説明

遮蔽体の電動式開閉装置

【課題】電波の強度を測定するための特別な装置を用いずに、各リモコン受信機を受信レベルの良好な位置に設置し、これにより複数のリモコン受信機の設置作業性を向上する。
【解決手段】複数のリモコン受信機31〜36は、受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有するとともに、リモコン送信機40の送信した無線信号の受信レベルを検出するレベル検出手段31e〜36eをそれぞれ有する。また単一のリモコン送信機は、送信機能に加えて受信機能を有するとともに、レベル検出手段の検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部40t〜40zを有する。リモコン送信機及びリモコン受信機間の無線通信は、リモコン送信機がリモコン受信機に制御信号を送信して電動モータを制御する通常操作モードと、リモコン送信機及びリモコン受信機間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一のリモコン送信機が複数のリモコン受信機に電動モータの制御信号を無線で送信することにより電動モータが駆動され、この電動モータの駆動により複数のブラインド、カーテン、間仕切り等の遮蔽体を開閉駆動する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遮蔽体の電動式開閉装置として、複数の電動ブラインドが並設され、操作スイッチの操作信号に基づいて各電動ブラインドが同期して駆動され、操作スイッチの操作信号が各電動ブラインドのヘッドボックスに設けられた送信機及び受信機により順次隣合うヘッドボックスに無線で伝送されるように構成された連装ブラインドのスラット駆動装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このように構成された連装ブラインドのスラット駆動装置では、操作スイッチの操作信号が、各電動ブラインドのヘッドボックスに内蔵された送信機から、順次後続のヘッドボックスに内蔵された受信機に送信されて、各電動ブラインドのスラットが同一の操作信号に基づいて同期して駆動される。また各ヘッドボックス間において、操作信号が送信機と受信機を介して無線で伝達されるため、信号配線を設ける必要がなく、電動ブラインドの施工工事を簡略化できるようになっている。
【0004】
また、複数のエリアに電動ブラインドがそれぞれ設置され、送信機が、各エリアのいずれかを選択するエリア選択信号と、この選択されたエリア内の電動ブラインドの動作を制御する動作命令信号とを生成するとともに、これらの信号をリモコン信号として出力し、受信機が送信機から出力されるリモコン信号を受信して上記選択されたエリア内の電動ブラインドの動作を制御するように構成された電動ブラインドの制御装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この電動ブラインドの制御装置では、送信機が、エリア選択情報を生成するためのエリア選択スイッチと、動作命令信号を生成するための操作スイッチと、エリア選択情報を記憶するためのエリア記憶用メモリとを有する。また送信機にはCPUが設けられる。このCPUは、エリア選択スイッチの操作に基づいて生成されたエリア選択情報をエリア記憶用メモリに格納し、操作スイッチの操作に基づいて、エリア選択情報からエリア選択信号を生成し、エリア選択信号と動作命令信号とをリモコン信号として出力するように構成される。
【0005】
このように構成された電動ブラインドの制御装置では、複数の操作スイッチのいずれかが操作されると、CPUはその入力信号がエリア選択情報であるか否かを検出し、エリア選択情報の入力を検出すると、そのエリア選択情報をエリア記憶用メモリに格納する。一方、エリア選択情報以外の入力信号を検出し、かつその入力信号が操作スイッチのいずれかの操作に基づく動作命令信号であると、CPUはエリア記憶用メモリに格納されているエリア選択情報に基づいてエリア選択信号を生成し、入力された動作命令信号と合成して、エリア選択信号及び動作命令信号をリモコン信号として連続出力する。このCPUから出力されたリモコン信号は、LEDから赤外線信号として送信されて受信機により受信されると、受信機はブラインド制御信号を生成して出力するので、選択されたエリアの各電動ブラインドが動作する。
【0006】
このように、送信機の操作により、各エリア毎の複数の電動ブラインドの操作が一括して行われる。具体的には、エリア選択スイッチの操作に基づくエリア選択情報が、送信機内のエリア記憶用メモリに格納された後に、複数の操作スイッチのいずれかが操作される度に、エリア選択情報に基づいて生成されたエリア選択信号と、操作されたスイッチに対応する動作命令信号とが連続して出力される。従って、同一エリアの電動ブラインドを操作する場合には、エリア選択スイッチの操作を省略することができるので、エリア毎の電動ブラインドを容易に操作できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−117169号公報(請求項1、段落[0020]〜[0022])
【特許文献2】特開2000−96955号公報(請求項1、段落[0029]〜[0034])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の特許文献1に示された連装ブラインドのスラット駆動装置では、操作スイッチの操作信号が各電動ブラインドのヘッドボックス内の送信機及び受信機により順次隣合うヘッドボックスに無線で伝送されるので、複数の電動ブラインド用スラットが連動して開閉されるけれども、操作スイッチの操作信号により複数の電動ブラインド用スラットのいずれか1つだけを開閉することができない不具合があった。これに対し、上記従来の特許文献2に示された電動ブラインドの制御装置では、LEDから送信されたリモコン信号が受信機により受信されると、受信機がブラインド制御信号を生成して出力するので、選択されたエリアの各電動ブラインドが動作するけれども、CPUから出力されたリモコン信号が、LEDから赤外線信号として送信されて受信機により受信されるため、受信機が送信機から見えない場所に設置されると、LEDから赤外線信号として送信されたリモコン信号を受信機が受信できない問題点があった。
