説明

部品位置認識方法および部品供給装置

【課題】ウエハの円周位置を簡易且つ確実に精度良く検出し、ウエハカット部品の位置を高精度に認識することができる部品供給装置および部品位置認識方法を提供すること。
【解決手段】移動装置71で識別部材93又はスポット照明装置80を移動しながら、カメラ39で識別部93a又はスポット光を含むウエハUの画像を取得するようにしている。これにより、識別部93a又はスポット光がウエハUの円周に達したときに識別部93a又はスポット光の一部が隠れるので、ウエハUの円周の位置を簡単且つ確実に検出できる。また、ウエハUの円周により部分的に隠された識別部93a又はスポット光の形状を認識することにより、ウエハUの円周位置をより精度良く検出でき、ウエハカット部品Pの位置を高精度に認識することができる。よって、従来の光センサは不要となり、部品供給装置20の低コスト化および小型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハを部品単位でカットしたウエハカット部品を部品採取ヘッドにより採取するときのウエハカット部品の位置を認識する部品位置認識方法および該部品位置認識方法の実行が可能な部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のウエハカット部品が形成されたウエハは、粘着シートに貼着され、レーザカッタ等により部品単位にカットされる。そして、粘着シートが放射方向に拡大され、複数のウエハカット部品が互いに分離される。この状態のウエハは、部品供給装置に収納され、部品供給位置に供給される。そして、各ウエハカット部品は、ピン部材により突上げられて粘着シートから剥離され、部品採取ヘッドで採取可能な位置に供給される。
【0003】
一般的に、ウエハ内における各ウエハカット部品の位置は、位置データとして提供される。ところが、部品供給装置の部品供給位置は、ウエハが粘着シートと共に拡張されているため、ウエハを部品供給位置に供給した時点ではウエハ自体の位置を精度良く認識することができない。したがって、部品供給位置に供給されたウエハ内における各ウエハカット部品を順次供給するためには、該ウエハの中心位置を求めて各ウエハカット部品の位置を精度良く認識する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、ウエハの面を挟む形で光センサの発光部および受光部を対向配置した位置検出装置が記載されている。この装置は、半透明の粘着シートをウエハと共にウエハの面に平行な方向に移動させる。そして、光センサの受光部の出力を監視し、光センサの発光部の光がウエハに遮光された位置をウエハの円周の位置として検出する。このウエハの円周位置を複数求め、既知の演算方法によりウエハの中心位置を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−12706号公報(段落番号0009、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の位置検出装置では、ウエハの円周位置検出専用の光センサの発光部および受光部を設置する必要があるため、装置がコスト高となり、また設置スペースを確保する必要があるため、装置が大型化する傾向にある。また、光センサは、一般的に発光および受光範囲が狭小であるため、光センサの発光部の光が、分離されたウエハカット部品の間隙に入り込んだ場合はウエハの円周位置を検出することができない。一方、発光および受光範囲を大きくすると、ウエハの円周位置の検出精度が低下する。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエハの円周位置を簡易且つ確実に精度良く検出し、ウエハカット部品の位置を高精度に認識することができる部品供給装置および部品位置認識方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数のウエハカット部品にカットされたウエハ形状を保持した状態のウエハに対し上方から所定領域を撮像するカメラと、該カメラにより撮像可能に前記ウエハに対し下方に配置され、上端に識別部が設けられた識別部材又は上方向にスポット光を照射するスポット照明装置が設けられ、前記ウエハの面に対し平行に前記識別部材又は前記スポット照明装置および前記ウエハを相対移動可能な移動装置とを備え、前記移動装置で前記識別部材又は前記スポット照明装置および前記ウエハを相対移動しながら、前記カメラで前記識別部又は前記スポット光を含む前記ウエハの画像を取得する画像取得工程と、取得した前記識別部又は前記スポット光を含む前記ウエハの画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算する中心位置演算工程と、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品位置演算工程と、を備えることである。
【0009】
請求項2に係る発明は、複数のウエハカット部品にカットされたウエハをウエハ形状を保持した状態でウエハ収納位置から部品供給位置に搬送するウエハ搬送装置と、部品装着位置に搬送された基板に対し上方にて該基板の面に対し平行移動可能、且つ前記部品供給位置に搬送された前記ウエハに対し上方にて該ウエハの面に対し平行移動可能な第1移動装置と、該第1移動装置に取付けられ、前記部品装着位置に搬送された前記基板を上方から所定領域を撮像可能なカメラと、前記第1移動装置に取付けられ、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハの前記ウエハカット部品を吸着ノズルで吸着し、前記部品装着位置で前記基板上に装着する部品採取ヘッドと、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハに対し下方にて該ウエハの面に対し平行移動可能な第2移動装置に装着され、上端面を有するピン部材を昇降装置で昇降させて、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハの前記ウエハカット部品を前記吸着ノズルが吸着するときに前記ピン部材の上端部で下方から突上げる部品突上げ装置と、を備えた部品実装装置に装備される前記部品供給装置であって、前記第1移動装置および前記第2移動装置を移動しながら、前記カメラで前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得する画像取得手段と、取得した前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算する中心位置演算手段と、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品位置演算手段と、を備えることである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の部品供給装置であって、前記第2移動装置に装着され、上方向にスポット光を照射するスポット照明装置を備え、前記画像取得手段は、前記第1移動装置および前記第2移動装置を移動しながら、前記カメラで前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得し、中心位置演算手段は、取得した前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算し、前記部品位置演算手段は、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算することである。
【0011】
請求項4に係る発明は、複数のウエハカット部品にカットされたウエハをウエハ形状を保持した状態で該ウエハの面に対し平行移動可能なウエハ移動装置と、部品装着位置に搬送された基板に対し上方にて該基板の面に対し平行移動可能、且つ前記部品供給位置に搬送された前記ウエハに対し上方にて該ウエハの面に対し平行移動可能な第1移動装置と、該第1移動装置に取付けられ、前記部品装着位置に搬送された前記基板を上方から所定領域を撮像可能なカメラと、前記第1移動装置に取付けられ、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハの前記ウエハカット部品を吸着ノズルで吸着し、前記部品装着位置で前記基板上に装着する部品採取ヘッドと、上端面を有するピン部材を昇降装置で昇降させて、前記ウエハの前記ウエハカット部品を前記吸着ノズルが吸着するときに前記ピン部材の上端部で下方から突上げる部品突上げ装置と、を備えた部品実装装置に装備される前記部品供給装置であって、前記ピン部材を所定の部品突上げ位置に固定すると共に、前記カメラを前記ピン部材の撮像が可能な撮像位置に固定し、前記ウエハ移動装置を移動しながら、前記カメラで前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得する画像取得手段と、取得した前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算する中心位置演算手段と、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品位置演算手段と、を備えることである。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の部品供給装置であって、前記ウエハに対し下方から上方向にスポット光を照射するスポット照明装置を備え、前記画像取得手段は、前記スポット照明装置を所定の光照射位置に固定すると共に、前記カメラを前記スポット照明装置の撮像が可能な撮像位置に固定し、前記ウエハ移動装置を移動しながら、前記カメラで前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得し、前記中心位置演算手段は、取得した前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算し、前記部品位置演算手段は、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算することである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、移動装置で識別部材又はスポット照明装置を移動しながら、カメラで識別部又はスポット光を含むウエハの画像を取得するようにしている。これにより、識別部又はスポット光がウエハの円周に達したときに識別部又はスポット光の一部が隠れるので、ウエハの円周の位置を簡単且つ確実に検出できる。また、ウエハの円周により部分的に隠された識別部又はスポット光の形状を認識することにより、ウエハの円周位置をより精度良く検出でき、ウエハカット部品の位置を高精度に認識することができる。よって、従来の光センサは不要となり、部品供給装置の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、部品装着装置の第1移動装置をウエハに対し上方にて該ウエハの面に対し平行移動可能に構成し、カメラをウエハに対し上方から所定領域を撮像可能に構成している。これにより、部品採取ヘッドをウエハカット部品の採取位置に位置決めするときの位置決め精度を向上させることができる。また、新たなウエハの撮像用カメラおよび該カメラの移動用装置を設ける必要がないので、部品供給装置の低コスト化を図ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、スポット照明装置を既存の部品突上げ装置の第2移動装置に装着するようにしている。これにより、新たなスポット照明装置の移動装置を設ける必要はなく、部品供給装置の低コスト化を図ることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、ウエハを既存のウエハ移動装置を利用して移動するようにしている。これにより、カメラおよびピン部材の移動を同期制御する必要はなく、ウエハ移動装置のみの移動制御となり、プログラミング等の作成が簡易となる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、ウエハを既存のウエハ移動装置を利用して移動するようにしている。これにより、カメラおよびスポット照明装置の移動を同期制御する必要はなく、ウエハ移動装置のみの移動制御となり、プログラミング等の作成が簡易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る部品実装装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の部品実装装置の部品供給装置を示す側面図である。
