説明

選択装置、選択方法、ならびに、プログラム

【課題】ゲームの選択画面等において項目選択を間違えずに行うのに好適な選択装置等を提供する。
【解決手段】選択装置300において、表示部301は、ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する。受付部302は、ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける。移動部303は、移動指示入力が受け付けられると、当該移動指示入力に基づいて、画面内の注目位置を移動する。出力部304は、選択指示入力が受け付けられ、かつ、画面内の注目位置に複数の項目のいずれかが表示されている場合、注目位置に表示されている項目をユーザによる選択結果として出力する。表示部301は、ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、複数の項目が表示される位置を変化させて、画面内に表示する。複数の項目が画面内に表示されるときの注目位置の初期位置は、複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビゲームの選択画面等において項目選択を間違えずに行うのに好適な選択装置、選択方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機において、項目選択を行うためにパーソナルコンピュータと同様のウィンドウシステムを実現する技術が提案されている。たとえば、特許文献1のゲーム機用の仮想マウス装置では、タッチパネルに仮想マウスを表示して、イメージセンサ部でプレイヤーの指及び手の動きを検出し、一般的なマウスと同様にカーソルの移動やクリックの機能を実現している。またこの仮想マウスでは、プレイヤーの指及び手が特定の領域から外れると、仮想マウスの表示位置を初期位置に戻すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−70370号公報(第1頁、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の仮想マウスや一般的な家庭用ゲーム機で用いられるコントローラに言えることであるが、たとえばテレビゲームにおいてスタート画面、ゲームの難易度の選択画面、用いるキャラクターの選択画面などと、画面上の選択ボタンをカーソルで選んでクリックボタンやコントローラの決定ボタンを押す操作が続くことがよくある。このようなときに、プレイヤーが画面をよく見ずにクリックボタンや決定ボタンを連打すると、画面上の誤った選択ボタンを押してしまうということが起こる。
【0005】
またたとえば、インターネットのネットショッピングのサイトで選択画面や確認画面が続くことがよくあるが、カーソルの位置がたまたま画面上の選択ボタンの上にあるときに、勢い余ってマウスのクリックボタンを押してしまい、誤って商品の購入を確定してしまうということが起こる場合もある。このようなことは、通常のパーソナルコンピュータのアプリケーションにも言えることで、誤って画面上の削除ボタンを押してしまい、データを削除してしまう等の形で起こりうる。
【0006】
このため、テレビゲームやブラウザの選択画面等において、決定ボタンやクリックボタンを押し続けても、画面上の誤った選択ボタンを押してしまうことを減らす若しくはなくすのが望ましい。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、テレビゲームの選択画面等において項目選択を間違えずに行うのに好適な選択装置、選択方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0009】
本発明の第1の観点に係る選択装置は、表示部、受付部、移動部、出力部を備え、以下のように構成する。
【0010】
すなわち、表示部は、ユーザに選択させるべき一つ以上の項目を画面に表示し、画面内の注目位置に所定の指示図形を表示する。
【0011】
たとえば、テレビゲームにおいては、一つ以上の項目は、表示装置の画面に表示される選択画面内の「はい」、「いいえ」ボタンが典型的である。また、たとえば、通常のパーソナルコンピュータのアプリケーションにおいては、データの削除を確認する確認画面で、「データを削除しますか?」という質問とともに表示される「はい」、「いいえ」ボタン等が、一つ以上の項目に該当する。さらに、たとえば、インターネットのブラウザの確認画面において、「これで確定してよろしいですか?」という表示とともに「はい」ボタンのみが表示される場合は、項目が一つの場合に該当する。
【0012】
また、所定の指示図形は、たとえば表示装置の画面に表示される矢印等のカーソル(ポインタ等とも呼ばれる)に相当する。そして、注目位置とは、そのカーソルが指し示す位置に相当する。
【0013】
一方、受付部は、ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける。
【0014】
たとえば、テレビゲームにおいては、選択指示入力とは、選択画面等が表示されているときに、ユーザ(プレイヤー)が何かを選択するためにゲーム機のコントローラの丸ボタン等を押すことである。また、たとえば、通常のパーソナルコンピュータのアプリケーションにおいては、選択指示入力は、ユーザが左クリックもしくは右クリック等の入力動作を行うことに相当する。
【0015】
移動指示入力は、たとえば、テレビゲームにおいては、画面上のカーソルを移動させるために、プレイヤーが十字ボタン等を押すことに相当する。また、たとえば、インターネットのブラウザにおいては、画面上のカーソルを移動させるために、ユーザが卓上でマウスを動かすことに相当する。
【0016】
さらに、移動部は、移動指示入力が受け付けられると、当該移動指示入力に基づいて、画面内の注目位置を移動する。
【0017】
たとえば、テレビゲームにおいては、移動部は、プレイヤーがコントローラの十字ボタン等を押した場合に、表示装置の画面上に表示されたカーソルの位置、すなわち注目位置を移動する。また、たとえば、通常のパーソナルコンピュータのアプリケーションにおいては、移動部は、ユーザが卓上でマウスを動かした場合に、カーソルの指し示す位置、すなわち注目位置を移動する。
【0018】
一方、出力部は、選択指示入力が受け付けられ、かつ、画面内の注目位置に一つ以上の項目のいずれかが表示されている場合、当該注目位置に表示されている項目をユーザによる選択結果として出力する。
【0019】
たとえば、テレビゲームにおいては、出力部は、選択画面等においてユーザがコントローラの丸ボタンを押して、その選択指示入力が受付部によって受け付けられ、かつ、画面内のカーソルの位置が画面上のいずれかの選択ボタン内、すなわち項目が表示されている領域にある場合に、そのカーソルの位置に表示されている画面内の選択ボタンの内容をユーザによる選択結果として出力する。
【0020】
