説明

還元型補酵素Q及びN−アセチルグルコサミン含有組成物

【課題】皮膚細胞におけるヒアルロン酸産生を促進させ、皮膚に有効的な作用をもたらす安全な組成物を提供すること。
【解決手段】 還元型補酵素QとN−アセチルグルコサミンとを有効成分とする組成物。本発明の組成物は、優れたヒアルロン酸産生促進効果を有し、皮膚外用剤や医薬品、サプリメントとして使用する、あるいは食品に配合することにより、肌のハリや潤いを維持し、シワ、タルミ、シミ、クスミ、乾燥肌、日焼け肌を改善できる美容用の、あるいは皮膚老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する老化防止改善用の組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を科学的及び美容的に健やかな状態に保つ効果に優れた、還元型補酵素Q及びN−アセチルグルコサミンを含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
老化による表皮細胞間のヒアルロン酸染色強度の低下や、紫外線照射による光弾性線維症部においてヒアルロン酸が減少する現象が報告されており、その結果として皮膚の乾燥、ハリ、弾力性の低下、ひいてはシワの増加を引き起こすと考えられている。このような状態を改善すべく、ヒアルロン酸を配合した化粧料を塗布することにより皮膚表面の保湿性を保つ方法がとられてきたが、高分子であるヒアルロン酸は皮膚を透過しないことから根本的改善は期待できない。また、同じく高分子であるため経口摂取でもその効果は期待できない。従って、細胞自身が元来もっているヒアルロン酸合成能を高めることにより皮膚機能を根本的に改善する物質の開発が期待されている。
【0003】
一方、補酵素Qは細菌から哺乳動物まで広く生体に分布する必須成分であり、生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系抗生物質として知られている。補酵素Qは、ミトコンドリア内において酸化と還元を繰り返すことで、電子伝達系における伝達成分としての機能を担っている。ヒトでは補酵素Qの側鎖が繰り返し構造を10個持つ補酵素Q10が主成分であり、生体内においては、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の比が一定の範囲に保たれながら機能を発揮しており、通常、40〜90%程度が還元型として存在しているといわれている。補酵素Qの生理的作用としては、ミトコンドリア賦活作用によるエネルギー生産の活性化、心機能の活性化、細胞膜の安定化効果、抗酸化作用による細胞の保護効果などが挙げられている。このように補酵素Q10には酸化型と還元型が存在しているが、酸化型補酵素Q10には皮膚に対する美容作用が知られており(特許文献1)、現在は化粧品素材として利用されている。また、還元型補酵素Q10にも皮膚疾患改善作用(特許文献2)や美容作用(特許文献3)が報告されており、高い安全性を有する化合物であることを我々は報告している(非特許文献1)。しかし、単独での効果では十分ではなく、さらに強い効果を有する薬剤の組み合わせが必要とされていた。
【0004】
また、N−アセチルグルコサミンは、カニ、エビなどの甲殻類の外皮を形成するキチン質に多量に含まれているアミノ糖の1種であり、生体内においてグルコースを出発物質として生合成されている、安全性の高い生体成分の一つである。例えば、ラットにN−アセチルグルコサミンを5g/体重kg投与しても安全であることが確認されている(特許文献4)。N−アセチルグルコサミン単独では皮膚の老化防止や美容作用(特許文献4)が知られており、また、N−アセチルグルコサミンと他剤との併用効果では、医薬品成分として使用実績のある皮膚疾患改善薬であるレチノイン酸との組み合わせにおいて皮膚細胞におけるヒアルロン酸産生促進作用について相乗効果を有すること(特許文献5)が報告されている。しかし、皮膚疾患や美容作用に対する有効性が大きいとされるレチノイン酸は皮膚刺激性を有しており、安全面において多量に投与することができない難点を抱えている。よって、より安全でかつ効果の高い薬剤の組み合わせが求められていた。
【特許文献1】特開昭58−180410
【特許文献2】特開2006−52235
【特許文献3】特開2006−76890
【特許文献4】特開2001−48789
【特許文献5】特開2002−284662
【非特許文献1】Regul.Toxicol.Pharmacol.(2007) 47,19−28.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、ヒアルロン酸産生を促進させ、皮膚に有効的な作用をもたらす安全な組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、還元型補酵素Qにヒアルロン酸産生促進作用を有すること、さらに、N−アセチルグルコサミンを併用することで、上記還元型補酵素Qの有するヒアルロン酸産生促進作用を相乗的に高めることを見出し、これに基づいて本発明の課題を達成した。よって、本発明が提供するのは、以下の通りである。
[1] 下記式(1):
