説明

遮水壁の根入れ深さの決定方法

【課題】合理的かつ安全な遮水壁の根入れ深さを設定することを可能とした遮水壁の根入れ深さの決定方法を提案する。
【解決手段】掘削底面の下方の地盤が、上から上部帯水層S1と、第一難透水層C1と、中間層Mと、第二難透水層C2とが積層されてなる条件下における遮水壁1の根入れ深さの決定方法であって、第一難透水層C1の下面に作用する下方からの浸透流による被圧水圧Uを算出し、被圧水圧Uを利用して第一難透水層C1の下面における荷重バランスFS2を算出し、荷重バランスFS2が安全率Fを上回るように遮水壁1の根入れ深さlを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮水壁の根入れ深さの決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下水位が地表面近くにある領域で地盤を掘削すると、掘削面下に分布する難透水層の下面に作用する被圧水圧(揚圧力)Uにより掘削底面が膨れ上がる現象(盤ぶくれ)が生じる場合がある。
【0003】
盤ぶくれの対策工法の一つとして、掘削領域の周囲を鋼矢板やソイルセメント等からなる遮水壁で囲う場合がある(図5参照)。
遮水壁による盤ぶくれ対策は、非特許文献1に示すように、難透水層下面における土被り荷重Wと被圧水圧Uとの比で評価する荷重バランス法により安全率Fを確保するのが一般的である。
【0004】
この荷重バランス法は、難透水層の下面における土被り荷重Wと被圧水圧Uとの比(W/U)が、安全率F(例えば1.1)よりも大きければ、盤ぶくれ現象は生じないと認定し、安全率Fよりも小さい場合は盤ぶくれが生じるおそれがあると認定するものである。
【0005】
例えば、図5に示すように、掘削底面に近い難透水層である第一難透水層C1の下面における土被り荷重Wと被圧水圧Uとの比(W/U)が、安全率F(例えば1.1)より小さい場合は、遮水壁1の根入れ深さlを第一難透水層C1の下方に存在する第二難透水層C2までとして、再度安全率Fの検証を行う。
【0006】
第二難透水層C2において安全率Fを確保できる場合は根入れ深さlを確定し、安全率Fを確保できない場合は、根入れ深さlを第二難透水層C2の下方に存在する第三難透水層までとして、検証を行う。
この作業を繰り返し行うことで、安全率Fが確保できる根入れ深さlを決定する。
【0007】
なお、荷重バランス法により決定した遮水壁の根入れ深さが極めて大きくなる場合には、安全率を確保することができる深さにおいて、地盤改良等により人工的に難透水層を形成する場合もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「道路土工−仮設構造物工指針」、社団法人日本道路協会、平成11年3月、p.76−87
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
遮水壁により囲まれた地盤内(掘削底面から遮水壁の下端までの間)に、難透水層が2層以上存在する場合は、上位層である第一難透水層C1の下面にも何らかの揚圧力(被圧水圧)Uが作用している。
【0010】
これは、難透水層といえども、透水係数はゼロではないことや、遮水壁の透水係数もゼロではないことによる。
つまり、土中水が第二難透水層C2の下面から上方向に流れて第一難透水層C1の下面に作用することや、土中水が遮水壁101を通過して掘削面に向かって流れて第一難透水層C1の下面に作用することがある。
【0011】
このように、第一難透水層C1の下面には、被圧水圧(揚圧力)Uが作用しているため、この被圧水圧Uに対して盤ぶくれの安全性を検証する必要がある。
しかしながら、現在採用されている盤ぶくれ対策では、遮水壁により囲まれた領域内での最下層の難透水層の下面において安全性を検証しているものの、それよりも浅い位置に存在する難透水層の下面における安全性の検証を行うという発想はなかった。
【0012】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、遮水壁で囲まれた最上位の難透水層の下面における被圧水圧を算出し、これを利用して遮水壁の合理的かつ安全な根入れ深さを設定することを可能とした遮水壁の根入れ深さの決定方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための本発明の遮水壁の根入れ深さの決定方法は、掘削底面の下方の地盤が、上から上部帯水層(透水層)と、第一難透水層と、中間層と、第二難透水層とが積層されてなる条件下における方法であって、前記第一難透水層の下面に作用する下方からの浸透流による被圧水圧Uを式1により算出し、前記被圧水圧Uを利用して前記第一難透水層の下面における荷重バランスFS2を式2により算出し、荷重バランスFS2が安全率Fを上回るように前記遮水壁の根入れ深さを決定することを特徴としている。
【0014】
【数1】

