説明

避難通知システム、携帯端末、サーバ、避難通知方法及びプログラム

【課題】津波に対する現在位置の危険度を迅速に知る。
【解決手段】災害情報配信サーバ1は、予想される津波の高さの情報を含む配信用災害情報101を避難通知サーバ2および携帯端末3に配信する。携帯端末3は、配信用災害情報101を受信すると、自端末の現在位置を示す情報を避難通知サーバ2に送信する。避難通知サーバ2は、標高情報データを参照し、携帯端末3から受信した現在位置情報に基づいて携帯端末3の現在位置の標高値を特定し、その標高値に対する配信用災害情報101に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、それ以外の場合を、緊急避難の必要はないと判定する。避難通知サーバ2は、緊急避難の要否の判定結果と携帯端末3の現在位置の標高値とを含む避難通知情報を携帯端末3に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波の到達が予想される地域における避難行動を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、災害監視システムからの津波情報の受信をトリガとして、津波の到達が予想される地域における避難誘導を行う避難誘導システムが記載されている。
【0003】
この避難誘導システムは、災害監視システムと、避難通知サーバと、携帯電話機に代表される携帯端末とからなる。
【0004】
避難通知サーバは、通信ネットワークを介して災害監視システムと接続されている。携帯端末は、通信ネットワークおよび基地局ネットワークを介して、避難通知サーバと接続されている。
【0005】
災害監視システムは、各地の津波発生の監視及び予測を行うシステムであって、津波情報を避難通知サーバに送信する。ここで、津波情報は、津波の到達が予想される地域や時刻(津波到達予想地域/津波到達予想時刻)、予想される津波の高さの情報などを含む。
【0006】
避難通知サーバは、津波情報を受信すると、その津波情報と地図データに基づいて、津波による浸水が予想される避難エリアと、その避難エリア近傍の避難候補地を決定する。そして、避難通知サーバは、避難エリア内に位置する携帯端末に対して、現在位置の送信を要求する。
【0007】
携帯端末は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを利用して自端末の現在位置を取得する測位装置を備えており、避難通知サーバからの送信要求に応じて自端末の現在位置の情報を取得し、その現在位置情報を避難通知サーバに送信する。
【0008】
避難通知サーバは、携帯端末の現在位置、避難エリアおよび地図データを参照して、避難候補地の中から、携帯端末の現在位置から最短の避難経路で移動が可能な避難地を決定し、その決定した避難地と避難経路とを含む誘導案内情報を携帯端末へ送信する。
【0009】
携帯端末は、避難通知サーバから受信した誘導案内情報を出力(情報の表示または音声出力)する。携帯端末の所持者は、誘導案内情報を参照して避難地へ移動する。
【0010】
上記の他、特許文献2に記載の避難誘導システムもある。この避難誘導システムは、災害情報を配信する災害情報配信サーバと、この災害情報配信サーバからの災害情報を受信する、携帯情報端末および避難誘導サーバと、からなる。
【0011】
携帯情報端末は、災害情報配信サーバからの災害情報の受信をトリガとして、自端末の現在位置を避難誘導サーバに送信する。
【0012】
避難誘導サーバは、地図情報と災害情報配信サーバからの災害情報と携帯情報端末からの現在位置情報とに基づいて、携帯情報端末のユーザが避難するための避難経路情報を生成し、その避難経路情報を携帯情報端末に送信する。
【0013】
携帯情報端末は、避難誘導サーバからの避難経路情報に従って、ユーザに対するナビゲーション処理を実行する。
【0014】
また、最近では、携帯電話機等の携帯端末において、自端末の現在位置の標高を取得することが可能なアプリケーションも提供されている。この種のアプリケーションによれば、ユーザは、所定の入力操作を行うことによって現在位置の情報を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009?288843号公報
【特許文献2】特開2010?244407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
津波発生時における避難行動において、津波の到達が予想される地域に居る人が、予想される津波の高さに対する現在位置の危険度を知ることが重要である。
【0017】
例えば、予想される津波の高さに対して、現在位置の標高(例えば、平均海水面の高さを基準とした海抜)が十分に高ければ、危険度は低い。一方、予想される津波の高さに対して、現在位置の標高が低くかったり、十分な高さでなかったりした場合は、危険度が高くなる。危険度が高い場合は、迅速な避難行動が要求される。
【0018】
特許文献1、2に記載の避難誘導システムにおいては、避難経路情報が通知されるものの、現在位置の危険度を示す情報は通知されない。このため、予想される津波の高さに対する現在位置の危険度がわかり難いという問題がある。
【0019】
現在位置の標高を取得することが可能なアプリケーションを備えた携帯端末においては、以下のような問題がある。
【0020】
緊急事態の状況下では、携帯端末の操作を冷静に行うことができない場合が多い。津波警報や津波注意報が発令された際に、携帯端末を冷静に操作することができなかった場合には、現在位置の標高を取得することができなかったり、標高の取得に時間がかかったりして、予想される津波の高さに対する現在位置の危険度を迅速に把握することができない。
【0021】
本発明の目的は、上記問題は解決し、津波に対する現在位置の危険度を迅速に知ることができる、避難通知システム、携帯端末、サーバ、避難通知方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
それぞれがネットワークを介して通信を行う、携帯端末、避難通知サーバおよび災害情報配信サーバを有し、
前記災害情報配信サーバは、予想される津波の高さの情報を含む災害情報を前記避難通知サーバおよび携帯端末のそれぞれに配信する配信処理部を有し、
前記携帯端末は、
情報を出力する出力部と、
該携帯端末の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記災害情報を受信すると、前記現在位置取得部に現在位置を取得させ、該取得した現在位置を示す現在位置情報を前記避難通知サーバに送信する避難情報取得部と、を有し、
前記避難通知サーバは、
前記携帯端末による前記通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部と、
前記標高情報データを参照し、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する標高特定部と、
前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報配信サーバから受信した前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、該緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を前記携帯端末に送信する緊急避難判定部と、を有し、
前記避難情報取得部は、前記避難通知サーバからの前記避難通知情報を前記出力部にて出力させる、避難通知システムが提供される。
【0023】
本発明の別の態様によれば、