【0009】
この点を解消するために、上記従来の特許文献2に示された電動ブラインドの制御装置において、CPUから出力されたリモコン信号が、赤外線信号ではなく無線で送信されて受信機により受信されるように構成する電動ブラインドの制御装置が考えられる。
【0010】
しかし、この改良された電動ブラインドの制御装置では、単一の送信機が複数の受信機にリモコン信号を無線で送信してエリア毎に電動ブラインドを制御するため、電動ブラインドの設置後であって、各受信機が単一の送信機からの無線によるリモコン信号を受信したか否かを検査するときに、送信機から所定の受信機にリモコン信号を送信しても所定のエリアの電動ブラインドが動作しない場合、電動ブラインド、送信機又は受信機のいずれの故障であるか判別できない問題点があった。
【0011】
電動ブラインド、送信機又は受信機のいずれの故障であるか判別するために、比較的高価なスペクトラムアナライザー等の電波測定機器を、電動ブラインドを設置している現場に持ち込んで、送信機から送信されて受信機の受信する電波の強度(受信レベル)を測定しなければならず、検査作業が煩わしい問題点があった。また、上記改良された電動ブラインドの制御装置では、受信機が送信機から見えない場所に設置されると、送信機の操作者が電動ブラインドの動作を目視で確認できないため、受信機側に電動ブラインドの動作の確認者を配置しなければならず、検査の作業性が低下する問題点もあった。
【0012】
本発明の目的は、電波の強度を測定するための特別な測定機器を用いずに、複数のリモコン受信機を受信レベルの良好な位置にそれぞれ設置でき、これにより複数のリモコン受信機の設置作業性を向上できる、遮蔽体の電動式開閉装置を提供することにある。本発明の別の目的は、リモコン送信機を操作しても電動モータが動作しない場合、電動モータ、送信機又は受信機のいずれの故障であるかを比較的容易に判別することができるとともに、リモコン送信機の操作者が一人でリモコン送信機及びリモコン受信機間の電波の強度を確認できる、遮蔽体の電動式開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点は、図1及び図2に示すように、複数の遮蔽体11〜16をそれぞれ開閉駆動する複数の電動モータ21〜26と、複数の電動モータ21〜26近傍に配置され複数の電動モータ21〜26の制御信号をそれぞれ無線で受信するとともに複数の電動モータ21〜26に上記制御信号に基づく制御電力又は制御信号をそれぞれ供給する複数のリモコン受信機31〜36と、複数のリモコン受信機31〜36のいずれか1つ又は複数或いは全てを選択する選択操作部40hとこの選択したリモコン受信機31〜36を表示する選択表示部40a〜40gとを有し上記選択したリモコン受信機31〜36に制御信号を無線で送信する単一のリモコン送信機40とを備えた遮蔽体の電動式開閉装置であって、複数のリモコン受信機31〜36が、上記受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有するとともに、リモコン送信機40の送信した無線信号の受信レベルを検出するレベル検出手段31e〜36eをそれぞれ有し、単一のリモコン送信機40が、上記送信機能に加えて受信機能を有するとともに、レベル検出手段31e〜36eの検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部40t〜40zを有し、リモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の無線通信は、リモコン送信機40がリモコン受信機31〜36に制御信号を送信して電動モータ21〜26を制御する通常操作モードと、リモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の観点は、図5及び図6に示すように、複数の遮蔽体11〜16をそれぞれ開閉駆動する複数の電動モータ21〜26と、複数の電動モータ21〜26近傍に配置され複数の電動モータ21〜26の制御信号をそれぞれ無線で受信するとともに複数の電動モータ21〜26に制御信号に基づく制御電力又は制御信号をそれぞれ供給する複数のリモコン受信機61〜66と、複数のリモコン受信機61〜66のいずれか1つ又は複数或いは全てを選択する選択操作部70bとこの選択したリモコン受信機61〜66を表示する選択表示部70aとを有し上記選択したリモコン受信機61〜66に制御信号を無線で送信する単一のリモコン送信機70とを備えた遮蔽体の電動式開閉装置であって、複数のリモコン受信機61〜66が、上記受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有し、単一のリモコン送信機70が、上記送信機能に加えて受信機能を有するとともに、リモコン受信機61〜66の送信した無線信号の受信レベルを検出するレベル検出手段70gと、レベル検出手段70gの検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部70nとを有し、リモコン送信機70及びリモコン受信機61〜66間の無線通信は、リモコン送信機70がリモコン受信機61〜66に制御信号を送信して電動モータ21〜26を制御する通常操作モードと、リモコン送信機70及びリモコン受信機61〜66間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成されたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に図2に示すように、選択表示部40a〜40gがレベル表示部40t〜40zを兼ねることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に図2に示すように、遮蔽体がブラインド11〜16、カーテン又は間仕切りであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の観点の遮蔽体の電動式開閉装置では、リモコン送信機が選択操作部で選択されたリモコン受信機に無線でメンテナンス信号を送信し、この選択されたリモコン受信機の信号レベル検出手段がメンテナンス信号の受信レベルを検出し、このメンテナンス信号の受信レベル情報を上記選択されたリモコン受信機がリモコン送信機に無線で送信し、更にこのメンテナンス信号の受信レベル情報がリモコン送信機のレベル表示部に表示されるので、電波の強度を測定するための特別な測定機器を用いずに、複数のリモコン受信機を受信レベルの良好な位置にそれぞれ設置できる。