説明

遮光カーテンの遮光性評価方法

【課題】JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.9%以上の遮光1級のカーテンでも光の強さによって、あるいはカーテンが有するピンホールや組織点から漏れる光によって、さらには上記A法の真上からの一方向だけの光では評価できない斜めからの漏光によって遮光性が十分でないケースがあるので、実際の使用に合致した新しい遮光性評価方法を提供する。
【解決手段】暗室1内で電照パネル2上に遮光カーテン3を載置し、全体的な光の透過の見え方、及びピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を総合的に判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の窓などに用いる遮光用のカ−テンの遮光性評価方法に関し、従来のNIF(社団法人日本インテリアファブリックス協会)が定めた遮光1級(JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上)と評価された遮光カーテンをさらに詳細に評価する遮光性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からカーテンとしては、視界を遮るという基本的な機能に遮光性を付加したものが使用されている。遮光性とは、外の光が内部に射し込むのを防いだり、中の光が外に漏れるのを防ぐことを言い、カーテンの機能の中でも、主に寝室で使われることを前提に、外光を遮ることを主目的につくられています。この遮光カーテンには、そのレベルに応じてNIF(社団法人日本インテリアファブリックス協会)が3つの等級を定めています。即ちJIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上のカーテンを遮光1級、遮光率が99.98〜99.80%のカーテンを遮光2級、遮光率が99.79〜99.40%のカーテンを遮光3級に格付けされています。
【0003】
この遮光率が99.99%以上の遮光1級を達成するために、特許文献1では、カーテンを構成する糸の断面形状がくびれ部を有する扁平断面形状のポリエステルマルチフィラメントを形成することにより遮光性を高めている。また特許文献2では、カーテン生地を経緯二重組織にすることで遮光性を高めている。さらに特許文献3では、カーテン生地を両面サテン組織にすることで遮光性を高めている。
【0004】
当然のごとく、上記技術は遮光性をJIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法によって評価している。しかしながら、実際の使用状況においては、該試験方法による、遮光率が99.99%以上の遮光1級のカーテンでも、光源の光の強さが試験条件以上のケースもあり、光が僅かであるが透過する。また、カーテン生地の色相により、僅かながら光が透過し、その時に見えるカーテン生地表面の色相や、生地を透過する光の色相も差が認識できるという問題もあった。あるいはカーテンが有するピンホールや組織点から漏れる光によって、さらには、前記遮光性試験方法では、真上からの一方向だけの評価のため、評価されていない斜めから漏れる光によって、実際に使用する人間の目では、十分な遮光性が得られていないカーテンも混在しているという問題があった。
【0005】
その対策として、前記JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率の評価方法よりも、さらに詳細な、実際の使用に合致した評価方法が求められているが、未だに開発されていない。
【特許文献1】特開2008−127722号公報
【特許文献2】実用新案登録第3116853号公報
【特許文献3】実用新案登録第3117957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題は、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテンを、さらに、実際の使用に合致した、詳細な遮光性を評価する遮光カーテンの遮光性評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討した結果、暗室内で電照パネル上に遮光カーテンを載置し、全体的な光の透過の見え方、及びピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を総合的に判定することにより、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテンを、さらに、実際の使用に合致した、詳細な遮光性を評価することができる遮光カーテンの遮光性評価方法を見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテンを、暗室内で電照パネル上に載置し、全体的な光の透過の見え方、及びピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を判定し、総合的に細分化した遮光性を判定することを特徴とする遮光カーテンの遮光性評価方法。
【0009】
[2]前記電照パネルが、内部に冷極限蛍光ランプを有し、該冷極限蛍光ランプの上面5〜15mmの高さに透明アクリル板又はガラス板が載置され、輝度2000cd/m以上であることを特徴とする前項1に記載の遮光カーテンの遮光性評価方法。
【0010】
[3]前記電照パネル上に載置した遮光カーテンの上面に、直径50〜110mmの円状、または1辺50〜110mmの矩形等の透視孔を有する、遮光性の高い黒色布帛を載置し遮光性を判定することを特徴とする前項1または2に記載の遮光カーテンの遮光性評価方法。
【0011】
[4]前記電照パネル上に載置した遮光カーテンを、透視孔を通じて真上、前方斜め上方45度、後方斜め上方45度、右方斜め上方45度、左方斜め上方45度の5方向から遮光性を判定することを特徴とする前項1乃至3に記載の遮光カーテンの遮光性評価方法。
【発明の効果】
【0012】
[1]の発明によれば、遮光カーテンを、暗室内で電照パネル上に載置し、全体的な光の透過の見え方を判定することにより、容易に遮光カーテンによる光の透過の強弱を詳細な範囲で判定することができる。また、ピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を判定することにより、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法では判定できなかった細かな光の漏れを判定する事が出来る。したがって、遮光カーテンの遮光性を総合的に、細分化した判定することが可能となり、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテンをさらに細分化した評価格付けが可能となる。
【0013】
[2]の発明によれば、前記電照パネルが、内部に冷極限蛍光ランプを有し、該冷極限蛍光ランプの上面5〜15mmの高さに透明アクリル板又はガラス板が載置され、輝度2000cd/m以上であることにより、遮光カーテンを、暗室内で電照パネル上に載置しても、カーテンのピンホールを透過する小さな光も観察することが可能となり、遮光性を評価するための十分な明るさの光源となる。
【0014】
[3]の発明によれば、前記電照パネル上に載置した遮光カーテンの上面に、直径50〜110mmの円状、または1辺50〜110mmの矩形等の透視孔を有する遮光性の高い黒色布帛を載置することにより、遮光カーテンが黒色の面で囲まれ、人間の目で観察するのに適度なサイズとなり、観察者が容易に遮光カーテンの遮光性を評価することができる。
【0015】
[4]の発明によれば、前記電照パネル上に載置した遮光カーテンを、透視孔を通じて真上、前方斜め上方45度、後方斜め上方45度、右方斜め上方45度、左方斜め上方45度の5方向から遮光性を判定することにより、真上からの一方向だけの評価のJIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法に比べ、カーテンを構成する織物の組織点を斜めに透過する光を観察することが可能となり、より実際に近い環境での遮光性を評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明について、以下に具体的に説明する。本発明では、まず、図1及び図2に示すように、暗室(1)、電照パネル(2)、及びその上に載置する遮光性の高い黒色布帛(3)を用意する。
【0017】
暗室(1)とは、外の光が遮られた小部屋で、例えば暗幕を2枚重ね程度で覆った小スペースでも代用することができ、外の光が遮られていれば、相対的評価方法等を用いれば安定的に遮光性を評価することができる。
【0018】
電照パネル(2)とは、光源としての蛍光ランプが内臓され、上面に透明のアクリル板又はガラス板で構成されている薄型の台状の物で、例えば、図面の複写等に使用される市販のトレース台を用いることができる。光源から上部全面に照射されている必要があり、光源としては蛍光ランプのほか、色相管理に用いられる標準光源(たとえばタングステンハロゲンランプ)、白熱灯などが用いられる。さらに、前記蛍光ランプの上面5〜15mmの高さに透明アクリル板、又はガラス板が載置され、サンプルである遮光カーテン(4)を載置する基台となり、前記蛍光ランプの光を十分に透過させる必要がある。該範囲を超えれば透過する光の輝度が小さくなり、遮光性を評価することが困難となる。
【0019】
電照パネル(2)の透明のアクリル板又はガラス板上の輝度としては2000cd/m以上が必要であり、該輝度であれば遮光カーテンの遮光性を評価するための光の透過の見え方、及びピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を容易に判定することができる。2000cd/m未満では詳細な遮光性を評価することが困難となる。
【0020】
遮光性の高い黒色布帛(3)とは、電照パネル(2)上に載置した遮光カーテン(4)の上に、さらに載置し、遮光性を容易に評価するための道具で、直径50〜110mmの円状、または1辺50〜110mmの矩形等の透視孔を有する。遮光カーテン(4)の上に、該遮光性の高い黒色布帛(3)を載置することにより、サンプルである遮光カーテンが固定され、透視孔の周辺が黒色のため、光が透過せず、透視孔部分だけを集中的に観察することができる。また、前記サイズの透視孔であれば、人間の目の視界に適合し集中的に観察することができる。さらに、前記透視孔を複数個並べ、各々に違った遮光カーテン(4)を配置すれば、相対的評価が容易となる。
【0021】
評価方法について説明する。まず、サンプルとしてJIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(4)を用意する。
【0022】
JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法とは、カーテンの遮光性を評価する方法で、光源としてハロゲンランプ(100V、500W)で試料を垂直に照射し、その試料を透過した光を照度計を用いて照度(LUX)を計測し遮光率を算出します。
【0023】
次に、用意した遮光カーテンを適当なサイズに切り出し、暗室(1)内の電照パネル(2)上に載置し、さらに、その上に遮光性の高い黒色布帛(3)を載置し、前記電照パネル(2)上に載置した遮光カーテン(4)を、真上、前方斜め上方45度、後方斜め上方45度、右方斜め上方45度、左方斜め上方45度の5方向から、全体的な光の透過の見え方、及びピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を判定し、総合的に細分化した遮光性を判定する。
【0024】
本発明の評価方法においては、蛍光ランプの上面5〜15mmの高さの近距離にサンプルの遮光カーテン(4)が載置されるために、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法と比較して、全体的な光の透過の見え方の強弱が明確に目視で観察することができ、詳細な遮光性を評価することが可能となる。