【図3】(A)は、図2の部品供給装置のウエハ搬送装置を示す平面図、(B)は、図2の部品供給装置の部品突上げ装置およびスポット照明装置を示す平面図である。
【図4】(A)は、部品突上げ装置の昇降装置がステーションに保持された状態を示す図、(B)は、部品突上げ装置の昇降装置がX軸スライドに保持された状態を示す図、(C)は、部品突上げ装置の昇降装置のピン部材がX軸スライドにより突出された状態を示す図である。
【図5】(A)は、スポット照明装置がステーションに保持された状態を示す図、(B)は、スポット照明装置がX軸スライドに保持された状態を示す図、(C)は、スポット照明装置がX軸スライドにより照明オンされた状態を示す図である。
【図6】部品供給装置のスポット照明装置およびウエハ撮像装置による複数のウエハカット部品の位置の認識動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】(A)は、ウエハ撮像装置で撮像した移動中のスポット光およびウエハの円周の一部の画像を示す図、(B)は、ウエハ撮像装置で撮像したスポット光の一部がウエハに隠れるときの画像を示す図、(C)は、スポット光の一部がウエハに隠れるときの画像からウエハの中心位置を求める方法を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態の部品供給装置を図2に対応させて示す側面図である。
【図9】第2の実施形態の部品供給装置のスポット照明装置およびウエハ撮像装置による複数のウエハカット部品の位置の認識動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態の部品供給装置を備えた部品実装装置を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、基板の搬送方向をX軸方向と称し、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称し、X軸方向とY軸方向とに直角な方向をZ軸方向と称する。図1に示すように、部品実装装置10は、部品供給装置20および部品装着装置30を備えて構成される。部品実装装置10は、X軸方向に複数台直列に配置され基板搬送装置100により連結される。
【0020】
図1〜3に示すように、部品供給装置20は、ウエハマガジン50と、ウエハ搬送装置60と、部品突上げ装置70と、スポット照明装置80と、ウエハ撮像装置(本例では、部品装着装置30のXYロボット31(本発明の「第1移動装置」に相当する)および基板認識用カメラ39(本発明の「カメラ」に相当する)が兼用している)とを備えて構成される。
【0021】
ウエハマガジン50には、ハウジング51内で昇降可能なウエハストッカ52が設けられている。ウエハストッカ52には、複数枚のパレット53が一枚ずつ抜き差し可能に段積みされて収納される。パレット53には、ウエハカット部品Pをウエハ形状を保持した状態で保持するエキスパンド台54が載置される。エキスパンド台54は、ウエハUの直径より大径の内径および外径を有するリング状に形成されている。エキスパンド台54においては、ウエハUを貼着した半透明もしくは透明の粘着シートSが放射方向に拡大され、複数のウエハカット部品Pが互いに分離された状態で保持される。
【0022】
ハウジング51上部には、新しいウエハUを保持したエキスパンド台54を搬入するエキスパンド台搬入装置55が設けられ、ハウジング51下部には、空になったエキスパンド台54を排出するエキスパンド台排出装置56が設けられている。また、基板搬送装置100側となるハウジング51前部には、ウエハUを保持したエキスパンド台54をウエハストッカ52と部品供給位置Aとの間で搬送するウエハ搬送装置60が設けられている。
【0023】
ウエハ搬送装置60には、ウエハUを保持したエキスパンド台54を固定するウエハテーブル61が備えられている。ウエハテーブル61は、基台11上に設けられたY軸方向に延びる一対のガイドレール62に沿って、サーボモータ63の出力軸に連結されたボールねじ64を有するボールねじ機構によって移動可能に支持されている。ウエハテーブル61には、ウエハストッカ52に対しエキスパンド台54を引出しおよび差入れ可能な図略のフックを有するエキスパンド台移動装置が設けられている。また、ウエハテーブル61には、エキスパンド台54の外径よりも若干小径の貫通穴61aが穿設されている。また、基台11の上面における部品供給位置Aには、ウエハテーブル61の貫通穴61aと連通可能な開口部11aが設けられている。ウエハテーブル61の貫通穴61aおよび基台11の開口部11aは、後述するウエハカット部品Pに対する昇降装置90のピン部材93による下方からの突上げおよびスポット照明装置80による下方からのスポット光の照射を行うために設けられている。
【0024】
部品突上げ装置70は、XYロボット71(本発明の「第2移動装置」に相当する)からなり、XYロボット71は、基台11内におけるウエハ搬送装置60の下方に配設され、ガイドレール72に沿ってY軸方向に移動可能なY軸スライド73を備えている。Y軸スライド73は、Y軸サーボモータ74の出力軸に連結されたボールねじ75を有するボールねじ機構によってY軸方向に移動される。Y軸スライド73には、X軸スライド76がY軸方向と直交するX軸方向に移動可能に案内されている。Y軸スライド73にはX軸サーボモータ77が設置され、このX軸サーボモータ77の出力軸に回転連結されY軸スライド73に回転可能に軸承されたボールねじ78がX軸スライド75に固定されたボールナット79と螺合することによってX軸スライド76がX軸方向に移動される。
