説明

部品密着解除装置及びその装置を用いた液晶ディスプレイの製造方法

【課題】セット部に密着、固定した部品をセット部から容易に取り外することを可能にする。
【解決手段】加工処理された部品103を取り外すための部品密着解除装置に、加工処理すべき面を上にして部品をセットしエアー吸着で密着させるセット部101と、セット部に密着して加工処理された部品をセット部から跳ね出して部品の密着を解除する跳ね出し部とを備え、跳ね出し部は、セットした部品と反対側のセット部に位置するシリンダー105と、シリンダーを上昇又は下降して上昇時にセット部の穴を介して部品を突き、部品とセット部の密着を解除する跳ね出しピン106とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生産過程で装置又はプレートに密着した部品を取り外すのに有益な部品密着解除装置に関する。特に、本発明は、作業者、搬送ロボット等で密着、固定した部品を取り外す場合の動作時間を短縮可能にする部品密着解除装置及びその装置を用いた液晶ディスプレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一例として、液晶ディスプレイ(LCD)に関連する部品の生産の概略について説明する。液晶ディスプレイの概略生産は、薄膜トランジスター(TFT)を作り込むアレイ工程と、アレイ基板とこれに対向する基板との間に液晶材を封じ込むセル工程と、プリント基板上に実装した駆動回路などを液晶パネルに取り付けるモジュール工程とからなる。
特に、上記のモジュール工程では、セル基板の良否を見るための受け入れ試験から始まり、次に、セル基板を電気的に制御できるように駆動用電子回路ICを搭載したフレキシブル基板回路(FPC)をセル基板に取り付け、さらに、光源のバックライト、ケーブル、筐体枠等を取り付ける。
【0003】
上記のモジュール工程では、上記のFPCをセル基板に取り付けるには、異方性導電フィルム(Anisotropic Condudtive Film;ACF)を用いて、上記のFPCとセル基板との多数の電極同士を一括して接続を行う。
上記の接続作業では、プレートにセル基板を密着させ、セル基板の電極に異方性導電フィルムを貼り付け、貼り付け作業後、異方性導電フィルムを貼り付けたセル基板をプレートから取り外して、さらに、別のプレートに、異方性導電フィルムを貼り付けたセル基板を密着させ、上記のFPCを異方性導電フィルムの上に置き、熱と圧力を加えて貼り合わせを行い、接着剤を硬化させ、FPCの電極とセル基板の電極を直接に接続を行う。
【0004】
プレートにセル基板を密着させ、セル基板の電極に異方性導電フィルムを貼り付け、貼り付け作業後、異方性導電フィルムを貼り付けたセル基板をプレートから取り外す上記の接続作業では、以下の問題がある。
図8は、本発明の前提となる、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板をプレートから取り外す作業を説明する側断面図である。なお、全図を通して同一の構成要素には同一の番号、符号を付して説明を行う。
【0005】
本図に示すように、異方性導電フィルムを貼り付けるには基板セットプレート101が設けられ、基板セットプレート101には複数の位置決めピン102が設けられる。
セル基板103には複数の位置決め穴104が設けられ、複数の位置決め穴104は複数の位置決めピン102と位置的に対応している。
セル基板103は、位置決め穴104の各々に位置決めピン102の各々が挿入されるように、基板セットプレート101にセットされ、基板セットプレート101上に位置決めされる。
【0006】
作業者がセル基板103を基板セットプレート101にセット後、エアー吸着(図示しない)でセル基板103を基板セットプレート101に密着、固定させ、セル基板103に異方性導電フィルム(図示しない)を貼り付ける。この場合、エアー吸着を行うのは、セル基板103に異方性導電フィルムを貼り付ける時に、セル基板103が動かないようにし、異方性導電性膜の貼り付け精度を向上させるためである。
【0007】
セル基板103に異方性導電フィルムを貼り付け後、作業者が基板セットプレート101からセル基板103を取り外す際に、セル基板103の厚さが薄く、作業者の指でセル基板103を挟みにくく、エアー吸着を解除してもセル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除できず、セル基板103を基板セットプレート101から非常に取り外しくいという問題がある。
【0008】
さらに、セル基板103が基板セットプレート101に位置決めピン102、位置決め穴104とで位置決めされているため、上記の密着、固定が解除されていれば、セル基板103を垂直に引き上げることができ、位置決めピン102と位置決め穴104が干渉することなく素直に外せるが、上記の密着、固定を解除しつつ同時に引き上げを行う場合、少しでもセル基板103を傾けて引き上げると位置決めピン102と位置決め穴104が干渉し、セル基板103が位置決めピン102に引っ掛かり、セル基板103の取り外しが困難になるという問題がある。
【0009】
このため、作業者さらには搬送ロボット等でセル基板103を基板セットプレート101から取り外す場合に動作時間を短縮することができない。
さらに、前述のように、別のプレートに、異方性導電フィルムを貼り付けたセル基板を密着させ、上記のFPCを異方性導電フィルムの上に置き、熱と圧力を加えて貼り合わせを行い、接着剤を硬化させ、FPCの電極とセル基板の電極を直接に接続を行う場合には、熱、圧力を加えることがセル基板103を基板セットプレート101に密着させる原因となり、密着解除が困難になるという問題がある。
【0010】
従来では、プリント配線板の端子部へのクリーム半田の塗布に当たって、耐用寿命を改善できるクリーム半田の被着装置を提供するため、転写ユニットは、例えば一定のピッチ間隔で複数の孔(貫通孔)を有するステージと、ステージの孔に挿入され、かつ上下動する転写ピンと、転写ピンの基部を支持するホルダーと、ステージの上に載置されたクリーム半田を水平方向に移動させるスキージと、ステージの上に配置され、プリント配線板を真空吸着して上下動する支持手段とから構成されており、この構成において、クリーム半田がスキージによって水平方向に移動させられると、クリーム半田の一部が孔に、転写ピンの端面に載置されるように充実され、次に、支持手段に吸着されたプリント配線板が適当位置まで下降すると、ホルダーの作動によって転写ピンが上昇し、プリント配線板の端子部にクリーム半田が転写されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1は、ホルダーの作動によって転写ピンが上昇し、プリント配線板の端子部にクリーム半田が転写されることを開示しているが、前述のように、特に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除できず、セル基板103を基板セットプレート101から取り外すのが非常に困難であるという問題を解決するものではない。
