部品整列供給装置
【課題】対象部品のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能な部品整列供給装置を提供する。
【解決手段】ネジ整列供給装置は、ともにX軸方向に延伸するベルト31とレール32とを有してなる整列搬送機を備えている。整列搬送機30におけるベルト31とレール32とは、少なくともネジ搬送面同士の間に、対象とするネジのネジ部分の断面サイズよりも広く、且つ、頭部分の断面サイズよりも狭い間隙をあけた状態で並設されている。また、ベルト31とレール32とは、ネジの搬送に係る互いのZ軸方向上面が同一レベルに設定されている。ここで、装置駆動時において、ベルト31は、X軸方向の左下向きに搬送駆動するのに対して、レール32は、静止している。
【解決手段】ネジ整列供給装置は、ともにX軸方向に延伸するベルト31とレール32とを有してなる整列搬送機を備えている。整列搬送機30におけるベルト31とレール32とは、少なくともネジ搬送面同士の間に、対象とするネジのネジ部分の断面サイズよりも広く、且つ、頭部分の断面サイズよりも狭い間隙をあけた状態で並設されている。また、ベルト31とレール32とは、ネジの搬送に係る互いのZ軸方向上面が同一レベルに設定されている。ここで、装置駆動時において、ベルト31は、X軸方向の左下向きに搬送駆動するのに対して、レール32は、静止している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品整列供給装置に関し、特に、棒状であって、その一部が他の部分よりも拡径された部品の整列に係る構成に関する。
【背景技術】
【0002】
生産現場では、自動組み立て機などへのボルトやネジなどの供給に際して、それらを予め整列させておくことが必要となる。ボルトやネジなどの部品を整列供給するための装置としては、例えば、特許文献1で提案されたものなどがある。
特許文献1で提案されているネジの整列供給装置では、互いに間隔をあけた状態で延設された2本のワイヤを備えている。2本のワイヤは、延設方向の一端側に向けて下方に傾斜した状態となっている。そして、装置駆動時においては、2本のワイヤに対しては、その延設方向に対して往復振動が加えられる。部品であるネジは、2本のワイヤの周囲を回転するドラムの内周面に沿って上方に持ち上げられ、頂近辺で2本のワイヤの上に自重落下する。
【0003】
そして、2本のワイヤの上に落下したネジは、2本のワイヤに加えられている往復振動により、延設方向に対して回転し、且つ、傾斜の下方に向けて搬送される。落下時において、2本のワイヤを跨ぐ姿勢であったネジは、往復振動によりそのネジ部分が2本のワイヤの間の間隙にはまり込み、2本のワイヤ間で懸吊された状態で傾斜下方に向けて搬送される。
【0004】
以上のような装置を用いることで、ネジなどの部品の整列供給がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−179013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1で提案されている装置では、2本のワイヤに対して、ネジが自重落下により衝突するため、対象とするネジの形状によっては、ワイヤがダメージを受けやすくなる。そして、ワイヤを構成する複数の線材の一本でも切断された場合には、解れ(ほつれ)を生じることになり、当該解れが生じた箇所でネジが引っ掛かってしまう。このため、上記特許文献1で提案されている装置では、ワイヤに解れを生じる度にメインテナンス(ワイヤ交換)のために度々ライン停止を余儀なくされ、作業性という観点から改善が望まれる。
【0007】
また、上記特許文献1で提案されている装置では、ある程度の重量があるボルトなどに対して、往復振動では整列および搬送が困難となることもある。即ち、上記特許文献1で提案されている装置では、小さな部品の整列供給には使用できるが、重量の重いボルトなどに対しては往復振動で整列および搬送が困難である、という問題がある。
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、対象部品のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能な部品整列供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用することとした。
本発明に係る部品整列供給装置は、棒状部分と当該棒状部分よりも拡径された拡径部分とを有する部品を整列供給の対象とするものである。そして、本発明に係る部品整列供給装置では、ともに長尺状をした第1および第2の部材からなる整列搬送部を有し、第1および第2の部材は、少なくとも部品搬送面同士の間に、対象とする部品の棒状部分の断面サイズよりも広く、且つ、拡径部分の断面サイズよりも狭い間隙をあけた状態で並設されているとともに、互いの部品搬送に係る面が鉛直方向に同一レベルに設定されている。
【0009】
ここで、本発明に係る部品整列供給装置では、第1の部材が、その長手方向に駆動するベルトであり、当該ベルトが、部品の搬送方向において、第2の部材に対して相対的に速い速度で駆動するものである、ことを特徴とする。
上記において、「ベルト」とは、ゴムや樹脂からなるものや、芯材となるワイヤや繊維にこれらの材料が被覆されてなるものであって、上記特許文献1で提案されている装置に用いられている「撚り線ワイヤ」を含まない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る部品整列供給装置では、整列搬送部の構成要素の一方である第1の部材が、その長手方向に駆動するベルトである。ここで、ベルトは、無端状の搬送用ベルトであって、ある程度の柔軟性を有し、自重落下してくる部品に対して、上記従来技術のワイヤに比べ、衝撃吸収性に優れ、ダメージを少なく抑えることができる。また、ベルトを用いる本発明に係る装置では、部品の落下によってベルトの表面に小さな傷などが発生した場合にあっても、部品搬送を継続することが可能であり、メインテナンス回数を少なく、あるいはメインテナンス間隔を長くすることが可能である。
【0011】
また、本発明に係る部品整列供給装置では、整列搬送部において、少なくとも第1の部材がベルトであるので、ワイヤへの往復振動で部品を前進させようとする上記従来技術に係る部品整列供給装置に比べて、部品重量に関わりなくスムーズな搬送が可能である。また、ワイヤの往復振動で部品を搬送しようとする上記従来技術に係る部品整列供給装置に比べ、部品のサイズ・重量・形状ごとに振動周期などを調整する必要がなく、種々のサイズ・重量・形状の部品に対応することが容易にできる。
【0012】
また、本発明に係る部品整列供給装置では、その駆動時において、整列搬送部における第1の部材(ベルト)が第2の部材に対して相対的に速い速度を以って駆動する。このため、整列搬送部の上に落下した部品は、第1の部材と第2の部材との相対速度差により、その上で回転しながら搬送されることになる。そして、最終的に、第1の部材と第2の部材との間に設けられた間隙に、部品の棒状部分がはまり込むことで整列がなされる。そして、本発明に係る部品整列供給装置では、部品のサイズ・重量に大きく影響を受けることなく上記整列がされ、種々のサイズ・重量・形状の部品に容易に対応することができる。
【0013】
従って、本発明に係る部品整列供給装置では、対象部品のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能である。
本発明に係る部品整列供給装置では、一例として、次のようなバリエーションを採用することができる。
本発明に係る部品整列供給装置では、第1の部材が、平ベルトである、という構成を採用することができる。このように第1の部材として平ベルトを採用する場合には、例えば、ワッシャ付きのネジなどを対象とする場合においても、整列搬送部で部品が詰まり難い。即ち、搬送面に溝が形成されたベルトを使用する場合には、ネジの長さおよびワッシャの外径などにより、ベルトに部品が引っ掛かってしまう事態も生じ得るが、平ベルトを用いる場合には、このような問題を生じることがない。このため、メインテナンス性に優れる。
【0014】
