説明

選択されたコポリマーを含んでいる日焼け止め剤及びパーソナルケア組成物

紫外線光防護に有効な量の:(a) 少なくとも1種類の紫外線遮断薬;(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー;及び、場合により、(c) 化粧品的に許容される別の成分を含んでいる、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の紫外線光防護に適した、局所適用可能な耐水性を有する化粧品組成物又は皮膚科学的組成物。本発明は、さらにまた、少なくとも1種類の選択されたコポリマーと化粧品的に許容される別の成分を含んでいるパーソナルケア組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
紫外線光防護に有効な量の:(a) 少なくとも1種類の紫外線遮断薬;及び、(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー;及び、場合により、(c) 化粧品的に許容される別の成分;を含んでいる、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の紫外線光防護に適した、局所適用可能な耐水性を有する化粧品組成物又は皮膚科学的(dermatological)組成物。
【背景技術】
【0002】
日焼け止め組成物は、紅斑(これは、日焼けとしても知られている皮膚の赤色化)を引き起こし得る太陽紫外線から皮膚を保護するために、皮膚に塗布される。太陽光又はUVBの範囲内にある紫外線は、290nm〜320nmの波長を有し、日焼けの主要な原因であることが知られている。320nm〜400nmの波長を有する紫外線は、UVA線として知られているが、皮膚の褐色化をもたらす。しかしながら、そのような褐色化の過程において、UVA線は、皮膚に損傷を与え得るか又は皮膚に害を及ぼし得る。
【0003】
太陽光に過剰にさらされると、日焼けという即時的な疾患の他に、皮膚疾患が引き起こされ得る。例えば、長期間にわたって絶えず太陽にさらされることは、紫外線角化症及び癌の原因となり得る。別の長期効果は、皮膚の早期老化である。皮膚の早期老化の状態は、しわがあり、ひびがあり、弾力性を失った皮膚によって特徴付けられる。
【0004】
上記で述べたように、日焼け止め剤は、典型的には、太陽光による皮膚の損傷を阻止することを目的として製剤される。そのような日焼け止め組成物は、皮膚に損傷及び害を及ぼし得る有害なUVB線及びUVA線をフィルタリングするか又は遮断する。日焼け止め剤は、UVB線及び/又はUVA線を吸収することによって、それらをフィルタリング又は遮断すると考えられる。
【0005】
典型的には、上記UVBフィルターは、別の親油性成分又は油性成分及び溶媒を含んでいる溶液の中で上記UVAフィルターと組み合わされて、油相を形成する。その溶媒は、該油相中に日焼け止め剤活性物質を溶解させるために使用する。典型的には(しかし、必然ではないが)、該油相は、乳化剤及び安定剤の助けを借りて、主に水で構成される水溶液中に分散させられてエマルションを生成する。このエマルションが、最終的な日焼け止め組成物となる。
【0006】
皮膚を光防護(UVA及び/又はUVB)することを目的としたさまざまな化粧品組成物が、当技術分野では知られている。
【0007】
US 5,204,090には、水不溶性フィルム形成ポリマーを含んでいる耐水性の日焼け止め剤が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0008】
US 5,653,965には、日焼け止め剤スプレーのためのフィルム形成ポリマーが開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0009】
US 5,487,886には、日焼け止め製剤のためのアクリル酸ポリマーが開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0010】
US 5,145,669には、無水マレイン酸の架橋コポリマーを含んでいる耐水性の日焼け止め剤が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0011】
US 4,663,157には、日焼け止め組成物中で使用するためのエチレンとアクリル酸のコポリマーが開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0012】
US 2006/0008427には、少なくとも1種類の日焼け止め剤と少なくとも1種類のカロテノイドからなる相乗作用性組合せを含んでいる光防護組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0013】
US 7,108,860には、少なくとも2種類のレオロジー改質剤を含んでいる化粧品組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0014】
US 7,014,842には、1種類以上の光活性化合物と1種類以上の最適化剤を含んでいる日焼け止め組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0015】
US 6,409,998には、微粉化不溶性遮断薬及び関連するポリマーを含んでいる紫外線光防護エマルションが開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0016】
US 2004/0126339には、皮膚結合性ポリマーと少なくとも1種類の日焼け止め剤活性成分の混合物を含んでいる日焼け止め組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0017】
US 6,312,672には、イソプレン、ブタジエン及び/又はスチレンのポリマーを含んでいる耐水性の日焼け止め組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0018】
US 2004/0091434には、少なくとも1種類のジベンゾイルメタン紫外線日焼け止め剤と有効量の少なくとも1種類の両親媒性ブロックコポリマーを含んでいる局所適用可能な光安定性日焼け止め組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0019】
US 2003/0021847には、油相中にネットワーク構造を有する1種類以上のポリマーに基づくパーソナルケア組成物中に活性成分を維持するための組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0020】
US 2002/0076390には、水性のエマルション又は分散液の形態にある爪用、皮膚用及び毛髪用の組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0021】
US 5,688,858には、分散剤として適しているポリマーが開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0022】
US 2006/0104923には、フッ素化アルキルエーテルを含んでいる日焼け止め組成物が開示されている(ここで、これは、参照により本明細書に組み入れる)。
【0023】
これらの抗太陽光組成物又は日焼け止め組成物は、殆どの場合、有害な紫外線を選択的に吸収するのに適している1種類以上の慣習的な親油性有機紫外線遮断薬及び/又は金属酸化物の無機ナノ顔料をさまざまな濃度で含んでいる水中油(O/W)型エマルション(即ち、水性分散媒連続相及び分散された脂肪の不連続相を含んでいる化粧品的に及び/又は皮膚化学的に許容される担体)又は油中水(W/O)型エマルション(連続脂肪相中に分散された水相)の形態で提供される。ここで、これらの遮断薬(及び、その量)は、所望の日焼け防止指数(日焼け防止指数(SPF)は、紫外線遮断薬の非存在下において紅斑を誘発する閾値に達するのに必要な照射時間に対する紫外線遮断薬の存在下において紅斑を誘発する閾値に達するのに必要な照射時間の比によって数学的に表される)に従って選択される。そのようなエマルション中では、親水性遮断薬は水相中に存在しており、親油性遮断薬は脂肪相中に存在している。
【0024】
水中油型エマルションは、特に、触感が心地良いということ(水に類似している)及び非油性のクリーム又は乳液の形態で提供されるということの理由で、消費者によって、一般に、油中水型エマルションよりも受け入れられる。しかしながら、それらは、水と接触すると、直ちに、その紫外線防護効果をより容易に失ってしまう。実際、親水性遮断薬は、水中において、海中若しくはスイミングプール内で洗い流されたときに、シャワーを浴びているときに、又は、ウォータースポーツに熱中しているときに、消失する傾向を有する。かくして、親水性遮断薬を含んでいる抗太陽光組成物又は日焼け止め組成物は、単独であっても又は親油性遮断薬と組み合わされていても、それらが塗布された基体(皮膚又は毛髪)が水と接触すると直ぐに、所望された初期の防護をもはや提供しない。
【0025】
水に対して改善された抵抗性を示す抗太陽光(日焼け止め剤)組成物が、これまで、油中水型エマルションとして製剤されている。実際、親水性遮断薬は、水中油型エマルション中におけるよりも、油中水型エマルション中において、水に対して安定である。しかしながら、上記で示したように、そのような組成物は、塗布された後、使用者にとって特に不快である脂肪様の感覚を助長するので、未だ完全に満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】US 5,204,090
【特許文献2】US 5,653,965
【特許文献3】US 5,487,886
【特許文献4】US 5,145,669:
【特許文献5】US 4,663,157
【特許文献6】US 2006/0008427
【特許文献7】US 7,108,860
【特許文献8】US 7,014,842
【特許文献9】US 6,409,998
【特許文献10】US 2004/0126339
【特許文献11】US 6,312,672
【特許文献12】US 2004/0091434
【特許文献13】US 2003/0021847
【特許文献14】US 2002/0076390
【特許文献15】US 5,688,858
【特許文献16】US 2006/0104923
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
かくして、皮膚及び/又は毛髪に対して長時間にわたって安定で且つ水に対する抵抗性(水に対する安定性)を示す効果的な太陽光防護を付与し、化粧品としてのその性能が慣習的な水中油型エマルションを用いて得られる特質に匹敵する特質を提供する抗太陽光組成物又は日焼け止め組成物が引き続き真剣に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0028】
驚くべきことに、また、予想外に、少なくとも1種類の紫外線遮断薬と少なくとも1種類の選択されたコポリマーを含んでいる特定の日焼け止め組成物が、化粧品としてのその性能特質が水中油型エマルションとして製剤された慣習的な日焼け止め組成物に一般に関連している性能特質に匹敵する抗太陽光組成物を提供するのみではなく、優れた安定性及び水に対する強化された安定性を示すということが、確認された。
【0029】
従って、本発明の第1の態様は、少なくとも1種類の日焼け止め剤と式(I)で表される少なくとも1種類の選択されたコポリマーと化粧品的に許容される別の成分を含んでいる日焼け止め組成物に関する。
【0030】
本発明の第2の態様は、日焼け止め組成物を調製する方法に関し、ここで、該方法は、少なくとも1種類の日焼け止め剤と式(I)で表される少なくとも1種類の選択されたコポリマーと場合により化粧品的に許容される別の成分を一緒に混合させることを含む。
【0031】
本発明の第3の態様は、日焼け止め組成物の日焼け防止指数を上昇させる方法に関し、ここで、該方法は、該組成物に有効量の式(I)で表される少なくとも1種類の選択されたコポリマーを組み入れることを含む。
【0032】
本発明の第4の態様は、紫外線の有害な効果からの哺乳動物の毛髪及び/又は皮膚の改善された紫外線防護方法に関し、ここで、該方法は、少なくとも1種類の日焼け止め剤と式(I)で表される少なくとも1種類の選択されたコポリマーと場合により化粧品的に許容される別の成分を含んでいる有効量の日焼け止め組成物を該皮膚及び/又は該毛髪に塗布することを含む。
【0033】
本発明の第5の態様は、式(I)で表される選択されたコポリマーと化粧品的に許容される別の成分を含んでいる化粧品組成物又は皮膚科学的組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、
(a) 少なくとも1種類の紫外線遮断薬;
(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー〔ここで、該コポリマーは、
【化1】

【0035】
[ここで、
x及びzは、各繰り返し単位又は誘導されたモノマーが当該コポリマー中に含まれている重量パーセントを表し;
x及びzは、繰り返し単位を示しており;
xとzの合計は、当該コポリマーの総重量に対して100重量パーセントであり;
zは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
xは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
Aは、ポリマーであり;
Gは、酸素連結基を介してポリマーAに共有結合しており;
Oは、酸素原子であり;
Gは、
【化2】

【0036】
であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C6アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C12シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価(valence)を表し;
**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか、又は、シアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基、式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり;その際、
Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化3】

【0037】
であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル若しくはC6-C10アリールであるか、又は、R201とR202及び/若しくはR203とR204は、連結炭素原子と一緒に、C3-C12シクロアルキル基を形成し;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は、
Gは、
【化4】

【0038】
であるか、若しくは、Gは、
【化5】

【0039】
であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
Xは、上記で定義されているとおりであり;
kは、1、2、3又は4であり;
Yは、O若しくはNR302であるか、又は、kが1であり且つR301がアルキル若しくはアリールを表す場合、Yはさらに直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;フェニル、C7-C9フェニルアルキル若しくはナフチル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル、若しくは、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸若しくは7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸のアシル部分;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+はH+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)であり;
kが2である場合、
R301は、C1-C18アルキレン、C3-C18アルケニレン若しくはC3-C18アルキニレン(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);又は、キシレンであり;又は、
R301は、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のビスアシル基又は8〜14個の炭素原子を有する脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸のビスアシル基であり;
kが3である場合、
R301は、脂肪族トリカルボン酸、脂環式トリカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸の三価の基であり;
及び、
kが4である場合、
R301は、脂肪族テトラカルボン酸、脂環式テトラカルボン酸又は芳香族テトラカルボン酸の四価の基である]
を含んでいる〕;
及び、場合により、
(c) 化粧品的に許容される別の成分;
を含んでいる日焼け止め組成物を提供する。
【0040】
本発明によれば、式(I)で表される当該コポリマーは、以下のものからなる群から選択される構造を有している:コポリマー、ターポリマー、ブロック、星形、ランダム、直鎖、分枝鎖、架橋及び非架橋。
【0041】
本発明によれば、基「-O-G」は、ポリマーAの合成中に反応させてポリマー「A」の中に組み入れることができるか、又は、基「-O-G」は、加工中に(例えば、共押出し中に)ポリマー「A」上で反応若しくはグラフトさせることができる。
【0042】
上記化合物及びそれらの調製については、GB 2335190、GB 2342649及びGB 2361235に記載されている。
【0043】
式(III)で表される4イミノ化合物は、例えば「E.G. Rozantsev, A.V. Chudinov, V.D.Sholle.: Izv. Akad. Nauk. SSSR, Ser. Khim. (9), 2114 (1980)」に従って、ヒドロキシルアミンとの縮合反応において対応する4-オキソニトロオキシドから出発し、次に、当該OH基を反応させることによって、調製することができる。該化合物は、WO 02/100831に記載されている。
【0044】
式(I)に関して、本発明の別の実施形態は以下のとおりである:
Gは、
【化6】