これは、たとえば、画面上に「データを削除しますか?」という表示とともに、「はい」、「いいえ」の選択ボタンが表示されていて、プレイヤーが「はい」の選択ボタン上にカーソルを移動し、コントローラの丸ボタンを押すと、ユーザによる選択結果が他の情報処理に出力されることに相当する。他の情報処理に「データを削除する」という内容が出力されるので、データが削除され、画面上には「データを削除しました。」という選択結果が表示されることになる。
【0021】
なお、このような選択結果は必ずしも表示装置の画面上に出力される必要はなく、たとえば、テレビゲームの難易度の選択画面で、画面上の選択ボタンを押した場合に、キャラクターの選択画面に移行するという出力形態であってもよい。
【0022】
そして、本発明の第1の観点に係る選択装置では、一つ以上の項目が画面に表示されるときの画面内の注目位置の初期位置が、当該一つ以上の項目が表示される領域のいずれにも含まれないことを特徴とする。
【0023】
これは、たとえば、テレビゲームの選択画面において、選択ボタンが画面上に表示されるときの画面内のカーソルの初期位置が、選択ボタンの表示されている領域のいずれにも含まれない、すなわち選択ボタンの外にあるということである。
【0024】
ここで、画面内の注目位置の初期位置としては、たとえば、ユーザが家庭用ゲーム機の電源を入れた後、初めて選択画面が表示されるときの画面内のカーソルの位置が典型的である。また、画面内の注目位置の初期位置は、たとえば、テレビゲームが一旦終了して選択画面が再び画面に表示されるときの、画面内のカーソルの位置の場合もある。
【0025】
したがって、本発明では、たとえば、ユーザが画面上の選択ボタンを押す場合には、必ずカーソルを移動させる必要があり、勢い余って画面上の選択ボタンを押してしまうというようなことをなくすことができる。
【0026】
このように、本発明に係る選択装置は、テレビゲームの選択画面等において項目選択を間違えずに行うのに好適なものである。
【0027】
また、本発明の選択装置において、ユーザに選択させるべき項目の数が複数である場合に、初期位置を複数の項目が表示される位置のいずれとも等距離にあるように構成することもできる。
【0028】
これは、たとえば、テレビゲームの選択画面において、選択ボタンが4つあり、選択ボタンが縦横2つずつ並んでいるときに、カーソルの初期位置が4つの選択ボタンの中央であるような場合が典型的である。
【0029】
このような構成により、項目選択を間違えずに行うことができるほか、画面上の複数の選択ボタンのいずれを選択する場合にも、カーソルを最短距離で移動させることが可能となる。
【0030】
さらに、本発明の選択装置において、表示部が、ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、画面内における一つ以上の項目の順序もしくは位置を変化させるように構成することもできる。
【0031】
これは、たとえば、ユーザが画面上の選択ボタンを押し、選択結果が表示された後、同じ選択画面が再度表示される場合に、「はい」、「いいえ」の選択ボタンの順序を最初の選択画面のときと逆にする等が典型的である。また、同じ選択画面が再度表示されるような場合に、選択ボタンの位置を変化させるようにしてもよい。
【0032】
このような構成により、ユーザが画面上の選択ボタンの位置を覚えてしまって、表示画面をよく見ずに画面上の選択ボタンを誤って押してしまうというようなことがなくなり、項目選択を間違えずに行うことができるという効果がさらに高まる。
【0033】
また、本発明の選択装置において、選択指示入力が受け付けられ、かつ、画面内の注目位置に一つ以上の項目のいずれも表示されていない場合、ユーザに警告する警告部をさらに備えるようにしてもよい。
【0034】
これは、たとえば、テレビゲームの選択画面において、カーソルが画面上のいずれの選択ボタンの領域にもないときに、ユーザがコントローラの丸ボタンを押した場合、警告部がビープ音を発する等が典型的である。また、たとえば、警告部が表示部に対して、画面上に「選択ボタンを押してください。」と表示させるような構成にしてもよい。
【0035】
このような構成により、カーソルがいずれの選択ボタンの領域にもないときに、ユーザがコントローラの丸ボタンを押してしまった場合等に、ユーザに対して警告がなされるため、項目選択を間違えずに行うことができるという効果がさらに高まる。
【0036】
さらに、本発明の選択装置において、表示部が、項目が画面に表示される領域の形状と同じ形状の警告図形を、項目と重ならないように画面に表示し、初期位置が、当該警告図形が表示される領域に含まれるように構成することもできる。
【0037】
これは、たとえば、テレビゲームの選択画面において、画面上の選択ボタンと同じ形状の警告図形を選択ボタンと重ならないように表示し、カーソルの初期位置がその警告図形の領域内にあるような場合が典型的である。また、ユーザが画面に表示された警告図形を押した場合には、「説明をよく読んでください。」等の表示を行うようにしてもよい。
【0038】
このような構成により、たとえば、テレビゲームの選択画面において、プレイヤーがコントローラの丸ボタンを連打した場合でも、カーソルの初期位置が、警告図形が表示される領域内にあるため、項目選択を間違えるということがなくなる。
【0039】
本発明のその他の観点に係る選択方法は、表示部、受付部、移動部、出力部を有し、以下のように構成する。
【0040】
すなわち、表示工程では、表示部が、ユーザに選択させるべき一つ以上の項目を画面に表示し、画面内の注目位置に所定の指示図形を表示する。
【0041】
一方、受付工程では、受付部が、ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける。
【0042】
さらに、注目位置移動工程では、移動指示入力が受け付けられると、移動部が、移動指示入力に基づいて、画面内の注目位置を移動する。
【0043】
そして、選択結果出力工程では選択指示入力が受け付けられ、かつ、画面内の注目位置に一つ以上の項目のいずれかが表示されている場合、出力部が、注目位置に表示されている項目をユーザによる選択結果として出力する。
【0044】
そして、本発明のその他の観点に係る選択方法では、表示工程において、表示部が、一つ以上の項目が画面に初めて表示されるときの画面内の注目位置を、当該一つ以上の項目が表示される領域のいずれにも含まれないように指示図形を表示することを特徴とする。
【0045】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記の選択装置の各部として機能させ、コンピュータに、上記の選択方法の各工程を実行させるように構成する。
【0046】
本発明に係る選択装置は、
ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する表示部、
前記ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける受付部、
前記移動指示入力が受け付けられると、当該移動指示入力に基づいて、前記画面内の注目位置を移動する移動部、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれかが表示されている場合、当該注目位置に表示されている項目を前記ユーザによる選択結果として出力する出力部、
