説明

遺伝子変異検出システム及び遺伝子変異検出方法

【課題】量的変化が正確にわかる遺伝子変異検出システムを提供する。
【解決手段】特定部位用プライマーを用いて、第1のPCRで核酸配列の特定部位を幅して特定部位を含む第1の増幅産物を取得し、制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、第2のPCRで第1の増幅産物を増幅して制限酵素の認識部位で挟まれた特定部位を含む第2の増幅産物を取得し、制限酵素を用いて第2の増幅産物から切り出された特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを生成するスペクトル生成機構301、質量スペクトルにおける、特定部位の野生型配列のピーク、及び特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出する面積比算出機構302、予め取得された面積比と野生型配列及び変異型配列の存在比との関係に基づいて、面積比の算出値から野生型配列及び変異型配列の存在比の測定値を求める存在比算出機構303を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遺伝子変異の検査技術に関し、特に遺伝子変異検出システム及び遺伝子変異検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抗HIV療法において、薬剤耐性が重大な問題となっている。一般に薬剤耐性ウイルスの検査は、耐性関連遺伝子の直接塩基配列決定法により行われていた。しかし耐性ウイルスが全ウイルス中1/3以上の比率で存在しなければ、耐性関連遺伝子の検出は従来不可能であった。これに対し、微少集団の薬剤耐性ウイルスの検出及び定量を可能にすれば、薬剤耐性HIV-1の伝播状況の把握や、サルベージ療法における治療薬の選択などにおいて、重要な情報を取得可能になる期待されている。そこでハンス(Hance)らは、アレル特異的リアルタイムPCRを用いて、全ウイルス中0.1%の比率で存在する耐性ウイルスを測定することに成功した(例えば、非特許文献1参照。)。その後、ハンスらの技術は、様々な時期の未治療期、母子感染、戦略的治療中断等における耐性ウイルスの量的変化を研究するために使用されてきている。しかしハンスらの方法は、3通りの点変異を同時に測定できず、また連続した2塩基変異(例えばT215Y)を測定できないという問題があった。そのため、新たな遺伝子変異検出方法の確立が望まれていた。
【非特許文献1】アラン・J・ハンス(ALLAN J. HANCE)、他9名、「Changes in Human Immunodeficiency Virus Type 1 Populations after Treatment Interruption in Patients Failing Antiretroviral Therapy」、ジャーナル・オブ・バイロロジー(JOURNAL OF VIROLOGY)、米国、米国微生物学会(American Society for Microbiology)、2001年7月、第75巻、第14号、p.6410-6417
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、遺伝子変異、その中でも取り分け微小集団中の遺伝子変異を検出可能な遺伝子変異検出システム及び遺伝子変異検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特徴は、(イ)特定部位用プライマーを用いて、第1のポリメラーゼ連鎖反応で核酸配列の特定部位を増幅して特定部位を含む第1の増幅産物を取得し、制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、第2のポリメラーゼ連鎖反応で第1の増幅産物を増幅して制限酵素の認識部位で挟まれた特定部位を含む第2の増幅産物を取得し、制限酵素を用いて第2の増幅産物から切り出された特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを生成するスペクトル生成機構と、(ロ)質量スペクトルにおける、特定部位の野生型配列のピーク、及び特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出する面積比算出機構と、(ハ)予め取得された面積比と野生型配列及び変異型配列の存在比との関係を保存する関係記憶装置と、(ニ)関係に基づいて、面積比の算出値から野生型配列及び変異型配列の存在比を求める存在比算出機構とを備える遺伝子変異検出システムであることを要旨とする。
【0005】
本発明のさらなる特徴は、(イ)特定部位用プライマーを用いて、第1のポリメラーゼ連鎖反応で核酸配列の特定部位を増幅し、特定部位を含む第1の増幅産物を得るステップと、(ロ)制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、第2のポリメラーゼ連鎖反応で第1の増幅産物を増幅し、制限酵素の認識部位で挟まれた特定部位を含む第2の増幅産物を得るステップと、(ハ)制限酵素を用いて第2の増幅産物から特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片を切り出すステップと、(ニ)質量分析法により切り出されたオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを得るステップと、(ホ)質量スペクトルにおける、特定部位の野生型配列のピーク、及び特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出するステップと、(ヘ)予め取得された面積比と野生型配列及び変異型配列の存在比との関係に基づいて、面積比の算出値から野生型配列及び変異型配列の存在比を求めるステップとを含む遺伝子変異検出方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遺伝子変異、その中でも取り分け微小集団中の遺伝子変異を検出可能な遺伝子変異検出システム及び遺伝子変異検出方法を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0008】