本発明に係る部品整列供給装置では、第2の部材が、装置のベースに対して固定されたレールである、という構成を採用することができる。このように第2の部材をレールとすれば、構成面で簡易なものとすることができ、且つ、第1の部材であるコンベアのベルト駆動速度との相対速度差を大きくすることができる。よって、この構成を採用する場合には、装置コストの低減を図りながら、確実に対象部品の整列を行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る部品整列供給装置では、第2の部材も、長手方向に駆動するベルトであって、第2の部材(ベルト)が、第1の部材(ベルト)に対して、同方向に駆動する、という構成を採用することもできる。このような構成を採用する場合には、2つのベルトで対象部品を搬送することができるので、例えば、重量の重い部品を対象とする場合には有効である。そして、第1の部材(ベルト)と第2の部材(ベルト)との相対速度差により、この構成の場合においても、確実に部品の整列を行うことができる。
【0016】
なお、第2の部材もベルトとする場合には、上記同様に、第2の部材におけるベルトを平ベルトとすることが優位である。
本発明に係る部品整列供給装置では、整列搬送部に対しては、その鉛直方向上方から対象部品を自重落下させる部品供給部が設けられている、という構成を採用することができる。このような構成を採用することにより、ランダムな状態で投入された対象部品が、ある程度互いに分離された状態で整列搬送部に供給される。なお、この場合には、整列搬送部上に自重落下した時点において、部品は搬送方向に対しランダムな向きで載置されることになるが、搬送されるに従って、上記のようなメカニズムで確実に整列される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1に係るネジ整列供給装置1の外観を示す外観斜視図である。
【図2】ネジ整列供給装置1の回転ドラム20と整列搬送機30とを抜き出して示す模式斜視図である。
【図3】(a)は、ネジ整列供給装置1の整列搬送機30をZ軸方向上側から見た上面図であり、(b)は、整列搬送機30をX軸方向外側から見た正面図である。
【図4】回転ドラム20と整列搬送機30との間でのネジ500の受け渡し途中の状態を示す模式断面図である。
【図5】整列搬送機30におけるネジ500の搬送状態を示す模式上面図である。
【図6】(a)および(c)は、アジテータ40による非整列のネジ500の払い落しに係る状態を示す模式側面図および模式正面図であり、(b)は、整列されたネジ500とアジテータ40との関係を示す模式正面図である。
【図7】(a)は、実施の形態2に係るネジ整列供給装置の整列搬送機130をZ軸方向上側から見た模式上面図であり、(b)は、整列搬送機130をX軸方向から見た模式正面図である。
【図8】実施の形態3に係る整列搬送機の搬送ベルト231の形態を示す模式側面図である。
【図9】(a)は、実施の形態4に係るネジ整列供給装置の整列搬送機330を上側から見た上面図であり、(b)は、整列搬送機330の主要部分を拡大して示す部分斜視図である。
【図10】回転ドラム20と整列搬送機330との間でのネジ500の受け渡し途中の状態を示す模式断面図である。
【図11】(a)は、整列搬送機330のベルト31に対し、ネジ500の頭部分500aが掛った状態を示す模式断面図であり、(b)は、整列搬送機330からネジ500が落下する状態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものであって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.ネジ整列供給装置1の外観構成
実施の形態1に係るネジ整列供給装置1の外観構成について、図1および図2を用い説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1は、ベースとなるケース10と、その上に設けられた回転ドラム20と、ケース10におけるX軸方向左側の主面10aに開けられた開口10bから延出された整列搬送機30とを主な構成要素として有する。
ケース10には、電源スイッチ11と、スタートスイッチ12と、カウンタ13とが設けられている。カウンタ13は、供給口(ケース10の開口10b)から送り出されるネジの数をカウントするものである。
【0020】
図2に示すように、回転ドラム20は、中空であって、回転中心軸がX軸に平行に設置されている。そして、回転ドラム20のX軸方向手前側の主面20aには、その中央部分に開口20bがあけられており、当該開口20bからは、整列搬送機30が延出されている。回転ドラム20は、ケース10内に収められたモータ(図示を省略。)の回転駆動力により回転される。
【0021】
図2に示すように、整列搬送機30は、プーリ33に張設されたベルト31を有するコンベアと、当該ベルト31に対し間隙をあけて並設されたレール32とを有している。また、整列搬送機30には、プーリ33に回転駆動力を伝達するためにプーリ34がプーリ31と同軸で設けられている。図1に示すように、整列搬送機30は、X軸方向右奥に向けて延設されており、その先端部分は、回転ドラム20の内部空間に収納されている。なお、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、ベルト31およびレール32のZ軸方向上面が、同一レベルにあり、回転ドラム20の回転中心軸にほぼ一致している。
【0022】
また、整列搬送機30は、Z軸方向に傾きを有さず、略水平な状態で設けられている。
2.整列搬送機30の詳細構成
整列搬送機30の詳細構成について、図3を用い説明する。
図3(a)に示すように、整列搬送機30では、ループ状のベルト31が、プーリ33とプーリ35との間で張設されている。プーリ33およびプーリ35は、板状のフレーム36に軸支されている。プーリ33には、上記のように、動力を伝達するためのプーリ34が動軸で接合されており、プーリ34には、ベルト(図示を省略。)が掛けられており、当該ベルトを介して動力の伝達を受けるようになっている。
【0023】
図3(a)に示すように、フレーム36におけるX軸方向右側端部は、L字状に曲折加工されており、当該L字状に曲折加工された部分に、プーリ35の軸に接合のテンション調整ボルト37が螺合されている。ベルト31は、テンション調整ボルト37の調整により適正テンションに調整されている。なお、本実施の形態で採用するベルト31は、平ベルトである。
【0024】
上記のように、ベルト31の延伸方向(X軸方向)に沿って、レール32が延設されている。図3(b)に示すように、ベルト31とレール32との間隙g1は、対象とするネジのネジ部分の断面サイズよりも広く、且つ、ネジの頭部分の断面サイズよりも狭く設定されている。
なお、図3(b)に示すように、ベルト31とレール32との間の部分は、Z軸方向において、対象とするネジのネジ長さに対して十分な深さを有する溝状となっている。
【0025】
3.整列搬送機30へのネジ500の供給
整列搬送機30へのネジ500の供給について、図4を用い説明する。
図4に示すように、ネジ整列供給装置1では、中空円筒状をした回転ドラム20の内部空間20dに整列搬送機30は配置されている。そして、整列搬送機30は、ベルト31およびレール32のZ軸方向上面が略水平となるように配置されている。また、ベルト31およびレール32は、回転ドラム20における回転中心軸(紙面に垂直な方向に延びる仮想軸)と略同一となるようになっている。
【0026】
回転ドラム20の内周面20cには、複数のブレード21が取り付けられており、回転ドラム20の内部空間20dに投入されたネジ500は、ブレード21に引っ掛って鉛直方向上方に持ち上げられ、整列搬送機30の直上あたりで自重により、Z軸方向(鉛直方向)下向きに落下する。そして、落下したネジ500の内の一部が、図4に示すように、ベルト31とレール32との間に載置される。この状態で、ベルト31の駆動により、ネジ500が紙面手前側に搬送されることになる。
【0027】
4.ネジ500の整列
整列搬送機30におけるベルト31とレール32の上に落下したネジ500の整列について、図5を用い説明する。
図5(a)に示すように、落下したネジ500は、搬送方向(X軸方向)に対して斜め向きになった状態で、ベルト31とレール32との上に載置される。この状態で、ベルト31は、X軸方向左側に向けて駆動し、一方、レール32は、静止したままである。
【0028】
図5(b)に示すように、ネジ500は、ベルト31で頭部分500aがX軸方向左側へと搬送され、ネジ部分500bがレール32との接触抵抗によりX軸方向右側へと残されることになる。ただし、全体としてネジ500は、X軸方向左側へと搬送されるのであるが、その搬送において、ベルト31とレール32との相対速度差により、ネジ500は、その頭部分500aが左向きに回転する。
【0029】
