遠隔読影システム及び読影管理装置
【課題】遠隔読影の依頼元と依頼先において、読影に関する料金を算出する際の労力や時間を軽減できる遠隔読影システム及び読影管理装置を提供する。
【解決手段】管理装置5は、病院2においては読影依頼時に、読影拠点3においては読影結果レポートの生成が完了した時点で、読影依頼に関する依頼情報I2を生成する。
そして、管理装置5は、過去に生成した依頼情報I2を基に、依頼情報I2に含まれる各情報の集計を行う。そして、このように生成した依頼情報I2と、予め登録された料金情報とを使用して、読影拠点3から病院2に対して送付されるべき請求書を自動的に作成することができる。
【解決手段】管理装置5は、病院2においては読影依頼時に、読影拠点3においては読影結果レポートの生成が完了した時点で、読影依頼に関する依頼情報I2を生成する。
そして、管理装置5は、過去に生成した依頼情報I2を基に、依頼情報I2に含まれる各情報の集計を行う。そして、このように生成した依頼情報I2と、予め登録された料金情報とを使用して、読影拠点3から病院2に対して送付されるべき請求書を自動的に作成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用画像の遠隔読影をサポートする遠隔読影システム及び読影管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CR(computed radiography:コンピュータ放射線撮影)、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴撮影)、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)等、医療用デジタル画像生成技術が普及している。これらの医療用デジタル画像生成技術によって生成された医療用デジタル画像は、例えば読影医による読影や、患者の担当医による診断時に利用される。
【0003】
読影とは、医療用デジタル画像を基に行う画像診断である。
読影医は、読影の結果や所見等を記入した読影レポートを生成する。
このようにして生成された読影レポートは、担当医が患者を診察する際に有効に利用される。
【0004】
ところで、病院等の医療施設において、医療用デジタル画像データの生成は行うが、当該画像データの読影は行わずに、外部の読影拠点に読影を依頼する場合がある。
これは、近年では、医療用デジタル画像データの絶対数が爆発的に増大しており、医療施設において、増大した全ての医療用デジタル画像データの読影を行うための人的・機械的資源が不足しているからである。
【0005】
このように、病院等医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、生成された医療用デジタル画像データの読影を専門に行う読影拠点と、これらを結ぶネットワークとによって構成される遠隔読影システムが登場している。
遠隔読影システムにおいては、医療施設が生成した医療用デジタル画像データがネットワークを介して読影拠点へと送信され、読影拠点において読影専門の医師(読影医)などが読影を行って読影結果レポートを作成し、これを医療施設に送信し返すことにより、医療用デジタル画像データを生成する医療施設からみて遠隔地における読影が行われる。
これにより、多大な量の読影を行うための医療施設の人的・時間的負担が減少することになる。
【0006】
このような遠隔読影システムにおいては、読影が1件行われる度に料金の精算が行われるのではなく、所定の期間(例えば2週間、1ヶ月など)毎に行われた読影の数を基に、料金の精算が行われることが多い。何故なら、読影が1度行われる度に料金の精算を行おうとすると、その手間が煩雑であるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、読影が依頼されてから結果が返送されるまでの時間や、読影を行う読影医の技術、読影箇所(頭部、胸部、腹部等)、検査種別(MRIとCTで価格が異なる)、所定期間あたりの枚数(例えば、1ヶ月に所定枚数以下なら所定の定額料金、所定枚数を超えると1枚あたりいくらで計算する、等)等で1件の読影依頼あたりの料金が変化する契約が読影依頼元と依頼先との間で締結されている場合があり、このような場合には手作業で料金を算出するために多くの労力や時間が必要となる、という不利益が生じることがあった。
また、所定の期間内に行われた読影の数を集計する際に、計数ミスなどにより、依頼元と、依頼先とで読影の依頼件数が食い違ってしまう場合がある。このような場合には、依頼元と依頼先とで料金精算の際にトラブルが発生してしまう、という不利益が生じることがあった。
【0008】
本発明は、このような不利益を解消するためになされたものであり、遠隔読影の依頼元と依頼先において、読影に関する料金を算出する際の労力や時間を軽減できる遠隔読影システム及び読影管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、第1の発明の遠隔読影システムは、医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、前記医療施設と、前記管理施設と、前記読影拠点とを接続するネットワークと、を有し、前記医療施設及び前記読影拠点には、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うための読影管理装置が配置され、前記読影管理装置が、前記医療施設における、前記管理施設に対する前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの送信処理と、前記読影拠点における、前記管理施設から送信される前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの受信処理と、前記読影拠点における、前記管理施設に対する前記読影レポートの送信処理と、前記医療施設における、前記管理施設から送信される前記読影レポートの受信処理と、を実行する読影システムであって、前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する。
【0010】
第2の発明の読影管理装置は、医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、がネットワークを介して接続された遠隔読影システムにおいて、前記医療施設及び前記読影拠点に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うために配置された読影管理装置であって、前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する。
【発明の効果】
【0011】
遠隔読影の依頼元と依頼先において、読影に関する料金を算出する際の労力や時間を軽減できる遠隔読影システム及び読影管理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、遠隔読影システムの構成の一例を示した図である。
【図2】図2は、病院の構成の一例を示した図である。
【図3】図3は、読影拠点の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、DICOMタグの一例を示す図である。
【図5】図5は、管理装置の構成の一例を示した図である。
【図6】図6は、病院において医療用デジタル画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図7】図7は、病院において、端末装置から管理装置に記憶された医療用デジタル画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図8】図8は、第1実施形態における、病院から読影拠点に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
【図9】図9は、第1実施形態における、読影依頼を受信したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図10】図10は、読影依頼の通知を受けた読影拠点の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【図11】図11は、読影依頼を受信したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図12】図12は、読影結果レポートを取得した病院の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【図13】図13は、読影拠点において、行った遠隔読影に対する請求書を作成する場合の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態の遠隔読影システム100について説明する。
図1は、本実施形態の遠隔読影システム100の構成の一例を示した図である。
図1に示すように、遠隔読影システム100では、データセンタ1(本発明の管理施設に対応)、病院2(本発明の医療施設に対応)、読影拠点3(本発明の読影拠点に対応)がネットワーク4を介して互いに接続されている。
【0014】
図1に示すような遠隔読影システム100においては、まず、病院2において医療用デジタル画像データが生成される。そして、病院2内部において生成した医療用デジタル画像データの読影を、外部の読影拠点3へ読影を依頼することが可能に構成されている。病院2から読影拠点3に対して読影を依頼する場合には、データセンタ1を介して医療用デジタル画像データが読影拠点3へと転送される。読影拠点3においては、転送された医療用デジタル画像データを読影医が読影し、読影を行った結果を読影結果レポートとしてまとめ、またデータセンタ1を介して病院2へとレポートを返送する。データセンタ1は、病院2と読影拠点3との間で、医療用デジタル画像データや読影結果レポートの転送制御や管理等を行う。
【0015】
図1に示すように、病院2及び読影拠点3は、画像データや文書データ等を含む各種医療用データの保持や管理を行う管理装置5を有する。また、データセンタ1は、医療用デジタル画像データの保持や転送制御を実行するサーバ装置11を有する。
【0016】
以下、本実施形態の遠隔読影システム100の各構成の詳細について説明する。
図2は、病院2の構成要素の一例を示した図である。
図2に示すように、病院2は、モダリティ21、端末装置22、LAN23、メモリ24、管理装置5を有する。
【0017】
モダリティ21は、X線CT装置、超音波診断装置、MRI装置等、医療用画像を生成可能な各種医療機器である。
X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置は、検査対象に対して全方位から照射されたX線が、それぞれの方向でどの程度検査対象に吸収されたか、を測定し、これを基に検査対象の断層画像を再構成する装置である。
超音波診断(Ultra Sonography)装置は、超音波を発生させて検査対象に投射し、反射した超音波(エコー)を受信するプローブ(探触子)でエコーを受信し、これを基に検査対象内部の画像を再構成する装置である。
【0018】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像)装置は、検査対象に強い磁場を作用させ、体内にある水素原子核を磁気に共鳴させて微弱な電波を発生させ、その電波を受信して画像を生成する。MRIにおいては、CTと同様、得られる画像は断層画像である。
本実施形態のモダリティ21は、特に、デジタル画像を生成可能な医療機器である。モダリティ21は、例えば病院内に設置されており、後述するLAN23を介して、端末装置22に対して画像を転送する。
モダリティ21は、図2に示す病院2内に少なくとも1つ配設される。
モダリティ21は、例えばDICOM規格(DICOM:Digital Imaging and COmmunications in Medicine)に適合した医療用デジタル画像データを生成することができる。すなわち、モダリティ21は、各画像データに対応する患者の個人情報データ(以下患者情報と称する)や画像生成に関する情報(画像の識別ナンバー、画像に写る患部名、画像が生成された日時、生成したモダリティ21の種別・機種名、生成した医師の名前等:以下検査情報と称する)をDICOM規格に従って埋め込んだ医療用デジタル画像データを生成することができる。
【0019】
端末装置22は、例えば医師により使用され、病院内の各種データの管理や閲覧を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。端末装置22は、図2に示す病院2内に少なくとも1つ配設される。
【0020】
LAN23は、例えば病院内に設けられたローカルなネットワークである。
LAN23には、病院内に設置された少なくとも1つのモダリティ21、少なくとも1つの端末装置22、メモリ24、そして後述する管理装置5が接続されている。
LAN23を介して、モダリティ21の生成した医療用デジタル画像データが端末装置22・管理装置5・メモリ24などに転送されたり、メモリ24から各種データが端末装置22に転送されたりする。
メモリ24は、モダリティ21が生成した医療用デジタル画像データと、読影拠点3において生成され管理装置5が取得した読影結果レポートをそれぞれデータベース化して記憶する記憶手段である。
【0021】
管理装置5は、病院2内の医療用デジタル画像データの管理や、病院2の外部に対する医療用デジタル画像データの送受信、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データの管理、端末装置22からの要求に応じて、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データの検索・転送等を行う。
特に、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2から外部の読影施設(読影拠点3)に対して医療用デジタル画像データを転送し、読影を依頼する遠隔読影処理を行うことができるように設計されている。
【0022】
