説明

避難経路提供システム、経路探索サーバおよび携帯端末装置

【課題】携帯端末装置がサーバとの間で通信ができない場合であっても、オフラインで所望の地点から所望の地点までの避難経路の経路案内を可能にする。
【解決手段】避難経路提供システム10は、避難経路探索を所望する地点を予め登録する地点登録手段25と、経路探索サーバ40に避難経路の経路探索を要求する経路案内要求手段24を有する携帯端末装置20と、避難経路探索するための避難経路データ49を備えた経路探索サーバ40とを備えて構成される。携帯端末装置20は、経路探索サーバ40から配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段26と、避難経路を表示する表示手段29と、を備え、経路案内要求手段24は、平常時に定期的に地点登録手段25に登録された地点間の避難経路の探索を経路探索サーバ40に要求し、経路探索サーバ40から受信した避難経路を避難経路記憶手段26に記憶し、この避難経路を表示手段29に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯端末装置を用いる通信型のナビゲーションシステムや地図表示システムにおいて、携帯端末装置がサーバとの間の通信ができない場合にオフラインで地図や経路の案内、帰宅支援などの経路案内をすることができる避難経路提供システム、経路探索サーバおよび携帯端末装置に関するものであり、特に、勤務場所から自宅など予め登録した所望の地点から所望の地点までの地図、避難経路、帰宅支援の案内経路などを平常時に経路探索サーバからダウンロードしておき、災害時にオフラインで携帯端末装置に表示することができるようにした避難経路提供システム、経路探索サーバおよび携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、所望の出発地から目的地までの経路を探索して経路案内を行うナビゲーションシステムが広く利用されている。このようなナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載する車載用のナビゲーションシステム、徒歩および交通機関を使用して移動する歩行者のためのナビゲーションシステムなどが知られている。また、現在位置に基づいて、近辺の地図を表示するシステムも知られている。最近ではこれらのシステムは、携帯電話などの携帯端末装置を使用し、所定の情報配信サーバ、経路探索サーバなどから案内経路や地図をダウンロードする通信型のシステムが広く用いられている。
【0003】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を経路探索サーバに送り、経路探索サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0004】
経路探索サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、経路探索サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0005】
上記のようなナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバが端末装置に配信する案内経路は利用者がたどるべきノード番号、リンク番号を順に並べたデータとなる。交差点のノードなど利用者が右左折すべき場所になった時に曲がるべき方向を案内するため、当該ノードをガイダンスポイントノードとして設定し、そのガイダンスポイントノードの手前のガイダンスポイントで音声や表示により利用者に案内を出力するようにしたナビゲーションシステムも知られている。
【0006】
上記特許文献1に開示された通信型のナビゲーションシステムや地図表示システムなどにおいて、携帯端末装置は情報配信サーバと通信して地図や案内経路データをダウンロードしなければ表示することができない。例えば、飲食店などの地図をダウンロードして場所を確認してからその飲食店に行くかどうか決めたい場合にも情報配信サーバとの通信が必要であり通信コストが発生する。また、携帯端末装置が通信できない場所や電波の状態が悪い場所にある場合には、サーバと通信できないため地図情報を表示できない。
【0007】
そのため、地震などの災害が発生し、携帯電話機の通信が規制された場合、避難所までの経路を携帯電話で調べたくても、通信ができないためその情報を得ることができない状態になる。近年では、地震やテロなど局地的に大きな被害を与えるような災害や事件が世界中で多発しており、特にアジア各国においては津波や地震などの大きな災害が頻発している。また、米国における貿易センターへのテロに象徴されるように、世界各国でテロによる被害が報告されている。日本国内においてもこのような災害が発生することが十分予想される。特に、地震については場所と時期を別とすれば高い確率で発生すると考えられている。
【0008】
このような状況に対応するため、各自治体などの行政機関においては地域毎に公園や学校など推奨する避難場所を定め、当該地域の住民や当該地域に勤務する人々の安全を図るようしている。また、最近では、地震発生時に学校や勤務先から自宅に帰宅する人々を支援するための案内書、いわゆる「震災時帰宅支援マップ 首都圏版(昭文社)」が提供されている。この案内書は、主要な場所から帰宅方向(帰宅方面)別に行政機関が推奨する避難経路、水や食料、医療サービスなどが得られる場所やコンビニエンスストアなどの企業が、帰宅困難者を支援する支援ポイントなどを盛り込んだ地図である。
【0009】
また、災害発生時に携帯電話に情報を送信し、避難誘導を行う携帯電話システムが下記の特許文献2(特開2002−111872号公報)に開示されている。この携帯電話システムにおいては、基地局がカバーする通話サービスエリアで災害が発生した場合、サービス制御局にその旨が通知される。すると、サービス制御局から、交換局を介して、通話サービスエリアに隣接する通話サービスエリアに存在する携帯電話に対して災害情報と共に地図情報が送出される。これにより、携帯電話は、災害発生地域を示す地図情報を表示すると共に、特有の災害報知を一定時間間隔で行う。さらに、携帯電話の所有者が、現在位置情報を必要とすると判断した場合は、サービス制御局から現在位置情報を取得する。これにより、携帯電話は災害地域の地図と現在位置とを重ね合わせて表示させる。
【0010】
また、災害時における携帯端末装置を利用した防災システムは、例えば、下記の特許文献3(特開2000−57457号公報)、特許文献4(特開2005−17027号公報)に開示されている。
【0011】
特許文献3に開示された都市防災システムは、ナビゲーションシステムによる地図情報及び現在位置を表示する機能を有する複数の端末器と、この複数の端末器のそれぞれに信号を送受信する災害情報センターとからなり、災害情報センターは端末器及び予め設定されている情報源から寄せられる災害情報信号を受信し、受信した災害情報信号を編集した災害情報を各端末器に向けて発信するようにし、端末器は、ナビゲーションシステムから得られた地図と位置関係を表示すると共に、この地図に災害情報を表示するようにしたものである。