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、
前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部と、
前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する標高特定部と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する緊急避難判定部と、を有し、
前記緊急避難判定部は、前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する避難通知サーバが提供される。
【0024】
本発明のさらに別の態様によれば、
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、
情報を出力する出力部と、
自端末の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、前記現在位置取得部に現在位置を取得させ、該取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信する避難情報取得部と、を有し、
前記避難情報取得部は、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信し、該避難通知情報を前記出力部にて出力させる、携帯端末が提供される。
【0025】
本発明のさらに別の態様によれば、
それぞれがネットワークを介して通信を行う、携帯端末、避難通知サーバおよび災害情報配信サーバを有する避難通知システムにおいて行われる避難通知方法であって、
前記災害情報配信サーバが、予想される津波の高さの情報を含む災害情報を前記避難通知サーバおよび携帯端末のそれぞれに配信し、
前記携帯端末が、前記災害情報を受信すると、該携帯端末の現在位置を取得し、該取得した現在位置を示す現在位置情報を前記避難通知サーバに送信し、
前記避難通知サーバが、前記携帯端末による前記通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データを保持し、該標高情報データを参照し、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定し、該特定した標高値に対する前記災害情報配信サーバから受信した前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、該緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末が、前記避難通知サーバからの前記避難通知情報を音声出力または画面表示することを含む、避難通知方法が提供される。
【0026】
本発明のさらに別の態様によれば、
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部とを備えた避難通知サーバの制御方法であって、
標高特定部が、前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定し、
緊急避難判定部が、前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、避難通知サーバの制御方法が提供される。
【0027】
本発明のさらに別の態様によれば、
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部を備えた携帯端末の制御方法であって、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、現在位置取得部が、自端末の現在位置を取得し、
避難情報取得部が、前記現在位置取得部で取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信し、その後、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信し、
出力部が、前記避難通知情報を音声出力または画面表示する、携帯端末の制御方法が提供される。
【0028】
本発明のさらに別の態様によれば、
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部とを備えた避難通知サーバのコンピュータに、
前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する処理と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する処理と、
前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する処理とを実行させるプログラムが提供される。
【0029】
本発明の他の態様によれば、
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部を備えた携帯端末のコンピュータに、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、自端末の現在位置を取得する処理と、
前記取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信し、その後、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信する処理と、
前記受信した避難通知情報を音声出力または画面表示する処理とを実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、現在位置の標高値や緊急避難の要否の判定結果を含む避難情報が、自動的に携帯端末の画面に表示または携帯端末から音声出力されるので、ユーザは、その避難情報に基づいて、津波に対する現在位置の危険度を迅速に知ることができ、適切な避難行動をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態である避難通知システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す避難通知システムに用いられる災害情報配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す避難通知システムに用いられる避難通知サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す避難通知サーバの避難通知処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す避難通知システムに用いられる携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す避難通知システムにおいて行われる避難通知動作を説明するための図である。
【図7】図1に示す避難通知システムに用いられる避難通知サーバの別の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態である避難通知システムに用いられる避難通知サーバの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態である避難通知システムにおいて行われる避難通知動作を説明するための図である。
【図10】図8に示す避難通知サーバの別の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である避難通知システムの構成を示すブロック図である。
【0034】
