説明

遠隔複写設定システム、端末装置及びコンピュータプログラム

【課題】 複写条件を設定する際の操作手順を簡素化することができるとともに、複写ジョブごとの入力作業を簡素化することができる遠隔複写設定システムを提供する。
【解決手段】 光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置と、通信ネットワークを介して、画像形成装置に接続された端末装置により構成される。画像形成装置は、光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行うとともに、端末装置から複写処理のための複写条件を指定することができる。端末装置は、画像形成装置に対し、端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を保持する印刷条件記憶部と、印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成部と、通信ネットワークを介して、画像形成装置に対し、複写条件を送信する複写条件送信部により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔複写設定システム、端末装置及びコンピュータプログラムに係り、さらに詳しくは、複写処理及び端末出力処理を行う画像形成装置と、画像形成装置に対し複写処理のための複写条件を指定する端末装置とからなる遠隔複写設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿から読み取った画像データを記録媒体に印刷する複写機能などを備えた複合機では、様々な複写条件を指定して複写ジョブを実行させることができる。例えば、両面コピーを指定すれば、1枚の原稿の両面を自動的に読み取り、得られた読取画像を1枚の記録紙の各面にそれぞれ印刷させることができる。また、集約コピーを指定すれば、複数枚の原稿から読み取った読取画像を1枚の記録紙の片面に縮小して印刷させることができる。また、電子ソートコピーを指定すれば、複数枚の原稿から読み取った読取画像を電子的に並べ替えて印刷させることができる。通常、複写条件は、多数の設定項目からなり、これらの設定項目に設定値を入力することにより、上述した様な複写ジョブを実行させることができる。
【0003】
しかしながら、従来の複合機では、PC(パーソナルコンピュータ)などの端末装置に比べ表示画面のサイズが小さく、同時に表示することができる情報量が限られている。このため、複写条件の各設定項目に設定値を入力するには、画面表示を切り替えながら入力操作を行わなければならず、操作手順が煩雑であるという課題があった。そこで、PC上で複写条件を入力させ、設定項目ごとの設定値からなる複写設定情報をLAN(ローカルエリアネットワーク)経由で複写機へ送信する遠隔複写設定システムが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。特許文献1及び2に記載された遠隔複写設定システムによれば、複写条件を設定する際の操作手順を簡素化することができる。しかし、上述した遠隔複写設定システムでは、複数の設定項目に対し設定値を入力することを複写ジョブごとに繰り返さなければならず、入力作業が極めて煩わしいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−23298号公報
【特許文献2】特開2006−270222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複写条件を設定する際の操作手順を簡素化することができるとともに、複写ジョブごとの入力作業を簡素化することができる遠隔複写設定システムを提供することを目的とする。
【0006】
特に、複数の設定項目からなる複写条件を設定する場合であっても、各設定項目に対する入力作業を簡素化することができる端末装置を提供することを目的とする。また、複写ジョブごとの入力作業を簡素化することができるとともに、送信前の複写条件を必要に応じて変更することができる端末装置を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、遠隔複写設定が可能な画像形成装置を自動的に検索し、ユーザに複写条件の送信先を選択させることができる端末装置を提供することを目的とする。また、送信した複写条件を画像形成装置においてユーザごとに管理させることができる端末装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、その様な端末装置において実行されるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明による遠隔複写設定システムは、光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置と、通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に接続された端末装置とを備え、上記画像形成装置が、上記光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、上記端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行うとともに、上記端末装置から上記複写処理のための複写条件を指定することができる遠隔複写設定システムであって、上記端末装置が、上記画像形成装置に対し、上記端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を保持する印刷条件記憶部と、上記印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成部と、上記通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に対し、上記複写条件を送信する複写条件送信部とを備えて構成される。
【0010】
この遠隔複写設定システムでは、端末装置が、画像形成装置に対し端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件に基づいて複写条件を生成し、画像形成装置へ送信する。このため、画像形成装置では、端末装置から受信した複写条件によって複写条件を自動設定し、複写処理を行うことができる。従って、端末装置において複写条件の設定を行うので、画像形成装置上で複写設定を行う場合に比べて複写条件を設定する際の操作手順を簡素化することができる。さらに、端末出力処理のための印刷条件を複写条件として流用するので、複写条件の各設定項目に設定値を入力する手間を省くことができる。従って、複数の設定項目からなる複写条件を設定する場合であっても、各設定項目に対する入力作業を簡素化することができる。
【0011】
第2の本発明による端末装置は、通信ネットワークを介して、光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置に接続され、上記光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、上記端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行う上記画像形成装置に対し、上記複写処理のための複写条件を指定する端末装置であって、上記画像形成装置に対し、上記端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を保持する印刷条件記憶部と、上記印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成部と、上記通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に対し、上記複写条件を送信する複写条件送信部とを備えて構成される。