【0025】
遮光カーテン(4)用の布帛は,大別すると,織物の裏面に黒色シートを接着し、さらにカラーシートを接着するラミネートタイプ、織物の裏面に黒色層を使用せずに、遮光性のある樹脂をコーティングするコーティングタイプ、さらに、高密度織物において,遮光性の高い黒色を織物の中間層に使用したり、あるいは織柄として使用する織組織タイプがある。
【0026】
しかし、前記ラミネートタイプのカーテンにおいて、ラミネートされるシートには、シート製造時、またはラミネート加工時にピンホールが発生し、光漏れの原因となっている。また、前記コーティングタイプのカーテンにおいても、コーティング加工時に、コーティング樹脂の塗布のバラツキや、織物への含浸等によりピンホールが発生し、光漏れの原因となっている。JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法では、このピンホールからの微小な光漏れを検知する事が難しいが、本発明の評価方法ではピンホールからの光漏れの有無・多寡を容易に検知することができ、詳細な遮光性を評価することが可能となる。
【0027】
また、織組織タイプのカーテンに
は、経糸と緯糸とで形成される空隙により、組織点と呼ばれる光を透過させる小孔が多数顕在している。この組織点は垂直の光は透過させないが、斜めの光は容易に透過させる特徴があり、真上からの一方向だけの評価のJIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法では検知することは難しい。ところが、本発明においては、前方斜め上方45度、後方斜め上方45度、右方斜め上方45度、左方斜め上方45度の5方向から遮光性を判定することにより、組織点からの光漏れの有無・多寡を容易に検知することができ、詳細な遮光性を評価することが可能となる。角度としては上方45度が斜めの光の漏れを検知するのに最も適当で、該角度以下、及び以上では正確な光漏れの検知が難しい。
【0028】
本発明における遮光カーテン(4)の遮光性評価方法による評価格付けとして、例えば、下記に示すような5段階に大別する事が出来る。ランクA++:5方向から遮光性において、ピンホール、及び組織点からの光漏れが無く、全体的な光の透過が無い。ランクA+:5方向から遮光性において、ピンホール、及び組織点からの光漏れが無く、全体的な光の透過がやや有る。ランクA:5方向から遮光性において、ピンホール、及び組織点からの光漏れがやや有り、全体的な光の透過が無い。ランクB:5方向から遮光性において、ピンホール、及び組織点からの光漏れがやや有り、全体的な光の透過がやや有る。ランクC:5方向から遮光性において、ピンホール、及び組織点からの光漏れが有り、全体的な光の透過が有る。
【0029】
前記評価格付けにより、従来のNIF(社団法人日本インテリアファブリックス協会)が定めた遮光1級(JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上)と評価された遮光カーテンをさらに5段階に評価することができ、実際の遮光カーテン(4)の使用環境に応じた評価の遮光カーテン(4)を選べることが可能となる。
【実施例】
【0030】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
本発明の遮光カーテン(4)の遮光性評価における、全体的な光の透過、ラミネートタイプのカーテン、及びコーティングタイプのカーテンについてはピンホールからの光漏れ、高密度織物タイプのカーテンについては組織点からの光漏れを評価し、及び総合的遮光ランクは、下記基準により評価したものである。各実施例についてその結果を表1に示す。
【0032】
[全体的な光の透過]◎:光が通じていない。○:光が殆ど通じていない。△:光がやや通じている。×:光が通じている。
【0033】
[ピンホールからの光漏れ]◎:光が漏れているピンホールが無い。○:光が漏れているピンホールが殆ど無い。△:光が漏れているピンホールが数個ある。×:光が漏れているピンホールが数多くある。
【0034】
[組織点からの光漏れ]◎:光が漏れている組織点が無い。○:光が漏れている組織点が殆ど無い。△:光が漏れている組織点が数個ある。×:光が漏れている組織点が数多くある。
【0035】
[総合的遮光ランク]前記5段階ランク(ランクA++、ランクA+、ランクA、ランクB、ランクC)により、評価格付けを行った。
【0036】
<実施例1>経糸、及び緯糸に84dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、経糸密度を90本/吋、緯糸密度を78本/吋にて、目付155g/mで織成した織物の片面にカーボン入りポリウレタンをラミネート加工した、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(A)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはA++だった。
【0037】
<実施例2>経糸に84dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、緯糸に330dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、経糸密度を364本/吋、緯糸密度を69本/吋にて、目付248g/mで織成した織物からなる、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(B)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはA+だった。
【0038】
