説明

遺伝子型が同定された糖尿病患者のリナグリプチン等のDDP−IV阻害薬による治療

本発明は、特定の患者群などにおける代謝障害及び関連状態の予防又は治療方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)DPP-4阻害薬と、必要に応じて、
(b)ビグアナイド系薬剤、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、グリニド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群G3より選択される第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、
(c)ビグアナイド系薬剤、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、グリニド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群G3より選択される(b)とは異なる第3の抗糖尿病薬、
又はそれらの医薬的に許容できる塩
を含む医薬化合物、組成物又は組合せであって、
特に、例えば2型糖尿病の治療のような治療又は予防方法であって、以下の工程
患者が、代謝疾患と関連する1つ以上の遺伝子に変異を有するかどうか、例えば、患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程、
及び
前記患者に前記医薬化合物、組成物又は組合せを投与する工程
を含む方法
に用いるための医薬化合物、組成物又は組合せ。
【請求項2】
(a)DPP-4阻害薬と、必要に応じて、
(b)ビグアナイド系薬剤(特にメトホルミン)、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、グリニド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群G3より選択される第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、
(c)メトホルミン、スルホニル尿素、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、レパグリニド、ナタグリニド、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、GLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群より選択される(b)とは異なる第3の抗糖尿病薬、
又はそれらの医薬的に許容できる塩
を含む、請求項1に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項3】
(a)DPP-4阻害薬と、必要に応じて、
(b)メトホルミン、スルホニル尿素、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、レパグリニド、ナタグリニド、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール及びGLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群より選択される第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、
(c)ビグアナイド系薬剤(特にメトホルミン)、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、グリニド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群G3より選択されるから(b)とは異なる第3の抗糖尿病薬、
又はそれらの医薬的に許容できる塩
を含む、請求項1に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項4】
(a)DPP-4阻害薬と、必要に応じて、
(b)メトホルミン、スルホニル尿素及びピオグリタゾンから成る群より選択される第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、
(c)メトホルミン、スルホニル尿素、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、レパグリニド、ナタグリニド、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、GLP-1又はGLP-1類似体、及びインスリン又はインスリン類似体から成る群より選択される(b)とは異なる第3の抗糖尿病薬、
又はそれらの医薬的に許容できる塩
を含む、請求項1、2又は3に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項5】
(a)DPP-4阻害薬と、必要に応じて、
(b)メトホルミン及びピオグリタゾンから成る群より選択される第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、
(c)メトホルミン、スルホニル尿素及びピオグリタゾンから成る群より選択される(b)とは異なる第3の抗糖尿病薬、
又はそれらの医薬的に許容できる塩
を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項6】
前記第2及び/又は第3抗糖尿病薬が、メトホルミン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン、グリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリボルヌリド、グリブリド、グリソエピド、グリクラジド、ナタグリニド、レパグリニド、ミチグリニド、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、エクセナチド及びリラグルチドから成る群、又は前記治療薬の1種の医薬的に許容できる塩から独立に選択される、請求項1、2又は3に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項7】
前記DPP-4阻害薬が、リナグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、サクサグリプチン、テネリグリプチン及びデュトグリプチンから成る群G2、又は前記DPP-4阻害薬の1種の医薬的に許容できる塩から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項8】
さらに1種以上の医薬的に許容できる担体を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記成分(a)及び(b)が存在し、かつ前記成分(c)が存在しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項10】
前記成分(a)が存在し、かつ前記成分(b)及び(c)が存在しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記活性成分の同時又は逐次使用に適していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項12】
前記活性成分が、単一の剤形内に存在する、または各成分が別個の剤形内に存在することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項13】
前記DPP-4阻害薬及び第2の抗糖尿病薬が単一剤形内に存在し、かつ前記第3の抗糖尿病薬が別個の剤形内に存在することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物又は組合せ。
