遮光板損傷検出方法及び装置
【課題】レーザ光を遮光する遮光板の損傷を検出する遮光板損傷検出方法及び装置の提供。
【解決手段】ガラス板3の少なくともレーザ光LBを受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルム5を貼り付けた遮光板1であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部9において散乱されたレーザ光10を検出するセンサ17を前記ガラス板の切断面14に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とする遮光板損傷検出方法。
【解決手段】ガラス板3の少なくともレーザ光LBを受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルム5を貼り付けた遮光板1であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部9において散乱されたレーザ光10を検出するセンサ17を前記ガラス板の切断面14に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とする遮光板損傷検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を遮光する遮光板の損傷を検出する遮光板損傷検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工時には作業者及び周囲の人の安全を保持すべく、レーザ機器利用エリア(以後、管理区域と呼ぶ)を明示し、その管理区域への不用意な立ち入りを制限すると共に、その管理区域外へのレーザ放射を防ぐ手段を講じなくてはならない。
【0003】
管理区域外へのレーザ放射を防ぐ手段としては、従来、管理区域の周囲にレーザ光を遮断し可視光はある程度を透過させる遮光板を配置するのが一般的である。
【0004】
前記遮光板には、遮光するレーザの波長により異なる遮光特性が付与された特殊なアクリル板(例えば非特許文献1)が使用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[平成23年6月30日検索]、インターネット<URL:http://www.rikenoptech.com/protector/product/laser2.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の遮光板は、レーザ光を受けるとレーザ光を受けた部分が徐々に溶融していき、最終的には穴があいてレーザ光が管理区域外へ放射されることになるが、何時その様な状態に達するのかは、遮光板が受光するレーザ光の強度や照射時間等に依存するので、その時期を正確に把握することは困難である。
【0007】
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題はレーザ光を遮光する遮光板の損傷を検出する遮光板損傷検出方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載の遮光板損傷検出方法は、ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の遮光板損傷検出方法は、レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の遮光板損傷検出装置は、ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出すること特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の遮光板損傷検出装置は、レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の遮光板損傷検出方法及び装置によれば、遮光板が受光するレーザ光の強度や照射時間等に依存することなく遮光板の損傷を直ちに検出ことができる。この検出結果を利用してレーザ加工機またはレーザ光源の作動を直ちに停止させてレーザ光が管理区域外へ放射されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明の第1の実施形態を示す遮光板損傷検出装置の説明図。
【図2】図1の遮光板損傷検出装置からなる遮光窓を備えたレーザ加工室の外観図。
【図3】本願発明の第2の実施形態を示す遮光板損傷検出装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0015】
図1は本願発明の第1の実施形態を示したものであり、遮光板1はガラス板3の両面にレーザ光を選択的に遮蔽する特性を有する厚さ0.5mm程の軟質塩化ビニールフィルムからなる光学濃度(Optical Density)3(以後、OD3またはOD=3と記載)の市販の遮蔽フィルム5、7を貼り付けた構成である。
【0016】
前記ガラス板3の下部(図1の下方)の切断面14には、この切断面14から放射される散乱光10を受光するフォトダイオードの如き光センサ17が設けてある。そして、この光センサ17には光センサ17からの電気信号を受信してレーザ加工装置21を制御するコントローラ19が接続がしてある。