実施の形態に係る遺伝子変異検出システムは、図1に示すように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)装置151、固相カラム153、及び質量分析装置152を備える。PCR装置151は、特定部位用プライマーを用いて、第1のポリメラーゼ連鎖反応により核酸配列の特定部位を増幅し、特定部位を含む第1の増幅産物を取得するために用いられる。なおここで「特定部位」とは、検査対象となる遺伝子変異が生じうる核酸配列中の部位である。「特定部位用プライマー」とは、遺伝子変異が生じうる核酸配列中の部位をPCRで増幅するためのPCR用プライマーでる。
【0009】
またPCR装置151は、I型制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、第2のポリメラーゼ連鎖反応により第1の増幅産物を増幅し、I型制限酵素の認識部位で挟まれた特定部位を含む第2の増幅産物を取得するために用いられる。固相カラム153は、第2の増幅産物を精製するために用いられる。質量分析装置152は、I型制限酵素を用いて第2の増幅産物から切り出された特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片を分析するために用いられる。質量分析装置152としては、液体クロマトグラフ等が使用可能である。
【0010】
実施の形態に係る遺伝子変異検出システムは、中央演算処理装置(CPU)300を備える。CPU300は、質量分析装置152で分析されたオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを生成するスペクトル生成機構301、及び質量スペクトルにおける、特定部位の野生型配列のピーク、及び特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出する面積比算出機構302を備える。CPU300には、予め取得された面積比と野生型配列及び変異型配列の存在比との関係を保存する関係記憶装置201が接続されている。またCPU300は、関係記憶装置201に保存されている関係に基づいて、面積比の算出値から野生型配列及び変異型配列の存在比の測定値を求める存在比算出機構303をさらに備える。
【0011】
CPU300には、入力装置312、出力装置313、プログラム記憶装置330、及び一時記憶装置331がさらに接続される。入力装置312としては、例えばキーボード、及びマウス等のポインティングデバイス等が使用可能である。出力装置313には液晶ディスプレイ、モニタ等の画像表示装置、及びプリンタ等が使用可能である。プログラム記憶装置330は、CPU300を制御するオペレーティングシステム等を保存する。一時記憶装置331は、CPU300による演算結果を逐次格納する。プログラム記憶装置330及び一時記憶装置331としては、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクや磁気テープなどのプログラムを記録する記録媒体等が使用可能である。
【0012】
次に、実施の形態に係る遺伝子変異検出方法を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図1に示したCPU300による演算結果は、一時記憶装置331に逐次格納される。
【0013】
(a) ステップS101で野生株由来のcDNA及び変異株由来のcDNAを含むサンプルを用意する。野生株由来のcDNAに対して、変異株由来のcDNAにおいては点変異が生じている。なお、サンプル中における野生株由来のcDNAと変異株由来のcDNAの比率は未知である。次に、特定部位用プライマーと図1に示すPCR装置151を用いて、野生株由来のcDNAの点変異が生じうる特定部位と、変異株由来のcDNAの点変異が生じた特定部位を増幅し、第1の増幅産物を得る。
【0014】
(b) ステップS102で、I型制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーとPCR装置151を用いて第1の増幅産物を増幅し、I型制限酵素の認識部位で挟まれた特定部位を含む第2の増幅産物を得る。次にステップS103で、I型制限酵素を用いて第2の増幅産物から特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片を切り出す。その後、ステップS104でオリゴヌクレオチド断片を酢酸アンモニウムで溶解し、ステップS105で固相カラム153によってオリゴヌクレオチド断片を精製する。なお酢酸アンモニウムでオリゴヌクレオチド断片を溶解することにより、後のエレクトロスプレー(ESI: Electrospray ionization)法を用いる質量分析において、オリゴヌクレオチド断片がプロトネーションされやすくなる。