【0012】
また、特許文献4に開示された避難誘導システムは、案内ホスト装置が、位置検出手段を有するGPS付携帯電話機から避難誘導の要求と所在置の情報を受信すると、その位置情報からデータベースに記憶された災害情報データベース、地図情報データベースを検索して、所在地近くの避難場所への危険の少ない経路を見つけ出し、GPS付携帯電話機3に地図情報と共に避難場所への誘導案内を通知するように構成し、災害時に安全に速やかに避難所へ避難誘導するようにしたものである。
【0013】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2002−111872号公報(図1)
【特許文献3】特開2000−57457号公報(図1)
【特許文献4】特開2005−17027号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献4に開示された通信型のシステムやナビゲーションシステム、地図表示システムなどは、携帯端末装置とサーバが通信により所定の情報を送受することを前提にシステムが構築されている。従って、サーバと通信する都度通信コストが発生する。また、携帯端末装置が通信できない場所や電波の状態が悪い場所にある場合には、サーバと通信できないため地図情報を表示できない、あるいは、必要な情報をダウンロードできないという問題点があった。
【0015】
特に、携帯電話を携帯端末装置として利用する場合、地震などの災害時には被災地およびその周辺で、通信インフラが寸断していることが予測される。また、多くの携帯端末装置のユーザが家族や友人、知人の安否確認のための通話を行うため、ネットワークの通信負荷が大きくなり、通信負荷が一定の値を超えると、災害救助や緊急の通信を優先するために通信事業者側で一般ユーザの通信を規制する処置が取られる。例えば、地震のあとに携帯電話がかかりにくくなることはしばしば経験することである。このような状態になると、携帯端末装置を使用して避難場所の地図を表示したくても地図情報をダウンロードできず、避難場所の案内や避難場所までの経路の案内を得ることができなくなるという問題点があった。
【0016】
前述した震災時帰宅支援マップや災害時の避難場所案内図や、避難経路案内図のような印刷物を利用する方法もあるが、このような印刷物の場合、常時携帯していないといざ災害という場合に役に立たないという問題点がある。また、これらの印刷物は時間の経過とともに情報が古くなるため、常に最新の情報が盛り込まれたものを購入して準備しておかねばならないという問題点もある。一方、携帯電話は常時身の回りに携帯している確率が高く、災害発生時にも携帯電話を有効なツールとして活用できるようにすることが好ましい。
【0017】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、勤務場所から自宅など予め登録した所望の地点から所望の地点までの地図、避難経路、帰宅支援の案内経路などを平常時に経路探索サーバからダウンロードしておき、災害時にオフラインで携帯端末装置に表示するようになせばオフラインで地図情報や所定の場所への経路案内、帰宅支援などの経路案内ができることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
すなわち、本発明は携帯電話などの携帯端末装置を用いた通信型のナビゲーションシステムや地図表示システムにおいて、災害発生時に通信インフラに障害が発生し、携帯端末装置がサーバとの間の通信ができない場合であっても、オフラインで所望の地点から所望の地点までの地図、避難経路、帰宅支援などの経路案内をすることができる避難経路提供システム、経路探索サーバおよび携帯端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
避難経路探索を所望する地点を予め登録する地点登録手段と、所望の地点から所望の地点までを指定して経路探索サーバに避難経路の経路探索を要求する経路案内要求手段を有する携帯端末装置と、避難経路を探索するための避難経路データを備えた経路探索サーバと、を備えて構成される避難経路提供システムであって、
前記携帯端末装置は、経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、
前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる避難経路提供システムにおいて、
前記携帯端末装置は、更に、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、
前記GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、
無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて前記表示手段に避難経路を表示することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる避難経路提供システムにおいて、
平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち、前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含むことを特徴とする。
【0022】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる避難経路提供システムにおいて、
前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索されることを特徴とする。
【0023】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる避難経路提供システムにおいて、
前記各地点間の避難経路は複数の候補経路であることを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示する携帯端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバであって、
前記経路探索サーバは、避難経路を探索するための避難経路データを備え、平常時に前記携帯端末装置から避難経路の探索要求を受信した場合、前記避難経路データに基づいて前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路を探索して携帯端末装置に配信することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、前記GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示する携帯端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバであって、