【0012】
第3の本発明による端末装置は、上記構成に加え、上記複写条件生成部により生成された複写条件からなる複写条件編集画面を表示する複写条件編集画面表示部と、上記複写条件編集画面に対する編集操作に基づいて、上記複写条件を編集する複写条件編集部とを備え、上記複写条件送信部が、編集後の複写条件を上記画像形成装置へ送信するように構成される。
【0013】
この様な構成によれば、複写条件編集画面に対する所定の編集操作によって複写条件を編集することができるので、ユーザは、画像形成装置に対し遠隔設定しようとする複写条件を必要に応じて変更することができる。つまり、複写ジョブごとの入力作業を簡素化することができるとともに、送信前の複写条件を必要に応じて変更することができる。
【0014】
第4の本発明による端末装置は、上記構成に加え、上記通信ネットワーク上の2以上の上記画像形成装置に対し、遠隔複写設定が可能であるか否かを問い合わせる遠隔設定照会部と、上記遠隔設定照会部の照会結果に基づいて、画像形成装置を選択するための選択画面を表示する選択画面表示部とを備え、上記複写条件送信部が、上記選択画面上で選択された画像形成装置へ上記複写条件を送信するように構成される。
【0015】
この様な構成によれば、通信ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置のうち、遠隔複写設定が可能な画像形成装置を自動的に検索して選択画面を表示させることができる。このため、ユーザは、選択画面上で画像形成装置を選択することにより、複写条件の送信先を遠隔複写設定可能な画像形成装置の中から任意に指定することができる。つまり、遠隔複写設定が可能な画像形成装置を自動的に検索し、ユーザに複写条件の送信先を選択させることができる。
【0016】
第5の本発明による端末装置は、上記構成に加え、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を保持するユーザ識別情報記憶部を備え、上記複写条件送信部が、上記ユーザ識別情報と共に上記複写条件を上記画像形成装置へ送信するように構成される。
【0017】
この様な構成によれば、画像形成装置では、端末装置から受信した複写条件をユーザ識別情報に関連づけて保持することができる。このため、複数のユーザが共通の画像形成装置を使用して複写ジョブを実行させる場合に、端末装置から受信した複写条件を画像形成装置においてユーザごとに管理させることができる。
【0018】
第6の本発明による端末装置は、上記構成に加え、印刷対象の画像データを指定した印刷指示に基づいて、遠隔複写設定選択ボタンが配置された印刷条件編集画面を表示する印刷条件編集画面表示部と、上記印刷条件編集画面に対する編集操作に基づいて、上記印刷条件を編集する印刷条件編集部と、上記遠隔複写設定選択ボタンの操作に基づいて、遠隔複写設定フラグを有効化する遠隔複写設定制御部とを備え、上記複写条件編集画面表示部が、上記遠隔複写設定フラグが有効化された場合、上記印刷条件の編集後に上記複写条件編集画面を表示するように構成される。
【0019】
この様な構成によれば、印刷条件編集画面内の遠隔複写設定ボタンを操作することによって遠隔複写設定フラグを有効化することができるので、印刷用の画像データを画像形成装置へ送信する際に、遠隔複写設定を行うか否かをユーザに選択させることができる。
【0020】
第7の本発明による端末装置は、上記構成に加え、上記画像形成装置へ送信された複写条件を編集するための遠隔複写設定編集用アイコンを背景画面上に表示する編集用アイコン表示部と、上記遠隔複写設定編集用アイコンの操作に基づいて、上記画像形成装置に対し、複写条件の転送要求を送信する転送要求送信部とを備え、上記複写条件編集画面表示部が、上記画像形成装置から受信した複写条件からなる上記複写条件編集画面を表示するように構成される。
【0021】
この様な構成によれば、複写条件の送信後、遠隔複写設定編集用アイコンが背景画面上に表示されるので、複写条件が画像形成装置に登録されていることを容易に認識することができる。また、遠隔複写設定編集用アイコンを操作することによって、複写条件の転送要求が画像形成装置へ送信され、画像形成装置から受信した複写条件からなる複写条件編集画面が表示されるので、画像形成装置に登録されている複写条件を必要に応じて変更することができる。
【0022】
第8の本発明によるコンピュータプログラムは、通信ネットワークを介して、光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置に接続された端末装置において実行されるコンピュータプログラムであって、上記光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、上記端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行う上記画像形成装置に対し、上記複写処理用の複写条件を指定するためのコンピュータプログラムからなる。具体的には、上記画像形成装置に対し、上記端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を記憶する印刷条件記憶ステップと、上記印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成ステップと、上記通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に対し、上記複写条件を送信する複写条件送信ステップとを備えて構成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明による遠隔複写設定システムでは、端末装置が、端末出力処理のための印刷条件に基づいて複写条件を生成し、画像形成装置へ送信するので、画像形成装置では、端末装置から受信した複写条件によって複写条件を自動設定して複写処理を行うことができる。また、端末出力処理用の印刷条件を複写条件として流用するので、複写条件の各設定項目に設定値を入力する手間を省くことができる。従って、複写条件を設定する際の操作手順を簡素化することができるとともに、複写ジョブごとの入力作業を簡素化することができる。
【0024】
さらに、複写条件編集画面に対する所定の編集操作によって複写条件を編集することができるので、複写ジョブごとの入力作業を簡素化することができるとともに、送信前の複写条件を必要に応じて変更することができる。また、通信ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置のうち、遠隔複写設定が可能な画像形成装置を自動的に検索して選択画面を表示させることができるので、遠隔複写設定が可能な画像形成装置を自動的に検索し、ユーザに複写条件の送信先を選択させることができる。
【0025】
