部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法
【課題】 搬送体を自動的に回収レールに移行させるに好適な部品供給装置を提供する。
【解決手段】 部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レール３と、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レール４と、で搬送体６が走行可能なガイドレールを構成し、部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構８を備えた搬送体６を供給レール３から回収レール４に移載する搬送体移載手段５と、前記供給レール３の部品受取側に配置されて先頭の搬送体６および後続する搬送体６を停止させると共に先頭の搬送体６が前記搬送体移載手段５に移載される毎に後続の搬送体６を先頭の搬送体６として停止させる停止手段９と、を備えるようにした。
【解決手段】 部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レール３と、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レール４と、で搬送体６が走行可能なガイドレールを構成し、部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構８を備えた搬送体６を供給レール３から回収レール４に移載する搬送体移載手段５と、前記供給レール３の部品受取側に配置されて先頭の搬送体６および後続する搬送体６を停止させると共に先頭の搬送体６が前記搬送体移載手段５に移載される毎に後続の搬送体６を先頭の搬送体６として停止させる停止手段９と、を備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、組立ラインにおける部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から自動車等の組立ラインに部品を順次供給する場合に、部品供給側から部品受取側に向かって下降傾斜した供給側ガイドレールに沿って部品を保持させた状態の搬送体と共に供給し、部品受取側から部品供給側に向かって下降傾斜した回収側ガイドレールに沿って空となった搬送体を回収する部品供給装置が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
これは、部品供給側が部品受取側より高くなるように傾斜した往路レール部と部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜し復路レール部と、これらを連結する第１連結部、第２連結部とからなるループ状のガイドレールとし、搬送体は往路レール部では部品受取側に自重による移動により部品を供給し、部品が外された搬送体は第２連結部に沿って作業者により持上げられて復路レール部に移動され、復路レール部に沿って部品供給側に回収されるようにしている。
【特許文献１】特開２００３−２０１０５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記従来例では、部品受取側で部品を取り外した後の搬送体を第２連結部に沿って持上げ、復路レール部に流し込むようにしているため、搬送すべき部品が大型で大重量の部品である場合には必然的に搬送体も強度の大きい重量物となり、作業者の作業負荷が大きくなる不具合が予想される。
【０００５】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、搬送体を自動的に回収レールに移行させるに好適な部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、部品供給側と部品受取側とをガイドレールで結ぶと共に、そのガイドレールに部品保持機構を備えた搬送体を走行可能に設けた部品供給装置であり、前記ガイドレールは、部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レールと、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レールと、で構成し、部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段と、前記供給レールの部品受取側に配置されて先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が前記搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させる停止手段と、を備えるようにした。
【０００７】
また、部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で供給される部品を収容可能であり、前記回収レールには供給部品を外した搬送体を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションに配置される部品供給装置と、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品積込ステーションにおいて組立ラインの部品供給ステーションに供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには組立ラインの部品供給ステーションから供給部品が外された搬送体を収容可能である部品供給台車と、からなる部品供給システムであり、前記部品供給装置の部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を設け、部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収するようにした。
【発明の効果】
【０００８】
したがって、本発明では、部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を備えるため、従来例のような作業者による搬送体の回収レールへの持上げ作業を廃止して、作業者の作業負荷を軽減することができる。
【０００９】
また、部品供給装置の部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を設け、部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収するようにしたため、部品供給台車を経由させて部品供給装置への供給部品の流れが、供給レール同士のドッキングにより効率的に行うことができ、部品を保持する搬送体は、搬送体移載装置により部品供給装置の供給レールから回収レールに連続して回収され、部品供給装置から部品供給台車へと夫々の回収レールを経由させて効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明の部品供給装置および部品供給方法を各実施形態に基づいて説明する。
【００１１】
（第１実施形態）
図１〜図１０は、本発明を適用した部品供給装置の第１実施形態を示し、図１は部品供給装置の側面図、図２は供給レールおよび搬送体を示す正面図、図３は一個送り装置の構成および動作を示す側面図、図４は回収レールおよび搬送体の正面図、図５は搬送体移載手段の側面図、図６は搬送体移載手段の動作状態を示す側面図、図７は搬送体移載手段の移載動作を示す説明図、図８および図９は搬送体の供給レールから移載手段および移載手段から回収レールへの移載状況を説明する説明図、図１０は供給レール若しくは回収レールと搬送体の別の形式を説明する説明図である。
【００１２】
図１において、部品供給装置１は、矩形に形成した上部枠体２Ａと下部枠体２Ｂとの四隅を夫々支柱２Ｃにより結合して、下部枠体２Ｂをアジャスタ２Ｄを介して作業フロアに固定し、組立ラインの作業ステージに対面させた一方側（図中左側）を部品受取側とし、他方（図中右側）を部品供給側とした支持フレーム２と、その支持フレーム２の左右の支柱２Ｃに取付けられ、部品供給側から部品受取側に向けて下方に傾斜させて配置した一対の供給レール３と、支持フレーム２の上部枠体２Ａの上部に取付けられ、部品受取側から部品供給側に向けて下方に傾斜させて配置した一対の回収レール４と、供給レール３および回収レール４の部品受取側の端部同士の間に配置された搬送体移載手段５とを備える。
【００１３】
前記一対の供給レール３は、図２に示すように、下方にスリット３Ａによる連続した開口を備えたＣ型チャンネル部材で形成され、断面が、例えば、角形をなした金属製で構成している。供給レール３内には、前記スリット３Ａを貫通させて供給レール３内に挿入したスライダ７の本体７Ａが配置されている。スライダ７は、その本体７Ａの両側に本体７Ａを貫通させて両側に突出させた複数（図では２本）の軸７Ｂを備え、各軸７Ｂの突出部には夫々ローラ７Ｃが回転可能に支持され、各ローラ７Ｃは前記供給レール３の上下のいずれかの内面に対して転動可能である。
【００１４】
したがって、スライダ７は前記ローラ７Ｃにより供給レール３内を部品供給側から傾斜方向下方の部品受取側に向かって自重で走行移動可能である。前記スライダ７の本体７Ａは、左右一対の供給レール３に夫々配置されて、供給レール３のスリット３Ａから突出した部分同士をハンガ８の棒状部材８Ａにより連結して左右のスライダ本体７Ａはその一対が一体化されている。前記ハンガ８の棒状部材８Ａとスライダ本体７Ａとは、本体７Ａに設けた穴にハンガ８の棒状部材８Ａを貫通させて、互いに相対回転が自在に連結されている。前記ハンガ８には、部品を保持可能な複数のフック８Ｂが揺動自在に取付けて備える。前記一対のスライダ７およびハンガ８は搬送体６を構成している。
【００１５】
前記一対の供給レール３の部品受取側の端部間には、前記搬送体６の棒状部材８Ａに係合して搬送体６の供給レール３からの抜け出しを阻止し、作業者の操作に応じて先頭に位置する搬送体６を供給レール３から送出す一個送り装置９が配置されている。
【００１６】
前記一個送り装置９は、図３（Ａ）に示すように、前記供給レール３間にあって支持フレーム２に設けた左右方向の軸９Ａに対して揺動可能に配置されたレバー９Ｂを備え、レバー９Ｂの両端には下方に向かって伸びる第１および第２の爪９Ｃ、９Ｄを夫々配置し、これら第１、２の爪９Ｃ、９Ｄを前記搬送体６のハンガ８の棒状部材８Ａに係合させるようにしている。部品受取側の第１の爪９Ｃは、他方の第２の爪９Ｄに対して若干長く形成し且つ錘９Ｅを付設して、第２の爪９Ｄも含めてレバー９Ｂ全体を部品受取側へ傾ける傾向を備えるよう構成している。
【００１７】
これがため、供給レール３終端近傍において、部品受取側の第１の爪９Ｃは、図３（Ａ）に示すように、供給レール３に沿って部品受取側への前進中の先頭の搬送体６の棒状部材８Ａを係合させて、その進行を阻止して停止させる。後続する搬送体６は、先行する搬送体６のスライダ７に自らのスライダ７を当接させて停止される。
【００１８】
作業者が部品受取のために、図示しないペダルを操作すると、図３（Ｂ）に示すように、レバー９Ｂは矢印に示すように揺動され、先頭の搬送体６の棒状部材８Ａと第１の爪９Ｃとの係合を解除して先頭の搬送体６の進行を許可する一方、後続する搬送体６の棒状部材８Ａに第２の爪９Ｄを係合させてその進行を停止させる。
【００１９】
その後において、前記ペダルを離すと、図３（Ａ）に示すように、再び第２の爪９Ｄが上昇してその棒状部材８Ａとの係合を解除して後続する搬送体６の先頭位置への進行を許可すると共に、第１の爪９Ｃが下降されることで、先頭位置に達した後続する搬送体６の棒状部材８Ａに係合してその進行を停止させるようにしている。
【００２０】