この結果、複数のリモコン受信機の設置作業性を向上できる。またリモコン送信機を操作しても電動モータが動作しない場合、電動モータ、リモコン送信機又はリモコン受信機のいずれの故障であるかを比較的容易に判別することができるとともに、リモコン送信機の操作者が一人でリモコン送信機及びリモコン受信機間の電波の強度を確認できる。更にレベル表示部に通常使用時と同じ正味の受信レベルが表示されるので、リモコン受信機自体の受信感度を確認することができる、即ちリモコン受信機自体が正常であるか否かを確認できる。
【0018】
本発明の第2の観点の遮蔽体の電動式開閉装置では、リモコン送信機が第1メンテナンス信号を複数のリモコン受信機のうち選択操作部で選択されたリモコン受信機に無線で送信し、この選択されたリモコン受信機が第1メンテナンス信号を無線で受信したときに第2メンテナンス信号をリモコン送信機に無線で送信し、この第2メンテナンス信号の受信レベルをリモコン送信機の信号レベル検出手段が検出し、この第2メンテナンス信号の受信レベルがリモコン送信機のレベル表示部に表示されるので、上記と同様に、電波の強度を測定するための特別な測定機器を用いずに、複数のリモコン受信機を受信レベルの良好な位置にそれぞれ設置できる。この結果、複数のリモコン受信機の設置作業性を向上できる。またリモコン送信機を操作しても電動モータが動作しない場合、電動モータ、リモコン送信機又はリモコン受信機のいずれの故障であるかを比較的容易に判別することができるとともに、リモコン送信機の操作者が一人でリモコン送信機及びリモコン受信機間の電波の強度を確認できる。また信号レベル検出手段を複数のリモコン送信機にそれぞれ設けずに単一のリモコン送信機に1つ設けるだけで済むので、装置の製作工数及び製作コストを低減できる。更にリモコン受信機からリモコン送信機に送信された信号の受信レベル、即ちリモコン受信機からの返信信号の受信レベルがレベル表示部に表示されるので、リモコン送信機及びリモコン受信機間の電波の強度を検出するメンテナンスモードに切換えれば、使用環境で一方向の無線通信が成立するか否かを確認することができる。
【0019】
本発明の第3の観点の遮蔽体の電動式開閉装置では、選択表示部がレベル表示部を兼ねるので、選択表示部とは別にレベル表示部を設ける場合と比較して、リモコン送信機を小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明第1実施形態のブラインドの電動式開閉装置のリモコン送信機とリモコン受信機が無線で送受信する状態を示す構成図である。
【図2】そのリモコン送信機に設けられた選択表示部及び各釦の配置とこのリモコン送信機で開閉される複数のブラインドの配置を示すを構成図である。
【図3】通常の操作モードにおいてリモコン送信機がリモコン受信機に無線で送信した制御信号により電動モータを駆動してブラインドを開閉する動作を示すフローチャートである。
【図4】メンテナンスモードにおいてリモコン送信機がリモコン受信機に無線で送信したメンテナンス信号の電波の強度を検出し表示する動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明第2実施形態のブラインドの電動式開閉装置のリモコン送信機とリモコン受信機が無線で送受信する状態を示す構成図である。
【図6】そのリモコン送信機に設けられた選択表示部及び各釦の配置とこのリモコン送信機で開閉される複数のブラインドの配置を示すを構成図である。
【図7】メンテナンスモードにおいてリモコン受信機がリモコン受信機に無線で送信した第2メンテナンス信号の電波の強度を検出し表示する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図2に示すように、複数の遮蔽体は、この実施の形態では、建物の部屋の窓等の開口部からの日射を取込み可能に遮蔽するように水平方向に並べて設けられた6基の横型の第1〜第6ブラインド11〜16である。これらのブラインド11〜16の電動式開閉装置は、第1〜第6ブラインド11〜16をそれぞれ開閉駆動(昇降駆動)する第1〜第6電動モータ21〜26と、第1〜第6電動モータ21〜26の制御信号をそれぞれ無線で受信するとともに第1〜第6電動モータ21〜26に制御信号に基づく制御電力又は制御信号をそれぞれ供給する第1〜第6リモコン受信機31〜36と、第1〜第6リモコン受信機31〜36のいずれか1つ又は複数或いは全てを選択する選択操作釦40hとこの選択したリモコン受信機31〜36を表示する選択表示部40a〜40gとを有し上記選択したリモコン受信機31〜36に制御信号を無線で送信する単一のリモコン送信機40とを備える。
【0022】
第1〜第6ブラインド11〜16は、建物の窓等の開口部の上方の壁面又は天井に取付金具(図示せず)を介して取付けられるヘッドボックス11a〜16aと、このヘッドボックス11a〜16aから垂下された一対のラダーコード11b〜16bと、これらのラダーコード11b〜16bの下端に水平方向に延びて設けられ自重によりラダーコード11b〜16bに張力を付与するウエイト部材11c〜16cと、一対のラダーコード11b〜16bにこれらの長手方向に所定の間隔をあけて水平方向に延びて支持された複数のスラット11d〜16dとをそれぞれ有する。なお、この実施の形態では、遮蔽体として日射を遮る横型ブラインドを挙げたが、複数のスラットが鉛直方向に延びて設けられた縦型ブラインドやカーテン、或いは大きな部屋を複数の小部屋に区画する間仕切り等であってもよい。
【0023】