また、本発明によるコンピュータプログラムでは、端末装置を上述した端末装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態による遠隔複写設定システム1の一構成例を示したシステム図である。
【図2】図1のPC10においてディスプレイ11上に表示される印刷条件編集画面3の一例を示した図である。
【図3】図1のPC10においてデスクトップ画面4に表示される照会画面5の一例を示した図である。
【図4】図1のPC10においてディスプレイ11上に表示される複写条件編集画面6の一例を示した図である。
【図5】図1のPC10において複写条件編集画面6上に表示される選択画面7の一例を示した図である。
【図6】図1のPC10においてデスクトップ画面4に表示される遠隔複写設定編集用アイコン8の一例を示した図である。
【図7】図1のMFP20における操作パネルの一例を示した図であり、ディスプレイ21及び操作部22が示されている。
【図8】図1のPC10の構成例を示したブロック図である。
【図9】図8の複写設定部107の構成例を示したブロック図である。
【図10】図8のPC10におけるプリンタドライバの動作の一例を示したフローチャートである。
【図11】図8のPC10における複写設定部107の動作の一例を示したフローチャートであり、複写設定ソフトの動作例が示されている。
【図12】図8のPC10における複写設定部107の動作の一例を示したフローチャートである。
【図13】図8のPC10における編集ボタン83の操作時の動作の一例を示したフローチャートである。
【図14】図1のMFP20の構成例を示したブロック図である。
【図15】図14のMFP20における複写設定情報の登録時の動作の一例を示したフローチャートである。
【図16】図14のMFP20におけるコピー時の動作の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<遠隔複写設定システム>
図1は、本発明の実施の形態による遠隔複写設定システム1の一構成例を示したシステム図である。この遠隔複写設定システム1は、複数のPC10と複数のMFP(Multifunction Peripheral:複合機)20とが、LAN2を介して互いに接続されたネットワークシステムである。遠隔複写設定システム1では、PC10において保持される画像データをMFP20において印刷させるPCプリント処理と、PC10において指定された複写条件で複写ジョブを実行させる遠隔複写処理とを行うことができる。
【0028】
ここでは、PC10上で指定した複写条件からなる複写設定情報をMFP20へ転送することによって、MFP20における複写ジョブのための複写条件を自動設定させることを遠隔複写設定と呼ぶことにする。
【0029】
PC10は、デスクトップ画面などが表示されるディスプレイ11と、キーボード、マウスからなる操作部12とを有する端末装置である。このPC10には、印刷用の画像データを含むプリントデータを生成し、LAN2を介していずれかのMFP20へ送信するためのプリンタドライバがインストールされている。プリントデータは、印刷対象の画像データ、当該画像データの印刷条件、MFP20に印刷を指示するための印刷要求コマンドなどからなり、ユーザ操作による所定の印刷指示に基づいて作成される。
【0030】
MFP20は、スキャナ機能、プリンタ機能、FAX(ファクシミリ)機能、複写機能、電子メールの送受信機能を有し、これらの機能を選択的に実行させることができる画像形成装置であり、操作パネルには、ディスプレイ21及び操作部22が設けられている。
【0031】
このMFP20は、複写処理及び端末出力処理を行うとともに、PC10から複写処理のための複写条件を指定することができる。複写処理では、原稿から読み取った画像データが記録紙に印刷される。端末出力処理では、LAN2を介してPC10からプリントデータとして受信した画像データが記録紙に印刷される。記録紙は、画像データを印刷するための印刷用紙であり、所定の紙媒体からなる。
【0032】
MFP20では、PC10において作成された複写設定情報を受信した場合に、複写条件の遠隔設定情報として登録し、その登録情報に基づいて、光学読取処理及び印刷処理からなる複写ジョブを実行する。
【0033】
<PCプリントの印刷設定>
図2は、図1のPC10においてディスプレイ11上に表示される印刷条件編集画面3の一例を示した図である。この印刷条件編集画面3は、印刷条件を指定するための入力画面であり、印刷対象の文書データを指定した所定の印刷指示に基づいてディスプレイ11上に表示される。例えば、文書データの編集画面において、編集画面上の印刷ボタンを操作することによって、印刷条件編集画面3を表示することができる。
【0034】
印刷条件編集画面3には、PCプリントのための複数の設定項目について、設定項目ごとに設定値を入力するための入力欄31〜37と、遠隔複写設定選択ボタン38、OKボタン39及びキャンセルボタン40とが配置されている。入力欄31は、複数ページからなる一連の文書データを印刷する際の印刷部数を指定するための入力領域からなる。入力欄32は、印刷用紙のサイズを指定するための入力領域からなり、例えば、A3〜A5、B4又はB5のいずれかを選択することができる。
【0035】
入力欄33は、印刷の向きを指定するための入力領域からなり、縦方向又は横方向のいずれかを選択することができる。入力欄34は、印刷時の給紙方法を指定するための入力領域からなり、自動選択又は手動選択のいずれかを選択することができる。入力欄35は、印刷用紙の種類を指定するための入力領域からなり、例えば、普通紙、厚紙又はOHPシートのいずれかを選択することができる。
【0036】
入力欄36は、集約印刷機能を選択するための入力欄であり、集約印刷機能の選択時には、詳細設定画面が表示され、「2in1」、「4in1」、「8in1」などを選択することができる。「Nin1」は、Nページ分の文書データを1枚の印刷用紙の片面に縮小印刷させる印刷条件である。入力欄37は、両面印刷機能を選択するための入力欄であり、両面印刷機能の選択時には、詳細設定画面が表示され、両面印刷、小冊子印刷などの印刷方法を選択することができる。小冊子印刷とは、複数ページからなる一連の文書データを複数の印刷用紙に印刷して冊子を作成する際に綴じ込み易いように印刷させる印刷方法のことである。
【0037】
印刷条件の設定項目としては、上述したものの他に、原稿サイズ、解像度、ズーム倍率を指定し、或いは、トナーセーブ印刷機能を選択するための項目がある。この様に印刷条件は、設定項目ごとの複数の指定値によって構成される条件セットからなる。
【0038】
印刷条件編集画面3では、ユーザが予め指定した印刷条件が初期値として指定されている。また、ユーザは、印刷条件編集画面3に対する所定の編集操作によって、印刷条件を変更することができる。
【0039】
OKボタン39は、印刷条件を確定させるための確定ボタンであり、所定の操作アイコンからなる。OKボタン39を操作することにより、印刷条件を確定させ、プリントデータをMFP20へ送信することができる。キャンセルボタン40は、印刷指示を取り消すための取消ボタンであり、所定の操作アイコンからなる。キャンセルボタン40を操作することにより、印刷条件編集画面3を表示してからキャンセルボタン40が操作されるまでの間に入力された入力情報を無効化して元の編集画面へ復帰させることができる。
【0040】