【0012】
また、従来では、フレキシブル基板上のプリント回路を含む装置が容易に製造できるようにするため、製造機械に成形品を供給するための装置により得られ、ここで装置は、ロール上に配列された長いフレキシブルフィルムからなり、フィルムは各成形品を載せるための第一の保護層を有し、成形品と保護層との間には接着剤がつけられており、成形品を保護層に接着させ、第一の保護層と接着剤が協働し、その結果、成形品が第一の保護層から離脱したとき、実質的に接着剤の全てが成形品上あるいは保護層上に配置され、ここでは成形品はプリント回路を含むものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0013】
しかしながら、上記特許文献2は、フレキシブル基板上のプリント回路を含む装置を製造することを開示しているが、前述のように、特に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除できず、セル基板103を基板セットプレート101から取り外すのが非常に困難であるという問題を解決するものではない。
また、従来では、基板ホルダーの基板保持面の清掃を容易に行うことのできる露光装置を提供するため、感光基板と同程度の厚みと形状を有し、表面に基板保持面を形成した基板保持用アダプターを別部材として用意し、基板ステージのベースステージ上に基板保持用アダプターを真空吸着し、その上に感光基板を真空吸着保持し、基板保持用アダプターは基板搬送系によってベースステージから取り外して露光装置内を搬送し、露光装置内の洗浄部もしくは基板収納ボックス内に搬送収納し、洗浄部で洗浄されて異物が除去された基板保持用アダプター、又は洗浄ののち基板収納ボックスに戻された基板保持用アダプターは、再び基板搬送系によってベースステージ上に戻されるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0014】
しかしながら、上記特許文献3は、感光基板を真空吸着保持し、基板保持用アダプターは基板搬送系によってベースステージから取り外して露光装置内を搬送することを開示しているが、前述のように、特に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除できず、セル基板103を基板セットプレート101から取り外すのが非常に困難であるという問題を解決するものではない。
【0015】
また、従来では、異方導電性フィルムを用いてICチップと回路基板との接続を行う際に発生するアウトガスによって回路基板等に形成される付着物を低減するため、回路基板を保持する接続用ステージと、この接続用ステージに保持された回路基板の表面に異方導電性フィルム片を介してICチップを接合させる接続用ツールと、この接続用ツールで接合したICチップと回路基板との間に介在する異方導電性フィルム片を加熱して硬化させるヒータ,と、このヒータによる加熱中に、異方導電性フィルム片の近傍のアウトガスを除去する気体噴射用ノズルとを備えるものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0016】
しかしながら、上記特許文献4は、異方導電性フィルムを用いてICチップと回路基板との接続を行うことを開示しているが、前述のように、特に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除できず、セル基板103を基板セットプレート101から取り外すのが非常に困難であるという問題を解決するものではない。
また、従来では、FCA実装した不良ICチップのリペアをするため、リペアすべきACF接続不良ICチップ部に耐熱性の筒状治具を両面テープで固定し、次いで、その筒状治具のなかに溶剤を供給したのちリペア部分を局所加熱し、これによりACFを膨潤させ、不良ICチップと基板との接着力を低下させてチップを除去し、最後に新しいチップを再搭載するものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0017】
しかしながら、上記特許文献5は、FCA実装した不良ICチップのリペアをすることを開示するが、前述のように、特に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除できず、セル基板103を基板セットプレート101から取り外すのが非常に困難であるという問題を解決するものではない。
【0018】
【特許文献1】特開平05−275844号公報
【特許文献2】特表2002−536939号公報
【特許文献3】特開平10−116760号公報
【特許文献4】特開平10−116855号公報
【特許文献5】特開平09−191029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除し、セル基板103を基板セットプレート101から容易に取り外することが可能となる部品密着解除装置及びその装置を用いた液晶ディスプレイの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は前記問題点を解決するために、加工処理された部品を取り外すための部品密着解除装置において、加工処理すべき面を上にして前記部品をセットしエアー吸着で密着させるセット部と、前記セット部に密着して加工処理された前記部品を前記セット部から跳ね出して前記部品の密着を解除する跳ね出し部とを備え、前記跳ね出し部は、セットした前記部品と反対側の前記セット部に位置するシリンダーと、前記シリンダーを上昇又は下降して上昇時に前記セット部の穴を介して前記部品を突き、前記部品と前記セット部の密着を解除する跳ね出しピンとを有することを特徴とする部品密着解除装置を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、加工処理された部品を取り外すための部品密着解除装置において、加工処理すべき面を上にして前記部品をセットするセット部と、前記部品が圧力、熱を含む加工処理され、前記セット部に圧力、熱を含む加工処理で密着した前記部品を前記セット部から跳ね出して前記部品の密着を解除する跳ね出し部とを備え、前記跳ね出し部は、セットした前記部品と反対側の前記セット部に位置するシリンダーと、前記シリンダーを上昇又は下降して上昇時に前記セット部の穴を介して前記部品を突き、前記部品と前記セット部の密着を解除する跳ね出しピンとを有することを特徴とする部品密着解除装置を提供する。