【0015】
かかる遮水壁の根入れ深さの決定方法によれば、遮水壁で囲まれた第一難透水層の下面における被圧水圧を算出し、これを利用して遮水壁の合理的かつ安全な根入れ深さを設定することが可能となる。
つまり、従来の盤ぶくれ計算手法や遮水壁根入れ深さの決定手法は、遮水壁と遮水壁で囲まれ、かつ、最下層の難透水層により囲まれた中の地層には浸透流は生じないという前提で行われているため、遮水壁の厚さおよび透水係数や、各地層の層厚と透水係数の如何にかかわらず、最下層の難透水層の下面における土被り荷重と被圧水圧とのバランスだけで遮水壁の根入れ深さが決定されていた。
一方、本発明に係る遮水壁の根入れ深さの決定方法は、これらの条件を踏まえた合理的かつ安全な手法である。
【0016】
また、前記遮水壁からの浸透流により前記第一難透水層の下面に作用する被圧水圧U32を式3により算出し、下方からの浸透流による被圧水圧U以下となるように前記遮水壁の厚さtや透水係数kを決定してもよい。
【0017】
【数2】

【0018】
かかる遮水壁の根入れ深さの決定方法によれば、合理的に、遮水壁の根入れ深さ、厚さおよび透水係数を設定することが可能となる。
【0019】
なお、前記遮水壁の根入れ深さの決定方法において、前記中間層が複数の中間地層からなる場合には、各中間地層の透水係数の平均値を前記中間層の透水係数kとし、前記複数の中間地層の層厚の合計値を前記中間層の厚さLとしてもよい。
【0020】
掘削底面の下方の地盤が、複数の地層が積層されている条件下において遮水壁の根入れ深さを検証する場合には、任意の難透水層の下面に作用する下方からの浸透流による被圧水圧Uを式4により算出し、前記被圧水圧Uを利用して前記任意の難透水層の下面における荷重バランスFSiを式5により算出し、荷重バランスFSiが安全率Fを上回るように前記遮水壁の根入れ深さを決定してもよい。
【0021】
【数3】

【発明の効果】
【0022】
本発明の遮水壁の根入れ深さの決定方法によれば、合理的かつ安全な根入れ深さを設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る遮水壁の根入れ深さの決定方法の検討モデル図である。
【図2】下方からの浸透流に対する被圧水圧の検討モデル図である。
【図3】遮水壁からの浸透流に対する被圧水圧の検討モデル図である。
【図4】中間層の説明図である。
【図5】従来の遮水壁の根入れ深さの決定方法の検討モデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態では、図1に示すように、遮水壁1により囲まれた掘削領域において、掘削底面の下方に、上から上部帯水層S1、第一難透水層C1、中間層Mおよび第二難透水層C2が積層されている地盤において、遮水壁1の根入れ深さlを検証する場合について説明する。
なお、図面において符号2は切梁である。
【0025】
本実施形態では、まず、第一難透水層C1の下面に下方から作用する被圧水圧Uを式1により算出する(図2参照)。
次に、この被圧水圧Uを利用して第一難透水層C1の下面における荷重バランスを式2により検証する。
【0026】
【数4】