【0017】
なお、光学濃度とは、OD=−log(I0/I)で求められるもので、物質を透過する光の減衰率(%)を表すものである。なお、I0は入射光強度、Iは透過光の強度である。
【0018】
例えば、OD=0のときは、減衰率は0(すなわち、透過率100%)、OD=1のときは、減衰率は1/10(透過率10%)、OD=2のときは、減衰率は1/100(透過率1%)のように、OD=3のときは、減衰率は1/1000(透過率0.1%)である。すなわち、ODレベルが大きいほどレーザ光の遮光性能が大きいことを表している。
【0019】
図1は、レーザ加工装置21からの予期しないレーザ光LBが遮光板1に照射されている状態を示したものであり、前記レーザ光LBが照射された部分の遮光板1には、遮蔽フィルム5からガラス板3に達する不規則な形状な溶融凹部からなる損傷部9が形成される。
【0020】
図2は、前記レーザ加工装置21を内部に収容した作業室11の外観を示したものである。この作業室11の外部にはレーザー発振器13や表示装置15を備えた操作盤16が配置されている。また、作業室11には前記遮光板1を使用した遮光窓12(図2では4個所)が設けてある。
【0021】
なお前記遮蔽フィルム5は可視光を一部透過させるものであるので、この遮光窓12の外部から内部の作業状態を確認することができる。
【0022】
再度、図1を参照するに、前記遮蔽フィルム5に損傷部9が発生すると、レーザ加工機からのレーザ光LBはこの損傷部9において散乱されて、ガラス板3の外周の切断面から外部に散乱光10として放射される。この散乱光10の一部は外側の遮蔽フィルム7にも到達するが、前記遮蔽フィルム7により遮断されて作業室11の外部へ放射されることはない。
【0023】
前記光センサ17が散乱光10を受光したことにより発生する電気信号を検出した際には、前記コントローラ19は前記遮光板1に損傷が発生したものと判断し、表示装置15に遮光板1に損傷が発生した旨の警報を表示すると共に、前記レーザ加工装置21の作動を停止させる。これにより、レーザ光の作業室11外部への漏洩を未然に防ぐことができ、遮光板1の損傷も直ちにかつ容易に検出することができる。
【0024】
なお、前記第1の実施形態においては、遮光板1の外側の遮蔽フィルム7がOD3の遮蔽フィルムが一枚であったが、これを2枚重ねてOD6とすることにより、より安全性を向上させることができる。
【0025】
図3は本願発明の第2実施形態を示したものである。
【0026】
図3に示す如く、遮光板31はレーザ光を選択的に遮蔽する特性を有する高さH×幅W(図示せず)×厚さ3.5(t=3.5)程度で、OD=4以上を有する特殊なアクリル板からなるものである。
【0027】
遮光板31の上端面32aと下端面32bは、遮光板31の平板面に直角に切断されており、上端面32aに近接して透過型の光ファイバセンサの投光器33を設け、下端面32bには前記投光器33からのレーザ光37を受光するための受光器35が設けてある。
【0028】
前記レーザ加工装置21からの予期しないレーザ光LBが遮光板31に照射されると、遮光板31に不規則な形状の溶融凹部がらなる損傷部41が形成されることになる。
【0029】
上記構成において、投光器33から遮光板31に入射された光ファイバセンサのレーザ光37は、遮光板31内を透過中に前記不規則な形状の溶融凹部がらなる損傷部41において散乱されて、その一部が遮光板31の外部へ漏洩光37’として漏洩する。
【0030】
その結果、遮光板31の下端部から出射されるレーザ光は入射光37の強度より減衰した出射光37”となって、前記受光器35に入射されることになる。
【0031】
前記受光器35が受光したレーザ光の強度の減少は、前記コントローラ19により検出されて遮光板31に損傷が発生したものと判断し、前記表示装置15に遮光板31に損傷が発生した旨の警報を表示すると共に、前記レーザ加工装置21の作動を停止させる。これにより、レーザ光の作業室11外部へのレーザ光の漏洩を未然に防ぐことができ、遮光板31の損傷も直ちにかつ容易に検出することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 遮光板
3 ガラス板
5、7 遮蔽フィルム
9 損傷部
10 散乱光
12 遮光窓
13 レーザー発振器
14 切断面
15 表示装置
16 操作盤
17 光センサ
19 コントローラ
21 レーザ加工装置
31 遮光板
32a 上端面
32b 下端面
33 投光器
35 受光器
37’ 漏洩光
37” 出射光
41 損傷部
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を遮光する遮光板の損傷を検出する遮光板損傷検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工時には作業者及び周囲の人の安全を保持すべく、レーザ機器利用エリア(以後、管理区域と呼ぶ)を明示し、その管理区域への不用意な立ち入りを制限すると共に、その管理区域外へのレーザ放射を防ぐ手段を講じなくてはならない。
【0003】
管理区域外へのレーザ放射を防ぐ手段としては、従来、管理区域の周囲にレーザ光を遮断し可視光はある程度を透過させる遮光板を配置するのが一般的である。
