選択的NGF経路インヒビターとしてのヒト抗NGF中和抗体

【課題】NGFのような、疼痛の低分子のメディエーター(媒介因子)または悪化因子(exacerbator)を標的にすることによる、疼痛の新規な安全かつ有効な治療の必要性が存在する。
【解決手段】上記課題は、ヒト神経成長系(NGF)と相互作用するか、またはそれに結合して、それによって、NGFの機能を中和する抗体を提供することによって解決された。本発明はまた、このような抗体の薬学的組成物、および抗NGF抗体の薬学的に有効な量を投与することによってNGF機能を中和するため、そして特にNGF関連障害(例えば、慢性疼痛)を治療するための方法を提供する。抗NGF抗体を用いてサンプル中のNGFの量を決定する方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その開示が本明細書に参照として援用される、2003年7月15日出願、米国仮出願第60/487,431号に関しており、それに対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、神経成長因子(NGF)に結合するヒトモノクローナル抗体に関する。疼痛および疼痛関連障害を処置するための組成物および方法も記載される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
毎日、米国では200万を超える人々が慢性疼痛に苛まれている(JessellおよびKelly,1991「Pain and Analgesia」PRINCIPLES OF NEURAL SCIENCE,第3版,(Kandel,Schwartz,およびJessell(編)),Elsevier,New York(非特許文献1))。不幸にも、疼痛の現行の治療は、部分的にしか有効ではなく、多くのこれらの治療自体が衰弱または有害な副作用を引き起こす。例えば、非ステロイド系抗炎症薬(「NSAIDs」)、例えばアスピリン、イブプロフェンおよびインドメタシンは、炎症性疼痛に対してほどほどに有効であるが、それらはまた腎毒性でもあり、高用量では胃腸の刺激作用、潰瘍、出血および精神の錯乱を引き起こす傾向がある。オピオイドで治療された患者はまた、高頻度に錯乱を経験し、そして長期のオピオイドの使用は、耐性および依存性を伴う。リドカインおよびメキシレチンのような局所麻酔薬は、同時に、疼痛を阻害して正常な感覚の喪失を引き起こす。
【0004】
疼痛は、環境から受けたシグナルに基づく知覚であり、そして神経系によって伝達および解釈される(概説に関しては、Millan,1999,Prog.Neurobiol.57:1〜164(非特許文献2)を参照のこと)。熱および触覚のような侵害刺激によって、皮膚の専門的な感覚受容体が中枢神経系(「CNS」)にシグナルを送るようになる。このプロセスは痛覚と呼ばれ、それを媒介する末梢感覚神経は侵害受容器である。侵害受容器(単数または複数)からのシグナルの強度、ならびにCNSによるそのシグナルの抽象作用および同化作用に依存して、侵害性刺激は人にとって疼痛と受け取られることもそうでないこともあり得る。ある人による疼痛の知覚が刺激の強度まで適切に校正された場合、疼痛はその意図どおりの防御機能を果たす。しかし、特定のタイプの組織障害は、その人の痛覚閾値が低下しているため、比較的非侵害性の刺激が強度に疼痛性として知覚される、痛覚過敏または痛覚亢進(pronociception)として公知の現象を生じる。炎症および神経障害の両方が痛覚過敏を誘発し得る。炎症性状態、例えば、日焼け、変形性関節症、大腸炎、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病(関節リウマチおよび狼瘡を含む)などに罹患している人は、多くの場合、疼痛が増強された感覚を経験する。同様に、外傷、外科手術、切断、膿瘍、カウザルギー、膠原血管病、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、ヘルペス感染、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、および化学療法は、過剰な疼痛を生じる神経の損傷をもたらす。
【0005】
侵害受容器が、正常な状態および痛覚過敏の状態のもとで外部シグナルを変換する機構はさらによく理解されてきているので、痛覚過敏に関与するプロセスは、疼痛閾値の低下を阻害して、それによって受け取る疼痛の量を減少することを目標とされ得る。
【0006】
神経栄養因子は、生理学的疼痛および病理学的疼痛の伝達において重大な役割を果たすことが示されている。神経成長因子(NGF)は、特に重要であると考えられる(概説については、McMahon,1996、Phil.Trans.R.Soc.Lond.351:431〜40(非特許文献3);およびApfel,2000,The Clinical Journal of Pain 16:S7−S11(非特許文献4)を参照のこと)。NGFの局所的投与および全身的投与の両方が、痛覚過敏および異痛症を誘発することが示されている(Lewinら,1994,Eur.J.Neurosci.6:1903〜1912(非特許文献5))。ヒトでのNGFの静脈内注入は、全身の筋肉痛を生じるが、局所投与は、全身的な効果に加えて、注射部位の痛覚過敏および異痛症を誘発する(Apfelら,1998,Neurology 51:695〜702(非特許文献6))。疼痛が顕著な特徴である状態では内因性のNGFに関与するかなりの一連の証拠がやはり存在する。例えば、NGFは、末梢神経の損傷後少なくとも2ヶ月間、後根神経節(DRG)シュワン細胞において上方制御され、そして種々の関節炎モデルを罹患している動物の関節でレベルの増大が報告されている(例えば、Aloeら,1993,Growth Factors 9:149〜155(非特許文献7))。ヒトでは、NGFレベルは、関節リウマチまたは他のタイプの関節炎を有する患者由来の滑液中で上昇している(例えば、Aloeら,1992、Arthritis and Rheumatism 35:351〜355(非特許文献8))。さらに、NGF機能の拮抗によって、神経障害性疼痛および慢性炎症性疼痛のモデルにおける痛覚過敏および異痛症が防止されることが実証されている。例えば、神経障害性疼痛の動物モデルでは(例えば、神経幹または脊髄神経の結紮)、NGFに対する中和抗体の全身注射は、異痛症および痛覚過敏の両方を防止する(Ramerら,1999、Eur.J.Neurosci.11:837〜846(非特許文献9);およびRoら,1999,Pain 79:265〜274(非特許文献10))。当該分野で公知の抗NGF抗体の例としては、例えば、PCT公開番号WO01/78698(特許文献1)、WO01/64247(特許文献2)、WO02/096458(特許文献3)およびWO2004/032870(特許文献4);米国特許第5,844,092号(特許文献5)、同第5,877,016号(特許文献6)および同第6,153,189号(特許文献7);Hongoら,2000,Hybridoma 19:215〜227(非特許文献11);Hongoら,1993、Cell.Mol.Biol.13:559〜568(非特許文献12);およびGenBank登録番号U39608、U39609、L17078またはL17077が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】PCT公開番号WO01/78698
【特許文献2】PCT公開番号WO01/64247
【特許文献3】PCT公開番号WO02/096458
【特許文献4】PCT公開番号WO2004/032870
【特許文献5】米国特許第5,844,092号
【特許文献6】米国特許第5,877,016号
【特許文献7】米国特許第6,153,189号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】JessellおよびKelly,1991「Pain and Analgesia」PRINCIPLES OF NEURAL SCIENCE,第3版,(Kandel,Schwartz,およびJessell(編)),Elsevier,New York
【非特許文献2】Millan,1999,Prog.Neurobiol.57:1〜164
【非特許文献3】McMahon,1996、Phil.Trans.R.Soc.Lond.351:431〜40
【非特許文献4】Apfel,2000,The Clinical Journal of Pain 16:S7−S11
【非特許文献5】Lewinら,1994,Eur.J.Neurosci.6:1903〜1912
【非特許文献6】Apfelら,1998,Neurology 51:695〜702
【非特許文献7】Aloeら,1993,Growth Factors 9:149〜155
【非特許文献8】Aloeら,1992、Arthritis and Rheumatism 35:351〜355
【非特許文献9】Ramerら,1999、Eur.J.Neurosci.11:837〜846
【非特許文献10】Roら,1999,Pain 79:265〜274
【非特許文献11】Hongoら,2000,Hybridoma 19:215〜227
【非特許文献12】Hongoら,1993、Cell.Mol.Biol.13:559〜568
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特に、NGFのような、疼痛の低分子のメディエーター(媒介因子)または悪化因子(exacerbator)を標的にすることによる、疼痛の新規な安全かつ有効な治療の必要性が、明らかに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は、重鎖可変領域を有する重鎖および軽鎖可変領域を有する軽鎖を含み、該重鎖可変領域は配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、単離されたヒト抗体。
(項目2)
前記軽鎖可変領域が、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、項目1に記載の抗体。
(項目3)
前記軽鎖が、配列番号24に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有するヒト軽鎖CDR1を含む、項目1に記載の抗体。
(項目4)
前記軽鎖が、配列番号16に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有するヒト軽鎖CDR3を含む、項目1に記載の抗体。
(項目5)
前記重鎖が、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、項目1に記載の抗体。
(項目6)
前記重鎖が、配列番号18に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有するヒト重鎖CDR2を含む、項目1に記載の抗体。
(項目7)
項目1に記載の抗体であって、
a.配列番号10に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
b.配列番号14に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
c.配列番号18に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;または
d.配列番号22に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む抗体。
(項目8)
前記重鎖が、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む、項目1に記載の抗体。
(項目9)
前記重鎖が可変領域および定常領域を含み、該可変領域が配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目1に記載の抗体。
(項目10)
前記重鎖が、配列番号14、配列番号18、配列番号22のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目9に記載の抗体。
(項目11)
前記軽鎖が可変領域および定常領域を含み、該可変領域が配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目1に記載の抗体。
(項目12)
前記軽鎖が配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目11に記載の抗体。
(項目13)
項目1に記載の抗体であって、該抗体は、
a.ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域、およびヒト重鎖CDR3領域;
b.ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域;
を含み、
該ヒト重鎖CDR3領域は、配列番号14に示される重鎖CDR3領域であり、該ヒト軽鎖CDR3領域は、配列番号16に示される軽鎖CDR3領域である、抗体。
(項目14)
前記ヒト重鎖CDR2領域が配列番号18に示される重鎖CDR2領域であり、かつ前記ヒト軽鎖CDR2領域が配列番号20に示される軽鎖CDR2領域である、項目13に記載の単離されたヒト抗体。
(項目15)
前記ヒト重鎖CDR1領域が配列番号22に示されるNGFの重鎖CDR1領域であり、かつ前記ヒト軽鎖CDR1領域が配列番号24に示される軽鎖CDR1領域である、項目13に記載の単離されたヒト抗体。
(項目16)
前記抗体が約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目13に記載の抗体。
(項目17)
前記抗体が約1×10−10以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−9M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目16に記載の抗体。
(項目18)
前記抗体が約1×10−11以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約0.2×10−9M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目17に記載の抗体。
(項目19)
前記重鎖および軽鎖がフレキシブルなリンカーによって接続されて単鎖抗体を形成する、項目1に記載の抗体。
(項目20)
単鎖Fv抗体である、項目19に記載の抗体。
(項目21)
Fab抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目22)
Fab’抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目23)
(Fab’)抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目24)
前記抗体が完全ヒト抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目25)
前記抗体がNGFシグナル伝達を阻害する、項目1に記載の抗体。
(項目26)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目25に記載の抗体の薬学的に有効な量を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目27)
前記状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏
もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、項目26に記載の方法。
(項目28)
薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の項目25に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
(項目29)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目28に記載の薬学的組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目30)
生物学的サンプル中のNGFを検出するための方法であって、
a.該サンプルと項目1に記載の抗体とを、NGFへの該抗体の結合を可能にする条件下で接触させる工程と;
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程と;
を包含する、方法。
(項目31)
神経成長因子に特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が配列番号10、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85もしくは配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、抗体。
(項目32)
前記重鎖が、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87もしくは配列番号79のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、項目31に記載の抗体。
(項目33)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号12、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91もしくは配列番号131に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
(項目34)
前記軽鎖が、配列番号12、配列番号80、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号82、配列番号84、配列番号86もしくは配列番号131のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む、項目33に記載の単離された抗体。
(項目35)
項目33に記載の抗体であって、前記軽鎖が軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域が:
a.配列番号80に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも89%もしくは94%同一であるか;
b.配列番号88に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも91%もしくは94%同一であるか;
c.配列番号89に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%もしくは87%同一であるか;
d.配列番号90に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも87%、91%もしくは94%同一であるか;
e.配列番号91に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、94%、96%もしくは99%同一であるか;
f.配列番号82に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも91%、95%、もしくは96%同一であるか;
g.配列番号84に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、94%、95%、98%もしくは99%同一であるか;
h.配列番号86に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、94%、95%、98%もしくは99%同一であるか;または
i.配列番号131に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、89%、91%、もしくは96%同一である;
アミノ酸配列を含む、抗体。
(項目36)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号116、配列番号117もしくは配列番号118に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、抗体。
(項目37)
項目36に記載の単離されたヒト抗体であって、前記重鎖が、ヒト重鎖CDR2を含み、該重鎖CDR2が、配列番号99、配列番号106、配列番号117、配列番号111に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列である、抗体。
(項目38)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号16、配列番号20、配列番号24、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号113、配列番号114、配列番号115、もしくは配列番号119〜134のいずれか、に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、抗体。
(項目39)
項目38に記載の単離されたヒト抗体であって、該抗体はヒト軽鎖CDR1を含み、該CDR1が、配列番号101、配列番号95、配列番号119、配列番号122、配列番号125、配列番号107、配列番号113に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列である、抗体。
(項目40)
項目38に記載の単離されたヒト抗体であって、該抗体はヒト軽鎖CDR3を含み、該CDR3が、配列番号103、配列番号97、配列番号121、配列番号127、配列番号130、配列番号109、配列番号115、配列番号134に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列である、抗体。
(項目41)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、CDR3を含む重鎖または重鎖のフラグメントを含み、該CDR3が、配列番号14、配列番号16、配列番号94、配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配列番号124、配列番号127、配列番号130、配列番号134からなる配列の群から選択されるアミノ酸配列、およびその改変体を含み、該改変体が、1つ以下のアミノ酸置換、挿入または欠失を含む、抗体。
(項目42)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20および配列番号22からなる配列の群から選択される配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、ならびにその改変体を含み、該改変体は、1つ以下のアミノ酸置換、挿入または欠失を含む、抗体。
(項目43)
項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体であって、前記重鎖および軽鎖がフレキシブルなリンカーによって接続されて単鎖抗体を形成する、抗体。
(項目44)
単鎖Fv抗体である、項目43に記載の抗体。
(項目45)
Fab抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目46)
Fab’抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目47)
(Fab’)抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目48)
前記抗体が完全ヒト抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目49)
前記抗体が、NGFシグナル伝達を阻害する、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目50)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目49に記載の抗体の薬学的に有効な量を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目51)
前記状態が急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、灼熱痛、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、項目50に記載の方法。
(項目52)
薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の項目49に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
(項目53)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目52に記載の薬学的組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目54)
生物学的サンプル中のNGFを検出するための方法であって、該方法は、
a.該サンプルと項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体とを、NGFへの該抗体の結合を可能にする条件下で接触させる工程と;
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程と;
を包含する、方法。
(項目55)
項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体をコードする、核酸分子。
(項目56)
項目55に記載の核酸を含む、宿主細胞。
(項目57)
項目31、33、36、38、41または42のいずれかに記載の抗体を産生する、単離された細胞株。
(項目58)
配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号79〜130のいずれか、から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含むNGF特異的結合因子であって、該結合因子はNGFに結合し得る、NGF特異的結合因子。
(項目59)
薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の項目58に記載の結合因子を含む、薬学的組成物。
(項目60)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目58に記載の薬学的組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目61)
タンパク質である、項目58に記載の結合因子。
(項目62)
項目61に記載の結合因子をコードする、核酸分子。
(項目63)
項目62に記載の核酸を含む、宿主細胞。
(項目64)
項目63の結合因子を産生する、単離された細胞株。
(項目65)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目58に記載の結合因子の薬学的に有効な量を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目66)
前記状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、灼熱痛、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、項目65に記載の方法。
(項目67)
生物学的サンプル中のNGFを検出するための方法であって、該方法は、
a.該サンプルと項目58に記載の結合因子とを、NGFへの該結合因子の結合を可能にする条件下で接触させる工程と;
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程と;
を包含する、方法。
(項目68)
単離された核酸分子であって、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44のいずれか、または配列番号79〜134のいずれか、に示されるアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
(項目69)
NGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントであって、該抗体またはフラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
a.式:

のアミノ酸配列であって、
が極性親水性アミノ酸残基であり;
が芳香族アミノ酸残基であり;
が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基であり;
が中性の疎水性アミノ酸残基または脂肪族アミノ酸残基であり;そして
が脂肪族アミノ酸残基または極性親水性アミノ酸残基である;
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b.式:
1011121314151617
のアミノ酸配列であって、
が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;
が脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が極性親水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;
が極性親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;
−bが独立して極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
11が芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;
12が脂肪族の疎水性アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;
13が脂肪族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、または極性の親水性のアミノ酸残基であり;
14およびb16が独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;
15が脂肪族アミノ酸残基または芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;そして
17が脂肪族酸性のアミノ酸残基である
アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c.式:
1011121314151617
のアミノ酸配列であって、
が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
およびcが独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族アミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
11−c13が独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
14が脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
15が極性の親水性アミノ酸残基もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;
16が存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
17が芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である
アミノ酸配列を含むCDR3領域と;
を含み、該抗体またはフラグメントは、約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、
抗体またはフラグメント。
(項目70)
項目69に記載の抗体またはフラグメントであって:
が極性親水性アミノ酸残基であり;
が芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
が脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が中性の疎水性アミノ酸残基であり;
が極性親水性アミノ酸残基であり;
が脂肪族または芳香族アミノ酸残基であり;
がIleであり;
が極性親水性アミノ酸残基であり;
が極性親水性アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;
−bが独立して極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
10が脂肪族のアミノ酸残基であり;
11がTyrであり;
12が脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
13が脂肪族アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;
14およびb16が独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
15が脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
17が脂肪族酸性のアミノ酸残基であり;
が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
およびcが独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
11−c13が独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
14が脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
15が極性の親水性アミノ酸残基もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;
16が存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
17が芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である、
抗体またはフラグメント。
(項目71)
項目69に記載の抗体またはフラグメントであって:
がSer、AspまたはThrであり;aがTyrであり;aがAla、Ser、TrpまたはGlyであり;aがMetまたはIleであり;aがHis、GlyまたはAsnであり;bがTyr,Gly、IleまたはAspであり;bがIleであり;bがSer、Thr、TyrまたはAsnであり;bがTrp、ArgまたはProであり;bがSer、AsnまたはGlyであり;bがSer、Arg、AspまたはGlyであり、bがSer、HisまたはGlyであり;bがSer、Ile、AspまたはThrであり;bがLeu、IleまたはThrであり;b10がGly、LysまたはPheであり;b11がTyrであり;b12がAlaまたはSerであり;b13がAsp、GlyまたはProであり;b14がSerであり;b15がValまたはPheであり;b16がLysまたはGlnであり;b17がGlyであり;cが存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;cが存在しないか、またはTyrであり;cおよびcが独立して、存在しないか、Tyr、Asn、ValまたはGluであり;cが存在しないか、Ser、GlyまたはTrpであり;cが存在しないかまたはSer、Gly、GluもしくはLeuであり;cがGly、ArgまたはAspであり;cがTrp、Pro、SerまたはThrであり;cがHis、GlyまたはTyrであり;c10がVal、TyrまたはArgであり;c11−c13が独立して、Ser、Phe、Tyr、AspまたはAsnであり;c14がPhe、ValまたはGlyであり;c15がMetまたはAspであり;c16が存在しないかAspまたはAsnであり;そしてc17がTyrまたはValである、
抗体またはフラグメント。
(項目72)
項目69に記載の抗体またはフラグメントであって:
がSerまたはAspであり;aがTyrであり;aがAlaまたはSerであり;aがMetまたはIleであり;aがHisまたはAsnであり;bがTyrまたはGlyであり;bがIleであり;bがSer、Thr、TyrまたはAsnであり;bがTrp、ArgまたはProであり;bがSerまたはAsnであり;bがSerまたはArgであり、bがHisまたはGlyであり;bがIleまたはThrであり;bがLeu、IleまたはThrであり;b10がGlyまたはPheであり;b11がTyrであり;b12がAlaまたはSerであり;b13がAspまたはGlyであり;b14がSerであり;b15がValまたはPheであり;b16がLysまたはGlnであり;b17がGlyであり;cが存在しないか、またはGlyであり;cが存在しないか、またはTyrであり;cおよびcが独立して、存在しないか、Tyr、GlyまたはValであり;cが存在しないかまたはSerであり;cがSerまたはGlyであり;cがGlyまたはArgであり;cがTrpまたはProであり;cがHis、GlyまたはTyrであり;c10がValまたはTyrであり;c11−c13が独立して、Ser、Tyr、PheまたはAspであり;c14がPheまたはValであり;c15がMetまたはAspであり;c16が存在しないかまたはAspであり;そしてc17がTyrまたはValである、
抗体またはフラグメント。
(項目73)
項目69に記載の抗体であって:
a)前記重鎖CDR1が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号14に示されるアミノ酸配列を有するか;
b)前記重鎖CDR1が配列番号92に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号93に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号94に示されるアミノ酸配列を有するか;
c)前記重鎖CDR1が配列番号98に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号99に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号100に示されるアミノ酸配列を有するか;
d)前記重鎖CDR1が配列番号104に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号105に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号106に示されるアミノ酸配列を有するか;
e)前記重鎖CDR1が配列番号110に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号111に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号112に示されるアミノ酸配列を有するか;または
f)前記重鎖CDR1が配列番号116に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号117に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号118に示されるアミノ酸配列を有する、
抗体。
(項目74)
NGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントであって、該抗体またはフラグメントが軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
a.式:
101112
のアミノ酸配列であって、
が極性親水性アミノ酸残基であり;
、a11およびa12が独立して脂肪族アミノ酸残基または疎水性アミノ酸残基であり;
、a、aおよびaが独立して脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基であり;
が脂肪族または疎水性のアミノ酸残基であり;
が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
10が脂肪族アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基である;
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b.式:

のアミノ酸配列であって、
が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
が脂肪族アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
およびbが独立して極性親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;そして
が極性の親水性のアミノ酸残基である、アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c.式:
1011121314151617
のアミノ酸配列であって、
およびcが独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;
、cおよびcが独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;
が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;そして
が極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR3領域と;
を含み、
該抗体またはフラグメントは約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、
抗体またはフラグメント。
(項目75)
項目74に記載の抗体またはフラグメントであって:
、a、a、aおよびaが独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;
、a、a11およびa12が独立して脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;
10が脂肪族アミノ酸残基または芳香族のアミノ酸残基であり;
が脂肪族アミノ酸残基、極性の疎水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;
が脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
、b、およびbが独立して、極性の親水性のアミノ酸残基であり;
およびbが独立して極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
およびcが独立して極性の親水性のアミノ酸残基であり;
が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;
、c、およびcが独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性のアミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
が存在しないかまたは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
が疎水性のアミノ酸残基であり;そして
が極性の親水性アミノ酸残基である、
抗体またはフラグメント。
(項目76)
項目75に記載の抗体またはフラグメントであって、
、a、aおよびaがそれぞれ、Arg、Ser、GlnおよびSerであり;
がAlaであり;
がGlyまたはSerであり;
がSerまたはIleであり;
が存在しないか、SerまたはGlyであり;
10がAla、Tyr、TrpまたはPheであり;
がAsp、Gly、AlaまたはValであり;
およびbがそれぞれAlaおよびSerであり;
がSerまたはAsnであり;
がLeuまたはArgであり;
がGlu、AlaまたはGlnであり;
がSerまたはThrであり;
およびcがGlnであり;
がPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;
がAsn、GlyまたはSerであり;
がSerまたはAsnであり;
がThr、Ser、TrpまたはPheであり;
が存在しないか、ProまたはHisであり;
がLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そして
がThrである、
抗体またはフラグメント。
(項目77)
項目75に記載の抗体またはフラグメントであって、
、a、aおよびaがそれぞれ、Arg、Ala、Ser、GlnおよびSerであり;
がGlyまたはSerであり;
がSerまたはIleであり;
が存在しないか、SerまたはGlyであり;
10がAlaまたはTyrであり;
がAspまたはGlyであり;
およびbがそれぞれAlaおよびSerであり;
がSerまたはAsnであり;
がLeuまたはArgであり;
がGlu、AlaまたはGlnであり;
がSerまたはThrであり;
およびcがGlnであり;
がPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;
がAsn、GlyまたはSerであり;
がSerまたはAsnであり;
がTyr、Ser、TrpまたはPheであり;
が存在しないか、ProまたはHisであり;
がLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そして
がThrである、
抗体またはフラグメント。
(項目78)
項目74に記載の抗体であって、
a)前記軽鎖CDR1が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号20に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号16に示されるアミノ酸配列を有するか;
b)前記軽鎖CDR1が配列番号95に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号96に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号97に示されるアミノ酸配列を有するか;
c)前記軽鎖CDR1が配列番号101に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号102に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号103に示されるアミノ酸配列を有するか;
d)前記軽鎖CDR1が配列番号107に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号108に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号109に示されるアミノ酸配列を有するか;
e)前記軽鎖CDR1が配列番号113に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号114に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号115に示されるアミノ酸配列を有するか;
f)前記軽鎖CDR1が配列番号119に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号120に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号121に示されるアミノ酸配列を有するか;
g)前記軽鎖CDR1が配列番号122に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号123に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号124に示されるアミノ酸配列を有するか;
h)前記軽鎖CDR1が配列番号125に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号126に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号127に示されるアミノ酸配列を有するか;
i)前記軽鎖CDR1が配列番号128に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号129に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号130に示されるアミノ酸配列を有するか;または
j)前記軽鎖CDR1が配列番号132に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号133に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号134に示されるアミノ酸配列を有する、
抗体。
(項目79)
項目69〜78のいずれかに記載の抗体またはフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
(項目80)
項目79に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
(項目81)
項目80に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
(項目82)
前記細胞が真核生物細胞である、項目81に記載の宿主細胞。
(項目83)
前記細胞がCHO細胞である、項目82に記載の宿主細胞。
(項目84)
NGFの発現増大またはNGFに対する感度の増大と関連する疼痛性の障害または状態を処置するための医薬であって、該医薬は、薬学的に有効な量のモノクローナル抗体もしくはその免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメント、または該モノクローナル抗体もしくは該フラグメントの薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含み、該モノクローナル抗体は、項目1に記載のモノクローナル抗体のうちの少なくとも1つである、医薬。
(項目85)
項目84に記載の医薬であって、前記モノクローナル抗体が、
a)配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
b)配列番号14に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
c)配列番号18に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;あるいは
d)配列番号20に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む医薬。
(項目86)
NGFの発現増大またはNGFに対する感度の増大に関連する疼痛性の障害または状態を治療するための医薬であって、該医薬は、薬学的に有効な量のモノクローナル抗体もしくはその免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメント、ならびに薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含み、該抗体もしくは該フラグメントは、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、医薬。
(項目87)
前記モノクローナル抗体が約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目86に記載の医薬。
(項目88)
前記抗体が約1×10−10以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−9M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目86に記載の医薬。
(項目89)
前記抗体が約1×10−11以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約0.2×10−9M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目86に記載の医薬。
(項目90)
NGFの発現増大またはNGFに対する感度の増大に関連する疼痛性の障害または状態を処置するために適切な医薬の製造のための、薬学的に有効な量の項目1に記載の抗体の使用。
(項目91)
前記モノクローナル抗体が約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目90に記載の使用。
(項目92)
前記抗体が約1×10−10以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−9M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目90に記載の使用。
(項目93)
前記抗体が約1×10−11以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約0.2×10−9M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する、項目90に記載の使用。
(項目94)
前記疼痛性障害または状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、状態からなる群より選択される、項目93に記載の使用。
(項目95)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は、
(a)配列番号79に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号80に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(b)配列番号81に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号82に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(c)配列番号83に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号84に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;あるいは(d)配列番号86に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む、抗体。
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、疼痛を管理するために治療上有用である新規なヒトモノクローナル抗体を提供する。詳細には、本発明は、神経成長因子(NGF)に結合するモノクローナル抗体を提供する。好ましくはこのモノクローナル抗体は、ヒトモノクローナル抗体であり、NGFの生物学的活性を中和して、NGF媒介性疼痛応答の影響を緩和するのに有用である。また本発明によって、本発明のモノクローナル抗体を産生する細胞、最も好ましくは本発明のモノクローナル抗体を細胞培養培地中に分泌する細胞も提供される。疼痛を処置および管理するためのその使用に加えて、本発明の抗体は、神経障害性のおよび炎症性の疼痛関連応答を処置するために有用である。
【0012】
本発明はさらに、ある抗体のFc領域の配列ならびに配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22および配列番号79〜130として特定される1つ以上の配列を含む融合タンパク質を提供する。このような分子は、例えば、参照として援用される、国際特許出願公開番号WO00/24782に記載されるような方法を用いて調製され得る。このような分子は、例えば、哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞)において、または細菌細胞(例えば、E.coli細胞)において発現され得る。
【0013】
特定の態様では、本発明は、重鎖および軽鎖を含む、抗体、好ましくはモノクローナル抗体、最も好ましくはヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を提供し、この重鎖は、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そして重鎖の可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。好ましくは、この重鎖は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む。
【0014】
特定の態様では、本発明は、重鎖および軽鎖を含む、抗体、好ましくはヒト抗体、そしてさらに好ましくはモノクローナル抗体、最も好ましくはヒトモノクローナル抗体を提供し、この重鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgAおよびIgE重鎖定常領域からなる群より選択される重鎖定常領域、またはその任意の対立遺伝子改変体を含み(参照によって本明細書に援用される、Kabatら,1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242に考察されるとおり)、そしてこの重鎖の可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。好ましくは、本発明の抗体は、配列番号4に示されるIgG2重鎖定常領域のアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0015】
特定の態様では、本発明は、重鎖および軽鎖を含む、抗体、好ましくはヒト抗体、そしてさらに好ましくはモノクローナル抗体、最も好ましくはヒトモノクローナル抗体を提供し、この軽鎖は、配列番号8に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてこの軽鎖の可変領域は、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0016】
特定の態様では、本発明の抗体は重鎖および軽鎖を含み、この重鎖の可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。他の態様では、この軽鎖可変領域は、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。さらなる態様では、上記重鎖は、配列番号14、配列番号18または配列番号20のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。なおさらなる態様では、上記軽鎖は、配列番号16、20、24のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0017】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する抗体を提供するが、この重鎖は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む可変領域を含み、そしてこの軽鎖は、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む可変領域を含む。
【0018】
本発明はさらに、NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体を提供するが、この抗体は:
(a)配列番号79に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号80に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖か;
(b)配列番号81に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号82に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖か;
(c)配列番号83に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号84に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖か;あるいは
(d)配列番号86に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む。
【0019】
特定の態様では、本発明はまた、重鎖と軽鎖とを含む抗体を提供するが、ここで、この重鎖は重鎖可変領域を含み、この重鎖可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一である配列を含み、そしてこの軽鎖は、軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一である配列を含み、そしてこの抗体は、NGFに特異的に結合する。
【0020】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する抗体を提供するが、ここで、この重鎖は、配列番号14に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてこの軽鎖は、配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0021】
特定の態様では、本発明は、重鎖と軽鎖とを含む抗体を提供するが、ここで、この重鎖は重鎖可変領域を含み、この重鎖可変領域は、配列番号14、配列番号18または配列番号22のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一である配列を含み、そしてこの軽鎖は、軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、配列番号16に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一であるアミノ酸配列を含み、そしてこの抗体は、NGFに特異的に結合する。
【0022】
本発明はまた、単鎖抗体、単鎖Fv抗体、F(ab)抗体、F(ab)’抗体および(Fab’)抗体を提供する。
【0023】
特定の態様では、本発明は、配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖を提供する。
【0024】
さらに、本発明は、配列番号14、配列番号18もしくは配列番号22のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖を提供する。
【0025】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体に関するが、ここでこの抗体は、(a)ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域およびヒト重鎖CDR3領域;ならびに(b)ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域を含む。特定の態様では、このヒト重鎖CDR1領域は、配列番号22に示されるような4D4と命名されるモノクローナル抗体(mAb)の重鎖CDR1領域であってもよく、そしてこのヒト軽鎖CDR1領域は、配列番号24に示されるようなmAb 4D4の軽鎖CDR1領域であってもよい。他の態様では、このヒト重鎖CDR2領域は、配列番号18に示されるようなmAb 4D4の重鎖CDR2領域であってもよく、そしてこのヒト軽鎖CDR2領域は、配列番号20に示されるようなmAb 4D4の軽鎖CDR2領域であってもよい。さらに他の態様では、このヒト重鎖CDR3領域は、配列番号14に示されるようなmAb 4D4の重鎖CDR3領域であり、そしてこのヒト軽鎖CDR3領域は、配列番号16に示されるようなmAb 4D4の軽鎖CDR3領域である。
【0026】
本発明はまた、重鎖と軽鎖とを含む、神経成長因子に特異的に結合する単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの重鎖は、配列番号10、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85または配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む。
【0027】
本発明はさらに、重鎖と軽鎖とを含む、NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの軽鎖は、配列番号12、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91もしくは配列番号131に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む。
【0028】
本発明の抗体は、NGFポリペプチドに関連する少なくとも1つのインビトロおよび/またはインビボの活性をアンタゴナイズする能力によって特徴付けられる。好ましくは、本発明は、NGFポリペプチドに対して高親和性の結合を有する単離された抗ヒトNGFヒト抗体を提供するが、ここでこの抗体は、ヒトNGFポリペプチドに結合して、KinExAを用いて決定される場合、約50×10−12M以下の解離定数(K)でヒトNGFポリペプチドから解離するか、またはインビトロ中和アッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でNGF誘導性生存を阻害する。
【0029】
好ましい実施形態では、本発明は、以下の特徴を有する単離された抗ヒトNGFヒト抗体を提供する:
a)インビトロ中和アッセイにおいて約1×10−9M以下のIC50でNGF誘導性生存を阻害する;
b)配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する;そして
c)配列番号16のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。
【0030】
本発明はまた、高い親和性でNGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを提供するが、ここでこの抗体またはフラグメントは、約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和し、そしてこの抗体またはフラグメントは、以下を含む重鎖可変領域を含む:
a)式:

のアミノ酸配列であって、
が極性親水性アミノ酸残基であり;aが芳香族アミノ酸残基であり;aが脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基であり;aが中性の疎水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;そしてaが脂肪族アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b)式:
1011121314151617
のアミノ酸配列であって、
が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;bが脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;bが極性の親水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;bが極性親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;b−bが独立して、極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;b10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;b11が芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;b12が脂肪族の疎水性アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;b13が脂肪族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、または極性の親水性のアミノ酸残基であり;b14およびb16が独立して、極性の親水性アミノ酸残基であり;b15が脂肪族アミノ酸残基または芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;そしてb17が脂肪族の酸性アミノ酸残基である、アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c)式:
1011121314151617
のアミノ酸配列であって、
が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;cが存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;cおよびcが独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性のアミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;cが存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族アミノ酸残基であり;cが存在しないか、または極性の親水性もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;cが極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;cが極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;cが極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;c11−c13が独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c14が脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c15が極性の親水性アミノ酸残基もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;c16が存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてc17が芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である、アミノ酸配列を含むCDR3領域。
【0031】
1態様では、aは極性の親水性アミノ酸残基であり;aは芳香族疎水性のアミノ酸残基であり;aは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;aは中性の疎水性アミノ酸残基であり;aは極性親水性のアミノ酸残基であり;bは脂肪族アミノ酸残基または芳香族のアミノ酸残基であり;bはIleであり;bは極性の親水性アミノ酸残基であり;bは極性の親水性アミノ酸残基アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;b−bが独立して、極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;b10は脂肪族のアミノ酸残基であり;b11はTyrであり;b12は脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;b13は脂肪族アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;b14およびb16は独立して、極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてb15は脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;b17が脂肪族の酸性のアミノ酸残基であり;cは存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;cは存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;cおよびcは独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族疎水性のアミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;cは存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基であり;cは存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c10は極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;c11−c13は独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c14は脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c15は極性の親水性もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;c16は存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてc17は芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である。
【0032】
特定の態様では、aはSer、AspまたはThrであり;aはTyrであり;aはAla、Ser、TrpまたはGlyであり;aはMetまたはIleであり;aはHis、GlyまたはAsnであり;bはTyr、Gly、IleまたはAspであり;bはIleであり;bはSer、Thr、TyrまたはAsnであり;bはTrp、ArgまたはProであり;bはSer、AsnまたはGlyであり;bはSer、Arg、AspまたはGlyであり、bはSer、HisまたはGlyであり;bはSer、Ile、AspまたはThrであり;bはLeu、IleまたはThrであり;b10はGly、LysまたはPheであり;b11はTyrであり;b12はAlaまたはSerであり;b13はAsp、GlyまたはProであり;b14はSerであり;b15はValまたはPheであり;b16はLysまたはGlnであり;b17はGlyであり;cは存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;cは存在しないか、またはTyrであり;cおよびcは独立して、存在しないか、Tyr、Asn、ValまたはGluであり;cは存在しないか、Ser、Gly、またはTrpであり;cは存在しないか、Ser、Gly、GluまたはLeuであり;cはGly、ArgまたはAspであり;cはTrp、Pro、SerまたはThrであり;cはHis、GlyまたはTyrであり、c10はVal、TyrまたはArgであり;c11−c13は独立して、Ser、Phe、Tyr、AspまたはAsnであり;c14はPhe、ValまたはGlyであり;c15はMetまたはAspであり;c16は存在しないか、AspであるかまたはAsnであり;そしてc17はTyrまたはValである。
【0033】
別の特定の態様では、aはSerまたはAspであり;aはTyrであり;aはAlaまたはSerであり;aはMetまたはIleであり;aはHisまたはAsnであり;bはTyrまたはGlyであり;bはIleであり;bはSer、Thr、TyrまたはAsnであり;bはTrp、ArgまたはProであり;bはSerまたはAsnであり;bはSerまたはArgであり;bはHisまたはGlyであり;bはIleまたはThrであり;bはLeu、IleまたはThrであり;b10はGlyまたはPheであり;b11はTyrであり;b12はAlaまたはSerであり;b13はAspまたはGlyであり;b14はSerであり;b15はValまたはPheであり;b16はLysまたはGlnであり;b17はGlyであり;cは存在しないか、またはGlyであり;cは存在しないか、またはTyrであり;cおよびcは独立して、存在しないか、Tyr、GlyまたはValであり;cは存在しないかまたはSerであり;cはSerまたはGlyであり;cはGlyまたはArgであり;cはTrpまたはProであり;cはHis、GlyまたはTyrであり;c10はValまたはTyrであり;c11−c13は独立して、Ser、Tyr、PheまたはAspであり;c14はPheまたはValであり;c15はMetまたはAspであり;c16は存在しないかまたはAspであり;そしてc17はTyrまたはValである。
【0034】
他の特定の態様では:
a)上記重鎖CDR1は配列番号22に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号14に示されるアミノ酸配列を有し;
b)上記重鎖CDR1は配列番号92に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号93に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号94に示されるアミノ酸配列を有し;
c)上記重鎖CDR1は配列番号98に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号99に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号100に示されるアミノ酸配列を有し;
d)上記重鎖CDR1は配列番号104に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号105に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号106に示されるアミノ酸配列を有し;
e)上記重鎖CDR1は配列番号110に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号111に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号112に示されるアミノ酸配列を有し;そして
f)上記重鎖CDR1は配列番号116に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号117に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号118に示されるアミノ酸配列を有する。
【0035】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを提供するが、ここでこの抗体またはフラグメントは、軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、以下:
a)式:
101112
のアミノ酸配列であって、
が極性親水性アミノ酸残基であり;a、a11およびa12が独立して、脂肪族アミノ酸残基または疎水性アミノ酸残基であり;a、a、aおよびaが独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;aが極性の親水性アミノ酸残基であり;aが脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;aが存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてa10が脂肪族アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b)式:

のアミノ酸配列であって、
は脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;bは脂肪族アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;bおよびbは独立して、極性親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;bは極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;bは極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;そしてbは極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c)式: c1011121314151617
のアミノ酸配列であって、
およびcは独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;c、cおよびcは独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;cは存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;そしてcは極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR3領域と;
を含み、
この抗体またはフラグメントは約1×10−9以下のKでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10−8M以下のIC50でヒトNGF生物活性を中和する。
【0036】
1態様では、a、a、a、aおよびaは独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;a、a、a11およびa12は独立して脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;aは極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;aは存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;a10は脂肪族アミノ酸残基または芳香族のアミノ酸残基であり;bは脂肪族アミノ酸残基、極性の疎水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;bは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;b、b、およびbは独立して、極性の親水性のアミノ酸残基であり;bおよびbは独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;cおよびcは独立して極性の親水性のアミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;c、c、およびcは独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性のアミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;cは存在しないかまたは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;cは疎水性のアミノ酸残基であり;cは極性の親水性アミノ酸残基である。
【0037】
特定の態様では、a、a、aおよびaはそれぞれ、Arg、Ser、GlnおよびSerであり;aはAlaであり;aはGlyまたはSerであり;aはSerまたはIleであり;aは存在しないか、SerまたはGlyであり;a10はAla、Tyr、TrpまたはPheであり;bはAsp、Gly、AlaまたはValであり;bおよびbはそれぞれAlaおよびSerであり;bはSerまたはAsnであり;bはLeuまたはArgであり;bはGlu、AlaまたはGlnであり;bはSerまたはThrであり;cおよびcはGlnであり;cはPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;cはAsn、GlyまたはSerであり;cはSerまたはAsnであり;cはTyr、Ser、TrpまたはPheであり;cは存在しないか、ProまたはHisであり;cはLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そしてcはThrである。
【0038】
別の特定の態様では、a、a、a、aおよびaはそれぞれ、Arg、Ala、Ser、GlnおよびSerであり;aはGlyまたはSerであり;aはSerまたはIleであり;aは存在しないか、SerまたはGlyであり;a10はAlaまたはTyrであり;bはAspまたはGlyであり;bおよびbはそれぞれAlaおよびSerであり;bはSerまたはAsnであり;bはLeuまたはArgであり;bはGlu、AlaまたはGlnであり;bはSerまたはThrであり;cおよびcはGlnであり;cはPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;cはAsn、GlyまたはSerであり;cはSerまたはAsnであり;cはTyr、Ser、TrpまたはPheであり;cは存在しないか、ProまたはHisであり;cはLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そしてcはThrである。
【0039】
別の特定の態様では:
a)上記軽鎖CDR1は配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号20に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号16に示されるアミノ酸配列を有し;
b)上記軽鎖CDR1は配列番号95に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号96に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号97に示されるアミノ酸配列を有し;
c)上記軽鎖CDR1は配列番号101に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号102に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号103に示されるアミノ酸配列を有し;
d)上記軽鎖CDR1は配列番号107に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号108に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号109に示されるアミノ酸配列を有し;
e)上記軽鎖CDR1は配列番号113に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号114に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号115に示されるアミノ酸配列を有し;
f)上記軽鎖CDR1は配列番号119に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号120に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号121に示されるアミノ酸配列を有し;
g)上記軽鎖CDR1は配列番号122に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号123に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号124に示されるアミノ酸配列を有し;
h)上記軽鎖CDR1は配列番号125に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号126に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号127に示されるアミノ酸配列を有し;
i)上記軽鎖CDR1は配列番号128に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号129に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号130に示されるアミノ酸配列を有し;そして
j)上記軽鎖CDR1は配列番号132に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号133に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号134に示されるアミノ酸配列を有する。
【0040】
また本発明の一部は、新規な抗ヒトNGFヒト抗体をコードするポリヌクレオチド配列、抗ヒトNGFヒト抗体をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター、抗ヒトNGFヒト抗体をコードするポリヌクレオチドを組み込むベクターで形質転換された宿主細胞、抗ヒトNGFヒト抗体を含む処方物、ならびにこれらを作製および用いる方法である。
【0041】
本発明はまた、生物学的サンプル中のNGFのレベルを検出するための方法であって、このサンプルと本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントとを接触させる工程を包含する方法を提供する。本発明の抗NGF抗体は、NGFの検出および定量について、任意の公知のアッセイ方法、例えば、競合結合アッセイ、直接および間接的なサンドイッチアッセイ、免疫沈降アッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において使用され得る(Sola,1987,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,147〜158頁、CRC Press,Inc.を参照のこと)。この抗体は、使用されているアッセイ方法に適切である親和性でNGFに結合し得る。
【0042】
さらに、本発明は、NGFの産生増大またはNGFに対する感度の増大を伴う疾患を処置するための方法を提供するが、ここでこの方法は、本発明の少なくとも1つの抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む薬学的組成物の薬学的に有効な量を、そのような処置を必要としている個体に投与する工程を包含する。
【0043】
本発明の特定の好ましい実施形態は、以下の特定の好ましい実施形態のさらに詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、DRGニューロンベースの中和バイオアッセイにおける、ハイブリドーマ馴化培地から精製された4D4モノクローナル抗体による、NGF活性の中和を実証するグラフを示す。
【図2】図2は、ヒトNGF活性によって刺激されたVR1発現、およびDRGニューロンベースの中和バイオアッセイにおける、ハイブリドーマ馴化培地から精製された抗NGFモノクローナル抗体(4D4)による、NGF活性の中和を実証するグラフを示す。
【図3】図3は、IgG1またはIgG2のいずれかとして発現され、そして細胞中でローラーボトル培養(R)中またはスピナーフラスコ(S)のいずれかで増殖された場合の、一過性に発現された組み換え抗NGF 4D4モノクローナル抗体による、DRGニューロンベースの中和バイオアッセイにおける、NGF活性の中和を実証するグラフを示す。
【図4】図4は、ニューロトロフィンの配列のアラインメントを示す。この配列の上のナンバリングおよび二次構造エレメントは、成熟ヒトNGFを指す。保存された残基には星でマークをつけており、低い配列相同性の領域は影付きにしている。NGFヒトは、配列番号135であり;NGFマウスは配列番号136であり;BDNFは配列番号137であり;NT3は配列番号138である。
【図5】図5は、14D10(配列番号98)、6H9(配列番号104)、7H2(配列番号110)、4G6(配列番号116)、14D11(配列番号92)および4D4(配列番号22)の抗体についての抗NGF CDR1重鎖のアラインメント、ならびに同一性パーセントを示す。
【図6】図6は、14D10(配列番号99)、6H9(配列番号105)、7H2(配列番号111)、4G6(配列番号117)、14D11(配列番号93)および4D4(配列番号18)の抗体についての抗NGF CDR2重鎖のアラインメント、ならびに同一性パーセントを示す。
【図7】図7は、14D10(配列番号100)、6H9(配列番号106)、7H2(配列番号112)、4G6(配列番号118)、14D11(配列番号94)および4D4(配列番号14)の抗体についての抗NGF CDR3重鎖のアラインメント、ならびに同一性パーセントを示す。
【図8】図8は、14D10(配列番号95)、6H9(配列番号107)、7H2(配列番号113)、4G6a(配列番号119)、4G6b(配列番号122)、4G6c(配列番号125)、4G6d(配列番号128)、4G6e(配列番号132)、14D11(配列番号95)および4D4(配列番号24)の抗体についての抗NGF CDR1軽鎖のアラインメントおよび同一性パーセントを示す(4G6aは、種々の図では20031028340として示される;4G6bは、種々の図では20031028351として示される;4G6cは、種々の図では20031071526として示される;4G6dは、種々の図では20031028344として示される;4G6eは、種々の図では20031000528として示される)。
【図9】図9は、14D10(配列番号96)、6H9(配列番号108)、7H2(配列番号114)、4G6a(配列番号120)、4G6b(配列番号123)、4G6c(配列番号126)、4G6d(配列番号129)、4G6e(配列番号133)、14D11(配列番号96)および4D4(配列番号20)の抗体についての抗NGF CDR2軽鎖のアラインメントおよび同一性パーセントを示す(4G6aは、種々の図では20031028340として示される;4G6bは、種々の図では20031028351として示される;4G6cは、種々の図では20031071526として示される;4G6dは、種々の図では20031028344として示される;4G6eは、種々の図では20031000528として示される)。
【図10】図10は、14D10(配列番号97)、6H9(配列番号109)、7H2(配列番号115)、4G6a(配列番号121)、4G6b(配列番号124)、4G6c(配列番号127)、4G6d(配列番号130)、4G6e(配列番号134)、14D11(配列番号97)および4D4(配列番号16)の抗体についての抗NGF CDR3軽鎖のアラインメントおよび同一性パーセントを示す(4G6aは、種々の図では20031028340として示される;4G6bは、種々の図では20031028351として示される;4G6cは、種々の図では20031071526として示される;4G6dは、種々の図では20031028344として示される;4G6eは、種々の図では20031000528として示される)。
【図11】図11は、14D10(配列番号82)、6H9(配列番号84)、7H2(配列番号86)、4G6a(配列番号88)、4G6b(配列番号89)、4G6c(配列番号90)、4G6d(配列番号91)、4G6e(配列番号131)、14D11(配列番号80)および4D4(配列番号12)の抗体についての抗NGF軽鎖のアラインメントおよび同一性パーセントを示す(4G6aは、種々の図では20031028340として示される;4G6bは、種々の図では20031028351として示される;4G6cは、種々の図では20031071526として示される;4G6dは、種々の図では20031028344として示される;4G6eは、種々の図では20031000528として示される)。
【図12】図12は、4D4(配列番号10)、4G6(配列番号87)、14D10(配列番号81)、14D11(配列番号79)、7H2(配列番号85)、および6H9(配列番号83)の抗体についての抗NGFの重鎖のアラインメントおよび同一性パーセントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(特定の好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書に用いられるセクション見出しは、組織化の目的のためのみであり、記載される主題に限定されると解釈されるべきではない。本出願に引用される全ての引用文献は、任意の目的のために本明細書において参照として明白に援用される。
【0046】
(定義)
従来の技術を、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)のために用いてもよい。酵素反応および精製技術は、製造業者の仕様書に従って、または当該分野で通常達成されるように、もしくは本明細書に記載されるように、行うことができる。前述の技術および手順は一般に、当該分野で周知の方法に従って、ならびに本明細書全体にわたって引用かつ考察されている種々の一般的引用文献およびさらに詳細な引用文献に記載されるような方法に従って、行うことができる。例えば、いずれかの目的で参照として本明細書に援用されている、Sambrookら,2001、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第3版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,を参照のこと。特に規定しない限り、本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医学および薬学の化学と関連して利用される命名法、そしてその実験室手順および技術は、当該分野で周知でありかつ一般的に用いられるものである。同様に、従来の技術が、化学合成、化学分析、薬学的調製、処方および送達、ならびに患者の処置のために用いられ得る。
【0047】
本開示に従って利用される場合、以下の用語は、特に示さない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである:本発明の抗体に関して、「生物学的特性(biological property)」、「生物学的特徴(biological characteristic)」という句、および「活性(activity)」という用語は、本明細書において互換可能に用いられ、これらには、限定はしないが、エピトープ親和性および特異性(例えば、ヒトNGFに結合する抗ヒトNGFヒト抗体)、標的のポリペプチドの活性(例えば、NGF活性)をアンタゴナイズする能力、この抗体のインビボ安定性、およびこの抗体の免疫原性特性が挙げられる。当該分野で理解される抗体の他の特定可能な生物学的特性または特徴としては、例えば、交差反応性(すなわち、一般的には、標的されたポリペプチドの非ヒトホモログとの交差反応性、または他のタンパク質もしくは組織との交差反応性)、および哺乳動物細胞においてタンパク質の高い発現レベルを保存する能力が挙げられる。前述の特性または特徴は、当該分野で認識される技術を用いて観察または測定され得、これらの技術としては、限定はしないが、ELISA、競合的ELISA、表面プラズモン共鳴分析、インビトロおよびインビボの中和アッセイ(例えば、実施例2)、およびヒト、霊長類または必要に応じて任意の他の供給源を含む種々の供給源由来の組織切片での免疫組織化学が挙げられる。抗ヒトNGFヒト抗体の特定の活性および生物学的特性は、以下の実施例にさらに詳細に記載される。
【0048】
本明細書において用いる場合、「単離されたポリヌクレオチド(isolated polynucleotide)」という用語は、ゲノムのポリヌクレオチド、cDNAのポリヌクレオチドまたは合成由来のポリヌクレオチドもしくはそれらのいくつかの組み合わせを意味しており、その起源によって、この単離されたポリヌクレオチドは、(1)その単離されたポリヌクレオチドが天然に見出されるポリヌクレオチドの、全てまたは一部を伴わないか、(2)天然には連結されないポリヌクレオチドと連結されるか、または(3)より大きい配列の一部として天然には存在しない。
【0049】
本明細書において言及される、「単離されたタンパク質(isolated protein)」という用語は、該当のタンパク質が、(1)通常見出される少なくともいくつかの他のタンパク質を含まないか、(2)同じ供給源由来、例えば同じ種由来の他のタンパク質を本質的に含まないか、(3)異なる種由来の細胞によって発現されるか、(4)天然において会合している、少なくとも約50%のポリヌクレオチド、脂質、炭水化物もしくは他の物質から分離されているか、(5)この「単離されたタンパク質」が天然には会合しているタンパク質の一部と(共有的な相互作用によっても、または非共有的な相互作用によっても)会合していないか、(6)天然には会合していないポリペプチドと作動可能に会合している(共有的な相互作用または非共有的な相互作用によって)か、または(7)天然には存在しない、ということを意味する。このような単離されたタンパク質は、ゲノムDNA、cDNA、mRNAもしくは合成に由来する他のRNA、またはそれらの任意の組み合わせによってコードされてもよい。好ましくは、この単離されたタンパク質は、その用途(治療上用途、診断上用途、予測用途、研究用途など)を妨げる、天然の環境で見出されるタンパク質またはポリペプチドまたは他の混入物を実質的に含まない。
【0050】
「単離された(isolated)」抗体とは、同定されて、その天然の環境の成分から分離され、そして/または回収されているものである。その天然の環境の混入成分とは、この抗体の診断または治療的な使用を妨害する物質であり、そしてこれには、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質性または非タンパク質性の溶質を挙げることができる。好ましい実施形態では、抗体は、(1)Lowry法によって決定した場合、抗体の95重量%を超えるまで、そして最も好ましくは99重量%を超えるまで、(2)スピニング・カップ・シークエネーターの使用によって、N末端アミノ酸配列もしくは内部のアミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クマーシー・ブルー(Coomassie blue)もしくは好ましくは銀染色を用いて、還元もしくは非還元条件下でSDS−PAGEによって均一にまで、精製される。単離された抗体としては、組み換え細胞内のインサイチュの抗体が挙げられる。なぜなら、この抗体の天然の環境のうちの少なくとも1つの成分が存在しないからである。
【0051】
「ポリペプチド(polypeptide)」または「タンパク質(protein)」という用語は、天然のタンパク質、すなわち、天然に存在する細胞および特異的には非組み換え細胞によって産生されるタンパク質、または遺伝子操作された細胞もしくは組み換え細胞によって産生されるタンパク質の配列を有する分子を意味し、そしてこの天然のタンパク質のアミノ酸配列を有する分子、またはこの天然の配列からの1つ以上のアミノ酸の欠失、この天然の配列への1つ以上のアミノ酸の付加および/もしくはこの天然の配列の1つ以上のアミノ酸の置換を有する分子を含む。「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、特に抗NGF抗体、または抗NGF抗体からの1つ以上のアミノ酸の欠失、抗NGF抗体への1つ以上のアミノ酸の付加および/または抗NGF抗体の1つ以上のアミノ酸の置換を有する配列を包含する。
【0052】
「ポリペプチドフラグメント(polypeptide fragment)」という用語は、アミノ末端欠失、カルボキシ末端欠失、および/または内部欠失を有するポリペプチドをいう。特定の実施形態では、フラグメントは、少なくとも5〜約500アミノ酸長である。特定の実施形態では、フラグメントは少なくとも5、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも14、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも70、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400または少なくとも450アミノ酸長であると理解される。特に有用なポリペプチドフラグメントとしては、結合ドメインを含む機能的なドメインが挙げられる。抗NGF抗体の場合、有用なフラグメントとしては、限定はしないが、CDR領域、重鎖または軽鎖の可変ドメイン、抗体鎖の一部または2つのCDRを含むちょうどその可変領域、などが挙げられる。
【0053】
「特異的結合因子(specific binding agent)」という用語は、標的に特異的に結合する天然または非天然の分子を指す。特異的な結合因子の例としては、限定はしないが、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物および脂質が挙げられる。特定の実施形態では、特異的な結合因子は抗体である。
【0054】
「NGFに対する特異的な結合因子(specific binding agent to NGF)」という用語は、NGFの任意の部分に特異的に結合する特異的な結合因子をいう。特定の実施形態では、NGFに対する特異的な結合因子とは、NGFに特異的に結合する抗体である。
【0055】
本明細書において用いる場合「免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメント(immunologically functional immunoglobulin fragment」という用語は、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の少なくともCDRを含むポリペプチドフラグメントをいう。本発明の免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントは、抗原に結合し得る。好ましい実施形態では、この抗原はレセプターに特異的に結合するリガンドである。これらの実施形態では、本発明の免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントの結合は、そのレセプターへのリガンドの結合を防止し、このレセプターへのリガンドの結合から生じる生物学的応答を遮断する。好ましくは、本発明の免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントは、NGFに特異的に結合する。最も好ましくは、このフラグメントはヒトNGFに特異的に結合する。
【0056】
「天然に存在する(naturally−occurring)」という用語は、本明細書において使用されて物体に対して適用する場合、その物体が天然に見出され得るという事実をいう。例えば、天然の供給源から単離可能であり、人によって意図的に改変されていない、有機体(ウイルスを含む)に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列は、天然に存在する。
【0057】
「作動可能に連結された(operably linked)」という用語は、その用語をあてはめられる成分が、適切な条件下でその固有の機能を行うことを可能にする関係であることを意味する。例えば、タンパク質コード配列に「作動可能に連結された」制御配列は、制御配列の転写活性に適合する条件下でこのタンパク質コード配列の発現が達成されるように、そこに連結されている。
【0058】
「制御配列(control sequence)」という用語は、本明細書において用いられる場合、それらが連結されるコード配列の発現、プロセシングまたは細胞内局在化を達成し得るポリヌクレオチド配列をいう。このような制御配列の性質は、宿主生物に依存し得る。特定の実施形態では、原核生物の制御配列としては、プロモーター、リボソーム結合部位および転写終止配列を挙げることができる。他の特定の実施形態では、真核生物の転写制御としては、転写因子の1つまたは複数の認識部位を含むプロモーター、転写エンハンサー配列、転写終止配列およびポリアデニル化配列を挙げることができる。特定の実施形態では、「制御配列」とは、リーダー配列および/または融合パートナー配列を含んでもよい。
【0059】
「ポリヌクレオチド(polynucleotide)」という用語は、本明細書において言及する場合、少なくとも10ヌクレオチド長の一本鎖または二本鎖の核酸ポリマーを意味する。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドを含むヌクレオチドは、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドまたはいずれかのタイプのヌクレオチドの改変型であってもよい。このような改変型としては、ブロムウリジンのような塩基改変型、アラビノシドおよび2’,3’−ジデオキシリボースのようなリボース改変型、、ならびにヌクレオチド間連結改変型、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニラデートおよびホスホロアミデートが挙げられる。「ポリヌクレオチド」という用語は詳細には、DNAの一本鎖型および二本鎖型を包含する。
【0060】
本明細書で言及する「オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)」という用語は、天然に存在するか、および/または天然には存在しないオリゴヌクレオチド連結によって一緒に連結された、天然に存在するヌクレオチドおよび改変されたヌクレオチドを包含する。オリゴヌクレオチドは、一般的に一本鎖であり、かつ200ヌクレオチド以下の長さを有するメンバーを含むポリヌクレオチドサブセットである。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10〜60ヌクレオチド長である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12、13、14、15、16、17、18、19、または20〜40ヌクレオチド長である。オリゴヌクレオチドは、例えば、遺伝子変異体の構築での使用のために、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。本発明のオリゴヌクレオチドは、タンパク質コード配列に関連してセンスオリゴヌクレオチドであってもアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよい。
【0061】
「天然に存在するヌクレオチド(naturally occurring nucleotide)」という用語は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを包含する。「改変されたヌクレオチド(modified nucleotide)」という用語は、修飾または置換された糖基などを有するヌクレオチドを包含する。「オリゴヌクレオチド連結(oligonucleotide linkage)」という用語は、オリゴヌクレオチド連鎖、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホラニラデート、ホスホロアミデートなどを包含する。例えば、それらの開示は任意の目的のために参考として本明細書に援用される、LaPlancheら,1986、Nucl.Acids Res.,14:9081;Stecら,1984,J.Am.Chem.Soc.,106:6077;Steinら,1988,Nucl.Acids Res.16:3209;Zonら,1991,Anti−Cancer Drug Design 6:539;Zonら,1991,OLIGONUCLEOTIDES AND ANALOGUES:A PRACTICAL APPROACH,pp.87−108(F.Eckstein(編)),Oxford University Press,Oxford England);Stecら,米国特許第5,151,510号;UhlmannおよびPeyman,1990,Chemical Reviews 90:543を参照のこと。オリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドまたはそのハイブリダイゼーションの検出を可能にする検出可能な標識を含んでもよい。
【0062】
「ベクター(vector)」という用語は、その核酸分子が連結されている別の核酸を輸送できる核酸分子を包含する。ベクターの1タイプは「プラスミド(plasmid)」であり、これはさらなるDNAセグメントが連結され得る環状の二本鎖DNAループを指す。別のタイプのベクターは、ウイルスベクターであり、ここではさらなるDNAセグメントがウイルスゲノム中に連結され得る。特定のベクターは、それらが導入されている宿主細胞において自律性に複製し得る(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際にその宿主細胞のゲノムに組み込まれ得、それによってその宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている遺伝子の発現を指向し得る。このようなベクターは、本明細書においては「組み換え発現ベクター(recombinant expression vector)」(または単に、「発現ベクター(expression vector)」)と呼ばれる。一般には、組み換えDNA技術に有用な発現ベクターは、多くの場合プラスミドの形態である。本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」は交換可能に用いられ得る。なぜなら、プラスミドは、ベクターの最も一般的に用いられる形態であるからである。しかし、本発明は、等価な機能を果たす、このような他の形態の発現ベクター、例えばウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)を含むものとする。
【0063】
「組み換え宿主細胞(recombinant host cell)」(または単に、「宿主細胞(host cell)」)という句は、組み換え発現ベクターが導入されている細胞を包含する。このような用語は、特定の該当の細胞だけでなく、このような細胞の子孫も指すことを意図することが当業者に理解される。変異または環境的影響のいずれかに起因して、特定の改変が後継世代において生じ得るので、このような子孫は、実際には、親細胞に対して同一でないかもしれないが、本明細書に用いられる「宿主細胞」という用語の範囲内には依然として包含される。広範な種々の宿主発現系(細菌、酵母、バキュロウイルスおよび哺乳動物発現系(ならびにファージディスプレイ発現系)を含む)が、本発明の抗体を発現するために用いられ得る。適切な細菌発現ベクターの例はpUC19である。抗体を組み換え的に発現するためには、宿主細胞は、その抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードするDNAフラグメントを担持する1つ以上の組み換え発現ベクターでトランスフェクトされ、その結果、その軽鎖および重鎖はこの宿主細胞中で発現され、好ましくはこの宿主細胞が培養される培地中に分泌されて、この抗体はこの培地から回収され得る。標準的な組み換えDNA方法論を用いて、抗体の重鎖および軽鎖の遺伝子を得て、これらの遺伝子を組み換え発現ベクター中に組み込み、そしてこのベクターを宿主細胞、例えば、Sambrookら,2001,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Spring Harbor Laboratories,Ausubel,F.M.ら(編)Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates,(1989)およびBossらの米国特許第4,816,397号記載されたような宿主細胞中に導入する。
【0064】
「宿主細胞(host cell)」という用語を用いて、核酸配列で形質転換された細胞、または核酸配列で形質転換され得、その後、目的の選択された遺伝子を発現することが可能である細胞を指す。この用語は、この選択された遺伝子が存在する限り、この子孫が、形態学的に、またはもとの親に対する遺伝的作製において、同一であるか否かにかわらず、親細胞の子孫を包含する。
【0065】
「形質導入(transduction)」という用語を用いて、一般にはファージによる、1つの細菌から別の細菌への遺伝子の移入をいう。「形質導入」とはまた、レトロウイルスによる、真核生物細胞配列の獲得および移入を指す。
【0066】
「トランスフェクション(transfection)」という用語を用いて、細胞による外因性または内因性のDNAの取り込みをいい、細胞は、外因性のDNAがその細胞膜の内側に導入されている場合、「トランスフェクト(transfected)」されている。多数のトランスフェクション技術が当該分野で周知であり、本明細書に開示されている。例えば、Grahamら,1973,Virology 52:456;Sambrookら,2001,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Spring Harbor Laboratories;Davisら,1986,BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Elsevier;およびChuら,1981,Gene 13:197を参照のこと。このような技術は、1つ以上の外因性DNA部分を適切な宿主細胞に導入するために用いることができる。
【0067】
「形質転換(transformation)」という用語は、本明細書において用いる場合、細胞の遺伝的特徴における変化をいい、細胞が新しいDNAを含むように改変されている場合、その細胞は形質転換されている。例えば、細胞はその天然の状態から遺伝的に改変されている場合、形質転換されている。トランスフェクションまたは形質導入の後、この形質転換DNAは、細胞の染色体への物理的な組みこみによって細胞のDNAと組み換えられてもよいし、または複製されることなしにエピソームエレメントとして一時的に維持されてもよいし、またはプラスミドとして独立して複製されてもよい。細胞の分裂とともにDNAが複製される場合、細胞は安定に形質転換されていると考えられる。
【0068】
「天然に存在する(naturally occurring)」または「天然の(native)」という用語は、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞などのような生物学的物質に関連して用いられる場合、天然に見出され、かつ人によって操作されていない物質をいう。同様に、「天然に存在しない(non−naturally occuring)」または「非天然の(non−native)」とは、本明細書において用いる場合、天然に見出されない物質、または人によって構造的に改変されているかもしくは合成されている物質をいう。
【0069】
「抗原(antigen)」という用語は、選択的な結合因子、例えば抗体によって結合され得、そしてさらに動物において用いられ得てその抗原のエピトープに結合できる抗体を産生することができる、分子または分子の一部をいう。抗原は、1つ以上のエピトープを有してもよい。
【0070】
「同一性(identity)」という用語は、当該分野で公知であるとおり、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列の間の関係であって、これらの分子の配列を比較することによって決定される関係をいう。当該分野では、「同一性(identity)」とはまた、核酸分子の間またはポリペプチドの間の配列の関連性の程度を意味し、場合によっては、2つ以上のヌクレオチド配列または2つ以上のアミノ酸配列のストリングスの間の一致によって決定されてもよい。「同一性」とは、特定の数学的モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム(algorithm)」)によってアドレスされるギャップアラインメント(もしあれば)と2つ以上の配列のうちより小さい配列の間での同一性の一致の割合を測定する。
【0071】
「類似性(similarity)」という用語は、関連の概念に関して当該分野で用いられるが、「同一性」とは対照的に、「類似性」は、同一性の一致および保存的置換の一致の両方を包含する、関連性の指標をいう。2つのポリペプチド配列が、例えば、アミノ酸20個のうち10個の同一アミノ酸を有し、この残りが全て非保存的置換であれば、同一性パーセントおよび類似性パーセントは、両方とも50%である。同じ例で、保存的置換がさらに5つの位置にあれば、同一性パーセントは、50%のままであるが、ただし類似性パーセントは、75%である(15/20)。従って、保存的置換がある場合、2つのポリペプチドの間の類似性パーセントは、これらの2つのポリペプチドの間の同一性パーセントよりも高い。
【0072】
関連の核酸およびポリペプチドの同一性および類似性は、公知の方法によって容易に算出できる。このような方法としては、限定はしないが、COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY,(Lesk,A.M.(編)),1988,Oxford University Press,New York;BIOCOMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJECTS,(Smith,D.W.(編)),1993,Academic Press,New York;COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA,Part 1,(Griffin,A.M.およびGriffin、H.G.(編)),1994,Humana Press,New Jersey;von Heinje,G.,SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY,1987,Academic Press;SEQUENCE ANALYSIS PRIMER,(Gribskov,M.およびDevereux,J.,(編)),1991,M.Stockton Press,New York;Carilloら,1988,SIAM J.Applied Math.,48:1073;ならびにDurbinら,1998,BIOLOGICAL SEQUENCE ANALYSIS,Cambridge University Pressに記載される方法が挙げられる。
【0073】
同一性を決定するために好ましい方法は、試験された配列の間で最大の一致を得るように設計される。同一性を決定する方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムに記載される。2つの配列の間の同一性を決定する好ましいコンピュータプログラム法としては、GAPを含むGCGプログラムパッケージ(Devereuxら,1984,Nucl.Acid.Res.,12:387;Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI),BLASTP,BLASTN、およびFASTA(Altschulら,1990,J.Mol.Biol.,215:403〜410)が挙げられるがこれらに限定されない。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)および他の供給源(BLAST Manual,Altschulら,NCB/NLM/NIH Bethesda,MD 20894;Altschulら,1990(前出))から公的に入手可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムも、同一性を決定するのに用いることができる。
【0074】
2つのアミノ酸配列をアライメントするための特定のアラインメントスキームでは、2つの配列の短い領域のマッチングを得ることしか可能ではなく、そしてこの短い整列された領域は、2つの全長配列の間も有意な関係がなくても極めて高い配列同一性を有し得る。従って、特定の実施形態では、選択されたアラインメント法(GAPプログラム)によって、標的ポリペプチドの少なくとも50個の連続アミノ酸にまたがるアラインメントが得られる。
【0075】
例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI)を用いて、配列同一性パーセントを決定すべき2つのポリペプチドを、そのそれぞれのアミノ酸の最適マッチングについてアライメントする(アルゴリズムによって決定される場合「マッチしたスパン(matched span)」)。特定の実施形態において、ギャップオープニングペナルティ(これは、3回の平均対角として算出される;「平均対角(average diagonal)」は、用いられる比較行列の対角の平均であり;「対角(diagonal)」は、特定の比較行列により各々の完全アミノ酸マッチに対して割り当てられたスコアまたは数である)およびギャップ伸長ペナルティ(通常、ギャップオープニングペナルティの十分の一)、ならびに比較マトリックス、例えば、PAM250またはBLOSUM 62を、このアルゴリズムと組み合わせて用いる。特定の実施形態では、標準比較マトリックス(PAM 250比較マトリックスについては、Dayhoffら,1978,Atlas of Protein Sequence and Structure,5:345〜352を参照のこと;BLOSUM 62比較マトリックスについてはHenikoffら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915〜10919;を参照のこと)も、アルゴリズムによって用いられる。
【0076】
特定の実施形態では、ポリペプチド配列比較についてのパラメーターとしては以下が挙げられる:
アルゴリズム:Needlemanら,1970,J.Mol.Biol.48:443〜453;
比較マトリックス:Henikoffら,1992、前出より、BLOSUM 62;
ギャップペナルティ:12
ギャップ長ペナルティ:4
類似性閾値:0
GAPプログラムは、上記のパラメーターとともに用いられ得る。特定の実施形態では、前述のパラメーターは、GAPアルゴリズムを用いるポリペプチド比較(エンドギャップについてのペナルティを伴わない)のためのデフォルトパラメーターである。
【0077】
「相同性(ホモロジー、homology)」という用語は、タンパク質または核酸の配列の間の類似性の程度を指す。相同性情報は、特定のタンパク質または核酸種の遺伝的関連性を理解するために有用である。相同性は、配列を整列(アラインメント)させることおよび比較することによって決定され得る。代表的には、アミノ酸相同性を決定するためには、タンパク質配列を、公知のタンパク質配列のデータベースと比較する。相同な配列は、その配列にそってどこかで共通の機能的同一性を共有する。高い程度の類似性または同一性が一般に相同性の指標であるが、低い程度の類似性または同一性は、必ずしも相同性の欠如を示すわけではない。
【0078】
一方の配列由来のアミノ酸をもう一方の配列のアミノ酸とを比較して相同性を決定するためには、いくつかのアプローチを用いることができる。一般には、このアプローチは、以下の2つの範疇におさまる:(1)類似性マトリックスを作成するための極性、荷電およびファン・デル・ワールス容積のような物理的特徴の比較;ならびに(2)公知の相同なタンパク質由来の多くのタンパク質配列の観察に基づき、ポイント・アクセプティッド・ミューテーション・マトリクス(Point Accepted Mutation Matrix)(PAM)を作成するための、任意の他のアミノ酸による、配列中のアミノ酸の適当な置換の比較。
【0079】
同一性のパーセンテージはまた、デフォルトパラメーター(例えば、GAPペナルティ5、GAPオープニングペナルティ15、GAP伸長ペナルティ6.6)を用い、ベクターNTIスイート9.0.0ソフトウェアパッケージのモジュールとして、ニードルプログラム(EMBOSSパッケージ)またはストレッチャープログラム(EMBOSSパッケージ)またはプログラム整列Xを用いることによって、算出され得る。
【0080】
本明細書において用いる場合、20個の従来のアミノ酸およびその省略形は従来の用法に従う。任意の目的のために参考として本明細書に援用される、IMMUNOLOGY−A SYNTHESIS,第2版(E.S.GolubおよびD.R.Gren(編)),Sinauer Associates、Sunderland、MA,1991を参照のこと。20個の従来のアミノ酸の立体異性体(例えば、Dアミノ酸);非天然のアミノ酸、例えば、α−アミノ酸、α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、および他の従来とは異なるアミノ酸もまた、本発明のポリペプチドに適切な成分であり得る。従来とは異なるアミノ酸の例としては、以下が挙げられる:4−ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、ε−N,N,N−トリメチルリジン、ε−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、σ−N−メチルアルギニン、ならびに他の同様のアミノ酸およびイミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン)。本明細書において用いられるポリペプチドの表記法においては、標準的な用法および慣習に従って、左手側の方向がアミノ末端方向であり、そして右手側の方向がカルボキシ末端方向である。
【0081】
天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいたクラスに分けることができる:
1)疎水性:ノルロイシン(Nor)、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Trp、Tyr、Pro;
2)極性の親水性;Arg、Asn、Asp、Gln、Glu,His、Lys、Ser,Thr;
3)脂肪族:Ala、Gly、Ile、Leu、Val、Pro;
4)脂肪族の疎水性:Ala、Ile、Leu、Val、Pro;
5)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
6)酸性:Asp、Glu;
7)塩基性:His、Lys、Arg;
8)鎖の配向に影響する残基:Gly、Pro;
9)芳香族:His、Trp、Tyr、Phe;そして
10)芳香族の疎水性:Phe、Trp、Tyr。
【0082】
保存的アミノ酸置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーの、同じクラスの別のメンバーでの交換を包含し得る。保存的アミノ酸置換は、天然には存在しないアミノ酸残基を包含し得る。この天然には存在しないアミノ酸残基は代表的には、生物系における合成ではなく、化学的なペプチド合成によって取り込まれる。これらとしては、ペプチド模倣物およびアミノ酸部分の他の反転型または逆位型が挙げられる。
【0083】
非保存的置換としては、これらのクラスのうちの1つのメンバーの、別のクラス由来のメンバーでの交換を挙げることができる。このような置換残基は、非ヒト抗体と相同であるヒト抗体の領域に導入されても、または分子の相同でない領域に導入されてもよい。
【0084】
このような変化を作製することにおいて、特定の実施形態によれば、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮してもよい。各々のアミノ酸は、その疎水性および荷電の特徴に基づく疎水性親水性指標を割り当てられている。この疎水性親水性指標は、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)である。
【0085】
タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与するのにおいて、アミノ酸の疎水性親水性指標の重要性は当該分野で理解されている(例えば、Kyteら,1982,J.Mol.Biol.157:105〜131を参照のこと)。特定のアミノ酸が、類似の疎水性親水性指標またはスコアを有する他のアミノ酸によって置換可能であり、そしてそれでも類似の生物学的活性を保持し得ることが、公知である。疎水性親水性指標に基づいてこのような変化を作製することにおいて、特定の実施形態では、その疎水性親水性指標が±2以内であるアミノ酸の置換が含まれる。特定の実施形態では、疎水性親水性指標が±1以内であるアミノ酸の置換が含まれ、そして特定の実施形態では、疎水性親水性指標が±0.5以内である置換が含まれる。
【0086】
特に、生物学的に機能的なタンパク質またはそれによって作製されるペプチドが、本明細書に開示されるように免疫学的な実施形態での使用について意図される場合、同様なアミノ酸の置換が親水性に基づいて有効になされ得ることもまた、当該分野で理解される。特定の実施形態では、あるタンパク質の最大の局所平均親水性は、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配されるので、そのタンパク質の免疫原性および抗原性(すなわちそのタンパク質の生物学的特性)と、相関する。
【0087】
以下の親水性値がこれらのアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5)およびトリプトファン(−3.4)。同様の親水性値に基づく変化を作製するのにおいて、特定の実施形態では、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が含まれ、特定の実施形態では、親水性値が±1以内であるアミノ酸の置換が含まれ、そして特定の実施形態では、親水性値が±0.5以内である置換が含まれる。親水性に基づいて一次アミノ酸配列からエピトープを同定することができる。これらの領域はまた、「エピトープコア領域(epitopic core region)」とも呼ばれる。
【0088】
例示的なアミノ酸置換を表1に示す。
【0089】
【表1−1】