【0025】
X軸スライド76には、一対の爪部材76a,76bがZ軸方向に所定幅をあけてY軸方向に突設されている。上側の爪部材76aは固定され、下側の爪部材76bはX軸スライド76に内蔵された図略のサーボモータによりZ軸方向に移動可能に構成されている。これにより、一対の爪部材76a,76bは、ピン部材93を昇降させる昇降装置90およびウエハUを下方から照明するスポット照明装置80をそれぞれ挟持可能となっている。
【0026】
図4に示すように、昇降装置90は、本体91と、一対の爪部材92a,92bと、上端面93a(本発明の「識別部」に相当する)を有するピン部材93(本発明の「識別部材」に相当する)と、バネ部材94等とを備えて構成される。詳細は後述するが、ピン部材93の上端面93aは、ウエハUの円周位置を検出する際に利用される。よって、ピン部材93の上端面93aは、ウエハUの円周位置を確実に検出することができるように、分離されたウエハカット部品Pの間隙に入り込まないように該間隙よりも大きいサイズに形成されている。なお、本体91の上端面にマークを付加し、このマークを上述の識別部とするように構成してもよい。
【0027】
本体91は、両端面が閉塞された中空円筒状に形成され、本体91の周面には、後述するステーション110に着脱可能に装着するための装着穴部91aが穿設されている。一対の爪部材92a,92bは、X軸スライド76の一対の爪部材76a,76bにより挟持可能なように、本体91の周面にZ軸方向に所定幅をあけてY軸方向に突設されている。上側の爪部材92aは固定され、下側の爪部材92bはZ軸方向に移動可能に構成されている。ピン部材93は、上端部でエキスパンド台54に保持されたウエハカット部品Pを下方から突上げて粘着シートSから剥離するためのものである。このピン部材93は、本体91に内蔵され、ピン部材93の下端部は爪部材92bに固定され、ピン部材93の上端部は本体91の上端面に穿孔されているピン穴91bから突出可能に配置されている。バネ部材94は、圧縮コイルスプリングであり、ピン部材93に挿通されている。
【0028】
昇降装置90は、ステーション110に保持された状態(図4(A)参照)から、一対の爪部材92a,92bがX軸スライド76の一対の爪部材76a,76bに挟持されて引張られることにより、ステーション110から離脱する(図4(B)参照)。そして、X軸スライド76の爪部材76bがZ軸方向上向きに移動すると、爪部材92bがZ軸方向上向きに移動するので、ピン部材93はピン穴91bから突出する(図4(C)参照)。そして、X軸スライド76の爪部材76bがZ軸方向下向きに移動すると、バネ部材94の伸長により爪部材92bがZ軸方向下向きに移動するので、ピン部材93はピン穴91bに引込む。
【0029】
図5に示すように、スポット照明装置80は、本体81と、一対の爪部材82a,82bと、スポット光の照射が可能なランプ83と、充電池84と、バネ部材85等とを備えて構成される。詳細は後述するが、スポット光は、ウエハUの円周位置を検出する際に利用される。よって、スポット光は、ウエハUの円周位置を確実に検出することができるように、分離されたウエハカット部品Pの間隙に入り込まないように該間隙よりも大きいサイズの光を照射可能となっている。
【0030】
本体81は、両端面が閉塞された中空円筒状に形成され、本体81の周面には、ステーション110に着脱可能に装着するための装着穴部81aが穿設されている。この装着穴部81aには、ステーション110に装着したときに充電池84に充電可能なように、図略の充電端子が設けられている。一対の爪部材82a,82bは、X軸スライド76の一対の爪部材76a,76bにより挟持可能なように、本体81の周面にZ軸方向に所定幅をあけてY軸方向に突設されている。上側の爪部材82aは固定され、下側の爪部材82bはZ軸方向に移動可能に構成されている。ランプ83は、Z軸方向上向きにスポット光を照射可能なように本体81の上端部に設けられている。充電池84は、本体81に内蔵され図略のスイッチを介してランプ83に電気的に接続されている。バネ部材85は、引張コイルスプリングであり、一端が爪部材82bに係止され、他端が本体81の内側底部に係止されている。
【0031】
スポット照明装置80は、ステーション110に保持された状態(図5(A)参照)から、一対の爪部材82a,82bがX軸スライド76の一対の爪部材76a,76bに挟持されて引張られることにより、ステーション110から離脱する(図5(B)参照)。そして、X軸スライド76の爪部材76bがZ軸方向上向きに移動すると、爪部材92bがZ軸方向上向きに移動してスイッチをオフからオンに切替えてランプ83を点灯させる(図5(C)参照)。そして、X軸スライド76の爪部材76bがZ軸方向下向きに移動すると、バネ部材85の収縮により爪部材82bがZ軸方向下向きに移動するので、スイッチをオンからオフに切替えてランプ83を消灯させる。
【0032】
図3に示すように、ステーション110は、XYロボット71に並設されており、複数種類のウエハカット部品Pにそれぞれ対応した複数個(本例では、6個)の昇降装置90および1個のスポット照明装置80を着脱可能に構成されている。すなわち、ステーション110のX軸スライド76側の側部には、円柱状の昇降装置90およびスポット照明装置80が収納可能な半円柱状の収納部111が設けられている。そして、各収納部111の内周面には、昇降装置90の装着穴部91aおよびスポット照明装置80の装着穴部81aに嵌合可能な突設部112が突設されている。各突設部112のうち、1つの突設部112には、スポット照明装置80の充電端子に電気的に接続可能な図略の充電端子が設けられている。
【0033】