前記一対の回収レール４は、図４に示すように、上方にスリット４Ａによる連続した開口を備えたＣ型チャンネル部材で形成され、断面が、例えば、角形をなした金属製で構成している。回収レール４内には、前記搬送体６のハンガ８により連結したスライダ７が、回収時に、そのローラ７Ｃおよび本体７Ａを導入して、供給レール３の場合と同様に、回収レール４内を部品受取側から傾斜方向下方の部品供給側に向かって自重で走行移動可能である。
【００２１】
前記回収レール４における搬送体６のハンガ８の棒状部材８Ａは回収レール４の上方にあり、棒状部材８Ａに揺動可能に配置されたハンガ８のフック８Ｂは棒状部材８Ａから下方に吊下げられた状態となる。回収レール４の部品供給側には、図示しないストッパが配置され、回収レール４に案内されて戻ってきた搬送体６を回収レール４終端で停止させるようにしている。
【００２２】
前記搬送体移載手段５は、図５に示すように、フック１１を備えた複数の連結棒１２を等間隔に備える左右一対のリング状チェーン１０と、前記チェーン１０に係合して夫々チェーン１０の経路を確定させる複数のスプロケット１３Ａ〜１３Ｃとを備える。前記複数のスプロケット１３Ａ〜１３Ｃは、図１に示す側面図内で、回収レール４の部品受取側端部に臨んでその上方に位置された上方側スプロケット１３Ｃと、供給レール３の部品受取側端部に臨んでその下方に位置された下方側スプロケット１３Ａと、前記下方側スプロケット１３Ａよりも作業者側であり且つ下方側スプロケット１３Ａよりも下方に位置する受取位置スプロケット１３Ｂとを備える。
【００２３】
これらのスプロケット１３、即ち、上方側スプロケット１３Ｃ、下方側スプロケット１３Ａ、受取位置スプロケット１３Ｂの組は、前記支持フレーム２の左右支柱２Ｃの外周側に夫々一組づつ配置されて支持フレーム２に回転自在に支持されている。夫々の組のスプロケット１３Ａ〜１３Ｃには、前記一対のリング状チェーン１０が巻掛けられ、チェーン１０同士を連結する複数の連結棒１２が部品受取側の供給レール３端部と回収レール４端部との間で、チェーン１０の循環により、上下に循環する。
【００２４】
即ち、連結棒１２は、回収レール４端部に臨む位置から下降されて供給レール３端部に臨む位置に移動され、次いで、受取位置に移動され、そこから上昇に転じて上方側スプロケット１３Ｃに向かい、回収レール４端部に臨む位置に戻る循環動作を行うよう構成している。前記スプロケット１３Ａ〜１３Ｃの少なくともいずれか一つには、図示しないが、前記循環方向への回転は許容するが、循環方向とは反対方向への回転を阻止する逆転防止手段を配置している。
【００２５】
以上の構成の部品供給装置による部品供給方法について以下に説明する。
【００２６】
先ず、図示しない供給レールに積載した複数の搬送体に夫々部品Ｗを保持させて整列させた部品供給台車を、部品供給装置１の部品供給側に搬送し、部品供給台車の供給レールの供給口を部品供給装置１の供給レール３の部品供給側にドッキングさせる。また、部品供給装置１の回収レール４の部品供給側と部品供給台車の回収レールとをドッキングさせる。
【００２７】
次いで、部品供給台車の供給レールの供給口に設けた搬送体に対するストッパを解除すると、部品を保持する搬送体６は、部品供給台車の供給レールから部品供給装置１の供給レール３に順次乗り移り、出口側である部品受取側に自重で走行移動し、供給レール３の終端近傍に配置した一個送り装置９の第１の爪９Ｃに搬送体６の棒状部材８Ａが係合して先頭の搬送体６が停止され、後続する搬送体６は順次その後側に整列して停止され、部品Ｗの部品供給装置１への投入が実行される。
【００２８】
次に、部品供給装置１の回収レール４の部品供給側に配置した図示しないストッパを解除して、回収レール４上に溜まっている搬送体６を部品供給台車の回収レール上に回収する。搬送体６を回収した部品供給台車は、供給レール３および回収レール４とのドッキングを解除して、部品積込ステーションに戻り、次回の供給部品の積込を開始する。
【００２９】
部品供給装置１では、図５に示すように、供給された部品Ｗが供給レール３に沿って搬送体６に吊下げて整列させた状態で保持されている。また、搬送体移載手段５の受取位置スプロケット１３Ｂに位置するフック１１およびそれに先行するフック１１には、先行して供給した部品保持のための搬送体６が夫々吊下げ保持されている。
【００３０】
部品受取側において、組立ラインの作業者がペダルにより一個送り装置９を作動させると、供給レール３上の先頭の搬送体６の棒状部材８Ａのへの第１の爪９Ｃを解除させて、先頭の搬送体６の前進を許容させ、後続する搬送体６をその棒状部材８Ａに第２の爪９Ｄを係合させてその前進を阻止する。
【００３１】
先頭の搬送体６は部品Ｗを吊下げた状態で供給レール３の端部に至り、図８にも示すように、待機している搬送体移載手段５のフック１１に棒状部材８Ａを係合させ、供給レール３から搬送体移載手段５に乗り移る。部品Ｗを吊下げた搬送体６をその棒状部材８Ａを介して保持した搬送体移載手段５のフック１１は、搬送体６および部品Ｗの重量によりチェーン１０を循環させつつ下方に移動し、フック１１をチェーン１０で案内される最下端位置である部品受取位置１３Ｂまで移動される。搬送体移載手段５のチェーン１０は、このフック１１の移動によりチェーン１０全体、即ち、夫々のフック１１を１ストロークだけ循環的に前進させる（図６参照）。
【００３２】
前記フック１１の１ストロークだけの前進は、図７および図９に示すように、上側スプロケット１３Ｃの近傍に位置するフック１１を回収レール４の上方に移動させ、当該フック１１に吊下げている搬送体６のスライダ７を回収レール４の端部から回収レール４内に挿入させ、フック１１のみがチェーン１０と共に下降される。回収レール４にスライダ７が挿入された搬送体６は、回収レール４の傾斜により自重により部品供給側に走行移動され、供給側の図示しないストッパにより停止される。なお、回収レール４の部品受取側の端部は、搬送体６の挿入をより容易とするために、図示するように、レール４の上部を斜めに切取るようにしている。
【００３３】
前記部品受取位置１３Ｂに搬送体６および部品Ｗが搬送体移載手段５により搬送されたため、一個送り装置９のペダルを解除すると、一個送り装置９は初期位置に復帰し、第１の爪９Ｃが下降し且つ第２の爪９Ｄが上昇され、第２の爪９Ｄで進行を阻止していた後続の搬送体６の前進が許容され、第１の爪９Ｃに係合するまで前進されて先頭の搬送体６となる。
【００３４】
この状態で、搬送体移載手段５の搬送体６のハンガ８Ｂから部品Ｗを外され、組立ラインの車体等に組付けられる。部品Ｗの組付が完了して、次の車体が組立ステージに到着すると、作業者は、前回と同様に、一個送り装置９のペダルを踏み、一個送り装置９により先頭の搬送体６の進行を許容させて搬送体移載手段５のフック１１に乗り移させ、部品受取位置１３Ｂに移動させる。搬送体移載手段５はその上部スプロケット１３Ｃ近傍のフック１１に吊下げている搬送体６を回収レール４に収容させる。
【００３５】
以上の動作が繰返されて、供給レール３上の部品が順次部品受取側１３Ｂに搬送されると共に、部品Ｗを保持していた搬送体６は回収レール４に順次回収される。供給レール４上に保持した搬送体６および部品Ｗが少なくなってくると、回収レール４上の搬送体６が多くなり、次回の部品供給台車による部品供給がなされると共に、回収レール４上の搬送体６が部品供給台車に回収される。
【００３６】
なお、上記実施形態において、供給レール３、回収レール４として、スリット３Ａ、４Ａを備えるＣ型チャンネル部材で構成するものについて説明したが、図１０に示すように、直線上のフレームＦ上に回転ローラＲを備える、所謂、コロコンタイプの案内レールであってもよく、この場合には、搬送体６のスライダ７としては、回転ローラＲ上を転がりながら移動する板材を備えたものが使用される。
【００３７】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【００３８】
（ア）部品供給側と部品受取側とをガイドレールで結ぶと共に、そのガイドレールに部品保持機構８を備えた搬送体６を走行可能に設けた部品供給装置１であり、前記ガイドレールは、部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レール３と、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レール４と、で構成し、部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構８を備えた搬送体６を供給レール３から回収レール４に移載する搬送体移載手段５と、前記供給レール３の部品受取側に配置されて先頭の搬送体６および後続する搬送体６を停止させると共に先頭の搬送体６が前記搬送体移載手段５に移載される毎に後続の搬送体６を先頭の搬送体６として停止させる停止手段９と、を備えるようにしたため、従来例のような作業者による搬送体６の回収レール４への持上げ作業を廃止して、作業者の作業負荷を軽減することができる。
【００３９】
（イ）搬送体移載手段５は、部品受取側の前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗを前記供給レール３端よりも低い位置に設定された部品受取位置１３Ｂを経由させた後、搬送体６のみを部品受取側の前記回収レール４端近傍に搬送し、前記回収レール４に移載する、即ち、部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍と前記部品受取位置１３Ｂとを経由して循環する巻掛け伝動手段１０よう構成され、前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗの重量による部品受取位置１３Ｂへの移動により順次循環するため、搬送体６は自動的に送られて回収レール４に戻り、搬送体６を戻す駆動装置を特別に付設する必要がなく、設備を簡素化できる。
【００４０】
（ウ）回収レール４は、前記供給レール３の上方に配置されているため、回収レール４および回収レール４に沿って搬送体６を移動させるスペースを余分に必要とせず、スペース効率の高い部品供給装置１とすることができる。
【００４１】
（エ）回収レール４の部品供給側には、回収レール４を走行してレール端部に到達した搬送体６および後続する搬送体６を停止させる回収側停止手段を備えるため、回収した搬送体６は回収レール４に一時的に貯留して、部品供給台車による部品供給の際に同時に回収させることができる。
【００４２】
（第２実施形態）
図１１〜図１４は、本発明を適用した部品供給装置の第２実施形態を示し、図１１は部品供給装置の使用される環境を模式的に説明する説明図、図１２は積込ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図、図１３は部品供給ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図、図１４は部品および搬送体の移動状態を説明する説明図である。本実施形態においては、組立工場において、部品積込ステーションから組立ラインの部品供給ステーションへの部品供給システムを提供するものである。なお、第１実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【００４３】
図１１において、図中の右側には部品積込ステーションＳＴ１が示され、図中の左側には組立ラインサイドの部品供給ステーションＳＴ２が夫々示されている。前記部品積込ステーションＳＴ１には積込ストッカ１５が設けられ、積込ストッカ１５は通路Ｓ側が部品供給台車１６への供給口２２に形成され、通路Ｓと反対側が部品投入口２１に形成されている。そして、図１２に図示するように、投入口２１から供給口２２に向けて傾斜した供給レール２３が配置される一方、供給口２２側から投入口２１側に向けて傾斜した回収レール２４が上方に配置されている。
【００４４】
