説明

選択装置、選択方法、ならびに、プログラム

【課題】頻繁に選択する項目を簡易に選択することが可能な選択装置等を提供する。
【解決手段】選択装置200は、複数のノードに項目が対応付けられた木構造から項目を選択するものである。記憶部201には、木構造と、木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される。移動部202は、ユーザの指示に基づいて、記憶部201を更新することにより木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで注目ノードを移動させる。出力部203は、項目を選択結果として出力する。更新部204は、葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、葉ノードに対応付けられる項目及び葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、木構造の根ノードの子ノードとするように記憶部201を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頻繁に選択する項目を簡易に選択することが可能な選択装置、選択方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがコントローラを操作して、予め用意された複数の項目の中から所望の項目を選択できるユーザインターフェースが知られている。このようなユーザインターフェースでは、項目が階層構造を形成するものがあり、ユーザは各階層に属する項目を選択しながら、最も下位の項目まで辿る。そして、最も下位の項目が選択結果として出力される。
【0003】
上記のユーザインターフェースにおいては、項目や階層が多くなるほど、選択操作が煩雑になるため、ユーザにとって項目を選択し易くするための工夫がなされている。例えば、特許文献1には、階層構造において現在どの階層の項目が表示されているのかを把握し易くする情報出力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−178486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、頻繁に選択する項目までの階層を辿る手続きは、ユーザにとって煩雑であり、簡易に項目の選択を行いたいという要望もある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、頻繁に選択する項目を簡易に選択することが可能な選択装置、選択方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る選択装置は、複数のノードを含み、各ノードに項目が対応付けられた木構造から、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択する選択装置であって、記憶部、移動部、出力部、更新部を備え、以下のように構成する。
【0008】
ここで、木構造とは、1つのノードが1つ以上のノードを持ち、当該1つ以上のノードのそれぞれがさらに1つ以上のノードを持つという形で、階層が深くなるにつれて枝分かれする構造をいう。木構造においてあるノードに注目したとすると、注目しているノードが持つ下位のノードを子ノード、注目しているノードを持つ上位のノードを親ノードという。そして、木構造における最も上位のノードを根ノード、子ノードを持たない末端のノードを葉ノードという。また、子ノードを持つノード(葉ノード以外のノード)を内部ノードという(したがって、根ノードは内部ノードである)。各ノードには任意の項目が対応付けられる。
【0009】
以下、サッカーゲームの設定に関する項目が木構造で体系付けられている場合を例に説明する。例えば、木構造の最上位のノード(根ノード)には“設定”の項目が対応付けられ、その下位のノードには、ゲームを行うユーザの人数を示す“1人”、及び“2人”の項目が対応付けられる。さらに、“1人”、又は“2人”の項目の下位のノードには、ユーザが操作するチームの国籍を示す“日本”、“米国”、及び“独逸”の項目が対応付けられる。そして、さらにそれらの各項目の下位のノードには、ゲームの難易度を示す“簡単”、“普通”、及び“難”の項目が対応付けられる。難易度を表す項目が対応付けられたノードは葉ノードであり、いずれかの葉ノードが選択されると、ゲームの設定は終了することとする。例えば、ユーザが、ゲームを行う人数を“1人”と選択し、チームの国籍を“日本”と選択し、難易度を“簡単”と選択すると、ゲームの設定は終了する。
【0010】
記憶部には、木構造と、当該木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、当該木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される。
【0011】
すなわち、記憶部には、サッカーゲームの設定に関する各項目が木構造のどの位置に配置されているかという情報が記憶されている。また、ユーザがゲームを行うユーザの人数を“2人”と選択したとすると、記憶部には、注目ノードとして、“2人”の項目が対応付けられたノードが記憶される。
【0012】
移動部は、ユーザの指示に基づいて、記憶部を更新することにより木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで注目ノードを移動させる。
【0013】
例えば、ユーザが、“日本”の項目を選択する操作を行うと、移動部は木構造の“2人”の項目が対応付けられたノードから、当該ノードの子ノードである、“日本”の項目が対応付けられたノードへ注目ノードを移動させる。移動部は、“日本”の項目が対応付けられたノードの子ノード、すなわち、葉ノードが選択されるまで、注目ノードを移動させる。
【0014】
出力部は、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択結果として出力する。
【0015】
例えば、ユーザが、“日本”の項目が対応付けられたノードを選択する操作を行ったとすると、“日本”の項目を選択結果として出力する。
【0016】
更新部は、葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、木構造の根ノードの子ノードとするように記憶部を更新する。
【0017】
ここで、所定の条件を、5回とする。例えば、木構造の“2人”及び“日本”の項目が対応付けられた各ノードを経由して“簡単”の項目が対応付けられた葉ノードが選択され、当該葉ノードが選択された回数が5回目であったとする。この場合、更新部は、“2人”、“日本”、及び“簡単”の項目を1つの葉ノードに対応付け、当該葉ノードを根ノードの子ノードとするように、記憶部を更新する。
