遠隔通報システムおよび電子計算機、並びに、遠隔通報方法
【課題】ネットワークの輻輳を防ぎつつ、監視側にて被監視装置のエラー発生を確実に把握する。
【解決手段】ネットワーク(50)を介して監視装置(30)と接続された各被監視装置(10)が、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体(14)に記録し、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録し、記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に監視装置へ送信する。監視装置は、各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体(34b)に記録し、記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示する(33)。
【解決手段】ネットワーク(50)を介して監視装置(30)と接続された各被監視装置(10)が、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体(14)に記録し、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録し、記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に監視装置へ送信する。監視装置は、各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体(34b)に記録し、記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示する(33)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子計算機の状態を遠隔で監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客へ納入した電子計算機のオンラインサポートサービスのように、多数の装置を遠隔でリアルタイムに監視するサービスがある。かかるサービスのシステムでは、顧客側の装置に異常が発生したとき、その旨を示すエラー情報がネットワークを介して監視装置へ通知される。エラー通知を受けた監視側では、オペレータが、顧客に対し電話や電子メール等にて詳細を確認するといったサポート業務を行う。
【0003】
ところで、監視側へ通知されるエラーには、例えば、装置の点検作業に伴う再起動や停電など、予め顧客側にて計画された作業によるエラーが含まれることがある。この場合、エラーを受けた監視側は、顧客に対しサポートの連絡を行っても、そのサポートは無駄なものとなる。
【0004】
上記のような不都合に対処するための方法として、例えば、後述の特許文献1に記載のものがある。同文献に記載の方法は、監視対象へ送信したメッセージに対する応答の有無により、そのシステムの障害の有無を監視するというものである。エラー発生時、監視側は、そのシステムについての監視フラグが停止中を示す場合、障害発生と判断しない。
【特許文献1】特開2003−099290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の方法によれば、停止中のシステムから応答が無いことを障害発生と誤判断することを防止できる。
【0006】
しかしながら、上記方法にあっては、障害の有無を判別するために、システムとそれを監視する装置との間で、定期的にメッセージをやりとりする必要がある。これは、特に、数万台といった膨大な監視対象が存在するシステムの場合、ネットワークに頻繁な輻輳を招く可能性がある。一方、輻輳を回避するために、例えば、定期メッセージの周期を比較的長く設定すると、障害の検出に漏れが生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題に対処すべくなされたものであり、その目的は、ネットワークの輻輳を防ぎつつ、監視側にて被監視装置のエラー発生を確実に把握する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遠隔通報システムは、ネットワークに接続された監視装置および複数の被監視装置を備え、前記各被監視装置は、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを有し、前記監視装置は、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示する手段とを有する。
【0009】
本発明に係る電子計算機は、ネットワークを介して監視装置と接続された被監視装置としての電子計算機であって、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを備える。
【0010】
本発明に係る遠隔通報方法は、ネットワークを介して監視装置と接続された複数の被監視装置のそれぞれが、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録し、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信し、前記監視装置が、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示するという方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネットワークに対する通信負荷を抑えつつ、監視装置が被監視装置のエラー発生を精度よく検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に、本発明の実施形態のシステム構成を示す。本実施形態は、顧客に納入した電子計算機のオンラインサポートを行うという用途に本発明を適用したものである。
【0013】
システム100は、顧客に納入された被監視装置としての複数の電子計算機10と、対応する電子計算機10に無停電で電源を供給する電源装置20と、サポート機関の監視装置30と、システムに基準時刻を提供するタイムサーバ40とを備える。システム100において、これらはネットワーク50を介して通信可能に接続されている。各電子計算機10には、識別のためのID(図1:ID=cal_1、ID=cal_2、…)が割り当てられている。
【0014】
電子計算機10において、通信部11は、ネットワーク50を利用した通信処理を担う回路を含み、監視装置30やタイムサーバ40と交信する。制御部12は、CPUのような制御ICを含み、後述の記憶部14から読み出したプログラムを実行することにより、電子計算機10の動作を制御する。また、制御部12は、自機のストールや電源装置20の停電といったエラーの発生を検知するプログラム及びそれを実行する仕組みを持つ。入力部13は、キーボードやマウス等の入力装置を含み、それらによるオペレータの入力操作を認識する。記憶部14は、フラッシュメモリのような不揮発メモリ14aおよびハードディスクのような磁気ディスク14bといった記憶媒体を含み、それらに対するデータの入出力を行う。表示部15は、LCDのような表示装置を含み、制御部12からの指示に対応した画面を表示する。
【0015】
監視装置30において、通信部31は、ネットワーク50を介した通信処理を担う回路を含み、各電子計算機10やタイムサーバ40と交信する。制御部32は、CPUのような制御ICを含み、監視装置30の動作を制御する。表示部33は、LCDのような表示装置を含み、制御部32の指示に対応した画面を表示する。画面には、例えば、計画表示ウィンドウ33aおよびエラー表示ウィンドウ33bがある。顧客DB34aには、各電子計算機10の納入先の顧客データが登録される。通報DB34bは、各電子計算機10から受信する後述の通報メッセージを記憶する。
【0016】
上記構成によるシステム100の動作について説明する。ここでは、電子計算機10について計画された作業として、図2に示すような作業があるとする。図示の例では、顧客側での作業に伴う電子計算機10の再起動あるいは停電・シャットダウンといった動作があり、作業別にID(1〜12,…)が割り当てられている。図示のID「12」に関し、電子計算機起動順の制限とは、例えば、親サーバ→子サーバ→孫サーバの順で起動するといった、所定の起動順序が設けられている階層構造のサーバシステムにあって、親サーバ若しくは子サーバのいずれかの故障時には、全てのサーバを再起動する、若しくは子サーバ及び孫サーバのみを再起動するという制限を指す。
【0017】