部品供給台車１６は、図１２に図示するように、投入口３１から供給口３２に向けて傾斜した供給レール３３が配置される一方、供給口３２側から投入口３１側に向けて傾斜した回収レール３４が上方に配置されている。また、部品供給台車１６は、キャスタ輪３５を備えて、複数台が連結されて牽引車Ｔにより牽引され、部品積込ステーションＳＴ１と目的とする部品供給ステーションＳＴ２との間を往復して走行される。
【００４５】
また、ラインサイドの部品供給ステーションＳＴ２には第１実施形態と同様な部品供給装置１が設けられ、部品供給装置１は通路Ｓ側が部品供給台車１６からの投入口４１に形成され、通路Ｓと反対側が部品受取側に形成され、搬送体移載装置５が配置されている。そして、図１３に概略図示するように、投入口４１から部品受取側に向けて傾斜した供給レール３が配置される一方、部品受取側から投入口４１側に向けて傾斜した回収レール４が上方に配置されている。
【００４６】
前記部品積込ステーションＳＴ１では、作業者が積込ストッカ１５の投入口２１から生産順序に従って供給レール２３の搬送体６のハンガ８に部品Ｗを吊下げて順次投入する。投入された部品Ｗは供給口２２に設けた図示しないストッパにより先頭の部品Ｗが停止され、先頭の部品Ｗの後方に後から投入した部品Ｗが順次停止して、供給レール２３に沿って生産順に整列される。
【００４７】
前記部品積込ステーションＳＴ１に積載部品が空になった部品供給台車１６が牽引車Ｔにより牽引されて到着すると、積込ストッカ１５の供給口２２の正面に空になった部品供給台車１６が正対して位置するように停止される。部品供給台車１６の回収レール３４には回収された搬送体６のハンガ８が整列している。
【００４８】
続いて、図１２に示すように、部品供給台車１６の投入口３１と積込ストッカ１５の供給口２２とが一致するよう停止された部品供給台車１６の供給レール３３と積込ストッカ１５の供給レール２３とがドッキングさせる。同時に、部品供給台車１６の回収レール３４と積込ストッカ１５の回収レール２４とをドッキングさせる。
【００４９】
次いで、部品供給台車１６の回収レール３４上の搬送体６を、その先頭部分のストッパを解除することにより、積込ストッカ１５の回収レール２４上に回収する。積込ストッカ１５に回収した搬送体６は、回収レール２４上から次回の部品投入の際に供給レール２３に係合させて供給部品Ｗの吊下げに利用される。
【００５０】
搬送体６の回収が完了すると、積込ストッカ１５の供給口２２のストッパが解除される。積込ストッカ１５の供給レール２３に整列された部品Ｗは、部品供給台車１６の供給レール３３に順次乗り移り、出口側である供給口３２に設けた図示しないストッパにより先頭部品Ｗが停止され、後続する部品Ｗは順次整列して停止され、部品Ｗの部品供給台車１６への投入を実行する。
【００５１】
部品供給台車１６への部品Ｗの投入が完了すると、部品供給台車１６の投入口３１と積込ストッカ１５の供給口２２との供給レール２３、３３同士および回収レール２４、３４同士のドッキング状態を解除する。
【００５２】
続いて、前記部品積込ステーションＳＴ１で部品Ｗを積載した部品供給台車１６を牽引車Ｔにより牽引してラインサイドの部品供給ステーションＳＴ２に到着すると、部品供給装置１の投入口４１の正面に部品供給台車１６が位置し、部品供給台車１６の供給口３２を前記部品供給装置１の投入口４１と正対させて停止させる。部品供給装置１の供給レール３には部品Ｗおよび搬送体６が空の状態となっており、回収レール４側には回収された搬送体６が整列している。
【００５３】
続いて、部品供給装置１の供給レール３と部品供給台車１６の供給レール３３とをドッキングさせる。同時に、部品供給台車１６の回収レール３４と部品供給装置１の回収レール４とをドッキングさせる。次いで、部品供給装置１の回収レール４上の搬送体６を、その先頭部分のストッパを解除することにより、部品供給台車１６の回収レール３４上に回収する。
【００５４】
搬送体６の回収が完了すると、部品供給台車１６の供給口３２のストッパが解除される。部品供給台車１６の供給レール３３に整列された部品Ｗは、部品供給装置１の供給レール３に順次乗り移り、出口側である部品受取側に設けた一個送り装置９により先頭部品Ｗの搬送体６が停止され、後続する部品Ｗは順次整列して停止され、部品Ｗの部品供給装置１への投入を実行される。
【００５５】
部品供給装置１への部品Ｗの投入が完了すると、部品供給台車１６の供給口３２と部品供給装置１の投入口４１との供給レール３３、３同士および回収レール３４、４同士のドッキング状態を解除する。
【００５６】
前記部品供給ステーションＳＴ２で搬送体６を回収した部品供給台車１６を牽引車Ｔにより牽引して部品積込ステーションＳＴ１に到着させ、積込ストッカ１５の供給口２２に部品供給台車１６の投入口３１を対面させ、両者の供給レール２３、３３同士および回収レール２４、３４同士をドッキングさせると、次回の部品供給を開始することができる。以上の供給サイクルを繰返し実行することにより、円滑に部品Ｗを組立ラインの作業者に供給することができる。
【００５７】
本実施形態の部品供給方法においては、図１４に示すように、部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５から部品供給台車１６を経由させて部品供給装置１への供給部品Ｗの流れが、供給レール２３、３３、３同士のドッキングにより効率的に行うことができる。また、部品Ｗを保持する搬送体６は、搬送体移載装置５により部品供給装置１の供給レール３から回収レール４に連続して回収され、部品供給装置１から部品供給台車１６を経由させて部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５へと夫々の回収レール４、３４、２４を経由させて効率的に行うことができる。
【００５８】
しかも、部品供給装置１の搬送体移載装置５は、供給レール４の搬送体６を保持している部品Ｗも含めてその自重により回収レール４へ移載するものであるため、回収レール４を供給レール３よりも上部に配置するものであっても、作業者の作業負荷を必要とせず回収することができる。また、回収レール４が供給レール３の上方に配置されるものであるため、回収レール４、３４、２４および回収レール４、３４、２４に沿って搬送体６を移動させるスペースを、部品積込ステーションＳＴ１、部品供給ステーションＳＴ２および部品供給台車１６のいずれにも余分に必要とせず、スペース効率の高い部品供給システムとすることができる。
【００５９】
さらに、回収レール４、３４、２４を部品供給装置１、部品供給台車１６、積込ストッカ１５のいずれにおいて供給レール３、３３、２３の上方に配置するものであるため、積込ストッカ１５での部品投入時に、搬送体６を回収レール２４から供給レール２３に何らかのガイド手段により案内させて降ろすのみの動作で、回収した搬送体６を再び部品供給に利用することができ、作業効率を向上させることができる。
【００６０】
本実施形態においては、第１実施形態における効果（ア）〜（エ）に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
【００６１】
（オ）部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な供給レール３と、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体が走行可能な回収レール４と、を備え、前記供給レール３には搬送体６により整列させた状態で供給される部品Ｗを収容可能であり、前記回収レール４には供給部品Ｗを外した搬送体６を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションＳＴ２に配置される部品供給装置１と、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な供給レール３３と、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な回収レール３４と、を備え、前記供給レール３３には搬送体６により整列させた状態で、部品積込ステーションＳＴ１において組立ラインの部品供給ステーションＳＴ２に供給する部品Ｗを収容可能であり、前記回収レール３４には組立ラインの部品供給ステーションＳＴ２から供給部品Ｗが外された搬送体６を収容可能である部品供給台車１６と、からなる部品供給システムである。
【００６２】
そして、前記部品供給装置１の部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構８を備えた搬送体６を供給レール３から回収レール４に移載する搬送体移載手段５を設け、部品供給装置１の部品投入側４１と部品供給台車１６の部品供給側３２とを連結して、部品供給台車１６の供給レール３３から部品供給装置１の供給レール３に対して搬送体６により保持して整列させた状態で収容する部品Ｗを搬送体６と共に供給し、搬送体移載手段５で回収されて部品供給装置１の回収レール４に収容された搬送体６を部品供給装置１の回収レール４から部品供給台車１６の回収レール３４に回収するようにしている。
【００６３】
このため、部品供給台車１６を経由させて部品供給装置１への供給部品Ｗの流れが、供給レール３、３３同士のドッキングにより効率的に行うことができ、部品Ｗを保持する搬送体６は、搬送体移載装置５により部品供給装置１の供給レール３から回収レール４に連続して回収され、部品供給装置１から部品供給台車１６へと夫々の回収レール４、３４を経由させて効率的に行うことができる。
【００６４】
（カ）部品積込ステーションＳＴ１には、部品投入側２１が部品供給側２２より高くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な供給レール２３と、部品投入側２１が部品供給側２２より低くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な回収レール２４と、を備え、前記供給レール２３には搬送体６により整列させた状態で、部品供給台車１６に供給する部品Ｗを収容可能であり、前記回収レール２４には部品供給台車１６から供給部品Ｗが外された搬送体６を収容可能である部品積込スタッカ１５を備える。
【００６５】
そして、部品供給台車１６の部品投入側３１と部品積込スタッカ１５の部品供給側２２とを連結して、部品積込スタッカ１５の供給レール２３から部品供給台車１６の供給レール３３に対して搬送体６により保持して整列させた状態で収容する部品Ｗを搬送体６と共に供給し、回収されて部品供給台車１６の回収レール３４に収容された搬送体６を部品供給台車１６の回収レール３４から部品積込スタッカ１５の回収レール２４に回収するようにしている。
【００６６】
このため、部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５から部品供給台車１６を経由させて部品供給装置１への供給部品Ｗの流れが、供給レール２３、３３、３同士のドッキングにより効率的に行うことができる。また、部品Ｗを保持する搬送体６は、搬送体移載装置５により部品供給装置１の供給レール３から回収レール４に連続して回収され、部品供給装置１から部品供給台車１６を経由させて部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５へと夫々の回収レール４、３４、２４を経由させて効率的に行うことができる。
【００６７】