この部品供給装置20では、先ず、ウエハマガジン50へのウエハUの収納が行われる。すなわち、ウエハカット部品Pをウエハ形状を保持した状態で保持しているエキスパンド台54がパレット53に載置されてエキスパンド台搬入装置55に搬入されると、ウエハストッカ52が上昇しエキスパンド台54がパレット53と共にウエハストッカ52の最上段である一時収納段に移載される。そして、ウエハストッカ52が下降しパレット53がウエハテーブル61の高さに位置決めされ、エキスパンド台移動装置によりエキスパンド台54がウエハストッカ52の一時収納段のパレット53上からウエハテーブル61上に引出される。
【0034】
そして、ウエハストッカ52が上昇し所定の収納段のパレット53がウエハテーブル61の高さに位置決めされ、エキスパンド台移動装置によりエキスパンド台54がウエハテーブル61上からウエハストッカ52の所定の収納段のパレット53上に差入れられる。以下、同様にしてウエハストッカ52の各収納段にはウエハカット部品Pをウエハ形状を保持した状態で保持しているエキスパンド台54がパレット53と共に収納される。
【0035】
次に、ウエハ搬送装置60によるウエハUの搬送、スポット照明装置80およびウエハ撮像装置31,39による複数のウエハカット部品Pの位置の認識、並びに部品突上げ装置70によるウエハカット部品Pの供給が行われる。すなわち、ウエハテーブル61がウエハマガジン50に近接した位置に移動され位置決めされる。ウエハストッカ52が上昇もしくは下降し、実装されるウエハカット部品Pを保持したエキスパンド台54が載置されたパレット53がウエハテーブル61の高さに位置決めされる。そして、エキスパンド台移動装置により当該エキスパンド台54がパレット53上からウエハテーブル61上に引出される。その後、ウエハテーブル61が部品供給位置Aに移動され位置決めされる。
【0036】
次に、複数のウエハカット部品Pの位置の認識が行われるが、詳細は後述する。そして、昇降装置90が実装すべきウエハカット部品Pに移動され位置決めされ、ピン部材93がZ軸方向上向きに突出される。これにより、ウエハカット部品Pは、Z軸方向上向きに突上げられて粘着シートSから剥離され、部品装着装置30の部品採取ヘッド38により採取可能な位置に供給される。
【0037】
図1に示すように、部品装着装置30は、XYロボット31からなり、XYロボット31は、基台11上に装架されて基板搬送装置100および部品供給装置20の上方に配設され、ガイドレール32に沿ってY軸方向に移動可能なY軸スライド33を備えている。Y軸スライド33は、Y軸サーボモータ34の出力軸に連結されたボールねじ35を有するボールねじ機構によってY軸方向に移動される。Y軸スライド33には、X軸スライド36がY軸方向と直交するX軸方向に移動可能に案内されている。Y軸スライド33にはX軸サーボモータ37が設置され、このX軸サーボモータ37の出力軸に回転連結されY軸スライド33に回転可能に軸承された図略のボールねじがX軸スライド36に固定された図略のボールナットと螺合することによってX軸スライド36がX軸方向に移動される。
【0038】
X軸スライド36上には、部品採取ヘッド38および基板認識用カメラ39が設けられている。部品採取ヘッド38には、ウエハカット部品Pを吸着する吸着ノズル41を着脱可能に保持するZ軸方向に移動可能なノズルホルダ42が設けられている。基板認識用カメラ39は、基板Bを撮像して基板Bに付された基板マーク等を認識すると共に、スポット照明装置80のスポット光およびウエハUの円周の一部又はピン部材93の上端面93aおよびウエハUの円周の一部を撮像してウエハカット部品Pの位置を認識する。また、基台11上には、部品認識用カメラ43が固定されている。なお、複数本の吸着ノズル41を備えた所謂ロータリタイプの部品採取ヘッド38の構成としてもよい。
【0039】
この部品装着装置30では、部品実装位置に位置決めされた基板B上に設けられた基板マークが、基板認識用カメラ39により検出される。そして、この基板マークの位置に基づいて部品採取ヘッド38がXY方向に位置補正される。また、吸着ノズル41に吸着されたウエハカット部品Pは、部品認識用カメラ43により部品供給装置20の部品供給位置Aから基板B上の所定位置に移動する途中で撮像され、吸着ノズル41の中心に対するウエハカット部品Pの芯ずれ等が検出される。そして、この芯ずれ等に基づいて部品採取ヘッド38のXY方向等の移動量が補正さる。これにより、ウエハカット部品Pは基板B上の定められた座標位置に正確に装着される。
【0040】
図1に示すように、基板搬送装置100は、基台11上に図略の一対のガイドレールを互いに平行に対向させてそれぞれ水平に並設し、一対のガイドレールにより案内される基板Bを支持して搬送する図略の一対のコンベアベルトを互いに対向させて並設して構成されている。また、基板搬送装置100には、部品実装位置に搬送された基板Bを持ち上げてクランプする図略のクランプ装置が設けられている。
【0041】
この基板搬送装置100では、ウエハカット部品Pを実装する基板Bは、ガイドレールにより案内されつつコンベアベルトによりX軸方向に部品実装位置まで搬送される。部品実装位置に搬送された基板Bは、クランプ装置によって部品装着位置に位置決めクランプされる。
【0042】
次に、部品供給装置20のスポット照明装置80およびウエハ撮像装置31,39による複数のウエハカット部品Pの位置の認識動作について図6のフローチャートを参照して説明する。なお、ウエハテーブル61には、実装されるウエハカット部品Pを保持したエキスパンド台54が載置されたパレット53が固定されているものとする。
【0043】
部品実装装置10を動作制御する制御装置は、ウエハテーブル61を移動して部品供給位置Aに位置決めする(ステップS1,2)。そして、スポット照明装置80を点灯し(ステップS3)、基板認識用カメラ39を移動してスポット照明装置80のスポット光を撮像することが可能な位置に位置決めする(ステップS4,5)。
【0044】
