説明

遺伝子発現プロファイルによる、胃癌、大腸癌、膵臓癌及び胆道癌の検出

【課題】末梢血液中にて、健常人と比較して、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌症例において発現が変動する遺伝子を解析して、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌患者を検出する方法並びに試薬の提供。
【解決手段】末梢血液中にて、健常人と比較して、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌症例において発現が変動する遺伝子に対応するプローブからなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現プロファイルを得て、発現プロファイルに基づいて、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌患者を検出する方法、並びに、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌において発現が変動するプローブからなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の塩基配列からなるヌクレオチド若しくはその一部配列又はそれらの相補的な配列を含むヌクレオチドを含む、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出するための試薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末梢血液を材料とし遺伝子発現解析を利用した、胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆道癌の検出診断に関する。
【背景技術】
【0002】
消化器癌は日本人でもっとも多い悪性腫瘍である。厚生労働省調べでは年間17万7千人の患者が死亡する。早期発見し治療を行えば完治しうるが、早期病変であるほど臨床症状を呈さず、進行した状態で発見され予後不良の転帰をとる症例も認められる。
【0003】
胃癌は日本人で最も多い消化器系悪性腫瘍である。厚生労働省調べでは年間5万人の患者が死亡する。また、大腸癌は日本人で部位別のがん死亡数(男女計)順位が3番目の消化器系悪性腫瘍であり、厚生労働省調べでは年間4万1千人の患者が死亡する。胃癌・大腸癌ともに早期発見し治療を行えば完治しうるが、早期病変であるほど臨床症状を呈さず、進行した状態で発見され予後不良の転帰をとる症例も認められる。早期発見の契機として、検診の際の内視鏡・画像検査にて偶然に発見される場合や、癌とは直接的に関連しない症状を精査する過程で発見される場合も多く、現在のところ、消化器癌の早期発見に有用な血液診断マーカーは存在しない。消化器癌の存在を出来るだけ早い段階で診断できるシステムを確立することは極めて重要である。
【0004】
特に膵臓癌は日本人で部位別がん死亡数(男女計)順位が5番目の消化器系悪性腫瘍であり、厚生労働省調べでは年間2万3千人の患者が死亡する。癌の発見が非常に難しく、早期に発見されることは稀である。膵臓癌と診断された75%の症例は既に手術不能例であり、発見後1〜2年以内に死亡する極めて予後不良の消化器癌である(国立がんセンターがん対策情報センター調べhttp://ganjoho.jp/public/cancer/data/pancreas.html)。膵臓癌の診断技術の進歩が望まれてから久しく未だ有用な早期診断法は確立されていない。
【0005】
また、胆道癌は日本人で部位別のがん死亡数(男女計)の順位が6位の悪性腫瘍である。厚生労働省調べでは年間1万5千人の患者が死亡するが、多くの場合自覚症状がなく早期発見が困難である。
【0006】
昨今、DNAマイクロアレイ技術の発展、及びヒトゲノム解読によって、全遺伝子を対象とした網羅的遺伝子発現解析が可能になった。これにより、新しい癌の診断・予後予測、治療後の再発率の予測などが可能になった。これまでに本発明者らは、慢性肝炎における遺伝子発現プロファイルの解析(非特許文献1から3を参照)、糖尿病患者における肝組織の遺伝子発現解析等、遺伝子発現解析を応用して、さまざまな疾患の病態解析、及び診断ツールの開発を目的とした開発を行ってきた。しかしながら、これらの解析においては、入院のうえ臓器(肝組織)の採取が必要であり、その侵襲性が問題であった。その後、より侵襲性の低い方法として、末梢血単核球を用いたC型肝硬変とC型肝癌を識別できる遺伝子群について報告した(特許文献1および非特許文献4を参照)。この方法では血液を用いるため患者に対して低侵襲である利点があるが、末梢血単核球を採取する際に数度の分離過程が必要であり、実際の検査方法としては煩雑であり、検査結果までの時間を要する問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-126号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】MASAO HONDA et al., GASTROENTEROLOGY 2001;120:955-966
【非特許文献2】MASAO HONDA et al., Am J Gastroenterol 2005;100:2019-2030
【非特許文献3】YUKIHIRO SHIROTA et al., HEPATOLOGY Vol.33, No.4, 2001, 832-840
【非特許文献4】YOSHIO SAKAI et al., Cancer Research;68(24) 2008. 10267-10279
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、患者への侵襲も低く、且つ患者からの遺伝子抽出も容易な方法で、胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆道癌に関連して発現が変動する遺伝子を解析して、胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆道癌を検出する方法並びに体外診断薬の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は末梢血液を用いた遺伝子発現解析により消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆道癌が診断できないかどうかを検証する臨床試験を開始し、その結果診断が可能であることを見出した。
【0011】
末梢血液は、比較的非侵襲的に採取可能であり、臨床検査においてその実用性、有用性は極めて大きい。末梢血液は、その細胞成分として、赤血球、血小板の他、リンパ球、単球、顆粒球を含む白血球によって構成される。これらの細胞成分は、体内環境の病変に応じて、その表現形及び機能を変化させると考えられる。
【0012】
本発明者は消化器癌患者24名、健常人8名の末梢血液における遺伝子発現解析を行い、DNAマイクロアレイ上の約23,000個のプローブでの解析データによって行ったクラスタリング解析により、消化器癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。消化器癌症例群及び健常人群の2群の遺伝子発現の比較によって、各群間にて発現に有意差のある遺伝子に対応する868個のプローブを見出した。このプローブセットを用いて、前述の消化器癌症例群及び健常人群の階層クラスタリングを行ったところ、2つのクラスターを形成し、消化器癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。また868個のプローブ抽出に使用した癌症例と健常人とは別の癌症例40例と健常人13例に対して、予測モデルを適応して癌症例と健常人を判定した。その結果、癌症例40例中39例を癌症例と判定し、その確率は97.5%となった。また、健常人13例中9例を健常人と判定し、その確率は69.2%となった。その判定の正答率は48/53であり90.6%となった。
【0013】
さらに、消化器癌患者39名、健常人15名の末梢血液における遺伝子発現解析を行い、DNAマイクロアレイ上の約23000個のプローブでの解析データによって行ったクラスタリング解析により、消化器癌症例と健常人とを識別し得ることを見いだした。消化器癌症例群及び健常人群の2群の遺伝子発現の比較によって、各群間にて発現に有意差のある遺伝子に対応する25個のプローブを見出した。このプローブセットを用いて、前述の消化器癌症例群及び健常人群の階層クラスタリングを行ったところ、2つのクラスターを形成し、消化器癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。
【0014】
上記のプローブを用いた結果、判定の正答率は92.3%であった。
【0015】
また、本発明者は胃癌患者8名、健常人8名の末梢血液における遺伝子発現解析を行い、DNAマイクロアレイ上の約22,000個のプローブでの解析データによって行ったクラスタリング解析により、胃癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。胃癌症例群及び健常人群の2群の遺伝子発現の比較によって、各群間にて発現に有意差のある遺伝子に対応する713個のプローブを見出した。このプローブセットを用いて、前述の胃癌症例群及び健常人群の階層クラスタリングを行ったところ、2つのクラスターを形成し、胃癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。また713個のプローブ抽出に使用した癌症例と健常人とは別の癌症例10例と健常人13例に対して、予測モデルを適応して癌症例と健常人を判定した。その結果、癌症例10例中7例を癌症例と判定し、その確率は70%となった。また、健常人13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。その判定の正答率は20/23であり87.0%となった。
【0016】
さらに、本発明者は大腸癌患者8名、健常人8名の末梢血液における遺伝子発現解析を行い、DNAマイクロアレイ上の約22,000個のプローブでの解析データによって行ったクラスタリング解析により、大腸癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。大腸癌症例群及び健常人群の2群の遺伝子発現の比較によって、各群間にて発現に有意差のある遺伝子に対応する771個のプローブを見出した。このプローブセットを用いて、前述の大腸癌症例群及び健常人群の階層クラスタリングを行ったところ、2つのクラスターを形成し、大腸癌症例と健常人とを識別した。また771個のプローブ抽出に使用した癌症例と健常人とは別の癌症例10例と健常人13例に対して、予測モデルを適応して癌症例と健常人を判定した。その結果、癌症例10例中9例を癌症例と判定し、その確率は90%となった。また、健常人13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。その判定の正答率は22/23であり95.7%となった。
【0017】
さらに、本発明者は膵臓癌患者8名、健常人8名の末梢血液における遺伝子発現解析を行い、DNAマイクロアレイ上の約22,000個のプローブでの解析データによって行ったクラスタリング解析により、膵臓癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。膵臓癌症例群及び健常人群の2群の遺伝子発現の比較によって、各群間にて発現に有意差のある遺伝子に対応する677個のプローブを見出した。このプローブセットを用いて、前述の膵臓癌症例群及び健常人群の階層クラスタリングを行ったところ、2つのクラスターを形成し、膵臓癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。また677個のプローブ抽出に使用した癌症例と健常人とは別の癌症例20例と健常人13例に対して、予測モデルを適応して癌症例と健常人を判定した。その結果、癌症例20例中15例を癌症例と判定し、その確率は75%となった。また、健常人13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。その判定の正答率は28/33であり84.8%となった。
【0018】
さらに、本発明者は胆道癌患者8名、健常人8名の末梢血液における遺伝子発現解析を行い、DNAマイクロアレイ上の約22,000個のプローブでの解析データによって行ったクラスタリング解析により、3つのクラスターが形成され、胆道癌症例と健常人とを識別し得ることを見いだした。胆道癌症例群及び健常人群の2群の遺伝子発現の比較によって、各群間にて発現に有意差のある遺伝子に対応する363個のプローブを見出した。このプローブセットを用いて、前述の胆道癌症例群及び健常人群の階層クラスタリングを行ったところ、2つのクラスターを形成し、胆道癌症例と健常人とを識別し得ることを見出した。また363個のプローブ抽出に使用した癌症例と健常人とは別の癌症例8例と健常人13例に対して、予測モデルを適応して癌症例と健常人を判定した。その結果、癌症例8例中8例を癌症例と判定し、その確率は100%となった。また、健常人13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。その判定の正答率は21/21であり100%となった。
【0019】
これらの結果より、末梢血液中における、この遺伝子セットの発現変化を検討することにより、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌及び胆道癌の診断が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の方法は、DNAマイクロアレイ開発技術、real-time PCR法、ELISA法の応用によって、新しい消化器癌診断の実用化診断キットの作成を可能にする。
【0020】
現在、汎用・保健適応されている腫瘍マーカーはすべての消化器癌患者で有用とは限らなかったが、本発明の遺伝子発現解析での検出感度は90.6%であり、非常に高い検出感度と簡単な採血にて消化器癌を特定できる。
【0021】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0022】
[1] 配列番号220、506、508、523、538、554、570、589、597、602、618、654、689、701、726、744、762、763、781、795及び849に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、末梢血中の配列番号220、506、508、523、538、554、570、589、597、602、618、654、689、701、726、744、762、763、781、795及び849に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子、又は配列番号3030〜3054に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、末梢血中の配列番号3030〜3054に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し消化器癌を検出するための試薬。
【0023】
[2] [1]のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、[1]の消化器癌を検出するための試薬。
【0024】
[3] 被験体の末梢血における配列番号220、506、508、523、538、554、570、589、597、602、618、654、689、701、726、744、762、763、781、795及び849に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子、又は配列番号3030〜3054に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて消化器癌を検出する方法。
【0025】
[4] 配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、末梢血中の配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し胃癌を検出するための試薬。
【0026】
[5] [4]に記載のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、[4]の胃癌を検出するための試薬。
【0027】
[6] 被験体の末梢血における配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて胃癌を検出する方法。
【0028】
[7] 配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し大腸癌を検出するための試薬。
【0029】
