説明

遠隔絶縁回転操作具

【課題】電動駆動を基本に、電源切れ時の手動駆動への一次的な切り換えを伴う締結、締結解除の作業や取扱に便利なようにする。
【解決手段】遠隔絶縁操作棒(1)に先端の回転工具(6)と連結した回転軸(2)を内蔵し、回転軸(2)の手元側端部にドリル接続部(2a)と、別途備えた操作ハンドル(5)のハンドル接続部(2b)とを設け、正逆回転でき可変速な電動ドリル(3)、二次電池(9)を、電動ドリル(3)の固定構造、二次電池(9)の充電構造、外周りからの絶縁構造を有して遠隔絶縁操作棒(1)の手元側に内蔵し、電動ドリル(3)は遠隔絶縁操作棒(1)の手元側外部からオン、オフを含む変速操作ができるようにし、遠隔絶縁操作棒(1)の要所に絶縁構造(53、13)、防水構造(54、71〜76)を設けたことにより、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、高圧線、特別高圧線に対し、ホットプラー工事やリード接続工事などの絶縁間接活線工法を行うことにより、各種資材機材の取付・取外を行うのに用いる遠隔絶縁回転操作具に関する。
【背景技術】
【0002】
このような作業に利用できる遠隔絶縁回転操作具としては、例えば、下記特許文献1によって既に知られている。このものは、絶縁構造および雨切、作業対象からの絶縁に対する安全限界ツバが装着された遠隔絶縁操作棒を備えている。遠隔絶縁操作棒内には回転軸が内蔵され、遠隔絶縁操作棒の手元に操作ハンドルを接続して回転軸をべベルギヤ機構を介し正転、逆転駆動できるようにし、この時の回転を遠隔絶縁操作棒の先端のビットやソケット、レンチなどの回転工具をボルトやナットに嵌め合わせて締結、締結解除が行えるようにしている。これら回転工具の駆動には下記特許文献2が開示するような電動ラチェット機構が用いられることもある。
【0003】
一方、下記特許文献3は、先端のナットランナに電動ラチェットを接続した電柱用支線における巻防止具装着用操作棒を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−58196号公報
【特許文献2】特開平7−88778号公報
【特許文献3】特開平6−10538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような遠隔絶縁回転操作具は、高圧線、特別高圧線を対象にした絶縁間接活線工法を、低所から電気的安全を図って遂行するのに長年の間重宝されてきた。しかし、近年、電動工具が普及する中、作業現場では、操作ハンドルに代えて電動ドリルを接続し低速から高速の回転を利用してスピーディな締結作業、締結解除作業が行われるようになっている。
【0006】
しかし、電動ドリルはガンタイプであって回転軸線から側方に延びるグリップに回転反力を受け、この反力が最大となる高速回転による締結の終了時点や締結解除の開始時点でグリップを把持している手が強く振られるなど危険があるので、作業の妨げになっている。
【0007】
また、独立工具である遠隔絶縁回転操作棒と、電動ドリルとの併用は、電動ドリルの取り扱いが余分となり、遠隔絶縁回転操作棒への操作ハンドルに代えての装着、取り外しは専用作業でない不便さがあるし、不用意な落下を招く原因になる。しかも、電動ドリルが独立工具であることによる遠隔絶縁回転操作棒とは別個の、格納、取り出しも必要となり、その取扱いに手間が掛かる。
【0008】
特許文献3が開示する操作棒では、絶縁作業、より遠隔の作業に適用できないのは勿論、充電式電源を装備して使用する場合、現場での電源切れに手動操作で対応することができない。また、高圧線、特別高圧線を対象にした工法上、締結、締結解除に高トルクが必要になる場合、確実、安全に作業できる構成を有していない。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、専用の電動駆動源を内蔵して電動駆動を基本にしながら、充電や電源切れ時の手動駆動への一次的な切り換えを伴う締結、締結解除の作業や取扱に便利な、遠隔絶縁回転操作具を提供することを主たる目的とし、さらには、高トルクでの締結、締結解除に適したものとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の遠隔絶縁回転操作具は、遠隔絶縁操作棒(1)に内蔵した回転軸(2)の手元側端部に、電動ドリル(3)を軸方向に連結するドリル接続部(2a)と、操作ハンドル(5)を軸直角方向に連結するハンドル接続部(2b)とを設け、回転軸(2)の先端側には締結、締結解除を行う回転工具(6)を設け、正逆回転できる可変速な電動ドリル(3)とこれに給電する二次電池(9)とを、電動ドリル(3)の固定構造(27、28)と、二次電池(9)へのこれを収容する電池室からの出し入れを伴いまたは出し入れを伴わない充電構造(16、17、18)と、それらの外周りからの絶縁構造(1、13、17、73)とを有して、回転軸(2)のドリル接続部(2a)への同体回転できる接続を伴い遠隔絶縁操作棒(1)の手元側に内蔵している。