【0004】
前記遮光板には、遮光するレーザの波長により異なる遮光特性が付与された特殊なアクリル板(例えば非特許文献1)が使用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[平成23年6月30日検索]、インターネット<URL:http://www.rikenoptech.com/protector/product/laser2.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の遮光板は、レーザ光を受けるとレーザ光を受けた部分が徐々に溶融していき、最終的には穴があいてレーザ光が管理区域外へ放射されることになるが、何時その様な状態に達するのかは、遮光板が受光するレーザ光の強度や照射時間等に依存するので、その時期を正確に把握することは困難である。
【0007】
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題はレーザ光を遮光する遮光板の損傷を検出する遮光板損傷検出方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載の遮光板損傷検出方法は、ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の遮光板損傷検出方法は、レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の遮光板損傷検出装置は、ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出すること特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の遮光板損傷検出装置は、レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の遮光板損傷検出方法及び装置によれば、遮光板が受光するレーザ光の強度や照射時間等に依存することなく遮光板の損傷を直ちに検出ことができる。この検出結果を利用してレーザ加工機またはレーザ光源の作動を直ちに停止させてレーザ光が管理区域外へ放射されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明の第1の実施形態を示す遮光板損傷検出装置の説明図。
【図2】図1の遮光板損傷検出装置からなる遮光窓を備えたレーザ加工室の外観図。
【図3】本願発明の第2の実施形態を示す遮光板損傷検出装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0015】
図1は本願発明の第1の実施形態を示したものであり、遮光板1はガラス板3の両面にレーザ光を選択的に遮蔽する特性を有する厚さ0.5mm程の軟質塩化ビニールフィルムからなる光学濃度(Optical Density)3(以後、OD3またはOD=3と記載)の市販の遮蔽フィルム5、7を貼り付けた構成である。
【0016】
前記ガラス板3の下部(図1の下方)の切断面14には、この切断面14から放射される散乱光10を受光するフォトダイオードの如き光センサ17が設けてある。そして、この光センサ17には光センサ17からの電気信号を受信してレーザ加工装置21を制御するコントローラ19が接続がしてある。
【0017】
なお、光学濃度とは、OD=−log(I0/I)で求められるもので、物質を透過する光の減衰率(%)を表すものである。なお、I0は入射光強度、Iは透過光の強度である。
【0018】
例えば、OD=0のときは、減衰率は0(すなわち、透過率100%)、OD=1のときは、減衰率は1/10(透過率10%)、OD=2のときは、減衰率は1/100(透過率1%)のように、OD=3のときは、減衰率は1/1000(透過率0.1%)である。すなわち、ODレベルが大きいほどレーザ光の遮光性能が大きいことを表している。
【0019】
図1は、レーザ加工装置21からの予期しないレーザ光LBが遮光板1に照射されている状態を示したものであり、前記レーザ光LBが照射された部分の遮光板1には、遮蔽フィルム5からガラス板3に達する不規則な形状な溶融凹部からなる損傷部9が形成される。
【0020】
図2は、前記レーザ加工装置21を内部に収容した作業室11の外観を示したものである。この作業室11の外部にはレーザー発振器13や表示装置15を備えた操作盤16が配置されている。また、作業室11には前記遮光板1を使用した遮光窓12(図2では4個所)が設けてある。
【0021】
なお前記遮蔽フィルム5は可視光を一部透過させるものであるので、この遮光窓12の外部から内部の作業状態を確認することができる。
【0022】
再度、図1を参照するに、前記遮蔽フィルム5に損傷部9が発生すると、レーザ加工機からのレーザ光LBはこの損傷部9において散乱されて、ガラス板3の外周の切断面から外部に散乱光10として放射される。この散乱光10の一部は外側の遮蔽フィルム7にも到達するが、前記遮蔽フィルム7により遮断されて作業室11の外部へ放射されることはない。
【0023】