第1〜第6電動モータ21〜26は第1〜第6ブラインド11〜16のヘッドボックス11a〜16a内にそれぞれ設けられる。これらの電動モータ21〜26の出力軸は、図示しないが減速機及び巻取りドラムを介して一対のラダーコード11b〜16bに接続され、電動モータ21〜26の出力軸の回転により一対のラダーコード11b〜16bがプーリに巻取り可能に繰出されて、複数のラダーコード11b〜16bが昇降駆動されるように構成される。また第1〜第6リモコン受信機31〜36は第1〜第6ブラインド11〜16の各ヘッドボックス11a〜16aの上方であって第1〜第6電動モータ21〜26近傍の壁面にそれぞれ取付けられる。リモコン受信機31〜36は電動モータ21〜26を正転、逆転又は停止のいずれかに切換えるように構成される。
【0024】
第1〜第6リモコン受信機31〜36は、上記受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有するとともに、リモコン送信機40の送信した無線信号の受信レベルを検出するレベル検出回路31e〜36eをそれぞれ有する。具体的には、第1〜第6リモコン受信機31〜36は、図1に示すように、アンテナ31a〜36aと、アンテナ31a〜36aに電気的に接続された無線周波数(RF)回路31b〜36bと、無線周波数回路(RF)回路31b〜36bに電気的に接続された変調回路31c〜36cと、無線周波数回路(RF)31b〜36bに電気的に接続された復調回路31d〜36dと、復調回路31d〜36dに電気的に接続された上記レベル検出回路31e〜36eと、制御入力に復調回路31d〜36d及び信号レベル検出回路31e〜36eが電気的に接続され制御出力に変調回路31c〜36c及び駆動回路31f〜36fが電気的に接続されたCPU31g〜36gと、出力にCPU31g〜36g及び駆動回路31f〜36fが電気的に接続され入力に交流電源のコンセント(図示せず)が接続された電源回路31h〜36hとをそれぞれ有する。アンテナ31a〜36aはUHF波等の無線信号を送受信可能に構成され、駆動回路31f〜36fの出力は電動モータ21〜26に電気的に接続される。また電源回路31h〜36hは、無線周波数(RF)回路31b〜36b、変調回路31c〜36c、復調回路31d〜36d、レベル検出回路31e〜36e、駆動回路31f〜36f及びCPU31g〜36gにそれぞれ電気的に接続され、これらの回路等に電力を供給するように構成される。
【0025】
単一のリモコン送信機40は、上記送信機能に加えて受信機能を有するとともに、レベル検出手段31e〜36eの検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部40t〜40zを有する。具体的には、リモコン送信機40は、図1に示すように、アンテナ40iと、アンテナ40iに電気的に接続された無線周波数(RF)回路40jと、無線周波数回路(RF)回路40jに電気的に接続された変調回路40kと、無線周波数回路(RF)40jに電気的に接続された復調回路40mと、制御入力に復調回路40m及び選択操作釦40hが電気的に接続され制御出力に変調回路40k及び選択表示部40a〜40gが電気的に接続されたCPU40nと、出力にCPU40n及び選択表示部40a〜40gが電気的に接続された電源回路40pとを有する。アンテナ40iはUHF波等の無線信号を送受信可能に構成され、電源回路40pはバッテリにより構成される。また選択表示部40a〜40gは、第1〜第6選択表示部40a〜40f(『1』〜『6』という文字をそれぞれ付した発光ダイオード)と、全選択表示部40g(『ALL』という文字を付した発光ダイオード)とからなる。またリモコン送信機40には、電動モータ21〜26を正転させてブラインド11〜16を上昇させる開釦40qと、電動モータ21〜26を逆転させてブラインド11〜16を下降させる閉釦40rと、電動モータ21〜26を停止させるストップ釦40sとが設けられる。更に電源回路40pは、選択表示部40a〜40g、選択操作釦40h、無線周波数(RF)回路40j、変調回路40k、復調回路40m、CPU40n、開釦40q、閉釦40r及びストップ釦40sにそれぞれ電気的に接続され、これらの回路等に電力を供給するように構成される。
【0026】
またリモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の無線通信は、リモコン送信機40がリモコン受信機31〜36に制御信号を送信して電動モータ21〜26を制御する通常操作モードと、リモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成される。具体的には、通常操作モードの状態で、選択操作釦40hとストップ釦40sとが同時に2秒以上長押しされると、メンテナンスモードに移行し、メンテナンスモードの状態で、ストップ釦40sが押されると、通常操作モードに移行するように構成される。更に上記選択表示部40a〜40gはレベル表示部40t〜40zを兼ねるように構成される。即ち、メンテナンスモードにおけるメンテナンス信号の受信レベルが、第1〜第6選択表示部40a〜40fと全選択表示部40gの7つの発光ダイオードを用いて、7つの段階で表されるようになっている。これにより選択表示部40a〜40gとは別にレベル表示部40t〜40zを設ける必要がなく、リモコン送信機40を小型にすることができる。また上記7つの発光ダイオードの点灯個数が少ないほどメンテナンス信号が弱いことを表し、7つの発光ダイオードの点灯個数が多いほどメンテナンス信号が強いことを表す。
【0027】
