選択的遮蔽能力を有する放射線治療装置
近接照射療法アプリケーターには、患者の組織に向かう放射線の方向及び強度を制御するための選択的遮蔽装置の種々の形態が組込まれている。アプリケーターのいくつかの形態においては、格納式鞘が含まれ、いくつかの形態においては、一連の格納式フィンガーが含まれる。他の形態においては、膨らませることができるバルーンを有するアプリケーターは、バルーンに隣接する位置から格納出来る又はバルーンから格納できる遮蔽体を有し、又は該遮蔽体は独立して又はバルーンと共にそれ自身が膨らむことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療アプリケーターのための遮蔽に関し、特に、放射線照射パターンの動的制御のための調節可能な遮蔽に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン化放射線治療のいくつかの形態、特に、解剖学的空洞内に配置された放射線源から放射線が投与される近接照射療法が、アプリケーターを使用してもたらされる。アプリケーターの使用目的には、空洞内での線源の配置、空洞壁上に入射される放射線強度の緩和(放射線強度は線源からの距離と共に指数的に減衰する)、又は、処方された治療パラメーターに従う、放射線配送を容易にするための空洞の形状の調整が挙げられ得る。その他の目的も存在し得る。解剖学的空洞は自然の空洞であっても、又は例えば病変部の除去の場合のように、外科的介入の結果生じてもよい。
【0003】
いくつかのアプリケーターは、その形状が治療の間に変化しないという点で、本質的に硬くそして固定された構成のものである。典型的な固定化された構成のアプリケーターは、体の空洞内に配置されるよう形造られ、そしてその中に線源が配置され得るカテーテル又はワンド(wand)を含むであろう。そのようなアプリケーターは、自然のオリフィスを通して又は外科的切開又は入り口を通して体内に挿入することができる。アプリケーターの他の形体は、体内への挿入後に形状を変えることができる、延長可能な要素を組込んでもよい。後者の共通の形体は、バルーンアプリケーターである。ジョージア州、アルファレッタのProXima Therapeutics社(現在は、マサチュセッツ州、マールボロのCytyc社に統合された)が、バルーンを組込んだ、延伸可能なアプリケーターを提供している。これらのアプリケーターバルーンは、線源自身の近くで放射線強度を減衰するように、一般的に生理食塩水で膨らまされる。そのようなアプリケーターを用いると、バルーンの皮又は表面内の線源の位置が制御され、そして分かるように、X線源がバルーン内部のチューブ又は溝内に理想的に閉じ込められる。好ましくは、バルーンの表面の丁度外側に届けられる放射線の強度が均一で、危険レベルを下回るが、効果的な治療を供するためにはまだ十分強いレベルであるように、膨らまされ、延ばすことができる表面の形状は、線源の放射範囲と連携される。
【0004】
従来、バルーンの強度、つまりその剛性又は適合性は、それが空洞の周囲の組織をバルーンの望まれる形状並びに線源から予測される放射線範囲と適合させるように形造るか又は向かうように選択される。これらの要因が同時に達成できれば、空洞を形成している最内部組織への均一又は等量の処方が届けられる。この場合、療法士は、空洞に隣接する標的組織全体に均一な治療を確保できる。しかしながら、大抵は、この条件は満たされない。時々、空洞を再形成することができないため、バルーンの外側の放射線強度が十分に均一ではなくなる。この状態が生じると、既存の空洞に適合したバルーンが採用されることになるが、すると、供給される照射量の均一性を確保するために異なる手段を取らざるを得なくなる。その他の場合において、近くの組織構造がバルーンの外側の放射線の治療範囲内に位置することになるため、放射線の治療線量が伝達された際に、それが傷付く可能性がある。これらの場合、危険に曝された組織の過剰処置を避けるための手段がとられない限り、療法士は好ましい処置を実現できない。本発明が目的とするのは、これらの手段である。
【0005】
放射線源は通常、アプリケーター内での線源の取扱い及びその配置を容易にするために、カテーテルの内または遠位末端の近くに配置される。放射線源は本来は同位体性のものであっても良く、又は、同位体と類似の治療効果を生じるために利用可能なX線を生み出す電子的なものであっても良い。バルーンアプリケーターと共に使用するのに適した同位体源は一般に高線量源と呼ばれ、単一の同位体「種(seed)」を含むポイント線源の形か、又は一連の「種」線源を含む線形の線源の形か、又はワイアの形であってよい。線源が「種」、多数の「種」又はワイアである場合、それは一般に、処置されるべき解剖学的空洞に近づくために、アプリケーター中への挿入用カテーテル中に配置される。その他の用途において、放射線源は放射性材料を懸濁させて含む流体であり得る。この流体は生理食塩水に替わり、アプリケーターの延伸可能な要素を膨らませるために使用できる。
【0006】
放射性同位体からの放射線は、同位体の半減期、つまり、そのもとの強度の半分が残存する時間、によって測定される強度が減衰するような公知の方法で発せられる。実際の時間的制約の範囲内で、ある放射性同位体に対するこれらのパラメーターは固定され、そして変更できないため、その制御の可能性は全くない。更に、放射性同位体は2,3の異なるエネルギー帯で放射線を発し、各帯からの放射線はそれに固有の組織貫通及び線量の投与実現能力を有する。例えば、最も一般的な高線量率の近接照射療法同位体である192Irから発せられる放射線の高エネルギー帯は、遮蔽体材料の大きな厚みを貫通する。また、同位体は常に「オン」状態にあるため、オン/オフスイッチで出力を制御することは不可能である。他の共通のそして医学的に妥当な放射性同位体は、空間的な考察から、体内の空洞内での選択的遮蔽性を非実用化してしまうほどの高エネルギー成分を含む放射スペクトルも有する。これらの放射性同位体からの放射線は遮蔽材料の如何なる実用的厚みをも貫通するであろう。この高エネルギー放射線は、治療を要する標的場所のはるかに先まで容易に貫通するため、体の健康な部分に放射線が到達して、損傷の危険をもたらす。また、それは療法士を危険に曝すため、付添い人が不在でその内で治療を施し得る「バンカー」型の設備が必要となる。これは治療に同位体放射線を使うことにとっての主要な短所である。
【0007】
対照的に、電子的に制御された放射線源を用いると、陽極の形状及び構造、及び利用される如何なる最小遮蔽性によっても、発せられるX線の指向性が定まる。そのようなX線源が特許文献1に述べられており、その明細書が、その全文がここに引用することにより組込まれているものとする。そのような線源から発せられたX線は等方的に発せられてもよく、半径方向、軸方向又はそれらの組合せ方向に向けられてもよい。陽極形成は、X線発生装置の当業者には公知である。陽極形状、標的厚み及び標的構成は、小型X線源から発せられる放射線のプロファイルを変えるために使用できる。また、高線量率の同位体の治療効果を生み出すことができる小型X線源は、発せられた放射線を選択的にブロックするために肉薄の放射線遮蔽体を必要とするのみであるため、指向性的に形成された放射場を生み出す。電子的に生み出されたX線を用いると、加速電圧によって、得られるX線のエネルギースペクトルが定められる。組織内へのX線の貫通は、X線のエネルギーに直接的に関連付けられる。病変部の一点に向けられた蓄積放射線量は、X線源のビーム電流又は患者の体内の「オン」時間によって制御され得る。これらのパラメーターの制御は手動で行われてもよく、又は、制御装置へのフィードバックセンサーに基づき、規定された線量に適合する出力に基づいて、実時間において自動化されてもよい。制御システムの一例が、2006年3月31日に出願された米国同時係属の特許文献2に記載されており、その開示の全文がここに引用することにより組込まれているものとする。このX線を用いた制御の容易さ及びその最小の安全要求事項は、療法士及び患者にとっては著しい利点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,319,188号
【特許文献2】特許出願番号11/394,640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、放射線に敏感な又は正常な組織構造を、患部組織を治療するために規定された治療線量から選択的に保護する能力を療法士に供するために、これらの危険に曝された正常な組織を選択的に遮蔽するために適応でき、一方で、隣接する患部組織への規定された線量を可能ならしめる便利な装置及び方法が必要とされている。本発明の装置及び方法は療法士にこの能力を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、硬い(非延伸性)放射線治療アプリケーターに応用できる多数の遮蔽装置の配列及び方法を含む。本発明は更に、延伸可能な要素(類)、例えばバルーン、を組込んだアプリケーターを使用するための装置及び方法を含む。いくつかの遮蔽態様が両方のタイプのアプリケーターに適用できる。更に、それらは低線量率の同位体源を用いて使用でき、ここで放射線治療のための小型X線源の使用に適用できることに加えて、記述された遮蔽態様の適用によって、発せられた放射線を効果的にブロックし得る。
【0011】
上述の如く、硬いアプリケーターは、最小の放射線減衰性を有する材料からなり、その内腔を通して放射線源が導入できそして照射される組織の近くへと前進できる、柔軟なチューブ状の鞘(sheath)又は剛直なワンドを含んでよい。もし、放射線出力の一部を遮蔽することが望まれるならば、例えば、鞘又はワンドのシャフト内に追加の内腔(類)を供することによって、カテーテル又はアプリケーターのデザインに放射線減衰部材を組込んでもよく、該内腔(類)を通して放射線減衰部材(類)を放射線源と隣接して配置してもよい。従って、注意深く配列することによって、該部材(類)は線源と保護されるべき組織構造の間にくるよう配置され得る。これらの放射線減衰部材は、カテーテル及び/又は線源に対してアプリケーター内の固定された位置にあってもよく、又はそれらは移動可能であってもよい。更に、もし複数の減衰部材が使用されるならば、これらの部材は独立して制御され得るか又は集合的に制御され得る。例えば、もしこれらの部材がカテーテル又はワンドの近接端部まで延びるなら、制御は手動操作によることができ、又は自動的に作動される操作によることもできる。同じく、操作は、部材と内腔の間でピストン効果を達成するために適切なシール性があることを仮定して、例えば、部材内腔内に圧力が作用し、そして部材の近接端部に対して作用する油圧作動による間接的なものでもあり得る。
【0012】
もし、たった一つのチューブ状の減衰部材が使用されるならば、それは鞘又はワンドの上、又は放射線源内腔内の線源及び鞘の内部表面の間を滑ることができる。該減衰部材は角度を付けて切断され得るか、そうでなければ望みの放射線出力を生み出すように、その遠位末端で窓を構成することを含むよう形成することができる。もし、複数の減衰部材が使用されるならば、それらは鞘又はワンドにおける個々の内腔を通過し得るか、又は鞘の内腔内部及び線源カテーテルの外側の管状空間内に配列され得る。各部材は、隣接部材と協調して望みの遮蔽効果を生み出すために、その遠位末端で形成されてもよい。興味ある形の例としては、数多くの隣接部材が集合的に配列されて、その中の線源の周りで減衰材料のチューブ状の遮蔽体を形成できるように、延ばされたもの及び弓形のものの両方がある。そのような配列によって、(アプリケーターの構成にもよるが)おそらくより少ない量を療法士の近くに向かわせ、そして半径方向にはほとんど無しで、実質的に放射線を遠位末端方向に向くべく指向させることになろう。代替法として、一つ又はそれより多くの減衰「パドル」又はフィンガー状の遮蔽体セグメントを個々に後退させて、半径方向に向けられ、周囲方向には限定された放射線出力を生み出すことができる。そのような後退は、開いた又は閉じた状態のどちらかで、一定であり得る。同じく、それは手動で駆動されて又は自動化されて周期的なものであり得て、そしてもし望むならば、回転する放射線経路を発生し得る。
【0013】