図5(c)に示すように、ベルト31とレール32との相対速度差により回転されたネジ500は、その軸芯がX軸方向に対し略平行となった時点で、そのネジ部分500bがベルト31とレール32との間の溝部分30aにはまり込む。このとき、ベルト31とレール32との間の溝部分30aの幅は、ネジ500のネジ部分500bの径よりも広く、且つ、頭部分500aの径よりも狭いので、図5(c)に示すように、ネジ500の頭部分500aがベルト31とレール32とで支えられた状態となる。即ち、ネジ500は、整列搬送機30において整列されて、ベルト31とレール32との間で懸吊される。
【0030】
整列されたネジ500は、図5(c)の状態を維持して装置から排出される。
5.非整列のネジ500の払い落し
図1などでは、図示を省略したが、回転ドラム20内あるいはその開口20b付近には、整列されなかったネジ500を整列搬送機30から払い落すためのアジテータ40が、整列搬送機30に隣接する状態で設けられている。アジテータ40について、図6を用い説明する。
【0031】
図6(a)に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、整列搬送機30に対し、そのZ軸方向上方に、間に間隙をあけた状態でアジテータ40が設けられている。アジテータ40は、複数の羽根40aが回転径方向に突出した形状を有している。なお、整列搬送機30における搬送面(Z軸方向上面)とアジテータ40の羽根40aの先端との間に、ネジ500の頭部分500の高さよりも若干広く設定されている。
【0032】
図6(a)に示すように、アジテータ40は、X軸方向右側から左側に向けてベルト31が駆動する整列搬送機30に対して、逆向きの左回転をする。
図6(b)に示すように、アジテータ40が設けられた箇所までに整列がなされたネジ500は、ベルト31およびレール32から頭部分500aだけがZ軸方向上側に突出した状態にあり、当該状態では、アジテータ40の羽根40aは接触することなく、払い落されることなく搬送が維持される。
【0033】
一方、図6(c)に示すように、アジテータ40が設けられた箇所までに、整列が完了していないネジ500は、アジテータ40の羽根40aの先端部分が頭部分500aに衝突することになり、アジテータ500の回転により非整列状態のネジ500は払い落される。
以上のように、整列搬送機30に近接した状態でアジテータ40を設けることで、確実に整列が完了したネジ500だけを装置から供給することができる。
【0034】
6.ネジ整列供給装置1の優位性
以上のような構成を備えるネジ整列供給装置1は、次のような優位性を備える。
本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、整列搬送機30において、ネジ500の搬送のためにベルトを有するコンベアを備えている。このため、ネジの搬送にワイヤを用いる上記従来技術に比べ、ベルト31における柔軟性に起因して、自重落下してくるネジ500に対して、ある程度落下時の衝撃を吸収することができ、ダメージを少なく抑えることができる。また、ベルト31は、ワイヤのように解れ(ほつれ)という問題を生じず、メインテナンスに係る作業間隔を長くすることが可能である。
【0035】
また、ネジ整列供給装置1では、整列搬送機30がベルト31の駆動により、対象とするネジ500の搬送を担うので、ワイヤへの往復振動でネジを前進させようとする上記従来技術に比べ、ネジのサイズ・重量・形状に関わりなくスムーズな搬送が可能である。また、ワイヤの往復振動で部品を搬送しようとする上記従来技術に係る部品整列供給装置に比べ、ネジのサイズ・重量・形状ごとに振動周期などを調整する必要がなく、種々のサイズ・重量・形状の部品に対応することが容易にできる。
【0036】
また、ネジ整列供給装置1では、その駆動時において、整列搬送機30のベルト31が、静止しているレール32に対して速い相対速度を以って駆動する。このため、整列搬送機30の上に落下したネジ500は、ベルト31とレール32との相対速度差により、その上で回転しながら搬送されることになり、整列がなされる。そして、最終的に、ベルト31とレール32との間の溝部分30aに、ネジ500のネジ部分500bがはまり込むことで整列がなされる。よって、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、ネジ500のサイズ・重量に大きく影響を受けることなく上記整列が確実になされ、種々のサイズ・重量・形状のネジに容易に対応することができる。
【0037】
従って、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、対象とするネジ500のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能である。
[実施の形態2]
実施の形態2に係るネジ整列供給装置の構成について、図7を用い、その特徴部分だけを説明する。なお、図7に示す特徴部分を除き、本実施の形態に係るネジ整列供給装置の構成は、上記実施の形態1に係るネジ整列供給装置1と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0038】
図7(a)に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、整列搬送機130が2本のループ状のベルト31,131を備えている。この内、Y軸方向上側に位置するベルト31およびこれに付随する構成については、上記実施の形態1に係る整列搬送機30と同一である。
一方、Y軸方向下側に配されたベルト131は、ベルト31との間に隙間(溝部分)130aをあけて設けられている。その他の構成については、溝部分130aの中心線に対して線対称の関係を以って構成されている。即ち、ベルト131は、2つのプーリ133,135の間に張設されており、テンション調整ボルト137によりテンション調整ができるようになっている。
【0039】
図7(b)に示すように、プーリ34およびプーリ134のそれぞれのZ軸方向下部には、同軸に接合されたプーリ139およびプーリ140が設けられている。そして、プーリ139,140には、Y軸方向左側にプーリ138が接合されており、当該プーリ138に対してモータ(図示を省略。)からの回転駆動力が伝達される。また、プーリ34とプーリ139とは、その間のベルトの張設を以って連結され、同様に、プーリ134とプーリ140とは、その間のベルトの張設を以って連結されている。
【0040】
図7(b)に示すように、ベルト31に係るプーリ34の径D1と、ベルト131に係るプーリ134の径D2とは、同一に設定されている。一方、プーリ34に連結されるプーリ139の径D3は、プーリ134に連結されるプーリ140の径D4に対して、大径に設定されている。このため、プーリ139とプーリ140とは、同じ回転数を以って回転するので、プーリ34がプーリ134よりも高い回転数に以って回転することになる。プーリ34とプーリ134との回転数比は、次の通りである。
【0041】
[数1] Rev(34):Rev(134)=(D3/D1):(D4/D2)
上記において、「Rev(34)」がプーリ34の回転数であり、「Rev(134)」がプーリ134の回転数である。
以上のように、A部に示すプーリ34が、B部に示すプーリ134よりも、上記[数1]の比率だけ高い回転数で回転するので、その比率に比例してベルト31がベルト131よりも速く駆動する。このため、本実施の形態に係るネジ整列供給装置においても、ベルト31とベルト131との相対速度差により、ネジ500の整列がなされる。
【0042】
また、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、並設された2本のベルト31,131によりネジ500を搬送するので、1本のベルト31によりネジ500を搬送する上記実施の形態1に係るネジ整列供給装置1に比べて、重量の重いネジなどにも対応可能である。
なお、本実施の形態に係る構成の変形例として、一方のベルト、例えば、ベルト131を、他方のベルト31に対して逆方向に駆動するようにしても、ネジ500の整列という観点から優れる構成となる。
【0043】
[実施の形態3]
実施の形態3に係るネジ整列供給装置の構成の内、特徴部分である整列搬送機のベルト231について、図8(a)を用い説明する、
図8(a)に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、整列搬送機におけるベルト231として、搬送面(上面)に突起231aが形成されたものを採用している。このような表面に突起231aが設けられたベルト231を採用する場合には、ネジ501とベルト231との間での滑りを抑制することができ、搬送効率を高くすることができる。
【0044】