図3に示すフローチャートに沿って、各電子計算機10の動作を説明する。電子計算機10は、起動時および起動後の一定時の時間間隔でタイムサーバ40から基準時刻を取得し、それに自機の内部時刻を同期させる(ステップA1)。
【0018】
オペレータは、作業計画に関する計画情報を電子計算機10へ入力する。入力の形態としては、例えば、図2に示す一覧を予め電子計算機10に登録しておき、その中から、計画された全ての作業のIDと、それぞれの作業時間帯の情報とを入力する。また、あるいは、作業の情報を新規に入力するという形態であってもよい。その場合、新たにIDを設定する。
【0019】
電子計算機10は、上記のようにしてオペレータにより計画情報が入力されると、その入力内容を認識し(ステップA2)、不揮発メモリ14aや磁気ディスク14bに記録する(ステップA3)。このとき、計画された作業の状態を表す状態フラグを「A」(未通報)に設定する。計画情報は、例えば、図4に示すような形態で記録される。
【0020】
図4に示す例では、図2の一覧から選択された作業ごとに、開始予定および完了予定の日程が記録されている。また、各エントリには、前述の状態フラグが設定される。図示の例では、計画情報の入力当初のように、まだ計画情報を通報していない状態を表す「A」と、通報は完了したが作業が未完了な状態を表す「N」と、作業が完了した状態を表す「Y」とが用意されている。電子計算機10は、オペレータの入力操作に対応する状態フラグを設定する。
【0021】
電子計算機10は、上記のように記録された計画情報の中から、状態フラグが「A」の作業を認識し、それを前述の「cal_1」のような自機のIDと共に所定のメッセージフォーマットに記述して暗号化する。そして、暗号化したメッセージを通報メッセージとして監視装置30へ送信する(ステップA4)。なお、この通報メッセージには、その内容が計画情報であることを監視装置30により判別できるような情報を付加する。例えば、メッセージのヘッダに、特定の識別子を記述する。
【0022】
電子計算機10は、監視装置30へ通報した作業について、状態フラグを「A」から「N」(作業通報済み)に更新する(ステップA5)。上記要領にて、状態フラグが「A」の全ての作業について通報を行う(ステップA6)。
【0023】
その後、計画された作業が完了すると、オペレータがその旨を電子計算機10へ入力する。電子計算機10は、作業完了の入力を認識したとき(ステップA7)、完了した作業について、状態フラグを「N」から「Y」(作業完了)へ更新する(ステップA8)。そして、状態フラグが「Y」の作業について、その作業が完了したことを監視装置30へ通報する(ステップA9)。
【0024】
電子計算機10は、現時点で状態フラグが「N」(作業未完了)の作業が存在するか否かを確認し、存在しない場合は処理を終了する(ステップA10:No)。また、存在する場合は(ステップA10:Yes)、その作業の完了予定時刻(図4)がタイムサーバ40の基準時刻に基づく現在時刻を過ぎているか否かを判別する。判別の結果、まだ予定時刻を過ぎていない場合は(ステップA11:No)、作業完了を待つ。
【0025】
一方、完了予定時刻を過ぎても作業完了の旨が入力されていないエントリがある場合(ステップA11:Yes)、電子計算機10は、実際の状況を確認するための画面をポップアップなどで表示する(ステップA12)。これにより、オペレータの入力忘れ、あるいは、作業の実行漏れについて注意を喚起することができる。
【0026】
図5に示すフローチャートに沿って、電子計算機10におけるエラーイベントに関する動作を説明する。以下の動作は、図3に沿った前述の動作と並行するものであり、その開始時点は、例えば、全ての計画作業を監視装置30へ通報し終えたとき(図3・ステップA6:No)など、任意のタイミングであってよい。
【0027】
電子計算機10は、自機のストールや電源装置20の停電といったエラーイベントの発生を検知したとき(ステップA21:Yes)、そのエラーの種別を判別し(ステップA22)、不揮発メモリ14aや磁気ディスク14bにエラー情報を記録する(ステップA23)。このとき、発生したエラーについて通報が行われたか否かを示す状態フラグに「A」(未通報)を設定する。エラー情報は、例えば、図6に示すような形態で記録することができる。
【0028】
図6に示す例では、発生したエラーについて、その種別と発生日時とが記録されている。また、各エントリの状態フラグとして、エラーの発生当初のように、まだエラー情報を通報していない状態を表す「A」と、通報が完了した状態を表す「P」とが用意されている。後述するように、電子計算機10は、エラーの通報状況に応じて状態フラグを切り替える。
【0029】
電子計算機10は、状態フラグが「A」のエントリを認識し、それを自機のIDと共に所定のメッセージフォーマットに記述して暗号化し、通報メッセージとして監視装置30へ送信する(ステップA24)。この通報メッセージには、その内容がエラー情報であることを監視装置30により判別できるような情報をヘッダ等に付加する。
【0030】
電子計算機10は、監視装置30へ通報したエラーについて、状態フラグを「A」から「P」(エラー通報済み)に更新する(ステップA25)。電子計算機10は、状態フラグが「A」のエントリが発生する都度、上記要領にて、監視装置30にエラー情報を通報する。
【0031】
次に、図7に示すフローチャートに沿って、各電子計算機10の上記動作に対する監視装置30の動作を説明する。監視装置30は、起動時および起動後の一定時の時間間隔でタイムサーバ40から基準時刻を取得し、それに自機の内部時刻を同期させる(ステップB1)。
【0032】
監視装置30は、電子計算機10から通報メッセージを受信すると(ステップB2)、メッセージを復号し、復号データから電子計算機10のIDと通報内容とを認識する(ステップB3)。
【0033】
監視装置30は、認識した計算機IDをキーとして、その計算機を所有する顧客のデータを顧客DB34aから検索する(ステップB4)。そして、検索された顧客データと、今回の通報内容のデータとを関連付けて通報DB34bに格納する(ステップB5)。通報DB34bへのデータ格納は、通報別に区別して、すなわち計画情報およびエラー情報を区別して格納する。なお、通報内容が何れであるかは、電子計算機10が通報メッセージのヘッダ等に付加した識別子により判別することができる。
【0034】
監視装置30は、上記動作による通報DB34bの更新を認識したとき(ステップB6)、更新されたデータが作業計画に関するものである場合(ステップB7:計画情報)、その更新データを計画表示ウィンドウ33aに追加表示する(ステップB8)。このとき、表示される作業の時間帯が時系列に沿うように追加する。
【0035】
図8に、監視装置30のディスプレイに表示される計画表示ウィンドウ33aの例を示す。図示の例では、各顧客について、通報された計画作業の内容(作業ID)と、その作業の時間帯(開始予定及び完了予定)とが、時系列に沿って表示されている。これにより、監視装置30のオペレータが、各顧客における作業予定を時間を追って把握することができる。
【0036】
一方、通報DB34bにおいて更新されたデータが電子計算機10のエラーに関するものである場合(ステップB7:エラー情報)、監視装置30は、その更新データをエラー表示ウィンドウ33bに追加表示する(ステップB9)。この場合も、表示されるエラーの発生時間が時系列に沿うように追加する。
【0037】
図9に、監視装置30のディスプレイに表示されるエラー表示ウィンドウ33bの例を示す。図示の例では、各顧客について、通報されたエラーの種別と、そのエラーが発生した日時とが、時系列に沿って表示されている。これにより、監視装置30のオペレータが、各顧客における電子計算機10のエラー発生を時間を追って把握することができる。
【0038】
監視装置30のオペレータは、図8及び図9のように表示された両ウィンドウ(33a,33b)を参照し、各電子計算機10で発生したエラーが、サポート連絡の必要なものかどうかを判断する。例えば、エラーの発生日時が、計画作業の時間帯に含まれる場合、そのエラーは計画作業によるものと判断し、サポートの連絡は行わない。また、エラーの発生日時が、計画作業の時間帯に含まれない場合は、そのエラーが計画作業によるものではないと判断し、サポートの連絡を行うようにすればよい。
【0039】
以上説明した実施形態によれば、顧客側からのプッシュ型の情報提供により、ネットワーク50に対する通信負荷を抑えつつ、監視装置30が電子計算機10のエラー発生を精度よく検知することができる。また、監視側では、監視装置30により、電子計算機10のエラー情報と共に、その電子計算機10に関する作業計画を把握できることから、計画作業に伴うエラー通報に対しても顧客側へ確認をとるという無駄なサポート業務を削減することができる。