前記経路探索サーバは、避難経路を探索するための避難経路データを備え、平常時に前記携帯端末装置から避難経路の探索要求を受信した場合、前記避難経路データに基づいて前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路を探索して携帯端末装置に配信することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記携帯端末装置が避難経路探索を所望する地点を登録する地点登録手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかる経路探索サーバにおいて、
平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち、前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含むことを特徴とする。
【0028】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索されることを特徴とする。
【0029】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかる経路探索サーバにおいて、
前記各地点間の避難経路は複数の候補経路であることを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項12にかかる発明は、
避難経路を探索するための避難経路データを備えた経路探索サーバにネットワークを介して接続される携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、避難経路探索を所望する地点を予め登録する地点登録手段と、所望の地点から所望の地点までを指定して経路探索サーバに避難経路の経路探索を要求する経路案内要求手段と、経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、
前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、更に、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、
前記GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、
無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて前記表示手段に避難経路を表示することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項12または請求項13にかかる携帯端末装置において、
平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち、前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含むことを特徴とする。
【0033】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項12または請求項13にかかる携帯端末装置において、
前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索されることを特徴とする。
【0034】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項12または請求項13にかかる携帯端末装置において、
前記各地点間の避難経路は複数の候補経路であることを特徴とする。
【0035】
本願の請求項17にかかる発明は、請求項13にかかる携帯端末装置において、
前記モード選択手段により設定された災害時避難モードは、前記経路探索サーバと接続できない場合に有効にされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
請求項1にかかる発明においては、避難経路提供システムは、避難経路探索を所望する地点を予め登録する地点登録手段と、避難経路の経路探索を要求する経路案内要求手段を有する携帯端末装置と、避難経路を探索するための避難経路データを備えた経路探索サーバとからなり、携帯端末装置は、経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、経路案内要求手段は、平常時に定期的に地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を避難経路記憶手段に記憶し、災害時に避難経路記憶手段に記憶された避難経路を表示手段に表示する。
この構成により災害時に携帯端末装置と経路探索サーバとの通信が不能な状態であっても、携帯端末装置は経路探索サーバと通信することなく、所望の避難経路を避難経路記憶手段から読み出して表示手段に表示しオフラインで避難経路を確認することができるようになる。
【0037】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる避難経路提供システムにおいて、携帯端末装置は、更に、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて前記表示手段に避難経路を表示する。
このように携帯端末装置は他の携帯端末装置から通過リンクの情報を得て、該通過リンクの情報を加えて表示手段に避難経路を表示することにより、利用者は現在位置から先の避難経路について、他の携帯端末装置が通過できた経路範囲を予め判別できるので、利用者は確信をもって表示された避難経路を歩き続けることができる。また、前途が通過経路未確認のままの場合、利用者は第2候補の避難経路を表示してその通過確認の状態を観察し、通過確認が取れていれば、その避難経路に変更するという判断もできるようになる。
【0038】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる避難経路提供システムにおいて、平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含む。これによって、携帯端末装置は、地点登録手段に登録された地点、例えば、自宅近傍の避難場所までの避難経路をオフラインで表示することができるようになる。
【0039】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる避難経路提供システムにおいて、前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索される。これによって、携帯端末装置は、行政が推奨する避難経路など、災害時の避難に影響が少ない避難経路をオフラインで表示することができるようになる。
【0040】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる避難経路提供システムにおいて、前記各地点間の避難経路は複数の候補経路である。これにされよって携帯端末装置は、表示した避難経路に橋の崩壊などで通過不能な区間があった場合、代替の避難経路をオフラインで表示することができるようになる。
【0041】
請求項6、請求項7にかかる発明においては、それぞれ請求項1、請求項2にかかる避難経路提供システムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになる。