【0015】
(c) ステップS106で質量分析装置152によって、オリゴヌクレオチド断片を質量分析する。なお、複数種類のオリゴヌクレオチド断片を一度に質量分析することが可能である。質量分析の結果は、スペクトル生成機構301に伝達される。スペクトル生成機構301は、質量分析の結果から質量スペクトルを生成する。スペクトル生成機構301は、生成した質量スペクトルを面積比算出機構302に伝達する。
【0016】
(d) ステップS107で面積比算出機構302は、質量スペクトルにおける、特定部位の野生型配列に対応するピークと、点変異が生じた特定部位の変異型配列に対応するピークを検出する。次に面積比算出機構302は、野生型配列に対応するピークのピーク面積と、変異型配列に対応するピークのピーク面積を算出し、野生型配列のピーク面積に対する変異型配列のピーク面積の面積比の算出値を算出する。面積比算出機構302は、算出した面積比を存在比算出機構303に伝達する。
【0017】
(e) ステップS108で存在比算出機構303は、関係記憶装置201に保存されている、野生型配列のピーク面積に対する変異型配列のピーク面積の面積比と、サンプル中における野生型配列に対する変異型配列の存在比との予め取得された関係を示す1次関数を読み出す。次に存在比算出機構303は、1次関数に面積比の算出比を代入して、野生型配列及び変異型配列の存在比の測定値を算出し、測定値を出力装置313に出力して、実施の形態に係る遺伝子変異検出方法を終了する。
【0018】
以上示した実施の形態に係る遺伝子変異検出システム及び遺伝子変異検出方法によれば、サンプル中に含まれる微量の変異型配列の存在比を測定することが可能となる。
【0019】
(実施例)
まず野生株IIIBと、慶應義塾大学病院に通院するHIV-1感染者の一人から同意を得て採取した血液から分離された薬剤耐性変異株K2901を用意した。野生株IIIBは、逆転写酵素阻害剤及びプロテアーゼ阻害剤に対して耐性変異を有さない。これに対し薬剤耐性変異株K2901は、逆転写酵素遺伝子にM41L、K103N、M184V、T215Yの変異を有する。例えばK103Nの変異により、逆転写酵素阻害剤であるラミブジン(Lamivudine)に対する薬剤耐性が生じる。またM184Vの変異により、逆転写酵素阻害剤であるエファビレンツ(Efavirenz)に対する薬剤耐性が生じる。またT215Yの変異により、逆転写酵素阻害剤であるジドブジン(Zidovudine)に対する薬剤耐性が生じる。また薬剤耐性変異株K2901は、プロテアーゼ遺伝子にI54V、G73S、V82A、L90Mの変異を有する。例えばL90Mの変異により、ほとんどのプロテアーゼ阻害剤に対する薬剤耐性が生じる。
【0020】
次に野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901のそれぞれの培養上清のp24抗原量で50pg(約250,000コピーのウイルスを含む)から、QIAamp UltraSens(登録商標)Virus Kit(株式会社キアゲン)を用いて、60μlのRNA抽出液を抽出した。さらに6μlのRNA抽出液に、50μmol/lのランダムヘキサマーを2μl、10mmol/lのdNTPsを1μl加え、65℃で5分変性させた後、氷上で1分以上静置した。さらにRNA抽出液に、Super Script(登録商標)III(インビトロジェン株式会社)に添付されている5x first strand bufferを4μl、0.1mol/lのDTTを1μl、200U/ulのSuper Script IIIを1μl、40U/μlのRNasinを1μl加え、室温で5分、50℃で10分、70℃で15分静置し、cDNAを作成した。
【0021】
次にPlatinum(登録商標)Taq(インビトロジェン株式会社)に添付されている10x PCR Bufferを5μlと、50mmol/lのMgCl2を3μlと、25mmol/lのdNTPsを0.4μlと、図3に示す20μmol/lの特定部位用フォワードプライマーを0.5μlと、20μmol/lの特定部位用リバースプライマーを0.5μlと、蒸留水を36.4μlと、Platunum Taqを0.2μlとを混合し、第1のPCR用プレミックスを調整した。その後、作成されたcDNAを含む溶液4μlに第1のPCR用プレミックスを46μl加え、94℃で2分変性させた。続けて94℃で5秒、48℃で10秒、72℃で15秒のサイクルを5回繰り返し、さらに94℃で5秒、60℃で10秒、72℃で15秒のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃で1分反応させた。特定部位用フォワードプライマー及び特定部位用リバースプライマーを用いた第1のPCRにより、K103部位を含む配列、M184部位を含む配列、T215部位を含む配列、及びL90部位を含む配列が増幅され、第1のPCR増幅産物が得られる。
【0022】
