説明

遷移金属硫化物の製造方法

【課題】第8〜第10族から選ばれる少なくとも1種の遷移金属の硫化物を工業的規模で安定的に製造する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の液体硫化剤中に二つの電極を配置し、当該二つの電極間に矩形パルスプラズマ放電を発生させることを含む遷移金属硫化物の製造方法であって、前記電極の少なくとも一方が、第8族〜第10族の遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする遷移金属硫化物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遷移金属硫化物の製造方法、より詳細には、第8族〜第10族の遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素を含有する遷移金属硫化物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池用の正極材料として、可逆的なリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な遷移金属硫化物(MS、ここでMは遷移金属、xは正数を表す)、特に第8族〜第10族の遷移金属(例えば鉄やニッケル)の硫化物であって、構成する硫黄と遷移金属のモル比が1を超える遷移金属硫化物が注目されている。
【0003】
例えば硫化鉄の製造方法としては、鉄と硫黄をモル比1:2で混合し、ヨウ素を加えたのち石英管に封入して5日間程度加熱することにより黄鉄鉱の結晶を生成させる方法(非特許文献1参照)、硫酸第一鉄7水和物と斜方硫黄の混合物に、硫化水素で飽和した水酸化ナトリウム水溶液を加えたのち、硫化水素を通じてから系を密閉して、恒温乾燥器中で2週間程度維持することによりフランボイド黄鉄鉱を生成させる方法(非特許文献2参照)、鉄粉と硫黄粉をモル比1:2に混合し、アルゴンガス雰囲気下、タングステンカーバイド容器にボールミル用のボールとともに封入した後、約110時間ボールミル処理にかけて硫化鉄を生成させる方法などが知られている(非特許文献3参照)。
【0004】
しかし上記の製造方法では、目的とする硫化鉄を得るために、100時間を越える長い反応時間を要するという欠点がある。
【0005】
また硫化ニッケルの製造方法として、メカニカルミリング法、液相沈殿反応法などが知られている。例えば、メカニカルミリング法によって、比較的低いエネルギーで、NiSを生成できることが知られている(非特許文献4参照)。また、液相沈殿反応法によって、pH調整が行われた塩化ニッケルとナトリウムジチオナイトを含む水性反応溶液から結晶性のNi、Ni等が生成することが知られている(非特許文献5参照)。これらの方法では系内の酸素を完全に除くことが困難なため、ニッケル酸化物および水酸化物の混入を避けるのが難しく、またS/Niの比率が高いニッケル硫化物を得ることは困難である。
【0006】
更に、放電プラズマ焼結による遷移金属硫化物の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。該製造方法によれば、比較的簡便にMS(ここでMは遷移金属を表す)の組成の金属硫化物を得ることができるが、高温高圧下での処理を必要とすること、バッチ反応であることから、工業的な規模で実施することは難しい。
【0007】
また、硫黄中にコンデンサー方式でプラズマ放電を間欠的に発生させて遷移金属と反応させて遷移金属硫化物を生成させる方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法では、電流密度が安定しないため、一時的に反応場にかかる高い電流密度によって硫黄の重合が進み、均一な生成物が得られないばかりか、連続的な生産ができないなどの問題がある。
【0008】
上述のとおり、遷移金属硫化物、特に第8〜第10族の遷移金属の硫化物を工業的規模で安定的に製造する方法は確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第09/028326号
【特許文献2】USSR No.860428号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Acta Chem. Scand.、1969年、23巻、p. 2186
【非特許文献2】Econ. Geol.、1969年、64巻、p. 383
【非特許文献3】J. Solid StateChem.、1998年、138号、p. 114
【非特許文献4】J. Alloys Comp.、2003年、349巻、p. 290-296
【非特許文献5】Inorg. Chem.、2001年、40巻、p. 73-77
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、第8族〜第10族から選ばれる少なくとも1種の遷移金属の硫化物を、工業的規模で安定的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、上記の目的は、