ただし、図8(b)に示すように、アジテータ40との関係において、例えば、ワッシャ501cを備えるネジ501を対象とする場合には、ベルト231の突起231aと突起231aとの間に、ワッシャ501cおよびネジ部分501bの先端部分の双方が噛みこんだ場合に、アジテータ40の羽根40aとベルト231との間にネジ501が噛み込んでしまうという事態が生じ得る。
【0045】
従って、搬送効率の向上についての要請と、対象とするネジの形態などとを総合的に勘案の上、上記実施の形態1,2のように平ベルトを採用するか、実施の形態3のように突起231aを有するベルト231を採用するかを決定することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4に係るネジ整列供給装置の構成について、図9を用い説明する。
【0046】
図9(a)に示すように、本実施の形態4に係る整列搬送機330は、基本的な構成が上記実施の形態1に係る整列供給機30と同じである。整列供給機330と整列供給機30との差異は、ベルト31と並行して2本のレール321,322が配されている点と、ベルト31の回転中程に、略面一の状態でガイドプレート361が設けられている点である。他の構成は、上記実施の形態1に係る整列搬送機30と同一であるので、説明を省略する。
【0047】
図9(b)に示すように、ベルト31と並行して入れているレール321とレール322とは、X軸方向において、互いの間に隙間をあけた状態(図9(a)の二点鎖線で囲む部分)で直列配置されている。また、レール321とレール322とは、Z軸方向における上面が略同一レベルとなるように設けられている。
回転ドラム20内における整列搬送機330の配置について、図10を用い説明する。
【0048】
図10に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、ベルト31の上面31fとレール322の上面322fとを結ぶ仮想面が、水平面に対して角度θをなすように配されている。即ち、整列搬送機330の傾斜角度θは、10[°]〜30[°]の範囲内、例えば、20[°]に設定されている。
なお、図示を省略しているが、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、図6(a)に示すようなアジテータを装備していない。これについては、後述する。
【0049】
本実施の形態に係るネジ整列供給装置での、ネジ500の整列メカニズムについて、図11を用い説明する。なお、図11(a)および図11(b)は、整列搬送機330におけるレール321とレール322との隙間部分を模式的に断面で示している。
図11(a)に示すように、レール321の先端部分までに、ネジ500の姿勢がある程度整えられた場合には、ネジ500の頭部分500aが、ベルト31の上面31fに引っ掛かった状態となり(矢印C部分)、また、ネジ部分500bの先端500cがガイドプレート361の表面に当接する。この状態では、ネジ500は、図11(a)に示す姿勢を保ったまま、ベルト31により、レール322が設けられた部分に搬送される。なお、ガイドプレート361は、ベルト31のループ内において、ベルト31のループ端縁と面一の状態を以って、ネジ500の搬送方向に沿って延設されている。ガイドプレート361とベルト31のループ端縁とは、厳密に面一である必要はなく、例えば、±1〜5[mm]程度の差異(段差が発生すること)は許容される。
【0050】
一方、図11(b)に示すように、レール321の先端部分までの間に整列されなかったネジ500は、レール321とレール322との間の隙間に到達すると、その重心位置の関係で整列搬送機330から下に落下することになる。
以上のように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、図9に示すような構成の整列搬送機330を採用し、水平面に対して傾斜配置することにより、アジテータを装備しなくても非整列のネジ500の排除を確実に実施することができる。このため、コスト面でも優位であり、また、ベルト31とアジテータの羽根との間でのネジ500の噛み込みというような問題を生じることもない。
【0051】
[その他の事項]
上記実施の形態1,2,3,4では、整列・供給の対象をネジ500,501としたが、本発明の対象はこれに限定されるものではない。例えば、ボルトや釘、さらにはリベットなどを対象とすることもできる。
また、上記実施の形態1,2,3,4では、各駆動部分を1つのモータからの駆動力により駆動させることとしているが、コストの観点を考慮しながら、複数の駆動源を備える構成とすることもできる。
【0052】
また、上記実施の形態1,2,3では、ベルト31,131の駆動のために、間にベルトとプーリ34,134,138,139,140を用いることとしたが、これ以外にギアの組み合わせを以ってベルト31,131を駆動する構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1では、1本のレール32を備える構成としたが、ネジあるいはボルトなどのサイズ・形状に応じて、2本あるいはそれ以上のレールを備える構成とすることもできる。
【0053】
また、上記実施の形態1,2,3,4では、整列搬送機30,130への対象部品の供給を、回転ドラム20を用いて行うこととしたが、供給手段については、これに限定されるものではない。例えば、対象部品をリフトアップできるベルトコンベアを整列搬送機30の上方まで設けておき、ベルトコンベアの搬送により部品供給を行うこととしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態1,2,3,4では、整列搬送機30,130が直線状に延伸する構成としたが、弧を描いて湾曲するようにしてもよい。この場合には、延伸方向に複数のコンベアを設けておき、部品を順次乗移って行くようにしておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、生産ラインなどにおいて、ネジやボルトなどの部品を確実に整列させることができるとともに、メインテナンス性に優れた部品整列供給装置を実現するのに有用である。
【符号の説明】
【0056】
1.ネジ整列供給装置
10.ケース
11.電源スイッチ
12.スタートスイッチ
13.カウンタ
20.回転ドラム
21.ブレード
30,130,330.整列搬送機
31,131,231.ベルト
32,321,322.レール
33,35,133,135.ベルトドラム
34,134,138,139,140.プーリ
36,136.フレーム
37,137.テンション調整ボルト
40.アジテータ
361.ガイドプレート
500,501.ネジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品整列供給装置に関し、特に、棒状であって、その一部が他の部分よりも拡径された部品の整列に係る構成に関する。
【背景技術】
【0002】
生産現場では、自動組み立て機などへのボルトやネジなどの供給に際して、それらを予め整列させておくことが必要となる。ボルトやネジなどの部品を整列供給するための装置としては、例えば、特許文献1で提案されたものなどがある。
特許文献1で提案されているネジの整列供給装置では、互いに間隔をあけた状態で延設された2本のワイヤを備えている。2本のワイヤは、延設方向の一端側に向けて下方に傾斜した状態となっている。そして、装置駆動時においては、2本のワイヤに対しては、その延設方向に対して往復振動が加えられる。部品であるネジは、2本のワイヤの周囲を回転するドラムの内周面に沿って上方に持ち上げられ、頂近辺で2本のワイヤの上に自重落下する。
【0003】
そして、2本のワイヤの上に落下したネジは、2本のワイヤに加えられている往復振動により、延設方向に対して回転し、且つ、傾斜の下方に向けて搬送される。落下時において、2本のワイヤを跨ぐ姿勢であったネジは、往復振動によりそのネジ部分が2本のワイヤの間の間隙にはまり込み、2本のワイヤ間で懸吊された状態で傾斜下方に向けて搬送される。
【0004】
以上のような装置を用いることで、ネジなどの部品の整列供給がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−179013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1で提案されている装置では、2本のワイヤに対して、ネジが自重落下により衝突するため、対象とするネジの形状によっては、ワイヤがダメージを受けやすくなる。そして、ワイヤを構成する複数の線材の一本でも切断された場合には、解れ(ほつれ)を生じることになり、当該解れが生じた箇所でネジが引っ掛かってしまう。このため、上記特許文献1で提案されている装置では、ワイヤに解れを生じる度にメインテナンス(ワイヤ交換)のために度々ライン停止を余儀なくされ、作業性という観点から改善が望まれる。