【0022】
さらに、前記跳ね出しピンを手動で上昇又は下降を行う。
さらに、前記跳ね出しピンは、手動の下降時にバネの収縮をロックし、ロック解除によりバネ力で上昇する。
さらに、前記跳ね出しピンを電動で上昇又は下降を行う。
さらに、前記跳ね出し部に代わりエアー吸着部を設け、前記エアー吸着部は前記セット部に密着する前記部品の面の一部をエアー吸着して引き上げて前記部品と前記セット部の密着を解除する。
【0023】
さらに、前記エアー吸着部は、手動又は電動で、エアー吸着した前記部品の引き上げを行う。
さらに、本発明は、セル基板に異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理を行う液晶ディスプレイの製造方法において、異方性導電フィルムを貼り付けるべき前記セル基板の面を上にして前記セル基板を基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記基板セットプレートを密着させる工程と、前記基板セットプレートに密着させた前記セル基板に異方性導電フィルムを貼り付け、エアー吸着を解除する工程と、前記セル基板をセットした前記基板セットプレートの面と反対側の面に位置するシリンダーを跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記跳ね出しピン上昇時に前記基板セットプレートの穴を介して前記跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法を提供する。
【0024】
さらに、本発明は、駆動用電子回路ICを搭載したフレキシブル基板回路をセル基板に取り付ける加工処理を行う液晶ディスプレイの製造方法において、異方性導電フィルムを貼り付けた前記セル基板の面を上にして前記セル基板を基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記基板セットプレートを密着させる工程と、前記セル基板に貼り付けた異方性導電フィルム上に前記フレキシブル基板回路を置き熱、圧力を加えて前記セル基板と前記フレキシブル基板回路との電極を相互に接続させ、エアー吸着を解除する工程と、前記セル基板をセットした前記基板セットプレートの面と反対側の面に位置するシリンダーを跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記跳ね出しピン上昇時に前記基板セットプレートの穴を介して前記跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法を提供する。
【0025】
さらに、本発明は、駆動用電子回路ICを搭載したフレキシブル基板回路をセル基板に取り付ける加工処理を行う液晶ディスプレイの製造方法において、異方性導電フィルムを貼り付けるべき前記セル基板の面を上にして前記基板を第1の基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記第1の基板セットプレートを密着させる工程と、前記第1の基板セットプレートに密着させた前記セル基板に異方性導電フィルムを貼り付け、エアー吸着を解除する工程と、前記セル基板をセットした前記第1の基板セットプレートの面と反対側の面に位置する第1のシリンダーを第1の跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記第1の跳ね出しピン上昇時に前記第1の基板セットプレートの穴を介して前記第1の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記第1の基板セットプレートの密着を解除させる工程と、密着を解除され、異方性導電フィルムを貼り付けた前記セル基板の面を上にして前記セル基板を第2の基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記第2の基板セットプレートを密着させる工程と、前記セル基板に貼り付けた異方性導電フィルム上に前記フレキシブル基板回路を置き熱、圧力を加えて前記セル基板と前記フレキシブル基板回路との電極を相互に接続させ、エアー吸着を解除する工程と、前記セル基板をセットした前記第2基板セットプレートの面と反対側の面に位置する第2のシリンダーを第2の跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記第2の跳ね出しピン上昇時に前記第2の基板セットプレートの穴を介して前記第2の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記第2の基板セットプレートの密着を解除させる工程とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法を提供する。
【0026】
さらに、前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程に代わり、前記基板セットプレート部に密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程を備える。
さらに、前記第1の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第1の基板セットプレート部に密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第1の基板セットプレートの密着を解除する工程を備え、さらに、前記第2の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第2の基板セットプレートに密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第2の基板セットプレートの密着を解除させる工程を備える。
【0027】
さらに、前記第1の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第1の基板セットプレートに密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第1の基板セットプレートの密着を解除させる工程を備える。