このように構成されたブラインド11〜16の電動式開閉装置のリモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の無線信号の受信レベルを検出する方法を図4のフローチャートに基づいて説明する。建物の部屋の窓に沿って第1〜第6ブラインド11〜16を設置した後に、第1〜第6リモコン受信機31〜36を第1〜第6ブラインド11〜16の各ヘッドボックス11a〜16aの上方であって第1〜第6電動モータ21〜26近傍の壁面にそれぞれ取付ける。そしてリモコン送信機40の選択操作釦40hとストップ釦40sとを同時に2秒以上長押しして、リモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードに切換えると、単一のリモコン送信機40のCPU40nはチャネル1のブラインド用のリモコン受信機を選択する。即ち、単一のリモコン送信機40のCPU40nは第1ブラインド11用の第1リモコン受信機31を選択する。そして、単一のリモコン送信機40のCPU40nは、第1電動モータ21の制御信号と同一レベルのメンテナンス信号を第1リモコン受信機31に無線で送信する。具体的には、単一のリモコン送信機40のCPU40nは、上記メンテナンス信号を変調回路40kで搬送波に載せて変調させ、周波数変調(RF)回路40jで所定の高周波の信号に変換した後に、アンテナ40iから無線で送信する。
【0028】
この無線によるメンテナンス信号は、第1リモコン受信機31のアンテナ31aで受信され、周波数変換(RF)回路31bで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路31dで搬送波から分離された後に、信号レベル検出回路31eで上記メンテナンス信号の受信レベルが検出される。このメンテナンス信号の受信レベルがCPU31gの制御入力に入力されると、CPU31gはこのメンテナンス信号の受信レベル情報を変調回路31cで搬送波に載せて変調させ、周波数変調(RF)回路31bでこの変調した信号を所定の高周波の信号に変換した後に、アンテナ31aから無線で送信する。この無線によるメンテナンス信号の受信レベル情報は、単一のリモコン送信機40のアンテナ40iにより受信され、周波数変換(RF)回路40jで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路40mで搬送波から分離された後に、CPU40nの制御入力に入力される。このメンテナンス信号の受信レベル情報がCPU40nの制御入力に入力されると、CPU40nはこのメンテナンス信号の受信レベル情報をレベル表示部40t〜40zに表示する。例えば、受信レベルが極めて良好である場合、7つの発光ダイオードを全て点灯させる。これにより単一のリモコン送信機40及び第1リモコン受信機31間の無線通信は極めて良好であると判断できる。
【0029】
次に単一のリモコン送信機40の選択操作釦40hを押して、第2ブラインド12用の第2リモコン受信機32を選択すると、単一のリモコン送信機40のCPU40nは、変換回路40k、周波数変換(RF)回路40j及びアンテナ40iを介して第2電動モータ22の制御信号と同一レベルのメンテナンス信号を第2リモコン受信機32に無線で送信する。この無線によるメンテナンス信号は、第2リモコン送信機32のアンテナ32aで受信され、周波数変換(RF)回路32bで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路32dで搬送波から分離された後に、信号レベル検出回路32eで上記メンテナンス信号の受信レベルが検出される。このメンテナンス信号の受信レベルがCPU32gの制御入力に入力されると、CPU32gはこのメンテナンス信号の受信レベル情報を、変調回路32c及び周波数変調(RF)回路32bを介してアンテナ32aから無線で送信する。この無線によるメンテナンス信号の受信レベル情報は、単一のリモコン送信機40のアンテナ40iにより受信され、周波数変換(RF)回路40j及び復調回路40mを介してCPU40nの制御入力に入力される。このメンテナンス信号の受信レベル情報がCPU40nの制御入力に入力されると、CPU40nはこのメンテナンス信号の受信レベル情報をレベル表示部40t〜40zに表示する。例えば、受信レベルが低い場合、7つの発光ダイオードのうち2つの発光ダイオードを点灯させる。これにより単一のリモコン送信機40及び第2リモコン受信機32間の無線通信は低いと判断できるので、第2リモコン受信機32の位置を変更し、上記と同様にして、メンテナンス信号の受信レベル情報をレベル表示部40t〜40zに表示する。この操作を単一のリモコン送信機40及び第2リモコン受信機32間の無線通信が良好になるまで繰返す。また第3〜第6リモコン受信機33〜36についても、上記と同様にして、単一のリモコン送信機40との間の無線通信が良好になるまで、第3〜第6リモコン受信機33〜36の位置をそれぞれ変更する。この結果、第1〜第6リモコン受信機31〜36の設置作業性を向上できる。
【0030】
また単一のリモコン送信機40を操作しても電動モータ21〜26が動作しない場合、電動モータ21〜26、リモコン送信機40又はリモコン受信機31〜36のいずれの故障であるかを比較的容易に判別することができるとともに、リモコン送信機40の操作者が一人でリモコン送信機40及びリモコン受信機31〜36間の電波の強度を確認できる。即ち、電波の強度(受信レベル)をリモコン送信機40に表示できるため、リモコン送信機40を持ちながら移動すれば、電波の届く距離や位置を確認できるので、リモコン受信機31〜36の設置位置が悪いのか、或いは周囲の電波環境が悪いのか等の判断材料の一部として活用できるとともに、電波の伝搬を遮る障害物等の発見にも役立つ。またレベル表示部40t〜40zに通常使用時と同じ正味の受信レベルが表示されるので、リモコン受信機31〜36自体の受信感度を確認することができる、即ちリモコン受信機31〜36自体が正常であるか否かを確認できる。更に通常操作モードでリモコン送信機40を操作するときのリモコン送信機40の位置を助言できる。例えば、リモコン送信機40の操作者に予め電波の強度が低下する位置があることを説明できる。
【0031】
