説明

選択的スピロ環式グルココルチコイド受容体調節物質

本発明は、様々な自己免疫及び炎症性疾患又は症状を治療するための選択的グルココルチコイド受容体リガンドとして有用である、式(I)及び式(II)の化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩若しくはそれらの水和物を包含する。薬学的組成物及び使用方法も含まれる。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
細胞内受容体(IR)は、遺伝子発現の調節に関与する、構造的に関係のあるタンパク質の一クラスである。ステロイドホルモン受容体は、その天然リガンドが一般にエストラジオール、プロゲステロン及びコルチゾールなどの内因性ステロイドから構成される、このスーパーファミリーのサブセットである。これらの受容体に対する人工リガンドは、ヒトの健康に重要な役割を果たし、これらの受容体のうち、グルココルチコイド受容体は、ヒトの生理及び免疫応答の調節に本質的な役割を果たす。グルココルチコイド受容体と相互作用するステロイドは、強力な抗炎症剤であることが判明しているが、ミネラルコルチコイド、プロゲステロン及びアンドロゲン受容体などの他のステロイドホルモン受容体との交差反応性が、厄介な付属的薬理作用を引き起こし得る。
【0002】
グルココルチコイド受容体において転写促進を転写抑制から分離することが、ステロイド療法に関連する副作用特性を改善するためのアプローチであると考えられている。ステロイドなどのGR調節物質の有益な抗炎症活性は、炎症誘発性のサイトカイン、接着分子及び酵素をコードする遺伝子の転写抑制を通じて起こると考えられる。このような因子に伴う望ましくない副作用の多くは、恒常性内分泌機能の下流での擾乱をもたらす、遺伝子転写の転写促進、すなわち遺伝子転写の誘導を通じて起こると考えられている。影響を受けたこれらの代謝過程の幾つかには、誘発された糖新生、誘発されたアミノ酸分解、骨粗鬆症、HPA系の抑制、副次的副腎抑制の誘発、電解質濃度の変化、脂質代謝の変化、発育遅延、創傷治癒不全及び皮膚の菲薄化が含まれる。転写促進に関する受容体の潜在的な拮抗を含む、転写抑制及び転写促進に関連するGRの弱い作動、部分的な作動及び完全な作動は、関節リウマチ及び喘息などの炎症性及び自己免疫疾患の治療に適用し得る。最近の総説については、(a) Recent Advances in Glucocorticoid Receptor Action;Cato,A.C.B.,Schacke,H.,Asadullah,K.,Eds.;Springer−Verlag:Berlin−Heidelberg,Germany,2002.(b)Coghlan,M.J.;Elmore, S.W.;Kym,P.R.;Kort,M.E. In Annual Reports in Medicinal Chemistry;Doherty,A.M.,Hagmann,W.K.,Eds.;Academic Press:San Diego,CA,USA,2002;Vol.37,Ch.17,pp167−176を参照されたい。
【0003】
本発明は、強力な抗炎症活性及び免疫抑制活性を有し、副作用、有効性、毒性及び/又は代謝の点で、ステロイド系のグルココルチコイドリガンドに比べて優れている、選択的なグルココルチコイド受容体調節物質である、化合物の新規クラスに関する。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、様々な自己免疫及び炎症性疾患又は症状を治療するための選択的グルココルチコイド受容体リガンドとして有用である、式I及び式II:
【0005】
【化8】

の化合物、又は薬学的に許容されるそれらの塩若しくは水和物を包含する。
【0006】
一側面において、本発明は、式I及び式IIの化合物
【0007】
【化9】

又は薬学的に許容されるその塩若しくはその水和物を包含する。
【0008】
(式中、
破線は、単結合又は二重結合の何れかの存在を表し;
mは、0、1、2又は3であり、
nは、0、1又は2であり;
−A−B−C−D−は、
(1)−CH−CH−CH−O−、
(2)−CH−CH−C(O)−O−、
(3)−CH=CH−C(O)−O−、
(4)−O−CH−CH−CH−、
(5)−O−C(O)−CH−CH−、
(6)−HC=CH−CH−O−、
(7)−CH−HC=CH−O−、
(8)−CH−CH−C(O)−NH−、
(9)−CH−NH−CH−CH−、
(10)−CH−NH−C(O)−O−、
(11)−NH−C(O)−NH−C(O)−、
(12)−C(O)−NH−C(O)−NH−、
(13)−NH−C(O)−NH−CH−、
(14)−NH−C(O)−NH−C(=S)−、
(15)−O−CH−CH−O−、
(16)−S−CH−CH−S−、
からなる群から選択され;
但し、−A−B−C−D−の位置B及びCにおける原子の両方が炭素原子である場合には、前記原子は、互いに連結されて、
【0009】
【化10】

から選択される環を形成することができ、
X及びYは、各々独立に、CH、S及びOから選択され;
は、
(1)C1−6アルキル、
(2)C2−6アルケニル、
(3)C2−6アルキニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)アリール、
(6)−CH−フェニル、
(7)HET、
からなる群から選択され、
上記項目(1)から(3)は、ハロ、OR及びNHRからなる群から独立に選択される1から3個の置換基で必要に応じて置換され;項目(4)から(7)は、ハロ、OR、NHR、C1−3アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルからなる群から選択される1から3個の置換基で必要に応じて置換され;
及びRは、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)C1−6アルキル、
(4)C2−6アルケニル、
(5)C2−6アルキニル、
(6)OR
(7)NHR
(8)アリール、
(9)−CH−フェニル、
からなる群から各々独立に選択され;
、R、R及びRは、
(1)水素、
(2)メチル、
からなる群から各々独立に選択され;
各Rは、
(1)−OH、
(2)ヒドロキシ、オキソ、−COOH、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、=S及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−6アルキル、
(3)ヒドロキシ、ハロ及び−C(O)−O−C1−2アルキルから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C2−6アルケニル、
(4)ヒドロキシ及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C2−6アルキニル、
(5)ヒドロキシ、C1−2アルキル、−COOH、−C(O)−O−CH及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル、
(6)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−2アルキル−フェニル、
(7)−COH、
(8)−CO1−3アルキル、
(9)−OC1−3アルキル、
(10)−SO−C1−3アルキル、
(11)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−SO−フェニル、
(12)−C1−2アルキル−O−C1−2アルキル、
(13)−C1−2アルキル−O−C2−4アルケニル、
(14)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたC1−2アルキル−O−フェニル、
(15)−C1−2アルキル−C(O)O−C1−2アルキル、
(16)2−(1,3−ジオキサン)エチル、
(17)−C1−2アルキル−C(O)−NH−フェニル、
(18)−C1−2アルキル−C(O)−NHN、
からなる群から独立に選択される。)
【0010】
この側面の中に、mが0、1又は2である、化合物の属が存在する。
【0011】
この側面の中に、nが0又は1である、化合物の別の属が存在する。
【0012】
この側面の中に、R及びRが、各々個別に、水素又はメチルである、化合物の別の属が存在する。
【0013】
この側面の中に、各Rが、
(1)−OH、
(2)ヒドロキシ、オキソ、−COOH、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、チオ及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−6アルキル、
(3)ヒドロキシ、ハロ及び−C(O)−O−C1−2アルキルから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたC2−6アルケニル、
(4)ヒドロキシ、C1−2アルキル、−COOH、−C(O)−O−CH及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル、
(5)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−2アルキル−フェニル、
(6)−SO−C1−3アルキル、及び
(7)−C1−2アルキル−OC1−2アルキル、
からなる群から独立に選択される、化合物の別の属が存在する。
【0014】
この側面の中で、Rが、フェニル又はピリジルであり、前記フェニル又はピリジルが、
(a)ハロ、
(b)OCH
(d)CH
(e)CN
からなる群から独立に選択される置換基で必要に応じて一置換又は二置換されている、化合物の別の属が存在する。
【0015】
この属の中で、Rが、必要に応じて、ハロで一置換又は二置換されたフェニルである、化合物の亜属が存在する。
【0016】
この側面の中に、式Iの化合物
【0017】
【化11】

(式中、
mは、0、1、2又は3であり;
nは、0又は1であり;
は、フェニル又はピリジルであり、前記フェニル又はピリジルが、
(a)ハロ、
(b)OCH
(d)CH
(e)CN
からなる群から独立に選択される置換基で必要に応じて一置換又は二置換されており、並びに、
及びRが、各々個別に水素又はメチルである。)
の属が存在する。
【0018】
この属の中に、各Rが、
(1)−OH、
(2)ヒドロキシ、オキソ、−COOH、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、チオ及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−6アルキル、
(3)ヒドロキシ、ハロ及び−C(O)−O−C1−2アルキルから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたC2−6アルケニル、
(4)ヒドロキシ、C1−2アルキル、−COOH、−C(O)−O−CH及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル、
(5)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−2アルキル−フェニル、
(6)−SO−C1−3アルキル、
(7)−C1−2アルキル−OC1−2アルキル、
からなる群から独立に選択される、化合物の亜属が存在する。
【0019】
この亜族の中に、
−A−B−C−D−が、
(1)−CH−CH−CH−O−、
(2)−CH=CH−CH−O−、
(3)−CH−HC=CH−O−、
(4)−O−CH−CH−CH
(5)−O−CH−CH−O−、
(6)−S−CH−CH−S−、
(7)−CH−NH−CH−CH−、及び
(8)CH−NH−C(O)−O−、
からなる群から選択され;
が、必要に応じてハロで一置換又は二置換されたフェニルである、化合物のクラスが存在する。
【0020】
この側面の中に、式IIの化合物
【0021】
【化12】