【0040】
(他の実施形態)
上記実施形態では、電子計算機10で発生したエラーが顧客側で予め計画された作業によるものか否かが、監視装置30のオペレータにより判断される。本発明の実施は、上記形態に限らず、その判断を各電子計算機10が行うという形態であってもよい。その実施形態を以下に説明する。なお、システム構成は、図1に示す前述のものと同様であり、説明を省略する。
【0041】
図10に示すフローチャートに沿って、エラー発生時における各電子計算機10の動作を説明する。電子計算機10は、ストールや停電などのエラーイベントが発生したことを検知したとき(ステップA31:Yes)、そのエラーの種別を判別して不揮発メモリ14aや磁気ディスク14bにエラー情報を記録する(ステップA32)。このとき、監視装置30へのエラー通報が行われたか否かを示す状態フラグに「A」(未通報)を設定する。本実施形態のエラー情報は、例えば、図11に示すような形態で記録することができる。
【0042】
図11に示す例では、発生したエラーについて、その種別および発生日時が記録されている。また、各エントリの状態フラグとして、まだエラー情報を通報していない状態を表す「A」、及び、通報が完了した状態を表す「P1」のほか、発生したエラーの通報を無効化したことを表す「P2」が用意されている。後述するように、電子計算機10は、エラーの通報状況に応じて状態フラグを切り替える。
【0043】
電子計算機10は、エラー情報を記録したとき、そのエラーの発生日時と、先にエントリされた計画情報における作業日程とを認識する(ステップA33)。そして、認識した日時の値を解析し、エラーの発生日時が、計画された作業日程に含まれるか否かを判断する(ステップA34)。
【0044】
上記解析の結果、エラーの発生日時が作業日程に含まれない場合(ステップA35:No)、そのエラーは計画作業によるものではないとみなし、前述の実施形態と同様な手順で、監視装置30に対しエラー通報する(ステップA36)。そして、通報したエラーの状態フラグを「A」から「P1」(通報済み)に更新する(ステップA37)。
【0045】
一方、エラーの発生日時が作業日程に含まれる場合(ステップA35:Yes)、そのエラーは計画作業により発生したとみなす。この場合、電子計算機10は、そのエラーの状態フラグを「A」から「P2」(通報しない)に更新し、監視装置30に対しエラー通報は行わない(ステップA38)。したがって、電子計算機10において、計画作業に伴うエラーが発生した場合は、そのエラーの通報が無効化される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の電子計算機10は、予め計画された作業に伴い発生したエラーイベントについては、監視装置30へ通報しないように制御する。これにより、電子計算機10から送信されるエラー通報が制限されることから、ネットワーク50の輻輳を防止できる。また、計画外のエラーのみ、すなわち顧客へのサポートが必要なエラーのみが、監視装置30へ通知されることから、サポート業務に関する監視側での負担を軽減することができる。
【0047】
なお、本発明は、電子計算機10のエラーイベントを、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、計画による停電等といったカテゴリに分類して監視することができる。この場合、電子計算機10にて登録する計画情報の各作業には、対応するカテゴリを関連付けて記録しておく。具体的には、例えば、図12に示すように計画情報を登録することができる。図示の例では、作業IDごとに、その作業が何れのカテゴリに属するかを示すカテゴリIDが記録されている。
【0048】
図13に示すフローチャートに沿って、図12のような計画情報を用いる電子計算機10におけるエラー発生時の動作を説明する。
【0049】
電子計算機10は、ストールや停電などのエラーイベントの発生を検知したとき(ステップA41:Yes)、そのエラーの種別を判別してエラー情報を記録する(ステップA42)。このとき、エラー通報に関する状態フラグに「A」(未通報)を設定する。本実施形態のエラー情報は、例えば、図14に示すような形態で記録することができる。
【0050】
図14に示すエラー情報において、状態フラグの種類は、前述の図11のものと同一である。本実施形態では、発生したエラーごとに、そのエラーに対応するカテゴリのIDをエラー情報に記録する。エラー情報のカテゴリIDには、計画情報(図12)にて用いるIDと共通の定義のものを用いる。
【0051】
電子計算機10は、上記のようにエラー情報を記録したとき、計画情報を参照し、今回のエラーと同一カテゴリの計画作業があるか否かを確認する。この確認は、今回のエラーのカテゴリIDと同一のものが計画情報に存在するか否かを判別すればよい。その結果、同一カテゴリの計画作業が無い場合(ステップA43:No)、今回のエラーは、計画作業によるものではないとみなし、前述の実施形態と同様な手順で、監視装置30に対しエラー通報する(ステップA47)。そして、通報したエラーの状態フラグを「A」から「P1」(通報済み)に更新する(ステップA48)。
【0052】
また、今回のエラーと同一カテゴリの計画作業が存在する場合(ステップA43:Yes)、電子計算機10は、そのエラーの発生日時と、同一カテゴリの作業日程とを認識する(ステップA44)。そして、認識した日時の値を解析し、エラーの発生日時が、計画された作業日程に含まれるか否かを判断する(ステップA45)。
【0053】
上記解析の結果、エラーの発生日時が作業日程に含まれない場合(ステップA46:No)、そのエラーは計画作業によるものではないとみなす。この場合、監視装置30にエラー通報し(ステップA47)、通報したエラーの状態フラグを「A」から「P1」(通報済み)に更新する(ステップA48)。
【0054】
一方、エラーの発生日時が作業日程に含まれる場合(ステップA46:Yes)、そのエラーは計画作業により発生したものとみなす。ここで、図14の鎖線で囲まれたエントリを例に挙げると、このエラーのカテゴリは「ID=c2」である。また、図12の計画情報において、それと同一カテゴリ(ID=c2)の作業エントリが2つある(鎖線枠)。これら2つのエントリのうち、作業日程に、今回のエラーの発生時刻を含むものがあるかどうかを解析する。その結果、図12における下方の鎖線枠の作業日程(「2007/04/25 12:00」〜「2007/04/25 13:00」)が、今回のエラーの発生時刻(図14:「2007/04/25 12:30:00」)を含む。よって、今回のエラーは、この作業エントリの作業に伴うエラーであると判断される。
【0055】
計画作業によるエラーと判断した場合、電子計算機10は、そのエラーの状態フラグを「A」から「P2」(通報しない)に更新し、監視装置30に対するエラー通報を無効化する(ステップA49)。
【0056】
上記実施形態によれば、図10に沿った前述の実施形態と同様に、計画された作業に伴うエラーイベントについては、監視装置30へ通報しないように制御することができる。また、本実施形態では、計画作業及びエラーイベントをカテゴリに分類して管理することで、通報すべきエラーを効率よく判別することができる。具体的には、例えば、発生したエラーと同一カテゴリの計画作業がない場合は(ステップS43:No)、エラーの発生時刻を解析することなく、その時点でエラー通報に移行することができる。
【0057】
なお、作業及びエラーのカテゴリ分類は、適宜設定することができる。前述のハードウェアやソフトウェアといった分類に限らず、例えば、ハードウェアのエラーイベントについて、各記憶デバイス(14a,14b)や、図示しない冷却FAN等に細分化して管理してもよい。これにより、エラーイベントの分析を詳細に行うことができる。
【0058】
本発明の実施は、上記の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、監視装置30が各表示ウィンドウ(33a,33b)に情報を出力する際、オペレータの指示により、顧客(計算機ID)の情報を選択的に出力するようにしてもよい。これにより、視認性が向上する。
【0059】
また、電子計算機10の不揮発メモリ14aとして、着脱可能な記憶媒体を用い、計画情報及びエラー情報を不揮発メモリ14a及び磁気ディスク14bの双方に記録することにより、計画作業の間は不揮発メモリ14aを取り外すことができる。これにより、作業の事故により、記録された情報が消失することを防止できる。
【0060】
上記各実施形態において、計画情報に電子計算機10の撤去作業(図2:ID=10)がエントリされた場合、この作業の完了予定には、作業者等による入力に替えて、電子計算機10が自動的に「9999年12月31日」のような最大値を設定するようにしてもよい。
