説明

部品管理システム

【課題】外勤業務中における印字記録量が判明するタイミングに、その外勤業務中に交換部品の寿命が到来するか否かを判断して交換時期を報知することのできる部品管理システムを提供すること。
【解決手段】検針等の外勤業務を行うハンディターミナル10と一緒に利用するプリンタ20のサーマルヘッドなどの交換時期を管理する部品管理システムであって、ハンディターミナルは、外出前に客先毎の住所などの外勤業務情報をホスト装置30から取得するとともに、その外勤業務情報に基づいて検針票などの印字枚数を導出して、プリンタ内に保持する印字済み枚数に加算し、そのプリンタのサーマルヘッドなどの印字可能枚数を超えるときにはその交換要求をするメッセージを表示部11に表示出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品管理システムに関し、詳しくは、印字記録部品の交換時期を報知するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電気部品等の小型化に伴って携帯型の処理装置にも記録部を備えるものが利用されてきており、例えば、電気・ガス・水道等の検針や、配達新聞等の集金や、宅配などのような外勤業務では、お客様宛のお知らせ票や、領収証などの各種書類をその場で印字記録することが行われている。
【0003】
この携帯型処理装置の記録部としては、ロール形式の感熱記録紙をプラテンで位置決め支持させつつ通電加熱するサーマルヘッドを押し付けるようにして印字記録を行う、軽量かつ小型の、所謂、サーマルプリンタが多用されており、このサーマルプリンタは、携帯型処理装置の本体部を構成するハンディターミナルに一体に接続されて携帯利用されている。
【0004】
このサーマルプリンタは、サーマルヘッドを通電加熱して感熱記録紙に印字記録することから、記録品質を維持するために寿命を考慮して交換する必要があり、サーマルプリンタによる印字枚数をハンディターミナルが管理して交換時期が近いこと(予告)や交換時期に達していること(警告)を報知することが行われている。ユーザは、この交換情報を把握したときに、サーマルヘッドと共にプラテンを交換する。
【0005】
このサーマルヘッドの寿命は、正確に管理できるようにする各種工夫がなされている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1には、サーマルヘッドの通電時間を保持して把握することにより、正確に交換時期を管理することが提案されている。特許文献2には、サーマルヘッドの発熱をビット単位で保持して把握することにより、正確に交換時期を管理することが提案されている。特許文献3には、過去の履歴を保持するのではなく、現状を把握するために通電して診断することにより、正確に交換時期を管理することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−147250号公報
【特許文献2】特開2000−52586号公報
【特許文献3】特開2002−192760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、サーマルヘッドやプラテンなどの交換は、その部品自体も高価であるとともに、交換作業期間中には代替機を準備するなど、その交換作業にも費用が掛かってしまう。このことから、サーマルヘッドなどの交換時期は、できるだけ耐用期限(寿命)ぎりぎりまで延ばす必要がある。
【0008】
その一方で、無理に交換しないで使用し続けると、外勤業務中に記録品質が低下してしまう場合があり、その記録品質が使用に耐えられない程度まで劣化してしまっているときには、戻って別の機械に交換する必要がある。この場合には、著しく作業効率を低下させてしまうとともに、現実的には当日の業務を諦めざるを得ないことになる可能性もある。
【0009】
また、サーマルヘッドなどの交換時期の管理としては、印字記録済みによる耐用期限を基準にする過去の消耗を管理しているだけであって、外勤業務中の印字記録量は考慮されていない。このため、大量の印字記録をする必要がある場合には、外勤業務中に寿命がきてしまって記録品質が劣化してしまうときもある。
【0010】
このようなことから、外勤業務中にサーマルヘッドなどの寿命が来てしまわないようにするには、耐用期限よりも早めに交換時期を設定してサーマルヘッドなどを交換する必要がある。
【0011】
さらに、ハンディターミナルには、サーマルプリンタを常時接続されている一体型タイプだけでなく、そのサーマルプリンタを着脱して交換可能にした分離型タイプのものも利用されている。
【0012】
