説明

遮音性乾式二重床構造

【課題】 本考案は、遮音材として軽量かつ耐火性に優れた石膏ボードを使用した遮音性乾式二重床構造を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本考案は、基礎床1上に立設された支持台2によって複数のフロアーパネル3を所定の高さレベルに支持して二重床を形成する床構造において、該フロアーパネル3上に石膏ボード8を介して床仕上材9を敷設した構造とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案が属する技術分野】
本考案は集合住宅等の各種建物において既存の基礎床面との間に空間を形成して二重床を構築する遮音性乾式二重床構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より乾式二重床構造は図3に示すように、基礎床a上に一定間隔毎に立設された支持台b上にフロアーパネルcを敷き詰めて施工されている。
【0003】
この場合施工後に床上で発生する衝撃音が基礎床aとフロアーパネルc間での共鳴(太鼓現象)を防ぐために、フロアーパネルcと仕上材dとの間に遮音材としてのゴムアスファルトシート材eを介装した構造とされているのが殆どである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら上記遮音材としてのゴムアスファルトシート材やアスファルトシート材の場合では、火災時に延焼して猛毒ガスが発生するなどの問題がある。
そこで本考案では上記問題点を解消するために、遮音材として軽量かつ耐火性に優れた石膏ボードを使用した遮音性乾式二重床構造を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の上記目的は次の如き床構造によって達成できる。即ちその要旨は基礎床上に立設された支持台によって複数のフロアーパネルを所定の高さレベルに支持して二重床を形成する床構造において、該フロアーパネル上に石膏ボードを介して床仕上材を敷設したことを特徴とする遮音性乾式二重床構造である。
【0006】
【考案の実施の形態】
以下本考案に係る実施の形態を、その実施例を示す図面を参酌しながら詳述する。
図1および図2に示すように、基礎床1上に一定間隔ごとに支持台2が立設され、同支持台2間にフロアーパネル3を渡設するものである。
【0007】
そこで上記支持台2は防振ゴムからなる基台4と同基台4上に立設される金属ボルト5と、同金属ボルト5上部に螺合されるフロアーパネル支持板6とから構成されるものである。従って上記フロアーパネル支持板6を左右に回動させて高さ調整を行い、フロアーパネル支持板6上でフロアーパネル3、3端を突き合わせた状態でフロアーパネル3を敷き詰めるものである。
【0008】
そしてフロアーパネル3と支持台2のフロアーパネル支持板6とを釘7によって固着し、更に上記フロアーパネル3上に石膏ボード8を敷き詰め、その上に床仕上材9を敷設して釘7によってフロアーパネル3上に石膏ボード8を介装した状態で固着するものである。
【0009】
以上の構成よりなる本考案では、石膏ボード8によって床衝撃音の伝播を効果的に抑えることができる。
又上記石膏ボード8は耐火性であるために、火災などの不測の事態が発生した場合にも有毒ガスが発生することがなく、人身事故を防ぐことができる。
【0010】
【考案の効果】
以上述べて来た如く本考案によれば、遮音材として石膏ボードを使用することにより従来のゴムアスファルトシート材やアスファルトシート材と同等の遮音効果を奏し、かつ耐火性に優れた、低コストで施工が可能な遮音性床構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の概要を示す説明図である。
【図2】本考案の要部拡大断面説明図である。
【図3】従来の説明図である。
【符号の説明】
1 基礎床
2 支持台
3 フロアーパネル
4 基台
5 金属ボルト
6 フロアーパネル支持板
7 釘
8 石膏ボード
9 床仕上材

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 基礎床上に立設された支持台によって複数のフロアーパネルを所定の高さレベルに支持して二重床を形成する床構造において、該フロアーパネル上に石膏ボードを介して床仕上材を敷設したことを特徴とする遮音性乾式二重床構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3061404号
【登録日】平成11年(1999)6月16日
【発行日】平成11年(1999)9月17日
【考案の名称】遮音性乾式二重床構造
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願平11−610
【出願日】平成11年(1999)2月12日
【出願人】(396019158)