【0045】
であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C1アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C10シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか又はシアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基若しくは式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり、その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化7】

【0046】
であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C6アルキル、C3-C18アルケニル;C1-C18アルキル若しくはC3-C18アルケニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル又はC6-C10アリールであり;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル;C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は Gは、
【化8】

【0047】
であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
kは、1であり;
Yは、O若しくはNR302であり、又は、
Yは、さらに、直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;C7-C9フェニルアルキル(ここで、該フェニルアルキルは、置換されていなくてもよいか又は1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+は、H+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)である。
【0048】
式(I)に関して、本発明の別の実施形態は以下のとおりである:
Gは、
【化9】

【0049】
であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C1アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C10シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか又はシアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基若しくは式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり、その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化10】

【0050】
であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C6アルキル、C3-C18アルケニル;C1-C18アルキル若しくはC3-C18アルケニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル又はC6-C10アリールであり;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル;C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである。
【0051】
種々の置換基内におけるアルキル基は、直鎖又は分枝鎖であることができる。1〜18個の炭素原子を含んでいるアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、t-オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル及びオクタデシルである。
【0052】
3〜18個の炭素原子を有するアルケニルは、例えばプロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、n-2,4-ペンタジエニル、3-メチル-2-ブテニル、n-2-オクテニル、n-2-ドデセニル、イソ-ドデセニル、オレイル、n-2-オクタデセニル又はn-4-オクタデセニルなどの、直鎖又は分枝鎖の基である。
【0053】
3〜12個の炭素原子を有するアルケニルが好ましく、3〜6個の炭素原子を有するアルケニルが特に好ましい。
【0054】
3〜18を有するアルキニルは、例えばプロピニル(−CH2−C≡CH)、2-ブチニル、3-ブチニル、n-2-オクチニル又はn-2-オクタデシニルなどの、直鎖又は分枝鎖の基である。3〜12個の炭素原子を有するアルキニルが好ましく、3〜6個の炭素原子を有するアルキニルが特に好ましい。
【0055】
ヒドロキシで置換されているアルキルの例は、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシヘキシルである。
【0056】
ハロゲンで置換されているアルキルの例は、例えば、ジクロロプロピル、モノブロモブチル又はトリクロロヘキシルである。
【0057】
少なくとも1個のO原子で中断されているC2-C18アルキルは、例えば、-CH2-CH2-O-CH2-CH3、-CH2-CH2-O-CH3-又は-CH2-CH2-O-CH2-CH2-CH2-O-CH2-CH3-である。それは、好ましくは、ポリエチレングリコールから誘導される。一般的な記載は、-((CH2)a-O)b-H/CH3であり、ここで、aは1〜6の数であり、bは2〜10の数である。
【0058】
少なくとも1のNR205基で中断されているC2-C18アルキルは、一般に、-((CH2)a-NR205)b-H/CH3と記載することができ、ここで、a、b及びR205は上記で定義されているとおりである。
【0059】
C3-C12シクロアルキルは、典型的には、シクロプロピル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル又はトリメチルシクロヘキシルである。
【0060】
C6-C10アリールは、例えば、フェニル又はナフチルであり、さらに、C1-C4アルキルで置換されているフェニル、C1-C4アルコキシで置換されているフェニル、ヒドロキシ又はハロゲン又はニトロで置換されているフェニルも包含される。アルキルで置換されているフェニルについての例は、エチルベンゼン、トルエン、キシレン及びその異性体、メシチレン又はイソプロピルベンゼンである。ハロゲンで置換されているフェニルは、例えば、ジクロロベンゼン又はブロモトルエンである。
【0061】
アルコキシ置換基は、典型的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はブトキシ及びそれらの対応する異性体である。
【0062】
C7-C9フェニルアルキルは、ベンジル、フェニルエチル又はフェニルプロピルである。
【0063】
C5-C10ヘテロアリールは、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、2,4-ジメチルピロール、1-メチルピロール、チオフェン、フラン、フルフラール、インドール、クマロン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピリジン、α-ピコリン、ピリダジン、ピラジン又はピリミジンである。
【0064】
Rがカルボン酸の一価の基である場合、それは、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレロイル、カプロイル、ステアロイル、ラウロイル、アクリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、シンナモイル又はβ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル基である。
【0065】
C1-C18アルカノイルは、例えば、ホルミル、プロピオニル、ブチリル、オクタノイル、ドデカノイルであるが、好ましくは、アセチルである。C3-C5アルケノイルは、特に、アクリロイルである。
【0066】
本発明において有用な成分(a)の紫外線遮断薬には、好ましくはUVA領域及び/又はUVB領域において活性を示し(紫外線吸収剤)、水若しくは脂肪に可溶性であるか、又は、例えば一般的に使用される化粧品用溶媒に不溶性である、有機日焼け止め剤及び/又は無機日焼け止め剤が包含される。典型的には、本発明の組成物は、1種類以上の日焼け止め剤の組合せを含んでいる。さらには、本発明の組成物は、2種類以上の日焼け止め剤の組合せを含んでいる。成分(a)の日焼け止め剤の組合せは、例えば:2種類以上の無機日焼け止め剤;2種類以上の有機可溶性日焼け止め剤;微粉化された若しくは微粉化可能な2種類以上の有機日焼け止め剤;及び/又は、それらの混合物であることができる。
【0067】
成分(a)の代表的な無機日焼け止め剤としては、顔料などを挙げることができるか、又は、コーティングされた又はコーティングされていない金属酸化物から形成されたナノ顔料(一次粒子の平均寸法:一般に、5nm〜100nm、好ましくは、10nm〜50nm)、例えば、酸化チタン(ルチル形態及び/又はアナターゼ形態にある非晶質又は結晶質)ナノ顔料、酸化鉄ナノ顔料、酸化亜鉛ナノ顔料、酸化ジルコニウムナノ顔料又は酸化セリウムナノ顔料などを挙げることができ、これらは、全て、当技術分野において紫外線日焼け止め剤として知られている。慣習的なコーティング剤は、さらに、アルミナ及び/又はステアリン酸アルミニウムである。コーティングされた又はコーティングされていない金属酸化物から形成されたそのようなナノ顔料は、特に、EP 518772及びEP 518773に開示されている。
【0068】
成分(a)の有機日焼け止め剤は、本発明の日焼け止め組成物中で、可溶性(微粉化されていない)であり得るか又は不溶性(微粉化されているか又は微粉化可能)であり得る。
【0069】
成分(a)の適切な不溶性(微粉化されているか又は微粉化可能)の有機日焼け止め剤又は紫外線吸収剤は、例えば、トリアジン紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤、ベンゾフェノン紫外線吸収剤、ビニル基含有アミド紫外線吸収剤、ケイ皮酸アミド紫外線吸収剤又はスルホン化ベンゾイミダゾール紫外線吸収剤である。
【0070】
好ましい種類のトリアジン化合物は、式
【化11】

【0071】
[式中、
R1、R2及びR3は、互いから独立して、水素;ヒドロキシ;C1-C3アルコキシ;NH2;NHR4;N(R4)2;OR4;C6-C12アリール;フェノキシ;アニリノ;ピロロ(ここで、それぞれのフェニル部分、フェノキシ部分、アニリノ部分又はピロロ部分は、置換されていないか、又は、OH、カルボキシ、CO-NH2、C1-C12アルキル、C1-C12アルコキシ、メチリデンカンファー基、基-(CH=CH)mC(=O)-OR4、基
【化12】

【0072】
若しくはその対応するアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノ-C1-C4アルキルアンモニウム塩、ジ-C1-C4アルキルアンモニウム塩、トリ-C1-C4アルキルアンモニウム塩、モノ-C2-C4アルカノールアンモニウム塩、ジ-C2-C4アルカノールアンモニウム塩、トリ-C2-C4アルカノールアンモニウム塩、若しくは、そのC1-C3アルキルエステルから選択される1、2若しくは3の置換基で置換されているか、又は、式(1a)
【化13】

【0073】
で表される基で置換されている)であり;
R4は、C1-C5アルキルであり;
R5は、ヒドロキシ;C1-C5アルキル(ここで、該アルキルは、置換されていないか又は1以上のOH基で置換されている);C1-C5アルコキシ;アミノ;モノ-C1-C5アルキルアミノ、ジ-C1-C5アルキルアミノ;M;式
【化14】

【0074】
で表される基であり;
R'、R''及びR'''は、互いからから独立して、C1-C14アルキル(ここで、該アルキルは、置換されていないか又は1以上のOH基で置換されている)であり;
R6は、水素;M;C1-C5アルキル;又は、
【化15】

【0075】
で表される基であり;
Mは、金属カチオンであり;
T1は、水素;又は、C1-C8アルキルであり;
mは、0又は1であり;
m1は、1〜5であり;
m2は、1〜4であり;及び、
m3は、2〜14である]
で表されるトリアジン化合物である。
【0076】
式(1)で表される好ましい化合物は、式中の、
R1、R2及びR3が、互いから独立して、式
【化16】

【0077】
で表される基であり;
R7及びR11が、互いから独立して、水素;C1-C18アルキル;又は、C6-C12アリールであり;
R8、R9及びR10が、互いから独立して、水素であるか;又は、式
【化17】

【0078】
で表される基であり、ここで、式(1f)において、基R8、R9及びR10のうちの少なくとも1つは式(1h)で表される基であり;
R12、R13、R14、R15及びR16が、互いから独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;C1-C18アルキル;C1-C18アルコキシ;C6-C12アリール;ビフェニリル;C6-C12アリールオキシ;C1-C18アルキルチオ;カルボキシ;-COOM;C1-C18-アルキルカルボキシル;アミノカルボニル;モノ-C1-C18アルキルアミノ若しくはジ-C1-C18アルキルアミノ;C1-C10アシルアミノ;-COOHであり;
Mが、アルカリ金属イオンであり;
xが、1又は2であり;及び、
yが、2〜10の数である;
化合物である。
【0079】
最も好ましいトリアジン誘導体は、式
【化18】

【0080】
[式中、R7、R11、R12、R13及びR14は、式(1f)、式(1g)又は式(1h)において定義されているのと同様に定義される]
で表される化合物であり、式(2)で表される最も好ましい化合物は、式中のR7及びR11が水素である化合物である。
【0081】
さらに、式
【化19】

【0082】
[式中、R7、R8、R9、R15及びR16は、式(1g)において定義されているのと同様に定義される]
で表されるトリアジン誘導体も好ましい。式(3)で表される最も好ましい化合物は、式中のR7、R8、R9、R15及びR16が水素であるか;又は、互いから独立して、C1-C18アルキルである化合物である。
【0083】
成分(a)として最も好ましいのは、式
【化20】

【0084】
で表されるトリアジン誘導体である。
【0085】
成分(a)による好ましいさらなるトリアジン誘導体は、式
【化21】

【0086】
[式中、
R17及びR18は、互いに独立して、C1-C18アルキル;C2-C18アルケニル;式-CH2-CH(-OH)-CH2-O-T1で表される基;式
【化22】

【0087】
で表される基;又は、式
【化23】

【0088】
で表される基であり;
R19は、直接結合;直鎖又は分枝鎖のC1-C4アルキレン基、又は、式
【化24】

【0089】
で表される基であり;
R20、R21及びR22は、互いに独立して、C1-C18アルキル;C1-C18アルコキシ又は式
【化25】

【0090】
で表される基であり;
R23は、C1-C5アルキルであり;
T1及びT2は、互いから独立して、水素;又は、C1-C8アルキルであり;
m1、m2及びm3は、互いに独立して、1〜4であり;
p1は、0であるか;又は、1〜5の数であり;
A1は、式
【化26】

【0091】
で表される基又は式
【化27】

【0092】
で表される基であり;
R24は、水素;C1-C10アルキル;
【化28】

【0093】
-CH2-CH(-OH)-CH2-O-T1;又は、式
【化29】

【0094】
で表される基であり;
R25は、水素;M;C1-C5アルキル;又は、式
【化30】

【0095】
で表される基であり;
R26は、水素;又は、メチルであり;
Q1は、C1-C18アルキルであり;
Mは、金属カチオンであり;及び、
n1は、1〜16である]
に相当する。
【0096】
成分による好ましいさらなるトリアジン誘導体は、式
【化31】

【0097】
[式中、
R27及びR28は、互いに独立して、C3-C18アルキル;又は、-CH2-CH(-OH)-CH2-O-T1であり;
R30は、C1-C10アルキル又は式
【化32】