【0011】
併せ、遠隔絶縁操作棒(1)の回転工具(6)が臨出する先端側と手元側との間の絶縁構造(53、13)、および遠隔絶縁操作棒(1)の外部から内部に通じる接面境界部に外部からの雨水の侵入を防止する防水構造(54、71〜74、77)を設け、ハンドル接続部(2b)に着脱できるように装着されて手動操作により回転軸(2)を正逆回転操作する操作ハンドル(5)を備え、電動ドリル(3)は遠隔絶縁操作棒(1)の手元側外部からオン、オフを含む変速操作ができるようにしている。
【0012】
このような構成では、回転軸(2)を内蔵した遠隔絶縁操作棒(1)の手元側に、電動ドリル(3)が絶縁、固定を図って専用に装備されて、手元側の重量比を増大させられ、二次電池(9)からの給電により回転軸(2)を電動で正方向、逆方向に遊びなく可変速に駆動し、回転軸(2)の回転をその先端に連結された回転工具(6)に伝達するので、遠隔絶縁操作棒(1)により遠隔からボルトやナットによる締結作業や締結解除作業が、作業上および電動ドリル(3)双方での絶縁を確保して遂行できる。
【0013】
また、作業途中に電池切れになれば、遠隔絶縁操作棒(1)に従来通りに組み合わせ取り扱える操作ハンドル(5)をハンドル接続部(2b)に接続することにより、回転軸(2)を手動操作して、回転工具(6)を正方向、逆方向に駆動し、電動ドリル(3)に代わって締結、締結解除作業が続行できる。二次電池(9)は作業終了後はもとより作業を中断して、または、取り外して時期的制限なしに、充電構造(16、17、18)を通じ充電し回復させられる。さらに、遠隔絶縁操作棒(1)の外部から内部に通じる接面境界部では防水構造(54、71〜74、77)により、外部からの雨水の侵入を防止することができる。
【0014】
上記において、さらに、遠隔絶縁操作棒(1)は、手元側で電動ドリル(3)と二次電池(9)とを、電動ドリル(3)の固定構造(27、28)と、二次電池(9)への充電構造(16、17、18)と、それらの外周りからの絶縁構造(13、17、73)を有してカバー(13)に内蔵し、このカバー(13)を、回転具(8)のドリル接続部(2a)への同体回転できる接続構造(32)を伴い遠隔絶縁操作棒(1)の反手元側に、回り止め構造(31)および固定構造(27、28)を有して着脱できるようにする接続構造(56、57)を有した電動ドリルユニット(14)を備えたものとすることができる。
【0015】
このような構成では、上記に加え、さらに、電動ドリルユニット(14)が電動ドリル(3)と二次電池(9)とを、電動ドリル(3)の固定と、二次電池(9)への充電、それらの外周りからの絶縁の手立てを図って、それ単独で遠隔絶縁操作棒(1)の手元側をなし、遠隔絶縁操作棒(1)の反手元側に回り止めおよび絶縁を図って着脱できるように接続されるので、回転軸(2)を電動で正方向、逆方向に遊びなく駆動し、回転軸(2)の回転をその先端に連結された回転工具(6)に伝達するので、遠隔絶縁操作棒(1)により遠隔からボルトやナットによる締結作業や締結解除作業が、作業上および電動ドリル(3)双方での絶縁を損なわずに遂行できる。
【0016】
また、電動ドリルユニット(14)を遠隔絶縁操作棒(1)の反手元側との接続を取り外すことにより、電池切れなどで操作ハンドル(5)を接続して手動作業する場合、電動ドリルユニット(14)が回転負荷になるようなことを回避することができるし、充電作業を手動作業に並行して単独で行える。
【0017】
上記において、さらに、電動ドリル(3)と方向変換回転伝達機構(4)との間、方向変換回転伝達機構(4)から回転工具(6)までの間の回転伝達系のいずれかにトルクリミット機構(25)を設け、トルクリミット機構(25)はトルク値を調整するトルク調整手段(26)を備え、電動ドリル(3)と方向変換回転伝達機構(4)との間の回転伝達系、方向変換回転伝達機構(4)から回転工具(6)までの間の回転伝達系のいずれかに設けたものとすることができる。
【0018】
このような構成では、上記に加えさらに、締結トルクが所定値を上回るとトルクリミット機構(25)がトルクの伝達を解除するので、過剰なトルク値での締結を回避することができ、所定値はトルク調整手段(26)によって調整することができる。
【0019】
