説明

適応X線制御

X線画像の信号対雑音比を測定し、X線被曝を画質及び患者の動きに応じて適応制御する方法、装置及びシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医療撮像に関し、具体的には医療撮像中のX線被曝の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線手術(radiosurgery)や放射線療法(radiotherapy)システムは、外部放射線ビームを使用して、病的な解剖学的構造(例えば腫瘍、病変、血管奇形、神経障害など)を治療する放射線治療システムであり、その治療は、周囲の組織及び危険な解剖学的構造(例えば脊髄)に対する放射線被曝を最小限に抑えつつ、処方された量の放射線(例えばX線又はガンマ線)を病的な解剖学的構造に照射することによって実施される。放射線手術及び放射線療法はともに、病的な解剖学的構造を壊死させ、一方で健康な組織及び危険な構造を存続させるように設計される。放射線療法は、治療1回あたりの放射線量が低いこと、及び治療回数が多いこと(例えば30から45日間の治療)を特徴とする。放射線手術は、治療回数が1回又はせいぜい2、3回であり、放射線量が比較的に高いことを特徴とする。
【0003】
放射線療法や放射線手術ではともに、放射線量が、病的な解剖学的構造の部位に複数の角度から照射される。それぞれの放射線ビームの角度が異なるため、それぞれのビームは、病的な解剖学的構造が占有する標的領域を横切り、その一方で、標的領域へ向かう途中及び標的領域から出た後で、健康な組織の異なる領域を通過する。その結果、標的領域内の累積放射線量は高く、健康な組織や危険な構造に対する放射線量は低い。放射線療法及び放射線手術治療システムを、フレーム・ベース(frame-based)又は画像誘導式(image-guided)に分類することができる。
【0004】
フレーム・ベースの放射線手術や放射線療法では、診断撮像/治療計画作成段階さらにその後の治療照射段階の全体を通じて患者が動かないようにするために、患者に、堅い侵襲性のフレームが固定される。このフレームは、このプロセスの間中、患者に固定される。画像誘導式の放射線手術や放射線療法(IGR)は、治療中の患者の動きを追跡し、それに対する補正を実施することにより、侵襲性のフレームを固定する必要性を排除している。
【0005】
画像誘導式の放射線療法及び放射線手術システムには、ガントリ・ベースのシステムとロボット・ベースのシステムが含まれる。ガントリ・ベースのシステムでは、単一の平面内で回転中心(アイソセンタ)の周りを移動するガントリに、放射線源が取り付けられる。治療中に放射線ビームが照射されるたびに、ビームの軸がアイソセンタを通過する。強度変調放射線療法(intensity modulated radiation thrapy:IMRT)システムとして知られているガントリ・ベースのいくつかのシステムでは、ビームの形状が治療中の病的な解剖学的構造に一致するように、ビームの断面が整形される。ロボット・ベースのシステムでは、放射線源が単一の回転平面に拘束されない。
【0006】
画像誘導式のシステムでは、治療中の患者の追跡は、(患者の位置を指示する)患者の治療中(intra-treatment)2次元(2−D)X線画像と、(治療計画を整合させるために患者がいなければならない位置を指示する)患者の1つ又は複数の治療前3次元(3−D)ボリューム調査の2−D基準投影画像とを位置合せすることによって達成される。治療前3−Dボリューム調査は、コンピュータ連動断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、陽電子断層撮影(PET)スキャンなどである。
【0007】
ディジタル再構成放射線写真(digitally reconstructed radiograph:DRR)として知られている基準投影画像(基準画像)は、治療中X線撮像システムのジオメトリを複製して、治療中X線画像と同じ尺度を有する画像を生成するレイ・トレーシング・アルゴリズムを使用して生成される。この治療中X線システムは一般に、2つの異なる視点(例えば直交する視点)からの患者画像を生成する立体視システムである。
【0008】
X線撮像技術が進歩するにつれ、治療中X線画像を捕捉するために使用されるX線検出器の感度は増大している。これらの増大は、少なくとも部分的に、改良された撮像材料(例えば無定形シリコン)、画像捕捉技術(例えばCCDやCMOS撮像アレイ)、処理アルゴリズムによるものである。処理アルゴリズムによって、X線検出器の量子雑音及び電子雑音レベルを低減させ、所与の撮像放射線レベルにおける治療中X線画像の信号対雑音比を増大させることができる。一般に、信号対雑音比が大きいほど、より高画質の画像が生成され、高画質の画像は、解剖学的特徴及び/又は基準マーカの検出可能性の向上に起因した画像位置合せ及び患者追跡の向上につながる。所与の雑音指数においては、X線特性を変化させることによって解剖学的物体の検出可能性を向上させることができる。このような2つの変化は、SNRを増大させるために撮像放射線量又はエネルギーを増大させることを含む。図1は、放射線量を増大させたときにSNRが1:1から2:1、5:1まで増大したときの視野20の中の解剖学的物体10の検出可能性の向上を示す。治療中X線画像を生成するために使用されるX線源は一般に、より大きな患者を貫通し、準備及び治療中の患者と解剖学的構造の動きを高い信頼性で終始一貫して追跡するために必要なX線画像品質(SNRレベル)を得るのに十分な線量及びエネルギー・レベルに設定される。しかしながら、ある最小SNR(例えば1:1)よりも大きなSNRでは、患者の追跡と画像位置合せの向上が、より高い放射線量による患者に対する危険の増大によって相殺される可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付図面には、本発明の実施形態がそれに限定されない単なる例として示されている。