を備え、
前記表示部は、前記ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、前記画面内において前記複数の項目が表示される位置を変化させて、当該複数の項目を当該画面内に表示し、
前記複数の項目が前記画面内に表示されるときの前記画面内における前記注目位置の初期位置は、前記複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない
ように構成する。
【0047】
また、本発明の選択装置において、
前記複数の項目の位置は、所定の円の円周上、もしくは、所定の長方形の頂点上にある
ように構成することができる。
【0048】
また、本発明の選択装置において、
前記移動指示入力には、前記画面内の任意の位置のうち、いずれかの位置が移動先として指定され、
前記移動部は、前記受け付けられた移動指示入力に指定された移動先に、前記画面内の注目位置を移動する
ように構成することができる。
【0049】
また、本発明の選択装置において、
マウスのクリックが検知されると、前記選択指示入力が前記受付部に受け付けられ、
前記マウスの移動が検知されると、当該マウスの移動量により、前記画面内の前記移動先が定められ、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれも表示されていない場合、前記ユーザに警告する警告部
をさらに備えるように構成することができる。
【0050】
また、本発明の選択装置において、
前記表示部は、前記項目が画面に表示される領域の形状と同じ形状の警告図形を、前記項目と重ならないように前記画面に表示し、
前記初期位置は、前記警告図形が表示される領域に含まれる
ように構成することができる。
【0051】
本発明の選択方法は、表示部、受付部、移動部、出力部を有する選択装置にて実行され、
前記表示部が、ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する表示工程、
前記受付部が、前記ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける指示入力受付工程、
前記移動指示入力を受け付けられると、前記移動部が、前記移動指示入力に基づいて、前記画面内の注目位置を移動する注目位置移動工程、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれかが表示されている場合、前記出力部が、前記注目位置に表示されている項目を前記ユーザによる選択結果として出力する選択結果出力工程、
を備え、
前記表示工程において、前記ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、前記画面内において前記複数の項目が表示される位置を変化させて、当該複数の項目を当該画面内に表示し、
前記複数の項目が前記画面内に表示されるときの前記画面内における前記注目位置の初期位置は、前記複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない
ように構成する。
【0052】
本発明のプログラムは、コンピュータを、
ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する表示部、
前記ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける受付部、
前記移動指示入力が受け付けられると、当該移動指示入力に基づいて、前記画面内の注目位置を移動する移動部、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれかが表示されている場合、当該注目位置に表示されている項目を前記ユーザによる選択結果として出力する出力部
として機能させ、
前記表示部は、前記ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、前記画面内において前記複数の項目が表示される位置を変化させて、当該複数の項目を当該画面内に表示し、
前記複数の項目が前記画面内に表示されるときの前記画面内における前記注目位置の初期位置は、前記複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない
ように機能させるように構成する。
【0053】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0054】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、テレビゲームの選択画面等において項目選択を間違えずに行うのに好適な選択装置、選択方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】プログラムを実行することにより、本発明の選択装置等の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】コントローラの外観を示す説明図である。
【図3】実施形態1に係る選択装置の概要構成を示す模式図である。
【図4】実施形態1に係る選択装置において行われる項目選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】表示部によって画面に表示された項目および指示図形の例を示す図である。
【図6】表示部によって画面に表示された項目および指示図形の他の例を示す図である。
【図7】表示部によって画面に表示された項目および指示図形のさらに他の例を示す図である。
【図8】実施形態4に係る選択装置において行われる項目選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】表示部によって画面に表示された項目および指示図形の他の例を示す図である。
【図10】表示部によって画面に表示された項目および指示図形のさらに他の例を示す図である。
【図11】表示部によって画面に表示された項目および指示図形の例を示す図である。
【図12】ユーザが警告図形を選択した場合に表示される警告表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0058】
なお、上述のように、本発明に係る選択装置は、ゲーム用の情報処理装置以外にも、通常のパーソナルコンピュータ等においても実現可能である。
【0059】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の選択装置等の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0060】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM 102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェイス104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、を備える。