【0061】
本発明は、上記の電子計算機(10)の動作に対応するコンピュータプログラム、及び、そのプログラムを記憶した記録媒体として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態におけるシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態における作業計画に関する説明図である。
【図3】本発明の実施形態における電子計算機の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における計画情報に関する説明図である。
【図5】本発明の実施形態における電子計算機のエラーイベントに関するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるエラー情報に関する説明図である。
【図7】本発明の実施形態における監視装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態における監視装置の計画表示ウィンドウの説明図である。
【図9】本発明の実施形態における監視装置のエラー表示ウィンドウの説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態における電子計算機のエラーイベントに関するフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態におけるエラー情報に関する説明図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態における計画情報に関する説明図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態における電子計算機のエラーイベントに関するフローチャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施形態におけるエラー情報に関する説明図である。
【符号の説明】
【0063】
100:システム、10:電子計算機、11:通信部、12:制御部、13:入力部、14:記憶部、14a:不揮発メモリ、14b:磁気ディスク、15:表示部、20:電源装置、30:監視装置、31:通信部、32:制御部、33:表示部、33a:計画表示ウィンドウ、33b:エラー表示ウィンドウ、34a:顧客DB、34b:通報DB、40:タイムサーバ、50:ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子計算機の状態を遠隔で監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客へ納入した電子計算機のオンラインサポートサービスのように、多数の装置を遠隔でリアルタイムに監視するサービスがある。かかるサービスのシステムでは、顧客側の装置に異常が発生したとき、その旨を示すエラー情報がネットワークを介して監視装置へ通知される。エラー通知を受けた監視側では、オペレータが、顧客に対し電話や電子メール等にて詳細を確認するといったサポート業務を行う。
【0003】
ところで、監視側へ通知されるエラーには、例えば、装置の点検作業に伴う再起動や停電など、予め顧客側にて計画された作業によるエラーが含まれることがある。この場合、エラーを受けた監視側は、顧客に対しサポートの連絡を行っても、そのサポートは無駄なものとなる。
【0004】
上記のような不都合に対処するための方法として、例えば、後述の特許文献1に記載のものがある。同文献に記載の方法は、監視対象へ送信したメッセージに対する応答の有無により、そのシステムの障害の有無を監視するというものである。エラー発生時、監視側は、そのシステムについての監視フラグが停止中を示す場合、障害発生と判断しない。
【特許文献1】特開2003−099290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の方法によれば、停止中のシステムから応答が無いことを障害発生と誤判断することを防止できる。
【0006】
しかしながら、上記方法にあっては、障害の有無を判別するために、システムとそれを監視する装置との間で、定期的にメッセージをやりとりする必要がある。これは、特に、数万台といった膨大な監視対象が存在するシステムの場合、ネットワークに頻繁な輻輳を招く可能性がある。一方、輻輳を回避するために、例えば、定期メッセージの周期を比較的長く設定すると、障害の検出に漏れが生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題に対処すべくなされたものであり、その目的は、ネットワークの輻輳を防ぎつつ、監視側にて被監視装置のエラー発生を確実に把握する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遠隔通報システムは、ネットワークに接続された監視装置および複数の被監視装置を備え、前記各被監視装置は、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを有し、前記監視装置は、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示する手段とを有する。
【0009】
本発明に係る電子計算機は、ネットワークを介して監視装置と接続された被監視装置としての電子計算機であって、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを備える。
【0010】
本発明に係る遠隔通報方法は、ネットワークを介して監視装置と接続された複数の被監視装置のそれぞれが、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録し、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信し、前記監視装置が、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示するという方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネットワークに対する通信負荷を抑えつつ、監視装置が被監視装置のエラー発生を精度よく検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に、本発明の実施形態のシステム構成を示す。本実施形態は、顧客に納入した電子計算機のオンラインサポートを行うという用途に本発明を適用したものである。
【0013】
システム100は、顧客に納入された被監視装置としての複数の電子計算機10と、対応する電子計算機10に無停電で電源を供給する電源装置20と、サポート機関の監視装置30と、システムに基準時刻を提供するタイムサーバ40とを備える。システム100において、これらはネットワーク50を介して通信可能に接続されている。各電子計算機10には、識別のためのID(図1:ID=cal_1、ID=cal_2、…)が割り当てられている。
【0014】
電子計算機10において、通信部11は、ネットワーク50を利用した通信処理を担う回路を含み、監視装置30やタイムサーバ40と交信する。制御部12は、CPUのような制御ICを含み、後述の記憶部14から読み出したプログラムを実行することにより、電子計算機10の動作を制御する。また、制御部12は、自機のストールや電源装置20の停電といったエラーの発生を検知するプログラム及びそれを実行する仕組みを持つ。入力部13は、キーボードやマウス等の入力装置を含み、それらによるオペレータの入力操作を認識する。記憶部14は、フラッシュメモリのような不揮発メモリ14aおよびハードディスクのような磁気ディスク14bといった記憶媒体を含み、それらに対するデータの入出力を行う。表示部15は、LCDのような表示装置を含み、制御部12からの指示に対応した画面を表示する。
【0015】
監視装置30において、通信部31は、ネットワーク50を介した通信処理を担う回路を含み、各電子計算機10やタイムサーバ40と交信する。制御部32は、CPUのような制御ICを含み、監視装置30の動作を制御する。表示部33は、LCDのような表示装置を含み、制御部32の指示に対応した画面を表示する。画面には、例えば、計画表示ウィンドウ33aおよびエラー表示ウィンドウ33bがある。顧客DB34aには、各電子計算機10の納入先の顧客データが登録される。通報DB34bは、各電子計算機10から受信する後述の通報メッセージを記憶する。
【0016】