また、管理装置5は、病院2から読影拠点3に対して読影を依頼したときに、当該依頼における各種情報を自動的に集計・管理する機能を有する。この機能を以下では管理装置5の依頼集計機能と称する。なお、依頼における各種情報とは、例えば、読影を依頼する医療用デジタル画像データの枚数、検査部位、検査種別、依頼日時、等である。
また、管理装置5は、上述した依頼集計管理処理により得た各種情報を基に、遠隔読影の依頼に関する料金を自動的に算出し、請求を行う機能を有する。この機能を自動請求書作成機能と称する。
管理装置5の依頼集計機能及び自動請求書作成機能の詳細については後述する。
【0023】
次に、読影拠点3の構成の一例について説明する。
図3は、読影拠点3の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、読影拠点3は、端末装置31と、メモリ32と、管理装置5とを有する。
この管理装置5は、上述した病院2の構成例における管理装置5と同一の構成と機能とを有する。すなわち、管理装置5は、読影を依頼する側(病院2)、読影を依頼される側(読影拠点3)のいずれに設置しても、設置された場所に応じた動作を実行することが可能である。
【0024】
端末装置31は、例えば読影医により使用され、医療用デジタル画像データの閲覧や、医療用デジタル画像データの読影を行った結果(読影結果)を記したレポート(以下読影結果レポート)の作成・編集等を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。
端末装置31は、図3に示す読影拠点3内に少なくとも1つ配設される。
読影拠点3では、病院2からの読影依頼に応じて、データセンタ1から医療用デジタル画像データを受信し、読影を行いその結果を記した読影結果レポートを生成して、データセンタ1へと送付する。データセンタ1が読影結果レポートを病院2に送信することにより、医療用デジタル画像データを生成する施設と読影を行う施設が異なる遠隔読影システムを構築することができる。
メモリ32は、端末装置31を使用して作成された読影結果レポートや、読影結果レポート作成のために使用される各種データを記憶する記憶手段である。
病院2から依頼された読影を行う場合の読影拠点3の各構成の動作例についての詳細は後述する。
【0025】
次に、データセンタ1の構成例について説明する。
データセンタ1は、病院2と読影拠点3の間の医療用デジタル画像データの転送の制御や管理を行う。
データセンタ1は、図1に示すように、サーバ装置11を有する。
サーバ装置11は、図1に示すように、制御部111(本発明の制御手段に対応)及びメモリ112(本発明の記憶手段に対応)を有する。
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して病院2と読影拠点3との間で送受信される医療用デジタル画像データや読影結果レポートを管理するためのサーバである。
制御部111は、サーバ装置11の動作を制御する制御手段である。制御部111は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
メモリ112は、病院2から送信された医療用デジタル画像データや、読影拠点3から送信された読影結果レポートを記憶・保持する記憶手段である。
なお、データセンタ1のサーバ装置11の詳細な動作例については後述する。
【0026】
以下、遠隔読影システム100の動作例について説明する。
まず、病院2内において、モダリティ21により医療用デジタル画像データが生成される。
上述したように、モダリティ21によって生成される医療用デジタル画像データには、各画像データに対応する患者の個人情報データ(患者情報)や画像生成に関する情報(検査情報)がDICOM規格に則って埋め込まれる。
【0027】
DICOM規格について簡単に説明する。
DICOM規格は、医療用デジタル画像データのフォーマットと、画像データを扱う医療用画像機器間の通信プロトコルとを定義した標準規格である。本実施形態においては、医療用デジタル画像データのフォーマットとしてDICOM規格を利用している。
【0028】
DICOM規格では、例えば圧縮された画像データや無圧縮の画像データと、その画像データに関する様々な情報とが1つのファイルに内包されるようになっている。
画像データに関する様々な情報とは、例えば、画像生成日時・画像を生成したモダリティの名称や番号・検査の種類・検査部位などの検査情報、患者の名前・生年月日・年齢などの患者情報等である。このような医療用デジタル画像データに関する様々な情報、すなわち、患者情報と検査情報とを併せて、以下管理情報と称する。
【0029】
DICOM規格では、具体的には、画像データのヘッダ部分に上述した管理情報が記述される。
医療用デジタル画像データが、CTやMRIなど、断層画像を生成するモダリティにより生成された場合には、断層画像のスライス1枚ごとのヘッダ部分に上述した管理情報が書き込まれている。
画像データのヘッダ部分には、最初にDICOMであるという宣言が記述され、次に各データがどの番地から始まるかの記述がなされる。それらの記述の後に、管理情報についての記載がある。
このようにDICOM規格では、画像データのヘッダ部分に様々な情報を含む管理情報が記載される。
【0030】
DICOM規格では、管理情報はタグ(TAG:DICOMタグ)を利用して管理される。
図4は、DICOMタグの一例を示す図である。
図4に示すように、DICOMタグは、16進数で表された組み合わせにより特定される。DICOMタグを仮に(gggg, eeee)と示すと、”gggg”はグループ番号を、”eeee”はエレメント番号を示している。グループ番号とエレメント番号は、タグの中身の情報に対応して割り振られる。例えば、グループ番号”0008”は画像に関する情報、”0010”は患者に関する情報、というように予め決定されており、グループ番号とエレメント番号の組み合わせによって情報の詳細な中身が決定されるようになっている。具体的には、図4に示すように、例えばタグ(0008、0020)は検査日付、(0010、0010)は患者の名前、というように、タグと情報の中身とが一対一で対応する。
【0031】
さて、モダリティ21により生成された医療用デジタル画像データは、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、メモリ24に記憶される。
病院2の医師等、医療従事者が医療用デジタル画像データを使用した各種処理を実行したい場合、医療従事者により端末装置22を介して各種処理の要求がなされる。当該要求は、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、管理装置5は要求された処理を実行する。
病院2における各種処理とは、例えば、医療用デジタル画像データの閲覧、医療用デジタル画像データの検索、病院2外部(例えばサーバ装置11)への医療用デジタル画像データの転送、医療用デジタル画像データの外部へ読影依頼に関する情報の集計・管理、医療用デジタル画像データの外部への転送時におけるデータ暗号化や圧縮等の処理である。
【0032】
次に、病院2から読影拠点3に対して医療用デジタル画像データの読影を依頼する処理(以下読影依頼処理)について説明する。
読影依頼処理において、病院2の医療従事者は、まず、例えば端末装置22を介して、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データの中から、読影を依頼すべき医療用デジタル画像データを選択する。
端末装置22において医療従事者により読影依頼操作がなされると、管理装置5が読影依頼情報I1を生成する。読影依頼情報I1には、例えば、依頼元の病院2の名称、読影依頼を行った医師名、依頼日時、依頼先の読影拠点3の名称等の情報が含まれている。
【0033】
同時に、管理装置5は、読影依頼が行われた正確な時刻及び日付と、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別等の情報を生成する。当該情報を、以下では依頼情報I2と称する。依頼情報I2は、管理装置5によって集計され、読影依頼に対する料金の請求の際に使用される、遠隔読影の依頼に関する情報である。
管理装置5は、読影依頼が行われた正確な時刻及び日付を、ネットワーク4を介してNTP(Network Time Protocol)サーバ等に接続することで周期的に取得し、管理装置5内部の時計機能(以下RTC(Real Time Clock)と称する)を更新する。NTPとは、ネットワークに接続される機器において、機器が有する時計を正しい時刻へ同期するためのプロトコルであり、管理装置5のRTCは、NTPサーバとの通信によりほぼ常時正しい時刻に合わせられている。
【0034】
病院2の管理装置5は、ネットワーク4を介して、まずデータセンタ1に対して読影依頼情報I1及び読影を依頼する医療用デジタル画像データを送信する。
データセンタ1のサーバ装置11において、制御部111は、病院2からの読影依頼情報I1と医療用デジタル画像データとを対応付けてメモリ112に記憶する。そして、読影拠点3に対して読影依頼があったことを通知し、読影拠点3から依頼を受ける旨の返答を受信してから医療用デジタル画像データと読影依頼情報I1を送信する。
【0035】
読影拠点3においては、まず、読影拠点3の管理装置5がネットワーク4を介して病院2から転送された医療用デジタル画像データ及び読影依頼情報I1を取得し、管理する。
次に、読影拠点3において、端末装置31から医療用デジタル画像データや添付された読影依頼情報I1の閲覧・検索等の処理の要求がなされると、管理装置5は要求された処理を実行する。
このようにして、端末装置31において、読影拠点3の読影医等は、医療用デジタル画像データの検索や閲覧を行い、これを基に読影を行って、その結果を記した読影結果レポートを生成する。
【0036】
読影拠点3の端末装置31において生成された読影結果レポートは、読影拠点3の管理装置5に転送されて記憶されると共に、データセンタ1へと転送される。
データセンタ1のサーバ装置11は、読影拠点3から受信した読影結果レポートを記憶・管理すると共に、読影結果レポートの生成が完了した読影依頼に関する情報を集計・管理し、依頼情報I2を生成する。そして、生成した読影結果レポートを病院2に対して送信する。なお、読影拠点3に設置された管理装置5によって生成される依頼情報I2は、読影を行った正確な時刻及び日付、読影部位、読影医の名前等の情報であり、病院2に設置された管理装置5が生成する依頼情報I2とは若干異なる。
【0037】
病院2の管理装置5は、読影結果レポートを受信すると、受信した読影結果レポートに対応する医療用デジタル画像データの患者IDを基に、当該読影結果レポートに対応する患者情報を関連付け、メモリ24において読影結果データベースとして管理する。
【0038】
さらに、以下では、管理装置5における依頼集計機能及び自動請求書作成機能の詳細について説明する。
まず依頼集計機能について説明する。
上述したように、管理装置5は、病院2において、読影依頼が行われる度に、正確な時刻及び日付、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時等の情報を含む依頼情報I2を生成する。正確な時刻及び日付は、ネットワーク上のNTPから取得する。
【0039】
一方、管理装置5は、読影拠点3において、読影が行われ、読影結果レポートが生成されると、読影結果レポートの生成完了に応じて、読影結果レポートの生成が完了した読影依頼に関する情報を集計・管理し、読影結果レポート生成が完了した読影に関する依頼情報I2を生成する。
読影拠点3の管理装置5が生成する依頼情報I2は、読影を行った正確な時刻及び日付、読影部位、読影医の名前等の情報を含む。読影を行った正確な時刻及び日付は、ネットワーク上のNTPから取得する。
【0040】
以上説明したように、管理装置5の依頼集計機能では、病院2においては読影依頼時に、読影拠点3においては読影結果レポートの生成が完了した時点で、読影依頼に関する依頼情報I2を生成する。
そして、管理装置5は、過去に生成した依頼情報I2を基に、依頼情報I2に含まれる各情報の集計を行う。すなわち、例えば管理装置5は、設置された病院2において行った遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時等のそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。或いは、例えば管理装置5は、設置された読影拠点3において依頼された遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、読影を行った日時、読影を行った医師名などのそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。
このようにして集計された統計結果は、管理装置5内に蓄積される。この統計結果は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31から自由に閲覧が可能である。統計結果は、端末装置22や端末装置31においては、例えばグラフや表などの形式で情報毎に表示されることができる。
【0041】
ところで、一般的に、緊急に読影結果が必要となるような場合に、遠隔読影の依頼から所定時間(例えば2時間)以内に読影結果レポートを返送できた場合には、料金に所定金額の上乗せを行う契約が読影依頼元と依頼先との間で締結される場合が多い。
これに対応するため、管理装置5は、病院2に設置されている場合、遠隔読影の依頼を行った日時と、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時とから、読影の依頼先が読影に要した時間を算出し、これを集計・記録することができる。
【0042】
次に、自動請求書作成機能について説明する。
管理装置5は、上記説明した依頼集計機能により、読影の依頼元である病院2と、依頼先である読影拠点3のそれぞれにおいて、依頼情報I2を生成する。管理装置5はさらに、これらの情報を基に、読影依頼に関する請求書を自動的に作成することが可能である。