【0027】
式2により算出された荷重バランスFS2が安全率Fを上回った場合は、遮水壁1の根入れ深さを第二難透水層C2の下面と決定し、荷重バランスFS2が安全率Fを下回った場合は、第二難透水層C2よりも深い位置まで、遮水壁1の根入れ深さlを延ばして、再度検証を行う。これを繰り返し行うことで、遮水壁1の根入れ深さlを決定する。なお、本実施形態では安全率F=1.1とするが、安全率は限定されるものではない。
【0028】
ここで、式1は、ダルシーの法則に基づいて導き出すことができる。
【0029】
図1において、各地層の透水係数kおよび厚さlを基に、遮水壁1からの浸透流fはないものとすれば、遮水壁1により囲まれた地盤内では、下方から上方向への直線浸透流fが生じていると解釈できる。
【0030】
このときの浸透流Qは、式6となる。
Q=kiA ・・・ 式6
ここで、Q:浸透量(cm/sec)
k:透水係数(cm/sec)
i:動水勾配(=ΔH/l)
ΔH:過剰水頭差(m)
l:浸透長(m)
A:浸透断面積(cm
【0031】
式6より、遮水壁1により囲まれた各地層の浸透流Qと浸透流断面積Aは、等しいため、各地層の透水係数と動水勾配の積は等しくなる。
したがって、式7が成り立つ。
=k=k=k ・・・ 式7
【0032】
式6、式7とi=ΔH/l=(H−Hi−1)/lの関係から、式8〜式11を導くことができる。
【0033】
【数5】

【0034】
は、各地層の下面に作用する過剰水頭である。
これを被圧水圧(揚圧力)Uに置き換えると、式12となる。
したがって、式9から、式1が導き出すことができる。
同様に、式8、式10および式11から、上部帯水層S1の下面に作用する被圧水圧U(式13)、中間層Mの下面に作用する被圧水圧U(式14)および第二難透水層C2の下面に作用する被圧水圧U(式15)をそれぞれ導き出すことができる。
【0035】
【数6】

【0036】
このように、遮水壁1で囲われた地盤の最下層の第二難透水層C2の下面に接する下部帯水層S2(透水層)の過剰水頭H(H)が既知であれば、遮水壁1で囲まれた地層の下面に作用する被圧水圧Uを求めることができる。
【0037】
そして、当該地層の下面における荷重バランスを式2の考え方により検証すれば、遮水壁1の根入れ深さを決定することができる。
なお、実際には、上部帯水層S1および中間層Mについては、透水係数k,kが難透水層の透水係数k,kより大きいため、被圧水圧は相対的に小さいことから、それぞれの層(S1,M)の下面に作用する被圧水圧U,Uを算出して荷重バランスを求める必要はない。
【0038】
次に、遮水壁1からの浸透流fを解析する。
第一難透水層C1の下面に作用する水圧は、図1に示すように、下方からの浸透流fと、遮水壁からの浸透流fとの双方による。この現象は、双方の浸透流f,fが単純に加算されるのではなく、浸透流の多い方、言い換えれば、被圧水圧Uの高いほうが優先される。
【0039】
従って、遮水壁1からの浸透流fによる第一難透水層C1の下面に作用する被圧水圧U32が、下方からの浸透流fによる被圧水圧U以下となり、かつ、被圧水圧U32と土被り荷重Wによる荷重バランスFS32が安全率Fを上回ることができる壁の厚さtと壁の透水係数kを設定すればよい。
【0040】
遮水壁1からの浸透流解析は、浸透断面積が一様でなく、浸透流線も直線ではない。このような場合の解析は、有限要素法による浸透流解析が一般的であるが、本実施形態では、式1を適用する。
すなわち、遮水壁1の浸透範囲(中間層の層厚l)に対して掘削幅Bの1/2の範囲おける上方向の浸透流が等しいと設定すると、浸透断面積が略一様となり、式3を導きだすことができる。
【0041】
【数7】