[8] [7]のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、[7]の大腸癌を検出するための試薬。
【0030】
[9] 被験体の末梢血における配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて大腸癌を検出する方法。
【0031】
[10] 配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し膵臓癌を検出するための試薬。
【0032】
[11] [10]のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、[10]の膵臓癌を検出するための試薬。
【0033】
[12] 被験体の末梢血における配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて膵臓癌を検出する方法。
【0034】
[13] 配列番号3055〜3417に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、配列番号3055〜3417に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し胆道癌を検出するための試薬。
【0035】
[14] [13]のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、[13]の胆道癌を検出するための試薬。
【0036】
[15] 被験体の末梢血における配列番号3055〜3417に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて胆道癌を検出する方法。
【発明の効果】
【0037】
本発明のプローブに対応する遺伝子は、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を罹患した場合に発現が変動する。これらの遺伝子の発現プロファイルを解析することにより、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出することができる。また、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を罹患するリスク等を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1−1】消化器癌の検出に用い得る第1のプローブ群である868個のプローブを示す図である。
【図1−2】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−3】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−4】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−5】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−6】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−7】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−8】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−9】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−10】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−11】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−12】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−13】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−14】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−15】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−16】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−17】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−18】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−19】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−20】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−21】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−22】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−23】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−24】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−25】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−26】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−27】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−28】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−29】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−30】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−31】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−32】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−33】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−34】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−35】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−36】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−37】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−38】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−39】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−40】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−41】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−42】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−43】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−44】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−45】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−46】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−47】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図1−48】消化器癌の検出に用い得る868個のプローブを示す図である(続き)。
【図2】図1に示す868個のプローブの中で特に消化器癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい21個のプローブを示す図である。
【図3−1】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である。
【図3−2】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−3】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−4】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−5】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−6】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−7】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−8】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−9】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−10】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−11】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−12】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−13】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−14】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−15】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−16】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−17】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−18】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−19】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−20】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−21】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−22】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−23】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−24】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−25】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−26】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−27】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−28】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−29】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−30】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−31】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−32】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−33】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−34】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−35】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−36】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−37】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−38】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図3−39】胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す図である(続き)。
【図4−1】図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブを示す図である。
【図4−2】図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブを示す図である(続き)。
【図4−3】図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブを示す図である(続き)。
【図4−4】図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブを示す図である(続き)。
【図4−5】図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブを示す図である(続き)。
【図4−6】図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−1】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である。