遠隔複写設定選択ボタン38は、遠隔複写設定フラグを有効化するための遠隔設定有効化ボタンであり、所定の操作アイコンからなる。遠隔複写設定フラグは、遠隔複写設定を行う場合と行わない場合とで状態が異なるデータを格納するための記憶領域からなる。遠隔複写設定選択ボタン38を操作することによって遠隔複写設定フラグが有効化されれば、OKボタン39の操作によって確定した印刷条件が、プリントデータの送信後も保持され、複写条件の設定値として利用される。上記印刷条件は、遠隔複写設定フラグが有効化された場合、例えば、プリンタドライバによってファイル化され、所定の常時監視フォルダ内に格納される。
【0041】
OKボタン39は、例えば、編集画面3上でマウスポインタ41を移動させ、OKボタン39上でマウスをクリックすることにより、操作することができる。OKボタン39の操作によって確定した印刷条件は、遠隔複写設定フラグが有効化されている場合、印刷設定ファイルとして常時監視フォルダ内に格納される。そして、印刷設定ファイルが常時監視フォルダ内に格納されれば、遠隔複写設定編集用のアイコンをデスクトップ画面に表示するか否かをユーザに問い合わせるための所定の照会画面が表示される。
【0042】
<照会画面>
図3は、図1のPC10においてデスクトップ画面4に表示される照会画面5の一例を示した図である。この照会画面5は、遠隔複写設定編集用アイコンをデスクトップ画面4に表示するか否かをユーザに照会するためのダイアログ画面であり、常時監視フォルダ内に印刷設定ファイルが格納されたことを検知することによって表示される。
【0043】
照会画面5には、作成ボタン51及びキャンセルボタン52が配置されている。作成ボタン51は、遠隔複写設定編集用アイコンの表示機能を選択するための操作アイコンである。作成ボタン51を操作することにより、遠隔複写設定編集用アイコンをデスクトップ画面4上に表示させることができる。キャンセルボタン52は、遠隔複写設定機能の選択を取り消すための操作アイコンである。デスクトップ画面4は、ディスプレイ11上に表示される背景画面であり、各種のアプリケーションプログラムを起動させるための複数の操作アイコンが配置されている。
【0044】
<遠隔複写設定>
図4は、図1のPC10においてディスプレイ11上に表示される複写条件編集画面6の一例を示した図である。この複写条件編集画面6は、複写条件を指定するための入力画面であり、印刷条件編集画面3内の遠隔複写設定選択ボタン38を操作することによって遠隔複写設定フラグが有効化された場合に表示される。複写条件編集画面6は、例えば、照会画面5内の作成ボタン51の操作に基づいて表示される。
【0045】
複写条件編集画面6には、複写条件の複数の設定項目について、設定項目ごとに設定値を入力するための入力欄61〜63と、設定ボタン64及びキャンセルボタン65とが配置されている。入力欄61は、複数枚の原稿を読み取って複数枚の記録紙に印刷する際の複写部数を指定するための入力領域からなる。入力欄62は、原稿のサイズを指定するための入力領域からなり、例えば、自動指定又は手動指定のいずれかを選択することができる。入力欄63は、記録紙のサイズを指定するための入力領域からなり、例えば、A3〜A5、B4又はB5のいずれかを選択することができる。
【0046】
複写条件の設定項目としては、上述したものの他に、電子ソートコピー、両面コピー、エコノミーコピー、集約コピーの各機能を選択するための項目がある。電子ソートコピーは、複数枚の原稿から読み取った読取画像を電子的に並べ替えて印刷させる複写方法である。両面コピーは、1枚の原稿の両面を自動的に読み取り、得られた読取画像を1枚の記録紙の各面にそれぞれ印刷させる複写方法である。
【0047】
エコノミーコピーは、印刷時の解像度を下げることによってトナーを節約する複写方法である。集約コピーは、複数枚の原稿から読み取った読取画像を1枚の記録紙の片面に縮小して印刷させる複写方法である。これらの機能を選択した場合には、複写条件を詳細に指定するための詳細設定画面が表示される。この詳細設定画面では、原稿の読取方法と記録紙への印刷方法とを細かく指定することができる。この様に複写条件は、設定項目ごとの複数の指定値によって構成される条件セットからなる。
【0048】
複写条件編集画面6及び上記詳細設定画面では、プリントデータとして画像データと共に送信された印刷条件が複写条件の初期値として指定されている。すなわち、印刷条件編集画面3内のOKボタン39の操作によって確定した印刷条件がそのまま複写条件の初期値として予め入力されている。具体的には、プリンタドライバの印刷設定と共通の設定項目について、プリントデータの印刷条件が複写条件の初期値として入力されている。
【0049】
一方、プリンタドライバの印刷設定と共通でない設定項目については、デフォルト設定として予め登録された指定値が複写条件の初期値として入力されている。複写条件編集画面6及び詳細設定画面内の複写条件は、所定の編集操作によって変更することができる。
【0050】
設定ボタン64は、複写条件を確定させるための確定ボタンであり、所定の操作アイコンからなる。設定ボタン64を操作することにより、複写条件を確定させ、遠隔複写設定情報としてMFP20へ送信することができる。キャンセルボタン65は、遠隔複写設定機能の選択を取り消すための取消ボタンであり、所定の操作アイコンからなる。キャンセルボタン65を操作することにより、複写条件編集画面6を表示してからキャンセルボタン65が操作されるまでの間に入力された入力情報を無効化して元のデスクトップ画面4へ復帰させることができる。
【0051】
<MFPの選択画面>
図5は、図1のPC10において複写条件編集画面6上に表示される選択画面7の一例を示した図である。この選択画面7は、遠隔複写設定情報の送信先とするMFP20を選択するためのダイアログ画面であり、例えば、複写条件編集画面6内の設定ボタン64の操作に基づいて表示される。
【0052】
選択画面7には、遠隔複写設定が可能なMFP20がサポート機器として一覧表示され、いずれかのMFP20を遠隔複写設定情報の送信先として指定することができる。サポート機器のいずれかを選択してOKボタン71を操作すれば、当該MFP20へ遠隔複写設定情報を転送することができる。
【0053】
<遠隔複写設定編集用アイコン>
図6は、図1のPC10においてデスクトップ画面4に表示される遠隔複写設定編集用アイコン8の一例を示した図である。図中の(a)には、遠隔複写設定編集用アイコン8が示され、(b)には、編集用アイコン8の操作によって表示された選択画面81が示されている。
【0054】
この遠隔複写設定編集用アイコン8は、MFP20へ送信された複写条件を編集するための操作アイコンであり、照会画面5内の作成ボタン51が操作された場合に、表示される。遠隔複写設定編集用アイコン8は、例えば、複写条件編集画面6内の設定ボタン64の操作に基づいて表示される。
【0055】
選択画面81は、ウォームアップボタン82及び編集ボタン82が配置されたダイアログ画面である。ウォームアップボタン82は、MFP20に対し、印刷処理を行うための温度制御の開始を指示するための操作アイコンである。編集ボタン83は、MFP20が保持する遠隔複写設定情報を編集するための操作アイコンである。
【0056】