【0010】
以下の説明では、本発明の実施形態の理解を完全にするために、特定の構成要素、デバイス、方法の例など、多数の具体的な詳細が説明される。しかしながら、本発明の実施形態を実施するのにこれらの具体的な詳細を使用する必要はないことは、当業者には明らかである。また、本発明の実施形態を不必要に不明確にすることを防ぐために、よく知られた材料又は方法を詳細に記述することはしなかった。
【0011】
本明細書で使用される用語「結合された」は、直接結合されていること、あるいは1つ又は複数の介在構成要素又はシステムを介して間接的に結合されていることを意味する。本明細書で使用される用語「X線画像」は、可視X線画像(例えばビデオ・スクリーン上に表示されたもの)、又はX線画像のディジタル表現(例えばX線検出器の画素出力に対応するファイル)を意味する。本明細書で使用される用語「治療中X線画像」は、放射線手術又は放射線療法の患者準備段階又は治療照射段階中の任意の時点において捕捉された画像を指し、これらの段階は、放射線治療源がオン又はオフであるときを含む。「X線画像」への言及は、単一の画像あるいは(前述の立体視撮像システムの場合のような)同時の又は連続した画像対を指すことができる。本明細書で使用される用語「IGR」は、画像誘導式放射線療法又は画像誘導式放射線手術、あるいはその両方を指す。本明細書で論じられる「標的」は、病的な解剖学的構造(例えば腫瘍、病変、脈管奇形、神経障害など)又は正常な解剖学的構造などの患者の解剖学的特徴(1つ又は複数)であり、1つ又は複数の非解剖学的基準構造を含むこともある。
【0012】
以下の説明から明らかなとおり、特に明示されない限り、「処理する」、「計算する」、「判定する」、「推定する」、「取得する」、「生成する」などの用語は、コンピュータ・システムのレジスタ及びメモリ内の物理量(例えば電子量)として表されたデータを操作し、それらを、コンピュータ・システムのメモリ又はレジスタ内あるいは他の同様の情報記憶、伝送又は表示デバイス内の物理量として同様に表された他のデータに変換するコンピュータ・システム又は同様の電子コンピューティング・デバイスの動作及び処理を指すことができることが理解される。本明細書に記載される方法の実施形態は、コンピュータ・ソフトウェアを使用して実現することができる。認められた規格に従ったプログラム言語で書かれている場合、これらの方法を実現するように設計された命令シーケンスを、さまざまなハードウェア・プラットホーム上で実行し、さまざまなオペレーティング・システムに対してインタフェースするようにコンパイルすることができる。また、本発明の実施形態は、特定のプログラム言語に関して説明されない。さまざまなプログラム言語を使用して、本発明の実施形態を実現することができることが理解される。
【0013】
図2Aは、米カリフォルニア州のAccuray,Inc.社によって製造されたCyberKnife(登録商標)Radiosurgery Systemなどのロボット・ベースの画像誘導式放射線治療システム100の構成を示す。図2Aでは、放射線治療源が、ロボット・アーム102の端に取り付けられた線形加速器(linear accelerator:LINAC)101であり、ロボット・アーム102は、患者の周りで、手術ボリューム内の多くの平面上の病的な解剖学的構造(標的領域又はボリューム)に多くの角度から発せられたビームを照射するようLINAC101を配置するため多数(例えば5以上)の自由度を有する。治療は、単一のアイソセンタを含む複数のビーム経路、複数のアイソセンタを含む複数のビーム経路、又はアイソセンタのない複数のビーム経路を含む。図2Bは、一実施形態における無アイソセンタ放射線治療を示す。図2Bでは、脊髄(202)の周りで増殖している病的な解剖学的構造(例えば腫瘍)201が、例えば放射線治療ビーム203、204、205、206によって治療され、これらの放射線治療ビームはそれぞれ、標的内の単一の点、すなわちアイソセンタに集まることなく病的な標的ボリュームを横切る)。
【0014】
図2Aでは、撮像システムが、X線源103A、103BとX線検出器104A、104Bを含むことができる。2つのX線源103A、103Bを、手術室の天井の固定された位置に取り付けることができ、(治療中、患者を治療台106上に配置するための基準点となる)機械アイソセンタ105で交差し、患者を通過した後にそれぞれのX線検出器104A、104Bの撮像平面を照らす撮像X線ビームを(例えば90度隔たった)異なる2つの角位置から投射するように配列することができる。他の実施形態では、システム100が、3つ以上のX線源と3つ以上のX線検出器を含んでもよく、これらのX線源とX線検出器はいずれも、固定ではなく、移動可能とすることができる。他の実施形態では、X線源の位置とX線検出器の位置を交換することができ、又はX線源の位置とX線検出器の位置を対向する壁に配置することができる。
【0015】
X線検出器104A、104Bは、X線を可視光に変換するシンチレーティング材料(例えば無定形シリコン)と、その可視光を、位置合せプロセス中に基準画像と比較することができるディジタル画像に変換するCMOS(相補型金属酸化物シリコン)又はCCD(電荷結合デバイス)撮像セルのアレイとから製作することができる。
【0016】