【0061】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の選択装置等が実現される。
【0062】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0063】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0064】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0065】
インターフェイス104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0066】
図2は、コントローラ105の外観を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0067】
コントローラ105の左方には、上下左右を示す操作入力を行うのに利用される↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204が配置されている。本実施形態では、これらのボタンは、画面上のカーソルを移動すること等に用いられる。
【0068】
コントローラ105の右方には、決定操作を行うのに利用される○ボタン205、取消操作入力を行うのに利用される×ボタン206、メニュー表示等の指示入力を行うのに利用される△ボタン207、その他指示入力を行うのに利用される□ボタン208が配置されている。本実施形態では、たとえば、選択画面においてカーソルが画面上の選択ボタンの領域内にあるときに○ボタン205を押すと、その選択ボタンの内容をユーザの選択結果として出力するようになっている。
【0069】
コントローラ105の中央には、SELECTボタン209、STARTボタン210のほか、アナログ入力の開始・停止を指示するためのANALOGボタン211、および、アナログ入力が有効か無効かを表示するためのインジケータ212が配置されている。
【0070】
またコントローラ105の中央下部には、上下左右に限らない方向に大きさを伴う指示入力を行うためのジョイスティック213、214が配置されている。このジョイスティック213、214を、画面上のカーソルを移動させるために使用するようにしてもよい。
【0071】
さらに、コントローラ105の上方には、各種の指示入力に用いることができるL1ボタン215、L2ボタン216、R1ボタン217、R2ボタン218が配置されている。
【0072】
コントローラ105の各ボタン201〜208、215〜218には、たとえば、圧力センサが配備され、アナログ入力が有効となっている場合には、いずれのボタンが押圧操作されているかを検知することができるほか、ユーザの押圧操作の圧力の大きさを0〜255の256段階で得ることができる。
【0073】
コントローラ105のジョイスティック213、214には、たとえば、ひずみゲージが配備され、これらがどの方向にどれだけ曲げられているか、を検知することができる。
【0074】
図1に戻り、インターフェイス104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の戦績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0075】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0076】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータを、CPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続される液晶ディスプレイ等のモニタ(図示せず)の画面へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0077】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0078】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視点の方向に俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0079】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協働動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0080】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に直接もしくは、ルータ等を介してLAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェイス(図示せず)により構成される。
【0081】
インターネット内のSNTPサーバにNIC 109を介して接続し、ここから情報を得ることによって現在の日時情報を得るようにすることができる。また、各種のネットワーク通信ゲームやSNSの管理サーバ装置が、SNTPサーバと同様の機能を果たすように構成・設定してもよい。
【0082】
一旦日時情報が得られれば、情報処理装置100が動作中はタイマ割込によりリアルタイムクロックと同様の機能を果たすカウンタを更新することとしてもよいし、情報処理装置100がリアルタイムクロックを有する場合は、その日時情報を修正する態様を採用することもできる。この際に、修正するか否かをユーザに問い合わせてもよい。内蔵するリアルタイムクロックを修正しない場合には、リアルタイムクロックの情報と実際にサーバから得られた情報との差分を保持し、日時情報が必要な場合には、リアルタイムクロックから得られた情報のその差分を加算すればよい。
【0083】
なお、本実施形態において、NIC 109は必須の構成要素ではないが、必要に応じてNIC 109を情報処理装置100に装備することができる。
【0084】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0085】
また本実施形態では、音声処理部110は、ゲームの難易度の選択画面等においてカーソルが画面上の選択ボタンの領域外にあるときに、プレイヤーがコントローラ105の○ボタン205等を押した場合、スピーカにビープ音を発生させるといった処理を行う。また、たとえば、カーソルが画面上の選択ボタンの領域内にあるときに、プレイヤーがコントローラ105の○ボタン205等を押した場合、スピーカに効果音を発生させるといった処理を行う。
【0086】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0087】
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、汎用のパーソナルコンピュータを利用することもできる。