次に10x PCR Bufferを5μlと、50mmol/lのMgCl2を3μlと、25mmol/lのdNTPsを0.4μlと、図3に示す20μmol/lの認識部位導入用フォワードプライマーを5μlと、20μmol/lの認識部位導入用リバースプライマーを5μlと、蒸留水を30.1μlと、Platunum Taqを0.5μlとを混合し、第2のPCR用プレミックスを調整した。その後、第2のPCR用プレミックス49μlに第1のPCR増幅産物を1μl加え、94℃で2分変性させた。続けて94℃で5秒、60℃で10秒、72℃で15秒のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で1分反応させた。認識部位導入用フォワードプライマー及び認識部位導入用リバースプライマーを用いた第2のPCRにより、制限酵素AcuIの認識部位で挟まれたK103部位を含む配列と、制限酵素AcuIの認識部位で挟まれたM184部位を含む配列と、制限酵素AcuIの認識部位で挟まれたT215部位を含む配列と、制限酵素AcuIの認識部位で挟まれたL90部位を含む配列が増幅され、第2のPCR増幅産物が得られる。
【0023】
次に制限酵素AcuI(ニュー・イングランド・バイオラボ・ジャパン株式会社)に添付されている10 x NE Buffer 2を5μlと、1.6mmol/lのS-adenosyl methionineを2.5μlと、50mmol/lのMgCl2を7μlと、10mmol/lのDTTを5μlと、蒸留水を28.5μlと、制限酵素AcuIを2μlとを混合し、制限酵素反応用プレミックスを調整した。その後、制限酵素反応用プレミックス50μlに精製された第2のPCR増幅産物を50μl加え、37℃で1時間、65℃で20分静置し、K103部位を含むオリゴヌクレオチド断片、M184部位を含むオリゴヌクレオチド断片、T215部位を含むオリゴヌクレオチド断片、及びL90部位を含むオリゴヌクレオチド断片をそれぞれ切り出した。
【0024】
次に切り出されたオリゴヌクレオチド断片を含む溶液90μlに99.5%エタノールを360μl加え、14000 rpmで2分遠心した。上清を除き、5mmol/lの酢酸アンモニウムを10μl加えて溶解し、固相カラム(ZipTip、登録商標、日本ミリポア株式会社)を用いて精製した後、真空乾燥機で5分乾燥させた。乾燥したオリゴヌクレオチド断片に5mmol/lの酢酸アンモニウムを10μl加えて溶解し、14000rpmで2分遠心し、9μlの上清を回収した。酢酸アンモニウムにより、オリゴヌクレオチド断片がプロトネーションされる。回収された上清のうち8μlを液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC-MS)で分析した。液体クロマトグラフとして、HP1100シリーズHPLCシステム(アジレント・テクノロジー)を用いた。また質量分析装置として、四重極飛行時間型質量分析装置(TOF-MS: Time-of-flight mass spectrometry)であるQ-STAR pulsar i (アプライドバイオシステムズ)を用いた。
【0025】
図4は、野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が1:1の割合で混合している場合のM184部位におけるオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトル(マススペクトル)を示す。なお横軸のm/zは、質量mと電荷zの比を表す。野生株IIIB由来の増幅産物からは、制限酵素AcuIによって配列がCATGTのオリゴヌクレオチド断片が切り出され、[M-2H]2+に対応するピークが779.5amuに観察された。これに対し、M184V変異株由来の増幅産物からは、制限酵素AcuIによって配列がCACGTのオリゴヌクレオチド断片が切り出され、[M-2H]2+に対応するピークが772.0amuに観察された。
【0026】
図5は野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が99:1の割合で混合している場合の779.5amuのクロマトグラムを示し、図6は野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が9:1の割合で混合している場合の779.5amuのクロマトグラムを示し、図7は野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が1:1の割合で混合している場合の779.5amuのクロマトグラムを示す。図8は野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が99:1の割合で混合している場合の772.0amuのクロマトグラムを示し、図9は野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が9:1の割合で混合している場合の772.0amuのクロマトグラムを示し、図10は野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901が1:1の割合で混合している場合の772.0amuのクロマトグラムを示す。779.5amuと772.0amuのそれぞれのピークの高さは、野生株IIIBと薬剤耐性変異株K2901の混合比に従って変化した。
【0027】