（キ）搬送体移載手段５は、部品受取側の前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗを前記供給レール３端よりも低い位置に設定された部品受取位置１３Ｂを経由させた後、搬送体６のみを部品受取側の前記回収レール４端近傍に搬送し、前記回収レール４に移載するよう構成され、前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗの重量による部品受取位置１３Ｂへの移動により順次循環するため、回収レール４を供給レール３よりも上部に配置するものであっても、作業者の作業負荷を必要とせず回収することができる。また、回収レール４（３４、２４）が供給レール３（３３、２３）の上方に配置されるものであるため、回収レール４（３４、２４）および回収レール４（３４、２４）に沿って搬送体６を移動させるスペースを、部品積込ステーションＳＴ１、部品供給ステーションＳＴ２および部品供給台車１６のいずれにも余分に必要とせず、スペース効率の高い部品供給システムとすることができる。
【００６８】
（ク）部品供給装置１、部品供給台車１６さらには部品積込スタッカ１５の各供給レール３、３３、２３および／または回収レール４、３４、２４は、各投入側と各供給側とが連結された際に互いに連続するよう各々の高さを異ならせて配置され、前記各回収レール４、３４、２４は、前記各供給レール３、３３、２３の上方に配置されているため、積込ストッカ１５での部品投入時に、搬送体６を回収レール２４から供給レール２３に何らかのガイド手段により案内させて降ろすのみの動作で、回収した搬送体６を再び部品供給に利用することができ、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００６９】
【図１】本発明の一実施形態を示す部品供給装置の側面図。
【図２】同じく供給レールおよび搬送体を示す正面図。
【図３】一個送り装置の構成（Ａ）および動作状態（Ｂ）を示す側面図。
【図４】回収レールおよび搬送体の正面図。
【図５】搬送体移載手段の側面図。
【図６】搬送体移載手段の動作状態を示す側面図。
【図７】搬送体移載手段の移載動作を示す説明図。
【図８】搬送体の供給レールから移載手段への移載状況を説明する説明図。
【図９】搬送体の移載手段から回収レールへの移載状況を説明する説明図。
【図１０】供給レール若しくは回収レールと搬送体の別の形式を説明する説明図。
【図１１】本発明の第２実施形態を示す部品供給システムの説明図。
【図１２】積込ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図。
【図１３】部品供給ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図。
【図１４】部品および搬送体の移動状態を説明する説明図。
【符号の説明】
【００７０】
ＳＴ１ 部品積込ステーション
ＳＴ２ 部品供給ステーション
１ 部品供給装置
２ 支持フレーム
３、２３、３３ 供給レール
４、２４、３４ 回収レール
５ 搬送体移載手段、搬送体移載装置
６ 搬送体
７ スライダ
８ ハンガ
９ 一個送り装置
１０ チェーン
１１ フック
１３ スプロケット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、組立ラインにおける部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から自動車等の組立ラインに部品を順次供給する場合に、部品供給側から部品受取側に向かって下降傾斜した供給側ガイドレールに沿って部品を保持させた状態の搬送体と共に供給し、部品受取側から部品供給側に向かって下降傾斜した回収側ガイドレールに沿って空となった搬送体を回収する部品供給装置が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
これは、部品供給側が部品受取側より高くなるように傾斜した往路レール部と部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜し復路レール部と、これらを連結する第１連結部、第２連結部とからなるループ状のガイドレールとし、搬送体は往路レール部では部品受取側に自重による移動により部品を供給し、部品が外された搬送体は第２連結部に沿って作業者により持上げられて復路レール部に移動され、復路レール部に沿って部品供給側に回収されるようにしている。
【特許文献１】特開２００３−２０１０５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記従来例では、部品受取側で部品を取り外した後の搬送体を第２連結部に沿って持上げ、復路レール部に流し込むようにしているため、搬送すべき部品が大型で大重量の部品である場合には必然的に搬送体も強度の大きい重量物となり、作業者の作業負荷が大きくなる不具合が予想される。
【０００５】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、搬送体を自動的に回収レールに移行させるに好適な部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、部品供給側と部品受取側とをガイドレールで結ぶと共に、そのガイドレールに部品保持機構を備えた搬送体を走行可能に設けた部品供給装置であり、前記ガイドレールは、部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レールと、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レールと、で構成し、部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段と、前記供給レールの部品受取側に配置されて先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が前記搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させる停止手段と、を備えるようにした。
【０００７】
また、部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で供給される部品を収容可能であり、前記回収レールには供給部品を外した搬送体を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションに配置される部品供給装置と、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品積込ステーションにおいて組立ラインの部品供給ステーションに供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには組立ラインの部品供給ステーションから供給部品が外された搬送体を収容可能である部品供給台車と、からなる部品供給システムであり、前記部品供給装置の部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を設け、部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収するようにした。
【発明の効果】
【０００８】
したがって、本発明では、部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を備えるため、従来例のような作業者による搬送体の回収レールへの持上げ作業を廃止して、作業者の作業負荷を軽減することができる。
【０００９】
また、部品供給装置の部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を設け、部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収するようにしたため、部品供給台車を経由させて部品供給装置への供給部品の流れが、供給レール同士のドッキングにより効率的に行うことができ、部品を保持する搬送体は、搬送体移載装置により部品供給装置の供給レールから回収レールに連続して回収され、部品供給装置から部品供給台車へと夫々の回収レールを経由させて効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明の部品供給装置および部品供給方法を各実施形態に基づいて説明する。
【００１１】
（第１実施形態）
図１〜図１０は、本発明を適用した部品供給装置の第１実施形態を示し、図１は部品供給装置の側面図、図２は供給レールおよび搬送体を示す正面図、図３は一個送り装置の構成および動作を示す側面図、図４は回収レールおよび搬送体の正面図、図５は搬送体移載手段の側面図、図６は搬送体移載手段の動作状態を示す側面図、図７は搬送体移載手段の移載動作を示す説明図、図８および図９は搬送体の供給レールから移載手段および移載手段から回収レールへの移載状況を説明する説明図、図１０は供給レール若しくは回収レールと搬送体の別の形式を説明する説明図である。
【００１２】
図１において、部品供給装置１は、矩形に形成した上部枠体２Ａと下部枠体２Ｂとの四隅を夫々支柱２Ｃにより結合して、下部枠体２Ｂをアジャスタ２Ｄを介して作業フロアに固定し、組立ラインの作業ステージに対面させた一方側（図中左側）を部品受取側とし、他方（図中右側）を部品供給側とした支持フレーム２と、その支持フレーム２の左右の支柱２Ｃに取付けられ、部品供給側から部品受取側に向けて下方に傾斜させて配置した一対の供給レール３と、支持フレーム２の上部枠体２Ａの上部に取付けられ、部品受取側から部品供給側に向けて下方に傾斜させて配置した一対の回収レール４と、供給レール３および回収レール４の部品受取側の端部同士の間に配置された搬送体移載手段５とを備える。
【００１３】
前記一対の供給レール３は、図２に示すように、下方にスリット３Ａによる連続した開口を備えたＣ型チャンネル部材で形成され、断面が、例えば、角形をなした金属製で構成している。供給レール３内には、前記スリット３Ａを貫通させて供給レール３内に挿入したスライダ７の本体７Ａが配置されている。スライダ７は、その本体７Ａの両側に本体７Ａを貫通させて両側に突出させた複数（図では２本）の軸７Ｂを備え、各軸７Ｂの突出部には夫々ローラ７Ｃが回転可能に支持され、各ローラ７Ｃは前記供給レール３の上下のいずれかの内面に対して転動可能である。
【００１４】
したがって、スライダ７は前記ローラ７Ｃにより供給レール３内を部品供給側から傾斜方向下方の部品受取側に向かって自重で走行移動可能である。前記スライダ７の本体７Ａは、左右一対の供給レール３に夫々配置されて、供給レール３のスリット３Ａから突出した部分同士をハンガ８の棒状部材８Ａにより連結して左右のスライダ本体７Ａはその一対が一体化されている。前記ハンガ８の棒状部材８Ａとスライダ本体７Ａとは、本体７Ａに設けた穴にハンガ８の棒状部材８Ａを貫通させて、互いに相対回転が自在に連結されている。前記ハンガ８には、部品を保持可能な複数のフック８Ｂが揺動自在に取付けて備える。前記一対のスライダ７およびハンガ８は搬送体６を構成している。
【００１５】
前記一対の供給レール３の部品受取側の端部間には、前記搬送体６の棒状部材８Ａに係合して搬送体６の供給レール３からの抜け出しを阻止し、作業者の操作に応じて先頭に位置する搬送体６を供給レール３から送出す一個送り装置９が配置されている。
【００１６】
前記一個送り装置９は、図３（Ａ）に示すように、前記供給レール３間にあって支持フレーム２に設けた左右方向の軸９Ａに対して揺動可能に配置されたレバー９Ｂを備え、レバー９Ｂの両端には下方に向かって伸びる第１および第２の爪９Ｃ、９Ｄを夫々配置し、これら第１、２の爪９Ｃ、９Ｄを前記搬送体６のハンガ８の棒状部材８Ａに係合させるようにしている。部品受取側の第１の爪９Ｃは、他方の第２の爪９Ｄに対して若干長く形成し且つ錘９Ｅを付設して、第２の爪９Ｄも含めてレバー９Ｂ全体を部品受取側へ傾ける傾向を備えるよう構成している。
【００１７】
これがため、供給レール３終端近傍において、部品受取側の第１の爪９Ｃは、図３（Ａ）に示すように、供給レール３に沿って部品受取側への前進中の先頭の搬送体６の棒状部材８Ａを係合させて、その進行を阻止して停止させる。後続する搬送体６は、先行する搬送体６のスライダ７に自らのスライダ７を当接させて停止される。