さらに、前記第2の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第2の基板セットプレートに密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第2の基板セットプレートの密着を解除する工程を備える。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、エアー吸着解除後には、部品密着解除装置を動作させ、セル基板の基板セットプレートへの密着、固定を容易に解除し、セル基板の厚さが薄く、作業者の指でセル基板を挟みにくくても、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板を基板セットプレートから容易に取り外すことが可能となる。
さらに、セル基板の基板セットプレートへの密着、固定が解除されるので、基板セットプレートからセル基板を垂直に容易に引き上げ可能となり、位置決めピンと位置決め穴が干渉することがなくなり、セル基板が位置決めピンに引っ掛かるのを防止でき、セル基板の取り外しが容易になる。
【0029】
作業者がセル基板を取り出す際の作業性が向上し、さらに、搬送ロボット等で部品を取り外しも容易となり、その結果、ライン作業における動作時間を短縮でき、生産性向上につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る部品密着解除装置であって、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板をプレートから取り外す概略構成を説明する側断面図である。本図(a)、(b)、(c)には手動式、バネ式、電動式の跳ね出し機構を採用した部品密着解除装置例が示される。
【0031】
本図(a)に示すように、図8と比較して、基板セットプレート101にはシリンダー105が設けられ、シリンダー105はセル基板103がセットされる側と反対側に位置する。
さらに、シリンダー105には跳ね出しピン106が設けられ、跳ね出しピン106はシリンダー105内を上昇又は下降した時に基板セットプレート101の穴111を介してシリンダー105から跳ね出て、セットされたセル基板103を突き、基板セットプレート101の密着、固定を解除する。
【0032】
なお、シリンダー105、跳ね出しピン106の対は、セル基板103と対面する基板セットプレート101の任意の位置に設けられ、シリンダー105、跳ね出しピン106の対の位置は上記密着、固定の解除が可能な位置であれば特に限定されない。
跳ね出しピン106には摘み部107が設けられ、作業者により摘み部107を介して跳ね出しピン106の上下移動が行われる。
【0033】
さらに、本図(b)に示すように、シリンダー105内部の下部にはバネ108が設けられ、バネ108は跳ね出しピン106の上昇時に跳ね出しピン106に跳ね出し力を与える。
摘み部107にはロック機能が設けられ、摘み部107のロック機能は摘み部107による跳ね出しピン106の下降時にバネ108の収縮をロックする。
【0034】
さらに、本図(c)に示すように、跳ね出しピン106には上下駆動部109が設けられ、上下駆動部109は跳ね出しピン106を上昇又は下降させる。
上下駆動部109には制御部110が接続され、制御部110は上下駆動部109に対して跳ね出しピン106を上昇又は下降させる制御を行う。
図2は図1(a)の手動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。本図(a)に示すように、位置決めピン102を目標に位置決め穴104を合わせ基板セットプレート101上にセル基板103をセットし、エアー吸着により(図示しない)、基板セットプレート101にセル基板103を密着させる。この場合、作業者により摘み部107でシリンダー105内の跳ね出しピン106を下降させ、下降した状態で基板セットプレート101に密着したセル基板103には異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われる。
【0035】
本図(b)に示すように、密着したセル基板103に異方性導電フィルムが貼り付けられたら、エアー吸着を解除し、作業者により摘み部107で、シリンダー105内の跳ね出しピン106を上昇させ、シリンダー105から跳ね出しピン106を跳ね出せ、基板セットプレート101を突き、基板セットプレート101からセル基板103の密着、固定を解除する。
【0036】
この状態では、セル基板103が浮いているので、セル基板103がつかみやすく、取り出しが容易となる。
本図(c)に示すように、セル基板103が基板セットプレート101から密着、固定が解除されたら、作業者により摘み部107で、シリンダー105から基板セットプレート101に跳ね出た跳ね出しピン106にシリンダー105内を下降させる。この状態では、セル基板103が浮いていないが、密着、固定が解除されているので、セル基板103の取り出しは容易である。
【0037】
このようにして、エアー吸着解除後には、本発明の跳ね出し機構を作業者の手動で動作させ、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除し、セル基板103の厚さが薄く、作業者の指でセル基板103を挟みにくくても、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板103を基板セットプレート101から容易に取り外すことが可能となる。
【0038】
さらに、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定が解除されるので、基板セットプレート101からセル基板103を垂直に容易に引き上げ可能となり、位置決めピン102と位置決め穴104が干渉することがなくなり、セル基板103が位置決めピン102に引っ掛かるのを防止でき、セル基板103の取り外しが容易になる。
図3は図1(b)のバネ式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。本図(a)に示すように、位置決めピン102を目標に位置決め穴104を合わせ基板セットプレート101上にセル基板103をセットし、エアー吸着により(図示しない)、基板セットプレート101にセル基板103を密着させる。この場合、摘み部107でシリンダー105内の跳ね出しピン106を下降させた状態で、バネ108を収縮させ、摘み部107でバネ108の収縮をロックし、基板セットプレート101に密着したセル基板103には異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われる。