上記構成によるシステム100の動作について説明する。ここでは、電子計算機10について計画された作業として、図2に示すような作業があるとする。図示の例では、顧客側での作業に伴う電子計算機10の再起動あるいは停電・シャットダウンといった動作があり、作業別にID(1〜12,…)が割り当てられている。図示のID「12」に関し、電子計算機起動順の制限とは、例えば、親サーバ→子サーバ→孫サーバの順で起動するといった、所定の起動順序が設けられている階層構造のサーバシステムにあって、親サーバ若しくは子サーバのいずれかの故障時には、全てのサーバを再起動する、若しくは子サーバ及び孫サーバのみを再起動するという制限を指す。
【0017】
図3に示すフローチャートに沿って、各電子計算機10の動作を説明する。電子計算機10は、起動時および起動後の一定時の時間間隔でタイムサーバ40から基準時刻を取得し、それに自機の内部時刻を同期させる(ステップA1)。
【0018】
オペレータは、作業計画に関する計画情報を電子計算機10へ入力する。入力の形態としては、例えば、図2に示す一覧を予め電子計算機10に登録しておき、その中から、計画された全ての作業のIDと、それぞれの作業時間帯の情報とを入力する。また、あるいは、作業の情報を新規に入力するという形態であってもよい。その場合、新たにIDを設定する。
【0019】
電子計算機10は、上記のようにしてオペレータにより計画情報が入力されると、その入力内容を認識し(ステップA2)、不揮発メモリ14aや磁気ディスク14bに記録する(ステップA3)。このとき、計画された作業の状態を表す状態フラグを「A」(未通報)に設定する。計画情報は、例えば、図4に示すような形態で記録される。
【0020】
図4に示す例では、図2の一覧から選択された作業ごとに、開始予定および完了予定の日程が記録されている。また、各エントリには、前述の状態フラグが設定される。図示の例では、計画情報の入力当初のように、まだ計画情報を通報していない状態を表す「A」と、通報は完了したが作業が未完了な状態を表す「N」と、作業が完了した状態を表す「Y」とが用意されている。電子計算機10は、オペレータの入力操作に対応する状態フラグを設定する。
【0021】
電子計算機10は、上記のように記録された計画情報の中から、状態フラグが「A」の作業を認識し、それを前述の「cal_1」のような自機のIDと共に所定のメッセージフォーマットに記述して暗号化する。そして、暗号化したメッセージを通報メッセージとして監視装置30へ送信する(ステップA4)。なお、この通報メッセージには、その内容が計画情報であることを監視装置30により判別できるような情報を付加する。例えば、メッセージのヘッダに、特定の識別子を記述する。
【0022】
電子計算機10は、監視装置30へ通報した作業について、状態フラグを「A」から「N」(作業通報済み)に更新する(ステップA5)。上記要領にて、状態フラグが「A」の全ての作業について通報を行う(ステップA6)。
【0023】
その後、計画された作業が完了すると、オペレータがその旨を電子計算機10へ入力する。電子計算機10は、作業完了の入力を認識したとき(ステップA7)、完了した作業について、状態フラグを「N」から「Y」(作業完了)へ更新する(ステップA8)。そして、状態フラグが「Y」の作業について、その作業が完了したことを監視装置30へ通報する(ステップA9)。
【0024】
電子計算機10は、現時点で状態フラグが「N」(作業未完了)の作業が存在するか否かを確認し、存在しない場合は処理を終了する(ステップA10:No)。また、存在する場合は(ステップA10:Yes)、その作業の完了予定時刻(図4)がタイムサーバ40の基準時刻に基づく現在時刻を過ぎているか否かを判別する。判別の結果、まだ予定時刻を過ぎていない場合は(ステップA11:No)、作業完了を待つ。
【0025】
一方、完了予定時刻を過ぎても作業完了の旨が入力されていないエントリがある場合(ステップA11:Yes)、電子計算機10は、実際の状況を確認するための画面をポップアップなどで表示する(ステップA12)。これにより、オペレータの入力忘れ、あるいは、作業の実行漏れについて注意を喚起することができる。
【0026】
図5に示すフローチャートに沿って、電子計算機10におけるエラーイベントに関する動作を説明する。以下の動作は、図3に沿った前述の動作と並行するものであり、その開始時点は、例えば、全ての計画作業を監視装置30へ通報し終えたとき(図3・ステップA6:No)など、任意のタイミングであってよい。
【0027】
電子計算機10は、自機のストールや電源装置20の停電といったエラーイベントの発生を検知したとき(ステップA21:Yes)、そのエラーの種別を判別し(ステップA22)、不揮発メモリ14aや磁気ディスク14bにエラー情報を記録する(ステップA23)。このとき、発生したエラーについて通報が行われたか否かを示す状態フラグに「A」(未通報)を設定する。エラー情報は、例えば、図6に示すような形態で記録することができる。
【0028】
図6に示す例では、発生したエラーについて、その種別と発生日時とが記録されている。また、各エントリの状態フラグとして、エラーの発生当初のように、まだエラー情報を通報していない状態を表す「A」と、通報が完了した状態を表す「P」とが用意されている。後述するように、電子計算機10は、エラーの通報状況に応じて状態フラグを切り替える。
【0029】
電子計算機10は、状態フラグが「A」のエントリを認識し、それを自機のIDと共に所定のメッセージフォーマットに記述して暗号化し、通報メッセージとして監視装置30へ送信する(ステップA24)。この通報メッセージには、その内容がエラー情報であることを監視装置30により判別できるような情報をヘッダ等に付加する。
【0030】
電子計算機10は、監視装置30へ通報したエラーについて、状態フラグを「A」から「P」(エラー通報済み)に更新する(ステップA25)。電子計算機10は、状態フラグが「A」のエントリが発生する都度、上記要領にて、監視装置30にエラー情報を通報する。
【0031】
次に、図7に示すフローチャートに沿って、各電子計算機10の上記動作に対する監視装置30の動作を説明する。監視装置30は、起動時および起動後の一定時の時間間隔でタイムサーバ40から基準時刻を取得し、それに自機の内部時刻を同期させる(ステップB1)。
【0032】
監視装置30は、電子計算機10から通報メッセージを受信すると(ステップB2)、メッセージを復号し、復号データから電子計算機10のIDと通報内容とを認識する(ステップB3)。
【0033】
監視装置30は、認識した計算機IDをキーとして、その計算機を所有する顧客のデータを顧客DB34aから検索する(ステップB4)。そして、検索された顧客データと、今回の通報内容のデータとを関連付けて通報DB34bに格納する(ステップB5)。通報DB34bへのデータ格納は、通報別に区別して、すなわち計画情報およびエラー情報を区別して格納する。なお、通報内容が何れであるかは、電子計算機10が通報メッセージのヘッダ等に付加した識別子により判別することができる。
【0034】
監視装置30は、上記動作による通報DB34bの更新を認識したとき(ステップB6)、更新されたデータが作業計画に関するものである場合(ステップB7:計画情報)、その更新データを計画表示ウィンドウ33aに追加表示する(ステップB8)。このとき、表示される作業の時間帯が時系列に沿うように追加する。
【0035】
図8に、監視装置30のディスプレイに表示される計画表示ウィンドウ33aの例を示す。図示の例では、各顧客について、通報された計画作業の内容(作業ID)と、その作業の時間帯(開始予定及び完了予定)とが、時系列に沿って表示されている。これにより、監視装置30のオペレータが、各顧客における作業予定を時間を追って把握することができる。
【0036】
一方、通報DB34bにおいて更新されたデータが電子計算機10のエラーに関するものである場合(ステップB7:エラー情報)、監視装置30は、その更新データをエラー表示ウィンドウ33bに追加表示する(ステップB9)。この場合も、表示されるエラーの発生時間が時系列に沿うように追加する。
【0037】
図9に、監視装置30のディスプレイに表示されるエラー表示ウィンドウ33bの例を示す。図示の例では、各顧客について、通報されたエラーの種別と、そのエラーが発生した日時とが、時系列に沿って表示されている。これにより、監視装置30のオペレータが、各顧客における電子計算機10のエラー発生を時間を追って把握することができる。
【0038】