一方、通常操作モードにおける操作手順を図3のフローチャートに基づいて説明する。メンテナンスモードの状態でストップ釦40sを押すと、通常操作モードに切換わる。即ち、第1〜第6リモコン受信機61〜66の全てを選択する『ALL』の状態になる。この状態で、選択操作釦40hを押して第3選択表示部40cを選択した後に開釦40qを押すと、リモコン送信機40が第3リモコン受信機33に、第3電動モータ23を正転させる駆動信号を無線で送信する。この無線による駆動信号は第3リモコン受信機33のアンテナ33aで受信され、周波数変換(RF)回路33bで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路33dで搬送波から分離された後にCPU33gの制御入力に入力される。第3リモコン受信機33のCPU33gは上記駆動信号に基づき駆動回路33fを介して第3電動モータ23を正転させる。これにより第3ブラインド13が上昇する。そして、所望の位置まで第3ブラインド13が上昇したときに、ストップ釦40sを押すと、リモコン送信機40が第3リモコン受信機33に、第3電動モータ23を停止させる停止信号を無線で送信する。この無線による停止信号は第3リモコン受信機33のアンテナ33aで受信され、周波数変換(RF)回路33bで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路33dで搬送波から分離された後にCPU33gの制御入力に入力される。第3リモコン受信機33のCPU33gは上記停止信号に基づき駆動回路33fを介して第3電動モータ23を停止させる。これにより第3ブラインド13が停止する。選択操作釦40hを押して、所望の選択表示部40a〜40gを選択した後に開釦40qを押せば、他のブラインド11,12,14〜16又は全てのブラインド11〜16を昇降できる。なお、メンテナンスモードから通常操作モードに切換わり、第1〜第6リモコン受信機61〜66の全てを選択する『ALL』の状態で、開釦40qを押すと、リモコン送信機40が第1〜第6リモコン受信機31〜36に、第1〜第6電動モータ21〜26を正転させる駆動信号を無線で送信するので、第1〜第6ブラインド11〜16の全てが上昇する。
【0032】
<第2の実施の形態>
図5〜図7は第2の実施の形態を示す。図5及び図6において図1及び図2と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第1〜第6リモコン受信機61〜66は、受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有する。具体的には、第1〜第6リモコン受信機61〜66は、図5に示すように、アンテナ61a〜66aと、アンテナ61a〜66aに電気的に接続された無線周波数(RF)回路61b〜66bと、無線周波数回路(RF)回路61b〜66bに電気的に接続された変調回路61c〜66cと、無線周波数回路(RF)61b〜66bに電気的に接続された復調回路61d〜66dと、制御入力に復調回路61d〜66dが電気的に接続され制御出力に変調回路61c〜66c及び駆動回路61e〜66eが電気的に接続されたCPU61f〜66fと、出力にCPU61f〜66f及び駆動回路61e〜66eが電気的に接続され入力に交流電源のコンセント(図示せず)が接続された電源回路61g〜66gとをそれぞれ有する。アンテナ61a〜66aはUHF波等の無線信号を送受信可能に構成され、駆動回路61e〜66eの出力は電動モータ21〜26に電気的に接続される。また電源回路61g〜66gは、無線周波数(RF)回路61b〜66b、変調回路61c〜66c、復調回路61d〜66d、駆動回路61e〜66e及びCPU61f〜66fにそれぞれ電気的に接続され、これらの回路等に電力を供給するように構成される。
【0033】
単一のリモコン送信機70は、第1〜第6リモコン受信機61〜66のいずれか1つ又は全てを選択する選択操作釦70bと、この選択したリモコン受信機61〜66を表示する選択表示部70aとを有する。また単一のリモコン送信機70は、送信機能に加えて受信機能を有するとともに、リモコン受信機61〜66の送信した無線信号のレベルを検出するレベル検出回路70gと、レベル検出手段70gの検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部70nとを有する。具体的には、リモコン送信機70は、図5に示すように、アンテナ70cと、アンテナ70cに電気的に接続された無線周波数(RF)回路70dと、無線周波数回路(RF)回路70dに電気的に接続された変調回路70eと、無線周波数回路(RF)70dに電気的に接続された復調回路70fと、復調回路70fに電気的に接続されたレベル検出回路70gと、制御入力に復調回路70fと信号レベル検出回路70gと選択操作釦70bとが電気的に接続され制御出力に変調回路70e及び選択表示部70aが電気的に接続されたCPU70hと、出力にCPU70h及び選択表示部70aが電気的に接続された電源回路70iとを有する。アンテナ70cはUHF波等の無線信号を送受信可能に構成され、電源回路70iはバッテリにより構成される。また選択表示部70aには、第1〜第6リモコン受信機61〜66を選択することを意味する『1』〜『6』という数字と、第1〜第6リモコン受信機61〜66の全て(ALL)を選択することを意味する『A』という英文字のいずれかが表示されるようになっている。またリモコン送信機70には、電動モータ21〜26を正転させてブラインド11〜16を上昇させる開釦70jと、電動モータ21〜26を逆転させてブラインド11〜16を下降させる閉釦70kと、電動モータ21〜26を停止させるストップ釦70mとが設けられる。更に電源回路70iは、選択表示部70a、選択操作釦70b、無線周波数(RF)回路70d、変調回路70e、復調回路70f、レベル検出回路70g、CPU70h、開釦70j、閉釦70k及びストップ釦70mにそれぞれ電気的に接続され、これらの回路等に電力を供給するように構成される。
【0034】