そのような配列及びカテーテル及び線源は、もし望むならば、アプリケーターの鞘の遠位末端を超えて延ばすことができる。鞘の遠位末端の近くで、これらの部材又は遮蔽体セクションは、延ばされた弓形パドルから、アプリケーターの内腔を通過して、丸いワイア状の延伸体の中に移動することができ、そして鞘の近接端部に到達し、そうすることによって遠方の「パドル」の操作ができるようになる。全体の組立品が鞘の壁内で操作できるであろう。この配列を用いて、鞘又はワンドの遠位末端を、空洞に対して開くのではなく場合により閉じることができる。もし遠方で、軸方向に向けた放射線が望ましくないならば、そのような場合、放射線を大量に吸収する放射線減衰材料を用いて鞘の遠位末端に蓋をすることができる。
【0014】
興味あるもう一つの態様は、鞘の内腔内で操作し、そして線源カテーテルを取囲む一対の入れ子型減衰チューブである。これら二つのチューブの遠位末端には、適切に並べられた時に周囲の鞘が完成して、放射線の照射をブロックするように、端部から切断されたセクションで溝が付けられている(castellated)。これらのチューブの相対的回転によって、半径方向の放射ビームが生じ得る。代替方法としては、これらのチューブは、放射線を開放するために所望の窓(類)が相対的に回転して開くような、協働する窓(類)を有することができる。又は、これらの窓の軸方向長さが変えられるように、これらのチューブは互いに対して軸方向に平行移動し得る。もし、これらのチューブの相対的な位置が、固定された窓を形成するように配列されるならば、これらのチューブは平行移動及び回転して、空洞組織の所望の部分を集中して照射するようになる。同心円のチューブ遮蔽体における相対的に移動可能な窓の記述のある、2005年12月30日に出願された同時係属出願番号11/323,346を参照のこと。その開示がここに引用することにより組込まれている。
【0015】
上で論じられた態様においては、記述された遮蔽装置が一般的に鞘体又はシャフトと相対的に移動可能であり、単独又は複数の協働的な成分からなり、そして線源カテーテル及び線源の動きとは独立しているが協働的である。線源は軸方向に移動できるが、該遮蔽体は固定されたものであり得る。
【0016】
もう一つの態様においては、硬いアプリケーターは、鞘内の線源の位置に依存して、照射範囲が好ましい形状と特性を有することを可能ならしめるべく形成されるよう、少なくとも鞘の遠位末端で、少なくとも部分的に減衰材料からなる。単純な例として、チューブ状の減衰性の遮蔽延張体がアプリケーター鞘の遠位末端に固定され得る。線源が組立品の内部内腔を通って自由に動けるよう、延長体の内径は鞘の内径に対応することができる。しかしながら、線源が遠方に位置する時には、半径方向に伝達される放射線が幾分減衰されるが、線源が鞘組立品内のより近くに位置する時には、それがより強く減衰されるように、延長体の外径は、遠方ほど減少するテーパー状又は階段状であってよい。同様に、遮蔽体の部分が薄いか又は無いところでは、相対的に減衰されていない放射線が半径方向に放射されるが、それらが全て存在するところでは、わざと減衰されるように、硬いチューブ状遮蔽延長体は、周囲方向にノッチ付きか又は不完全であってよい。そのような固定された構造においては、その遠位末端は状況に応じて減衰材料によってブロックされていても、されてなくてもよい。
【0017】
前に述べた如く、治療用放射線が通過する、延ばし得る要素又はバルーン要素を有するアプリケーターのために、減衰装置が形成され得る。硬いアプリケーターと共に使用される上述の遮蔽態様の全てとは言わないが、大部分がバルーンアプリケーターにも応用でき、そこではバルーンがその上に固定される鞘又はシャフトの内又は周りで減衰部材が機能する。その他の点において、これらの態様の記述は類似しているが、これらの態様の遮蔽部分は、バルーン内で操作されそしてバルーンによって囲まれている。バルーン自身は、放射線場の強度を選択的により正確に形付ける機会を含む追加の遮蔽機会を供する。
【0018】
バルーンがアプリケーターの部分として使用されている時には、治療用放射線の標的領域は、一般に、バルーンの表面から約1cm半径方向に外側に延びた、膨らんだバルーンの周りの全ての組織体積である。一般に病気、特に、癌の再発が最も起こり易いと考えられるのはこの組織である。治療目的で、細胞破壊のために最小強度が要求され、そしてこの最小量がバルーン表面から1cm外側での規定線量の基礎を形成する。当業者に公知であるように、放射線強度は物体を通過するときに指数的に減衰するため、バルーン表面でのその強度は標的深さ1cmでの強度よりも強くなるであろう。バルーン表面での強度が、標的深さでの強度より実質的により大きくないことが重要であるが、それは過度に破壊的である故に、隣接する健康な組織を損傷する危険がある。線源又は線源カテーテルの表面では、放射線の強度が治療用としては通常あまりにも高過ぎる。
【0019】
バルーンアプリケーター設計では、放射線強度を線源カテーテルでの高いレベルから、バルーンの外表面での管理可能な強度まで減衰させるために、バルーン中の膨張媒体及びバルーン膜自身の減衰性が利用される。これは、膨張媒体及びバルーンの減衰性の操作及び/又はバルーンの幾何学的サイズ及び形状によって達成される。この技術の有用な効果は、バルーン表面での組織上へ入射する放射線の強度と、バルーンから1cm外側のその強度の比が低下することであり、それは標的組織全体に亘るより均一な照射を意味する。この現象は「ビーム硬化」と呼ばれる。
【0020】
バルーン膜自身の吸収性は、全体の設計状況に適するように調整して変え得る。バルーン材料は通常、ポリマーであり、そして一般には、ポリウレタン、PET、シリコーンゴム又は当業者に公知の類似材料である。ほとんどのバルーン膜の材料は通常、放射線に対して非常に透明であるが、それらの放射線減衰性は通常、減衰性充填剤をそれらに配合することによって調整できる。硫酸バリウム及び金属粒子などの減衰性充填材がこれらのバルーン材料中に配合され得る。その他の充填材もまた当業者に公知である。一般にこの充填材の配合量が多いほど、得られる材料がより減衰性になり、そしてその上への放射線入射の指数的減衰がより早くなる。結局、ある材料の全減衰量は、その減衰性と、減衰性が放射線の経路をブロックする厚みの両者の関数である。従って、放射線から組織を遮蔽する点において、弱く減衰させるが肉厚の材料は、強く減衰させるが肉薄の材料と同じく効果的であろう。
【0021】
バルーンに対する材料組成の修正に加えて、その構造も同様に変え得る。例えば、バルーン膜の壁厚は製造過程で選択的に変更できる。肉厚変更は金型設計から、又は異なる厚みの材料を使用するバルーンの形成からもたらされ得る。特定のバルーン領域を選択的に遮蔽するために、類似肉厚だが充填剤の配合量が異なる材料の形成も使用され得る。減衰バルーンに関する、(2003年10月13日に出願された)同時係属出願番号10/683,885及び(2004年10月8日に出願された)10/962,247を参照のこと。これら両方の同時係属出願の開示がここに引用することにより組込まれている。
【0022】
上述の如く、バルーンは、バルーン内の圧力に基づいて機械的に空洞を形成するという更なる目的に役立ち得る。もし、形成された空洞が線源の強度パターンに対応するならば、規定通りの均一な線量投与は比較的簡単なことである。空洞が自由な形状を有するか、好ましい形状に形付けることができない場合、空洞を形成する組織に隣接したバルーンの外側で空気の隙間を避けるため、弾性挙動(空洞充填)を有するバルーンが好ましいであろう。そのようなバルーンは、概略上述した膜材料と多くの点で同一だがより弾性的なものであってもよいが、おそらくより薄い肉厚を有するであろう。充填剤を同様にこの材料中に配合することができ、又は減衰を調整するため形成技術が再度、使用できる。バルーン挙動が弾性的である場合に制御下にないものは、線源から標的組織までの距離である。全てのバルーン表面に亘って、伝達される放射線の強度を、処方されたレベルと危険レベルの間に確実に留めるために、注意を払う必要がある。肉厚も変え得るが、バルーンの不規則な膨張により膜の厚みと共に、単位面積当たりのその充填剤配合量が変わり、そしてその結果として、その減衰性も変わる故に、問題が非常に複雑になる。一般に、バルーンが膨らむ距離が大きくなるほど、その領域における膜がより薄くなる。
【0023】
硬いアプリケーター又はバルーンアプリケーターのどちらかの使用において、本発明のアプリケーターであれ、従来技術のアプリケーターであれ、ワンド又はカテーテルのシャフトに沿った近接方向に、療法士のために遮蔽を与えることが望ましい。特に、体の開口部の近くでアプリケーターが使用される場合、患者から外れて、療法士が位置していそうな場所に向かって、シャフトに沿って近接して放射線が漏れることがある。そのような暴露が生じそうな場合、近接方向に遮蔽するためにアプリケーターシャフトの上に搭載される、局所的な遮蔽体が採用され得る。この態様は、硬い種類のフランジで、如何なるそのような放射線をも効果的にブロックするために、体の開口部を十分に覆うものであってよい。代替方法として、それが体の開口部内にフィットし、開口部と呼応して放射線シールを形成してもよい。更に、それが、アプリケーターの膨らませることができる主要素とは独立した又は一体化された膨らませることができる要素を含んでもよい。更にまた、バルーンアプリケーターに関して、アプリケーターが使用に供される時に自動的に展開するように、そして療法士に向かう、外側に指向する放射線を防ぐために、適切な範囲又は広がりを有するように、第一アプリケーターバルーンの近接端部で遮蔽部材又は減衰セグメントを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のこれらのそしてその他の特長及び利点は、添付図面と関連付けて本発明の原理が例として示される、以下の好ましい態様の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1a】開口先端、及びその内に配置された、軸方向に指向された放射線を先端で発する線源カテーテルを有する硬いアプリケーターの先端の斜視図である。
【図1b】線源カテーテルを前進させ、そして等方向に放射線を発している点が異なる、図1aの態様の斜視図である。
【図1c】図1aの線源カテーテルの前進によって開くことができる閉じた先端を有する点が異なる、図1aの態様の先端の斜視図である。
【図1d】線源カテーテルを前進させ、そして放射線を発している点が異なる、図1cの態様の先端の斜視図である。
【図2a】アプリケーター鞘の先端で周囲方向に展開した「パドル」形状の遮蔽要素を有し、そして患者の外側からその要素の軸方向操作のための遮蔽部材の近接延伸を示す、該遮蔽部材内に配置され、軸方向に遮蔽された線源カテーテルを有する硬いアプリケーターの先端の斜視図である。
【図2b】アプリケーターの周囲部分に亘って半径方向に放射線を発するために、6つの遮蔽要素の内2つが後退しており、そして線源カテーテルの頂部側面を部分的に暴露している、図2aの態様のアプリケーター先端の斜視図である。
【図2c】図2aの態様のアプリケーターのシャフトを通る断面図である。
【図3a】この図において、協調して作用して半径方向の放射線を完全に遮蔽するように回転された溝付き端部を有する、線源カテーテルの上ではあるが鞘内腔内に配置される、二部品からなる共通軸減衰態様の先端の斜視図である。
【図3b】半径方向に二つの対向する放射線ビームを可能にするように二部品が回転されている点が異なる、図3aの態様の斜視図である
【図4a】各々の部分が一つの窓を有し、該窓は全ての半径方向の放射線の照射をブロックすべく回転するように示された、線源カテーテルの上に配置され、開いた先端を有し、二部品からなる減衰態様の、先端を部分断面で示した斜視図である。
【図4b】窓が部分的に開かれるように、一つの窓が回転しそして平行移動される点が異なる、図4aの態様の斜視図である。
【図4c】放射線の遠方への照射を防ぐために、内部の先端が塞がれている点が異なる、図4aの態様の斜視図である。
【図5】斜めに切断された遠位末端を有し、そして指向性放射線が供されるようにその中に示される線源カテーテルを有する、アプリケーター鞘の内部で且つ線源カテーテルの上で操作するための、一部品からなる減衰態様の斜視図である。
【図6】指向性放射線を供するように、放射線が照射できる窓を有する点が異なる、図5における如きもう一つの一部品からなる態様の斜視図である。