【0039】
本図(b)に示すように、密着したセル基板103に異方性導電フィルムが貼り付けられたら、エアー吸着を解除し、さらに、摘み部107のロック機能を解除し、バネ108によりシリンダー105内の跳ね出しピン106を上昇させ、シリンダー105から跳ね出しピン106を跳ね出せ、基板セットプレート101を突き、基板セットプレート101からセル基板103の密着、固定を解除する。
この状態では、セル基板103が浮いているので、セル基板103がつかみやすく、取り出しが容易となる。
【0040】
本図(c)に示すように、セル基板103が基板セットプレート101から密着、固定が解除されたら、摘み部107により、シリンダー105から基板セットプレート101に跳ね出た跳ね出しピン106にシリンダー105内を下降させ、跳ね出しピン106の下降終了時にバネ108の収縮をロックする。この状態では、セル基板103が浮いていないが、密着、固定が解除されているので、セル基板103の取り出しは容易である。
【0041】
このようにして、エアー吸着解除後には、本発明の跳ね出し機構を、バネ力を利用して、動作させ、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除し、セル基板103の厚さが薄く、作業者の指でセル基板103を挟みにくくても、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板103を基板セットプレート101から容易に取り外すことが可能となる
【0042】
さらに、前述と同様に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定が解除されるので、基板セットプレート101からセル基板103を垂直に容易に引き上げ可能となり、位置決めピン102と位置決め穴104が干渉することがなくなり、セル基板103が位置決めピン102に引っ掛かるのを防止でき、セル基板103の取り外しが容易になる。
【0043】
図4は図1(c)の電動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。本図(a)に示すように、位置決めピン102を目標に位置決め穴104を合わせ基板セットプレート101上にセル基板103をセットし、エアー吸着により(図示しない)、基板セットプレート101にセル基板103を密着させる。この場合、制御部110で上下駆動部109を制御し、シリンダー105内の跳ね出しピン106を下降させた状態で、基板セットプレート101に密着したセル基板103には異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われる。
【0044】
本図(b)に示すように、密着したセル基板103に異方性導電フィルムが貼り付けられたら、エアー吸着を解除し、制御部110で上下駆動部109を制御し、シリンダー105内の跳ね出しピン106を上昇させ、シリンダー105から跳ね出しピン106を跳ね出せ、基板セットプレート101を突き、基板セットプレート101からセル基板103の密着、固定を解除する。
【0045】
この状態では、セル基板103が浮いているので、セル基板103がつかみやすく、取り出しが容易となる。
本図(c)に示すように、セル基板103が基板セットプレート101から密着、固定が解除されたら、制御部110で上下駆動部109を制御し、シリンダー105から基板セットプレート101に跳ね出た跳ね出しピン106にシリンダー105内を下降させる。この状態では、セル基板103が浮いていないが、密着、固定が解除されているので、セル基板103の取り出しは容易である。
【0046】
このようにして、エアー吸着解除後には、本発明の跳ね出し機構を電動式で動作させ、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除し、セル基板103の厚さが薄く、作業者の指でセル基板103を挟みにくくても、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板103を基板セットプレート101から容易に取り外すことが可能となる
【0047】
さらに、前述と同様に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定が解除されるので、基板セットプレート101からセル基板103を垂直に容易に引き上げ可能となり、位置決めピン102と位置決め穴104が干渉することがなくなり、セル基板103が位置決めピン102に引っ掛かるのを防止でき、セル基板103の取り外しが容易になる。
【0048】
したがって、本発明の跳ね出し機構によれば、作業環境に応じて手動式、バネ式又は電動式を選択でき、作業者がセル基板103を取り出す際の作業性が向上し、さらに、搬送ロボット等で部品の取り外しも容易となり、その結果、ライン作業における動作時間を短縮でき、生産性向上につながる。
【実施例1】
【0049】
図5は図1の変形例に係る部品密着解除装置であって、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板をプレートから取り外す概略構成を説明する側断面図である。本図(a)、(b)には図1と比較して、シリンダー105、跳ね出しピン106の対に代わり、手動式、電動式のエアー吸着機構を採用した部品密着解除装置例が示される。
本図(a)に示すように、部品密着解除装置は、手動式のエアー吸着機構を採用したエアーエアー吸着部112を備え、エアー吸着部112は作業者により移動可能であり、かつ作業者の手動でエアー吸着機能を動作、停止する操作部を有する。
【0050】
エアー吸着部112は、異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われたセル基板103を吸着して引き上げて、基板セットプレート101から吸着、固定を解除する。なお、エアー吸着するセル基板103の場所は、異方性導電フィルムが貼り付けられる場所を除く任意の場所である。以下同様である。
本図(b)に示すように、部品密着解除装置は、手動式のエアー吸着機構を採用し、エアー吸着部112、エアー吸着動作部113、制御部114を備える。
【0051】
エアー吸着部112は上昇又は下降し、異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われたセル基板103をエアー吸着し、基板セットプレート101から吸着、固定を解除する。