また、トルクリミット機構(25)が、電動ドリル(3)と方向変換回転伝達機構(4)との間の回転伝達系や方向変換回転伝達機構(4)から回転工具(6)までの間の回転伝達系の方向変換回転伝達機構(4)直近にあると、遠隔絶縁操作棒(1)の手元側に近く、手元側で操作できるようにしたトルク調整手段(26)によってトルク調整しやすくなる。トルクリミット機構(25)が回転工具(6)直近にあると、電動ドリル(3)と回転工具(6)との間の長尺な回転伝達系に生じるトルクロスの影響なく、回転工具(6)による実締結トルクに応動してトルクリミット機能を発揮する。
【0020】
また、トルクリミット機構(25)が、電動ドリル(3)と方向変換回転伝達機構(4)との間の回転伝達系にあれば、手動操作時には機能しないが、方向変換回転伝達機構(4)から回転工具(6)までの間の回転伝達系にあれば、電動駆動時と手動操作時との双方で機能する。
【0021】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限り複合して採用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の遠隔絶縁回転操作具(100)によれば、遠隔絶縁操作棒(1)に適応した棒状化した専用の電動ドリル(3)を嵩張りなく装備して手元側の重量化要素に役立てて、長尺な遠隔絶縁操作棒(1)による先端の回転工具(6)の手元側からの操り性を高めて、電動ドリル(3)により回転軸(2)を介し回転工具(6)を正逆切り替えのもと可変速に電動駆動できるようにし、作業対象や作業環境と手元側との間の絶縁を損なうことなく締結、締結解除の作業を容易かつスピーディに達成させられる。
【0023】
また、作業途中の電池切れには、従来通り組み合わせ備えた操作ハンドル(5)を接続して回転軸(2)を手動操作することにより、電動ドリル(3)に代わって締結、締結解除作業が続行できる。二次電池(9)は適宜に充電し回復させられる。さらに、遠隔絶縁操作棒(1)の外部から内部に通じる接面境界部では外部からの雨水の侵入を防止し、電動ドリル(3)および二次電池(9)の短絡事故防止が図れる。
【0024】
上記に加え、さらに、電動ドリル(3)および二次電池(9)を電動ドリルユニット(14)化して遠隔絶縁操作棒(1)の反手元側に接続した着脱できる手元側とすると、反手元側からの取り外しにより、操作ハンドル(5)を接続して手動作業する場合に電動ドリル(3)が回転負荷にならないようにできるし、充電作業を手動作業に並行して単独で行える。
【0025】
しかも、電動ドリルユニット(14)の遠隔絶縁操作棒(1)の反手元側への接続が、固定および絶縁を図ってなされることにより、回転軸(2)を電動で遊びなくまた、絶縁を損なうことなく駆動し、締結作業や締結解除作業が確実に、かつ電気的安全を図って遂行できる。
【0026】
上記に加えさらに、トルクリミット機構(25)を装備していると、締結トルクが所定値を上回るとトルクの伝達を解除して過剰なトルク値での締結を回避し、締結対象および回転伝達系の破損を防止することができる。また、所定値はトルク調整手段(26)によって調整することで、作業対象に応じたトルク設定にて過不足のない締結、締結解除の作業ができる。
【0027】
また、トルクリミット機構(25)の設置位置によっては、手元側で操作できるようにしたトルク調整手段(26)によるトルク調整がしやすくするかどうかを選択できる。また、長尺な回転伝達系に生じるトルクロスの影響なく、回転工具(6)による実締結トルクに応動してトルクリミット機能を発揮させるかどうか選択できる。また、手動操作時には機能しないか、電動駆動時と手動操作時との双方で機能するかを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る遠隔絶縁回転操作具を示す平面図である。
【図2】同遠隔絶縁回転操作具の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態に係る遠隔絶縁回転操作具の1つの具体例について、図1、図2を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載事項を限定するものではない。
【0030】
図1に模式的に示す本実施の形態に係る遠隔絶縁回転操作具100は、遠隔絶縁操作棒1に回転軸2を内蔵している。この回転軸2の手元側端部に、電動ドリル3を軸方向に連結するドリル接続部2aと、操作ハンドル5を軸直角方向に連結するハンドル接続部2bを設けている。回転軸2の先端側には遠隔絶縁操作棒1の先端外に臨んで締結、締結解除を行う回転工具6を連結している。正逆回転できる可変速な電動ドリル3とこれに給電する二次電池9とを、電動ドリル3の固定構造27、28と、二次電池9へのこれを収容する電池室16からの出し入れを伴いまたは出し入れを伴わない充電構造16、17、18と、それらの外周りからの絶縁構造1、13、17、73とを有して、回転軸2のドリル接続部2aへの同体回転できる接続を伴い遠隔絶縁操作棒1の手元側に内蔵している。