【0090】
【表1−2】

当業者は、周知の技術を用いて本明細書に記載のポリペプチドの適切な改変体を決定することができる。特定の実施形態では、当業者は、活性に重要であるとは考えられない領域を標的することによって活性を破壊することなく、変化され得る分子の適切な領域を同定することができる。他の実施形態では、当業者は、同様のポリペプチドの間で保存されている分子の残基および部分を同定することができる。さらなる実施形態では、生物学的活性または構造にとって重要であり得る領域でさえ、生物学的活性を破壊することなく、またはポリペプチド構造に有害に影響することもなく、保存的なアミノ酸置換に供することができる。
【0091】
さらに当業者は、活性または構造に重要な類似のポリペプチドにおける残基を同定する構造−機能の研究を概説することができる。このような比較の観点では、当業者は、類似のタンパク質における活性または構造について重要なアミノ酸残基に相当する、タンパク質中のアミノ酸残基の重要性を推測することができる。当業者は、このように推測された重要なアミノ酸残基に対して、化学的に類似のアミノ酸置換を選択することができる。
【0092】
当業者はまた、三次元構造およびアミノ酸配列を、類似のポリペプチドにおけるその構造に関して解析することができる。このような情報の観点では、当業者は、抗体のアミノ酸残基のアラインメントをその三次元構造に関して推測することができる。特定の実施形態では、当業者は、タンパク質の表面にあることが推定されるアミノ酸残基に対してラジカルな変化を作製しないように選択し得る。なぜなら、このような残基は、他の分子との重要な相互作用に関与し得るためである。さらに、当業者は、各々の所望のアミノ酸残基において単一のアミノ酸置換を含む、試験改変体を生成することができる。次いで、この改変体を、当業者に公知の活性アッセイを用いてスクリーニングしてもよい。このような改変体を用いて、適切な改変体についての情報を集めることができる。例えば、特定のアミノ酸残基に対する変化によって、活性の破壊、活性の所望されない減少または不適切な活性が生じるということが発見されている場合、このような変化を有する改変体は、回避され得る。言い換えれば、このような慣用的実験から収集された情報に基づいて、当業者は、さらなる置換が単独、または他の変異と組み合わせて回避されるべきアミノ酸を、容易に決定することができる。
【0093】
二次配列の予測に対して多数の科学的刊行物がでている。Moult,1996,Curr.Op.in Biotech.7:422〜427;Chouら,1974,Biochemistry 13:222〜245;Chouら,1974,Biochemistry 113:211〜222;Chouら,1978,Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.47:45〜148;Chouら,1979,Ann.Rev.Biochem.47:251〜276;およびChouら,1979,Biophys.J.26:367〜384を参照のこと。さらに、二次構造を予測することを補助するコンピュータプログラムが現在利用可能である。二次構造を予測する1方法は、ホモロジー(相同性)モデリングに基づく。例えば、30%より大きい配列同一性または40%より大きい配列類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は多くの場合、類似の構造的トポロコーを有する。タンパク質構造データベース(PDB)の近年の成長によって、ポリペプチドの構造またはタンパク質の構造内の潜在的な折り畳み回数を含む、二次構造の予想性の向上が得られている。Holmら,1999,Nucl.Acid.Res.27:244〜247を参照のこと。所定のポリペプチドまたはタンパク質において折り畳み回数は限定されていること、および一旦構造の決定的な数が解明されれば、構造の予測は劇的にさらに正確になることが示唆されている(Brennerら,1997,Curr.Op.Struct.Biol.7:369〜376)。
【0094】
二次構造を予測するさらなる方法としては、「スレッディング(threading)」(Jones,1997,Curr.Opin.Struct.Biol.7:377〜87;Sipplら,1996,Structure 4:15〜19)、「プロフィール分析(profile analysis)」(Bowieら,1991,Science 253:164〜170;Gribskovら,1990,Meth.Enzym.183:146〜159;Gribskovら,1987,Proc.Nat.Acad.Sci.84:4355〜4358)および「進化的連結(evolutionary linkage)」(Holm,1999,前出;およびBrenner,1997,前出を参照のこと)が挙げられる。
【0095】
特定の実施形態では、抗体改変体としては、グリコシル化部位の数および/またはタイプが、親のポリペプチドのアミノ酸配列と比較して変更されているグリコシル化改変体が挙げられる。特定の実施形態では、タンパク質改変体は、ネイティブのタンパク質よりも多いかまたは少ない数のN連結グリコシル化部位を含む。N連結グリコシル化部位は、配列:Asn−X−SerまたはAsn−X−Thrによって特徴付けられ、ここではXとして指定されるアミノ酸残基は、プロリン以外の任意のアミノ酸残基であってもよい。この配列を生じるアミノ酸残基の置換によって、N連結糖鎖の付加のための潜在的な新規な部位が得られる。あるいは、この配列を排除する置換によって、既存のN連結糖鎖が除かれる。1つ以上のN連結グリコシル化部位(代表的には天然に存在する部位)が排除されて、1つ以上の新規なN連結部位が作成されている、N連結糖鎖の再配列もまた提供される。さらなる好ましい抗体改変体としては、1つ以上のシステイン残基が、親のアミノ酸配列と比較して欠失されているか、または別のアミノ酸(例えば、セリン)で置換されているシステイン改変体が挙げられる。システイン改変体は、不溶性の封入体の単離後のような生物学的に活性な高次構造に抗体が再折り畳みさせられなければならない場合、有用であり得る。システイン改変体は一般的に、ネイティブなタンパク質よりも少ないシステイン残基を有し、そして代表的には、不対のシステインから生じる相互作用を最小化するために、偶数のシステイン残基を有する。
【0096】
さらなる実施形態では、抗体改変体は、改変Fcフラグメントまたは改変重鎖定常領域を含む抗体を包含し得る。「結晶化するフラグメント(fragment that crystallize)」を意味するFcフラグメント、または重鎖定常領域は、抗体に対して変化した結合特徴を付与するような変異によって改変されてもよい。例えば、BurtonおよびWoof,1992、Advances in Immunology 51:1〜84;RavetchおよびBolland,2001,Annu.Rev.Immunol.19:275〜90;Shieldsら,2001,Journal of Biol.Chem 276:6591〜6604;TellemanおよびJunghans,2000,Immunology 100:245〜251;Medesanら,1998,Eur.J.Immunol.28:2092〜2100(その全てが参考として本明細書に援用される)を参照のこと。このような変異は、置換、付加、欠失またはそれらの任意の組み合わせを包含し得、そして代表的には、本明細書に記載の方法に従って、および当該分野で公知の方法に従って(例えば、参照によって本明細書に援用される、Sambrookら,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第3版,2001,Cold Spring Harbor,N.Y.ならびにBergerおよびKimmel,METHODS IN ENZYMOLOGY,Volume 152,Guide to Molecular Cloning Techniques,1987,Academic Press,Inc.,San Diego,CAを参照のこと)1つ以上の変異原性のオリゴヌクレオチド(単数または複数)を用いて、部位指向性の変異誘発によって生成される、。
【0097】
特定の実施形態によれば、アミノ酸置換は:(1)タンパク質分解に対する感受性を低下するか、(2)酸化に対する感受性を低下するか、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変更するか、(4)結合親和性を変更するか、そして/または(5)このようなポリペプチドに他の物理化学的特性または機能的特性を付与するかまたは改変する、アミノ酸置換である。特定の実施形態によれば、単一または複数のアミノ酸置換(特定の実施形態では、保存的アミノ酸置換)は、天然に存在する配列において(特定の実施形態では、分子間接触を形成するドメイン(単数または複数)の外側のポリペプチドの一部において)作製されてもよい。好ましい実施形態では、保存的アミノ酸置換は代表的には、親の配列の構造的特徴を実質的に変化させない(例えば、置換アミノ酸は、親の配列に存在するヘリックスを破壊する傾向でも、親の配列を特徴付ける他のタイプの二次構造を破壊する傾向でもあってはならない)。当該分野で認識されるポリペプチドの二次構造および三次構造の例は、各々が参考として本明細書に援用される、PROTEINS、STRUCTURES AND MOLECULAR PRINCIPLES(Creighton編,1984,W.H.FreemanおよびCompany、New York);INTRODUCTION TO PROTEIN STRUCTURE(C.BrandenおよびJ.Tooze(編)),1991,Garland Publishing、New York、N.Y.;ならびにThorntonら,1991,Nature 354:105に記載されている。
【0098】
ペプチドアナログは一般に、鋳型のペプチドの特性と類似の特性を有する非ペプチド薬として製薬産業において用いられる。これらのタイプの非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣物(peptide mimetics)」または「ペプチド模倣物(peptidemimetics)」と名付けられる。任意の目的のために参考として本明細書に援用される、Fauchere、1986,Adv.Drug Res.15:29;VeberおよびFreidinger,1985,TINS p.392;ならびにEvansら,1987,J.Med.Chem.30:1229)を参照のこと。このような化合物は多くの場合、コンピュータによる分子モデリングの補助によって開発される。治療上有用なペプチドに対して構造的に類似であるペプチド模倣物を用いて、同様の治療効果または予防効果を得ることができる。一般には、ペプチド模倣物は、パラダイム(paradigm)ポリペプチド(すなわち、生化学的な特性または生理学的な活性を有するポリペプチド)、例えばヒト抗体に対して構造的に類似であるが、当該分野で周知の方法によって、以下から選択される連結により必要に応じて置換される1つ以上のペプチド連結を有する:−CH−NH−、−CH−S−、−CH−CH−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHSO−。同じタイプのDアミノ酸での、コンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸の系統的な置換(例えば、L−リジンの代わりに、D−リジン)を特定の実施形態で用いて、さらに安定なペプチドを生成することができる。さらにコンセンサス配列または実質的に同一のコンセンサス配列のバリエーションを含む拘束されたペプチドは、当該分野で公知の方法(任意の目的のために参考として本明細書に援用される、RizoおよびGierasch,1992,Ann.Rev.Biochem.61:387)によって;例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成し得る内部システイン残基を付加することによって、生成することができる。
【0099】
「抗体(antibody)」または「抗体ペプチド(antibody peptide)(単数または複数)」とは、インタクトな抗体、または特定の結合についてそのインタクトな抗体と競合するその結合フラグメントをいう。特定の実施形態では、結合フラグメントは、組み換えDNA技術によって生成される。さらなる実施形態では、結合フラグメントは、インタクトな抗体の酵素的切断もしくは化学的切断によって、産生される。結合フラグメントとしては、限定はしないが、F(ab)、F(ab’)、F(ab’)、Fv、および単鎖抗体が挙げられる。
【0100】
「重鎖(heavy chain)」という用語は、NGFに対する特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する任意の免疫グロブリンポリペプチドを包含する。「軽鎖(light chain)」という用語は、NGFに対する特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する任意の免疫グロブリンポリペプチドを包含する。全長重鎖は、可変領域ドメイン、Vおよび3つの定常領域ドメインC1、C2およびC3を含む。このVドメインは、ポリペプチドのアミノ末端であり、C3ドメインは、カルボキシ末端である。「重鎖」という用語は、本明細書において用いる場合、全長重鎖およびそのフラグメントを包含する。全長軽鎖は、可変領域ドメインV、および定常領域ドメインCを含む。重鎖と同様、軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端である。「軽鎖」という用語は、本明細書において用いる場合、全長軽鎖およびそのフラグメントを包含する。F(ab)フラグメントは、1つの軽鎖ならびに1つの重鎖のC1および可変領域からなる。F(ab)分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成できない。F(ab’)フラグメントは、1つの軽鎖および1つの重鎖を含み、この重鎖がC1ドメインとC2ドメインとの間にさらに定常領域を含み、その結果、鎖間ジスルフィド結合が2つの重鎖の間で形成されて、F(ab’)分子が形成され得る。このFv領域は、重鎖および軽鎖の両方由来の可変領域を含むが、定常領域は欠く。単鎖抗体は、Fv分子であり、ここでは重鎖および軽鎖の可変領域がフレキシブルなリンカーによって接続されて、抗原結合領域を形成する単鎖ポリペプチド鎖を形成している。単鎖抗体は国際特許出願公開番号WO88/01649、ならびに米国特許第4,946,778号および同第5,260,203号に詳細にて考察されている。
【0101】
特定の実施形態では、「多価特異的(multispecific)」抗体または「多機能性(multifunctional)」抗体以外の二価抗体は、同一の抗原特異性を有する結合部位を含むことが理解される。
【0102】
本発明に従って抗体結合および抗体特異性を評価するのにおいて、抗体は、過剰の抗体がレセプターに結合するリガンドの量を(とりわけ、インビトロ競合結合アッセイを用いて測定した場合)少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも85%もしくはそれ以上まで低下させる場合、レセプターへのリガンドの結合を実質的に阻害する。
【0103】
「中和抗体(neutralizing antibody)」とは、それが結合する標的抗原のエフェクター機能をブロックし得るかまたは実質的に低下させ得る抗体分子を意味する。従って、「中和」抗NGF抗体は、NGFのレセプター結合および/または細胞応答の誘発のような、エフェクター機能をブロックし得るかまたは実質的に低下させ得る。「実質的に低下させる(substantially reduce)」とは、標的抗原(例えば、ヒトNGF)のエフェクター機能の少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約75%、なおさらに好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約85%、最も好ましくは少なくとも約90%の低下を意味するものとする。
【0104】
「エピトープ(epitope)」という用語は、免疫グロブリンまたはT細胞レセプターに特異的に結合し得る、任意の決定基、好ましくはポリペプチド決定基を包含する。特定の実施形態では、エピトープ決定基は、分子の化学的に活性な表面集団、例えばアミノ酸、糖側鎖、ホスホリル基またはスルホニル基を含み、そして特定の実施形態では、特異的な三次元構造特徴および/または特異的な荷電特徴を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。特定の実施形態では、抗体は、タンパク質および/または高分子の複雑な混合物において、その抗体がその標的抗原を優先的に認識する場合、抗原に特異的に結合すると言われる。好ましい実施形態では、抗体は、平衡解離定数が10−8M以下である場合、より好ましくは平衡解離定数が10−9M以下である場合、そして最も好ましくは平衡解離定数が10−10M以下である場合に、抗原に特異的に結合すると言われる。
【0105】
2つの抗体が同一または立体的に重複するエピトープを認識する場合、抗体は、参照抗体と「本質的に同じエピトープ(essentially the same epitope)」に結合する。2つの抗体が同一または立体的に重複するエピトープに結合するか否かを決定するための、最も広範に用いられ、かつ迅速な方法は、標識された抗原または標識された抗体のいずれかを用いて、多くの異なる形式で構成され得る、競合アッセイである。通常は、抗原は基板上に固定されて、未標識の抗体が標識された抗体の結合をブロックする能力が、放射性標識または酵素標識を用いて測定される。
【0106】
「因子(agent)」という用語は、本明細書において用いる場合、化合物、化合物の混合物、生物学的高分子、または生物学的物質から作製された抽出物を意味する。
【0107】
本明細書において用いる場合、「標識(label)」または「標識された(labeled)」という用語は、例えば、放射線標識されたアミノ酸の組み込み、または標識されたアビジン(例えば、光学的な方法または比色定量的な方法によって検出可能である、蛍光マーカー、化学発光マーカーまたは酵素活性などの検出可能なマーカーを好ましくは含むストレプトアビジン)によって検出可能であるビオチン部分のポリペプチドに対する結合による、検出可能なマーカーの組み込みをいう。特定の状況では、この標識はまた治療剤であってもよい。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する種々の方法は、当該分野で公知であり、かつ本明細書に開示された方法において有利に用いることができる。ポリペプチドのための標識の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:放射性同位体または放射性核種(例えば、H、14C、15N、35S、90Y、99mTc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアネートすなわちFITC、ローダミン、またはランタニド蛍光物質)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光標識、ハプテン標識、例えば、ビオチニル基、および二次レポーターによって認識される予め決定されたポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、またはエピトープタグ)。特定の実施形態において、標識は、種々の長さのスペーサーアーム(例えば、(CH、ここでn<約20)によって結合されて、可能性のある立体障害を減らす。
【0108】
「生物学的サンプル(biological sample)」という用語は、本明細書において用いる場合、生存物または以前に生存していた物由来の任意の量の物質を包含するが、これらに限定されない。このような生存物としては、限定はしないが、ヒト、マウス、サル、ラット、ウサギおよび他の動物が挙げられる。このような物質としては、限定はしないが、血液、血清、尿、細胞、器官、組織、骨、骨髄、リンパ節および皮膚が挙げられる。
【0109】
「薬学的因子または薬物(pharmaceutical agent or drug)」という用語は、本明細書において用いる場合、患者に適切に投与されたとき、所望の治療効果を誘導し得る化合物または組成物をいう。本発明の抗体の1つまたは複数を含む薬学的組成物に関して、「薬学的に有効な量(pharmaceutically effective amount)」という表現は、本発明によれば、考慮される患者において、外部刺激に対する感度閾値の低下を無効にし得るこの薬学的組成物の量であって、健康な被験体において観察される閾値に匹敵するレベルへの感度閾値の復元を伴う量を意味することが理解される。
【0110】
「障害(disorder)」とは、本発明による処置から恩恵を受ける任意の状態である。「障害」および「状態(condition)」は、本明細書において交換可能に用いられ、そして哺乳動物を該当の障害に罹り易くさせる病理的状態を含む、慢性および急性のNGF媒介性障害、またはNGF媒介性疾患を包含する。
【0111】
「NGF媒介性疾患(NGF−mediated disease)」および「NGF媒介性状態(NGF−mediated condition)」という用語は、NGFのレベルの増大またはNGFの感度の増大を伴う任意の医学的状態または障害を包含し、これには限定はしないが、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素および化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群および非脈管性症候群(mixed−vascular and non−vascular syndrome)、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系、尿生殖器、胃腸系もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、および臓器痛が挙げられる。
【0112】
本明細書において用いる場合、「有効な量(effective amount)」および「治療有効量(therapeutically effective amout)」という用語は、1つ以上の抗ヒトNGFヒト抗体を含むビヒクルまたは薬学的組成物に関して用いる場合、所望の結果(すなわち、本発明のビヒクルまたは抗ヒトNGFヒト抗体での治療の場合、所望の効果とは、例えば、炎症および/または疼痛の所望の低下である)を生じるのに十分な、またはNGFの1つ以上の生物学的活性のレベルにおける観察可能な低下を支持するのに十分な、量または投薬量を指す。さらに詳細には、治療有効量とは、上記因子を用いてインビボで処置される被験体において、問題の状態、例えば、炎症または疼痛に関連する臨床的に規定される病理学的プロセスの1つ以上を、ある期間にわたって阻害するのに十分な、抗ヒトNGFヒト抗体(単数または複数)の量である。本発明では、抗NGF抗体の「治療有効量」は、任意の疼痛性の医学的状態に関連する疼痛の知覚を防止、停止、制御、または軽減し得る。本発明の方法では、「制御(control)」という用語およびその文法上の変化を用いて、望ましくない事象、例えば、疼痛の、予防、部分的もしくは完全な阻害、軽減、遅延または緩徐化をいう。有効な量は、選択される特定のビヒクルまたは抗NGFヒト抗体(単数または複数)に依存して変化し得、そしてまた、治療されるべき被験体に関連する種々の要因および状態、ならびに障害の重篤度に依存する。例えば、ビヒクルまたは抗ヒトNGFヒト抗体(単数または複数)がインビボで投与される場合、とりわけ、患者の年齢、体重および健康状態のような要因、ならびに前臨床動物試験において得られた用量応答曲線および毒性データが、考慮されるものである。この因子が、インビトロで細胞と接触される場合、当業者はまた、取り込み、半減期、用量、毒性などのようなパラメーターを評価するために、種々の前臨床インビトロ研究を設計する。所定の因子についての有効な量または治療有効量の決定は、当業者の能力の十分に範囲内である。
【0113】
本明細書において用いる場合、「神経成長因子(nerve growth factor)」および「NGF」という用語は、配列番号30に示される、組み換えヒトNGF1−120を含む、全ての哺乳動物種のネイティブ配列NGFと定義される。
【0114】
本明細書において用いる場合、「実質的に純粋な(substantially pure)」または「実質的に精製された(substantially purified)」とは、主な種である化合物または種が存在する(すなわち、モル基準で、この組成物における任意の他の個々の種よりもそれが豊富である)ことを意味する。特定の実施形態では、実質的に精製された画分とは、存在する全ての高分子種のうちの少なくとも約50パーセント(モル基準で)をこの種が構成する組成物である。特定の実施形態では、実質的に純粋な組成物は、その組成物中に存在する全ての高分子種のうち約80%、85%、90%、95%または99%より多くを、この種が構成する。特定の実施形態では、この種は、本質的に均一まで精製され(混入する種は、従来の検出法ではこの組成物中で検出できない)、ここでこの組成物は本質的に、単一の高分子種からなる。
【0115】
「患者(patient)」という用語は、ヒトおよび動物の被験体を包含する。
【0116】
「処置(treatment)」または「処置する(treat)」とは、治療的処置および予防的(prophylactic)手段または予防的(preventative)手段の両方を指す。処置の必要なものとしては、既に障害を有するもの、ならびに障害を有する傾向にあるもの、または障害が防止されるべきものが挙げられる。
【0117】
文脈によって他に必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を包含し、そして複数形の用語は単数形を包含する。
【0118】
本発明の特定の実施形態によれば、NGFに対する抗体は、限定はしないが上記で言及したものを包含する、神経障害性の疼痛および炎症性の疼痛、ならびにNGF媒介性疾患を処置するために用いられ得る。
【0119】
本発明の1態様では、ヒトNGFに対して惹起され、かつヒトNGFへの結合について生物学的特異性および免疫学的特異性を有する、完全ヒトモノクローナル抗体が提供される。本発明の別の態様では、重鎖免疫グロブリン分子および軽鎖免疫グロブリン分子のアミノ酸配列、特にその可変領域に相当する配列をコードするヌクレオチド配列を含む核酸が提供される。本発明のこの態様の特定の実施形態は、本発明によって提供される重鎖および軽鎖の相補性決定領域(CDRs)特にCDR1〜CDR3に相当する配列である。本発明のさらに別の態様では、免疫グロブリン分子および抗体、好ましくは本発明のモノクローナル抗体を発現する、ハイブリドーマ細胞および細胞株が提供される。本発明はまた、生物学的におよび免疫学的に精製された抗体の調製物、好ましくはヒトNGFに対して惹起されて、ヒトNGFへの結合について生物学的および免疫学的特異性を有するモノクローナル抗体の調製物を提供する。
【0120】
酵母人工染色体(YAC)におけるメガベースサイズのヒト遺伝子座をクローニングおよび再構築して、マウス生殖系列にそれらを導入する能力によって、極めて大きいかまたはおおまかにマッピングされた遺伝子座の機能的構成要素を解明し、そしてヒト疾患の有用なモデルを生成するために有利なアプローチが得られる。さらに、ヒトの等価な産物でのマウス遺伝子座の置換にこのような技術を利用することによって、発生の間のヒト遺伝子産物の発現および調節、他の系とのそれらの関連、ならびに疾患誘導および進行におけるその関与に対する固有の洞察が得られる。
【0121】
このようなストラテジーの重要な実際的な適用は、マウス体液性免疫系の「ヒト化(humanization)」である。内因性Ig遺伝子が不活性化されているマウスへのヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子座の導入によって、抗体のプログラムされた発現およびアセンブリの背景にある機構、ならびにB細胞発生におけるその役割を研究する機会が得られる。さらに、このようなストラテジーによって、完全ヒトモノクローナル抗体(MAbs)の産生の供給源が得られる。
【0122】
「ヒト抗体(human antibody)」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に実質的に相当する可変領域および定常領域を有する抗体を包含する。特定の実施形態では、ヒト抗体は、限定はしないが、マウスおよびラットのようなげっ歯類、ならびにウサギのようなウサギ目の動物を含む非ヒト哺乳動物において産生される。特定の実施形態では、ヒト抗体は、ハイブリドーマ細胞において産生される。特定の実施形態では、ヒト抗体は、組み換え的に産生される。
【0123】
抗体に関連して「組み換え体(recombinant)」という用語は、組み換え手段によって調製、発現、作製または単離される抗体を包含する。代表的な例としては、宿主細胞にトランスフェクトされた組み換え発現ベクターを用いて発現される抗体、組み換え体から単離された抗体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリー、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylor,L.D.ら,Nucl.Acids.Res.20:6287〜6295(1992)を参照のこと);または他のDNA配列に対するヒト免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングを含む任意の方法によって、調製、発現、作製または単離された抗体が挙げられる。このような組み換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。
【0124】
ヒト抗体は、ヒトの治療において用いるために、非ヒト抗体およびキメラ抗体を上回る少なくとも3つの利点を有する:
1)抗体のエフェクター部分がヒトであるので、ヒト抗体は、ヒト免疫系の他の部分と良好に相互作用し得る(例えば、補体依存性細胞毒性(CDC)または抗体依存性細胞毒性(ADCC)によって標的細胞をより効率的に破壊する);
2)ヒト免疫系は、ヒト抗体を外来性としては認識しないはずであり、従ってこのような注射された抗体に対する抗体応答は、完全に外来性の非ヒト抗体または部分的に外来性のキメラ抗体に対してよりも少ないはずである;
3)注射された非ヒト抗体は、ヒト抗体の半減期よりもかなり短いヒトの循環での半減期を有することが報告されている。注射されたヒト抗体は、天然に存在するヒト抗体に対して本質的に同一の半減期を有し、より小さくかつ少ない頻度の用量で与えることが可能になる。
【0125】
従って、完全ヒト抗体は、マウスまたはマウス由来MAbsに固有の免疫原性およびアレルギー性の応答を最小化すること、そしてそれによって投与された抗体の有効性および安全性を増大することが期待される。従って、本発明の完全ヒト抗体は、慢性および再発性の疼痛の処置において用いることができ、その処置は反復性の抗体投与を必要とする。従って、本発明の抗NGF抗体の1つの特定の利点は、この抗体が完全ヒト抗体であり、ヒト抗マウス抗体または他の以前に記載された非ヒト種由来の不完全ヒト抗体と共通に関連する有害反応を最小限にしながら、非急性の方式で患者に投与できるということである。
【0126】
当業者は、ヒトIg遺伝子座の大きいフラグメントを用いてマウス抗体産生を欠損したマウス株を操作することが可能であち、その結果このようなマウスは、マウス抗体の非存在下でヒト抗体を産生する。大きいヒトIgフラグメントは、可変性の大きい遺伝子多様性、ならびに抗体産生および発現の適切な調節を保存し得る。抗体多様化および選択ならびにヒトタンパク質に対する免疫学的寛容の欠失についてマウス細胞機構を利用することによって、これらのマウス株において再生されたヒト抗体レパートリーにより、ヒト抗原を含む目的の任意の抗原に対する高親和性抗体を得る。ハイブリドーマ技術を用いて、所望の特異性を有する抗原特異性ヒトMAbを生成および選択することができる。
【0127】
内因性の免疫グロブリン産生のない状況でヒト抗体の完全レパートリーを免疫の際に産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を使用してもよい。このような生殖系列変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移入によって、抗原チャレンジの際にヒト抗体の産生が生じる(例えば、Jakobovitsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551〜2555(1993);Jakobovitsら,Nature,362:255〜258(1993;Bruggemannら,Year in Immun.,7:33(1993);Nature 148:1547〜1553(1994),Nature Biotechnology 14:826(1996);Gross,J.A.ら,Nature,404:995〜999(2000);ならびに米国特許第5,877,397号、同第5,874,299号、同第5,814,318号、同第5,789,650号、同第、5,770,429号、同第5,661,016号、同第5,633,425号、同第5,625,126号、同第5,569,825号および同第5,545,806号(その各々が全ての目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される)を参照のこと)。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリーで産生することもできる(HoogenboomおよびWinter,J.Mol.Biol.,227:381(1992);Marksら,J.Mol.Biol.222:581(1991)。ColeらおよびBoernerらの技術はまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用可能である(Coleら,Monoclonal AntibodiesおよびCancer Therap,Alan R.Liss,p.77(1985)およびBoernerら,J.Immunol.,147(1):86〜95(1991))。
【0128】
組み換えヒト抗体はまた、インビトロ変異誘発(または、ヒトIg配列についてトランスジェニックな動物を用いる場合、インビボ体細胞変異)に供され得、従って、組み換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列のVHおよびVL配列に関連するアミノ酸配列に由来するが、インビボではヒト抗体の生殖系列レパートリー内には天然には存在し得ない配列である。
【0129】
特定の実施形態では、当業者は、ヒト以外の種由来の定常領域をヒト可変領域(単数または複数)とともにこのようなマウスで用いてキメラ抗体を産生することができる。
【0130】
(天然に存在する抗体構築物)
天然に存在する抗体構築物単位は代表的には、四量体を含む。各々のこのような四量体は代表的には、ポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成され、各々の対が1つの全長「軽(light)」鎖(代表的には約25kDaの分子量を有する)および1つの全長「重(heavy)」鎖(代表的には約50〜70kDaの分子量を有する)を有する。各々の軽鎖および重鎖のアミノ末端部分は代表的には、代表的には抗原認識を担う、約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を含む。各々の鎖のカルボキシ末端部分は代表的には、エフェクター機能を担う定常領域を規定する。ヒト軽鎖は代表的には、κ軽鎖およびλ軽鎖として分類される。重鎖は代表的には、μ、δ、γ、α、またはεとして分類され、そしてそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして抗体のアイソタイプを規定する。IgGは、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4が挙げられるがこれらに限定されないいくつかのサブクラスを有する。IgMは、IgM1およびIgM2が挙げられるがこれらに限定されないサブクラスを有する。IgAは同様に、IgA1およびIgA2が挙げられるがこれらに限定されないサブクラスに分割される。全長の軽鎖および重鎖内では、代表的には可変領域および定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、ここでこの重鎖はまた、約10以上のアミノ酸の「D」領域を含む。例えば、FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY,Ch.7,第2版(Paul,W.(編)),1989,Raven Press、N.Y.(全ての目的のためにその全体が参考として援用される))を参照のこと。各々の軽鎖/重鎖の対の可変領域は代表的には、抗体結合部位を形成する。
【0131】
可変領域は代表的には、相補性決定領域すなわちCDRとも呼ばれる、3つの超可変領域に連結された比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般的な構造を示す。各々の対の2つの鎖由来のCDRは代表的には、フレームワーク領域によってアライメントされ、これが特定のエピトープに結合し得る。N末端からC末端において、軽鎖可変領域および重鎖可変領域の両方は、代表的には、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各々のドメインに対するアミノ酸の割り当ては代表的には、免疫学的に重要なタンパク質のKabat配列(Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest)(1987および1991,National Institutes of Health,Bethesda,Md)またはChothiaおよびLesk,1987,J.Mol.Biol.196:901〜917;Chothiaら,1989,Nature 342:878〜883の定義に従っている。
【0132】
(二重特異性または二機能性の抗体)
二重特異性抗体または二機能性抗体は代表的には、2つの異なる重鎖/軽鎖の対および2つの異なる結合部位を有する人工的ハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、限定はしないが、ハイブリドーマの融合またはF(ab’)フラグメントの連結を含む種々の方法によって産生されてもよい。例えば、SongsivilaiおよびLachmann,1990 Clin.Exp.Immunol.79:315〜321;Kostelnyら,1992,J.Immunol.148:1547〜1553を参照のこと。
【0133】
(抗体の調製)
本発明は、ヒトNGFに結合する抗体を提供する。これらの抗体は、全長NGFまたはそのフラグメントを用いた免疫によって産生され得る。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体であっても、もしくはモノクローナル抗体であってもよく、そして/または組み換え抗体であってもよい。好ましい実施形態では、本発明の抗体は、例えば、ヒト抗体を産生し得るトランスジェニック動物の免疫によって調製されるヒト抗体である(例えば、国際特許出願公開WO93/12227を参照のこと)。
【0134】
本発明の抗NGF抗体の軽鎖および重鎖の可変領域の相補性決定領域(CDRs)は、同じ種または別の種由来のフレームワーク領域(FRs)に接合されてもよい。特定の実施形態では、抗NGF抗体の軽鎖および重鎖の可変領域のCDRsは、コンセンサスなヒトFRに接合されてもよい。コンセンサスなヒトFRを作製するために、いくつかのヒト重鎖または軽鎖のアミノ酸配列由来のFRをアライメントさせて、コンセンサスなアミノ酸配列を同定する。抗NGF抗体重鎖または軽鎖のFRは、異なる重鎖または軽鎖由来のFRで置換されてもよい。抗NGF抗体の重鎖および軽鎖のFRにおけるまれなアミノ酸は代表的には、置換されないが、残りのFRアミノ酸は置換されてもよい。まれなアミノ酸とは、FRにおいて通常はみいだされない位置にある特定のアミノ酸である。本発明の抗NGF抗体由来の移植された可変領域は、抗NGF抗体の定常領域とは異なる定常領域とともに用いられてもよい。あるいは、移植された可変領域は、単鎖Fv抗体の一部である。CDR移植は、任意の目的のために参考として本明細書に援用される、例えば、米国特許第6,180,370号、同第5,693,762号、同第5,693,761号、同第5,585,089号および同第5,530,101号に記載されている。
【0135】
本発明の抗体は好ましくは、マウスの抗体産生細胞に挿入されたヒト抗体産生遺伝子座の実質的な一部を有しており、そして内因性マウス抗体を産生するのにおいて異なるようにさらに操作されている、トランスジェニックマウスを用いて調製される。このようなマウスは、ヒト免疫グロブリン分子および抗体を産生可能であり、そしてマウスの免疫グロブリン分子および抗体を産生しないかまたはその実質的に少ない量を産生する。この結果を達成するために利用される技術は、本明細書に開示された特許、出願および引用文献に開示されている。好ましい実施形態では、当業者は、任意の目的のために参考として本明細書に援用される、国際特許出願公開番号WO98/24893に開示されるような方法を使用してもよい。任意の目的のために参考として本明細書に援用される、Mendezら,1997,Nature Genetics 15:146〜156も参照のこと。
【0136】
本発明のモノクローナル抗体(mAbs)は、従来のモノクローナル抗体方法論、例えば、KohlerおよびMilstein(1975,Nature 256:495)の標準的体細胞ハイブリダイゼーション技術を含む、種々の技術によって産生されてもよい。体細胞ハイブリダイゼーション手順が好ましいが、原則的には、モノクローナル抗体を産生するための他の技術(例えば、Bリンパ球のウイルスまたは発癌性形質転換)を使用することもできる。
【0137】
ハイブリドーマを調製するための好ましい動物系はマウスである。マウスにおけるハイブリドーマ産生はきわめてよく確立されており、そして免疫プロトコール、および融合のための免疫された脾細胞の単離のための技術は、当該分野で周知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)および融合手順はまた公知である。
【0138】
好ましい実施形態では、NGFに指向するヒトモノクローナル抗体は、マウス系ではなくヒト免疫系の一部を担持するトランスジェニックマウスを用いて生成され得る。これらのトランスジェニックマウスは、本明細書において「HuMab」マウスと呼ばれるが、これは、再配列されていないヒト重鎖(μおよびγ)およびκ軽鎖の免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子ミニ遺伝子座を、内因性μおよびκ鎖遺伝子座を不活性化する標的化変異とともに含む(Lonbergら,1994,Nature 368:856〜859)。従って、上記マウスは、マウスIgMまたはκの発現の低下を示し、そして免疫に応答して、導入されたヒト重鎖および軽鎖導入遺伝子は、クラスの切り替えおよび体細胞性の変異を受けて高い親和性のヒトIgG κモノクローナル抗体を産生する(Lonbergら,前出;LonbergおよびHuszar,1995,Intern.Rev.Immunol.13:65〜93;HardingおよびLonberg,1995,Ann.N.Y.Acad.Sci.764:536〜546)。HuMabマウスの調製は、その全ての内容全体が参考として本明細書に援用されている、Taylorら,1992,Nucleic Acids Res.20:6287〜6295;Chenら,1993,International Immunology 5:647〜656;Tuaillonら,1994,J.Immunol.152:2912〜2920;Lonbergら,1994,Nature 368:856〜859;Lonberg,1994,Handbook of Exp.Pharmacology 113:49〜101;Taylorら,1994,International Immunology 6:579〜591;LonbergおよびHuszar,1995,Intern.Rev.Immunol.13:65〜93;HardingおよびLonberg,1995,Ann.N.Y.Acad.Sci 764:536〜546;Fishwildら,1996,Nature Biotechnology 14:845〜851に詳細に記載されている。さらに、全てがLonbergおよびKayに対する、米国特許第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,789,650号;同第5,877,397号;同第5,661,016号;同第5,814,318号;同第5,874,299号および同第5,770,429号、ならびにその全ての開示全体が参考として本明細書に援用されている、1993年6月24日公開のSuraniらの米国特許第5,545,807号;1993年6月24日公開、国際特許出願公開番号WO93/1227;1992年12月23日公開WO92/22646;および1992年3月19日公開WO92/03918を参照のこと。あるいは、以下の実施例に記載されたHCo7、HCo12およびKMのトランスジェニックマウス株が、ヒト抗NGF抗体を産生するために用いられてもよい。
【0139】
本発明は、生物活性のヒトNGFポリペプチドに特異的であり、かつこれを中和するヒトモノクローナル抗体を提供する。また、NGFポリペプチドに高度に特異的であり、かつNGFポリペプチドに結合したとき、これを中和する、抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列も提供される。この高い特異性によって、抗ヒトNGFヒト抗体および同様の特異性を有するヒトモノクローナル抗体は、NGF関連性疾患のための免疫療法に有効になり得る。
【0140】
1態様では、本発明は、本明細書において提供される4D4抗体と同じエピトープまたは本質的に同じエピトープに結合する、単離されたヒト抗体を提供する。
【0141】
1態様では、本発明は、配列番号10、12、14、16、18、20、22、24および79〜130に示される少なくとも1つのアミノ酸を含む単離されたヒト抗体であって、高い親和性でNGFポリペプチドエピトープに結合し、かつNGFポリペプチド活性をアンタゴナイズする能力を有する抗体を提供する。好ましくは、これらの抗体は、本明細書に提供される4D4抗体と同じかまたは本質的に同じエピトープに結合する。
【0142】
好ましい実施形態では、上記単離されたヒト抗体は、1×10−9M以下という解離定数(K)でNGFポリペプチドに結合して、1×10−7M以下というIC50でインビトロ中和アッセイにおいてNGF誘導性生存を阻害する。さらに好ましい実施形態では、この単離されたヒト抗体は、1×10−10M以下という解離定数(K)でNGFポリペプチドに結合して、1×10−8M以下というIC50でインビトロ中和アッセイにおいてNGF誘導性生存を阻害する。さらにより好ましい実施形態では、この単離された抗NGFヒト抗体は、1×10−11M以下という解離定数(K)でヒトNGFポリペプチドに結合して、1×10−9M以下というIC50でインビトロ中和アッセイにおいてNGF誘導性生存を阻害する。前述の結合および中和基準を満たす抗ヒトNGFヒト抗体の例は本明細書に提供される。
【0143】
本発明の最も好ましい抗ヒトNGFヒト抗体は、本明細書において4D4と呼ばれ、そしてそれぞれ配列番号12および配列番号10に示されるようなVLポリペプチド配列およびVHポリペプチド配列を有する。4D4のVLおよびVHをコードするポリヌクレオチド配列は、それぞれ配列番号11および配列番号9に示される。本発明の抗ヒトNGFヒト抗体の特性は、実施例に詳細に開示される。特に著しいのは、NGFポリペプチドについての高い親和性、および本明細書に実証されるNGFポリペプチド活性をアンタゴナイズする高い能力である。
【0144】
抗ヒトNGFヒト抗体の解離定数(K)は、実施例9に一般的に記載されるような表面プラズモン共鳴によって決定され得る。一般には、表面プラズモン共鳴分析は、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor,Piscataway,NJ)を用いる表面プラズモン共鳴(SPR)によって、リガンド(バイオセンサーマトリックス上に固定された組み換えNGFポリペプチド)と分析物(溶液中の抗体)との間のリアルタイムの結合相互作用を測定する。表面プラズモン分析はまた、分析物(バイオセンサーマトリックス上の抗体)を固定して、リガンド(溶液中の組み換え体V)を呈することによっても行うことができる。抗ヒトNGFヒト抗体の解離定数(K)はまた、KinExA方法論を用いることによって決定され得る。本発明の特定の実施形態では、この抗体は、約10−8M〜10−12MのKでNGFに結合する。本明細書において用いる場合「K」という用語は、特定の抗体−抗原相互作用の解離定数を指すものとする。本発明の目的については、Kは、実施例9に示されるように決定した。
【0145】
好ましい実施形態では、本発明の抗体は、IgG1アイソタイプ、IgG2アイソタイプ、IgG3アイソタイプまたはIgG4アイソタイプの抗体である。好ましくはこの抗体はIgG3アイソタイプの抗体である。さらに好ましくは、この抗体は、IgG1アイソタイプの抗体である。最も好ましくはこの抗体は、IgG2アイソタイプの抗体である。他の実施形態では、本発明の抗体は、IgMアイソタイプ、IgAアイソタイプ、IgEアイソタイプまたはIgDアイソタイプの抗体である。本発明の好ましい実施形態では、この抗体は、ヒトκ軽鎖およびヒトIgG1重鎖、ヒトIgG2重鎖、ヒトIgG3重鎖またはヒトIgG4重鎖を含む。IgG1重鎖定常領域またはIgG2重鎖定常領域を含む本発明の抗体の発現は、以下の実施例に記載されている。特定の実施形態では、この抗体の可変領域は、IgG1アイソタイプ、IgG2アイソタイプ、IgG3アイソタイプまたはIgG4アイソタイプの定常領域以外の定常領域に連結される。特定の実施形態では、本発明の抗体は、哺乳動物細胞における発現のためにクローニングされている。
【0146】
特定の実施形態では、抗NGF抗体の重鎖および軽鎖に対する保存的改変(そしてヌクレオチドをコードする対応する改変)は、本明細書において開示される抗NGF抗体の特徴と類似の機能的および化学的特徴を有する抗NGF抗体を生成する。対照的に、抗NGF抗体の機能的および/または化学的特徴における実質的な改変は、(a)置換の領域における分子骨格の構造、例えばシートまたはらせん高次構造として、(b)標的部位における分子の変化もしくは疎水性、または(c)側鎖のバルク、の維持に対する効果が有意に異なる重鎖および軽鎖のアミノ酸配列の置換を選択することによって、達成され得る。
【0147】
例えば、「保存的アミノ酸置換(conservative amino acid substitution)」とは、その位置でのアミノ酸残基の極性または荷電に対して影響がほとんどないかまたは全くないような、天然ではない残基による天然のアミノ酸残基の置換を包含し得る。さらに、ポリペプチド中の任意の天然の残基はまた、「アラニンスキャニング変異誘発(alanine scanning mutagenesis)」について以前に記載されているとおり、アラニンで置換されてもよい。
【0148】
所望のアミノ酸置換(保存的であっても、または非保存的であっても)は、このような置換が所望される時点で当業者によって決定され得る。特定の実施形態において、アミノ酸置換を用いて、抗NGF抗体の重要な残基を同定すること、または本明細書に記載される抗NGF抗体の親和性を増大もしくは低下させることができる。
【0149】
周知のとおり、アミノ酸配列におけるわずかな変化、例えば、1つ、2〜3(a few)またはさらには数個のアミノ酸の欠失、付加または置換は、実質的に同一の特性を有する、もとのタンパク質の対立遺伝子型をもたらし得る。従って、本明細書に詳細に記載される抗体に加えて、他の「実質的に相同な(substantially homologous)」抗体は、当業者に周知の種々の組み換えDNA技術を利用して容易に設計および製造され得る。一般には、遺伝子の改変は、部位指向性変異誘発のような種々の周知の技術によって容易に達成され得る。従って、本発明は、本明細書に開示される抗NGFヒト抗体に実質的に類似の特徴を有する「改変体(variant)」または「変異体(mutant)」の抗NGFヒト抗体を企図する(例えば、その全てが参考として本明細書に援用されるWO00/56772を参照のこと)。従って、抗NGFヒト抗体に関して「改変体」または「変異体」という用語は、任意の結合分子(分子X)を意味し、ここでは(i)重鎖の超可変領域CDR1、CDR2およびCDR3または軽鎖の超可変領域CDR1、CDR2およびCDR3を全体としてとれば、それぞれ、配列番号14、配列番号18および配列番号22、または配列番号16、配列番号20および配列番号24に示される超可変領域に対して、少なくとも80%相同、好ましくは少なくとも90%相同、さらに好ましくは少なくとも95%相同であり、そして(ii)この改変体または変異体は、分子Xのフレームワーク領域と同一のフレームワーク領域を有する参照の抗NGFヒト抗体と同じ程度まで、ヒトNGFの活性を阻害し得る。
【0150】
通常は、抗NGFヒト抗体改変体は、重鎖および/または軽鎖のCDRであって、それを全体としてとった場合、それぞれ配列番号14、配列番号18および配列番号22、ならびに/または配列番号16、配列番号20および配列番号24に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約85%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約90%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約91%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約92%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約93%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約94%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約96%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約97%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約98%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有する、重鎖および/または軽鎖のCDRを有する。
【0151】
さらに好ましくは、抗NGFヒト抗体改変体は、軽鎖可変領域であって、それを全体としてとった場合、配列番号12、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号89、配列番号90もしくは配列番号91に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約81%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約83%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約84%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約85%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約86%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約87%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約88%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約89%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約91%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約92%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約93%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約94%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約96%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約97%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約98%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有する、軽鎖可変領域、ならびに/または重鎖可変領域であって、それを全体としてとった場合、配列番号10、配列番号81、配列番号83、配列番号85もしくは配列番号87に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約70%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約75%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約80%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約81%の配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約82%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約83%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約84%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約85%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約86%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約87%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約88%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約89%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約90%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約91%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約92%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約93%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約94%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約96%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約97%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約98%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有する、重鎖可変領域を有する。
【0152】
ポリヌクレオチドに関して「改変体(variant)」とは、本発明のポリヌクレオチド配列と少なくとも約75%の核酸配列同一性を有する核酸分子を指すものとする。通常は、ポリヌクレオチド改変体は、本明細書に開示される新規な核酸配列と少なくとも約75%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約80%の核酸配列同一性、なおより好ましくは少なくとも約81%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約83%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約84%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約87%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約90%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約93%の酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約94%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約96%の核酸酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約97%の核酸酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約98%の核酸酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有する。
【0153】
特定の実施形態では、本発明は、本明細書の実施例10および図5〜10に示されように、本発明の抗体に対してある割合の同一性を有する抗体、または本発明の重鎖可変領域、軽鎖可変領域、CDR1、CDR2もしくはCDR3領域に対してある割合の同一性を有する重鎖可変領域、軽鎖可変領域、CDR1、CDR2もしくはCDR3領域を含む抗体を提供する。
【0154】
特定の実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、重鎖と軽鎖とを含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの重鎖は、配列番号10に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは75%同一であるアミノ酸配列;配列番号81に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、80%、85%もしくは95%相同であるアミノ酸配列;配列番号83に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、80%、85%もしくは95%同一であるアミノ酸配列;配列番号85に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも75%、80%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号87に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、75%もしくは80%同一であるアミノ酸配列;配列番号79に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも56%同一であるアミノ酸配列、を含む重鎖可変領域を含む。
【0155】
特定の実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、重鎖と軽鎖とを含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの軽鎖は、配列番号12に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、75%、80%もしくは90%同一であるアミノ酸配列;配列番号80に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、85%もしくは90%同一であるアミノ酸配列;配列番号88に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、74%、90%もしくは94%同一であるアミノ酸配列;配列番号89に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、80%、85%もしくは87%同一であるアミノ酸配列;配列番号90に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、85%、90%もしくは94%同一であるアミノ酸配列;配列番号91に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、85%、90%、95%もしくは99%同一であるアミノ酸配列;配列番号82に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、80%、90%、95%もしくは96%同一であるアミノ酸配列;配列番号84に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、85%、90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列;あるいは配列番号86に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、85%、90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列、を含む軽鎖可変領域を含む。