【0042】
また、請求項8にかかる発明においては、請求項6または請求項7にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記携帯端末装置が避難経路探索を所望する地点を登録する地点登録手段を備える。これにより携帯端末装置は地点登録手段を備えることなく平常時に経路探索サーバから避難経路の配信を受けることができるようになる。
【0043】
請求項9〜請求項11にかかる発明においては、それぞれ請求項3〜請求項5にかかる避難経路提供システムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになる。
【0044】
請求項12〜請求項16にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項5にかかる避難経路提供システムを構成する携帯端末装置を提供することができるようになる。
【0045】
また、請求項17にかかる発明においては、請求項13にかかる携帯端末装置において、前記モード選択手段により設定された災害時避難モードは、前記経路探索サーバと接続できない場合に有効にされる。これにより、災害時に避難経路を移動している他の携帯端末装置のみから、通過リンクの情報を得ることができ、通過経路の状況を正確に判断することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための避難経路提供システムおよび携帯端末装置を例示するものであって、本発明をこの避難経路提供システムおよび携帯端末装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の避難経路提供システムおよび携帯端末装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0047】
本発明の実施例1にかかる避難経路提供システム10は、図1に示すようにインターネットなどのネットワーク12を介して接続される携帯電話などからなる携帯端末装置20と経路探索サーバ40を備えて構成されている。
【0048】
経路探索サーバ40は、一般的なナビゲーションサーバと同様に、主制御部41、通信手段42、配信データ編集手段43、経路探索手段44、ガイダンスデータ45、地図データ46、道路ネットワークデータ47、交通ネットワークデータ48、避難経路データ49を備えている。本実施例においては、経路探索のためのネットワークデータとして避難経路データ49を備えている点が一般の経路探索サーバとは異なっている。
【0049】
避難経路データは、主要な地域から帰宅方向(帰宅方面)別に行政機関が推奨する避難経路、水や食料、医療サービスなどが得られる場所や、コンビニエンスストアなどの企業が帰宅困難者を支援する支援ポイントなどを盛り込んだ経路である。この避難経路データは通常の経路探索に使用される道路ネットワークデータと同様にノード、リンクなどから構成されるデータであり、主として幹線道路などが設定されている。特定の勤務先から当該避難経路まで、避難経路から特定の自宅までの経路は道路ネットワークデータを参照して探索される。
【0050】
避難経路の探索の場合は、通常の経路探索のように累積のリンクコストが最短になる経路でなく、例えば、行政が推奨する避難道路、所定の幅員以上の道路幅を有する経路を優先するなど、災害時の避難経路として適切な経路を探索する。このためには、道路ネットワークデータを構成するリンクに種々の属性データ(例えば、推奨避難道路や道路幅員など)を付加しておき、適切な属性を有するリンクを対象として探索するように構成すればよい。また、一般の道路に比べて避難経路として推奨する道路のリンクコストを異なる値に設定しておき避難経路探索においては異なるリンクコストを設定した避難経路データ49を道路ネットワークデータに組み込んで経路探索するように構成してもよい。
【0051】
そして携帯端末装置20において、自宅と勤務先あるいは定期的に通うスポーツクラブや英会話学校などの地点(名称/位置(緯度・経度))を登録しておき、平常時に避難経路探索を行い、これらの地点間の避難経路、地図をダウンロードしておく。これを定期的に行っておくことで、携帯端末装置20に保存する避難経路データを常に最新データに維持することができる。また、実際に災害が発生して携帯端末装置20が経路探索サーバ40と通信できない状態であっても、携帯端末装置20に保存してある避難経路、地図をオフラインで表示することができる。
【0052】
一方、携帯端末装置20は、主制御部21、通信手段22、GPS処理手段23、経路案内要求手段24、地点登録手段25、避難経路記憶手段26、一時記憶手段27、操作・入力手段28、表示手段29、音声出力手段31を備えて構成されている。本実施例においては、避難経路記憶手段26を備えている点が一般の携帯端末装置と異なる点である。
【0053】
携帯端末装置20は地点登録手段25を備えており、利用者がよく利用する地点(マイスポットという)を操作・入力手段28から入力して登録することができる。図2は、地点登録手段25に登録された複数の地点を表示し、選択する場合の登録地点表示画面の一例を示す図である。利用者は、図2の登録地点表示画面を表示手段29に表示し、登録したマイスポットから所望の地点を選択することにより、経路探索条件を設定する際に選択したマイスポットを経路探索の出発地、経由地、目的地として設定することができる。このようにすれば通常ナビゲーションサービスを受ける際の経路探索条件の設定操作が簡単になる。
【0054】
地点登録手段25には、図2に示すように、自宅、勤務先、通学している学校、あるいは、利用者がよく行く地点、例えば、定期的に通うスポーツクラブや英会話学校などの地点(名称/位置(緯度・経度))を登録しておく。本実施例においては、平常時に定期的に地点登録手段25に登録された任意の2地点、例えば、勤務先から自宅までの避難経路探索を経路探索サーバ40に要求し、その結果を避難経路記憶手段26に記憶、保存しておく。このようにしておけば、災害時に経路探索サーバ40と通信することなく、所望の避難経路を避難経路記憶手段26から読み出して表示手段29に表示しオフラインで避難経路を確認することができる。
【0055】
地点登録手段25は、携帯端末装置20、経路探索サーバ40のいずれに備えられていても良いが、たとえば携帯端末装置20に備える図1の構成の場合、ナビゲーションサービスの有料会員に対して、たとえば課金日以降最初に、携帯端末装置20が経路探索サーバ40にアクセスしたときに、経路探索サーバ40はその携帯端末装置20のマイスポットを取得して、マイスポット間の経路を探索する。経路探索サーバ40に地点登録手段が備えられている場合は経路探索サーバ40で経路探索を行って携帯端末に配信する手順とすればよい。
【0056】
このような定期的な経路探索において、例えば、地点登録手段に登録した地点の登録順の最初〜3番目の各地点間について経路探索サーバ40は避難経路探索を行うように構成しておけば、利用者が通常最も位置する頻度の高い順、自宅、勤務先、定期的に通うスポーツクラブなどをその順に登録すると、平常時に自動的に経路探索サーバ40から各地点と自宅などの2地点間の避難経路の配信を受け、避難経路記憶手段26に最新の避難経路のデータ保存しておくことができる。