【図7】変化する減衰を供するために、テーパー状の遠位末端を有する、一部品からなる減衰鞘の先端の断面図である。
【図8】変化する減衰を供するために、階段状の遠位末端を有する一部品からなる減衰鞘の先端の断面図である。
【図9】バルーンを有する点が異なる、図1bのものと類似のアプリケーターの斜視図である。
【図10】二点でバルーンに固定されたアプリケーターを有するバルーンを含む点が異なる、図2bのものと類似のアプリケーターの斜視図である。
【図11】図4bのものと類似の遮蔽装置を有し、二点でバルーンに固定されたアプリケーター鞘を有するバルーンアプリケーターを示す、部分断面を有する側面図である。
【図12】図5のものと類似した、一部品からなる遮蔽体を有するバルーンアプリケーターの側面図である。
【図13】二点でバルーンに固定されたアプリケーター鞘を有する、図6のものと類似した一部品からなる遮蔽体を有するバルーンアプリケーターの側面図である。
【図14】近接指向性放射線を減衰させるために、二つの軸方向に遮蔽する態様を示す側面図であり、ここで右側の一つは、バルーンの部分として成形された又はバルーンの製造中またはその後にバルーン上に固定された遮蔽セクションであり、そして左側の態様は、アプリケーターのシャフト上を滑ることができるように搭載されたハブを有する硬い減衰フランジである。
【図15】主アプリケーターバルーンの一体部分として、かつそれに近接する、膨らませることができる(膨張性)減衰バルーンつば(collar)を有するバルーンアプリケーターの側面図である。
【図16】アプリケーターのシャフト上に搭載された、独立して膨らませることができるつばを有する、バルーンアプリケーター及び線源の側面図である。
【図17】骨(リブ)の近くにおける乳房組織内に配置されたバルーンアプリケーターの模式図であり、ここで該バルーンは、骨を照射から保護するように、骨に隣接して配置される遮蔽セグメントを有する。
【図18】乳房組織内に配置され、そして図14の如く、乳房組織内に入る部分で、アプリケーターのシャフト上に配置された硬いフランジ遮蔽体を有する、アプリケーター及び線源の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
これらの図面は、一般的に本発明の遮蔽態様を示し、ここでこの遮蔽は、処方された放射線治療を妨害せずに、ある組織構造を選択的に保護するために作用する。これらの図において、例示されたアプリケーターの直線的な鞘又はシャフトは、実際にあり得るよりも短く示されている。更に、バルーン内の装置をより明確に例示するために、バルーンが透明であるものとして描かれている。
【0027】
図1aは、その内腔内に線源カテーテル12が挿入される開口端11を有する、単純で、硬い、チューブ状の減衰アプリケーター10を示す。この線源及びカテーテルの特性に依存して、遠位末端から放射線が発せられ得る。視準の程度は、アプリケーター内腔内の線源の深さに依存するであろう。そのようなアプリケーターはポリウレタン、ポリプロピレンのようなポリマー又はステンレス鋼のような金属から形成され得る。一般に、少なくとも電子的な放射線源を用いると、殆どの金属製遮蔽体は、近接照射療法に対して関心がある範囲における如何なる入射放射線をも全て吸収する。もし、ポリマー状の場合、減衰は、アプリケーターが構成される材料中への充填剤の添加によって制御できる。代表的な充填剤には硫酸バリウム又はタングステン又はステンレス鋼の粉末が挙げられるであろう。一般に、充填剤成分が増えるほど、得られる充填された材料中の減衰の程度はより大きくなる。設計上、このアプリケーターはチューブ以外の如何なるものでもある必要はなく、おそらくポリマー状の場合は押出され、そして金属状の場合は延伸され又は機械加工される。
【0028】
図1bは、図1aに示されるようなアプリケーター10が、線源13がアプリケーターシャフトの遠位末端まで前進した時に如何に機能するであろうかを示す。この場合、あたかも線源が本質的に等方性であり、一般的に球面状の外皮の至る所に放射線を発するかのように、放射線が示されている。
【0029】
図1cは、前進する時に線源カテーテル12からはずれてちょうつがいで動くことができるセグメント14に分離された閉じられた先端を有する点が異なる、図1aのアプリケーター10の変形を示す。このようにして、示された本態様は自己閉鎖型であり、そしてカテーテルが、図1aにおける如く開いた先端から遠くに放射線を発するのではなく、アプリケーター内に引き込まれた時に、放射線を完全に閉鎖することができる。しかしながら、線源及びカテーテルが前進した時に、図1dに示されるようにちょうつがいで動くセグメントによってその先端が開き、図1bに示されるように放射線の照射が可能となる。これは、図1cに示されるように好ましい形状を保持し且つそこに戻る傾向があるポリマー材料を用いて達成できる。
【0030】
図2aから2eは、線源カテーテル12をアプリケーター20内の中央に配置するための中央内腔21を有するアプリケーター20示す。このアプリケーター20はまた、アプリケーター先端のシャフト又は鞘の壁内のスロット23中に配置されたパドル状の減衰部材又はフィンガー22を配置及び操作するための衛星内腔24を有し、その中にパドルを部分的に又は完全に引込むことができる。パドル22は、軸方向の矢印で示される如く、内腔24内で操作され、パドル又はフィンガーを患者の体外から操作するために使用できるロッド状の近接延長体25を有する。代替法として、これらのパドル22及び線源13は、アプリケーターの先端から軸方向に決して現れることなく、アプリケーターの覆い内で完全に機能できる。本態様において、アプリケーターの鞘20は、上述のように、ポリマーから形成されるが、最低量の減衰性充填剤を含有し、そしてより好ましくは充填剤を含有しない。これらのパドルは充填剤が配合された、上述のような減衰性ポリマーで構成される。これらは、金属製でもあり得る。運転においては、図2bに示される通り、選択したパドルの後退によって、アプリケーターの周囲で選択したセクターにおける放射線の照射が可能となる。協調して作用すべく位置にある時、全ての放射線の照射がブロックでき又は吸収できる。放射線は、遮蔽部材の積極的な使用によって回転掃引できる。
【0031】
図2cは、アプリケーター12のシャフト又は鞘を通る断面を示す。パドル22を操作するための内腔24は、線源とそのカテーテルが通過する中央内腔21の周りに衛星として配置される。本発明の範囲から逸脱することなく、パドル形状以外も採用できるということが理解されるべきである。
【0032】
図3aは、アプリケーターの中央内腔(図示されていない)内で操作するように設計されたが、一般に線源カテーテル(図示されていない)を取り囲む、一対の溝付き(castellated)チューブ31及び32を示す。これらのチューブが図3aに示される通りに配置されると、全ての放射線の照射がブロックされる。これらが図3bに示される通りに配置されると、アプリケーターの周辺セグメント33が放射線を照射する。中間的な相対的回転では、それらのセグメントが図示されているように完全開放状態よりも狭くなる。示された本態様においては、溝付き(castellated)ノッチが直線的である。それらは、本発明から逸脱することなく、ある定められた状況に適するその他の形状であることも同様に可能であろう。二つのチューブに対する材料は、好ましくは金属であり、又はその代替としては、前に述べた如く充填剤を含有する減衰性ポリマーである。
【0033】
図4a及び4bにおいて示される態様は一般に、図3a及び3bのそれに対応するが、チューブの端部におけるノッチに替わって、各チューブ41、42は、放射線がアプリケーターを出て行くことを協調的に制限するために配置され得る窓43、44を有する。一方のチューブを他方のチューブと相対的に軸調節することによって、このビームを軸方向に制限することができ、そして、相対的に回転させることによって(矢印を参照)、このビームを周囲方向に制限することができる。選択された減衰性に依存して、ビームを部分的にブロックすることができ(一つのチューブの減衰厚み)、又は減衰させないことができる(開放した窓)。例えばチューブ42と一体化したディスク45によって、一つ又は両方のチューブの端をブロックすることにより、軸方向(遠位の)放射線も同様にブロックできる。
【0034】
図5及び6は、アプリケーター内腔(図示されていない)内でそして線源カテーテル12の外側で、又はアプリケーターシャフト又は鞘の外側で動かすために操作できる(矢印を参照)チューブを含む、又は更にアプリケーター鞘自身を含み得る、1部品からなる遮蔽態様50、60を示す。この端を、状況に適するように任意に形成できる。図5は切断された、傾斜角の先端51を示し、一方図6は、必要ならばシールされた先端62(図示されている通り)を有することができる窓61を示す。そのような遮蔽装置を用いて、構成材料が好ましく減衰する。
【0035】
図7及び8は、それらの幾何学形状ゆえに、長さに沿って、遮蔽減衰のレベルが次第に変わる、つまりより遠方ほど減衰が少なくなる、アプリケーター先端71、81示す。示された本態様において、一方の先端72はテーパー状(図7)であり、他方の先端82は階段状(図8)である。もし、X線源がアプリケーターの遠位末端の近くに配置されると、半径方向の放射線がより強くなる。そして、近くなればなるほど、放射線がより弱くなる。その先端は(図示されているように)開放されていてもよく、又は必要ならば軸方向の照射を防ぐためにシールされていてもよい。
【0036】
図9は、アプリケーター103のシャフト又は鞘に点102で固定されたバルーン100を有する点が異なるが、図1a,1bに述べられたアプリケーターに部分的に対応するバルーンアプリケーター装置を示す。従来のハブ101は、カテーテルシャフトを通過するバルーンの漏れを防ぐためのシール部(図示されていない)が取付けられたインラインポートを通る線源カテーテル12の導入と、補助ポートとアプリケーターシャフトの壁内の結合内腔、及びバルーンへのシャフトのポートを通る、バルーン100の膨張との両方を供するために、アプリケーターのシャフト又は鞘の近接端部に固定される。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0037】
図10は、アプリケーター103のシャフト又は鞘に点102で固定されたバルーン100を有する点が異なるが、図1a,1bに述べられたアプリケーターに部分的に対応するバルーンアプリケーター装置を示す。従来のハブ101は、カテーテルシャフトを通過するバルーンの漏れを防ぐためのシール部(図示されていない)を取付けられたインラインポートを通る線源カテーテル12の導入と、補助ポートとアプリケーターシャフトの壁内の結合内腔、及びバルーンへのシャフトのポートを通る、バルーン100の膨張との両方を供するために、アプリケーターのシャフト又は鞘の近接端部に固定される。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない
【0038】
図11は、アプリケーターシャフト122の上の点121でアプリケーターシャフトに固定されたバルーン120を有する点が異なるが、図4a,4bのものと類似の遮蔽要素を組込んだバルーンアプリケーター装置を示す。アプリケーターシャフト内腔の内部だが線源カテーテル12の外側には、各々が窓43及び44を有し、遠方に延びてカップ124によって受止められ、そしてアプリケーターシャフトに対して二つの点でバルーン120の回転固定する、二つの遮蔽チューブ41及び42がある。このアプリケーターシャフトの近接端部には従来のハブ123がある。線源カテーテル及び遮蔽チューブは、バルーンの漏れを防ぐために隣接部分間に従来のシール(図示されていない)を有して、全て同心円的に直線ポートを通過する。補助ポートは、アプリケーターシャフトの壁内の結合内腔及びバルーンへのシャフト中のポートを通って、バルーン120を膨らませるためのものである。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0039】