図1を参照すると、避難通知システムは、津波等の災害発生時の避難通知サービスを提供するシステムであって、災害情報配信サーバ1、避難通知サーバ2および携帯端末3を有する。災害情報配信サーバ1および避難通知サーバ2は、避難通知サービスを提供する会社の管理者によって管理される。携帯端末3は、避難通知サービスを受けるユーザが所有する端末である。
【0035】
避難通知サーバ2および携帯端末3は、ネットワークを介して、相互に通信可能である。また、避難通知サーバ2および携帯端末3のそれぞれは、ネットワークを介して災害情報配信サーバ1と通信可能である。ここで、ネットワークは、例えば、移動体通信網や公衆電話通信網などを含む。
【0036】
まず、災害情報配信サーバ1の構成を具体的に説明する。
【0037】
災害情報配信サーバ1は、図2に示すように、制御部10、通信部11、入力部12、および記憶部13を有する。
【0038】
記憶部13は、半導体メモリやHD(Hard Disc)等の記憶装置であって、災害情報配信サーバ1を動作させるのに必要なプログラムやデータを格納する。例えば、災害情報配信プログラム13aや、災害情報の配信先のアドレス情報を含む配信先リスト13bが、記憶部13に格納されている。
【0039】
通信部11は、外部装置と通信を行うモデム等の通信装置である。入力部12は、キーボード等の入力装置である。
【0040】
制御部10は、記憶部13に格納されたプログラムに従って動作し、災害情報配信サーバ1全体の動作を制御する。制御部10は、災害配信情報を配信する災害情報配信処理部10aを備える。災害情報配信処理部10aは、記憶部13に格納されている災害情報配信プログラム13aに従って動作する。
【0041】
災害情報配信処理部10aは、通信部11を介して、気象庁等が管理している外部サーバから津波情報100を受信する。津波情報100は、津波の到達が予想される地域や時刻(津波到達予想地域/津波到達予想時刻)および予想される津波の高さの情報を含む。
【0042】
また、災害情報配信処理部10aは、津波情報100に基づいて、津波の到達が予想される1つまたは複数の地域における津波の高さの情報を含む配信用災害情報101を作成し、その作成した配信用災害情報101を、記憶部13に格納されている配信先リスト13b中の配信先へ送信する。
【0043】
配信先リスト13bには、避難通知サーバ2のアドレス情報や、避難通知サービスを受けるユーザの携帯端末3のアドレス情報が格納されている。
【0044】
制御部10は、入力部13を介して入力操作を受け付け、該入力操作に応じた制御または処理を実行する。例えば、管理者が、入力部13を使用して、配信先リスト13bを作成または更新するための情報を入力すると、制御部10は、該入力情報に従って、配信先リスト13bの作成または更新の処理を行う。なお、管理者は、事前に、避難通知サービスを受けるユーザから、登録すべき携帯端末のアドレス情報を入手する。
【0045】
次に、避難通知サーバ2の構成を具体的に説明する。
【0046】
避難通知サーバ2は、図3に示すように、制御部20、通信部21、入力部22、および記憶部23を有する。
【0047】
記憶部23は、半導体メモリやHD等の記憶装置であって、避難通知サーバ2を動作させるのに必要なプログラムやデータを格納する。例えば、避難通知プログラム23aや標高情報データ23bが、記憶部23に格納される。
【0048】
標高情報データ23bは、避難通知サービスを提供するサービス対象エリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能なデータである。サービス対象エリアは、携帯端末3との通信が可能な通信エリアであり、より具体的には、その通信エリア内の沿岸を含む特定のエリアである。特定のエリアは、複数の津波監視対象地域を含む。
【0049】
標高情報データ23bは、既存の標高データ(「数値地図」とも呼ばれる)を用いて作成することが可能である。標高データは、例えば、5mメッシュ標高(「数値地図5mメッシュ(標高)」とも呼ばれる)のデータである。この場合、標高情報データ23bは、メッシュの各交点(各地点)の位置情報(例えば、緯度および経度)と標高値とを対応付けたデータや地名情報等(例えば、地図データ等)を含む。
【0050】
通信部21は、外部装置と通信を行うモデム等の通信装置である。入力部22は、キーボード等の入力装置である。
【0051】
制御部20は、記憶部23に格納されたプログラムに従って動作し、避難通知サーバ2全体の動作を制御する。制御部20は、避難通知を行う避難通知処理部20aを備える。避難通知処理部20aは、記憶部23に格納されている避難通知プログラム23aに従って動作する。
【0052】
避難通知処理部20aは、図4に示すように、現在位置標高特定部20−1、津波の高さ情報取得部20−2および緊急避難判定部20−3を有する。
【0053】
携帯端末3の現在位置情報およびアドレス情報を含む情報102が、携帯端末3から通信部21を介して、現在位置標高特定部20−1および津波の高さ情報取得部20−2に供給される。また、配信用災害情報101が、災害情報配信サーバ1から通信部21を介して津波の高さ情報取得部20−2に供給される。
【0054】
現在位置標高特定部20−1は、標高情報データ23bを参照し、携帯端末3から受信した情報102に含まれている現在位置情報に基づいて、携帯端末3の現在位置の標高値を特定する。そして、現在位置標高特定部20−1は、携帯端末3の現在位置の標高値を含む現在位置標高情報を、情報102に含まれている携帯端末3のアドレス情報と一緒に緊急避難判定部20−3に供給する。
【0055】
津波の高さ情報取得部20−2は、災害情報配信サーバ1からの配信用災害情報101と携帯端末3からの情報102を受信する。配信用災害情報101は、複数の津波到達予想地域に関する情報を津波の高さ情報を含んでいる。津波の高さ情報取得部20−2は、情報102に基づいて携帯端末3の現在位置を特定し、その特定した現在位置が、配信用災害情報101に含まれている津波到達予想地域のいずれかに該当するか否かを判定する。
【0056】
携帯端末3の現在位置が配信用災害情報101に含まれている津波到達予想地域のいずれかに該当する場合は、津波の高さ情報取得部20−2は、その該当する津波到達予想地域における予想される津波の高さの情報を緊急避難判定部20−3に供給する。携帯端末3の現在位置が配信用災害情報101に含まれている津波到達予想地域のいずれにも該当していない場合は、津波の高さ情報取得部20−2は、携帯端末3の現在位置が津波到達予想地域に該当しない旨の情報を緊急避難判定部20−3に供給する。
【0057】
緊急避難判定部20−3は、現在位置標高特定部20−1から携帯端末3の現在位置標高情報を受信し、津波の高さ情報取得部20−2から津波の高さの情報を受信した場合は、それら現在位置標高情報および津波の高さの情報を比較し、携帯端末3の現在位置が、津波の被害を受ける可能性があり、緊急に避難する必要があるか否かを判定する。そして、緊急避難判定部20−3は、現在位置標高特定部20−1から供給された携帯端末3のアドレス情報を参照し、緊急避難の要否の判定結果と携帯端末3の現在位置標高情報とを含む避難通知情報103を携帯端末3に送信する。避難通知情報103は、携帯端末3の現在位置に該当する津波到達予想地域における予想される津波の高さの情報を含んでいてもよい。
【0058】
緊急避難の要否の判定において、緊急避難判定部20−3は、例えば、携帯端末3の現在位置の標高値に対する予想される津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合に、緊急避難が必要と判定し、割合が第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する。