【0156】
特定の実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、ヒト重鎖CDR1を含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの重鎖CDR1は、配列番号98、配列番号105、配列番号110もしくは配列番号22に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも40%もしくは60%同一であるアミノ酸配列である。
【0157】
他の実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、ヒト重鎖CDR2を含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの重鎖CDR2は、配列番号99に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%82%もしくは94%同一であるアミノ酸配列;配列番号106に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは76%同一であるアミノ酸配列;配列番号18に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも59%同一であるアミノ酸配列;配列番号117に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列;あるいは配列番号111に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、75%、もしくは80%同一であるアミノ酸配列である。
【0158】
さらに他の実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、ヒト軽鎖CDR1を含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこのCDR1は、配列番号101に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは80%同一であるアミノ酸配列;配列番号95に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%、75%、80%もしくは90%同一であるアミノ酸配列;配列番号119に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも75%、80%もしくは90%同一であるアミノ酸配列;配列番号122に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも75%、80%もしくは90%同一であるアミノ酸配列;または配列番号125に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列;配列番号24に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも75%、80%もしくは90%同一であるアミノ酸配列;配列番号107に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは80%同一であるアミノ酸配列;あるいは配列番号113に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは80%同一であるアミノ酸配列である。
【0159】
さらなる実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、ヒト軽鎖CDR2を含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこのCDR2は、配列番号102に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号96に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列;配列番号120に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列;配列番号123に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列;または配列番号126に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号129に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号20に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列;配列番号108に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号133に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列;あるいは配列番号114に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列である。
【0160】
他の実施形態では、本発明は、神経成長因子に特異的に結合し、ヒト軽鎖CDR3を含む単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこのCDR3は、配列番号103に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号97に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号121に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは78%同一であるアミノ酸配列;配列番号127に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは78%同一であるアミノ酸配列;配列番号130に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは78%同一であるアミノ酸配列;配列番号16に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは78%同一であるアミノ酸配列;配列番号109に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも70%もしくは85%同一であるアミノ酸配列;配列番号134に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも78%同一であるアミノ酸配列;あるいは配列番号115に示されるアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列である。
【0161】
4D4抗体重鎖および軽鎖の可変領域の配列は、それぞれ配列番号10および12に示される。しかし、多くの潜在的なCDR接触残基は、他のアミノ酸による置換の影響を受けやすく、そしてそれでも抗体が抗原に対する実質的な親和性を保持することを可能にしている。同様に、重鎖および軽鎖におけるCDRと接触していない多くのフレームワーク残基によって、ヒト抗体の親和性または非免疫原性の有意な損失なしに、ヒトコンサンサスアミノ酸での、他のヒト抗体の対応する位置からのアミノ酸の置換、または他のマウス抗体からのアミノ酸の置換が適応され得る。種々の別のアミノ酸の選択を用いて、親和性、特異性、非免疫原性、製造の容易さ、および他の所望の特性の種々の組み合わせを有する、開示された抗NGF抗体およびそのフラグメントのバージョンを生成することができる。
【0162】
別の実施形態では、本発明の抗体は、ハイブリドーマ細胞株以外の細胞株で発現されてもよい。これらの実施形態では、適切な哺乳動物宿主細胞の形質転換のために特定の抗体をコードする配列を用いてもよい。これらの実施形態によれば、米国特許第4,399,216号、同第4,912,040号、同第4,740,461号および同第4,959,455号(その全てが任意の目的のために参考として本明細書に援用される)に例示されているとおり、例えばウイルスへ(またはウイルスベクターへ)ポリヌクレオチドを組み込んで、このウイルス(またはベクター)によって宿主細胞を形質導入する方法、または当該分野で公知のトランスフェクション手順による方法、などを含む、宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための任意の公知の方法を用いて、形質転換を達成することができる。一般的に、用いられる形質転換手順は、形質転換されるべき宿主に依存し得る。哺乳動物細胞へ異種ポリヌクレオチドを導入するための方法は、当該分野で周知であり、そしてこれには、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈降、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームへのポリヌクレオチド(単数または複数)の封入、および核へのDNAの直接マイクロインジェクションが挙げられるがこれらに限定されない。
【0163】
本発明のNGF抗体の重鎖定常領域、重鎖可変領域、軽鎖定常領域、または軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする核酸分子は、標準的な連結技術を用いて適切な発現ベクター中に挿入される。好ましい実施形態では、抗NGF抗体重鎖または軽鎖の定常領域を、適切な可変領域のC末端に付加して、そして発現ベクター中に連結する。このベクターは代表的には、使用される特定の宿主細胞において機能的である(すなわち、このベクターは、遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現が生じ得るように宿主細胞の機構に適切である)ように選択される。発現ベクターの概説に関しては、METH.ENZ.185(Goeddel(編))1990,Academic Pressを参照のこと。
【0164】
代表的には、任意の宿主細胞において用いる発現ベクターは、プラスミド維持のため、ならびに内因性ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のための配列を含む。このような配列は総称的に、「隣接配列(flanking sequence)」と呼ばれ、特定の実施形態では、このような配列は代表的に、以下のヌクレオチド配列の1つ以上を含む:プロモーター、1つ以上のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナーおよびアクセプタースプライス部位を含む完全イントロン配列、ポリペプチド分泌のためのリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現されるべきポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、および選択可能なマーカーエレメント。これらの配列の各々は以下に考察される。
【0165】
必要に応じて、ベクターは、「タグ(tag)」コード配列、すなわち、抗NGF抗体ポリペプチドコード配列の5’末端または3’末端に位置するオリゴヌクレオチド分子を含んでもよい;このオリゴヌクレオチド配列は、ポリHis(例えば、hexaHis)、または別の「タグ」、例えばFLAG、HA(インフルエンザウイルス血球凝集素)、またはmyc(これについては、市販の抗体が存在する)をコードする。このタグは代表的には、ポリペプチドの発現の際にポリペプチドに融合され、そして宿主細胞からのNGF抗体のアフィニティ精製または検出のための手段として機能し得る。アフィニティ精製は、例えば、アフィニティマトリックスとしてタグに対する抗体を用いるカラムクロマトグラフィーによって達成され得る。必要に応じて、タグは、種々の手段によって、例えば、切断のために特定のペプチダーゼを用いる手段によって、精製された抗NGF抗体ポリペプチドから引き続いて除去されてもよい。
【0166】
隣接配列は、相同(すなわち、宿主細胞と同じ種および/または株由来)、異種(すなわち、宿主細胞種または株以外の種由来)、ハイブリッド(すなわち、2つ以上の供給源由来の隣接配列の組み合わせ)、合成または天然であってもよい。従って、隣接配列の供給源は、この隣接配列が機能的であり、宿主細胞の機構によって活性化され得る条件下では、任意の原核生物であっても、または真核生物であっても、任意の脊椎動物もしくは無脊椎動物であっても、または任意の植物であってもよい。
【0167】
本発明のベクターにおいて有用な隣接配列は、当該分野で周知の任意のいくつかの方法によって達成され得る。代表的には、本明細書において有用な隣接配列は、マッピングによって、および/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって以前に同定されており、従って適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて適切な組織供給源から単離可能である。ある場合には、隣接配列の全ヌクレオチド配列が公知であり得る。ここでは、隣接配列は、核酸合成またはクローニングのために本明細書において記載された方法を用いて合成され得る。
【0168】
隣接配列の全てが公知であるか一部のみが公知であるかにかかわらず、これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、ならびに/または適切なプローブ、例えば、同じもしくは別の種由来のオリゴヌクレオチドおよび/もしくは隣接配列フラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって、得ることができる。隣接配列が公知でない場合、隣接配列を含むDNAのフラグメントは、例えば、コード配列またはさらに別の遺伝子(単数または複数)を含み得る、DNAのさらに大きい小片から単離することができる。単離は、適切なDNAフラグメントを生成するための制限エンドヌクレアーゼ消化を行い、その後、アガロースゲル精製、Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィー(Chatsworth,CA)または当業者に公知の他の方法を用いて単離することによって、達成できる。この目的を達成するための適切な酵素の選択は、当業者に容易に明らかである。
【0169】
複製起点は代表的には、市販の原核生物発現ベクターの一部であり、この起点は宿主細胞においてベクターの増幅を補助する。選り抜きのベクターが複製起点の部位を含まない場合、既知の配列に基づいて化学的に合成して、ベクターに連結してもよい。例えば、プラスミドpBR322(New England Biolabs,Beverly,MA)由来の複製起点は、ほとんどのグラム陰性細菌に適切であり、種々のウイルス起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、またはポリオーマウイルス、例えば、HPVまたはBPV)は、哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。一般的に、複製起点の構成要素は、哺乳動物発現ベクターには必要ではない(例えば、SV40起点は、ウイルス初期プロモーターをも含むので、多くの場合単独で用いられる)。
【0170】
転写終結配列は代表的には、ポリペプチドコード領域の末端に対して3’側に位置して、転写を集結するように機能する。通常、原核生物細胞における転写終結配列は、G−Cリッチフラグメントであり、ポリT配列が続く。この配列はライブラリーから容易にクローニングされるかまたはベクターの一部として市販さえされているが、本明細書に記載の方法のような核酸合成の方法を用いて容易に合成することもできる。
【0171】
選択マーカー遺伝子は、選択性の培養培地において増殖される宿主細胞の生存および増殖に必要なタンパク質をコードする。代表的な選択マーカー遺伝子は、(a)原核生物宿主細胞については、抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、テトラサイクリンもしくはカナマイシンに対する耐性を付与するか;(b)細胞の栄養要求性欠損を補完するか;あるいは(c)複合培地または規定の培地から利用できない重要な栄養物を供給する、タンパク質をコードする。好ましい選択マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子およびテトラマイシン耐性遺伝子である。有利なことに、ネオマイシン耐性遺伝子もまた、原核生物および真核生物の宿主細胞の両方における選択のために用いることができる。
【0172】
発現される遺伝子を増幅するために、他の選択遺伝子が用いられてもよい。増幅とは、増殖または細胞の生存に重要なタンパク質の産生に必要な遺伝子が、組み換え細胞の連続的世代の染色体内において縦列で反復されているプロセスである。哺乳動物細胞のための適切な選択マーカーの例としては、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子およびプロモーターなしのチミジンキナーゼ遺伝子が挙げられる。ベクターに存在する選択遺伝子によって形質転換体のみが生存するように固有に適合されるという選択圧力下に、哺乳動物細胞形質転換体を置く。選択圧力は、培地中の選択因子の濃度が連続的に増大される条件下で形質転換細胞を培養することによって付与され、これによって、選択可能遺伝子と、別の遺伝子(例えばNGFポリペプチドに結合する抗体)をコードするDNAとの両方の増幅がもたらされる。結果として、抗NGF抗体のようなポリペプチドの増大した量は、増幅されたDNAから合成される。
【0173】
リボソーム結合部位は通常、mRNAの翻訳開始に必要であり、シャイン・ダルガーノ(Shine−Dalgarno)配列(原核生物)またはKozak配列(真核生物)によって特徴付けられる。このエレメントは代表的には、プロモーターの3’側および発現されるべきポリペプチドのコード配列の5’側に位置する。
【0174】
真核生物の宿主細胞発現系においてグリコシル化が所望される場合のような、ある場合には、グリコシル化または収率を改善するために種々のプレ配列またはプロ配列を操作してもよい。例えば、特定のシグナルペプチドのペプチダーゼ切断部位を変更してもよいし、またはグリコシル化に影響し得るプロ配列を付加してもよい。最終タンパク質産物は、(成熟タンパク質の第一アミノ酸に対して)−1位に、発現に付随する1つ以上のさらなるアミノ酸を有してもよく、これは完全に取り除かれていなくてもよい。例えば、最終タンパク質産物は、アミノ末端に結合されたペプチダーゼ切断部位に見出される1つまたは2つのアミノ酸残基を有してもよい。あるいは、酵素が成熟ポリペプチド内のこのような領域で切断する場合、いくつかの酵素切断部位の使用によって、所望のポリペプチドのわずかに短縮された形態が生じ得る。
【0175】
本発明の発現ベクターおよびクローニングベクターは代表的には、宿主生物によって認識され、かつ抗NGF抗体をコードする分子に作動可能に連結されているプロモーターを含む。プロモーターは、その構造遺伝子の転写を制御する構造遺伝子の開始コドンに対して上流(すなわち、5’側)(一般的には約100〜1000bp内)に位置する非転写配列である。プロモーターは以下の2つのクラスのうちの1つに慣用的に分類される:誘導性プロモーターおよび構成的プロモーター。誘導性プロモーターは、栄養物の有無または温度の変化のような培養条件におけるいくつかの変化に応答して、それらの制御下でDNAから増大したレベルの転写を開始する。他方、構成的プロモーターは、それらが作動可能に連結されている遺伝子を均一に転写し、すなわち、遺伝子発現に対する制御はほとんどないかまたは全くない。種々の潜在的な宿主細胞によって認識される多数のプロモーターは周知である。適切なプロモーターは、制限酵素消化によって供給源のDNAからプロモーターを除去して、そしてこのベクターに所望のプロモーター配列を挿入することによって、本発明の抗NGF抗体を含む重鎖または軽鎖をコードするDNAに作動可能に連結される。
【0176】
酵母宿主との使用に適切なプロモーターもまた、当該分野で周知である。酵母エンハンサーは、酵母プロモーターとともに有利に用いられる。哺乳動物宿主細胞とともに使用するための適切なプロモーターは周知であり、そしてウイルス、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)のゲノムから得られたプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な哺乳動物プロモーターとしては、異種哺乳動物プロモーター、例えば、熱ショックプロモーターおよびアクチンプロモーターが挙げられる。
【0177】
該当し得るさらなるプロモーターとしては、限定はしないが以下が挙げられる:SV40初期プロモーター(BernoistおよびChambon,1981,Nature 290:304〜10);CMVプロモーター(Thomsenら,1984,Proc.Natl.Acad.USA 81:659〜663);ラウス肉腫ウイルスの3’長末端反復配列に含まれるプロモーター(Yamamotoら,1980,Cell 22:787〜97);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:1444〜45);メタロチオネイン遺伝子由来のプロモーターおよび調節配列(Brinsterら,1982,Nature 296:39〜42);ならびに原核生物プロモーター、例えば、βラクタマーゼプロモーター(Villa−Kamaroffら,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,75:3727〜31);またはtacプロモーター(DeBoerら,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,80:21〜25)。また目的のものは、組織特異性を示して、トランスジェニック動物において利用されている、以下の動物転写制御領域である:膵臓の腺房細胞において活性であるエラスターゼI遺伝子制御領域(Swiftら,1984,Cell 38:639〜46;Ornitzら,1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399〜409(1986);MacDonald,1987,Hepatology 7:425〜515);膵臓β細胞において活性なインスリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nature 315:115〜22);リンパ系細胞において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedlら,1984,Cell 38:647〜58;Adamesら,1985,Nature 318:533〜38;Alexanderら,1987,Mol.Cell.Biol.,7:1436〜44);精巣、乳房、リンパ系細胞および肥満細胞において活性なマウス哺乳動物腫瘍ウイルス制御領域(Lederら,1986,Cell 45:485〜95);肝臓で活性なアルブミン遺伝子制御領域(Pinkertら,1987,Genes and Devel.1:268〜76);肝臓において活性なαフェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlaufら,1985,Mol.Cell.Biol.,5:1639〜48;Hammerら,1987,Science 235:53〜58);肝臓において活性なα1−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelseyら,1987,Genes and Devel.1:161〜71);骨髄性細胞において活性なβグロビン遺伝子制御領域(Mogramら,1985,Nature 315:338〜40;Kolliasら,1986,Cell 46:89〜94);脳におけるオリゴデンドログリア(乏突起膠細胞)において活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readheadら,1987,Cell 48:703〜12);骨格筋において活性であるミオシン軽鎖2遺伝子制御領域(Sani,1985,Nature 314:283〜86);ならびに視床下部で活性な生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(Masonら,1986,Science 234:1372〜78)。
【0178】
エンハンサー配列をベクターに挿入して、高等な真核生物によって本発明の抗NGF抗体を含む軽鎖または重鎖をコードするDNAの転写を増大し得る。エンハンサーは、プロモーター上で転写を増大するように働く、通常約10〜300bp長のDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーは比較的、方向および位置に依存し、転写単位の5’および3’の両方の位置で見出されている。哺乳動物遺伝子から利用可能ないくつかのエンハンサー配列は公知である(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、αフェトプロテインおよびインスリン)。しかし、代表的には、ウイルス由来のエンハンサーを用いる。当該分野で公知のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーは、真核生物プロモーターの活性化のための例示的な増強エレメントである。エンハンサーは、ベクター中でコード配列の5’または3’のいずれに位置してもよいが、代表的にはプロモーターから5’部位に位置する。
【0179】
本発明の発現ベクターは、市販のベクターなどの開始ベクターから構築されてもよい。このようなベクターは、所望の隣接配列の全てを含んでも含まなくてもよい。本明細書に記載される隣接配列の1つ以上は既にはベクターに存在しないが、その隣接配列を個々に入手してベクターに連結してもよい。隣接配列の各々を得るために用いた方法は、当業者に周知である。
【0180】
ベクターが構築され、そして軽鎖、重鎖、または抗NGF抗体を含む軽鎖および重鎖をコードする核酸分子がこのベクターの適切な部位に挿入された後、この完成したベクターを増幅および/またはポリペプチド発現のために適切な宿主細胞中に挿入してもよい。選択された宿主細胞への抗NGF抗体についての発現ベクターの形質転換は、トランスフェクション、感染、リン酸カルシウム共沈殿、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、DEAEデキストラン媒介性トランスフェクション、または他の公知の技術を含む周知の方法によって達成され得る。選択される方法は、一部は、用いられる宿主細胞のタイプに依存する。これらの方法および他の適切な方法は、当業者に周知であり、そして例えば、Sambrookら(前出)に記載されている。
【0181】
宿主細胞は、適切な条件下で培養された場合、抗NGF抗体を合成し、この抗体は引き続いて、培養培地から(宿主細胞が培地中にこの抗体を分泌する場合)、またはこの抗体を産生する宿主細胞から直接(この抗体が分泌されない場合)、収集できる。適切な宿主細胞の選択は、種々の要因、例えば、所望の発現レベル、活性のために所望されるかまたは必要であるポリペプチド改変(例えば、グリコシル化またはリン酸化)および生物学的に活性な分子への折り畳みの容易さに依存する。
【0182】
発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該分野で周知であり、そしてこれには、限定はしないが、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な不死化細胞株が挙げられ、これには限定はしないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ハムスター仔の腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)および多数の他の細胞株が挙げられる。特定の実施形態では、どの細胞株が高い発現レベルを有し、NGF結合特性を有する抗体を構成的に生成するかを決定することを通じて、細胞株を選択することができる。別の実施形態では、それ自体の抗体を生成しないが、異種の抗体を作製および分泌する能力を有するB細胞系列由来の細胞株を選択することができる。
【0183】
本発明の抗体は、生物学的サンプル中のNGFを決定するため、およびNGFタンパク質を産生する細胞または組織の同定のために、有用である。NGFに特異的に結合する本発明の抗体は、NGF媒介性疾患の治療において有用であり得る。このような抗体は、NGFを検出するため、およびNGFがNGFレセプターとの複合体を形成することを阻害するための結合アッセイにおいて用いられ得る。NGFに結合して、他の結合化合物との相互作用をブロックするこのような抗体は、NGF媒介性疾患を調節することにおいて治療的な用途を有し得る。好ましい実施形態では、NGFに対する抗体は、そのレセプターに対するNGF結合をブロックし得、これによってNGF誘導性シグナル伝達カスケードの破壊を生じ得る。
【0184】
本発明はまた、本明細書に開示される障害または状態のいずれか1つのような、患者における、NGFの発現増大、またはNGFに対する感度の増大によって生じる疼痛性の障害または状態の処置のための薬物の製造における本発明の1つ以上の抗体の使用に関する。
【0185】
好ましい実施形態では、本発明は、薬学的組成物であって、治療有効量の1つまたは複数の本発明の抗体を、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリア、可溶化剤、乳化剤、防腐剤および/またはアジュバントとともに含む薬学的組成物を提供する。好ましくは、受容可能な処方物質は、使用される投薬量および濃度において、レシピエントに対して非毒性である。好ましい実施形態では、治療有効量の抗NGF抗体を含む薬学的組成物が提供される。
【0186】
特定の実施形態では、受容可能な処方物質は好ましくは、使用される投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性である。
【0187】
特定の実施形態では、上記薬学的組成物は、例えば、pH、浸透圧、粘度、清澄度、色調、等張性、臭気、無菌性、安定性、分解もしくは放出の速度、組成物の吸着もしくは浸透を、改変、維持または保存するための処方物質を含んでもよい。このような実施形態では、適切な処方物質としては、限定はしないが、アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジン);抗菌剤;抗酸化剤(例えば、アルコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウム);緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、炭酸水素塩、Tris−HCl、クエン酸、リン酸または他の有機酸);バルク剤(例えば、マンニトールまたはグリシン);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));錯化剤(例えば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、βシクロデキストリンまたはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン);賦形剤(filler);単糖類;二糖類;ならびに他の糖類(例えば、グルコース、マンノースまたはデキストリン);タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);着色剤、香味料および希釈剤;乳化剤;親水性のポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(例えば、ナトリウム);防腐剤(例えば、塩化ベンズアルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸または過酸化水素);溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール);懸濁剤;界面活性剤または湿潤剤(例えば、プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール);安定性強化剤(例えば、スクロースまたはソルビタール);等張化剤(例えば、ハロゲン化アルカリ金属、好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトールソルビトール);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤(excipient)および/または薬学的アジュバントが挙げられる。REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,18th Edition,(A.R.Gennaro(編)),1990,Mack Publishing Companyを参照のこと。
【0188】
特定の実施形態では、最適の薬学的組成物は、例えば、意図される投与経路、送達様式および所望の投薬量に依存して、当業者によって決定される。例えば、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,前出を参照のこと。特定の実施形態では、このような組成物は、本発明の抗体の物理的状態、安定性、インビボでの放出の速度、およびインビボでのクリアランスの速度に影響し得る。
【0189】
特定の実施形態では、薬学的組成物における主なビヒクルまたはキャリアは、現実には水性であっても非水性であってもよい。例えば、適切なビヒクルまたはキャリアは、非経口投与のための組成物中に共通の他の物質で補充された可能性がある、注射用水、生理学的生理食塩水または人工的な脳脊髄液であってもよい。中性の緩衝化生理食塩水、または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらに例示的なビヒクルである。好ましい実施形態では、本発明の薬学的組成物は、約pH7.0〜8.5のTris緩衝液、または約pH4.0〜5.5の酢酸塩緩衝液を含み、そしてさらにソルビトール、スクロース、Tween−20および/またはその適切な代替物を含んでもよい。本発明の特定の実施形態では、抗NGF抗体組成物は、所望の程度の純度を有する選択された組成物を最適の処方剤(REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES、前出)とともに、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態で混合することによって貯蔵のために調製され得る。さらに、特定の実施形態では、抗NGF抗体産物は、スクロースのような適切な賦形剤を用いて凍結乾燥剤として処方されてもよい。
【0190】
本発明の薬学的組成物は、非経口送達のために選択され得る。あるいは、この組成物は、吸入のために、または経口のような消化管を通じた送達のために選択され得る。このような薬学的に受容可能な組成物の調製は、当該分野の技術の範囲内である。
【0191】
処方成分は、投与の部位に受容可能な濃度で存在することが好ましい。特定の実施形態では、緩衝剤を用いて、この組成物を生理学的なpHで、またはわずかに低いpHで、代表的には約5〜約8のpH範囲内で維持する。
【0192】
非経口的投与を考慮する場合、本発明における使用のための治療組成物は、所望の抗NGF抗体を薬学的に受容可能なビヒクル中に含む、発熱物質なしの、非経口的に受容可能な水溶液の形態で提供されてもよい。非経口注射のために特に適切なビヒクルは滅菌蒸留水であり、この滅菌蒸留水中に、抗NGF抗体が、適切に保存された無菌の等張性溶液として処方されている。特定の実施形態では、この調製物は、デポ注射を介して送達できる産物の制御放出または徐放性放出を提供し得る、ある因子、例えば、注射用マイクロスフェア、生分解性(bio−erodible)粒子、ポリマー化合物(例えば、ポリ酪酸またはポリグリコール酸)、ビーズまたはリポソームとともに、所望の分子の処方物を含んでもよい。特定の実施形態では、循環中の持続期間を延長する効果を有する、ヒアルロン酸も用いることができる。特定の実施形態では、移植可能な薬物送達デバイスを用いて、所望の抗体分子を導入することができる。
【0193】
本発明の薬学的組成物は、吸入のために処方され得る。これらの実施形態では、抗NGF抗体は、乾燥した吸入可能な粉末として有利に処方される。好ましい実施形態では、抗NGF抗体吸入溶液はまた、エアロゾル送達のための噴霧剤とともに処方されてもよい。特定の実施形態では、溶液は噴霧され得る。従って、肺投与および処方の方法はさらに、参考として援用されており、化学的に修飾されたタンパク質の肺送達を記載する、国際特許出願番号PCT/US94/001875に記載されている。
【0194】
処方物は経口的に投与できることも意図される。この様式で投与される抗NGF抗体は、錠剤およびカプセルのような固体投薬形態の配合に習慣的に用いられるキャリアと一緒に、またはそのキャリアなしで、処方され得る。特定の実施形態では、カプセルは、バイオアベイラビリティーが最大化されて予備的な全身性の分解が最小化される場合、腸管におけるポイントでこの処方物の活性部位を遊離するように設計され得る。抗NGF抗体の吸着を促進するためにさらなる因子が含まれてもよい。希釈剤、香味料、低融点ワックス、植物油、潤滑剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤および結合因子も使用され得る。
【0195】
本発明の薬学的組成物は好ましくは、1または複数の抗NGF抗体の有効量を、錠剤の製造に適切な非毒性賦形剤と混合して含んで提供される。滅菌水、または別の適切なビヒクルに錠剤を溶解することによって、単位用量形態で溶液を調製し得る。適切な賦形剤としては、限定はしないが、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムまたは重炭酸塩、ラクトースもしくはリン酸カルシウム;または結合因子、例えばデンプン、ゼラチンもしくはアカシア;または潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、もしくは滑石が挙げられる。
【0196】
さらなる薬学的組成物は、当業者には明白であり、これには、持続送達または徐放性送達の処方物中に抗NGF抗体を含む処方物が挙げられる。種々の他の持続送達または徐放性送達の手段、例えば、リポソームキャリア、生分解性微粒子または多孔性ビーズおよびデポ注射剤を処方するための技術も当業者には公知である。例えば、参考として援用されており、薬学的組成物の送達のための多孔性ポリマー微粒子の徐放性放出を記載している、国際特許出願番号PCT/US93/00829を参照のこと。持続放出調製物は、成形された物質の形態で、半透過性ポリマー物質、例えばフィルムまたはマイクロカプセルを含んでもよい。持続放出マトリックスは、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリアクチド(参考として各々が援用される、米国特許第3,773,919号および欧州特許出願公開番号EP058481に開示される)、Lグルタミン酸とγエチル−L−グルタメートとのコポリマー(Sidmanら,1983,Biopolymers 22:547〜556)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Langerら,1981,J.Biomed.Mater.Res.15:167〜277およびLanger,1982,Chem.Tech.12:98〜105)、エチレン酢酸ビニル(Langerら,前出)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許出願公開番号EP133,988)を含んでもよい。持続放出組成物はまた、当該分野で公知の任意のいくつかの方法によって調製され得るリポソームを含んでもよい。例えば、Eppsteinら,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688〜3692;参考として援用される、欧州特許出願公開番号EP036,676;EP088,046およびEP143,949を参照のこと。
【0197】
インビボ投与のために用いられる薬学的組成物は代表的には、滅菌調製物として提供される。滅菌は、滅菌濾過膜を通した濾過によって達成され得る。組成物が凍結乾燥される場合、この方法を用いる滅菌は、凍結乾燥および再構成の前または後のいずれに行われてもよい。非経口的な投与のための組成物は、凍結乾燥形または溶液として保存されてもよい。非経口的な組成物は一般には、無菌アクセスポートを有する容器、例えば静脈内溶液バッグ、または皮下注射針によって穿通可能な栓を有するバイアルに入れられる。
【0198】
一旦薬学的組成物が処方されると、この薬学的組成物は、滅菌バイアル中に、溶液、懸濁物、ゲル、エマルジョン、固体として、または脱水もしくは凍結乾燥された粉末として貯蔵されていてもよい。このような処方物は、レディー・ツー・ユース(ready−to−use)の形態、または投与の前に再構成される形態(例えば、凍結乾燥された形態)のいずれで貯蔵されてもよい。
【0199】
本発明はまた、単回用量投与単位を生成するためのキットを提供する。本発明のキットは各々が、所望のタンパク質を有する第一の容器、および水性処方物を有する第二の容器の両方を備え得る。本発明の特定の実施形態では、単一および複数のチャンバを有する事前充填(プレフィルド)シリンジ(例えば、液体シリンジおよびライオシリンジ(lyosyringe))を備えるキットが提供される。
【0200】
治療上使用されるべき、有効な量の抗NGF抗体を含有する薬学的組成物は、例えば、治療の状況および目的に依存する。治療のために適切な投薬レベルは部分的には、送達される分子、抗NGF抗体が用いられている徴候、投与経路、ならびに患者の大きさ(体重、体表面または器官サイズ)および/または状態(年齢および全身健康状態)に依存して変化することが当業者には理解される。特定の実施形態では、最適の治療効果を得るために、臨床医が投薬量を設定して、投与経路を改変してもよい。代表的な投薬量は、上述の要因に依存して、約0.1μg/kg〜約30mg/kg以上までに及んでもよい。好ましい実施形態では、投薬量は0.1μg/kg〜約30mg/kg、より好ましくは1μg/kg〜約30mg/kg;またはそれより好ましくは5μg/kg〜約30mg/kgにおよんでもよい。
【0201】
投与頻度は、用いられる処方物中の特定の抗NGF抗体の薬物動態的パラメーターに依存する。代表的には、所望の効果を達成する投薬量が得られるまで、臨床医はこの組成物を投与する。従って、この組成物は単回用量として、または2回以上の用量(これは同じ量の所望の分子を含んでも含まなくてもよい)として経時的に、または移植デバイスもしくはカテーテルを介した連続注入として、投与されてもよい。適切な投薬量のさらなる工夫は当業者によって慣用的に行われ、そして当業者によって慣用的に行われる課題の範囲内である。適切な投薬量は、適切な用量応答データの使用を通じて得ることができる。特定の実施形態では、本発明の抗体は、長期間にわたって患者に投与されてもよい。本発明の抗体の慢性投与によって、非ヒト動物においてヒト抗原に対して惹起された抗体、例えば、ヒト以外の種で産生された不完全ヒト抗体に一般に関連する有害な免疫応答またはアレルギー応答が最小化される。
【0202】
薬学的組成物の投与経路は、持続放出システムによるかまたは移植デバイスによる、公知の方法、例えば、経口、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内または病巣内の経路による注射を通じた公知の方法に従う。特定の実施形態では、組成物は、ボーラス注射によって投与されても、もしくは注入によって連続的に投与されても、または移植デバイスによって投与されてもよい。
【0203】
この組成物はまた、所望の分子がその上に吸着されるかまたは封入されている、膜、スポンジまたは別の適切な物質の移植によって局所投与されてもよい。移植デバイスを用いる特定の実施形態では、デバイスは任意の適切な組織または器官に移植されてもよく、そして所望の分子の送達は、拡散、持続放出ボーラス、または連続的投与を介してもよい。
【0204】
本発明による抗NGF抗体の薬学的組成物をエキソビボで用いることもまた所望され得る。このような場合、患者から除去されている細胞、組織または器官を、抗NGF抗体の薬学的組成物に曝露して、その後に細胞、組織および/または器官を患者に引き続き移植して戻す。
【0205】
詳細には、抗NGF抗体は、本明細書において記載される方法のような方法を用いて、ポリペプチドを発現および分泌するように遺伝子操作されている特定の細胞を移植することによって送達できる。特定の実施形態では、このような細胞は、動物細胞であってもまたはヒト細胞であってもよく、そして自家性、非相同性または異種性であってもよい。特定の実施形態では、細胞は不死化されてもよい。他の実施形態では、免疫学的応答の機会を低下させるために、細胞は、周囲の組織の浸潤を回避するために封入されてもよい。さらなる実施形態では、封入物質は代表的には、タンパク質産物(単数または複数)の放出を可能にするが、患者の免疫系によるか、または周囲の組織からの他の有害な要因による、細胞の破壊を妨げる生体適合性、半透性のポリマー封入物または膜である。
【実施例】
【0206】
以下の実施例は、行った実験および得られた結果を含んでいるが、これは、例示目的のためにのみ提供しており、本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【0207】
(実施例1)
(E.coli細胞からのヒトNGFタンパク質の生成)
(rHu−NGF(1−120)のクローニング)
配列番号27および配列番号28に示される配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに標準的なPCR技術を用いてcDNAからヒトNGFをコードするヌクレオチド配列を増幅した。この5’プライマーは、成熟配列のコドン1(セリン)のすぐ前にNdeI制限部位およびメチオニン開始コドンを作成する。3’プライマーは、終止コドンの直前にBamHI制限部位を作成する。得られたPCR産物をゲル精製して、制限エンドヌクレーゼNdeIおよびBamHIで消化し、次いで、NdeIおよびBamHIで消化したベクターpCFM1656中に連結した。連結したDNAをE.coli株657のコンピテントな宿主細胞に形質転換した。組み換えタンパク質産物を生成する能力および正確なヌクレオチド配列(すなわち、配列番号29)を有するプラスミドを保有する能力について、クローンをスクリーニングした。組み換えヒトNGF1−120のアミノ酸配列は、配列番号30に示す。
【0208】
発現ベクターpCFM1656(ATCC#69576)を米国特許第4,710,473号に記載される発現ベクター系から誘導した。pCFM1656プラスミドは、(a)T4ポリメラーゼ酵素での末端充填その後の平滑末端ライゲーションによって2つの内因性NdeI制限部位を破壊して;(b)PLプロモーターを含むpCFM636(米国特許第4,710,473号)から得られた同様のフラグメントを用いて、合成Pプロモーターを含む固有のAatIIとClaI制限部位との間のDNA配列を置換して、次いで(c)配列番号31および配列番号32に示されるヌクレオチド配列を有する2つのプローブのアニーリングから得られたオリゴヌクレオチドを用いて、固有のClaI制限部位とKpnI制限部位との間の小さいDNA配列を置換することによって、記載されたpCFM836プラスミド(米国特許第4,710,473号)から誘導され得る。
【0209】
E.coli K12宿主株(Amgen株657)は、E.coli Genetic Stock Center,Yale University,New Haven,CT(CGSC株6159)から得られた、E coli W1485(K12株)の誘導体である。
【0210】
(rHu−NGF(1−120)の発現)
NGF発現構築物(上記のような)を含むE.coli細胞を、流加方式(fed−batch mode)でリッチな培地中で発酵させた。細胞は600nmでのODが49になるまで30℃で増殖させ、次いで42℃への温度変更によって誘導した。細胞を、誘導後4時間遠心分離することによって回収した。最終のODは75であった。発現収率は約0.15g/Lであることが確認された。
【0211】
(rHu−NGF(1−120)の再折り畳みおよび精製)
細胞ペーストをMicrofluidizer中で溶解して、10,000×gで30分間遠心分離し、ペレットを1%のデオキシコール酸で洗浄して、上記のように遠心分離して、次いで得られたペレットを冷水で洗浄して再遠心分離した。この得られたペレット(WIBs−洗浄された封入体)を、変性剤(8MグアニジンHCl、50mM Tris pH8.5(10mM DTT含有))中に再懸濁して、室温で1時間可溶化して、10,000×gで30分間遠心分離して、その上清を注意深くデカントし、次いで4℃の酸化還元対を含む水性緩衝液中に、5日間、25倍希釈した。次いで、この得られた再折り畳みをpH3.0にまで滴定して、0.45μMのフィルターを通して濾過した。標準的なNaCl勾配を用いるSp−Sepharose高速カラムを用いて、この再折り畳みを精製した。陽イオン交換カラムからのプールを引き続いて濃縮して、アリコートを−80℃で凍結させた。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって、このタンパク質の純度を評価し、そしてクマーシー・ブルー染色によって分析した。精製されたタンパク質は、この方法によって主要バンドが90%を超える純度であった。
【0212】
(実施例2)
(神経成長因子NGFに対するヒトモノクローナル抗体の産生)
(トランスジェニックHuMabおよびKMマウス)
NGFに対する完全ヒトモノクローナル抗体は、各々がヒト抗体遺伝子を発現する、トランスジェニックマウスのHCo7、HCo12、HCo7+HCo12、およびKM系統を用いて調製された。これらのマウス系統の各々において、内因性マウスκ軽鎖遺伝子は、Chenらに記載されたとおりホモ接合性に分裂されており(1993,EMBO J.12:811〜820)、そして内因性マウス重鎖遺伝子は、国際特許出願公開番号WO01/09187(参考として援用される)の実施例1に記載のようにホモ接合性に分裂されていた。これらのマウス系統の各々は、Fishwildら(1996,Nature Biotechnology 14:845〜851)に記載されているとおり、ヒトκ軽鎖導入遺伝子KCo5を担持する。HCo7系統は、米国特許第5,545,806号、同第5,625,825号および同第5,545,807号(参考として援用される)に記載のとおりHCo7ヒト重鎖導入遺伝子を担持する。HCo12株は、国際特許出願番号WO01/09187(参考として援用される)の実施例2に記載のとおりHCo12ヒト重鎖導入遺伝子を担持する。HCo7+HCo12系統は、HCo7およびHCo12の両方の重鎖導入遺伝子を担持し、そして各々の導入遺伝子について半接合性である。KMマウスは、Tomizukaら(1997,Nature Genet.16,133〜143および2000,Proc.Natl.Acad.Sci,97,722−727)に記載されるようにSC20重鎖導入遺伝子を含む。この導入遺伝子は、マウス染色体には組み込まれないが、代わりに独立した染色体フラグメントとして増殖される。このフラグメントは、約15MBのヒト第14染色体を含む。これは、ヒト重鎖遺伝子座全体を含み、これには全てのVH、DおよびJH遺伝子セグメントおよび全ての重鎖定常領域アイソタイプを含む。これらの株の全てが本明細書においてHuMabマウスと呼ばれる。
【0213】
(HuMab免疫:)
NGFに対する完全ヒトモノクローナル抗体を生成するため、HuMabマウスを、抗原としてE.coli細胞由来の精製組み換えヒトNGFを用いて免疫した(実施例1)。HuMabマウスの一般的な免疫スキームは、Lonbergらに記載されている(各々の教示が参考として援用されている、1994,Nature 368:856〜859;Fishwildら(前出)および国際特許出願公開番号WO98/24884)。マウスは、抗原の第一回の注入の際に6〜16週齢であった。NGF抗原の精製組み換え調製物(25〜100μg)を用いて、HuMabマウスを腹腔内(IP)または皮下(Sc)で免疫した。
【0214】
HuMabトランスジェニックマウスの免疫は、完全フロイントアジュバントおよび2つの注射物に含まれる抗原を用いて、続いて、不完全フロイントアジュバントに含まれる抗原を用いた、2〜4週のIP免疫(全部で9免疫まで)によって行った。数ダースのマウスを各々の抗原について免疫した。HCo7、HCo12、HCo7+HCo12およびKM系統の全部で118匹のマウスをNGF抗原で免疫した。免疫応答を後眼窩採血によってモニターした。
【0215】
ヒトNGFに結合する抗体を産生するHuMabマウスを選択するため、免疫したマウス由来の血清をFishwildら(前出)に記載されるとおりELISAによって試験した。要するに、マイクロタイタープレートを、E.coli由来の精製された組み換えNGF(実施例1)をPBS中に1〜2μL/mLで用いてコーティングして、50μL/ウェルで、4℃で一晩インキュベートし、次いで5%ニワトリ血清を含むPBS/Tween(0.05%)の200μL/ウェルを用いてブロックした。NGF免疫したマウスからの血漿の希釈物を、各々ウェルに添加して、周囲温度で1〜2時間インキュベートした。このプレートをPBS/Tweenを用いて洗浄して、次いで西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合体化したヤギ抗ヒトIgG Fc特異的ポリクローナル試薬とともに室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS/Tweenを用いて洗浄して、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合体化したヤギ抗ヒトIgG Fc特異的ポリクローナル試薬とともに室温で1時間インキュベートした。洗浄後、このプレートをABTS基質(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO,カタログ番号A−1888,0.22mg/mL)を用いて発色させて、415〜495nmの波長で光学密度(OD)を決定することによって分光光度的に分析した。抗NGFヒト免疫グロブリンの十分な力価を有するマウスを用いて下記のとおりモノクローナル抗体を産生した。
【0216】
(NGFに対するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの生成)
抗原を用いて静脈内にブースト(追加免疫)することによるモノクローナル抗体産生のためにマウスを準備して、2日後に屠殺し、その後に脾臓を取り出した。HuMabマウスからマウス脾臓を単離して、標準的なプロトコールを用いてPEGとともにマウス骨髄腫細胞株に融合した。代表的には、各々の抗原について10〜20の融合を行った。
【0217】
要するに、免疫されたマウス由来の脾臓リンパ球の単一細胞懸濁物を、50%PEG(Sigma)を用いてP3X63−Ag8.653非分泌マウス骨髄腫細胞(ATCC,登録番号CRL1580)の数の四分の一に融合した。細胞を平底マイクロタイタープレート中に約1×10/ウェルでプレートして、続いて10%ウシ胎仔血清、10%P388D1−(ATCC,登録番号CRL TIB−63)馴化培地、3〜5%origen(IGEN)を、DMEM(Mediatech,カタログ番号CRL10013、高いグルコース、Lグルタミンおよびピルビン酸ナトリウムを含む)、ならびに5mM HEPES、0.055mM 2−メルカプトエタノール、50mg/mLゲンタマイシンおよび1×HAT(Sigma,カタログ番号、CRL P−7185)を含有する選択培地中での約2週間のインキュベーションを続けた。1〜2週後、HATをHTに置き換えた培地中で細胞を培養した。
【0218】
得られたハイブリドーマを抗原特異的抗体の産生についてスクリーニングした。個々のウェルをELISA(上記)によって、ヒト抗NGFモノクローナルIgG抗体についてスクリーニングした。一旦、過剰のハイブリドーマ増殖が生じれば、通常10〜14日後に培地をモニターした。抗体分泌するハイブリドーマを再度プレートして、再度スクリーニングして、依然としてヒトIgGについて陽性である場合、抗NGFモノクローナル抗体を少なくとも2回、限界希釈によってサブクローニングした。次いで、安定なサブクローンをインビトロで培養して、特徴づけのために組織培養培地中で少量の抗体を生成させた。
【0219】
(NGFに結合するヒトモノクローナル抗体の選択)
上記のようなELISAアッセイを用いて、NGF免疫原と正の反応性を示したハイブリドーマをスクリーニングした。NGFに対して高い結合活性で結合するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマをサブクローニングしてさらに特徴付けた。液体窒素中に保持した5〜10バイアルの細胞バンクを作製するために、親細胞の反応性を保持している(ELISAによって決定した場合)、各々のハイブリドーマ由来の1つのクローンを選択した。
【0220】
アイソタイプ特異的ELISAを行って、本明細書に開示されたとおり産生したモノクローナル抗体のアイソタイプを決定した。これらの実験では、マイクロタイタープレートウェルを、PBS中のマウス抗ヒトκ軽鎖の溶液1μg/mLを1ウェルあたり50μLで用いてコーティングして、4℃で一晩インキュベートした。5%ニワトリ血清を用いたブロッキング後、このプレートを各々の試験したモノクローナル抗体由来の上清および精製されたアイソタイプコントロールと反応させた。プレートを周囲温度で1〜2時間インキュベートした。次いで、このウェルを種々のヒトIgG特異性西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗ヒトポリクローナル抗血清と反応させて、プレートを発色させ、上記のように分析した。
【0221】
ELISAによって検出した場合NGFに対する有意な結合を示したハイブリドーマ上清から精製したモノクローナル抗体をさらに、下記のような種々のバイオアッセイを用いて生物学的活性について試験した。
【0222】
(実施例3)
(強力なNGF中和活性を有する抗NGF抗体の選択およびクローニング)
NGF活性(すなわち、NGF「中和(neutralization)」)のインヒビターとして、実施例2で最初に同定された抗体の有効性は、各々の改変されたペプチドがバニロイドレセプター−1(VR1)発現のNGF誘導をブロックする能力を測定することによって評価した。
【0223】
(後根神経節神経細胞培養)
妊娠期の終末に麻酔したSprague−Dawleyラット(Charles River,Wilmington,MA)の子宮から外科的に取り出した、胚性の19日齢(E19)ラットの全ての脊髄セグメントから、後根神経節(DRG)を無菌条件下で1つずつ切り取った。5%熱不活化ウマ血清(GibcoBRL)を含む氷冷L−15培地(GibcoBRL、Grand Island,NY)中にDRGを収集して、疎性結合組織および血管を取り除いた。Ca2+およびMg2+なしのダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)、pH7.4(GibcoBRL)中で、DRGを2回リンスした。次いでパパイン解離系(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ)を用いて単独の細胞懸濁液中にDRGを解離させた。要するに、20U/mLのパパインをアール(Earle)の平衡塩溶液(EBSS)に含有する消化溶液中において37℃で50分間、DRGをインキュベートした。MEM/ハムF12、1:1、1mg/mLオボムコイドインヒビターおよび1mg/mLオボアルブミン、および0.005%デオキシリボヌクレアーゼI(DNase)から構成される解離培地中で、微細研磨したパスツールピペットを通した倍散によって細胞を解離させた。
【0224】
解離された細胞を5分間200×gでペレット化して、1mg/mLのオボムコイドインヒビター、1mg/mLのオボアルブミンおよび0.005%DNaseを含有するEBSS中で再懸濁した。細胞懸濁液は、10mg/mLのオボムコイドインヒビター、10mg/mLのオボアルブミンを含有する勾配溶液を通じて200×gで6分間遠心分離して、細胞細片を除去し、次いで88μmのナイロンメッシュ(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)を通じて濾過して、クランプを除去した。血球計算器を用いて細胞数を決定して、細胞を、ポリ−オルニチン100μg/mL(Sigma,St.Louis,MO)およびマウスラミニン1μg/mL(GibcoBRL)でコーティングした96ウェルプレート中に、完全培地中において、10×10細胞/ウェルで播種した。この完全培地は、最小基本培地(MEM)およびハムのF12、1:1、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)および10%熱不活性化ウシ血清(GibcoBRL)から構成された。この培養物を、37℃、5%COおよび100%の湿度で維持した。非ニューロン細胞の増殖を制御するために、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン(75μM)およびウリジン(180μM)を培地中に含んだ。
【0225】
(NGFおよび抗NGFでの処理)
プレートの2時間後、組み換えヒトβ―NGF(Amgen)または組み換えラットβ−NGF(R&D Systems,Minneapolis,MN)を10ng/mLの濃度(0.38nM)で用いて細胞を処理した。段階希釈した抗NGF抗体(R&D Systems)を含む陽性コントロールを各々の培養プレートに添加した。3.16倍の段階希釈を用いて10の濃度で試験抗体を添加した。全てのサンプルを完全培地中で希釈して、その後に培養物に添加した。インキュベーション時間はVR1発現の測定の前40時間であった。
【0226】
(DRGニューロンにおけるVR1発現の測定)
培養物をハンクスの平衡塩溶液に含まれる4%パラホルムアルデヒドで15分間固定して、Superblock(Pierce,Rockford,IL)でブロックして、0.25% Nonidet P−40(Sigma)を含有するTris−HCl(Sigma)緩衝化生理食塩水(TBS)を用いて1時間室温で透過化処理した。0.1%Tween 20(Sigma)含有TBSを用いて培養物を1回リンスして、ウサギ抗VR1 IgGを用いて、1時間半、室温でインキュベートして、続いてEu標識した抗ウサギ第二抗体(Wallac Oy,Turku,Finland)を室温で1時間インキュベーションした。TBSでの洗浄を(ゆっくり振盪しながら3×5分)各々の抗体インキュベーション後に行った。強化溶液(enhance solution)(150μL/ウェル,Wallac Oy)をこの培養物に添加した。次いで、蛍光シグナルを時間分解蛍光計(Wallac Oy)中で測定した。0〜1000ng/mLのNGF滴定の標準曲線と比較することによって、改変ペプチドで処理したサンプル中のVR1発現を決定した。DRGニューロンにおけるVR1発現に対するNGF効果の阻害パーセント(最大可能阻害に対して比較)は、NGF処理されていないコントロールと比較することによって決定した。結果を表2および表5に示す。
【0227】
細胞株は、#110〜#129と表示した。細胞株#119、#124および#125由来の抗体は、極度に強力なNGF中和活性を示した(図1)。#124細胞株は、4D4とも呼ばれる、平行細胞株であった。#119および#125細胞株は、4D4の親のサブクローンであった。ハイブリドーマ#124(4D4)を含むもとのウイルスからさらなるサンプルを増殖して、#167(4D4)と表示した。
【0228】
ハイブリドーマ#167(4D4)によって生成された抗体を、前のサンプルと同じDRGニューロンベースのNGF中和アッセイに供した。抗体#167(4D4)は、サンプル#119、#124および#125の活性と一致した、0.50nMというIC50を有する強力な抗NGF活性を示した(図2)。4つのサンプルの活性を表2に示す。
【0229】
【表2】