制御装置は、スポット照明装置80および基板認識用カメラ39を同期させてウエハUに向けて移動させつつ(ステップS6)、基板認識用カメラ39でスポット照明装置80のスポット光を含む画像を連続で撮像する(ステップS7、本発明の「画像取得工程」、「画像取得手段」に相当する)。そして、スポット光の一部がウエハUに隠れて遮光されたときの画像を抽出する(ステップS8)。そして、抽出画像を3個取得したか否かを判断し(ステップS9)、抽出画像を3個取得していないときはステップS6に戻って上述の処理を実行する。
【0045】
一方、抽出画像を3個取得したときは、3個の抽出画像に基づいて、既存の方法によりウエハUの中心位置を演算する(ステップS10、本発明の「中心位置演算工程」、「中心位置演算手段」に相当する)。そして、求めたウエハUの中心位置に基づいて、各ウエハカット部品Pの位置を演算する(ステップS11、本発明の「部品位置演算工程」、「部品位置演算手段」に相当する)。なお、抽出画像は少なくとも3個取得すればよいが、4個以上取得することによりウエハUの中心位置の精度を高めることができる。
【0046】
具体的には、図7に示すように、移動中のスポット光SLの画像Gを連続で取得することを3回繰り返し、スポット光SLの一部がウエハUに隠れて遮光されたときの画像G1,G2,G3を抽出する。そして、3個の抽出画像G1,G2,G3に写っている各スポット光SLの例えば外縁とウエハ外周との交点位置を、ウエハUの円周上の3点Q1,Q2,Q3の位置を示しているものとして、3点Q1,Q2,Q3の基板認識用カメラ39の機械座標系における座標位置Q1(x1,y1),Q2(x2,y2),Q3(x3,y3)を求める。そして、3個の抽出画像G1,G2,G3をウエハUの形状に合成し、点Q1(x1,y1)と点Q2(x2,y2)を結ぶ線分L1を2等分する点Q4を通り、線分L1に直角な直線LL1を求める。さらに、点Q2(x2,y2)とQ3(x3,y3)を結ぶ線分L2を2等分する点Q5を通り、線分L2に直角な直線LL2を求める。そして、直線LL1と直線LL2の交点CをウエハUの中心位置C(xc,yc)として求める。
【0047】
次に、基板認識用カメラ39の機械座標系と部品突上げ装置70の機械座標系とは、予め関連付けられているので、基板認識用カメラ39の機械座標系におけるウエハUの中心位置C(xc,yc)を、部品突上げ装置70の機械座標系におけるウエハUの中心位置Co(xco,yco)に変換する。そして、ウエハU内における各ウエハカット部品Pの位置は、位置データとして提供されているので、ウエハUの中心位置Co(xco,yco)から各ウエハカット部品Pの部品突上げ装置70の機械座標系における位置を求める。以上により、部品突上げ装置70の昇降装置90のピン部材93を、所定のウエハカット部品Pに高精度且つ確実に位置決めすることができる。
【0048】
以上のように、本実施形態の部品供給装置20によれば、部品突上げ装置70のXYロボット71で昇降装置90のピン部材93又はスポット照明装置80を移動しながら、基板認識用カメラ39でピン部材93の上端面93a又はスポット照明装置80のスポット光を含むウエハUの画像を取得するようにしている。これにより、ピン部材93の上端面93a又はスポット照明装置80のスポット光がウエハUの円周に達したときにピン部材93の上端面93a又はスポット照明装置80のスポット光の一部が隠れるので、ウエハUの円周の位置を簡単且つ確実に検出できる。また、ウエハUの円周により部分的に隠されたピン部材93の上端面93a又はスポット照明装置80のスポット光の形状を認識することにより、ウエハUの円周位置をより精度良く検出でき、ウエハカット部品Pの位置を高精度に認識することができる。よって、従来の光センサは不要となり、部品供給装置20の低コスト化および小型化を図ることができる。また、既存の部品装着装置30に備えられている基板認識用カメラ39をウエハUの撮像用カメラとして利用し、XYロボット31をウエハUの撮像用カメラの移動用装置として利用している。これにより、部品採取ヘッド38をウエハカット部品Pの採取位置に位置決めするときの位置決め精度を向上させることができる。また、新たなウエハUの撮像用カメラおよび該カメラの移動用装置を設ける必要はなく、さらに、スポット照明装置80を既存の部品突上げ装置70のXYロボット71に装着しているので新たなスポット照明装置80の移動装置を設ける必要はなく、部品供給装置20の低コスト化を図ることができる。また、スポット光の形状を認識すること、または、スポット光とウエハUとの重なり具合を認識することで、より精度良くウエハUの円周位置認識を行うことができる。
【0049】
上述した実施形態では、スポット照明装置80のスポット光を撮像してウエハUの中心位置を演算する構成としたが、昇降装置90のピン部材93の上端面93aもしくは上端面93aに形成されたマーク等を撮像してウエハUの中心位置を演算する構成としてもよい。これにより、既存のピン部材93を識別部材として利用することができるので、新たな識別部材やスポット照明装置80を設ける必要はなく、部品供給装置20の低コスト化を図ることができる。特に、ピン部材93とスポット照明装置80との交換が不要となり、ウエハカット部品Pの位置を認識した後に直にピン部材93によりウエハカット部品Pを突上げて供給することができる。よって、部品実装時間を短縮させることができる。また、スポット照明装置80は、昇降装置90とXYロボット71に交換配置する構成に限定されるものではなく、XYロボット71に固定配置する構成としてもよい。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態の部品供給装置を図面に基づいて説明する。この部品供給装置120は、ウエハ搬送装置60に代えてウエハ移動装置160を備えている点で第1の実施の形態の部品供給装置20と異なる構成となっている。すなわち、図8に示すように、基板搬送装置100側となるハウジング51前部には、ウエハUを保持したエキスパンド台54をY軸方向およびX軸方向に移動するウエハ移動装置160が設けられている。
【0051】