【0031】
併せ、遠隔絶縁操作棒1の回転工具6が臨出する先端側と手元側との間の絶縁構造53、13、および遠隔絶縁操作棒1の外部から内部に通じる接面境界部に外部からの雨水の侵入を防止する防水構造54、71〜74、77を設け、ハンドル接続部2bに着脱できるように装着されて手動操作により回転軸2を正逆回転操作する操作ハンドル5を備え、電動ドリル3は遠隔絶縁操作棒1の手元側外部からオン、オフを含む変速操作ができるようにしている。
【0032】
このように回転軸2を内蔵した遠隔絶縁操作棒1の手元側に、電動ドリル3が絶縁、固定を図って専用に装備されて、手元側の重量比を増大させられ、二次電池9からの給電により回転軸2を電動で正方向、逆方向に遊びなく可変速に駆動し、回転軸2の回転をその先端に連結された回転工具6に伝達するので、遠隔絶縁操作棒1により遠隔からボルトやナットによる締結作業や締結解除作業が、作業上および電動ドリル3双方での絶縁を確保して遂行できる。
【0033】
また、作業途中に電池切れになれば、遠隔絶縁操作棒1に従来通りに組み合わせ取り扱える操作ハンドル5をハンドル接続部2bに接続することにより、回転軸2を手動操作して、回転工具6を正方向、逆方向に駆動し、電動ドリル3に代わって締結、締結解除作業が続行できる。二次電池9は作業終了後はもとより作業を中断して、または、取り外して時期的制限なしに、充電構造16、17、18を通じ充電し回復させられる。さらに、遠隔絶縁操作棒1の外部から内部に通じる接面境界部では防水構造54、71〜74、77により、外部からの雨水の侵入を防止することができる。
【0034】
以上から、本実施の形態の遠隔絶縁回転操作具100によれば、遠隔絶縁操作棒1に適応した棒状化した専用の電動ドリル3を嵩張りなく装備して手元側の重量化要素に役立てて、長尺な遠隔絶縁操作棒1による先端の回転工具6の手元側からの操り性を高めて、電動ドリル3により回転軸2を介し回転工具6を正逆切り替えのもと可変速に電動駆動できるようにし、作業対象や作業環境と手元側との間の絶縁を損なうことなく締結、締結解除の作業を容易かつスピーディに達成させられる。
【0035】
また、作業途中の電池切れには、従来通り組み合わせ備えた操作ハンドル5を接続して回転軸2を手動操作することにより、電動ドリル3に代わって締結、締結解除作業が続行できる。二次電池9は適宜に充電し回復させられる。さらに、遠隔絶縁操作棒1の外部から内部に通じる接面境界部では外部からの雨水の侵入を防止し、電動ドリル3および二次電池9の短絡事故防止が図れる。
【0036】
ここで、遠隔絶縁操作棒1は、図示例の場合、絶縁構造として、先端部および手元側端部間のドリル接続部2aおよびハンドル接続部2bを装備した手元側域を金属製の中継筒11とした以外はFRP製の絶縁材料で形成し、中継筒11から手元側端部間のグリップ域12が先端部側との間の絶縁を図り、グリップ域12と電動ドリル3および二次電池9との間の絶縁も図っている。操作ハンドル5の操作上の絶縁性は、グリップ5aなど手で把持する部分を絶縁材料で形成することにより実現している。
【0037】
また、固定構造27、28は、ねじ止めでもよいが、電動ドリル3のボディ3aの側周面外まわりに図2に示すような操作手段装備部や配線装備部などによる凸部3bや平坦部、角形などの非円形部を形成して遠隔絶縁操作棒1に内蔵した回り止め嵌合部27と、接着性シール剤73による軸方向係止部28を有することで実現している。絶縁構造は、絶縁状態に封止している充電端子を露出させて充電電源に接続して行うようにしてもよいが、二次電池9を取り出して充電するようにすると、充電しやすいし、寿命に達した時の交換ができる。
【0038】
遠隔絶縁操作棒1は、図2に示すように手元側で電動ドリル3と二次電池9とを、電動ドリル3の固定構造27、28と、二次電池9への充電構造16、17、18と、それらの外周りからの絶縁構造13、17、73を有してカバー13に内蔵し、このカバー13を、回転具8のドリル接続部2aへの同体回転できる接続構造32を伴い遠隔絶縁操作棒1の反手元側に、回り止め構造としての非円形嵌合部31および固定構造27、28を有して着脱できるようにする接続構造56、57を有した電動ドリルユニット14を備えたものとすることができる。なお、非円形嵌合部31は、回り止め構造とも呼ぶ。