図12は、アプリケーター鞘133に、点132で固定されたバルーン130を有する点が異なるが、図5に述べられたスリーブと類似の切断された斜めの遮蔽スリーブ131を有するアプリケーター装置を示す。従来のハブ134は、線源カテーテル12及び遮蔽スリーブ131の導入を供するために、アプリケーター鞘133の近接端部に固定され、ここでその各々は適切にシールされる必要がある。補助ポートは、アプリケーターシャフトの壁内の結合内腔及びバルーン中へのシャフト中のポートを通って、バルーン130を膨らませるためのものである。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0040】
図13は、その遠位末端が延ばされ、アプリケーターシャフト143に、点142で接合されるかもしくは固定されたバルーンを有する点が異なるが、図6に述べられスリーブと類似の窓が付いた遮蔽スリーブ141を有するアプリケーター装置を示す。遮蔽体スリーブ141の遠位延長部は、スリーブ141とバルーン140の間で回転固定させるために、カップ145を搭載したバルーンと協調して、前に述べたように二つの点でのバルーン固定を供する。従来のハブ144はアプリケーター鞘143の近接端部に固定されて、線源カテーテル12及び遮蔽スリーブ141に供され、ここでその各々は適切にシールされる必要がある。補助ポートは、このポート、アプリケーターシャフトの壁内の結合内腔及びバルーン中へのシャフト中のポートを通って、バルーン140を膨らませるためのものである。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0041】
図14は、バルーン150に近接したアプリケーターシャフト159に沿った方向の放射線を防ぐ又は少なくとも減衰させるための二つの代替遮蔽装置を有するバルーンアプリケーター148を示す。この右側に、バルーン自身の減衰部分151がある。この部分は示されたようなハブを有し、或いはハブを有しないで、その場で成形された、又は形成後に、又は形成の部分として、又はバルーン自身のセグメント部分としてバルーンに接合され、そして成形プロセス中に組込まれた、バルーンの一体部分であり得る。おそらく、それは前述の通り、ポリマーで構成されそして減衰性充填剤を配合されており、そして膨張時にバルーンと共に膨らむよう、十分に柔軟である。図15の左側には、代替態様としての、フランジをアプリケーターシャフトに固定するためのつば153を有する自立型のフランジ152がある。このフランジは硬く、必要ならば、その設定位置を保持するのに十分にきつい滑りはめ込みによって、アプリケーターシャフト159に沿って動くことができるか(矢印を参照)、又は替りに従来のクランプ又は接合留めを有する。フランジ材料は好ましくは充填されたポリマーであるが、金属であってもよい。
【0042】
図15は、バルーン160を有するバルーンアプリケーター158を示し、ここで今度は、バルーン160は主バルーン160に近接してアプリケーターシャフト169の上に配置された、一体化された膨らませることができるトーラス(torus)161を有する。このトーラス161は、バルーン160を膨らませた際に展開される放射線遮蔽体として作用する、好ましくは充填剤配合ポリマーである。
【0043】
図16の態様168は、図15のそれと類似しているが、この場合、トーラス171は、主バルーン170に近接したアプリケーターシャフト169の上に搭載される。例えばアプリケーターシャフトの外側の別個のチューブによるなどして、膨張のために適切に収納して、トーラス171がシャフト169の上を動くことができる。それは軸方向に固定されることもでき、そしてバルーンについて記載したような内部膨張を有することができる。このトーラスもまた好ましくは充填剤配合ポリマーでできている。
【0044】
図17は、バルーン180のセグメント181が、バルーンの一部分への減衰材料の添加によって減衰性にされたことを除いて、図1a、1b及び図10に述べられた装置と類似したアプリケーター178を示す。このアプリケーターは乳房組織178内で骨、この例ではリブ182、に隣接して示されており、減衰材料は、線源179及びそのリブの間に位置している。
【0045】
図18は、乳房組織19内にバルーン190及び線源192を有し、そしてアプリケーターシャフト191に搭載された、図14(図の左側)において述べられたような硬いフランジ189を有するアプリケーター188を示す。本態様におけるフランジ189は、乳房の表面に適合するように、少しばかりカップ状に示されている。その他の用途においては、必要ならばこのフランジは異なる生体構造に適応するように形成されてもよい。
【0046】
上記態様のほとんどの重要な特徴は、アプリケーター上に放射線遮蔽体が含まれ、そしてこの遮蔽体が、位置によって変わる放射線減衰性を有することである。そのような位置による変更には、減衰が全く起こらない遮蔽体を超えた位置が含まれ、そして、減衰がゼロになる、遮蔽体中に穴が生じる位置が含まれる。従って、位置に伴う変更は、X線源が、遮蔽体により放射線が減衰されるように、又は該放射線が減衰されないように配置される、単純な遮蔽体を含むことを意図している。
【0047】
上記の好ましい態様は、本発明の原理を例示することを意図したものであるが、その範囲を制限するものではない。これらの好ましい態様に対する他の態様及び変更は、当業者にとって明白であり、そして以下の請求の範囲に定義された如き本発明の精神と範囲を逸脱することなく実行されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療アプリケーターのための遮蔽に関し、特に、放射線照射パターンの動的制御のための調節可能な遮蔽に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン化放射線治療のいくつかの形態、特に、解剖学的空洞内に配置された放射線源から放射線が投与される近接照射療法が、アプリケーターを使用してもたらされる。アプリケーターの使用目的には、空洞内での線源の配置、空洞壁上に入射される放射線強度の緩和(放射線強度は線源からの距離と共に指数的に減衰する)、又は、処方された治療パラメーターに従う、放射線配送を容易にするための空洞の形状の調整が挙げられ得る。その他の目的も存在し得る。解剖学的空洞は自然の空洞であっても、又は例えば病変部の除去の場合のように、外科的介入の結果生じてもよい。
【0003】
いくつかのアプリケーターは、その形状が治療の間に変化しないという点で、本質的に硬くそして固定された構成のものである。典型的な固定化された構成のアプリケーターは、体の空洞内に配置されるよう形造られ、そしてその中に線源が配置され得るカテーテル又はワンド(wand)を含むであろう。そのようなアプリケーターは、自然のオリフィスを通して又は外科的切開又は入り口を通して体内に挿入することができる。アプリケーターの他の形体は、体内への挿入後に形状を変えることができる、延長可能な要素を組込んでもよい。後者の共通の形体は、バルーンアプリケーターである。ジョージア州、アルファレッタのProXima Therapeutics社(現在は、マサチュセッツ州、マールボロのCytyc社に統合された)が、バルーンを組込んだ、延伸可能なアプリケーターを提供している。これらのアプリケーターバルーンは、線源自身の近くで放射線強度を減衰するように、一般的に生理食塩水で膨らまされる。そのようなアプリケーターを用いると、バルーンの皮又は表面内の線源の位置が制御され、そして分かるように、X線源がバルーン内部のチューブ又は溝内に理想的に閉じ込められる。好ましくは、バルーンの表面の丁度外側に届けられる放射線の強度が均一で、危険レベルを下回るが、効果的な治療を供するためにはまだ十分強いレベルであるように、膨らまされ、延ばすことができる表面の形状は、線源の放射範囲と連携される。
【0004】
従来、バルーンの強度、つまりその剛性又は適合性は、それが空洞の周囲の組織をバルーンの望まれる形状並びに線源から予測される放射線範囲と適合させるように形造るか又は向かうように選択される。これらの要因が同時に達成できれば、空洞を形成している最内部組織への均一又は等量の処方が届けられる。この場合、療法士は、空洞に隣接する標的組織全体に均一な治療を確保できる。しかしながら、大抵は、この条件は満たされない。時々、空洞を再形成することができないため、バルーンの外側の放射線強度が十分に均一ではなくなる。この状態が生じると、既存の空洞に適合したバルーンが採用されることになるが、すると、供給される照射量の均一性を確保するために異なる手段を取らざるを得なくなる。その他の場合において、近くの組織構造がバルーンの外側の放射線の治療範囲内に位置することになるため、放射線の治療線量が伝達された際に、それが傷付く可能性がある。これらの場合、危険に曝された組織の過剰処置を避けるための手段がとられない限り、療法士は好ましい処置を実現できない。本発明が目的とするのは、これらの手段である。
【0005】
放射線源は通常、アプリケーター内での線源の取扱い及びその配置を容易にするために、カテーテルの内または遠位末端の近くに配置される。放射線源は本来は同位体性のものであっても良く、又は、同位体と類似の治療効果を生じるために利用可能なX線を生み出す電子的なものであっても良い。バルーンアプリケーターと共に使用するのに適した同位体源は一般に高線量源と呼ばれ、単一の同位体「種(seed)」を含むポイント線源の形か、又は一連の「種」線源を含む線形の線源の形か、又はワイアの形であってよい。線源が「種」、多数の「種」又はワイアである場合、それは一般に、処置されるべき解剖学的空洞に近づくために、アプリケーター中への挿入用カテーテル中に配置される。その他の用途において、放射線源は放射性材料を懸濁させて含む流体であり得る。この流体は生理食塩水に替わり、アプリケーターの延伸可能な要素を膨らませるために使用できる。
【0006】
放射性同位体からの放射線は、同位体の半減期、つまり、そのもとの強度の半分が残存する時間、によって測定される強度が減衰するような公知の方法で発せられる。実際の時間的制約の範囲内で、ある放射性同位体に対するこれらのパラメーターは固定され、そして変更できないため、その制御の可能性は全くない。更に、放射性同位体は2,3の異なるエネルギー帯で放射線を発し、各帯からの放射線はそれに固有の組織貫通及び線量の投与実現能力を有する。例えば、最も一般的な高線量率の近接照射療法同位体である192Irから発せられる放射線の高エネルギー帯は、遮蔽体材料の大きな厚みを貫通する。また、同位体は常に「オン」状態にあるため、オン/オフスイッチで出力を制御することは不可能である。他の共通のそして医学的に妥当な放射性同位体は、空間的な考察から、体内の空洞内での選択的遮蔽性を非実用化してしまうほどの高エネルギー成分を含む放射スペクトルも有する。これらの放射性同位体からの放射線は遮蔽材料の如何なる実用的厚みをも貫通するであろう。この高エネルギー放射線は、治療を要する標的場所のはるかに先まで容易に貫通するため、体の健康な部分に放射線が到達して、損傷の危険をもたらす。また、それは療法士を危険に曝すため、付添い人が不在でその内で治療を施し得る「バンカー」型の設備が必要となる。これは治療に同位体放射線を使うことにとっての主要な短所である。
【0007】
対照的に、電子的に制御された放射線源を用いると、陽極の形状及び構造、及び利用される如何なる最小遮蔽性によっても、発せられるX線の指向性が定まる。そのようなX線源が特許文献1に述べられており、その明細書が、その全文がここに引用することにより組込まれているものとする。そのような線源から発せられたX線は等方的に発せられてもよく、半径方向、軸方向又はそれらの組合せ方向に向けられてもよい。陽極形成は、X線発生装置の当業者には公知である。陽極形状、標的厚み及び標的構成は、小型X線源から発せられる放射線のプロファイルを変えるために使用できる。また、高線量率の同位体の治療効果を生み出すことができる小型X線源は、発せられた放射線を選択的にブロックするために肉薄の放射線遮蔽体を必要とするのみであるため、指向性的に形成された放射場を生み出す。電子的に生み出されたX線を用いると、加速電圧によって、得られるX線のエネルギースペクトルが定められる。組織内へのX線の貫通は、X線のエネルギーに直接的に関連付けられる。病変部の一点に向けられた蓄積放射線量は、X線源のビーム電流又は患者の体内の「オン」時間によって制御され得る。これらのパラメーターの制御は手動で行われてもよく、又は、制御装置へのフィードバックセンサーに基づき、規定された線量に適合する出力に基づいて、実時間において自動化されてもよい。制御システムの一例が、2006年3月31日に出願された米国同時係属の特許文献2に記載されており、その開示の全文がここに引用することにより組込まれているものとする。このX線を用いた制御の容易さ及びその最小の安全要求事項は、療法士及び患者にとっては著しい利点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,319,188号
