説明

遮蔽された電気コネクタのためのシールド編組終端部

本願発明は、遮蔽された電気ケーブルおよびそこに取り付けられる遮蔽された電機コネクタ、とりわけ電気ケーブルに提供されるシールド編組終端部に関する。本願発明によれば、絶縁された導電体(102)を有する遮蔽されたケーブル(100)のシールド(104)を提供するためのシールド終端構造は、前記シールドによって覆われ、シールド終端構造(110)は、
前記シールド(104)と導電性インターフェース(118)との間の電気的接続を実現するための導電性遮蔽体(114)と、
インターフェース(118)に前記遮蔽体(114)を固定するための固定手段(126)と、
導電性ばね要素(120)であって、前記ばね要素(120)が圧縮状態で電気的接触を実現するための前記遮蔽体(114)とインターフェース(118)との間に配置された導電性ばね要素(120)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は遮蔽された電気ケーブルおよびそれに取り付けられる遮蔽された電気コネクタ、とりわけ電気ケーブルに提供されるシールド編組終端部に関する。より詳細には、本願発明は、例えば自動車用途に必要である密閉された電気的接続に対して適用できる。
【背景技術】
【0002】
遮蔽された電気ケーブルを端末処理する(または終端処理する、terminate)場合、ケーブルのシールド編組を、電気コネクタまたは電気装置のシールド部材に電気的に取り付けることは一般的である。これを実現する1つの方法は、溶接またははんだ付けによって編組(またはブレード、braid)を直接シールド部材に取り付けることである。別の方法は、編組が確実に保持されるようケーブル編組の上側に適合させ(またはフィットさせ、fit)そこに圧着されるであろう圧着リング(crimp ring)を含むことである。圧着した後、圧着リングはコネクタのシールド部材に接続される必要がある。弾性要素を半径方向に拡げることは、圧着リングとハウジングとの間の接続を実現(または確立、establish)するように利用されてよい。別の既知の解決策は、編組を直接コネクタハウジングに圧着させることである。このことは、編組の下側に適合しその上に圧着リングを付与するであろうシールド部材から拡がるフランジを提供することによって実現できる(圧着される場合、その間に編組をきつく固定する)。上述のようにシールドフランジ(shield flange)に編組を直接取り付けることは知られているが、1つの圧着リングを用いるだけではなく、その上に圧入される第2のリングが用いられ、従って2つのリングの間に編組を固定することもまた既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ほとんどの既知の解決策は、振動および自動車の適用範囲で変化する温度に耐えることに、十分に頑強ではないという欠点を被っている。更に、多くの場合、遮蔽された電気ケーブルと、例えばハウジング等のシールド部材との間の接続は、過度に高い電気抵抗を有する。一方で、はんだ付けによる接続は組立てをよりいっそう難しくかつ高価にしている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本願発明の基本的な目的は、とりわけ簡素な方法で取り付けることができ、かつ周囲の極端な状況下でさえ、接地されたインターフェース(interface)に対してケーブルのシールドの接続を可能にする低い電気抵抗を有するシールド終端構造を提供することであると認識できる。この目的は、請求項1の発明の主題によって解決される。好都合な実施形態は従属クレームの発明の主題である。
【0005】
本願発明によれば、シールド終端構造であって、前記シールドによって覆われた絶縁された導電体を有する遮蔽されたケーブルのシールドと係合するシールド終端構造が提供される。シールド終端構造は、前記シールドと導電性インターフェースとの間の電気的接続を実現するための導電性遮蔽体を含む。固定手段は前記遮蔽体をインターフェースに固定するために備えられる。本願発明によれば、導電性ばね要素はばね要素の圧縮された状態で、電気的接触を実現するために前記遮蔽体とインターフェースとの間に設置される。
【0006】