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Q及び
下記式(2):
【0009】
【化2】

【0010】
で表されるN−アセチルグルコサミンを含有する組成物。
[2] 皮膚用剤である[1]に記載の組成物。
[3] 経口剤である[1]に記載の組成物。
[4] 医薬部外品または化粧品である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 医薬品である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[6] 栄養サプリメントである[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[7] 動物用医薬品である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[8] ペットフード、飼料または餌料である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[9] ヒアルロン酸産生促進剤である[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明において、N−アセチルグルコサミンと還元型補酵素Qを組み合わせることにより、優れた効果を有するヒアルロン酸産生促進剤を提供することができる。また、これらを皮膚外用剤や医薬品、サプリメントとして使用する、あるいは食品に配合することにより、肌のハリや潤いを維持し、シワ、タルミ、シミ、クスミ、乾燥肌、日焼け肌を改善できる、美容用の、あるいは皮膚老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する老化防止改善用の組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0013】
本発明の組成物は、上記式(1)で表される還元型補酵素Q、及び、上記(2)で表されるN−アセチルグルコサミンを含有する組成物である。本発明の組成物の必須成分の一つである還元型補酵素Qを得る方法としては特に限定されず、例えば、発酵、化学合成、天然物からの抽出等の従来公知の方法により酸化型を主成分とする補酵素Qを得た後、必要に応じてクロマトグラフィーにより流出液中の還元型補酵素Q区分を濃縮する方法等を採用することができる。また、還元型補酵素Qを得る場合には、必要に応じて上記補酵素Qに対し、水素化ほう素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム(ハイドロサルファイトナトリウム)等の一般的な還元剤を添加し、常法により上記補酵素Q中の酸化型補酵素を還元して還元型補酵素Qとした後にクロマトグラフィーによる濃縮を行っても良い。また、既存の高純度酸化型補酵素Qに上記還元剤を作用させる方法によっても還元型補酵素Qを得ることができる。また酸化型補酵素Qを還元剤とともに製剤化し、製剤中で酸化型補酵素Qを還元型補酵素Qに変換させてもよい。
【0014】
本発明の組成物で使用出来る還元型補酵素Qは、前記式(1)で表されるように、側鎖の繰り返し単位(式中n)が1〜12のものを使用することが出来る。ヒトをはじめイヌなどの多くの愛玩動物で十分な効果が得られる観点から、中でも側鎖繰り返し単位(式中n)が10のもの、すなわち還元型補酵素Q10が特に好適に使用出来る。
【0015】
組成物中の還元型補酵素Qの割合が少なすぎる場合には期待するヒアルロン酸産生促進作用が得られにくいため、本発明の組成物中の還元型補酵素Qの含有量は、普通0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%以上、なお好ましくは1重量%以上、とりわけ5重量%以上である。上限は特に制限されないが、経済的な観点等より、普通50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0016】
本発明の組成物においては、上記補酵素Qの内、還元型補酵素Qをその有効成分の対象とするものであるが、効果などの有用性及び本発明の効果を損なわない範囲で、酸化型補酵素Qが混在していてもよい。補酵素Qとして、還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qの混合物を使用する場合の還元型補酵素Qの割合は、本発明の効果を最大化させるという観点から、補酵素Q全体に対して還元型補酵素Qの割合が60重量%以上であるのが好ましく、80重量%以上であるのがさらに好ましく、95重量%以上であるのが最も好ましい。上限は特に限定されず、還元型補酵素Qの含有量が高いほど好ましいが、混合物としては例えば99.5重量%以下である。
【0017】
本発明の組成物のもう一つの必須成分であるN−アセチルグルコサミンは、D−グルコサミン塩酸塩を化学合成によりアセチル化して得られる合成物や、発酵産物、カニ、エビ等のキチンの加水分解から得られる分解産物等、いずれのものも使用することが出来るが、キチンを分解して得られる天然型のものが好ましい。
【0018】