【特許文献2】特許出願番号11/394,640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、放射線に敏感な又は正常な組織構造を、患部組織を治療するために規定された治療線量から選択的に保護する能力を療法士に供するために、これらの危険に曝された正常な組織を選択的に遮蔽するために適応でき、一方で、隣接する患部組織への規定された線量を可能ならしめる便利な装置及び方法が必要とされている。本発明の装置及び方法は療法士にこの能力を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、硬い(非延伸性)放射線治療アプリケーターに応用できる多数の遮蔽装置の配列及び方法を含む。本発明は更に、延伸可能な要素(類)、例えばバルーン、を組込んだアプリケーターを使用するための装置及び方法を含む。いくつかの遮蔽態様が両方のタイプのアプリケーターに適用できる。更に、それらは低線量率の同位体源を用いて使用でき、ここで放射線治療のための小型X線源の使用に適用できることに加えて、記述された遮蔽態様の適用によって、発せられた放射線を効果的にブロックし得る。
【0011】
上述の如く、硬いアプリケーターは、最小の放射線減衰性を有する材料からなり、その内腔を通して放射線源が導入できそして照射される組織の近くへと前進できる、柔軟なチューブ状の鞘(sheath)又は剛直なワンドを含んでよい。もし、放射線出力の一部を遮蔽することが望まれるならば、例えば、鞘又はワンドのシャフト内に追加の内腔(類)を供することによって、カテーテル又はアプリケーターのデザインに放射線減衰部材を組込んでもよく、該内腔(類)を通して放射線減衰部材(類)を放射線源と隣接して配置してもよい。従って、注意深く配列することによって、該部材(類)は線源と保護されるべき組織構造の間にくるよう配置され得る。これらの放射線減衰部材は、カテーテル及び/又は線源に対してアプリケーター内の固定された位置にあってもよく、又はそれらは移動可能であってもよい。更に、もし複数の減衰部材が使用されるならば、これらの部材は独立して制御され得るか又は集合的に制御され得る。例えば、もしこれらの部材がカテーテル又はワンドの近接端部まで延びるなら、制御は手動操作によることができ、又は自動的に作動される操作によることもできる。同じく、操作は、部材と内腔の間でピストン効果を達成するために適切なシール性があることを仮定して、例えば、部材内腔内に圧力が作用し、そして部材の近接端部に対して作用する油圧作動による間接的なものでもあり得る。
【0012】
もし、たった一つのチューブ状の減衰部材が使用されるならば、それは鞘又はワンドの上、又は放射線源内腔内の線源及び鞘の内部表面の間を滑ることができる。該減衰部材は角度を付けて切断され得るか、そうでなければ望みの放射線出力を生み出すように、その遠位末端で窓を構成することを含むよう形成することができる。もし、複数の減衰部材が使用されるならば、それらは鞘又はワンドにおける個々の内腔を通過し得るか、又は鞘の内腔内部及び線源カテーテルの外側の管状空間内に配列され得る。各部材は、隣接部材と協調して望みの遮蔽効果を生み出すために、その遠位末端で形成されてもよい。興味ある形の例としては、数多くの隣接部材が集合的に配列されて、その中の線源の周りで減衰材料のチューブ状の遮蔽体を形成できるように、延ばされたもの及び弓形のものの両方がある。そのような配列によって、(アプリケーターの構成にもよるが)おそらくより少ない量を療法士の近くに向かわせ、そして半径方向にはほとんど無しで、実質的に放射線を遠位末端方向に向くべく指向させることになろう。代替法として、一つ又はそれより多くの減衰「パドル」又はフィンガー状の遮蔽体セグメントを個々に後退させて、半径方向に向けられ、周囲方向には限定された放射線出力を生み出すことができる。そのような後退は、開いた又は閉じた状態のどちらかで、一定であり得る。同じく、それは手動で駆動されて又は自動化されて周期的なものであり得て、そしてもし望むならば、回転する放射線経路を発生し得る。
【0013】
そのような配列及びカテーテル及び線源は、もし望むならば、アプリケーターの鞘の遠位末端を超えて延ばすことができる。鞘の遠位末端の近くで、これらの部材又は遮蔽体セクションは、延ばされた弓形パドルから、アプリケーターの内腔を通過して、丸いワイア状の延伸体の中に移動することができ、そして鞘の近接端部に到達し、そうすることによって遠方の「パドル」の操作ができるようになる。全体の組立品が鞘の壁内で操作できるであろう。この配列を用いて、鞘又はワンドの遠位末端を、空洞に対して開くのではなく場合により閉じることができる。もし遠方で、軸方向に向けた放射線が望ましくないならば、そのような場合、放射線を大量に吸収する放射線減衰材料を用いて鞘の遠位末端に蓋をすることができる。
【0014】
興味あるもう一つの態様は、鞘の内腔内で操作し、そして線源カテーテルを取囲む一対の入れ子型減衰チューブである。これら二つのチューブの遠位末端には、適切に並べられた時に周囲の鞘が完成して、放射線の照射をブロックするように、端部から切断されたセクションで溝が付けられている(castellated)。これらのチューブの相対的回転によって、半径方向の放射ビームが生じ得る。代替方法としては、これらのチューブは、放射線を開放するために所望の窓(類)が相対的に回転して開くような、協働する窓(類)を有することができる。又は、これらの窓の軸方向長さが変えられるように、これらのチューブは互いに対して軸方向に平行移動し得る。もし、これらのチューブの相対的な位置が、固定された窓を形成するように配列されるならば、これらのチューブは平行移動及び回転して、空洞組織の所望の部分を集中して照射するようになる。同心円のチューブ遮蔽体における相対的に移動可能な窓の記述のある、2005年12月30日に出願された同時係属出願番号11/323,346を参照のこと。その開示がここに引用することにより組込まれている。
【0015】
上で論じられた態様においては、記述された遮蔽装置が一般的に鞘体又はシャフトと相対的に移動可能であり、単独又は複数の協働的な成分からなり、そして線源カテーテル及び線源の動きとは独立しているが協働的である。線源は軸方向に移動できるが、該遮蔽体は固定されたものであり得る。
【0016】
もう一つの態様においては、硬いアプリケーターは、鞘内の線源の位置に依存して、照射範囲が好ましい形状と特性を有することを可能ならしめるべく形成されるよう、少なくとも鞘の遠位末端で、少なくとも部分的に減衰材料からなる。単純な例として、チューブ状の減衰性の遮蔽延張体がアプリケーター鞘の遠位末端に固定され得る。線源が組立品の内部内腔を通って自由に動けるよう、延長体の内径は鞘の内径に対応することができる。しかしながら、線源が遠方に位置する時には、半径方向に伝達される放射線が幾分減衰されるが、線源が鞘組立品内のより近くに位置する時には、それがより強く減衰されるように、延長体の外径は、遠方ほど減少するテーパー状又は階段状であってよい。同様に、遮蔽体の部分が薄いか又は無いところでは、相対的に減衰されていない放射線が半径方向に放射されるが、それらが全て存在するところでは、わざと減衰されるように、硬いチューブ状遮蔽延長体は、周囲方向にノッチ付きか又は不完全であってよい。そのような固定された構造においては、その遠位末端は状況に応じて減衰材料によってブロックされていても、されてなくてもよい。
【0017】
前に述べた如く、治療用放射線が通過する、延ばし得る要素又はバルーン要素を有するアプリケーターのために、減衰装置が形成され得る。硬いアプリケーターと共に使用される上述の遮蔽態様の全てとは言わないが、大部分がバルーンアプリケーターにも応用でき、そこではバルーンがその上に固定される鞘又はシャフトの内又は周りで減衰部材が機能する。その他の点において、これらの態様の記述は類似しているが、これらの態様の遮蔽部分は、バルーン内で操作されそしてバルーンによって囲まれている。バルーン自身は、放射線場の強度を選択的により正確に形付ける機会を含む追加の遮蔽機会を供する。
【0018】
バルーンがアプリケーターの部分として使用されている時には、治療用放射線の標的領域は、一般に、バルーンの表面から約1cm半径方向に外側に延びた、膨らんだバルーンの周りの全ての組織体積である。一般に病気、特に、癌の再発が最も起こり易いと考えられるのはこの組織である。治療目的で、細胞破壊のために最小強度が要求され、そしてこの最小量がバルーン表面から1cm外側での規定線量の基礎を形成する。当業者に公知であるように、放射線強度は物体を通過するときに指数的に減衰するため、バルーン表面でのその強度は標的深さ1cmでの強度よりも強くなるであろう。バルーン表面での強度が、標的深さでの強度より実質的により大きくないことが重要であるが、それは過度に破壊的である故に、隣接する健康な組織を損傷する危険がある。線源又は線源カテーテルの表面では、放射線の強度が治療用としては通常あまりにも高過ぎる。
【0019】
バルーンアプリケーター設計では、放射線強度を線源カテーテルでの高いレベルから、バルーンの外表面での管理可能な強度まで減衰させるために、バルーン中の膨張媒体及びバルーン膜自身の減衰性が利用される。これは、膨張媒体及びバルーンの減衰性の操作及び/又はバルーンの幾何学的サイズ及び形状によって達成される。この技術の有用な効果は、バルーン表面での組織上へ入射する放射線の強度と、バルーンから1cm外側のその強度の比が低下することであり、それは標的組織全体に亘るより均一な照射を意味する。この現象は「ビーム硬化」と呼ばれる。
【0020】
バルーン膜自身の吸収性は、全体の設計状況に適するように調整して変え得る。バルーン材料は通常、ポリマーであり、そして一般には、ポリウレタン、PET、シリコーンゴム又は当業者に公知の類似材料である。ほとんどのバルーン膜の材料は通常、放射線に対して非常に透明であるが、それらの放射線減衰性は通常、減衰性充填剤をそれらに配合することによって調整できる。硫酸バリウム及び金属粒子などの減衰性充填材がこれらのバルーン材料中に配合され得る。その他の充填材もまた当業者に公知である。一般にこの充填材の配合量が多いほど、得られる材料がより減衰性になり、そしてその上への放射線入射の指数的減衰がより早くなる。結局、ある材料の全減衰量は、その減衰性と、減衰性が放射線の経路をブロックする厚みの両者の関数である。従って、放射線から組織を遮蔽する点において、弱く減衰させるが肉厚の材料は、強く減衰させるが肉薄の材料と同じく効果的であろう。
【0021】
バルーンに対する材料組成の修正に加えて、その構造も同様に変え得る。例えば、バルーン膜の壁厚は製造過程で選択的に変更できる。肉厚変更は金型設計から、又は異なる厚みの材料を使用するバルーンの形成からもたらされ得る。特定のバルーン領域を選択的に遮蔽するために、類似肉厚だが充填剤の配合量が異なる材料の形成も使用され得る。減衰バルーンに関する、(2003年10月13日に出願された)同時係属出願番号10/683,885及び(2004年10月8日に出願された)10/962,247を参照のこと。これら両方の同時係属出願の開示がここに引用することにより組込まれている。
【0022】