(式中、
mは、0、1又は2であり、
nは、0又は1であり;
は、
(a)ハロ、
(b)OCH
(d)CH
(e)CN
からなる群から独立に選択される置換基で必要に応じて一置換又は二置換されたフェニル又はピリジルであり;
及びRは、各々個別に、水素又はメチルである。)
の化合物の属が存在する。
【0022】
この属の中に、各Rが−C1−6アルキル又は水素からなる群から独立に選択される化合物の亜属が存在する。
【0023】
この属の中に、X及びYがともにOであり、又はともにSであり、又はXがOであり、及びYがCHであり;Rが、必要に応じてハロで一置換又は二置換されたフェニルである、化合物の亜属が存在する。
【0024】
本発明の別の側面は、薬学的に許容される担体とともに、式I又は式IIの化合物を含む、薬学的組成物を包含する。
【0025】
本発明の別の側面は、グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病又は症状の治療を必要とする哺乳動物患者に、式Iの化合物を、グルココルチコイド受容体によって媒介される前記疾病又は症状を治療するのに有効な量で投与することを含む、かかる治療を必要とする哺乳動物患者における、グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病又は症状を治療する方法を包含する。
【0026】
この側面には、グルココルチコイド受容体によって媒介される前記疾病又は症状が、組織拒絶反応、白血病、リンパ腫、クッシング症候群、急性副腎不全、先天性副腎皮質過形成症、リウマチ熱、結節性多発性動脈炎、肉芽腫性多発性動脈炎、骨髄細胞系の阻害、免疫増殖/アポトーシス、HPA系の抑制及び調節、高コルチゾール血症(hypercortisolemia)、卒中及び脊髄損傷、高カルシウム血症、高血糖症、急性副腎不全、慢性原発性副腎不全、続発性副腎不全、先天性副腎皮質過形成症、脳浮腫、血小板減少症、リトル症候群(Little’s syndrome)、肥満症、代謝症候群、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、結節性多発性動脈炎(polyartitis nodosa)、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、ブドウ膜炎、枯草熱、アレルギー性鼻炎、じんま疹、血管神経性浮腫、慢性閉塞性肺疾患、喘息、腱炎、滑液包炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性慢性活動性肝炎、臓器移植、肝炎、肝硬変、炎症性頭皮脱毛症、脂肪組織炎、乾せん、円板状エリテマトーデス、炎症性嚢胞、アトピー性皮膚炎、壊そ性膿皮症、尋常性天ぽうそう、水ほう性類天疱瘡(buflous pernphigoid)、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、妊娠性ヘルペス、好酸球性筋膜炎、再発性多発性軟骨炎、炎症性血管炎、サルコイドーシス、スイート病、I型反応性ライ病(type I reactive leprosy)、毛細血管腫、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、扁平苔せん、剥脱性皮膚炎、結節性紅斑、挫創、多毛症、中毒性表皮壊死症、多形性紅斑、皮膚T細胞リンパ腫、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、細胞アポトーシス、癌、カポジ肉腫、網膜色素変性症、認知能力、記憶及び学習向上、うつ病、耽溺、気分障害、慢性疲労症候群、統合失調症、睡眠障害及び不安からなる群から選択される、上記方法が包含される。
【0027】
本発明の別の側面は、グルココルチコイド受容体を調節するのに有効であり、副作用を最小化する量で、式I又は式IIの化合物を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において、グルココルチコイド受容体の、活性化、抑制、作動作用及び拮抗作用の効果を選択的に調節する方法を包含する。
【0028】
本発明の一例は、以下に開示されている実施例の化合物である。
【0029】
別段の記載がなければ、本発明は、以下の定義を用いて記載される。
【0030】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、F、Cl、Br及びIを含む。
【0031】
「アルキル」という用語は、表記された数の炭素原子を有する線状又は分枝構造及びそれらの組み合せを意味する。したがって、例えば、C1−6アルキルは、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、s−及びt−ブチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、1,1−ジメチルエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル並びにシクロヘキシルを含む。
【0032】
「アルコキシ」という用語は、表記された数の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式配置のアルコキシ基を意味する。例えば、C1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどを含む。
【0033】
「アルキルチオ」という用語は、表記された数の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式配置のアルキルチオ基を意味する。例えば、C1−6アルキルチオは、メチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオなどを含む。
【0034】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、水素がさらに別の炭素−炭素二重結合で置換されていてもよい、表記された数の炭素原子の線状又は分枝構造及びそれらの組み合せを意味する。例えば、C2−6アルケニルは、エテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどを含む。
【0035】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、表記された数の炭素原子の線状又は分枝構造及びそれらの組み合せを意味する。例えば、C3−6アルキニルは、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどを含む。
【0036】
「シクロアルキル」という用語は、線状又は分枝構造と必要に応じて組み合わされる、表記された数の炭素原子の単環、二環又は三環式構造を意味する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロドデシルメチル、2−エチル−1−ビシクロ[4.4.0]デシルが含まれる。
【0037】
「アリール」という用語は、単環又は二環式芳香環系と定義され、例えば、フェニル、ナフチルなどを含む。
【0038】
「アラルキル」という用語は、アルキル水素原子の1個が置換された上記定義のアリール基を有する、1から6個の炭素原子の上記定義のアルキル基、例えば、ベンジルなどを意味する。
【0039】
「アリールオキシ」という用語は、酸素原子によってある分子に結合した上記定義のアリール基(アリール−O)を意味し、例えば、フェノキシ、ナフトキシなどを含む。
【0040】
「アラルコキシ」という用語は、酸素原子によってある分子に結合した上記定義のアラルキル基(アラルキル−O)を意味し、例えば、ベンジルオキシなどを含む。
【0041】
「アリールチオ」という用語は、硫黄原子によってある分子に結合した上記定義のアリール基(アリール−S)として定義され、例えば、チオフェニオキシ、チオナフトキシなどを含む。
【0042】
「アロイル」という用語は、カルボニル基によってある分子に結合した上記定義のアリール基(アリール−C(O)−)を意味し、例えば、ベンゾイル、ナフトイルなどを含む。
【0043】
「アロイルオキシ」という用語は、酸素原子によってある分子に結合した上記定義のアロイル基(アロイル−O)を意味し、例えば、ベンゾイルオキシ又はベンゾキシ、ナフトイルオキシなどを含む。
【0044】
「HET」という用語は、O、S及びNから選択される1から4個のヘテロ原子を含有し、1から2個のオキソ基で場合によっては置換されている5から10員環芳香族、部分芳香族又は非芳香族単環又は二環式環として定義される。「HET」は、O、S及びNから選択される1から3個の複素原子を含有する5若しくは6員環芳香族若しくは非芳香族単環式環、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾールなどであり、又は、HETは、O、S及びNから選択される1から3個の複素原子を含有する9若しくは10員環芳香族若しくは部分芳香族二環式環、例えば、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピラノピロール(pyranopyrrole)、ベンゾピラン、キノリン、ベンゾシクロヘキシル、ナフチリジンなどであることが好ましい。「HET」は、以下のもの、すなわち、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル(carbolinyl)、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル(indolazinyl)、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフチリジニル(naphthyridinyl)、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル(azepinyl)、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンズオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロチエニルも含む。
【0045】
「治療する」という用語は、患者を治療してその患者から疾病又は症状の徴候及び症候を取り除くだけでなく、無症候性患者を予防的に治療して、疾病又は症状の発生を防止し、或いは疾病又は症状の進行を防止し、遅らせ、又は逆転させることも包含する。「治療するのに有効な量」という用語は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床家によって求められる、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する薬物又は薬剤の量を意味するものとする。この用語は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床家が組織、系、動物又はヒトにおいて防止しようとしている生物学的又は医学的現象の発生リスクをなくし、又は減少させ得る医薬薬物の量も包含する。
【0046】
以下の略号は、次の意味を有する。
【0047】
AIBN =2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
9−BBN =9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
B.P. =過酸化ベンゾイル
Bn =ベンジル
CCl =四塩化炭素
DAST =ジエチルアミン硫黄トリフルオライド
DCC =ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCI =1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
DEAD =ジエチルアゾジカルボキシラート
デス・マーチン・ペルヨージナン=[1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン]
DIBAL =水素化ジイソブチルアルミニウム
DME =エチレングリコールジメチルエーテル
DMAP =4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF =N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO =ジメチルスルホキシド
EtN =トリエチルアミン
HMPA =ヘキサメチルホスホルアミド
HPLC =高速液体クロマトグラフィー
LCMS =MSが後置された直列式HPLC
MS =質量スペクトル(又は質量分析法)
LDA =リチウムジイソプロピルアミド
m−CPBA=メタクロロ過安息香酸
NBS =N−ブロモスクシンイミド
NMR =核磁気共鳴
NSAID =非ステロイド性抗炎症薬
PCC =クロロクロム酸ピリジニウム
PDC =二クロム酸ピリジニウム
Ph =フェニル
1,2−Ph=1,2−ベンゼンジイル
Pyr =ピリジン
Qn =7−クロロキノリン−2−イル
=−CHSCHCHPh
r.t. =室温
rac. =ラセミ
THF =テトラヒドロフラン
THP =テトラヒドロピラン−2−イル
TLC =薄層クロマトグラフィー
アルキル基の略号
Me =メチル
Et =エチル
n−Pr =ノルマルプロピル
i−Pr =イソプロピル
n−Bu =ノルマルブチル
i−Bu =イソブチル
s−Bu =第二級ブチル
t−Bu =第三級ブチル
c−Pr =シクロプロピル
c−Bu =シクロブチル
c−Pen =シクロペンチル
c−Hex =シクロヘキシル
【0048】
本明細書に記載されている化合物の一部は、1個以上の不斉中心を含有し、したがってジアステレオマー及び光学異性体を生じ得る。本発明は、そのような考えられるジアステレオマー、並びにそれらのラセミ及び分割された鏡像異性的に純粋な形、並びに薬学的に許容されるそれらの塩を含むものとする。
【0049】
本明細書に記載されている化合物の一部は、オレフィン二重結合を含有し、別段の指定がないかぎり、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方を含むものとする。
【0050】
本発明の薬学的組成物は、活性成分として式I若しくは式IIの化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含み、薬学的に許容される担体も含有することができ、場合によっては他の治療成分を含んでいてもよい。「薬学的に許容される塩」という用語は、無機塩基及び有機塩基を含む、薬学的に許容される無毒の塩基から調製された塩を指す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などがある。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される無毒の有機塩基から誘導される塩としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの第一級、第二級及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩などが挙げられる。
【0051】
本発明の化合物が塩基性のときには、塩は、無機酸及び有機酸を含む、薬学的に許容される無毒の酸から調製することができる。そのような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがある。特に好ましい酸は、クエン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。
【0052】
以下の治療方法の考察において、式I又は式IIの化合物という表記は、薬学的に許容される塩も含むものであることを理解されたい。
【0053】
式I又は式IIの化合物の予防的用量又は治療用量の規模は、治療すべき症状の性質と重篤度、式I又は式IIの具体的な化合物及びその投与経路に応じて変わることは言うまでもない。これは、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食事、投与時間、代謝排泄速度、薬物の組み合せ、及び個々の患者の反応を含む、様々な要因に応じても変わるであろう。一般に、約0.001mgから約100mg/kg哺乳動物体重、好ましくは0.01mgから約10mg/kgの一日量。一方、これらの限度外の投与量を使用することが必要な場合もあり得る。
【0054】
単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療する相手、及び具体的な投与方法に応じて変わるであろう。例えば、ヒトへの経口投与を目的とした製剤は、全組成物の約5から約95パーセントまで変動することができる、適切で好都合な量の担体材料と配合された約0.5mgから約5gの活性薬剤を含有することができる。単位剤形は、一般に、約1mgから約2gの活性成分、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgの活性成分を含有するであろう。
【0055】
グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病を治療するためには、式I及び式IIの化合物は、薬学的に許容される従来の無毒の担体、アジュバント及びビヒクルを含有する単位用量製剤として、経口、局所、非経口、吸入噴霧又は直腸投与することができる。本明細書において使用する非経口という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内注射又は注入技術を含む。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコなどの温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトの治療に有効である。
【0056】
活性成分を含有する薬学的組成物は、経口用途に適した剤形、例えば、錠剤、トローチ剤、舐剤、溶液剤、水性又は油性懸濁液剤、分散性散剤又は顆粒剤、乳剤、硬又は軟カプセル剤、シロップ剤又はエリキシル剤とすることができる。経口用組成物は、薬学的組成物の製造の分野で公知の任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、薬学的に優れた、口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤及び防腐剤からなる群から選択される1種類以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適切である、薬学的に許容される無毒の賦形剤と混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴム、及び潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクとすることができる。錠剤は被覆されていなくてもよく、消化管内での崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長時間の持続作用をもたらす公知の技術によって被覆することもできる。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンなどの遅延材料を使用することができる。これらは、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号及び同第4,265,874号に記載されている技術によって被覆して、放出を制御する浸透圧治療錠剤(osmotic therapeutic tablet)を形成することもできる。
【0057】
経口用製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル剤、又は活性成分が、プロピレングリコール、PEG及びエタノールなどの水溶性溶媒、若しくはオイル媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン若しくはオリーブオイルと混合されている軟質ゼラチンカプセル剤として与えることもできる。
【0058】
水性懸濁液剤は、水性懸濁液剤の製造に適切な賦形剤と混合された活性材料を含有する。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するリン脂質、例えば、レシチン、又はアルキレンオキサイドと脂肪酸の縮合物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなどの脂肪酸とヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、又は脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートとすることができる。水性懸濁液剤は、1種類以上の防腐剤、例えば、エチル又はn−プロピル,p−ヒドロキシ安息香酸エステル、1種類以上の着色剤、1種類以上の矯味矯臭剤、及びスクロース、サッカリン又はアスパルテームなどの1種類以上の甘味剤を含有することもできる。
【0059】
油性懸濁液剤は、植物油、例えば、落花生油、オリーブオイル、ゴマ油若しくはヤシ油、又は流動パラフィンなどの鉱物油中に活性成分を懸濁させることによって調合することができる。油性懸濁液剤は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有することができる。上述したものなどの甘味剤、及び矯味矯臭剤は、口当たりの良い経口調製物を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することによって保存することができる。
【0060】
水を添加することによって水性懸濁液剤を調製するのに適切な分散性散剤及び顆粒剤によって、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種類以上の防腐剤と混合された活性成分が提供される。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上述したものによって例示されている。追加の賦形剤、例えば、甘味料、矯味矯臭剤及び着色剤も加えることができる。
【0061】
本発明の薬学的組成物は、水中油型乳剤の形とすることもできる。油相は、植物油、例えば、オリーブオイル若しくは落花生油、又は鉱物油、例えば、流動パラフィン、又はこれらの混合物とすることができる。適切な乳化剤は、天然に存在するリン脂質、例えば、ダイズ、レシチン、及び脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されるエステル又は部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレアート、及び前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートとすることができる。乳剤は、甘味料及び矯味矯臭剤を含有することもできる。
【0062】
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースとともに調合することができる。このような製剤は、粘滑薬、防腐剤及び矯味矯臭及び着色剤を含有することもできる。前記薬学的組成物は、無菌注射用水性又は油脂性懸濁液剤の形とすることができる。この懸濁液剤は、上述した適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて、公知の技術によって調合することができる。無菌注射用調製物は、無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液の無菌注射液又は懸濁液剤とすることもできる。使用することができる許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。エタノール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどの共溶媒も使用することができる。さらに、従来、無菌不揮発性油が溶媒又は懸濁媒体として使用されている。この目的のために、合成モノ又はジグリセリドなどの、刺激のないあらゆる不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も注射剤の調製に使用される。
【0063】
式I又は式IIの化合物は、薬物を直腸投与するための坐剤の形で投与することもできる。これらの組成物は、周囲温度では固体であるが、直腸温度では液体であり、したがって、直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。このような材料は、カカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0064】
局所に使用する場合は、式I又は式IIの化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、溶液剤又は懸濁液剤などが使用される。(本願では、局所適用は、洗口及びうがい薬を含むものとする。)局所製剤は、一般に、薬剤担体、共溶媒、乳化剤、侵入促進剤、防腐剤系及び皮膚軟化剤を含むことができる。
【0065】
式I又は式IIの化合物は、グルココルチコイド受容体を選択的に調整することができるので、様々な炎症性及び自己免疫性の疾病及び症状を治療し、予防し、又はその進行を逆転させるのに有用である。したがって、本発明の化合物は、以下の疾病又は症状、すなわち、炎症、組織拒絶反応、自己免疫、白血病及びリンパ腫などの様々な悪性腫瘍、クッシング症候群、急性副腎不全、先天性副腎皮質過形成症、リウマチ熱、結節性多発性動脈炎、肉芽腫性多発性動脈炎、骨髄細胞系の阻害、免疫増殖/アポトーシス、HPA系の抑制及び調節、高コルチゾール血症、卒中及び脊髄損傷、高カルシウム血症、高血糖症、急性副腎不全、慢性原発性副腎不全、続発性副腎不全、先天性副腎皮質過形成症、脳浮腫、血小板減少症、リトル症候群、肥満症及び代謝症候群を治療し、予防し、又は改善するのに有用である。
【0066】
本発明の化合物は、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、結節性多発性動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、ブドウ膜炎、枯草熱、アレルギー性鼻炎、じんま疹、血管神経性浮腫、慢性閉塞性肺疾患、喘息、腱炎、滑液包炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性慢性活動性肝炎、臓器移植、肝炎及び肝硬変などの全身的炎症を含む病態を治療し、予防し、又はその進行を逆転させるのにも有用である。
【0067】
本発明の化合物は、炎症性頭皮脱毛症、脂肪組織炎、乾せん、円板状エリテマトーデス、炎症性嚢胞、アトピー性皮膚炎、壊そ性膿皮症、尋常性天疱瘡、水ほう性類天疱瘡、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、妊娠性ヘルペス、好酸球性筋膜炎、再発性多発性軟骨炎、炎症性血管炎、サルコイドーシス、スイート病、I型反応性ライ病、毛細血管腫、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、扁平苔せん、剥脱性皮膚炎、結節性紅斑、挫創、多毛症、中毒性表皮壊死症、多形性紅斑、皮膚T細胞リンパ腫などの様々な局所的疾患を治療し、予防し、又はその進行を逆転させるのに有用である。
【0068】
本発明の化合物は、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、細胞アポトーシス、及びカポジ肉腫を含むが、これに限定されない癌に関連する病態を治療し、予防し、又はその進行を逆転させること、免疫系活性化及び調節、炎症反応の脱感作、IIL−I発現、ナチュラルキラー細胞発生、リンパ球性白血病、及び網膜色素変性症の治療にも有用である。認知及び行動プロセスもグルココルチコイド治療が可能であり、認知能力、記憶及び学習向上、うつ病、耽溺、気分障害、慢性疲労症候群、統合失調症、卒中、睡眠障害、不安などのプロセスの治療に拮抗物質が潜在的に有用であると思われる。
【0069】
本発明は、式I又は式IIの化合物と1種類以上の薬剤とをそのような治療を必要とする患者に同時に投与することを含む、グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病を治療する方法も包含する。喘息又は慢性閉塞性肺疾患を治療し、又は予防するために、式I又は式IIの化合物は、シータ(Jに対応)−作用物質(例えば、サルメテロール)、テオフィリン、抗コリン薬(例えば、アトロピン及び臭化イプラトロピウム)、クロモリン、ネドクロミル及びロイコトリエン調節剤(例えば、モンテルカスト)からなる群から選択される1種類以上の薬剤と組み合わせることができる。炎症を治療し、又は予防するために、式I又は式IIの化合物は、1種類又は以下のもの、すなわち、アセチルサリチル酸などのサリチラート、インドメタシン、スリンダク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、トルフェナム酸、トルメチン、ケトロラック、ジコフェナク(dicofenac)、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン(flurbiprofin)及びオキサプロジンなどの非ステロイド性抗炎症剤、エタネルセプト及びインフリキシマブなどのTNF阻害剤、アナキンラなどのIL−1受容体拮抗物質、メトトレキセート、レフルノミド、アザチオプリン及びシクロスポリンなどの細胞毒又は免疫抑制薬、金化合物、ヒドロキシクロロキン又はスルファサラジン、ペニシラミン、ダルブフェロン(darbufelone)及びρ38キナーゼ阻害剤と組み合わせることができる。式I又は式IIの化合物は、アレンドロネートなどのビスフォネートと併用してグルココルチコイドによって媒介される疾病を治療することもでき、同時に、破骨細胞によって媒介される骨吸収を阻害することもできる。
【0070】
合成の方法
本発明の化合物は、以下の反応スキームによって調製される。全ての置換基は、別段の記載がなければ、上記定義のとおりである。
【0071】
【化13】