N−アセチルグルコサミンの本発明の組成物中の含有量は、組成物総量を基準として、0.1重量%以上、好ましくは0.5%重量%以上、より好ましくは1%重量%以上、とりわけ2重量%以上、なかんずく5重量%以上である。上限は特に制限されないが、経済的な観点等より、普通50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0019】
本発明の組成物における還元型補酵素QとN−アセチルグルコサミンの含有量比は特に限定されないが、効果的な相乗効果が得られる観点及び製剤上の観点から、重量比で1:0.002〜1:500の範囲が好ましく、1:0.02〜1:50の範囲がより好ましく、1:0.2〜1:5の範囲がとりわけ好ましい。
【0020】
本発明の組成物は、還元型補酵素QとN−アセチルグルコサミンのみからなるものであってもよいが、その他以下に示すような油脂類、粉末成分、保湿剤、天然の水溶性高分子、増粘剤、金属イオン封鎖剤、糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、抗酸化剤などの種々の成分を含有することができる。
【0021】
上記油脂類としては、例えば、液体油脂として、アボガド油、ツバキ油、ホホバ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、胚芽油、トリグリセリン等が、固体油脂またはロウとして、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0022】
上記粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、カロチン等)等が挙げられる。
【0023】
上記保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0024】
上記天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0025】
上記増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0026】
上記金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0027】
上記糖類としては、例えば単糖として、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が、オリゴ糖として、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が、多糖として、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0028】
上記アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0029】
上記有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0030】
上記高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0031】
上記ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B、B、B、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0032】
上記抗酸化剤としては、例えばクエン酸、クエン酸誘導体、ビタミンC及びその誘導体、リコペン、ビタミンA、カロテノイド類、ビタミンB及びその誘導体、フラボノイド類、ポリフェノール類、グルタチオン及びその誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類、セレン、チオ硫酸ナトリウム、ビタミンE及びその誘導体、α−リポ酸及びその誘導体、ピクノジェノール、フラバンジェノール、カテキン類、ピロロキノリンキノン及びその誘導体、補酵素A、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシターゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、グルタチオン還元酵素、カタラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、及びこれら混合物などが挙げられる。特に抗酸化剤は還元型補酵素Qの酸化に対する安定性を高め、より安定した高い効果を得る観点から特に好ましい添加剤として使用される。
【0033】
その他、本発明の組成物には製剤化に必要な素材が適宜添加されていてもよい。このようなものとしては、特に制限されず、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、安定化剤等が挙げられる。
【0034】
上記賦形剤としては特に制限されないが、例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、マンニトール、結晶セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等を挙げることができる。
【0035】