上述の如く、バルーンは、バルーン内の圧力に基づいて機械的に空洞を形成するという更なる目的に役立ち得る。もし、形成された空洞が線源の強度パターンに対応するならば、規定通りの均一な線量投与は比較的簡単なことである。空洞が自由な形状を有するか、好ましい形状に形付けることができない場合、空洞を形成する組織に隣接したバルーンの外側で空気の隙間を避けるため、弾性挙動(空洞充填)を有するバルーンが好ましいであろう。そのようなバルーンは、概略上述した膜材料と多くの点で同一だがより弾性的なものであってもよいが、おそらくより薄い肉厚を有するであろう。充填剤を同様にこの材料中に配合することができ、又は減衰を調整するため形成技術が再度、使用できる。バルーン挙動が弾性的である場合に制御下にないものは、線源から標的組織までの距離である。全てのバルーン表面に亘って、伝達される放射線の強度を、処方されたレベルと危険レベルの間に確実に留めるために、注意を払う必要がある。肉厚も変え得るが、バルーンの不規則な膨張により膜の厚みと共に、単位面積当たりのその充填剤配合量が変わり、そしてその結果として、その減衰性も変わる故に、問題が非常に複雑になる。一般に、バルーンが膨らむ距離が大きくなるほど、その領域における膜がより薄くなる。
【0023】
硬いアプリケーター又はバルーンアプリケーターのどちらかの使用において、本発明のアプリケーターであれ、従来技術のアプリケーターであれ、ワンド又はカテーテルのシャフトに沿った近接方向に、療法士のために遮蔽を与えることが望ましい。特に、体の開口部の近くでアプリケーターが使用される場合、患者から外れて、療法士が位置していそうな場所に向かって、シャフトに沿って近接して放射線が漏れることがある。そのような暴露が生じそうな場合、近接方向に遮蔽するためにアプリケーターシャフトの上に搭載される、局所的な遮蔽体が採用され得る。この態様は、硬い種類のフランジで、如何なるそのような放射線をも効果的にブロックするために、体の開口部を十分に覆うものであってよい。代替方法として、それが体の開口部内にフィットし、開口部と呼応して放射線シールを形成してもよい。更に、それが、アプリケーターの膨らませることができる主要素とは独立した又は一体化された膨らませることができる要素を含んでもよい。更にまた、バルーンアプリケーターに関して、アプリケーターが使用に供される時に自動的に展開するように、そして療法士に向かう、外側に指向する放射線を防ぐために、適切な範囲又は広がりを有するように、第一アプリケーターバルーンの近接端部で遮蔽部材又は減衰セグメントを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のこれらのそしてその他の特長及び利点は、添付図面と関連付けて本発明の原理が例として示される、以下の好ましい態様の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1a】開口先端、及びその内に配置された、軸方向に指向された放射線を先端で発する線源カテーテルを有する硬いアプリケーターの先端の斜視図である。
【図1b】線源カテーテルを前進させ、そして等方向に放射線を発している点が異なる、図1aの態様の斜視図である。
【図1c】図1aの線源カテーテルの前進によって開くことができる閉じた先端を有する点が異なる、図1aの態様の先端の斜視図である。
【図1d】線源カテーテルを前進させ、そして放射線を発している点が異なる、図1cの態様の先端の斜視図である。
【図2a】アプリケーター鞘の先端で周囲方向に展開した「パドル」形状の遮蔽要素を有し、そして患者の外側からその要素の軸方向操作のための遮蔽部材の近接延伸を示す、該遮蔽部材内に配置され、軸方向に遮蔽された線源カテーテルを有する硬いアプリケーターの先端の斜視図である。
【図2b】アプリケーターの周囲部分に亘って半径方向に放射線を発するために、6つの遮蔽要素の内2つが後退しており、そして線源カテーテルの頂部側面を部分的に暴露している、図2aの態様のアプリケーター先端の斜視図である。
【図2c】図2aの態様のアプリケーターのシャフトを通る断面図である。
【図3a】この図において、協調して作用して半径方向の放射線を完全に遮蔽するように回転された溝付き端部を有する、線源カテーテルの上ではあるが鞘内腔内に配置される、二部品からなる共通軸減衰態様の先端の斜視図である。
【図3b】半径方向に二つの対向する放射線ビームを可能にするように二部品が回転されている点が異なる、図3aの態様の斜視図である
【図4a】各々の部分が一つの窓を有し、該窓は全ての半径方向の放射線の照射をブロックすべく回転するように示された、線源カテーテルの上に配置され、開いた先端を有し、二部品からなる減衰態様の、先端を部分断面で示した斜視図である。
【図4b】窓が部分的に開かれるように、一つの窓が回転しそして平行移動される点が異なる、図4aの態様の斜視図である。
【図4c】放射線の遠方への照射を防ぐために、内部の先端が塞がれている点が異なる、図4aの態様の斜視図である。
【図5】斜めに切断された遠位末端を有し、そして指向性放射線が供されるようにその中に示される線源カテーテルを有する、アプリケーター鞘の内部で且つ線源カテーテルの上で操作するための、一部品からなる減衰態様の斜視図である。
【図6】指向性放射線を供するように、放射線が照射できる窓を有する点が異なる、図5における如きもう一つの一部品からなる態様の斜視図である。
【図7】変化する減衰を供するために、テーパー状の遠位末端を有する、一部品からなる減衰鞘の先端の断面図である。
【図8】変化する減衰を供するために、階段状の遠位末端を有する一部品からなる減衰鞘の先端の断面図である。
【図9】バルーンを有する点が異なる、図1bのものと類似のアプリケーターの斜視図である。
【図10】二点でバルーンに固定されたアプリケーターを有するバルーンを含む点が異なる、図2bのものと類似のアプリケーターの斜視図である。
【図11】図4bのものと類似の遮蔽装置を有し、二点でバルーンに固定されたアプリケーター鞘を有するバルーンアプリケーターを示す、部分断面を有する側面図である。
【図12】図5のものと類似した、一部品からなる遮蔽体を有するバルーンアプリケーターの側面図である。
【図13】二点でバルーンに固定されたアプリケーター鞘を有する、図6のものと類似した一部品からなる遮蔽体を有するバルーンアプリケーターの側面図である。
【図14】近接指向性放射線を減衰させるために、二つの軸方向に遮蔽する態様を示す側面図であり、ここで右側の一つは、バルーンの部分として成形された又はバルーンの製造中またはその後にバルーン上に固定された遮蔽セクションであり、そして左側の態様は、アプリケーターのシャフト上を滑ることができるように搭載されたハブを有する硬い減衰フランジである。
【図15】主アプリケーターバルーンの一体部分として、かつそれに近接する、膨らませることができる(膨張性)減衰バルーンつば(collar)を有するバルーンアプリケーターの側面図である。
【図16】アプリケーターのシャフト上に搭載された、独立して膨らませることができるつばを有する、バルーンアプリケーター及び線源の側面図である。
【図17】骨(リブ)の近くにおける乳房組織内に配置されたバルーンアプリケーターの模式図であり、ここで該バルーンは、骨を照射から保護するように、骨に隣接して配置される遮蔽セグメントを有する。
【図18】乳房組織内に配置され、そして図14の如く、乳房組織内に入る部分で、アプリケーターのシャフト上に配置された硬いフランジ遮蔽体を有する、アプリケーター及び線源の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
これらの図面は、一般的に本発明の遮蔽態様を示し、ここでこの遮蔽は、処方された放射線治療を妨害せずに、ある組織構造を選択的に保護するために作用する。これらの図において、例示されたアプリケーターの直線的な鞘又はシャフトは、実際にあり得るよりも短く示されている。更に、バルーン内の装置をより明確に例示するために、バルーンが透明であるものとして描かれている。
【0027】
図1aは、その内腔内に線源カテーテル12が挿入される開口端11を有する、単純で、硬い、チューブ状の減衰アプリケーター10を示す。この線源及びカテーテルの特性に依存して、遠位末端から放射線が発せられ得る。視準の程度は、アプリケーター内腔内の線源の深さに依存するであろう。そのようなアプリケーターはポリウレタン、ポリプロピレンのようなポリマー又はステンレス鋼のような金属から形成され得る。一般に、少なくとも電子的な放射線源を用いると、殆どの金属製遮蔽体は、近接照射療法に対して関心がある範囲における如何なる入射放射線をも全て吸収する。もし、ポリマー状の場合、減衰は、アプリケーターが構成される材料中への充填剤の添加によって制御できる。代表的な充填剤には硫酸バリウム又はタングステン又はステンレス鋼の粉末が挙げられるであろう。一般に、充填剤成分が増えるほど、得られる充填された材料中の減衰の程度はより大きくなる。設計上、このアプリケーターはチューブ以外の如何なるものでもある必要はなく、おそらくポリマー状の場合は押出され、そして金属状の場合は延伸され又は機械加工される。
【0028】
図1bは、図1aに示されるようなアプリケーター10が、線源13がアプリケーターシャフトの遠位末端まで前進した時に如何に機能するであろうかを示す。この場合、あたかも線源が本質的に等方性であり、一般的に球面状の外皮の至る所に放射線を発するかのように、放射線が示されている。
【0029】
図1cは、前進する時に線源カテーテル12からはずれてちょうつがいで動くことができるセグメント14に分離された閉じられた先端を有する点が異なる、図1aのアプリケーター10の変形を示す。このようにして、示された本態様は自己閉鎖型であり、そしてカテーテルが、図1aにおける如く開いた先端から遠くに放射線を発するのではなく、アプリケーター内に引き込まれた時に、放射線を完全に閉鎖することができる。しかしながら、線源及びカテーテルが前進した時に、図1dに示されるようにちょうつがいで動くセグメントによってその先端が開き、図1bに示されるように放射線の照射が可能となる。これは、図1cに示されるように好ましい形状を保持し且つそこに戻る傾向があるポリマー材料を用いて達成できる。
【0030】
図2aから2eは、線源カテーテル12をアプリケーター20内の中央に配置するための中央内腔21を有するアプリケーター20示す。このアプリケーター20はまた、アプリケーター先端のシャフト又は鞘の壁内のスロット23中に配置されたパドル状の減衰部材又はフィンガー22を配置及び操作するための衛星内腔24を有し、その中にパドルを部分的に又は完全に引込むことができる。パドル22は、軸方向の矢印で示される如く、内腔24内で操作され、パドル又はフィンガーを患者の体外から操作するために使用できるロッド状の近接延長体25を有する。代替法として、これらのパドル22及び線源13は、アプリケーターの先端から軸方向に決して現れることなく、アプリケーターの覆い内で完全に機能できる。本態様において、アプリケーターの鞘20は、上述のように、ポリマーから形成されるが、最低量の減衰性充填剤を含有し、そしてより好ましくは充填剤を含有しない。これらのパドルは充填剤が配合された、上述のような減衰性ポリマーで構成される。これらは、金属製でもあり得る。運転においては、図2bに示される通り、選択したパドルの後退によって、アプリケーターの周囲で選択したセクターにおける放射線の照射が可能となる。協調して作用すべく位置にある時、全ての放射線の照射がブロックでき又は吸収できる。放射線は、遮蔽部材の積極的な使用によって回転掃引できる。
【0031】
図2cは、アプリケーター12のシャフト又は鞘を通る断面を示す。パドル22を操作するための内腔24は、線源とそのカテーテルが通過する中央内腔21の周りに衛星として配置される。本発明の範囲から逸脱することなく、パドル形状以外も採用できるということが理解されるべきである。
【0032】
図3aは、アプリケーターの中央内腔(図示されていない)内で操作するように設計されたが、一般に線源カテーテル(図示されていない)を取り囲む、一対の溝付き(castellated)チューブ31及び32を示す。これらのチューブが図3aに示される通りに配置されると、全ての放射線の照射がブロックされる。これらが図3bに示される通りに配置されると、アプリケーターの周辺セグメント33が放射線を照射する。中間的な相対的回転では、それらのセグメントが図示されているように完全開放状態よりも狭くなる。示された本態様においては、溝付き(castellated)ノッチが直線的である。それらは、本発明から逸脱することなく、ある定められた状況に適するその他の形状であることも同様に可能であろう。二つのチューブに対する材料は、好ましくは金属であり、又はその代替としては、前に述べた如く充填剤を含有する減衰性ポリマーである。