管理装置5は、上述したように、依頼情報I2として、遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時、検査部位、読影を行った日時、読影を行った医師名等を記録し、集計して管理している。これらの各項目が本発明の依頼に関する所定の項目に対応する。
管理装置5は、これらの集計した情報と、予め登録された料金情報とを使用して、読影拠点3から病院2に対して送付されるべき請求書を自動的に作成することができる。
【0043】
管理装置5による自動請求書作成の最も単純な方法として、料金の請求を行うべき所定期間(例えば1ヶ月)毎に、依頼情報I2を集計して得られた依頼件数(依頼を受けた件数)と、予め登録された、1件の依頼あたりの請求金額とを乗算して合計の請求金額を算出し、これを記載した請求書を作成する方法がある。しかし、実際の遠隔読影では、読影が依頼されてから結果が返送されるまでの時間や、読影を行う読影医の技術、読影箇所(頭部、胸部、腹部等)、検査種別(MRIとCTで価格が異なる)、所定期間あたりの枚数(例えば、1ヶ月に所定枚数以下なら所定の定額料金、所定枚数を超えると1枚あたりいくらで計算する、等)等で1件の読影依頼あたりの料金が変化する契約が病院2と読影拠点3との間で締結されている場合があるため、この契約に従った料金算出を行う必要がある。これらの条件が本発明の予め設定された料金算出条件に対応する。例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31からこれらの料金算出条件を予め設定することにより、管理装置5は自動的に読影依頼に関する料金を算出することができる。
管理装置5が自動請求書作成機能により作成する請求書は、上記のように算出した料金(請求金額)を、所定の書式で所定のフォーマットに記入されることにより作成される。この請求書には、請求金額の他、例えば請求を行う主体となる読影拠点3の名称、読影拠点3内の部署名、請求を行う日付、請求先となる病院2の名称、部署名、料金請求の意を伝える定型文、請求金額の明細等が自動的に記入され、読影拠点3における請求書作成の手間を大幅に軽減することができる。
なお、自動請求書作成機能によれば、病院2に設置された管理装置5においても、自動請求書作成機能により、請求されるべき料金を自動的に算出できるため、読影拠点3から送付された請求書に記載された請求金額が正しいか否かを確認することができる。
【0044】
このような構成により、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2において生成された医療用デジタル画像データを、病院2外部の読影拠点3へと送信し、病院2外部の読影医に遠隔読影を依頼することが可能となる。そして、読影依頼に関する情報を集計・管理し、読影依頼に対する料金を自動的に算出し、請求書を自動作成することができる。
【0045】
上述したように、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2及び読影拠点3は共通の構成を有する管理装置5をそれぞれ有し、管理装置5は遠隔読影を関して様々な処理を実行することができる。
以下、管理装置5の詳細について説明する。
図5は、管理装置5の構成の一例を示した図である。
図5に示すように、管理装置5は、通信部51、記憶部52、サーバ機能部53、圧縮処理部54、制御部55を有する。
【0046】
通信部51は、ネットワーク4を介してデータセンタ1や他の拠点の他の管理装置5との通信を行う。他の拠点とは、例えば病院2から見た読影拠点3、或いは読影拠点3から見た病院2を意味する。
記憶部52は、医療用デジタル画像データの読影依頼処理時に使用するデータや、依頼集計機能及び自動請求書作成機能の動作時に使用するデータ、上述した依頼情報I2を記憶するための記憶手段である。
記憶部52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体により構成される。記憶部52は、或いは光ディスク(DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk:登録商標)等)にデータを書き込んで記憶させる光ドライブ装置で構成されてもよい。
【0047】
サーバ機能部53は、webサーバ機能を実現するブロックである。
サーバ機能部53は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31からの要求に応じて、記憶部52やメモリ24に記憶される各種データをリスト化して端末装置22や31に送信したり、端末装置22、31においてリストから選択されたデータを送信したりする。
【0048】
圧縮処理部54は、メモリ24や記憶部52に記憶される各種データの圧縮・解凍処理を行う。
圧縮方法は、圧縮されるデータが医療用デジタル画像データである場合、可逆圧縮と不可逆圧縮とを選択可能としてもよい。可逆圧縮は、圧縮前のデータと、圧縮及び展開の処理を経たデータが完全に等しくなる圧縮方法であり、非可逆圧縮は完全に等しくはならない圧縮方法である。可逆圧縮の例としてはJPEGやJPEG2000が、非可逆圧縮の例としてはPNG等がある。
【0049】
制御部55は、管理装置5を統括的に制御する制御ブロックである。
制御部55は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0050】
以下、遠隔読影システム100における、各種動作の際の動作例について説明する。
まず、病院2において医療用デジタル画像データが生成される場合の動作例について説明する。
図6は、病院2において医療用デジタル画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
ステップST1:
モダリティ21は、医療用デジタル画像データを生成する。
この際、モダリティ21は、生成した医療用デジタル画像データに対応する患者情報及び検査情報(管理情報)を生成し、これらの医療用デジタル画像データに管理情報を埋め込んでDICOM規格に適合した医療用デジタル画像データを生成する。
ステップST2:
モダリティ21は、ステップST1において生成した医療用画像データをLAN23を介して管理装置5に対して転送する。
【0051】
ステップST3:
管理装置5は、ステップST2において転送された医療用デジタル画像データと、患者情報管理リストとをメモリ24に記憶させる。
このようにしてメモリ24に記憶された医療用デジタル画像データは、例えば病院2内の端末装置22から閲覧が可能である。
【0052】
図7は、病院2において、端末装置22からメモリ24に記憶された医療用デジタル画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
ステップST11:
端末装置22は、管理装置5に対して、閲覧可能な医療用デジタル画像データのリストを要求する。このリストを以下では閲覧可能リストと称する。
ここで、端末装置22は、管理装置5に対して、メモリ24に記憶された全ての医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求することもできるが、必要な医療用デジタル画像データのみを抽出した閲覧可能リストを要求することもできる。
すなわち、例えば、同一患者の過去全ての医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求したり、同一の日に生成された医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求したり、同一のモダリティ21によって生成された医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求したりすることができる。
【0053】
ステップST12:
管理装置5は、ステップST11において生成された閲覧可能リスト要求に応じて、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データ、患者情報、検査情報、患者情報管理リストを読み出し、閲覧可能リストを生成する。読み出した各種データは、例えば記憶部52に記憶される。
ステップST13:
管理装置5は、ステップST12において生成した閲覧可能リストを、端末装置22に対して転送する。
【0054】
ステップST14:
端末装置22を操作する医師等により、ステップST13において転送された閲覧可能リストを基に、閲覧する医療用デジタル画像データやその他の情報が選択される。端末装置22は、医師等の選択を基に、選択された医療用デジタル画像データやその他の情報を管理装置5に対して要求する。その他の情報には、例えば患者情報や検査情報、依頼件数情報I2等が含まれる。
ステップST15:
管理装置5は、ステップST14の閲覧要求に応じて、要求された医療用デジタル画像データやその他の情報を転送する。
ステップST16:
端末装置は、ステップST15において転送された医療用デジタル画像データやその他の情報を端末装置22を操作する医師等に対して閲覧させる。
【0055】
次に、病院2において、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例について説明する。
図8は、病院2において、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
ステップST21:
医師等が、端末装置22を操作し、読影拠点3に対して医療用デジタル画像データの読影を依頼する操作を行う。これに応じて、端末装置22は、上記操作により指定された医療用デジタル画像データを管理装置5に対して転送する。
【0056】
ステップST22:
管理装置5は、依頼元情報を基に読影依頼情報I1を生成する。
依頼元情報は、読影を依頼する病院2に関する情報であり、例えば病院2の固有ID等を含んでいる。
【0057】
ステップST23:
管理装置5は、ステップST22において生成した読影依頼情報I1を医療用デジタル画像データと共にデータセンタ1に対して送信する。
管理装置5は、医療用デジタル画像データ自体のセキュリティ性を高めるため、医療用デジタル画像データを暗号化してもよい。
【0058】
ステップST24:
管理装置5は、読影を行う正確な時刻及び日付、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別等の情報を含む依頼情報I2を生成する。生成した依頼情報I2は記憶部52に記憶され、自動的に集計される。集計結果も記憶部52に記憶される。
依頼情報I2及びその集計結果は、病院2の端末装置22から任意に閲覧が可能である。
【0059】
次に、読影依頼を受信したデータセンタ1の動作例について説明する。
上述したように、本発明の遠隔読影システム100では、データセンタ1では、病院2の読影拠点3に対する読影依頼に応じて、自動的に過去の読影結果レポートを読影データベースから抽出して添付するようになっている。
以下その詳細について説明する。
図9は、読影依頼を受信したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
【0060】
ステップST31:
サーバ装置11の制御部111は、ネットワーク4を介して病院2から読影依頼情報I1及び医療用デジタル画像データを取得する。
ステップST32:
サーバ装置11の制御部111は、ステップST31において病院2から取得した読影依頼情報I1をメモリ112に記憶させる。
【0061】
ステップST33:
サーバ装置11の制御部111は、病院2に対して読影依頼情報I1を取得したことを通知する。
ステップST34:
サーバ装置11の制御部111は、メモリ112に記憶・蓄積されている過去の医療用デジタル画像データ及び読影結果レポートの中から、同一患者の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを検索・抽出する。
【0062】
ステップST35:
サーバ装置11の制御部111は、読影拠点3に対して、病院2から読影の依頼が来ていることを通知する。そして、読影依頼情報I1と医療用デジタル画像データを読影拠点3に対して送信する。ステップST34において、同一患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートが検索されれば、それも添付して読影拠点3に対して送信する。
なお、本発明においては、読影拠点3に対して、読影依頼の通知と読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データの送信を必ずしも同時に行う必要はなく、読影依頼の通知に対する読影拠点3からの応答に対して読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データを送信するようにしてもよい。
【0063】
次に、読影拠点3において読影依頼の通知を受けた場合の動作例について説明する。
図10は、読影拠点3が読影依頼の通知を受けた場合の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST41:
管理装置5は、データセンタ1からの読影依頼通知を取得する。そして、読影依頼に対応する読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データ、及び同一患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを取得する。
読影拠点3の管理装置5は、データセンタ1からの読影依頼通知に対応してデータセンタ1に対して読影依頼情報I1及び医療用デジタル画像データを要求するようにしてもよい。
ステップST42:
管理装置5は、端末装置31に対して読影依頼通知を取得したことを通知する。
【0064】
ステップST43:
読影医は、ステップST42における読影依頼通知によって読影を依頼されたことを知り、読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データ及び同一患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを端末装置31を使用して閲覧し、読影を実行する。そして、端末装置31を使用して読影の結果を記した読影結果レポートを生成する。