【0059】
第1の閾値は、例えば、70%である。第1の閾値は、現在位置周辺の津波の到達が予想される地域(該当地域)の地形や過去の津波による被害状況等の統計データを考慮して、津波による浸水が生じないような割合に設定してもよい。
【0060】
なお、津波による浸水の範囲は、地形等に依存するため、同じ標高を有する地点であっても、地域によっては、浸水する場合がある。よって、第1の閾値は、津波監視対象地域毎に設定することが望ましい。この場合、緊急避難判定部20−3は、複数の津波監視対象地域それぞれについて、地域毎に、緊急避難の要否判定のための閾値を設定したテーブル(例えば、津波監視対象地域名と閾値を対応付けたテーブル)を保持しており、津波の高さ情報取得部20−2で決定した地域に対応する第1の閾値をテーブルから取得してもよい。これにより、緊急避難の要否の判定をより正確に行うことができる。
【0061】
また、緊急避難判定部20−3は、津波の高さ情報取得部20−2から、携帯端末3の現在位置が津波到達予想地域に該当しない旨の情報を受信した場合は、その情報を、避難通知情報103に代えて携帯端末3に送信する。
【0062】
次に、携帯端末3の構成を具体的に説明する。
【0063】
携帯端末3は、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)など、通信機能を備えた携帯情報端末であって、図5に示すように、制御部30、通信部31、入力部32、記憶部33、出力部34、および現在位置取得部35を有する。
【0064】
記憶部33は、半導体メモリ等の記憶装置であって、携帯端末3を動作させるのに必要なプログラムやデータを格納する。例えば、避難情報取得プログラム33aやアドレス情報33bが、記憶部33に格納される。
【0065】
アドレス情報33bは、携帯端末3のアドレス情報および避難通知サーバ2のアドレス情報を含む。ユーザは、避難通知サービスを受けるための登録を行った際に、その避難通知サービスを提供する会社から、避難通知サーバ2のアドレス情報を入手する。ユーザは、その入手した避難通知サーバ2のアドレス情報をアドレス情報33bに格納する。
【0066】
通信部31は、外部装置と通信を行うモデム等の通信装置である。出力部34は、スピーカー等の出力装置または液晶ディスプレイ等の表示装置もしくはこれら装置の組み合わせよりなる。入力部32は、キー操作部やタッチパネル等の入力装置である。
【0067】
現在位置取得部35は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて携帯端末3の現在位置を取得する。測位システムは、GPSに限定さない。例えば、携帯端末3が携帯電話機である場合には、現在位置取得部35は、現在接続されている基地局の位置情報(経度および緯度)を携帯端末3の現在位置情報として利用してもよい。
【0068】
制御部30は、記憶部33に格納されたプログラムに従って動作し、携帯端末3全体の動作を制御する。制御部30は、避難通知の情報を取得する避難情報取得処理部30aを備える。避難情報取得処理部30aは、記憶部33に格納されている避難情報取得プログラム33aに従って動作する。
【0069】
避難情報取得処理部30aは、通信部31を介して、災害情報配信サーバ1から配信された配信用災害情報101を受信する。避難情報取得処理部30aは、配信用災害情報101を出力部34にて出力させる。
【0070】
また、避難情報取得処理部30aは、配信用災害情報101を受信すると、現在位置取得部35にて携帯端末3の現在位置を取得させる。避難情報取得処理部30aは、記憶部33のアドレス情報33bから携帯端末3のアドレス情報および避難通知サーバ2のアドレス情報をそれぞれ取得する。そして、避難情報取得処理部30aは、避難通知サーバ2のアドレス情報を参照し、携帯端末3の現在位置を示す現在位置情報と携帯端末3のアドレス情報とを含む情報102を、通信部31を介して避難通知サーバ2に送信する。
【0071】
また、避難情報取得処理部30aは、通信部31を介して、避難通知サーバ2から避難通知情報103(緊急避難の要否の判定結果と携帯端末3の現在位置標高情報とを少なくとも含む。)を受信する。そして、避難情報取得処理部30aは、避難通知情報103を出力部34にて出力させる。
【0072】
出力部34において、配信用災害情報101および避難通知情報103は、音声により出力されてもよく、また、画面に表示されてもよい。
【0073】
次に、本実施形態の避難通知システムにおける避難通知動作を説明する。
【0074】
図6は、避難通知動作を説明するための図である。以下、図1〜図6を参照して避難通知動作を説明する。
【0075】
まず、災害情報配信サーバ1において、災害情報配信処理部10aが、通信部11を介して外部サーバから津波情報10を受信する(ステップA1)。そして、災害情報配信処理部10aが、津波情報10に基づいて災害配信用情報101を作成し、その災害配信用情報101を避難通知サーバ2および携帯端末3へ送信する(ステップA2)。
【0076】
災害配信用情報101の配信が行われると、携帯端末3において、避難情報取得処理部30aが、配信用災害情報101を出力部33にて出力させる(ステップS3)。
【0077】
次いで、避難情報取得処理部30aは、配信用災害情報10の受信をトリガとして、現在位置取得部35で携帯端末3の現在位置を取得させる(ステップA4)。そして、避難情報取得処理部30aは、携帯端末3の現在位置情報と自端末のアドレス情報とを含む情報102を、通信部31を介して避難通知サーバ2に送信する(ステップA5)。
【0078】
避難通知サーバ2において、災害配信用情報101および情報102が受信されると、まず、現在位置標高特定部20−1が、標高情報データ23bを参照し、情報102に含まれている携帯端末3の現在位置情報に基づいて、携帯端末3の現在位置の標高値を特定する(ステップA6)。そして、現在位置標高特定部20−1が、その特定した携帯端末3の現在位置の標高値を示す現在位置標高情報を緊急避難判定部20−3に供給する。
【0079】
次いで、津波の高さ情報取得部20−2が、配信用災害情報101と情報102に基づいて、携帯端末3の現在位置に該当する津波到着予想地域における予想される津波の高さの情報を取得する(ステップA7)。そして、津波の高さ情報取得部20−2は、津波の高さの情報を緊急避難判定部20−3に供給する。
【0080】
次いで、緊急避難判定部20−3が、携帯端末3の現在位置標高値と予想される津波の高さとを比較し、携帯端末3の現在位置が、津波の被害を受ける可能性があり、緊急に避難する必要があるか否かを判定する(ステップA8)。
【0081】
最後に、緊急避難判定部20−3が、緊急避難の要否の判定結果と携帯端末3の現在位置標高情報とを含む避難通知情報103を、携帯端末3に送信する(ステップA9)。
【0082】
携帯端末3において、避難通知情報103が受信されると、避難情報取得処理部30aが、避難通知情報103を出力部34にて出力させる(ステップA10)。
【0083】
上述した避難通知動作によれば、津波情報100が配信されると、携帯端末3において、携帯端末3の現在位置の標高値や、携帯端末3の現在位置を含む地域における緊急避難の要否の判定結果が自動的に、画面表示または音声出力によりユーザに提示される。ユーザは、それらの情報に基づいて、予想される津波の高さに対する現在位置の危険度を判断することができ、適切な避難行動をとることができる。
【0084】
本実施形態の避難通知システムの構成および動作は、適宜に変更することができる。
【0085】