上記崩壊剤としては特に制限されないが、例えば、でんぷん、寒天、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、トラガント等を挙げることができる。
【0036】
上記滑沢剤としては特に制限されないが、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等を挙げることができる。
【0037】
上記結合剤としては特に制限されないが、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガント、シェラック、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ソルビトール等を挙げることができる。
【0038】
上記着色剤としては特に制限されないが、例えば、医薬品、食品に添加することが許可されているもの等を挙げることができる。
【0039】
上記凝集防止剤としては特に制限されないが、例えば、ステアリン酸、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ酸等を挙げることができる。
【0040】
上記吸収促進剤としては特に制限されないが、例えば、高級アルコール類、高級脂肪酸類、ショ糖脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤等を挙げることができる。このうち、還元型補酵素Qの安定性等の観点より、ポリグリセリン脂肪酸エステルが特に好ましい。なかでも、HLBが下限として、通常4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上、特に好ましくは8以上であり、また、上限として通常12以下、好ましくは11以下、より好ましくは10以下のものが好適である。
【0041】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい具体例は、ジグリセリンモノカプレート、ジグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンジオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、デカグリセリンペンタオレエートであり、さらには、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノオレエートが好ましく、最も好ましくはジグリセリンモノオレエートである。
【0042】
上記有効成分の溶解補助剤としては特に制限されないが、例えば、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸等を挙げることができる。
【0043】
上記安定化剤としては特に制限されないが、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル等が挙げられる。
【0044】
さらに、本発明の組成物中には還元型補酵素Q及びN−アセチルグルコサミン以外の活性成分を含んでも良い。これらの活性成分としては、例えば、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、有機酸、糖類、ペプチド、タンパク質等を挙げることができる。
【0045】
本発明の組成物は、皮膚用剤、経口剤、医薬部外品、化粧品、医薬品、栄養サプリメント、食品、動物用医薬品、ペットフード、飼料または餌料として使用できる。本発明の組成物をこれら用途で使用する際の還元型補酵素Qの含有量、剤型、保存方法及び保存形態は、これらの用途に応じて適宜決定できる。
【0046】
例えば、本発明の組成物は、還元型補酵素Q及びN−アセチルグルコサミンを含有する組成物として、そのまま使用することもできるが、それらをカプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル、マイクロカプセル)、錠剤、シロップ、飲料等の経口投与形態に更に加工しても好ましく使用しうる。特に好ましくは、カプセル剤であり、とりわけ、ソフトカプセルである。
【0047】
このときのカプセル基材としては特に制限されず、牛骨、牛皮、豚皮、魚皮等を由来とするゼラチンをはじめとして、他の基材、例えば、食品添加物として使用しうるカラギーナン、アルギン酸等の海藻由来品やローカストビーンガムやグアーガム等の植物種子由来品、プルラン、カードラン等の微生物由来品やセルロース類を含む製造用剤も使用しうる。
【0048】
また、食品や、化粧品、医薬品などの製品の製造過程において、還元型補酵素Q及びN−アセチルグルコサミンを直接添加しても良いし、できあがった製品に、別途調整した還元型補酵素Q及びN−アセチルグルコサミンを含有する組成物を添加してもよい。
【0049】
本発明において、皮膚用剤とは、一般に頭皮を含む皮膚に適用される組成物すべてを指し、医薬部外品、化粧品、医薬品等を包含するものである。
【0050】
本発明において、経口剤とは、一般に医薬品や食品を口あるいは口腔を介して摂取する組成物すべてを指し、医薬部外品、医薬品、動物用医薬品、動物用飼料、食品等を包含するものである。
【0051】