【0098】
で表される基又は式
【化33】

【0099】
で表される基であり;
R30は、水素;M;C1-C5アルキル;-NH-C1-C5アルキル、好ましくは、-NH-tert-アルキル;又は、式-(CH2)m-O-T2で表される基であり;
T1及びT2は、互いに独立して、水素;又は、C1-C5アルキルであり;及び、
mは、1〜4である]
で表される化合物である。
【0100】
最も重要なのは、式(5e)及び式(5f)[式中、R27及びR28は、互いに独立して、C3-C18アルキル又は-CH2-CH(-OH)-CH2-O-T1であり;R29は、C1-C10アルキルである]で表される化合物、及び、式(5g)及び式(5h)[式中、R27及びR28は、互いに独立して、C3-C18アルキル又は-CH2-CH(-OH)-CH2-O-T1であり;及び、T1は、水素又はC1-C5アルキルである]で表される化合物である。
【0101】
この場合、式中のR27及びR28が同じ意味を有する式(5e)〜式(5h)のトリアジン化合物が極めて特に好ましい。
【0102】
さらに、興味深いトリアジン類は、式
【化34】

【0103】
[式中、
R31は、C1-C30アルキル;C2-C30アルケニル;置換されていないか又はC1-C5アルキルでモノ置換若しくはポリ置換されているC5-C12シクロアルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C12アルキル;アミノ-C1-C12アルキル;C1-C5モノアルキルアミノ-C1-C12アルキル;C1-C5ジアルキルアミノ-C1-C12アルキル;式
【化35】

【0104】
で表される基であり;
R32、R33及びR34は、互いに独立して、水素;ヒドロキシル;C1-C30アルキル;又は、C2-C30アルケニルであり;
R35は、水素;又は、C1-C5アルキルであり;
m1は、0〜1であり;及び、
n1は、1〜5である]
に相当する。
【0105】
好ましい化合物は、式
【化36】

【0106】
[式中、R36は、
【化37】

【0107】
である]
に相当する。
【0108】
成分(a)による好ましいさらなるトリアジン誘導体は、式
【化38】


【0109】
のうちの1つで表される化合物、並びに、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン及び2,4-ビス(ジイソブチル-4-アミノベンザルマロネート)-6-(4'-アミノベンジリデンカンファー)-s-トリアジンである。
【0110】
式(1)で表される特に好ましい化合物は、式:
【化39】

【0111】
[式中、
R37、R38及びR39は、互いから独立して、水素;アルカリ金属;又は、アンモニウム基N+(R40)4であり;
R40は、水素;又は、有機基;C1-C3アルキル;又は、ポリオキシエチレン基(ここで、該ポリオキシエチレン基は、1〜10のエチレンオキシド単位を有しており、その末端OH基は、C1-C3アルコールでエーテル化されていてもよい)である]
で表される化合物である。
【0112】
式(28)で表される化合物に関し、R37、R38及びR39がアルカリ金属である場合、それは、好ましくはカリウムであるか、又は、特にナトリウムであり;R37、R38及びR39が基N(R40)4である場合(ここで、R30は先の意味を有している)、それは、好ましくは、モノ-、ジ-又はトリ-C1-C4アルキルアンモニウム塩、モノ-、ジ-又はトリ-C2-C4アルカノールアンモニウム塩又はそのC1-C3アルキルエステルであり;R40がC1-C3アルキル基である場合、それは、好ましくは、C1-C2アルキル基、さらに好ましくは、メチル基であり;及び、R30がポリオキシエチレン基である場合、これは、好ましくは、2〜6のエチレンオキシド単位を含んでいる。
【0113】
ベンゾトリアゾール微粉化有機紫外線吸収剤のうちの好ましい1つの類は、式
【化40】

【0114】
[式中、
T1は、C1-C3アルキル、又は、好ましくは、水素;又は、式
【化41】

【0115】
で表される基であり;及び、
T2及びT3は、互いから独立して、C1-C12アルキル、好ましくは、i-オクチル;又は、フェニルで置換されているC1-C4アルキル、好ましくは、α,α-ジメチルベンジルである]
で表されるものである。
【0116】
ベンゾトリアゾール微粉化有機紫外線吸収剤のうちの好ましいさらなる類は、式
【化42】

【0117】
[式中、T2は、先の意味を有する]
に相当する。
【0118】
ベンゾトリアゾール微粉化有機紫外線吸収剤のうちの好ましいさらなる類は、式
【化43】

【0119】
[式中、T2は、水素;C1-C12アルキル、好ましくは、イソ-オクチル、又は、フェニルで置換されているC1-C4アルキル、好ましくは、α,α-ジメチルベンジルである]
に相当する。
【0120】
ビニル基含有アミド微粉化有機紫外線吸収剤の好ましい類は、式:
(32) R41-(Y)m-CO-C(R42)=C(R43)-N(R44)(R45)
[式中、
R41は、C1-C3アルキル、好ましくは、C1-C2アルキル、又は、フェニル(ここで、該フェニルは、OH、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ又はCO-OR46から選択される1、2又は3の置換基で場合により置換されていてもよい)であり;
R46は、C1-C3アルキルであり;
R42、R43、R44及びR45は、同一であるか又は異なっていて、それぞれ、C1-C3アルキル、好ましくは、C1-C2アルキル;又は、水素であり;
Yは、-NH-;又は、-O-であり;及び、
mは、0;又は、1である]
に相当する。
【0121】
式(32)で表される好ましい化合物は、4-メチル-3-ペンテン-2-オン、エチル-3-メチルアミノ-2-ブテノエート、3-メチルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オン及び3-メチルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オンである。
【0122】
ケイ皮酸アミド微粉化有機紫外線吸収剤の好ましい類は、式
【化44】

【0123】
[式中、
R47は、ヒドロキシ、又は、C1-C4アルコキシ、好ましくは、メトキシ若しくはエトキシであり;
R48は、水素、又は、C1-C4アルキル、好ましくは、メチル若しくはエチルであり;及び、
R49は、-(CONH)m-フェニル(ここで、mは0又は1であり、該フェニル基は、OH、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ又はCO-OR50から選択される1、2又は3の置換基で場合により置換されていてもよい)であり;
R50は、C1-C4アルキルである]
に相当する。
【0124】
スルホン化ベンゾイミダゾール微粉化有機紫外線吸収剤のうちの好ましい類は、式
【化45】

【0125】
[式中、Mは、水素;又は、アルカリ金属、好ましくは、ナトリウム、アルカリ土類金属、例えば、マグネシウム若しくはカルシウム、又は、亜鉛である]
に相当する。
【0126】
本発明に関して使用される、微粉化された又は微粉化可能な紫外線吸収剤の好ましいさらなる類は、以下のものである:
・ p-アミノ安息香酸誘導体、典型的には、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート;
・ サリチル酸誘導体、典型的には、サリチル酸2-エチルヘキシル;ホモサレート;及び、サリチル酸イソプロピル;
・ ベンゾフェノン誘導体、典型的には、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
・ ジベンゾイルメタン誘導体、典型的には、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;
・ ジフェニルアクリレート類、典型的には、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、及び、3-(ベンゾフラニル)-2-シアノアクリレート;
・ 3-イミダゾール-4-イル-アクリル酸、及び、3-イミダゾール-4-イル-アクリレート;
・ ベンゾフラン誘導体、好ましくは、EP-A-582189、US-A-5338539、US-A-5518713及びEP-A-613893に開示されている2-(p-アミノフェニル)ベンゾフラン誘導体;
・ 高分子紫外線吸収剤、例えば、とりわけ、EPA-709 080に記載されているベンジリデンマロネート誘導体;
・ ケイ皮酸誘導体、典型的には、2-エチルヘキシル-4-メトキシシンナメート若しくはイソアミレート、又は、とりわけUS-A-5601811及びWO 97/00851に開示されているケイ皮酸誘導体;
・ カンファー誘導体、典型的には、3-(4'-メチル)ベンジリデンボルナン-2-オン、3-ベンジリデン-ボルナン-2-オン、N-[2(及び 4)-2-オキシボルン-3-イリデンメチル)ベンジル]アクリルアミドポリマー、3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルスルフェート、3,3'-(1,4-フェニレンジメチン)-ビス(7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ-[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸)及びその塩、3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及びその塩;
・ 2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩;及び、
・ メンチル-o-アミノベンゾエート。
【0127】
微粉化有機紫外線吸収剤、成分(a)、は、好ましくは、GB-A-2303549に記載されている方法によって、即ち、粉砕装置内において、微粉化有機紫外線吸収剤に基づいて1〜50重量%(好ましくは、5〜40重量%)のアルキルポリグリコシド(ここで、該アルキルポリグリコシドは、式CnH2n+1O(C6H10O5)xHで表され、その際、nは8〜16の範囲の整数であり、xは当該グルコシド部分(C6H10O5)の平均重合度であって、1.4〜1.6の範囲内である)又はそのエステルの存在下に、粗粒形態にある対応する有機紫外線吸収剤を粉砕することを含む方法によって、製造する。
【0128】
微粉化紫外線吸収剤を調製するためには、微粒子を調製するのに適している任意の既知方法、例えば、湿式粉砕、湿式混練、適切な溶媒からの噴霧乾燥、RESSプロセス(超臨界溶液の急速膨張(Rapid Expansion of Supercritical Solutions))に従う膨張、超臨界液体を含んでいる適切な溶媒からの再沈澱(GASRプロセス=ガスアンチソルベント再結晶(Gas Anti-Solvent Recrystallization)/PCAプロセス=圧縮アンチソルベントを用いる沈澱(Precipitation with Compressed Anti-solvents))を使用することができる。
【0129】
このようにして得られた成分(a)の微粉化紫外線吸収剤は、通常、0.02〜2マイクロメートルの平均粒径、好ましくは、0.03〜1.5マイクロメートルの平均粒径、さらに特に、0.05〜1.0マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0130】
成分(a)による上記微粉化紫外線吸収剤は、粉末形態にある乾燥物質としても使用することができる。
【0131】
本発明による日焼け止め組成物には、追加的に、表1及び表2に挙げてある1種類又は2種類以上のさらなる非微粉化紫外線フィルター又は紫外線吸収剤も含ませることができる。
【0132】
下記表1及び表2中に記載されている非微粉化紫外線吸収剤は、本発明の日焼け止め組成物に0.01〜25重量%の量で添加することができる。これら紫外線吸収剤のうちの1種類以上を用いて、とりわけ、本発明の日焼け止め組成物の紫外線吸収を増強させること又は溶解度を改善することが可能である。
【表1】