【請求項14】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者における、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、空腹時血糖異常、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満及び代謝症候群から成る群より選択される代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項15】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、血糖コントロールの改善並びに/或いは空腹時血糖値、食後血糖値及び/又は糖化ヘモグロビンHbA1cの低減のための方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項16】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、耐糖能障害、空腹時血糖異常、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、遅延又は逆転の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程を含む方法において、
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与することを特徴とする方法。
【請求項17】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、糖尿病合併症、例えば白内障並びに微小血管疾患及び大血管疾患、例えば腎症、網膜症、神経障害、組織虚血、糖尿病性足病変、動脈硬化症、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患、心筋症、心不全、心拍障害及び血管再狭窄から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は予防の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項18】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、体重の減少又は体重増加の予防又は体重減少の促進の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項19】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療並びに/或いは膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復並びに/或いは膵臓インスリン分泌の機能性の修復の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項20】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、肝臓脂肪の異常蓄積に起因する疾患又は状態の予防、減速、遅延又は治療の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項21】
それを必要とする患者、例えばTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えばSNP)を有する患者又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者における、インスリン感受性の維持及び/又は改善並びに/或いは高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療及び/又は予防の方法であって、
以下の工程
前記患者が、TCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有するかどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、例えばrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有するかどうか、又はそれぞれの野生型遺伝子型のある患者かどうか、例えばTCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうかを試験する工程
及び
請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法。
【請求項22】
それを必要とする患者、特に
代謝疾患と関連する1つ以上の遺伝子に変異を有する患者、
特にTCF7L2及びGLP1Rから選択される1つ以上の遺伝子に1つ以上の変異(例えば多型)を有する患者、
さらに特に、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)を有する患者、例えば、rs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択されるSNPを有する患者、
又は
それぞれの野生型遺伝子型のある患者、
特にTCF7L2野生遺伝子型のある患者、
さらに特に、TCF7L2のrs7903146に野生型遺伝子型のある患者における
以下の方法
−1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、空腹時血糖異常、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満、代謝症候群、インスリン抵抗性、高脂血症、高コレステロール血症、脂質異常症、高血圧症、慢性全身性炎症、網膜症、神経障害、腎症、アテローム性動脈硬化症、内皮細胞機能不全、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)及び骨粗しょう症から成る群より選択される代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法;又は
−血糖コントロールの改善並びに/或いは空腹時血糖値、食後血糖値及び/又は糖化ヘモグロビンHbA1cの低減方法;又は
−耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、遅延又は逆転方法;又は
−糖尿病合併症、例えば白内障並びに微小血管疾患及び大血管疾患、例えば腎症、網膜症、神経障害、組織虚血、糖尿病性足病変、動脈硬化症、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患、心筋症、心不全、心拍障害及び血管再狭窄から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法;又は
−体重の減少又は体重増加の予防又は体重減少の促進方法;又は
−膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療並びに/或いは膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復並びに/或いは膵臓インスリン分泌の機能性の修復方法;又は
−肝臓脂肪の異常蓄積に起因する疾患又は状態の予防、減速、遅延又は治療方法;又は
−インスリン感受性の維持及び/又は改善並びに/或いは高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防方法
に用いるための薬物の製造のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項23】
前記患者が、過体重、肥満、内臓肥満及び腹部肥満から成る群より選択される1つ以上の状態と診断された個体である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記患者が以下の状態:
(a)110mg/dLより高い、特に125mg/dLより高い空腹時血糖又は血清グルコース濃度;
(b)140mg/dL以上の食後血糖値;
(c)6.5%以上、特に7.0%以上のHbA1c値
の1又は2つ以上を示す個体である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法又は請求項22に記載の使用。
【請求項25】
前記患者が以下の状態:
(a)肥満、内臓肥満及び/又は腹部肥満、
(b)トリグリセリド血中レベル≧150mg/dL、
(c)HDL-コレステロール血中レベルが女性患者で<40mg/dL、男性患者で<50mg/dL、
(d)収縮期血圧≧130mmHg及び拡張期血圧≧85mmHg、
(e)空腹時血糖値≧110mg/dL
の1、2又は3つ以上が存在する個体である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法又は請求項22に記載の使用。
【請求項26】