【0042】
式3によれば、遮水壁1の下端が難透水層に貫入していない場合であっても、盤ぶくれの安全率を満足する場合があるが、この場合においても、式1による検証結果と比較して、遮水壁1の根入れ深さlを決定すればよい。
【0043】
なお、掘削対象地盤が、図4に示すように、第一難透水層C1と第二難透水層C2との間に複数の地層(以下、単に「中間地層」という)が積層された多層地盤である場合には、これらの中間地層の透水係数k31,k32,…を式17により平均化して計算に用いるものとする。
【0044】
【数8】

【0045】
式1,式13,式14,式15は、式4に示すように、一般式として表すことができる。したがって、上部帯水層S1、第一難透水層C1,中間層Mおよび第二難透水層C2の合計4層よりも対象層が増えた多積層(n個の層)の場合でも、任意の難透水層(i番目の層)の下面に作用する被圧水圧Uを算出し、当該地層面において荷重バランス(式5参照)による遮水壁根入れ深さを検証することができる。
【0046】
【数9】

【0047】
なお、盤ぶくれに対しては、最上位の難透水層(第一難透水層C1)の下面に作用する被圧水圧Uによる荷重バランスが最も危険側になるため、当該層(第一難透水層C1)の下面における荷重バランス(被圧水圧Uによる荷重バランス)の検証で、遮水壁の根入れ深さを決定すればよいが、例えば、下位の難透水層の透水係数kの方が最上位の難透水層の透水係数kよりもかなり小さい場合(例えば、概ね1/10以下)のように、特殊なケースでは、当該下位の難透水層の下面においても荷重バランスの検証が必要となる場合がある。
【0048】
次に、本実施形態の遮水壁の根入れ深さの決定方法により、具体的な数値を利用して算定する。
【0049】
ここで、設計条件は以下の通りとする。
下部帯水層S2の過剰水圧H=6m、水の単位体積重量γ=10kN/m
上部帯水層S1の層厚l=1m、透水係数k=1×10−3cm/sec、飽和単位体積重量 γt1=19kN/m
第一難透水層C1の層厚l=2m、透水係数k=1×10−6cm/sec、飽和単位体積重量 γt2=18kN/m
中間層Mの層厚l=6m、透水係数k=5×10−4cm/sec、飽和単位体積重量 γt3=20kN/m
第二難透水層C2の層厚l=3m、透水係数k=1×10−6cm/sec、飽和単位体積重量 γt4=18kN/m
下部帯水層S2の層厚l=10m以上、透水係数k=1×10−5cm/sec
【0050】
前記の設計条件を利用して、遮水壁の根入れ深さlを第二難透水層の下端と仮定し、式1により第一難透水層C1の下面に作用する被圧水圧Uを算出すると、U=54.0kN/mとなる。
したがって、FS2=(19×1+18×2)/54.0=1.01<F=1.1となる。
【0051】
よって、遮水壁1の根入れ深さlをさらに深くして、安全率F=1.1を満足させるようにする。
【0052】
ちなみに、第二難透水層C2の下面に作用する被圧水圧Uを式15により算出すると、U=180kN/mとなる。
したがって、FS4=(19×1+18×2+20×6+18×3)/180=1.27>F=1.1となり、安全率を満足する。
よって、遮水壁1の根入れ深さlは、第一難透水層C1の下面における荷重バランスで決定する必要がある。
【0053】
遮水壁1の根入れ深さlをさらに10m深くして、式4のn=5層における第一難透水層の下面に作用する被圧水圧Uを算出すると、U=50.0kN/mとなる。
したがって、FS2=(19×1+18×2)/50.0=1.10≧F=1.1となる。
【0054】
このように、本実施形態の遮水壁の根入れ深さの決定方法によれば、第二難透水層C2の下方(下部透水層S2中)に明確な難透水層が分布していない場合であっても、盤ぶくれに対して安全な根入れ深さlを決定することができる。
【0055】
次に、遮水壁1からの浸透流fについて検証する。
遮水壁1の壁厚t=0.8m、中間層Mの平均浸透長L=6π/4=4.7mとして、第一難透水層が盤ぶくれに対して安全であるためには、第一難透水層の下面に作用する被圧水圧U32はU=50.0kN/m以下でなければならない。
32≦Uを満足するためには、式3により、遮水壁の透水係数kは、k≦2.0×10−7cm/secとなる。
【0056】
以上、本実施形態の遮水壁の根入れ深さの決定方法によれば、遮水壁1の必要な根入れ深さlを、遮水壁1の厚さtおよび透水係数k、対象となる地層の層厚l、透水係数kおよび飽和単位体積重量γti、遮水壁下端における地層面の過剰水頭H等のデータに基づいて合理的に検証しているため、安全性に優れた根入れ深さlを決定することができる。
一方、従来の手法では、飽和単位体積重量と遮水壁下端における地層面の過剰水頭のみのデータにより遮水壁の根入れ深さlを決定している。
【0057】
また、遮水壁1の厚さtや透水係数kを地盤のデータや遮水壁1の根入れ深さ等に基づいて設定することができるため、経済性に優れた、かつ、盤ぶくれに対して安全な遮水壁を構築することができる。
【0058】
さらに、本実施形態の遮水壁の根入れ深さの決定方法(式1,3,4など)は、有限要素法を用いた浸透流解析のように、高価かつ特定の技術者のみが検証可能な手法ではなく、多くの技術者が容易に活用することができる手法である。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0060】
前記実施形態では、遮水壁の厚さや透水係数を算出する場合について説明したが、遮水壁の厚さや透水係数の設定方法は、前記実施形態で示した方法に限定されるものではない。
例えば遮水壁として鋼矢板を使用する場合等、遮水壁の厚さや透水係数が予め決定されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 遮水壁
C1 第一難透水層
C2 第二難透水層
M 中間層
M1,M2,… 中間地層
S1 上部帯水層
S2 下部帯水層
,f 浸透流
根入れ深さ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削底面の下方の地盤が、上から上部帯水層と、第一難透水層と、中間層と、第二難透水層と、が積層されている条件下における遮水壁の根入れ深さの決定方法であって、
前記第一難透水層の下面に作用する下方からの浸透流による被圧水圧Uを式1により算出し、
前記被圧水圧Uを利用して前記第一難透水層の下面における荷重バランスFS2を式2により算出し、荷重バランスFS2が安全率Fを上回るように前記遮水壁の根入れ深さを決定することを特徴とする、遮水壁の根入れ深さの決定方法。
【数1】