ステップST44:
端末装置31は、ステップST43において作成が完了した読影結果レポートを管理装置5に転送する。
【0065】
ステップST45:
管理装置5は、読影結果レポートの生成が完了した読影依頼に関する情報を集計・管理し、依頼情報I2を生成する。そして、生成した読影結果レポートを病院2に対して送信する。上述したように、読影拠点3に設置された管理装置5によって生成される依頼情報I2は、読影を行った正確な時刻及び日付、読影部位、読影医の名前等の情報であり、病院2に設置された管理装置5が生成する依頼情報I2とは若干異なっている。
そして、生成した依頼情報I2は記憶部52に記憶され、自動的に集計される。集計結果も記憶部52に記憶される。
ステップST46:
管理装置5は、データセンタ1に対して、生成された読影結果レポートを送信する。
【0066】
次に、読影結果レポートを受信したデータセンタ1の動作例について説明する。
図11は、読影依頼を受信したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
ステップST51:
サーバ装置11の制御部111は、ネットワーク4を介して読影拠点3から読影結果レポートを取得する。
ステップST52:
サーバ装置11の制御部111は、ステップST51において取得した読影結果レポートをメモリ112に記憶する。
【0067】
ステップST53:
サーバ装置11の制御部111は、ステップST51で読影拠点3からの読影結果レポートを取得したことに対応して、読影拠点3に対して読影結果レポートを取得したことを通知する。
ステップST54:
サーバ装置11の制御部111は、病院2に対して、読影結果レポートを取得したことを通知すると共に、読影結果レポートを送信する。
【0068】
次に、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明する。
図12は、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST61:
管理装置5は、データセンタ1から読影結果レポートを取得する。
【0069】
ステップST62:
管理装置5は、読影結果レポートを取得したことを端末装置22に対して通知する。
ステップST63:
端末装置22は、読影結果レポートを閲覧するか否かを判断する。
閲覧すると判断した場合はステップST65に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0070】
ステップST64:
端末装置22は、管理装置5に対して読影結果レポートの閲覧を要求する。
ステップST65:
管理装置5は、端末装置22に対して読影結果レポートを転送する。
ステップST66:
端末装置22は、読影結果レポートの閲覧を行う。
【0071】
次に、読影拠点3において、行った遠隔読影に対する請求書を作成する場合の動作例について説明する。
図13は、読影拠点3において、行った遠隔読影に対する請求書を作成する場合の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST71:
管理装置5は、請求書を作成するための所定のタイミングに到達したか否かを判断する。
請求書を作成するための所定のタイミングとは、例えば予め端末装置31を介した操作などにより設定されたタイミングである。例えば読影拠点3が、請求書を月末締めで病院2に対して送付するように決めていた場合は、例えば翌月に切り替わる午前零時等が所定のタイミングとなる。当該所定のタイミングは、自由に設定が可能である。
現在時刻が所定のタイミングであった場合はステップST73に、そうでない場合はステップST72に進む。
【0072】
ステップST72:
管理装置5は、端末装置31等を介して、請求書を作成する指示がなされたか否かを判断する。
すなわち、ステップST71において説明したような所定のタイミング以外でも、端末装置31からの操作により管理装置5は請求書の作成が可能である。
指示がなされた場合はステップST73に進み、なされていない場合は処理を終了する。
ステップST73:
管理装置5は、図10のステップST45において作成した依頼情報I2を基に、請求書の作成を行う。
上述したように、管理装置5は、読影拠点3の端末装置31から予め設定された料金算出のための各種条件を使用して、読影依頼に関する料金を算出し、所定の書式で所定のフォーマットに料金を記入することにより作成する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の遠隔読影システム100によれば、遠隔読影を依頼する病院2と、読影を依頼される読影拠点3において、共通の構成である管理装置5が配設されている。
管理装置5は、病院2においては、生成された医療用デジタル画像データの管理、圧縮・暗号化、医療用デジタル画像データに対する患者情報・検査情報などの付与(添付)、DICOM規格への変換、読影拠点3への読影依頼処理、読影拠点3からの読影結果レポートの取得処理等を行うことができる。
また、管理装置5は、読影拠点3においては、読影依頼の取得処理、読影結果レポートの管理、読影結果レポートの送信処理等を行うことができる。
【0074】
すなわち、本実施形態の遠隔読影システム100においては、病院2側と読影拠点3において、共通の管理装置5により遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムが構成される。このため、各拠点(病院2及び読影拠点3)において、遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムを構築するために必要な構成が少なくて済み、初期費用を抑えることができるようになる。
また、読影拠点3に存在する医師等は、例えば病院2における勤務経験を有する場合があり、共通の構成要素である管理装置5がどちらの拠点にも導入されていることによって、操作の習熟等に時間を要さず、人的コストを抑えることも可能となる。
【0075】
さらに、本実施形態の遠隔読影システム100では、ある医療用デジタル画像データの遠隔読影が読影拠点3に依頼されるとき、データセンタ1において記憶されていた、当該医療用デジタル画像データと同一の患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートをデータセンタ1のサーバ装置11の制御部111が抽出し、読影を依頼された読影拠点3に対して、読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データに過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを添付して送信する。
このため、読影拠点3の読影医が読影を行う際に、過去の画像データや読影結果を参照できるため、読影を行いやすくなる。また、読影の精度を向上させることができる。
【0076】
さらに、管理装置5は、病院2においては読影依頼時に、読影拠点3においては読影結果レポートの生成が完了した時点で、読影依頼に関する依頼情報I2を生成する。
そして、管理装置5は、過去に生成した依頼情報I2を基に、依頼情報I2に含まれる各情報の集計を行う。すなわち、例えば管理装置5は、設置された病院2において行った遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時等のそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。或いは、例えば管理装置5は、設置された読影拠点3において依頼された遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、読影を行った日時、読影を行った医師名などのそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。
このようにして集計された統計結果は、管理装置5内に蓄積される。この統計結果は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31から自由に閲覧が可能である。統計結果は、端末装置22や端末装置31においては、例えばグラフや表などの形式で情報毎に表示されることができる。
また、管理装置5は、病院2に設置されている場合、遠隔読影の依頼を行った日時と、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時とから、読影の依頼先が読影に要した時間を算出し、これを集計・記録することができる。
【0077】
さらに、管理装置5は、このように生成した依頼情報I2と、予め登録された料金情報とを使用して、読影拠点3から病院2に対して送付されるべき請求書を自動的に作成することができる。
例えば、予め登録された料金情報として、読影が依頼されてから結果が返送されるまでの時間や、読影を行う読影医の技術、読影箇所(頭部、胸部、腹部等)、検査種別(MRIとCTで価格が異なる)、所定期間あたりの枚数(例えば、1ヶ月に所定枚数以下なら所定の定額料金、所定枚数を超えると1枚あたりいくらで計算する、等)等で1件の読影依頼あたりの料金が変化することが登録されている場合には、管理装置5はそれぞれの場合に応じて臨機応変に読影依頼に関する料金を算出することができる。
【0078】
そして、管理装置5は算出した料金を、所定の書式で所定のフォーマットに記入した請求書を自動的に作成することができる。この請求書には、請求金額の他、例えば請求を行う主体となる読影拠点3の名称、読影拠点3内の部署名、請求を行う日付、請求先となる病院2の名称、部署名、料金請求の意を伝える定型文、請求金額の明細等が自動的に記入されるので、読影拠点3における請求書作成の手間を大幅に軽減することができる。
なお、自動請求書作成機能によれば、病院2に設置された管理装置5においても、自動請求書作成機能により、請求されるべき料金を自動的に算出できるため、読影拠点3から送付された請求書に記載された請求金額が正しいか否かを確認することができる。
【0079】
なお、上述した実施形態では、病院2及び読影拠点3がそれぞれ1箇所ずつである場合について説明したが、本発明はこれには限定されない。
例えば、読影拠点3が複数存在する場合には、病院2からは、複数の読影拠点3のうち、いずれに読影を依頼するかを選択することができるようになっている。
そして、病院2の管理装置5は、どの読影拠点3にどれだけ読影を依頼したかを依頼件数情報I2として管理することにより、各読影拠点3に対する個別の料金算出等を行うことができるようになっている。
【0080】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【符号の説明】
【0081】
100…遠隔読影システム、1…データセンタ、11…サーバ装置、111…制御部、112…メモリ、2…病院、21…モダリティ、22…端末装置、23…LAN、24…メモリ、3…読影拠点、31…端末装置、4…ネットワーク、5…管理装置、51…通信部、52…記憶部、53…サーバ機能、54…圧縮処理部、55…制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用画像の遠隔読影をサポートする遠隔読影システム及び読影管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CR(computed radiography:コンピュータ放射線撮影)、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴撮影)、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)等、医療用デジタル画像生成技術が普及している。これらの医療用デジタル画像生成技術によって生成された医療用デジタル画像は、例えば読影医による読影や、患者の担当医による診断時に利用される。
【0003】
読影とは、医療用デジタル画像を基に行う画像診断である。
読影医は、読影の結果や所見等を記入した読影レポートを生成する。
このようにして生成された読影レポートは、担当医が患者を診察する際に有効に利用される。
【0004】
ところで、病院等の医療施設において、医療用デジタル画像データの生成は行うが、当該画像データの読影は行わずに、外部の読影拠点に読影を依頼する場合がある。
これは、近年では、医療用デジタル画像データの絶対数が爆発的に増大しており、医療施設において、増大した全ての医療用デジタル画像データの読影を行うための人的・機械的資源が不足しているからである。
【0005】
このように、病院等医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、生成された医療用デジタル画像データの読影を専門に行う読影拠点と、これらを結ぶネットワークとによって構成される遠隔読影システムが登場している。
遠隔読影システムにおいては、医療施設が生成した医療用デジタル画像データがネットワークを介して読影拠点へと送信され、読影拠点において読影専門の医師(読影医)などが読影を行って読影結果レポートを作成し、これを医療施設に送信し返すことにより、医療用デジタル画像データを生成する医療施設からみて遠隔地における読影が行われる。
これにより、多大な量の読影を行うための医療施設の人的・時間的負担が減少することになる。
【0006】
このような遠隔読影システムにおいては、読影が1件行われる度に料金の精算が行われるのではなく、所定の期間(例えば2週間、1ヶ月など)毎に行われた読影の数を基に、料金の精算が行われることが多い。何故なら、読影が1度行われる度に料金の精算を行おうとすると、その手間が煩雑であるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、読影が依頼されてから結果が返送されるまでの時間や、読影を行う読影医の技術、読影箇所(頭部、胸部、腹部等)、検査種別(MRIとCTで価格が異なる)、所定期間あたりの枚数(例えば、1ヶ月に所定枚数以下なら所定の定額料金、所定枚数を超えると1枚あたりいくらで計算する、等)等で1件の読影依頼あたりの料金が変化する契約が読影依頼元と依頼先との間で締結されている場合があり、このような場合には手作業で料金を算出するために多くの労力や時間が必要となる、という不利益が生じることがあった。