前述のとおり、従来のシステムの撮像放射線レベル(出力レベル)は、撮像条件についての最悪ケースの仮定に基づ。本発明の一実施形態では、十分な患者追跡性能を得るために十分に大きく、同時に準備及び治療中の患者のX線被曝を最小限に抑える信号対雑音比を有するX線画像を生成するために、X線源(例えば源103A、103B)の出力レベルを、実際の撮像条件と実際の信号対雑音比に対して独立して適応させることができる。最初に、X線源を、例えば患者を通過する際の信号減衰に関する最悪ケース仮定に基づく公称出力レベル、又は患者の生理学的データ(例えば体重)から推定された公称出力レベルに設定することができる。あるいは、出力レベルを、患者の治療前診断X線調査(例えばCTスキャン)による減衰データを使用して推定することもできる。このように取得された1つのX線画像及び/又は複数のX線画像のSNRを測定し(例えばM.J.Tapiovaara & M.Sandborg,Evaluation of Image Quality in Flouroscopy by Measurements and Monte Carlo Calculations,40 Phys.Med.Biol.589−607(1995)を参照されたい)、測定されたSNRを使用して、後続のX線画像の取得を適応制御することができる。満足のいく撮像性能を達成し、同時に準備及び治療中の患者のX線被曝を最小限に抑えるように、X線の放射線特性を、それぞれの源/検出器対に対して別々に最適化することができる。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態における適応X線制御法300を示す。図3に示されているように、この方法は、前述の初期出力値を使用したX線源(例えばX線源103A、103BなどのX線源)によって生成されたX線画像のSNRを測定することを含む(ステップ301)。次いで、この方法は、測定されたSNRに基づいてX線源の出力レベルを適応的に調整することができる(ステップ302)。一実施形態では、ステップ302が、測定されたSNRを、信頼できる患者追跡のために必要な所定の下SNRしきい値(SNRL)及び所定の上SNRしきい値(SNRU)と比較することを含むことができる(ステップ302a)。測定されたSNR比がSNRLよりも小さい場合、この方法は、X線源の出力を増大させて、SNRUとSNRLの間のSNRを得る(ステップ302b)。測定されたSNRがSNRUよりも大きい場合、この方法は、X線源の出力を低下させて、SNRUとSNRLの間のSNTRを得る(ステップ302c)。測定されたSNRがSNRUとSNRLの間にある場合、X線出力(又は撮像パラメータ)は変更されない。X線源の出力は、エネルギー・レベルと被曝持続時間(オン時間)の両方を含むことができ、これらの一方又は両方のパラメータを大きくし、又は小さくして、X線源の出力を調整することができる。一実施形態では、後に詳述するように、この方法がさらに、後続のX線画像に対するX線源の出力を、患者の動きに応じて、SNRをSNRUとSNRLの間に維持するように調整することを含む(ステップ303)。後に詳述する他の実施形態では、患者の動きに適応する画像取得プロセスによって、後続のX線画像を取得することができる(ステップ304)。他の実施形態は、この方法を実行することができる、後に詳述される装置、システム、製品を含む。
【0018】
測定されたSNRがSNRLよりも小さいか、又はSNRUよりも大きい場合、システムは、画像誘導式放射線治療システムのオペレータに通知し、X線源の出力を増大又は低下させて、所望のSNR範囲内のSNRを得るようオペレータに要求することができる。あるいは、この出力調整を、オペレータを介在させずに、システムが(例えば当技術分野で知られている閉ループ・フィードバックを使用して)自動的に実施することもできる。前述のX線源の出力の調整を、放射線治療セッションの全体を通じて、意図的な(例えば治療計画の一部としての)患者の再配置、又は患者によって開始された計画されていない動きに起因した患者位置の変化による撮像条件の変化に応じて、実施することができる。患者の動きに応じて、他の撮像パラメータを調整することもできる。例えば、後に詳述するように、患者の動きに応じて、後続のX線間の時間間隔とX線の数を調整することができる。
【0019】
後述する放射線治療計画は、いくつかの治療ノードから、病的な解剖学的構造に放射線治療ビームを当てることを含み、それぞれのノードから1つ又は複数のビームが発射される。図4は、LINAC101をノード401にどのように配置することができるかを示し、この図は、例えばノード401などのノードのほぼ球形の分布の部分である。ノードの具体的な数とそれぞれのノードにおいて発射される治療ビームの数は、病的な解剖学的構造の位置及びタイプに応じて変化させることができ(例えばノードの数は50から300まで変化させることができ、ビームの数は200から1200まで変化させることができる)、これらを治療計画作成段階中に決定することができる。治療計画は、病的な解剖学的構造に対する標的放射線量(例えば最小線量)を含むと共に健康な組織と構造に対する標的放射線量(例えば最大線量)をも含む。患者が受け取る総放射線量は、治療ビームに由来する放射線量と撮像X線源に由来する放射線量の和である。したがって、治療計画は、計画撮像X線被曝による放射線量(例えば画像の数、エネルギー・レベル、持続時間)を考慮するように、治療ビームの総線量(例えば数、エネルギー・レベル及び/又は持続時間)を設定する。
【0020】
一実施形態では、初期治療計画は、治療中に固定された時間間隔で(例えば2秒ごとに)X線画像を撮像することを要求する。この初期治療計画は、例えば同じ又は同様の処置を受けた患者の統計学的に有意な履歴試料に基づく患者の動きの予想量に基づく。治療中に、連続した2つ以上のX線画像を比較することによって、患者の動きを検出することができる。病的な解剖学的構造に対して治療ビームが正確に配置されることを保証するため、これらの連続した画像間の相違を使用して、患者座標系と治療座標系とを位置合せすることができる。特徴認識(feature recognition)、パターン強度マッチング(pattern intensity matching)などの当技術分野で知られている方法を使用して、連続した画像間の相違を測定することができる(例えばG.P.Penney & J.Weese,A Comparison of Similarity Measures for Use in 2D−3D Medical Image Registration,17 IEEE Trans.Med.Imag.586−595,(1998)を参照されたい)。連続したX線画像間の相違が、治療許容差内に十分に含まれる小さな患者の動き(小さな変位及び低い変位分散)を示している場合には、撮像X線に対する患者被曝を低減させるために、画像取得プロセスは、後続のX線画像間の時間間隔を延長することができる。連続したX線画像間の相違が、患者の大きな動き(大きな変位及び高い変位分散)を示している場合には、画像取得プロセスは、後続のX線画像間の時間間隔を短縮することができる。
