遮蔽部材の開閉機構
【課題】 室内を覗かれるような心配から遮蔽部材で遮蔽することができるが、室内には光を取り込むことができるとともに、既存の窓や戸の開口部に簡単に取り付けたり取り外したりすることができる。
【解決手段】 窓Mや戸Tの開口部を遮蔽部材K1,K2で開閉する遮蔽部材の開閉機構であって、開口部M(T)に第1の吊り下げ用部材St1が架け渡され、この第1の吊り下げ用部材St1に、開閉動作する第2の遮蔽部材K2が昇降自在に吊り下げられ、また、第1の吊り下げ用部材St1に、開口部を開閉する第1の遮蔽部材K1が取り付けられている。
【解決手段】 窓Mや戸Tの開口部を遮蔽部材K1,K2で開閉する遮蔽部材の開閉機構であって、開口部M(T)に第1の吊り下げ用部材St1が架け渡され、この第1の吊り下げ用部材St1に、開閉動作する第2の遮蔽部材K2が昇降自在に吊り下げられ、また、第1の吊り下げ用部材St1に、開口部を開閉する第1の遮蔽部材K1が取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓や戸の開口部を遮蔽する遮蔽部材の開閉機構に関するもので、例えば、カーテン、ブラインドや夏に使用する簾等に使用して好適な遮蔽部材の開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテン、ブラインドや夏に使用する簾等は、部屋の中に光(日差し)が入る量を調整するものとして使用されたり、室内が外部から覗かれたりする事態を防止する遮蔽手段として使用される。
【0003】
一般に、カーテンは、左右両開きや片開きなどの使用態様が多く(縦型タイプと言う)、ブラインドは、上方から吊り下げるように取り付けられて昇降動作させる使用態様であり(横型タイプと言う)、カーテンでも横型タイプのものもあるなど(例えば、ロールカーテン等)、その使用態様は種々ある(特許文献1)。夏に使用する簾は、強い日差しを避けるとともに涼しさを醸し出す遮蔽部材であるが、窓や戸の開口部に簡易に取付けて使用することができるものも既に存在し(特許文献2)、これには横型タイプのものが多い。
【特許文献1】特開2005−146736号公報
【特許文献2】実用新案登録第3060613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらの遮蔽部材において、外部からは見えないようにしながらも、室内に光を取り込みたい場合がある。例えば、都会の生活環境の中で、隣との距離が近くて、室内を覗かれるような心配から上記遮蔽部材で遮蔽したいが、室内には光を取り込みたい場合などである。一般的には、カーテンを二重にして、外側にはレースのカーテンを使用し、内側に光を遮断する厚地の生地を吊り下げる等する方法もあるが、レースのカーテンではやはり内部が見える心配があり、十分なものではなく、また、光を十分に室内に入れることをレースのカーテンが妨げることになる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、室内を覗かれるような心配から遮蔽部材で遮蔽することができるが、室内には光を取り込むことができるとともに、既存の窓や戸の開口部に簡単に取り付けたり取り外したりすることができるとともに、遮蔽部材の開閉作業も容易で、しかも、開閉機構の部品が内部に隠れて外観上の見栄えも良好な遮蔽部材の開閉機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遮蔽部材の開閉機構は、窓や戸の開口部を遮蔽部材で開閉する遮蔽部材の開閉機構であって、開口部に第1の吊り下げ用部材が架け渡され、開口部を開閉する第1の遮蔽部材が第1の吊り下げ用部材に着脱自在に取り付けられるとともに、第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられて開口部を開閉する第2の遮蔽部材を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第2の遮蔽部材は第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられていることから、例えば、開口部の上方側から少し下げた位置で第2の遮蔽部材を吊り下げれば、開口側の上方側から日差しを部屋の中に入れることができる。開口部の上方側から入る光は、低い位置から入る光よりも室内全体を明るくする。したがって、第2の遮蔽部材により、開口部の下方側を遮蔽した状態にして、開口部の上方側から光を部屋の中に入れることができる。また、第2の遮蔽部材を下げた位置で吊り下げ、第2の遮蔽部材を開閉動作させれば、所定の高さ位置だけの外部から除き込まれない目隠しとして使用できる。
【0008】
ここで、第1の遮蔽部材は、第1の吊り下げ用部材に対して着脱自在であり、使用しても使用しなくても良い。しかし、二枚合わせの遮蔽部材を構成する場合には、第1の遮蔽部材を使用すると良い。例えば、カーテンで説明すると、第1の遮蔽部材はレース地のカーテンとして、第2の遮蔽部材は暗幕とするような厚地のカーテンとしての二枚合わせの遮蔽部材を構成した、使用例が考えられる。
【0009】
本発明としては、前記第2の遮蔽部材は、その下方側から巻き上げる巻上げ式であるか、又は、その下方側から折畳むように引き上げる引き上げ式であることが好ましい。前記第2の遮蔽部材を所定の高さに引き下げた場合、前記第2の遮蔽部材の下方側が床に接することとなる場合があるが、本発明によれば、前記第2の遮蔽部材は、その下方側から巻き上げたり、引き上げたりする方式であるので、そのような事態を防止することができる。また、折畳むように引き上げることで、引き上げに際してシワの発生を防止する。
【0010】
本発明としては、前記開口部の左右端側の少なくとも一方端側に、第2の遮蔽部材を昇降動作させるレールが備えられ、このレールに第2の遮蔽部材を吊り下げるための係止部材が嵌め込まれていることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、前記開口部の左右端側の少なくとも一方端側に、第2の開閉機構を昇降動作させるレールが備えられているので、第2の遮蔽部材が係止部材を介してスムーズに所定の高さ位置に昇降動作させることができる。
【0012】
本発明としては、前記レールに前記第2の遮蔽部材の取付け金具が嵌め込まれて前記第2の遮蔽部材が昇降動作することが好ましい。
【0013】
この発明によれば、前記レールに、第2の遮蔽部材の取付け金具が嵌め込まれて第2の遮蔽部材が昇降動作するようにできるが、このレールが第2の開閉機構の昇降動作と第2の遮蔽部材の昇降動作を兼用可能にしているので、レール本数を少なくすることができる。
【0014】
本発明としては、第1の遮蔽部材を昇降動作させる吊り下げ用の紐を備え、この吊り下げ用の紐は、その先端側が第1の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第1の遮蔽部材を昇降動作させることが好ましい。また、本発明としては、第2の遮蔽部材を開閉動作させる開閉操作用の紐を備え、この開閉操作用の紐は、その先端側が第2の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第2の遮蔽部材を開閉動作させることが好ましい。
【0015】
本発明としては、前記第1の吊り下げ用部材の内部に回転体を配して、この回転体に前記吊り下げ用の紐が巻装されていることが好ましい。回転体としては、滑車、軸部材、金属棒やニードルベアリング等が適用可能で、これらの回転体を利用することでスムーズな昇降動作が可能になり、前記第1の吊り下げ用部材の内部に回転体を配することで、回転体を外観上から認識できなくすることができる。
【0016】