例えば、上述した動作は、避難通知サービスが提供されるサービス対象エリアが複数の津波監視対象地域を含むことを前提としているが、これに限定されない。サービス対象エリアは、複数の津波監視対象地域のうちのいずれか1つに限定されてもよい。この場合は、災害情報配信処理部10aは、津波情報100からその津波監視対象地域に対する情報(津波到達予想時刻や予想される津波の高さ)を取得し、その取得した情報を含む配信用災害情報101を作成する。
【0086】
上記の場合、避難通知サーバ2の避難通知処理部20aは、図7に示すように構成してもよい。図7の構成は、図4の構成において、津波の高さ情報取得部20−2を削除し、配信用災害情報101を緊急避難判定部20−3に供給するようにしたものである。この図7の構成によれば、緊急避難判定部20−3は、現在位置標高特定部20−1から供給された携帯端末3の現在位置標高情報と、配信用災害情報101に含まれている予想される津波の高さの情報とを比較し、緊急避難の要否の判定を行う。これ以外の動作は、図4の構成と同じである。
【0087】
なお、図1に示した構成では、携帯端末3は1台しか示されていないが、実際は、複数台の携帯端末3が用いられる。
【0088】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態である避難通知システムにおいて用いられる避難通知サーバの構成を示すブロック図である。
【0089】
本実施形態の避難通知システムは、図1に示したような、災害情報配信サーバ1、避難通知サーバ2および携帯端末3を有する。災害情報配信サーバ1は、図2に示した構成を有し、携帯端末3は、図5に示した構成を有する。災害情報配信サーバ1および携帯端末3の構成は、第1の実施形態で説明したとおりである。
【0090】
避難通知サーバ2は、図3に示した構成を有するが、避難通知処理部20aの構成が図3に示したものと異なる。避難通知処理部20aは、図8に示すように、現在位置標高特定部20−1、津波の高さ情報取得部20−2、緊急避難判定部20−3および避難可能地域決定部20−4を有する。
【0091】
図8に示す避難通知処理部20aにおいて、情報102は、現在位置標高特定部20−1、津波の高さ情報取得部20−2および避難可能地域決定部20−4に供給されている。津波の高さ情報取得部20−2は、予想される津波の高さの情報を緊急避難判定部20−3および避難可能地域決定部20−4に供給する。
【0092】
避難可能地域決定部20−4は、標高情報データ23bを参照し、情報102に含まれている携帯端末3の現在位置情報と、津波の高さ情報取得部20−2から供給された予想される津波の高さの情報とに基づいて、携帯端末3の現在位置周辺における、予想される津波の高さより十分に高い避難可能地域を決定する。避難可能地域決定部20−4は、その決定した地域を示す避難可能地域情報を緊急避難判定部20−3に供給する。
【0093】
避難可能地域の決定において、例えば、避難可能地域決定部20−4は、携帯端末3の現在位置の周辺地域のうち、該地域の標高値に対する予想される津波の高さの割合が第2の閾値以下である地域を避難可能地域として決定してもよい。
【0094】
第2の閾値は、第1の閾値以下の任意の値である。第1の閾値と同様、第2の閾値も、地形や過去の津波による被害状況等の統計データを考慮して設定することが望ましい。また、前述したように、津波による浸水の範囲は、地形等に依存することから、第2の閾値も、津波監視対象地域毎に設定することが望ましい。この場合、避難可能地域決定部20−4は、複数の津波監視対象地域それぞれについて、地域毎に、避難可能地域の判定のための閾値を設定したテーブル(例えば、津波監視対象地域名と閾値を対応付けたテーブル)を保持し、津波の高さ情報取得部20−2から、携帯端末3の現在位置に該当する津波到達予想地域の情報を取得し、該津波到達予想地域に対応する第2の閾値をテーブルから取得してもよい。これにより、避難可能地域の判定をより正確に行うことができる。
【0095】
緊急避難判定部20−3は、避難可能地域決定部20−4から供給された避難可能地域情報を含む避難通知情報103を携帯端末3に送信する。
【0096】
次に、本実施形態の避難通知システムにおける避難通知動作を説明する。
【0097】
図9は、避難通知動作を説明するための図である。以下、図8および図9を参照して避難通知動作を説明する。
【0098】
図9において、ステップB1〜B7は、図6に示したステップA1〜A7と同じであるので、ここでは、ステップB1〜B7の説明は省略する。
【0099】
ステップB7の後、緊急避難判定部20−3による緊急避難の要否の判定処理と、避難可能地域決定部20−4による避難可能地域の決定処理が行われる(ステップB8)。緊急避難の要否の判定処理は、図6に示したステップA8の処理と同じである。緊急避難の要否の判定処理と避難可能地域の決定処理は、一方が先に実行され、その後他方が実行されてもよく、また、両方の処理が並行して実行されてもよい。
【0100】
ステップB8の後、緊急避難判定部20−3が、携帯端末3の現在位置標高情報と緊急避難の要否の判定結果と避難可能地域情報とを含む避難通知情報103を携帯端末3に送信する(ステップB9)。
【0101】
次に、携帯端末3において、避難通知情報103が受信されると、避難情報取得処理部30aが、避難通知情報103を出力部34にて出力させる(ステップB10)。
【0102】
上述した避難通知動作によれば、津波情報100が配信されると、携帯端末3において、携帯端末3の現在位置の標高値、緊急避難の要否の判定結果、および避難可能地域情報が自動的に、画面表示または音声出力によりユーザに提示される。ユーザは、それらの情報に基づいて、予想される津波の高さに対する現在位置の危険度を判断することができ、適切な避難行動をとることができる。
【0103】
本実施形態の避難通知システムの構成および動作は、適宜に変更することができる。
【0104】
例えば、上述した動作は、避難通知サービスが提供されるサービス対象エリアが複数の津波監視対象地域を含むことを前提としているが、これに限定されない。サービス対象エリアは、複数の津波監視対象地域のうちのいずれか1つに限定されてもよい。この場合は、災害情報配信処理部10aは、津波情報100からその津波監視対象地域に対する情報(津波到達予想時刻や予想される津波の高さ)を取得し、その取得した情報を含む配信用災害情報101を作成する。
【0105】
上記の場合、避難通知サーバ2の避難通知処理部20aは、図10に示すように構成してもよい。図10の構成は、図8の構成において、津波の高さ情報取得部20−2を削除し、配信用災害情報101を緊急避難判定部20−3および避難可能地域決定部20−4に供給するようにしたものである。この図10の構成によれば、緊急避難判定部20−3は、現在位置標高特定部20−1から供給された携帯端末3の現在位置標高情報と、配信用災害情報101に含まれている予想される津波の高さの情報とを比較し、緊急避難の要否の判定を行う。また、避難可能地域決定部20−4は、標高情報データ23bを参照し、情報102に含まれている携帯端末3の現在位置情報と、配信用災害情報101に含まれている予想される津波の高さの情報とに基づいて、携帯端末3の現在位置周辺における、予想される津波の高さより十分に高い避難可能地域を決定する。これ以外の動作は、図8の構成と同じである。
【0106】
なお、図1に示した構成では、携帯端末3は1台しか示されていないが、実際は、複数台の携帯端末3が用いられる。
【0107】