【0018】
本発明によれば、頻繁に選択する項目がまとめられるので、ユーザは、頻繁に選択する項目を簡易に選択することができる。
【0019】
また、本発明の第1の観点に係る選択装置は、表示部をさらに備え、以下のように構成してもよい。
【0020】
表示部は、注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、強調表示する。
【0021】
例えば、注目ノードが“設定”の項目が対応付けられた根ノードである場合、当該根ノードの子ノードに対応付けられた項目“1人”、及び“2人”を画面に表示する。また、例えば、“1人”、又は“2人”の項目が対応付けられた子ノード以外に、根ノードの子ノードとして、“2人、日本、簡単”の項目が対応付けられた新たな葉ノードが含まれる場合、表示部は、“2人、日本、簡単”の項目を、画面において目立つ色を付して表示する。
【0022】
本発明によれば、頻繁に選択する項目がまとめられた項目を、ユーザに分かり易く表示することができる。
【0023】
あるいは、表示部は、注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、当該表示される項目のうちの先頭に表示する。
【0024】
例えば、“1人”、又は“2人”の項目が対応付けられた子ノード以外に、根ノードの子ノードとして、“2人、日本、簡単”の項目が対応付けられた新たな葉ノードが含まれているとする。注目ノードが、“設定”の項目が対応付けられた根ノードである場合、表示部は、“2人、日本、簡単”の項目を先頭にして、“2人、日本、簡単”、“1人”、“2人”の順に項目を並べて画面に表示する。
【0025】
本発明によれば、頻繁に選択する項目がまとめられた項目を、選択し易い位置に表示することができる。
【0026】
また、あるいは、表示部は、注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、
画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目が対応付けられる葉ノードに至るまでに経由したノードのうち、根ノードの子ノードに対応付けられた項目に隣接して表示する。
【0027】
例えば、“1人”、又は“2人”の項目が対応付けられた子ノード以外に、根ノードの子ノードとして、“2人、日本、簡単”の項目が対応付けられた新たな葉ノードが含まれているとする。「新たな葉ノードに対応付けられた項目が対応付けられる葉ノード」とは、“2人”及び“日本”を経由した“簡単”の葉ノードであり、「葉ノードに至るまでに経由したノード」とは、“2人”及び“日本”が対応付けられたノードである。そして、“2人”及び“日本”が対応付けられたノードのうち、「根ノードの子ノードに対応付けられた項目」とは、“2人”の項目である。すなわち、表示部は、新たな葉ノードに対応付けられる項目“2人、日本、簡単”を項目“2人”に隣接させて、“1人”、“2人”、“2人、日本、簡単”の順に項目を並べて画面に表示する。
【0028】
本発明によれば、頻繁に選択する項目がまとめられた項目を、どの項目をまとめたものかを分かり易く提示することができる。
【0029】
本発明の第2の観点に係る選択方法は、複数のノードを含み、各ノードに項目が対応付けられた木構造から、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択し、木構造と、当該木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、当該木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される記憶部と、移動部と、出力部と、更新部と、を備える選択装置が実行する選択方法であって、以下のように構成する。
【0030】
移動工程において、移動部が、ユーザの指示に基づいて、記憶部を更新することにより木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで注目ノードを移動させる。
【0031】
出力工程において、出力部が、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択結果として出力する。
【0032】
更新工程において、更新部が、葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、木構造の根ノードの子ノードとするように記憶部を更新する。
【0033】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記選択装置として機能させ、コンピュータに上記選択方法を実行させるように構成する。
【0034】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0035】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、頻繁に選択する項目を簡易に選択することが可能な選択装置、選択方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る選択装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】実施形態1に係る選択装置の概要構成を示す図である。
【図3】木構造の例を示す図である。
【図4】(a)、(b)、及び(c)は、画面に表示される項目を説明するための図である。
【図5】木構造テーブルを説明するための図である。
【図6】頻度テーブルを説明するための図である。
【図7】木構造の例を示す図である。
【図8】木構造テーブルを説明するための図である。
【図9】画面に表示される項目を説明するための図である。
【図10】実施形態1の選択装置の各部が行う選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】画面に表示される項目を説明するための図である。
【図12】画面に表示される項目を説明するための図である。
【図13】画面に表示される項目を説明するための図である。
【図14】実施形態2の選択装置の各部が行う選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】木構造の例を示す図である。
【図16】(a)、(b)、及び(c)は、画面に表示される項目を説明するための図である。