本発明としては、前記第2の遮蔽部材が取り付けられる第2の吊り下げ用部材を備え、この第2の吊り下げ用部材の内部に回転体を配し、この回転体に開閉操作用の紐が巻装されていることが好ましい。上記のような回転体を利用することでスムーズな昇降動作が可能になり、前記第2の吊り下げ用部材の内部に回転体を配することで、回転体を外観上から認識できなくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられて開口部を開閉する第2の遮蔽部材を備えることから、例えば、開口部の上方側から少し下げた位置で第2の遮蔽部材を吊り下げれば、開口側の上方側から日差しを部屋の中に入れることができる。また、第2の遮蔽部材を所定高さまで下げた位置で吊り下げ、第2の遮蔽部材を昇降動作させれば、所定の高さ位置だけ外部から覗き込まれない目隠しとして使用できる。したがって、外部から室内を所定高さで隠しながらも、上方から光を取り入れて、室内を明るくすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の遮蔽部材の開閉機構を戸(左右両開きの戸、開口部)Tの内側に簾を取り付ける例で説明する。図1(a)は、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の正面図であり、(b)は、側面図であり、(c)は一部拡大側面図である。図2は、第2の遮蔽部材を除去した状態の図である。本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z1は、開口部Mに架け渡される第1の吊り下げ用部材St1に、開口部を開閉する第2の遮蔽部材K2が昇降動自在に吊り下げられている。なお、符号Kgは、第1の吊り下げ用部材St1を吊り下げるための取付金具である。
【0020】
第1の吊り下げ用部材St1には、第2の遮蔽部材K2を吊り下げる係止部材Nと、係止部材Nを昇降動作させる吊り下げ用の紐h1を備える。係止部材Nは、第2の遮蔽部材K2である簾の上桟3aを係止するもので、L型フックNfにより引っ掛けられている。係止部材Nは、その裏面側が開口部(戸口サッシ)Tの左右の桟Maに沿って昇降動作するものとして説明するが、第2の実施の形態のようにレールSrを配することも可能である。
【0021】
吊り下げ用の紐h1は、第2の遮蔽部材K2を昇降動作(吊り上げたり吊り下げたり)するものであり、吊り下げ用の紐h1の一方側(先端側)が上記係止部材Nと連結され、他方側(基端部)を操作することで、係止部材Nを所定の高さ位置に操作する。この吊り下げ用の紐h1の操作する先端側は、戸口サッシTのサイドに所定間隔で複数設けられたピン4に係止して、その引き出し長さを調整できる(図1(b)(c))。また、吊り下げ用の紐h1は、第1の吊り下げ用部材St1内に配された回転である滑車c1に巻装されることで、スムーズに第1の遮蔽部材K2を昇降動作させるものであるが、吊り下げ用の紐h1は、第1の吊り下げ用部材St1に形成された貫通孔に単に通されるものでも、又、第1の吊り下げ用部材St1に巻装されているものでも良い。
【0022】
第2の遮蔽部材K2は、この第2の遮蔽部材K2を巻き上げる開閉操作用の紐h2により巻き上げられる。第2の遮蔽部材K2は、簾であり、その下方側から巻き上げられる巻上げ式のものであるが、本実施の形態の簾は、一番上の上桟3aから一番下の下桟3bの間に複数の桟が多数配され、一番上の上桟3aが上記係止部材Nに引っ掛けられている。また、上桟3aには、着脱自在に取り付けられる固定パッドDを取り付け、この固定パッドDに吊り下げ用の紐h1の先端側が固定され、この開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2の正面(室内側)から下桟3bを介して背面側を回って引き出され、引き出された基端側を操作することで、巻き上げるものである。すなわち、開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2をほぼU字状に巻き込み、開閉操作用の紐h2の操作側(基端部)を引っ張ると、上記下桟3bを巻き込むようにして、つまり下桟3bが回転するようになって、これを巻き芯として、第2の遮蔽部材K2を巻き上げる(図1(b))。開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2の大きさに合わせて数本が配設されるものでも良く、その本数は問われない。なお、開閉操作用の紐h2の基端側は、上記ピン4に係止させるものでも良い。
【0023】
したがって、日差しの強く入る部屋の窓(開口部)Mに本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z1を取り付けて実際に開閉動作させる場合を説明すると、部屋に夏の強い日差しが入ることを防止するためには、図3に示すように、第2の遮蔽部材K2が吊り下げられる係止部材Nの位置を第1の吊り下げ用部材St1の近くの位置にしておけば、第2の遮蔽部材K2を下方に広げた状態にすると、開口部Mの全体が第2の遮蔽部材K2により遮蔽されて、室内に夏の強い日差しが入ることを防止することができる。
【0024】
一方、室内に開口部Mの上方から光を入れる場合は、吊り下げ用の紐h1の基端側をピン4から外して(吊り下げ用の紐h1の緊張状態を緩め)、下方に引くと、吊り下げ用の紐h1は、第1の吊り下げ用部材St1の中の滑車c1を介してスムーズに引っ張られて、これにより係止部材Nが戸口サッシの左右の桟Maにその裏面が接しながら降下する。所定の高さに第2の遮蔽部材K2が下がったところで、吊り下げ用の紐h1をピン4にかけると停止して、開口部Mの上方側が空けられる((図1(a))。ここで、第2の遮蔽部材K2の高さ位置を低くすると、第2の遮蔽部材S2の下方端部が床と接することがあるが、開閉操作用の紐h2を操作して、第2の遮蔽部材K2を巻き上げれば、第2の遮蔽部材S2の下方側が床と接触する事態を防止できる。
【0025】
また、本実施の形態の使用例としては、窓Mの途中などに目隠しの高さに取り付けることができる。すなわち、図4に示すように、開口部Mの上方側から少し下げた位置で第2の遮蔽部材K2を吊り下げるとともに、その高さ位置で第2の遮蔽部材K2の下方側を開閉操作用の紐h2により引き上げれば、開口(戸口)M側の上方側と下方側から日差しを部屋の中に入れることができる。
【0026】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、実際に販売する部品としては、簾としての第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2は市販のものがあるので、これら以外の第1の吊り下げ用部材St1と、係止部材Nと、吊り下げ用の紐h1とを一つのセットとして販売すると良い。そして、吊り下げ用部材St1を開口部Mの上方に取り付け、内部の滑車c1に吊り下げ用の紐h1を架け渡すなどして配するとともに、係止部材Nを吊り下げ、この係止部材Nに第2の遮蔽部材K2である簾を取り付ければ良い。また、第1の吊り下げ用部材St1は既存(既設)のものを使用して、簾としての第2の遮蔽部材Kを吊り下げ用の紐h1により第1の吊り下げ用部材St1に引っ掛けるようにしても良い。
【0027】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、窓(開口部)Mにカーテンを取り付ける場合に本発明を適用したものである。図5(a)は、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の正面図であり、図5(b)は側面図であり、図5(c)は一部拡大側面図である。図6は、レールSrの取付け状態を説明する図である。本実施の形態の遮蔽部材のZ2は、上記第2の遮蔽部材K2の他に、第1の遮蔽部材K1と、第2の吊り下げ用部材S2tと、レールSrとを備え、第2の遮蔽部材K2がレールSrに沿って昇降動作する。
【0028】
第1の吊り下げ用部材St1は、開口部Mの上方側に横方向に取り付けられて、取付け金具L1を介して第1の遮蔽部材(レース地のカーテン)K1を吊り下げている。第1の遮蔽部材(レース地のカーテン)K1は、左右両開きの通常の縦型タイプのカーテンと同じである。第1の遮蔽部材K1は、第2の遮蔽部材K2よりも窓M側に配置することも、これとは逆に、第2の遮蔽部材K2よりも室内側に配置することも可能である。
【0029】