監視装置30のオペレータは、図8及び図9のように表示された両ウィンドウ(33a,33b)を参照し、各電子計算機10で発生したエラーが、サポート連絡の必要なものかどうかを判断する。例えば、エラーの発生日時が、計画作業の時間帯に含まれる場合、そのエラーは計画作業によるものと判断し、サポートの連絡は行わない。また、エラーの発生日時が、計画作業の時間帯に含まれない場合は、そのエラーが計画作業によるものではないと判断し、サポートの連絡を行うようにすればよい。
【0039】
以上説明した実施形態によれば、顧客側からのプッシュ型の情報提供により、ネットワーク50に対する通信負荷を抑えつつ、監視装置30が電子計算機10のエラー発生を精度よく検知することができる。また、監視側では、監視装置30により、電子計算機10のエラー情報と共に、その電子計算機10に関する作業計画を把握できることから、計画作業に伴うエラー通報に対しても顧客側へ確認をとるという無駄なサポート業務を削減することができる。
【0040】
(他の実施形態)
上記実施形態では、電子計算機10で発生したエラーが顧客側で予め計画された作業によるものか否かが、監視装置30のオペレータにより判断される。本発明の実施は、上記形態に限らず、その判断を各電子計算機10が行うという形態であってもよい。その実施形態を以下に説明する。なお、システム構成は、図1に示す前述のものと同様であり、説明を省略する。
【0041】
図10に示すフローチャートに沿って、エラー発生時における各電子計算機10の動作を説明する。電子計算機10は、ストールや停電などのエラーイベントが発生したことを検知したとき(ステップA31:Yes)、そのエラーの種別を判別して不揮発メモリ14aや磁気ディスク14bにエラー情報を記録する(ステップA32)。このとき、監視装置30へのエラー通報が行われたか否かを示す状態フラグに「A」(未通報)を設定する。本実施形態のエラー情報は、例えば、図11に示すような形態で記録することができる。
【0042】
図11に示す例では、発生したエラーについて、その種別および発生日時が記録されている。また、各エントリの状態フラグとして、まだエラー情報を通報していない状態を表す「A」、及び、通報が完了した状態を表す「P1」のほか、発生したエラーの通報を無効化したことを表す「P2」が用意されている。後述するように、電子計算機10は、エラーの通報状況に応じて状態フラグを切り替える。
【0043】
電子計算機10は、エラー情報を記録したとき、そのエラーの発生日時と、先にエントリされた計画情報における作業日程とを認識する(ステップA33)。そして、認識した日時の値を解析し、エラーの発生日時が、計画された作業日程に含まれるか否かを判断する(ステップA34)。
【0044】
上記解析の結果、エラーの発生日時が作業日程に含まれない場合(ステップA35:No)、そのエラーは計画作業によるものではないとみなし、前述の実施形態と同様な手順で、監視装置30に対しエラー通報する(ステップA36)。そして、通報したエラーの状態フラグを「A」から「P1」(通報済み)に更新する(ステップA37)。
【0045】
一方、エラーの発生日時が作業日程に含まれる場合(ステップA35:Yes)、そのエラーは計画作業により発生したとみなす。この場合、電子計算機10は、そのエラーの状態フラグを「A」から「P2」(通報しない)に更新し、監視装置30に対しエラー通報は行わない(ステップA38)。したがって、電子計算機10において、計画作業に伴うエラーが発生した場合は、そのエラーの通報が無効化される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の電子計算機10は、予め計画された作業に伴い発生したエラーイベントについては、監視装置30へ通報しないように制御する。これにより、電子計算機10から送信されるエラー通報が制限されることから、ネットワーク50の輻輳を防止できる。また、計画外のエラーのみ、すなわち顧客へのサポートが必要なエラーのみが、監視装置30へ通知されることから、サポート業務に関する監視側での負担を軽減することができる。
【0047】
なお、本発明は、電子計算機10のエラーイベントを、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、計画による停電等といったカテゴリに分類して監視することができる。この場合、電子計算機10にて登録する計画情報の各作業には、対応するカテゴリを関連付けて記録しておく。具体的には、例えば、図12に示すように計画情報を登録することができる。図示の例では、作業IDごとに、その作業が何れのカテゴリに属するかを示すカテゴリIDが記録されている。
【0048】
図13に示すフローチャートに沿って、図12のような計画情報を用いる電子計算機10におけるエラー発生時の動作を説明する。
【0049】
電子計算機10は、ストールや停電などのエラーイベントの発生を検知したとき(ステップA41:Yes)、そのエラーの種別を判別してエラー情報を記録する(ステップA42)。このとき、エラー通報に関する状態フラグに「A」(未通報)を設定する。本実施形態のエラー情報は、例えば、図14に示すような形態で記録することができる。
【0050】
図14に示すエラー情報において、状態フラグの種類は、前述の図11のものと同一である。本実施形態では、発生したエラーごとに、そのエラーに対応するカテゴリのIDをエラー情報に記録する。エラー情報のカテゴリIDには、計画情報(図12)にて用いるIDと共通の定義のものを用いる。
【0051】
電子計算機10は、上記のようにエラー情報を記録したとき、計画情報を参照し、今回のエラーと同一カテゴリの計画作業があるか否かを確認する。この確認は、今回のエラーのカテゴリIDと同一のものが計画情報に存在するか否かを判別すればよい。その結果、同一カテゴリの計画作業が無い場合(ステップA43:No)、今回のエラーは、計画作業によるものではないとみなし、前述の実施形態と同様な手順で、監視装置30に対しエラー通報する(ステップA47)。そして、通報したエラーの状態フラグを「A」から「P1」(通報済み)に更新する(ステップA48)。
【0052】
また、今回のエラーと同一カテゴリの計画作業が存在する場合(ステップA43:Yes)、電子計算機10は、そのエラーの発生日時と、同一カテゴリの作業日程とを認識する(ステップA44)。そして、認識した日時の値を解析し、エラーの発生日時が、計画された作業日程に含まれるか否かを判断する(ステップA45)。
【0053】
上記解析の結果、エラーの発生日時が作業日程に含まれない場合(ステップA46:No)、そのエラーは計画作業によるものではないとみなす。この場合、監視装置30にエラー通報し(ステップA47)、通報したエラーの状態フラグを「A」から「P1」(通報済み)に更新する(ステップA48)。
【0054】
一方、エラーの発生日時が作業日程に含まれる場合(ステップA46:Yes)、そのエラーは計画作業により発生したものとみなす。ここで、図14の鎖線で囲まれたエントリを例に挙げると、このエラーのカテゴリは「ID=c2」である。また、図12の計画情報において、それと同一カテゴリ(ID=c2)の作業エントリが2つある(鎖線枠)。これら2つのエントリのうち、作業日程に、今回のエラーの発生時刻を含むものがあるかどうかを解析する。その結果、図12における下方の鎖線枠の作業日程(「2007/04/25 12:00」〜「2007/04/25 13:00」)が、今回のエラーの発生時刻(図14:「2007/04/25 12:30:00」)を含む。よって、今回のエラーは、この作業エントリの作業に伴うエラーであると判断される。
【0055】
計画作業によるエラーと判断した場合、電子計算機10は、そのエラーの状態フラグを「A」から「P2」(通報しない)に更新し、監視装置30に対するエラー通報を無効化する(ステップA49)。
【0056】
上記実施形態によれば、図10に沿った前述の実施形態と同様に、計画された作業に伴うエラーイベントについては、監視装置30へ通報しないように制御することができる。また、本実施形態では、計画作業及びエラーイベントをカテゴリに分類して管理することで、通報すべきエラーを効率よく判別することができる。具体的には、例えば、発生したエラーと同一カテゴリの計画作業がない場合は(ステップS43:No)、エラーの発生時刻を解析することなく、その時点でエラー通報に移行することができる。
【0057】
なお、作業及びエラーのカテゴリ分類は、適宜設定することができる。前述のハードウェアやソフトウェアといった分類に限らず、例えば、ハードウェアのエラーイベントについて、各記憶デバイス(14a,14b)や、図示しない冷却FAN等に細分化して管理してもよい。これにより、エラーイベントの分析を詳細に行うことができる。
【0058】