【表2】



【0133】
成分(a)の紫外線遮断薬は、該日焼け止め組成物中に、組成物全体の重量に基づいて約0.01重量%〜約50重量%の量で存在している。さらに、成分(a)の紫外線遮断薬は、該日焼け止め組成物中に、組成物全体の重量に基づいて約0.1重量%〜約30重量%の量で存在している。典型的には、成分(a)の紫外線遮断薬は、該日焼け止め組成物中に、組成物全体の重量に基づいて約1重量%〜約20重量%の量で存在している。典型的には、成分(a)の紫外線遮断薬は、該日焼け止め組成物中に、組成物全体の重量に基づいて約1重量%〜約5重量%の量で存在している。
【0134】
典型的には、日焼け止め製剤は、以下のものを含んでいる:数種類のUVA日焼け止め剤活性物質、UVB日焼け止め剤活性物質又は広域スペクトル日焼け止め剤活性物質の組成物:油溶性又は水溶性である有機物質、無機粒子又は有機粒子。
【0135】
用語「有効量」は、例えば、所望の効果を達成するのに必要な量を意味する。
【0136】
本発明による式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、少なくとも2種類の異なったモノマーから誘導することができる。本発明の別の態様では、成分(b)の選択されたコポリマーは、少なくとも3種類の異なったモノマーから誘導することができる。本発明の別の態様では、成分(b)の選択されたコポリマーは、少なくとも4種類の異なったモノマーから誘導することができる。
【0137】
さらに、本発明による式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、1種類のモノマーから誘導することができる。例えば、Aはホモポリマーであって、基「-O-G」をAの上にグラフト又は反応させ、それによって、式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーを生成させる。
【0138】
式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、日焼け止め製剤又はパーソナルケア組成物の中で別のポリマー又はコポリマー(例えば、US 6,409,998及び/又はUS 2006/0104923の中に記載されているポリマー)と一緒に用いることができる。
【0139】
式(I)で表されるポリマーAは、アニオン性水溶性モノマー、非イオン性水溶性モノマー、カチオン性水溶性モノマー及び水不溶性モノマーからなる群から選択されるモノマーから誘導することができる。
【0140】
例えば、式(I)で表されるポリマーAのアニオン性水溶性モノマーは、エチレン性不飽和を含んでいるカルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びビニルホスホン酸などのモノマーから選択することができる。
【0141】
式(I)で表されるポリマーAの非イオン性水溶性モノマーは、例えば、アクリルアミド類、N-(C1-6アルキル化)アクリルアミド類及びN,N-ジ(C1-3アルキル化)アクリルアミド類、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、4〜9個の炭素原子を含んでいる環状基から選択される少なくとも1の環状基を含んでいるN-ビニルラクタム類、ビニルアルコール(酢酸ビニルの形態で共重合された後、加水分解されたもの)、エチレンオキシド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレートなどから選択することができる。
【0142】
式(I)で表されるポリマーAのカチオン性水溶性モノマーは、例えば、以下のものから選択することができる:ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、メチルビニルイミダゾリウムクロリド、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、2-メチル-N-ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、2-メチル-5-ビニルピリジン、N-(C1-4アルキル)-4-ビニルピリジニウムハライド、例えば、N-メチル-4-ビニルピリジニウムヨージド、ビニルアミン、並びに、以下の式で表されるモノマー:H2C=CR1-CO-X2 式中:R1は、水素原子及びメチル基から選択され;X2は、以下のものから選択される:第1級、第2級及び第3級アミン官能基から選択される少なくとも1の構成要素を有している直鎖及び分枝鎖のC1-6炭化水素(hydrocarbonaceous)基;第4級窒素原子;式NHR2で表される基;及び、式NR2R3で表される基(ここで、R2及びR3は、同一であっても又は異なっていてもよく、それぞれ、第1級、第2級及び第3級アミン官能基から選択される少なくとも1の構成要素を有している直鎖及び分枝鎖のC1-6炭化水素基並びに第4級窒素原子から選択される)。
【0143】
式(I)で表されるポリマーAのカチオン性水溶性モノマーは、例えば、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、2-(1-ピロリジル)-エチルアミン、2-(1-ピペリジル)-エチルアミン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピペリジン、1-(2-アミノプロピル)-ピペリジン、N-(2-ヒドロキシエチル)-ヘキサメチレンイミン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、2-(4-モルホリニル)-エチルアミン、4-(3-アミノプロピル)-モルホリン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン、1-(2-アミノエチル)-ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-アルキルイミダゾリン、1-(3-アミノプロピル)-イミダゾール、(2-アミノエチル)-ピリジン、(2-ヒドロキシエチル)-ピリジン、(3-ヒドロキシプロピル)-ピリジン、(ヒドロキシメチル)-ピリジン、N-メチル-2-ヒドロキシ-メチル-ピペリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-イミダゾール、2-アミノ-6-メトキシベンゾチアゾール、4-アミノメチル-ピリジン、4-アミノ-2-メトキシピリミジン、2-メルカプトピリミジン、2-メルカプト-ベンゾイミダゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、2-イソプロピル-イミダゾール、2-エチル-イミダゾール、4-メチル-イミダゾール、2-メチル-イミダゾール、2-エチル-4-メチル-イミダゾール、2-フェニル-イミダゾール及び4-ニトロ-イミダゾールなどから選択することができる。
【0144】
式(I)で表されるポリマーAの水不溶性モノマーは、例えば、以下のものから選択することができる:ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン及びそのアルキル化誘導体、例えば、4-ブチルスチレン、α-メチルスチレン及びビニルトルエン;ジエン類、例えば、ブタジエン及び1,3-ヘキサジエン;ジエン類のアルキル化誘導体、例えば、イソプレン及びジメチルブタジエン;クロロプレン;C1-10アルキル、C6-10アリール及びC7-20アラルキルのアクリレート類;C1-10アルキル、C6-10アリール及びC7-20アラルキルのメタクリレート類、例えば、メチル、エチル、n-ブチル、2-エチルヘキシル、tert-ブチル、イソボルニル、フェニル及びベンジルの(メタ)アクリレート;酢酸ビニル;式CH2=CH-O-Rで表されるビニルエーテル類及び式CH2=CH-CH2-O-Rで表されるアリルエーテル類(ここで、RはC1-6アルキル基から選択される);アクリロニトリル;塩化ビニル;塩化ビニリデン;カプロラクトン;エチレン、プロピレン及びフッ素化ビニルモノマー;並びに、少なくとも1のペルフッ素化鎖を含んでいるビニルモノマー、例えば、フルオロアルキルのアクリレート類及びメタクリレート類、及び、アルキルα-フルオロアクリレート類。
【0145】
式(I)で表されるポリマーAの水不溶性モノマーは、スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアミノプロピル-メタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート及びEO-PO-モノメタクリレートからなる群から選択される。
【0146】
本発明による式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、多官能性モノマーによって架橋されていてもよい。そのような多官能性モノマーは、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレンジビニルキシレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール 200 ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール 600 ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)及びそれらの混合物からなる群から選択される。架橋性モノマーの量は、当該コポリマーの総重量に基づいて、約0重量%〜約20重量%であり得る。架橋性モノマーの量は、当該コポリマーの総重量に基づいて、約0.01重量%〜約10重量%であり得る。架橋性モノマーの量は、当該コポリマーの総重量に基づいて、約0.01重量%〜約5重量%であり得る。
【0147】
本発明の別の実施形態は、zが当該コポリマーの約0.001%〜約80重量%であり且つxが当該コポリマーの約20%〜約99.999重量%である式(I)のコポリマーである。本発明の別の実施形態は、zが当該コポリマーの約0.001%〜約40重量%であり且つxが当該コポリマーの約60%〜約99.999重量%である式(I)のコポリマーである。本発明の別の実施形態は、zが当該コポリマーの約0.001%〜約20重量%であり且つxが当該コポリマーの約80%〜約99.999重量%である式(I)のコポリマーである。本発明の別の実施形態は、zが当該コポリマーの約0.001%〜約10重量%であり且つxが当該コポリマーの約90%〜約99.999重量%である式(I)のコポリマーである。
【0148】
本発明の別の実施形態は、zが当該コポリマーの約0.001%〜約5重量%であり且つxが当該コポリマーの約95%〜約99.999重量%である式(I)のコポリマーである。
【0149】
式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーの重量平均分子量は、約500ダルトン〜約1,000,000ダルトンの重量平均分子量を示す。本発明の別の態様では、式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーの重量平均分子量は、約500ダルトン〜約500,000ダルトンの重量平均分子量を示す。本発明のさらに別の態様では、式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーの重量平均分子量は、約500ダルトン〜約100,000ダルトンの重量平均分子量を示す。本発明のさらに別の態様では、式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーの重量平均分子量は、約1000ダルトン〜約75,000ダルトンの重量平均分子量を示す。
【0150】
式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、該日焼け止め組成物中に、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.01重量%〜約50重量%の量で存在している。本発明の別の態様では、式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、該日焼け止め組成物中に、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%〜約25重量%の量で存在している。本発明のさらに別の態様では、式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーは、該日焼け止め組成物中に、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在している。
【0151】
本発明の別の実施形態は、残留モノマーを250ppm未満しか含んでいない式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーである。本発明の別の実施形態は、残留モノマーを200ppm未満しか含んでいない式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーである。本発明の別の実施形態は、残留モノマーを100ppm未満しか含んでいない式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーである。本発明の別の実施形態は、残留モノマーを50ppm未満しか含んでいない式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーである。本発明の別の実施形態は、残留モノマーを5ppm未満しか含んでいない式(I)で表される成分(b)の選択されたコポリマーである。
【0152】
本発明の選択されたコポリマーは、水分散性であり、本発明の組成物の水相又は油相の全体にわたって分配され得る。
【0153】
成分(b)の選択されたコポリマーは、慣習的な方法で、例えば、塊状重合又は溶液重合によって、調製することができる。重合の制御性及び最終生成物の粘度を考慮して、溶媒中での重合が好ましい。適切な溶媒は、DMSO、THF、DMF、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、N-ブタノール、イソブタノール、イソプロパノール、MEK、MIBK、アセトンなどである。
【0154】
上記モノマーは、好ましくは、場合により酸化還元系の存在下で、過酸化物を添加することによりラジカル反応を用いて重合させる。
【0155】
成分(b)の選択されたコポリマーの重合時間は、温度と最終生成物の所望の特性に依存するが、好ましくは、約50℃〜約190℃の温度において0.5〜10時間の範囲内である。該重合は、連続的に、不連続的に又は半連続的に実施することができる。モノマーがランダムに分布しているポリマー鎖を得ることが好ましい場合には、反応混合物に好ましくは当該モノマーを全て一緒に加える。これは、一度に実施し得るか又は経時的に実施し得る。
【0156】
モノマーの既知反応性に基づいて、当業者は、所望の分布が得られるように重合を制御することができる。
【0157】
本発明による日焼け止め組成物には、褐色化(tanning)のための作用剤及び/又は皮膚の人工的褐色化(artificial tanning)のための作用剤(セルフタンニング剤)、例えば、ジヒドロキシアセトン(DHA)なども含有させることができる。
【0158】
本発明による日焼け止め組成物には、皮膚のライトニング(lightening)又はブライトニング(brightening)のための作用剤、例えば、コウジ酸、アルブチンなども含有させることができる。
【0159】
本発明の組成物には、さらに、脂肪性物質、有機溶媒、増粘剤、緩和薬、乳白剤、着色剤、効果顔料(effect pigments)、安定剤、皮膚軟化薬、消泡剤、保湿剤、酸化防止剤、ビタミン、ペプチド、アミノ酸、植物抽出物、微粒子、香料、保存料、ポリマー、充填剤、金属イオン封鎖剤、噴射剤、アルカリ化剤若しくは酸性化剤又は化粧品中に(特に、抗太陽/日焼け止め組成物を製造するために)慣習的に配合される任意の別の成分の中から特に選択される化粧品的に許容される成分及びアジュバントも含有させることができる。
【0160】
脂肪性物質は、油又は蝋又はそれらの混合物であることができる。脂肪性物質には、さらに、脂肪酸、脂肪アルコール及び脂肪酸のエステルも包含される。油は、動物油、植物油、鉱油又は合成油の中から、特に、流動パラフィン、パラフィン油、シリコーン油、揮発性又は不揮発性、イソパラフィン、ポリオレフィン、フッ素化油又はペルフッ素化油の中から選択することができる。同様に、蝋は、動物蝋、鉱蝋(fossil wax)、植物蝋、鉱蝋(mineral wax)又は合成蝋であることができ、これらも、それ自体知られている。
【0161】
代表的な有機溶媒としては、低級アルコール類及びポリオール類などがある。
【0162】
もちろん、当業者は、この又はこれらの場合による付加的な化合物及び/又はそれらの量について、有利な特性(特に、本発明による日焼け止め組成物に内因的に関連している耐水性、安定性)が意図された付加物によって変えられない又は実質的には変えられないように、注意深く選択する。
【0163】
本発明の日焼け止め組成物は、当技術分野でよく知られている方法に従って、特に、水中油型エマルション又は油中水型エマルションの調製に適している方法に従って、製剤することができる。
【0164】
本発明の日焼け止め組成物は、特に、単純なエマルションの形態又は複合的な(O/W、W/O、O/W/O、又は、W/O/W)エマルションの形態、例えば、クリームの形態、乳液の形態、ジェルの形態若しくはジェルクリームの形態、粉末の形態、ローションの形態、軟膏の形態、中実棒(solid stick)の形態で提供することができ、また、場合により、エーロゾルとして容器に入れて、フォームの形態、ムースの形態又はスプレーの形態で提供することができる。
【0165】
エマルションを提供する場合、その水相には、既知方法(「Bangham, Standish and Watkins, J. Mol. Biol., 13, 238 (1965)」、FR-2,315,991及びFR-2,416,008)に従って調製された非イオン性気泡分散液(vesicular dispersion)を含ませることができる。
【0166】
本発明による日焼け止め組成物は、ヒトの表皮又は毛髪を紫外線の有害な効果に対して保護するために、抗太陽光組成物又はメイクアップ製品として製剤することができる。
【0167】
本発明による日焼け止め組成物を、ヒトの表皮を紫外線に対して保護するために又は抗太陽光/日焼け止め組成物として製剤する場合、それは、溶媒若しくは脂肪性物質中の懸濁液若しくは分散液の形態、非イオン性気泡分散液の形態、又は、エマルションの形態、好ましくは、水中油型エマルションの形態、例えば、クリーム若しくは乳液の形態、軟膏、ジェル、ジェルクリーム、中実棒状、粉末、スティック、エーロゾルフォーム又はスプレーの形態で提供することができる。
【0168】
本発明による日焼け止め組成物を、毛髪を紫外線に対して保護するために製剤する場合、それは、シャンプー、ボディーウオッシュ、ローション、ジェル、アルコール基づく系、エマルション、非イオン性気泡分散液の形態で提供することができ、そして、例えば、シャンプーの前若しくは後、染色若しくは脱色の前若しくは後、パーマネントウェーブ若しくはくせ毛矯正(hair straightening)の前、最中若しくは後に適用されるリンスオフ組成物、ヘアスタイリング若しくはヘアトリートメント用のローション若しくはジェル、ブロードライング若しくはヘアセッティング用のローション若しくはジェル、毛髪のパーマネントウェーブ若しくはくせ毛矯正、染色若しくは脱色用の組成物などを構成することができる。
【0169】
本発明の組成物を睫毛、眉毛又は皮膚のためのメイクアップ製品、例えば、表皮用のトリートメントクリーム、ファンデーション、口紅、アイシャドウ、ほお紅、マスカラ又はアイライナーなどとして製剤する場合、これは、固体形態、又は、ペースト状の無水若しくは水性の形態、例えば、水中油型若しくは油中水型のエマルション、非イオン性気泡分散液又は懸濁液として提供することができる。
【0170】
例えば、水中油型エマルションのタイプの担体、ビヒクル又は希釈剤を有している本発明の抗太陽光製剤の場合、その水相(これは、特に、親水性の遮断薬を含んでいる)は、一般に、該製剤の総重量に対して、50重量%〜95重量%、好ましくは、70%重量〜90重量%を構成し、油相(これは、特に、親油性の遮断薬を含んでいる)は、該製剤の総重量に対して、5重量%〜50重量%、好ましくは、10重量%〜30重量%を構成し、(共)乳化剤が、同様に該製剤の総重量に対して、0.5重量%〜20重量%、好ましくは、2重量%〜10重量%を構成する。
【0171】
上記で示したように、本発明は、かくして、皮膚及び/又は毛髪を紫外線(特に、日射)に対して保護するための化粧品組成物を製造するために当該エマルションを製剤することを特徴とする。
【0172】
本発明の日焼け止め組成物には、さらに、香料も含ませることができる。本明細書において使用される用語「香料(perfume)」又は「香料(fragrance)」は、織物に心地良い香りを提供することが可能な芳香性物質を意味し、化粧品組成物中の悪臭を中和するため及び/又は化粧品組成物に心地良い香りを提供するために化粧品組成物中で一般に使用される慣習的な物質を包含する。香料は、好ましくは、周囲温度で液体状態にあるが、固形の香料(特に、制御放出のためのシクロデキストリン/香料含有複合体)も有用である。液体又は固形のパーソナルケア組成物又は化粧品組成物に心地良い香りを付与するために慣習的に使用されているアルデヒド類、ケトン類及びエステル類などの物質は、本発明において使用することが意図されている香料に包含される。天然に存在している植物油及び動物油も、香料の成分として一般に使用される。従って、本発明にとって有用な香料は、比較的単純な組成を有し得るか、又は、天然及び合成の化学的成分(ここで、これらは全て、織物に適用されたときに心地良い匂い又は香りを提供することが意図されているものである)の複合的な混合物を含み得る。パーソナルケア組成物又は化粧品組成物中で使用される香料は、一般に、匂い、安定性、価格及び商業的入手性についての標準的な要件を満たすように選択される。用語「香料(fragrance)」は、本明細書中においては、多くの場合、香料(perfume)によって付与される芳香を意味するよりは、むしろ、そのような香料(perfume)自体を意味するために使用される。
【0173】
本発明は、日焼け止め組成物の日焼け防止指数を増大させる方法に関し、ここで、該方法は、当該組成物に有効量の式(I)で表される少なくとも1種類の選択されたコポリマーを組み入れることを含む:
(a) 少なくとも1種類の紫外線遮断薬;
(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー〔ここで、該コポリマーは、
【化46】