また、所定の期間内に行われた読影の数を集計する際に、計数ミスなどにより、依頼元と、依頼先とで読影の依頼件数が食い違ってしまう場合がある。このような場合には、依頼元と依頼先とで料金精算の際にトラブルが発生してしまう、という不利益が生じることがあった。
【0008】
本発明は、このような不利益を解消するためになされたものであり、遠隔読影の依頼元と依頼先において、読影に関する料金を算出する際の労力や時間を軽減できる遠隔読影システム及び読影管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、第1の発明の遠隔読影システムは、医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、前記医療施設と、前記管理施設と、前記読影拠点とを接続するネットワークと、を有し、前記医療施設及び前記読影拠点には、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うための読影管理装置が配置され、前記読影管理装置が、前記医療施設における、前記管理施設に対する前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの送信処理と、前記読影拠点における、前記管理施設から送信される前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの受信処理と、前記読影拠点における、前記管理施設に対する前記読影レポートの送信処理と、前記医療施設における、前記管理施設から送信される前記読影レポートの受信処理と、を実行する読影システムであって、前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する。
【0010】
第2の発明の読影管理装置は、医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、がネットワークを介して接続された遠隔読影システムにおいて、前記医療施設及び前記読影拠点に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うために配置された読影管理装置であって、前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する。
【発明の効果】
【0011】
遠隔読影の依頼元と依頼先において、読影に関する料金を算出する際の労力や時間を軽減できる遠隔読影システム及び読影管理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、遠隔読影システムの構成の一例を示した図である。
【図2】図2は、病院の構成の一例を示した図である。
【図3】図3は、読影拠点の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、DICOMタグの一例を示す図である。
【図5】図5は、管理装置の構成の一例を示した図である。
【図6】図6は、病院において医療用デジタル画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図7】図7は、病院において、端末装置から管理装置に記憶された医療用デジタル画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図8】図8は、第1実施形態における、病院から読影拠点に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
【図9】図9は、第1実施形態における、読影依頼を受信したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図10】図10は、読影依頼の通知を受けた読影拠点の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【図11】図11は、読影依頼を受信したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図12】図12は、読影結果レポートを取得した病院の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【図13】図13は、読影拠点において、行った遠隔読影に対する請求書を作成する場合の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態の遠隔読影システム100について説明する。
図1は、本実施形態の遠隔読影システム100の構成の一例を示した図である。
図1に示すように、遠隔読影システム100では、データセンタ1(本発明の管理施設に対応)、病院2(本発明の医療施設に対応)、読影拠点3(本発明の読影拠点に対応)がネットワーク4を介して互いに接続されている。
【0014】
図1に示すような遠隔読影システム100においては、まず、病院2において医療用デジタル画像データが生成される。そして、病院2内部において生成した医療用デジタル画像データの読影を、外部の読影拠点3へ読影を依頼することが可能に構成されている。病院2から読影拠点3に対して読影を依頼する場合には、データセンタ1を介して医療用デジタル画像データが読影拠点3へと転送される。読影拠点3においては、転送された医療用デジタル画像データを読影医が読影し、読影を行った結果を読影結果レポートとしてまとめ、またデータセンタ1を介して病院2へとレポートを返送する。データセンタ1は、病院2と読影拠点3との間で、医療用デジタル画像データや読影結果レポートの転送制御や管理等を行う。
【0015】
図1に示すように、病院2及び読影拠点3は、画像データや文書データ等を含む各種医療用データの保持や管理を行う管理装置5を有する。また、データセンタ1は、医療用デジタル画像データの保持や転送制御を実行するサーバ装置11を有する。
【0016】
以下、本実施形態の遠隔読影システム100の各構成の詳細について説明する。
図2は、病院2の構成要素の一例を示した図である。
図2に示すように、病院2は、モダリティ21、端末装置22、LAN23、メモリ24、管理装置5を有する。
【0017】
モダリティ21は、X線CT装置、超音波診断装置、MRI装置等、医療用画像を生成可能な各種医療機器である。
X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置は、検査対象に対して全方位から照射されたX線が、それぞれの方向でどの程度検査対象に吸収されたか、を測定し、これを基に検査対象の断層画像を再構成する装置である。
超音波診断(Ultra Sonography)装置は、超音波を発生させて検査対象に投射し、反射した超音波(エコー)を受信するプローブ(探触子)でエコーを受信し、これを基に検査対象内部の画像を再構成する装置である。
【0018】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像)装置は、検査対象に強い磁場を作用させ、体内にある水素原子核を磁気に共鳴させて微弱な電波を発生させ、その電波を受信して画像を生成する。MRIにおいては、CTと同様、得られる画像は断層画像である。
本実施形態のモダリティ21は、特に、デジタル画像を生成可能な医療機器である。モダリティ21は、例えば病院内に設置されており、後述するLAN23を介して、端末装置22に対して画像を転送する。
モダリティ21は、図2に示す病院2内に少なくとも1つ配設される。
モダリティ21は、例えばDICOM規格(DICOM:Digital Imaging and COmmunications in Medicine)に適合した医療用デジタル画像データを生成することができる。すなわち、モダリティ21は、各画像データに対応する患者の個人情報データ(以下患者情報と称する)や画像生成に関する情報(画像の識別ナンバー、画像に写る患部名、画像が生成された日時、生成したモダリティ21の種別・機種名、生成した医師の名前等:以下検査情報と称する)をDICOM規格に従って埋め込んだ医療用デジタル画像データを生成することができる。
【0019】
端末装置22は、例えば医師により使用され、病院内の各種データの管理や閲覧を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。端末装置22は、図2に示す病院2内に少なくとも1つ配設される。
【0020】
LAN23は、例えば病院内に設けられたローカルなネットワークである。
LAN23には、病院内に設置された少なくとも1つのモダリティ21、少なくとも1つの端末装置22、メモリ24、そして後述する管理装置5が接続されている。
LAN23を介して、モダリティ21の生成した医療用デジタル画像データが端末装置22・管理装置5・メモリ24などに転送されたり、メモリ24から各種データが端末装置22に転送されたりする。
メモリ24は、モダリティ21が生成した医療用デジタル画像データと、読影拠点3において生成され管理装置5が取得した読影結果レポートをそれぞれデータベース化して記憶する記憶手段である。
【0021】
管理装置5は、病院2内の医療用デジタル画像データの管理や、病院2の外部に対する医療用デジタル画像データの送受信、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データの管理、端末装置22からの要求に応じて、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データの検索・転送等を行う。
特に、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2から外部の読影施設(読影拠点3)に対して医療用デジタル画像データを転送し、読影を依頼する遠隔読影処理を行うことができるように設計されている。
【0022】
また、管理装置5は、病院2から読影拠点3に対して読影を依頼したときに、当該依頼における各種情報を自動的に集計・管理する機能を有する。この機能を以下では管理装置5の依頼集計機能と称する。なお、依頼における各種情報とは、例えば、読影を依頼する医療用デジタル画像データの枚数、検査部位、検査種別、依頼日時、等である。
また、管理装置5は、上述した依頼集計管理処理により得た各種情報を基に、遠隔読影の依頼に関する料金を自動的に算出し、請求を行う機能を有する。この機能を自動請求書作成機能と称する。
管理装置5の依頼集計機能及び自動請求書作成機能の詳細については後述する。
【0023】
次に、読影拠点3の構成の一例について説明する。
図3は、読影拠点3の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、読影拠点3は、端末装置31と、メモリ32と、管理装置5とを有する。
この管理装置5は、上述した病院2の構成例における管理装置5と同一の構成と機能とを有する。すなわち、管理装置5は、読影を依頼する側(病院2)、読影を依頼される側(読影拠点3)のいずれに設置しても、設置された場所に応じた動作を実行することが可能である。
【0024】
端末装置31は、例えば読影医により使用され、医療用デジタル画像データの閲覧や、医療用デジタル画像データの読影を行った結果(読影結果)を記したレポート(以下読影結果レポート)の作成・編集等を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。
端末装置31は、図3に示す読影拠点3内に少なくとも1つ配設される。
読影拠点3では、病院2からの読影依頼に応じて、データセンタ1から医療用デジタル画像データを受信し、読影を行いその結果を記した読影結果レポートを生成して、データセンタ1へと送付する。データセンタ1が読影結果レポートを病院2に送信することにより、医療用デジタル画像データを生成する施設と読影を行う施設が異なる遠隔読影システムを構築することができる。
メモリ32は、端末装置31を使用して作成された読影結果レポートや、読影結果レポート作成のために使用される各種データを記憶する記憶手段である。
病院2から依頼された読影を行う場合の読影拠点3の各構成の動作例についての詳細は後述する。
【0025】
次に、データセンタ1の構成例について説明する。
データセンタ1は、病院2と読影拠点3の間の医療用デジタル画像データの転送の制御や管理を行う。
データセンタ1は、図1に示すように、サーバ装置11を有する。
サーバ装置11は、図1に示すように、制御部111(本発明の制御手段に対応)及びメモリ112(本発明の記憶手段に対応)を有する。
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して病院2と読影拠点3との間で送受信される医療用デジタル画像データや読影結果レポートを管理するためのサーバである。
制御部111は、サーバ装置11の動作を制御する制御手段である。制御部111は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
メモリ112は、病院2から送信された医療用デジタル画像データや、読影拠点3から送信された読影結果レポートを記憶・保持する記憶手段である。
なお、データセンタ1のサーバ装置11の詳細な動作例については後述する。
【0026】
以下、遠隔読影システム100の動作例について説明する。
まず、病院2内において、モダリティ21により医療用デジタル画像データが生成される。
上述したように、モダリティ21によって生成される医療用デジタル画像データには、各画像データに対応する患者の個人情報データ(患者情報)や画像生成に関する情報(検査情報)がDICOM規格に則って埋め込まれる。
【0027】
DICOM規格について簡単に説明する。
DICOM規格は、医療用デジタル画像データのフォーマットと、画像データを扱う医療用画像機器間の通信プロトコルとを定義した標準規格である。本実施形態においては、医療用デジタル画像データのフォーマットとしてDICOM規格を利用している。