【0007】
また、上記特許文献1で提案されている装置では、ある程度の重量があるボルトなどに対して、往復振動では整列および搬送が困難となることもある。即ち、上記特許文献1で提案されている装置では、小さな部品の整列供給には使用できるが、重量の重いボルトなどに対しては往復振動で整列および搬送が困難である、という問題がある。
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、対象部品のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能な部品整列供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用することとした。
本発明に係る部品整列供給装置は、棒状部分と当該棒状部分よりも拡径された拡径部分とを有する部品を整列供給の対象とするものである。そして、本発明に係る部品整列供給装置では、ともに長尺状をした第1および第2の部材からなる整列搬送部を有し、第1および第2の部材は、少なくとも部品搬送面同士の間に、対象とする部品の棒状部分の断面サイズよりも広く、且つ、拡径部分の断面サイズよりも狭い間隙をあけた状態で並設されているとともに、互いの部品搬送に係る面が鉛直方向に同一レベルに設定されている。
【0009】
ここで、本発明に係る部品整列供給装置では、第1の部材が、その長手方向に駆動するベルトであり、当該ベルトが、部品の搬送方向において、第2の部材に対して相対的に速い速度で駆動するものである、ことを特徴とする。
上記において、「ベルト」とは、ゴムや樹脂からなるものや、芯材となるワイヤや繊維にこれらの材料が被覆されてなるものであって、上記特許文献1で提案されている装置に用いられている「撚り線ワイヤ」を含まない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る部品整列供給装置では、整列搬送部の構成要素の一方である第1の部材が、その長手方向に駆動するベルトである。ここで、ベルトは、無端状の搬送用ベルトであって、ある程度の柔軟性を有し、自重落下してくる部品に対して、上記従来技術のワイヤに比べ、衝撃吸収性に優れ、ダメージを少なく抑えることができる。また、ベルトを用いる本発明に係る装置では、部品の落下によってベルトの表面に小さな傷などが発生した場合にあっても、部品搬送を継続することが可能であり、メインテナンス回数を少なく、あるいはメインテナンス間隔を長くすることが可能である。
【0011】
また、本発明に係る部品整列供給装置では、整列搬送部において、少なくとも第1の部材がベルトであるので、ワイヤへの往復振動で部品を前進させようとする上記従来技術に係る部品整列供給装置に比べて、部品重量に関わりなくスムーズな搬送が可能である。また、ワイヤの往復振動で部品を搬送しようとする上記従来技術に係る部品整列供給装置に比べ、部品のサイズ・重量・形状ごとに振動周期などを調整する必要がなく、種々のサイズ・重量・形状の部品に対応することが容易にできる。
【0012】
また、本発明に係る部品整列供給装置では、その駆動時において、整列搬送部における第1の部材(ベルト)が第2の部材に対して相対的に速い速度を以って駆動する。このため、整列搬送部の上に落下した部品は、第1の部材と第2の部材との相対速度差により、その上で回転しながら搬送されることになる。そして、最終的に、第1の部材と第2の部材との間に設けられた間隙に、部品の棒状部分がはまり込むことで整列がなされる。そして、本発明に係る部品整列供給装置では、部品のサイズ・重量に大きく影響を受けることなく上記整列がされ、種々のサイズ・重量・形状の部品に容易に対応することができる。
【0013】
従って、本発明に係る部品整列供給装置では、対象部品のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能である。
本発明に係る部品整列供給装置では、一例として、次のようなバリエーションを採用することができる。
本発明に係る部品整列供給装置では、第1の部材が、平ベルトである、という構成を採用することができる。このように第1の部材として平ベルトを採用する場合には、例えば、ワッシャ付きのネジなどを対象とする場合においても、整列搬送部で部品が詰まり難い。即ち、搬送面に溝が形成されたベルトを使用する場合には、ネジの長さおよびワッシャの外径などにより、ベルトに部品が引っ掛かってしまう事態も生じ得るが、平ベルトを用いる場合には、このような問題を生じることがない。このため、メインテナンス性に優れる。
【0014】
本発明に係る部品整列供給装置では、第2の部材が、装置のベースに対して固定されたレールである、という構成を採用することができる。このように第2の部材をレールとすれば、構成面で簡易なものとすることができ、且つ、第1の部材であるコンベアのベルト駆動速度との相対速度差を大きくすることができる。よって、この構成を採用する場合には、装置コストの低減を図りながら、確実に対象部品の整列を行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る部品整列供給装置では、第2の部材も、長手方向に駆動するベルトであって、第2の部材(ベルト)が、第1の部材(ベルト)に対して、同方向に駆動する、という構成を採用することもできる。このような構成を採用する場合には、2つのベルトで対象部品を搬送することができるので、例えば、重量の重い部品を対象とする場合には有効である。そして、第1の部材(ベルト)と第2の部材(ベルト)との相対速度差により、この構成の場合においても、確実に部品の整列を行うことができる。
【0016】
なお、第2の部材もベルトとする場合には、上記同様に、第2の部材におけるベルトを平ベルトとすることが優位である。
本発明に係る部品整列供給装置では、整列搬送部に対しては、その鉛直方向上方から対象部品を自重落下させる部品供給部が設けられている、という構成を採用することができる。このような構成を採用することにより、ランダムな状態で投入された対象部品が、ある程度互いに分離された状態で整列搬送部に供給される。なお、この場合には、整列搬送部上に自重落下した時点において、部品は搬送方向に対しランダムな向きで載置されることになるが、搬送されるに従って、上記のようなメカニズムで確実に整列される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1に係るネジ整列供給装置1の外観を示す外観斜視図である。
【図2】ネジ整列供給装置1の回転ドラム20と整列搬送機30とを抜き出して示す模式斜視図である。
【図3】(a)は、ネジ整列供給装置1の整列搬送機30をZ軸方向上側から見た上面図であり、(b)は、整列搬送機30をX軸方向外側から見た正面図である。
【図4】回転ドラム20と整列搬送機30との間でのネジ500の受け渡し途中の状態を示す模式断面図である。
【図5】整列搬送機30におけるネジ500の搬送状態を示す模式上面図である。
【図6】(a)および(c)は、アジテータ40による非整列のネジ500の払い落しに係る状態を示す模式側面図および模式正面図であり、(b)は、整列されたネジ500とアジテータ40との関係を示す模式正面図である。
【図7】(a)は、実施の形態2に係るネジ整列供給装置の整列搬送機130をZ軸方向上側から見た模式上面図であり、(b)は、整列搬送機130をX軸方向から見た模式正面図である。
【図8】実施の形態3に係る整列搬送機の搬送ベルト231の形態を示す模式側面図である。
【図9】(a)は、実施の形態4に係るネジ整列供給装置の整列搬送機330を上側から見た上面図であり、(b)は、整列搬送機330の主要部分を拡大して示す部分斜視図である。
【図10】回転ドラム20と整列搬送機330との間でのネジ500の受け渡し途中の状態を示す模式断面図である。
【図11】(a)は、整列搬送機330のベルト31に対し、ネジ500の頭部分500aが掛った状態を示す模式断面図であり、(b)は、整列搬送機330からネジ500が落下する状態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものであって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.ネジ整列供給装置1の外観構成
実施の形態1に係るネジ整列供給装置1の外観構成について、図1および図2を用い説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1は、ベースとなるケース10と、その上に設けられた回転ドラム20と、ケース10におけるX軸方向左側の主面10aに開けられた開口10bから延出された整列搬送機30とを主な構成要素として有する。