【0072】
代表例
ここで、特段の記載がなければ以下の操作によって実施された、以下の非限定的な実施例によって、本発明を説明する。
【0073】
(i)すべての操作は、室温又は周囲温度、すなわち、温度18から25℃で実施され、
(ii)溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧(600から4000パスカル:4.5から30mmHg)下、最高60℃の浴温度で実施され、
(iii)反応経過は、TLC及び/又はLCMSによって追跡され、反応時間は説明のためにのみ与えられ、
(iv)すべての最終生成物の構造及び純度は、以下の技術、すなわち、TLC、HPLC、MS又はNMR分光法のうち少なくとも1つによって確認され、
(v)収率は説明のためにのみ与えられ、
(vi)NMRデータが記載されているときには、主要な特徴的プロトンに対するデルタ(δ)値の形であり、内部標準のテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で与えられ、表記された溶媒を用いて500MHz又は600MHzで測定され、信号形状については従来の略語が用いられ、すなわち、s.は一重線、d.は二重線、t.は三重線、m.は多重線、br.はブロードなどであり、また、「Ar」は、芳香族シグナルを意味し、
(vii)化学記号は、それらの通常の意味を有し、以下の略語、すなわち、v(体積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq又はequiv(当量)、IC50(可能な最大阻害の50%をもたらすモル濃度)、μM(マイクロモラー)、nM(ナノモラー)も使用された。
【0074】
調製例
化合物A
【0075】
【化14】

【0076】
段階1:
【0077】
【化15】

【0078】
ヴィーラント−ミーシャーのケトン(5g、28.05mmol)のエチレングリコール(140mL)溶液に、4Å分子篩(約5g)とp−トルエンスルホン酸(5.34g、28.05mmol)を添加した。室温で23分間攪拌した後、この反応物を、氷水/飽和NaHCO水溶液の2:1混合液(150mL)中に、ゆっくりと注ぎ込んだ。この反応物をEtOAc(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(0から40%のEtOAc/ヘキサン)によって、残留物を精製し、白色固体としてケタール(5.77g、93%)を得た。LCMS=223;(M+1)H NMR(CDC1,500MHz):δ5.83(br d,J=1.8Hz,1H),4.43−3.94(m,4H),2.49−2.40(m,3H),2.39−2.27(m,2H),1.95−1.88(m,1H),1.84−1.78(m,1H),1.76−1.64(m,3H),1.37(s,3H)。
【0079】
段階2:
【0080】
【化16】

【0081】
前記ケタールの冷却(−40℃)無水ベンゼン溶液(200mL)に、ギ酸エチル(7.36mL、86.48mmol)及び水素化ナトリウム(鉱物油中の60%懸濁液;3.46g、86.48mmol)を添加した。MeOH(450TL)を、15分かけて、滴下して添加し、反応物を室温まで加温した。3時間攪拌した後、反応物を0℃まで冷却し、水(50mL)を添加した。この二相系を震盪し、有機層を水(3×50mL)で洗浄した。合わせた水層をジエチルエーテル(100mL)で洗浄した後、飽和KHPO水溶液で、pH5.5−6まで酸性にした。水層をEtOAc(5×200mL)で抽出した。合わせた抽出液を乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して、ヒドロキシケトン(5.04g、93%)を橙色の油として得た。LCMS=251;(M+1)
【0082】
段階3:
【0083】
【化17】

【0084】
氷酢酸(40mL)中に、前記ヒドロキシケトン(4.1g、16.4mmol)を溶かし、p−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(2.8g、17.22mmol)及び酢酸ナトリウム(1.41g、17.22mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、この反応物を、10% NaHCO(1L)中にゆっくり注ぎ込み、EtOAc(6×500mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水(500mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって、未精製物質を精製し、橙色固体として実施例138(2.26g、41%)を得た。LCMS=421;(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.47−7.44(m,2H),7.43(s,1H),7.18−7.16(d,J=8.5Hz,1H),7.16−7.14(d,J=8.7Hz,1H),6.22(br d,J=2.2Hz,1H),4.11−4.01(m,4H),3.20−3.16(d,J=15.7Hz,1H),2.54−2.51(d,J=16Hz,1H),2.51−2.40(m,1H),2.34−2.28(m,1H),1.88−1.64(m,4H),1.23(s,3H)。
【0085】
段階4:
【0086】
【化18】

【0087】
THF(65mL)中に、実施例138(2.26g、6.65mmol)を溶かし、6N HCl(4.43mL、26.6mL)を添加した。この反応物を65℃で3.5時間加熱した後、10% NaHCO(150mL)中にゆっくり注いだ。混合物をEtOAc(4×250mL)で抽出し、合わせた抽出物を、塩水(2×200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、茶色の油として化合物A(1.97g、100%)を得た。LCMS=297;(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.50(s,1H),7.49−7.45(m,2H),7.20−7.16(m,2H),6.31(br d,J=2Hz,1H),2.96−2.88(m,2H),2.72−2.62(m,2H),2.59−2.53(m,2H),2.14−2.80(m,1H),1.75−1,64(qt,J=13.1Hz,J=4.3Hz,1H),1.27(s,3H)。
【0088】
化合物B
【0089】
【化19】

【0090】
化合物Bは、化合物Aの調製について上述したものと同一の反応順序と手順に従って、公知のHajos−Parrishケトン(J.Org.Chem.1974,39(12),1612−1621.)を調製した。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、本発明の化合物のうち幾つかの調製を例示するものであり、本明細書に開示されている発明を限定するものと解釈してはならない。
【0092】
(実施例1)
【0093】
【化20】

【0094】
アルゴン雰囲気下にある、脱気された2mLの無水テトラヒドロフラン中に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(10mg)、トリフェニルホスフィン(30mg)及びトリメチル酢酸スズ(20mg)を添加した。これに、1.0mLの脱気されたTHF中の化合物A(110mg、0.374mmol)を添加した後、トリメチルシリルアセトキシプロペンを添加した。得られた反応混合物を、密閉チューブ中で、100℃まで15時間加熱した後、セライトを通して濾過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄し、減圧下で蒸発させた。この未精製反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製して、回収された出発物質(58mg)、及び白色の泡として所望の生成物を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:351(M+1))によって特定した。
【0095】
(実施例2)
【0096】
【化21】

【0097】
実施例1(10MG、0.029mmol)を酢酸エチル(1mL)中に希釈し、触媒量のパラジウム炭素で処理し、二重壁のバルーンを介して、水素気体の雰囲気に曝露し、真空パージを3回行った。この反応混合物を室温で1時間攪拌した後、セライトを通して濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、調製用薄層クロマトグラフィー(SiO、250ミクロン、20×20cm、30% EtOAc−ヘキサン)によって精製して、所望の生成物を異性体の混合物として得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0098】
(実施例3)
【0099】
【化22】

【0100】
実施例1(10mg、0.029mmol)を、(1:1)THF−HO(1mL)中に希釈し、酢酸水銀(II)(14mg、0.043mmol)で処理し、この反応混合物を23℃で14時間攪拌した。次いで、この反応混合物を、3M NaOH水溶液中の水素化ホウ素ナトリウム(56mg、1.5mmol)の溶液0.50mLにより、室温でゆっくり処理した。この反応混合物を2時間、23℃に保ち、水とジエチルエーテルの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を、調製用薄層クロマトグラフィー(SiO、250ミクロン、20×20cm、50% EtOAc−ヘキサン)によって精製して、分離された異性体生成物を与え、その各々を、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:369(M+1))によって特定した。
【0101】
(実施例4及び5)
【0102】
【化23】

【0103】
化合物A(50mg、0.168mmol)を、アルゴン雰囲気下で、1.0mLのTHF中に溶かした。活性化された亜鉛(0.336mmol、22mg)、α−ブロモメチルアクリル酸エチル(0.336mmol、0.040mL)及び触媒性ヒドロキノン(0.005mL)を添加し、この反応混合物を110℃まで15時間加熱した後、室温まで冷却した。この反応物を、25mLの1N HCl水溶液で反応停止させ、塩化メチレン(3×25mL)で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この未精製反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、エチルエーテル/ヘキサン)によって精製して、白色の泡として所望の異性体生成物を得た。この生成物異性体は、それぞれ、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:365(M+1))によって特定した。
【0104】
(実施例6)
【0105】
【化24】

【0106】
化合物A(300mg、1.0mmol)を、アルゴン雰囲気下で、4mLの無水THF中に溶かし、−50℃まで冷却した。次いで、3.0当量のアリルマグネシウムブロミド(THF中1M、3.00mmol、3.0mL)を滴下して添加した。次いで、得られた反応混合物を、6時間にわたって、ゆっくりと23℃まで加温した。50mLの飽和NHCl水溶液で反応を停止させ、塩化メチレン(3×35mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この未精製反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、灰白色の泡として所望の生成物を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:339(M+1))によって特定した。
【0107】
(実施例7)
【0108】
【化25】

【0109】
実施例7は、実施例6に記載した上述の手順に従って、化合物Aから調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0110】
(実施例8)
【0111】
【化26】

【0112】
実施例8は、実施例6に記載した上述の手順に従って、化合物Bから調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:339(M+1))によって特定した。
【0113】
(実施例9)
【0114】
【化27】

【0115】
アルゴン雰囲気下で、1.0mLの5:1 THF/HMPA中に実施例6(50mg、0.148mmol)を溶かし、水素化ナトリウム(鉱物油中60%、0.290mmol、12mg)を添加し、この反応混合物を、室温で10分間攪拌した。次いで、臭化アリル(0.592mmol、0.051mL)を添加し、この反応物を80℃まで2時間加熱した後、室温まで冷却した。次いで、この反応を、25mLの飽和NHCl水溶液の添加によって停止させ、塩化メチレン(3×25mL)で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この未精製反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製して、淡黄色の泡として所望の生成物を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:379(M+1))によって特定した。
【0116】
(実施例10)
【0117】
【化28】

【0118】
実施例10は、実施例9に記載した上述の手順に従って、実施例6から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:437(M+1))によって特定した。
【0119】
(実施例11)
【0120】
【化29】

【0121】
実施例11は、実施例9に記載した上述の手順に従って、実施例6から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:393(M+1))によって特定された。
【0122】
(実施例12)
【0123】
【化30】

【0124】
アルゴン雰囲気下で、1.0mLの脱気されたベンゼン中に、実施例9(8mg,0.021mmol)を溶かし、これに、触媒性ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−ベンジリジンルテニウム(IV)二塩化物(2mg)を添加し、得られた反応混合物を100℃まで4時間加熱した後、これを室温まで冷却し、セライトを通して濾過し、酢酸エチル(25mL)で洗浄し、減圧下で蒸発させた。この未精製反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製して、透明のフィルムとして所望の生成物を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:351(M+1))によって特定した。
【0125】
(実施例13)
【0126】
【化31】

【0127】
実施例13は、実施例12に記載した上述の手順に従って、実施例11から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:365(M+1))によって特定した。
【0128】
(実施例14)
【0129】
【化32】

【0130】
実施例14は、実施例12に記載した上述の手順に従って、実施例10から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:409(M+1))によって特定した。
【0131】
(実施例15)
【0132】
【化33】

【0133】
実施例15は、以下の実施例78に記載されている手順に従って、実施例14の水素化リチウムアルミニウム還元によって調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:381(M+1))によって特定した。
【0134】
(実施例16)
【0135】
【化34】

【0136】
アルゴン雰囲気下において、1.0mLのTHF中に、実施例7(14mg、0.039mmol)を溶かし、0℃まで冷却し、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(THF中0.5M、0.156mmol、0.312mL)を添加した。この反応混合物を室温まで加温し、15時間攪拌した後、1mLのエタノール、0.052mLの6N NaOH水溶液及び0.1mLの30%過酸化水素水の添加によって、反応を停止させた。次いで、この反応混合物を、5.0mLの水で希釈し、塩化メチレン(3×4mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、調製用薄層クロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:371(M+1))によって特定した。
【0137】
(実施例17)
【0138】
【化35】

【0139】
実施例17は、実施例16に記載した上述の手順に従って、実施例8から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:357(M+1))によって特定した。
【0140】
(実施例18)
【0141】
【化36】

【0142】
アルゴン雰囲気下で、1.0mLの塩化メチレン中に、実施例16(15mg、0.041mmol)を溶かし、0℃まで冷却した後、20当量のピリジン(0.82mmol、0.066mL)と3.0当量のデス−マーチン・ペルヨージナン(0.122mmol、52mg)を添加し、次いで、15時間かけて、この反応混合物を室温まで加温した。この反応混合物の反応を、20mLの飽和NHCl水溶液で停止させ、塩化メチレン(3×15mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:367(M+1))によって特定した。
【0143】
(実施例19)
【0144】
【化37】

【0145】
実施例19は、実施例18に記載した上述の手順に従って、実施例17から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:355(M+1))によって特定した。
【0146】
(実施例20)
【0147】
【化38】

【0148】
アルゴン雰囲気下で、実施例18(6mg、0.016mmol)を、0.5mLの塩化メチレン中に溶かし、−80℃まで冷却した後、トリエチルシラン(0.163mmol、0.027mL)と三フッ化ホウ素エーテル(0.049mmol、0.007mg)を添加し、次いで、この反応混合物をゆっくり0℃まで加温した。この反応物を、20mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止させ、塩化メチレン(3×15mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製して、透明のフィルムとして所望の生成物を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0149】
(実施例21)
【0150】
【化39】

【0151】
実施例21は、実施例20に記載した上述の手順に従って、実施例19から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:339(M+1))によって特定した。
【0152】
(実施例22)
【0153】
【化40】

【0154】
アルゴン雰囲気下で、0.5mLの塩化メチレン中に、実施例18を溶かし、−80℃まで冷却した。これに、三フッ化ホウ素エーテル(0.105mmol、0.013mL)とジメチル亜鉛[1M ヘプタン](0.21mmol、0.21mL)を添加し、この反応混合物を室温まで加温し、15時間攪拌した。この反応物を、10mLの飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止させ、塩化メチレン(3×10mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製して、透明のフィルムとして所望の生成物を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:367(M+1))によって特定した。
【0155】
(実施例23)
【0156】
【化41】

【0157】
実施例23は、実施例22に記載した上述の手順に従って、実施例18から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:381(M+1))によって特定した。
【0158】
(実施例24)
【0159】
【化42】

【0160】
実施例24は、実施例22に記載した上述の手順に従って、実施例19から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0161】
(実施例25)
【0162】
【化43】

【0163】
化合物A(300mg、1.01mmol)をTHF(10mL)中に希釈し、−78℃で、アリルメチルエーテル(0.318mL、3.4mmol)及びt−ブチルリチウム(1.8mL、3mmol)で処理し、1時間放置した。次いで、この反応混合物を、NHCl(aq)とCHClの間に分配した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。この粗生成物は、その後の反応に直接使用するか、又はフラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40S、SiO、30% EtOAc/ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:369(M+1))によって特定した。
【0164】
(実施例26)
【0165】
【化44】

【0166】
テトラヒドロフラン(20mL)と3N 過塩素酸(3mL)の溶液中に、実施例25(372mg、1.01mmol)を希釈した。この混合物を、15時間室温に放置した。この反応混合物を真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(4×1500ミクロン SiO、20×20cm、30% アセトン/ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:355(M+1))によって特定した。
【0167】
(実施例27)
【0168】
【化45】