【0028】
DICOM規格では、例えば圧縮された画像データや無圧縮の画像データと、その画像データに関する様々な情報とが1つのファイルに内包されるようになっている。
画像データに関する様々な情報とは、例えば、画像生成日時・画像を生成したモダリティの名称や番号・検査の種類・検査部位などの検査情報、患者の名前・生年月日・年齢などの患者情報等である。このような医療用デジタル画像データに関する様々な情報、すなわち、患者情報と検査情報とを併せて、以下管理情報と称する。
【0029】
DICOM規格では、具体的には、画像データのヘッダ部分に上述した管理情報が記述される。
医療用デジタル画像データが、CTやMRIなど、断層画像を生成するモダリティにより生成された場合には、断層画像のスライス1枚ごとのヘッダ部分に上述した管理情報が書き込まれている。
画像データのヘッダ部分には、最初にDICOMであるという宣言が記述され、次に各データがどの番地から始まるかの記述がなされる。それらの記述の後に、管理情報についての記載がある。
このようにDICOM規格では、画像データのヘッダ部分に様々な情報を含む管理情報が記載される。
【0030】
DICOM規格では、管理情報はタグ(TAG:DICOMタグ)を利用して管理される。
図4は、DICOMタグの一例を示す図である。
図4に示すように、DICOMタグは、16進数で表された組み合わせにより特定される。DICOMタグを仮に(gggg, eeee)と示すと、”gggg”はグループ番号を、”eeee”はエレメント番号を示している。グループ番号とエレメント番号は、タグの中身の情報に対応して割り振られる。例えば、グループ番号”0008”は画像に関する情報、”0010”は患者に関する情報、というように予め決定されており、グループ番号とエレメント番号の組み合わせによって情報の詳細な中身が決定されるようになっている。具体的には、図4に示すように、例えばタグ(0008、0020)は検査日付、(0010、0010)は患者の名前、というように、タグと情報の中身とが一対一で対応する。
【0031】
さて、モダリティ21により生成された医療用デジタル画像データは、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、メモリ24に記憶される。
病院2の医師等、医療従事者が医療用デジタル画像データを使用した各種処理を実行したい場合、医療従事者により端末装置22を介して各種処理の要求がなされる。当該要求は、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、管理装置5は要求された処理を実行する。
病院2における各種処理とは、例えば、医療用デジタル画像データの閲覧、医療用デジタル画像データの検索、病院2外部(例えばサーバ装置11)への医療用デジタル画像データの転送、医療用デジタル画像データの外部へ読影依頼に関する情報の集計・管理、医療用デジタル画像データの外部への転送時におけるデータ暗号化や圧縮等の処理である。
【0032】
次に、病院2から読影拠点3に対して医療用デジタル画像データの読影を依頼する処理(以下読影依頼処理)について説明する。
読影依頼処理において、病院2の医療従事者は、まず、例えば端末装置22を介して、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データの中から、読影を依頼すべき医療用デジタル画像データを選択する。
端末装置22において医療従事者により読影依頼操作がなされると、管理装置5が読影依頼情報I1を生成する。読影依頼情報I1には、例えば、依頼元の病院2の名称、読影依頼を行った医師名、依頼日時、依頼先の読影拠点3の名称等の情報が含まれている。
【0033】
同時に、管理装置5は、読影依頼が行われた正確な時刻及び日付と、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別等の情報を生成する。当該情報を、以下では依頼情報I2と称する。依頼情報I2は、管理装置5によって集計され、読影依頼に対する料金の請求の際に使用される、遠隔読影の依頼に関する情報である。
管理装置5は、読影依頼が行われた正確な時刻及び日付を、ネットワーク4を介してNTP(Network Time Protocol)サーバ等に接続することで周期的に取得し、管理装置5内部の時計機能(以下RTC(Real Time Clock)と称する)を更新する。NTPとは、ネットワークに接続される機器において、機器が有する時計を正しい時刻へ同期するためのプロトコルであり、管理装置5のRTCは、NTPサーバとの通信によりほぼ常時正しい時刻に合わせられている。
【0034】
病院2の管理装置5は、ネットワーク4を介して、まずデータセンタ1に対して読影依頼情報I1及び読影を依頼する医療用デジタル画像データを送信する。
データセンタ1のサーバ装置11において、制御部111は、病院2からの読影依頼情報I1と医療用デジタル画像データとを対応付けてメモリ112に記憶する。そして、読影拠点3に対して読影依頼があったことを通知し、読影拠点3から依頼を受ける旨の返答を受信してから医療用デジタル画像データと読影依頼情報I1を送信する。
【0035】
読影拠点3においては、まず、読影拠点3の管理装置5がネットワーク4を介して病院2から転送された医療用デジタル画像データ及び読影依頼情報I1を取得し、管理する。
次に、読影拠点3において、端末装置31から医療用デジタル画像データや添付された読影依頼情報I1の閲覧・検索等の処理の要求がなされると、管理装置5は要求された処理を実行する。
このようにして、端末装置31において、読影拠点3の読影医等は、医療用デジタル画像データの検索や閲覧を行い、これを基に読影を行って、その結果を記した読影結果レポートを生成する。
【0036】
読影拠点3の端末装置31において生成された読影結果レポートは、読影拠点3の管理装置5に転送されて記憶されると共に、データセンタ1へと転送される。
データセンタ1のサーバ装置11は、読影拠点3から受信した読影結果レポートを記憶・管理すると共に、読影結果レポートの生成が完了した読影依頼に関する情報を集計・管理し、依頼情報I2を生成する。そして、生成した読影結果レポートを病院2に対して送信する。なお、読影拠点3に設置された管理装置5によって生成される依頼情報I2は、読影を行った正確な時刻及び日付、読影部位、読影医の名前等の情報であり、病院2に設置された管理装置5が生成する依頼情報I2とは若干異なる。
【0037】
病院2の管理装置5は、読影結果レポートを受信すると、受信した読影結果レポートに対応する医療用デジタル画像データの患者IDを基に、当該読影結果レポートに対応する患者情報を関連付け、メモリ24において読影結果データベースとして管理する。
【0038】
さらに、以下では、管理装置5における依頼集計機能及び自動請求書作成機能の詳細について説明する。
まず依頼集計機能について説明する。
上述したように、管理装置5は、病院2において、読影依頼が行われる度に、正確な時刻及び日付、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時等の情報を含む依頼情報I2を生成する。正確な時刻及び日付は、ネットワーク上のNTPから取得する。
【0039】
一方、管理装置5は、読影拠点3において、読影が行われ、読影結果レポートが生成されると、読影結果レポートの生成完了に応じて、読影結果レポートの生成が完了した読影依頼に関する情報を集計・管理し、読影結果レポート生成が完了した読影に関する依頼情報I2を生成する。
読影拠点3の管理装置5が生成する依頼情報I2は、読影を行った正確な時刻及び日付、読影部位、読影医の名前等の情報を含む。読影を行った正確な時刻及び日付は、ネットワーク上のNTPから取得する。
【0040】
以上説明したように、管理装置5の依頼集計機能では、病院2においては読影依頼時に、読影拠点3においては読影結果レポートの生成が完了した時点で、読影依頼に関する依頼情報I2を生成する。
そして、管理装置5は、過去に生成した依頼情報I2を基に、依頼情報I2に含まれる各情報の集計を行う。すなわち、例えば管理装置5は、設置された病院2において行った遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時等のそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。或いは、例えば管理装置5は、設置された読影拠点3において依頼された遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、読影を行った日時、読影を行った医師名などのそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。
このようにして集計された統計結果は、管理装置5内に蓄積される。この統計結果は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31から自由に閲覧が可能である。統計結果は、端末装置22や端末装置31においては、例えばグラフや表などの形式で情報毎に表示されることができる。
【0041】
ところで、一般的に、緊急に読影結果が必要となるような場合に、遠隔読影の依頼から所定時間(例えば2時間)以内に読影結果レポートを返送できた場合には、料金に所定金額の上乗せを行う契約が読影依頼元と依頼先との間で締結される場合が多い。
これに対応するため、管理装置5は、病院2に設置されている場合、遠隔読影の依頼を行った日時と、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時とから、読影の依頼先が読影に要した時間を算出し、これを集計・記録することができる。
【0042】
次に、自動請求書作成機能について説明する。
管理装置5は、上記説明した依頼集計機能により、読影の依頼元である病院2と、依頼先である読影拠点3のそれぞれにおいて、依頼情報I2を生成する。管理装置5はさらに、これらの情報を基に、読影依頼に関する請求書を自動的に作成することが可能である。
管理装置5は、上述したように、依頼情報I2として、遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時、検査部位、読影を行った日時、読影を行った医師名等を記録し、集計して管理している。これらの各項目が本発明の依頼に関する所定の項目に対応する。
管理装置5は、これらの集計した情報と、予め登録された料金情報とを使用して、読影拠点3から病院2に対して送付されるべき請求書を自動的に作成することができる。
【0043】
管理装置5による自動請求書作成の最も単純な方法として、料金の請求を行うべき所定期間(例えば1ヶ月)毎に、依頼情報I2を集計して得られた依頼件数(依頼を受けた件数)と、予め登録された、1件の依頼あたりの請求金額とを乗算して合計の請求金額を算出し、これを記載した請求書を作成する方法がある。しかし、実際の遠隔読影では、読影が依頼されてから結果が返送されるまでの時間や、読影を行う読影医の技術、読影箇所(頭部、胸部、腹部等)、検査種別(MRIとCTで価格が異なる)、所定期間あたりの枚数(例えば、1ヶ月に所定枚数以下なら所定の定額料金、所定枚数を超えると1枚あたりいくらで計算する、等)等で1件の読影依頼あたりの料金が変化する契約が病院2と読影拠点3との間で締結されている場合があるため、この契約に従った料金算出を行う必要がある。これらの条件が本発明の予め設定された料金算出条件に対応する。例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31からこれらの料金算出条件を予め設定することにより、管理装置5は自動的に読影依頼に関する料金を算出することができる。
管理装置5が自動請求書作成機能により作成する請求書は、上記のように算出した料金(請求金額)を、所定の書式で所定のフォーマットに記入されることにより作成される。この請求書には、請求金額の他、例えば請求を行う主体となる読影拠点3の名称、読影拠点3内の部署名、請求を行う日付、請求先となる病院2の名称、部署名、料金請求の意を伝える定型文、請求金額の明細等が自動的に記入され、読影拠点3における請求書作成の手間を大幅に軽減することができる。
なお、自動請求書作成機能によれば、病院2に設置された管理装置5においても、自動請求書作成機能により、請求されるべき料金を自動的に算出できるため、読影拠点3から送付された請求書に記載された請求金額が正しいか否かを確認することができる。
【0044】
このような構成により、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2において生成された医療用デジタル画像データを、病院2外部の読影拠点3へと送信し、病院2外部の読影医に遠隔読影を依頼することが可能となる。そして、読影依頼に関する情報を集計・管理し、読影依頼に対する料金を自動的に算出し、請求書を自動作成することができる。
【0045】
上述したように、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2及び読影拠点3は共通の構成を有する管理装置5をそれぞれ有し、管理装置5は遠隔読影を関して様々な処理を実行することができる。
以下、管理装置5の詳細について説明する。
図5は、管理装置5の構成の一例を示した図である。
図5に示すように、管理装置5は、通信部51、記憶部52、サーバ機能部53、圧縮処理部54、制御部55を有する。
【0046】
通信部51は、ネットワーク4を介してデータセンタ1や他の拠点の他の管理装置5との通信を行う。他の拠点とは、例えば病院2から見た読影拠点3、或いは読影拠点3から見た病院2を意味する。
記憶部52は、医療用デジタル画像データの読影依頼処理時に使用するデータや、依頼集計機能及び自動請求書作成機能の動作時に使用するデータ、上述した依頼情報I2を記憶するための記憶手段である。
記憶部52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体により構成される。記憶部52は、或いは光ディスク(DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk:登録商標)等)にデータを書き込んで記憶させる光ドライブ装置で構成されてもよい。