本発明の組成物を食品とする場合の形態は、特には限定されないが、食用油脂組成物、調理油類、スプレー油類、バター類、マーガリン類、ショートニング類、ホイップクリーム類、濃縮乳類、ホワイトナー類、ドレッシング類、ピックル液類、パン類、ケーキ類、パイ類、クッキー類、和菓子類、スナック菓子類、油菓子類、チョコレート及びチョコレート菓子類、米菓類、ルウ類、ソース類、たれ類、トッピング類、氷菓子類、麺類、ベーカリーミックス類、フライ食品類、加工肉製品類、水産練り製品類、冷凍アントレ類、畜産冷凍食品、農産冷凍食品などの冷凍食品類、米飯類、ジャム類、チーズ、チーズフード、チーズ様食品、ガム類、キャンディー類、発酵乳類、缶詰類、飲料類等の一般食品に、本発明の組成物、または、還元型補酵素QとN−アセチルグルコサミンを直接、添加あるいは混合して食する他、上記のような経口投与形態でサプリメント、特定保健用食品、健康食品、栄養補助食品等の機能性食品として、医薬品以外で経口的に摂取し、健康の維持あるいは改善を目的とすることもできる。
【0052】
本発明の組成物を医薬部外品とする場合の形態は、特には限定されないが、医薬品以外で、湿布や皮膚用クリーム、液剤、噴霧剤、入浴剤等で頭皮を含む皮膚に適用される場合や、ドリンク剤等で経口的に摂取する場合が挙げられる。
【0053】
本発明の組成物は、美容効果を有するため、化粧品として好ましく用いることができる。このときの、化粧品としての形態としては、適当な基材中に本発明の組成物を溶解または混合分散させて、クリーム状、ペースト状、ジェリー状、ゲル状、乳液状、液状の形状になされたもの(軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、スプレー剤など)、基材中に上記薬物を溶解または混合分散させたものを支持体上に展延したもの(パップ剤など)、粘着剤中に上記組成物を溶解または混合分散させたものを支持体に展延したもの(プラスター剤、テープ剤など)、不敷布に含ませたもの(マスクなど)などの形態を取る事が可能であるが、これらに限定されるわけではない。最終形態としては、特には限定されないが、クリーム、ローション、ジェル、ミスト、マスク、パック、シャンプー、リンス等が挙げられる。
【0054】
本発明の組成物を医薬品とする場合の形態は、特には限定されないが、軟膏や貼付剤による皮膚からの投与や、経口剤(エキス剤、エリキシル剤、シロップ剤、チンキ剤、リモナーデ剤等の液剤やカプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤等の固形剤)、注射剤、輸液、点鼻剤、点眼剤、坐剤、噴霧剤による投与等が挙げられる。
【0055】
本発明の組成物を動物用医薬品とする場合の形態は、特には限定されないが、軟膏や貼付剤による皮膚からの投与する場合や、エキス剤、エリキシル剤、シロップ剤、チンキ剤、リモナーデ剤等の液剤やカプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤等の固形剤等経口摂取する場合が挙げられる。
【0056】
本発明の組成物をペットフード、動物用飼料、餌料とする場合には、本発明の組成物を動物にそのまま給餌するか、本発明の組成物を含有する飼料または餌料を給餌するなどが考えられる。さらに同様の方法で動物用の健康食品や栄養補助食品として使用できる。
【0057】
本発明の組成物は優れたヒアルロン酸産生促進効果を有するため、ヒアルロン酸産生促進剤としても使用できる。本発明におけるヒアルロン酸産生とは、皮膚細胞より産生されるヒアルロン酸を指している。後述の実施例で使用した皮膚線維芽細胞は皮膚細胞の一つであり、この細胞は皮膚の三次元構造を維持するのに必要なコラーゲンやエラスチンといった機能タンパク、またヒアルロン酸等の保湿作用を有する高分子多糖体の合成という皮膚機能の根源的で重要な役割を果たしている。通常、若い世代のヒトの皮膚ではこの皮膚線維芽細胞及び同細胞で作られ分泌されているコラーゲン等により構築される皮膚構造が十分にしっかりしていることにより水分保持性、柔軟性、弾力性等が確保され、皮膚は外見上にも張りや艶があり、みずみずしい状態に維持されている。しかし、紫外線の照射、空気の乾燥、過度の皮膚洗浄等の外的要因や加齢等といった条件により、ヒアルロン酸等の保湿作用を有する高分子多糖体の合成が低下することが知られている。その結果、皮膚はハリやツヤを失い、シワ、タルミ、肌荒れ等の老化症状を呈するようになる。したがって、細胞自身が本来持っているヒアルロン酸産生能を高めることが出来る本発明の組成物は、皮膚の美容効果や老化防止という優れた効果を発揮する。
【実施例】
【0058】
以下に、実験例及び製造例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
<製造例1>還元型補酵素Q10の製造