【0169】
実施例26(45mg、0.13mmol)を、CHCl(6.5mL)中に希釈し、4−メチルモルホリン N−オキシド(45.6mg、0.39mmol)及び活性化された4Å篩で処理した。次いで、この反応混合物を0℃まで冷却し、テトラプロピルアンモニウムペルルテナート(4.6mg、0.013mmol)で処理し、23℃に1時間放置し、セライトを通して濾過し、10% NaHSO(aq)とCHClの間に分配した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(1500ミクロン SiO、20×20cm、50% EtOAc−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0170】
(実施例28)
【0171】
【化46】

【0172】
実施例26(47mg、0.12mmol)を、CHCl(6.5mL)中に希釈し、−78℃まで冷却し、トリエチルシラン(0.198mL、1.2mmol)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(0.031mL、0.24mmol)で処理した。この反応混合物を−78℃に0.5時間放置した後、23℃まで1時間加温した。この混合物を、NaHSO3(aq)とCHClの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(1500ミクロン SiO、20×20cm、50% EtOAc−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:339(M+1))によって特定した。
【0173】
(実施例29)
【0174】
【化47】

【0175】
実施例27(47mg、0.12mmol)を、テトラヒドロフラン(0.355mL)中に希釈し、−78℃まで冷却し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.146mL、0.146mmol、1M THF)で処理し、−78℃に0.5時間放置した。この反応混合物を、臭化ベンジル(0.042mL、0.35mmol)で処理し、0℃に3時間放置した。この混合物を、NaHSO3(aq)とEtOAcの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(500ミクロン SiO、20×20cm、30% アセトン−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:533(M+1))によって特定した。
【0176】
(実施例30)
【0177】
【化48】

【0178】
実施例29(60mg、0.11mmol)を、トルエン(0.550mL)中に希釈した後、−78℃まで冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(0.230mL、0.23mmol、1M トルエン)で処理し、−78℃に1時間放置した。この反応混合物を、ロシェル塩(2.75mL)で反応停止し、セライト上で濾過した。この混合物を、NaHSO3(aq)とCHClの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(500ミクロン SiO、20×20cm、30% アセトン−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:535(M+1))によって特定した。
【0179】
(実施例31)
【0180】
【化49】

【0181】
実施例30(20mg、0.037mmol)を、CHCl(0.748mL)中に希釈し、−78℃まで冷却し、アリルトリメチルシラン(0.059mL、0.374mmol)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(0.009mL、0.075mmol)で処理した。この反応混合物を0.5時間、−78℃に保ち、23℃まで3時間加温した。この混合物を、NaHSO3(aq)とCHClの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(500ミクロン SiO、20×20cm、30% アセトン−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:559(M+1))によって特定した。
【0182】
(実施例32)
【0183】
【化50】

【0184】
THF(10mL)中の化合物B(330mg、1.06mmol)を、アリルマグネシウムブロミド(6.21mL、6.21mmol)のTHF(10mL)溶液に、滴下して添加した。この反応混合物を1時間、23℃に保ち、NHCl(aq)とCHClの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この粗生成物をその後の反応で使用して、実施例33を得た。この生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:325(M+1))によって特定した。
【0185】
(実施例33)
【0186】
【化51】

【0187】
実施例32(131mg、0.404mmol)を、テトラヒドロフラン(4mL)中に希釈し、9−BBN(4.04mL、2.02mmol)で処理した。この反応混合物を1時間、23℃に保ち、それぞれ、エタノール(4.04mL)、30%水酸化ナトリウム(1.21mL)及び60%過酸化水素(2.42mL)で反応を停止させた。停止された反応混合物を1時間、50℃に保った。次いで、この混合物を、HOとCHClの間に分配した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、4mm SiO、1:9:90 NHOH−MeOH−CHCl)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:343(M+1))によって特定した。
【0188】
(実施例34)
【0189】
【化52】

【0190】
実施例33(113mg、0.343mmol)を、CHCl(8mL)中に希釈し、4−メチルモルホリン N−オキシド(91.44mg、0.78mmol)及び活性化された4Å篩で処理した。次いで、この反応混合物を0℃まで冷却し、テトラプロピルアンモニウムペルルテネート(10.98mg、0.031mmol)で処理した。この反応混合物を1時間、23℃に保った後、セライト上で濾過し、10% NaHSO3(aq)とCHCl間に分配した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用逆相HPLC(C18 SiO、0.1% TFA溶出液を加えた0−100% アセトニトリル水溶液のグラジエント)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:339(M+1))によって特定した。
【0191】
(実施例35)
【0192】
【化53】

【0193】
実施例35は、実施例29に記載した上述の手順に従って、実施例34から調製した。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:419(M+1))によって特定された。
【0194】
(実施例36)
【0195】
【化54】

【0196】
実施例35(33mg、0.079mmol)を、EtOAc(3mL)中に希釈し、一気圧のH2(g)下において(二重壁バルーン)、パラジウム炭素で処理した。この反応混合物を0.5時間、23℃に保ち、セライト上で濾過し、真空中で濃縮し、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、2mm SiO、10%−50% 酢酸エチル−ヘキサングラジエント溶出)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:423(M+1))によって特定した。
【0197】
(実施例37)
【0198】
【化55】

【0199】
マグネシウム削り状(10mg、0.42mmol)を粉末化し、THF(1mL)中に溶かした。ブロモエタン(0.031mL、0.42mmol)を、前記溶液に滴下しながら添加して、23℃で0.5時間攪拌した。この混合物を0℃まで冷却し、プロパルギルオキシトリメチルシラン(0.064mL、0.42mmol)で処理し、23℃まで0.5時間加温した。THF(0.5mL)中の化合物A(100mg、0.34mmol)を、0℃の上記溶液中に希釈し、1.5時間、23℃に保った。この反応混合物を、NHCl(aq)とEtOAc間に分配した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、この未精製ジオールを以降の反応で直接使用して、実施例38を得た。生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0200】
(実施例38)
【0201】
【化56】

【0202】
実施例37(20mg、0.056mmol)を、ジオキサン(0.2mL)中に希釈し、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(40mg、0.056mmol)及びトリブチル水素化スズ(0.450mL、2.24mmol)で、この混合物を処理した。この混合物を3時間、0℃に保ち、セライト上で濾過し、真空中で濃縮し、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、4mm SiO、1% トリエチルアミン−酢酸エチル)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:645(M+1))によって特定した。
【0203】
(実施例39)
【0204】
【化57】

【0205】
実施例38(11mg、0.017mmol)を、テトラヒドロフラン(0.010mL)中に希釈し、トリフェニルホスフィン(9.12mg、0.030mmol)で処理し、0℃まで冷却し、次いで、ジエチルアゾジカルボキシラート(0.005mL、0.030mmol)で処理した。この混合物を1時間、0℃に保ち、真空中で濃縮し、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、4mm SiO、1% トリエチルアミン−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:627(M+1))によって特定した。
【0206】
(実施例40及び41)
【0207】
【化58】

【0208】
トルエン(1mL)中の実施例39(13mg、0.020mmol)を希釈し、この溶液を、塩化リチウム(2.5mg、0.059mmol)、ブロモベンゼン(0.003mL、0.029mmol)及びテトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(1mg、0.0004mmol)で処理することによって、実施例40及び41を調製した。この反応混合物を100℃で15時間加熱し、室温まで冷却し、セライト上で濾過し、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(250ミクロンSiO、20×20cm、20%アセトン−ヘキサン)によって精製して両生成物の分割物を得、それぞれをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:413(M+1))によって特定した。
【0209】
(実施例42−47)
以下の化合物は、上記実施例に記載されており、スキーム10に例示されているものと同様の条件下で調製された。以下の表に示された類縁体を生成するために、ブロモベンゼンに代えて、当業者に公知の他の臭化物を使用した。実施例36に記載されているように実施例46の水素化を使用して、実施例47を得た。以下の実施例は、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定した。
【0210】
【表6】

【0211】
(実施例48)
【0212】
【化59】

【0213】
実施例41(113mg、0.343mmol)を、ジクロロエタン(0.436mL)中に希釈し、トリエチルシラン(0.072mL、0.436mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.010mL、0.1309mmol)で処理した。この反応混合物を15時間、60℃に保ち、真空中で濃縮し、調製用薄層クロマトグラフィー(250ミクロン SiO、20×20cm、30% EtOAc−ヘキサン)、次いで調製用HPLC(CHIRALPAK ADカラム、4%エタノール−ヘプタン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:415(M+1))によって特定した。
【0214】
(実施例49)
【0215】
【化60】

【0216】
実施例37に記載した上述の手順に従って、化合物Bをプロパルギルジオールに転換した。この中間体(50mg、0.148mmol)をアセトン(2mL)中に希釈し、キノリン(0.010mL、0.093mmol)、リンドラー触媒(15mg)で処理し、二重壁のバルーンを介して、この反応混合物に水素気体で真空パージを行った。この反応混合物を、水素雰囲気下、15時間、23℃に保ち、セライト上で濾過し、真空中で濃縮した。この未精製アリルジオール(50mg、0.148mmol)を、塩化メチレン(1mL)中に希釈し、活性化された4Å粉末化篩、NMO(86mg、0.74mmol)及び触媒性TPAP(10mg、0.029mmol)で処理した。この反応混合物を14時間、室温で攪拌し、セライト上で濾過し、10%NaHSO水溶液とCHCl間に分配し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を、調製用逆相HPLC(C18 SiO、0.1% TFA溶出液を加えた0−100% アセトニトリル水溶液のグラジエント)によって精製して、生成物ヒドロキシエナールを得た。この中間体(10mg、0.030mmol)をtert−ブタノール(0.50mL)に溶かし、2−メチル―2−ブテン(0.74mmol、0.10mL)を添加した。この反応混合物を、5分間、23℃で攪拌し、次いで、0.20mLのHO中の、亜塩素酸ナトリウム(0.089mmol、8mg)と第一リン酸ナトリウム(0.074mmol、11mg)の溶液を添加した。この反応混合物を、13時間、23℃で攪拌した後、飽和NHCl水溶液で反応を停止させ、塩化メチレンで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を、調製用薄層クロマトグラフィー(250ミクロンSiO、20×20cm、30% EtOAc−ヘキサン)によって精製して、生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:337(M+1))によって特定した。
【0217】
(実施例50−70)
以下の化合物は、上記実施例に記載されており、スキーム5−9に例示されている条件と類似の条件下で調製された。以下の実施例は、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定した。
【0218】
【表7】



【0219】
(実施例71)
【0220】
【化61】

【0221】
化合物B(100mg、0.35mmol)を、ピリジン(1mL)中に希釈し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(28.06mg、0.40mmol)で処理した。この反応混合物を2時間、90℃に保った後、0.1N HClとCHClの間に分配した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。この粗生成物を以降の反応で直接使用して、実施例72を得た。HPLC及び質量分析計(m/z:298(M+1))によって特定された生成物。
【0222】
(実施例72)
【0223】
【化62】

【0224】
氷槽中において、実施例71(526mg、1.77mmol)を、N−ブロモスクシンイミド(1g、5.62mmol)、炭酸水素カリウム(556.45mg、5.55mmol)、HO(1mL)及びジオキサン(6.33mL)の0℃溶液中に希釈した。この反応混合物を48時間、0℃に保った。48時間後に、ホウ水素化ナトリウム(207.57mg、5.49mmol)で、この反応混合物を処理した。この反応混合物を0.5時間、23℃に保った。次いで、この混合物を、NHCl(aq)とCHClの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、4mm SiO、10%−60% 酢酸エチル−ヘキサングラジエント溶出)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:314(M+1))によって特定した。
【0225】
(実施例73)
【0226】
【化63】

【0227】
実施例72(4mg、0.013mmol)を、tert−ブチルアルコール(0.036mL)中に希釈し、アクリル酸メチル(0.69mL、0.77mmol)、次いで、Triton B(0.018mL、0.040mmol)で処理した。この反応混合物を15時間、23℃に保った後、真空中で濃縮した。この未精製反応生成物を、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:400(M+1))によって特定し、以降の反応で直接使用して、実施例74を得た。
【0228】
(実施例74)
【0229】
【化64】

【0230】
実施例73(6mg、0.021mmol)を、氷酢酸(0.5mL)中に希釈し、亜鉛粉(22mg、6.8mmol)で処理した。この混合物を15時間、25℃に保ち、セライト上で濾過し、CHClで洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、調製用逆相HPLC(C18 SiO、0.1% TFA溶出液を加えた0−100% アセトニトリル水溶液のグラジエント)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:338(M+1))によって特定した。
【0231】
(実施例75)
【0232】
【化65】

【0233】
酢酸tert−ブチル(0.72mL、5.32mmol)のTHF(9mL)溶液を、−78℃にて、リチウムヘキサメチルジシラザン(6.2mL、6.21mmol、1M THF)で処理し、この混合物を15分間放置した。次いで、このエステルエノラートを、化合物(500mg、1.77mmol)のTHF(9mL)溶液で処理し、この混合物を−78℃で30分放置し、11時間室温に保ち、次いで、水で反応を停止させ、酢酸エチルで分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。このβ−ヒドロキシエステル中間体を、真空吸引して乾燥し、未精製残留物をCHCl(18mL)中に希釈し、0℃まで冷却し、マーチン・スルフラン試薬(3.6g、5.32mmol)で処理し、この反応混合物を0℃で3時間攪拌した。この反応混合物を23℃まで加温し、NaHCO3(aq)とCHClの間に分配し、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、4mm SiO、0−20% 酢酸エチル−ヘキサングラジエント溶出)によって精製して、二重結合異性体の(3:2)混合物として生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:381(M+1))によって特定した。
【0234】
(実施例76)
【0235】
【化66】

【0236】
実施例75(670mg、1.77mmol)を塩化メチレン(8mL)中に希釈し、0℃まで冷却し、トリフルオロ酢酸(8mL)で処理した。この反応混合物を、23℃まで1時間加温し、真空中で濃縮し、真空吸引して乾燥させた。この未精製油を、ジエチルエーテル(5mL)とメタノール(11mL)中に希釈し、23℃で、トリメチルシリルジアゾメタン(9mL、18mmol、2Mヘキサン)で処理し、5分間放置し、ジエチルエーテル中の希酢酸で反応を停止し、過剰のHOAcに対する陽性TLCブロモクレゾールグリーン染色によって反応の停止をモニターし、反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、4mm SiO、0−20% 酢酸エチル−ヘキサングラジエント溶出)によって精製して、二重結合異性体の(3:2)混合物として生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:339(M+1))によって特定した。
【0237】
(実施例77)
【0238】
【化67】

【0239】
実施例76(150mg、0.44mmol)を、室温にて、トルエン中のEtAlCN(13mL、13.3mmol、1M トルエン)で処理した。この反応混合物を、23℃に72時間放置し、−78℃まで冷却し、メタノールでゆっくり反応を停止させると、激しい発熱反応が起こった。次いで、セライトを通して、この反応混合物を濾過し、(1:1)MeOH−アセトニトリルで徹底的に洗浄し、真空中で濃縮した。この粗生成物を、調製用遠心薄層クロマトグラフィー(Chromatotron、2mm SiO、20%−70% 酢酸エチル−ヘキサングラジエント溶出)によって精製して、単一のジアステレオマーとして生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:366(M+1))によって特定した。
【0240】
(実施例78)
【0241】
【化68】