【請求項2】
前記遮水壁からの浸透流により前記第一難透水層の下面に作用する被圧水圧U32を式3により算出し、下方からの浸透流による前記被圧水圧U以下となるように前記遮水壁の厚さtおよび透水係数kを決定することを特徴とする、請求項1に記載の遮水壁の根入れ深さの決定方法。
【数2】

【請求項3】
前記中間層が複数の中間地層からなる場合には、各中間地層の透水係数の平均値を前記中間層の透水係数kとし、前記複数の中間地層の層厚の合計値を前記中間層の厚さLとすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遮水壁の根入れ深さの決定方法。
【請求項4】
掘削底面の下方の地盤が、複数の地層が積層されている条件下における遮水壁の根入れ深さの決定方法であって、
任意の難透水層の下面に作用する下方からの浸透流による被圧水圧Uを式4により算出し、
前記被圧水圧Uを利用して前記任意の難透水層の下面における荷重バランスFSiを式5により算出し、荷重バランスFSiが安全率Fを上回るように前記遮水壁の根入れ深さを決定することを特徴とする、遮水壁の根入れ深さの決定方法。
【数3】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44137(P2013−44137A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181966(P2011−181966)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(510319890)株式会社シーラム (2)
【出願人】(508377554)株式会社アートンシビルテクノ (3)
【出願人】(511205769)
【Fターム(参考)】