この分離型タイプの場合には、ハンディターミナル側にサーマルヘッドの交換時期を管理して貰うことはできない。このことから、分離型タイプでは、サーマルプリンタが自身の総印字枚数を保持するようにして、ハンディターミナルから確認要求を入力することにより総印字枚数の把握を可能にする機種は存在する。
【0013】
しかしながら、分離型タイプでの総印字枚数の確認要求の入力操作は、頻繁に交換時期に当たることはないことから、また、その総印字枚数から交換時期を判断する必要があって面倒なために、その確認作業を省略し易く、外勤業務中にその交換時期(記録品質低下)が到来してしまう恐れがある。この問題は、特許文献1〜3に記載のものでも同様である。特に、特許文献3に記載のものでは、サーマルプリンタ側で特別に管理するデータが必要ないことから、分離型タイプに好適であるが、確認するための作業が必要であることには変わりはない。
【0014】
そこで、本発明は、外勤業務中における印字記録量が判明するタイミングに、その外勤業務中に交換部品の寿命が到来するか否かを判断して交換時期を報知することのできる部品管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決する部品管理システムの発明の一態様は、所定情報を取得して処理する携帯型処理装置を本体部と共に構成して当該処理結果を記録出力する記録部の交換部品の交換時期を管理するシステムであって、前記携帯型処理装置を携帯しつつ前記所定情報を取得する予定の携帯先情報を予め入力する情報入力部と、前記携帯先情報に基づいて前記記録部で記録出力する前記所定情報に応じた前記処理結果の記録予定情報量を導出する記録量導出部と、前記記録部が記録出力した記録済み情報量を記憶保持するメモリ部と、前記記録予定情報量を前記記録済み情報量に加算した加算情報量が予め設定されている前記交換部品の交換が必要となる交換情報量を超えるときに当該交換部品の交換要求を報知する交換判定報知部と、を備えることを特徴とするものである。
【0016】
この発明の態様では、携帯型処理装置の内部に組み込まれた、あるいは、携帯型処理装置の外部に構築されている部品管理システムが、その携帯型処理装置を携帯しつつ所定情報を取得する予定の携帯先情報を外出前に予め入力される際に、その携帯先情報に応じた所定情報(処理情報)に基づいて記録予定情報量を導出(把握)することができ、その記録予定情報量をメモリ部内の記録済み情報量に加算した加算情報量が交換情報量を超える場合に、該当交換部品の交換要求をユーザに報知することができる。したがって、外勤業務中に到達する記録情報量を把握して部品交換の要否を判断することができ、外勤業務中に記録品質が劣化して使えなくなってしまうことを回避することができる。本体部と記録部が分離型の場合には、外勤業務中の記録情報量に応じて記録部を選択することもできる。ここで、外出前の携帯先情報の入力は、例えば、所定情報を取得する訪問先数などを携帯型処理装置の操作部から入力などする情報を共用すればよく、また、携帯型処理装置をセットしてその訪問先などの各種情報を入力する装置などが存在する場合には、その入力装置から受け取るようにすればよい。
【発明の効果】
【0017】
このように本発明の一態様によれば、携帯型処理装置を携帯して外出する前の、外勤業務に必要な携帯先情報の入力作業時に、記録予定情報量を把握して記録済み情報量に加算するだけで交換の要否を知らせることができるので、交換時期を把握する作業を省略してしまうことなく、記録済み情報量だけでなく外勤業務中における記録情報量を加えて確認することができ、外勤業務中に寿命が到来することなく、その外勤業務を完遂することができる。したがって、予定の記録量まで考慮して交換部品を耐用期限まで使用することができ、また、作業者に負担なく的確な交換時期を把握させて高品質な記録印字を確保することができる。この結果、交換期間中の代替機の台数を適正にすることができ、コスト高になってしまうことなく、快適に外勤業務を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る部品管理システムの一実施形態を搭載する携帯型処理装置の一例を示す外観平面図である。
【図2】その内部構成を示すブロック図である。
【図3】その管理制御を説明するフローチャートである。