さらに、エアー吸着部112にはエアー吸着動作部113が設けられ、エアー吸着動作部113は、エアー吸着部112を上昇又は下降させ、エアー吸着部112のエアー吸着の動作・停止を行う。
【0052】
さらに、エアー吸着動作部113には制御部114が接続され、制御部114はエアー吸着動作部113の制御を行う。
図6は図5(a)の手動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。本図(a)に示すように、位置決めピン102を目標に位置決め穴104を合わせ基板セットプレート101上にセル基板103をセットし、エアー吸着により(図示しない)、基板セットプレート101にセル基板103を密着させる。この場合、作業者により、エアー吸着部112をセル基板103から離れた位置に移動させ、エアー吸着を停止した状態にし、基板セットプレート101に密着したセル基板103には異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われる。
【0053】
本図(b)に示すように、密着したセル基板103に異方性導電フィルムが貼り付けられたら、作業者によりエアー吸着部112をセル基板103まで移動し、エアー吸着部112にエアー吸着を動作させてセル基板103の密着、固定解除を開始する。
本図(c)に示すように、作業者によりセル基板103に吸着したエアー吸着部112を移動させ、基板セットプレート101からセル基板103を引き上げ、剥離させ、セル基板103と基板セットプレート101の密着、固定を解除させる。
【0054】
なお、上記例では、セル基板103を斜めに引き上げたが、完全に引き上げてもよい。
本図(d)に示すように、セル基板103が基板セットプレート101から密着、固定が解除されたら、作業者によりセル基板103に吸着したエアー吸着部112を基板セットプレート101まで下降させ、密着、固定解除を終了する。
本図(e)に示すように、密着、固定解除後、作業者により、エアー吸着部112のエアー吸着を停止し、エアー吸着部112をセル基板103から離れた位置に移動する。
【0055】
このようにして、セル基板103と基板セットプレート101とのエアー吸着解除後には、本発明のエアー吸着による方式の部品密着解除装置を作業者の手動で動作させ、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除し、セル基板103の厚さが薄く、作業者の指でセル基板103を挟みにくくても、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板103を基板セットプレート101から容易に取り外すことが可能となる
【0056】
さらに、前述と同様に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定が解除されるので、基板セットプレート101からセル基板103を垂直に容易に引き上げ可能となり、位置決めピン102と位置決め穴104が干渉することがなくなり、セル基板103が位置決めピン102に引っ掛かるのを防止でき、セル基板103の取り外しが容易になる。
【0057】
図7は図5(b)の電動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。本図(a)に示すように、位置決めピン102を目標に位置決め穴104を合わせ基板セットプレート101上にセル基板103をセットし、エアー吸着により(図示しない)、基板セットプレート101にセル基板103を密着させる。この場合、制御部114でエアー吸着動作部113を制御し、エアー吸着部112を上昇させ、エアー吸着を停止した状態にし、基板セットプレート101に密着したセル基板103には異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理が行われる。
【0058】
本図(b)に示すように、密着したセル基板103に異方性導電フィルムが貼り付けられたら、制御部114でエアー吸着動作部113を制御し、エアー吸着部112をセル基板103まで下降させて、エアー吸着部112にエアー吸着を動作させて、セル基板103の密着、固定解除を開始する。
本図(c)に示すように、制御部114でエアー吸着動作部113を制御し、セル基板103に吸着したエアー吸着部112を上昇させ、基板セットプレート101からセル基板103を引き上げ、剥離させ、セル基板103と基板セットプレート101の密着、固定を解除させる。
【0059】
なお、上記例では、セル基板103を斜めに引き上げたが、完全に引き上げてもよい。
本図(d)に示すように、セル基板103が基板セットプレート101から密着、固定が解除されたら、制御部114でエアー吸着動作部113を制御し、セル基板103に吸着したエアー吸着部112を基板セットプレート101まで下降させ、密着、固定解除を終了する。
【0060】
本図(e)に示すように、密着、固定解除後、制御部114でエアー吸着動作部113を制御し、エアー吸着部112のエアー吸着を停止し、エアー吸着部112を上昇させる。
このようにして、セル基板103と基板セットプレート101とのエアー吸着解除後には、本発明のエアー吸着による方式の部品密着解除装置を電動式で動作させ、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定を容易に解除し、セル基板103の厚さが薄く、作業者の指でセル基板103を挟みにくくても、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板103を基板セットプレート101から容易に取り外すことが可能となる。
【0061】
さらに、前述と同様に、セル基板103の基板セットプレート101への密着、固定が解除されるので、基板セットプレート101からセル基板103を垂直に容易に引き上げ可能となり、位置決めピン102と位置決め穴104が干渉することがなくなり、セル基板103が位置決めピン102に引っ掛かるのを防止でき、セル基板103の取り外しが容易になる。
【0062】
したがって、本発明のエアー吸着による方式の部品密着解除装置によれば、作業環境に応じて手動式又は電動式を選択でき、作業者がセル基板103を取り出す際の作業性が向上し、さらに、搬送ロボット等で部品を取り外しも容易となり、その結果、ライン作業における動作時間を短縮でき、生産性向上につながる。
特に、図1と図6の方式の部品密着解除装置では、基板セットプレート101に対して、設置場所が正反対側に位置するので、作業環境に応じて、いずれかに適した部品密着解除装置を選択することが可能になる。
【実施例2】
【0063】