遮蔽体が、型打ちした(stamped)フェルールに通常付随するよりも厚い断面を有することによっておよび高導電性材料を用いることによって低いバルク抵抗(bulk resistance)を有するよう構成できるという利点を本解決策は有する。ばね要素は、高い垂直力(または垂直抗力、normal force)による低い抵抗の接続を提供する。達成された垂直力は100Nまで(100N以下まで)達し得る。更に、ばね要素は組立公差(または組立許容差、assembly tolerance)を吸収し、それによって厳しい製造公差(または製造許容差、tolerance)に対する要求を排除し、従って製造コストを低くする。更に、ばね要素は振動、熱膨張に起因した移動差または与えられたケーブルのひずみに起因した負荷の生ずる条件下でさえ維持される高圧接触を保証するであろう。
【0007】
本願発明によれば、シールド要素は機械加工部品として製造でき、従って、とりわけインターフェースとばね要素とに対して電気化学的に適合する導電性材料により製造し、それによってガルバニック(galvanic)腐食電位を最小限にすることは容易であり、密閉が失敗した、または構成によって密閉されない用途であった場合、そのことはとりわけ好都合であろう。
【0008】
本願発明によれば、ばね要素はケーブルの軸に沿った方向に圧縮される。軸方向の弾性を有するこのようなばね要素はらせんばね(コイルばね)、圧縮可能な弾性材料または波形ばね座金であり得る。本願発明の重要な考えは、インターフェースと遮蔽体との間の電気的接触がばね要素を介して実現されることである。従って、ばね要素は金属または金属含有プラスティック材料(または金属充填プラスティック材料、metal filled plastic material)のどちらかにより製造されることによって高い導電性を備える必要がある。
【0009】
しかしながら、とりわけスペースを節約し、ばね要素を製造する経済的な方法は波形ばね座金を用いることである。
【0010】
波形ばね座金(ワッシャ)は標準サイズで即座に入手可能な、高級なばね鋼、ステンレス鋼、銅または他の材料により作ることができる。波形座金は、ばね力を補償しかつ荷重を維持する、または衝撃を吸収するよう構成された波形の金属座金である。それらは異形の円盤によって形成され、負荷が掛かった場合に歪んでばねのように働き、従って2つの表面の間に予負荷を与えている。
【0011】
外周(または周囲、circumference)の波の数は2、3またはそれ以上であり得る。ばね定数は波の数の4乗に比例する。波形座金はシャフト上の部品間のクッションスペーサー(cushion spacer)として、また、組立部品の起こり得る誤差(probable deviation)を吸収するために概して好まれる。明らかに投影された領域ではない実際の接触領域は、垂直力と、接触する材料(比較的小さいミクロな凹凸により実際の接触をもたらす)の相対的な硬さとによって単に影響を受けるという電気コネクタ理論の見地から、圧縮された状態で波形ばね座金が低い抵抗の接続をもたらす高い垂直力を可能にするという事実に、本願発明に関して重要な利点が認識される。
【0012】
本願発明の好都合な実施形態によれば、遮蔽体は基本的に遮蔽体にて前記ばね要素を固定するための保持手段を有するチューブ形状のスリーブとして形成される。それによって遮蔽体とばね要素とはシールド終端構造として予組立(preassemble)ができ、ばね要素を紛失する危険無しに在庫を保有できることを保障できる。波形ばね座金の場合、遮蔽体にそれを保持するとりわけ効果的な方法は、ばね要素を適合する環状の溝を設けることである。
【0013】
遮蔽体にてばね要素の容易な組立てを可能にするよう面取りした(chamfered)領域を遮蔽体の前面(または正面、front face)に備え得る。そして、組立てのために、ばね要素が面取りした領域上を滑って、保持手段の内部に適合される。好ましくは、ばね要素はまた、組立てのために半径方向に開かれるようスリットも有する。
【0014】
本願発明の更なる好都合な実施形態によれば、遮蔽体はケーブルのシールドによって覆われ得るブッシング(または軸受筒、bushing)として形成されるシールドの接続領域を有する。とりわけ、ケーブルのシールドが編組によって形成される場合、前記ブッシングの周りのきつい適合を十分に可能にするよう編組のみを弛めることによって低い抵抗の接続を可能にしている。
【0015】