【0242】
実施例77(20mg、0.055mmol)をTHF(2mL)中に溶かし、水素化リチウムアルミニウム(21mg、0.55mmol)で処理し、この反応混合物を23℃で3時間攪拌した。次いで、ロシェル塩の飽和溶液で、この混合物の反応を停止させ、抽出を助けるために固体NaClを添加し、塩化メチレンで過剰に分配した。次いで、この有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:342(M+1))によって特定し、実施例79を得るために、次の反応で直接使用した。
【0243】
(実施例79)
【0244】
【化69】

【0245】
実施例78(9mg、0.026mmol)を塩化メチレン(2mL)中に溶かし、ピリジン(0.006mL、0.079mmol)で処理した後、エタンスルホニルクロリド(0.004mL、0.039mmol)で処理し、この反応混合物を23℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物を、NaHSO3(aq)とCHClの間に分配して、以下の反応で未精製のまま使用するか、又は調製用薄層クロマトグラフィー(1500ミクロン SiO、20×20cm、50% EtOAc−ヘキサン)上に、この反応混合物を直接載せることによって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:434(M+1))によって特定した。
【0246】
(実施例80)
【0247】
【化70】

【0248】
実施例79(10mg、0.023mmol)をベンゼン(1mL)中に溶かし、再結晶されたトリフェニルホスフィン(7mg、0.025mmol)で処理した後、DIAD(0.005mL、0.025mmol)で処理し、この反応混合物を23℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物を、真空中で濃縮し、調製用逆相HPLC(C18 SiO、0.1% TFA溶出液を加えた0−100% アセトニトリル水溶液のグラジエント)、次いで、調製用薄層クロマトグラフィー(500ミクロン SiO、20×20cm、50% EtOAc−ヘキサン)によって精製して生成物を得、これをH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:416(M+1))によって特定した。
【0249】
(実施例81−83)
以下の化合物は、上記実施例に記載されており、スキーム14に例示されている条件と類似の条件下で調製された。以下の実施例は、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定された。
【0250】
【表8】

【0251】
(実施例84)
【0252】
【化71】

【0253】
アルゴン雰囲気下で、化合物A(500mg、1.69mmol)を、オーブンで乾燥された容器中の無水テトラヒドロフラン17mL中に溶かした。次いで、オーブンで乾燥された別のt−BuOAC(5.06mmol、700μL)容器中で、まず−78℃まで冷却し、次いで、アルゴン雰囲気下、リチウムヘキサメチルジシラザン(THF中1M、5.91mmol、6.0mL)で希釈した。得られた反応混合物を、5分間攪拌した。次いで、化合物Aの溶液を、リチウムエノラート溶液に滴下しながら添加し、30分間攪拌した。この反応物を、−78℃にて、20mLのHOで反応停止させ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この未精製反応混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、粘性のある橙色の油として所望の生成物を得た。この生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:413(M+1))によって特定された。
【0254】
(実施例85)
【0255】
【化72】

【0256】
アルゴン雰囲気下で、11mLの無水塩化メチレン中に、実施例84(600mg、1.46mmol)を溶かし、0℃まで冷却した。次いで、等容量のトリフルオロ酢酸(11mL)を滴下して添加し、得られた反応混合物を、2時間にわたり、ゆっくり23℃まで加温した。この反応混合物を、減圧下で蒸発させ、未精製の酸生成物を、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:357(M+1))によって特定した。この中間体(518mg、1.46mmol)を、アルゴン雰囲気下にある7mLの無水塩化メチレン中に溶かした。次いで、トリエチルアミン(4.37mmol、0.630mL)を添加した後、ジフェニルホスホリルアジド(2.18mmol、0.462mL)を添加した。得られた反応混合物を、3日間攪拌した後、減圧下で蒸発させた。未精製反応混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製して所望の生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:354(M+1))によって特定した。
【0257】
(実施例86)
【0258】
【化73】

【0259】
アルゴン雰囲気下で、0.70mLの無水DMF中に、実施例85(50mg、0.14mmol)を溶かし、臭化ベンジル(0.57mmol、0.067mL)を添加した後、水素化ナトリウム(鉱物油中60%、0.28mmol、11mg)を添加した。得られた反応混合物を、45分間攪拌した。この反応を、1mLのHOで停止させ、酢酸エチル(3×2mL)で抽出した後、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製して所望の生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:444(M+1))によって特定した。
【0260】
(実施例87−92)
以下の化合物は、上記実施例に記載されており、スキーム15に例示されている条件と類似の条件下で調製された。以下の実施例は、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定された。
【0261】
【表9】


【0262】
(実施例93)
【0263】
【化74】

【0264】
アルゴン雰囲気下で、実施例85(50mg、0.14mmol)を、0.70mLの無水テトラヒドロフラン中に溶かした。次いで、トリエチルアミン(0.57mmol、0.082mL)を添加した後、無水酢酸(0.28mmol、0.027mL)を添加した。次に、この反応混合物を触媒量のDMAPで処理し、12時間攪拌した。この反応混合物を、1mLのHOで停止させ、酢酸エチル(3×2mL)で抽出した後、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製して所望の生成物を得、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:396(M+1))によって特定した。
【0265】
化合物I
【0266】
【化75】

【0267】
4−ヨード安息香酸(100mg、0.40mmol)をメタノール中に溶かした。次いで、黄色が残るまで、4.0当量のトリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中2.0M、1.61mmol、0.800mL)をゆっくり添加し、この反応混合物を1時間攪拌した。この反応混合物をHOAcで停止し、減圧下で蒸発させ、得られた油をHOとCHClの間に分配した。次いで、水層を塩化メチレン(3×2mL)で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この生成物をH NMRによって特定した。
【0268】
(実施例94)
【0269】
【化76】

【0270】
実施例85(50mg、0.14mmol)を秤量して、密封された圧力管の中に入れ、1モル%のヨウ化銅(I)(0.014mmol、3mg)及びリン酸カリウム(0.283mmol、60mg)を添加した。次いで、アルゴン雰囲気下において、0.50mLの無水ジオキサンで、管の反応物を希釈し、トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.0014mmol、0.170mL)を添加した後、化合物I(0.14mmol,37mg)を添加した。この反応混合物を110℃まで加熱し、12時間攪拌した後、SiO上で濾過し、EtOAc(5mL)で洗浄し、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:488(M+1))によって特定した。
【0271】
(実施例95)
【0272】
【化77】

【0273】
実施例94(20mg、0.041mmol)を、HO:THF:MeOH(1:3:1)の混合物0.410mL中に溶かした。次いで、LiOH(HO中1M、0.16mmol、0.16mL)を添加し、この反応混合物を12時間攪拌した。次いで、1N HCl(0.16mL)で、この反応混合物を中和した後、0.30mLのクロロホルムを添加した。次いで、この溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:474(M+1))によって特定した。
【0274】
(実施例96−97)
以下の化合物は、上記実施例に記載されており、スキーム15に例示されている条件と類似の条件下で調製された。以下の実施例は、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定された。
【0275】
【表10】


【0276】
(実施例98)
【0277】
【化78】

【0278】
実施例91(59mg、0.13mmol)を、HO:THF:MeOH(1:3:1)の混合物1.3mL中に溶かした。次いで、LiOH(1M、0.54mmol、500μL)を添加し、この反応混合物を12時間攪拌した。次いで、1N HClで、この反応混合物を中和した後、1.5mLのクロロホルムを添加した。次いで、この溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この生成物を、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:412(M+1))によって特定した。
【0279】
(実施例99)
【0280】
【化79】

【0281】
アルゴン雰囲気下で、0.70mLの無水塩化メチレン中に、実施例98(30mg、0.073mmol)を溶かし、o−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(0.15mmol、56mg)を添加した。次いで、アニリン(0.73mmol、0.067mL)を添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(1.09mmol、0.191mL)を添加した。得られた反応混合物を、23℃で、4時間攪拌した。この反応混合物の反応を、1mLのNaHCO水溶液で停止させ、塩化メチレン(3×2mL)で抽出し、次いで、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:487(M+1))によって特定した。
【0282】
(実施例100)
【0283】
【化80】

【0284】
実施例92(12mg、0.026mmol)を、0.80mLのテトラヒドロフラン中に溶かした。次いで、2N HCl水溶液(0.39mmol、193μL)を添加し、この反応物を85℃まで加熱し、12時間攪拌した。この反応を、1mLのHOで停止させ、ジエチルエーテル(3×2mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:410(M+1))によって特定した。
【0285】
(実施例101)
【0286】
【化81】

【0287】
アルゴン雰囲気下で、0.70mLの無水塩化メチレン中に、実施例100(10mg、0.024mmol)を溶かし、NaBH(OAc)(0.049mmol、10mg)を添加した。次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.073mmol、0.013mL)を添加した後、ジメチルアミン(0.037mmol、0.018mL、2M THF)を添加した。得られた反応混合物を、12時間、23℃で攪拌し、1mLのNaHCO水溶液で反応を停止させ、塩化メチレン(3×2mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:439(M+1))によって特定した。
【0288】
(実施例102)
【0289】
【化82】

【0290】
アルゴン雰囲気下で、0.122mLの無水トルエン中に、実施例100(10mg、0.024mmol)を溶かし、−78℃まで冷却した。次いで、DIBAL−H(0.049mmol、0.050mL、1M トルエン)を添加し、この反応混合物を、30分間、−78℃で攪拌した。この反応混合物の反応を、0.500mLのロッシェル塩で停止させ、塩化メチレン(3×1mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:412(M+1))によって特定した。
【0291】
(実施例103)
【0292】
【化83】

【0293】
0.350mLのt−BuOH中に、実施例100(10mg、0.024mmol)を溶かし、2−メチル−ブテン(0.61mmol、0.061mL)を添加した。この反応混合物を、5分間、23℃で攪拌し、次いで、0.140mLのHO中の、亜塩素酸ナトリウム(0.073mmol、7mg)と第一リン酸ナトリウム(0.061mmol、10mg)の溶液を添加した。この反応混合物を、3時間、23℃で攪拌した後、1mLのNHCl水溶液で反応を停止させ、塩化メチレン(3×1mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:426(M+1))によって特定した。
【0294】
(実施例104)
【0295】
【化84】

【0296】
アルゴン雰囲気下で、0.250mLの無水塩化メチレン中に、実施例103(8mg、0.019mmol)を溶かし、0℃まで冷却した。次いで、シアナミド(0.028mmol、1.2mg)を添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(0.056mmol、0.010mL)及びEDCI(0.021mmol、4mg)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたって、23℃までゆっくり加温し、次いで、0.500mLのNHCl水溶液で反応を停止させ、塩化メチレン(3×0.500mL)で抽出した後、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:450(M+1))によって特定した。
【0297】
(実施例105及び106)
最初に、アルゴン雰囲気下で塩基性アルミナを通して濾過された0.70mLの無水クロロホルム中に、実施例103(15mg、0.035mmol)を溶かした。メタンスルホンアミドまたはベンゼンスルホンアミドのモル当量を添加した。次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.35mmol、0.061mL)を添加した後、PyBOP(0.18mmol、92mg)と触媒量のDMAPを添加した。得られた反応混合物を、23℃で、5時間攪拌した。この反応混合物の反応を、1mLのNaHCO水溶液で停止させ、塩化メチレン(3×1mL)で抽出し、次いで、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この未精製反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、アセトン/ヘキサン)によって精製した。この手順によって生産された実施例の概略が以下に記載されており、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定された。
【0298】
【表11】

【0299】
(実施例107及び108)
【0300】
【化85】

【0301】
6mLのHO中に、4.0当量のシアン化カリウム(5.4mmol、356mg)と10当量の炭酸アンモニウム(13.5mmol、1.3g)を溶かした。これに、6mLのエタノール中の化合物A(400mg、1.35mmol)を添加した。この反応混合物を、アルゴンで脱気し、125℃まで48時間加熱した。次いで、この反応混合物を23℃まで冷却し、50mLのHOで反応を停止させ、塩化メチレン(3×50mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この未精製反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/CHCl)によって精製して、分離されたヒダントイン異性体を白色固体として得、各々をH NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:367(M+1))によって特定した。
【0302】
(実施例109)
【0303】
【化86】

【0304】
アルゴン雰囲気下で、0.5mLのアセトン及び0.5mLのエタノール中に、実施例108(20mg、0.056mmol)を溶かし、炭酸カリウム(0.066mmol、9mg)を添加した。5分後に、ヨウ化メチル(0.083mmol、0.006mL)を添加し、この反応混合物を、60℃まで2時間加温した後、室温まで冷却した。次いで、この反応混合物を、25mLの飽和NHCl水溶液の添加によって停止させ、塩化メチレン(3×20mL)で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、メタノール/CHCl)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:381(M+1))によって特定した。
【0305】
(実施例110)
【0306】
【化87】

【0307】
実施例110は、実施例109に記載した上述の手順に従って、実施例108から調製した。この生成物は、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:457(M+1))によって特定された。
【0308】
(実施例111)
【0309】
【化88】

【0310】
アルゴン雰囲気下で、0.5mLのDMF中に、実施例110(14mg、0.031mmol)を溶かし、0℃まで冷却した。これに、水素化ナトリウム[鉱物油中60%](0.093mmol、4mg)とヨウ化メチル(0.155mol、0.011mL)を添加し、この反応混合物を、23℃まで5時間にわたって加温した。次いで、この反応混合物を、20mLの飽和NHCl水溶液の添加によって停止させ、塩化メチレン(3×20mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、メタノール/CHCl)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:471(M+1))によって特定した。
【0311】
(実施例112)
【0312】
【化89】

【0313】
アルゴン雰囲気下で、0.5mLのジオキサン中に、実施例107(10mg、0.027mmol)を溶かし、P(0.082mmol、18mg)を添加し、この反応混合物を110℃まで5時間加熱した後、室温まで冷却し、次いで、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、メタノール/CHCl)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:383(M+1))によって特定した。
【0314】
(実施例113)
【0315】
【化90】

【0316】
0.5mLのエタノール中に、実施例112(5mg、0.013mmol)を溶かし、触媒性Raneyニッケルを添加し、この反応混合物を65℃まで1時間加熱した後、23℃まで冷却した。次いで、セライトを通して、この反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、減圧下で蒸発させた。未精製反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、メタノール/CHCl)によって精製し、H NMR、HPLC及び質量分析計(m/z:353(M+1))によって特定した。
【0317】
(実施例114−136)
以下の実施例は、上記実施例に記載されており、スキーム19−21に例示されている条件と類似の条件下で調製された。以下の実施例は、H NMR、HPLC及び質量分析計によって特定された。
【0318】
【表12】



【0319】
化合物C
【0320】
【化91】

【0321】
段階1:
【0322】
【化92】

【0323】
Triton B(ベンジルトリメチル水酸化アンモニウム(29.8g、74.6mLの40重量%メタノール溶液、178mmol)を、1,3−シクロヘキサンジオンの水溶液(90mL)に添加した後、室温で臭化ベンジル(36.6g、25.5mL、214mmol)を添加した。この二相混合物を、一晩激しく攪拌した後、生成物を結晶化し、濾過によって集め、CHCl(50mL)で洗浄して、化合物D(13.38g)を得た。ろ液を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(110g Si、50mL/分、100%ヘキサンで5分間均一濃度、10分の間にヘキサン中50%EtOAcになるグラジエント、30分の間にヘキサン中80%EtOAcになるグラジエント)を精製して、さらに化合物D(3.79g、総収率48%)が無色固体として得られた。LCMS(ES+)203(M+H)H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.16(4H,m),7.07(1H,m),3.57(3H,br s),2.35(4H,br s),1.83(2H,quintet,J6.2Hz)。
【0324】
段階2:
【0325】
【化93】