【００１８】
作業者が部品受取のために、図示しないペダルを操作すると、図３（Ｂ）に示すように、レバー９Ｂは矢印に示すように揺動され、先頭の搬送体６の棒状部材８Ａと第１の爪９Ｃとの係合を解除して先頭の搬送体６の進行を許可する一方、後続する搬送体６の棒状部材８Ａに第２の爪９Ｄを係合させてその進行を停止させる。
【００１９】
その後において、前記ペダルを離すと、図３（Ａ）に示すように、再び第２の爪９Ｄが上昇してその棒状部材８Ａとの係合を解除して後続する搬送体６の先頭位置への進行を許可すると共に、第１の爪９Ｃが下降されることで、先頭位置に達した後続する搬送体６の棒状部材８Ａに係合してその進行を停止させるようにしている。
【００２０】
前記一対の回収レール４は、図４に示すように、上方にスリット４Ａによる連続した開口を備えたＣ型チャンネル部材で形成され、断面が、例えば、角形をなした金属製で構成している。回収レール４内には、前記搬送体６のハンガ８により連結したスライダ７が、回収時に、そのローラ７Ｃおよび本体７Ａを導入して、供給レール３の場合と同様に、回収レール４内を部品受取側から傾斜方向下方の部品供給側に向かって自重で走行移動可能である。
【００２１】
前記回収レール４における搬送体６のハンガ８の棒状部材８Ａは回収レール４の上方にあり、棒状部材８Ａに揺動可能に配置されたハンガ８のフック８Ｂは棒状部材８Ａから下方に吊下げられた状態となる。回収レール４の部品供給側には、図示しないストッパが配置され、回収レール４に案内されて戻ってきた搬送体６を回収レール４終端で停止させるようにしている。
【００２２】
前記搬送体移載手段５は、図５に示すように、フック１１を備えた複数の連結棒１２を等間隔に備える左右一対のリング状チェーン１０と、前記チェーン１０に係合して夫々チェーン１０の経路を確定させる複数のスプロケット１３Ａ〜１３Ｃとを備える。前記複数のスプロケット１３Ａ〜１３Ｃは、図１に示す側面図内で、回収レール４の部品受取側端部に臨んでその上方に位置された上方側スプロケット１３Ｃと、供給レール３の部品受取側端部に臨んでその下方に位置された下方側スプロケット１３Ａと、前記下方側スプロケット１３Ａよりも作業者側であり且つ下方側スプロケット１３Ａよりも下方に位置する受取位置スプロケット１３Ｂとを備える。
【００２３】
これらのスプロケット１３、即ち、上方側スプロケット１３Ｃ、下方側スプロケット１３Ａ、受取位置スプロケット１３Ｂの組は、前記支持フレーム２の左右支柱２Ｃの外周側に夫々一組づつ配置されて支持フレーム２に回転自在に支持されている。夫々の組のスプロケット１３Ａ〜１３Ｃには、前記一対のリング状チェーン１０が巻掛けられ、チェーン１０同士を連結する複数の連結棒１２が部品受取側の供給レール３端部と回収レール４端部との間で、チェーン１０の循環により、上下に循環する。
【００２４】
即ち、連結棒１２は、回収レール４端部に臨む位置から下降されて供給レール３端部に臨む位置に移動され、次いで、受取位置に移動され、そこから上昇に転じて上方側スプロケット１３Ｃに向かい、回収レール４端部に臨む位置に戻る循環動作を行うよう構成している。前記スプロケット１３Ａ〜１３Ｃの少なくともいずれか一つには、図示しないが、前記循環方向への回転は許容するが、循環方向とは反対方向への回転を阻止する逆転防止手段を配置している。
【００２５】
以上の構成の部品供給装置による部品供給方法について以下に説明する。
【００２６】
先ず、図示しない供給レールに積載した複数の搬送体に夫々部品Ｗを保持させて整列させた部品供給台車を、部品供給装置１の部品供給側に搬送し、部品供給台車の供給レールの供給口を部品供給装置１の供給レール３の部品供給側にドッキングさせる。また、部品供給装置１の回収レール４の部品供給側と部品供給台車の回収レールとをドッキングさせる。
【００２７】
次いで、部品供給台車の供給レールの供給口に設けた搬送体に対するストッパを解除すると、部品を保持する搬送体６は、部品供給台車の供給レールから部品供給装置１の供給レール３に順次乗り移り、出口側である部品受取側に自重で走行移動し、供給レール３の終端近傍に配置した一個送り装置９の第１の爪９Ｃに搬送体６の棒状部材８Ａが係合して先頭の搬送体６が停止され、後続する搬送体６は順次その後側に整列して停止され、部品Ｗの部品供給装置１への投入が実行される。
【００２８】
次に、部品供給装置１の回収レール４の部品供給側に配置した図示しないストッパを解除して、回収レール４上に溜まっている搬送体６を部品供給台車の回収レール上に回収する。搬送体６を回収した部品供給台車は、供給レール３および回収レール４とのドッキングを解除して、部品積込ステーションに戻り、次回の供給部品の積込を開始する。
【００２９】
部品供給装置１では、図５に示すように、供給された部品Ｗが供給レール３に沿って搬送体６に吊下げて整列させた状態で保持されている。また、搬送体移載手段５の受取位置スプロケット１３Ｂに位置するフック１１およびそれに先行するフック１１には、先行して供給した部品保持のための搬送体６が夫々吊下げ保持されている。
【００３０】
部品受取側において、組立ラインの作業者がペダルにより一個送り装置９を作動させると、供給レール３上の先頭の搬送体６の棒状部材８Ａのへの第１の爪９Ｃを解除させて、先頭の搬送体６の前進を許容させ、後続する搬送体６をその棒状部材８Ａに第２の爪９Ｄを係合させてその前進を阻止する。
【００３１】
先頭の搬送体６は部品Ｗを吊下げた状態で供給レール３の端部に至り、図８にも示すように、待機している搬送体移載手段５のフック１１に棒状部材８Ａを係合させ、供給レール３から搬送体移載手段５に乗り移る。部品Ｗを吊下げた搬送体６をその棒状部材８Ａを介して保持した搬送体移載手段５のフック１１は、搬送体６および部品Ｗの重量によりチェーン１０を循環させつつ下方に移動し、フック１１をチェーン１０で案内される最下端位置である部品受取位置１３Ｂまで移動される。搬送体移載手段５のチェーン１０は、このフック１１の移動によりチェーン１０全体、即ち、夫々のフック１１を１ストロークだけ循環的に前進させる（図６参照）。
【００３２】
前記フック１１の１ストロークだけの前進は、図７および図９に示すように、上側スプロケット１３Ｃの近傍に位置するフック１１を回収レール４の上方に移動させ、当該フック１１に吊下げている搬送体６のスライダ７を回収レール４の端部から回収レール４内に挿入させ、フック１１のみがチェーン１０と共に下降される。回収レール４にスライダ７が挿入された搬送体６は、回収レール４の傾斜により自重により部品供給側に走行移動され、供給側の図示しないストッパにより停止される。なお、回収レール４の部品受取側の端部は、搬送体６の挿入をより容易とするために、図示するように、レール４の上部を斜めに切取るようにしている。
【００３３】
前記部品受取位置１３Ｂに搬送体６および部品Ｗが搬送体移載手段５により搬送されたため、一個送り装置９のペダルを解除すると、一個送り装置９は初期位置に復帰し、第１の爪９Ｃが下降し且つ第２の爪９Ｄが上昇され、第２の爪９Ｄで進行を阻止していた後続の搬送体６の前進が許容され、第１の爪９Ｃに係合するまで前進されて先頭の搬送体６となる。
【００３４】
この状態で、搬送体移載手段５の搬送体６のハンガ８Ｂから部品Ｗを外され、組立ラインの車体等に組付けられる。部品Ｗの組付が完了して、次の車体が組立ステージに到着すると、作業者は、前回と同様に、一個送り装置９のペダルを踏み、一個送り装置９により先頭の搬送体６の進行を許容させて搬送体移載手段５のフック１１に乗り移させ、部品受取位置１３Ｂに移動させる。搬送体移載手段５はその上部スプロケット１３Ｃ近傍のフック１１に吊下げている搬送体６を回収レール４に収容させる。
【００３５】
以上の動作が繰返されて、供給レール３上の部品が順次部品受取側１３Ｂに搬送されると共に、部品Ｗを保持していた搬送体６は回収レール４に順次回収される。供給レール４上に保持した搬送体６および部品Ｗが少なくなってくると、回収レール４上の搬送体６が多くなり、次回の部品供給台車による部品供給がなされると共に、回収レール４上の搬送体６が部品供給台車に回収される。
【００３６】
なお、上記実施形態において、供給レール３、回収レール４として、スリット３Ａ、４Ａを備えるＣ型チャンネル部材で構成するものについて説明したが、図１０に示すように、直線上のフレームＦ上に回転ローラＲを備える、所謂、コロコンタイプの案内レールであってもよく、この場合には、搬送体６のスライダ７としては、回転ローラＲ上を転がりながら移動する板材を備えたものが使用される。
【００３７】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【００３８】
（ア）部品供給側と部品受取側とをガイドレールで結ぶと共に、そのガイドレールに部品保持機構８を備えた搬送体６を走行可能に設けた部品供給装置１であり、前記ガイドレールは、部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レール３と、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レール４と、で構成し、部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構８を備えた搬送体６を供給レール３から回収レール４に移載する搬送体移載手段５と、前記供給レール３の部品受取側に配置されて先頭の搬送体６および後続する搬送体６を停止させると共に先頭の搬送体６が前記搬送体移載手段５に移載される毎に後続の搬送体６を先頭の搬送体６として停止させる停止手段９と、を備えるようにしたため、従来例のような作業者による搬送体６の回収レール４への持上げ作業を廃止して、作業者の作業負荷を軽減することができる。
【００３９】
（イ）搬送体移載手段５は、部品受取側の前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗを前記供給レール３端よりも低い位置に設定された部品受取位置１３Ｂを経由させた後、搬送体６のみを部品受取側の前記回収レール４端近傍に搬送し、前記回収レール４に移載する、即ち、部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍と前記部品受取位置１３Ｂとを経由して循環する巻掛け伝動手段１０よう構成され、前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗの重量による部品受取位置１３Ｂへの移動により順次循環するため、搬送体６は自動的に送られて回収レール４に戻り、搬送体６を戻す駆動装置を特別に付設する必要がなく、設備を簡素化できる。
【００４０】
（ウ）回収レール４は、前記供給レール３の上方に配置されているため、回収レール４および回収レール４に沿って搬送体６を移動させるスペースを余分に必要とせず、スペース効率の高い部品供給装置１とすることができる。
【００４１】
（エ）回収レール４の部品供給側には、回収レール４を走行してレール端部に到達した搬送体６および後続する搬送体６を停止させる回収側停止手段を備えるため、回収した搬送体６は回収レール４に一時的に貯留して、部品供給台車による部品供給の際に同時に回収させることができる。
【００４２】
（第２実施形態）
図１１〜図１４は、本発明を適用した部品供給装置の第２実施形態を示し、図１１は部品供給装置の使用される環境を模式的に説明する説明図、図１２は積込ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図、図１３は部品供給ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図、図１４は部品および搬送体の移動状態を説明する説明図である。本実施形態においては、組立工場において、部品積込ステーションから組立ラインの部品供給ステーションへの部品供給システムを提供するものである。なお、第１実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【００４３】