【0047】
サーバ機能部53は、webサーバ機能を実現するブロックである。
サーバ機能部53は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31からの要求に応じて、記憶部52やメモリ24に記憶される各種データをリスト化して端末装置22や31に送信したり、端末装置22、31においてリストから選択されたデータを送信したりする。
【0048】
圧縮処理部54は、メモリ24や記憶部52に記憶される各種データの圧縮・解凍処理を行う。
圧縮方法は、圧縮されるデータが医療用デジタル画像データである場合、可逆圧縮と不可逆圧縮とを選択可能としてもよい。可逆圧縮は、圧縮前のデータと、圧縮及び展開の処理を経たデータが完全に等しくなる圧縮方法であり、非可逆圧縮は完全に等しくはならない圧縮方法である。可逆圧縮の例としてはJPEGやJPEG2000が、非可逆圧縮の例としてはPNG等がある。
【0049】
制御部55は、管理装置5を統括的に制御する制御ブロックである。
制御部55は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0050】
以下、遠隔読影システム100における、各種動作の際の動作例について説明する。
まず、病院2において医療用デジタル画像データが生成される場合の動作例について説明する。
図6は、病院2において医療用デジタル画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
ステップST1:
モダリティ21は、医療用デジタル画像データを生成する。
この際、モダリティ21は、生成した医療用デジタル画像データに対応する患者情報及び検査情報(管理情報)を生成し、これらの医療用デジタル画像データに管理情報を埋め込んでDICOM規格に適合した医療用デジタル画像データを生成する。
ステップST2:
モダリティ21は、ステップST1において生成した医療用画像データをLAN23を介して管理装置5に対して転送する。
【0051】
ステップST3:
管理装置5は、ステップST2において転送された医療用デジタル画像データと、患者情報管理リストとをメモリ24に記憶させる。
このようにしてメモリ24に記憶された医療用デジタル画像データは、例えば病院2内の端末装置22から閲覧が可能である。
【0052】
図7は、病院2において、端末装置22からメモリ24に記憶された医療用デジタル画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
ステップST11:
端末装置22は、管理装置5に対して、閲覧可能な医療用デジタル画像データのリストを要求する。このリストを以下では閲覧可能リストと称する。
ここで、端末装置22は、管理装置5に対して、メモリ24に記憶された全ての医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求することもできるが、必要な医療用デジタル画像データのみを抽出した閲覧可能リストを要求することもできる。
すなわち、例えば、同一患者の過去全ての医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求したり、同一の日に生成された医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求したり、同一のモダリティ21によって生成された医療用デジタル画像データの閲覧可能リストを要求したりすることができる。
【0053】
ステップST12:
管理装置5は、ステップST11において生成された閲覧可能リスト要求に応じて、メモリ24に記憶された医療用デジタル画像データ、患者情報、検査情報、患者情報管理リストを読み出し、閲覧可能リストを生成する。読み出した各種データは、例えば記憶部52に記憶される。
ステップST13:
管理装置5は、ステップST12において生成した閲覧可能リストを、端末装置22に対して転送する。
【0054】
ステップST14:
端末装置22を操作する医師等により、ステップST13において転送された閲覧可能リストを基に、閲覧する医療用デジタル画像データやその他の情報が選択される。端末装置22は、医師等の選択を基に、選択された医療用デジタル画像データやその他の情報を管理装置5に対して要求する。その他の情報には、例えば患者情報や検査情報、依頼件数情報I2等が含まれる。
ステップST15:
管理装置5は、ステップST14の閲覧要求に応じて、要求された医療用デジタル画像データやその他の情報を転送する。
ステップST16:
端末装置は、ステップST15において転送された医療用デジタル画像データやその他の情報を端末装置22を操作する医師等に対して閲覧させる。
【0055】
次に、病院2において、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例について説明する。
図8は、病院2において、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
ステップST21:
医師等が、端末装置22を操作し、読影拠点3に対して医療用デジタル画像データの読影を依頼する操作を行う。これに応じて、端末装置22は、上記操作により指定された医療用デジタル画像データを管理装置5に対して転送する。
【0056】
ステップST22:
管理装置5は、依頼元情報を基に読影依頼情報I1を生成する。
依頼元情報は、読影を依頼する病院2に関する情報であり、例えば病院2の固有ID等を含んでいる。
【0057】
ステップST23:
管理装置5は、ステップST22において生成した読影依頼情報I1を医療用デジタル画像データと共にデータセンタ1に対して送信する。
管理装置5は、医療用デジタル画像データ自体のセキュリティ性を高めるため、医療用デジタル画像データを暗号化してもよい。
【0058】
ステップST24:
管理装置5は、読影を行う正確な時刻及び日付、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別等の情報を含む依頼情報I2を生成する。生成した依頼情報I2は記憶部52に記憶され、自動的に集計される。集計結果も記憶部52に記憶される。
依頼情報I2及びその集計結果は、病院2の端末装置22から任意に閲覧が可能である。
【0059】
次に、読影依頼を受信したデータセンタ1の動作例について説明する。
上述したように、本発明の遠隔読影システム100では、データセンタ1では、病院2の読影拠点3に対する読影依頼に応じて、自動的に過去の読影結果レポートを読影データベースから抽出して添付するようになっている。
以下その詳細について説明する。
図9は、読影依頼を受信したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
【0060】
ステップST31:
サーバ装置11の制御部111は、ネットワーク4を介して病院2から読影依頼情報I1及び医療用デジタル画像データを取得する。
ステップST32:
サーバ装置11の制御部111は、ステップST31において病院2から取得した読影依頼情報I1をメモリ112に記憶させる。
【0061】
ステップST33:
サーバ装置11の制御部111は、病院2に対して読影依頼情報I1を取得したことを通知する。
ステップST34:
サーバ装置11の制御部111は、メモリ112に記憶・蓄積されている過去の医療用デジタル画像データ及び読影結果レポートの中から、同一患者の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを検索・抽出する。
【0062】
ステップST35:
サーバ装置11の制御部111は、読影拠点3に対して、病院2から読影の依頼が来ていることを通知する。そして、読影依頼情報I1と医療用デジタル画像データを読影拠点3に対して送信する。ステップST34において、同一患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートが検索されれば、それも添付して読影拠点3に対して送信する。
なお、本発明においては、読影拠点3に対して、読影依頼の通知と読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データの送信を必ずしも同時に行う必要はなく、読影依頼の通知に対する読影拠点3からの応答に対して読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データを送信するようにしてもよい。
【0063】
次に、読影拠点3において読影依頼の通知を受けた場合の動作例について説明する。
図10は、読影拠点3が読影依頼の通知を受けた場合の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST41:
管理装置5は、データセンタ1からの読影依頼通知を取得する。そして、読影依頼に対応する読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データ、及び同一患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを取得する。
読影拠点3の管理装置5は、データセンタ1からの読影依頼通知に対応してデータセンタ1に対して読影依頼情報I1及び医療用デジタル画像データを要求するようにしてもよい。
ステップST42:
管理装置5は、端末装置31に対して読影依頼通知を取得したことを通知する。
【0064】
ステップST43:
読影医は、ステップST42における読影依頼通知によって読影を依頼されたことを知り、読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データ及び同一患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを端末装置31を使用して閲覧し、読影を実行する。そして、端末装置31を使用して読影の結果を記した読影結果レポートを生成する。
ステップST44:
端末装置31は、ステップST43において作成が完了した読影結果レポートを管理装置5に転送する。
【0065】
ステップST45:
管理装置5は、読影結果レポートの生成が完了した読影依頼に関する情報を集計・管理し、依頼情報I2を生成する。そして、生成した読影結果レポートを病院2に対して送信する。上述したように、読影拠点3に設置された管理装置5によって生成される依頼情報I2は、読影を行った正確な時刻及び日付、読影部位、読影医の名前等の情報であり、病院2に設置された管理装置5が生成する依頼情報I2とは若干異なっている。
そして、生成した依頼情報I2は記憶部52に記憶され、自動的に集計される。集計結果も記憶部52に記憶される。
ステップST46:
管理装置5は、データセンタ1に対して、生成された読影結果レポートを送信する。
【0066】
次に、読影結果レポートを受信したデータセンタ1の動作例について説明する。
図11は、読影依頼を受信したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
ステップST51:
サーバ装置11の制御部111は、ネットワーク4を介して読影拠点3から読影結果レポートを取得する。
ステップST52:
サーバ装置11の制御部111は、ステップST51において取得した読影結果レポートをメモリ112に記憶する。
【0067】
ステップST53:
サーバ装置11の制御部111は、ステップST51で読影拠点3からの読影結果レポートを取得したことに対応して、読影拠点3に対して読影結果レポートを取得したことを通知する。
ステップST54:
サーバ装置11の制御部111は、病院2に対して、読影結果レポートを取得したことを通知すると共に、読影結果レポートを送信する。
【0068】
次に、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明する。
図12は、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST61:
管理装置5は、データセンタ1から読影結果レポートを取得する。
【0069】
ステップST62:
管理装置5は、読影結果レポートを取得したことを端末装置22に対して通知する。
ステップST63:
端末装置22は、読影結果レポートを閲覧するか否かを判断する。
閲覧すると判断した場合はステップST65に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0070】
ステップST64:
端末装置22は、管理装置5に対して読影結果レポートの閲覧を要求する。
ステップST65:
管理装置5は、端末装置22に対して読影結果レポートを転送する。
ステップST66:
端末装置22は、読影結果レポートの閲覧を行う。
【0071】
次に、読影拠点3において、行った遠隔読影に対する請求書を作成する場合の動作例について説明する。
図13は、読影拠点3において、行った遠隔読影に対する請求書を作成する場合の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST71:
管理装置5は、請求書を作成するための所定のタイミングに到達したか否かを判断する。
請求書を作成するための所定のタイミングとは、例えば予め端末装置31を介した操作などにより設定されたタイミングである。例えば読影拠点3が、請求書を月末締めで病院2に対して送付するように決めていた場合は、例えば翌月に切り替わる午前零時等が所定のタイミングとなる。当該所定のタイミングは、自由に設定が可能である。
現在時刻が所定のタイミングであった場合はステップST73に、そうでない場合はステップST72に進む。
【0072】
ステップST72:
管理装置5は、端末装置31等を介して、請求書を作成する指示がなされたか否かを判断する。
すなわち、ステップST71において説明したような所定のタイミング以外でも、端末装置31からの操作により管理装置5は請求書の作成が可能である。
指示がなされた場合はステップST73に進み、なされていない場合は処理を終了する。