更なる好都合な実施形態によれば、シールド終端構造は遮蔽体の接続領域にシールドを固定するための固定フェルール(fastening ferrule)を更に含む。このような構成は、厳しい(または粗い、rough)周囲の条件下でさえ非常に頑丈な固定を可能にする。固定フェルールは、分離した部品として提供でき、または遮蔽体の残りの部分と一体化して形成できる。固定フェルールが遮蔽体と共に1つの部品として製造される実施形態は、いくつかの利点を与える。まず、分離した固定フェルール部品を取り扱う必要がないために組立処理が容易になる。更に、このような1つの部品の構造はシールド編組と遮蔽体との間の電気抵抗を低減させる。従来の構成は内側のフェルールと外側のフェルールとの間にケーブルのシールドを圧着するが、一体化する構成の選択肢(またはオプション、option)では本願発明の遮蔽体はこれらの2つの構成要素を一体化する。
【0016】
一体化する構成の選択肢では、ケーブルのシールドが正確に位置することを確実にするように、遮蔽体は、ケーブルのシールドの位置を監視するための点検穴(またはインスペクションホール、inspection hole)を含んでよい。
【0017】
ケーブルのシールドと遮蔽体の接続領域との間の機械的および電気的接続は、接続領域に固定フェルールを圧着、溶接またははんだ付けすることによって実現できる。当然、シールド編組の周りに固定フェルールを固定するための他の既知の技術もまた使用可能である。
【0018】
ひずみの緩和(またはストレインリリーフ、strain relief)を提供するように、固定フェルールの軸方向の大きさは接続領域よりも長くなるよう選択してよく、その結果、固定フェルールはケーブルと直接接触できる。とりわけ、該フェルールはケーブルジャケットを圧着できる長さを有することができる。
【0019】
本願発明の好ましい実施形態によれば、遮蔽体は環状のカラー(circumferential collar)を含み、インターフェースに遮蔽体を固定することによって、カラーの接触面が圧縮ばね要素を介してインターフェースと環状の広い領域で接触するように該カラーは形成される。インターフェースにケーブルを取り付ける場合に電気的接触が直接形成されることをこのようなカラーは可能にする。
【0020】
低い電気抵抗を有する遮蔽体を製造するとりわけ容易な方法は、アルミニウムのような金属、または導電性プラスティック材料より成る、旋削部品、鋳造部品または成形部品として遮蔽体を製造することである。
【0021】
上述したように、本願発明に係るシールド終端構造は密閉した電気的接続を備える必要がある用途にとりわけ適している。従って好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの密閉が、埃または水の浸入に対して遮蔽体とインターフェースとの間の電気的接続を保護するために提供される。
【0022】
とりわけ容易かつ確実ではあるが、取り外し可能な様式で、ケーブルをインターフェースに固定するように、前記固定手段は少なくとも1つのねじカップリング(screw coupling)を含む。ねじの軸がケーブルの軸に沿っている(従ってばね要素によって圧縮力が与えられる軸に沿っている)場合、非常に効果的な力の伝達が実現できる。
【0023】
本願発明のより良い理解のために、同じことが、図で示される実施形態に基づいて以下に示されるであろう。対応する部分は対応する参照符号および用語に与えられる。更に、異なる実施形態を示すまたは説明する特徴、または特徴の組合せは別の本願発明の解決策自体を形成し得る。本願発明は添付図面を参照した例として以後示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本願発明のシールド終端構造を用いた、遮蔽された電気ケーブルのための電磁(field)コネクタの部分分解斜視図である。
【図2】図2は、図1の実施形態に係る、完全に組み立てたコネクタの長軸方向の切断図である。
【図3】図3は、第2の実施形態に係る遮蔽された電気ケーブルのための密閉した電気コネクタの部分分解斜視図である。
【図4】図4は、図3の実施形態に係る完全に組立てたコネクタの長軸方向の切断面である。
【図5】図5は、インターフェースに取り付ける前の、予組立状態における本願発明の電気コネクタの側面図である。
【図6】図6は、図5のコネクタの配置の斜視図である。
【図7】図7は、図1に示す第1の実施形態に係る遮蔽体の断面透視図(cut perspective)である。
【図8】図8は、図7の遮蔽体の上面図である。
【図9】図9は、図7の実施形態の変形例の断面透視図である。
【図10】図10は、図3に示される第2の実施形態に係る遮蔽体の正面図である。
【図11】図11は、図10の遮蔽体の断面透視図である。
【0025】