第1の吊り下げ用部材St1は、内部中空のもので、回転体である滑車c1が内蔵され、この滑車c1に吊り下げ用の紐h1が巻装されている(図5(b))。本実施の形態では、滑車c1が第1の吊り下げ用部材St1の左右端側に各々配され、上記吊り下げ用の紐h1は、その先端側が係止部材Nと連結され、基端側が左右のレールSrの一方(左側)に引き出されている。なお、上記吊り下げ用の紐h1は2本使用されるものであるが、1本のみ使用して、その左右端を各々第2の吊り下げ用部材St2と連結させ、紐h1の中央部分を引き出して、両方先端で連結された第2の吊り下げ用部材St2を引き上げ操作させても良い。そして、上記紐h1は、それらの中途部が上記滑車c1に巻装されている。なお、吊り下げ用の紐h1を2本使用して、その1本h1は、内部中空の第1の吊り下げ用部材St1の内部を通過して、他の1本h1は、第1の吊り下げ用部材St1の左側端開口から入れられたり、第1の吊り下げ用部材St1に形成した通過孔から引き出されたりするものでも良い。したがって、上記吊り下げ用の紐h1の基端側を各々引っ張ると、第2の遮蔽部材K2を左右の係止部材Nを介して左右のレールSrに沿って上昇させることができる。なお、左右のレールSrのうちの一方のみでも、係止部材Nの上昇動作を行うことは可能である。
【0030】
開口部Mを遮蔽する第2の遮蔽部材K2は、ここでは、厚地の暗幕のカーテンとするが、上記左右のレールSrに沿って上下に移動する。係止部材Nは、第2の吊り下げ用部材S2tを係止するためのもので、左右のレールSrに各々取り付けられ、左右のレールSrに沿って昇降動する。
【0031】
第2の吊り下げ用部材S2tは、係止部材NのフックNfに取り付けられ、取付け金具L1を介して第2の遮蔽部材(厚地の暗幕)K2を吊り下げている。また、第2の遮蔽部材K2の左右端部は、第2の遮蔽部材K2の取付け金具L2により上記左右のレールSrに取り付けられ、左右のレールSrに沿って昇降動する。すなわち、左右一対のレールSrを使用して、レールSrの上方側は上記係止部材Nの移動が保障されており、レールSrの下方側は第2の遮蔽部材K2の左右端部の移動が保障されている。つまり、レールSrは兼用されている。また、レールSrを使用することで、上記係止部材Nと第2の遮蔽部材K2は、振動等を生じさせずにスムーズに昇降動作する。第2の吊り下げ用部材S2tの内部は、中空のもので、滑車c2が内蔵され、この滑車c2に開閉操作用の紐h2が巻き架けられている。上記滑車c1,c2を外部から認識されないようにするためである。なお、滑車c1,c2に代えて、軸部材、金属棒やニードルベアリング等が適用可能である。
【0032】
本実施の形態では、上記滑車c1が第1の吊り下げ用部材St1の左右端側に2個内蔵され、2本の吊り下げ用の紐h1は、それらの基端側が左右のレールSrの一方(左側)に引き出され、これらの先端側が第2の遮蔽部材K2と連結されている。そして、吊り下げ用の紐h1は、それらの中途部が上記滑車c2に巻装されている。つまり、2本の吊り下げ用の紐h1の1本h1は、内部中空の第1の吊り下げ用部材S2tの内部を通過しており、他の1本h1は、第2の吊り下げ用部材S2tの左側端開口から入れられ、滑車c1に巻装された状態で、第1の吊り下げ用部材St1の通孔から引き出されている。したがって、上記2本の吊り下げ用の紐h1の基端側を各々引っ張ると、第2の遮蔽部材K2を上昇させ、高い位置に配することができる。ここで、上記滑車c1と開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2の大きさによっては複数本取り付けられたり、一本取り付けられたりして、その本数は問われない。なお、吊り下げ用の紐h1は、図中左側にまとめられて引き出され、開閉操作用の紐h2は、図中右側にまとめられて引き出されて、操作が重ならないように配慮されている。
【0033】
したがって、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の使用例として、窓Mを二重のカーテンで閉めるときは(部屋全体を隠して暗くする場合は)、図7に示すように、左右両開きの第1の遮蔽部材(レースのカーテン)K1を通常の縦型タイプのカーテンと同じように中央に寄せて閉め、そして、第2の遮蔽部材K2を開口部Mの上方位置で第1の吊り下げ用部材St1に吊り下げた状態として、第2の遮蔽部材K2を広げると、室内を覗かれることを防止できるとともに、光を入れなくして暗くすることができる。
【0034】
一方、開口部Mの上方側からのみ日差しを部屋の中に入れる場合は、先ず、左右両開きの第1の遮蔽部材K1を通常の縦型タイプのカーテンと同じように左右に寄せて開放させる。次に、吊り下げ用の紐h1のロック状態を解除して(ピン4から外して)、第2の遮蔽部材K2を係止部材Nを介してレールSrに沿って下降動作させることにより、所定の高さ位置にすると、開口部Mの上方側からのみ日差しを部屋の中に入れることができる(図5(a))。図9に示すように、第1の遮蔽部材K1を左右に開けると共に、第2の遮蔽部材K2を一番上に引き上げて、この状態で室内に光を取り込むことも可能である。また、図10に示すように、開閉操作用の紐2hにより第2の遮蔽部材K2を所定の高さにその下方から引き上げる操作が可能であることから、窓Mの途中などに目隠しの高さに取り付けることも可能である。
【0035】
第2の実施の形態の第2の遮蔽部材K2としては、これに代えて第1の実施の形態の簾を取り付けることも可能である。また、上記第2の吊り下げ用部材S2tとしては、滑車c2を有しない内部中空で、開閉操作用の紐h2を通過させるものであったり、単に棒状の部材で、これに開閉操作用の紐h2を引っ掛けるようにして使用するものであったりすることも可能である。さらに、第2の遮蔽部材K2としては、上記第2の吊り下げ用部材S2tに対して取付け金具を介して通常のカーテンを取り付けて、通常のカーテンのように左右や片側一方に手動で開閉する縦型タイプとして使用することも可能である。
【0036】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、実際に販売する部品としては、カーテンとしての第1の遮蔽部材K1と第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2は市販のものがあるので、内部に滑車c1を有する第1の吊り下げ用部材St1と左右のレールSrと係止部材Nと吊り下げ用の紐h1と、さらに内部に滑車c2を有する第2の吊り下げ用部材S2tと吊り下げ用の紐h1を一つのセットとして販売すると良い。そして、第1の吊り下げ用部材St1を取り付け、係止部材NをレールSrに取り付けると共に、係止部材Nに第2の吊り下げ用部材S2tを取り付けた後に、市販の第1の遮蔽部材K1と第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2を取り付ける。第2の遮蔽部材K2は、その下方側の取付け金具L2を上記左右のレールSrに係止させる。
【0037】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第2の実施の形態の第1の遮蔽部材K1をロールカーテン、つまり巻き上げ式の遮蔽部材とした遮蔽部材の開閉機構Z3である。なお、第2の遮蔽部材K2の内容は、第2の実施の形態と同様である。図11は、第3の実施の形態の正面図であり、ロールカーテンである第1の遮蔽部材S11を下まで降ろした状態の図であり、図12は、ロールカーテンS11を一番下から少し上げた状態の図である。
【0038】
第1の遮蔽部材S11のロールカーテンは市販品であり、下方中央に操作紐h3が取り付けられている。ロールカーテンは、ロールスクリーンとも呼ばれ、一枚の生地を棒に巻きつけて上下に下げたり上げたりするもので(下方側から巻き上げる巻上げ式)、ブラインドと似た横型タイプと言うことができ、第2の遮蔽部材K2を巻き上げるものである。第2の遮蔽部材K2の操作は、第2の実施の形態の場合と同様である。このように、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z3は、第1と第2の実施の形態と同様、第2の遮蔽部材K2が巻き上げ式であることから、第2の遮蔽部材K2を所定高さに低くして吊り下げても、第2の遮蔽部材K2の下方が引き上げられることにより、床面に接するような下げ過ぎとなるような事態を防止する。
【0039】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、上記ロールカーテンは市販品があるので、これ以外の第1の吊り下げ用部材St1と、第2の吊り下げ用部材S2tと、係止部材Nと、吊り下げ用の紐h1と、開閉操作用の紐h2と、レールSrを一つのユニットとして販売すれば良い。