【0088】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、同様の処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、一般的なビジネス用コンピュータ、携帯ゲーム機器など、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0089】
たとえば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM等を備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスク等を有する他、コンパクトディスク、DVD、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。
【0090】
また、一般的なコンピュータをインターネット通信網に接続する場合は、モデムやルータを利用することができる。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用することができる。
【0091】
図3は、本実施形態に係る選択装置の概要構成を示す模式図である。ここでは、図3を参照して、本実施形態に係る選択装置300について説明する。
【0092】
また、図5は、表示部301によって画面500に表示された項目および指示図形の例を示す図である。ここでは、図5に示す項目および指示図形の表示例も参照しながら、本実施形態に係る選択装置300について説明する。
【0093】
本実施形態に係る選択装置300は、表示部301、受付部302、移動部303、出力部304、警告部305、記憶部400を備える。なお、図3に示す選択装置300の表示部301、受付部302、移動部303、出力部304、警告部305は、CPU 101がRAM 103、DVD−ROMドライブ108等と協働することにより、その機能を実現する。
【0094】
表示部301は、たとえば、液晶ディスプレイ等の表示装置の画面に、ユーザに選択させるべき一つ以上の項目(選択ボタン)を表示する。また、表示部301は、表示装置の画面500内の注目位置に所定の指示図形502、すなわちカーソルを表示する。
【0095】
また、受付部302は、ユーザからの選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付けて、これらの指示入力を、CPU 101やRAM 103等での処理に利用できるようにする。
【0096】
さらに、移動部303は、移動指示入力が受け付けられると、この移動指示入力に基づいて、表示装置の画面500内の注目位置(カーソル502の指し示す位置)を移動する。
【0097】
出力部304は、選択指示入力が受け付けられ、かつ、表示装置の画面500内の注目位置(カーソルの指し示す位置)に一つ以上の項目(選択ボタン)のいずれかが表示されている場合に、この注目位置に表示されている項目をユーザによる選択結果として、他の処理へ出力する。
【0098】
警告部305は、選択指示入力が受け付けられ、かつ、表示装置の画面500内の注目位置(カーソル502の指し示す位置)に一つ以上の項目(選択ボタン)のいずれもが表示されていない場合に、たとえば、ビープ音を発して、ユーザに対して警告を行う。
【0099】
記憶部400は、RAM 103等によって構成され、少なくとも項目の位置およびカーソルの位置を記憶する。ここで、項目の位置とは、たとえば選択画面が表示されるときの画面500内における項目の初期位置、すなわち選択ボタンの初期位置である。また、カーソル502の位置とは、一つ以上の項目が選択画面等に表示されるときの画面500内のカーソル502の初期位置、すなわち注目位置の初期位置である。
【0100】
なお、記憶部400は、項目の位置およびカーソル502の位置の他に、たとえば、項目(選択ボタン)の大きさ、項目の形状、項目のデザイン、カーソル502の大きさ、カーソル502のデザイン等を記憶している。
【0101】
図4は、本実施形態に係る選択装置300において行われる項目選択処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3および図4を参照して、本実施形態に係る選択装置300において行われる項目選択処理の流れを、図3に示す各部の機能とともに説明する。
【0102】
まず、たとえば、情報処理装置100の電源が投入され、CPU 101がRAM 103等からゲームのプログラムを読み込むと、選択装置300による項目選択処理が開始される。なお、RAM 103は、たとえば、DVD−ROMドライブ108に挿入されたDVD−ROMに記録されたゲームのプログラムを読み込み、一時的に記憶する。
【0103】
項目選択処理が開始されると、CPU 101は、まず項目の位置を決定する(ステップS100)。これは、たとえば、ゲームの選択画面において、画面内の項目(選択ボタン等)の位置を決めることに相当する。
【0104】
次に、CPU 101は、注目位置を決定する(ステップS101)。これは、たとえば、ゲームの選択画面が表示されるときの画面内の注目位置の初期位置、すなわちカーソル502の指し示す位置の初期位置を決めることに相当する。
【0105】
そして、選択装置300の表示部301は、ユーザに選択させるべき一つ以上の項目を画面500に表示し、画面500内の注目位置に所定の指示図形を表示する(ステップS102)。ここでは、表示部301が、一つ以上の項目(選択ボタン等)および指示図形(カーソル502)を、S100およびS101で決定された位置に表示する。
【0106】
図5の例では、一つ以上の項目として、選択ボタン501aおよび選択ボタン501bが画面500に表示されている。また、指示図形として、カーソル502が画面500に表示されている。なお、図5に示す画面500は、ゲームのデータを削除するかどうかを選択する選択画面であり、選択画面が表示された直後のデフォルトの状態を示している。
【0107】
図5に示すように、本実施形態では、2つの項目(選択ボタン501aおよび選択ボタン501b)が画面500に表示されるときの画面500内の注目位置(カーソル502の指し示す位置)の初期位置が、2つの項目が表示される領域のいずれにも含まれないようになっている。
【0108】
ここで、項目が表示される領域とは、たとえば、選択ボタン501aや選択ボタン501bの外枠の中の領域のことであり、カーソル502がその領域内にあるときに、ユーザからの選択指示入力があると、その項目の内容が選択結果として出力される範囲のことである。
【0109】
これは、言い換えると、選択画面である画面500が表示されるときのカーソル502の指し示す位置の初期位置が、選択ボタン501aおよび選択ボタン501bの表示される領域の外にあるということである。なお、図5に示す例では、指示図形としてのカーソル502全体が、デフォルト状態で選択ボタン501aおよび選択ボタン501bの領域外に表示されるようになっている。
【0110】
また、図5の例では、カーソル502が選択ボタン501aと選択ボタン501bのほぼ真ん中に表示されているが、選択ボタン501aと選択ボタン501bの領域外であれば、カーソル502を画面500内のどの位置に表示してもよい。
【0111】