編集ボタン83を操作することにより、MFP20に対し、遠隔複写設定情報の転送要求が送信され、MFP20から受信した遠隔複写設定情報に基づいて、複写条件編集画面6が表示される。編集ボタン83の操作によって表示される複写条件編集画面6では、MFP20に遠隔複写設定情報として登録されている複写条件が設定値として予め入力されている。そして、複写条件編集画面6に対する編集操作によって、複写条件を編集した後、設定ボタン64を操作すれば、編集後の複写条件によってMFP20の登録情報を変更することができる。この様な遠隔複写設定編集用アイコン8及び選択画面81は、ガジェット又はウィジェットと呼ばれる所定のアプリケーションプログラムによって表示される。
【0057】
<MFP上のメニュー画面>
図7は、図1のMFP20における操作パネルの一例を示した図であり、メニュー画面が表示されたディスプレイ21と、スタートキー、ストップキー、テンキーが配置された操作部22とが示されている。ディスプレイ21上のメニュー画面には、複数の機能選択ボタン91と、応用コピー選択ボタン92とが配置されている。
【0058】
機能選択ボタン91は、コピー、FAX、スキャナ、プリンタなどの各種機能を選択するための操作アイコンである。応用コピー選択ボタン92は、PC10から受信した遠隔複写設定情報を利用して複写条件を指定するための操作アイコンであり、ユーザ単位で作成される。応用コピーモードでは、いずれかの応用コピー選択ボタン92を操作することにより、当該応用コピー選択ボタン92のユーザに関連づけて登録されている遠隔複写設定情報によって複写条件が自動設定される。
【0059】
<端末装置>
図8は、図1のPC10の構成例を示したブロック図である。このPC10は、ディスプレイ11、操作部12、画像データ記憶部101、プリンタドライバ記憶部102、印刷条件記憶部103、印刷設定部104、ネットワーク通信部105、常時監視フォルダ106及び複写設定部107により構成される。
【0060】
操作部12は、ユーザによるマウスの操作及びキーボードの操作を検出して所定の入力信号を生成し、印刷設定部104及び複写設定部107へ出力する。画像データ記憶部101には、予め作成された複数の画像データが保持される。画像データとしては、文字、記号などを示すコード情報からなる文書データの他に、写真などのイメージデータからなるものなど、各種フォーマットのものがある。
【0061】
プリンタドライバ記憶部102には、予めインストールされた複数のプリンタドライバが保持される。プリンタドライバは、MFP20を制御してプリントデータを印刷させるための印刷用のソフトウェアであり、文書作成用の所定のアプリケーションプログラムによって作成された文書データをPDL(ページ記述言語)データへ変換する。印刷条件記憶部103には、ユーザが指定した印刷条件がユーザ指定印刷条件として保持される。
【0062】
印刷設定部104は、編集画面表示部111、印刷条件編集部112、プリントデータ生成部113、遠隔複写設定制御部114及び遠隔複写設定フラグ115からなるプリンタドライバの実行部である。印刷設定部104では、操作部12からの入力信号に基づいて、PCプリントのための各種印刷設定を行い、プリントデータを作成してMFP20へ送信する処理が行われる。
【0063】
編集画面表示部111は、実行ドライバとして予め登録されたプリンタドライバを用いて印刷条件編集画面3を表示するための画面データを生成し、ディスプレイ11へ出力する。印刷条件編集画面3は、ユーザ指定印刷条件、OKボタン39、キャンセルボタン40及び遠隔複写設定選択ボタン38が配置された入力画面であり、印刷対象の文書データを指定した所定の印刷指示に基づいて表示される。
【0064】
印刷条件編集部112は、所定の編集操作に基づいて、印刷条件編集画面3内の印刷条件を変更すべく印刷条件記憶部103内のユーザ指定印刷条件を書き換える。
【0065】
プリントデータ生成部113は、印刷指示に基づいて画像データ記憶部101から画像データを読み出し、実行ドライバを用いてプリントデータを生成する。プリントデータは、画像データをPDLなどの所定のフォーマットからなるデータに変換することによって作成される。プリントデータに含まれる印刷条件は、印刷条件編集画面3内のOKボタン39の操作に基づいて決定される。
【0066】
ネットワーク通信部105は、LAN2を介してパケットデータの送受信を行う送受信部である。プリントデータは、所定の通信プロトコル、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づいてパケット化され、印刷設定部104からの指示に基づいて、LAN2経由でMFP20へ送信される。また、プリントデータは、実行機器として予め登録されたMFP20を送信先として送信される。
【0067】
遠隔複写設定制御部114は、遠隔複写設定選択ボタン38の操作に基づいて、遠隔複写設定フラグ115を有効化する。この遠隔複写設定制御部114では、遠隔複写設定フラグ115を有効化した場合、OKボタン39の操作によって確定した印刷条件をファイル化して常時監視フォルダ106内に格納する処理が行われる。
【0068】
常時監視フォルダ106は、複写設定部107によって印刷条件の有無が常時監視される印刷条件記憶部であり、MFP20に対し、画像データと共に送信する印刷条件が保持される。具体的には、プリントデータとして送信された印刷条件からなる印刷設定ファイルが保持される。印刷設定ファイルは、プリントデータの送信後も保持される。
【0069】
複写設定部107は、操作部12からの入力信号に基づいて、MFP20に複写ジョブを実行させるための各種複写設定を行い、複写条件からなる遠隔複写設定情報を複写設定ファイルとしてMFP20へ送信する。複写設定ファイルは、常時監視フォルダ106内に格納された印刷設定ファイルに基づいて作成され、ネットワーク通信部105を介してMFP20へ送信される。
【0070】
<複写設定部>
図9は、図8の複写設定部107の構成例を示したブロック図である。この複写設定部107は、複写条件生成部121、複写条件記憶部122、編集制御部123、ユーザ識別情報記憶部124、複写条件送信部125、遠隔設定照会部126、選択画面表示部127、編集用アイコン表示部128及び転送要求送信部129により構成される。
【0071】
複写条件生成部121は、常時監視フォルダ106内に格納された印刷設定ファイルに基づいて、複写条件を生成し、複写条件記憶部122内に格納する。具体的には、プリントデータとして送信された印刷条件が、そのまま複写条件として指定される。
【0072】
編集制御部123は、編集画面表示部131及び複写条件編集部132からなり、ユーザ操作に基づいて、遠隔複写設定を行う。編集画面表示部131は、複写条件記憶部122内の複写条件に基づいて、複写条件編集画面6を表示するための画面データを生成し、ディスプレイ11へ出力する。複写条件編集画面6は、複数の設定項目、設定ボタン64及びキャンセルボタン65が配置された入力画面であり、複写条件記憶部122内に格納された設定項目ごとの複写条件が初期値として指定されている。複写条件編集画面6は、印刷条件編集画面3内の遠隔複写設定選択ボタン38を操作することによって遠隔複写設定フラグ115が有効化された場合、ユーザ指定印刷条件の編集後であって、プリントデータの送信後に表示される。
【0073】
複写条件編集部132は、複写条件編集画面6に対する所定の編集操作に基づいて、複写条件を編集し、複写条件記憶部122内の複写条件を書き換える。複写条件送信部125は、複写条件編集画面6内の設定ボタン64の操作に基づいて、複写条件を決定し、複写条件からなる遠隔複写設定情報をネットワーク通信部105へ出力する。この遠隔複写設定情報は、ファイル化され、複写設定ファイルとしてLAN2経由でMFP20へ送信される。