【0057】
上記のように平常時に避難経路探索を行う登録地点は3つに限ることはなく、4つの地点であってもよい。また、自宅までの避難経路を探索するのでなく、行政が設定した一時避難場所や広域避難場所などのうち自宅近くの避難場所を家族で選択して登録しておき、各地点から自宅、あるいは、各地点から避難場所までの避難経路を探索しておくように構成してもよい。また、行政の設定した避難場所の地点情報(位置情報)は経路探索サーバ40にデータベースとして蓄積しておき、自宅に近い最寄りの避難場所までの避難経路を加えて探索して、携帯端末装置20に避難場所までの避難経路を含めて案内するように構成してもよい。
【0058】
図3は、登録した3地点間の経路の関係を示す概念図である。経路探索サーバ40は地点登録手段25に登録された上位の3地点のうち、各2地点間の避難経路を探索する。3地点間では経路の方向は6通り(図3の矢印参照)存在するが、それぞれの経路を(自治体などによって)推奨される道路を優先して、かつ複数のルートを検索する。
推奨道路を優先する方法は、推奨道路の属性などをみてそのリンクデータにおけるリンクコストを小さくする、あるいは推奨道路以外のリンクコストを大きくする、などのようにネットワークデータを構成すればよく、周知のダイクストラ法などを用いて経路探索することで行うことができる。また、累計コストの異なる複数の経路を案内経路として探索する一般的な経路探索を行えば、複数の避難経路を提供することもできる。
【0059】
複数ルートの探索は災害時には重要であり、例えば首都圏から郊外に帰宅する場合に、大きな川を渡る橋がある程度限られている。地震によって橋梁が落ち、通過できないこともあるので、迂回路として異なる橋を渡る複数の避難経路を案内するように構成することも重要である。
【0060】
6通りの経路方向に対して2経路ずつ経路探索を行うと、12経路になるので、経路はなるべくコンパクトなデータで携帯端末装置20に配信することが好ましい。地図データはラスタ方式の地図データよりベクタ方式の地図データが適しており、経路データに絞った必要最小限のデータにする。もちろん、今後、携帯端末装置20のスペックが向上し、避難経路記憶手段26を構成する記憶装置の記憶容量が大きくなればより詳細な経路データを配信することもできる。
【0061】
図4は、表示手段29に表示される2地点間の避難経路の一例を示す図であり、勤務先から自宅までの避難経路Aが一例として示されている。図4において、出発地Sは地点登録手段25に登録された勤務先(02)であり、目的地Gは地点登録手段25に登録された自宅(01)である(図2参照)。この表示画面にはメニュー画面に戻る際に操作するメニューアイコン画像411、表示された地図、経路を拡大表示する際に操作するズームインアイコン画像412、地図、経路を縮小表示する際に操作するズームアウトアイコン画像413が表示される。
【0062】
図5は、避難経路記憶手段26に記憶している避難経路を選択してオフラインで表示手段29に表示する場合のメニュー画面の遷移を示す図である。前述したように避難経路記憶手段26には定期的に経路探索サーバ40に経路探索要求してダウンロードした各地点間の最新の避難経路のデータが記憶、保存されている。各地点とは地点登録手段25に登録した各地点である。
【0063】
携帯端末装置20の利用者は図5に示すメニュー画面を使用して所望の地点を指定して避難経路記憶手段26に保存した避難経路のデータから該当する避難経路のデータを選択してオフラインで表示手段29に表示することができる。例えば、携帯端末装置20の利用者が自宅(01)への避難経路を表示する場合、画面1において「自宅へ」を選択すると、表示画面が画面3に遷移し、勤務先(02)から、あるいは、その他、地点登録手段25に登録した3番目の地点03(例えば、定期的に通うスポーツクラブなど)から自宅までの各2通りのルート(ルート1、ルート2)の選択項目が表示され、勤務先からのルート1を選択すると図4に示した避難経路Aが選択され表示手段29に表示される。
【0064】
画面1において避難所(04)を指定すると表示画面は画面2に遷移し、「自宅から」、「勤務先から」などの選択項目から所望の地点を指定すると、予め地点登録手段25に登録してある避難所(行政が設定している避難場所で携帯端末の利用者が選択した避難所、例えば、自宅に近い広域避難場所など)への避難経路が選択され、表示手段29にオフラインで表示される。
【0065】
また、表示手段29には避難経路とともに携帯端末装置20の現在位置を表示する。このため、携帯端末装置20にはGPS処理手段23が備えられている。このGPS処理手段23は、オートノーマスタイプのものである。現在一般的な携帯端末装置20に搭載されるGPS処理手段はGPS衛星信号を受信してサーバに送り位置算出結果をサーバから受信するサーバアシストタイプのものが主流である。これに対してオートノーマスタイプのものはそれ自身で現在位置算出ができる。これにより、災害時に通信インフラが使用できなくても位置算出ができ、避難経路上に携帯端末装置20の現在位置を表示できるようになる。
【0066】
災害時には通信網が停止している確率が高く、このような場合携帯端末装置20は経路探索サーバ40から新たな地図のダウンロードは出来ない。しかしながら、避難経路と現在位置の関係がわかるので、自宅に向かって進むことが可能である。また、もともと経路は自治体などが推奨する幹線道路が優先に選ばれているので、地図を表示せずに避難経路を表示するだけでも分かりやすい。また、携帯端末装置20に電子コンパスなど自律航法手段を搭載した機種であれば、避難経路をヘディングアップ表示(進行方向を表示画面の上にして地図や経路を表示する表示方式)すれば利用者にわかり易い表示をすることもできる。
【0067】
次に、図1に示す避難経路提供システムにおける通常のナビゲーション機能について簡単に説明する。経路探索サーバ40において、主制御部41は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段42は、ネットワーク12を介して携帯端末装置20と通信するためのインターフェースである。経路探索手段44は携帯端末装置20から送信された経路探索条件に従って道路ネットワークデータ47、交通ネットワークデータ48などの探索用ネットワークデータを参照して最適経路を探索する。
【0068】
探索の結果得られた最適経路は配信データ編集手段43で携帯端末装置20に配信する案内経路データに編集され、通信手段42を介して携帯端末装置20に送信される。ガイダンスデータ45は交差点などの分岐ノードにおける右左折を案内する音声パターンなどのデータを蓄積したデータベースであり、案内経路に含まれる分岐ノード毎に該当するガイダンスデータは配信データ編集手段43において編集される際に案内経路データに組み合わされる。
【0069】
歩行者や自動車による経路を探索するための道路ネットワークデータ47は、以下のように構成されている。例えば、道路が図6に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行または歩行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータと構成される。