【0174】
[ここで、
x及びzは、各繰り返し単位又は誘導されたモノマーが当該コポリマー中に含まれている重量パーセントを表し;
xとzの合計は、当該コポリマーの総重量に対して100重量パーセントであり;
x及びzは、繰り返し単位を示しており;
zは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
xは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
Aは、ポリマーであり;
Gは、酸素連結基を介してポリマーAに共有結合しており;
Oは、酸素原子であり;
Gは、
【化47】

【0175】
であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C6アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C12シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか、又は、シアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基、式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり;その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化48】

【0176】
であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル若しくはC6-C10アリールであるか、又は、R201とR202及び/若しくはR203とR204は、連結炭素原子と一緒に、C3-C12シクロアルキル基を形成し;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は、
Gは、
【化49】

【0177】
であるか、若しくは、Gは、
【化50】

【0178】
であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
Xは、上記で定義されているとおりであり;
kは、1、2、3又は4であり;
Yは、O若しくはNR302であるか、又は、kが1であり且つR301がアルキル若しくはアリールを表す場合、Yはさらに直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;フェニル、C7-C9フェニルアルキル若しくはナフチル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル、若しくは、3〜5個の炭素原子を有するα, -不飽和カルボン酸若しくは7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸のアシル部分;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+はH+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)であり;
kが2である場合、
R301は、C1-C18アルキレン、C3-C18アルケニレン若しくはC3-C18アルキニレン(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);又は、キシレンであり;又は、
R301は、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のビスアシル基又は8〜14個の炭素原子を有する脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸のビスアシル基であり;
kが3である場合、
R301は、脂肪族トリカルボン酸、脂環式トリカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸の三価の基であり;
及び、
kが4である場合、
R301は、脂肪族テトラカルボン酸、脂環式テトラカルボン酸又は芳香族テトラカルボン酸の四価の基である]
を含んでいる〕;
及び、場合により、
(c) 化粧品的に許容される別の成分。
【0179】
本発明は、紫外線の有害な効果からの哺乳動物の毛髪及び/又は皮膚の改善された紫外線防護方法に関し、ここで、該方法は、当該皮膚及び/又は当該毛髪に、
(a) 少なくとも1種類の紫外線遮断薬;
(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー〔ここで、該コポリマーは、
【化51】

【0180】
[ここで、
x及びzは、各繰り返し単位又は誘導されたモノマーが当該コポリマー中に含まれている重量パーセントを表し;
xとzの合計は、当該コポリマーの総重量に対して100重量パーセントであり;
x及びzは、繰り返し単位を示しており;
zは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
xは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
Aは、ポリマーであり;
Gは、酸素連結基を介してポリマーAに共有結合しており;
Oは、酸素原子であり;
Gは、
【化52】

【0181】
であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C6アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C12シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか、又は、シアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基、式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり;その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化53】

【0182】
であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル若しくはC6-C10アリールであるか、又は、R201とR202及び/若しくはR203とR204は、連結炭素原子と一緒に、C3-C12シクロアルキル基を形成し;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は、
Gは、
【化54】

【0183】
であるか、若しくは、Gは、
【化55】

【0184】
であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
Xは、上記で定義されているとおりであり;
kは、1、2、3又は4であり;
Yは、O若しくはNR302であるか、又は、kが1であり且つR301がアルキル若しくはアリールを表す場合、Yはさらに直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;フェニル、C7-C9フェニルアルキル若しくはナフチル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル、若しくは、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸若しくは7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸のアシル部分;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+はH+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)であり;
kが2である場合、
R301は、C1-C18アルキレン、C3-C18アルケニレン若しくはC3-C18アルキニレン(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);又は、キシレンであり;又は、
R301は、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のビスアシル基又は8〜14個の炭素原子を有する脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸のビスアシル基であり;
kが3である場合、
R301は、脂肪族トリカルボン酸、脂環式トリカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸の三価の基であり;
及び、
kが4である場合、
R301は、脂肪族テトラカルボン酸、脂環式テトラカルボン酸又は芳香族テトラカルボン酸の四価の基である]
を含んでいる〕;
及び、場合により、
(c) 化粧品的に許容される別の成分;
を含んでいる有効量の日焼け止め組成物を適用することを含む。
【0185】
本発明は、式(I)で表される選択されたコポリマーを含んでいる化粧品組成物又は皮膚科学的組成物に関する:
(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー〔ここで、該コポリマーは、
【化56】

【0186】
[ここで、
x及びzは、各繰り返し単位又は誘導されたモノマーが当該コポリマー中に含まれている重量パーセントを表し;
xとzの合計は、当該コポリマーの総重量に対して100重量パーセントであり;
x及びzは、繰り返し単位を示しており;
zは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
xは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
Aは、ポリマーであり;
Gは、酸素連結基を介してポリマーAに共有結合しており;
Oは、酸素原子であり;
Gは、
【化57】

【0187】
であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C6アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C12シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、
**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか、又は、シアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基、式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり;その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化58】

【0188】
であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル若しくはC6-C10アリールであるか、又は、R201とR202及び/若しくはR203とR204は、連結炭素原子と一緒に、C3-C12シクロアルキル基を形成し;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は、
Gは、
【化59】

【0189】
であるか、若しくは、Gは、
【化60】

【0190】
であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
Xは、上記で定義されているとおりであり;
kは、1、2、3又は4であり;
Yは、O若しくはNR302であるか、又は、kが1であり且つR301がアルキル若しくはアリールを表す場合、Yはさらに直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;フェニル、C7-C9フェニルアルキル若しくはナフチル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル、若しくは、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸若しくは7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸のアシル部分;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+はH+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)であり;
kが2である場合、
R301は、C1-C18アルキレン、C3-C18アルケニレン若しくはC3-C18アルキニレン(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);又は、キシレンであり;又は、
R301は、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のビスアシル基又は8〜14個の炭素原子を有する脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸のビスアシル基であり;
kが3である場合、
R301は、脂肪族トリカルボン酸、脂環式トリカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸の三価の基であり;
及び、
kが4である場合、
R301は、脂肪族テトラカルボン酸、脂環式テトラカルボン酸又は芳香族テトラカルボン酸の四価の基である]
を含んでいる〕;
及び、場合により、
(c) 化粧品的に許容される別の成分。
【実施例】
【0191】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態について記述するが、本発明は、それらに限定されるものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書中の開示内容に従って、開示されている実施形態に対して多くの変更を加えることができるということは理解されるべきである。従って、これらの実施例は、本発明の範囲を限定することは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、添付されている「特許請求の範囲」及びそれらの等価物によってのみ決定されるものである。これらの実施例において、記載されている全ての「部」は、特に別途示されていない限り、重量基準である。
【0192】
下記実施例によって、本発明について例証する。
【0193】
使用する材料及びそれらの略号
モノマー:ブチルアクリレート(BA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、4-ビニル-ピリジン(4-VP)。
【0194】
改質剤:シクロヘキシル酸無水物(CHAA)、コハク酸無水物(SAA)、メトキシ-ポリ-エチレングリコール(MPEG 550-OH)、HCl、NaOH。
【0195】
溶媒:メトキシプロピルアセテート(MPA)、キシレン、メトキシプロパノール(MP)、ポリスチレン(PS)、テトラヒドロフラン(THF)、ポリエチレンオキシド(POE/PEG)。
【0196】
ATRPプロセス:開始剤は、2-ブロモエチルプロピオネート(MBP)であり、触媒は、CuBr/CuBr2であり、リガンドは、N,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチルトリアミン(PMDETA)である。
【0197】
NOR開始剤/調節剤は、化合物(O1)
【化61】

【0198】
であり、これは、GB 2335190に準じて調製する。
【0199】
他の全ての材料は、市販されており、受領したままの状態で使用する。
【0200】
本発明のコポリマーを合成するために使用される溶媒の一部は、ヒトの生理学的状態に適さない可能性がある。合成の完了後、直ぐに、そのような溶媒は、除去することが可能であるか、及び/又は、化粧品的にさらに許容される溶媒で置き換えることができる。
【0201】
実施例1: 線状ポリマー ポリ(BA)の合成
【化62】

【0202】
磁気撹拌棒、冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた1000mL容三つ口丸底フラスコの中に、150.10gのn-ブチルアクリレート(n-BA、128.17g/mol)、8.55gの化合物(O1)(317.48g/mol)及び122.13gのMPAを添加し、N2/真空を用いて3回脱ガスし、N2下、135℃で、約8mol%が変換されるまで重合させる。その反応物に、滴下漏斗を用いて338.89gのn-BAをゆっくりと添加し、N2下、135℃で、約48mol%が変換されるまで重合させる。残ったモノマー及び溶媒は、80℃、12mbarで留去する。
【0203】
収率 47%、GPC(THF、PS-標準、Mn=7800g/mol、PD=1.27)、液体。
【0204】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は75である。
【0205】
実施例2: 線状ブロックコポリマー ポリ(n-BA-b-4VP)の合成
【化63】

【0206】
磁気撹拌棒、冷却器、温度計を備えた500mL容三つ口丸底フラスコの中に、実施例1のポリ(n-BA)214.18g、70.90gの4-ビニルピリジン(4-VP、105.14g/mol)及び79.70gのMPAを添加し、N2/真空を用いて3回脱ガスし、N2下、125℃で、8時間重合させる。残ったモノマー及び溶媒は、80℃、12mbarで留去する。
【0207】
収率 85%、GPC(THF、PS-標準、Mn=8600g/mol、PD=1.24)、液体。
【0208】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(BA-b-4VP)=75-b-14。
【0209】
実施例3: ポリ(n-BA-MPEGA-b-4-VP)
【化64】