【0074】
ユーザ識別情報記憶部124には、ユーザを識別するためのユーザ識別情報として、ユーザ名などが保持される。このユーザ識別情報は、ユーザにより予め指定され、複写設定ファイルとして遠隔複写設定情報と共にMFP20へ送信される。
【0075】
遠隔設定照会部126は、LAN2上の複数のMFP20に対し、所定の確認要求を送信し、遠隔複写設定が可能であるか否かを問い合わせる。確認要求は、例えば、複写条件編集画面6内の設定ボタン64の操作に基づいて、LAN2を介して接続された全てのMFP20を送信先としてブロードキャスト送信される。
【0076】
選択画面表示部127は、遠隔設定照会部126の照会結果に基づいて、ユーザに複写設定ファイルの送信先を選択させる選択画面7を表示するための画面データを生成し、ディスプレイ11へ出力する。選択画面7は、MFP20の識別情報が配置されたダイアログ画面であり、MFP20から受信した確認応答に基づいて、遠隔複写設定が可能なMFP20をリストアップすることによって作成される。
【0077】
複写条件送信部125では、選択画面7上で選択されたMFP20を送信先として複写設定ファイルが送信される。また、複写設定ファイルをMFP20へ送信した後、常時監視フォルダ106内の印刷設定ファイルと、複写条件記憶部122内の複写条件とは、削除される。
【0078】
編集用アイコン表示部128は、遠隔複写設定編集用アイコン8をデスクトップ画面4に表示するための表示データを生成し、ディスプレイ11へ出力する。遠隔複写設定編集用アイコン8は、MFP20が保持する遠隔複写設定情報を編集するための操作アイコンであり、複写条件編集画面6内の設定ボタン64の操作に基づいて表示される。遠隔複写設定編集用アイコン8を操作すれば、選択画面81が表示される。
【0079】
転送要求送信部129は、選択画面81内の編集ボタン83の操作に基づいて、MFP20に対し、複写設定ファイルの転送要求を送信する。編集画面表示部131では、MFP20から受信した複写設定ファイルに基づいて、複写条件編集画面6を表示する処理が行われる。編集ボタン83を操作することによって表示される複写条件編集画面6では、MFP20へ複写設定ファイルとして送信された複写条件が、初期値として指定されている。
【0080】
また、複写条件編集画面6内の設定ボタン64を操作することにより、複写条件が決定される。このとき、複写条件編集画面6を表示してから設定ボタン64が操作されるまでの間に、複写条件が変更されていれば、変更後の複写条件に基づいて、MFP20に登録されている遠隔複写設定情報を変更するための変更要求が生成され、ネットワーク通信部105を介してMFP20へ送信される。
【0081】
<プリンタドライバ>
図10のステップS101〜S106は、図8のPC10におけるプリンタドライバの動作の一例を示したフローチャートである。まず、印刷設定部104は、印刷条件編集画面3をディスプレイ11上に表示し、ユーザにより各種印刷設定が入力されれば、入力情報に基づいて、印刷条件記憶部103内のユーザ指定印刷条件を書き換える(ステップS101,S102)。
【0082】
次に、印刷設定部104は、印刷条件編集画面3内の選択ボタン38が操作されれば、ユーザ指定印刷条件を印刷設定ファイルとして常時監視フォルダ106内に格納する(ステップS103,S104)。ステップS102からステップS104までの処理手順は、印刷条件編集画面3内のOKボタン39が操作されるまで繰り返され(ステップS105)、OKボタン39が操作されれば、プリントデータがMFP20へ送信される(ステップS106)。
【0083】
<複写設定ソフト>
図11及び図12のステップS201〜S218は、図8のPC10における複写設定部107の動作の一例を示したフローチャートであり、複写設定ソフトの動作例が示されている。まず、複写設定部107は、常時監視フォルダ106内に印刷設定ファイルが格納されれば、照会画面5を表示する(ステップS201,S202)。
【0084】
次に、複写設定部107は、照会画面5内の作成ボタン51を操作することによって遠隔複写設定編集用アイコン8の作成が選択されれば、常時監視フォルダ106内に印刷設定ファイルとして保持されている印刷条件から複写条件を生成し、複写条件編集画面6を表示する(ステップS203,S204)。一方、キャンセルボタン52が操作された場合には、常時監視フォルダ106内の印刷設定ファイルが削除され、ステップS201へ移行する(ステップS216)。
【0085】
編集制御部123は、複写条件編集画面6の表示後、所定の編集操作によって複写条件が変更されれば、複写条件記憶部122内の複写条件を書き換える(ステップS205,S206)。ステップS205,S206の処理手順は、複写条件編集画面6内の設定ボタン64が操作されるまで繰り返される(ステップS207)。そして、設定ボタン64が操作されれば、遠隔複写設定が可能であるか否かを照会するための確認要求がLAN2上の各MFP20へ送信される(ステップS208)。
【0086】
次に、複写設定部107は、遠隔複写設定が可能なサポート機器があれば、選択画面7を表示する(ステップS209,S210)。一方、サポート機器がなかった場合には、遠隔複写設定が不可であることを示すメッセージが表示され、常時監視フォルダ106内の印刷設定ファイルを削除してステップS201へ移行する(ステップS209,S217,S218)。
【0087】
複写設定部107は、選択画面7の表示後、ユーザによりいずれかのMFP20が選択されれば、複写条件を決定し、選択されたMFP20を送信先として、ユーザ識別情報と共に遠隔複写設定情報を送信する(ステップS211〜S213)。
【0088】
次に、複写設定部107は、遠隔複写設定編集用アイコン8をデスクトップ画面4上に表示し、常時監視フォルダ106内の印刷設定ファイルを削除してステップS201へ移行する(ステップS214,S215)。
【0089】
図13のステップS301〜S306は、図8のPC10における編集ボタン83の操作時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、複写設定部107は、選択画面81内の編集ボタン81が操作されれば、遠隔複写設定情報の送信先として登録されているMFP情報を用いてLAN2上のMFP20にアクセスする。そして、MFP20から遠隔複写設定情報として登録されている複写設定ファイルを取得し、複写条件記憶部122内に格納する(ステップS301)。
【0090】
次に、複写設定部107は、取得した複写設定ファイルに基づいて、複写条件編集画面6を表示する(ステップS302)。複写設定部107は、複写条件編集画面6の表示後、所定の編集操作によって複写条件が変更されれば、複写条件記憶部122内の複写条件を書き換える(ステップS303,S304)。ステップS303,S304の処理手順は、複写条件編集画面6内の設定ボタン64が操作されるまで繰り返される(ステップS305)。そして、設定ボタン64が操作されれば、複写条件を決定し、遠隔複写設定情報からなる複写設定ファイルが転送元のMFP20へ送信される(ステップS306)。
【0091】
<MFP>
図14は、図1のMFP20の構成例を示したブロック図である。このMFP20は、ディスプレイ21、操作部22、ネットワーク通信部201、受信データ記憶部202、複写制御部203、光学読取部204、印刷部205及び応用コピーボタン表示部206により構成される。