【図17】画面に表示される項目を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の選択装置は、頻繁に選択される項目をまとめ表示するものである。項目を表示する手法は複数あり、各手法を採用した選択装置を実施形態1及び2として説明する。
【0039】
実施形態1の選択装置は、葉ノードが選択される頻度が所定の条件を満たすと、当該葉ノードに至るまでの項目をまとめて新たな葉ノードとして強調表示する手法を採用する。
実施形態2の選択装置は、葉ノードが選択される頻度が所定の条件を満たすと、当該葉ノードに至るまでの項目をまとめた新たな葉ノードを、表示位置を調整してユーザに分かり易く表示する手法を採用する。
【0040】
(情報処理装置の概要構成)
まず、これらの実施形態の選択装置が実現される典型的な情報処理装置について説明する。なお、以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0041】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係る選択装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0042】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、を備える。
【0043】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0044】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記憶され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記憶されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記憶される。
【0045】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、等の処理を行う。
【0046】
コントローラ105は、インターフェース104を介して接続される。コントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0047】
外部メモリ106は、インターフェース104を介して着脱自在に接続される。外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記憶させることができる。
【0048】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記憶させる。フレームメモリに記憶された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタへ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0049】
また、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0050】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0051】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報に従って、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0052】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記憶される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0053】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0054】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0055】
DVD−ROMに記録された音声データがMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データである場合には、音声処理部110は、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCM(Pulse Code Modulation)データに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential PCM)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0056】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0057】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0058】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0059】
以下、上記情報処理装置100において実現される実施形態1及び2に係る選択装置の概要構成について、図1乃至17を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータが記憶されたDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態1及び2に係る選択装置が実現される。
【0060】
(実施形態1)
実施形態1の選択装置は、葉ノードが選択される頻度が所定の条件を満たすと、当該葉ノードに至るまでの項目をまとめて新たな葉ノードとして強調表示する。
実施形態1の選択装置200は、図2に示すように、記憶部201と、移動部202と、出力部203と、更新部204と、から構成される。また、図示するように、表示部205を備えるようにしてもよい。
【0061】
まず、本実施形態における木構造の例を図3に示す。図3の木構造は、サッカーゲームの設定に関する項目を木構造で表したものである。根ノード(ノード301)には“設定”の項目が対応付けられ、その下位のノード(ノード302、303)には、ゲームを行うユーザの人数を示す“1人”、又は“2人”の項目が対応付けられる。“1人”、又は“2人”の項目が対応付けられたノード302、303の下位のノード(ノード304〜309)には、ユーザが操作するチームの国籍を示す“日本”、“米国”、又は“独逸”の項目が対応付けられる。そして、さらにそれらの項目の下位のノード(ノード310〜327)には、ゲームの難易度を示す“簡単”、“普通”、又は“難”の項目が対応付けられる。難易度を示す項目が対応付けられたノード310〜327は葉ノードであり、いずれかの葉ノードが選択されると、ゲームの設定は終了する。