ウエハ移動装置160には、ウエハUを保持したエキスパンド台54を固定する第1ウエハテーブル1611および第1ウエハテーブル1611が移動可能に載置される第2ウエハテーブル1612が備えられている。第1ウエハテーブル1611は、第2ウエハテーブル1612上に設けられたX軸方向に延びる一対のガイドレール1621に沿って、サーボモータ1631の出力軸に連結されたボールねじ1641を有するボールねじ機構によって移動可能に支持されている。第1ウエハテーブル1611には、ウエハストッカ52に対しエキスパンド台54を引出しおよび差入れ可能な図略のフックを有するエキスパンド台移動装置が設けられている。
【0052】
第2ウエハテーブル1612は、基台11上に設けられたY軸方向に延びる一対のガイドレール1622に沿って、サーボモータ1632の出力軸に連結されたボールねじ1642を有するボールねじ機構によって移動可能に支持されている。また、第1、第2ウエハテーブル1611,1612には、エキスパンド台54の外径よりも若干小径の貫通穴1611a,1612aが穿設されている。また、基台11の上面における部品供給位置Aには、第1、第2ウエハテーブル1611,1612の貫通穴1611a,1612aと連通可能な開口部11aが設けられている。第1、第2ウエハテーブル1611,1612の貫通穴1611a,1612aおよび基台11の開口部11aは、ウエハカット部品Pに対する昇降装置90のピン部材93による下方からの突上げおよびスポット照明装置80による下方からのスポット光の照射を行うために設けられている。
【0053】
次に、部品供給装置120のスポット照明装置80およびウエハ撮像装置31,39による複数のウエハカット部品Pの位置の認識動作について図9のフローチャートを参照して説明する。なお、第1ウエハテーブル1611には、実装されるウエハカット部品Pを保持したエキスパンド台54が載置されたパレット53が固定されているものとする。
【0054】
部品実装装置10を動作制御する制御装置は、スポット照明装置80を移動して例えば基台11の中央の光照射位置に位置決め固定し(ステップS11,12)、スポット照明装置80を点灯する(ステップS13)。そして、基板認識用カメラ39を移動してスポット照明装置80のスポット光を撮像することが可能な撮像位置に位置決め固定する(ステップS14,15)。
【0055】
制御装置は、第1ウエハテーブル1611および第2ウエハテーブル1612を動作制御してウエハUをスポット照明装置80のスポット光の光軸に向けて移動させつつ(ステップS16)、基板認識用カメラ39でスポット照明装置80のスポット光を含む画像を連続で撮像する(ステップS17、本発明の「画像取得工程」、「画像取得手段」に相当する)。そして、スポット光の一部がウエハUに隠れて遮光されたときの画像を抽出する(ステップS18)。そして、抽出画像を3個取得したか否かを判断し(ステップS19)、抽出画像を3個取得していないときはステップS16に戻って上述の処理を実行する。
【0056】
一方、抽出画像を3個取得したときは、3個の抽出画像に基づいて、既存の方法によりウエハUの中心位置を演算する(ステップS20、本発明の「中心位置演算工程」、「中心位置演算手段」に相当する)。そして、求めたウエハUの中心位置に基づいて、各ウエハカット部品Pの位置を演算する(ステップS21、本発明の「部品位置演算工程」、「部品位置演算手段」に相当する)。具体的には、図7を参照して説明した方法と同一である。以上により、部品突上げ装置70の昇降装置90のピン部材93を、所定のウエハカット部品Pに高精度且つ確実に位置決めすることができる。
【0057】
以上のように、本実施形態の部品供給装置120によれば、基板認識用カメラ39およびスポット照明装置80の移動を同期制御する必要はなく、ウエハ移動装置160のみの移動制御となり、プログラミング等の作成が簡易となる。
【0058】
上述した第2の実施形態では、スポット照明装置80のスポット光を撮像してウエハUの中心位置を演算する構成としたが、昇降装置90のピン部材93の上端面93aを撮像してウエハUの中心位置を演算する構成としてもよい。これにより、基板認識用カメラ39および昇降装置90の移動を同期制御する必要はなく、ウエハ移動装置160のみの移動制御となり、プログラミング等の作成が簡易となる。また、スポット照明装置80および昇降装置90は、XYロボット71により移動可能な構成として所定の部品突上げ位置および光照射位置に固定するようにしたが、XYロボット71を備えずに所定の部品突上げ位置および光照射位置に固定する構成としてもよい。
【0059】
なお、上述の各実施形態では、基板認識用カメラ39は、スポット光もしくはピン部材93の上端面93aを連続で撮像可能なカメラとしたが、動画を撮像可能なカメラであってもよい。また、ウエハ撮像装置として、部品装着装置30のXYロボット31および基板認識用カメラ39を兼用する構成としたが、部品装着装置30とは別に新たなウエハ撮像装置を設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10・・・部品実装装置、20・・・部品供給装置、30・・・部品装着装置、31・・・XYロボット、39・・・基板認識用カメラ、50・・・ウエハマガジン、60・・・ウエハ搬送装置、70・・・部品突上げ装置、71・・・XYロボット、80・・・スポット照明装置、90・・・昇降装置、93・・・ピン部材、93a・・・ピン部材の上端面、100・・・基板搬送装置、110・・・ステーション、160・・・ウエハ移動装置、U・・・ウエハ、P・・・ウエハカット部品、B・・・基板、S・・・粘着シート、SL・・・スポット光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウエハカット部品にカットされたウエハ形状を保持した状態のウエハに対し上方から所定領域を撮像するカメラと、該カメラにより撮像可能に前記ウエハに対し下方に配置され、上端に識別部が設けられた識別部材又は上方向にスポット光を照射するスポット照明装置が設けられ、前記ウエハの面に対し平行に前記識別部材又は前記スポット照明装置および前記ウエハを相対移動可能な移動装置とを備え、