【0021】
図5は、前述の方法300のステップ305の一実施形態における画像取得プロセス500を示す。このプロセスは、連続したX線画像を比較して、患者の動きを検出することから始まる(ステップ501)。次いで、連続したX線画像間の相違によって示された患者の動きが、動きのしきい値及び/又は動きの分散のしきい値(動きしきい値)よりも大きい場合には、後続のX線画像間の患者の動きが指定された量(例えば二乗平均の平方根(root mean square:RMS)変位0.5mm)を上回らないことを保証するために、後続のX線画像間の時間間隔を短縮することができる(ステップ502)。しかし、連続したX線画像間の相違によって示された患者の動きが、その時間間隔中の動きしきい値よりも小さい場合には、後続のX線画像間の時間間隔を延長することができる(ステップ503)。
【0022】
ある計画X線画像数を有し、かつある計画治療ノード及び/又は治療経路数を有する所与の治療計画では、総治療時間が、それぞれのノードに放射線治療源(例えばLINAC101)を配置し、それぞれのノードで放射線治療源を作動させるのに要する時間によって決定される。連続したX線画像間の時間間隔を延長又は短縮すると、計画治療時間と計画撮像時間との間に差が生じる。したがって、一実施形態では、画像取得プロセスが、治療時間と撮像時間との間の対応を維持するために、X線画像の総数を患者の動きに応じて調整することを含む。すなわち、1治療ノード及び/又は1治療経路あたりのX線画像数(例えばX線画像と治療ノード及び/又は治療経路の比)を、患者の動きに応じて調整することができる。図5に示されているように、方法500は、患者の動きに応じて後続のX線画像間の時間間隔が延長又は短縮されたかどうかを判定することを含む(ステップ504)。時間間隔が延長された場合には、X線画像の総数を減らすことができる(ステップ504)。時間間隔が短縮された場合には、X線画像の総数を増やすことができる(ステップ505)。
【0023】
X線源からの所与の出力レベルにおいては、X線画像の総数を増やすと、放射線治療セッション中の累積放射線被曝が増大する。反対に、X線画像の総数を減らすと、放射線治療セッション中の累積放射線被曝は低減する。一実施形態では、X線画像の総数が減らされた場合に、方法500は、低減された撮像X線被曝を補償し、計画累積放射線被曝を維持するために、現在又は将来の治療セッション(治療フラクション)における治療放射線量を増大させることを含む(ステップ506)。X線画像の総数が増やされた場合には、方法500は、増大した撮像X線被曝を補償し、計画累積放射線被曝を維持するために、現在又は将来の治療フラクションにおける治療放射線量を低減させることを含む(ステップ507)。
【0024】
放射線被曝を調整するための連続したX線画像を使用した前述の動き検出は、筋肉の単収縮又は痙縮などによる患者の突然の動きを検出するのには十分でない可能性がある。例えば、X線画像の頻度が毎秒1枚である場合であっても、咳又は筋肉の単収縮は、X線治療ビームがその意図された標的をはずすのに十分な患者の動きを引き起こす。一実施形態では、方法500が、突然の動きを検出し、その患者の動きが指定された速度を上回る場合には治療X線源をオフにし、新たなX線撮像を開始すること(ステップ508)を含む。このようなことは例えば、機械視覚システム又は患者に取り付けられた歪みゲージによって患者を監視することによって実現することができる。このような監視法は当技術分野において知られており、そのため詳細に説明することはしない。一実施形態では、走査型レーザが、3D患者皮膚面を連続的にマップし、監視することができる。連続したスキャンを比較することによって、有意の変位(例えば>1mm)を引き起こす突然の動きを検出し、患者と標的の整列が確認されるまで治療照射を一時停止し、X線画像取得プロセスを開始することができる。連続撮像法に並行して患者の整列の有意の変化が検出され、この変化が、治療を再開する前に患者の整列を確認するための新たなX線画像取得を開始させるため、この方法は、(時間又は治療ノードに対する)画像取得のより攻撃的な低減を可能にする。
【0025】
図6は、放射線治療を実行する際に使用することができ、本発明の諸特徴をその中で実現することができるシステムの一実施形態を示す。図6に示し、後に説明するとおり、システム600は、診断撮像システム700、治療計画作成システム800、治療照射システム900を含む。
【0026】
診断撮像システム700は、後続の医療診断、治療計画作成及び/又は治療照射に使用することができる患者の医療診断画像を生成することができる任意のシステムとすることができる。診断撮像システム700は例えば、コンピュータ連動断層撮影(CT)システム、磁気共鳴撮像(MRI)システム、陽電子断層撮影(PET)システム、超音波システムなどとすることができる。議論を分かりやすくするため、以下では、ときにより、診断撮像システム700を、CT X線撮像モダリティ(物理療法)に関して論じることがある。しかしながら、上記の諸モダリティなど、他の撮像モダリティを使用することもできる。
【0027】