図１１において、図中の右側には部品積込ステーションＳＴ１が示され、図中の左側には組立ラインサイドの部品供給ステーションＳＴ２が夫々示されている。前記部品積込ステーションＳＴ１には積込ストッカ１５が設けられ、積込ストッカ１５は通路Ｓ側が部品供給台車１６への供給口２２に形成され、通路Ｓと反対側が部品投入口２１に形成されている。そして、図１２に図示するように、投入口２１から供給口２２に向けて傾斜した供給レール２３が配置される一方、供給口２２側から投入口２１側に向けて傾斜した回収レール２４が上方に配置されている。
【００４４】
部品供給台車１６は、図１２に図示するように、投入口３１から供給口３２に向けて傾斜した供給レール３３が配置される一方、供給口３２側から投入口３１側に向けて傾斜した回収レール３４が上方に配置されている。また、部品供給台車１６は、キャスタ輪３５を備えて、複数台が連結されて牽引車Ｔにより牽引され、部品積込ステーションＳＴ１と目的とする部品供給ステーションＳＴ２との間を往復して走行される。
【００４５】
また、ラインサイドの部品供給ステーションＳＴ２には第１実施形態と同様な部品供給装置１が設けられ、部品供給装置１は通路Ｓ側が部品供給台車１６からの投入口４１に形成され、通路Ｓと反対側が部品受取側に形成され、搬送体移載装置５が配置されている。そして、図１３に概略図示するように、投入口４１から部品受取側に向けて傾斜した供給レール３が配置される一方、部品受取側から投入口４１側に向けて傾斜した回収レール４が上方に配置されている。
【００４６】
前記部品積込ステーションＳＴ１では、作業者が積込ストッカ１５の投入口２１から生産順序に従って供給レール２３の搬送体６のハンガ８に部品Ｗを吊下げて順次投入する。投入された部品Ｗは供給口２２に設けた図示しないストッパにより先頭の部品Ｗが停止され、先頭の部品Ｗの後方に後から投入した部品Ｗが順次停止して、供給レール２３に沿って生産順に整列される。
【００４７】
前記部品積込ステーションＳＴ１に積載部品が空になった部品供給台車１６が牽引車Ｔにより牽引されて到着すると、積込ストッカ１５の供給口２２の正面に空になった部品供給台車１６が正対して位置するように停止される。部品供給台車１６の回収レール３４には回収された搬送体６のハンガ８が整列している。
【００４８】
続いて、図１２に示すように、部品供給台車１６の投入口３１と積込ストッカ１５の供給口２２とが一致するよう停止された部品供給台車１６の供給レール３３と積込ストッカ１５の供給レール２３とがドッキングさせる。同時に、部品供給台車１６の回収レール３４と積込ストッカ１５の回収レール２４とをドッキングさせる。
【００４９】
次いで、部品供給台車１６の回収レール３４上の搬送体６を、その先頭部分のストッパを解除することにより、積込ストッカ１５の回収レール２４上に回収する。積込ストッカ１５に回収した搬送体６は、回収レール２４上から次回の部品投入の際に供給レール２３に係合させて供給部品Ｗの吊下げに利用される。
【００５０】
搬送体６の回収が完了すると、積込ストッカ１５の供給口２２のストッパが解除される。積込ストッカ１５の供給レール２３に整列された部品Ｗは、部品供給台車１６の供給レール３３に順次乗り移り、出口側である供給口３２に設けた図示しないストッパにより先頭部品Ｗが停止され、後続する部品Ｗは順次整列して停止され、部品Ｗの部品供給台車１６への投入を実行する。
【００５１】
部品供給台車１６への部品Ｗの投入が完了すると、部品供給台車１６の投入口３１と積込ストッカ１５の供給口２２との供給レール２３、３３同士および回収レール２４、３４同士のドッキング状態を解除する。
【００５２】
続いて、前記部品積込ステーションＳＴ１で部品Ｗを積載した部品供給台車１６を牽引車Ｔにより牽引してラインサイドの部品供給ステーションＳＴ２に到着すると、部品供給装置１の投入口４１の正面に部品供給台車１６が位置し、部品供給台車１６の供給口３２を前記部品供給装置１の投入口４１と正対させて停止させる。部品供給装置１の供給レール３には部品Ｗおよび搬送体６が空の状態となっており、回収レール４側には回収された搬送体６が整列している。
【００５３】
続いて、部品供給装置１の供給レール３と部品供給台車１６の供給レール３３とをドッキングさせる。同時に、部品供給台車１６の回収レール３４と部品供給装置１の回収レール４とをドッキングさせる。次いで、部品供給装置１の回収レール４上の搬送体６を、その先頭部分のストッパを解除することにより、部品供給台車１６の回収レール３４上に回収する。
【００５４】
搬送体６の回収が完了すると、部品供給台車１６の供給口３２のストッパが解除される。部品供給台車１６の供給レール３３に整列された部品Ｗは、部品供給装置１の供給レール３に順次乗り移り、出口側である部品受取側に設けた一個送り装置９により先頭部品Ｗの搬送体６が停止され、後続する部品Ｗは順次整列して停止され、部品Ｗの部品供給装置１への投入を実行される。
【００５５】
部品供給装置１への部品Ｗの投入が完了すると、部品供給台車１６の供給口３２と部品供給装置１の投入口４１との供給レール３３、３同士および回収レール３４、４同士のドッキング状態を解除する。
【００５６】
前記部品供給ステーションＳＴ２で搬送体６を回収した部品供給台車１６を牽引車Ｔにより牽引して部品積込ステーションＳＴ１に到着させ、積込ストッカ１５の供給口２２に部品供給台車１６の投入口３１を対面させ、両者の供給レール２３、３３同士および回収レール２４、３４同士をドッキングさせると、次回の部品供給を開始することができる。以上の供給サイクルを繰返し実行することにより、円滑に部品Ｗを組立ラインの作業者に供給することができる。
【００５７】
本実施形態の部品供給方法においては、図１４に示すように、部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５から部品供給台車１６を経由させて部品供給装置１への供給部品Ｗの流れが、供給レール２３、３３、３同士のドッキングにより効率的に行うことができる。また、部品Ｗを保持する搬送体６は、搬送体移載装置５により部品供給装置１の供給レール３から回収レール４に連続して回収され、部品供給装置１から部品供給台車１６を経由させて部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５へと夫々の回収レール４、３４、２４を経由させて効率的に行うことができる。
【００５８】
しかも、部品供給装置１の搬送体移載装置５は、供給レール４の搬送体６を保持している部品Ｗも含めてその自重により回収レール４へ移載するものであるため、回収レール４を供給レール３よりも上部に配置するものであっても、作業者の作業負荷を必要とせず回収することができる。また、回収レール４が供給レール３の上方に配置されるものであるため、回収レール４、３４、２４および回収レール４、３４、２４に沿って搬送体６を移動させるスペースを、部品積込ステーションＳＴ１、部品供給ステーションＳＴ２および部品供給台車１６のいずれにも余分に必要とせず、スペース効率の高い部品供給システムとすることができる。
【００５９】
さらに、回収レール４、３４、２４を部品供給装置１、部品供給台車１６、積込ストッカ１５のいずれにおいて供給レール３、３３、２３の上方に配置するものであるため、積込ストッカ１５での部品投入時に、搬送体６を回収レール２４から供給レール２３に何らかのガイド手段により案内させて降ろすのみの動作で、回収した搬送体６を再び部品供給に利用することができ、作業効率を向上させることができる。
【００６０】
本実施形態においては、第１実施形態における効果（ア）〜（エ）に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
【００６１】
（オ）部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な供給レール３と、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体が走行可能な回収レール４と、を備え、前記供給レール３には搬送体６により整列させた状態で供給される部品Ｗを収容可能であり、前記回収レール４には供給部品Ｗを外した搬送体６を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションＳＴ２に配置される部品供給装置１と、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な供給レール３３と、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な回収レール３４と、を備え、前記供給レール３３には搬送体６により整列させた状態で、部品積込ステーションＳＴ１において組立ラインの部品供給ステーションＳＴ２に供給する部品Ｗを収容可能であり、前記回収レール３４には組立ラインの部品供給ステーションＳＴ２から供給部品Ｗが外された搬送体６を収容可能である部品供給台車１６と、からなる部品供給システムである。
【００６２】
そして、前記部品供給装置１の部品受取側の前記供給レール３端近傍と前記回収レール４端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構８を備えた搬送体６を供給レール３から回収レール４に移載する搬送体移載手段５を設け、部品供給装置１の部品投入側４１と部品供給台車１６の部品供給側３２とを連結して、部品供給台車１６の供給レール３３から部品供給装置１の供給レール３に対して搬送体６により保持して整列させた状態で収容する部品Ｗを搬送体６と共に供給し、搬送体移載手段５で回収されて部品供給装置１の回収レール４に収容された搬送体６を部品供給装置１の回収レール４から部品供給台車１６の回収レール３４に回収するようにしている。
【００６３】
このため、部品供給台車１６を経由させて部品供給装置１への供給部品Ｗの流れが、供給レール３、３３同士のドッキングにより効率的に行うことができ、部品Ｗを保持する搬送体６は、搬送体移載装置５により部品供給装置１の供給レール３から回収レール４に連続して回収され、部品供給装置１から部品供給台車１６へと夫々の回収レール４、３４を経由させて効率的に行うことができる。
【００６４】
（カ）部品積込ステーションＳＴ１には、部品投入側２１が部品供給側２２より高くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な供給レール２３と、部品投入側２１が部品供給側２２より低くなるよう傾斜され、部品保持機構８を備えた搬送体６が走行可能な回収レール２４と、を備え、前記供給レール２３には搬送体６により整列させた状態で、部品供給台車１６に供給する部品Ｗを収容可能であり、前記回収レール２４には部品供給台車１６から供給部品Ｗが外された搬送体６を収容可能である部品積込スタッカ１５を備える。
【００６５】
そして、部品供給台車１６の部品投入側３１と部品積込スタッカ１５の部品供給側２２とを連結して、部品積込スタッカ１５の供給レール２３から部品供給台車１６の供給レール３３に対して搬送体６により保持して整列させた状態で収容する部品Ｗを搬送体６と共に供給し、回収されて部品供給台車１６の回収レール３４に収容された搬送体６を部品供給台車１６の回収レール３４から部品積込スタッカ１５の回収レール２４に回収するようにしている。
【００６６】