ここで、図4に示す項目選択処理の説明に戻り、ステップS102で表示部301が画面500に項目および指示図形を表示した後に、CPU 101は、コントローラ105の←ボタン203や→ボタン204などがユーザによって押されているか、すなわちカーソル502に対する移動指示入力があるかどうかを判断する(ステップS103)。
【0112】
ステップS103において、ユーザによる移動指示入力があると判断された場合には(ステップS103、YES)、図3に示す受付部302がその移動指示入力を受け付けて、ステップS104へ進む。ステップS103において、ユーザによる移動指示入力がないと判断された場合には(ステップS103、NO)、ステップS102の処理へ戻る。
【0113】
ステップS103において、ユーザによる移動指示入力があると判断され(ステップS103、YES)、受付部302が移動指示入力を受け付けると、移動部303が、その移動指示入力に基づいて、画面500内の注目位置を移動する(ステップS104)。
【0114】
これは、ユーザがコントローラ105の→ボタン204を押した場合に、カーソルの指し示す位置が右へ移動することに相当する。また、当然のことながら、注目位置が移動すると、それに伴って指示図形、すなわちカーソル502が移動する。
【0115】
図5の例では、たとえば、ユーザがコントローラ105の→ボタン204を押すと、カーソル502が「いいえ」と書かれた選択ボタン501b側に移動する。また、たとえば、ユーザがコントローラ105の←ボタン203を押すと、カーソル502が「はい」と書かれた選択ボタン501a側に移動する。
【0116】
ステップS104において、移動部303が画面500内の注目位置を移動させた後、CPU 101は、ユーザがコントローラ105の○ボタン205等を押したかどうか、すなわちユーザからの選択指示入力があったかどうかを判断する(ステップS105)。
【0117】
ステップS105において、ユーザからの選択指示入力があったと判断された場合には(ステップS105、YES)、受付部302は、ユーザからの選択指示入力を受け付けて、ステップS106へ進む。ステップS105において、ユーザからの選択指示入力がなかったと判断された場合には(ステップS105、NO)、ステップS102の処理に戻り、ステップS102以降の項目選択処理を繰り返す。
【0118】
ステップS105において、ユーザからの選択指示入力指示入力があったと判断された場合には(ステップS105、YES)、CPU 101が、画面内の注目位置に一つ以上の項目のいずれかが表示されているかどうかを判断する(ステップS106)。これは、言い換えると、注目位置(カーソルの指し示す位置)が画面500内のいずれかの項目(選択ボタン)の領域内にあるかどうかを判断するということである。
【0119】
図5の例では、CPU 101が、ユーザがコントローラ105の○ボタン205を押したときに、カーソル502の指し示す位置が選択ボタン501aまたは選択ボタン501bの領域内にあるかどうかを判断する(ステップS106)。
【0120】
ステップS106において、注目位置が項目の領域内にあると判断された場合には(ステップS106、YES)、出力部304が、注目位置に表示されている項目をユーザによる選択結果として出力し(ステップS107)、項目選択処理を終了する。
【0121】
このとき、出力部304は、ユーザによって選択された項目(選択ボタン)の内容を他の処理へ出力する。これは、たとえば、図5に示す画面500において、ユーザが「はい」と書かれた選択ボタン501aを選択した場合に、外部メモリ106等から実際にデータを削除するということに相当する。また、たとえば、ゲームの難易度を選択する選択画面において、ユーザがある選択ボタンを選択した場合に、次に使用するキャラクターの選択画面に移行するという出力形態であってもよい。
【0122】
ステップS105において、選択指示入力が受け付けられ、かつ、ステップS106において、画面500内の注目位置に一つ以上の項目のいずれも表示されていないと判断された場合には(ステップS106、NO)、警告部305が、ユーザに警告を発する(ステップS108)。これは、ステップS106において、注目位置が項目の領域内にない場合に、警告部305が、たとえば、音声処理部110にビープ音を発生させるということである。
【0123】
これは、たとえば、図5に示す画面500において、画面上のカーソル502の指し示す位置が、選択ボタン501aおよび選択ボタン501bの領域内にないときに、ユーザがコントローラ105の○ボタンを押すと、警告部305が、音声処理部110にビープ音等を発生させるということである。なお、音声処理部110にビープ音を発生させるかわりに、またはビープ音を発生させるとともに、たとえば、表示部301に対して、画面500に「選択ボタンを押してください。」と表示させるようにしてもよい。
【0124】
ステップS108において、警告部305がユーザに対して警告した後、ステップS102の処理に戻り、ステップS102以降の項目選択処理を繰り返す。
【0125】
上記のように、CPU 101は、RAM 103等に記憶されたプログラムを読み込むことにより、表示部301、受付部302、移動部303、出力部304、警告部305として機能する。
【0126】
(実施形態2)
図6は、表示部301によって画面500に表示された項目および指示図形の他の例を示す図である。図6に示す画面500は、ゲームの難易度を選択する選択画面であり、4つの項目(選択ボタン501c、501d、501e、501f)が表示されている。また図6は、画面500が表示された直後のデフォルトの状態を示している。
【0127】
図6の例では、画面500に、4つの選択ボタン501c、501d、501e、501fが、縦横2つずつ並んでおり、各選択ボタンの中心が長方形505の4つの頂点に乗るように表示されている。そして、画面500が表示されるときのカーソル502の指し示す位置(注目位置)の初期位置は、各選択ボタンの中心がその4つの頂点に乗る長方形の中心にある。
【0128】
これにより、カーソル502の初期位置が、複数の選択ボタン501c、501d、501e、501fが表示される位置のいずれとも等距離となる。図6の例では、カーソル502の初期位置が長方形505の中心に乗るように設定されており、複数の選択ボタン501c、501d、501e、501fの中心が長方形505の4つの頂点に乗るように設定されているため、おのずと選択ボタン501c、501d、501e、501fまでの距離が等しくなる。
【0129】
このように、カーソル502の初期位置を設定することで、画面500上の複数の選択ボタン501c、501d、501e、501fのいずれを選択する場合にも、カーソル502を最短距離で移動させることが可能となる。
【0130】
(実施形態3)
図7は、表示部301によって画面500に表示された項目および指示図形のさらに他の例を示す図である。図7に示す画面500は、ゲームで使用するキャラクターを選択する選択画面であり、6つの項目(選択ボタン501g、501h、501i、501j、501k、501l)が表示されている。また図7は、画面500が表示された直後のデフォルトの状態を示している。