診断撮像システム700は、撮像ビーム(例えばX線、超音波、高周波など)を生成する撮像源710と、撮像源710によって生成されたビーム、あるいは撮像源からのビームによって刺激された(例えばMRI又はPETスキャンにおける)2次ビーム又は放射を検出し、受け取る撮像検出器720とを含む。
【0028】
撮像源710と撮像検出器720を、撮像操作を制御し、画像データを処理するディジタル処理システム730に結合することができる。診断撮像システム700は、ディジタル処理システム730、撮像源710、撮像検出器720の間でデータやコマンドを転送するバス又は他の手段735を含む。ディジタル処理システム730は、1つ又は複数の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいはコントローラ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などの他のタイプのデバイスを含むことができる。ディジタル処理システム730はさらに、メモリ、記憶デバイス、ネットワーク・アダプタなどの他の構成要素(図示せず)を含むこともできる。ディジタル処理システム730を、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)フォーマットなどの標準フォーマットのディジタル診断画像を生成するように構成することができる。他の実施形態では、ディジタル処理システム730が、他の標準又は非標準ディジタル画像フォーマットを生成することができる。ディジタル処理システム730は、診断画像ファイル(例えば前述のDICOMフォーマットのファイル)をデータ・リンク1100を介して治療計画作成システム800に伝送することができ、データ・リンク1100は例えば、直接リンク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)リンク、又はインターネットなどのワイド・エリア・ネットワーク(WAN)リンクとすることができる。さらに、遠隔診断又は治療計画作成構成などにおいて、システム間で転送される情報を、これらのシステムを接続する通信媒体を横切ってプル又はプッシュすることができる。遠隔診断又は治療計画作成においては、システム・ユーザと患者との間に物理的な分離が存在するにもかかわらず、ユーザは、診断又は治療計画に対して本発明の実施形態を利用することができる。
【0029】
治療計画作成システム800は、画像データを受け取り、処理する処理デバイス810を含む。処理デバイス810は、1つ又は複数の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいはコントローラ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などの他のタイプのデバイスを表すことができる。処理デバイス810を、本明細書に論じられた治療計画作成操作を実行するための命令を実行するように構成することができる。
【0030】
治療計画作成システム800はさらに、バス855によって処理デバイス810に結合され、処理デバイス810によって実行される情報や命令を記憶するシステム・メモリ820を含むことができ、システム・メモリ820は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスを含むことができる。処理デバイス810が命令を実行している間に、システム・メモリ820を使用して、一時変数又は他の中間情報を記憶することもできる。システム・メモリ820は、バス855に結合され、処理デバイス810向けの静的情報や命令を記憶するリード・オンリー・メモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶デバイスを含むこともできる。
【0031】
治療計画作成システム800はさらに、バス855に結合され、情報や命令を記憶する、1つ又は複数の記憶デバイス(例えば磁気ディスク・ドライブ又は光ディスク・ドライブ)を表す記憶デバイス830を含むことができる。本明細書に論じられた治療計画作成ことを実行するための命令を記憶するために、記憶デバイス830を使用できる。
【0032】
処理デバイス810を、情報(例えばVOIの2D又は3D表現)をユーザに対して表示する陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ・デバイス840に結合することもできる。処理デバイス810には、情報及び/又はコマンド選択を処理デバイス810に伝えるキーボードなどの入力デバイス850が結合される。方向情報を伝達し、処理デバイス810に対するコマンドを選択し、ディスプレイ840上でのカーソルの移動を制御するために、他の1つ又は複数のユーザ入力デバイス(例えばマウス、トラックボール又はカーソル方向キー)を使用することもできる。
【0033】
治療計画作成システム800は治療計画作成システムの一例を表しているにすぎず、治療計画作成システムは、治療計画作成システム800よりも多数の、又は治療計画システム800よりも少数の構成要素を含むことができ、本発明とともに使用することができる多くの異なる構成及びアーキテクチャを有することができることを理解されたい。例えば、いくつかのシステムはしばしば、周辺バス、専用キャッシュ・バスなどの複数のバスを有する。治療計画作成システム800はさらに、DICOMインポートをサポートするため、さまざまな撮像モダリティ(例えばMRI、CT、PETなど)の任意の1つのモダリティ上の線量分布をユーザが見ることを可能にする拡張画像融合機能であるMIRIT(Medical Image Review and Import Tool)を含むことができる(そのため、異なるシステム上の画像を融合し、標的の輪郭を描き、次いで、計画作成及び線量計算のため治療計画作成システムにインポートすることができる)。治療計画作成システムは当技術分野において知られており、したがってこれ以上詳細に論じることはしない。