以上説明した各実施形態の避難通知システムにおいて、避難通知サーバ2が、ユーザ認証処理を実行してもよい。ユーザ認証処理では、携帯端末3および避難通知サーバ2は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を予め保持している。例えば、図6の動作フローにおいて、ステップA5で、携帯端末3が、現在位置情報、アドレス情報およびユーザ識別情報を避難通知サーバ2に送信する。ステップA6で、避難通知サーバ2が、標高値の特定を行う前に、携帯端末3から受信したユーザ識別情報が自サーバに登録されているか否かを判定する。ユーザ識別情報が登録されていれば、正式なユーザであると判定し、その後、標高値の特定を行う。ユーザ識別情報が登録されていない場合は、登録されていない旨を示すメッセージを携帯端末3に送信し、避難通知処理を終了する。
【0108】
上記の場合、ユーザ識別情報は、ユーザが予め登録した任意の情報であるが、これに代えて、携帯端末3のアドレス情報をユーザ識別情報として用いてもよい。
【0109】
各実施形態において、災害情報配信プログラム13a、避難通知プログラム23a、および避難情報取得プログラム33aは、光ディスクや磁気ディスクに代表される記録媒体を介して提供されてもよく、また、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。
【0110】
また、上述した各実施形態の避難通知システムの一部又は全部は、以下の付記のような形態をとり得るが、これら形態に限定されない。
(付記1)
それぞれがネットワークを介して通信を行う、携帯端末、避難通知サーバおよび災害情報配信サーバを有し、
前記災害情報配信サーバは、予想される津波の高さの情報を含む災害情報を前記避難通知サーバおよび携帯端末のそれぞれに配信する配信処理部を有し、
前記携帯端末は、
情報を出力する出力部と、
該携帯端末の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記災害情報を受信すると、前記現在位置取得部に現在位置を取得させ、該取得した現在位置を示す現在位置情報を前記避難通知サーバに送信する避難情報取得部と、を有し、
前記避難通知サーバは、
前記携帯端末による前記通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部と、
前記標高情報データを参照し、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する標高特定部と、
前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報配信サーバから受信した前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、該緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を前記携帯端末に送信する緊急避難判定部と、を有し、
前記避難情報取得部は、前記避難通知サーバからの前記避難通知情報を前記出力部にて出力させる、避難通知システム。
(付記2)
前記災害情報は、複数の地域のそれぞれで予想される津波の高さの情報を含み、
前記避難通知サーバは、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の地域のうちから前記携帯端末の現在位置に該当する地域を決定し、該地域における予想される津波の高さを前記災害情報から取得する津波の高さ情報取得部を、さらに有し、
前記緊急避難判定部は、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記津波の高さ情報取得部で取得した津波の高さの割合に基づいて前記緊急避難の要否判定を行う、付記1に記載の避難通知システム。
(付記3)
前記緊急避難判定部は、前記複数の地域それぞれについて、地域毎に、前記緊急避難の要否判定のための閾値を設定したテーブルを保持しており、該テーブルを参照して、前記津波の高さ情報取得部で決定した地域に対応する前記第1の閾値を決定する、付記2に記載の避難通知システム。
(付記4)
前記避難通知サーバは、前記標高情報データを参照し、前記携帯端末の現在位置の周辺の地域のうち、該地域の標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第2の閾値以下の地域を避難可能地域として特定する避難地域特定部を、さらに有し、
前記緊急避難判定部は、前記避難地域特定部で特定した避難可能地域を示す情報を含む前記避難通知情報を前記携帯端末に送信する、付記1から3のいずれか1つに記載の避難通知システム。
(付記5)
前記避難通知サーバは、前記標高情報データを参照し、前記携帯端末の現在位置の周辺の地域のうち、該地域の標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第2の閾値以下の地域を避難可能地域として特定する避難地域特定部を、さらに有し、
前記避難地域特定部は、前記複数の地域それぞれについて、地域毎に、前記避難可能地域の判定のための閾値を設定したテーブルを保持しており、該テーブルを参照して、前記津波の高さ情報取得部で決定した地域に対応する前記第2の閾値を決定し、
前記緊急避難判定部は、前記避難地域特定部で特定した避難可能地域を示す情報を含む前記避難通知情報を前記携帯端末に送信する、付記2または3に記載の避難通知システム。
(付記6)
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、
前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部と、
前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する標高特定部と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する緊急避難判定部と、を有し、
前記緊急避難判定部は、前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、避難通知サーバ。
(付記7)
前記災害情報は、複数の地域のそれぞれで予想される津波の高さの情報を含み、
前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の地域のうちから前記携帯端末の現在位置に該当する地域を決定し、該地域における予想される津波の高さを前記災害情報から取得する津波の高さ情報取得部を、さらに有し、
前記緊急避難判定部は、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記津波の高さ情報取得部で取得した津波の高さの割合に基づいて前記緊急避難の要否判定を行う、付記6に記載の避難通知サーバ。
(付記8)
前記緊急避難判定部は、前記複数の地域それぞれについて、地域毎に、前記緊急避難の要否判定のための閾値を設定したテーブルを保持しており、該テーブルを参照して、前記津波の高さ情報取得部で決定した地域に対応する前記第1の閾値を決定する、付記7に記載の避難通知サーバ。
(付記9)
前記標高情報データを参照し、前記携帯端末の現在位置の周辺の地域のうち、該地域の標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第2の閾値以下の地域を避難可能地域として特定する避難地域特定部を、さらに有し、
前記緊急避難判定部は、前記避難地域特定部で特定した避難可能地域を示す情報を含む前記避難通知情報を前記携帯端末に送信する、付記6から8のいずれか1つに記載の避難通知サーバ。
(付記10)
前記標高情報データを参照し、前記携帯端末の現在位置の周辺の地域のうち、該地域の標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第2の閾値以下の地域を避難可能地域として特定する避難地域特定部を、さらに有し、