【0131】
図7の例では、画面500に、6つの選択ボタン501g、501h、501i、501j、501k、501lが、それらの中心が図7の点線で示す円に乗るように表示されている。そして、画面500が初めて表示されるときのカーソル502の指し示す位置(注目位置)の初期位置は、各選択ボタンの中心が乗る円の中心(図7の黒丸)にある。
【0132】
これにより、カーソル502の初期位置が、複数の選択ボタン501g、501h、501i、501j、501k、501lが表示される位置のいずれともほぼ等距離となる。
【0133】
このように、複数の選択ボタン501g、501h、501i、501j、501k、501lを表示し、かつ、カーソル502の初期位置を設定することで、画面500上の複数の選択ボタン501g、501h、501i、501j、501k、501lのいずれを選択する場合にも、カーソル502を最短距離で移動させることが可能となる。
【0134】
本実施形態では、一つ以上の選択ボタンが画面500に初めて表示されるときの画面500内のカーソル502の指し示す位置が、一つ以上の選択ボタンが表示される領域のいずれにも含まれないようにしているため、テレビゲームの選択画面等においてユーザが○ボタン205等を連打した場合でも、項目選択を間違えずに行うことが可能となる。
【0135】
(実施形態4)
図9は、表示部301によって画面500に表示された項目および指示図形の他の例を示す図である。図9に示す画面500では、「いいえ」と書かれた選択ボタン501bが左側にあり、「はい」と書かれた選択ボタン501aが右側にあって、図5に示す画面500と選択ボタン501aと選択ボタン501bの順序が逆になっている。
【0136】
図10は、表示部301によって画面500に表示された項目および指示図形のさらに他の例を示す図である。図10に示す画面500では、「はい」と書かれた選択ボタン501aと「いいえ」と書かれた選択ボタン501bが上下に並んでおり、図5および図9に示す画面500とは選択ボタン501aと選択ボタン501bの位置が異なっている。
【0137】
図8は、実施形態4に係る選択装置300において行われる項目選択処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る選択装置300の構成、情報処理装置100の構成は、実施形態1に係る選択処理装置300、情報処理装置100の構成と同様であるため、説明を省略する。本実施形態では、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0138】
図8に示す項目選択処理において、ステップS200〜S207およびステップS209は、図4に示す項目選択処理のステップS100〜S108と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
本実施形態に係る項目選択処理では、ステップS207において、出力部304によって、注目位置に表示されている項目がユーザによる選択結果として出力(ステップS207)された後、CPU 101が、図9または図10に示すように、一つ以上の項目(選択ボタン)の順序もしくは位置を変更する処理を行い(ステップS208)、項目選択処理を終了する。
【0140】
そして、CPU 101は、ステップS208において変更された一つ以上の項目の順序もしくは位置をRAM 103等に記憶させ、再度同じ内容の選択画面でユーザに項目選択させる場合に、表示部301が、ステップS202において、項目の順序もしくは位置が変化した選択画面を表示する。
【0141】
本実施形態では、表示部301が、ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、画面500内における一つ以上の項目(選択ボタン)の順序もしくは位置を変化させる。このため、ユーザが画面500上の選択ボタン501a、501bの位置を覚えてしまって、表示画面をよく見ずに画面500上の選択ボタン501a、501bを押してしまうというようなことがなくなり、項目選択を間違えずに行うことができるという効果がさらに高まる。その他の効果については、実施形態1に係る選択装置300と同様である。
【0142】
(実施形態5)
図11は、表示部301によって画面500に表示された項目および指示図形の例を示す図である。図11は、画面500が表示された直後のデフォルトの状態を示している。なお、本実施形態に係る選択装置300の構成、情報処理装置100の構成は、実施形態1に係る選択処理装置300、情報処理装置100の構成と同様であるため、説明を省略する。本実施形態では、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0143】
図11に示す画面500には、図6に示す画面500と同様に、4つの選択ボタン501m、501n、501o、501pが縦横2つずつ表示されている。さらに、4つの選択ボタン501m、501n、501o、501pの中央には、選択ボタン501m、501n、501o、501pの形状と同じ形状の警告図形503が表示されている。
【0144】
本実施形態では、表示部301が、項目(選択ボタン)が画面500に表示される領域の形状と同じ形状の警告図形503を、項目と重ならないように画面500に表示する。また、表示部301は、デフォルト状態におけるカーソル502の指し示す位置(初期位置)が、警告図形503が表示される領域に含まれるようにカーソル502を表示する。
【0145】
図12は、ユーザが警告図形を選択した場合に表示される警告表示504の例を示す図である。たとえば、カーソル502の指し示す位置が警告図形503の領域内にあるときに、ユーザがコントローラ105の○ボタン205等を押した場合に、画面500に警告表示504が表示される。図12の例では、画面500に、「画面上の選択ボタンを押してください。」と書かれた警告表示504が表示される。なお、警告表示504に書かれる内容は、他のものであってもよいし、警告表示504を表示しなくてもよい。
【0146】
本実施形態では、表示部301が、項目が画面500に表示される領域の形状と同じ形状の警告図形503を、項目と重ならないように画面500に表示する。また、表示部301は、デフォルト状態におけるカーソル502の指し示す位置が、警告図形503が表示される領域に含まれるようにカーソル502を表示する。
【0147】
このため、たとえば、テレビゲームの選択画面において、プレイヤーがコントローラ105の○ボタン205を連打した場合でも、カーソル502の初期位置が、警告図形503が表示される領域内にあるため、項目選択を間違えるということがなくなる。その他の効果については、実施形態1に係る選択装置300と同様である。
【0148】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうる様々な変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【0149】