前記移動装置で前記識別部材又は前記スポット照明装置および前記ウエハを相対移動しながら、前記カメラで前記識別部又は前記スポット光を含む前記ウエハの画像を取得する画像取得工程と、
取得した前記識別部又は前記スポット光を含む前記ウエハの画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算する中心位置演算工程と、
求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品位置演算工程と、を備える部品位置認識方法。
【請求項2】
複数のウエハカット部品にカットされたウエハをウエハ形状を保持した状態でウエハ収納位置から部品供給位置に搬送するウエハ搬送装置と、部品装着位置に搬送された基板に対し上方にて該基板の面に対し平行移動可能、且つ前記部品供給位置に搬送された前記ウエハに対し上方にて該ウエハの面に対し平行移動可能な第1移動装置と、該第1移動装置に取付けられ、前記部品装着位置に搬送された前記基板を上方から所定領域を撮像可能なカメラと、前記第1移動装置に取付けられ、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハの前記ウエハカット部品を吸着ノズルで吸着し、前記部品装着位置で前記基板上に装着する部品採取ヘッドと、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハに対し下方にて該ウエハの面に対し平行移動可能な第2移動装置に装着され、上端面を有するピン部材を昇降装置で昇降させて、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハの前記ウエハカット部品を前記吸着ノズルが吸着するときに前記ピン部材の上端部で下方から突上げる部品突上げ装置と、を備えた部品実装装置に装備される前記部品供給装置であって、
前記第1移動装置および前記第2移動装置を移動しながら、前記カメラで前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得する画像取得手段と、
取得した前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算する中心位置演算手段と、
求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品位置演算手段と、を備える部品供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載の部品供給装置であって、
前記第2移動装置に装着され、上方向にスポット光を照射するスポット照明装置を備え、
前記画像取得手段は、前記第1移動装置および前記第2移動装置を移動しながら、前記カメラで前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得し、
中心位置演算手段は、取得した前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算し、
前記部品位置演算手段は、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品供給装置。
【請求項4】
複数のウエハカット部品にカットされたウエハをウエハ形状を保持した状態で該ウエハの面に対し平行移動可能なウエハ移動装置と、部品装着位置に搬送された基板に対し上方にて該基板の面に対し平行移動可能、且つ前記部品供給位置に搬送された前記ウエハに対し上方にて該ウエハの面に対し平行移動可能な第1移動装置と、該第1移動装置に取付けられ、前記部品装着位置に搬送された前記基板を上方から所定領域を撮像可能なカメラと、前記第1移動装置に取付けられ、前記部品供給位置に搬送された前記ウエハの前記ウエハカット部品を吸着ノズルで吸着し、前記部品装着位置で前記基板上に装着する部品採取ヘッドと、上端面を有するピン部材を昇降装置で昇降させて、前記ウエハの前記ウエハカット部品を前記吸着ノズルが吸着するときに前記ピン部材の上端部で下方から突上げる部品突上げ装置と、を備えた部品実装装置に装備される前記部品供給装置であって、
前記ピン部材を所定の部品突上げ位置に固定すると共に、前記カメラを前記ピン部材の撮像が可能な撮像位置に固定し、前記ウエハ移動装置を移動しながら、前記カメラで前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得する画像取得手段と、
取得した前記ピン部材の上端部を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算する中心位置演算手段と、
求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品位置演算手段と、を備える部品供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載の部品供給装置であって、
前記ウエハに対し下方から上方向にスポット光を照射するスポット照明装置を備え、
前記画像取得手段は、前記スポット照明装置を所定の光照射位置に固定すると共に、前記カメラを前記スポット照明装置の撮像が可能な撮像位置に固定し、前記ウエハ移動装置を移動しながら、前記カメラで前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像を取得し、
前記中心位置演算手段は、取得した前記スポット光を含む前記ウエハの少なくとも3個の画像に基づいて、前記ウエハの中心位置を演算し、
前記部品位置演算手段は、求めた前記ウエハの中心位置に基づいて、前記複数のウエハカット部品の各位置を演算する部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−115239(P2013−115239A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260144(P2011−260144)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】