図1の部分分解図は本願発明の第1の実施形態に係る遮蔽されたケーブル100のためのコネクタを示す。遮蔽されたケーブル100は絶縁層106を用いることによって取り囲んでいるシールド編組104から分離された中央の導電体102を含む。遮蔽されたケーブル100を絶縁するケーブルジャケット108は、本願発明のシールド終端構造110と接触させることを目的に、シールド編組を露出するよう取り除かれる。
【0026】
中央の導電体は、末端部112によって電気的に接触される。しかしながらこの端部112の特異な形状は本願発明のシールド終端構造に関して重要ではない。
【0027】
本願発明によれば例えば、アルミニウムの旋削部品として形成される遮蔽体114を備える。接続領域116では、この遮蔽体114は、インターフェース118に遮蔽体114を接続することを目的にシールド編組104と接触させることができる。この遮蔽体114は、分離した部品として図1に示されるがしかし、実際にはほとんどの場合、電気的部材のハウジングと一体化して形成されるであろう。本願発明のシールド終端構造は、波形ばね座金120を更に含む。インターフェース118への接続がまだ実現されていない場合の予組立状態において、波形ばね座金120を保持する溝122の内部に波形ばね座金120が適合される。
【0028】
図2からより明らかになるように本願発明の第1の実施形態によれば、ケーブルのシールド104によって覆われ得る接続領域116と、接続領域116にシールド編組104を固定する一体化した固定フェルール124とを一体化して含むよう遮蔽体114が形成される。固定フェルール124は、ここで、接続領域116よりも長い寸法にされ、従ってケーブルジャケット108に直接接触できる。本願発明によれば、シールド終端構造110がインターフェース118に取り付けられる時、ばね要素120は軸方向に圧縮される。必要な機械的圧力を与えるよう、ねじカップリング126はシールド終端構造とインターフェース118との間に配置される。圧縮した状態では波形ばね座金120は、波形状の頂点で形成された接触点を介して遮蔽体114とインターフェース118との間に低いインピーダンスの電気的接触を実現する。
【0029】
本願発明の配置ではインターフェース118はまた、湿った領域と乾いた領域との間の境界128を規定する。図2では、左側の領域は埃および水を含む可能性のある環境である一方で、右側は電気的部材の埃の無いおよび乾いた内部の領域を付随する。
【0030】
遮蔽体114とインターフェース118との間の電気的接続を埃または水の浸入から保護するよう密閉が提供される。遮蔽体114を収容しかつインターフェース118に接触して直接密閉するハウジング134に、第1の密閉130が配置される。第2の密閉132がハウジング134とケーブルジャケット108との接続を密閉するために設けられる。第2の密閉は既知の技術であるキャップナット(cap nut)を用いて適切な位置に保持される。
【0031】
最後に、ねじカップリング126が圧縮ブッシュ(または圧縮軸受筒、compression bush)136に提供される。
【0032】
シールド編組104と接続領域116との接続は、一体化して形成した固定フェルール124を接続領域116に圧着することによって実現される。固定フェルール124の開口部は点検穴として働き、シールド編組が正確に位置するかどうか視覚による管理(optical controll)を可能にする。
【0033】
はんだ付け、溶接またはランス(シールド編組104に対して固定フェルール上に提供される)の押し付け(pressing lances)のような、固定フェルールを編組104に固定するための他の技術が、本願発明の考えから離れること無しに用いられてよいことは当業者にとって明確である。
【0034】
本願発明の第2の実施形態は、図3および図4を参照して示されるであろう。この実施形態によれば固定フェルール124は分離した金属ブッシングとして備えられる。この実施形態は、接続領域116およびフェルール124について異なる材料を選択できるという利点を有する。接続領域116および遮蔽体140全体は、とりわけ優れた導電性を有する材料により作られる。一方で、圧着、はんだ付けまたは溶接による最適化された方法でシールド編組に固定できる金属により、固定フェルール124は形成されてよい。また、内向きにシールド編組104の方に曲がったランス(lance)を用いる場合に、固定フェルールの分離した構造は、好都合である。
【0035】
本願発明の好都合な実施形態によれば遮蔽体114は環状のカラー138を有しており該カラーは、取り付けた段階でインターフェース118に押し付けられ、従って波形ばね座金120を軸方向に圧縮し、遮蔽体114とインターフェース118との間の電気的接続を実現する。