【0210】
MPEG-OHを用いるエステル転移反応
磁気撹拌棒、ドライアイスアセトンで冷却する蒸留塔を備えた500mL容フラスコに、107.2gのキシレン中の実施例2のポリ(n-BA-b-4-VP)92.8g及び114.7gのMPEG-OH(Mn=550g/mol)を添加し、キシレンの共沸蒸留によって乾燥させる。1回分0.36gのテトラ(イソプロピル)オルトチタネートを3回、190〜205℃で3時間かけて添加する。形成されたn-ブタノールは、低圧下に留去する。
【0211】
187.7gのポリ(n-BA-MPEGA-b-4-VP)が得られる。Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH価=0.05meq/g。GPC及び1H_NMRによる分析は、MPEG-OHが殆ど定量的に変換されたことを示している。
【0212】
得られたポリマーは、水に良く溶解し、LCST型の溶液の挙動(LCST=下限臨界溶液温度)を示す。即ち、当該ポリマーの溶解度は、温度の上昇に伴って低下する。最終生成物のポリマーの35重量%水溶液は、室温では透明な溶液であるが、70℃を超える高温では混濁する。
【0213】
得られたポリマーは、さらにまた、以下の有機溶媒中でも10重量%の透明な溶液を形成した:酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル、メトキシプロパノール、ブチルグリコール及びキシレン。
【0214】
実施例4: 線状ポリマー ポリ(BA)の合成
撹拌機、冷却器、温度計及びモノマー供給ポンプを備えた6L容反応器の中に、1519gのn-ブチルアクリレート、209gの化合物(O1)を添加し、N2/真空を用いて3回脱ガスし、N2下、115℃に加熱し、ここで、n-ブチルアクリレートの4時間にわたる連続的な供給を開始し、同時に、その反応塊(reaction mass)を135℃までゆっくりと加熱する。モノマーの供給が終了した後、その反応塊を、固形分が55%に達するまでさらに5時間反応させる。その後、未反応のモノマーを減圧蒸留によって除去する。
【0215】
2812gのポリ(n-BA)が液状ポリマーとして得られる。Mn=4554、PDI=1.18。
【0216】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(nBA)=35。
【0217】
実施例5: 線状ブロックコポリマー ポリ(n-BA-b-4VP)の合成
実施例4における反応器と同じ反応器の中に、2674gの実施例4を1133gの4-ビニルピリジンと一緒に入れ、N2下、135℃に加熱し、固形分が91%に達するまで3.5時間反応させる。このポリマーは、未反応の4-ビニルピリジンをそれ以上除去することなく、次のエステル転移反応に使用する。
【0218】
3732gのポリマー P(nBA-b-4VP)が、反応器から単離される。Mn=4779、PDI=1.19。
【0219】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(nBA-b-4VP)=35-b-14。
【0220】
実施例6: ブロックコポリマー ポリ(n-BA-MPEGA-b-4-VP)の合成
MPEG-OHを用いるエステル転移反応
実施例4における反応器と同じ反応器の中に、3730gの実施例5を3503gのMPEG-OH(M=550g/mol)と一緒に入れ、130℃で1時間の真空脱ガスに付して未反応4-ビニルピリジンを除去する。12.0gのLiOMe-溶液(メタノール中の10重量%リチウムメタノレート)をゆっくりと添加し、減圧下に130℃でn-ブタノールを留去することによってエステル転移反応を開始させる。1時間経過する毎に追加の触媒を5回分添加する:2×12.0g及びさらに3×14.5gのLiOMe-溶液。6時間経過した後、計算された量のn-ブタノールを回収することにより、反応を完了させる。
【0221】
6322gの粘性のポリマーが得られる;Mn=8829、PDI=1.36。
【0222】
GPC及び1H_NMRによる分析は、MPEG-OHが殆ど定量的に変換されたことを示している。
【0223】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P[(nBA-MPEGA)-b-4VP]=(23-12)-b-14。
【0224】
OH-数滴定(OH-number titration):0.20meq/g
アミン数滴定(Amine number titration):69mg KOH/g
50重量%固形分水溶液は、67℃のLCSTを示す。
【0225】
水に加えて、ポリマー6は、以下の有機溶媒の中でも10重量%の透明な溶液を与える:酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル、メトキシプロパノール、ブチルグリコール及びキシレン。
【0226】
試験を行うために、ポリマー6を水に溶解させて、透明な50重量%固形分溶液を得る。
【0227】
実施例7: ランダムコポリマー ポリ(n-BA-MPEGA)の合成
実施例4における反応器と同じ反応器の中に、実施例4と同様にして調製した500gのポリ(n-BA)(Mn=8304、PDI=1.21)及び500gのMPEG-OH(M=550g/mol)を入れる。その混合物を128℃に加熱する。次いで、21gのLiOMe触媒溶液(メタノール中10重量%)をゆっくりと添加し、n-ブタノールを減圧下にゆっくりと留去する。21gの触媒溶液を用いて、1時間経過する毎に触媒の添加を5回繰り返す。計算された量のn-ブタノールが留去されるまで、エステル転移反応を合計で6時間実施する。
【0228】
918gのポリマーが得られる;Mn=13305、PDI=1.31。
【0229】
GPC及び1H_NMRによる分析は、MPEG-OHが殆ど定量的に変換されたことを示している。
【0230】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(nBA-MPEGA)=(58-19)。
【0231】
50重量%固形分水溶液は、70℃のLCSTを示す。
【0232】
試験を行うために、ポリマー7を水に溶解させて、透明な50重量%固形分溶液を得る。
【0233】
実施例8: 種々のMPEG-OH(MPEG350、MPEG500、MPEG2000)を含んでいるランダムコポリマー ポリ(n-BA-MPEGA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、65gのP(nBA)(Mn=8386、PD=1.21;実施例4と同様にして調製したもの)、7.5gのMPEG-OH(M=350)、7.5gのMPEG-OH(M=500)及び20gのMPEG-OH(M=2000)を入れる。その混合物を125℃に加熱し、2gのLiOMe触媒溶液(MeOH中10重量%)をゆっくりと添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を130℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが2gの触媒溶液の追加の2回分を、1時間後及びその2時間後に添加する。4時間の総反応時間が経過した後、計算された量のn-ブタノールの留去後、エステル転移反応を終了させる。
【0234】
84gのポリマーが得られる;Mn=10490、PDI=1.61。
【0235】
GPC及び1H-NMRによる分析は、MPEG-OH-混合物が殆ど定量的に変換されたことを示している。
【0236】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(nBA-MPEGA-mix)=(69-7)。
【0237】
実施例9: 種々のMPEG-OH(MPEG350、MPEG500、MPEG5000)を含んでいるランダムコポリマー ポリ(n-BA-MPEGA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、65gのP(nBA)(Mn=8386、PD=1.21;実施例4と同様にして調製したもの)、7.5gのMPEG-OH(M=350)、7.5gのMPEG-OH(M=500)及び20gのMPEG-OH(M=5000)を入れる。その混合物を125℃に加熱し、2gのLiOMe触媒溶液(MeOH中10重量%)をゆっくりと添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を130℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが2gの触媒溶液の追加の2回分を、1時間後及びその2時間後に添加する。4時間の総反応時間が経過した後、計算された量のn-ブタノールの留去後、エステル転移反応を終了させる。
【0238】
83gのポリマーが得られる;Mn=9563、PDI=1.75。
【0239】
GPC及び1H-NMRによる分析は、MPEG-OH-混合物が殆ど定量的に変換されたことを示している。
【0240】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(nBA-MPEGA-mix)=(71-6)。
【0241】
実施例10: 不飽和基を含んでいるランダムコポリマー ポリ(n-BA-MPEGA-OleA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、38gのP(nBA)(Mn=8386、PD=1.21;実施例4と同様にして調製したもの)、35gのMPEG-OH(M=500)及び27gのオレイルアルコール(工業用グレード)を入れる。その混合物を125℃に加熱し、2gのLiOMe触媒溶液(MeOH中10重量%)をゆっくりと添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を135℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが2gの触媒溶液の追加の2回分を、1時間後及びその2時間後に添加する。4時間の総反応時間が経過した後、計算された量のn-ブタノールの留去後、エステル転移反応を終了させる。
【0242】
78gの液状ポリマーが得られる;Mn=13374、PDI=1.87。
【0243】
GPC及び1H-NMRによる分析は、MPEG-OH及び不飽和オレイルアルコールが殆ど定量的に変換されたことを示している。
【0244】
1H-NMRでの分析によれば、重合度は:P(nBA-MPEGA-OleA)=(32-18-26)。
【0245】
実施例11: 非極性ブロックコポリマー ポリ[(n-BA-iC12-15A)-b-4VP]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、ジブロックコポリマー P(nBA-b-4VP)(実施例5と同様にして調製したもの;重合度=76-b-14、Mn=8834、PD=1.27)の60重量% MPA-溶液83.3g及び54.1gの分枝鎖イソ-C12-15-アルコール混合物(Lial 125, Condea)を入れる。その混合物を125℃に加熱した後、減圧下にMPAを蒸留し、次いで、0.28gの触媒溶液(Ti(AcAc)2(iOPr)2 チタン-ビス-アセチルアセトナト-ビス-イソプロピレート、イソプロパノール中75重量%)を添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を145℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが0.28gの触媒溶液の追加の2回分を、1時間後及びその2時間後に添加する。4時間の総反応時間が経過した後、n-ブタノールのさらなる形成が観察されなくなった後、エステル転移反応を終了させる。
【0246】
76gの液状ブロックコポリマーが得られる;Mn=12216、PDI=1.27。
【0247】
GPC及び1H-NMRによる分析は、MPEG-OH及び分枝鎖iC12-C15-アルコールが殆ど定量的に変換されたことを示していた。
【0248】
1H-NMRとGPCを組み合わせた分析によれば、重合度は:P[(nBA-iC12-15A)-b-4VP]=(16-60)-b-14。
【0249】
実施例12: ブロックコポリマー ポリ(n-BA-b-S)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた500mL容フラスコの中に、210gのP(nBA)(ポリマー4と同様にして合成したもの;重合度=76、Mn=8547、PDI=1.19)及び90gのスチレンを入れ、N2下、125℃に加熱する。5時間経過した後、その反応を終了させ、未反応スチレンを減圧下に留去する。
【0250】
175gのブロックコポリマーが得られる;Mn=11828、PDI=1.21。
【0251】
1H-NMRの分析によれば、重合度は:P(nBA-b-S)=(75-b-40)。
【0252】
得られた非常に粘性が高いブロックコポリマーは、MPAで希釈して、透明な60重量%溶液とする。
【0253】
実施例13: 非極性ブロックコポリマー ポリ[(n-BA-iC12-15A)-b-S]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、実施例12のジブロックコポリマー P(nBA-b-S)=75-b-40)の60重量% MPA-溶液50g及び26.3gの分枝鎖イソ-C12-15-アルコール混合物(Lial 125, Condea)を入れる。その混合物を125℃に加熱した後、減圧下にMPAを留去し、次いで、0.15gの触媒溶液(Ti(AcAc)2(iOPr)2 チタン-ビス-アセチルアセトナト-ビス-イソプロピレート、イソプロパノール中75重量%)を添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を145℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが0.15gの触媒溶液の追加の2回分を、2時間後及びその4時間後に添加する。6時間の総反応時間が経過した後、n-ブタノールのさらなる形成が観察されなくなった後、その反応を終了させる。
【0254】
49gの液状ブロックコポリマーが得られる;Mn=15072、PDI=1.21。
【0255】
GPC及び1H-NMRによる分析は、分枝鎖iC12-C15-アルコールが良好に変換されたことを示していた。
【0256】
1H-NMRとGPCを組み合わせた分析によれば、重合度は:P[(nBA-iC12-15A)-b-S=(15-60)-b-40。
【0257】
実施例14: ブロックコポリマー ポリ(n-BA-b-DMAPMA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた500mL容フラスコの中に、150gのP(nBA)(ポリマー4と同様にして合成したもの;重合度=76、Mn=8547、PDI=1.19)及び150gのジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)を入れ、N2下、145℃に加熱する。4.5時間経過した後、その反応を終了させ、未反応モノマー DMAPMAを高真空下に留去する。
【0258】
179gのブロックコポリマーが単離される;Mn=6874、PDI=1.41(GPCによる見掛けの分子量は、出発物質である前駆体よりも低いように見えた)。
【0259】
1H-NMRの分析によれば、重合度は:P(nBA-b-DMAPMA)=(75-b-23)。
【0260】
得られた高粘性のブロックコポリマーは、MPAで希釈して、透明な60重量%溶液とする。
【0261】
実施例15: 非極性ブロックコポリマー ポリ[(n-BA-BhA)-b-DMAPMA]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、ジブロックコポリマー14 P(nBA-b-DMAPMA)=75-b-23)の60重量% MPA溶液41.7g及び30.0gの工業用のベヘニルアルコール(BhOH=線状C16-22-アルコール混合物 Nafol 1822 Condea製)を入れる。その混合物を125℃に加熱した後、MPAを減圧下に留去し、次いで、0.15gの触媒溶液(Ti(AcAc)2(iOPr)2 チタン-ビス-アセチルアセトナト-ビス-イソプロピレート、イソプロパノール中75重量%)を添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を145℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが0.15gの触媒溶液の追加の2回分を、2時間後及びその4時間後に添加する。6時間の総反応時間が経過した後、n-ブタノールのさらなる形成が観察されなくなった後、その反応を終了させる。
【0262】
42gのブロックコポリマーが得られる(これは、室温で固化する);Mn=10652、PDI=1.60。
【0263】
GPC及び1H-NMRによる分析は、ベヘニルアルコールが良好に変換されたことを示していた。
【0264】
1H-NMRとGPCを組み合わせた分析によれば、重合度は:P[(nBA-BhA)-b-S=(20-55)-b-23。
【0265】
実施例16: ブロックコポリマー ポリ(n-BA-b-tBA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた500mL容フラスコの中に、123.4gのP(nBA)(ポリマー1と同様にして合成したもの;重合度=57、Mn=5866、PDI=1.18)及び211.0gのtert-ブチルアクリレート(tBA)を入れ、N2下、穏やかに還流しながら120℃に加熱する。16時間経過した後、固形分含有量が53%のときに反応を終了させ、未反応モノマーtBAを真空下に留去する。
【0266】
223gのブロックコポリマーが単離される;Mn=10052、PDI=1.22。
【0267】
1H-NMRの分析によれば、重合度は:P(nBA-b-tBA)=(57-b-63)。
【0268】
実施例17: 非極性ブロックコポリマー ポリ[(n-BA-BhA)-b-tBA]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた500mL容フラスコの中に、288.7gののジブロックコポリマー16 (P(nBA-b-tBA)=57-b-63)及び186.5gの工業用ベヘニルアルコール(BhOH=線状C16-22-アルコール混合物 Nafol 1822 Condea製)を入れる。その混合物を125℃に加熱した後、0.15gの触媒溶液(Ti(AcAc)2(iOPr)2 チタン-ビス-アセチルアセトナト-ビス-イソプロピレート、イソプロパノール中75重量%)をゆっくりと添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を145℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが0.15gの触媒溶液の追加の2回分を、2時間後及びその4時間後に添加する。6時間の総反応時間が経過した後、n-ブタノールのさらなる形成が観察されなくなった後、その反応を終了させる。
【0269】
430gのブロックコポリマーが得られる(これは、室温で固化する);Mn=18877、PDI=1.23。
【0270】
GPC及び1H-NMRによる分析は、ベヘニルアルコールが良好に変換されたことを示していた。
【0271】
実施例18: 非極性ランダムコポリマー ポリ(n-BA-BhA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留塔を備えた250mL容フラスコの中に、85gのP(nBA)(Mn=8793、PDI=1.20;実施例4と同様にして調製したもの)及び77gの工業用ベヘニルアルコール(BhOH=線状C16-22-アルコール混合物 Nafol 1822 Condea製)を入れる。その混合物を125℃に加熱した後、0.43gの触媒溶液(Ti(AcAc)2(iOPr)2 チタン-ビス-アセチルアセトナト-ビス-イソプロピレート、イソプロパノール中75重量%)をゆっくりと添加する。減圧下にn-ブタノールをゆっくりと留去し、温度を145℃までゆっくりと上昇させることによって、エステル転移反応を開始させる。それぞれが0.43gの触媒溶液の追加の2回分を、2時間後及びその4時間後に添加する。6時間の総反応時間が経過した後、n-ブタノールのさらなる形成が観察されなくなった後、その反応を終了させる。
【0272】
132gのブロックコポリマーが単離される(これは、室温で固化する);Mn=14811、PDI=1.25。
【0273】
GPCによる分析は、ベヘニルアルコールが良好に変換されたことを示していた。
【0274】
実施例19: ポリ(n-BA-MPEGA-b-4-VP)
【化65】