<実施例3>経糸に167dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、緯糸に167dtex/2のポリエステル紡績糸を使用し、経糸密度を174本/吋、緯糸密度を75本/吋にて、目付249g/mで織成した織物からなる、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(C)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはAだった。
【0039】
<実施例4>経糸に84dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、緯糸に167dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、経糸密度を330本/吋、緯糸密度を100本/吋にて、目付191g/mで織成した織物からなる、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(D)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはAだった。
【0040】
<実施例5>経糸に330dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、緯糸に167dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、経糸密度を110本/吋、緯糸密度を76本/吋にて、目付372g/mで織成した織物の片面にアルミアクリルをコーティング加工した、、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(E)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはAだった。
【0041】
<実施例6>経糸に167dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、緯糸に20/2のポリエステル紡績糸を使用し、経糸密度を140本/吋、緯糸密度を48本/吋にて、目付252g/mで織成した織物からなる、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(F)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはBだった。
【0042】
<実施例7>経糸に黒色の330dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、緯糸にベージュ色の30/2のポリエステル紡績糸を使用し、経糸密度を127本/吋、緯糸密度を67本/吋にて、目付311g/mで織成した織物からなる、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(G)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはBだった。
【0043】
<実施例8>経糸、及び緯糸に84dtexのポリエステルフイラメント糸を使用し、経糸密度を276本/吋、緯糸密度を111本/吋にて、目付140g/mで織成した織物からなる、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテン(H)を用意し、本発明の評価方法により評価を行った。総合的遮光ランクはCだった。
【0044】
【表1】

【0045】
表1から明らかなように、JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である実施例1〜8の遮光カーテンを、詳細な遮光性の評価により5段階に格付けする事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係わる遮光性評価器具の概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる電照パネル、及び遮光性の高い黒色布帛の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1………暗室2………電照パネル3………遮光性の高い黒色布帛4………遮光カーテン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS−L−1055の規定する遮光性試験方法のA法による遮光率が99.99%以上である遮光カーテンを、暗室内で電照パネル上に載置し、全体的な光の透過の見え方、及びピンホールや組織点からの光漏れの有無・多寡を判定し、総合的に細分化した遮光性を判定することを特徴とする遮光カーテンの遮光性評価方法。
【請求項2】
前記電照パネルが、内部に冷極限蛍光ランプを有し、該冷極限蛍光ランプの上面5〜15mmの高さに透明アクリル板又はガラス板が載置され、輝度2000cd/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮光カーテンの遮光性評価方法。
【請求項3】
前記電照パネル上に載置した遮光カーテンの上面に、直径50〜110mmの円状、または1辺50〜110mmの矩形等の透視孔を有する、遮光性の高い黒色布帛を載置し遮光性を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の遮光カーテンの遮光性評価方法。
【請求項4】
前記電照パネル上に載置した遮光カーテンを、透視孔を通じて真上、前方斜め上方45度、後方斜め上方45度、右方斜め上方45度、左方斜め上方45度の5方向から遮光性を判定することを特徴とする請求項1乃至3に記載の遮光カーテンの遮光性評価方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−224966(P2012−224966A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95605(P2011−95605)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(390014487)住江織物株式会社 (294)
【Fターム(参考)】