【0034】
治療照射の前に治療計画作成システムからエクスポートする必要がないように、治療計画作成システム800は、そのデータベース(例えば記憶デバイス830に記憶されたデータ)を、治療照射システム900などの治療照射システムと共用することができる。治療計画作成システム800を、データ・リンク1200を介して治療照射システム900に接続することができ、データ・リンク1200は、データ・リンク1100に関して先に論じた直接リンク、LANリンク又はWANリンクとすることができる。データ・リンク1100、1200がLAN又はWAN接続として実現されるときには、診断撮像システム700、治療計画作成システム800及び/又は治療照射システム900を、これらのシステムが互いに物理的に離れて置くことができるように、分散化された位置に置くことができることに留意されたい。あるいは、診断撮像システム700、治療計画作成システム800及び/又は治療照射システム900を互いに統合して、1つ又は複数のシステムにすることもできる。
【0035】
治療照射システム900は、治療計画に従って処方された放射線量を標的ボリュームに投与する治療及び/又は手術放射線源910を含む。治療照射システム900はさらに、放射線源に対して患者を正しく配置するために前述の診断画像と位置合せし、又は相関させる(標的ボリュームを含む)患者ボリュームの治療中画像を捕捉する撮像システム920を含むことができる。撮像システム920は、前述の任意の撮像システムを含むことができる。治療照射システム900はさらに、放射線源910、撮像システム920、治療台940などの患者支持デバイスを制御するディジタル処理システム930を含むことができる。ディジタル処理システム930を、撮像システム920からの2−D放射線写真画像を比較し、及び/又は、2つ以上の立体視投影による撮像システム920からの2−D放射線写真画像を、診断撮像システム700内のディジタル処理システム730によって生成されたディジタル再構成放射線写真(DRR)、及び/又は治療計画作成システム800内の処理デバイス810によって生成されたDRRと位置合せするように構成することができる。ディジタル処理システム930は、1つ又は複数の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいはコントローラ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などの他のタイプのデバイスを含むことができる。ディジタル処理システム930はさらに、メモリ、記憶デバイス、ネットワーク・アダプタなどの他の構成要素(図示せず)を含むことができる。バス945又は他のタイプの制御及び通信インタフェースによって、ディジタル処理システム930を、放射線源910、撮像システム920、治療台940に結合することができる。
【0036】
ディジタル処理システム930は、治療照射システム900内の治療台940上の患者を整列させ、標的ボリュームに対して放射線源を正確に配置するために、撮像システム920から得られた画像を比較し、かつ/又は撮像システム920から得られた画像を手術前の治療計画作成画像と位置合せする方法(例えば前述の方法300及び500など)を実現することができる。
【0037】
治療台940を、多数(例えば5以上)の自由度を有する別のロボット・アーム(図示せず)に結合することができる。この治療台アームは、5つの回転自由度と実質的に垂直な1つの直線自由度を有する。あるいは、治療台アームは、6つの回転自由度と実質的に垂直な1つの直線自由度、又は少なくとも4つの回転自由度を有することができる。治療台アームを、柱又は壁に垂直に取り付け、あるいはペデスタル、床又は天井に水平に取り付けることができる。あるいは、治療台940を、米カリフォルニア州のAccuray,Inc.社によって開発されたAxum(登録商標)治療台などの他の機械機構の構成要素とし、又は当業者に知られている他のタイプの従来の治療テーブルとすることもできる。
【0038】
本明細書に記載された方法及び装置は、医療診断撮像及び治療に使用することだけに限定されないことに留意されたい。代替実施形態では、本明細書の方法及び装置を、材料(例えば自動車産業におけるモータ・ブロック、航空機産業における機体、建設産業における溶接部、石油産業におけるドリル・コア)の工業撮像及び非破壊検査、地震探査など、医療技術分野以外の用途に使用することができる。このような用途では、例えば「治療」が一般に、ビーム(1つ又は複数)の使用を指し、「標的」が、非解剖学的な物体又は領域を指すことがある。
【0039】
本発明の諸態様を、少なくとも部分的にソフトウェアとして具体化することができることは、以上の説明から明らかである。すなわち、これらの技法を、コンピュータ・システム又は他のデータ処理システム内で、例えばシステム・メモリ820などのメモリに含まれる命令シーケンスを実行する例えば処理デバイス810などのそのプロセッサに応答して、実行することができる。さまざまな実施形態において、ハードウェア回路をソフトウェア命令と組み合わせて使用して、本発明を実施することができる。したがって、これらの技法は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組合せに限定されず、又はデータ処理システムによって実行される命令の特定の供給源に限定されない。さらに、説明を簡単にするために、この説明の全体を通じて、さまざまな機能と操作が、ソフトウェア・コードによって実行され、又はソフトウェア・コードによって引き起こされると記述されることがある。しかしながら、このような表現の意味するところは、これらのさまざまな機能が、処理デバイス810などのプロセッサ又はコントローラによるコードの実行に由来するということであることを当業者は認識するであろう。