【0033】
図4a及び4bにおいて示される態様は一般に、図3a及び3bのそれに対応するが、チューブの端部におけるノッチに替わって、各チューブ41、42は、放射線がアプリケーターを出て行くことを協調的に制限するために配置され得る窓43、44を有する。一方のチューブを他方のチューブと相対的に軸調節することによって、このビームを軸方向に制限することができ、そして、相対的に回転させることによって(矢印を参照)、このビームを周囲方向に制限することができる。選択された減衰性に依存して、ビームを部分的にブロックすることができ(一つのチューブの減衰厚み)、又は減衰させないことができる(開放した窓)。例えばチューブ42と一体化したディスク45によって、一つ又は両方のチューブの端をブロックすることにより、軸方向(遠位の)放射線も同様にブロックできる。
【0034】
図5及び6は、アプリケーター内腔(図示されていない)内でそして線源カテーテル12の外側で、又はアプリケーターシャフト又は鞘の外側で動かすために操作できる(矢印を参照)チューブを含む、又は更にアプリケーター鞘自身を含み得る、1部品からなる遮蔽態様50、60を示す。この端を、状況に適するように任意に形成できる。図5は切断された、傾斜角の先端51を示し、一方図6は、必要ならばシールされた先端62(図示されている通り)を有することができる窓61を示す。そのような遮蔽装置を用いて、構成材料が好ましく減衰する。
【0035】
図7及び8は、それらの幾何学形状ゆえに、長さに沿って、遮蔽減衰のレベルが次第に変わる、つまりより遠方ほど減衰が少なくなる、アプリケーター先端71、81示す。示された本態様において、一方の先端72はテーパー状(図7)であり、他方の先端82は階段状(図8)である。もし、X線源がアプリケーターの遠位末端の近くに配置されると、半径方向の放射線がより強くなる。そして、近くなればなるほど、放射線がより弱くなる。その先端は(図示されているように)開放されていてもよく、又は必要ならば軸方向の照射を防ぐためにシールされていてもよい。
【0036】
図9は、アプリケーター103のシャフト又は鞘に点102で固定されたバルーン100を有する点が異なるが、図1a,1bに述べられたアプリケーターに部分的に対応するバルーンアプリケーター装置を示す。従来のハブ101は、カテーテルシャフトを通過するバルーンの漏れを防ぐためのシール部(図示されていない)が取付けられたインラインポートを通る線源カテーテル12の導入と、補助ポートとアプリケーターシャフトの壁内の結合内腔、及びバルーンへのシャフトのポートを通る、バルーン100の膨張との両方を供するために、アプリケーターのシャフト又は鞘の近接端部に固定される。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0037】
図10は、アプリケーター103のシャフト又は鞘に点102で固定されたバルーン100を有する点が異なるが、図1a,1bに述べられたアプリケーターに部分的に対応するバルーンアプリケーター装置を示す。従来のハブ101は、カテーテルシャフトを通過するバルーンの漏れを防ぐためのシール部(図示されていない)を取付けられたインラインポートを通る線源カテーテル12の導入と、補助ポートとアプリケーターシャフトの壁内の結合内腔、及びバルーンへのシャフトのポートを通る、バルーン100の膨張との両方を供するために、アプリケーターのシャフト又は鞘の近接端部に固定される。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない
【0038】
図11は、アプリケーターシャフト122の上の点121でアプリケーターシャフトに固定されたバルーン120を有する点が異なるが、図4a,4bのものと類似の遮蔽要素を組込んだバルーンアプリケーター装置を示す。アプリケーターシャフト内腔の内部だが線源カテーテル12の外側には、各々が窓43及び44を有し、遠方に延びてカップ124によって受止められ、そしてアプリケーターシャフトに対して二つの点でバルーン120の回転固定する、二つの遮蔽チューブ41及び42がある。このアプリケーターシャフトの近接端部には従来のハブ123がある。線源カテーテル及び遮蔽チューブは、バルーンの漏れを防ぐために隣接部分間に従来のシール(図示されていない)を有して、全て同心円的に直線ポートを通過する。補助ポートは、アプリケーターシャフトの壁内の結合内腔及びバルーンへのシャフト中のポートを通って、バルーン120を膨らませるためのものである。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0039】
図12は、アプリケーター鞘133に、点132で固定されたバルーン130を有する点が異なるが、図5に述べられたスリーブと類似の切断された斜めの遮蔽スリーブ131を有するアプリケーター装置を示す。従来のハブ134は、線源カテーテル12及び遮蔽スリーブ131の導入を供するために、アプリケーター鞘133の近接端部に固定され、ここでその各々は適切にシールされる必要がある。補助ポートは、アプリケーターシャフトの壁内の結合内腔及びバルーン中へのシャフト中のポートを通って、バルーン130を膨らませるためのものである。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0040】
図13は、その遠位末端が延ばされ、アプリケーターシャフト143に、点142で接合されるかもしくは固定されたバルーンを有する点が異なるが、図6に述べられスリーブと類似の窓が付いた遮蔽スリーブ141を有するアプリケーター装置を示す。遮蔽体スリーブ141の遠位延長部は、スリーブ141とバルーン140の間で回転固定させるために、カップ145を搭載したバルーンと協調して、前に述べたように二つの点でのバルーン固定を供する。従来のハブ144はアプリケーター鞘143の近接端部に固定されて、線源カテーテル12及び遮蔽スリーブ141に供され、ここでその各々は適切にシールされる必要がある。補助ポートは、このポート、アプリケーターシャフトの壁内の結合内腔及びバルーン中へのシャフト中のポートを通って、バルーン140を膨らませるためのものである。膨張回路の要素については、それらが当業界では標準であるので、詳細には説明しない。
【0041】
図14は、バルーン150に近接したアプリケーターシャフト159に沿った方向の放射線を防ぐ又は少なくとも減衰させるための二つの代替遮蔽装置を有するバルーンアプリケーター148を示す。この右側に、バルーン自身の減衰部分151がある。この部分は示されたようなハブを有し、或いはハブを有しないで、その場で成形された、又は形成後に、又は形成の部分として、又はバルーン自身のセグメント部分としてバルーンに接合され、そして成形プロセス中に組込まれた、バルーンの一体部分であり得る。おそらく、それは前述の通り、ポリマーで構成されそして減衰性充填剤を配合されており、そして膨張時にバルーンと共に膨らむよう、十分に柔軟である。図15の左側には、代替態様としての、フランジをアプリケーターシャフトに固定するためのつば153を有する自立型のフランジ152がある。このフランジは硬く、必要ならば、その設定位置を保持するのに十分にきつい滑りはめ込みによって、アプリケーターシャフト159に沿って動くことができるか(矢印を参照)、又は替りに従来のクランプ又は接合留めを有する。フランジ材料は好ましくは充填されたポリマーであるが、金属であってもよい。
【0042】
図15は、バルーン160を有するバルーンアプリケーター158を示し、ここで今度は、バルーン160は主バルーン160に近接してアプリケーターシャフト169の上に配置された、一体化された膨らませることができるトーラス(torus)161を有する。このトーラス161は、バルーン160を膨らませた際に展開される放射線遮蔽体として作用する、好ましくは充填剤配合ポリマーである。
【0043】
図16の態様168は、図15のそれと類似しているが、この場合、トーラス171は、主バルーン170に近接したアプリケーターシャフト169の上に搭載される。例えばアプリケーターシャフトの外側の別個のチューブによるなどして、膨張のために適切に収納して、トーラス171がシャフト169の上を動くことができる。それは軸方向に固定されることもでき、そしてバルーンについて記載したような内部膨張を有することができる。このトーラスもまた好ましくは充填剤配合ポリマーでできている。
【0044】
図17は、バルーン180のセグメント181が、バルーンの一部分への減衰材料の添加によって減衰性にされたことを除いて、図1a、1b及び図10に述べられた装置と類似したアプリケーター178を示す。このアプリケーターは乳房組織178内で骨、この例ではリブ182、に隣接して示されており、減衰材料は、線源179及びそのリブの間に位置している。
【0045】
図18は、乳房組織19内にバルーン190及び線源192を有し、そしてアプリケーターシャフト191に搭載された、図14(図の左側)において述べられたような硬いフランジ189を有するアプリケーター188を示す。本態様におけるフランジ189は、乳房の表面に適合するように、少しばかりカップ状に示されている。その他の用途においては、必要ならばこのフランジは異なる生体構造に適応するように形成されてもよい。
【0046】
上記態様のほとんどの重要な特徴は、アプリケーター上に放射線遮蔽体が含まれ、そしてこの遮蔽体が、位置によって変わる放射線減衰性を有することである。そのような位置による変更には、減衰が全く起こらない遮蔽体を超えた位置が含まれ、そして、減衰がゼロになる、遮蔽体中に穴が生じる位置が含まれる。従って、位置に伴う変更は、X線源が、遮蔽体により放射線が減衰されるように、又は該放射線が減衰されないように配置される、単純な遮蔽体を含むことを意図している。
【0047】
上記の好ましい態様は、本発明の原理を例示することを意図したものであるが、その範囲を制限するものではない。これらの好ましい態様に対する他の態様及び変更は、当業者にとって明白であり、そして以下の請求の範囲に定義された如き本発明の精神と範囲を逸脱することなく実行されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
オン/オフ切替えが可能で且つ放射線貫通深さに関して制御可能なX線源;及び
位置によって変化する放射線減衰性を有し、該アプリケーター内にあり且つ一般的にはX線源を取り囲んでいる遮蔽体であって、該遮蔽体及び該X線源は該線源の近接位置で、かつ患者の外側からの操作によって相対的に移動可能である該遮蔽体;
を含み、それによって、該X線源との相対的な該遮蔽体の位置の変化により、該アプリケーターから発せられそして患者の組織に投与される放射線のパターンが変わる、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項2】
より肉厚部分ではより多くの程度に、そしてより肉薄部分ではより少ない程度に線源放射を減衰させるように該遮蔽体が厚みを変えて形成される請求項1記載のアプリケーター。
【請求項3】
該線源の位置が該遮蔽体に対して軸方向に変わるにつれて、放射線の減衰が変えられるように、該遮蔽体の厚みが階段状になっている請求項2記載のアプリケーター。
【請求項4】
該線源の位置が該遮蔽体に対して軸方向に変わるにつれて放射線の減衰が変えられるように、該遮蔽体の厚みがテーパー状になっている請求項2記載のアプリケーター。
【請求項5】
該線源が該遮蔽体に対して軸方向に移動可能である請求項2記載のアプリケーター。
【請求項6】
該遮蔽体の遠位末端を超えるところまで延びる位置及び該遮蔽体内の位置を含み、該線源が該遮蔽体に対して軸方向に移動可能である請求項1記載のアプリケーター。
【請求項7】
該遮蔽体が、少なくとも部分的にX線源を取り囲むことができるように、該アプリケーター上に一般に弓形パターンで配置される一連のフィンガー又はパドルを含み、各々のフィンガー又はパドルは個別に、選択された通りの方向に該X線源からの放射線を遮蔽するために、患者の外側の制御位置から軸方向に該フィンガー又はパドルを延伸又は後退させるために移動できる、請求項1記載のアプリケーター。
【請求項8】
該フィンガー又はパドルが、油圧コネクションを介して患者の外側の位置に移動可能である請求項7記載のアプリケーター。