【図4】その携帯型処理装置の一例の他の態様を示す外観平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態の一態様としては、所定情報を取得して処理する携帯型処理装置を本体部と共に構成して当該処理結果を記録出力する記録部の交換部品の交換時期を管理するシステムであって、前記携帯型処理装置を携帯しつつ前記所定情報を取得する予定の携帯先情報を予め入力する情報入力部と、前記携帯先情報に基づいて前記記録部で記録出力する前記所定情報に応じた前記処理結果の記録予定情報量を導出する記録量導出部と、前記記録部が記録出力した記録済み情報量を記憶保持するメモリ部と、前記記録予定情報量を前記記録済み情報量に加算した加算情報量が予め設定されている前記交換部品の交換が必要となる交換情報量を超えるときに当該交換部品の交換要求を報知する交換判定報知部と、を備えるのに加えて、次の構成を備えてもよい。
【0020】
第1の他の態様としては、前記交換部品として、サーマルヘッドとプラテンの一方または双方が設定されていてもよい。
【0021】
第2の他の態様としては、前記情報量として、記録用紙の記録出力枚数または記録出力長で前記交換部品の前記交換時期を管理するようにしてもよい。この態様では、カット紙またはロール紙のいずれの場合でも、記録出力長が決められているときには枚数管理すればよく、また、ロール紙の場合で記録出力長が区々のときには記録出力長で長さ管理すればよい。
【0022】
第3の他の態様としては、前記携帯型処理装置が前記本体部に前記記録部を着脱する交換可能な形式に構成されており、前記情報入力部、前記記録量導出部、前記メモリ部および前記交換判定報知部は、それぞれ前記本体部と前記記録部の一方または双方に振り分けられていてもよい。この態様では、直接接続して着脱する分離型の場合や、中継装置を介して有線接続または無線接続されている分離型のいずれでも適用することができる。
【0023】
第4の他の態様としては、前記携帯型処理装置を構成する前記本体部と前記記録部の一方または双方と通信可能な付加装置に、前記情報入力部、前記記録量導出部、前記メモリ部および前記交換判定報知部を備えさせてもよい。この態様では、汎用の携帯型処理装置に接続して利用することができる。
【0024】
なお、前記記録部は、サーマルヘッドを利用する感熱記録タイプでも、また、インクリボンを利用するインパクトタイプなど、携帯可能にコンパクトなプリンタであれば適用することができる。
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図3は本発明に係る部品管理システムの一実施形態を搭載する携帯型処理装置の一例を示す図である。
【0026】
図1において、ハンディターミナル(携帯型処理装置の本体部)10は、各種情報を表示出力する液晶からなる表示部11および各種入力操作をする操作部12を備えており、各種情報を無線通信可能なプリンタ(携帯型処理装置の記録部)20を付属可能に設計されている。このハンディターミナル10は、例えば、商用電力を消費する客先の使用電力量の確認等をすることを目的として(以下では、使用電力量を確認する外勤業務を一例に説明する)、各家庭などの消費場所に赴いて、設置されている電力量計100(図2に図示)の検針をするなどの外勤業務のために携帯する。また、プリンタ20は、図示することは省略するが、ロール形式の感熱記録紙Pを不図示のプラテン(交換部品)との間に挟むようにしてサーマルヘッド(交換部品)を通電加熱することで、ハンディターミナル10から送られてきた各種情報をプリントアウトする。
【0027】
このハンディターミナル10は、表示部11に各種情報を表示させつつ、操作部12のテンキー12aや各種機能キー12bなどの入力操作をすることにより、客先の電力量計100に無線通信可能に接続して、その使用電力量を取得するようになっており、その取得情報に基づいて各種書類を作成してプリンタ20に無線送信することにより必要な書類をプリントアウトすることができる。なお、ハンディターミナル10は、無線通信に限らず、電力量計と有線接続するタイプでもよく、また、電力量計の表示を確認して操作部12から手入力するタイプであってもよい。
【0028】
ここで、ハンディターミナル10は、外勤業務に必要な基本情報などを予め格納するとともに、客先での外勤業務を可能に客先情報などを外出前にホスト装置30(図2に図示)から都度取得格納して各種処理を実行するようになっており、例えば、使用電力量を表示する検針票、使用電力量に応じた電気料金の振込票や領収証などをプリンタ20からプリントアウトして客先に手渡すなどすることができる。
【0029】