【0275】
以下の物質は、実施例3において記載したのと同様の方法で重合させる:2.27gの化合物(O1)、38.22gのn-ブチルアクリレート、5.84gのビニルピリジン及び53.21gのMPEG-OH(Mn=550g/mol)。重合反応が完了した後、全ての溶媒及び揮発性物質を真空蒸留によって除去する。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で判断して約15000〜20000ダルトンの分子量を有するポリマー溶融物が得られる。さらに、該ポリマー溶融物の校正されたガスクロマトグラフ分析によって、溶融物中に残留している4-ビニルピリジンのレベルが2ppm未満であることが分かった。
【0276】
上記で調製したポリマーの50重量%水溶液を調製する。
【0277】
実施例20 - 日焼け止め組成物の調製
【表3】

【0278】
部分Aの成分を合する。部分Aを混合させながら80℃まで加熱する。均質になるまで混合させ、穏やかに撹拌しながら、ナイロン-12を添加する。
【0279】
部分Bの調製:第1に、キサンタンガムを水の中に分散させ、80℃まで加熱する。均質になったとき、部分Bの残りを順次添加し、均質になるまで混合させる。
【0280】
撹拌しながら、部分Bに部分Aを添加し、次いで、「Ultra Turrax pos 2」を用いて、40秒/100g間、ホモジナイズする。
【0281】
撹拌しながら40℃まで冷却し、部分Cの成分を、記載されている順番で順次添加する。均質になるまで混合させる。必用に応じて、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調節して5.3〜6.1とする。
【0282】
実施例21 - 試験プロトコル
下記に記載されている試験プロトコルを用いて、ヒト皮膚への日焼け止め組成物の適用を模倣し、本発明組成物の初期SPF及び80分間水にさらされた後のSPFについて試験する。
【0283】
以下の実験装置を使用する:
「VITRO-SKIN(登録商標) N-19, Foam block, Hydration Chamber, Powder Free Rubber Finger Cots and Glassless slide mounts」は、IMS, Inc.(70 Robinson Blvd, Orange, CT, USA)から入手する;
「Water bath (# 05-719-7F), Corning Hotplate Stirrer (#11-497-8A), Calfamo Compact Digital Stirrer (#14-500-7), Glycerol Aqueous Solution (#AC277366-0010)」は、Fisher Scientific Catalogから入手する;及び、
「Optometrics SPF 290」は、Optometrics LLC.(8 Nemco Way, Stony Brook Industrial Park, Ayer, MA, USA)から入手する。
【0284】
グリセリン水溶液(14.7重量%;300g)を調製し、ハイドレーションチャンバーの底に注ぐ。棚をチャンバー内に配置し、蓋で覆う。VITRO-SKIN基体を4.1cm×4.1cm片に切断し、ハイドレーションチャンバー内の棚の上に配置し、試験に先立って、16〜22時間、水和させる。
【0285】
Optometrics SPF 290Sのスイッチを入れ、機器の校正、ブランク及びサンプルの測定について製造元の指示に従う。
【0286】
基体の一片をスライド台紙に配置し、インビトロSPF測定に対する対照として用いる。基体の別の一片をプラスチックで覆われたフォームブロックの上に配置し、基体の「局所解剖学的(topography)」な面(粗い面)に製品を塗布する。基体の4cm×4cm切片の全体に被験組成物(0.033g)を均一に塗布し(これにより、塗布薬量は2mg/cm2となる)、指サックで覆ってある指で該基体に擦りこむ。その後、該基体をスライド台紙の上に置く。
【0287】
水温37+/-0.5℃の水を撹拌しながらそれに80分間サンプルを浸漬する前及び浸漬した後の両方で、インビトロSPF測定を行う。全ての初期測定は、15分間の乾燥期間が経過した後に行う。水にさらした後、サンプルを取り出し、約30分間風乾させ、湿度が制御されているチャンバー内に120分間戻した後、15分間の乾燥期間に付す。対照のスライドは、同じ時間の間、水槽に浸漬する。
【0288】
Optometrics SPF 290Sを用いて、各製剤に対する、290〜400nmの波長範囲における紫外線吸収を測定する。スライドの3箇所の分離した領域に対して少なくとも3回の連続した測定を行う。水に浸漬する前及び浸漬した後の各サンプルに対するSPF、UVA/UVB及び臨界波長のインビトロ値を記録する。水に80分間さらした後に残存している%SPFは、下記によって計算される:
(a/b)×100=残存する%SPF
(a)は、水に80分間さらした後のSPF値であり、(b)は、初期SPF値である。
【0289】
実施例22 - 耐水特性についての日焼け止め組成物試験
主成分である本実施例20の日焼け止め組成物を、本実施例19のコポリマーを用いて製剤し、市販されている別のポリマー及びコポリマーと比較する。本実施例20の組成物は、指定されている量の各被験ポリマー又はコポリマーを用いて、別々に調製する。市販されているポリマーは、製造元の公刊資料に記載されている推奨に従って、当該製剤の油相若しくは水相に添加するか、又は、後から添加した。
【0290】
各日焼け止め製剤について、本実施例21のプロトコルに従って評価する。その実験結果について、以下に記載する。
【表4】

【0291】
本実施例19は、当該組成物全体の重量に基づいて、1重量/重量%の成分(活性物質として)で添加する。
【0292】
Cosmedia DCは、水素化二量体ジリノレイル/ジメチルカルボネートコポリマーであり、Cognisから入手する。
【0293】
Polycryleneは、Polyester-8である。Polyester-8は、オクチルドデカノール(q.v.)又はシアノジフェニルプロペノイル基で末端キャップされたネオペンチルグリコール(q.v.)とアジピン酸(q.v.)のコポリマーであって、RTD Hall Starから入手する。
【0294】
DC FA 4001 CM Silicone Acrylateは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの単純エステルのうちの1種類からなる1種類以上のモノマーとポリトリメチルシロキシメタクリレートのコポリマーでシクロペンタシロキサンに溶解させた状態にあり、Dow Corningから入手する。
【0295】
Ganex V-220は、ビニルピロリドンとエイコセンのコポリマーであり、ISPから入手する。
【0296】
DC FA 4002 ID Silicone Acrylateは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの単純エステルのうちの1種類からなる1種類以上のモノマーとポリトリメチルシロキシメタクリレートのコポリマーでイソドデカンに溶解させた状態にあり、Dow Corningから入手する。 Phospholipon 90Hは、水素化レシチンレシチンであり、Phospholipid GmbHから入手する。
【0297】
Dermacryl AQFは、アクリレートのコポリマーであり、National Starch and Chemical Companyから入手する。
【0298】
Ganex WP-660は、ビニルピロリドンと1-トリアコンタンのコポリマーであり、ISPから入手する。
【0299】
Stantiv OMA-2は、無水マレイン酸とオクタデセンの線状コポリマーであり、リシノール酸メチルアセチルとアジピン酸ジメチルヘプチルの混合物に溶解させる。
【0300】
Dermacryl-79は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの単純エステルのうちの1種類からなる1種類以上のモノマーとオクチルアクリルアミドのコポリマーであり、National Starch and Chemical Companyから入手する。
【0301】
データは、従来技術及び商業用の他のポリマー及びコポリマーと比較した場合、本発明のコポリマーが3分の1の濃度で、日焼け止め組成物において優れた耐水特性を提供するということを示している。
【0302】
実施例23 - 耐水特性についての日焼け止め組成物試験
市販されている日焼け止め製剤(Cetaphil SPF 15, Galderma)を入手し、指定されている量の各被験ポリマー又はコポリマーと別々に充分に混合させる。各日焼け止め製剤は、本実施例21のプロトコルに従って評価する。実験の結果について、以下に記載する。
【表5】

【0303】
Dermacryl AQFは、アクリレートのコポリマーであり、National Starch and Chemical Companyから入手する。
【0304】
Allianz OPTは、メタクリル酸とメチルメタクリレートとブチルアクリレートとセチル-エイコシニルメタクリレートのコポリマーであり、ISPから入手する。
【0305】
Cetaphil SPF 15は、市販されている日焼け止め製剤であり、日焼け止め剤活性物質:アボベンゾン 3%;オクトクリレン 10%;並びに、以下のものを含んでいる:
不活性成分 (機能):
水 (溶媒)、
アジピン酸イソプロピル (皮膚軟化薬、溶媒)、
シクロメチコン (皮膚軟化薬、溶媒)、
ステアリン酸グリセリル (及び) ステアリン酸PEG-100 (乳化剤、非イオン性)、
グリセリン (保湿剤)、
ポリメチルメタクリレート (皮膚の感触を改善するための球状微粒子)、
フェノキシエタノール (保存料)、
ベンジルアルコール (保存料)、
アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー (高分子乳化剤、レオロジー調節剤)、
酢酸トコフェリル (酸化防止剤)、
カルボマー (レオロジー調節剤)、
EDTA二ナトリウム (キレート剤)、及び、
トリエタノールアミン (pH調節剤)。
【0306】
データは、従来技術及び商業用の他のポリマー及びコポリマーと比較した場合、本発明のターポリマーが、日焼け止め組成物において優れた耐水特性を提供するということを示している。
【0307】
実施例24. 日焼け止め製剤の真の耐水特性(very water resistant properties)
本発明のコポリマーの耐水特性について、「FDA Final Monograph "Evaluation of Sunscreen Efficacy - Sun Protection Factor (SPF) Assay and Very Water Resistant Assay" (in vivo)」に従って調べる。本発明のコポリマーについて、固形分に基づいて1重量/重量%で調べ、本発明のコポリマーを含んでいる日焼け止め製剤の真の耐水特性についてのインビボでの評価から得られたデータを、以下に記載する。
【表6】