【請求項9】
該遮蔽体が開口部を有し、且つ該線源及び照射されるべき患者組織に対して回転可能である請求項1記載のアプリケーター。
【請求項10】
該遮蔽体がX線源に対して軸方向に移動可能であり、そして該遮蔽体が後退した時に開く自己閉鎖性の遠位末端を有し、そして該遠位末端が該X線源の外側と連動して引戻されそして外側に拡がり、ここで、該遮蔽体の該遠位末端は、該遮蔽体が延びた時に、該遠位末端が該X線源の遠位末端にあるように一緒に閉じる自己閉口要素を有する請求項1記載のアプリケーター。
【請求項11】
該X線源が該遮蔽体の開いた遠位末端まで部分的に延びた位置にあれば、該遮蔽体の回転が該線源からの放射線透過の方向を制御するように、該遮蔽体が傾斜した角度で開いた遠位末端を有しておりそして該遮蔽体が該X線源に対して回転可能である請求項1記載のアプリケーター。
【請求項12】
該遮蔽体が、該X線源に対して軸方向にも移動可能である請求項11記載のアプリケーター。
【請求項13】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項1記載のアプリケーター。
【請求項14】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項2記載のアプリケーター。
【請求項15】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項6記載のアプリケーター。
【請求項16】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項7記載のアプリケーター。
【請求項17】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項9記載のアプリケーター。
【請求項18】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項11記載のアプリケーター。
【請求項19】
指向性の遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
挿入後に膨らませて該X線源の周りで膨張した体積を供するために、該アプリケーターの該シャフトに結合された膨張性バルーン、ここで該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む;及び
近接方向に放射線を遮蔽するために、バルーンが膨張するにつれて膨張するようにバルーンの部分として形成されそして弾性を有する、該バルーンの近接端部の放射線減衰用遮蔽体;
を含む、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項20】
指向性の遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
挿入後に膨らませて該X線源の周りで膨張した体積を供するために、該アプリケーターの該シャフトに結合された膨張性バルーン、ここで該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む;及び
該遮蔽体が膨らんだ時に近接方向での放射線を遮蔽するために膨らませることができる、該バルーンに近接したシャフト上の放射線減衰用遮蔽体;
を含む、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項21】
該遮蔽体が該バルーンの一部を形成し、該バルーンと共に膨らませることができる請求項20記載のアプリケーター。
【請求項22】
該遮蔽体を該バルーンから独立して膨らませることができる請求項20記載のアプリケーター。
【請求項23】
該線源及び該バルーンに対して選択的に膨らませそして選択的に配置できるように、該遮蔽体が軸方向の滑走運動のために該シャフト上に搭載された膨らませることができるトーラスを含む、請求項22記載のアプリケーター。
【請求項24】
指向性の遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
近接方向に放射線を遮蔽して、該遮蔽体を該X線源からの距離に関して調整できるように、該シャフト上を滑るように搭載された放射線減衰用遮蔽体;
を含む、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項1】
選択的遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
オン/オフ切替えが可能で且つ放射線貫通深さに関して制御可能なX線源;及び
位置によって変化する放射線減衰性を有し、該アプリケーター内にあり且つ一般的にはX線源を取り囲んでいる遮蔽体であって、該遮蔽体及び該X線源は該線源の近接位置で、かつ患者の外側からの操作によって相対的に移動可能である該遮蔽体;
を含み、それによって、該X線源との相対的な該遮蔽体の位置の変化により、該アプリケーターから発せられそして患者の組織に投与される放射線のパターンが変わる、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項2】
より肉厚部分ではより多くの程度に、そしてより肉薄部分ではより少ない程度に線源放射を減衰させるように該遮蔽体が厚みを変えて形成される請求項1記載のアプリケーター。
【請求項3】
該線源の位置が該遮蔽体に対して軸方向に変わるにつれて、放射線の減衰が変えられるように、該遮蔽体の厚みが階段状になっている請求項2記載のアプリケーター。
【請求項4】
該線源の位置が該遮蔽体に対して軸方向に変わるにつれて放射線の減衰が変えられるように、該遮蔽体の厚みがテーパー状になっている請求項2記載のアプリケーター。
【請求項5】
該線源が該遮蔽体に対して軸方向に移動可能である請求項2記載のアプリケーター。
【請求項6】
該遮蔽体の遠位末端を超えるところまで延びる位置及び該遮蔽体内の位置を含み、該線源が該遮蔽体に対して軸方向に移動可能である請求項1記載のアプリケーター。
【請求項7】
該遮蔽体が、少なくとも部分的にX線源を取り囲むことができるように、該アプリケーター上に一般に弓形パターンで配置される一連のフィンガー又はパドルを含み、各々のフィンガー又はパドルは個別に、選択された通りの方向に該X線源からの放射線を遮蔽するために、患者の外側の制御位置から軸方向に該フィンガー又はパドルを延伸又は後退させるために移動できる、請求項1記載のアプリケーター。
【請求項8】
該フィンガー又はパドルが、油圧コネクションを介して患者の外側の位置に移動可能である請求項7記載のアプリケーター。
【請求項9】
該遮蔽体が開口部を有し、且つ該線源及び照射されるべき患者組織に対して回転可能である請求項1記載のアプリケーター。
【請求項10】
該遮蔽体がX線源に対して軸方向に移動可能であり、そして該遮蔽体が後退した時に開く自己閉鎖性の遠位末端を有し、そして該遠位末端が該X線源の外側と連動して引戻されそして外側に拡がり、ここで、該遮蔽体の該遠位末端は、該遮蔽体が延びた時に、該遠位末端が該X線源の遠位末端にあるように一緒に閉じる自己閉口要素を有する請求項1記載のアプリケーター。
【請求項11】
該X線源が該遮蔽体の開いた遠位末端まで部分的に延びた位置にあれば、該遮蔽体の回転が該線源からの放射線透過の方向を制御するように、該遮蔽体が傾斜した角度で開いた遠位末端を有しておりそして該遮蔽体が該X線源に対して回転可能である請求項1記載のアプリケーター。
【請求項12】
該遮蔽体が、該X線源に対して軸方向にも移動可能である請求項11記載のアプリケーター。
【請求項13】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項1記載のアプリケーター。
【請求項14】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項2記載のアプリケーター。
【請求項15】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項6記載のアプリケーター。
【請求項16】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項7記載のアプリケーター。
【請求項17】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項9記載のアプリケーター。
【請求項18】
該アプリケーターがシャフトに固定された膨張性バルーンを含み、該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む、請求項11記載のアプリケーター。
【請求項19】
指向性の遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
挿入後に膨らませて該X線源の周りで膨張した体積を供するために、該アプリケーターの該シャフトに結合された膨張性バルーン、ここで該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む;及び
近接方向に放射線を遮蔽するために、バルーンが膨張するにつれて膨張するようにバルーンの部分として形成されそして弾性を有する、該バルーンの近接端部の放射線減衰用遮蔽体;
を含む、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項20】
指向性の遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
挿入後に膨らませて該X線源の周りで膨張した体積を供するために、該アプリケーターの該シャフトに結合された膨張性バルーン、ここで該シャフトはバルーン膨張用内腔を含む;及び
該遮蔽体が膨らんだ時に近接方向での放射線を遮蔽するために膨らませることができる、該バルーンに近接したシャフト上の放射線減衰用遮蔽体;
を含む、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【請求項21】
該遮蔽体が該バルーンの一部を形成し、該バルーンと共に膨らませることができる請求項20記載のアプリケーター。
【請求項22】
該遮蔽体を該バルーンから独立して膨らませることができる請求項20記載のアプリケーター。
【請求項23】
該線源及び該バルーンに対して選択的に膨らませそして選択的に配置できるように、該遮蔽体が軸方向の滑走運動のために該シャフト上に搭載された膨らませることができるトーラスを含む、請求項22記載のアプリケーター。
【請求項24】
指向性の遮蔽性を有する放射線近接照射療法用アプリケーターであって:
生体患者内に配置され得るシャフトを有するアプリケーターであって、該シャフトは該アプリケーターの遠位末端の近くで、電子的X線源がその中に配置される内腔を有する該アプリケーター;
近接方向に放射線を遮蔽して、該遮蔽体を該X線源からの距離に関して調整できるように、該シャフト上を滑るように搭載された放射線減衰用遮蔽体;
を含む、該放射線近接照射療法用アプリケーター。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2009−540924(P2009−540924A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516528(P2009−516528)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/014151
【国際公開番号】WO2007/149363
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(507103640)ゾフト インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/014151
【国際公開番号】WO2007/149363
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(507103640)ゾフト インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
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