【0062】
例えば、注目ノードが“1人”のノード302である場合、親ノードは“設定”のノード301であり、子ノードは、“日本”のノード304、“米国”のノード305、及び、“独逸”のノード306である。
【0063】
この木構造の各ノードに対応付けられている項目は、図4に示すように画面に表示される。例えば、ユーザがゲームの設定を行うための所定の操作を行うと、注目ノードが根ノード(ノード301)に設定され、項目411、412を含む画像401が画面に表示される(図4(a))。次に、ユーザが、図4(a)の画像401において、カーソル420を操作して、“1人”の項目411、又は“2人”の項目412のいずれかを選択すると、注目ノードにノード302又は303が設定され、項目413、414、415を含む画像402が画面に表示される(図4(b))。ユーザが、図4(b)の画像402において、“日本”の項目413、“米国”の項目414、又は“独逸”の項目415のいずれかを選択すると、注目ノードがノード304〜309のいずれかに設定され、項目416、417、418を含む画像403が画面に表示される(図4(c))。ユーザが、図4(c)の画像において、“簡単”の項目416、“普通”の項目417、又は“難”の項目418のいずれかを選択すると、注目ノードがノード310〜327のいずれかの葉ノードに設定される。例えば、ノード310に対応付けられた“簡単”の項目が選択されたとすると、注目ノードがノード310に設定され、ゲームの設定の処理は終了する。この後、ユーザがゲーム開始の操作を行えば、“1人”用で、ユーザが操作するチームの国が“日本”、難易度が“簡単”と設定されたサッカーゲームが開始される。
【0064】
記憶部201には、木構造と、当該木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、当該木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される。
【0065】
例えば、記憶部201には、図3の木構造を表す木構造テーブル201a(図5)が記憶される。木構造テーブル201aには、木構造に含まれるノードのノード番号201a1と、当該ノードに対応付けられた項目201a2と、当該ノードの親ノードの親ノード番号201a3と、当該ノードの子ノードの子ノード番号201a4と、当該ノードが現在注目ノードであるか否かを示す注目ノード情報201a5と、が対応付けて登録されている。注目ノード情報201a5において、“○”が付されたノード番号のノードが現在の注目ノードであるとする。なお、図5の木構造テーブル201aは、ゲームの設定を行うための所定の操作が行われた直後の状態であるとする。
【0066】
したがって、RAM 103が記憶部201として機能する。
【0067】
移動部202は、ユーザの指示に基づいて、記憶部201を更新することにより木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで注目ノードを移動させる。
【0068】
例えば、ユーザが、図4(a)の“2人”の項目412を選択する操作を行うと、移動部202は、注目ノードを、木構造の“設定”の項目が対応付けられたノード301から“2人”の項目が対応付けられたノード303に移動させる。すなわち、移動部202は、木構造テーブル201aの注目ノード情報201a5において、ノード番号301の“○”を削除して、ノード番号303に“○”を付する。
【0069】
したがって、CPU 101が移動部202として機能する。
【0070】
出力部203は、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択結果として出力する。
【0071】
例えば、ユーザが、ノード304の“日本”の項目を選択したとすると、“日本”の項目を選択結果として出力する。
【0072】
したがって、CPU 101が出力部203として機能する。
【0073】
更新部204は、葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、木構造の根ノードの子ノードとするように記憶部201を更新する。
【0074】
例えば、RAM 103には、木構造に含まれる葉ノードについて、当該葉ノードが選択された回数を記す頻度テーブル201b(図6)が記憶される。頻度テーブル201bには、木構造に含まれる葉ノードの葉ノード番号201b1と、当該葉ノードが選択された選択回数201b2と、が対応付けて登録されている。ここで、所定の条件を、例えば、“選択された回数(選択回数)が5回以上”とする。
【0075】
ユーザが、図4(a)において、“2人”の項目412を選択し、図4(b)において、“日本”の項目413を選択し、図4(c)において、“簡単”の項目416を選択したとする。すなわち、ユーザは、最終的に、ノード319に対応付けられた“簡単”の項目を選択したことになり、このときの注目ノードはノード319である。葉ノード(ノード319)が選択されると、CPU 101は、頻度テーブル201bの葉ノード番号319の回数201b2を1つ増やす(増やした回数を5回とする)。ここで、ノード319に対応付けられた項目は“簡単”であり、ノード319に至るまでに経由したノードに対応付けられた項目は、“2人”(ノード303)、“日本”(ノード307)である。したがって、更新部204は、これらの項目“2人、日本、簡単”を1つの葉ノードに対応付け、図7に示すように、当該葉ノードを根ノード(ノード301)の子ノード(ノード328)とする。そして、更新部204は、図8に示すように、木構造テーブル201aに、ノード328についての情報を追加し、根ノード(ノード301)の子ノードに新たな葉ノードの番号“328”を追加する。
【0076】
したがって、CPU 101が更新部204として機能する。
【0077】
表示部205は、注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示する。この際、画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、強調表示する。
【0078】