【0039】
このように、電動ドリルユニット14が電動ドリル3と二次電池9とを、電動ドリル3の固定と、二次電池9への充電、それらの外周りからの絶縁の手立てを図って、それ単独で遠隔絶縁操作棒1の手元側をなし、遠隔絶縁操作棒1の反手元側に回り止めおよび絶縁を図って着脱できるように接続されるので、回転軸2を電動で正方向、逆方向に遊びなく駆動し、回転軸2の回転をその先端に連結された回転工具6に伝達するので、遠隔絶縁操作棒1により遠隔からボルトやナットによる締結作業や締結解除作業が、作業上および電動ドリル3双方での絶縁を損なわずに遂行できる。
【0040】
また、電動ドリルユニット14を遠隔絶縁操作棒1の反手元側との接続を取り外すことにより、電池切れなどで操作ハンドル5を接続して手動作業する場合、電動ドリルユニット14が回転負荷になるようなことを回避することができるし、充電作業を手動作業に並行して単独で行える。
【0041】
電動ドリルユニット14の装着位置への固定は、例えば、図2に示すように中継筒11上に段部とスナップリング55によって軸線方向に位置決めして回転できるように装着した固定リング56を利用して行える。具体的には、固定リング56に、中継筒11に非円形嵌合されてくる電動ドリルユニット14のカバー13の先端を中継筒11との間に受け入れるスリーブ56aを形成し、このスリーブ56aの周方向的数か所に、カバー13の先端受け入れ時に、カバー13先端部か軸方向に切り込んで周方向に屈曲するL字溝57の軸方向溝57aと嵌り合う係止突起56bを径方向内向きに設けている。
【0042】
これにより、カバー13の先端部をスリーブ56aに受け入れた後、固定リング56をL字溝57の周方向に屈曲した係合溝57bの側に回動させることにより、係止突起56bがカバー13を接続側に引き付けながら係合溝57bに係合して抜け止めするので、電動ドリルユニット14を装着状態に固定できる。この固定は、固定リング56を前記と反対の側に回転させると、係止突起56bが係合溝57bから脱して軸方向溝57aに戻るので、電動ドリルユニット14は中継筒11から引き抜いて取り外せる。しかし、これに限られることはない。
【0043】
以上のように、電動ドリル3および二次電池9を電動ドリルユニット14とし、遠隔絶縁操作棒1の反手元側に接続した着脱できる手元側とすると、反手元側からの取り外しにより、操作ハンドル5を接続して手動作業する場合に電動ドリル3が回転負荷にならないようにできるし、充電作業を手動作業に並行して単独で行える。
【0044】
また、電動ドリルユニット14の遠隔絶縁操作棒1の反手元側への接続が、回り止めおよび絶縁を図ってなされることにより、回転軸2を電動で遊びなくまた、絶縁を損なうことなく駆動し、締結作業や締結解除作業が確実に、かつ電気的安全を図って遂行できる。
【0045】
二次電池9は着脱のために、図示例では、これを収容する電池室16の絶縁を図って蓋17で開閉する出し入れ口18を通じ単独で着脱できるようにしている。出し入れ口18は遠隔絶縁操作棒1の側周面に設けることもできるが、手元側端部、具体的には電動ドリルユニット14の尾端に設けている。これにより、電池切れの場合、遠隔絶縁回転操作棒1に対してはもとより、その手元側をなす電動ドリルユニット14に対しても、二次電池9を単独に取り出して充電作業ができるし、電池室16の蓋17を閉めれば二次電池9の着脱構造上電池室16の絶縁が損なわれることはない。
【0046】
ここでの絶縁構造は、蓋17を樹脂などの絶縁材料で形成することにより実現している。また、電池室16は電動ドリル3を収容しているドリル室19とは隔壁21で仕切って互いの独立性を確保している。電動ドリル3と二次電池9との電気的な接続は、電動ドリル3の充電端子22を、隔壁21を貫通してドリル室19から電池室16側に臨ませ、電池室16側の二次電池9の給電端子23と接触して接続されるようにしている。この接触状態は蓋17に設けたコイルばね24により二次電池9を充電端子22側に付勢して保持している。
【0047】
さらに、電動ドリル3から回転工具6までの回転伝達系の途中に図2に示すようなトルクリミット機構25を設け、このトルクリミット機構25はトルク値を調整するトルク調整手段26を備えたものとしている。これにより、締結トルクが所定値を上回るとトルクリミット機構25がトルクの伝達を解除するので、過剰なトルク値での締結を回避することができ、所定値はトルク調整手段26によって調整することができる。
【0048】