ケース10には、電源スイッチ11と、スタートスイッチ12と、カウンタ13とが設けられている。カウンタ13は、供給口(ケース10の開口10b)から送り出されるネジの数をカウントするものである。
【0020】
図2に示すように、回転ドラム20は、中空であって、回転中心軸がX軸に平行に設置されている。そして、回転ドラム20のX軸方向手前側の主面20aには、その中央部分に開口20bがあけられており、当該開口20bからは、整列搬送機30が延出されている。回転ドラム20は、ケース10内に収められたモータ(図示を省略。)の回転駆動力により回転される。
【0021】
図2に示すように、整列搬送機30は、プーリ33に張設されたベルト31を有するコンベアと、当該ベルト31に対し間隙をあけて並設されたレール32とを有している。また、整列搬送機30には、プーリ33に回転駆動力を伝達するためにプーリ34がプーリ31と同軸で設けられている。図1に示すように、整列搬送機30は、X軸方向右奥に向けて延設されており、その先端部分は、回転ドラム20の内部空間に収納されている。なお、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、ベルト31およびレール32のZ軸方向上面が、同一レベルにあり、回転ドラム20の回転中心軸にほぼ一致している。
【0022】
また、整列搬送機30は、Z軸方向に傾きを有さず、略水平な状態で設けられている。
2.整列搬送機30の詳細構成
整列搬送機30の詳細構成について、図3を用い説明する。
図3(a)に示すように、整列搬送機30では、ループ状のベルト31が、プーリ33とプーリ35との間で張設されている。プーリ33およびプーリ35は、板状のフレーム36に軸支されている。プーリ33には、上記のように、動力を伝達するためのプーリ34が動軸で接合されており、プーリ34には、ベルト(図示を省略。)が掛けられており、当該ベルトを介して動力の伝達を受けるようになっている。
【0023】
図3(a)に示すように、フレーム36におけるX軸方向右側端部は、L字状に曲折加工されており、当該L字状に曲折加工された部分に、プーリ35の軸に接合のテンション調整ボルト37が螺合されている。ベルト31は、テンション調整ボルト37の調整により適正テンションに調整されている。なお、本実施の形態で採用するベルト31は、平ベルトである。
【0024】
上記のように、ベルト31の延伸方向(X軸方向)に沿って、レール32が延設されている。図3(b)に示すように、ベルト31とレール32との間隙g1は、対象とするネジのネジ部分の断面サイズよりも広く、且つ、ネジの頭部分の断面サイズよりも狭く設定されている。
なお、図3(b)に示すように、ベルト31とレール32との間の部分は、Z軸方向において、対象とするネジのネジ長さに対して十分な深さを有する溝状となっている。
【0025】
3.整列搬送機30へのネジ500の供給
整列搬送機30へのネジ500の供給について、図4を用い説明する。
図4に示すように、ネジ整列供給装置1では、中空円筒状をした回転ドラム20の内部空間20dに整列搬送機30は配置されている。そして、整列搬送機30は、ベルト31およびレール32のZ軸方向上面が略水平となるように配置されている。また、ベルト31およびレール32は、回転ドラム20における回転中心軸(紙面に垂直な方向に延びる仮想軸)と略同一となるようになっている。
【0026】
回転ドラム20の内周面20cには、複数のブレード21が取り付けられており、回転ドラム20の内部空間20dに投入されたネジ500は、ブレード21に引っ掛って鉛直方向上方に持ち上げられ、整列搬送機30の直上あたりで自重により、Z軸方向(鉛直方向)下向きに落下する。そして、落下したネジ500の内の一部が、図4に示すように、ベルト31とレール32との間に載置される。この状態で、ベルト31の駆動により、ネジ500が紙面手前側に搬送されることになる。
【0027】
4.ネジ500の整列
整列搬送機30におけるベルト31とレール32の上に落下したネジ500の整列について、図5を用い説明する。
図5(a)に示すように、落下したネジ500は、搬送方向(X軸方向)に対して斜め向きになった状態で、ベルト31とレール32との上に載置される。この状態で、ベルト31は、X軸方向左側に向けて駆動し、一方、レール32は、静止したままである。
【0028】
図5(b)に示すように、ネジ500は、ベルト31で頭部分500aがX軸方向左側へと搬送され、ネジ部分500bがレール32との接触抵抗によりX軸方向右側へと残されることになる。ただし、全体としてネジ500は、X軸方向左側へと搬送されるのであるが、その搬送において、ベルト31とレール32との相対速度差により、ネジ500は、その頭部分500aが左向きに回転する。
【0029】
図5(c)に示すように、ベルト31とレール32との相対速度差により回転されたネジ500は、その軸芯がX軸方向に対し略平行となった時点で、そのネジ部分500bがベルト31とレール32との間の溝部分30aにはまり込む。このとき、ベルト31とレール32との間の溝部分30aの幅は、ネジ500のネジ部分500bの径よりも広く、且つ、頭部分500aの径よりも狭いので、図5(c)に示すように、ネジ500の頭部分500aがベルト31とレール32とで支えられた状態となる。即ち、ネジ500は、整列搬送機30において整列されて、ベルト31とレール32との間で懸吊される。
【0030】
整列されたネジ500は、図5(c)の状態を維持して装置から排出される。
5.非整列のネジ500の払い落し
図1などでは、図示を省略したが、回転ドラム20内あるいはその開口20b付近には、整列されなかったネジ500を整列搬送機30から払い落すためのアジテータ40が、整列搬送機30に隣接する状態で設けられている。アジテータ40について、図6を用い説明する。
【0031】
図6(a)に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、整列搬送機30に対し、そのZ軸方向上方に、間に間隙をあけた状態でアジテータ40が設けられている。アジテータ40は、複数の羽根40aが回転径方向に突出した形状を有している。なお、整列搬送機30における搬送面(Z軸方向上面)とアジテータ40の羽根40aの先端との間に、ネジ500の頭部分500の高さよりも若干広く設定されている。
【0032】
図6(a)に示すように、アジテータ40は、X軸方向右側から左側に向けてベルト31が駆動する整列搬送機30に対して、逆向きの左回転をする。
図6(b)に示すように、アジテータ40が設けられた箇所までに整列がなされたネジ500は、ベルト31およびレール32から頭部分500aだけがZ軸方向上側に突出した状態にあり、当該状態では、アジテータ40の羽根40aは接触することなく、払い落されることなく搬送が維持される。
【0033】
一方、図6(c)に示すように、アジテータ40が設けられた箇所までに、整列が完了していないネジ500は、アジテータ40の羽根40aの先端部分が頭部分500aに衝突することになり、アジテータ500の回転により非整列状態のネジ500は払い落される。
以上のように、整列搬送機30に近接した状態でアジテータ40を設けることで、確実に整列が完了したネジ500だけを装置から供給することができる。
【0034】
6.ネジ整列供給装置1の優位性
以上のような構成を備えるネジ整列供給装置1は、次のような優位性を備える。
本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、整列搬送機30において、ネジ500の搬送のためにベルトを有するコンベアを備えている。このため、ネジの搬送にワイヤを用いる上記従来技術に比べ、ベルト31における柔軟性に起因して、自重落下してくるネジ500に対して、ある程度落下時の衝撃を吸収することができ、ダメージを少なく抑えることができる。また、ベルト31は、ワイヤのように解れ(ほつれ)という問題を生じず、メインテナンスに係る作業間隔を長くすることが可能である。
【0035】
また、ネジ整列供給装置1では、整列搬送機30がベルト31の駆動により、対象とするネジ500の搬送を担うので、ワイヤへの往復振動でネジを前進させようとする上記従来技術に比べ、ネジのサイズ・重量・形状に関わりなくスムーズな搬送が可能である。また、ワイヤの往復振動で部品を搬送しようとする上記従来技術に係る部品整列供給装置に比べ、ネジのサイズ・重量・形状ごとに振動周期などを調整する必要がなく、種々のサイズ・重量・形状の部品に対応することが容易にできる。
【0036】