本発明の実施は、上記の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、監視装置30が各表示ウィンドウ(33a,33b)に情報を出力する際、オペレータの指示により、顧客(計算機ID)の情報を選択的に出力するようにしてもよい。これにより、視認性が向上する。
【0059】
また、電子計算機10の不揮発メモリ14aとして、着脱可能な記憶媒体を用い、計画情報及びエラー情報を不揮発メモリ14a及び磁気ディスク14bの双方に記録することにより、計画作業の間は不揮発メモリ14aを取り外すことができる。これにより、作業の事故により、記録された情報が消失することを防止できる。
【0060】
上記各実施形態において、計画情報に電子計算機10の撤去作業(図2:ID=10)がエントリされた場合、この作業の完了予定には、作業者等による入力に替えて、電子計算機10が自動的に「9999年12月31日」のような最大値を設定するようにしてもよい。
【0061】
本発明は、上記の電子計算機(10)の動作に対応するコンピュータプログラム、及び、そのプログラムを記憶した記録媒体として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態におけるシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態における作業計画に関する説明図である。
【図3】本発明の実施形態における電子計算機の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における計画情報に関する説明図である。
【図5】本発明の実施形態における電子計算機のエラーイベントに関するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるエラー情報に関する説明図である。
【図7】本発明の実施形態における監視装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態における監視装置の計画表示ウィンドウの説明図である。
【図9】本発明の実施形態における監視装置のエラー表示ウィンドウの説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態における電子計算機のエラーイベントに関するフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態におけるエラー情報に関する説明図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態における計画情報に関する説明図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態における電子計算機のエラーイベントに関するフローチャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施形態におけるエラー情報に関する説明図である。
【符号の説明】
【0063】
100:システム、10:電子計算機、11:通信部、12:制御部、13:入力部、14:記憶部、14a:不揮発メモリ、14b:磁気ディスク、15:表示部、20:電源装置、30:監視装置、31:通信部、32:制御部、33:表示部、33a:計画表示ウィンドウ、33b:エラー表示ウィンドウ、34a:顧客DB、34b:通報DB、40:タイムサーバ、50:ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された監視装置および複数の被監視装置を備え、
前記各被監視装置は、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを有し、
前記監視装置は、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示する手段とを有することを特徴とする遠隔通報システム。
【請求項2】
前記各被監視装置は、さらに、エラー情報が記録されたときに当該エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化する手段を有することを特徴とする請求項1記載の遠隔通報システム。
【請求項3】
前記各被監視装置は、さらに、計画情報の作業計画に関連付けて該作業計画が属するカテゴリを記録し、エラーイベントが発生したときに当該エラーイベントが属するカテゴリをエラー情報に記録し、前記エラー情報が記録されたときに当該カテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にあるか否かを判別し、前記判別が否の場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の遠隔通報システム。
【請求項4】
前記各被監視装置は、前記判定において前記エラー情報のカテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にある場合は、前記エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における同一カテゴリの作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項3記載の遠隔通報システム。
【請求項5】
前記監視装置は、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を表示するとき、表示すべき情報が、対応する作業計画の時間帯およびエラーの発生時刻に基づく時系列に沿うよう表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遠隔通報システム。
【請求項6】
ネットワークを介して監視装置と接続された被監視装置としての電子計算機であって、
自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする電子計算機。
【請求項7】
さらに、エラー情報が記録されたときに当該エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化する手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電子計算機。
【請求項8】
さらに、計画情報の作業計画に関連付けて該作業計画が属するカテゴリを記録し、エラーイベントが発生したときに当該エラーイベントが属するカテゴリをエラー情報に記録し、前記エラー情報が記録されたときに当該カテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にあるか否かを判別し、前記判別が否の場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信する手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電子計算機。
【請求項9】
前記手段は、前記判定において前記エラー情報のカテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にある場合は、前記エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における同一カテゴリの作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項8記載の電子計算機。
【請求項10】
コンピュータを請求項6乃至9のいずれか1項に記載の電子計算機として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
ネットワークを介して監視装置と接続された複数の被監視装置のそれぞれが、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録し、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信し、
前記監視装置が、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示することを特徴とする遠隔通報方法。
【請求項12】
前記各被監視装置が、さらに、エラー情報が記録されたときに当該エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項11記載の遠隔通報方法。
【請求項13】
前記各被監視装置が、さらに、計画情報の作業計画に関連付けて該作業計画が属するカテゴリを記録し、エラーイベントが発生したときに当該エラーイベントが属するカテゴリをエラー情報に記録し、前記エラー情報が記録されたときに当該カテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にあるか否かを判別し、前記判別が否の場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信することを特徴とする請求項11記載の遠隔通報方法。