前記患者が、食事制限及び運動にもかかわらず、又は前記第2若しくは第3の抗糖尿病薬による単剤療法にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法又は請求項22に記載の使用。
【請求項27】
前記患者が、食事制限及び運動にもかかわらず、又は前記第2及び第3の抗糖尿病薬による二剤療法にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法又は請求項22に記載の使用。
【請求項28】
前記患者が、食事制限及び運動にもかかわらず、又は前記DPP-4阻害薬若しくは第2の抗糖尿病薬若しくは第3の抗糖尿病薬のどれかによる単剤療法にもかかわらず、又は前記第2及び第3の抗糖尿病薬による二剤療法にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の二剤併用方法又は請求項22に記載の二剤併用使用。
【請求項29】
前記患者が、食事制限及び運動にもかかわらず、又は前記DPP-4阻害薬若しくは第2の抗糖尿病薬若しくは第3の抗糖尿病薬のどれかによる単剤療法にもかかわらず、又は前記DPP-4阻害薬、前記第2及び第3の抗糖尿病薬の群から選択される2種の薬剤による併用療法にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の三剤併用方法又は請求項22に記載の三剤併用使用。
【請求項30】
前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上の一塩基多型(SNP)、特にrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択される少なくとも1つのSNP、特にrs7903146を有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項31】
前記患者が、TCF7L2のSNP rs7903146の少なくとも1つのTアレル、すなわちCT遺伝子型又はTT遺伝子型について診断され、又はそれがあると診断されたことがあるか又はそれを保有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項32】
前記患者が、TCF7L2のSNP rs7903146の2つのTアレル、すなわちTT遺伝子型について診断され、又はそれがあると診断されたことがあるか又はそれを保有する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項33】
前記患者が、TCF7L2のSNP rs7903146の1つのTアレル、すなわちCT遺伝子型について診断され、又はそれがあると診断されたことがあるか又はそれを保有する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項34】
前記患者が、TCF7L2野生遺伝子型、特にTCF7L2のrs7903146における野生型遺伝子型について診断され、又はそれがあると診断されたことがあるか又はそれを保有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項35】
前記患者が、野生型遺伝子型について診断され、又はそれがあると診断されたことがあるか又はそれを保有する、特にTCF7L2のSNP rs7903146の2つのCアレル、すなわちCC遺伝子型について診断され、又はそれを保有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項36】
それを必要とする患者における以下の方法
−1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、空腹時血糖異常、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満及び代謝症候群から成る群より選択される代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法;又は
−血糖コントロールの改善並びに/或いは空腹時血糖値、食後血糖値及び/又は糖化ヘモグロビンHbA1cの低減方法;又は
−耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、遅延又は逆転方法;又は
−糖尿病合併症、例えば白内障並びに微小血管疾患及び大血管疾患、例えば腎症、網膜症、神経障害、組織虚血、糖尿病性足病変、動脈硬化症、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患、心筋症、心不全、心拍障害及び血管再狭窄から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法;又は
−体重の減少又は体重増加の予防又は体重減少の促進方法;又は
−膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療並びに/或いは膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復並びに/或いは膵臓インスリン分泌の機能性の修復方法;又は
−肝臓脂肪の異常蓄積に起因する疾患又は状態の予防、減速、遅延又は治療方法;及び/又は
−インスリン感受性の維持及び/又は改善並びに/或いは高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防方法
であって、以下の工程
(i)前記患者が、いずれかのTCF7L2リスク遺伝子型のある患者かどうか、特に前記患者が、TCF7L2をコードする遺伝子に1つ以上に一塩基多型(SNP)、特にrs7903146、rs12255372及びrs10885406から選択される少なくとも1つのSNPを有するかどうか、例えば前記患者が、TCF7L2のSNP rs7903146の少なくとも1つのTアレルを保有するかどうか、例えばCT遺伝子型のある患者かどうか(すなわち、前記患者がTCF7L2のSNP rs7903146の1つのTアレルを保有するかどうか)又はTT遺伝子型のある患者かどうか(すなわち、前記患者がTCF7L2のSNP rs7903146の2つのTアレルを保有するかどうか)を試験するか、
或いは前記患者が、TCF7L2野生遺伝子型のある患者かどうか、特にTCF7L2 rs7903146野生遺伝子型のある患者かどうか、例えばCC遺伝子型のある患者かどうか(すなわち、前記患者がTCF7L2のSNP rs7903146の2つのCアレルを保有するかどうか)を試験する工程、及び、必要に応じて、
(ii)請求項7に記載のDPP-4阻害薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第2の抗糖尿病薬と、必要に応じて、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第3の抗糖尿病薬とを前記患者に、必要に応じて併用(交互投与を含む)で、投与する工程
を含む方法
に用いるための請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記DPP-4阻害薬がリナグリプチンである、請求項1〜36のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項38】
前記DPP-4阻害薬がリナグリプチンであり、かつ前記第2の抗糖尿病薬がメトホルミン又はピオグリタゾンである、請求項1〜37のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。
【請求項39】
前記患者が2型糖尿病を患っているか又は2型糖尿病と診断されたことがある、請求項1〜38のいずれか1項に記載の医薬化合物、組成物、組合せ又は方法又は使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−512229(P2013−512229A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540448(P2012−540448)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068349
【国際公開番号】WO2011/064352
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】