【0308】
固形分に基づいて1重量/重量%の濃度で、本発明のコポリマーが、日焼け止め製剤の真の耐水特性を有意に改善するということが分かった。
【0309】
実施例25. 水の接触角及び表面特性
皮膚を代用する基体の表面特性に対する効果を定量化するために水の接触角の測定を利用する試験方法を用いる。この方法は、製品開発の最適化、スキンケア製品の中での差別化、競合的ベンチマーキング及びポリマーのスクリーニングにとって有効な手段として使用される。それは、表題「Correlating Water Contact Angles and Moisturization/Sensory Claims」(Olga V. Dueva-Koganov, Scott Jaynes, Colleen Rocafort, Shaun Barker and Jianwen Mao - Cosmetics & Toiletries, January 2007, Vol. 122, No. 1, pp. 20-27)の論文に記載されている。この論文のグラフで示されているデータは、接触角の測定を用いて、皮膚様基体の表面特性に対するスキンケア製品の効果を定量化及び比較することが可能であるということを示している。当該データについて、以下に、表形式で提供する。比較的小さな接触角をもたらす製品は、軽くて油っぽくない感触に関する感覚的な多くの要求がなされる傾向を有しているのに対して、比較的大きな接触角をもたらす製品は、長期にわたる潤いに関する多くの要求がなされる傾向を有している。
【表7】

【0310】
実施例26. 本発明のコポリマーを適用した後の接触角の測定
静滴法又は液滴法に従い、基体としてのヒト皮膚の表面特性を模倣するVITRO SKINとプローブ溶液としての脱イオン水を用いて、接触角を機器で測定する。一切れの水和させた基体をガラスのないスライドの中に配置し、塗布面を上にした水平な配置で15分間風乾させる。それを、接触角測定中の未処理基体についての対照として使用する。正確に、被験ポリマーの水溶液又は水分散液0.032gを、基体の4cm×4cm切片の全体に(「皮膚局所解剖学的(skin topography)」な面の上に)均一に塗布する。製品を塗布後直ぐに、その製品を、指サックで覆ってある指で該基体に擦りこむ。その後、その基体をスライド台紙の中に配置し、15分間風乾させる。測定の前に、スライド台紙から基体を取り出し、数個の小さな断片に切断し、それを、測定に使用する。小さな寸法の断片を使用することは、サンプル台の上に確実に水平に配置するために必要である。粗い面を上にすること及びフィルムが平らであることを保証するために、特別に注意する。接触角の測定は、迅速に、約1分間以内で実施する。湿度が制御されている条件を使用する。
【表8】

【0311】
本発明のコポリマー及び競合的な耐水性ポリマーは、VITRO SKINの表面特性に対するそれらの効果の点で、大きな差を示す。上記表中に与えられている結果は、本発明のコポリマーが軽い皮膚の感触(light skin feel)(耐水性ポリマーにとって望ましい特性)に潜在的に寄与し得るということを示している。それに反して、競合する標準品(Allianz OPT、及び、Dermacryl AQF)は、主に、当該基体に疎水性の変化をもたらし、軽い皮膚の感触を生み出すことは余りなさそうである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日焼け止め組成物であって、
(a) 少なくとも1種類の紫外線遮断薬;
(b) 少なくとも1種類の選択されたコポリマー〔ここで、該コポリマーは、
【化1】

[ここで、
x及びzは、各繰り返し単位又は誘導されたモノマーが当該コポリマー中に含まれている重量パーセントを表し;
x及びzは、繰り返し単位を示しており;
xとzの合計は、当該コポリマーの総重量に対して100重量パーセントであり;
zは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
xは、当該コポリマーの約0.001重量%〜約99.999重量%であり;
Aは、ポリマーであり;
Gは、酸素連結基を介してポリマーAに共有結合しており;
Oは、酸素原子であり;
Gは、
【化2】

であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C6アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C12シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか、又は、シアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基、式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり;その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gは、
【化3】

であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル若しくはC6-C10アリールであるか、又は、R201とR202及び/若しくはR203とR204は、連結炭素原子と一緒に、C3-C12シクロアルキル基を形成し;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル、C1-C18アルキル、C3-C18アルケニル、C3-C18アルキニル(ここで、これらは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は、
Gは、
【化4】

であるか、若しくは、Gは、
【化5】

であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
Xは、上記で定義されているとおりであり;
kは、1、2、3又は4であり;
Yは、O若しくはNR302であるか、又は、kが1であり且つR301がアルキル若しくはアリールを表す場合、Yはさらに直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;フェニル、C7-C9フェニルアルキル若しくはナフチル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル、若しくは、3〜5個の炭素原子を有するα,β-不飽和カルボン酸若しくは7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸のアシル部分;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+はH+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)であり;
kが2である場合、
R301は、C1-C18アルキレン、C3-C18アルケニレン若しくはC3-C18アルキニレン(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);又は、キシレンであり;又は、
R301は、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のビスアシル基又は8〜14個の炭素原子を有する脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸のビスアシル基であり;
kが3である場合、
R301は、脂肪族トリカルボン酸、脂環式トリカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸の三価の基であり;
及び、
kが4である場合、
R301は、脂肪族テトラカルボン酸、脂環式テトラカルボン酸又は芳香族テトラカルボン酸の四価の基である]
を含んでいる〕;
及び、場合により、
(c) 化粧品的に許容される別の成分;
を含んでいる、前記日焼け止め組成物。
【請求項2】
成分(b)の式(I)に関して、
Gが、
【化6】

であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C1アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C10シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか又はシアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基若しくは式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり、その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gが、
【化7】

であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C6アルキル、C3-C18アルケニル;C1-C18アルキル若しくはC3-C18アルケニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル又はC6-C10アリールであり;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル;C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;又は Gが、
【化8】

であり、その際、
G11、G12、G13及びG14は、独立して、C1-C4アルキルであるか、又は、G11とG12が一緒に及びG13とG14が一緒にペンタメチレンであるか、又は、G11とG12が一緒に若しくはG13とG14が一緒にペンタメチレンであり;
G15及びG16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC1-C4アルキルであり;
kは、1であり;
Yは、O若しくはNR302であり、又は、
Yは、さらに、直接結合であり;
R302は、H、C1-C18アルキル又はフェニルであり;
kが1である場合、
R301は、H、直鎖若しくは分枝鎖のC1-C18アルキル、C3-C18アルケニル若しくはC3-C18アルキニル(ここで、これらは、置換されていなくてもよいか、又は、1以上のOH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);C5-C12シクロアルキル若しくはC5-C12シクロアルケニル;C7-C9フェニルアルキル(ここで、該フェニルアルキルは、置換されていなくてもよいか又は1以上のC1-C8アルキル、ハロゲン、OH、C1-C8アルコキシ、カルボキシ、C1-C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい);-C(O)-C1-C36アルキル;-SO3-Q+、-PO(O-Q+)2、-P(O)(OC1-C8アルキル2)2、-P(O)(OH2)2、-SO2-OH、-SO2-C1-C8アルキル、-CO-NH-C1-C8アルキル、-CONH2、COO-C1-C8アルキル2、COOH又はSi(Me)3(ここで、Q+は、H+、アンモニウムカチオン又はアルカリ金属カチオンである)である;
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(b)の式(I)に関して、
Gが、
【化9】

であり、その際、
G1、G2、G3、G4は、独立して、C1-C1アルキルであるか、又は、G1とG2若しくはG3とG4若しくはG1とG2とG3とG4は、一緒になって、C5-C10シクロアルキル基を形成し;
G5、G6は、独立して、H、C1-C18アルキル、フェニル又は基COOC1-C18アルキルであり;
*は、原子価を表し、及び、**は、該ポリマーAに対する結合点を表し;
Rは、水素、C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、中断されていないか又は1個以上の酸素原子で中断されている)、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の一価の基又は7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸の一価の基であり;
R101は、C1-C12アルキル、C5-C7シクロアルキル、C7-C8アラルキル、C2-C18アルカノイル、C3-C5アルケノイル又はベンゾイルであり;
R102は、C1-C18アルキル、C5-C7シクロアルキル、C2-C8アルケニル(ここで、これらは、置換されていないか又はシアノ基、カルボニル基若しくはカルバミド基で置換されている)であるか、又は、グリシジル、式-CH2CH(OH)-Zで表される基若しくは式-CO-Zで表される基若しくは式-CONH-Zで表される基であり、その際、Zは、水素、メチル又はフェニルである;又は、
Gが、
【化10】

であり、その際、
R201、R202、R203及びR204は、互いに独立して、C1-C6アルキル、C3-C18アルケニル;C1-C18アルキル若しくはC3-C18アルケニル(ここで、これらは、OH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル又はC6-C10アリールであり;
R205、R206及びR207は、独立して、水素、C1-C18アルキル又はC6-C10アリールであり;
R208は、水素、OH、C1-C18アルキル;C1-C18アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のOH、ハロゲン又は基-O-C(O)-R205で置換されている)、C2-C18アルキル(ここで、該アルキルは、少なくとも1のO原子及び/又はNR205基で中断されている)、C3-C12シクロアルキル、C6-C10アリール、C7-C9フェニルアルキル、C5-C10ヘテロアリール、-C(O)-C1-C18アルキル、-O-C1-C18アルキル又は-COOC1-C18アルキルであり;
R209、R210、R211及びR212は、独立して、水素、フェニル又はC1-C18アルキルである;
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分(b)の式(I)に関して、zが当該コポリマーの約0.001重量%〜約80重量%であり、xが当該コポリマーの約20重量%〜約99.999重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
成分(b)の式(I)に関して、zが当該コポリマーの約0.001重量%〜約40重量%であり、xが当該コポリマーの約60重量%〜約99.999重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
成分(b)の式(I)に関して、zが当該コポリマーの約0.001重量%〜約20重量%であり、xが当該コポリマーの約80重量%〜約99.999重量%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
成分(b)の式(I)に関して、zが当該コポリマーの約0.001重量%〜約10重量%であり、xが当該コポリマーの約90重量%〜約99.999重量%である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
式(I)で表される成分(b)のポリマーAが、アニオン性水溶性モノマー、非イオン性水溶性モノマー、カチオン性水溶性モノマー及び水不溶性モノマーからなる群から選択されるモノマーから誘導される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
式(I)で表される成分(b)のポリマーAが、コポリマー、ターポリマー、ブロック、星形、ランダム、直鎖、分枝鎖、架橋及び非架橋からなる群から選択される構造を有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
成分(b)の式(I)が、約500ダルトン〜約1,000,000ダルトンの重量平均分子量を有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
成分(b)の式(I)が、約500ダルトン〜約500,000ダルトンの重量平均分子量を有している、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
成分(b)の式(I)が、約500ダルトン〜約100,000ダルトンの重量平均分子量を有している、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
成分(b)の式(I)が、約1000ダルトン〜約75,000ダルトンの重量平均分子量を有している、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
成分(b)の式(I)が、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.01重量%〜約50重量%の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
成分(b)の式(I)が、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%〜約25重量%の量で存在している、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
成分(b)の式(I)が、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在している、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
成分(a)が、有機日焼け止め剤、無機日焼け止め剤及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の紫外線遮断薬を含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記無機日焼け止め剤が、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記有機日焼け止め剤が、トリアジン類、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、ビニル基含有アミド類、ケイ皮酸アミド類、スルホン化ベンゾイミダゾール類及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
成分(a)が、微粉化された形態又は微粉化されていない形態で存在している、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
成分(a)が、当該組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%〜約30重量%の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
成分(a)が、当該組成物全体の重量に基づいて、約1重量%〜約20重量%の量で存在している、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
成分(a)が、当該組成物全体の重量に基づいて、約1重量%〜約5重量%の量で存在している、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
日焼け止め組成物の日焼け防止指数を増大させる方法であって、当該組成物に有効量の請求項1に記載の式(I)で表される少なくとも1種類の選択されたコポリマーを組み入れることを含む、前記方法。
【請求項25】
紫外線の有害な効果からの哺乳動物の毛髪及び/又は皮膚の改善された紫外線防護方法であって、当該皮膚及び/又は当該毛髪に有効量の請求項1に記載の日焼け止め組成物を適用することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2010−523519(P2010−523519A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501482(P2010−501482)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053599
【国際公開番号】WO2008/122516
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】