【0040】
データ処理システムによって実行されたときに、システムに本発明のさまざまな方法を実行させるソフトウェアやデータを記憶するために、機械可読媒体を使用することができる。この実行可能なソフトウェアとデータを、例えばシステム・メモリ820と記憶デバイス830を含み、あるいはソフトウェア・プログラム及び/又はデータを記憶することができる他の任意のデバイスを含むさまざまな場所に記憶することができる。
【0041】
したがって、機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ、ネットワーク・デバイス、パーソナル・ディジタル・アシスタント、製造ツール、1つ又は複数のプロセッサのセットを有する任意のデバイスなど)がアクセス可能な形態で情報を提供する(すなわち記憶し、かつ/又は伝送する)任意の機構を含む。例えば、機械可読媒体は、記録可能/記録不能媒体(例えばリード・オンリー・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュ・メモリ・デバイスなど)、ならびに電気、光、音響又は他の形態の被伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、ディジタル信号など)などを含む。
【0042】
この明細書の全体を通じて、「一実施形態」又は「実施形態」に対する言及は、その実施形態に関して説明された特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することを理解されたい。したがって、本明細書のさまざまな部分における「実施形態」又は「一実施形態」又は「代替実施形態」に対する2回以上の言及はいずれも、同じ実施形態を指しているわけでは必ずしもないことが強調され、そのように理解されなければならない。さらに、本発明の1つ又は複数の実施形態では、これらの特定の特徴、構造又は特性を適当に組み合わせることができる。さらに、いくつかの実施形態に関して本発明を説明したが、本発明は、記載された実施形態に限定されないことを当業者は認識されたい。本発明のこれらの実施形態を、添付の特許請求の範囲に含まれる変更能及び修正を加えて実施することができる。したがって、本明細書及び図面は本発明を限定するものではなく、本発明を例示するものとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】X線検出を信号対雑音比の関数として示す図である。
【図2A】一実施形態における画像誘導式ロボット放射線手術システムを示す図である。
【図2B】画像誘導式放射線手術システムの一実施形態における無アイソセンタ放射線治療を示す図である。
【図3】適応X線制御の一実施形態における一方法を示す流れ図である。
【図4】適応X線制御の一実施形態における治療ノードを示す図である。
【図5】適応X線制御の他の実施形態における一方法を示す流れ図である。
【図6】本発明の実施形態を実施することができるシステムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的の第1のX線画像を取得するステップと、
ある時間後に、前記標的の第2のX線画像を取得するステップと、
標的の動きがあるかどうかを判定するために、前記第1のX線画像と前記第2のX線画像とを比較するステップと、
前記標的の動きの判定に応じて、後続のX線画像の取得間の時間間隔を調整するステップ
を含む撮像法。
【請求項2】
比較するステップが、前記第1のX線画像と前記第2のX線画像とを比較して、前記標的の動きが治療許容差内にあるかどうかを判定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間間隔を調整するステップが、前記標的の動きが低減するときに、前記後続のX線画像間の時間間隔を延長することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記時間間隔を調整するステップが、前記標的の動きが増大するときに、前記後続のX線画像間の時間間隔を短縮することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記標的の動きに応じて、画像誘導放射線治療セッション中に撮像されるX線画像の総数を調整するステップをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記X線画像の総数を調整するステップが、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が延長されたときに、前記画像誘導放射線治療セッション中に撮像される前記X線画像の総数を減らすこと、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が短縮されたときに、前記画像誘導放射線治療セッション中に撮像される前記X線画像の総数を増やすこと
を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記X線画像の総数を調整するステップが、前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が短縮されたときに、前記画像誘導放射線治療照射セッション中に撮像される前記X線画像の総数を増やすことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記X線画像の総数を調整するステップが、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が延長されたときに、前記画像誘導放射線治療照射セッション中に撮像される前記X線画像の総数を減らすこと、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が短縮されたときに、前記画像誘導放射線治療セッション中に撮像される前記X線画像の総数を増やすこと