たとえば、上記の実施形態では、本発明に係る選択装置300をゲーム機である情報処理装置100上で実現する例を示したが、本発明に係る選択装置300を、通常のパーソナルコンピュータ等の上で実現することもできる。また、本発明に係る項目選択処理を、インターネットのブラウザや通常のパーソナルコンピュータのアプリケーション等に適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
以上説明したように、本発明によれば、テレビゲームの選択画面等において項目選択を間違えずに行うのに好適な選択装置、選択方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0151】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェイス
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
201 ↑ボタン
202 ↓ボタン
203 ←ボタン
204 →ボタン
205 ○ボタン
206 ×ボタン
207 △ボタン
208 □ボタン
209 セレクトボタン
210 STARTボタン
211 ANALOGボタン
212 インジケータ
213 ジョイスティック
214 ジョイスティック
215 L1ボタン
216 L2ボタン
217 R1ボタン
218 R2ボタン
300 選択装置
301 表示部
302 受付部
303 移動部
304 出力部
305 警告部
400 記憶部
500 画面
501a〜501p 選択ボタン
502 カーソル
503 警告図形
504 警告表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する表示部、
前記ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける受付部、
前記移動指示入力が受け付けられると、当該移動指示入力に基づいて、前記画面内の注目位置を移動する移動部、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれかが表示されている場合、当該注目位置に表示されている項目を前記ユーザによる選択結果として出力する出力部、
を備え、
前記表示部は、前記ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、前記画面内において前記複数の項目が表示される位置を変化させて、当該複数の項目を当該画面内に表示し、
前記複数の項目が前記画面内に表示されるときの前記画面内における前記注目位置の初期位置は、前記複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない
ことを特徴とする選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選択装置であって、
前記複数の項目の位置は、所定の円の円周上、もしくは、所定の長方形の頂点上にある
ことを特徴とする選択装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の選択装置であって、
前記移動指示入力には、前記画面内の任意の位置のうち、いずれかの位置が移動先として指定され、
前記移動部は、前記受け付けられた移動指示入力に指定された移動先に、前記画面内の注目位置を移動する
ことを特徴とする選択装置。
【請求項4】
請求項3に記載の選択装置であって、
マウスのクリックが検知されると、前記選択指示入力が前記受付部に受け付けられ、
前記マウスの移動が検知されると、当該マウスの移動量により、前記画面内の前記移動先が定められ、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれも表示されていない場合、前記ユーザに警告する警告部
をさらに備えることを特徴とする選択装置。
【請求項5】
請求項4に記載の選択装置であって、
前記表示部は、前記項目が画面に表示される領域の形状と同じ形状の警告図形を、前記項目と重ならないように前記画面に表示し、
前記初期位置は、前記警告図形が表示される領域に含まれる
ことを特徴とする選択装置。
【請求項6】
表示部、受付部、移動部、出力部を有する選択装置にて実行される選択方法であって、
前記表示部が、ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する表示工程、
前記受付部が、前記ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける指示入力受付工程、
前記移動指示入力を受け付けられると、前記移動部が、前記移動指示入力に基づいて、前記画面内の注目位置を移動する注目位置移動工程、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれかが表示されている場合、前記出力部が、前記注目位置に表示されている項目を前記ユーザによる選択結果として出力する選択結果出力工程、
を備え、
前記表示工程において、前記ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、前記画面内において前記複数の項目が表示される位置を変化させて、当該複数の項目を当該画面内に表示し、
前記複数の項目が前記画面内に表示されるときの前記画面内における前記注目位置の初期位置は、前記複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない
ことを特徴とする選択方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザが選択可能な複数の項目を画面に表示する表示部、
前記ユーザから、選択指示入力もしくは移動指示入力を受け付ける受付部、
前記移動指示入力が受け付けられると、当該移動指示入力に基づいて、前記画面内の注目位置を移動する移動部、
前記選択指示入力が受け付けられ、かつ、前記画面内の注目位置に前記複数の項目のいずれかが表示されている場合、当該注目位置に表示されている項目を前記ユーザによる選択結果として出力する出力部
として機能させ、
前記表示部は、前記ユーザによる選択結果が出力された後、再度ユーザに項目選択させる場合に、前記画面内において前記複数の項目が表示される位置を変化させて、当該複数の項目を当該画面内に表示し、
前記複数の項目が前記画面内に表示されるときの前記画面内における前記注目位置の初期位置は、前記複数の項目が表示される領域のいずれにも含まれない
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−65328(P2013−65328A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248905(P2012−248905)
【出願日】平成24年11月13日(2012.11.13)
【分割の表示】特願2009−297984(P2009−297984)の分割
【原出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】