前記光センサ17が散乱光10を受光したことにより発生する電気信号を検出した際には、前記コントローラ19は前記遮光板1に損傷が発生したものと判断し、表示装置15に遮光板1に損傷が発生した旨の警報を表示すると共に、前記レーザ加工装置21の作動を停止させる。これにより、レーザ光の作業室11外部への漏洩を未然に防ぐことができ、遮光板1の損傷も直ちにかつ容易に検出することができる。
【0024】
なお、前記第1の実施形態においては、遮光板1の外側の遮蔽フィルム7がOD3の遮蔽フィルムが一枚であったが、これを2枚重ねてOD6とすることにより、より安全性を向上させることができる。
【0025】
図3は本願発明の第2実施形態を示したものである。
【0026】
図3に示す如く、遮光板31はレーザ光を選択的に遮蔽する特性を有する高さH×幅W(図示せず)×厚さ3.5(t=3.5)程度で、OD=4以上を有する特殊なアクリル板からなるものである。
【0027】
遮光板31の上端面32aと下端面32bは、遮光板31の平板面に直角に切断されており、上端面32aに近接して透過型の光ファイバセンサの投光器33を設け、下端面32bには前記投光器33からのレーザ光37を受光するための受光器35が設けてある。
【0028】
前記レーザ加工装置21からの予期しないレーザ光LBが遮光板31に照射されると、遮光板31に不規則な形状の溶融凹部がらなる損傷部41が形成されることになる。
【0029】
上記構成において、投光器33から遮光板31に入射された光ファイバセンサのレーザ光37は、遮光板31内を透過中に前記不規則な形状の溶融凹部がらなる損傷部41において散乱されて、その一部が遮光板31の外部へ漏洩光37’として漏洩する。
【0030】
その結果、遮光板31の下端部から出射されるレーザ光は入射光37の強度より減衰した出射光37”となって、前記受光器35に入射されることになる。
【0031】
前記受光器35が受光したレーザ光の強度の減少は、前記コントローラ19により検出されて遮光板31に損傷が発生したものと判断し、前記表示装置15に遮光板31に損傷が発生した旨の警報を表示すると共に、前記レーザ加工装置21の作動を停止させる。これにより、レーザ光の作業室11外部へのレーザ光の漏洩を未然に防ぐことができ、遮光板31の損傷も直ちにかつ容易に検出することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 遮光板
3 ガラス板
5、7 遮蔽フィルム
9 損傷部
10 散乱光
12 遮光窓
13 レーザー発振器
14 切断面
15 表示装置
16 操作盤
17 光センサ
19 コントローラ
21 レーザ加工装置
31 遮光板
32a 上端面
32b 下端面
33 投光器
35 受光器
37’ 漏洩光
37” 出射光
41 損傷部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とする遮光板損傷検出方法。
【請求項2】
レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴遮光板損傷検出方法。
【請求項3】
ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出すること特徴とする遮光板損傷検出装置。
【請求項4】
レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とする遮光板損傷検出装置。
【請求項1】
ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とする遮光板損傷検出方法。
【請求項2】
レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴遮光板損傷検出方法。
【請求項3】
ガラス板の少なくともレーザ光を受光する内側面にレーザ光遮蔽フィルムを貼り付けた遮光板であって、前記レーザ光により前記遮光板が受けた損傷部において散乱されたレーザ光を検出するセンサを前記ガラス板の切断面に対向させて設け、前記損傷部からの散乱光を検出することにより前記遮光板の損傷を検出すること特徴とする遮光板損傷検出装置。
【請求項4】
レーザ光遮光特性を有する遮光板の切断面の一方に半導体レーザからのレーザ光を出射する光センサ投光部を設け、該投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板内を透過して該遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光を受光する光センサ受光部を前記投光部に対向させて設け、前記遮光板内を透過する前記投光部から出射されたレーザ光が前記遮光板の一側面に照射されるレーザ光により生じた損傷部で散乱されて遮光板外部へ放射されることにより、前記遮光板の他方の切断面から放出されるレーザ光の強度減少を検出することにより前記遮光板の損傷を検出することを特徴とする遮光板損傷検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−35006(P2013−35006A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171858(P2011−171858)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]