図3の木構造において、内部ノードは、葉ノード(ノード310〜327)以外のノード301〜309である。すなわち、表示部205は、注目ノードがノード301〜309のいずれかのノードである場合に、当該ノードの子ノードを画面に表示する。例えば、注目ノードがノード301の場合、表示部205は、図4(a)に示すように、ノード301の子ノード302、303に対応付けられた“1人”及び“2人”の項目を表示する。注目ノードが、ノード302又は303の場合、表示部205は、図4(b)に示すように、ノード302の子ノード304〜306、又は、ノード303の子ノード307〜309に対応付けられた“日本”、“米国”、及び“独逸”の項目を表示する。そして、注目ノードがノード304〜309のいずれかの場合、表示部205は、図4(c)に示すように、それらの子ノード310〜327に対応付けられた、“簡単”、“普通”、及び“難”の項目を表示する。
【0079】
また、図7に示すように、新たに追加された葉ノード328が木構造に含まれ、現在の注目ノードがノード301であるとすると、表示部205は、ノード301の子ノードであるノード328に対応付けられた“2人、日本、簡単”の項目を画面に表示する。この場合、表示部205は、図9に示すように、項目419を他の項目411、412と異なる色を付して表示する。ユーザが、図9の画像401において、項目419を選択する操作を行うと、画像402、403の表示は省略され、ゲームの設定の処理は終了する。この後、ユーザがゲーム開始の操作を行うと、“2人”用で、ユーザが操作するチームの国が“日本”、難易度が“簡単”と設定されたサッカーゲームが開始される。なお、相手チームの国の選択については、サッカーゲーム開始前に、対戦相手が選択するようにしてもよいし、図3に示す木構造に対戦相手の国についての項目を含ませるようにしてもよい。
【0080】
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、表示部205として機能する。
【0081】
なお、更新部204は、ユーザの設定の傾向に従い、随時記憶部201を更新するようにしてもよい。例えば、ある葉ノードを選択する頻度が所定の条件を満たし、新たな葉ノードが追加された後に、他の葉ノードを選択する頻度が所定の条件を満たしたとする。この場合、更新部204は、当該他の葉ノードに対応付けられる項目及び当該他の葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、木構造の根ノードの子ノードとするように記憶部201を更新するようにしてもよい。
【0082】
例えば、図7及び図8に示すように、木構造及び木構造テーブル201aに新たな葉ノード(ノード328)が追加された後、ユーザが、葉ノード315を5回選択したとする。この場合、更新部204は、ノード302、305、315に対応付けられた項目をまとめた項目“1人、米国、難”が対応付けられる新たな葉ノードを、ノード328に代えて、根ノード(ノード301)の子ノードとするよう記憶部201を更新する。更新された後、表示部205は、注目ノードが根ノード(ノード301)に設定されると、図9の項目419を削除して、項目419の位置に項目“1人、米国、難”を表示する。
【0083】
あるいは、先に新たな葉ノードとして追加されていたノード328を削除せず、そのまま残し、項目“1人、米国、難”が対応付けられる新たな葉ノードをさらに根ノード(ノード301)の子ノードとするよう記憶部201を更新するようにしてもよい。この場合、表示部205は、図9の画像401の項目419を削除せず、項目419と隣接するように項目“1人、米国、難”を追加して表示してもよい。
【0084】
また、更新部204は、葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たし、新たな葉ノードを根ノードの子ノードとするように記憶部201を更新した後、当該葉ノード及び当該新たな葉ノード以外の葉ノードが選択される頻度が所定の条件を満たした場合、当該新たな葉ノードを削除するように記憶部201を更新するようにしてもよい。
【0085】
ここで、所定の条件を、例えば、10回とする。例えば、図7及び図8に示すように、木構造及び木構造テーブル201aに新たな葉ノード(ノード328)が追加された後、ユーザが、ノード319、328以外の葉ノード310〜318、320〜327を合計して10回選択したとする。この場合、更新部204は、図7の木構造及び図8の木構造テーブル201aからノード328を削除して、当初の図3の木構造及び図5の木構造テーブル201aの状態に戻すように記憶部201を更新する。更新された後、表示部205は、注目ノードが根ノード(ノード301)に設定されると、図9の項目419を削除して項目411、412のみを表示する(図4(a))。
【0086】
(ゲーム装置の動作)
以下、本実施形態の選択装置200の各部が行う動作について説明する。選択装置200に電源が投入され、ユーザが設定を行うための所定の操作を行うと、CPU 101は、図10のフローチャートに示す選択処理を開始する。以下、サッカーゲームの設定に関する項目が対応付けられた、図3の木構造を例に説明する。
【0087】
まず、CPU 101は、木構造の根ノードを注目ノードとして設定し、当該注目ノード(根ノード)の子ノードに対応付けられた項目を画面に表示する(ステップS101)。
【0088】
例えば、CPU 101は木構造テーブル201aにおいて、“設定”の項目が対応付けられたノード301の注目ノード情報201a5に“○”を付する。そして、表示部205は、ノード301の子ノード302、303に対応付けられた“1人”、“2人”の項目411、412を、図4(a)に示すように画面に表示する。
【0089】
移動部202は、ユーザによる項目選択の指示があったか否かを判断する(ステップS102)。当該指示があった場合(ステップS102;Yes)、移動部202は、選択された項目が対応付けられるノードへ注目ノードを移動させる(ステップS103)。一方、当該指示が無かった場合(ステップS102;No)、そのまま待機する。
【0090】
例えば、ユーザが、図4(a)の画像401において、“2人”の項目412を選択した場合、移動部202は、木構造テーブル201aの注目ノード情報201a5において、ノード番号301の“○”を削除して、ノード番号303に“○”を付し、注目ノードをノード303とする。一方、図4(a)の画像401において、項目411、412のどちらも選択されない場合は、画像401が画面に表示されたまま待機する。
【0091】
出力部203は、注目ノードに対応付けられた項目を出力する(ステップS104)。
【0092】
例えば、“2人”の項目412を選択した場合、出力部203は、“2人”の項目を選択結果として出力する。
【0093】