【請求項14】
前記各被監視装置が、前記判定において前記エラー情報のカテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にある場合は、前記エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における同一カテゴリの作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項13記載の遠隔通報方法。
【請求項15】
前記監視装置が、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を表示するとき、表示すべき情報が、対応する作業計画の時間帯およびエラーの発生時刻に基づく時系列に沿うよう表示することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の遠隔通報方法。
【請求項1】
ネットワークに接続された監視装置および複数の被監視装置を備え、
前記各被監視装置は、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを有し、
前記監視装置は、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示する手段とを有することを特徴とする遠隔通報システム。
【請求項2】
前記各被監視装置は、さらに、エラー情報が記録されたときに当該エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化する手段を有することを特徴とする請求項1記載の遠隔通報システム。
【請求項3】
前記各被監視装置は、さらに、計画情報の作業計画に関連付けて該作業計画が属するカテゴリを記録し、エラーイベントが発生したときに当該エラーイベントが属するカテゴリをエラー情報に記録し、前記エラー情報が記録されたときに当該カテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にあるか否かを判別し、前記判別が否の場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の遠隔通報システム。
【請求項4】
前記各被監視装置は、前記判定において前記エラー情報のカテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にある場合は、前記エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における同一カテゴリの作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項3記載の遠隔通報システム。
【請求項5】
前記監視装置は、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を表示するとき、表示すべき情報が、対応する作業計画の時間帯およびエラーの発生時刻に基づく時系列に沿うよう表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遠隔通報システム。
【請求項6】
ネットワークを介して監視装置と接続された被監視装置としての電子計算機であって、
自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録する手段と、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録する手段と、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする電子計算機。
【請求項7】
さらに、エラー情報が記録されたときに当該エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化する手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電子計算機。
【請求項8】
さらに、計画情報の作業計画に関連付けて該作業計画が属するカテゴリを記録し、エラーイベントが発生したときに当該エラーイベントが属するカテゴリをエラー情報に記録し、前記エラー情報が記録されたときに当該カテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にあるか否かを判別し、前記判別が否の場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信する手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電子計算機。
【請求項9】
前記手段は、前記判定において前記エラー情報のカテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にある場合は、前記エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における同一カテゴリの作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項8記載の電子計算機。
【請求項10】
コンピュータを請求項6乃至9のいずれか1項に記載の電子計算機として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
ネットワークを介して監視装置と接続された複数の被監視装置のそれぞれが、自装置に対する作業計画に関し入力された計画情報を記憶媒体に記録し、自装置におけるエラーイベントの発生を検知し且つ該エラーイベントの発生を示すエラー情報を記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を自装置の識別情報と共に前記監視装置へ送信し、
前記監視装置が、前記各被監視装置からの計画情報およびエラー情報を当該被監視装置の識別情報に関連付けて記憶媒体に記録し、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を被監視装置別に表示することを特徴とする遠隔通報方法。
【請求項12】
前記各被監視装置が、さらに、エラー情報が記録されたときに当該エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項11記載の遠隔通報方法。
【請求項13】
前記各被監視装置が、さらに、計画情報の作業計画に関連付けて該作業計画が属するカテゴリを記録し、エラーイベントが発生したときに当該エラーイベントが属するカテゴリをエラー情報に記録し、前記エラー情報が記録されたときに当該カテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にあるか否かを判別し、前記判別が否の場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信することを特徴とする請求項11記載の遠隔通報方法。
【請求項14】
前記各被監視装置が、前記判定において前記エラー情報のカテゴリと同一の作業計画が前記計画情報にある場合は、前記エラー情報が示すエラーの発生時刻が前記計画情報における同一カテゴリの作業計画の時間帯に該当するか否かを判別し、前記判別において作業計画の時間帯に該当しない場合は当該エラー情報を前記監視装置へ送信し、前記判別において作業計画の時間帯に該当する場合は当該エラー情報の送信を無効化することを特徴とする請求項13記載の遠隔通報方法。
【請求項15】
前記監視装置が、前記記憶媒体の計画情報およびエラー情報を表示するとき、表示すべき情報が、対応する作業計画の時間帯およびエラーの発生時刻に基づく時系列に沿うよう表示することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の遠隔通報方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−205356(P2009−205356A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46027(P2008−46027)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
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