【0326】
化合物D(6.69g、23.6mmol)のMeOH(20mL)溶液に、メチルビニルケトン(2.48g、2.94mL、35.3mmol)を添加した後、Triton B(0.394g、0.985mLの40重量%メタノール溶液、2.36mmol)を添加した。この反応物を、60℃で6時間攪拌した後、室温で一晩攪拌し、その後、生成物を結晶化させた。この生成物を濾過によって集め、MeOHで洗浄して、化合物E(3.97g、44%)を無色の固体として得た。LCMS(ES+)272(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.19(3H,m),6.98(2H,m),3.05(2H,s),2.47(2H,ddd,J17.1,7.8,4.7Hz),2.27(2H,t,J7.3Hz),2.15(2H,ddd,J17.2,8.8,4.9Hz),2.12(2H,t,J7.3Hz),1.71(1H,m),1.34(1H,m)。
【0327】
段階3:
【0328】
【化94】

【0329】
Dean Stark装置を取り付けて、化合物E(5.47g、20.1mmol)の溶液を、還流しながら、ベンゼン(100mL)中で加熱した。水を共沸させ、反応物を還流から取り出した後、ピロリジン(1.43g、1.67mL、20.1mmol)を添加した。この反応物を、還流しながら2時間加熱した後、反応物から水を共沸させた。反応物を冷却し、EtO(100mL)を添加した。1N HCl(100mL)で混合物を洗浄した後、水(100mL)で洗浄した。EtO(2×100mL)で水層を逆抽出し、合わせた有機層を塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、回収された出発物質(0.792g)を得た。水層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥させ(MgSO)、次いで、真空中で濃縮して、化合物F(0.683g)を無色の固体として得た。水層をCHCl(4×200mL)でさらに抽出し、合わせた抽出液を乾燥させ(MgSO)、次いで、真空中で濃縮して、1位の位置に、ピロリジンイミニウムクロリド塩として、さらに多くの所望の化合物F(4.797g)を得た。NaOAc(4.0g)を含有する、AcOH(4mL)、MeOH(50mL)及び水(10mL)中の、この化合物の溶液を、還流して一晩加熱した。真空中で溶媒を除去し、残留物を1N HCl(100mL)で処理し、生成物をCHCl(3×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、希NaCO水溶液と水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して、化合物(2.348g、総収率59%)を固体として得た。LCMS(ES+)255(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.28(3H,m),7.05(2H,m),5.98(1H,br s),3.22(1H,d,J13.6Hz),3.16(1H,d,J13.6Hz),2.72(1H,m),2.66(1H,m),2.60(1H,m),2.54(1H,m),2.40(1H,m),2.31(1H,m),2.16(1H,m),2.11(1H,m),2.02(1H,dt,J14.2,5.7Hz),1.72(1H,m)。
【0330】
段階4:
【0331】
【化95】

【0332】
4Å分子篩を含有する、化合物F(1.00g、3.93mmol)のエチレングリコール(19.6mL)溶液に、一部のp−トルエンスルホン酸一水和物(0.749g、3.93mmol)を素早く添加した。得られた溶液を、室温で23分間攪拌した後、氷と飽和NaHCO(100mL)の混合液中に注いだ。この溶液を、EtOAC(1×200mL、2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を塩水(100mL)で洗浄し、塩水層をEtOAc(100mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製油(〜1.3g)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(110g Si、70mL/分、40分の間に、ヘキサン中EtOAcが0%から40%になるグラジエント)によって精製した後、所望の生成物を含有する画分を、さらにフラッシュクロマトグラフィー(35g Si、40mL/分、ヘキサン中20% EtOAc)にかけ、無色の油として、化合物G(275.0mg、23%)を得た。LCMS(ES)299(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.19(3H,m),7.12(2H,m),5.94(1H,d,J1.5Hz),4.00(4H,m),3.33(1H,d,J13.5Hz),3.03(1H,d,J13.5Hz),2.77(1H,tdd,J13.8,6.3,1.7Hz),2.38(1H,m),2.26(1H,tdd,J13.5,6.1,1.2Hz),2.06−1.67(6H,m),1.04(1H,ddd,J16.8,13.3,6.5Hz)。
【0333】
段階5:
【0334】
【化96】

【0335】
ベンゼン(20mL)中に、化合物G(275mg、0.923mmol)を溶かし、約5mLを共沸して蒸留し、溶媒を乾燥させた。この溶液を約10℃まで冷却し、ギ酸エチル(288.1mg、314μL、3.69mmol)を添加した後、NaH(147mgの60%油中分散液、3.69mmol)を添加した。3分後に、MeOH(20μL)を添加すると、反応混合物が茶色になった。この反応物を、3時間室温で攪拌した後、0℃まで冷却し、水(50mL)をゆっくり添加した。EtzO(50mL)を添加し、有機層を水(3×50mL)で洗浄した。合わせた水相を、EtO(100mL)で洗浄し、飽和KHPO(約20mL)を添加した後、3N HCl(18mL)を添加して、pH5.5−6まで酸性にした。水層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出液を乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して、化合物H(222.1mg、74%)を茶色の油として得た。さらに精製せずに、これを次の段階で使用した。LCMS(ES+)327(M+H)
【0336】
段階6:
【0337】
【化97】

【0338】
p−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(166.2mg、0.681mmol)及びNaOAc(139.1mg、1.02mmol)を、N下、室温で、化合物H(222.1mg、0.681mmol)の酢酸(10mL)溶液に逐次添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した後、10%飽和NaHCO溶液(100mL)に、ゆっくり添加した。発泡が停止するまで、飽和NaHCOを滴下しながら添加した。EtOAc(3×100mL)で、この水性混合物を抽出し、合わせた有機抽出液を塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(35g Si、40mL/分、100%ヘキサンで5分間均一濃度、25分の間に20%EtOAcになるグラジエント、ヘキサン中の20% EtOAcで10分間均一濃度)によって精製して、実施例139(162.3mg、57%)を無色油として得た。LCMS(ES)417(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.10(6H,m),6.99(4H,m),6.14(1H,d,J2.1Hz),4.07(4H,m),3.28(1H,d,J16.6Hz),3.10(1H,d,J13.2Hz),2.85(1H,d,J13.0Hz),2.80(1H,d,J16.5Hz),2.71(1H,tdd,J14.0,5.6,2.4Hz),2.35(1H,br d,J15.2Hz),1.97(1H,td,J13.5,4.6Hz),1.86−1.67(3H,m)。
【0339】
段階7:
【0340】
【化98】

【0341】
実施例12(161mg、0.387mmol)のTHF(10mL)溶液に、6N HCl(0.26mL、1.55mmol)を添加し、得られた溶液を、還流しながら5時間加熱した。この反応混合物を冷却し、10%飽和NaCO溶液(100mL)に、ゆっくり添加した。得られた混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(172.6mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、100%ヘキサンで4分間均一濃度、30分の間にヘキサン中20% EtOAcになるグラジエント、ヘキサン中20% EtOAcで10分間均一濃度)によって精製して、ケトンC(128.2mg、89%)を無色の油として得た。キラルHPLC(OD、20×250mm、ヘプタン中3% EtOHで均一濃度)によって、ケトンCが、2つの鏡像異性体に分割され、溶出の順序で、(R)−化合物Cと(S)−化合物C(それぞれ、67.1及び61.6mg)を得た。LCMS(ES+)373(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.45(3H,m),7.20(5H,m),6.98(2H,m),6.38(1H,br d,J1.9Hz),3.03(1H,d,J13.1Hz),3.02(1H,d,J16.6Hz),2.85(1H,d,J13.3Hz),2.71(1H,d,J16.6Hz),2.61(1H,m),2.55(1H,dd,J12.7,5.9Hz),2.51(1H,m),2.37(1H,m),2.00(1H,m),1.64(lH,qt,J13.1,4.3Hz)。
【0342】
化合物I
【0343】
【化99】

【0344】
段階1:
【0345】
【化100】

【0346】
−20℃、窒素下で、無水CHCl(2mL)中のCrO(294mg、2.94mmol)懸濁液を数分間激しく攪拌し、一部の3,5−ジメチルピラゾール(424mg、4.41mmol)を素早く添加した。この混合物を15分間激しく攪拌した。実施例138(50mg、0.147mmol)の無水CHCl(2mL)溶液を、カニューラによって添加した。この混合物を、−20℃で2時間、激しく攪拌した。この反応物を0℃まで加温し、6N NaOH(1mL)を添加し、この混合物を0℃で1時間攪拌した。この混合物を、CHCl(20mL)で希釈した後、水(20mL)、10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)及び塩水(20mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(215.1mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、60分の間に、ヘキサン中EtOAcが0から30%になるグラジエント)によって精製して、実施例140(23.6mg、45%)を淡黄色の油として得た。LCMS(ES+)355(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.51(1H,s),7.45(2H,dJ8.9,4.7Hz),7.36(1H,s),7.17(2H,J8.4Hz),4.09(4H,m),3.20(1H,d,J16.1Hz),2.71(1H,ddd,J18.4,12.4,7.7Hz),2.68(1H,d,J16.1Hz),2.61(1H,ddd,J18.4,6.6,1.7Hz),2.27(1H,ddd,J13.7,12.4,6.6Hz),1.98(1H,ddd,J13.7,7.7,1.7Hz),1.29(3H,s)。
【0347】
段階2:
【0348】
【化101】

【0349】
CeCl(504mg、2.05mmol)の無水THF(5mL)懸濁液を、曇りが生じるまで、窒素下、室温で、2時間激しく攪拌した。この混合物を−78℃まで冷却し、MeLi(1.27mLの1.6M EtO溶液、2.05mmol)を添加した。濃い橙色の混合物を、−78℃で1時間攪拌した。実施例140(72.4mg、0.205mmol)の無水THF(2mL)溶液を、カニューラによって添加し、この反応物を−78℃で2.5時間攪拌した。飽和NHCl(10mL)の添加によって、この反応を停止させ、水(100mL)とCHCl(100mL)の間に分配した。水層をCHCl(2×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出液を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製の実施例141(80.6mg)を得た。さらなる精製を行わずに、これを次の段階で使用した。
【0350】
段階3:
【0351】
【化102】

【0352】
6N HCl水溶液(300μL)とTHF(7mL)中の、未精製実施例141(28.2mg)の溶液を、50℃で、6時間加熱した。この反応物を、EtOAc(25mL)及び10% NaCO(25mL)で希釈した。水層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた有機抽出液を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、60分の間に、ヘキサン中EtOAcが0から30%になるグラジエント)によって精製して、ケトンI(13.1mg)を得た。LCMS(ES+)309(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.52(1H,s),7.48(2H,dJ8.9,4.7Hz),7.18(2H,J8.4Hz),6.18(1H,s),5.80(1H,br s),3.45(1H,br d,J21.5Hz),3.05(1H,d,J16.3Hz),3.02(1H,ddd,J21.5,4.9,1.4Hz),2.81(1H,d,J16.6Hz),1.93(3H,s),1.29(3H,s)。
【0353】
化合物J
【0354】
【化103】

【0355】
段階1:
【0356】
【化104】

【0357】
−20℃、窒素下で15分間、無水CHCl(2mL)中のCrO(306mg、3.06mmol)懸濁液を激しく攪拌し、一部の3,5−ジメチルピラゾール(442mg、4.60mmol)を素早く添加した。この混合物を1時間激しく攪拌した。実施例142(50mg、0.153mmol)の無水CHCl(2mL)溶液を、カニューラによって添加した。この混合物を、−20℃で2時間、激しく攪拌した。この反応物を0℃まで加温し、6N NaOH(1mL)を添加し、この混合物を0℃で1時間攪拌した。この混合物を、CHCl(20mL)で希釈した後、水(20mL)、10%HCl水溶液(20mL)、水(20mL)及び塩水(20mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(191mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、60分の間に、ヘキサン中EtOAcが0から30%になるグラジエント)によって精製して、実施例143(29.8mg、57%)を淡黄色の油として得た。LCMS(ES+)341(M+H)H NMR(CDC1,500MHz)δ7.51(1H,s),7.43(2H,dJ8.9,4.7Hz),7.16(2H,J8.4Hz),7.13(1H,s),3.99(4H,m),3.36(1H,d,J16.0Hz),2.90(1H,d,J18.1Hz),2.62(1H,d,J18.1Hz),2.55(1H,d,J16.0Hz),1.34(3H,s)。
【0358】
段階2:
【0359】
【化105】

【0360】
CeCl(2.55g、10.36mmol)の無水THF(25mL)懸濁液を、曇りが生じるまで、窒素下、室温で、2時間激しく攪拌した。この混合物を−78℃まで冷却し、MeLi(4.80mLの1.6M EtO溶液、8.63mmol)を添加した。濃い橙色の混合物を、−78℃で1時間攪拌した。実施例143(293.4mg、0.863mmol)の無水THF(10mL)溶液を、カニューラによって添加し、この反応物を−78℃で6時間、次いで、室温で一晩攪拌した。飽和NHCl(2mL)の添加によって、この反応を停止させ、水(100mL)とEtOAc(100mL)の間に分配した。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出液を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(370mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(35g Si、40mL/分、60分の間に、ヘキサン中EtOAcが0から30%)によって精製して、実施例144(73.9mg、25%)を淡黄色の固体として得た。LCMS(ES+)339(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.47(2H,dJ8.9,4.7Hz),7.44(1H,s),7.14(2H,J8.9Hz),6.19(1H,s),5.79(1H,s),3.99(4H,m),3.08(1H,d,J15.4Hz),2.43(1H,d,J15.4Hz),1.85(3H,br s),1.09(3H,s)。
【0361】
段階3:
【0362】
【化106】

【0363】
6N HCl(1mL)及びTHF(20mL)中の、実施例144(73.9mg、0.219mmol)の溶液を、55℃まで、4時間加熱した。この反応混合物を、EtOAc(40mL)と飽和NaCO(40mL)で希釈した。水層をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、CHCl中の0.5% MeOH)によって精製して、ケトンJ(64.0mg、100%)を淡黄色の油として得た。LCMS(ES+)295(M+H)H NMR(CDCl,600MHz)δ7.56(1H,s),7.51(2H,dJ8.9,4.8Hz),7.20(2H,J8.6Hz),6.48(1H,s),6.14(1H,s),2.85(1H,d,J15.9Hz),2.53(1H,d,J15.9Hz),2.22(3H,br s),1.18(3H,s)。
【0364】
化合物K
【0365】
【化107】

【0366】
段階1:
【0367】
【化108】

【0368】
2−ブチン−1−アール ジエチルアセタール(5g、35.2mmol)及びシュウ酸(316mg、3.53mmol)を、水中のエマルジョン(10mL)として、75℃で、5時間攪拌した。この混合物を水(50mL)で希釈し、CHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して、未精製の化合物Lを無色の油として得た。この化合物は、さらなる精製を行わずに、次の段階で使用した。H NMR(CDCl,500MHz)δ9.11(1H,s),2.04(3H,s)。
【0369】
段階2:
【0370】
【化109】