[1]少なくとも1種の液体硫化剤中に二つの電極を配置し、当該二つの電極間に矩形パルスプラズマ放電を発生させることを含む遷移金属硫化物の製造方法であって、前記電極の少なくとも一方が、第8族〜第10族の遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素を含有することを特徴とする遷移金属硫化物の製造方法;
[2]前記液体硫化剤が溶融硫黄である、上記[1]の遷移金属硫化物の製造方法;
[3]前記液体硫化剤が二硫化炭素を含む、上記[1]の遷移金属硫化物の製造方法;
[4]前記液体硫化剤が水の層によって液封されていることを特徴とする、上記[3]の遷移金属硫化物の製造方法;および、
[5]組成式:MS(式中、Mは、Fe、Co、およびNiからなる群から選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり、xは1<x≦2の範囲にある正数である)で表される、上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法で得られる遷移金属硫化物;
を提供することによって達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第8族〜第10族から選ばれる少なくとも一種の遷移金属の硫化物を、工業的規模で安定的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1〜3で得られた遷移金属硫化物のXRDチャートである。
【図2】実施例1で得られた硫化ニッケル1の熱質量分析チャートである。
【図3】実施例2で得られた硫化ニッケル2の熱質量分析チャートである。
【図4】実施例3で得られた硫化ニッケル3の熱質量分析チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の金属硫化物の製造方法は、液体硫化剤中に配置した二つの電極間に電圧を印加して矩形パルスプラズマ放電を発生させるものであり、前記電極の少なくとも一方が含有する第8族〜第10族の遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素と、前記液体硫化剤との反応により遷移金属硫化物が生成する。
【0016】
かかる電極としては、第8族〜第10族の遷移金属元素からなる遷移金属単体、該遷移金属元素を含む合金、該遷移金属元素にめっき等により他の金属のコーティングを施したものが挙げられる。本発明では、元素周期律表の第8族〜第10族に属するいずれかの遷移金属元素を含有する電極を用いることで、含有する遷移金属元素(M)に対応する遷移金属硫化物(MS)の粒子を生成させることができる。正極、負極には同種の電極を用いても、異種の電極を用いてもよい。本発明の遷移金属硫化物の製造方法で用いる二つの電極の一方は、第8族〜第10族から選ばれる遷移金属元素を含有していなくてもよい。第8族〜第10族から選ばれる遷移金属元素を含有しない電極材料としては、各種金属単体やその化合物、グラファイトなどの炭素材料などの導電性物質が挙げられる。上記遷移金属元素を含有しない電極材料として炭素材料を用いた場合、炭素を含有する遷移金属硫化物が得られる。
【0017】
本発明の遷移金属硫化物の製造方法で用いる電極の形態としては、棒状、針金状、板状などいずれの形態であってもかまわない。両電極の大きさは同一であっても異なってよい。
【0018】
本発明の遷移金属硫化物の製造方法では、少なくとも1種の液体硫化剤を使用できる。液体硫化剤としては、硫黄元素が構成元素として含まれている無機物質、有機物質またはその組み合わせであって、反応温度で液体状態を保っているものであればよい。例えば、硫黄単体は120℃〜160℃の反応温度であれば液体硫化剤として用いることができる。また、二硫化炭素、または硫黄の二硫化炭素溶液(本明細書中、「二硫化炭素等」という)は、常温付近で液体硫化剤として用いることができる。二硫化炭素等を液体硫化剤として用いる場合、遷移金属硫化物は炭素材料(例えばアモルファスカーボン)とともに生成する。
【0019】
また、これらの液体硫化剤には目的に応じて添加物を加えてもよい。例えば、添加剤として第8族〜第10族に属さない金属の塩を加えることで、かかる金属を微粒子として生成する遷移金属化合物中に取り込ませることができる。かかる金属としては、銅、亜鉛、スズなどが挙げられる。
【0020】
本発明の遷移金属硫化物の製造方法において、矩形パルスプラズマ放電する際の液体硫化剤の温度としては、液体硫化剤の液体状態が保たれる温度であれば制限はない。例えば、液体硫化剤として硫黄単体を使用する場合には、120℃以上160℃以下の範囲が好ましく、130℃以上150℃以下がより好ましい。また、二硫化炭素を使用する場合には、二硫化炭素の沸点である46℃またはそれより低い温度を選択することができる。液体硫化剤として硫黄の二硫化炭素溶液を用いる場合には、二硫化炭素に対する硫黄の溶解度が良好なレベルに保たれるようにするため、20℃以上46℃以下であることが好ましい。
【0021】