次に図5乃至図7のそれぞれにおける779.5amuのピークを示すプロットと検出強度が0のときのベースラインで囲まれた面積を野生株IIIB特異的ピーク面積として算出した。また図8乃至図10のそれぞれにおける772.0amuのピークを示すプロットと横軸で囲まれた面積を薬剤耐性変異株K2901特異的ピーク面積として算出した。さらに野生株IIIB特異的ピーク面積に対する薬剤耐性変異株K2901特異的ピーク面積の比率を薬剤耐性変異株K2901の相対検出強度として算出した。その後、野生株IIIBに対する薬剤耐性変異株K2901の比率が0.01、0.1、1のそれぞれの場合における変異株の相対検出強度を、図11に示すようにグラフ化した。図11に示すように、薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901の相対検出強度とは、1次関数で近似可能な線形関係を有した。したがって、図11に示す線形関係を予め取得しておけば、サンプル中における野生株IIIBに対する薬剤耐性変異株K2901の比率が未知であっても、薬剤耐性変異株K2901の相対検出強度から薬剤耐性変異株K2901の比率を算出可能であることが示された。また薬剤耐性変異株K2901の比率が1/100でも検出可能であることが示された。
【0028】
次に逆転写酵素遺伝子のK103N変異に対応するクロマトグラムのピーク面積を薬剤耐性変異株K2901特異的ピーク面積として算出した場合も、図12に示すように、薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901の相対検出強度とは、1次関数で近似可能な線形関係を有した。また逆転写酵素遺伝子のT215Y変異に対応するクロマトグラムのピーク面積を薬剤耐性変異株K2901特異的ピーク面積として算出した場合も、図13に示すように、薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901の相対検出強度とは、1次関数で近似可能な線形関係を有した。またプロテアーゼ遺伝子のL90M変異に対応するクロマトグラムのピーク面積を薬剤耐性変異株K2901特異的ピーク面積として算出した場合も、図14に示すように、薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901の相対検出強度とは、1次関数で近似可能な線形関係を有した。
【0029】
以上説明したように、PCR増幅産物をI型制限酵素で切断して得られたオリゴヌクレオチド断片をLC-MSで解析することによって、微量の薬剤耐性変異ウイルスを検出及び定量することが可能になる。特にヌクレオチド系逆転写酵素阻害薬に対する重要な変異であるT215Yをもつウイルスの存在比をも測定可能になる。
【0030】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。例えば実施の形態においては、図2のステップS105で固相カラムでオリゴヌクレオチド断片を生成したが、ステップS105は省略してもよい。ただし、ステップS105を採用すると、サンプル中の耐性変異株の比率が1/500でも検出可能となるが、ステップS105を省略すると、サンプル中の耐性変異株の比率が1/100程度まで検出可能となる。
【0031】
また実施例においては、特定部位用プライマーを用いて、第1のPCRで核酸配列の特定部位を増幅して特定部位を含む第1の増幅産物を取得し、その後、認識部位導入用プライマーを用いて、第2のPCRで第1の増幅産物を増幅して制限酵素の認識部位で挟まれた特定部位を含む第2の増幅産物を取得した。これは、HIV-1感染者由来の変異遺伝子は複数の変異を有するため、第1のPCRを省略すると、認識部位導入用プライマーに対する相同性の差により、変異株由来の核酸と、野生株由来の核酸との間で、PCRの増幅率に差が出るためである。しかし、認識部位導入用プライマーに対する相同性に差が無い場合は、第1のPCRを省略し、はじめから認識部位導入用プライマーを用いて、核酸配列の特定部位を増幅してもよい。
【0032】
また実施例においては、HIV-1感染者の有する変異株の検出例を示したが、本発明の実施の形態に係る遺伝子変異検出システム及び遺伝子変異検出方法は、cDNA変異の割合の解析のみならず、ウイルス、細菌DNA変異の割合、さらには細胞DNAのSNPsや遺伝子の重複や欠落などの検出にも応用可能であることは勿論である。
【0033】
以上示したように、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明からは妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0034】
(配列表の説明)
本明細書の配列表に記載された配列番号1乃至32は、以下の配列を示す。
【0035】
[配列番号 : 1] プロテアーゼ遺伝子のL90部位を含む配列を増幅するための特定部位用フォワードプライマーの塩基配列。
【0036】
[配列番号 : 2] プロテアーゼ遺伝子のL90部位を含む配列を増幅するための特定部位用リバースプライマーの塩基配列。
【0037】
[配列番号 : 3] プロテアーゼ遺伝子のL90部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用フォワードプライマーの塩基配列。
【0038】
[配列番号 : 4] プロテアーゼ遺伝子のL90部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用リバースプライマーの塩基配列。
【0039】
[配列番号 : 5] 制限酵素AcuIで切り出されたL90部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0040】
[配列番号 : 6] 制限酵素AcuIで切り出されたL90M変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0041】