【0092】
ネットワーク通信部201は、LAN2を介してパケットデータの送受信を行う送受信部であり、受信したプリントデータ及び遠隔複写設定情報は、受信データ記憶部202内に格納される。受信データ記憶部202には、プリントデータ211、複数の複写設定ファイル212などが保持される。複写設定ファイル212は、転送元端末の識別情報と共にユーザ識別情報213に関連づけて保持される。
【0093】
操作部22は、ユーザ操作を検出して所定の入力信号を生成し、複写制御部203及び応用コピーボタン表示部206へ出力する。光学読取部204は、原稿を光学的に読み取り、画像データを生成する。印刷部205は、画像データを記録紙に印刷する。
【0094】
複写制御部203は、操作部22からの入力信号に基づいて、光学読取部204及び印刷部205を制御し、光学読取処理及び印刷処理からなる複写処理を実行する。応用コピーボタン表示部206は、応用コピーモードが選択された場合に、所定の応用コピー選択ボタン92をディスプレイ21のメニュー画面内に表示する。応用コピー選択ボタン92は、遠隔複写設定情報が複写設定ファイル212として受信データ記憶部202内に登録されているユーザについて、ユーザごとに表示される。
【0095】
複写制御部203では、応用コピー選択ボタン92を操作することによって遠隔複写設定機能が選択されれば、受信データ記憶部202から対応する複写設定ファイル212を読み出し、当該複写設定ファイルにおいて指定された複写条件に基づいて、複写ジョブを実行する。複写ジョブは、例えば、スタートキーの操作に基づいて開始される。
【0096】
<複写設定情報の登録>
図15のステップS401〜S403は、図14のMFP20における複写設定情報の登録時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、ネットワーク通信部201は、PC10から複写設定ファイルを受信した場合、ユーザ識別情報213に関連づけて受信データ記憶部202内に格納する(ステップS401,S402)。
【0097】
次に、応用コピーボタン表示部206は、受信データ記憶部202内に複写設定ファイル212として遠隔複写設定情報が格納されれば、応用コピー選択ボタン92をメニュー画面内に表示する(ステップS403)。
【0098】
<コピー時の動作>
図16のステップS501〜S507は、図14のMFP20におけるコピー時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、複写制御部203は、ユーザにより応用コピー選択ボタン92が操作されれば、受信データ記憶部202内に登録されている遠隔複写設定情報を参照し、遠隔複写設定情報において指定された複写条件を今回の複写ジョブの設定値として登録する(ステップS501,S502)。
【0099】
次に、複写制御部203は、操作部22のスタートキーが操作されれば、ステップS502において登録された設定値に従って、複写ジョブを実行する(ステップS503,S504)。
【0100】
一方、応用コピー選択ボタン92が操作されなかった場合には、ユーザにより手動入力された複写条件が今回の複写ジョブの設定値として登録される(ステップS501,S505)。そして、スタートキーが操作されれば、ステップS505において登録された設定値に従って、複写ジョブが実行される(ステップS506,S507)。
【0101】
本実施の形態によれば、PC10が、プリントデータとして画像データと共にMFP20へ送信した印刷条件から複写条件を生成し、遠隔複写設定情報としてMFP20へ送信する。このため、MFP20では、PC10から受信した遠隔複写設定情報によって複写条件を自動設定し、複写ジョブを実行することができる。従って、PC10において複写条件の設定を行うので、MFP20上で複写設定を行う場合に比べて複写条件を設定する際の操作手順を簡素化することができる。さらに、端末出力処理のための印刷条件を複写条件として流用するので、複写条件の各設定項目に設定値を入力する手間を省くことができる。また、複写条件編集画面6に対する所定の編集操作によって複写条件を編集することができるので、ユーザは、MFP20に対し遠隔設定しようとする複写条件を必要に応じて変更することができる。
【0102】
また、LAN2を介して接続された複数のMFP20のうち、遠隔複写設定が可能なMFP20を自動的に検索して選択画面7を表示させることができる。このため、ユーザは、選択画面7上でMFP20を選択することにより、複写設定ファイルの送信先を遠隔複写設定可能なMFP20の中から任意に指定することができる。
【0103】
また、複写条件編集画面6内の設定ボタン64の操作によって遠隔複写設定編集用アイコン8がデスクトップ画面4上に表示されるので、遠隔複写設定情報がMFP20に登録されていることを容易に認識することができる。さらに、遠隔複写設定編集用アイコン8を操作することによって、MFP20に登録されている遠隔複写設定情報を編集することができる。
【0104】
なお、本実施の形態では、印刷設定ファイルから生成した複写条件が設定値として入力された複写条件編集画面6を表示し、編集後の複写条件を複写設定ファイルとしてMFP20へ送信する場合の例について説明したが、本発明はこの様な構成に限定されるものではない。例えば、印刷設定ファイルから生成した複写条件をそのまま複写設定ファイルとしてMFP20へ送信するような構成のものも本発明には含まれる。
【0105】
また、本実施の形態では、常時監視フォルダ106内に印刷設定ファイルが格納されたことを検知して照会画面5を表示し、照会画面5上の作成ボタン51を操作することによって複写条件編集画面6が表示される場合の例について説明したが、本発明はその様な構成に限定されるものではない。例えば、常時監視フォルダ106内に印刷設定ファイルが格納されたことを検知して複写条件編集画面6を表示し、複写条件編集画面6上の設定ボタン64を操作することによって照会画面5を表示するような構成であっても良い。
【0106】
また、本実施の形態では、印刷条件編集画面3内に遠隔複写設定を行うか否かを選択するための選択ボタン38が配置される場合の例について説明したが、本発明は遠隔複写設定選択用の操作アイコンの表示態様を図示した構成に限定するものではない。例えば、印刷条件編集画面3内に遠隔複写設定選択用のチェックボックスを配置し、チェックボックスにチェックマークを入力することによって遠隔複写設定フラグ115を有効化するような構成であっても良い。
【0107】
また、本実施の形態では、遠隔複写設定編集用アイコン8を表示するか否かを照会画面5上で選択させる場合の例について説明したが、印刷条件編集画面3又は複写条件編集画面6上で選択させるような構成であっても良い。
【0108】
また、本実施の形態では、複写条件編集画面6内の設定ボタン64を操作することによって、遠隔複写設定が可能であるか否かを照会するための確認要求が自動的にMFP20へ送信され、選択画面7が表示される場合の例について説明したが、本発明はこの様な構成に限定されるものではない。例えば、複写条件編集画面6内に遠隔設定照会用の操作アイコンを配置し、操作アイコンを操作することによって、確認要求をMFP20へ送信し、選択画面7を表示するような構成であっても良い。
【符号の説明】
【0109】
1 遠隔複写設定システム