(N末端配列決定および質量分析)
タンパク質配列決定およびLC/MS分析のために、精製した抗NGFハイブリドーマ抗体サンプルを調製した。容積が15mL未満になるまで、Amicon centriprep−30を用いて培地を濃縮することによって、馴化培地から抗体を精製した。rProA(Pharmacia)樹脂のバッチを、PBSを用いて4回洗浄して、最終洗浄後、PBS中で50%スラリーを作製した。rProA樹脂の適切な量(樹脂1μLあたり約5μgの抗体、ただし少なくとも50μLの樹脂を用いる)を抗体サンプルに添加して、4℃で一晩インキュベートした。Ab−樹脂混合物を遠心分離して、未結合の画分を収集した。0.5mL PBSを添加して0.45μm Spin−X(CoStar)チューブに移した後、サンプルを10000rpmで3分間遠心分離した。樹脂を次に少なくとも3回、0.5mL PBSを用いて洗浄し、次いで0.1Mのグリシン(pH2.7)を1.5培容積の樹脂に添加して、室温で10分間インキュベートし、続いて3分間10000rpmでさらに遠心分離をし、上清を回収した。この溶出工程をさらに2回繰り返し、次いで合わせた上清を、1/25倍の容積の1.0M tris(pH9.2)で中和した。
【0230】
新しいSpin−Xチューブ(0.2μm)を通す最終濾過後、標準としてヒトIgG、あるいは、より大きいサンプルについては280の吸光度を用いる、標準Bradfordアッセイを用いて抗体を定量した。ゲルはまた、2μgの各々のサンプルと並行して2μgのヒトIgG1,k(Sigma)を用いて泳動させた。質量分析のために、4μgのサンプルを脱グリコシル化し、還元して、Finingan LCQ質量分析にオンライン連結したHPLC(HP1090)にロードした。逆相HPLCによって重鎖から軽鎖を分離した。軽鎖および重鎖をまた、N末端タンパク質配列決定分析のために収集した。
【0231】
抗NGF#167(4D4)抗体のサンプルの軽鎖および重鎖の両方のN末端配列が、抗NGF#119(4D4)抗体のサンプルの両方のN末端配列にマッチした。さらに、抗体の測定された質量によって、#167および#119ハイブリドーマからの単離された抗体が同じであったことが示された。抗NGF#167の軽鎖の測定された逆重畳質量(23096)は、抗NGF Ab#119の軽鎖の測定された質量(23096)にマッチした。
【0232】
(抗NGF抗体重鎖および軽鎖のクローニング)
最も強力なNGF結合モノクローナル抗体4D4.D7を発現するハイブリドーマを供給源として用い、TRIzol(登録商標)試薬(Invitrogen)を用いて総RNAを単離した。第一鎖のcDNAを、伸長アダプター(5’−GGC CGG ATA GGC CTC CAN NNN NNT−3’)(配列番号33)とともにランダムプライマーを用いて合成し、そして5’RACE(cDNA末端の迅速増幅)分取アッセイを、GeneRacerTMKit(Invitrogen)を用いて、製造業者の指示に従って行った。完全な軽鎖コードcDNAを調製するために、フォワードプライマーは、GeneRacerTMネスト化プライマーであって、リバースプライマーは5’−GGG GTC AGG CTG GAA CTG AGG−3’(配列番号34)であった。重鎖の可変領域をコードするcDNAを調製するために、フォワードプライマーはGeneRacerTMネスト化プライマーであって、リバースプライマーは5’−TGA GGA CGC TGA CCA CAC G−3’(配列番号35)であった。RACE産物をpCR4−TOPO(Invitrogen)中にクローニングして、その配列を決定した。コンセンサス配列を用いて全長抗体鎖PCR増幅のプライマーを設計した。
【0233】
抗NGF4D4.D7κ軽鎖をコードするcDNAを調製するために、5’PCRプライマーは、シグナル配列のアミノ末端、XbaI制限酵素部位、および最適化Kozak配列(5’−CAG CAG AAG CTT CTA GAC CAC CAT GGA CAT GAG GGT GCC CGC TCA GCT CCT GGG−3’;配列番号36)をコードした。3’プライマーは、カルボキシ末端および終止コドン、ならびにSalI制限部位(5’−CTT GTC GAC TCA ACA CTC TCC CCT GTT GAA GCT C−3’;配列番号37)をコードした。得られたPCR産物のフラグメントを精製して、XbaIおよびSalIを用いて消化し、次いでゲル単離して、哺乳動物発現ベクターpDSRα20に連結した(任意の目的のために参考として本明細書に援用される国際出願公開番号WO90/14363を参照のこと)。pDSRα20は、部位指向性変異誘発によって、pDSRa19において「Guanosine(グアノシン)」から「Adenosine(アデノシン)」へヌクレオチド2563を変化することによって産生した。
【0234】
抗NGF 4D4.D7重鎖をコードするcDNAを調製するため、5’PCRプライマーは、シグナル配列のアミノ末端、XbaI制限酵素部位、および最適化Kozak配列(5’−CAG CAG AAG CTT CTA GAC CAC CAT GGA GTT GGG GCT GTG CTG GGT TTT CCT TGT T−3’;配列番号38)をコードした。3’プライマーは、カルボキシル末端および末端コドン、ならびにSalI制限部位(5’−GCA TGT CGA CTC ATT TAC CCG GAG ACA GGG AGA G−3’;配列番号39)をコードした。得られた産物を精製して、XbaIおよびSalIを用いて消化し、ゲル単離して、pDSRα20ベクターに連結した。
【0235】
抗NGF Ab 4D4クローンの軽鎖のDNA配列のヌクレオチド配列を予測されるアミノ酸に翻訳すること、およびそのアミノ酸の分子量を計算することによって決定される、算出された質量(23099)は、質量分析によって決定される測定された質量にマッチした。抗NGF Ab#167の重鎖の測定された逆重畳質量(49479)は、装置偏差内で、抗NGF Ab#119の重鎖の測定された質量(49484)にマッチし、そしてまた抗NGF Ab 4D4クローンの重鎖のDNA配列の理論的質量(49484)にマッチした(表3)。
【0236】
N末端タンパク質配列およびLC/MSのデータによって、ハイブリドーマ#119がハイブリドーマ#167と同じ抗体を発現したことが確認された。さらに配列に基づく抗体の算出された質量によってさらにこの観察が確認された。
【0237】
【表3】