【図5−2】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−3】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−4】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−5】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−6】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−7】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−8】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−9】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−10】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−11】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−12】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−13】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−14】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−15】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−16】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−17】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−18】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−19】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−20】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−21】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−22】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−23】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−24】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−25】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−26】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−27】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−28】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−29】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−30】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−31】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−32】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−33】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−34】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−35】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−36】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−37】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−38】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−39】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−40】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図5−41】大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す図である(続き)。
【図6−1】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である。
【図6−2】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である(続き)。
【図6−3】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である(続き)。
【図6−4】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である(続き)。
【図6−5】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である(続き)。
【図6−6】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である(続き)。
【図6−7】図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−1】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である。
【図7−2】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−3】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−4】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−5】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−6】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−7】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−8】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−9】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−10】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−11】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−12】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−13】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−14】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−15】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−16】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−17】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−18】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−19】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−20】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−21】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−22】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−23】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−24】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−25】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−26】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−27】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−28】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−29】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−30】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−31】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−32】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−33】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−34】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−35】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−36】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図7−37】膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す図である(続き)。
【図8−1】図7に示す677個のプローブの中で特に膵臓癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい61個のプローブを示す図である。
【図8−2】図7に示す677個のプローブの中で特に膵臓癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい61個のプローブを示す図である(続き)。
【図8−3】図7に示す677個のプローブの中で特に膵臓癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい61個のプローブを示す図である(続き)。
【図8−4】図7に示す677個のプローブの中で特に膵臓癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい61個のプローブを示す図である(続き)。
【図9】23352プローブによる消化器癌症例と健常人の階層クラスタリングを示す図である。
【図10】健常人と消化器癌症例とで発現減弱及び発現亢進が認められた遺伝子に対応する868プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図11】消化器癌症例において、0.4倍以下の発現減弱及び2.5倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する21プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図12】22155プローブによる胃癌症例と健常人の階層クラスタリングを示す図である。
【図13】胃癌症例において、0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する713プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図14】胃癌症例において、0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する107プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図15】22181プローブによる胃癌症例と健常人の階層クラスタリングを示す図である。
【図16】大腸癌症例において、0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する771プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図17】大腸癌症例において、0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する116プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図18】22149プローブによる膵臓癌症例と健常人の階層クラスタリングを示す図である。
【図19】膵臓癌症例において、0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する677プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図20】膵臓癌症例において、0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する61プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図21−1】消化器癌の検出に用い得る第2のプローブ群である25個のプローブを示す図である。
【図21−2】消化器癌の検出に用い得る第2のプローブ群である25個のプローブを示す図である(続き)。
【図22】23278プローブによる消化器癌症例と健常人の階層クラスタリングを示す図である。
【図23】健常人と消化器癌症例とで発現減弱及び発現亢進が認められた遺伝子に対応する25プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【図24−1】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である。
【図24−2】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−3】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−4】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−5】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−6】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−7】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−8】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−9】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−10】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−11】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−12】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−13】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−14】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−15】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−16】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−17】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−18】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図24−19】胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す図である(続き)。
【図25】22066プローブによる胆道癌症例と健常人の階層クラスタリングを示す図である。
【図26】胆道癌症例において、0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する363プローブによる階層クラスタリングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明において消化器癌には、胃癌、大腸癌、膵臓癌及び胆道癌が含まれる。本発明の消化器癌を検出する方法によりこれらの消化器癌全般を検出することができる。また、本発明の胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出する方法により、それぞれ、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を特異的に検出することができる。
【0040】
本発明の方法においては、消化器癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子群、胃癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子群、大腸癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子群、膵臓癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子群、又は胆道癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子群の末梢血中での発現を測定し、各遺伝子群の発現プロファイルを得て、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出する。ここで、発現の変動は発現の減弱及び発現の亢進を含む。