ここで、トルクリミット機構25は、電動ドリル3と方向変換回転伝達機構4との間、方向変換回転伝達機構4から回転工具6までの間の回転伝達系のいずれかに配設することができる。トルクリミット機構25が、電動ドリル3と方向変換回転伝達機構4との間の回転伝達系や、図2に示すように方向変換回転伝達機構4から回転工具6までの間の回転伝達系の方向変換回転伝達機構4の直近にあると、遠隔絶縁操作棒1の手元側に近く、手元側で操作できるようにしたトルク調整手段26によってトルク調整しやすくなる。なお、トルクリミット機構25が回転工具6直近にあると、電動ドリル3と回転工具6との間の長尺な回転伝達系に生じるトルクロスの影響なく、回転工具6による実締結トルクに応動してトルクリミット機能を発揮する。
【0049】
また、トルクリミット機構25が、電動ドリル3と方向変換回転伝達機構4との間の回転伝達系にあれば、手動操作時には機能しないが、図2に示すように方向変換回転伝達機構4から回転工具6までの間の回転伝達系にあれば、電動駆動時と手動操作時との双方で機能する。
【0050】
以上のように、トルクリミット機構25を装備していると、締結トルクが所定値を上回るとトルクの伝達を解除して過剰なトルク値での締結を回避し、締結対象および回転伝達系の破損を防止することができる。また、所定値はトルク調整手段26によって調整することで、作業対象に応じたトルク設定にて過不足のない締結、締結解除の作業ができる。
【0051】
また、トルクリミット機構25の設置位置によっては、手元側で操作できるようにしたトルク調整手段26によるトルク調整がしやすくするかどうかを選択できる。また、長尺な回転伝達系に生じるトルクロスの影響なく、回転工具6による実締結トルクに応動してトルクリミット機能を発揮させるかどうか選択できる。また、手動操作時には機能しないか、電動駆動時と手動操作時との双方で機能するかを選択できる。
【0052】
トルクリミット機構25は、既に知られる種々な方式のものを採用することができる。図示例について説明すると、図2に示すように、中継筒11内に方向変換回転伝達機構4と共に装備している。基本構造として回転軸2は、電動ドリル3の回転具8と角形での非円形嵌合部31で一体回転および着脱できるように接続される基部側回転軸2cとこの基部側回転軸2cと円形嵌合部42にて回転自在に接続される先端側回転軸2dとで構成する。
【0053】
基部側回転軸2cは、外周に受動べベルギヤ33を有して中継筒11内に軸受され、この受動べベルギヤ33が中継筒11の周壁一部に設けられたハンドル接続部2bに回転自在に保持された駆動べベルギヤ34と噛み合わされ、駆動べベルギヤ34に接続した操作ハンドル5の回転操作によって正方向、逆方向に回転駆動されるようにしている。
【0054】
中継筒11は、ねじ嵌合部35でシール部材36を介装接して接続した、方向変換回転伝達機構4を装備する分割中継筒11aと、トルクリミット機構25を装備する分割中継筒11bとで形成して、基部側回転軸2cの方向変換回転伝達機構4側を、分割中継筒11a内に挟み込むように収容している。
【0055】
この基部側回転軸2cに電動ドリル3の回転具8または操作ハンドル5によって与えられる回転は、分割中継筒11b内に装備したトルクリミット機構25を介して設定トルク値以下のトルク範囲で先端側回転軸2dに伝達されるようにする。
【0056】
このために、トルクリミット機構25は、基部側回転軸2cに非円形嵌合部31にて同体回転し、軸方向には摺動できる可動カム38aと、先端側回転軸2dと一体な固定カム38bとを山形のカム面側で対向させて、カム面どうしが所定のトルク値で圧接し噛み合うようにコイルスプリング39により可動カム38aを付勢している。
【0057】
これにより、所定のトルク値を超えるまでは、カム面どうしの噛みあいがコイルスプリング39の付勢力にて保たれ、電動ドリル3の回転具8から基部側回転軸2cに与えられる回転が、可動カム38a、固定カム38bを介し先端側回転軸2dに伝達されるので、回転工具6による締結、締結解除の作業ができる。締結、締結解除の作業負荷が所定のトルク値を超えると、可動カム38aがコイルスプリング39に抗し後退して固定カム38bに対して滑り、基部側回転軸2cが先端側回転軸2dに対して空回りし、それ以上作業が進行しないようにする。
【0058】
そこで、トルク調整手段26は、トルク調整手段26側のスナップリングなどによるばね座41とコイルスプリング39との間で、基部側回転軸2cに円形嵌合部42にて回転自在で軸方向には移動しない回転カム43aとこれに山形のカム面どうしが対向し合い基部側回転軸2cには非円形嵌合部44にて同体回転し軸方向には摺動できる可動カム43bとを設けて、コイルスプリング39の付勢によって互いのカム面が圧接し合うように噛み合う構成とし、回転カム43aには中継筒11の外周りから回転操作する操作部45と操作窓46を通じ接続している。