またリモコン送信機70及びリモコン受信機61〜66間の無線通信は、リモコン送信機70がリモコン受信機61〜66に制御信号を送信して電動モータ21〜26を制御する通常操作モードと、リモコン送信機70及びリモコン受信機61〜66間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成される。具体的には、通常操作モードの状態で、選択操作釦70bとストップ釦70mとが同時に2秒以上長押しされると、メンテナンスモードに移行し、メンテナンスモードの状態で、ストップ釦70mが押されると、通常操作モードに移行するように構成される。更に上記選択表示部70aはレベル表示部70nを兼ねるように構成される。即ち、メンテナンスモードにおけるメンテナンス信号の受信レベルが、選択表示部70aに表示される『1』〜『6』という数字を用いて、6つの段階で表されるようになっている。これにより選択表示部70aとは別にレベル表示部70nを設ける必要がなく、リモコン送信機70を小型にすることができる。また選択表示部70aに表示される数字が小さいほどメンテナンス信号が弱いことを表し、選択表示部70aに表示される数字が大きいほどメンテナンス信号が強いことを表す。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0035】
このように構成されたブラインド11〜16の電動式開閉装置のリモコン送信機70及びリモコン受信機61〜66間の無線信号の受信レベルを検出する方法を図7のフローチャートに基づいて説明する。建物の部屋の窓に沿って第1〜第6ブラインド11〜16を設置した後に、第1〜第6リモコン受信機61〜66を第1〜第6ブラインド11〜16の各ヘッドボックス11a〜16aの上方であって第1〜第6電動モータ21〜26近傍の壁面にそれぞれ取付ける。そしてリモコン送信機70の選択操作釦70bとストップ釦70mとを同時に2秒以上長押しして、リモコン送信機70及びリモコン受信機61〜66間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードに切換えると、単一のリモコン送信機70のCPU70hはチャネル1のブラインド用のリモコン受信機を選択する。即ち、単一のリモコン送信機70のCPU70hは第1ブラインド11用の第1リモコン受信機61を選択する。そして、単一のリモコン送信機70のCPU70hは、第1リモコン受信機61に選択された旨の情報を無線で送信する。具体的には、単一のリモコン送信機70のCPU70hは、上記選択された旨の情報の信号(選択情報信号)を変調回路70eで搬送波に載せて変調させ、周波数変調(RF)回路70dで所定の高周波の信号に変換した後に、アンテナ70cから無線で送信する。
【0036】
この無線による選択情報信号は、上記選択された第1リモコン受信機61のアンテナ61aで受信され、この第1リモコン受信機61の周波数変換(RF)回路61bで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路61dで搬送波から分離された後に、CPU61fの制御入力に入力される。第1リモコン受信機61のCPU61fは第1リモコン受信機61が選択されたと判断し、第1電動モータ21の制御信号と同一レベルのメンテナンス信号を変調回路61cで搬送波に載せて変調させ、周波数変調(RF)回路61bで所定の高周波の信号に変換した後に、アンテナ61aから無線で送信する。
【0037】
この無線によるメンテナンス信号は、リモコン送信機70のアンテナ70cで受信され、周波数変換(RF)回路70dで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路70fで搬送波から分離された後に、信号レベル検出回路70gで上記メンテナンス信号の受信レベルが検出される。このメンテナンス信号の受信レベル情報がCPU70hの制御入力に入力されると、CPU70hはこのメンテナンス信号の受信レベル情報をレベル表示部70nに表示する。例えば、受信レベルが極めて良好である場合、レベル表示部70nに『6』という数字を表示させる。これにより単一のリモコン送信機70及び第1リモコン受信機61間の無線通信は極めて良好であると判断できる。
【0038】
次に単一のリモコン送信機70の選択操作釦70bを押して、第2ブラインド12用の第2リモコン受信機62を選択すると、単一のリモコン送信機70のCPU70hは、変換回路70e、周波数変換(RF)回路70d及びアンテナ70cを介して第2リモコン受信機62が選択された旨の情報の信号(選択情報信号)を第2リモコン受信機62に無線で送信する。この無線による選択情報信号は、第2リモコン受信機62のアンテナ62aで受信され、周波数変換(RF)回路62bで所定の低周波の信号に変換され、更に復調回路62dで搬送波から分離された後に、CPU62fの制御入力に入力される。第2リモコン受信機62のCPU62fは第2リモコン受信機62が選択されたと判断し、第2電動モータ22の制御信号と同一レベルのメンテナンス信号を変調回路62cで搬送波に載せて変調させ、周波数変調(RF)回路62bで所定の高周波の信号に変換した後に、アンテナ62aから無線で送信する。
【0039】
この無線によるメンテナンス信号は、上記と同様に、リモコン送信機70のアンテナ70cで受信され、周波数変換(RF)回路70dで所定の低周波の信号に変換され、復調回路70fで搬送波から分離された後に、信号レベル検出回路70gで上記メンテナンス信号の受信レベルが検出される。このメンテナンス信号の受信レベル情報がCPU70hの制御入力に入力されると、CPU70hはこのメンテナンス信号の受信レベル情報をレベル表示部70nに表示する。例えば、受信レベルが低い場合、レベル表示部70nに『2』という数字を表示させる。これにより単一のリモコン送信機70及び第2リモコン受信機62間の無線通信は低いと判断できるので、第2リモコン受信機62の位置を変更し、上記と同様にして、メンテナンス信号の受信レベル情報をレベル表示部70nに表示する。この操作を単一のリモコン送信機70及び第2リモコン受信機62間の無線通信が良好になるまで繰返す。また第3〜第6リモコン受信機63〜66についても、上記と同様にして、単一のリモコン送信機70との間の無線通信が良好になるまで、第3〜第6リモコン受信機63〜66の位置をそれぞれ変更する。この結果、第1〜第6リモコン受信機61〜66の設置作業性を向上できる。
【0040】