1000gのエタノール中に、100gの酸化型補酵素Q10(株式会社カネカ製、純度99.4%)と、60gのL−アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌し、還元反応を行った。30時間後、50℃まで冷却し、同温を保持しながらエタノール330gと水70gを添加した。このエタノール溶液(還元型補酵素Q10100gを含む)を攪拌しながら、10℃/時間の冷却速度で2℃まで冷却し、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧濾過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノールで順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、還元型補酵素Q10の白色乾燥結晶97gを得た。減圧乾燥を除く全ての操作は窒素雰囲気下で実施した。
【0060】
<実施例1>皮膚線維芽細胞における還元型補酵素Q10及びN−アセチルグルコサミンのヒアルロン酸産生に対する併用効果
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)を、2%ウシ胎児血清、ヘパリン10μg/ml、ハイドロコーチゾン1μg/ml、ヒト組換え型上皮成長因子10ng/ml、ヒト組換え型塩基性線維芽細胞成長因子3ng/mlを含む基礎培地Medium106Sにて37℃、5%CO条件下で培養し、1ウェル当たり5.0×10個となるように24穴マイクロプレートに播種した。播種時には同培地を用い、細胞がコンフルエントになるまで培養した後、試料検体を添加した2%ウシ胎児血清、ヘパリン10μg/ml、ハイドロコーチゾン1μg/ml、アスコルビン酸2リン酸マグネシウム100μMを含むMedium106Sに交換し、さらに48時間培養した。ここで、製造例1で製造した還元型補酵素Q10はHCO−60(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、日光ケミカルズ株式会社製)に溶解し、最終濃度を50μg/mlとなるように試料検体として使用した。また、N−アセチルグルコサミン(焼津水産化学工業株式会社製)はPBSに溶解し、最終濃度を22mg/mlとなるように試料検体として使用した。その後、マイクロプレートのウェル上の培養液を回収し、ヒアルロン酸測定キット(生化学工業株式会社製)を用いて細胞外に分泌されたヒアルロン酸量を測定した。
【0061】
上記の測定法によって、還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンを併用した場合のヒアルロン酸産生量(Aとした)、還元型補酵素Q10単独での産生量(Bとした)、及びN−アセチルグルコサミン単独での産生量(Cとした)を測定した。また、2剤併用時のヒアルロン酸産生量と、還元型補酵素Q10単独とN−アセチルグルコサミン単独の産生量の和(相加効果)を比較し、2剤併用による相乗効果の有無を判定した。
【0062】
本発明においては、還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンの併用による相乗効果の有無は、正確に期すために下記の2通りの方法により評価した。
【0063】
(評価式a) A/(B+C)×100
(評価式b) (A−C)/B×100
式中、Aは還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンの併用した場合のヒアルロン酸産生量、Bは還元型補酵素Q10単独での産生量、CはN−アセチルグルコサミン単独での産生量を表す。
【0064】
評価式aは、還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンの併用時のヒアルロン酸産生量と、個々の単独の産生量の和を比較するものである。相加的な効果の場合、理論値は100となり、100を超える結果となれば、相乗効果があると判断できる。
【0065】
一方、評価式bは、還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンを併用した場合の還元型補酵素Q10の産生量と、還元型補酵素Q10単独の産生量と比較するものである。式の分子において、還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンを併用した場合のヒアルロン酸産生量からはN−アセチルグルコサミン単独の産生量を減じており、相加的な効果しかない場合には、この値は還元型補酵素Q10単独のヒアルロン酸産生量と等しくなる。従って、式の理論値は100となり、100を超える結果となれば、相乗効果があると判断できる。
【0066】
各々の測定結果を上記評価式a及び評価式bに当てはめ、相乗効果の有無を判定した。表1に示すとおり、評価式aでは144、評価式bでは202となり、還元型補酵素Q10及びN−アセチルグルコサミンが共存した場合の明らかなヒアルロン酸産生促進の相乗効果が確認された。
【0067】
【表1】

【0068】
<比較例1>皮膚線維芽細胞における酸化型補酵素Q10及びN−アセチルグルコサミンのヒアルロン酸産生に対する併用効果
酸化型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンの併用効果について、実施例1で使用した還元型補酵素Q10を酸化型補酵素Q10(株式会社カネカ製)に置き換えた以外は全く同様の実験を行った。その結果下記表2に示すとおり、評価式aでは109、評価式bでは116となった。よって、還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンのヒアルロン酸産生促進に対する併用効果の方が、酸化型補酵素Q10との併用効果に比べてより強く相乗効果を発揮することが明らかになった。