【0371】
上記化合物LをTHF(8mL)中に溶かし、カニューラによって、室温、N下で、THF(2mL)中の、亜鉛(2.34g、0.0352mmol)及びCuSOの攪拌された懸濁液に添加した後、AcOHを滴下しながら添加した。この懸濁液を、室温で3時間攪拌した。亜鉛とCuSOを除去するために、この混合物を濾過し、固体の残留物をEtO(3×100mL)で洗浄した。次いで、飽和KCO(200mL)の溶液でろ液を中和し、有機層を分離した。水層をEtO(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(570.5mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(35g Si、40mL/分、37分の間に、ヘキサン中EtOAcが20から50%になるグラジエント)によって精製して、ジオールK(245.6mg、10%)を淡黄色の油として得た。EtOAc/ヘキサンから、少量のジオールKを再結晶して、化合物H(43.7mg)を淡黄色の固体として得た、融点106−107℃(lit.116℃)。H NMR(CDCl,500MHz)δ4.38(2H,s),1.90(6H,s)。
【0372】
化合物M
【0373】
【化110】

【0374】
段階1:
【0375】
【化111】

【0376】
ベンゼン(150mL)中の、ジ−i−プロピルD−酒石酸エステル(25g、106mmol)、2,3−ジメトキシプロパン(15.6g、18.4mL,149mmol)及びp−トルエンスルホン酸(81.2mg、0.426mmol)の溶液を、還流しながら、一晩加熱した。この反応混合物を、飽和KCOで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、化合物Nを定量的収率で無色の油として得た。分光学的データは、文献に公表されているデータと合致した。
段階2:
【0377】
【化112】

【0378】
−78℃、窒素下で、DIBALHの溶液(ヘキサン中の1M溶液38.6mL、38.6mmol)を、化合物N(5g、19.3mmol)の攪拌された無水トルエン(60mL)溶液に添加した。この混合物を、−78℃で、3時間攪拌した。ジエチルホスホノ酢酸メチルナトリウム(0℃で、無水DME(20mL)中のジエチルホスホ酢酸メチル(10.1g、8.85mL、48.2mmol)を、無水DME(20mL)中のNaHの懸濁液(2.05g、60%の油中懸濁液、51.5mmol)に添加し、室温で30分間、この混合物を攪拌することによって得られた。)の溶液を−78℃で添加した。5分後に、冷却槽を取り除き、この反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。水(50mL)を添加し、この混合物をEtO(500mL)中に注いだ。有機層を水(4×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(7.17g)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(110g Si、70mL/分、100%ヘキサンで5分間、20分の間に、ヘキサン中10% EtOAcになるグラジエント、ヘキサン中の10% EtOAcで40分間均一濃度)によって精製して、化合物O(501.8mg)を無色の油として得た。LCMS(ES+)293(M+Na)H NMR(CDCl,500MHz)δ6.85(2H,d,J15.6Hz),6.15(2H,d,J15.6Hz),4.25(2H,m),3.75(6H,s),1.45(6H,s)。
【0379】
段階3:
【0380】
【化113】

【0381】
−78℃、窒素下で、DIBALH(ヘキサン中の1M溶液3.1mL、3.09mmol)を、化合物Oの攪拌された無水CHCl(60mL)溶液に滴下して添加した。この反応混合物を、4時間かけて、0℃までゆっくり加温し、飽和NHCl(8mL)の添加によって反応を停止した。セライトを通して、得られた濃いスラリーを濾過した。残留物を、EtOAc(3×50mL)で繰り返し倍散し、セライトを通して濾過した。合わせたろ液を乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して、粗生成物(170.9mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、30分の間に、ヘキサン中の65%EtOAcが100%になるグラジエント、次いで、100% EtOAcで7分間均一濃度)によって精製して、化合物P(96.3mg、67%)を無色の油として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ5.90(2H,dt,J15.5,5.0Hz),5.64(2H,br d,J15.5Hz),4.09(6H,m),3.01(2H,br s),1.40(6H,s)。
【0382】
段階4:
【0383】
【化114】

【0384】
CBr(358mg、1.08mmol)及びPhP(283mg、1.08mmol)を、0℃で、化合物P(96.3mg、0.450mmol)の無水CHCl(2mL)攪拌溶液に、逐次添加した。この反応物を、0℃で1時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させた後、残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、100%ヘキサンで5分間均一濃度、20分の間に、ヘキサン中10% EtOAcになるグラジエント、次いで、ヘキサン中10% EtOAcで15分間均一濃度)によって精製して、化合物Q(139.2mg、87%)を無色の油として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ5.98(2H,dt,J15.2,7.5Hz),5.70(2H,br dd,J15.2,5.3Hz),4.07(2H,m),3.92(4H,d,J7.5Hz),1.40(6H,s)。
【0385】
段階5:
【0386】
【化115】

【0387】
化合物Q(298.3mg、0.877mmol)の攪拌された無水EtO(6mL)溶液に、LiAlH(EtO中の1M 溶液3.82mL、3.82mmol)を、窒素下で添加し、この反応混合物を、還流しながら1時間加熱した。この反応物を0℃まで冷却し、反応を停止するために、飽和NHCl(1mL)を添加した。セライトを通して、得られたスラリーを濾過し、沈殿をEtOで洗浄した。ろ液を塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、化合物R(125.9mg、79%)を無色の油として得た。H NMR(CDCl,600MHz)δ5.75(2H,dq,J15.2,6.5Hz),5.38(2H,br d,J15.2Hz),3.98(2H,dd,J5.3,2.1Hz),1.68(6H,dd,J6.6,1.7Hz),1.37(6H,s)。
【0388】
段階6:
【0389】
【化116】

【0390】
1N HCl/THF(1:1、30mL)中の化合物R(115.9mg、0.637mmol)の溶液を、室温で3時間攪拌した。この反応混合物を、CHCl(50mL)及び水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、次いで、真空中で濃縮して、化合物M(89.5mg、99%)を無色の油として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ5.77(2H,dq,J15.4,6.6Hz),5.47(2H,br d,J15.4Hz),3.91(2H,d,J6.0Hz),1.71(6H,dd,J6.6,1.5Hz)。
【0391】
化合物S
【0392】
【化117】

【0393】
BF・EtO(52.6mg、47μL、0.370mmol)及び1,2−エタンジチオール(41.9mg、37μL、0.444mmol)を、室温、窒素下で、化合物Nの無水CHCl攪拌溶液に逐次添加した。30分後、飽和NaHCO(3mL)で、この反応を停止させ、さらに30分後攪拌した。有機層を分離し、EtOAc(3x5mL)で水層を抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、化合物R(46.5mg、85%)を無色の固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ6.98(2H,dd,J15.6,4.2Hz),6.10(2H,dd,J15.6,1.1Hz),4.80(2H,br s),4.33(2H,t,J1.8Hz),3.72(6H,s)。
【0394】
化合物T
【0395】
【化118】

【0396】
この化合物は、文献の手順を用いて調製した(Sharpless,K.B., Amberg,W., Bennani,Y.L., Crispino,G.A., Hartung,G., Jeong,K.S., Kwong,H.L., Morikawa,K., Wang,Z.M., Xu,D.,and Zhang,X.L. J.Org.Chem.1992,57,2768−2771)。H NMR(CDCl,500MHz)δ3.37−3.41(2H,m),2.28(2H,bs),1.58−1.66(2H,m),1.46−1.52(2H,m),1.01(6H,t,J7.5Hz)。
【0397】
化合物U
【0398】
【化119】

【0399】
この化合物は、文献の手順を用いて調製した(Sharpless,K.B., Amberg,W., Bennani,Y.L., Crispino,G.A., Hartung,G., Jeong,K.S., Kwong,H.L., Morikawa,K., Wang,Z.M., Xu,D.,and Zhang,X.L. J.Org.Chem.1992,57,2768−2771)。H NMR(CDCl,500MHz)δ3.40−3.70(2H,m),2.03(2H,bs),1.50−1.58(4H,m),1.38−1.48(4H,m),0.98(6H,t,J6.9Hz)。
【0400】
化合物V
【0401】
【化120】

【0402】
この化合物は、文献の手順を用いて調製した(Sharpless,K.B., Amberg,W., Bennani,Y.L., Crispino,G.A., Hartung,G., Jeong,K.S., Kwong,H.L., Morikawa,K., Wang,Z.M., Xu,D.,and Zhang,X.L. J.Org.Chem.1992,57,2768−2771)。H NMR(CDC1,500MHz)δ3.42−3.60(2H,m),2.06(2H,bs),1.42−1.55(6H,m),1.35−1.41(6H,m),0.95(6H,t,J7.1Hz)。
【0403】
(実施例)
(実施例145)
【0404】
【化121】


【0405】
ベンゼン(25mL)中の、化合物A(25.1mg、0.0847mmol)及び3−メトキシ−1,2−プロパンジオール(89.9mg、80.7μL、0.847mmol)の溶液を、Dean Stark装置を取り付けて、還流しながら加熱し、反応物から水を共沸させるために、約5mLの溶媒を蒸留した。この反応物を還流から取り出し、p−トルエンスルホン酸一水和物(4.8mg、0.0245mmol)を添加した。この反応物を、還流しながら5時間加熱した。この溶液を冷却し、EtOAc(20mL)で希釈した。この混合物を、飽和NaHCO(20mL)、水(20mL)及び塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、次いで、真空中で濃縮し、未精製生成物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(4g Si、10mL/分、40分の間に、ヘキサン中EtOAcが0から20%になるグラジエント)によって精製して、実施例145を4つのジアステレオ異性体の混合物として得た。このジアステレオ異性体を、キラルHPLC(AD、20×250mm、9mL/分、ヘプタン中の1.5%EtOHで均一濃度)によって分離し、4つのジアステレオ異性体(実施例146、147、148及び149、6.3、3.7、5.3、5.9mg、溶出順、総収率65%)を無色の油として得た。主なジアステレオ異性体:LCMS(ES+)385(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.44(2H,dd,J8.9,4.9Hz),7.42(1H,s),7.14(2H,t,J8.6Hz),6.17(1H,br d,J2.2Hz),4.36(1H,br quintet,J6.3Hz),4.13(1H,t,J7.4Hz),3.67(1H,t,J7.5Hz),3.60(1H,dd,J9.8,5.5Hz),3.48(1H,dd,J9.8,5.5Hz),3.37(3H,s),3.30(1H,d,J16.0Hz),2.47(1H,d,J15.8Hz),2.42(1H,m),2.27(1H,br d,J15.4Hz),1.85(1H,m),1.79(1H,m),1.70(1H,m),1.60(1H,m),1.19(3H,s)。
【0406】
(実施例150)
【0407】
【化122】

【0408】
ベンゼン(25mL)中の、化合物C(20.9mg、0.0562mmol)及び(3R,4R)−1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール(64.1mg、0.562mmol)の溶液を、Dean Stark装置を取り付けて、還流しながら加熱し、反応物から水を共沸させるために、約5mLの溶媒を蒸留した。この反応物を還流から取り出し、p−トルエンスルホン酸一水和物(3.2mg、0.0169mmol)を添加した。この反応物を、還流しながら一晩加熱した。この溶液を冷却し、EtOAc(20mL)で希釈した。この混合物を、飽和NaHCO(20mL)、水(20mL)及び塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、次いで、真空中で濃縮し、未精製生成物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(10g Si、25mL/分、40分の間に、ヘキサン中EtOAcが0から20%になるグラジエント)によって精製して、実施例150(11.9mg、45%)を無色の油として得た。LCMS(ES+)469(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.14−7.06(6H,br m),7.01−6.97(4H,br m),6.13(1H,d,J2.1Hz),5.94(1H,ddd,J17.2,10.4,6.7Hz),5.81(1H,ddd,J17.2,10.4,6.7Hz),5.45(1H,d,J17.2Hz),5.36(1H,d,J10.4Hz),5.34(1H,d,J17.2Hz),5.22(1H,d,J10.4Hz),4.29(1H,t,J7.6Hz),4.18(1H,t,J7.4Hz),3.25(1H,d,J16.3Hz),3.05(1H,d,J13.1Hz),2.89(1H,d,J13.1Hz),2.88(1H,d,J16.3Hz),2.71(1H,m),2.38(1H,d,J14.8Hz),2.08(1H,m),1.93(1H,m),1.86(2H,m)。
【0409】
(実施例)
ラセミ又は純粋な鏡像異性体の形態の、化合物A、B、C、I又はJの何れか、及び市販のジオール若しくはジチオール又はその合成が上述されているジオールから、実施例145について記述された手順と同様の手順を用いて、以下の化合物が合成される。
【0410】
【表13】




























【0411】
(実施例270)
【0412】
【化123】

【0413】
実施例222(30.6mg、0.0809mmol)のEtOAc(10mL)溶液中の、10%Pd/C(3.0mg)の懸濁液を、1気圧のH下で、30分間攪拌した。セライトを通して、この反応混合物を濾過し、真空中で濃縮して、無色の油として実施例270(29.5mg、95%)を得た。LCMS(ES+)383(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.45(2H,dd,J8.9,4.7Hz),7.42(1H,s),7.14(2H,t,J8.4Hz),6.16(1H,br t,J2.0Hz),3.67(1H,dt,J7.6,4.3Hz),3.54(1H,dt,J7.1,4.8Hz),3.00(1H,d,J15.2Hz),2.54(2H,m),2.37(1H,d,J15.2Hz),2.20(1H,dt,J12.8,10.5Hz),1.96(1H,ddd,J12.8,8.3,2.8Hz),1.61(4H,m),1.14(3H,s),1.04(3H,tJ7.6Hz),0.97(3H,t,J7.6Hz)。
【0414】
(実施例271)
【0415】
【化124】

【0416】
実施例150(31.8mg、0.0679mmol)のEtOAc(10mL)溶液中の10% Pd/C(3.0mg)の懸濁液を、1気圧のH下で、2時間攪拌した。セライトを通して、この反応混合物をろ過し、真空中で濃縮して、実施例271(32.0mg、定量的)を無色の油として得た。LCMS(ES+) 473(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.15−6.95(10H,br m),6.12(1H,br s),3.78(1H,m),3.66(1H,m),3.22(1H,d,J16.3Hz),3.01(1H,d,J13.3Hz),2.86(1H,d,J13.3Hz),2.80(1H,d,J16.3Hz),2.68(1H,m),2.36(1H,d,J14.6Hz),2.02(1H,m),1.81(3H,m),1.69(2H,m),1.62(2H,m),1.09(3H,t,J7.4Hz),0.98(3H,t,J7.4Hz)。
【0417】
化合物Z
【0418】
【化125】