また信号レベル検出手段70gを第1〜第6リモコン受信機61〜66にそれぞれ設けずに単一のリモコン送信機70に1つ設けるだけで済むので、装置の製作工数及び製作コストを低減できる。更にリモコン受信機61〜66からリモコン送信機70に送信された信号の受信レベル、即ちリモコン受信機61〜66からの返信信号の受信レベルがレベル表示部70nに表示されるので、リモコン送信機70とリモコン受信機61〜66間の電波の強度を検出するメンテナンスモードに切換えれば、使用環境で一方向の無線通信が成立するか否かを確認することができる。
【0041】
なお、メンテナンスモードにおける上記以外の動作は第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。また、通常操作モードにおける操作手順は第1の実施の形態の操作手順と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。また、上記第1及び第2の実施の形態では、ブラインドを6基設置したが、ブラインドを2基〜5基又は7基以上設置してもよい。更に、上記第1及び第2の実施の形態では、通常操作モードからメンテナンスモードに切換えるために、選択操作釦とストップ釦とを同時に2秒以上長押ししたが、2秒以上に限らず、3秒以上であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
11〜16 第1〜第6ブラインド(第1〜第6遮蔽体)
21〜26 第1〜第6電動モータ
31〜36,61〜66 第1〜第6リモコン受信機
31e〜36e,70g レベル検出回路(レベル検出手段)
40,70 リモコン送信機
40a〜40g,70a 選択表示部
40h,70b 選択操作釦(選択操作部)
40t〜40z,70n レベル表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遮蔽体(11〜16)をそれぞれ開閉駆動する複数の電動モータ(21〜26)と、前記複数の電動モータ(21〜26)近傍に配置され前記複数の電動モータ(21〜26)の制御信号をそれぞれ無線で受信するとともに前記複数の電動モータ(21〜26)に前記制御信号に基づく制御電力又は制御信号をそれぞれ供給する複数のリモコン受信機(31〜36)と、前記複数のリモコン受信機(31〜36)のいずれか1つ又は複数或いは全てを選択する選択操作部(40h)とこの選択したリモコン受信機(31〜36)を表示する選択表示部(40a〜40g)とを有し前記選択したリモコン受信機(31〜36)に制御信号を無線で送信する単一のリモコン送信機(40)とを備えた遮蔽体の電動式開閉装置であって、
前記複数のリモコン受信機(31〜36)が、前記受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有するとともに、前記リモコン送信機(40)の送信した無線信号の受信レベルを検出するレベル検出手段(31e〜36e)をそれぞれ有し、
前記単一のリモコン送信機(40)が、前記送信機能に加えて受信機能を有するとともに、前記レベル検出手段(31e〜36e)の検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部(40t〜40z)を有し、
前記リモコン送信機(40)及び前記リモコン受信機(31〜36)間の無線通信は、前記リモコン送信機(40)が前記リモコン受信機(31〜36)に前記制御信号を送信して前記電動モータ(21〜26)を制御する通常操作モードと、前記リモコン送信機(40)及び前記リモコン受信機(31〜36)間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成された
ことを特徴とする遮蔽体の電動式開閉装置。
【請求項2】
複数の遮蔽体(11〜16)をそれぞれ開閉駆動する複数の電動モータ(21〜26)と、前記複数の電動モータ(21〜26)近傍に配置され前記複数の電動モータ(21〜26)の制御信号をそれぞれ無線で受信するとともに前記複数の電動モータ(21〜26)に前記制御信号に基づく制御電力又は制御信号をそれぞれ供給する複数のリモコン受信機(61〜66)と、前記複数のリモコン受信機(61〜66)のいずれか1つ又は複数或いは全てを選択する選択操作部(70b)とこの選択したリモコン受信機(61〜66)を表示する選択表示部(70a)とを有し前記選択したリモコン受信機(61〜66)に制御信号を無線で送信する単一のリモコン送信機(70)とを備えた遮蔽体の電動式開閉装置であって、
前記複数のリモコン受信機(61〜66)が、前記受信機能に加えて送信機能をそれぞれ有し、
前記単一のリモコン送信機(70)が、前記送信機能に加えて受信機能を有するとともに、前記リモコン受信機(61〜66)の送信した無線信号の受信レベルを検出するレベル検出手段(70g)と、前記レベル検出手段(70g)の検出した無線信号の受信レベルを表示するレベル表示部(70n)とを有し、
前記リモコン送信機(70)及び前記リモコン受信機(61〜66)間の無線通信は、前記リモコン送信機(70)が前記リモコン受信機(61〜66)に前記制御信号を送信して前記電動モータ(21〜26)を制御する通常操作モードと、前記リモコン送信機(70)及び前記リモコン受信機(61〜66)間の無線信号の受信レベルを検出するメンテナンスモードとに切換え可能に構成された
ことを特徴とする遮蔽体の電動式開閉装置。
【請求項3】
前記選択表示部(40a〜40g,70a)が前記レベル表示部(40t〜40z,70n)を兼ねる請求項1又は2記載の遮蔽体の電動式開閉装置。
【請求項4】
前記遮蔽体がブラインド(11〜16)、カーテン又は間仕切りである請求項1又は2記載の遮蔽体の電動式開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−225030(P2012−225030A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92575(P2011−92575)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【出願人】(000201814)双葉電子工業株式会社 (201)
【Fターム(参考)】