【0041】
末梢血における遺伝子の発現の測定は、末梢血からmRNAを抽出単離し、mRNAを測定することにより行う。末梢血からのmRNAの抽出単離は、公知の方法により行うことができる。末梢血から抽出単離できるmRNAは、末梢血中の、赤血球、血小板の他、リンパ球、単球、顆粒球を含む白血球等に由来するmRNAである。
【0042】
本発明の方法においては、上記遺伝子の発現レベルを測定する。
本発明において、遺伝子の発現レベルとは、遺伝子の発現量、発現強度又は発現頻度をいい、通常、遺伝子に対応する転写産物の産生量、又はその翻訳産物の産生量、活性等により解析することができる。また、発現プロファイルとは、各遺伝子の発現レベルに関する情報をいう。遺伝子の発現レベルは、絶対値で表してもよく、また相対値で表してもよい。なお、発現プロファイルを発現パターンという場合もある。
【0043】
発現レベルの測定は、遺伝子の転写産物、すなわちmRNAの測定により行ってもよいし、遺伝子の翻訳産物、すなわちタンパク質の測定により行ってもよい。好ましくは、遺伝子の転写産物の測定により行なう。遺伝子の転写産物には、mRNAから逆転写されて得られたcDNAも含まれる。
【0044】
遺伝子の転写産物の測定は、上記の遺伝子の塩基配列の全部若しくは一部又はそれらに相補的な配列を含むヌクレオチド、すなわち遺伝子の塩基配列からなるヌクレオチド配列若しくはその一部配列又はそれらに相補的な配列からなるヌクレオチドをプローブ又はプライマーとして用いて遺伝子発現の程度を測定すればよい。これらのヌクレオチドは該遺伝子にハイブリダイズし得るヌクレオチド、該遺伝子に結合しうるヌクレオチド、あるいは該遺伝子の検出に用い得る検出のためのヌクレオチドである。遺伝子発現の程度は、マイクロアレイ(マイクロチップ)を用いた方法、ノーザンブロット法、定量しようとする遺伝子又はその断片をターゲットとした定量PCR法等で測定することが可能である。定量PCR法としては、アガロースゲル電気泳動法、蛍光プローブ法、RT-PCR法、リアルタイムPCR法、ATAC-PCR法(Kato,K.et al.,Nucl.Acids Res.,25,4694-4696,1997)、Taqman PCR法(SYBR(登録商標)グリーン法)(Schmittgen TD,Methods25,383-385,2001)、Body Map法(Gene,174,151-158(1996))、Serial analysis of gene expression(SAGE)法(米国特許第527,154号、第544,861号、欧州特許公開第0761822号)、MAGE法(Micro-analysis of Gene Expression)(特開2000-232888号)等がある。ここに挙げた方法はいずれも公知の方法で行うことができる。これらの方法を用いて、上記遺伝子の全部又は一部から転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)の量を測定すればよく、該mRNAにハイブリダイズするヌクレオチドプローブ又はプライマーの使用により測定することができる。測定に用いるプローブ又はプライマーの塩基長は、10〜100bp、好ましくは20〜80bp、さらに好ましくは50〜70bpである。
【0045】
DNAマイクロアレイ(DNAチップ)は、前記遺伝子の塩基配列からなるヌクレオチド若しくはその一部配列又はそれらの相補的配列を含むヌクレオチドを適当な基板上に固定化することにより作製することができる。
【0046】
固定基板としては、ガラス板、石英板、シリコンウェハーなどが挙げられる。基板の大きさとしては、例えば3.5mm×5.5mm、18mm×18mm、22mm×75mmなどが挙げられるが、これは基板上のプローブのスポット数やそのスポットの大きさなどに応じて様々に設定することができる。ポリヌクレオチド又はその断片の固定化方法としては、ヌクレオチドの荷電を利用して、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミンなどのポリ陽イオンで表面処理した固相担体に静電結合させたり、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基などの官能基を導入した固相表面に、アミノ基、アルデヒド基、SH基、ビオチンなどの官能基を導入したヌクレオチドを共有結合により結合させることもできる。固定化は、アレイ機を用いて行えばよい。上記868のプローブに対応する遺伝子の少なくとも1個の遺伝子又はその断片を基板に固相化してDNAマイクロアレイを作製し、該DNAマイクロアレイと蛍光物質で標識した被験体由来のmRNAまたはcDNAを接触させ、ハイブリダイズさせ、DNAマイクロアレイ上の蛍光強度を測定することにより、mRNAの種類と量を決定することができる。その結果、被験体において発現が変動している遺伝子がわかり、遺伝子発現プロファイルを得ることができる。被験体由来のmRNAを標識する蛍光物質は、限定されず、市販の蛍光物質を用いることができる。例えば、Cy3、Cy5等を用いればよい。mRNAの標識は公知の方法で行うことができる。
【0047】
本発明において、プローブとはDNAマイクロアレイ上に配置されているヌクレオチドの配列を指すものであり、プローブID番号1つについて、1つのヌクレオチド配列が指定されている。1つの遺伝子であっても、ヌクレオチドの配列が異なっている複数のプローブに対応している遺伝子も存在する。プローブが遺伝子に対応するとは、該プローブの配列が該遺伝子の塩基配列の部分配列又はその配列に相補的な配列に相補的であり、該遺伝子と該プローブがハイブリダイズし得ることをいう。プローブに対応する遺伝子の塩基配列は、該プローブの塩基配列又はその塩基配列に相補的な塩基配列を部分配列として含む。
【0048】
本発明でプローブ又はプライマーとして用いるヌクレオチドは上記遺伝子の配列を含むヌクレオチド及びその断片配列からなるヌクレオチド並びにそれらの配列に相補的な配列からなるヌクレオチドを含む。また、本発明に用いるヌクレオチドは、上記の塩基配列を有するヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド及びその断片配列からなるヌクレオチドも含まれる。このようなヌクレオチドとしては、例えば、上記塩基配列との相同性の程度が、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上である塩基配列を含有するヌクレオチド等を挙げることが出来る。ハイブリダイゼーションは、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al., 1987))に記載の方法等、当業界で公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、「1XSSC、0.1% SDS、37℃」程度の条件であり、より厳しい条件としては「0.5XSSC、0.1% SDS、42℃」程度の条件であり、さらに厳しい条件としては「0.2XSSC、0.1% SDS、65℃」程度の条件である。このようにハイブリダイゼーションの条件が厳しくなるほどプローブ配列と高い相同性を有するヌクレオチドを単離し得る。ただし、上記のSSC、SDS及びに温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であればハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記もしくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーションの反応時間など)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。さらに、これらの遺伝子はバリアントを有する場合もあり、本発明で用いる遺伝子には上記遺伝子のバリアントも含まれる。バリアントの塩基配列は遺伝子データベースにアクセスすることにより得ることができる。本発明のヌクレオチドは該バリアントの塩基配列を含むヌクレオチド又はその断片配列からなるヌクレオチドも含む。
【0049】
また、本発明で用いるヌクレオチドは、上記遺伝子のセンス鎖よりなるヌクレオチド、アンチセンス鎖よりなるヌクレオチドのいずれをも用いることができる。
【0050】
図1(図1-1〜図1-48)に消化器癌の検出に用い得る第1のプローブ群である868個のプローブを示す。図1にはプローブID番号、プローブに対応する遺伝子のシンボル、プローブの塩基配列(配列番号1〜868)及びプローブに対応する遺伝子の解説(遺伝子名及びGenBank登録番号)を示す。これらの遺伝子の全長配列は公知であり、任意の部分的配列を該遺伝子を検出するためのヌクレオチドとして用いることができる。図2には図1に示す868個のプローブの中で特に消化器癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい21個のプローブの塩基配列(配列番号220、506、508、523、538、554、570、589、597、602、618、654、689、701、726、744、762、763、781、795及び849)を示す。図1においてNo.1〜No.555の555プローブ(配列番号1〜配列番号555)に対応する遺伝子は消化器癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.556〜No.868の313プローブ(配列番号556〜868)に対応する遺伝子は消化器癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。また、図2においてNo.1〜No.6のプローブ(配列番号220、506、508、523、538及び554)に対応する遺伝子は消化器癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.7〜No.21(配列番号570、589、597、602、618、654、689、701、726、744、762、763、781、795及び849)のプローブに対応する遺伝子は消化器癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。
【0051】
さらに、図21(図21−1及び図21−2)に、消化器癌の検出に用い得る第2のプローブ群である25個のプローブを示す。図21にはプローブID番号、プローブに対応する遺伝子のシンボル、プローブの塩基配列(配列番号3030〜3054)及びプローブに対応する遺伝子の解説(遺伝子名及びGenBank登録番号)を示す。これらの遺伝子の全長配列は公知であり、任意の部分的配列を該遺伝子を検出するためのヌクレオチドとして用いることができる。
【0052】
図3(図3-1〜図3-39)に胃癌の検出に用い得る713個のプローブを示す。図3にはプローブID番号、プローブに対応する遺伝子のシンボル、プローブの塩基配列(配列番号869〜1581)及びプローブに対応する遺伝子の解説(遺伝子名及びGenBank登録番号)を示す。これらの遺伝子の全長配列は公知であり、任意の部分的配列を該遺伝子を検出するためのヌクレオチドとして用いることができる。図4(図4-1〜図4-6)には図3に示す713個のプローブの中で特に胃癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい107個のプローブの塩基配列(配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578)を示す。図3においてNo.1〜No.84の84プローブ(配列番号869〜配列番号952)に対応する遺伝子は胃癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.85〜No.713の629プローブ(配列番号953〜1581)に対応する遺伝子は胃癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。また、図4においてNo.1〜No.6のプローブ(配列番号923、927、929、932、946及び952)に対応する遺伝子は胃癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.7〜No.107のプローブ(配列番号986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578)に対応する遺伝子は胃癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。
【0053】
図5(図5-1〜図5-41)に大腸癌の検出に用い得る771個のプローブを示す。図5にはプローブID番号、プローブに対応する遺伝子のシンボル、プローブの塩基配列(配列番号1582〜2352)及びプローブに対応する遺伝子の解説(遺伝子名及びGenBank登録番号)を示す。これらの遺伝子の全長配列は公知であり、任意の部分的配列を該遺伝子を検出するためのヌクレオチドとして用いることができる。図6(図6-1〜図6-6)には図5に示す771個のプローブの中で特に大腸癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい116個のプローブ(配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340)を示す。図5においてNo.1〜No.125の125プローブ(配列番号1582〜配列番号1706)に対応する遺伝子は大腸癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.126〜No.771の646プローブ(配列番号1707〜2352)に対応する遺伝子は大腸癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。また、図6においてNo.1〜No.9のプローブ(配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680及び1684)に対応する遺伝子は大腸癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.10〜No.116のプローブ(配列番号1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340)に対応する遺伝子は大腸癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。
【0054】
図7(図7-1〜図7-37)に膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブを示す。図7にはプローブID番号、プローブに対応する遺伝子のシンボル、プローブの塩基配列(配列番号2353〜3029)及びプローブに対応する遺伝子の解説(遺伝子名及びGenBank登録番号)を示す。これらの遺伝子の全長配列は公知であり、任意の部分的配列を該遺伝子を検出するためのヌクレオチドとして用いることができる。図8(図8-1〜図8-3)には図7に示す677個のプローブの中で特に膵臓癌患者と健常人での発現変動の程度が大きい61個のプローブ(配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003)を示す。図7においてNo.1〜No.96の96プローブ(配列番号2353〜配列番号2448)に対応する遺伝子は膵臓癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.97〜No.677の581プローブ(配列番号2449〜3029)に対応する遺伝子は膵臓器癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。また、図8においてNo.1〜No.6のプローブ(配列番号2373、2404、2418、2419、2426及び2430)に対応する遺伝子は膵臓癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.7〜No.61のプローブ(配列番号2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003)に対応する遺伝子は膵臓癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。
【0055】
図24(図24-1〜図24-19)に胆道癌の検出に用い得る363個のプローブを示す。図24にはプローブID番号、プローブに対応する遺伝子のシンボル、プローブの塩基配列(配列番号3055〜3417)及びプローブに対応する遺伝子の解説(遺伝子名及びGenBank登録番号)を示す。これらの遺伝子の全長配列は公知であり、任意の部分的配列を該遺伝子を検出するためのヌクレオチドとして用いることができる。図24においてNo.1〜No.98の98プローブ(配列番号3055〜配列番号3152)に対応する遺伝子は胆道膵臓癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子であり、No.99〜No.363の265プローブ(配列番号3153〜3417)に対応する遺伝子は膵臓器癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子である。