次に、CPU 101は、注目ノードが葉ノードか否かを判断する(ステップS105)。CPU 101が、注目ノードが葉ノードであると判断した場合(ステップS105;Yes)、更新部204は、当該葉ノードが選択された回数(選択回数)が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS106)。一方、CPU 101が、注目ノードが葉ノードでないと判断した場合(ステップS105;No)、表示部205は、当該注目ノードの子ノードに新たな葉ノードが含まれるか否かを判断する(ステップS108)。
【0094】
例えば、現在の注目ノードがノード319である場合、CPU 101はノード319が葉ノードであると判断し、更新部204は、図6の頻度テーブル201bを参照して、ノード319が選択された回数を調べ、所定の条件(例えば、“選択された回数が5回以上”)を満たすか否かを判断する。一方、現在の注目ノードがノード303の場合、CPU 101はノード303は葉ノードでないと判断し、表示部205は、ノード303の子ノード307、308、309に新たな葉ノードが含まれるか否かを判断する。
【0095】
ステップS106において、更新部204が、葉ノードの選択回数が所定の条件を満たすと判断した場合(ステップS106;Yes)、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由した項目が対応付けられる新たな葉ノードを、木構造の根ノードの子ノードとするように記憶部201を更新する(ステップS107)。一方、更新部204が、葉ノードの選択回数が所定の条件を満たさないと判断した場合(ステップS106;No)、選択処理を終了する。
【0096】
例えば、現在ユーザにより指定された項目に対応付けられるノードがノード319であるとすると、更新部204は、頻度テーブル201b(図6)を参照して、ノード319の選択回数“5回”を求め、当該ノードの選択回数が所定の条件を満たすと判断する。この場合、更新部204は、ノード319に対応付けられた項目“簡単”と、ノード319に至るまでに経由した項目“2人”(ノード303)及び“日本”(ノード307)とを1つの葉ノードに対応付け、図7に示すように、当該葉ノードを根ノード(ノード301)の子ノード(ノード328)とする。そして、更新部204は、図8に示すように、木構造テーブル201aに、ノード328についての情報を追加する。一方、現在ユーザにより指定された項目に対応付けられるノードがノード310である場合、更新部204は、頻度テーブル201b(図6)を参照して、ノード310の選択回数“1回”を求め、当該ノードの選択回数が所定の条件を満たさないと判断する。この場合、CPU 101は選択処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS108において、表示部205が、当該注目ノードの子ノードに新たな葉ノードが含まれると判断した場合(ステップS108;Yes)、当該注目ノードの子ノードに対応付けられた項目を表示し、新たな葉ノードに対応付けられた項目を強調表示する(ステップS109)。その後、ステップS102に戻る。一方、表示部205が、当該注目ノードの子ノードに新たな葉ノードが含まれないと判断した場合(ステップS108;No)、当該注目ノードの子ノードに対応付けられた項目を表示する(ステップS110)。その後、ステップS102に戻る。
【0098】
例えば、サッカーゲームの設定についての項目が図7の木構造で体系付けられているとする。この木構造において、注目ノードがノード301である場合、表示部205は、ノード301の子ノード(ノード302、303、328)に新たな葉ノード(ノード328)が含まれると判断する。そして、表示部205は、図9に示すように、ノード328に対応付けられた“2人、日本、簡単”の項目419を強調表示する。
【0099】
本実施形態によれば、頻繁に選択する項目がまとめられるので、ユーザは、頻繁に選択する項目を簡易に選択することができる。また、頻繁に選択する項目がまとめられた項目を、ユーザに分かり易く表示することができる。さらに、項目がまとめられた後、ユーザによる項目の選択傾向が変わった場合に、新たな選択傾向に基づいて項目をまとめることにより、ユーザの流動的な選択傾向を反映することができる。また、ユーザがまとめられた項目より他の項目を選択するようになった場合には、当該まとめられた項目を表示しないようにすることにより、頻繁に選択しなくなった項目が表示されることによる煩わしさを回避することができる。このようにユーザの選択傾向に基づいて項目を設定することのより、ユーザにとって使い勝手のよい選択装置を提供することができる。
【0100】
(実施形態2)
実施形態2の選択装置は、葉ノードが選択される頻度が所定の条件を満たすと、当該葉ノードに至るまでの項目をまとめた新たな葉ノードを、表示位置を調整してユーザに分かり易く表示する。
実施形態2の選択装置は、図2に示すように、記憶部201と、移動部202と、出力部203と、更新部204と、から構成される。また、図示するように、表示部205を備えるようにしてもよい。本実施形態の記憶部201、移動部202、出力部203、及び、更新部204は、実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する表示部205について説明する。
【0101】
表示部205は、注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、当該表示される項目のうちの先頭に表示する。
【0102】
例えば、図3の木構造の各ノードに対応付けられた項目が、図11に示すように画面に表示されるとする。以下、ユーザにより選択された項目には灰色を付することとする。ユーザが、画面に表示されたスタートボタン501をクリックすると、パネル502が開き、“ゲームの設定”の項目511が表示される。この“ゲームの設定”の項目を選択すると、注目ノードがノード301に設定され、表示部205は、パネル503に、ノード301の下位のノード(ノード302、303)の項目を表示する。そして、ユーザが、“1人”の項目512、又は、“2人”の項目513のいずれかを選択すると、注目ノードにノード302又は303が設定され、表示部205は、パネル504に、ノード302又は303の子ノード304〜306、又は、ノード307〜309に対応付けられる項目514、515、516を表示する。ユーザが、“日本”の項目514、“米国”の項目515、又は“独逸”の項目516のいずれかを選択すると、注目ノードが、ノード304〜309のいずれかに設定され、表示部205は、パネル505に、ノード304〜309のいずれかのノードの子ノードに対応付けられた項目517、518、519を表示する。ユーザが、“簡単”の項目517、“普通”の項目518、又は“難”の項目519のいずれかを選択すると、注目ノードがノード310〜327のいずれかの葉ノードに設定される。例えば、図11の例ではノード319に対応付けられた“簡単”の項目が選択されており、注目ノードがノード319に設定されて、ゲームの設定は終了する。