【0070】
すなわち、図6において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図6では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0071】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図6において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0072】
図6ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。従って、探索された案内経路は利用者を案内(誘導)するノードおよび/またはリンクの順として表現される。交通ネットワークデータ48の構成も道路ネットワークデータ47と同様に構成されるが、道路に相当する部分が交通路線に、ノードに相当する部分が駅に、リンクコストが路線上を運行される交通手段の運行時刻になる。
【0073】
携帯端末装置20において、主制御部21は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段28は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力のためのものであり、出力手段である表示手段29に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段29は操作・入力手段28の一部としても機能する。通信手段22は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ40と通信するためのインターフェースである。
【0074】
GPS処理手段23はGPS受信機によりGPS衛星信号を受信し、携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位する。また、歩行センサ、地磁気センサなどを備えることにより自律航法によって携帯端末装置20の現在位置を測位することができ、GPS受信機がGPS衛星信号から測位できない場合に、これに代わって現在位置を測位することができる。
【0075】
利用者が経路探索サーバ40に経路探索を依頼しようとする場合、操作・入力手段28を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段29に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や自動車)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。出発地として現在位置を選択するとGPS処理手段22が測位した現在位置が出発地として使用される。
【0076】
経路案内要求手段24は、入力された経路探索条件を経路探索サーバ40に送信するデータに編集し、通信手段22を介して経路探索サーバ40に送信する。経路探索サーバ40から配信された案内経路、地図、ガイダンスデータなどの配信データは一時記憶手段27に一時記憶される。これらの配信データは必要に応じて一時記憶手段27から読み出され、表示手段29に表示される。表示に際しては、GPS処理手段22が測位した現在位置が地図上に案内経路などとともに現在位置マークとして重ね合わせて表示される。
【0077】
利用者が案内経路を進みガイダンスポイントが設定されたノードに接近すると、案内経路データに付加されているガイダンスデータが音声出力手段31から出力され、右左折のガイダンスが行われる。
【0078】
ところで、災害時に前述のようにして携帯端末装置20の利用者がオフラインで所望の地点間の避難経路を表示手段29に表示して避難する際、必ずしも表示された避難経路が通行可能であるとは限らない。例えば、橋が倒壊したり、道路上に建物が倒壊したりして通行できない場合あり得る。このような場合、通信インフラが途絶した状態では、利用者は通行不能な場所に到達して初めて通行不能であることを知ることになる。
【0079】
このような場合に自分が進行している避難経路に通行不能な箇所があるか否かを事前に知ることができると好都合である。事前にこのような状況が把握できれば、他の候補経路を選択することもできる。以下に説明する本発明の実施例2にかかる避難経路提供システムおよび携帯端末装置はそのような機能を付加したものである。
【実施例2】
【0080】
図7は、本発明の実施例2にかかる避難経路提供システムおよび携帯端末装置の構成を示すブロック図である。図7において携帯端末装置20は図1の携帯端末装置20と基本的には同様の構成であるが、実施例2においては更に、災害避難モードを選択するモード選択手段33と、無線LANなどの通信手段を使用して近辺の他の携帯端末装置20と通過経路のデータを交換する通過経路記録手段32を備えている。
【0081】
本実施例においては、モード選択手段33により災害避難モードが選択され、経路探索サーバ40との間の通信が不能な場合に、無線LANやブルートース(Bluetooth)(登録商標)などの近距離無線通信手段を利用した無線ネットワーク14により、近くを行き交う他の携帯端末装置20と通過経路のデータを交換し、自分が進行している避難経路上に他の携帯端末装置20が通行不能の箇所があるかを予め判断できるように構成している。
【0082】
図8は、本実施例2における通過経路データを交換する処理手順を示すフローチャートである。図9は通過経路記録手段に記録する通過経路データの概念を示す模式図である。携帯端末装置20は実施例1において説明した機能によって、地点登録手段25に登録した各地点からの避難経路を経路探索サーバ40から定期的にダウンロードし、最新の避難経路のデータを避難経路記憶手段26に保存している。災害時に利用者が携帯端末装置20を災害避難モードに設定し、図5のメニュー画面から所望の避難経路(勤務先から自宅など)を指定し、表示手段29に該当する避難経路を表示して避難経路案内を開始する。
【0083】
なお、他の携帯端末装置20との間で通過経路データを交換する処理は、モード選択手段33によって災害避難モードを選択し、経路探索サーバ40と通信できない場合に有効にされる。これによって、後述するように災害時に避難経路を移動している他の携帯端末装置のみから、通過リンクの情報を得ることができ、通過経路の状況を正確に判断することができるようになる。
【0084】
図8のフローチャートにおいて、災害時避難モードに入り、ステップS11の処理において経路案内を開始すると、オートノーマスタイプのGPS処理手段23で現在位置を取得して、ステップS12の処理において避難経路にルートマッチングする。ルートマッチングとはGPS処理手段23で算出した位置データに含まれる測位誤差を補正するために測位した位置を最も近い経路上に修正する処理であり、一般的なナビゲーション装置によって行われるマッチング処理である。
【0085】