このため、部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５から部品供給台車１６を経由させて部品供給装置１への供給部品Ｗの流れが、供給レール２３、３３、３同士のドッキングにより効率的に行うことができる。また、部品Ｗを保持する搬送体６は、搬送体移載装置５により部品供給装置１の供給レール３から回収レール４に連続して回収され、部品供給装置１から部品供給台車１６を経由させて部品積込ステーションＳＴ１の積込ストッカ１５へと夫々の回収レール４、３４、２４を経由させて効率的に行うことができる。
【００６７】
（キ）搬送体移載手段５は、部品受取側の前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗを前記供給レール３端よりも低い位置に設定された部品受取位置１３Ｂを経由させた後、搬送体６のみを部品受取側の前記回収レール４端近傍に搬送し、前記回収レール４に移載するよう構成され、前記供給レール３端から移載された搬送体６および供給部品Ｗの重量による部品受取位置１３Ｂへの移動により順次循環するため、回収レール４を供給レール３よりも上部に配置するものであっても、作業者の作業負荷を必要とせず回収することができる。また、回収レール４（３４、２４）が供給レール３（３３、２３）の上方に配置されるものであるため、回収レール４（３４、２４）および回収レール４（３４、２４）に沿って搬送体６を移動させるスペースを、部品積込ステーションＳＴ１、部品供給ステーションＳＴ２および部品供給台車１６のいずれにも余分に必要とせず、スペース効率の高い部品供給システムとすることができる。
【００６８】
（ク）部品供給装置１、部品供給台車１６さらには部品積込スタッカ１５の各供給レール３、３３、２３および／または回収レール４、３４、２４は、各投入側と各供給側とが連結された際に互いに連続するよう各々の高さを異ならせて配置され、前記各回収レール４、３４、２４は、前記各供給レール３、３３、２３の上方に配置されているため、積込ストッカ１５での部品投入時に、搬送体６を回収レール２４から供給レール２３に何らかのガイド手段により案内させて降ろすのみの動作で、回収した搬送体６を再び部品供給に利用することができ、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００６９】
【図１】本発明の一実施形態を示す部品供給装置の側面図。
【図２】同じく供給レールおよび搬送体を示す正面図。
【図３】一個送り装置の構成（Ａ）および動作状態（Ｂ）を示す側面図。
【図４】回収レールおよび搬送体の正面図。
【図５】搬送体移載手段の側面図。
【図６】搬送体移載手段の動作状態を示す側面図。
【図７】搬送体移載手段の移載動作を示す説明図。
【図８】搬送体の供給レールから移載手段への移載状況を説明する説明図。
【図９】搬送体の移載手段から回収レールへの移載状況を説明する説明図。
【図１０】供給レール若しくは回収レールと搬送体の別の形式を説明する説明図。
【図１１】本発明の第２実施形態を示す部品供給システムの説明図。
【図１２】積込ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図。
【図１３】部品供給ステーションでの部品および搬送体の移動状態を説明する説明図。
【図１４】部品および搬送体の移動状態を説明する説明図。
【符号の説明】
【００７０】
ＳＴ１ 部品積込ステーション
ＳＴ２ 部品供給ステーション
１ 部品供給装置
２ 支持フレーム
３、２３、３３ 供給レール
４、２４、３４ 回収レール
５ 搬送体移載手段、搬送体移載装置
６ 搬送体
７ スライダ
８ ハンガ
９ 一個送り装置
１０ チェーン
１１ フック
１３ スプロケット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
部品供給側と部品受取側とをガイドレールで結ぶと共に、そのガイドレールに部品保持機構を備えた搬送体を走行可能に設けた部品供給装置において、
前記ガイドレールは、部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レールと、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レールと、で構成し、
部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段と、
前記供給レールの部品受取側に配置されて先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が前記搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させる停止手段と、を備えることを特徴とする部品供給装置。
【請求項２】
前記搬送体移載手段は、部品受取側の前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させた後、搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送し、前記回収レールに移載するよう構成され、前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品の重量による部品受取位置への移動により順次循環することを特徴とする請求項１に記載の部品供給装置。
【請求項３】
前記搬送体移載手段は、部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍と前記部品受取位置とを経由して循環する巻掛け伝動手段を備えることを特徴とする請求項２に記載の部品供給装置。
【請求項４】
前記回収レールは、前記供給レールの上方に配置されていることを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一つに記載の部品供給装置。
【請求項５】
前記回収レールの部品供給側には、回収レールを走行してレール端部に到達した搬送体および後続する搬送体を停止させる回収側停止手段を備えることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一つに記載の部品供給装置。
【請求項６】
部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で供給される部品を収容可能であり、前記回収レールには供給部品を外した搬送体を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションに配置される部品供給装置と、
部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品積込ステーションにおいて組立ラインの部品供給ステーションに供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには組立ラインの部品供給ステーションから供給部品が外された搬送体を収容可能である部品供給台車と、からなる部品供給システムにおいて、
前記部品供給装置の部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を設け、
部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収することを特徴とする部品供給システム。
【請求項７】
前記部品積込ステーションには、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品供給台車に供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには部品供給台車から供給部品が外された搬送体を収容可能である部品積込スタッカを備え、
部品供給台車の部品投入側と部品積込スタッカの部品供給側とを連結して、部品積込スタッカの供給レールから部品供給台車の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、回収されて部品供給台車の回収レールに収容された搬送体を部品供給台車の回収レールから部品積込スタッカの回収レールに回収することを特徴とする請求項６に記載の部品供給システム。
【請求項８】
前記搬送体移載手段は、部品受取側の前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させた後、搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送し、前記回収レールに移載するよう構成され、前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品の重量による部品受取位置への移動により順次循環することを特徴とする請求項６または請求項７に記載の部品供給システム。
【請求項９】
前記部品供給装置、部品供給台車さらには部品積込スタッカの各供給レールおよび／または回収レールは、各投入側と各供給側とが連結された際に互いに連続するよう各々の高さを異ならせて配置され、
前記各回収レールは、前記各供給レールの上方に配置されていることを特徴とする請求項６から請求項８のいずれか一つに記載の部品供給システム。
【請求項１０】
部品供給装置の部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した供給レールに搬送体を走行させて搬送体により保持した部品を部品受取側に供給し、
部品受取側に配置した停止手段により先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が供給レールから搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させ、
前記供給レール端から搬送体移載手段に移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させ、経由後は搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送して前記回収レールに移載させ、
部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した回収レールに搬送体を走行させて部品供給側に搬送体を回収させるようにしたことを特徴とする部品供給方法。
【請求項１１】
部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で供給される部品を収容可能であり、前記回収レールには供給部品を外した搬送体を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションに配置される部品供給装置と、
部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品積込ステーションにおいて組立ラインの部品供給ステーションに供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには組立ラインの部品供給ステーションから供給部品が外された搬送体を収容可能である部品供給台車と、を備える部品供給方法において、
部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、
前記部品供給装置の部品受取側に配置した停止手段により先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が供給レールから搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させ、
前記部品供給装置の供給レール端から搬送体移載手段に移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させ、経由後は搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送して前記回収レールに移載させ、