【0056】
本発明の消化器癌を検出する方法において、図1に示す868個のプローブの少なくとも1つを用いて、被験体の末梢血におけるそのプローブに対応する遺伝子(図1の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定する。この際、プローブとしては図1に示す868個のプローブの少なくとも1個〜867個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個、650個、700個、750個、800個、850個若しくは867個、又は868個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、消化器癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。また、消化器癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。さらに、消化器癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブ及び消化器癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブを組合せて用い、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。すなわち、図1に示すプローブのNo.1〜No.555の555個のプローブ(配列番号1〜配列番号555)の少なくとも1つを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の少なくとも1つを測定すればよく、この際555個のプローブの少なくとも1個〜554個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個若しくは554個、又は555個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図1に示すプローブのNo.556〜No.868の313個のプローブ(配列番号556〜配列番号868)の少なくとも1つを用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよく、この際、313個のプローブの少なくとも1個〜312個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個若しくは312個、又は313個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。さらに、図1に示すプローブのNo.1〜No.555の555個のプローブ(配列番号1〜配列番号555)の少なくとも1つと図1に示すプローブのNo.556〜No.868の313個のプローブ(配列番号556〜配列番号868)の少なくとも1つを組み合わせて用いて、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。
【0057】
さらに、上記868個のプローブに対応する遺伝子のうち、特に発現変動の大きい遺伝子に対応する図2に示す21個のプローブの少なくとも1つを用いて、該プローブに対応する遺伝子(図2の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定してもよい。この際21個のプローブの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個又は21個のプローブを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図2に示す21個のプローブのうち、消化器癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子に対応するNo.1〜No.6のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、図2に示す21個のプローブのうち、消化器癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子に対応するNo.7〜No.21のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、さらに、No.1〜No.6のプローブの少なくとも1つとNo.7〜No.21のプローブの少なくとも1つを組み合わせて用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよい。この際、No.1〜No.6のプローブの1個、2個、3個、4個、5個又は6個を用いればよく、No.7〜No.21のプローブの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個又は15個を用いればよい。
【0058】
さらに、本発明の消化器癌を検出する方法において、図21に示す25個のプローブの少なくとも1つを用いて、被験体の末梢血におけるそのプローブに対応する遺伝子(図1Aの最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定する。この際、プローブとしては図1Aに示す25個のプローブの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、又は25個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、消化器癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。また、消化器癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。さらに、消化器癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブ及び消化器癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブを組合せて用い、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。すなわち、図21に示すプローブのNo.1〜No.14の14個のプローブ(配列番号3030〜配列番号3043)の少なくとも1つを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の少なくとも1つを測定すればよく、この際14個のプローブの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、又は14個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図21に示すプローブのNo.15〜No.25の11個のプローブ(配列番号3044〜配列番号3054)の少なくとも1つを用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよく、この際、11個のプローブの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は11個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。さらに、図21に示すプローブのNo.1〜No.14の14個のプローブ(配列番号3030〜配列番号3043)の少なくとも1つと図21に示すプローブのNo.15〜No.25の11個のプローブ(配列番号3044〜配列番号3054)の少なくとも1つを組み合わせて用いて、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。
【0059】
本発明の胃癌を検出する方法において、図3に示す713個のプローブの少なくとも1つを用いて、被験体の末梢血におけるそのプローブに対応する遺伝子(図3の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定する。この際、プローブとしては図3に示す713個のプローブの少なくとも1個〜712個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個、650個、700個若しくは712個、又は713個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、胃癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。また、胃癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。さらに、胃癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブ及び胃癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブを組合せて用い、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。すなわち、図1に示すプローブのNo.1〜No.84の84個のプローブ(配列番号869〜配列番号952)の少なくとも1つを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の少なくとも1つを測定すればよく、この際84個のプローブの少なくとも1個〜83個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個若しくは83個、又は84個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図3に示すプローブのNo.85〜No.713の629個のプローブ(配列番号953〜配列番号1581)の少なくとも1つを用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよく、この際、629個のプローブの少なくとも1個〜628個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個、若しくは628個又は629個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。さらに、図3に示すプローブのNo.1〜No.84の84個のプローブ(配列番号869〜配列番号952)の少なくとも1つと図3に示すプローブのNo.85〜No.713の629個のプローブ(配列番号953〜配列番号1581)の少なくとも1つを組み合わせて用いて、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。
【0060】
さらに、上記713個のプローブに対応する遺伝子のうち、特に発現変動の大きい遺伝子に対応する図4に示す107個のプローブの少なくとも1つを用いて、該プローブに対応する遺伝子(図4の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定してもよい。この際107個のプローブの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個若しくは106個、又は107個のプローブを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図4に示す107個のプローブのうち、胃癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子に対応するNo.1〜No.6のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、図4に示す107個のプローブのうち、胃癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子に対応するNo.7〜No.107のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、さらに、No.1〜No.6のプローブの少なくとも1つとNo.7〜No.107のプローブの少なくとも1つを組み合わせて用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよい。この際、No.1〜No.6のプローブの1個、2個、3個、4個、5個又は6個を用いればよく、No.7〜No.107のプローブの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個若しくは100個又は101個を用いればよい。
【0061】
本発明の大腸癌を検出する方法において、図5に示す771個のプローブの少なくとも1つを用いて、被験体の末梢血におけるそのプローブに対応する遺伝子(図5の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定する。この際、プローブとしては図5に示す771個のプローブの少なくとも1個〜770個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個、650個、700個、750個若しくは770個、又は771個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、大腸癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。また、大腸癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。さらに、大腸癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブ及び大腸癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブを組合せて用い、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。すなわち、図5に示すプローブのNo.1〜No.125の125個のプローブ(配列番号1582〜配列番号1706)の少なくとも1つを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の少なくとも1つを測定すればよく、この際125個のプローブの少なくとも1個〜124個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、110個、120個若しくは124個又は125個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図5に示すプローブのNo.126〜No.771の646個のプローブ(配列番号1707〜配列番号2352)の少なくとも1つを用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよく、この際、646個のプローブの少なくとも1個〜645個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個若しくは645個、又は646個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。さらに、図5に示すプローブのNo.1〜No.125の125個のプローブ(配列番号1582〜配列番号1706)の少なくとも1つと図5に示すプローブのNo.126〜No.771の646個のプローブ(配列番号1707〜配列番号2352)の少なくとも1つを組み合わせて用いて、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。
【0062】
さらに、上記771個のプローブに対応する遺伝子のうち、特に発現変動の大きい遺伝子に対応する図6に示す116個のプローブの少なくとも1つを用いて、該プローブに対応する遺伝子(図6の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定してもよい。この際116個のプローブの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、110個若しくは115個、又は116個のプローブを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図6に示す116個のプローブのうち、大腸癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子に対応するNo.1〜No.9のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、図6に示す116個のプローブのうち、大腸癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子に対応するNo.10〜No.116のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、さらに、No.1〜No.9のプローブの少なくとも1つとNo.10〜No.116のプローブの少なくとも1つを組み合わせて用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよい。この際、No.1〜No.9のプローブの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個又は9個を用いればよく、No.10〜No.116のプローブの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個若しくは109個又は110個を用いればよい。