本発明において、液体硫化剤が二硫化炭素を含む場合、二硫化炭素の揮発性、引火性を考慮して、二硫化炭素に対して非混和性液体の層によって、液封することが好ましい。液封のために使用する非混和性液体としては、引火しにくく、かつ、二硫化炭素を含む液体硫化剤に対して非混和性であることが好ましく、入手性、安全性等の観点から水が好ましい。液体硫化剤が二硫化炭素のみからなり、かかる二硫化炭素を水によって液封する場合、用いる二硫化炭素/水の容積比は、通常、1/0.01〜1/10の範囲であることが好ましい。
【0022】
矩形パルスプラズマ放電する電流は、直流、交流のいずれであってもよいが、反応の温度制御および生成する遷移金属硫化物の安定性の観点から、直流が好ましい。矩形パルスプラズマ放電を発生させる電圧としては、50〜500Vの範囲にあればよいが、安全性、および特殊な装置の必要性を考慮して、60〜400Vの範囲の値であることが好ましく、80〜300Vの範囲の値であることがより好ましい。
【0023】
矩形パルスプラズマ放電する電流は、0.1〜100Aの範囲にあることが好ましく、エネルギー効率を考慮して、0.2〜30Aの範囲の値であることがより好ましい。
矩形パルスプラズマ放電における休止時間は、生成する遷移金属硫化物の安定性の観点から2マイクロ秒以上とすることが好ましく、さらに生産効率の観点から20ミリ秒以下とすることが好ましい。
【0024】
矩形パルスプラズマ放電1回あたりの持続時間は、1〜8000マイクロ秒の範囲にあればよいが、好ましくは2〜500マイクロ秒の範囲の値であることが好ましい。
【0025】
本発明の製造方法では、一方または両方の電極に振動を与えることも可能である。電極に振動を与えることで、電極間に生成する遷移金属硫化物(MS)の滞留が解消され、反応が効率的に促進されるという効果が得られる。振動は、電極に対して連続的に与えても、また、断続的に与えてもよい。
【0026】
本発明を実施するための反応系は、減圧下、加圧下、常圧下のいずれの状態にあってもよい。また、反応系の雰囲気は、安全性、操作性を考慮して、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
【0027】
生成する遷移金属硫化物は液体硫化剤中に分散ないし堆積するので、慣用の固液分離方法(例えば、濾過、単蒸留、減圧蒸留等)により遷移金属硫化物を分離・回収することができる。
【実施例】
【0028】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各実施例において、ニッケル電極は株式会社ニラコ製のものを用いた。また、プラズマ放電発生中にニッケル電極を振動させるための振動発生装置として、アクチュエーター(旭製作所製 WaveMaker SL-0105)を用いた。
XRD測定は、粉末X線回折装置(リガク社製MiniFlex II)を用いた。
得られた非水系二次電池用正極材料の組成および組成式NiS中のxの値は、有機炭素分析および熱質量分析によって算出した。有機炭素分析はパーキンエルマー社製、2400CHNSにて行った。熱質量分析は、熱質量測定装置(SII社製 TG/DTA6300 EXSTAR6000)を用いて、空気下、10℃/分で1000℃まで加熱しながら行った。
【0029】
[実施例1](電極/液体硫化剤/電極の組み合わせがNi/S/Niである場合)
100mlビーカーに硫黄100gを取り、140℃に加熱して融解させた。正極および負極として、直径5mm、長さ100mmの円柱状のニッケル電極(純度99%以上)2本を硫黄融液に浸漬し、電極間の距離を1mmとなるよう配置した。電動式の振動発生器(アクチュエーター)で両方の電極に振動(毎秒約100回の振動数)を与えて、ニッケル電極の表面に反応生成物が堆積することを防止した。正極および負極を電源に接続し、200V、60Aで矩形パルスプラズマ放電1回の持続時間250マイクロ秒、休止時間10ミリ秒となるように直流にて電圧を印加して矩形パルスプラズマ放電を30分間継続した。矩形パルスプラズマ放電後の、正極の質量減少は0.55g,負極の質量減少は0.52gであった。反応生成物を含む溶融硫黄から減圧蒸留により硫黄を除去し、粉末として1.71gの硫化ニッケル(硫化ニッケル1と称する)を得た。XRDの測定結果を図1に示す。
また、硫化ニッケル1の熱質量測定の結果を図2に示す。250℃にかけて観測された8%の質量減少は、水などの揮発分に基づくと推定しており、250℃〜900℃にかけて観測された26%の質量減少は、硫化ニッケルの酸化に伴う硫黄分の揮発に基づくと推定している。かかる熱質量分析から算出した組成式NiSのxの値は1.4であった。
【0030】
[実施例2](電極/液体硫化剤/電極の組み合わせがNi/CS/Niである場合)
140℃の硫黄の代わりに、20℃の二硫化炭素100gを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で矩形パルスプラズマ放電を30分間継続した。矩形パルスプラズマ放電後の、正極の質量減少は0.25g、負極の質量減少は0.19gであった。反応生成物を含む二硫化炭素から単蒸留により二硫化炭素を除去し、粉末として0.81gの硫化ニッケル(硫化ニッケル2と称する)を得た。XRDの測定結果を図1に示す。
