を入力すると、制御プログラム29は、該設定処理の結果に係わる電文を生成すると共に、生成した電文を、通信ネットワーク500を通じて遠隔管理サーバ100、又は、遠隔管理サーバ700へ送信し(ステップS90)、遠隔管理サーバ100、又は、遠隔管理サーバ700が該電文を受信して、所定の処理動作を実行することで、図8に示した被遠隔管理装置300に係わるデータ設定指示の一連の処理動作が終了する(ステップS91)。
【0074】
以上説明したように、本発明の他の実施形態は、2以上の機能を実装した機器(被遠隔管理装置300)にも適用が可能であり、柔軟な運用が可能な被遠隔管理装置を含む遠隔管理システムを実現することができる。
【0075】
以上、本発明の好適な実施形態、及びその変形例を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態や変形例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 CPU(Central Processing Unit)
3 主記憶部
5 補助記憶部
7 通信制御部
9 バスライン
21 通信制御バンドル
23、73 基本データ管理バンドル
25、75 拡張データ管理バンドル
27 OSGiサービスプラットフォーム
29 制御プログラム
100 遠隔管理サーバ
300 被遠隔管理装置
500 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔の箇所より通信ネットワークを通じて状態が監視される被遠隔管理装置において、
予め与えられたデータ、及び該データに係わる指令を保持するデータ・指令保持部と、
前記通信ネットワークを介して前記遠隔の箇所より新たにデータ、及び該データに係わる指令が送信された場合に、前記新たに送信されたデータ、及び指令と、前記データ・指令保持部に保持されているデータ、及び指令とが一致するかどうかチェックするデータ・指令チェック部と、
前記データ・指令チェック部による前記チェックの結果、一致したことが確認された場合に、前記新たに送信されたデータ、及び指令に基づき、所定の処理動作を実行する処理動作実行部と、
を備える被遠隔管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の被遠隔管理装置において、
前記遠隔の箇所より前記通信ネットワークを介して送信されるデータが、被遠隔管理装置が基本的な処理動作を実行するのに必要な基本データ及び/又は前記被遠隔管理装置の機能を拡張するのに必要な拡張データである被遠隔管理装置。
【請求項3】
請求項2記載の被遠隔管理装置において、
前記遠隔の箇所には、前記通信ネットワークを通じて前記被遠隔管理装置との間で通信を行う情報処理機器が設置されており、
前記情報処理機器から送信されるデータ、及び該データに係わる指令を受信すべく、所定のプロトコルに従って前記情報処理機器と接続する通信接続部、
を更に備える被遠隔管理装置。
【請求項4】
請求項3記載の被遠隔管理装置において、
前記所定のプロトコルが、CWMP(CPE WAN Management Protocol)である被遠隔管理装置。
【請求項5】
請求項4記載の被遠隔管理装置において、
前記データ・指令保持部、前記データ・指令チェック部、及び前記処理動作実行部が夫々有する機能が、被遠隔管理装置に搭載されるプログラムであって、何れもOSGiサービスプラットフォーム上で動作する、前記基本データを管理対象にする基本データ管理バンドル、前記拡張データを管理対象にする拡張データ管理バンドルにより実現される被遠隔管理装置。
【請求項6】
請求項5記載の被遠隔管理装置において、
前記基本データ管理バンドル、及び/又は前記拡張データ管理バンドルが、複数搭載されている被遠隔管理装置。
【請求項7】
請求項6記載の被遠隔管理装置において、
前記情報処理機器から送信されたデータが基本データである場合には、該基本データが前記何れの基本データ管理バンドルの管理対象であるか、また、前記情報処理機器から送信されたデータが拡張データである場合には、該拡張データが前記何れの拡張データ管理バンドルの管理対象であるかを識別するデータ識別部、を更に備える被遠隔管理装置。
【請求項8】
前記情報処理機器が、被遠隔管理装置と構成が同一である請求項7記載の被遠隔管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−66239(P2013−66239A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273385(P2012−273385)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2008−297936(P2008−297936)の分割
【原出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】