【0063】
本発明の膵臓癌を検出する方法において、図7に示す677個のプローブの少なくとも1つを用いて、被験体の末梢血におけるそのプローブに対応する遺伝子(図7の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定する。この際、プローブとしては図7に示す677個のプローブの少なくとも1個〜676個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個、650個若しくは676個、又は677個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、膵臓癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。また、膵臓癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。さらに、膵臓癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブ及び膵臓癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブを組合せて用い、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。すなわち、図7に示すプローブのNo.1〜No.96の96個のプローブ(配列番号2353〜配列番号2448)の少なくとも1つを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の少なくとも1つを測定すればよく、この際96個のプローブの少なくとも1個〜95個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個若しくは95個又は96個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図7に示すプローブのNo.97〜No.677の581プローブ(配列番号2449〜3029)の少なくとも1つを用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよく、この際、581個のプローブの少なくとも1個〜580個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個、550個若しくは580個、又は581個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。さらに、図7に示すプローブのNo.1〜No.96の96個のプローブ(配列番号2353〜配列番号2448)の少なくとも1つと図7に示すプローブのNo.97〜No.677の581プローブ(配列番号2449〜3029)の少なくとも1つを組み合わせて用いて、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。
【0064】
さらに、上記677個のプローブに対応する遺伝子のうち、特に発現変動の大きい遺伝子に対応する図8に示す61個のプローブの少なくとも1つを用いて、該プローブに対応する遺伝子(図8の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定してもよい。この際61個のプローブの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個若しくは60個、又は61個のプローブを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図8に示す61個のプローブのうち、膵臓癌患者において健常人に対して発現が減弱する遺伝子に対応するNo.1〜No.6のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、図8に示す61個のプローブのうち、膵臓癌患者において健常人に対して発現が亢進する遺伝子に対応するNo.7〜No.61のプローブの少なくとも1つを用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよく、さらに、No.1〜No.6のプローブの少なくとも1つとNo.7〜No.61のプローブの少なくとも1つを組み合わせて用いて遺伝子の発現レベルを測定してもよい。この際、No.1〜No.6のプローブの1個、2個、3個、4個、5個又は6個を用いればよく、No.7〜No.61のプローブの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個20個、30個、40個、50個若しくは54個、又は55個を用いればよい。
【0065】
本発明の胆道癌を検出する方法において、図24(図24−1〜図24−19)に示す363個のプローブの少なくとも1つを用いて、被験体の末梢血におけるそのプローブに対応する遺伝子(図24の最右欄に記載されている遺伝子)の発現レベルを測定する。この際、プローブとしては図24に示す363個のプローブの少なくとも1個〜362個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個若しくは362個、又は363個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、胆道癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。また、胆道癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応するプローブの少なくとも1個を用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。さらに、胆道癌患者群において発現が減弱する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブ及び胆道癌患者群において発現が亢進する遺伝子に対応する少なくとも1個のプローブを組合せて用い、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定してもよい。すなわち、図24に示すプローブのNo.1〜No.98の98個のプローブ(配列番号3055〜配列番号3152)の少なくとも1つを用いて、これらのプローブに対応する遺伝子の少なくとも1つを測定すればよく、この際98個のプローブの少なくとも1個〜97個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個若しくは97個又は98個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。また、図24に示すプローブのNo.99〜No.363の265プローブ(配列番号3153〜3417)の少なくとも1つを用いて、そのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよく、この際、265個のプローブの少なくとも1個〜264個、例えば少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、50個、100個、150個、200個、250個、264個、又は265個のプローブを用いて対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。さらに、図24に示すプローブのNo.1〜No.98の98個のプローブ(配列番号3055〜配列番号3152)の少なくとも1つと図24に示すプローブのNo.99〜No.363の265プローブ(配列番号3153〜3417)の少なくとも1つを組み合わせて用いて、それらのプローブに対応する遺伝子の発現レベルを測定すればよい。
【0066】
本発明の方法により、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を罹患している患者を同定できることが可能になる。すなわち、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌の存在を検出することができる。
【0067】
被験体は、病態が未知の被験体でもよく、病態が未知の被験体を用いた場合、該被験体が正常であるか、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌に罹患しているかを判別診断することができる。
【0068】
本発明において、上記の消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌の病態の決定、予後の予測等を広く消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌の検出という。
【0069】
また、上記のプローブ、すなわち消化器癌については868個のプローブ若しくは25個のプローブ、胃癌については713個のプローブ、大腸癌については771個のプローブ、膵臓癌については677個のプローブ、胆道癌については363個のプローブに対応する遺伝子の1個以上の遺伝子の発現プロファイルを得て、発現プロファイルを解析することにより、被験体の病態を判定することができる。被験体から得られた発現プロファイルが消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌患者で得られた発現プロファイルと類似している場合、被験体はそれぞれ消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌に罹患していると判定することができる。また、被験体から得られた発現プロファイルを正常人で得られた発現プロファイルと比較し、正常人の発現プロファイルとの相違により、評価判定することもできる。
【0070】
遺伝子発現プロファイルは、蛍光強度等の発現シグナルのパターンが、デジタル数値で又は色を有する画像で記録される。遺伝子発現プロファイルの比較は、例えばパターン比較ソフトウェアを用いて行うことができ、コックスハザード分析、判別分析等を利用することができる。あらかじめ病態、病態予測又は予後予測を評価判定するための判別分析モデルを構築し、該判別分析モデルに被験体から得られた遺伝子発現プロファイルに関するデータを入力し、病態、病態予測又は予後予測を行うこともできる。例えば、判別分析により判別式を得て、蛍光強度と病態、病態予測又は予後予測を関連付け、判別式に被験体の発現シグナル数値を代入することにより、病態、病態予測又は予後予測を評価判定することができる。
【0071】
本発明は、消化器癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子、胃癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子、大腸癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子、膵臓癌患者において健常人に対して発現が変動する遺伝子、又は胆道癌において健常人に対して発現が変動する遺伝子の発現レベルを測定するための該遺伝子の塩基配列からなるヌクレオチド又はその一部配列を含むヌクレオチドを含む消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出するための体外診断薬又はキットを包含する。該試薬は、前記遺伝子の塩基配列からなるヌクレオチド又はその一部配列を含むヌクレオチドをプローブ又はプライマーとして含む試薬であり、また前記遺伝子の塩基配列からなるヌクレオチド又はその一部配列を含むヌクレオチドを固相化したマイクロアレイ等の基板である。
【0072】
例えば、消化器癌を検出するための試薬又はキットは、上記の消化器癌の検出に用い得る868個若しくは25個のプローブの少なくとも1つを含み、該プローブに対応する遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを測定することができる。また、胃癌を検出するための試薬又はキットは、上記の胃癌の検出に用い得る713個のプローブの少なくとも1つを含み、該プローブに対応する遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを測定することができる。また、大腸癌を検出するための試薬又はキットは、上記の大腸癌の検出に用い得る771個のプローブの少なくとも1つを含み、該プローブに対応する遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを測定することができる。さらに、膵臓癌を検出するための試薬又はキットは、膵臓癌の検出に用い得る677個のプローブの少なくとも1つを含み、該プローブに対応する遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを測定することができる。さらに、胆道癌を検出するための試薬又はキットは、胆道癌の検出に用い得る363個のプローブの少なくとも1つを含み、該プローブに対応する遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを測定することができる。
【0073】
本発明は本発明の消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出する方法により、被験体の消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出するシステムを包含する。
【0074】
本発明の消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌を検出するシステムは、
(a) 被験体の遺伝子発現プロファイルに関するデータを入力する手段、ここで入力される遺伝子発現プロファイルに関するデータとは、例えば、各遺伝子におけるシグナル数値等の各遺伝子の発現レベルを示すデータである;
(b) 構築した判別モデルを記憶している記憶手段、
(c) (a)の入力手段を用いて入力したデータを(b)の記憶手段に記憶されている判別モデルに適用して、消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌の病態の決定を行うためのデータ処理手段、及び
(d) 予測された消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌の病態の決定、病態予測、予後予測を出力する出力手段、
を含むシステムである。
【0075】
(a)のデータを入力する手段は、キーボード又はデータを記憶した外部記憶装置等を含む。(b)の記憶手段はハードディスク等を含む。データ処理手段は、記憶手段から判別モデルを受け取るとともに、入力されたデータを処理して、処理結果を出力手段に送り、出力手段で処理結果が表示される。データ処理手段は、データを演算処理する中央演算処理装置(CPU)等を含む。また、出力手段は、結果を表示するモニタやプリンタを含む。
【0076】
本発明のシステムは、市販のパーソナルコンピュータ等を用いて構築することが可能である。
【実施例】
【0077】
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本実施例において、用いた材料及び実験の方法は以下の通りであった。
【0078】
対象
医師が消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌と診断した患者から採取した血液をそれぞれ消化器癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌又は胆道癌症例とした。対照群としては自治体主催における住民健診において同意を得た受診者の善意により提供された血液を下記検査項目により検索し正常値を示した受診者のみを健常人とした。
【0079】
検査項目:
収縮期血圧、拡張期血圧、赤血球数、白血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、肝機能(GOT、GPT、γ-GTP)、腎機能(クレアチニン値)、脂質代謝(LDLコレステロール値、HDLコレステロール値、総コレステロール値)、尿タンパク、尿潜血