【0419】
段階1:
【0420】
【化126】

【0421】
ヴィーラント−ミーシャーのケトン(1.00g、5.61mmol)の氷酢酸(20mL)溶液を、1,2−エタンジチオール(529mg、529μL、5.61mmol)及び氷酢酸(5ml)中のp−トルエンスルホン酸(535mg、2.81mmol)の溶液で処理した。2.5時間攪拌した後、反応混合物を水の中に注いだ。得られた懸濁液をCHCl(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を、水(60mL)、1N NaOH水溶液(60mL)、水(60mL)、塩水(60mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(1.49g)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(35g Si、40mL/分、30分の間に、0%から25%への、ヘキサン中EtOAcのグラジエント、ヘキサン中の25% EtOAcで10分間均一濃度)によって精製して、化合物W(1.27g、89%)を無色の固体として得た。LCMS(ES+)255(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ5.66(1H,s),3.34(3H,m),3.24(1H,m),2.61(1H,tdd,14.9,6.3,1.4Hz),2.51(1H,ttd,J13.7,4.9,1.6Hz),2.35(1H,dm,J15.2Hz),2.25−2.10(4H,m),2.01(1H,m),1.75(1H,m),1.60(1H,m),1.29(3H,d,J1.6Hz)。
【0422】
段階2:
【0423】
【化127】

【0424】
ベンゼン(50mL)中の、化合物W(730mg、2.87mmol)、(3R,4R)−1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール(492mg、4.31mmol)及びp−トルエンスルホン酸(164mg、0.862mmol)の溶液を、Dean−Stark装置の下、還流しながら、3時間加熱した。この反応混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(50mL)、水(50mL)及び塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、未精製化合物X(1.06g)を無色の油として得た。さらなる精製を行わずに、これを次の段階で使用した。LCMS(ES+)351(M+H)
【0425】
段階3:
【0426】
【化128】

【0427】
Tl(NO・HO(1.71g、3.85mmol)のMeOH(200mL)溶液を、THF(66mL)及び水(1.3mL)中の、化合物Xの溶液に素早く添加した。この濁った混合物を1時間攪拌し、生じた無色の沈殿を濾過によって除去した。ろ液をEtO(200mL)で希釈し、水(100mL)、飽和NaHCO(100mL)及び塩水(100mL)で逐次洗浄した後、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、未精製生成物(993.9mg)を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(35g Si、25分の間に、ヘキサン中EtOAcの0%から20%へのグラジエント、ヘキサン中の20% EtOAcで10分間均一濃度)によって精製して、化合物Y(374.8mg、44%)を無色の油として得た。LCMS(ES)275(M+H)H NMR(CDCl,600MHz)δ5.81(1H,d,J1.9Hz),5.80(1H,ddd,J17.0,10.2,6.7Hz),5.74(1H,ddd,J17.0,10.2,6.7Hz),5.40(1H,d,J17.0Hz),5.32(1H,d,J17.0Hz),5.29(1H,d,J10.2Hz),5.22(1H,d,J10.2Hz),4.17(1H,t,7.8Hz),4.00(1H,t,J7.5Hz),2.43(3H,m),2.29(2H,m),1.99(1H,m),1.81(4H,m),1.36(3H,s)。
【0428】
段階4:
【0429】
【化129】

【0430】
化合物Zは、化合物Gと同様の方法によって合成した。LCMS(ES+)304(M+H)。
【0431】
(実施例)
(実施例272)
【0432】
【化130】

【0433】
実施例272は、実施例139と類似の方法によって合成した。LCMS(ES+)375(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.56(5H,m),7.33(1H,m),6.30(lH,s),5.84(1H,ddd,J16.8,10.2,6.6Hz),5.69(1H,ddd,J16.8,10.2,6.6Hz),5.40(1H,d,J16.8Hz),5.30(1H,d,J16.8Hz),5.28(1H,d,J10.2Hz),5.21(1H,d,J10.2Hz),4.22(1H,t,7.7Hz),4.1(1H,t,J7.7Hz),3.20(1H,d,J15.5Hz),2.60(1H,d,J15.5Hz),2.50(3H,m)2.30(2H,m),1.91(5H,m),1.30(3H,s)。
【0434】
以下の化合物は、上記表の化合物について記載した手順と類似の手順を用いて、鏡像異性体として純粋なヒドロキシケトンZ又はラセミのヒドロキシケトンZ及び市販のアルキル又はアリールヒドラジンから、合成される。
【0435】
【表14】




【0436】
以下の化合物は、実施例272について記載した手順と類似の手順を用いて、ラセミの化合物A及び市販のアルキル又はアリールヒドラジンから、合成される。
【0437】
【表15】



【0438】
生物アッセイ
グルココルチコイド受容体親和性に関する本発明の化合物の活性は、以下のヒトGR結合アッセイを用いて、評価することができる。
【0439】
GRリガンド結合アッセイ
hGRIリガンド結合アッセイのために、組換えバキュロウイルスによって発現された受容体からサイトゾルを調製した。氷冷したKPO緩衝液(10mM KPO、20mM モリブデン酸ナトリウム、1mM EDTA、5mM DTT及びBoehringer Mannheimの完全なプロテアーゼ阻害剤錠剤)中で、凍結した細胞沈殿物を、「B」プランジャーによりダウンスホモゲナイズした。このホモジネートを、JA−20ローター中、4℃にて、35,000×gで1時間遠心した。IC50は、4℃にて24時間、漸増濃度(10−11から10−6)の非放射性デキサメタゾン又はリガンドの存在下で、最終濃度2.5nM [1,2,4,6,7−H]デキサメタゾンで、サイトゾルをインキュベートすることによって決定した。ゲル濾過アッセイ(Geissler et al., 個人的な対話)によって、結合したものと遊離のものを分離した。1mg/mL BSAを含有するKPO緩衝液で予め平衡化されたセファデックスG−25ビーズを含有するゲル濾過プレート(MILLIPORE)に、反応物の半分を添加し、1000×gで、5分間遠心した。この反応プレートを、1000×gで5分間遠心し、反応物を第二の96ウェルプレート中に集め、シンチレーションカクテルを添加し、(Wallac)二重同時βカウンター中で計数した。IC50値は、4−パラメータフィットプログラムを使用して計算した。
【0440】
本発明の化合物は、上記アッセイにおいて、10μMから1nMの間のIC50値で、広範囲のGR親和性を示した。最も有利な式I及び式IIの化合物は、50nMから1nMの間のIC50値を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I又は式IIによって表される化合物
【化1】

又は薬学的に許容されるその塩若しくはその水和物。
(式中、
mは、0、1、2又は3であり、
nは、0、1又は2であり;
−A−B−C−D−は、
(1)−CH−CH−CH−O−、
(2)−CH−CH−C(O)−O−、
(3)−CH=CH−C(O)−O−、
(4)−O−CH−CH−CH−、
(5)−O−C(O)−CH−CH−、
(6)−HC=CH−CH−O−、
(7)−CH−HC=CH−O−、
(8)−CH−CH−C(O)−NH−、
(9)−CH−NH−CH−CH−、
(10)−CH−NH−C(O)−O−、
(11)−NH−C(O)−NH−C(O)−、
(12)−C(O)−NH−C(O)−NH−、
(13)−NH−C(O)−NH−CH−、
(14)−NH−C(O)−NH−C(=S)−、
(15)−O−CH−CH−O−、
(16)−S−CH−CH−S−、
からなる群から選択され;
但し、−A−B−C−D−の位置B及びCにおける原子の両方が炭素原子である場合には、前記原子は、互いに連結されて、
【化2】

から選択される環を形成することができ、
X及びYは、各々独立に、CH、S及びOから選択され;
は、
(1)C1−6アルキル、
(2)C2−6アルケニル、
(3)C2−6アルキニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)アリール、
(6)−CH−フェニル、
(7)HET、
からなる群から選択され、
上記項目(1)から(3)は、ハロ、OR及びNHRからなる群から独立に選択される1から3個の置換基で必要に応じて置換され;項目(4)から(7)は、ハロ、OR、NHR、C1−3アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルからなる群から選択される1から3個の置換基で必要に応じて置換され;
及びRは、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)C1−6アルキル、
(4)C2−6アルケニル、
(5)C2−6アルキニル、
(6)OR
(7)NHR
(8)アリール、
(9)−CH−フェニル、
からなる群から各々独立に選択され;
、R、R及びRは、
(1)水素、
(2)メチル、
からなる群から各々独立に選択され;
各Rは、
(1)−OH、
(2)ヒドロキシ、オキソ、−COOH、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、=S及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−6アルキル、
(3)ヒドロキシ、ハロ及び−C(O)−O−C1−2アルキルから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C2−6アルケニル、
(4)ヒドロキシ及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C2−6アルキニル、
(5)ヒドロキシ、C1−2アルキル、−COOH、−C(O)−O−CH及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル、
(6)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−2アルキル−フェニル、
(7)−COH、
(8)−CO1−3アルキル、
(9)−OC1−3アルキル、
(10)−SO−C1−3アルキル、
(11)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−SO−フェニル、
(12)−C1−2アルキル−O−C1−2アルキル、
(13)−C1−2アルキル−O−C2−4アルケニル、
(14)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたC1−2アルキル−O−フェニル、
(15)−C1−2アルキル−C(O)O−C1−2アルキル、
(16)2−(1,3−ジオキサン)エチル、
(17)−C1−2アルキル−C(O)−NH−フェニル、
(18)−C1−2アルキル−C(O)−NHN、
からなる群から独立に選択される。)
【請求項2】
mが0、1又は2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが0又は1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが、各々個別に、水素又はメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
各Rが、
(1)−OH、
(2)ヒドロキシ、オキソ、−COOH、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、チオ及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−6アルキル、
(3)ヒドロキシ、ハロ及び−C(O)−O−C1−2アルキルから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C2−6アルケニル、
(4)ヒドロキシ、C1−2アルキル、−COOH、−C(O)−O−CH及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル、
(5)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−2アルキル−フェニル、
(6)−SO−C1−3アルキル、
(7)−C1−2アルキル−OC1−2アルキル、
からなる群から独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、フェニル又はピリジルであり、前記フェニル又はピリジルが、
(a)ハロ、
(b)OCH
(d)CH
(e)CN
からなる群から独立に選択される置換基で必要に応じて一置換又は二置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、ハロで必要に応じて一置換又は二置換されているフェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の、式Iの化合物。
【化3】

(式中、
mは、0、1、2又は3であり;
nは、0又は1であり;
は、フェニル又はピリジルであり、前記フェニル又はピリジルが、
(a)ハロ、
(b)OCH
(d)CH
(e)CN
からなる群から独立に選択される置換基で必要に応じて一置換又は二置換されており、並びに、
及びRが、各々個別に水素又はメチルである。)
【請求項9】
各Rが、
(1)−OH、
(2)ヒドロキシ、オキソ、−COOH、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、チオ及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−6アルキル、
(3)ヒドロキシ、ハロ及び−C(O)−O−C1−2アルキルから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C2−6アルケニル、
(4)ヒドロキシ、C1−2アルキル、−COOH、−C(O)−O−CH及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル、
(5)ヒドロキシ、C1−2アルキル及びハロから独立に選択される1、2又は3個の置換基で必要に応じて置換された−C1−2アルキル−フェニル、
(6)−SO−C1−3アルキル、及び
(7)−C1−2アルキル−OC1−2アルキル、
からなる群から独立に選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
−A−B−C−D−が、
(1)−CH−CH−CH−O−、
(2)−CH=CH−CH−O−、
(3)−CH−CH=CH−O−、
(4)−O−CH−CH−CH
(5)−O−CH−CH−O−、
(6)−S−CH−CH−S−、
(7)−CH−NH−CH−CH−、及び
(8)CH−NH−C(O)−O−、
からなる群から選択され;
が、必要に応じてハロで一置換又は二置換されたフェニルである、
請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の、式IIの化合物。
【化4】

(式中、
mは、0、1又は2であり、
nは、0又は1であり;
は、
(a)ハロ、
(b)OCH
(d)CH
(e)CN
からなる群から独立に選択される置換基で必要に応じて一置換又は二置換されたフェニル又はピリジルであり;
及びRは、各々個別に、水素又はメチルである。)
【請求項12】
この属内において、各Rが−C1−6アルキル又は水素からなる群から独立に選択される化合物の亜属が存在する、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
X及びYがともにOであり、又はともにSであり、又はXがOであり、及びYがCHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
【化5】








からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】

【表1】

の、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】

【表2】


の、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】

【化6】











の、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】

【表3】

の化合物。
【請求項19】

【表4】

の、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】

【表5】


の、化合物。
【請求項21】

【化7】



































の、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
薬学的に許容される担体とともに、請求項1に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項23】
グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病又は症状の治療を必要とする哺乳動物患者に、請求項1に記載の化合物を、グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病又は症状を治療するのに有効な量で投与することを含む、かかる治療を必要とする哺乳動物患者における、グルココルチコイド受容体によって媒介される疾病又は症状を治療する方法。
【請求項24】
グルココルチコイド受容体によって媒介される前記疾病又は症状が、組織拒絶反応、白血病、リンパ腫、クッシング症候群、急性副腎不全、先天性副腎皮質過形成症、リウマチ熱、結節性多発性動脈炎、肉芽腫性多発性動脈炎、骨髄細胞系の阻害、免疫増殖/アポトーシス、HPA系の抑制及び調節、高コルチゾール血症、卒中及び脊髄損傷、高カルシウム血症、高血糖症、急性副腎不全、慢性原発性副腎不全、続発性副腎不全、先天性副腎皮質過形成症、脳浮腫、血小板減少症、リトル症候群、肥満症、代謝症候群、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、結節性多発性動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、ブドウ膜炎、枯草熱、アレルギー性鼻炎、じんま疹、血管神経性浮腫、慢性閉塞性肺疾患、喘息、腱炎、滑液包炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性慢性活動性肝炎、臓器移植、肝炎、肝硬変、炎症性頭皮脱毛症、脂肪組織炎、乾せん、円板状エリテマトーデス、炎症性嚢胞、アトピー性皮膚炎、壊そ性膿皮症、尋常性天ぽうそう、水ほう性類天疱瘡、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、妊娠性ヘルペス、好酸球性筋膜炎、再発性多発性軟骨炎、炎症性血管炎、サルコイドーシス、スイート病、I型反応性ライ病、毛細血管腫、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、扁平苔せん、剥脱性皮膚炎、結節性紅斑、挫創、多毛症、中毒性表皮壊死症、多形性紅斑、皮膚T細胞リンパ腫、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、細胞アポトーシス、癌、カポジ肉腫、網膜色素変性症、認知能力、記憶及び学習向上、うつ病、耽溺、気分障害、慢性疲労症候群、統合失調症、睡眠障害及び不安からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
グルココルチコイド受容体によって媒介される前記疾病又は症状が、組織拒絶反応、クッシング症候群、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、枯草熱、アレルギー性鼻炎、喘息、臓器移植、炎症性頭皮脱毛症、乾癬、円板状エリテマトーデス及び鬱病からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
グルココルチコイド受容体を調節するのに有効な量で、請求項1に記載の化合物を、哺乳動物に投与することを含む、グルココルチコイド受容体の、活性化、抑制、作動作用及び拮抗作用の効果を選択的に調節する方法。
【請求項27】
請求項1に記載の化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において、グルココルチコイド受容体を、部分的に又は完全に、拮抗し、抑制し、作動し、又は調節する方法。

【公表番号】特表2006−524251(P2006−524251A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513140(P2006−513140)
【出願日】平成16年4月19日(2004.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/012102
【国際公開番号】WO2004/093805
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】