【0103】
ここで、新たな葉ノード(ノード328)が含まれる木構造において(図7)、現在の注目ノードがノード301であるとする。この場合、表示部205は、図12に示すように、ノード328に対応付けられた“2人、日本、簡単”の項目520を、ノード301の子ノード(ノード302、303、328)のうち、パネル506の先頭に表示する。
【0104】
あるいは、表示部205は、画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目が対応付けられる葉ノードに至るまでに経由したノードのうち、根ノードの子ノードに対応付けられた項目に隣接して表示するようにしてもよい。
【0105】
例えば、新たな葉ノード(ノード328)が含まれる木構造において(図7)、新たな葉ノードに対応付けられた項目が対応付けられる葉ノードとはノード319であり、当該ノード319に至るまでに経由したノードとは、ノード303、307である。そして、これらのノードのうち根ノード(ノード301)の子ノードはノード303である。したがって、表示部205は、図13に示すように、ノード328に対応付けられた“2人、日本、簡単”の項目520を、パネル507において、ノード303に対応付けられた項目“2人”に隣接して表示する。
【0106】
“2人”、“日本”、“簡単”の項目でゲームの設定を行う場合、ユーザは、図12又は図13に示すように表示された項目520を選択すれば、チーム及び難易度を選択するためのパネルを開くことなく、“2人”、“日本”、“簡単”の項目を選択して、ゲームの設定の処理を終えることができる。
【0107】
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、表示部205として機能する。
【0108】
(ゲーム装置の動作)
以下、本実施形態の選択装置200の各部が行う動作について説明する。選択装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図14のフローチャートに示す選択処理を開始する。なお、図14のフローチャートにおいて、図10と同じステップ番号が付されているステップは、図10のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0109】
ステップS108において、表示部205が、当該注目ノードの子ノードに新たな葉ノードが含まれると判断した場合、当該注目ノードの子ノードに対応付けられた項目を表示し、新たな葉ノードに対応付けられた項目の表示位置を調節して表示する(ステップS209)。
【0110】
例えば、図7の木構造において、表示部205は、図12に示すように、ノード328に対応付けられた“2人、日本、簡単”の項目520を、パネル506において、他の項目512、513よりも先頭に表示する。あるいは、表示部205は、図13に示すように、ノード328に対応付けられた“2人、日本、簡単”の項目520を、パネル507において、ノード303に対応付けられた“2人”の項目513に隣接して表示する。
【0111】
本実施形態によれば、頻繁に選択する項目がまとめられた項目を、画面に表示する項目の先頭に表示することにより、選択し易い位置に表示することができる。あるいは、まとめた項目に含まれる項目に隣接して表示することにより、まとめられた項目が、どの項目をまとめたものかを分かり易く提示することができる。
【0112】
なお、実施形態1及び2において、サッカーゲームの設定に関する項目を木構造で表したものを例に説明したが、本発明が対象とする木構造はこれに限らない。選択装置200は、例えば、キャラクタ生成の設定に関する項目を木構造で表した場合においても適用可能である。
【0113】
図15の木構造は、キャラクタ生成の設定に関する項目を木構造で表したものである。根ノード(ノード601)には“設定”の項目が対応付けられ、その下位のノード(ノード602、603)には、生成するキャラクタの性別を示す“男性”、及び“女性”の項目が対応付けられる。“男性”、又は“女性”の項目が対応付けられたノード602、603の下位のノード(ノード604〜607)には、キャラクタの顔の形を示す“丸顔”、及び“四角顔”の項目が対応付けられる。そして、さらにそれらの項目の下位のノード(ノード608〜619)に、キャラクタの体型を示す“痩せ”、“普通”、及び“肥満”の項目が対応付けられる。体型を示す項目が対応付けられたノード608〜619は葉ノードであり、いずれかの葉ノードが選択されると、キャラクタ生成の設定は終了する。
【0114】
この木構造の各ノードに対応付けられている項目は、図16に示すように画面に表示される。例えば、ユーザが生成するキャラクタの設定を行うための所定の操作を行うと、注目ノードが根ノード(ノード601)に設定され、表示部205は、項目421、422を含む画像404が画面に表示される(図16(a))。次に、ユーザが、図16(a)の画像404において、“男性”の項目421、又は“女性”の項目422のいずれかを選択すると、注目ノードにノード602又は603が設定され、表示部205は、項目423、424を含む画像405が画面に表示される(図16(b))。ユーザが、図16(b)の画像405において、“丸顔”の項目423、又は“四角顔”の項目424のいずれかを選択すると、注目ノードがノード604〜607のいずれかに設定され、表示部205は、項目425、426、427を含む画像406が画面に表示される(図16(c))。ユーザが、図16(c)の画像において、“痩せ”の項目425、“普通”の項目426、又は“肥満”の項目427のいずれかを選択すると、注目ノードがノード608〜619のいずれかの葉ノードに設定される。例えば、ユーザが、“男性”(ノード602)及び“丸顔”(ノード604)を選択した後、“痩せ”(ノード608)を選択したとすると、注目ノードがノード608に設定され、“男性”で“丸顔”の“痩せ”た体型のキャラクタが生成され、キャラクタ生成の処理は終了する。
【0115】