【0036】
図5および図6はインターフェースに接続される前に、ケーブルの端部に取り付けられた場合の本願発明に係るシールド終端構造110を示す。遮蔽体114が、波形ばね120を保持し、従って波形ばね座金120の紛失を防止するための溝122を有することは、とりわけ好都合である。遮蔽体114の前面に設けた面取りした領域140は、波形ばね座金120の組立てを容易にする。当然、波形ばね座金120は、波形ばね座金120を溝122へ滑らせる場合に半径方向の拡張を可能にするスリットを有することもできる。
【0037】
図7〜9は一体化して形成された固定フェルールを有する第1の実施形態に係る遮蔽体114の2つの変形例を示す。これらの2つの変形例は固定フェルール124の幾何学的寸法(geometric dimension)が異なる。図7では、固定フェルール124は接続領域116よりも長い長さを有し、それによって固定フェルールをケーブルジャケットに直接固定し、従ってひずみの緩和(strain relief)を提供することを可能にしている。点検穴142は、固定フェルール124に圧着力を与える前に、シールド編組が正確に取り付けられたかどうかの視覚による管理を可能にしている。
【0038】
図9では、固定フェルール124と接続領域116とは互いに同一平面上になるよう形成される。この変形例は、利用できるスペースが小さい場合にとりわけ好都合である。
【0039】
図10および図11は分離したブッシングを固定フェルール124として用いる第2の実施形態に係る遮蔽体114を示す。他の利点を有するこの実施形態は、遮蔽体114のとりわけ簡素な構造を可能にする。遮蔽体114は、末端部112に接続されるケーブルの端部に向かって先細の領域(tapered region)144を含み、該領域は、末端部を電気的部材(図に図示されず)に取り付ける時に絶縁層106を損傷すること無しに、ケーブルの曲げ動作を可能にする。
【0040】
本願発明はケーブルのシールドとコネクタインターフェースとの間に低い抵抗の電気的接続を提供し、このことは自動車の用途分野における高電圧のコネクタにとってとりわけ重要であろう。2つの構成の変形例が提供される。ケーブルのシールドに接続する問題は、一体化する選択肢で、遮蔽体の内部の窪み(recess)にケーブルのシールドを圧着するか、または分離した選択肢で、分離した遮蔽体とフェルールとの間にケーブルのシールドを圧着するかのどちらかによって解決される。電気的部材のインターフェースに遮蔽体を接続する問題は、波形ばね座金の使用によって解決される。従って高圧力の接触は振動、熱膨張に起因した移動差または与えられるケーブルのひずみに起因した負荷の生じる条件下で維持できる。更に、波形ばねは、組立公差を吸収し、厳しい製造公差の要求を排除するであろう。概して、本願発明はケーブルのシールドへの接続が必要であるどのような用途に対しても用いられてよい。




















【符号の説明】
【0041】
100 遮蔽されたケーブル
102 中央の導電体
104 シールド編組
106 絶縁層
108 ケーブルジャケット
110 シールド終端構造
112 中央の導電体用の端部
114 遮蔽体
116 接続領域
118 インターフェース
120 波形ばね座金
122 波形ばね座金を保持する溝
124 固定フェルール
126 ねじカップリング
127 乾いた環境と湿った環境との境界
130 第1の密閉
132 第2の密閉
134 ハウジング
136 圧縮ブッシュ
138 カラー
140 面取りした領域
142 点検穴
144 先細の領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドによって覆われる絶縁された導電体(102)を有する遮蔽されたケーブル(100)のシールド(104)と係合するためのシールド終端構造であって、
前記シールド(104)と導電性インターフェース(118)との間の電気的接続を実現するための導電性遮蔽体(114)と、
前記インターフェース(118)に前記遮蔽体(114)を固定するための固定手段(126)と、
導電性ばね要素(120)であって、圧縮状態で電気的接続を実現するために、前記遮蔽体(114)と前記インターフェース(118)との間に設置された導電性ばね要素(120)とを含むことを特徴とするシールド終端構造。
【請求項2】
前記ばね要素(120)が波形ばね座金を含むことを特徴とする請求項1に記載のシールド終端構造。
【請求項3】