【0059】
これにより、回転カム43aを操作部45により回転操作すると、その回転位置に応じて、可動カム43bを回転カム43aへの圧接位置と、コイルスプリング39に抗した最大押し離し位置との間で、コイルスプリング39のばね受位置を軸方向に変化させられる。このばね受位置の変化が、コイルスプリング39が可動カム43aを固定カム43bに圧接させるばね力の変化となるので、結果として、トルクリミット機構25が滑りを起こすトルク値を変更し調整できることになる。
【0060】
これには、図示しないが回転カム43aを回転させる各調整位置に安定ないしは固定できるようにする必要がある。調整位置は段階的に変化させても、連続的に変化させてもよい。単純には、山形の軸まわりに傾斜したカム面に、段階的な調整位置に対応する箇所で軸線まわりに平坦な面どうしが回転分力が生じないよう当接し合うようにすると、段階的な調整位置に安定させるようにできる。カム方式に代えて、ばね受位置をねじのリードを利用して無段階に調整するようにできる。しかも、この場合回転力を生じることなくコイルスプリング39を受け止められるので、特別な安定手段、固定手段が不要になる。しかし、これらに限られることはない。
【0061】
基部側回転軸2cおよび先端側回転軸2dの接続状態と、遠隔絶縁操作棒1内での軸方向位置とは、中継筒11内周に嵌め合わせたスナップリング51、52間に挟み込んで保持するようにしてある。また、遠隔絶縁操作棒1の中継筒11と先端側筒53とは、嵌合部まわりにシールと接着を兼ねた接続部54を設けて接続している。
【0062】
さらに、遠隔絶縁操作棒1の手元側に、具体的には電動ドリルユニット14のカバー13の先端部寄りに、外部から操作できる操作部61を設けている。この操作部61には、一例として、電動ドリル3の正転駆動操作部62と、逆転駆動操作部63とをシールカバー64を施して設け、正転駆動操作部62を押動すると電動ドリル3を正転駆動でき、逆転駆動操作部63を押動すると電動ドリル3を逆転駆動できる。また、いずれも押動操作を解除すると駆動停止状態に復帰できるようにしている。
【0063】
同時に、正転駆動操作部62、逆転駆動操作部63共に、押し込み量に比例して電動ドリル3の回転速度を比例的に上げられるようにしている。それには、圧電変換素子を用いるのが省スペース上好適となる。これに限られることはないが、このような可変速機能は、作業抵抗が高い作業対象や、作業初期には低速に制御して作業をし、または作業を開始し、作業開始後作業抵抗が低下するのに合わせて作業速度を上げていくようなことができる。
【0064】
したがって、作業抵抗が高い作業対象や、作業初期には低速に制御して無理なく作業をし、または開始し、作業開始後作業抵抗が低下するのに合わせ電動ドリル3を制御して作業速度を無理なく上げていき作業スピードを上げるようなことができる。変速範囲は、停止状態の速度0から、作業上、機器の安全上最高速度を制限して設定するのが好適である。
【0065】
最後に、電動ドリル3内蔵域および二次電池9収容域の外まわりに防水構造を設ける。これにより、電動ドリル3および二次電池9がまわりの防水構造によって防水され、機器の電気的安全が図れる。具体的には、操作部61とカバー13との間はシールカバー64のシール性によって防水している。カバー13の手元側端部では、蓋17にカバー13の手元側端部との間にスラスト方向に働くシール部材71とラジアル方向に働くシール部材72とを設けて相互間の防水を図っている。また、電動ドリル3の先端部とカバー13との間は接着性シール剤73を充填して防水している。遠隔絶縁操作棒1の回転工具6が臨出する先端境界部、非円形嵌合部31の境界部にもシール部材74、77を設けて、電動ドリルユニット14を含む遠隔絶縁操作棒1全域の外部から内部に通じる全ての境界部の防水を実現している。
【0066】
遠隔絶縁操作棒1の先端の回転工具6の突出部にはシール構造を有した軸受部74を設けて防水している。また、遠隔絶縁操作棒1の先端側にはゴム製の雨切75、作業対象からの絶縁に対する安全限界ツバ76が装着され、電気的安全が図られている。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、遠隔絶縁回転操作具において、主として電動駆動して作業性を高めながら、操作ハンドルによる手動駆動が必要に応じでき、締結、締結解除の作業や取扱に便利なものとし、さらには、高トルクでの締結、締結解除に適したものとするのに実用できる。
【符号の説明】
【0068】
1 遠隔絶縁操作棒
2 回転軸
2a ドリル接続部
2b ハンドル接続部