以上の説明では、セル基板103に異方性導電フィルムを貼り付ける場合についてセル基板103と基板セットプレート101の密着、固定の解除する部品密着解除装置を開示したが、異方性導電フィルムを貼り付けたセル基板を基板セットプレート101から取り外して、さらに、別のプレートに、異方性導電フィルムを貼り付けたセル基板を密着させ、セル基板を電気的に制御できるように駆動用電子回路ICを搭載したフレキシブル基板回路(FPC)を異方性導電フィルムの上に位置合わせして置き、熱と圧力を加えて貼り合わせを行い、接着剤を硬化させ、FPCの電極とセル基板の電極を直接に接続を行う加工処理の場合にも、加工処理時にエアー吸着、熱、圧力でプレートに密着した部品を本発明の跳ね出し機構、エアー吸着機構の部品密着解除装置の適用が可能である。
【0064】
すなわち、セル基板103をプレートにエアー吸着で密着、固定させて加工処理する場合だけでなく、加工処理時の熱、圧力でプレートに密着、固定されるセル基板103とFPCとを取り外す場合にも本発明の部品密着解除装置の適用が可能である。
この場合、セル基板103に異方性導電フィルムの貼り付けの加工処理には跳ね出し機構の部品密着解除装置を採用し、異方性導電フィルムを介するセル基板とFPCとの加熱、圧力接着による接続を行う加工処理にはエアー吸着機構の部品密着解除装置を採用するようにしてもよい。さらに、この逆に、セル基板103に異方性導電フィルムの貼り付けの加工処理にはエアー吸着機構の部品密着解除装置を採用し、異方性導電フィルムを介するFPCとセル基板との加熱、圧力接着による接続を行う加工処理には跳ね出し機構の部品密着解除装置を採用するようにしてもよい。作業環境に適合可能とするためである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
液晶ディスプレイ(LCD)の生産において、プリント基板上に実装した駆動回路などを液晶パネルに取り付けるモジュール工程に本発明の部品密着解除装置を利用することが可能である。
さらに、プレス機に自動車部品などをセットし、プレス後、プレス機にプレスで密着した部品を取り外す際に本発明の部品密着解除装置を適用することにより、部品の取り外しを容易にすることが可能になる。すなわち、装置に部品をセットして加工処理し、加工処理した部品を取り外す作業がある全ての分野の装置において、本発明の部品密着解除装置を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る部品密着解除装置であって、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板をプレートから取り外す概略構成を説明する側断面図である。
【図2】図1(a)の手動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。
【図3】図1(b)のバネ式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。
【図4】図1(c)の電動式における部品密着解除装置の動作を説明する図である。
【図5】図1の変形例に係る部品密着解除装置であって、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板をプレートから取り外す概略構成を説明する側断面図である。
【図6】図5(a)の手動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。
【図7】図5(b)の電動式における部品密着解除装置の動作を説明する側断面図である。
【図8】本発明の前提となる、異方性導電フィルムが貼り付けられたセル基板をプレートから取り外す作業を説明する側断面図である。
【符号の説明】
【0067】
101…基板セットプレート
102…位置決めピン
103…セル基板
104…位置決め穴
105…シリンダー
106…跳ね出しピン
107…摘み部
108…バネ
109…上下駆動部
110、114…制御部
111…穴
112…エアー吸着部
113…エアー吸着動作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工処理された部品を取り外すための部品密着解除装置において、
加工処理すべき面を上にして前記部品をセットしエアー吸着で密着させるセット部と、
前記セット部に密着して加工処理された前記部品を前記セット部から跳ね出して前記部品の密着を解除する跳ね出し部とを備え、
前記跳ね出し部は、
セットした前記部品と反対側の前記セット部に位置するシリンダーと、
前記シリンダーを上昇又は下降して上昇時に前記セット部の穴を介して前記部品を突き、前記部品と前記セット部の密着を解除する跳ね出しピンとを有することを特徴とする部品密着解除装置。
【請求項2】
加工処理された部品を取り外すための部品密着解除装置において、
加工処理すべき面を上にして前記部品をセットするセット部と、
前記部品が圧力、熱を含む加工処理され、前記セット部に圧力、熱を含む加工処理で密着した前記部品を前記セット部から跳ね出して前記部品の密着を解除する跳ね出し部とを備え、
前記跳ね出し部は、
セットした前記部品と反対側の前記セット部に位置するシリンダーと、
前記シリンダーを上昇又は下降して上昇時に前記セット部の穴を介して前記部品を突き、前記部品と前記セット部の密着を解除する跳ね出しピンとを有することを特徴とする部品密着解除装置。
【請求項3】
前記跳ね出しピンを手動で上昇又は下降を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の部品密着解除装置。
【請求項4】
前記跳ね出しピンは、手動の下降時にバネの収縮をロックし、ロック解除によりバネ力で上昇することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の部品密着解除装置。
【請求項5】
前記跳ね出しピンを電動で上昇又は下降を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の部品密着解除装置。
【請求項6】
前記跳ね出し部に代わりエアー吸着部を設け、前記エアー吸着部は前記セット部に密着する前記部品の面の一部をエアー吸着して引き上げて前記部品と前記セット部の密着を解除することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の部品密着解除装置。
【請求項7】
前記エアー吸着部は、手動又は電動で、エアー吸着した前記部品の引き上げを行うことを特徴とする、請求項6に記載の部品密着解除装置。