2 LAN
3 印刷条件編集画面
38 遠隔複写設定選択ボタン
39 OKボタン
4 デスクトップ画面
5 照会画面
6 複写条件編集画面
64 設定ボタン
7 選択画面
8 遠隔複写設定編集用アイコン
81 選択画面
82 ウォームアップボタン
83 編集ボタン
92 応用コピーボタン
10 PC
11 ディスプレイ
12 操作部
101 文書データ記憶部
102 プリンタドライバ記憶部
103 印刷条件記憶部
104 印刷設定部
105 ネットワーク通信部
106 常時監視フォルダ
107 複写設定部
111 編集画面表示部
112 印刷条件編集部
113 プリントデータ生成部
114 遠隔複写設定制御部
115 遠隔複写設定フラグ
121 複写条件生成部
122 複写条件記憶部
123 編集制御部
124 ユーザ識別情報記憶部
125 複写条件送信部
126 遠隔設定照会部
127 選択画面表示部
128 編集用アイコン表示部
129 転送要求送信部
131 編集画面表示部
132 複写条件編集部
20 MFP
21 ディスプレイ
22 操作部
201 ネットワーク通信部
202 受信データ記憶部
203 複写制御部
204 光学読取部
205 印刷部
206 応用コピーボタン表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置と、
通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に接続された端末装置とを備え、
上記画像形成装置は、上記光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、上記端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行うとともに、上記端末装置から上記複写処理のための複写条件を指定することができる遠隔複写設定システムにおいて、
上記端末装置は、上記画像形成装置に対し、上記端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を保持する印刷条件記憶部と、
上記印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成部と、
上記通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に対し、上記複写条件を送信する複写条件送信部とを備えたことを特徴とする遠隔複写設定システム。
【請求項2】
通信ネットワークを介して、光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置に接続された端末装置であって、
上記光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、上記端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行う上記画像形成装置に対し、上記複写処理のための複写条件を指定する端末装置において、
上記画像形成装置に対し、上記端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を保持する印刷条件記憶部と、
上記印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成部と、
上記通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に対し、上記複写条件を送信する複写条件送信部とを備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項3】
上記複写条件生成部により生成された複写条件からなる複写条件編集画面を表示する複写条件編集画面表示部と、
上記複写条件編集画面に対する編集操作に基づいて、上記複写条件を編集する複写条件編集部とを備え、
上記複写条件送信部は、編集後の複写条件を上記画像形成装置へ送信することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
上記通信ネットワーク上の2以上の上記画像形成装置に対し、遠隔複写設定が可能であるか否かを問い合わせる遠隔設定照会部と、
上記遠隔設定照会部の照会結果に基づいて、画像形成装置を選択するための選択画面を表示する選択画面表示部とを備え、
上記複写条件送信部は、上記選択画面上で選択された画像形成装置へ上記複写条件を送信することを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を保持するユーザ識別情報記憶部を備え、
上記複写条件送信部は、上記ユーザ識別情報と共に上記複写条件を上記画像形成装置へ送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の端末装置。
【請求項6】
印刷対象の画像データを指定した印刷指示に基づいて、遠隔複写設定選択ボタンが配置された印刷条件編集画面を表示する印刷条件編集画面表示部と、
上記印刷条件編集画面に対する編集操作に基づいて、上記印刷条件を編集する印刷条件編集部と、
上記遠隔複写設定選択ボタンの操作に基づいて、遠隔複写設定フラグを有効化する遠隔複写設定制御部とを備え、
上記複写条件編集画面表示部は、上記遠隔複写設定フラグが有効化された場合、上記印刷条件の編集後に上記複写条件編集画面を表示することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の端末装置。
【請求項7】
上記画像形成装置へ送信された複写条件を編集するための遠隔複写設定編集用アイコンを背景画面上に表示する編集用アイコン表示部と、
上記遠隔複写設定編集用アイコンの操作に基づいて、上記画像形成装置に対し、複写条件の転送要求を送信する転送要求送信部とを備え、
上記複写条件編集画面表示部は、上記画像形成装置から受信した複写条件からなる上記複写条件編集画面を表示することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の端末装置。
【請求項8】
通信ネットワークを介して、光学読取部及び印刷部を有する画像形成装置に接続された端末装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
上記光学読取部から出力される画像データを記録媒体に印刷する複写処理と、上記端末装置から受信した画像データを記録媒体に印刷する端末出力処理とを行う上記画像形成装置に対し、上記複写処理のための複写条件を指定するためのコンピュータプログラムにおいて、
上記画像形成装置に対し、上記端末出力処理のために画像データと共に送信する印刷条件を記憶する印刷条件記憶ステップと、
上記印刷条件に基づいて、複写条件を生成する複写条件生成ステップと、
上記通信ネットワークを介して、上記画像形成装置に対し、上記複写条件を送信する複写条件送信ステップとを備えたことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−175382(P2012−175382A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35128(P2011−35128)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】