前記避難地域特定部は、前記複数の地域それぞれについて、地域毎に、前記避難可能地域の判定のための閾値を設定したテーブルを保持しており、該テーブルを参照して、前記津波の高さ情報取得部で決定した地域に対応する前記第2の閾値を決定し、
前記緊急避難判定部は、前記避難地域特定部で特定した避難可能地域を示す情報を含む前記避難通知情報を前記携帯端末に送信する、付記7または8に記載の避難通知サーバ。
(付記11)
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、
情報を出力する出力部と、
自端末の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、前記現在位置取得部に現在位置を取得させ、該取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信する避難情報取得部と、を有し、
前記避難情報取得部は、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信し、該避難通知情報を前記出力部にて出力させる、携帯端末。
(付記12)
それぞれがネットワークを介して通信を行う、携帯端末、避難通知サーバおよび災害情報配信サーバを有する避難通知システムにおいて行われる避難通知方法であって、
前記災害情報配信サーバが、予想される津波の高さの情報を含む災害情報を前記避難通知サーバおよび携帯端末のそれぞれに配信し、
前記携帯端末が、前記災害情報を受信すると、該携帯端末の現在位置を取得し、該取得した現在位置を示す現在位置情報を前記避難通知サーバに送信し、
前記避難通知サーバが、前記携帯端末による前記通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データを保持し、該標高情報データを参照し、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定し、該特定した標高値に対する前記災害情報配信サーバから受信した前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、該緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末が、前記避難通知サーバからの前記避難通知情報を音声出力または画面表示する、避難通知方法。
(付記13)
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部とを備えた避難通知サーバの制御方法であって、
標高特定部が、前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定し、
緊急避難判定部が、前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、避難通知サーバの制御方法。
(付記14)
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部を備えた携帯端末の制御方法であって、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、現在位置取得部が、自端末の現在位置を取得し、
避難情報取得部が、前記現在位置取得部で取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信し、その後、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信し、
出力部が、前記避難通知情報を音声出力または画面表示する、携帯端末の制御方法。
(付記15)
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部とを備えた避難通知サーバのコンピュータに、
前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する処理と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する処理と、
前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する処理とを実行させるプログラム。
(付記16)
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部を備えた携帯端末のコンピュータに、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、自端末の現在位置を取得する処理と、
前記取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信し、その後、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信する処理と、
前記受信した避難通知情報を音声出力または画面表示する処理とを実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 災害情報サーバ
2 避難通知サーバ
3 携帯端末
100 津波情報
101 配信用災害情報
10、20、30 制御部
10a 災害情報配信処理部
11、21、31 通信部
12、22、32 入力部
13、23、33 記憶部
13a 災害情報配信プログラム
13b 配信先リスト
20a 避難通知処理部
20−1 現在位置標高特定部
20−2 津波の高さ情報取得部
20−3 緊急避難判定部
23a 避難通知プログラム
23b 標高情報データ
30a 避難情報取得部
33a 避難情報取得プログラム
33b アドレス情報
34 出力部
35 現在位置取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがネットワークを介して通信を行う、携帯端末、避難通知サーバおよび災害情報配信サーバを有し、
前記災害情報配信サーバは、予想される津波の高さの情報を含む災害情報を前記避難通知サーバおよび携帯端末のそれぞれに配信する配信処理部を有し、
前記携帯端末は、
情報を出力する出力部と、
該携帯端末の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記災害情報を受信すると、前記現在位置取得部に現在位置を取得させ、該取得した現在位置を示す現在位置情報を前記避難通知サーバに送信する避難情報取得部と、を有し、
前記避難通知サーバは、
前記携帯端末による前記通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部と、
前記標高情報データを参照し、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する標高特定部と、
前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報配信サーバから受信した前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、該緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を前記携帯端末に送信する緊急避難判定部と、を有し、
前記避難情報取得部は、前記避難通知サーバからの前記避難通知情報を前記出力部にて出力させる、避難通知システム。
【請求項2】
前記災害情報は、複数の地域のそれぞれで予想される津波の高さの情報を含み、
前記避難通知サーバは、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の地域のうちから前記携帯端末の現在位置に該当する地域を決定し、該地域における予想される津波の高さを前記災害情報から取得する津波の高さ情報取得部を、さらに有し、