【0080】
末梢血液採取:
パクスジーンRNA採血管(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 医療機器製造販売認証番号:218AFBZX00014000)を用いて、患者より末梢血液を採取した。
【0081】
RNA抽出及びハイブリダイゼーション
パクスジーンRNA採血管よりPAXgene Blood RNA Kit(QIAGEN GmbH,Hilden,Germany)を用いて、プロトコールにしたがってRNAを抽出した。抽出したRNAを元にQuickAmp Labeling Kit,1color(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)を用いてRNAを増幅し、同時にCy3色素にてラベル化を行った。ラベル化RNAをGene Expression Hybridization Kit(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)を使用して混合した後、Whole Human Genome オリゴDNAマイクロアレイ(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)にハイブリダイゼーションを行った。なお、RNAの増幅からハイブリダイゼーションまでの行程はAgilent Technologiesが公表している実験プロトコールに従って作業を行った。
【0082】
DNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析:
オリゴDNAマイクロアレイ上の各スポットの蛍光強度はDNAマイクロアレイスキャナ(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)にて獲得した。獲得したイメージはFeature Extraction ソフトウェア(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)にて各スポットの蛍光強度の数値化を行った。この数値化により、そのスポット上に配置されているプローブの蛍光強度が算定された。
【0083】
GeneSpring GX(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)を用いて、マイクロアレイ上の全プローブの蛍光強度数値のノーマライゼーションを行い、各プローブの発現増強減弱を示すノーマライズされた数値を元に各プローブの蛍光強度の品質チェックを行い、品質チェックをパスしたプローブのみを解析対象として階層クラスタリングを行った。また、同様にGeneSpring GXを用いて、消化器癌患者群、健常人群の間において発現に差の認められる遺伝子をStatistic AnalysisツールでWelch t-testを利用し検討した。多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用し、p<0.05を有為として候補プローブを抽出した。さらに、同様にGeneSpring GXを用いてこの候補プローブを抽出するために使用した癌症例群、健常人群とは異なる癌症例群、健常人群をClass Predictionツールで、Support Vector Machinesを計算に利用しどちらの群に属するのかの予測判定を行った。
【0084】
本実施例において以下の結果が得られた。
【0085】
1−1.消化器癌の検出(1)
階層クラスタリング:
GeneSpring GXの階層クラスタリングツールを用いて、品質チェックをパスした23352プローブによって検討したところ、図9のように5つのクラスターを形成し、第1クラスターでは3例中3例(100%)が消化器癌症例、第2クラスターでは9例中8例(88.9%)が消化器癌症例、第3クラスターでは6例中5例(83.3%)、第4クラスターでは10例中9例(90.0%)が消化器癌症例、第5クラスターでは4例中3例(75.0%)が消化器癌症例が占め、消化器癌症例と健常人が群別された。
【0086】
消化器癌症例群、健常人群間に発現に差を認めた遺伝子:
同じくGeneSpring GXのStatistic Analysisツールを用いて、消化器癌症例群と健常人群を判別しうるプローブを検討したところ、多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用しp<0.0005にて868プローブが両群間において発現に差を認めた。
【0087】
また、この868プローブのノーマライズされた蛍光強度の数値をFold Changeツールを用いて消化器癌症例群と健常人群とを比較したところ、健常人群に比較して消化器癌症例群において倍率に関係なく発現減弱している555プローブが認められ、倍率に関係なく発現亢進している313プローブが認められた。また、0.4倍以下の発現減弱が6プローブ認められ、2.5倍以上の発現亢進が15プローブ認められた。
【0088】
健常人と消化器癌症例とで発現減弱及び発現亢進が認められた遺伝子に対応する868プローブによる階層クラスタリング:
上記の555プローブと313プローブの合計868プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図10に示すような3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは14例中14例(100%)が消化器癌症例、第2クラスターでは8例中8例(100%)が消化器癌症例、第3クラスターでは10例中8例(80%)が健常人を占め、消化器癌症例と健常人が群別された。
【0089】
健常人と消化器癌症例とで発現減弱及び発現亢進が認められた遺伝子に対応する868プローブを利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた868プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では40例中39例を癌症例と判定し、その確率は97.5%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中9例を健常人と判定し、その確率は69.2%となった。これらを合計すると判定を行った53例中48例に判定が正解となるため、その判定の正答率は48/53であり90.6%となった。
【0090】
0.4倍以下の発現減弱及び2.5倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する21プローブによる階層クラスタリング:
上記の6プローブと15プローブの合計21プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図11に示すような3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは17例中17例(100%)が消化器癌症例、第2クラスターでは9例中7例(77.8%)が消化器癌症例、第3クラスターでは6例中6例(100%)が健常人を占め、消化器癌症例と健常人が群別された。
【0091】
0.4倍以下の発現減弱及び2.5倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する21プローブ利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた21プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では40例中37例を癌症例と判定し、その確率は92.5%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中12例を健常人と判定し、その確率は92.3%となった。これらを合計すると判定を行った53例中49例で判定が正解となるため、その判定の正答率は49/53であり92.5%となった。
【0092】
1−2.消化器癌の検出(2)
上記の消化器癌の検出(1)と同様に、癌症例39例、健常人15例の集団をGeneSpring GXの階層クラスタリングツールを用いて、品質チェックをパスした23278プローブによって検討したところ、図22のように5つのクラスターを形成し、第1クラスターでは5例中5例(100%)が消化器癌症例、第2クラスターでは30例中29例(96.7%)が消化器癌症例、第3クラスターでは1例中1例(100%)、第4クラスターでは10例中6例(60%)が消化器癌症例、第5クラスターでは8例中8例(100%)を健常人が占め、消化器癌症例と健常人が群別された。
【0093】
さらに、上記の消化器癌の検出(1)と同様に、GeneSpring GXのStatistic Analysisツールを用いて、39例の消化器癌症例群と15例の健常人群を判別しうるプローブを検討したところ、多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用しp<0.000005にてプローブを抽出し、その中でさらにノーマライズされた蛍光強度の数値をFold Changeツールを用いて消化器癌症例群と健常人群とを比較したところ、0.33倍以下の発現減弱が14プローブ認められ、3倍以上の発現亢進が11プローブ認められた(図21、配列番号3030〜3054)。
【0094】
健常人と消化器癌症例とで発現減弱及び発現亢進が認められた遺伝子に対応する25プローブによる階層クラスタリング:
上記の14プローブと11プローブの合計25プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図23に示すような3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは31例中31例(100%)が消化器癌症例、第2クラスターでは6例中6例(100%)が消化器癌症例、第3クラスターでは17例中15例(88.2%)が健常人を占め、消化器癌症例と健常人が群別された。
【0095】
健常人と消化器癌症例とで発現減弱及び発現亢進が認められた遺伝子に対応する25プローブを利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた25プローブを元にサポートベクターマシーンを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では37例中37例を癌症例と判定し、その確率は100%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では15例中11例を健常人と判定し、その確率は73.3%となった。これらを合計すると判定を行った52例中48例に判定が正解となるため、その判定の正答率は48/52であり92.3%となった。
【0096】
2.胃癌の検出
階層クラスタリング:
GeneSpring GXの階層クラスタリングツールを用いて、品質チェックをパスした22155プローブによって検討したところ、図12のように4つのクラスターを形成し、第1クラスターでは6例中6例(100%)が胃癌症例、第2クラスターでは4例中3例(75%)が健常人、第3クラスターでは4例中3例(75%)が健常人、第4クラスターでは2例中2例(100%)が健常人を占め、胃癌症例と健常人が群別された。
【0097】
胃癌症例群、健常人群間に発現に差を認めた遺伝子:
同じくGeneSpring GXのStatistic Analysisツールを用いて、胃癌症例群と健常人群を判別しうるプローブを検討したところ、多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用しp<0.05にて3453プローブが両群間において発現に差を認めた。
【0098】
また、この3453プローブのノーマライズされた蛍光強度の数値をFold Changeツールを用いて胃癌症例群と健常人群とを比較したところ、健常人群に比較して胃癌症例群において0.5倍以下の発現減弱が84プローブ認められ、2倍以上の発現亢進が629プローブ認められた。また、0.33倍以下の発現減弱が6プローブ認められ、3倍以上の発現亢進が101プローブ認められた。
【0099】
0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する713プローブによる階層クラスタリング:
上記の84プローブと629プローブの合計713プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図13に示すような、癌症例100%のクラスター、健常人100%のクラスターの2つのクラスターを形成した。
【0100】
0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する713プローブを利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた713プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では10例中7例を癌症例と判定し、その確率は70%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。これらを合計すると判定を行った23例中20例に判定が正解となるため、その判定の正答率は20/23であり87.0%となった。
【0101】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する107プローブによる階層クラスタリング:
上記の6プローブと101プローブの合計107プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図14に示すような、癌症例100%のクラスター、健常人100%のクラスターの2つのクラスターを形成した。
【0102】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する107プローブ利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた107プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では10例中8例を癌症例と判定し、その確率は80%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。これらを合計すると判定を行った23例中21例に判定が正解となるため、その判定の正答率は21/23であり91.3%となった。
【0103】
3.大腸癌の検出
階層クラスタリング:
GeneSpring GXの階層クラスタリングツールを用いて、品質チェックをパスした22181プローブによって検討したところ、図15のように3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは5例中4例(80%)が大腸癌症例、第2クラスターでは7例中6例(85.7%)が健常人、第3クラスターでは4例中3例(75%)が大腸癌症例を占め、大腸癌症例と健常人が群別された。
【0104】
大腸癌症例群、健常人群間に発現に差を認めた遺伝子:
同じくGeneSpring GXのStatistic Analysisツールを用いて、大腸癌症例群と健常人群を判別しうるプローブを検討したところ、多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用しp<0.05にて5267プローブが両群間において発現に差を認めた。
【0105】
また、この5267プローブのノーマライズされた蛍光強度の数値をFold Changeツールを用いて大腸癌症例群と健常人群とを比較したところ、健常人群に比較して大腸癌症例群において0.5倍以下の発現減弱が125プローブ認められ、2倍以上の発現亢進が646プローブ認められた。また、0.33倍以下の発現減弱が9プローブ認められ、3倍以上の発現亢進が107プローブ認められた。
【0106】
0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する771プローブによる階層クラスタリング:
上記の125プローブと646プローブの合計771プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図16に示すような3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは5例中5例(100%)が大腸癌症例、第2クラスターでは5例中3例(60.0%)が大腸癌症例、第3クラスターでは7例中7例(100%)が健常人のクラスターが形成された。
【0107】
0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する771プローブを利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた771プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では10例中9例を癌症例と判定し、その確率は90%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。これらを合計すると判定を行った23例中22例に判定が正解となるため、その判定の正答率は22/23であり95.7%となった。