を含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記標的の動きがあるかどうかを判定するステップが、
前記第1のX線画像を基準画像と比較して、前記第1のX線画像を取得した第1の時点における前記基準画像に対する第1の標的変位を決定すること、
前記第2のX線画像を前記基準画像と比較して、前記第2のX線画像を取得した第2の時点における前記基準画像に対する第2の標的変位を決定すること、
前記第1の標的変位と前記第2の標的変位とを比較して、前記標的の動きがあるかどうかを判定すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基準画像がディジタル再構成放射線写真(DRR)である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
X線源を含み、複数のX線画像を生成する撮像システムと、
前記撮像システムに結合された処理デバイスと
を含み、
前記処理デバイスが
標的の前記複数のX線画像のうちの第1のX線画像を取得すること、
ある時間後に、前記標的の前記複数のX線画像のうちの第2のX線画像を取得すること、
前記第1のX線画像と前記第2のX線画像とを比較して、標的の動きがあるかどうかを判定すること、
前記標的の動きの判定に応じて、前記複数のX線画像のうちの後続のX線画像の取得間の時間間隔を調整すること
を実行するように構成された放射線治療システム。
【請求項12】
前記処理デバイスがさらに、前記第1のX線画像と前記第2のX線画像とを比較して、前記標的の動きは治療許容差内にあるかどうかを判定するように構成された請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理デバイスがさらに、前記標的の動きが低減するときに、前記後続のX線画像間の時間間隔を延長するように構成された請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理デバイスがさらに、前記標的の動きが増大するときに、前記後続のX線画像間の時間間隔を短縮するように構成された請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記処理デバイスがさらに、前記標的の動きに応じて、画像誘導放射線治療セッション中に撮像されるX線画像の総数を調整するように構成された請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記X線画像の総数の調整において、前記処理デバイスがさらに、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が延長されたときに、前記画像誘導放射線治療セッション中に撮像される前記X線画像の総数を減らし、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が短縮されたときに、前記画像誘導放射線治療セッション中に撮像される前記X線画像の総数を増やす
ように構成された請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記X線画像の総数の調整において、前記処理デバイスがさらに、前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が短縮されたときに、前記画像誘導放射線治療照射セッション中に撮像される前記X線画像の総数を増やすように構成された請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記X線画像の総数の調整において、前記処理デバイスがさらに、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が延長されたときに、前記画像誘導放射線治療照射セッション中に撮像される前記X線画像の総数を減らし、
前記標的の動きに応じて前記後続のX線画像間の時間間隔が短縮されたときに、前記画像誘導放射線治療セッション中に撮像される前記X線画像の総数を増やす
ように構成された請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記標的の動きがあるかどうかの判定において、前記プロセッサがさらに、
前記第1のX線画像を基準画像と比較して、前記第1のX線画像を取得した第1の時点における前記基準画像に対する第1の標的変位を決定し、
前記第2のX線画像を前記基準画像と比較して、前記第2のX線画像を取得した第2の時点における前記基準画像に対する第2の標的変位を決定し、
前記第1の標的変位と前記第2の標的変位とを比較して、前記標的の動きがあるかどうかを判定する
ように構成された請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記基準画像がディジタル再構成放射線写真(DRR)である請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−526620(P2009−526620A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555381(P2008−555381)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/004124
【国際公開番号】WO2007/095358
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505005625)アキュレイ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】