(実施例4)
(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における抗NGF抗体の発現)
リン酸カルシウム法を用いて、4D4−重鎖/pDSRα19 IgG2または4D4重鎖/pDSRα19 IgG1およびNGF−κ/pDSRα19プラスミドを、ジヒドロ葉酸還元酵素欠損(DHFR−)無血清適合チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中に同時トランスフェクションすることによって、4D4抗NGF mAbの安定な発現を得た。トランスフェクトされた細胞を、透析血清を含むが、ヒポキサンチン−チミジンを含まない培地中で選択して、DHFR酵素を発現する細胞の増殖を確保した。トランスフェクトされたクローンをELISAのようなアッセイを用いてスクリーニングして、馴化培地中で4D4抗NGF mAbの発現を検出した。最高の発現クローンを、DHFR増幅のためのメトトレキセート(MTX)の濃度増大に供した。MTX増幅したクローンをELISAのようなアッセイを用いてスクリーニングして、馴化培地中で4D4抗NGF mAbのさらに高い発現を検出した。最高の発現クローンをサブクローニングに供して、相同な集団および細胞バンクの作成を行った。
【0238】
本発明の組み換え抗NGF抗体は、抗NGFモノクローナル抗体について上記したプロトコルと同じプロトコルを用いて、DHFRの欠損したチャイニーズハムスター卵巣細胞において生成してもよい。本発明の各々の抗NGF抗体の完全重鎖または軽鎖をコードするDNA配列を発現ベクター中にクローニングする。CHOd−細胞を、適切な抗NGF抗体の完全重鎖を発現できる発現ベクターおよび完全軽鎖を発現できる発現ベクターを用いて、同時トランスフェクトする。例えば、抗NGF抗体を生成するために、配列番号40に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現できるベクターおよび配列番号44に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現できるベクターを用いて、細胞を同時トランスフェクトする。表4は、種々のIgG重鎖定常領域を有する4D4抗体についての完全重鎖および完全軽鎖をまとめる。
【0239】
【表4】

(実施例5)
(抗NGF 4D4抗体の活性の特徴付け)
スピナー(S)またはローラー(R)条件下で増殖した細胞で生成した、一過性に発現された抗NGF 4D4抗体を、上記(実施例3)のように行われる、DRGニューロンベースのNGF中和バイオアッセイにおいて、それらの抗体がNGFを中和する能力を確認するために試験した。
【0240】
NGF抗体は、293T細胞に適合した無血清懸濁液中で一過性に発現された。トランスフェクションを500mLまたは1Lの培養物のいずれかとして行った。要するに、細胞接種物(5.0×10細胞/mL×培養容積)を2,500RPMで、10分間4℃で遠心分離して、馴化培地を除いた。細胞は、無血清DMEM中で再懸濁して、再度2,500RPMで、10分間4℃で遠心分離した。洗浄溶液を吸引した後、1Lまたは3Lのスピナーフラスコ培養物において、細胞を増殖培地[DMEM/F12(3:1)+1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム補充+1×Pen Strep Glut+2mM L−グルタミン+20mM HEPES+0.01% プルロニック F68]中で再懸濁した。スピナーフラスコ培養物を、37℃および5%COで維持される湿潤インキュベーターに入れた125RPMの磁気撹拌プレート上で維持した。プラスミドDNAを50mL円錐管中のトランスフェクション試薬に複合化させた。DNA−トランスフェクション試薬複合物を無血清のDMEM中で最終培養容積の5%に調製した。培養物1mLあたり1μgのプラスミドDNAを最初に無血清DMEMに添加して、続いて培養物1mLあたり1μLのX−TremeGene RO−1539を添加した。この複合物を室温で約30分間インキュベートし、次いでスピナーフラスコ中の細胞に添加した。トランスフェクション/発現は、7日間で行い、その後、この馴化培地を4℃で60分間の4,000RPMでの遠心分離によって回収した。
【0241】
ローラーボトル一過性トランスフェクションのために、本発明者らは、293T接着細胞を増殖させて、5%FBS+1×非必須アミノ酸+1×Pen Strep Glut+1×ピルビン酸ナトリウムを補充したDMEM中で維持した。約4〜5×10個の293T細胞を、850cmのローラーボトル中で一晩、播種した。次いで、前に播種した細胞を、FuGene6トランスフェクション試薬を用いて翌日トランスフェクトした。DNA−トランスフェクション試薬混合物を、約6.75mLの無血清DMEM中で適切に調製した。675μL FuGene6トランスフェクション試薬を最初に添加して、続いて112.5μgのプラスミドDNAを添加した。この複合物を室温で30分間インキュベートした。次いで混合物全体をローラーボトル中に添加した。このローラーボトルを5%COガス混合物で満たし、緊密にキャップして、0.35RPMで回転するローラーラック上の37℃のインキュベーターにおいた。トランスフェクションを24時間行い、その後に培地を100mL DMEM+1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム補充+1×Pen Strep Glu+1×非必須アミノ酸+1×ピルビン酸ナトリウムで置換した。代表的には、2つの100mL 48時間ハーベストを各々のローラーボトルから得た。この回収された無血清馴化培地を一緒にプールして、4,000RPMで30分間4℃で遠心分離した。
【0242】
4D4.IgG1および4D4.IgG2の両方が、ヒトNGFに対して約0.14nM〜約0.2nMというIC50値を有する強力な活性を示した(図2)。活性アッセイの結果は表5にまとめる。この抗体は、ラットNGFに対してほとんど活性を示さなかった(図3)。この結果は、上記のハイブリドーマから直接試験された抗体の活性と似ている。
【0243】
【表5】

hNGF=ヒトNGF、rNGF=ラットNGF、R=ローラー培養、S=スピナー培養。
【0244】
(実施例6)
(抗NGF抗体の産生)
CHO細胞のクローン株における発現によって抗NGF抗体を産生する。各々の産生を行うために、単一のバイアル由来の細胞を無血清細胞培養培地中に溶かした。この細胞をTフラスコ中で最初に、続いてスピナーフラスコ中で増殖させて、次いで2000Lのバイオリアクターまで大規模化するステンレス鋼リアクター中で増殖させた。流加培養法を用いて2000Lのバイオリアクター中で産生を行い、この中に、濃縮された媒体成分を含む栄養源を加えて、細胞の増殖および培養生存度を維持する。産生は約2週間続き、この間に上記細胞によって抗NGF抗体を構成的に産生して、細胞培養培地に分泌させた。
【0245】
産生リアクターを予め決定したpH、温度および溶存酸素レベルで制御する:pHは二酸化炭素ガスおよび炭酸ナトリウムの添加によって制御する;溶存酸素は、空気、窒素および酸素のガスフローによって制御する。
【0246】
産生の終わりに、細胞ブロスをディスクスタック遠心分離に供して、培養上清を細胞から分離する。さらにこの濃縮物をデプスフィルター、続いて0.2μmのフィルターを通して清澄化する。次いで、清澄化した馴化培地を接線流の限外濾過によって濃縮する。馴化培地を15〜30倍に濃縮する。次いで、得られた濃縮された馴化培地を、精製によって処理するか、または後日精製するために凍結する。
【0247】
(実施例7)
(他のニューロトロフィンとの交差反応性)
ヒトNT3についてのDRGニューロン生存アッセイ、およびヒトBDNFについての培養されたDAニューロンにおけるDA取り込みのアッセイを含む種々のバイオアッセイにおいて、4D4抗体を、ヒトNT3またはヒトBDNFに対するその交差反応性について試験した。
【0248】
(NT3、抗NT3および抗NGF抗体でのDRG培養物の治療)
プレートの2時間後、DRG細胞(実施例3において上記された単離手順)を、組み換えhNT−3 100ng/mL(3.8nM)で処理した。連続希釈した抗hNT3抗体(R&D)を陽性コントロールとして用いた。未知(抗NGF Abサンプル)を、10ポイントの3.16倍連続希釈で種々の濃度で添加した。全てのサンプルを完全培地中で希釈して、その後に培養物に添加した。
【0249】
(DRGニューロンにおけるMAP2の測定)
培養物を4%パラホルムアルデヒドを含むハンクス平衡塩溶液を用いて15分間固定して、Superblock(Pierce)を用いて1時間ブロックし、0.25% Nonidet P−40(Sigma)を含有するTris−HCl(Sigma)緩衝化生理食塩水(TBS)を用いて1時間室温(RT)で透過化処理した。0.1%Tween20(Sigma)を含有するTBSで培養物を1回リンスして、マウス抗MAP2 IgG(Chemicon,Temecula,CA)とともに1.5時間室温でインキュベートし、続いてEu標識した抗マウス二次抗体(Wallac Oy,Turku,Finland)を室温で1時間インキュベーションした。TBSでの洗浄(おだやかに振盪しながら3×5分)を各々の抗体インキュベーション後に行った。強化溶液(150mL/ウェル、Wallac Oy)を培養物に添加して、次いで蛍光シグナルを時間分解蛍光光度計で測定した(Wallac Oy)。
【0250】
(胚性中脳培養)
胚性の19日齢(E19)Sprague−Dawleyラット(Jackson Labs)を用いた。ドーパミン作動性ニューロンについて富化された腹側中脳組織を取り出して、Ca++およびMg++を含まない、冷却したダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)、pH7.4(Gibco)に移した。組織フラグメントは、パパイン解離系(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ)を用いて単独の細胞懸濁液中に解離させた。要するに、組織フラグメントを、アールの平衡塩溶液(EBSS)中に20単位/mLのパパインを含有する消化溶液中において37℃で50分間インキュベートした。MEM/ハムF12、1:1、1mg/mLオボムコイドインヒビターおよび1mg/mLオボアルブミン、および0.005%デオキシリボヌクレアーゼI(DNase)から構成される解離培地中で、微細研磨したパスツールピペットを通した倍散によって細胞を解離させた。解離された細胞を5分間200×gでペレット化して、1mg/mLのオボムコイドインヒビター、1mg/mLのオボアルブミンおよび0.005%DNaseを含有するEBSS中に再懸濁した。細胞懸濁液は、10mg/mLのオボムコイドインヒビター、10mg/mLのオボアルブミンを含有する勾配溶液を通じて200×gで6分間遠心分離して、細胞細片を除去し;25μgNitexナイロンメッシュ(Tetko,Inc.)を通じて濾過して、クランプを除去した。この解離された細胞を、100,000/cmの密度で組織培養プレートにプレートした。このプレートは、前に記載のとおり(Louis JCら,J.Pharmacol.Exp.Ther.1992;262:1274〜1283)、ポリ−オルニチン100μg/mL(Sigma)およびマウスラミニン1μg/mL(Gibco BRL)で事前にコーティングした。この培養培地は、最小基本培地(MEM)/ハムのF12、1:1、12%ウマ血清(Gibco)、100μg/mLトランスフェリンおよび2.5μg/mLのインスリン(Sigma)から構成された。この培養物を、37℃、5%COおよび100%の湿度で6日間保持した。
【0251】
(BDNFおよび抗BDNFまたは抗NGFでの中脳培養物の治療)
プレートの2時間後、BDNFを10ng/mLで細胞に添加し、続いて連続濃度の抗NGF Abサンプルを添加した。抗BDNF抗体(Amgenで生成)を陽性コントロールとして用いた。
【0252】
(中脳ニューロンにおけるDA取り込み)
前に記載されたとおり(Friedman,L.およびMytilineou,C.Neuroscience Letters 1987;79:65〜72)、ドーパミン取り込みアッセイを行った。6日の時点で、5.6mMグルコース、1.3mM EDTAおよびモノアミンオキシダーゼインヒビターである0.5mMパージリンを含む、予め温めたクレブス−リンゲルリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて培養物を1回洗浄した。この培養物を50nM[H]DA(NEN)を含む取り込み緩衝液中において60分間37℃でインキュベートした。取り込み緩衝液を除去することによって取り込みを停止させて、培養物をクレブス−リンゲルリン酸緩衝液を用いて3回洗浄した。細胞を溶解して、この培養物に直接、液体シンチレーションカクテル、オプチクファーゼ・スーパーミックス(opticphase supermix)(Wallac)を添加することによって、[H]DAを放出させた。次いで、この細胞溶解物を、マイクロベータ−プラス液体シンチレーションカウンター(Wallac,Inc.)中で放射活性についてカウントした。取り込み緩衝液に対して、高親和性のDA取り込み部位の特異的なインヒビターである(Heikkila REおよびMazino L,European Journal of Pharmacology 1984;103:241〜8)0.5mM GBR12909を添加することによって低親和性のDA取り込みを評価して、総取り込み量から引いて高親和性DA取り込み値を得た。
【0253】
【表6】

(実施例8)
(抗NGF抗体のエピトープの同定)
(限定タンパク質分解によるエピトープマッピング)
5マイクログラム(μg)のNGFを4D4(11μg)とともに、0.1M Tris緩衝液pH7.5中で30分間、4℃でインキュベートした。次いで、この複合体をプロテアーゼ(サブチリシン)1μgを用いて37℃で1時間および2時間消化した。4D4抗体によって保護されたペプチドを見出すために、HPLCペプチドマップピングを互いに比較した。NGFの限定タンパク質分解によって、いくつかの主要なペプチドが最初にNGFから放出されたことが示された。なかでも特に重要なペプチドS18.3、S18.5およびS34.4が生成されて、タンパク質分解から抗体で保護された。他のピークは有意に形成も保護もされなかった。2つの実験由来の保護されたペプチド(1時間および2時間の消化)は、表7に示す。
【0254】
【表7】

保護のパーセンテージは、ペプチドピーク高さから算出した。S18.5は、2つのペプチドを含んだが、1つのペプチド(SSSHPIFHR;配列番号46)だけが、4D4抗体で保護された。なぜなら他のペプチドピーク(HWNSY;配列番号47)は、280nmの吸収で検出されるとおり、4D4抗体の添加によって変化されなかったためである。ペプチドS18.3は、両方とも同じループ領域由来の、S34.4のC末端部分であった。N末端および中央のループ領域もまた可能なエピトープであった。
【0255】
(消化されたペプチドのMicrocon分離)
サブチリシン消化物質(各々3μg)を、0.1M Tris緩衝液、pH7.5中で、活性の4D4抗体および不活性なモノクローナル抗体(#162)(8μg)とともに30分間4℃でインキュベートした。結合/未結合のペプチドをMicrocon 10(Millipore Corp.,Bedford,Mass)によって分離して、両方の画分(結合および未結合)をHPLCによって分析して、抗体に結合したペプチドを見出した。4D4抗体および#162で処理した後の未結合の画分のHPLC比較によって2つの枯渇したピークを同定して、抗体結合ペプチドを示す、Microcon分離物を回収した。4D4結合ペプチドは以下であった:
S1(4.4)−−−−SRKAVRR(113〜119)(配列番号49)、C末端;および
S2(28.3)−−−−EVMVL(35〜39)(配列番号50)、ループ領域。
【0256】
NGFサンプルを、Lys−C(K)を用いて24時間代替的に消化した。システイン残基を変性剤を用いずに還元して、カルボキシメチル化した。サンプルをモノクローナル抗体4D4およびAMG162とともにインキュベートし、続いてMicrocon 100で分離した。結合および未結合の画分を逆相HPLCによって分析した。2つのペプチドのみが、以下に示されるように抗体結合Kペプチドとして同定された。ペプチドの配列分析および質量分析によって決定した、ペプチドの算出された質量は一貫していた。以下に示されるとおり、ペプチドは、N末端およびC末端領域にマッピングした。
【0257】
K1(37.6)−−−−SSSHPIFHRGEFSVCDSVSVWVGDK(配列番号51)
算出された質量=2821;観察された質量=2828.2;N末端
K2(39.5)−−−−QAAWRFIRIDTACVCVLSRK(配列番号52)
算出された質量=2452;観察された質量=2459.5;C末端
先行するエピトープマッピング実験によって、少なくとも3つの領域が、N末端(1−9)、内部(46−57)およびC末端(96−98)領域を含む、4D4抗体についての可能性のあるエピトープであることが示された。さらに、Asp消化によって、−−−SSHPIFHRGEFSVC−−−(配列番号53)から構成されるペプチドフラグメントが4D4抗体によって保護されることが明らかになり、一方、トリプシン消化によっては、−−−SSHPIFHR−−−(配列番号54)から構成されるペプチドフラグメントが4D4抗体によって保護されないことが示された。このように、N末端では、GEFSVC(配列番号55)の配列は、4D4抗体への結合について最も重要である。
【0258】
抗NGF抗体4D4.IgG1についてのエピトープをさらに明確に規定するために、ヒト成熟NGF(hNGF)配列全体に基づき標準的な技術を用いて、全部で23個のペプチドを合成的に生成した(表8)。このペプチドは、10アミノ酸ずつ重複する15アミノ酸長であって、マトリックスへの結合を可能にするようにC末端にシステインテールがあった。上記のヒト抗hNGF Ab 4D4.IgG1を、マッピング実験のために用いた。
【0259】
【表8】