【0040】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、窓(開口部)Mにカーテンを取り付ける場合に本発明を適用したものである。図13(a)は、本実施の形態の正面図であり、(b)は、側面図である。図14は、第2の遮蔽部材を除去した状態の図である。本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z4は、開口部Mに架け渡される第1の吊り下げ用部材St1に、開口部を開閉する第2の遮蔽部材が昇降動自在に吊り下げられている。
【0041】
第1の吊り下げ用部材St1には、第2の吊り下げ用部材S2tが吊り下げ用の紐h1を介して吊り下げられ、第2の遮蔽部材K2が昇降動可能に吊り下げられている。第2の遮蔽部材K2は、折り目が所定間隔で施され(ギャザー(波型)により折畳まれるものであり、プリーツ加工とも呼ばれる。)、その下方側から折畳むように引き上げられる引き上げ式のカーテンである。開閉操作用の紐h2は、1本使用され、第2の遮蔽部材K2の左右に各々等間隔で形成された穴に通されて、下方先端は結び目hmが形成されて、上方は第2の吊り下げ用部材S2tに通され、この左右の紐を図中右側にのみ引き出して、右側で巻き上げ操作する。第2の吊り下げ用部材S2tを吊り下げる吊り下げ用の紐h1は、図中左側に引き出されて、窓Mの枠のサイドに設けられたピン4に係止して、その係止状態により、その引き出し長さを調整する(図1(b))。第2の遮蔽部材K2の上方と第2の吊り下げ用部材S2tとは、フックやボタンを使用して連結させると、第2の遮蔽部材K2の上方側が固定されて、引き上げ動作が行い易くなる。なお、上記紐h1やh2は、第1や第2の吊り下げ用部材St1,S2tの内部に通されて滑車c1やc2に巻装されているが、これらを使用せずに第1や第2の吊り下げ用部材St1,S2tの外部に単に巻装されるような構造にしても良い。
【0042】
したがって、吊り下げ用の紐h1を操作することで、第2の遮蔽部材K2を昇降動作させることができ、所定の高さ位置で、開閉操作用の紐h2により第2の遮蔽部材K2を吊り上げることにより、窓Mに対する開口部分を種々変更させることができる。第2の遮蔽部材K2には折り目が所定間隔で施され、畳まれるように巻き上げられるので、その吊り上げ動作によっても余計な部分に皺がよるようなことはない。また、開閉操作用の紐h2の結び目hmを解除すると(第2の遮蔽部材K2の上方と第2の吊り下げ用部材S2tとがフックやボタン等で連結されているときは、これを解除すると)、第2の遮蔽部材K2を外して洗濯することができ、他方、取付けに際して、紐h2を第2の遮蔽部材K2の孔に通して、結び目hmを作れば、取り付けも容易である。
【0043】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、第1の吊り下げ用部材St1は既存(既設)のものを使用して、第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2と吊り下げ用の紐h1とを一つのセットとして販売すると良い。
【0044】
以上、本実施の形態では、簾とカーテンを例にして説明したが、第2の遮蔽部材としてブラインドを吊り下げて、ブラインドを昇降動させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構を説明する図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその一部拡大側面図である。正面図である。
【図2】上記第1の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の取付け状態を説明する正面図である。
【図3】上記第1の実施の形態の第2の遮蔽部材で開口部を遮蔽した状態を説明する正面図である。
【図4】上記第1の実施の形態の第2の遮蔽部材の上方側と下方側を開けた状態を説明する正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構を説明する図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその一部拡大側面図である。
【図6】上記第1の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の側面図である。
【図7】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材により開口部を遮蔽した状態を説明する正面図である。
【図8】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材の下方側を引き上げた状態を説明する正面図である。
【図9】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材を上方まで引き上げた状態を説明する正面図である。
【図10】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材を所定高さ位置に吊り下げた状態で下方側を引き上げた状態を説明する正面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の遮蔽部材の下方側を引き上げた状態を説明する正面図である。
【図12】上記第3の実施の形態の遮蔽部材の下方側を上方まで引き上げた状態を説明する正面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構を説明する図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
【図14】上記第4の実施の形態の遮蔽部材の下方側を上方まで引き上げた状態を説明する正面図である。
【符号の説明】
【0046】
Z1,Z2,Z3,Z4 遮蔽部材の開閉機構、
c1,c2 滑車(回転体)、
K1 第1の遮蔽部材、K2 第2の遮蔽部材、
St1 第1の吊り下げ用部材、S2t 第2の吊り下げ用部材、
Sr レール、
h1 吊り下げ用の紐、h2 開閉操作用の紐、h3 紐、
N 係止部材、Nf フック、
L2 第2の遮蔽部材の取付け金具
M 開口部(戸、戸口サッシ)、
T 開口部(窓)、
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓や戸の開口部を遮蔽する遮蔽部材の開閉機構に関するもので、例えば、カーテン、ブラインドや夏に使用する簾等に使用して好適な遮蔽部材の開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテン、ブラインドや夏に使用する簾等は、部屋の中に光(日差し)が入る量を調整するものとして使用されたり、室内が外部から覗かれたりする事態を防止する遮蔽手段として使用される。
【0003】
一般に、カーテンは、左右両開きや片開きなどの使用態様が多く(縦型タイプと言う)、ブラインドは、上方から吊り下げるように取り付けられて昇降動作させる使用態様であり(横型タイプと言う)、カーテンでも横型タイプのものもあるなど(例えば、ロールカーテン等)、その使用態様は種々ある(特許文献1)。夏に使用する簾は、強い日差しを避けるとともに涼しさを醸し出す遮蔽部材であるが、窓や戸の開口部に簡易に取付けて使用することができるものも既に存在し(特許文献2)、これには横型タイプのものが多い。
【特許文献1】特開2005−146736号公報