あまり強引にルートマッチングすると、誤った道を歩いていることに気が付かないので、測位誤差が所定の大きさを超える場合には無理なマッチングはせずに、GPS処理手段23で算出した現在位置をそのまま表示する。ルートマッチングしたら、通過経路を記憶する。避難経路は、図9に示すように各リンクの端点のノード(図9の各黒丸印)の緯度経度の座標で記憶しているが、同時にリンク番号も記憶している。そして通過した(ルートマッチングできた)リンク番号は、通過済みとしてステップS13の処理において通過経路記録手段32に記録する。
【0086】
次に、ステップS14の処理において、携帯端末装置20は無線LANなどの無線通信ネットワーク14を介して付近に存在する災害時避難モードの他の携帯端末装置20を探知(サーチ)する。ステップS15の処理において他の携帯端末装置20が探知されたら(YESであったら)、ステップS16の処理において相互に通過経路記録手段32に記録された通過済のリンク番号を交換する。この場合、各携帯端末装置20は徒歩のすれ違い程度の速度なので、通信範囲内ですれ違う間に他の携帯端末装置20との間でデータを交換する時間は十分ある。
【0087】
なお、この場合、非常時であるから、着うた(登録商標)などの嗜好データは削除されるように構成しても良い。可能な限りメモリ領域を空けて、通過経路記録手段32に通過リンク番号のデータを多く保存できるようにメモリ領域を拡張する。特に他の携帯端末装置20から受信した通過経路のデータを、また別の携帯端末装置20に伝えることが出来るので、直接すれ違った携帯端末装置20以外の携帯端末装置20にも、災害後に実際に通過できた道路のリンク番号が伝播していく。
【0088】
そして、ステップS17の処理において、通過経路記録手段32に記録された通過リンクの情報を加味した避難経路を表示手段29に表示する。図10は通過経路の情報を加味して表示手段29に表示された避難経路の一例を示す図である。通過済みリンクは、リンク番号で受信しているので、自らの避難経路にそのリンク番号がある場合のみ表示できる。この場合には、現在位置までに通過した経路(リンク)を点線で、他の携帯端末装置20から受信した通過経路を太線で表示したり異なる色(緑色)で表示したりするなどして、現在地から先の区間の避難経路が通過可能であることを示す。
【0089】
このようにして避難経路を表示すれば、現在位置からかなり先の避難経路について、通過できた経路の範囲を予め判別できるので、利用者は確信をもって表示された避難経路を歩き続けることができる。また、前途が通過経路未確認のままの場合、利用者は第2候補の避難経路を表示してその通過確認の状態を観察し、通過確認が取れていれば、その避難経路に変更するという判断もできるようになる。
【0090】
ステップS14の処理で他の携帯端末装置20を探知できなければ(NOであったら)、ステップS17の処理に進み、通過経路記録手段32に記録された通過リンクの情報を加味した避難経路を表示手段29に表示する。そしてステップS18の処理で目的地(自宅や避難場所)に到着したか否かを判別し、目的地に到達していなければ、ステップS11の処理に戻り、ステップS17までの処理を繰り返し行う。ステップS18の処理において目的地に到達すれば処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の実施例2にかかる避難経路提供システム、携帯端末装置では、リンク番号を用いるので、ベースになる地図は統一されたフォーマットであることが要求される。なるべく多くの携帯端末装置20で災害時用の同じ地図フォーマットを使い、通信仕様も統一することで本システムを実現することができる。また、携帯端末装置20は携帯電話だけでなく、携帯ミュージックプレーヤーにGPS機能を搭載して利用することもできる。携帯ミュージックプレーヤーは、大きな記憶容量が期待できるので、地図データや通過リンクを十分記憶できる。
【0092】
また、避難経路は事前に探索されるので、経路探索サーバ40で統計処理すれば避難の動向を把握することもできる。首都圏からの帰宅者が、どの道路に集中するか、非常食をどこにどれくらい配備すればよいかなどの予測にも役立てることができるようになる。
【0093】
なお、携帯端末装置20には電源が必要であり、電池寿命が問題となるが、防災グッズとして電源なしで携帯電話を充電する手回しの充電器も提供され始めており、また携帯電話のための燃料電池なども開発されているので、災害時に長時間にわたり携帯電話を使用できる環境も整いつつあり、災害時の有効なツールになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1にかかる避難経路提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、地点登録手段に登録された複数の地点を表示し、選択する場合の登録地点表示画面の一例を示す図である。
【図3】地点登録手段に登録した3地点間の経路の関係を示す概念図である。
【図4】表示手段に表示される2地点間の避難経路の一例を示す図である。
【図5】避難険路記憶手段に記憶している避難経路を選択してオフラインで表示手段に表示する場合のメニュー画面の遷移を示す図である。
【図6】経路探索用の道路ネットワークデータの構成を示す模式図である。
【図7】本発明の実施例2にかかる避難経路提供システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例2における通過経路データを交換する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】通過経路記録手段に記録する通過経路データの概念を示す模式図である。
【図10】本発明の実施例2において通過経路の情報を加味して表示手段に表示する避難経路の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10・・・・避難経路提供システム
20・・・・携帯端末装置
21・・・・主制御部
22・・・・通信手段
23・・・・GPS処理手段
24・・・・経路案内要求手段
25・・・・地点登録手段
26・・・・避難経路記憶手段
27・・・・一時記憶手段
28・・・・操作・入力手段
29・・・・表示手段
31・・・・音声出力手段
32・・・・通過経路記録手段
33・・・・モード選択手段
40・・・・経路探索サーバ
41・・・・主制御部
42・・・・通信手段
43・・・・配信データ編集手段
44・・・・経路探索手段
45・・・・ガイダンスデータ
46・・・・地図データ
47・・・・道路ネットワークデータ
48・・・・交通ネットワークデータ
49・・・・避難経路データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難経路探索を所望する地点を予め登録する地点登録手段と、所望の地点から所望の地点までを指定して経路探索サーバに避難経路の経路探索を要求する経路案内要求手段を有する携帯端末装置と、避難経路を探索するための避難経路データを備えた経路探索サーバと、を備えて構成される避難経路提供システムであって、
前記携帯端末装置は、経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、