[配列番号 : 7] 制限酵素AcuIで切り出されたL90部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0042】
[配列番号 : 8] 制限酵素AcuIで切り出されたL90M変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0043】
[配列番号 : 9] 逆転写酵素遺伝子のK103部位を含む配列を増幅するための特定部位用フォワードプライマーの塩基配列。
【0044】
[配列番号 : 10] 逆転写酵素遺伝子のK103部位を含む配列を増幅するための特定部位用リバースプライマーの塩基配列。
【0045】
[配列番号 : 11] 逆転写酵素遺伝子のK103部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用フォワードプライマーの塩基配列。
【0046】
[配列番号 : 12] 逆転写酵素遺伝子のK103部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用リバースプライマーの塩基配列。
【0047】
[配列番号 : 13] 制限酵素AcuIで切り出されたK103部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0048】
[配列番号 : 14] 制限酵素AcuIで切り出されたK103N変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0049】
[配列番号 : 15] 制限酵素AcuIで切り出されたK103部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0050】
[配列番号 : 16] 制限酵素AcuIで切り出されたK103N変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0051】
[配列番号 : 17] 逆転写酵素遺伝子のM184部位を含む配列を増幅するための特定部位用フォワードプライマーの塩基配列。
【0052】
[配列番号 : 18] 逆転写酵素遺伝子のM184部位を含む配列を増幅するための特定部位用リバースプライマーの塩基配列。
【0053】
[配列番号 : 19] 逆転写酵素遺伝子のM184部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用フォワードプライマーの塩基配列。
【0054】
[配列番号 : 20] 逆転写酵素遺伝子のM184部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用リバースプライマーの塩基配列。
【0055】
[配列番号 : 21] 制限酵素AcuIで切り出されたM184部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0056】
[配列番号 : 22] 制限酵素AcuIで切り出されたM184V変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0057】
[配列番号 : 23] 制限酵素AcuIで切り出されたM184部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0058】
[配列番号 : 24] 制限酵素AcuIで切り出されたM184V変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0059】
[配列番号 : 25] 逆転写酵素遺伝子のT215部位を含む配列を増幅するための特定部位用フォワードプライマーの塩基配列。
【0060】
[配列番号 : 26] 逆転写酵素遺伝子のT215部位を含む配列を増幅するための特定部位用リバースプライマーの塩基配列。
【0061】
[配列番号 : 27] 逆転写酵素遺伝子のT215部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用フォワードプライマーの塩基配列。
【0062】
[配列番号 : 28] 逆転写酵素遺伝子のT215部位を含む配列の増幅産物に制限酵素AcuIの認識部位を導入するための認識部位導入用リバースプライマーの塩基配列。
【0063】
[配列番号 : 29] 制限酵素AcuIで切り出されたT215部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0064】
[配列番号 : 30] 制限酵素AcuIで切り出されたT215Y変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のセンス配列。
【0065】
[配列番号 : 31] 制限酵素AcuIで切り出されたT215部位を含む野生型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0066】
[配列番号 : 32] 制限酵素AcuIで切り出されたT215Y変異部位を含む変異型由来オリゴヌクレオチド断片のアンチセンス配列。
【0067】
本明細書において塩基を略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commision on Biochemical Nomenclatureによる略号、あるいは当該分野における慣用略号を用いる。以下に、略号の例を示す。