また、ネジ整列供給装置1では、その駆動時において、整列搬送機30のベルト31が、静止しているレール32に対して速い相対速度を以って駆動する。このため、整列搬送機30の上に落下したネジ500は、ベルト31とレール32との相対速度差により、その上で回転しながら搬送されることになり、整列がなされる。そして、最終的に、ベルト31とレール32との間の溝部分30aに、ネジ500のネジ部分500bがはまり込むことで整列がなされる。よって、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、ネジ500のサイズ・重量に大きく影響を受けることなく上記整列が確実になされ、種々のサイズ・重量・形状のネジに容易に対応することができる。
【0037】
従って、本実施の形態に係るネジ整列供給装置1では、対象とするネジ500のサイズ・重量・形状に関わらず確実に整列および供給を行いながら、長いメインテナンス間隔での駆動が可能である。
[実施の形態2]
実施の形態2に係るネジ整列供給装置の構成について、図7を用い、その特徴部分だけを説明する。なお、図7に示す特徴部分を除き、本実施の形態に係るネジ整列供給装置の構成は、上記実施の形態1に係るネジ整列供給装置1と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0038】
図7(a)に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、整列搬送機130が2本のループ状のベルト31,131を備えている。この内、Y軸方向上側に位置するベルト31およびこれに付随する構成については、上記実施の形態1に係る整列搬送機30と同一である。
一方、Y軸方向下側に配されたベルト131は、ベルト31との間に隙間(溝部分)130aをあけて設けられている。その他の構成については、溝部分130aの中心線に対して線対称の関係を以って構成されている。即ち、ベルト131は、2つのプーリ133,135の間に張設されており、テンション調整ボルト137によりテンション調整ができるようになっている。
【0039】
図7(b)に示すように、プーリ34およびプーリ134のそれぞれのZ軸方向下部には、同軸に接合されたプーリ139およびプーリ140が設けられている。そして、プーリ139,140には、Y軸方向左側にプーリ138が接合されており、当該プーリ138に対してモータ(図示を省略。)からの回転駆動力が伝達される。また、プーリ34とプーリ139とは、その間のベルトの張設を以って連結され、同様に、プーリ134とプーリ140とは、その間のベルトの張設を以って連結されている。
【0040】
図7(b)に示すように、ベルト31に係るプーリ34の径D1と、ベルト131に係るプーリ134の径D2とは、同一に設定されている。一方、プーリ34に連結されるプーリ139の径D3は、プーリ134に連結されるプーリ140の径D4に対して、大径に設定されている。このため、プーリ139とプーリ140とは、同じ回転数を以って回転するので、プーリ34がプーリ134よりも高い回転数に以って回転することになる。プーリ34とプーリ134との回転数比は、次の通りである。
【0041】
[数1] Rev(34):Rev(134)=(D3/D1):(D4/D2)
上記において、「Rev(34)」がプーリ34の回転数であり、「Rev(134)」がプーリ134の回転数である。
以上のように、A部に示すプーリ34が、B部に示すプーリ134よりも、上記[数1]の比率だけ高い回転数で回転するので、その比率に比例してベルト31がベルト131よりも速く駆動する。このため、本実施の形態に係るネジ整列供給装置においても、ベルト31とベルト131との相対速度差により、ネジ500の整列がなされる。
【0042】
また、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、並設された2本のベルト31,131によりネジ500を搬送するので、1本のベルト31によりネジ500を搬送する上記実施の形態1に係るネジ整列供給装置1に比べて、重量の重いネジなどにも対応可能である。
なお、本実施の形態に係る構成の変形例として、一方のベルト、例えば、ベルト131を、他方のベルト31に対して逆方向に駆動するようにしても、ネジ500の整列という観点から優れる構成となる。
【0043】
[実施の形態3]
実施の形態3に係るネジ整列供給装置の構成の内、特徴部分である整列搬送機のベルト231について、図8(a)を用い説明する、
図8(a)に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、整列搬送機におけるベルト231として、搬送面(上面)に突起231aが形成されたものを採用している。このような表面に突起231aが設けられたベルト231を採用する場合には、ネジ501とベルト231との間での滑りを抑制することができ、搬送効率を高くすることができる。
【0044】
ただし、図8(b)に示すように、アジテータ40との関係において、例えば、ワッシャ501cを備えるネジ501を対象とする場合には、ベルト231の突起231aと突起231aとの間に、ワッシャ501cおよびネジ部分501bの先端部分の双方が噛みこんだ場合に、アジテータ40の羽根40aとベルト231との間にネジ501が噛み込んでしまうという事態が生じ得る。
【0045】
従って、搬送効率の向上についての要請と、対象とするネジの形態などとを総合的に勘案の上、上記実施の形態1,2のように平ベルトを採用するか、実施の形態3のように突起231aを有するベルト231を採用するかを決定することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4に係るネジ整列供給装置の構成について、図9を用い説明する。
【0046】
図9(a)に示すように、本実施の形態4に係る整列搬送機330は、基本的な構成が上記実施の形態1に係る整列供給機30と同じである。整列供給機330と整列供給機30との差異は、ベルト31と並行して2本のレール321,322が配されている点と、ベルト31の回転中程に、略面一の状態でガイドプレート361が設けられている点である。他の構成は、上記実施の形態1に係る整列搬送機30と同一であるので、説明を省略する。
【0047】
図9(b)に示すように、ベルト31と並行して入れているレール321とレール322とは、X軸方向において、互いの間に隙間をあけた状態(図9(a)の二点鎖線で囲む部分)で直列配置されている。また、レール321とレール322とは、Z軸方向における上面が略同一レベルとなるように設けられている。
回転ドラム20内における整列搬送機330の配置について、図10を用い説明する。
【0048】
図10に示すように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、ベルト31の上面31fとレール322の上面322fとを結ぶ仮想面が、水平面に対して角度θをなすように配されている。即ち、整列搬送機330の傾斜角度θは、10[°]〜30[°]の範囲内、例えば、20[°]に設定されている。
なお、図示を省略しているが、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、図6(a)に示すようなアジテータを装備していない。これについては、後述する。
【0049】
本実施の形態に係るネジ整列供給装置での、ネジ500の整列メカニズムについて、図11を用い説明する。なお、図11(a)および図11(b)は、整列搬送機330におけるレール321とレール322との隙間部分を模式的に断面で示している。
図11(a)に示すように、レール321の先端部分までに、ネジ500の姿勢がある程度整えられた場合には、ネジ500の頭部分500aが、ベルト31の上面31fに引っ掛かった状態となり(矢印C部分)、また、ネジ部分500bの先端500cがガイドプレート361の表面に当接する。この状態では、ネジ500は、図11(a)に示す姿勢を保ったまま、ベルト31により、レール322が設けられた部分に搬送される。なお、ガイドプレート361は、ベルト31のループ内において、ベルト31のループ端縁と面一の状態を以って、ネジ500の搬送方向に沿って延設されている。ガイドプレート361とベルト31のループ端縁とは、厳密に面一である必要はなく、例えば、±1〜5[mm]程度の差異(段差が発生すること)は許容される。
【0050】
一方、図11(b)に示すように、レール321の先端部分までの間に整列されなかったネジ500は、レール321とレール322との間の隙間に到達すると、その重心位置の関係で整列搬送機330から下に落下することになる。