【0069】
【表2】

【0070】
<製剤例1>
還元型補酵素Q10とN−アセチルグルコサミンを含有するW/Oクリームを既知の方法により以下の組成で作製した。
【0071】
グリセロールソルビタン脂肪酸エステル 6.0重量%
微晶性ワックス 1.0重量%
オリーブオイル 3.0重量%
流動パラフィン 19.0重量%
ステアリン酸マグネシウム 1.0重量%
N−アセチルグルコサミン 2.0重量%
プロピレングリコール 3.7重量%
硫酸マグネシウム(MgSO・7HO) 0.7重量%
還元型補酵素Q10 0.5重量%
脱イオン水 100.0重量%に
【0072】
<製剤例2>
還元型補酵素Q10及びN−アセチルグルコサミンを含有するW/O乳化物を既知の方法により以下の組成で作製した。
【0073】
ジステアリン酸デカグリセリル 3.0重量%
セタノール 3.0重量%
オリーブオイル 5.0重量%
流動パラフィン 20.0重量%
キサンタンガム 0.5重量%
プロピレングリコール 8.0重量%
グリセリン 5.0重量%
パラベン混合物 適宜
香料 0.2重量%
還元型補酵素Q10 0.5重量%
N−アセチルグルコサミン 2.0重量%
脱イオン水 100.0重量%に。
【0074】
<製剤例3>(散剤)
還元型補酵素Q10をプロパノールに溶解し、次いでこれを微結晶セルロースに吸着させた後、減圧下で乾燥した。これをN−アセチルグルコサミン及びトウモロコシ澱粉と混合し、散剤とした。以下に配合量を示す。
【0075】
還元型補酵素Q10 5.0重量%
微結晶セルロース 20.1重量%
N−アセチルグルコサミン 10.0重量%
トウモロコシ澱粉 64.9重量%
【0076】
<製剤例4>(カプセル剤)
製剤例3と同様に下記処方で散剤を作製した後、常法によりゼラチンカプセルに充填した。以下に配合量を示す。
【0077】
還元型補酵素Q10 5重量%
微結晶セルロース 20重量%
N−アセチルグルコサミン 10重量%
トウモロコシ澱粉 35重量%
乳糖 25重量%
ステアリン酸マグネシウム 3重量%
ポリビニルピロリドン 2重量%
【0078】
<製剤例5>(錠剤)
還元型補酵素Q10をプロパノールに溶解し、これを微結晶セルロースに吸着させた後、減圧下で乾燥した。これにトウモロコシ澱粉、乳糖、N−アセチルグルコサミン、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウムを混合し、次いでポリビニルピロリドンの水溶液を結合剤として加えて常法により顆粒化した。これに滑沢剤としてタルクを加えて混合した後、錠剤に打錠した。
【0079】
還元型補酵素Q10 5.21重量%
トウモロコシ澱粉 19.53重量%
乳糖 11.72重量%
N−アセチルグルコサミン 10.42重量%
カルボキシメチルセルロース 7.81重量%
微結晶セルロース 31.25重量%
ポリビニルピロリドン 3.91重量%
ステアリン酸マグネシウム 2.34重量%
タルク 7.81重量%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1):
【化1】


(式中、nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Q及び
下記式(2):
【化2】


で表されるN−アセチルグルコサミンを含有する組成物。
【請求項2】
皮膚用剤である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
経口剤である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
医薬部外品または化粧品である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
医薬品である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
栄養サプリメントである請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
動物用医薬品である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
ペットフード、飼料または餌料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
ヒアルロン酸産生促進剤である請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。

【公開番号】特開2010−37287(P2010−37287A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203150(P2008−203150)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】