【0068】
a : アデニン、t : チミン、g : グアニン、c : シトシン、u:ウラシル、m:アデニン又はシトシン、r:グアニン又はアデニン。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る遺伝子変異検出システムの模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る遺伝子変異検出方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の実施例に係るプライマーの配列を示す表である。
【図4】本発明の実施の形態の実施例に係るマススペクトルである。
【図5】本発明の実施の形態の実施例に係る779.5amuの第1のクロマトグラムである。
【図6】本発明の実施の形態の実施例に係る779.5amuの第2のクロマトグラムである。
【図7】本発明の実施の形態の実施例に係る779.5amuの第3のクロマトグラムである。
【図8】本発明の実施の形態の実施例に係る772.0amuの第1のクロマトグラムである。
【図9】本発明の実施の形態の実施例に係る772.0amuの第2のクロマトグラムである。
【図10】本発明の実施の形態の実施例に係る772.0amuの第3のクロマトグラムである。
【図11】本発明の実施の形態の実施例に係る薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901由来オリゴヌクレオチド断片の相対検出強度の関係を示す第1のグラフである。
【図12】本発明の実施の形態の実施例に係る薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901由来オリゴヌクレオチド断片の相対検出強度の関係を示す第2のグラフである。
【図13】本発明の実施の形態の実施例に係る薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901由来オリゴヌクレオチド断片の相対検出強度の関係を示す第3のグラフである。
【図14】本発明の実施の形態の実施例に係る薬剤耐性変異株K2901の比率と、薬剤耐性変異株K2901由来オリゴヌクレオチド断片の相対検出強度の関係を示す第4のグラフである。
【符号の説明】
【0070】
151…PCR装置
152…質量分析装置
201…関係記憶装置
300…CPU
301…スペクトル生成機構
302…面積比算出機構
303…存在比算出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定部位用プライマーを用いて、第1のポリメラーゼ連鎖反応で核酸配列の特定部位を増幅して前記特定部位を含む第1の増幅産物を取得し、制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、第2のポリメラーゼ連鎖反応で前記第1の増幅産物を増幅して前記制限酵素の認識部位で挟まれた前記特定部位を含む第2の増幅産物を取得し、前記制限酵素を用いて前記第2の増幅産物から切り出された前記特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを生成するスペクトル生成機構と、
前記質量スペクトルにおける、前記特定部位の野生型配列のピーク、及び前記特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出する面積比算出機構と、
予め取得された前記面積比と前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比との関係に基づいて、前記面積比の算出値から前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比の測定値を求める存在比算出機構
とを備えることを特徴とする遺伝子変異検出システム。
【請求項2】
制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応で核酸配列の特定部位を増幅して前記制限酵素の認識部位で挟まれた前記特定部位を含む増幅産物を取得し、前記制限酵素を用いて前記増幅産物から切り出された前記特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを生成するスペクトル生成機構と、
前記質量スペクトルにおける、前記特定部位の野生型配列のピーク、及び前記特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出する面積比算出機構と、
予め取得された前記面積比と前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比との関係に基づいて、前記面積比の算出値から前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比の測定値を求める存在比算出機構
とを備えることを特徴とする遺伝子変異検出システム。
【請求項3】
前記制限酵素が、I型制限酵素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遺伝子変異検出システム。
【請求項4】
前記スペクトル生成機構が、液体クロマトグラフ質量分析装置を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出システム。