また、得られた硫化ニッケル2を有機炭素分析したところ、炭素含有量は7質量%であった。これら炭素はアモルファスカーボンとして硫化ニッケル中に含まれていると推定している。また、硫化ニッケル2の熱質量測定の結果を図3に示す。250℃にかけて観測された9%の質量減少は水などの揮発分の減少に基づくと推定しており、250℃〜900℃にかけて観測された23%の質量減少は炭素分の酸化に伴う揮発および硫化ニッケルの酸化に伴う硫黄分の揮発に基づくと推定している。有機炭素分析および熱質量分析の測定結果から算出したNiSのxの値は1.1であった。
【0031】
[実施例3](電極/液体硫化剤/電極の組み合わせがNi/(S+CS)/Niである場合)
140℃の硫黄の代わりに、20℃の10質量%の硫黄の二硫化炭素溶液100gを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で矩形パルスプラズマ放電を30分間継続した。矩形パルスプラズマ放電後の、正極の質量減少は0.23g,負極の質量減少は0.18gであった。二硫化炭素を単蒸留により除去し、次いで硫黄を減圧蒸留により除去し、粉末として0.69gの硫化ニッケル(硫化ニッケル3と称する)を得た。XRDの測定結果を図1に示す。
また、反応生成物を大気雰囲気下で昇温速度10℃/分で900℃まで昇温しながら熱重量分析を行った結果を図3に示す、この測定結果から、反応生成物は実施例2と同様、アモルファスカーボンと硫化ニッケルの混合物であると考えている。
また、得られた硫化ニッケル3を有機炭素分析したところ、炭素含有量は3質量%であった。これら炭素はアモルファスカーボンとして硫化ニッケル中に含まれていると推定している。また、硫化ニッケル3の熱質量測定の結果を図4に示す。250℃にかけて観測された10%の質量減少は水などの揮発分に基づくと推定しており、250℃〜900℃にかけて観測された32%の質量減少は炭素分の酸化に伴う揮発および硫化ニッケルの酸化に伴う硫黄分の揮発に基づくと推定している。有機炭素分析および熱質量分析の測定結果から算出したNiSのxの値は1.7であった。
【0032】
[実施例4](電極/液体硫化剤/電極の組み合わせがNi/CS+水/Niである場合)
20℃の二硫化炭素100gの代わりに、20℃の二硫化炭素100gにイオン交換水50gを加えて用いたこと以外は、実施例2と同様の条件で矩形パルスプラズマ放電を30分間継続した。矩形パルスプラズマ放電後の、正極の質量減少は0.25g、負極の質量減少は0.19gであった。二硫化炭素を単蒸留により除去して得られた固体粉末の質量は0.81gの硫化ニッケル(硫化ニッケル4と称する)を得た。
また、得られた硫化ニッケル4を有機炭素分析したところ、炭素含有量は7質量%であった。これら炭素はアモルファスカーボンとして硫化ニッケル中に含まれていると推定している。また、硫化ニッケル4の熱質量測定を行い、有機炭素分析の測定結果とあわせて算出したNiSのxの値は1.1であった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、元素周期律表の第8族、9族、および10族の遷移金属元素のいずれかを含む遷移金属硫化物を工業的規模で安定的に製造可能な方法を提供するものであり、得られる遷移金属硫化物は、遷移金属硫化物系正極材料として高容量リチウムイオン二次電池の製造および開発のために有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の液体硫化剤中に二つの電極を配置し、当該二つの電極間に矩形パルスプラズマ放電を発生させることを含む遷移金属硫化物の製造方法であって、前記電極の少なくとも一方が、第8族〜第10族の遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素を含有することを特徴とする遷移金属硫化物の製造方法。
【請求項2】
前記液体硫化剤が溶融硫黄である、請求項1に記載の遷移金属硫化物の製造方法。
【請求項3】
前記液体硫化剤が二硫化炭素を含む、請求項1に記載の遷移金属硫化物の製造方法。
【請求項4】
前記液体硫化剤が水の層によって液封されていることを特徴とする、請求項3に記載の遷移金属硫化物の製造方法。
【請求項5】
組成式:MS(式中、Mは、Fe、Co、およびNiからなる群から選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり、xは1<x≦2の範囲にある正数である)で表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られる遷移金属硫化物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−28843(P2013−28843A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166244(P2011−166244)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(504159235)国立大学法人 熊本大学 (314)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】