前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示することを特徴とする避難経路提供システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、更に、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、
前記GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、
無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて前記表示手段に避難経路を表示することを特徴とする請求項1に記載の避難経路提供システム。
【請求項3】
平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち、前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の避難経路提供システム。
【請求項4】
前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の避難経路提供システム。
【請求項5】
前記各地点間の避難経路は複数の候補経路であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の避難経路提供システム。
【請求項6】
経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示する携帯端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバであって、
前記経路探索サーバは、避難経路を探索するための避難経路データを備え、平常時に前記携帯端末装置から避難経路の探索要求を受信した場合、前記避難経路データに基づいて前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路を探索して携帯端末装置に配信することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項7】
経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、前記GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示する携帯端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバであって、
前記経路探索サーバは、避難経路を探索するための避難経路データを備え、平常時に前記携帯端末装置から避難経路の探索要求を受信した場合、前記避難経路データに基づいて前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路を探索して携帯端末装置に配信することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項8】
前記経路探索サーバは、前記携帯端末装置が避難経路探索を所望する地点を登録する地点登録手段を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項9】
平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち、前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項10】
前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索されることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項11】
前記各地点間の避難経路は複数の候補経路であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項12】
避難経路を探索するための避難経路データを備えた経路探索サーバにネットワークを介して接続される携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、避難経路探索を所望する地点を予め登録する地点登録手段と、所望の地点から所望の地点までを指定して経路探索サーバに避難経路の経路探索を要求する経路案内要求手段と、経路探索サーバから配信される避難経路データを記憶する避難経路記憶手段と、避難経路を表示する表示手段と、を備え、
前記経路案内要求手段は、平常時に定期的に前記地点登録手段に登録された地点間の避難経路の探索を前記経路探索サーバに要求し、経路探索サーバから受信した避難経路を前記避難経路記憶手段に記憶し、災害時に前記避難経路記憶手段に記憶された避難経路を前記表示手段に表示することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項13】
前記携帯端末装置は、更に、現在位置を算出するGPS処理手段と、災害時避難モードを指定するためのモード選択手段と、通過した避難経路のリンクを記録する通過経路記録手段と、を備え、
前記GPS処理手段が算出した現在位置に基づいて通過した避難経路のリンクを判別して前記通過経路記録手段に記録し、
無線通信ネットワークを用いて自携帯端末装置と通信し得る範囲に存在し、かつ災害避難モードを指定して動作している他の携帯端末装置を捕捉し、お互いの通過経路記録手段に記録した通過リンクの情報を交換し、当該交換した通過リンクの情報を加えて前記表示手段に避難経路を表示することを特徴とする請求項12に記載の携帯端末装置。
【請求項14】
平常時に受信する避難経路は、前記地点登録手段に登録された地点と、前記経路探索サーバに備えたデータベースに登録された避難場所のうち、前記地点の近隣の避難場所との間の避難経路を含むことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の携帯端末装置。
【請求項15】
前記経路探索サーバが送信する案内経路は、災害時の避難に影響しにくい経路が優先的に探索されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の携帯端末装置。
【請求項16】
前記各地点間の避難経路は複数の候補経路であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の携帯端末装置。
【請求項17】
前記モード選択手段により設定された災害時避難モードは、前記経路探索サーバと接続できない場合に有効にされることを特徴とする請求項13に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−147340(P2007−147340A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339470(P2005−339470)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】