【特許文献2】実用新案登録第3060613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらの遮蔽部材において、外部からは見えないようにしながらも、室内に光を取り込みたい場合がある。例えば、都会の生活環境の中で、隣との距離が近くて、室内を覗かれるような心配から上記遮蔽部材で遮蔽したいが、室内には光を取り込みたい場合などである。一般的には、カーテンを二重にして、外側にはレースのカーテンを使用し、内側に光を遮断する厚地の生地を吊り下げる等する方法もあるが、レースのカーテンではやはり内部が見える心配があり、十分なものではなく、また、光を十分に室内に入れることをレースのカーテンが妨げることになる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、室内を覗かれるような心配から遮蔽部材で遮蔽することができるが、室内には光を取り込むことができるとともに、既存の窓や戸の開口部に簡単に取り付けたり取り外したりすることができるとともに、遮蔽部材の開閉作業も容易で、しかも、開閉機構の部品が内部に隠れて外観上の見栄えも良好な遮蔽部材の開閉機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遮蔽部材の開閉機構は、窓や戸の開口部を遮蔽部材で開閉する遮蔽部材の開閉機構であって、開口部に第1の吊り下げ用部材が架け渡され、開口部を開閉する第1の遮蔽部材が第1の吊り下げ用部材に着脱自在に取り付けられるとともに、第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられて開口部を開閉する第2の遮蔽部材を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第2の遮蔽部材は第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられていることから、例えば、開口部の上方側から少し下げた位置で第2の遮蔽部材を吊り下げれば、開口側の上方側から日差しを部屋の中に入れることができる。開口部の上方側から入る光は、低い位置から入る光よりも室内全体を明るくする。したがって、第2の遮蔽部材により、開口部の下方側を遮蔽した状態にして、開口部の上方側から光を部屋の中に入れることができる。また、第2の遮蔽部材を下げた位置で吊り下げ、第2の遮蔽部材を開閉動作させれば、所定の高さ位置だけの外部から除き込まれない目隠しとして使用できる。
【0008】
ここで、第1の遮蔽部材は、第1の吊り下げ用部材に対して着脱自在であり、使用しても使用しなくても良い。しかし、二枚合わせの遮蔽部材を構成する場合には、第1の遮蔽部材を使用すると良い。例えば、カーテンで説明すると、第1の遮蔽部材はレース地のカーテンとして、第2の遮蔽部材は暗幕とするような厚地のカーテンとしての二枚合わせの遮蔽部材を構成した、使用例が考えられる。
【0009】
本発明としては、前記第2の遮蔽部材は、その下方側から巻き上げる巻上げ式であるか、又は、その下方側から折畳むように引き上げる引き上げ式であることが好ましい。前記第2の遮蔽部材を所定の高さに引き下げた場合、前記第2の遮蔽部材の下方側が床に接することとなる場合があるが、本発明によれば、前記第2の遮蔽部材は、その下方側から巻き上げたり、引き上げたりする方式であるので、そのような事態を防止することができる。また、折畳むように引き上げることで、引き上げに際してシワの発生を防止する。
【0010】
本発明としては、前記開口部の左右端側の少なくとも一方端側に、第2の遮蔽部材を昇降動作させるレールが備えられ、このレールに第2の遮蔽部材を吊り下げるための係止部材が嵌め込まれていることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、前記開口部の左右端側の少なくとも一方端側に、第2の開閉機構を昇降動作させるレールが備えられているので、第2の遮蔽部材が係止部材を介してスムーズに所定の高さ位置に昇降動作させることができる。
【0012】
本発明としては、前記レールに前記第2の遮蔽部材の取付け金具が嵌め込まれて前記第2の遮蔽部材が昇降動作することが好ましい。
【0013】
この発明によれば、前記レールに、第2の遮蔽部材の取付け金具が嵌め込まれて第2の遮蔽部材が昇降動作するようにできるが、このレールが第2の開閉機構の昇降動作と第2の遮蔽部材の昇降動作を兼用可能にしているので、レール本数を少なくすることができる。
【0014】
本発明としては、第1の遮蔽部材を昇降動作させる吊り下げ用の紐を備え、この吊り下げ用の紐は、その先端側が第1の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第1の遮蔽部材を昇降動作させることが好ましい。また、本発明としては、第2の遮蔽部材を開閉動作させる開閉操作用の紐を備え、この開閉操作用の紐は、その先端側が第2の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第2の遮蔽部材を開閉動作させることが好ましい。
【0015】
本発明としては、前記第1の吊り下げ用部材の内部に回転体を配して、この回転体に前記吊り下げ用の紐が巻装されていることが好ましい。回転体としては、滑車、軸部材、金属棒やニードルベアリング等が適用可能で、これらの回転体を利用することでスムーズな昇降動作が可能になり、前記第1の吊り下げ用部材の内部に回転体を配することで、回転体を外観上から認識できなくすることができる。
【0016】
本発明としては、前記第2の遮蔽部材が取り付けられる第2の吊り下げ用部材を備え、この第2の吊り下げ用部材の内部に回転体を配し、この回転体に開閉操作用の紐が巻装されていることが好ましい。上記のような回転体を利用することでスムーズな昇降動作が可能になり、前記第2の吊り下げ用部材の内部に回転体を配することで、回転体を外観上から認識できなくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられて開口部を開閉する第2の遮蔽部材を備えることから、例えば、開口部の上方側から少し下げた位置で第2の遮蔽部材を吊り下げれば、開口側の上方側から日差しを部屋の中に入れることができる。また、第2の遮蔽部材を所定高さまで下げた位置で吊り下げ、第2の遮蔽部材を昇降動作させれば、所定の高さ位置だけ外部から覗き込まれない目隠しとして使用できる。したがって、外部から室内を所定高さで隠しながらも、上方から光を取り入れて、室内を明るくすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の遮蔽部材の開閉機構を戸(左右両開きの戸、開口部)Tの内側に簾を取り付ける例で説明する。図1(a)は、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の正面図であり、(b)は、側面図であり、(c)は一部拡大側面図である。図2は、第2の遮蔽部材を除去した状態の図である。本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z1は、開口部Mに架け渡される第1の吊り下げ用部材St1に、開口部を開閉する第2の遮蔽部材K2が昇降動自在に吊り下げられている。なお、符号Kgは、第1の吊り下げ用部材St1を吊り下げるための取付金具である。
【0020】
第1の吊り下げ用部材St1には、第2の遮蔽部材K2を吊り下げる係止部材Nと、係止部材Nを昇降動作させる吊り下げ用の紐h1を備える。係止部材Nは、第2の遮蔽部材K2である簾の上桟3aを係止するもので、L型フックNfにより引っ掛けられている。係止部材Nは、その裏面側が開口部(戸口サッシ)Tの左右の桟Maに沿って昇降動作するものとして説明するが、第2の実施の形態のようにレールSrを配することも可能である。
【0021】
吊り下げ用の紐h1は、第2の遮蔽部材K2を昇降動作(吊り上げたり吊り下げたり)するものであり、吊り下げ用の紐h1の一方側(先端側)が上記係止部材Nと連結され、他方側(基端部)を操作することで、係止部材Nを所定の高さ位置に操作する。この吊り下げ用の紐h1の操作する先端側は、戸口サッシTのサイドに所定間隔で複数設けられたピン4に係止して、その引き出し長さを調整できる(図1(b)(c))。また、吊り下げ用の紐h1は、第1の吊り下げ用部材St1内に配された回転である滑車c1に巻装されることで、スムーズに第1の遮蔽部材K2を昇降動作させるものであるが、吊り下げ用の紐h1は、第1の吊り下げ用部材St1に形成された貫通孔に単に通されるものでも、又、第1の吊り下げ用部材St1に巻装されているものでも良い。
【0022】
第2の遮蔽部材K2は、この第2の遮蔽部材K2を巻き上げる開閉操作用の紐h2により巻き上げられる。第2の遮蔽部材K2は、簾であり、その下方側から巻き上げられる巻上げ式のものであるが、本実施の形態の簾は、一番上の上桟3aから一番下の下桟3bの間に複数の桟が多数配され、一番上の上桟3aが上記係止部材Nに引っ掛けられている。また、上桟3aには、着脱自在に取り付けられる固定パッドDを取り付け、この固定パッドDに吊り下げ用の紐h1の先端側が固定され、この開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2の正面(室内側)から下桟3bを介して背面側を回って引き出され、引き出された基端側を操作することで、巻き上げるものである。すなわち、開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2をほぼU字状に巻き込み、開閉操作用の紐h2の操作側(基端部)を引っ張ると、上記下桟3bを巻き込むようにして、つまり下桟3bが回転するようになって、これを巻き芯として、第2の遮蔽部材K2を巻き上げる(図1(b))。開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2の大きさに合わせて数本が配設されるものでも良く、その本数は問われない。なお、開閉操作用の紐h2の基端側は、上記ピン4に係止させるものでも良い。