ステップST73:
管理装置5は、図10のステップST45において作成した依頼情報I2を基に、請求書の作成を行う。
上述したように、管理装置5は、読影拠点3の端末装置31から予め設定された料金算出のための各種条件を使用して、読影依頼に関する料金を算出し、所定の書式で所定のフォーマットに料金を記入することにより作成する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の遠隔読影システム100によれば、遠隔読影を依頼する病院2と、読影を依頼される読影拠点3において、共通の構成である管理装置5が配設されている。
管理装置5は、病院2においては、生成された医療用デジタル画像データの管理、圧縮・暗号化、医療用デジタル画像データに対する患者情報・検査情報などの付与(添付)、DICOM規格への変換、読影拠点3への読影依頼処理、読影拠点3からの読影結果レポートの取得処理等を行うことができる。
また、管理装置5は、読影拠点3においては、読影依頼の取得処理、読影結果レポートの管理、読影結果レポートの送信処理等を行うことができる。
【0074】
すなわち、本実施形態の遠隔読影システム100においては、病院2側と読影拠点3において、共通の管理装置5により遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムが構成される。このため、各拠点(病院2及び読影拠点3)において、遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムを構築するために必要な構成が少なくて済み、初期費用を抑えることができるようになる。
また、読影拠点3に存在する医師等は、例えば病院2における勤務経験を有する場合があり、共通の構成要素である管理装置5がどちらの拠点にも導入されていることによって、操作の習熟等に時間を要さず、人的コストを抑えることも可能となる。
【0075】
さらに、本実施形態の遠隔読影システム100では、ある医療用デジタル画像データの遠隔読影が読影拠点3に依頼されるとき、データセンタ1において記憶されていた、当該医療用デジタル画像データと同一の患者の過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートをデータセンタ1のサーバ装置11の制御部111が抽出し、読影を依頼された読影拠点3に対して、読影依頼情報I1・医療用デジタル画像データに過去の医療用デジタル画像データ・読影結果レポートを添付して送信する。
このため、読影拠点3の読影医が読影を行う際に、過去の画像データや読影結果を参照できるため、読影を行いやすくなる。また、読影の精度を向上させることができる。
【0076】
さらに、管理装置5は、病院2においては読影依頼時に、読影拠点3においては読影結果レポートの生成が完了した時点で、読影依頼に関する依頼情報I2を生成する。
そして、管理装置5は、過去に生成した依頼情報I2を基に、依頼情報I2に含まれる各情報の集計を行う。すなわち、例えば管理装置5は、設置された病院2において行った遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時等のそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。或いは、例えば管理装置5は、設置された読影拠点3において依頼された遠隔読影の依頼件数、その日時、検査部位、読影を行った日時、読影を行った医師名などのそれぞれの情報毎に集計を行い、その統計を取る。
このようにして集計された統計結果は、管理装置5内に蓄積される。この統計結果は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31から自由に閲覧が可能である。統計結果は、端末装置22や端末装置31においては、例えばグラフや表などの形式で情報毎に表示されることができる。
また、管理装置5は、病院2に設置されている場合、遠隔読影の依頼を行った日時と、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った日時とから、読影の依頼先が読影に要した時間を算出し、これを集計・記録することができる。
【0077】
さらに、管理装置5は、このように生成した依頼情報I2と、予め登録された料金情報とを使用して、読影拠点3から病院2に対して送付されるべき請求書を自動的に作成することができる。
例えば、予め登録された料金情報として、読影が依頼されてから結果が返送されるまでの時間や、読影を行う読影医の技術、読影箇所(頭部、胸部、腹部等)、検査種別(MRIとCTで価格が異なる)、所定期間あたりの枚数(例えば、1ヶ月に所定枚数以下なら所定の定額料金、所定枚数を超えると1枚あたりいくらで計算する、等)等で1件の読影依頼あたりの料金が変化することが登録されている場合には、管理装置5はそれぞれの場合に応じて臨機応変に読影依頼に関する料金を算出することができる。
【0078】
そして、管理装置5は算出した料金を、所定の書式で所定のフォーマットに記入した請求書を自動的に作成することができる。この請求書には、請求金額の他、例えば請求を行う主体となる読影拠点3の名称、読影拠点3内の部署名、請求を行う日付、請求先となる病院2の名称、部署名、料金請求の意を伝える定型文、請求金額の明細等が自動的に記入されるので、読影拠点3における請求書作成の手間を大幅に軽減することができる。
なお、自動請求書作成機能によれば、病院2に設置された管理装置5においても、自動請求書作成機能により、請求されるべき料金を自動的に算出できるため、読影拠点3から送付された請求書に記載された請求金額が正しいか否かを確認することができる。
【0079】
なお、上述した実施形態では、病院2及び読影拠点3がそれぞれ1箇所ずつである場合について説明したが、本発明はこれには限定されない。
例えば、読影拠点3が複数存在する場合には、病院2からは、複数の読影拠点3のうち、いずれに読影を依頼するかを選択することができるようになっている。
そして、病院2の管理装置5は、どの読影拠点3にどれだけ読影を依頼したかを依頼件数情報I2として管理することにより、各読影拠点3に対する個別の料金算出等を行うことができるようになっている。
【0080】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【符号の説明】
【0081】
100…遠隔読影システム、1…データセンタ、11…サーバ装置、111…制御部、112…メモリ、2…病院、21…モダリティ、22…端末装置、23…LAN、24…メモリ、3…読影拠点、31…端末装置、4…ネットワーク、5…管理装置、51…通信部、52…記憶部、53…サーバ機能、54…圧縮処理部、55…制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、
前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、
前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、
前記医療施設と、前記管理施設と、前記読影拠点とを接続するネットワークと、
を有し、
前記医療施設及び前記読影拠点には、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うための読影管理装置が配置され、
前記読影管理装置が、
前記医療施設における、前記管理施設に対する前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの送信処理と、
前記読影拠点における、前記管理施設から送信される前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの受信処理と、
前記読影拠点における、前記管理施設に対する前記読影レポートの送信処理と、
前記医療施設における、前記管理施設から送信される前記読影レポートの受信処理と、
を実行する読影システムであって、
前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する
遠隔読影システム。
【請求項2】
前記依頼に関する所定の項目は、少なくとも、依頼の正確な時刻及び日付、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った時刻及び日付、読影を行った医師名のいずれかの情報を含む
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記読影管理装置は、依頼の正確な時刻及び日付及び読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った時刻及び日付を基に、当該読影結果レポートが返送されるまでの時間を算出し、当該時間が所定の時間より短い場合に前記料金算出条件を変動させる
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項4】
前記読影管理装置は、前記算出した請求金額を基に、所定の書式を使用して、前記読影に対する請求書を作成する
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項5】
医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、がネットワークを介して接続された遠隔読影システムにおいて、
前記医療施設及び前記読影拠点に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うために配置された読影管理装置であって、
前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する
読影管理装置。
【請求項1】
医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、
前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、
前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、
前記医療施設と、前記管理施設と、前記読影拠点とを接続するネットワークと、
を有し、
前記医療施設及び前記読影拠点には、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うための読影管理装置が配置され、
前記読影管理装置が、
前記医療施設における、前記管理施設に対する前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの送信処理と、
前記読影拠点における、前記管理施設から送信される前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データの受信処理と、
前記読影拠点における、前記管理施設に対する前記読影レポートの送信処理と、
前記医療施設における、前記管理施設から送信される前記読影レポートの受信処理と、
を実行する読影システムであって、
前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する
遠隔読影システム。
【請求項2】
前記依頼に関する所定の項目は、少なくとも、依頼の正確な時刻及び日付、読影を依頼する医療用デジタル画像データの検査部位や検査種別、読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った時刻及び日付、読影を行った医師名のいずれかの情報を含む
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記読影管理装置は、依頼の正確な時刻及び日付及び読影依頼先から返送された読影結果レポートを受け取った時刻及び日付を基に、当該読影結果レポートが返送されるまでの時間を算出し、当該時間が所定の時間より短い場合に前記料金算出条件を変動させる
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項4】
前記読影管理装置は、前記算出した請求金額を基に、所定の書式を使用して、前記読影に対する請求書を作成する
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項5】
医療用デジタル画像データを生成する医療施設と、前記医療施設が外部の読影拠点に対して読影を依頼するための読影依頼情報と、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データとを取得し、前記読影を依頼された読影拠点に対して前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを転送する管理施設と、前記管理施設から取得した前記読影依頼情報及び前記医療用デジタル画像データを基に読影された結果が記載された読影結果レポートを前記管理施設に対して送信する読影拠点と、がネットワークを介して接続された遠隔読影システムにおいて、
前記医療施設及び前記読影拠点に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データの読影を前記読影拠点に依頼し、当該依頼に応じて当該読影拠点にて当該医療用デジタル画像データを基に生成し、前記読影レポートを前記医療施設が取得する遠隔読影処理を行うために配置された読影管理装置であって、
前記読影管理装置は、前記読影の依頼に応じて、当該依頼に関する所定の項目の情報を含む依頼情報を生成し、前記所定の項目毎に集計を行い、当該集計結果及び予め設定された料金算出条件を基に前記読影拠点から前記医療施設に対する前記読影に対する請求金額を算出する
読影管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−100413(P2011−100413A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256417(P2009−256417)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]