このような木構造において、新たな葉ノード(ノード620)が含まれ、注目ノードがノード601である場合、表示部205は、例えば、図17に示すように、ノード620に対応付けられた“男性、丸顔、普通”の項目428を強調表示する。図17の画像404において、ユーザが項目428を選択すれば、図16の画像405、406における設定の処理を省略して、“男性”で“丸顔”、“普通”の体型のキャラクタを生成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明によれば、頻繁に選択する項目を簡易に選択することが可能な選択装置、選択方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0117】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
200 選択装置
201 記憶部
202 移動部
203 出力部
204 更新部
205 表示部
301〜328、601〜620 ノード
401〜406 画像
411〜419、421〜428 項目
420 カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードを含み、各ノードに項目が対応付けられた木構造から、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択する選択装置であって、
前記木構造と、当該木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、当該木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される記憶部と、
ユーザの指示に基づいて、前記記憶部を更新することにより前記木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで前記注目ノードを移動させる移動部と、
前記根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択結果として出力する出力部と、
前記葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、前記木構造の根ノードの子ノードとするように前記記憶部を更新する更新部と、
を備えることを特徴とする選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選択装置であって、
前記注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、
前記画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに前記新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、強調表示する表示部
をさらに備えることを特徴とする選択装置。
【請求項3】
請求項1に記載の選択装置であって、
前記注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、
前記画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに前記新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、当該表示される項目のうちの先頭に表示する表示部
をさらに備えることを特徴とする選択装置。
【請求項4】
請求項1に記載の選択装置であって、
前記注目ノードが内部ノードである場合、当該内部ノードの子ノードに対応付けられた項目を画面に表示し、
前記画面に表示される項目が対応付けられた子ノードに前記新たな葉ノードが含まれる場合、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目を、当該新たな葉ノードに対応付けられた項目が対応付けられる葉ノードに至るまでに経由したノードのうち、根ノードの子ノードに対応付けられた項目に隣接して表示する表示部
をさらに備えることを特徴とする選択装置。
【請求項5】
複数のノードを含み、各ノードに項目が対応付けられた木構造から、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択し、前記木構造と、当該木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、当該木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される記憶部と、移動部と、出力部と、更新部と、を備える選択装置が実行する選択方法であって、
前記移動部が、ユーザの指示に基づいて、前記記憶部を更新することにより前記木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで前記注目ノードを移動させる移動工程と、
前記出力部が、前記根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択結果として出力する出力工程と、
前記更新部が、前記葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、前記木構造の根ノードの子ノードとするように前記記憶部を更新する更新工程と、
を備えることを特徴とする選択方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のノードを含み、各ノードに項目が対応付けられた木構造から、根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択する選択装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記木構造と、当該木構造に含まれる各ノードに対応付けられる項目と、当該木構造内のいずれかのノード(以下、「注目ノード」という)と、が記憶される記憶部、
ユーザの指示に基づいて、前記記憶部を更新することにより前記木構造を根ノードからいずれかの葉ノードに至るまで前記注目ノードを移動させる移動部、
前記根ノードからいずれかの葉ノードに至るまでの項目を選択結果として出力する出力部、
前記葉ノードに至る頻度が所定の条件を満たす場合、当該葉ノードに対応付けられる項目及び当該葉ノードに至るまでに経由したノードに対応付けられる項目が対応付けられる新たな葉ノードを、前記木構造の根ノードの子ノードとするように前記記憶部を更新する更新部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−249727(P2012−249727A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123078(P2011−123078)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】