ヒトNGFペプチドフラグメントを、5%DMSO、1mM EDTA、pH6.23を有するPBS中で希釈した。最終ペプチド濃度は、55μM(約100μg/mL)の同じモル濃度に正規化した。ペプチドを、Reacti−Bind Maleimide活性化96ウェルマイクロタイタープレート(Pierceカタログ番号15150)中で、100μL/ウェルで、室温で2時間インキュベートし、次いで4℃で一晩撹拌した。ヒトNGF(100μg/mL)を陽性コントロールとして用いた。このプレートを、洗浄緩衝液(KPL)で洗浄して、0.2%脱脂粉乳(PBS−EDTA緩衝液、pH6.23)を用いて室温で2時間ブロックし、次いでさらに5% BSAを用いて1時間ブロックした。次いで、プレートを、種々の濃度(0、3、10、30μg/mL)のヒト抗NGF抗体とともにインキュベートし、その後にヤギ抗hFc Ab−HRP(KPL)とともに2時間インキュベートした。シグナルをTMB基質で発色させて、停止溶液(KPL)の添加後に450nmで読み取った。
【0260】
23個のヒトNGFペプチドにまたがって、4D4結合を示す、少なくとも4つの主なピークが観察された。これらのピークは、以下のペプチドに相当した:ペプチド番号1(配列番号56)、SSSHPIFHRGEFSVC(1〜15);ペプチド番号10(配列番号65)、NSVFKQYFFETKARD(40〜60);ペプチド番号16〜17(配列番号71〜配列番号72)、WNSYATTTHTFVKAL−−−(76〜95);およびペプチド番号18〜21(配列番号73〜配列番号76)、TTTHT−−−LSRKC(100〜115)。
【0261】
4D4の4つの結合ピークは、Weismannら(1999、Nature 401:184〜8)に記載されるとおり、N末端、C末端、内部ドメイン、ならびにNGF中のループL2およびL4にマッピングした。これらの結果を表9にまとめる。
【0262】
【表9】

Wiesmannらは、trkAレセプターに結合したhNGFの結晶構造を解明したが、これによってN末端(残基2〜9)がレセプター結合に重要であったことが示される(Wiesmannら,1999、Nature 401:184〜8)。NGF中のこのセグメントの残基はまた、trkBレセプターまたはtrkCレセプターよりもtrkAについての親和性に重要である。抗体4D4は、最も可能性が高い理由として、ヒトNGFと他のニューロトロフィンとの間のN末端相違の理由で、マウス/ラットNGF、ならびにBDNFおよびNT−3よりもヒトNGFに選択性である。
【0263】
抗体4D4は、ニューロトロフィンの間の平均の配列多様性よりも高い配列多様性を有する7つの別個の領域のうちの2つに相当する、それぞれループL2およびL4に相当する、ペプチド番号10(配列番号65)(NSVFK−−−、46〜60)およびペプチド番号17(配列番号72)(TTTHTFVKALTMDGKC、81〜95)に結合する。これらの7つの領域のうちのNGFとBDNFとの間のスワッピング実験によって、L2およびL4は、NGFの生物学的活性について重要であったことが示された。さらに、NGFの残基を有するループL2およびL4における5つのNT3残基の置換によって、NT3活性を維持したままで、NGF様活性が誘導された。従って、L2およびL4は同様に、抗体4D4がBDNFまたはNT−3に対してではなくNGFに選択的に結合する領域である。
【0264】
抗体4D4はまた、NGF結晶構造の内部ドメインにマッチする、ペプチド番号16(配列番号71)(WNSYATTTHTFVKAL、76〜90)に結合する。この領域は、ヒトNGFとマウスNGFとの間で100%相同であるが、他のニューロトロフィンとは異なる。4D4は、ラット/マウスNGFに対しては、ヒトNGFに対するその活性と比較した場合、かなり弱い活性を示した。従って、NGFのこの部分への結合は、種特異性については最も重要ではないようであるが、ニューロトロフィンのなかで選択性について最も重要である。
【0265】
抗体4D4はまた、他のニューロトロフィン(BDNFおよびNT3)からNGFを識別するヒトNGFの領域の1つである、NGFのC末端領域(ペプチド番号19〜21(配列番号74−配列番号76)TMDG−−−LSRKC、91〜115)に結合する。この領域への結合によって、4D4が他のニューロトロフィンに対して活性でない理由を説明することが助けられる。さらに、C末端ではヒトNGFとマウスNGFとの間に単独のアミノ酸の相違があり、これによって、4D4が、種相違が観察されるN末端と同様に、ラット/マウスNGFよりもヒトNGFについて選択性である理由の1つがこの単独のアミノ酸であり得ることが示唆される。
【0266】
最後に、4D4はまた、trkBまたはtrkCではなくtrkAへのNGF結合の優先性について重要な領域である、ヒトNGFのペプチド番号10(配列番号65)(−−−KARDC、50〜60)によって記載される内部ドメインとも相互作用し、このことはヒトNGFに対するその選択性の中和活性をさらに説明する。
【0267】
(実施例9)
(KinExAによるモノクローナル抗体の親和性測定)
huNGF(29714−91)へのAb 4D4(38859−80)の結合を、KinExAにおいて試験した。要するに、Reacti−Gel 6×(Pierce)をhuNGFで事前コーティングして、BSAでブロックした。10pMおよび30pのAb 4D4サンプルMを、種々の濃度のhuNGF(Amgen)とともに室温で8時間インキュベートして、その後にhuNGFでコートしたビーズを通して流した。ビーズ結合した抗体の量を、蛍光(Cy5)標識したヤギ抗ヒトIgG抗体(Jackson Immuno Research)によって定量した。結合シグナルは、平衡状態で、遊離の抗体の濃度に対して比例した。解離平衡定数(K)は、二重曲線一部位相同性結合モデル(dual−curve one−site homogenous binding model)(KinExTMソフトウェア)を用いて競合曲線の非直線回帰から得られた。KはhuNGFに対するAb 4D4結合について約4pMであった。
【0268】
(実施例10)
(さらなる抗NGF抗体の同定)
上記の実施例2および3に記載されるように生成かつ同定された、さらなる抗NGF抗体(14D10、6G9、7H2,14F11および4G6と命名)をさらなる研究のために選択した。要するに、結合活性について馴化培地を試験した。培地由来の抗体を精製して配列決定した。予想される質量を、馴化培地由来の抗体の質量分析データと比較した。この抗体をクローニングした。クローンのうちの2つはCHO細胞で発現され、上記のように活性について試験した。この結果を表10に示す。
【0269】
【表10】

次いで、これらの抗体の軽鎖および重鎖の可変領域の配列を4D4抗体配列と比較し、そして互いと比較した(図5および6)。これらの比較から同定された重鎖可変領域の相同性パーセントを表11に示す。軽鎖可変領域の相同性パーセントを表12に示す。さらに、種々の抗体のCDR領域の相同性パーセントを図5〜10に示す。
【0270】
【表11】

【0271】
【表12】

前述の開示は本発明の特定の実施例を包含すること、そしてその全ての改変または代替の等価物が、添付の特許請求の範囲に示されるような本発明の趣旨および範囲内であることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経成長因子(NGF)に特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖は、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85もしくは配列番号87またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を含み、該軽鎖は、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91もしくは配列番号131またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
【請求項2】
請求項1に記載の抗体であって、前記重鎖は、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87もしくは配列番号79またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、前記軽鎖は、配列番号80、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号82、配列番号84、配列番号86もしくは配列番号131またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
【請求項3】
請求項1に記載の抗体であって、前記軽鎖が、以下:
(a)配列番号80またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも89%もしくは94%同一である;
(b)配列番号88またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも91%もしくは94%同一である;
(c)配列番号89またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも86%もしくは87%同一である;
(d)配列番号90またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも87%、91%もしくは94%同一である;
(e)配列番号91またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも86%、94%、96%もしくは99%同一である;
(f)配列番号82またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも91%、95%もしくは96%同一である;
(g)配列番号84またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも86%、94%、95%、98%もしくは99%同一である;
(h)配列番号86またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも86%、94%、95%、98%もしくは99%同一である;あるいは
(i)配列番号131またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも86%、89%、91%もしくは96%同一である
アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
【請求項4】
神経成長因子(NGF)に特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖は、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号116、配列番号117もしくは配列番号118またはその抗原結合フラグメントを含み、そして、該軽鎖は、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号113、配列番号114、配列番号115もしくは配列番号119〜134のいずれかまたはその抗原結合フラグメントを含む、抗体。
【請求項5】
請求項4に記載の単離されたヒト抗体であって、以下:
(a)ヒト重鎖CDR2を含む重鎖であって、該重鎖CDR2が、配列番号99、配列番号106、配列番号117、配列番号111またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列である、重鎖;および
(b)ヒト軽鎖CDR1およびヒト軽鎖CDR3を含む軽鎖であって、該軽鎖CDR1が、配列番号101、配列番号95、配列番号119、配列番号122、配列番号125、配列番号107、配列番号113またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも85%同一であり、該軽鎖CDR3が、配列番号103、配列番号97、配列番号121、配列番号127、配列番号130、配列番号109、配列番号115、配列番号134またはその抗原結合フラグメントに対して少なくとも85%同一である、軽鎖
を含む、抗体。
【請求項6】
神経成長因子(NGF)に特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖またはCDR3を含む重鎖のフラグメントを含み、該CDR3は、配列番号94、配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配列番号124、配列番号127、配列番号130もしくは配列番号134またはその改変体であり、該改変体は1つ以下のアミノ酸の置換、挿入もしくは欠失を含む、抗体。
【請求項7】
神経成長因子(NGF)に特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は、以下:
(a)配列番号79またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号80またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(b)配列番号81またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号82またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(c)配列番号83またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号84またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;または
(d)配列番号86またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号87またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖
を含む、抗体。
【請求項8】
前記重鎖および軽鎖が、フレキシブルなリンカーによって接続されて単鎖抗体を形成する、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体。
【請求項9】
単鎖Fv抗体である、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
前記抗体が、
(a)Fab抗体;
(b)Fab’抗体;または
(c)(Fab’)抗体
である、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項11】
完全ヒト抗体である、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体。
【請求項12】
前記抗体がNGFシグナル伝達を阻害する、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体。
【請求項13】
薬学的に受容可能なキャリアと、治療有効量の請求項12に記載の抗体とを含む、薬学的組成物。
【請求項14】
生物学的サンプルにおいて神経成長因子(NGF)を検出するための方法であって、以下:
(a)該サンプルを、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体と、該抗体のNGFへの結合を可能にする条件下で接触させる工程;および
(b)該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程
を包含する、方法。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれかに記載の抗体をコードする、核酸分子。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸分子を含む、宿主細胞。
【請求項17】
請求項1〜7のいずれかに記載の抗体を産生する、単離された細胞株。
【請求項18】
NGFの発現の増大またはNGFに対する感受性の増大に関連する障害または状態を処置するために適切な医薬の製造のための、請求項12に記載の抗体の薬学的に有効な量の使用。
【請求項19】
前記抗体が、1×10−9M〜約1×10−11MのKでヒトNGFポリペプチドから解離し、そして、標準的なインビトロアッセイにおいて約1×10−8M〜約0.2×10−9MのIC50でヒトNGF生物活性を中和する、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記抗体が、約1×10−10M〜約1×10−11MのKでヒトNGFポリペプチドから解離し、そして、標準的なインビトロアッセイにおいて1×10−8M〜約1×10−9MのIC50でヒトNGF生物活性を中和する、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
請求項18に記載の使用であって、前記障害または状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、膠原血管病、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛からなる群より選択される、使用。
【請求項22】
配列番号79〜130の少なくとも1つを含む、神経成長因子(NGF)特異的結合因子であって、該特異的結合因子がNGFに結合し得る、特異的結合因子。
【請求項23】
薬学的に受容可能なキャリアと、治療有効量の請求項22に記載の特異的結合因子とを含む、薬学的組成物。
【請求項24】
患者におけるNGFの発現の増大またはNGFに対する感受性の増大によって引き起こされる状態を処置するための薬学的組成物の製造のための、請求項22に記載の特異的結合因子の使用。
【請求項25】
請求項22に記載の特異的結合因子をコードする、核酸分子。
【請求項26】
請求項25に記載の核酸分子を含む、宿主細胞。
【請求項27】
請求項22に記載の特異的結合因子を産生する、単離された細胞株。
【請求項28】
請求項24に記載の使用であって、前記状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、膠原血管病、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、使用。
【請求項29】
生物学的サンプルにおいて神経成長因子(NGF)を検出するための方法であって、以下:
(a)該サンプルを、請求項22に記載の特異的結合因子と、該特異的結合因子のNGFへの結合を可能にする条件下で接触させる工程;および
(b)該サンプル中の結合した特異的結合因子のレベルを測定する工程
を包含する、方法。
【請求項30】
請求項79〜134のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項31】
神経成長因子(NGF)に特異的に結合する単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体またはフラグメントは、以下:
以下の式:

のアミノ酸配列を含むCDR1領域であって、ここで:
が、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、芳香族アミノ酸残基であり;
が、脂肪族、極性疎水性、芳香族アミノ酸残基であり;
が、中性疎水性または脂肪族アミノ酸残基であり;かつ
が、脂肪族または極性親水性アミノ酸残基である
CDR1領域と;
以下の式:
1011121314151617
のアミノ酸配列を含むCDR2領域であって、ここで:
が、脂肪族、極性疎水性または芳香族アミノ酸残基であり;
が、脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または芳香族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、疎水性または芳香族アミノ酸残基であり;
〜bが、独立して、極性親水性または脂肪族アミノ酸残基であり;
10が、極性親水性、芳香族または脂肪族アミノ酸残基であり;
11が、芳香族または疎水性アミノ酸残基であり;
12が、脂肪族疎水性または極性親水性アミノ酸残基であり;
13が、脂肪族、疎水性または極性親水性アミノ酸残基であり;
14およびb16が、独立して、極性親水性アミノ酸残基であり;
15が、脂肪族または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;かつ
17が、脂肪族酸性アミノ酸残基である
CDR2領域と;
以下の式:
1011121314151617
のアミノ酸配列を含むCDR3領域であって、ここで:
が、存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性もしくは芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
およびcが、独立して、存在しないか、または極性親水性、芳香族疎水性もしくは脂肪族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性、脂肪族もしくは芳香族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性もしくは脂肪族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または脂肪族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、疎水性または芳香族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、脂肪族または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
10が、極性親水性、芳香族疎水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
11〜c13が、独立して、極性親水性または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
14が、脂肪族または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
15が、極性親水性または中性疎水性アミノ酸残基であり;
16が、存在しないか、または極性親水性アミノ酸残基であり;かつ
17が、芳香族疎水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基である、
CDR3領域と;
を含む重鎖可変領域を含み、ここで、該抗体またはフラグメントは、約1×10−10M〜約1×10−11MのKでヒトNGFポリペプチドから解離し、そして、標準的なインビトロアッセイにおいて1×10−8M〜約1×10−9MのIC50でヒトNGF生物活性を中和する、抗体またはフラグメント。
【請求項32】
請求項31に記載の抗体またはフラグメントであって、ここで:
が、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
が、脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が、中性疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、脂肪族または芳香族アミノ酸残基であり;
が、Ileであり;
が、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または芳香族アミノ酸残基であり;
〜bが、独立して、極性親水性または脂肪族アミノ酸残基であり;
10が、脂肪族アミノ酸残基であり;
11が、Tyrであり;
12が、脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
13が、脂肪族または極性親水性アミノ酸残基であり;
14およびb16が、独立して、極性親水性アミノ酸残基であり;かつ
15が、脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
17が、脂肪族酸性アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性もしくは芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
およびcが、独立して、存在しないか、または極性親水性、芳香族疎水性もしくは脂肪族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性もしくは脂肪族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または脂肪族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、疎水性または芳香族アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、脂肪族または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
10が、極性親水性、芳香族疎水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
11〜c13が、独立して、極性親水性または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
14が、脂肪族または芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
15が、極性親水性または中性疎水性アミノ酸残基であり;
16が、存在しないか、または極性親水性アミノ酸残基であり;かつ
17が、芳香族疎水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基である、
抗体またはフラグメント。
【請求項33】
請求項31に記載の抗体またはフラグメントであって、ここで:
が、Ser、AspまたはThrであり;
が、Tyrであり;
が、Ala、Ser、TrpまたはGlyであり;
が、MetまたはIleであり;
が、His、GlyまたはAsnであり;
が、Tyr、Gly、IleまたはAspであり;
が、Ileであり;
が、Ser、Thr、TyrまたはAsnであり;
が、Trp、ArgまたはProであり;
が、Ser、AsnまたはGlyであり;
が、Ser、Arg、AspまたはGlyであり;
が、Ser、HisまたはGlyであり;
が、Ser、Ile、AspまたはThrであり;
が、Leu、IleまたはThrであり;
10が、Gly、LysまたはPheであり;
11が、Tyrであり;
12が、AlaまたはSerであり;
13が、Asp、GlyまたはProであり;
14が、Serであり;
15が、ValまたはPheであり;
16が、LysまたはGlnであり;
17が、Glyであり;
が、存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、またはTyrであり;
およびcが、独立して、存在しないか、Tyr、Asn、ValまたはGluであり;
が、存在しないか、Ser、GlyまたはTrpであり;
が、存在しないか、Ser、Gly、GluまたはLeuであり;
が、Gly、ArgまたはAspであり;
が、Trp、Pro、SerまたはThrであり;
が、His、GlyまたはTyrであり;
10が、Val、TyrまたはArgであり;
11〜c13が、独立して、Ser、Phe、Tyr、AspまたはAsnであり;
14が、Phe、ValまたはGlyであり;
15が、MetまたはAspであり;
16が、存在しないか、AspまたはAsnであり;かつ
17が、TyrまたはValである、
抗体またはフラグメント。
【請求項34】
請求項31に記載の抗体またはフラグメントであって、ここで:
が、SerまたはAspであり;
が、Tyrであり;
が、AlaまたはSerであり;
が、MetまたはIleであり;
が、HisまたはAsnであり;
が、TyrまたはGlyであり;
が、Ileであり;
が、Ser、Thr、TyrまたはAsnであり;
が、Trp、ArgまたはProであり;
が、SerまたはAsnであり;
が、SerまたはArgであり;
が、HisまたはGlyであり;
が、IleまたはThrであり;
が、Leu、IleまたはThrであり;
10が、GlyまたはPheであり;
11が、Tyrであり;
12が、AlaまたはSerであり;
13が、AspまたはGlyであり;
14が、Serであり;
15が、ValまたはPheであり;
16が、LysまたはGlnであり;
17が、Glyであり;
が、存在しないか、またはGlyであり;
が、存在しないか、またはTyrであり;
およびcが、独立して、存在しないか、Tyr、GlyまたはValであり;
が、存在しないか、またはSerであり;
が、SerまたはGlyであり;
が、GlyまたはArgであり;
が、TrpまたはProであり;
が、His、GlyまたはTyrであり;
10が、ValまたはTyrであり;
11〜c13が、独立して、Ser、Tyr、PheまたはAspであり;
14が、PheまたはValであり;
15が、MetまたはAspであり;
16が、存在しないか、またはAspであり;かつ
17が、TyrまたはValである、
抗体またはフラグメント。
【請求項35】
請求項31に記載の抗体であって、ここで:
(a)前記重鎖CDR1が配列番号22であり、前記重鎖CDR2が配列番号18であり、そして、前記重鎖CDR3が配列番号14である;
(b)前記重鎖CDR1が配列番号92であり、前記重鎖CDR2が配列番号93であり、そして、前記重鎖CDR3が配列番号94である;
(c)前記重鎖CDR1が配列番号98であり、前記重鎖CDR2が配列番号99であり、そして、前記重鎖CDR3が配列番号100である;
(d)前記重鎖CDR1が配列番号104であり、前記重鎖CDR2が配列番号105であり、そして、前記重鎖CDR3が配列番号106である;
(e)前記重鎖CDR1が配列番号110であり、前記重鎖CDR2が配列番号111であり、そして、前記重鎖CDR3が配列番号112である;または
(f)前記重鎖CDR1が配列番号116であり、前記重鎖CDR2が配列番号117であり、そして、前記重鎖CDR3が配列番号118である、
抗体。
【請求項36】
神経成長因子(NGF)に特異的に結合する単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体またはフラグメントは、以下:
以下の式:
101112
のアミノ酸配列を含むCDR1領域であって、ここで:
が、極性親水性アミノ酸残基であり;
、a11およびa12が、独立して、脂肪族または疎水性アミノ酸残基であり;
、a、aおよびaが、独立して、脂肪族、極性親水性または疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、脂肪族または疎水性アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または脂肪族もしくは極性親水性アミノ酸残基であり;かつ
10が、脂肪族、芳香族または疎水性アミノ酸残基である、
CDR1領域と;
以下の式:

のアミノ酸配列を含むCDR2領域であって、ここで:
が、脂肪族、極性疎水性または疎水性アミノ酸残基であり;
が、脂肪族または疎水性アミノ酸残基であり;
およびbが、独立して、極性親水性、脂肪族または疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;かつ
が、極性親水性アミノ酸残基である、
CDR2領域と;
以下の式:
1011121314151617
のアミノ酸配列を含むCDR3領域であって、ここで:
およびcが、独立して、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、脂肪族または疎水性アミノ酸残基であり;
、cおよびcが、独立して、脂肪族、極性親水性または疎水性アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または極性親水性もしくは脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または疎水性アミノ酸残基であり;かつ
が、極性親水性アミノ酸残基である、
CDR3可変領域と;
を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、該抗体またはフラグメントは、1×10−9M〜約1×10−11MのKでヒトNGFポリペプチドから解離し、そして、標準的なインビトロアッセイにおいて約1×10−8M〜約0.2×10−9MのIC50でヒトNGF生物活性を中和する、抗体またはフラグメント。
【請求項37】
請求項36に記載の抗体またはフラグメントであって、ここで:
、a、a、aおよびaが、独立して、極性親水性アミノ酸残基であり;
、a、a11およびa12が、独立して、脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性または脂肪族アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または脂肪族もしくは極性親水性アミノ酸残基であり;
10が、脂肪族または芳香族アミノ酸残基であり;
が、脂肪族、極性疎水性または疎水性アミノ酸残基であり;
が、脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
、bおよびbが、独立して、極性親水性アミノ酸残基であり;
およびbが、独立して、極性親水性または脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
およびcが、独立して、極性親水性アミノ酸残基であり;
が、極性親水性、脂肪族または疎水性アミノ酸残基であり;
、cおよびcが、独立して、脂肪族、極性親水性または疎水性アミノ酸残基であり;
が、存在しないか、または脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
が、疎水性アミノ酸残基であり;かつ
が、極性親水性アミノ酸残基である、
抗体またはフラグメント。
【請求項38】
請求項37に記載の抗体またはフラグメントであって、ここで:
、a、aおよびaが、それぞれArg、Ser、GlnおよびSerであり;
が、Alaであり;
が、GlyまたはSerであり;
が、SerまたはIleであり;
が、存在しないか、SerまたはGlyであり;
10が、Ala、Tyr、TrpまたはPheであり;
が、Asp、Gly、AlaまたはValであり;
およびbが、それぞれAlaおよびSerであり;
が、SerまたはAsnであり;
が、LeuまたはArgであり;
が、Glu、AlaまたはGlnであり;
が、SerまたはThrであり;
およびcがGlnであり;
が、Phe、Tyr、ArgまたはAlaであり;
が、Asn、GlyまたはSerであり;
が、SerまたはAsnであり;
が、Tyr、Ser、TrpまたはPheであり;
が、存在しないか、ProまたはHisであり;
が、Leu、Trp、TyrまたはArgであり;かつ
が、Thrである、
抗体またはフラグメント。
【請求項39】
請求項36に記載の抗体またはフラグメントであって、ここで:
、a、a、aおよびaが、それぞれ、Arg、Ala、Ser、GlnおよびSerであり;
が、GlyまたはSerであり;
が、SerまたはIleであり;
が、存在しないか、SerまたはGlyであり;
10が、AlaまたはTyrであり;
が、AspまたはGlyであり;
およびbが、それぞれAlaおよびSerであり;
が、SerまたはAsnであり;
が、LeuまたはArgであり;
が、Glu、AlaまたはGlnであり;
が、SerまたはThrであり;
およびcが、Glnであり;
が、Phe、Tyr、ArgまたはAlaであり;
が、Asn、GlyまたはSerであり;
が、SerまたはAsnであり;
が、Tyr、Ser、TrpまたはPheであり;
が、存在しないか、ProまたはHisであり;
が、Leu、Trp、TyrまたはArgであり;かつ
が、Thrである、
抗体またはフラグメント。
【請求項40】
請求項36に記載の抗体であって、ここで:
(a)前記軽鎖CDR1が配列番号24であり、前記軽鎖CDR2が配列番号20であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号16である;
(b)前記軽鎖CDR1が配列番号95であり、前記軽鎖CDR2が配列番号96であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号97である;
(c)前記軽鎖CDR1が配列番号101であり、前記軽鎖CDR2が配列番号102であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号103である;
(d)前記軽鎖CDR1が配列番号107であり、前記軽鎖CDR2が配列番号108であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号109である;
(e)前記軽鎖CDR1が配列番号113であり、前記軽鎖CDR2が配列番号114であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号115である;
(f)前記軽鎖CDR1が配列番号119であり、前記軽鎖CDR2が配列番号120であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号121である;
(g)前記軽鎖CDR1が配列番号122であり、前記軽鎖CDR2が配列番号123であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号124である;
(h)前記軽鎖CDR1が配列番号125であり、前記軽鎖CDR2が配列番号126であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号127である;
(i)前記軽鎖CDR1が配列番号128であり、前記軽鎖CDR2が配列番号129であり、そして前記軽鎖CDR3が配列番号130である;または
(j)前記軽鎖CDR1が配列番号132に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号133に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号134に示されるアミノ酸配列を有する、
抗体。
【請求項41】
請求項31〜40のいずれかに記載の抗体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項42】
請求項41に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
【請求項43】
請求項42に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項44】
前記細胞が真核細胞である、請求項43に記載の宿主細胞。
【請求項45】
前記細胞がCHO細胞である、請求項44に記載の宿主細胞。
【請求項46】
神経成長因子(NGF)の発現の増大またはNGFに対する感受性の増大に関連する障害または状態を処置するための医薬であって、該医薬は、薬学的に有効な量のモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の薬学的に受容可能な塩またはフラグメントと、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含み、該モノクローナル抗体は、以下:
(a)ヒト重鎖フレームワーク領域、配列番号10のCDR1(配列番号22)、CDR2(配列番号18)およびCDR3(配列番号14)を含むヒト重鎖可変領域と;
(b)ヒト軽鎖フレームワーク領域、配列番号12のCDR1(配列番号24)、CDR2(配列番号20)およびCDR3(配列番号16)を含むヒト軽鎖可変領域と;
を含む、医薬。
【請求項47】
前記モノクローナル抗体が、以下:
(a)配列番号10またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号12またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(b)配列番号14またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号16またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(c)配列番号18またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号16またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;あるいは
(d)配列番号20またはその抗原結合フラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号16またはその抗原結合フラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖
を含む、請求項46に記載の医薬。
【請求項48】
神経成長因子(NGF)の発現の増大またはNGFに対する感受性の増大に関連する疼痛性の障害または状態を処置するための医薬であって、該医薬は、配列番号10に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むモノクローナル抗体の薬学的に有効な量と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬。
【請求項49】
前記モノクローナル抗体が、約1×10−9M〜約1×10−11MのKでヒトNGFポリペプチドから解離し、そして、標準的なインビトロアッセイにおいて約1×10−8M〜約0.2×10−9MのIC50でヒトNGF生物活性を中和する、請求項48に記載の医薬。
【請求項50】
前記モノクローナル抗体が、約1×10−10M〜約1×10−11MのKでヒトNGFポリペプチドから解離し、そして、標準的なインビトロアッセイにおいて1×10−8M〜約1×10−9MのIC50でヒトNGF生物活性を中和する、請求項48に記載の医薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−161316(P2012−161316A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54665(P2012−54665)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2010−30722(P2010−30722)の分割
【原出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(500203709)アムジェン インコーポレイテッド (76)
【出願人】(506199879)メダレックス インコーポレーティッド (30)
【氏名又は名称原語表記】MEDAREX, INC.
【Fターム(参考)】