前記遮蔽体(114)に前記ばね要素を固定するための保持手段(122)を有する本質的にチューブ状のスリーブとして、前記遮蔽体(114)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシールド終端構造。
【請求項4】
前記保持手段(122)が、前記ばね要素に適合するための環状の溝によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシールド終端構造。
【請求項5】
前記ばね要素(120)の組立てを容易にするように前記遮蔽体(114)の前面に面取りした(140)領域を備えることを特徴とする請求項4に記載のシールド終端構造。
【請求項6】
前記遮蔽体(114)が、前記ケーブルのシールド(104)によって覆うことができるブッシングとして形成されるシールドの接続領域(116)を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシールド終端構造。
【請求項7】
前記遮蔽体の接続領域(116)に前記シールド(104)を固定するための固定フェルール(124)を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のシールド終端構造。
【請求項8】
前記固定フェルール(124)が、前記遮蔽体(114)と一体化して形成されることを特徴とする請求項7に記載のシールド終端構造。
【請求項9】
前記固定フェルール(124)が、前記シールドの正確な位置の視覚による確認用の点検穴(142)を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項8に記載のシールド終端構造。
【請求項10】
固定フェルール(124)と前記遮蔽体の前記接続領域(116)との間の圧着、溶接またははんだ付けによる接続によって、前記シールド(104)が、前記遮蔽体(114)の前記接続領域(116)に固定されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のシールド終端構造。
【請求項11】
前記固定フェルール(124)の軸方向の大きさが、前記接続領域(116)よりも大きくなるように選択され、前記固定フェルールが前記ケーブル(100)と直接接触できることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のシールド終端構造。
【請求項12】
前記インターフェース(118)に前記遮蔽体(114)を固定することによって、前記カラーの接触表面が、前記圧縮されたばね要素(120)を介して前記インターフェースと環状の広い領域で接触するように形成された環状のカラー(138)を、前記遮蔽体(114)が含むことを特徴とする請求項1〜11に記載のいずれか1項に記載のシールド終端構造。
【請求項13】
前記遮蔽体(114)が、好ましくはアルミニウムより成る、旋削部品、鋳造部品または成形部品として製造されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシールド終端構造。
【請求項14】
埃または水の浸入に対して前記遮蔽体と前記インターフェースとの間の電気的接続を保護するために少なくとも1つの密閉(130、132)を備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のシールド終端構造。
【請求項15】
前記固定手段が、少なくとも1つのねじカップリング(126)を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のシールド終端構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−519365(P2012−519365A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552513(P2011−552513)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050329
【国際公開番号】WO2010/100467
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(501106735)タイコ・エレクトロニクス・ユーケイ・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】TYCO ELECTRONICS UK LIMITED
【Fターム(参考)】