【0023】
したがって、日差しの強く入る部屋の窓(開口部)Mに本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z1を取り付けて実際に開閉動作させる場合を説明すると、部屋に夏の強い日差しが入ることを防止するためには、図3に示すように、第2の遮蔽部材K2が吊り下げられる係止部材Nの位置を第1の吊り下げ用部材St1の近くの位置にしておけば、第2の遮蔽部材K2を下方に広げた状態にすると、開口部Mの全体が第2の遮蔽部材K2により遮蔽されて、室内に夏の強い日差しが入ることを防止することができる。
【0024】
一方、室内に開口部Mの上方から光を入れる場合は、吊り下げ用の紐h1の基端側をピン4から外して(吊り下げ用の紐h1の緊張状態を緩め)、下方に引くと、吊り下げ用の紐h1は、第1の吊り下げ用部材St1の中の滑車c1を介してスムーズに引っ張られて、これにより係止部材Nが戸口サッシの左右の桟Maにその裏面が接しながら降下する。所定の高さに第2の遮蔽部材K2が下がったところで、吊り下げ用の紐h1をピン4にかけると停止して、開口部Mの上方側が空けられる((図1(a))。ここで、第2の遮蔽部材K2の高さ位置を低くすると、第2の遮蔽部材S2の下方端部が床と接することがあるが、開閉操作用の紐h2を操作して、第2の遮蔽部材K2を巻き上げれば、第2の遮蔽部材S2の下方側が床と接触する事態を防止できる。
【0025】
また、本実施の形態の使用例としては、窓Mの途中などに目隠しの高さに取り付けることができる。すなわち、図4に示すように、開口部Mの上方側から少し下げた位置で第2の遮蔽部材K2を吊り下げるとともに、その高さ位置で第2の遮蔽部材K2の下方側を開閉操作用の紐h2により引き上げれば、開口(戸口)M側の上方側と下方側から日差しを部屋の中に入れることができる。
【0026】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、実際に販売する部品としては、簾としての第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2は市販のものがあるので、これら以外の第1の吊り下げ用部材St1と、係止部材Nと、吊り下げ用の紐h1とを一つのセットとして販売すると良い。そして、吊り下げ用部材St1を開口部Mの上方に取り付け、内部の滑車c1に吊り下げ用の紐h1を架け渡すなどして配するとともに、係止部材Nを吊り下げ、この係止部材Nに第2の遮蔽部材K2である簾を取り付ければ良い。また、第1の吊り下げ用部材St1は既存(既設)のものを使用して、簾としての第2の遮蔽部材Kを吊り下げ用の紐h1により第1の吊り下げ用部材St1に引っ掛けるようにしても良い。
【0027】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、窓(開口部)Mにカーテンを取り付ける場合に本発明を適用したものである。図5(a)は、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の正面図であり、図5(b)は側面図であり、図5(c)は一部拡大側面図である。図6は、レールSrの取付け状態を説明する図である。本実施の形態の遮蔽部材のZ2は、上記第2の遮蔽部材K2の他に、第1の遮蔽部材K1と、第2の吊り下げ用部材S2tと、レールSrとを備え、第2の遮蔽部材K2がレールSrに沿って昇降動作する。
【0028】
第1の吊り下げ用部材St1は、開口部Mの上方側に横方向に取り付けられて、取付け金具L1を介して第1の遮蔽部材(レース地のカーテン)K1を吊り下げている。第1の遮蔽部材(レース地のカーテン)K1は、左右両開きの通常の縦型タイプのカーテンと同じである。第1の遮蔽部材K1は、第2の遮蔽部材K2よりも窓M側に配置することも、これとは逆に、第2の遮蔽部材K2よりも室内側に配置することも可能である。
【0029】
第1の吊り下げ用部材St1は、内部中空のもので、回転体である滑車c1が内蔵され、この滑車c1に吊り下げ用の紐h1が巻装されている(図5(b))。本実施の形態では、滑車c1が第1の吊り下げ用部材St1の左右端側に各々配され、上記吊り下げ用の紐h1は、その先端側が係止部材Nと連結され、基端側が左右のレールSrの一方(左側)に引き出されている。なお、上記吊り下げ用の紐h1は2本使用されるものであるが、1本のみ使用して、その左右端を各々第2の吊り下げ用部材St2と連結させ、紐h1の中央部分を引き出して、両方先端で連結された第2の吊り下げ用部材St2を引き上げ操作させても良い。そして、上記紐h1は、それらの中途部が上記滑車c1に巻装されている。なお、吊り下げ用の紐h1を2本使用して、その1本h1は、内部中空の第1の吊り下げ用部材St1の内部を通過して、他の1本h1は、第1の吊り下げ用部材St1の左側端開口から入れられたり、第1の吊り下げ用部材St1に形成した通過孔から引き出されたりするものでも良い。したがって、上記吊り下げ用の紐h1の基端側を各々引っ張ると、第2の遮蔽部材K2を左右の係止部材Nを介して左右のレールSrに沿って上昇させることができる。なお、左右のレールSrのうちの一方のみでも、係止部材Nの上昇動作を行うことは可能である。
【0030】
開口部Mを遮蔽する第2の遮蔽部材K2は、ここでは、厚地の暗幕のカーテンとするが、上記左右のレールSrに沿って上下に移動する。係止部材Nは、第2の吊り下げ用部材S2tを係止するためのもので、左右のレールSrに各々取り付けられ、左右のレールSrに沿って昇降動する。
【0031】
第2の吊り下げ用部材S2tは、係止部材NのフックNfに取り付けられ、取付け金具L1を介して第2の遮蔽部材(厚地の暗幕)K2を吊り下げている。また、第2の遮蔽部材K2の左右端部は、第2の遮蔽部材K2の取付け金具L2により上記左右のレールSrに取り付けられ、左右のレールSrに沿って昇降動する。すなわち、左右一対のレールSrを使用して、レールSrの上方側は上記係止部材Nの移動が保障されており、レールSrの下方側は第2の遮蔽部材K2の左右端部の移動が保障されている。つまり、レールSrは兼用されている。また、レールSrを使用することで、上記係止部材Nと第2の遮蔽部材K2は、振動等を生じさせずにスムーズに昇降動作する。第2の吊り下げ用部材S2tの内部は、中空のもので、滑車c2が内蔵され、この滑車c2に開閉操作用の紐h2が巻き架けられている。上記滑車c1,c2を外部から認識されないようにするためである。なお、滑車c1,c2に代えて、軸部材、金属棒やニードルベアリング等が適用可能である。
【0032】
本実施の形態では、上記滑車c1が第1の吊り下げ用部材St1の左右端側に2個内蔵され、2本の吊り下げ用の紐h1は、それらの基端側が左右のレールSrの一方(左側)に引き出され、これらの先端側が第2の遮蔽部材K2と連結されている。そして、吊り下げ用の紐h1は、それらの中途部が上記滑車c2に巻装されている。つまり、2本の吊り下げ用の紐h1の1本h1は、内部中空の第1の吊り下げ用部材S2tの内部を通過しており、他の1本h1は、第2の吊り下げ用部材S2tの左側端開口から入れられ、滑車c1に巻装された状態で、第1の吊り下げ用部材St1の通孔から引き出されている。したがって、上記2本の吊り下げ用の紐h1の基端側を各々引っ張ると、第2の遮蔽部材K2を上昇させ、高い位置に配することができる。ここで、上記滑車c1と開閉操作用の紐h2は、第2の遮蔽部材K2の大きさによっては複数本取り付けられたり、一本取り付けられたりして、その本数は問われない。なお、吊り下げ用の紐h1は、図中左側にまとめられて引き出され、開閉操作用の紐h2は、図中右側にまとめられて引き出されて、操作が重ならないように配慮されている。
【0033】