以上のように、本実施の形態に係るネジ整列供給装置では、図9に示すような構成の整列搬送機330を採用し、水平面に対して傾斜配置することにより、アジテータを装備しなくても非整列のネジ500の排除を確実に実施することができる。このため、コスト面でも優位であり、また、ベルト31とアジテータの羽根との間でのネジ500の噛み込みというような問題を生じることもない。
【0051】
[その他の事項]
上記実施の形態1,2,3,4では、整列・供給の対象をネジ500,501としたが、本発明の対象はこれに限定されるものではない。例えば、ボルトや釘、さらにはリベットなどを対象とすることもできる。
また、上記実施の形態1,2,3,4では、各駆動部分を1つのモータからの駆動力により駆動させることとしているが、コストの観点を考慮しながら、複数の駆動源を備える構成とすることもできる。
【0052】
また、上記実施の形態1,2,3では、ベルト31,131の駆動のために、間にベルトとプーリ34,134,138,139,140を用いることとしたが、これ以外にギアの組み合わせを以ってベルト31,131を駆動する構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1では、1本のレール32を備える構成としたが、ネジあるいはボルトなどのサイズ・形状に応じて、2本あるいはそれ以上のレールを備える構成とすることもできる。
【0053】
また、上記実施の形態1,2,3,4では、整列搬送機30,130への対象部品の供給を、回転ドラム20を用いて行うこととしたが、供給手段については、これに限定されるものではない。例えば、対象部品をリフトアップできるベルトコンベアを整列搬送機30の上方まで設けておき、ベルトコンベアの搬送により部品供給を行うこととしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態1,2,3,4では、整列搬送機30,130が直線状に延伸する構成としたが、弧を描いて湾曲するようにしてもよい。この場合には、延伸方向に複数のコンベアを設けておき、部品を順次乗移って行くようにしておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、生産ラインなどにおいて、ネジやボルトなどの部品を確実に整列させることができるとともに、メインテナンス性に優れた部品整列供給装置を実現するのに有用である。
【符号の説明】
【0056】
1.ネジ整列供給装置
10.ケース
11.電源スイッチ
12.スタートスイッチ
13.カウンタ
20.回転ドラム
21.ブレード
30,130,330.整列搬送機
31,131,231.ベルト
32,321,322.レール
33,35,133,135.ベルトドラム
34,134,138,139,140.プーリ
36,136.フレーム
37,137.テンション調整ボルト
40.アジテータ
361.ガイドプレート
500,501.ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状部分と当該棒状部分よりも拡径された拡径部分とを有する部品を整列供給する部品整列供給装置であって、
ともに長尺状をした第1および第2の部材からなる整列搬送部を有し、
前記整列搬送部における第1および第2の部材は、鉛直方向上面が前記部品搬送面であり、当該部品搬送面同士の間に、前記棒状部分の断面サイズよりも広く、且つ、前記拡径部分の断面サイズよりも狭い間隙をあけた状態で並設されており、
前記第1の部材は、長手方向に駆動するベルトであり、当該ベルトが、前記部品の搬送方向において、前記第2の部材に対して相対的に速い速度で駆動するものである
ことを特徴とする部品整列供給装置。
【請求項2】
前記第1の部材は、平ベルトである
ことを特徴とする請求項1に記載の部品整列供給装置。
【請求項3】
前記第2の部材は、装置のベースに対して固定されたレールである
ことを特徴とする請求項2に記載の部品整列供給装置。
【請求項4】
前記第2の部材は、前記部品の搬送方向において、互いに間隔をあけた状態で直列配置された第1レールと第2レールとからなり、
前記平ベルトにおける前記部品の搬送面と、前記第1レールおよび前記第2レールの各上面とを結ぶ仮想面は、水平面に対して10度以上30度以下の角度を以って傾斜している
ことを特徴とする請求項3に記載の部品整列供給装置。
【請求項5】
前記第1の部材には、前記ベルトのループ内に配され、前記ベルトのループ端縁と面一の状態のガイドプレートが前記部品の搬送方向に延設されている
ことを特徴とする請求項4に記載の部品整列供給装置。
【請求項6】
前記第1および第2の部材は、部品搬送面が互いに鉛直方向で同一レベルに設定されている
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の部品整列供給装置。
【請求項7】
前記第2の部材も、長手方向に駆動するベルトであって、
前記第2の部材は、前記第1の部材に対して、同方向に駆動する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品整列供給装置。
【請求項8】
前記第2の部材は、平ベルトである
ことを特徴とする請求項7に記載の部品整列供給装置。
【請求項9】
前記整列搬送部に対しては、その鉛直方向上方から前記部品を自重落下させる部品供給部が設けられており、
前記自重落下した時点において、前記部品は、搬送方向に対してランダムな向きで前記整列搬送部上に載置される
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の部品整列供給装置。
【請求項1】
棒状部分と当該棒状部分よりも拡径された拡径部分とを有する部品を整列供給する部品整列供給装置であって、
ともに長尺状をした第1および第2の部材からなる整列搬送部を有し、
前記整列搬送部における第1および第2の部材は、鉛直方向上面が前記部品搬送面であり、当該部品搬送面同士の間に、前記棒状部分の断面サイズよりも広く、且つ、前記拡径部分の断面サイズよりも狭い間隙をあけた状態で並設されており、
前記第1の部材は、長手方向に駆動するベルトであり、当該ベルトが、前記部品の搬送方向において、前記第2の部材に対して相対的に速い速度で駆動するものである
ことを特徴とする部品整列供給装置。
【請求項2】
前記第1の部材は、平ベルトである
ことを特徴とする請求項1に記載の部品整列供給装置。
【請求項3】
前記第2の部材は、装置のベースに対して固定されたレールである
ことを特徴とする請求項2に記載の部品整列供給装置。
【請求項4】
前記第2の部材は、前記部品の搬送方向において、互いに間隔をあけた状態で直列配置された第1レールと第2レールとからなり、
前記平ベルトにおける前記部品の搬送面と、前記第1レールおよび前記第2レールの各上面とを結ぶ仮想面は、水平面に対して10度以上30度以下の角度を以って傾斜している
ことを特徴とする請求項3に記載の部品整列供給装置。
【請求項5】
前記第1の部材には、前記ベルトのループ内に配され、前記ベルトのループ端縁と面一の状態のガイドプレートが前記部品の搬送方向に延設されている
ことを特徴とする請求項4に記載の部品整列供給装置。
【請求項6】
前記第1および第2の部材は、部品搬送面が互いに鉛直方向で同一レベルに設定されている
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の部品整列供給装置。
【請求項7】
前記第2の部材も、長手方向に駆動するベルトであって、
前記第2の部材は、前記第1の部材に対して、同方向に駆動する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品整列供給装置。
【請求項8】
前記第2の部材は、平ベルトである
ことを特徴とする請求項7に記載の部品整列供給装置。
【請求項9】
前記整列搬送部に対しては、その鉛直方向上方から前記部品を自重落下させる部品供給部が設けられており、
前記自重落下した時点において、前記部品は、搬送方向に対してランダムな向きで前記整列搬送部上に載置される
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の部品整列供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−260714(P2010−260714A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160647(P2009−160647)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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