【請求項5】
前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片が酢酸アンモニウムに溶解されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出システム。
【請求項6】
前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片を精製する固相カラムを更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出システム。
【請求項7】
前記関係が1次関数で与えられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出システム。
【請求項8】
特定部位用プライマーを用いて、第1のポリメラーゼ連鎖反応で核酸配列の特定部位を増幅し、前記特定部位を含む第1の増幅産物を得るステップと、
制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、第2のポリメラーゼ連鎖反応で前記第1の増幅産物を増幅し、前記制限酵素の認識部位で挟まれた前記特定部位を含む第2の増幅産物を得るステップと、
前記制限酵素を用いて前記第2の増幅産物から前記特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片を切り出すステップと、
質量分析法により前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを得るステップと、
前記スペクトルにおける、前記特定部位の野生型配列のピーク、及び前記特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出するステップと、
予め取得された前記面積比と前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比との関係に基づいて、前記面積比の算出値から前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比の測定値を求めるステップ
とを含むことを特徴とする遺伝子変異検出方法。
【請求項9】
制限酵素の認識部位を含む認識部位導入用プライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応で核酸配列の特定部位を増幅し、前記制限酵素の認識部位で挟まれた前記特定部位を含む増幅産物を得るステップと、
前記制限酵素を用いて前記増幅産物から前記特定部位を含むオリゴヌクレオチド断片を切り出すステップと、
質量分析法により前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを得るステップと、
前記スペクトルにおける、前記特定部位の野生型配列のピーク、及び前記特定部位の変異型配列のピークの面積比の算出値を算出するステップと、
予め取得された前記面積比と前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比との関係に基づいて、前記面積比の算出値から前記野生型配列及び前記変異型配列の存在比の測定値を求めるステップ
とを含むことを特徴とする遺伝子変異検出方法。
【請求項10】
前記制限酵素が、I型制限酵素であることを特徴とする請求項8又は9に記載の遺伝子変異検出方法。
【請求項11】
前記質量分析法が、液体クロマトグラフィー質量分析法であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出方法。
【請求項12】
前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片を酢酸アンモニウムで溶解するステップを更に含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出方法。
【請求項13】
前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片を固相カラムで精製するステップを更に含むことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出方法。
【請求項14】
前記関係が1次関数で与えられることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出方法。
【請求項15】
前記質量スペクトルを得るステップにおいて、複数種類の前記切り出されたオリゴヌクレオチド断片の質量スペクトルを同時に得ることを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の遺伝子変異検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−278876(P2009−278876A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131243(P2008−131243)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2007年11月20日 日本エイズ学会発行の「日本エイズ学会誌 第9巻第4号」に発表
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】