したがって、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の使用例として、窓Mを二重のカーテンで閉めるときは(部屋全体を隠して暗くする場合は)、図7に示すように、左右両開きの第1の遮蔽部材(レースのカーテン)K1を通常の縦型タイプのカーテンと同じように中央に寄せて閉め、そして、第2の遮蔽部材K2を開口部Mの上方位置で第1の吊り下げ用部材St1に吊り下げた状態として、第2の遮蔽部材K2を広げると、室内を覗かれることを防止できるとともに、光を入れなくして暗くすることができる。
【0034】
一方、開口部Mの上方側からのみ日差しを部屋の中に入れる場合は、先ず、左右両開きの第1の遮蔽部材K1を通常の縦型タイプのカーテンと同じように左右に寄せて開放させる。次に、吊り下げ用の紐h1のロック状態を解除して(ピン4から外して)、第2の遮蔽部材K2を係止部材Nを介してレールSrに沿って下降動作させることにより、所定の高さ位置にすると、開口部Mの上方側からのみ日差しを部屋の中に入れることができる(図5(a))。図9に示すように、第1の遮蔽部材K1を左右に開けると共に、第2の遮蔽部材K2を一番上に引き上げて、この状態で室内に光を取り込むことも可能である。また、図10に示すように、開閉操作用の紐2hにより第2の遮蔽部材K2を所定の高さにその下方から引き上げる操作が可能であることから、窓Mの途中などに目隠しの高さに取り付けることも可能である。
【0035】
第2の実施の形態の第2の遮蔽部材K2としては、これに代えて第1の実施の形態の簾を取り付けることも可能である。また、上記第2の吊り下げ用部材S2tとしては、滑車c2を有しない内部中空で、開閉操作用の紐h2を通過させるものであったり、単に棒状の部材で、これに開閉操作用の紐h2を引っ掛けるようにして使用するものであったりすることも可能である。さらに、第2の遮蔽部材K2としては、上記第2の吊り下げ用部材S2tに対して取付け金具を介して通常のカーテンを取り付けて、通常のカーテンのように左右や片側一方に手動で開閉する縦型タイプとして使用することも可能である。
【0036】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、実際に販売する部品としては、カーテンとしての第1の遮蔽部材K1と第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2は市販のものがあるので、内部に滑車c1を有する第1の吊り下げ用部材St1と左右のレールSrと係止部材Nと吊り下げ用の紐h1と、さらに内部に滑車c2を有する第2の吊り下げ用部材S2tと吊り下げ用の紐h1を一つのセットとして販売すると良い。そして、第1の吊り下げ用部材St1を取り付け、係止部材NをレールSrに取り付けると共に、係止部材Nに第2の吊り下げ用部材S2tを取り付けた後に、市販の第1の遮蔽部材K1と第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2を取り付ける。第2の遮蔽部材K2は、その下方側の取付け金具L2を上記左右のレールSrに係止させる。
【0037】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第2の実施の形態の第1の遮蔽部材K1をロールカーテン、つまり巻き上げ式の遮蔽部材とした遮蔽部材の開閉機構Z3である。なお、第2の遮蔽部材K2の内容は、第2の実施の形態と同様である。図11は、第3の実施の形態の正面図であり、ロールカーテンである第1の遮蔽部材S11を下まで降ろした状態の図であり、図12は、ロールカーテンS11を一番下から少し上げた状態の図である。
【0038】
第1の遮蔽部材S11のロールカーテンは市販品であり、下方中央に操作紐h3が取り付けられている。ロールカーテンは、ロールスクリーンとも呼ばれ、一枚の生地を棒に巻きつけて上下に下げたり上げたりするもので(下方側から巻き上げる巻上げ式)、ブラインドと似た横型タイプと言うことができ、第2の遮蔽部材K2を巻き上げるものである。第2の遮蔽部材K2の操作は、第2の実施の形態の場合と同様である。このように、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z3は、第1と第2の実施の形態と同様、第2の遮蔽部材K2が巻き上げ式であることから、第2の遮蔽部材K2を所定高さに低くして吊り下げても、第2の遮蔽部材K2の下方が引き上げられることにより、床面に接するような下げ過ぎとなるような事態を防止する。
【0039】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、上記ロールカーテンは市販品があるので、これ以外の第1の吊り下げ用部材St1と、第2の吊り下げ用部材S2tと、係止部材Nと、吊り下げ用の紐h1と、開閉操作用の紐h2と、レールSrを一つのユニットとして販売すれば良い。
【0040】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、窓(開口部)Mにカーテンを取り付ける場合に本発明を適用したものである。図13(a)は、本実施の形態の正面図であり、(b)は、側面図である。図14は、第2の遮蔽部材を除去した状態の図である。本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構Z4は、開口部Mに架け渡される第1の吊り下げ用部材St1に、開口部を開閉する第2の遮蔽部材が昇降動自在に吊り下げられている。
【0041】
第1の吊り下げ用部材St1には、第2の吊り下げ用部材S2tが吊り下げ用の紐h1を介して吊り下げられ、第2の遮蔽部材K2が昇降動可能に吊り下げられている。第2の遮蔽部材K2は、折り目が所定間隔で施され(ギャザー(波型)により折畳まれるものであり、プリーツ加工とも呼ばれる。)、その下方側から折畳むように引き上げられる引き上げ式のカーテンである。開閉操作用の紐h2は、1本使用され、第2の遮蔽部材K2の左右に各々等間隔で形成された穴に通されて、下方先端は結び目hmが形成されて、上方は第2の吊り下げ用部材S2tに通され、この左右の紐を図中右側にのみ引き出して、右側で巻き上げ操作する。第2の吊り下げ用部材S2tを吊り下げる吊り下げ用の紐h1は、図中左側に引き出されて、窓Mの枠のサイドに設けられたピン4に係止して、その係止状態により、その引き出し長さを調整する(図1(b))。第2の遮蔽部材K2の上方と第2の吊り下げ用部材S2tとは、フックやボタンを使用して連結させると、第2の遮蔽部材K2の上方側が固定されて、引き上げ動作が行い易くなる。なお、上記紐h1やh2は、第1や第2の吊り下げ用部材St1,S2tの内部に通されて滑車c1やc2に巻装されているが、これらを使用せずに第1や第2の吊り下げ用部材St1,S2tの外部に単に巻装されるような構造にしても良い。
【0042】
したがって、吊り下げ用の紐h1を操作することで、第2の遮蔽部材K2を昇降動作させることができ、所定の高さ位置で、開閉操作用の紐h2により第2の遮蔽部材K2を吊り上げることにより、窓Mに対する開口部分を種々変更させることができる。第2の遮蔽部材K2には折り目が所定間隔で施され、畳まれるように巻き上げられるので、その吊り上げ動作によっても余計な部分に皺がよるようなことはない。また、開閉操作用の紐h2の結び目hmを解除すると(第2の遮蔽部材K2の上方と第2の吊り下げ用部材S2tとがフックやボタン等で連結されているときは、これを解除すると)、第2の遮蔽部材K2を外して洗濯することができ、他方、取付けに際して、紐h2を第2の遮蔽部材K2の孔に通して、結び目hmを作れば、取り付けも容易である。
【0043】
ところで、本実施の形態の遮蔽部材の開閉機構は、次のように販売して、組み立てることできる。例えば、第1の吊り下げ用部材St1は既存(既設)のものを使用して、第2の遮蔽部材K2や開閉操作用の紐h2と吊り下げ用の紐h1とを一つのセットとして販売すると良い。
【0044】
以上、本実施の形態では、簾とカーテンを例にして説明したが、第2の遮蔽部材としてブラインドを吊り下げて、ブラインドを昇降動させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構を説明する図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその一部拡大側面図である。正面図である。
【図2】上記第1の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の取付け状態を説明する正面図である。