前記緊急避難判定部は、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記津波の高さ情報取得部で取得した津波の高さの割合に基づいて前記緊急避難の要否判定を行う、請求項1に記載の避難通知システム。
【請求項3】
前記避難通知サーバは、前記標高情報データを参照し、前記携帯端末の現在位置の周辺の地域のうち、該地域の標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第2の閾値以下の地域を避難可能地域として特定する避難地域特定部を、さらに有し、
前記緊急避難判定部は、前記避難地域特定部で特定した避難可能地域を示す情報を含む前記避難通知情報を前記携帯端末に送信する、請求項1または2に記載の避難通知システム。
【請求項4】
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、
前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部と、
前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する標高特定部と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する緊急避難判定部と、を有し、
前記緊急避難判定部は、前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、避難通知サーバ。
【請求項5】
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、
情報を出力する出力部と、
自端末の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、前記現在位置取得部に現在位置を取得させ、該取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信する避難情報取得部と、を有し、
前記避難情報取得部は、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信し、該避難通知情報を前記出力部にて出力させる、携帯端末。
【請求項6】
それぞれがネットワークを介して通信を行う、携帯端末、避難通知サーバおよび災害情報配信サーバを有する避難通知システムにおいて行われる避難通知方法であって、
前記災害情報配信サーバが、予想される津波の高さの情報を含む災害情報を前記避難通知サーバおよび携帯端末のそれぞれに配信し、
前記携帯端末が、前記災害情報を受信すると、該携帯端末の現在位置を取得し、該取得した現在位置を示す現在位置情報を前記避難通知サーバに送信し、
前記避難通知サーバが、前記携帯端末による前記通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データを保持し、該標高情報データを参照し、前記携帯端末から受信した前記現在位置情報に基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定し、該特定した標高値に対する前記災害情報配信サーバから受信した前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、該緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末が、前記避難通知サーバからの前記避難通知情報を音声出力または画面表示する、避難通知方法。
【請求項7】
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部とを備えた避難通知サーバの制御方法であって、
標高特定部が、前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定し、
緊急避難判定部が、前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記標高特定部で特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定し、前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、避難通知サーバの制御方法。
【請求項8】
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部を備えた携帯端末の制御方法であって、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、現在位置取得部が、自端末の現在位置を取得し、
避難情報取得部が、前記現在位置取得部で取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信し、その後、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信し、
出力部が、前記避難通知情報を音声出力または画面表示する、携帯端末の制御方法。
【請求項9】
携帯端末および災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部と、前記携帯端末との通信が可能な特定のエリア内の位置と標高値とをそれぞれ特定可能な標高情報データが格納された記憶部とを備えた避難通知サーバのコンピュータに、
前記通信部を介して前記携帯端末から該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を受信し、該現在位置情報と前記標高情報データとに基づいて前記携帯端末の現在位置の標高値を特定する処理と、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信し、前記特定した標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合を求め、該割合が第1の閾値以上である場合は、緊急避難が必要と判定し、前記割合が前記第1の閾値未満である場合には、緊急避難の必要はないと判定する処理と、
前記緊急避難の要否の判定結果と前記特定した標高値とを含む避難通知情報を、前記通信部を介して前記携帯端末に送信する処理とを実行させるプログラム。
【請求項10】
避難通知サーバおよび災害情報配信サーバのぞれぞれとネットワークを介して通信を行う通信部を備えた携帯端末のコンピュータに、
前記通信部を介して前記災害情報配信サーバから予想される津波の高さの情報を含む災害情報を受信すると、自端末の現在位置を取得する処理と、
前記取得した現在位置を示す現在位置情報を、前記通信部を介して前記避難通知サーバに送信し、その後、前記取得した現在位置の標高値と、該標高値に対する前記災害情報に含まれている津波の高さの割合が第1の閾値以上である場合を緊急避難が必要であるとし、前記割合が前記第1の閾値未満である場合を緊急避難の必要が無いとした判定結果とを含む避難通知情報を、前記避難通知サーバから受信する処理と、
前記受信した避難通知情報を音声出力または画面表示する処理とを実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−109484(P2013−109484A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252781(P2011−252781)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】