【0108】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する116プローブによる階層クラスタリング:
上記の9プローブと107プローブの合計116プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図17に示すような3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは5例中5例(100%)が大腸癌症例、第2クラスターでは6例中3例(50.0%)が大腸癌症例、第3クラスターでは5例中5例(100%)が健常人のクラスターが形成された。
【0109】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する116プローブ利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた116プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では10例中9例を癌症例と判定し、その確率は90%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。これらを合計すると判定を行った23例中22例で判定が正解となるため、その判定の正答率は22/23であり95.7%となった。
【0110】
4.膵臓癌の検出
階層クラスタリング:
GeneSpring GXの階層クラスタリングツールを用いて、品質チェックをパスした22149プローブによって検討したところ、図18のように3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは7例中7例(100%)が健常人、第2クラスターでは5例中4例(80%)が膵臓癌症例、第3クラスターでは4例中4例(100%)が膵臓癌症例を占め、膵臓癌症例と健常人が群別された。
【0111】
膵臓癌症例群、健常人群間に発現に差を認めた遺伝子:
同じくGeneSpring GXのStatistic Analysisツールを用いて、膵臓癌症例群と健常人群を判別しうるプローブを検討したところ、多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用しp<0.05にて3301プローブが両群間において発現に差を認めた。
【0112】
また、この3301プローブのノーマライズされた蛍光強度の数値をFold Changeツールを用いて膵臓癌症例群と健常人群とを比較したところ、健常人群に比較して膵臓癌症例群において0.5倍以下の発現減弱が96プローブ認められ、2倍以上の発現亢進が581プローブ認められた。また、0.33倍以下の発現減弱が6プローブ認められ、3倍以上の発現亢進が55プローブ認められた。
【0113】
0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する677プローブによる階層クラスタリング:
上記の96プローブと581プローブの合計677プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図19に示すような、2つのクラスターを形成し、第一クラスターでは9例中8例(88.9%)が健常人、第2クラスターでは7例中7例(100%)が膵臓癌症例の2つのクラスターを形成した。
【0114】
0.5倍以下の発現減弱及び2倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する677プローブを利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた677プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では20例中15例を膵臓癌症例と判定し、その確率は75%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。これらを合計すると判定を行った33例中28例に判定が正解となるため、その判定の正答率は28/33であり84.8%となった。
【0115】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する61プローブによる階層クラスタリング:
上記の6プローブと55プローブの合計61プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図20に示すような、2つのクラスターを形成し、第一クラスターでは9例中8例(88.9%)が健常人、第2クラスターでは7例中7例(100%)が膵臓癌症例の2つのクラスターを形成した。
【0116】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する61プローブ利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた61プローブを元にSupport Vector Machinesを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では20例中15例を膵臓癌症例と判定し、その確率は75%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中9例を健常人と判定し、その確率は69.2%となった。これらを合計すると判定を行った33例中24例で判定が正解となるため、その判定の正答率は24/33であり72.7%となった。
【0117】
5.胆道癌の検出
階層クラスタリング:
GeneSpring GXの階層クラスタリングツールを用いて、品質チェックをパスした22066プローブによって検討したところ、図25のように3つのクラスターを形成し、第1クラスターでは7例中7例(100%)が健常人、第2クラスターでは3例中3例(100%)が胆道癌症例、第3クラスターでは6例中5例(83.3%)が胆道癌症例を占め、胆道癌症例と健常人が群別された。
【0118】
胆道癌症例群、健常人群間に発現に差を認めた遺伝子:
同じくGeneSpring GXのStatistic Analysisツールを用いて、胆道癌症例群と健常人群を判別しうるプローブを検討したところ、多重検定としてBenjamini and Hochberg False Discovery Rateを使用しp<0.05にて8090プローブが両群間において発現に差を認めた。
【0119】
また、この8090プローブのノーマライズされた蛍光強度の数値をFold Changeツールを用いて胆道癌症例群と健常人群とを比較したところ、健常人群に比較して胆道癌症例群において0.33倍以下の発現減弱が98プローブ認められ、3倍以上の発現亢進が265プローブ認められた。
【0120】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する363プローブによる階層クラスタリング:
上記の98プローブと265プローブの合計363プローブを用いて、対象の癌症例、健常人につき、階層クラスタリングを行ったところ、図26に示すような、2つのクラスターを形成し、第一クラスターでは7例中7例(100%)が健常人、第2クラスターでは9例中8例(88.9%)が胆道癌症例の2つのクラスターを形成した。
【0121】
0.33倍以下の発現減弱及び3倍以上の発現亢進が認められた遺伝子に対応する363プローブを利用しての予測判定:
同じくGeneSpring GXのClass Predictionツールを用いて、発現に差を認めた363プローブを元にサポートベクターマシーンを利用して予測モデルを作製し、プローブの抽出と予測モデルの作製に使用した癌症例群と健常人群とは別にDNAマイクロアレイのイメージ解析及びデータ解析を同様の手順で行った癌症例群と健常人群に対して、予測モデルを適応して癌症例を癌症例と判定する確率、健常人を健常人と判定する確率を求めた。その結果、別個に解析を行った癌症例の予測モデルによる判定では8例中8例を癌症例と判定し、その確率は100%となった。また、健常人の予測モデルによる判定では13例中13例を健常人と判定し、その確率は100%となった。これらを合計すると判定を行った21例中21例に判定が正解となるため、その判定の正答率は21/21であり100%となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、末梢血中の配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し胃癌を検出するための試薬。
【請求項2】
請求項1に記載のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、請求項1に記載の胃癌を検出するための試薬。
【請求項3】
被験体の末梢血における配列番号923、927、929、932、946、952、986、998、1000、1006、1007、1013、1019、1020、1022、1027、1039、1046、1073、1090、1107、1108、1117、1121、1132、1134、1154、1162、1179、1183、1191、1205、1207、1211、1216、1217、1224、1239、1244、1251、1254、1255、1283、1285、1301、1304、1316、1317、1327、1328、1331、1332、1345、1359、1365、1366、1372、1373、1375、1379、1380、1382、1383、1393、1394、1396、1397、1404、1405、1406、1407、1421、1423、1426、1430、1440、1441、1442、1448、1450、1454、1455、1456、1459、1466、1467、1491、1497、1500、1502、1504、1508、1513、1514、1519、1531、1534、1544、1546、1549、1551、1560、1563、1566、1570、1571及び1578に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて胃癌を検出する方法。
【請求項4】
配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し大腸癌を検出するための試薬。
【請求項5】
請求項4に記載のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、請求項4に記載の大腸癌を検出するための試薬。
【請求項6】
被験体の末梢血における配列番号1583、1601、1611、1614、1644、1651、1678、1680、1684、1737、1746、1750、1751、1757、1760、1765、1766、1773、1778、1779、1780、1782、1787、1794、1795、1798、1802、1831、1836、1837、1853、1854、1869、1871、1873、1876、1880、1890、1892、1896、1925、1942、1950、1953、1962、1970、1977、1978、1985、1990、1991、2000、2004、2007、2011、2018、2019、2023、2032、2046、2050、2054、2077、2085、2088、2095、2105、2126、2128、2132、2138、2140、2143、2144、2145、2147、2158、2160、2161、2173、2175、2176、2180、2191、2193、2198、2207、2209、2213、2217、2218、2223、2227、2233、2247、2255、2257、2258、2261、2266、2268、2269、2273、2280、2286、2296、2306、2317、2320、2322、2325、2332、2334、2336、2339及び2340に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて大腸癌を検出する方法。
【請求項7】
配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し膵臓癌を検出するための試薬。
【請求項8】
請求項7に記載のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、請求項7に記載の膵臓癌を検出するための試薬。
【請求項9】
被験体の末梢血における配列番号2373、2404、2418、2419、2426、2430、2459、2461、2469、2475、2507、2514、2515、2525、2543、2600、2602、2621、2628、2634、2640、2651、2652、2674、2677、2680、2681、2691、2692、2700、2714、2715、2719、2723、2724、2738、2740、2746、2748、2763、2778、2781、2815、2818、2823、2842、2857、2861、2885、2898、2902、2903、2932、2934、2972、2975、2982、2985、2999、3001及び3003に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて膵臓癌を検出する方法。
【請求項10】
配列番号3055〜3417に表される塩基配列からなるプローブの総てを含む、配列番号3055〜3417に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の発現を測定し胆道癌を検出するための試薬。
【請求項11】
請求項10に記載のプローブが基板に結合しているDNAマイクロアレイを含む、請求項10に記載の胆道癌を検出するための試薬。
【請求項12】
被験体の末梢血における配列番号3055〜3417に表される塩基配列からなるプローブに対応する遺伝子の総ての遺伝子の発現プロファイルを得て、該発現プロファイルに基づいて胆道癌を検出する方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図1−8】
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【図1−9】
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【図1−10】
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【図1−29】
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【図1−32】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−6】
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【図5−1】
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【図5−5】
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【図5−7】
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【図7−5】
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【図7−25】
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【図8−1】
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【図9】
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【図21−1】
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【図24−19】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−120540(P2012−120540A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−51184(P2012−51184)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2011−528728(P2011−528728)の分割
【原出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(504160781)国立大学法人金沢大学 (282)
【Fターム(参考)】