【図3】上記第1の実施の形態の第2の遮蔽部材で開口部を遮蔽した状態を説明する正面図である。
【図4】上記第1の実施の形態の第2の遮蔽部材の上方側と下方側を開けた状態を説明する正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構を説明する図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその一部拡大側面図である。
【図6】上記第1の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構の側面図である。
【図7】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材により開口部を遮蔽した状態を説明する正面図である。
【図8】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材の下方側を引き上げた状態を説明する正面図である。
【図9】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材を上方まで引き上げた状態を説明する正面図である。
【図10】上記第2の実施の形態の第2の遮蔽部材を所定高さ位置に吊り下げた状態で下方側を引き上げた状態を説明する正面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の遮蔽部材の下方側を引き上げた状態を説明する正面図である。
【図12】上記第3の実施の形態の遮蔽部材の下方側を上方まで引き上げた状態を説明する正面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態の遮蔽部材の開閉機構を説明する図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
【図14】上記第4の実施の形態の遮蔽部材の下方側を上方まで引き上げた状態を説明する正面図である。
【符号の説明】
【0046】
Z1,Z2,Z3,Z4 遮蔽部材の開閉機構、
c1,c2 滑車(回転体)、
K1 第1の遮蔽部材、K2 第2の遮蔽部材、
St1 第1の吊り下げ用部材、S2t 第2の吊り下げ用部材、
Sr レール、
h1 吊り下げ用の紐、h2 開閉操作用の紐、h3 紐、
N 係止部材、Nf フック、
L2 第2の遮蔽部材の取付け金具
M 開口部(戸、戸口サッシ)、
T 開口部(窓)、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓や戸の開口部を遮蔽部材で開閉する遮蔽部材の開閉機構であって、開口部に第1の吊り下げ用部材が架け渡され、開口部を開閉する第1の遮蔽部材が第1の吊り下げ用部材に着脱自在に取り付けられるとともに、第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられて開口部を開閉する第2の遮蔽部材を備えることを特徴とする遮蔽部材の開閉機構。
【請求項2】
前記第2の遮蔽部材は、その下方側から巻き上げる巻上げ式であるか、又は、その下方側から折畳むように引き上げる引き上げ式であることを特徴とする請求項1記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項3】
前記開口部の左右端側の少なくとも一方端側に、第2の遮蔽部材を昇降動作させるレールが備えられ、このレールに第2の遮蔽部材を吊り下げるための係止部材が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項4】
前記レールに前記第2の遮蔽部材の取付け金具が嵌め込まれて、前記第2の遮蔽部材が昇降動作することを特徴とする請求項3記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項5】
第1の遮蔽部材を昇降動作させる吊り下げ用の紐を備え、この吊り下げ用の紐は、その先端側が第1の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第1の遮蔽部材を昇降動作させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項6】
第2の遮蔽部材を開閉動作させる開閉操作用の紐を備え、この開閉操作用の紐は、その先端側が第2の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第2の遮蔽部材を開閉動作させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項7】
前記第1の吊り下げ用部材の内部に回転体を配し、この回転体に前記吊り下げ用の紐が巻装されていることを特徴とする請求項5記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項8】
前記第2の遮蔽部材が取り付けられる第2の吊り下げ用部材を備え、この第2の吊り下げ用部材の内部に回転体を配し、この回転体に前記開閉操作用の紐が巻装されていることを特徴とする請求項6記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項1】
窓や戸の開口部を遮蔽部材で開閉する遮蔽部材の開閉機構であって、開口部に第1の吊り下げ用部材が架け渡され、開口部を開閉する第1の遮蔽部材が第1の吊り下げ用部材に着脱自在に取り付けられるとともに、第1の吊り下げ用部材に昇降自在に吊り下げられて開口部を開閉する第2の遮蔽部材を備えることを特徴とする遮蔽部材の開閉機構。
【請求項2】
前記第2の遮蔽部材は、その下方側から巻き上げる巻上げ式であるか、又は、その下方側から折畳むように引き上げる引き上げ式であることを特徴とする請求項1記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項3】
前記開口部の左右端側の少なくとも一方端側に、第2の遮蔽部材を昇降動作させるレールが備えられ、このレールに第2の遮蔽部材を吊り下げるための係止部材が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項4】
前記レールに前記第2の遮蔽部材の取付け金具が嵌め込まれて、前記第2の遮蔽部材が昇降動作することを特徴とする請求項3記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項5】
第1の遮蔽部材を昇降動作させる吊り下げ用の紐を備え、この吊り下げ用の紐は、その先端側が第1の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第1の遮蔽部材を昇降動作させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項6】
第2の遮蔽部材を開閉動作させる開閉操作用の紐を備え、この開閉操作用の紐は、その先端側が第2の遮蔽部材と連結され、その基端側を操作することにより、第2の遮蔽部材を開閉動作させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項7】
前記第1の吊り下げ用部材の内部に回転体を配し、この回転体に前記吊り下げ用の紐が巻装されていることを特徴とする請求項5記載の遮蔽部材の開閉機構。
【請求項8】
前記第2の遮蔽部材が取り付けられる第2の吊り下げ用部材を備え、この第2の吊り下げ用部材の内部に回転体を配し、この回転体に前記開閉操作用の紐が巻装されていることを特徴とする請求項6記載の遮蔽部材の開閉機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−79453(P2009−79453A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250990(P2007−250990)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(506234457)有限会社ブイティック (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(506234457)有限会社ブイティック (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]