前記搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収することを特徴とする部品供給方法。
【請求項１２】
前記部品積込ステーションには、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品供給台車に供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには部品供給台車から供給部品が外された搬送体を収容可能である部品積込スタッカを備え、
先ず、部品供給台車の部品投入側と部品積込スタッカの部品供給側とを連結して、部品積込スタッカの供給レールから部品供給台車の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、
回収されて部品供給台車の回収レールに収容された搬送体を部品供給台車の回収レールから部品積込スタッカの回収レールに回収し、
その後に、部品供給台車を組立ラインの部品供給装置に連結して部品供給台車から部品供給装置への部品供給および部品供給装置から部品供給台車への搬送体の回収を行うことを特徴とする請求項１１に記載の部品供給方法。
【請求項１】
部品供給側と部品受取側とをガイドレールで結ぶと共に、そのガイドレールに部品保持機構を備えた搬送体を走行可能に設けた部品供給装置において、
前記ガイドレールは、部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した往路を形成する供給レールと、部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した復路を形成する回収レールと、で構成し、
部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段と、
前記供給レールの部品受取側に配置されて先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が前記搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させる停止手段と、を備えることを特徴とする部品供給装置。
【請求項２】
前記搬送体移載手段は、部品受取側の前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させた後、搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送し、前記回収レールに移載するよう構成され、前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品の重量による部品受取位置への移動により順次循環することを特徴とする請求項１に記載の部品供給装置。
【請求項３】
前記搬送体移載手段は、部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍と前記部品受取位置とを経由して循環する巻掛け伝動手段を備えることを特徴とする請求項２に記載の部品供給装置。
【請求項４】
前記回収レールは、前記供給レールの上方に配置されていることを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一つに記載の部品供給装置。
【請求項５】
前記回収レールの部品供給側には、回収レールを走行してレール端部に到達した搬送体および後続する搬送体を停止させる回収側停止手段を備えることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一つに記載の部品供給装置。
【請求項６】
部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で供給される部品を収容可能であり、前記回収レールには供給部品を外した搬送体を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションに配置される部品供給装置と、
部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品積込ステーションにおいて組立ラインの部品供給ステーションに供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには組立ラインの部品供給ステーションから供給部品が外された搬送体を収容可能である部品供給台車と、からなる部品供給システムにおいて、
前記部品供給装置の部品受取側の前記供給レール端近傍と前記回収レール端近傍とを循環経路の一部とし、循環駆動されて前記部品保持機構を備えた搬送体を供給レールから回収レールに移載する搬送体移載手段を設け、
部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収することを特徴とする部品供給システム。
【請求項７】
前記部品積込ステーションには、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品供給台車に供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには部品供給台車から供給部品が外された搬送体を収容可能である部品積込スタッカを備え、
部品供給台車の部品投入側と部品積込スタッカの部品供給側とを連結して、部品積込スタッカの供給レールから部品供給台車の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、回収されて部品供給台車の回収レールに収容された搬送体を部品供給台車の回収レールから部品積込スタッカの回収レールに回収することを特徴とする請求項６に記載の部品供給システム。
【請求項８】
前記搬送体移載手段は、部品受取側の前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させた後、搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送し、前記回収レールに移載するよう構成され、前記供給レール端から移載された搬送体および供給部品の重量による部品受取位置への移動により順次循環することを特徴とする請求項６または請求項７に記載の部品供給システム。
【請求項９】
前記部品供給装置、部品供給台車さらには部品積込スタッカの各供給レールおよび／または回収レールは、各投入側と各供給側とが連結された際に互いに連続するよう各々の高さを異ならせて配置され、
前記各回収レールは、前記各供給レールの上方に配置されていることを特徴とする請求項６から請求項８のいずれか一つに記載の部品供給システム。
【請求項１０】
部品供給装置の部品供給側が部品受取側より高くなるよう傾斜した供給レールに搬送体を走行させて搬送体により保持した部品を部品受取側に供給し、
部品受取側に配置した停止手段により先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が供給レールから搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させ、
前記供給レール端から搬送体移載手段に移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させ、経由後は搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送して前記回収レールに移載させ、
部品供給側が部品受取側より低くなるように傾斜した回収レールに搬送体を走行させて部品供給側に搬送体を回収させるようにしたことを特徴とする部品供給方法。
【請求項１１】
部品投入側が部品受取側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品受取側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で供給される部品を収容可能であり、前記回収レールには供給部品を外した搬送体を収容可能であり、組立ラインの部品供給ステーションに配置される部品供給装置と、
部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品積込ステーションにおいて組立ラインの部品供給ステーションに供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには組立ラインの部品供給ステーションから供給部品が外された搬送体を収容可能である部品供給台車と、を備える部品供給方法において、
部品供給装置の部品投入側と部品供給台車の部品供給側とを連結して、部品供給台車の供給レールから部品供給装置の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、
前記部品供給装置の部品受取側に配置した停止手段により先頭の搬送体および後続する搬送体を停止させると共に先頭の搬送体が供給レールから搬送体移載手段に移載される毎に後続の搬送体を先頭の搬送体として停止させ、
前記部品供給装置の供給レール端から搬送体移載手段に移載された搬送体および供給部品を前記供給レール端よりも低い位置に設定された部品受取位置を経由させ、経由後は搬送体のみを部品受取側の前記回収レール端近傍に搬送して前記回収レールに移載させ、
前記搬送体移載手段で回収されて部品供給装置の回収レールに収容された搬送体を部品供給装置の回収レールから部品供給台車の回収レールに回収することを特徴とする部品供給方法。
【請求項１２】
前記部品積込ステーションには、部品投入側が部品供給側より高くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な供給レールと、部品投入側が部品供給側より低くなるよう傾斜され、部品保持機構を備えた搬送体が走行可能な回収レールと、を備え、前記供給レールには搬送体により整列させた状態で、部品供給台車に供給する部品を収容可能であり、前記回収レールには部品供給台車から供給部品が外された搬送体を収容可能である部品積込スタッカを備え、
先ず、部品供給台車の部品投入側と部品積込スタッカの部品供給側とを連結して、部品積込スタッカの供給レールから部品供給台車の供給レールに対して搬送体により保持して整列させた状態で収容する部品を搬送体と共に供給し、
回収されて部品供給台車の回収レールに収容された搬送体を部品供給台車の回収レールから部品積込スタッカの回収レールに回収し、
その後に、部品供給台車を組立ラインの部品供給装置に連結して部品供給台車から部品供給装置への部品供給および部品供給装置から部品供給台車への搬送体の回収を行うことを特徴とする請求項１１に記載の部品供給方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【公開番号】特開２００７−２２６７４（Ｐ２００７−２２６７４Ａ）
【公開日】平成１９年２月１日（２００７．２．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２０２８２９（Ｐ２００５−２０２８２９）
【出願日】平成１７年７月１２日（２００５．７．１２）
【出願人】（０００００３９９７）日産自動車株式会社 (16,386)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年２月１日（２００７．２．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年７月１２日（２００５．７．１２）
【出願人】（０００００３９９７）日産自動車株式会社 (16,386)
【Ｆターム（参考）】
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