2c 基部側回転軸
2d 先端側回転軸
3 電動ドリル
3a ボディ
3b 凸部
4 方向変換回転伝達機構
5 操作ハンドル
5a グリップ
6 回転工具
7 電動モータ
8 回転具
9 二次電池
11 中継筒
11a、11b 分割中継筒
12 グリップ域
13 カバー
14 電動ドリルユニット
15 反手元側
16 電池室
17 蓋
18 出し入れ口
19 ドリル室
21 隔壁
22 充電端子
23 給電端子
24 コイルばね
25 トルクリミット機構
26 トルク調整手段
27 回り止め嵌合部
28 軸方向係止部
31 非円形嵌合部
32 接続構造
33 受動ベベルギア
34 駆動ベベルギア
35 ねじ嵌合部
36 シール部材
38a 可動カム
38b 固定カム
39 コイルスプリング
41 ばね座
42 円形嵌合部
43a 回転カム
43b 可動カム
44 非円形嵌合部
45 操作部
46 操作窓
51 スナップリング
52 スナップリング
53 先端側筒
54 接続部
55 スナップリング
56 固定リング
56a スリーブ
56b 係止突起
57 L字溝
57a 軸方向溝
57b 係合溝
61 操作部
62 正転駆動操作部
63 逆転駆動操作部
64 シールカバー
56、57 接続構造
71、72、74、77 シール部材
73 接着性シール剤
75 雨切
76 安全限界ツバ
27、28 固定構造
1、13、17、73 絶縁構造
53、13 絶縁構造
16、17、18 充電構造
54、71、72、73、74、77 防水構造
100 遠隔絶縁回転操作具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔絶縁操作棒(1)に内蔵した回転軸(2)の手元側端部に、電動ドリル(3)を軸方向に連結するドリル接続部(2a)と、操作ハンドル(5)を軸直角方向に連結するハンドル接続部(2b)と、を設け、回転軸(2)の先端側には締結、締結解除を行う回転工具(6)を設け、正逆回転できる可変速な電動ドリル(3)とこれに給電する二次電池(9)とを、電動ドリル(3)の固定構造(27、28)と、二次電池(9)へのこれを収容する電池室(16)からの出し入れを伴いまたは出し入れを伴わない充電構造(16、17、18)と、それらの外周りからの絶縁構造(1、13、17、73)とを有して、回転軸(2)のドリル接続部(2a)への同体回転できる接続を伴い遠隔絶縁操作棒(1)の手元側に内蔵し、遠隔絶縁操作棒(1)の回転工具(6)が臨出する先端側と手元側との間の絶縁構造(53、13)、および遠隔絶縁操作棒(1)の外部から内部に通じる接面境界部に外部からの雨水の侵入を防止する防水構造(54、71〜74、77)を設け、ハンドル接続部(2b)に着脱できるように装着されて手動操作により回転軸(2)を正逆回転操作する操作ハンドル(5)を備え、電動ドリル(3)は遠隔絶縁操作棒(1)の手元側外部からオン、オフを含む変速操作ができるようにしたことを特徴とする遠隔絶縁回転操作具。
【請求項2】
遠隔絶縁操作棒(1)は、手元側で電動ドリル(3)と二次電池(9)とを、電動ドリル(3)の固定構造(27、28)と、二次電池(9)への充電構造(16、17、18)と、それらの外周りからの絶縁構造(13、17、73)を有してカバー(13)に内蔵し、このカバー(13)を、回転具(8)のドリル接続部(2a)への同体回転できる接続構造(32)を伴い遠隔絶縁操作棒(1)の反手元側に、回り止め構造(31)および固定構造(27、28)を有して着脱できるようにする接続構造(56、57)を有した電動ドリルユニット(14)を備えた請求項1に記載の遠隔絶縁回転操作具。
【請求項3】
電動ドリル(3)と方向変換回転伝達機構(4)との間、方向変換回転伝達機構(4)から回転工具(6)までの間の回転伝達系のいずれかにトルクリミット機構(25)を設け、トルクリミット機構(25)はトルク値を調整するトルク調整手段(26)を備え、電動ドリル(3)と方向変換回転伝達機構(4)との間の回転伝達系、方向変換回転伝達機構(4)から回転工具(6)までの間の回転伝達系のいずれかに設けた請求項1、2のいずれか1項に記載の遠隔絶縁回転操作具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−175815(P2012−175815A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35629(P2011−35629)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(591083772)株式会社永木精機 (65)