【請求項8】
セル基板に異方性導電フィルムを貼り付ける加工処理を行う液晶ディスプレイの製造方法において、
異方性導電フィルムを貼り付けるべき前記セル基板の面を上にして前記セル基板を基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記基板セットプレートを密着させる工程と、
前記基板セットプレートに密着させた前記セル基板に異方性導電フィルムを貼り付け、エアー吸着を解除する工程と、
前記セル基板をセットした前記基板セットプレートの面と反対側の面に位置するシリンダーを跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記跳ね出しピン上昇時に前記基板セットプレートの穴を介して前記跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項9】
駆動用電子回路ICを搭載したフレキシブル基板回路をセル基板に取り付ける加工処理を行う液晶ディスプレイの製造方法において、
異方性導電フィルムを貼り付けた前記セル基板の面を上にして前記セル基板を基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記基板セットプレートを密着させる工程と、
前記セル基板に貼り付けた異方性導電フィルム上に前記フレキシブル基板回路を置き熱、圧力を加えて前記セル基板と前記フレキシブル基板回路との電極を相互に接続させ、エアー吸着を解除する工程と、
前記セル基板をセットした前記基板セットプレートの面と反対側の面に位置するシリンダーを跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記跳ね出しピン上昇時に前記基板セットプレートの穴を介して前記跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項10】
駆動用電子回路ICを搭載したフレキシブル基板回路をセル基板に取り付ける加工処理を行う液晶ディスプレイの製造方法において、
異方性導電フィルムを貼り付けるべき前記セル基板の面を上にして前記基板を第1の基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記第1の基板セットプレートを密着させる工程と、
前記第1の基板セットプレートに密着させた前記セル基板に異方性導電フィルムを貼り付け、エアー吸着を解除する工程と、
前記セル基板をセットした前記第1の基板セットプレートの面と反対側の面に位置する第1のシリンダーを第1の跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記第1の跳ね出しピン上昇時に前記第1の基板セットプレートの穴を介して前記第1の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記第1の基板セットプレートの密着を解除させる工程と、
密着を解除され、異方性導電フィルムを貼り付けた前記セル基板の面を上にして前記セル基板を第2の基板セットプレートにセットしエアー吸着で前記セル基板と前記第2の基板セットプレートを密着させる工程と、
前記セル基板に貼り付けた異方性導電フィルム上に前記フレキシブル基板回路を置き熱、圧力を加えて前記セル基板と前記フレキシブル基板回路との電極を相互に接続させ、エアー吸着を解除する工程と、
前記セル基板をセットした前記第2基板セットプレートの面と反対側の面に位置する第2のシリンダーを第2の跳ね出しピンに上昇又は下降させ、前記第2の跳ね出しピン上昇時に前記第2の基板セットプレートの穴を介して前記第2の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板と前記第2の基板セットプレートの密着を解除させる工程とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項11】
前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程に代わり、前記基板セットプレート部に密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記基板セットプレートの密着を解除させる工程を備えることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項12】
前記第1の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第1の基板セットプレート部に密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第1の基板セットプレートの密着を解除する工程を備え、さらに、前記第2の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第2の基板セットプレートに密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第2の基板セットプレートの密着を解除させる工程を備えることを特徴とする、請求項10に記載の液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項13】
前記第1の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第1の基板セットプレートに密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第1の基板セットプレートの密着を解除させる工程を備えることを特徴とする、請求項10に記載の液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項14】
前記第2の跳ね出しピンに前記セル基板を突かせ、前記セル基板の密着を解除させる工程に代わり、前記第2の基板セットプレートに密着する前記セル基板の面の一部を吸着して引き上げて前記セル基板と前記第2の基板セットプレートの密着を解除させる工程を備えることを特徴とする、請求項10に記載の液晶ディスプレイの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−32662(P2006−32662A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209618(P2004−209618)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】