具体的に、ハンディターミナル10は、図2に示すように、表示部11および操作部12に加えて、CPU13と、ROM14と、RAM15と、メモリ部16と、無線通信部17と、接続端子部18と、バッテリ19と、充電端子部19aと、を備えて構成されている。また、プリンタ20は、感熱記録紙Pにサーマルヘッドで各種情報を印字記録する基本機能に加えて、ハンディターミナル10との間で無線通信可能にする、制御部21、無線通信部22およびメモリ部23を備えている。ホスト装置30は、外勤業務に必要な各種情報を管理する基本機能に加えて、ハンディターミナル10との間で有線通信可能にする、制御部31、接続通信部32およびメモリ部33を備えている。電力量計100は、使用電力量を積算する基本機能に加えて、ハンディターミナル10との間で無線通信可能にする、制御部101、無線通信部102およびメモリ部103を備えている。
【0030】
ハンディターミナル10は、CPU13がROM14内に予め格納されている制御プログラムに従ってRAM15をワークエリアとして利用しつつ各種パラメータや取得情報などに基づいて装置各部を統括制御するようになっており、無線通信部17、接続端子部18を介して接続する外部機器との間で各種情報のやり取りをすることにより、外勤業務に必要な情報や外勤業務で取得した情報をバッテリ19の電力で機能維持するメモリ部16内に記憶保持するとともに外部機器からの要求に応じて送出する。なお、このハンディターミナル10のバッテリ19は、充電端子部19aがホスト装置30へのセット時に充電端子部34に導通接触して商用電力を変換した直流電力を充電するようになっている。
【0031】
プリンタ20、ホスト装置30および電力量計100は、制御部21、31、101が同様にCPU、ROM、RAMにより構築されて、制御プログラムに従って各種パラメータや取得情報などに基づき装置各部を統括制御するようになっている。
【0032】
プリンタ20は、制御部21が無線通信部22を介してハンディターミナル10との間で各種情報をやり取りするようになっており、その制御部21はハンディターミナル10から受け取ったプリントアウト情報をメモリ部23内に一時的に記憶保持しつつ感熱記録紙Pに印字記録し、また、ロール状の感熱記録紙Pの交換後からのプリントアウトした検針票などの記録出力枚数をメモリ部23内に積算記憶して、ハンディターミナル10からの要求に応じて送出するようになっている。
【0033】
ホスト装置30は、セットされたハンディターミナル10の接続端子部18に接続通信部32が接続されて、制御部31が各種情報をやり取りするようになっており、その制御部31はハンディターミナル10から受け取った検針結果などの外勤業務情報をメモリ部33内に記憶保持して管理し、また、外出前にセットされたハンディターミナル10のCPU13からの要求に対して当日の外勤業務に必要な各種情報、例えば、訪問すべき客先毎の住所等の各種情報と共に検針等の業務情報などを送出して書換更新するようになっている。すなわち、CPU13が情報入力部を構成している。なお、本実施形態では、ホスト装置30と連携させて必要な外勤業務情報を取得可能な場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、操作部12から手入力する場合にも適用することができることは言うまでもない。
【0034】
電力量計100は、制御部101が無線通信部102を介してハンディターミナル10との間で各種情報をやり取りするようになっており、その制御部101はハンディターミナル10からの要求に応じてメモリ部103内に積算して記憶保持する使用電力量を送出するようになっている。
【0035】
そして、ハンディターミナル10は、CPU13が外勤業務の外出前にホスト装置30から訪問客先数に応じた検針票などの印字枚数(記録予定情報量)mを算出して、無線接続したプリンタ20から検針票などの印字枚数を積算した印字済み枚数(記録済み情報量)nを取得し加算するようになっており、その加算結果(加算情報量)が予め設定されているプリンタ20の印字可能枚数Aや印字限界予告枚数Bを超えているか否かを確認して、予め準備されているメッセージを表示出力して報知するなどの処理を実行するようになっている。すなわち、CPU13が記録量導出部および交換判定報知部を構成している。なお、ロール状の感熱記録紙Pは、終了間近を知らせるラインが両側辺側に付されており、適宜、携帯するものなどに交換することができる。
【0036】
詳細には、ハンディターミナル10は、図3のフローチャートに示す部品管理手順(方法)を実行する。
【0037】
まずは、電源投入後に、前もって、当日の外勤業務情報が既に入力されてメモリ部16内に記憶保持されているか否かを確認して(ステップS11)、入力済みの場合には後述するステップP14にスキップする。また、未入力の場合には、ホスト装置30にセットされて当日の外勤業務情報の受取入力のために接続端子部18と接続通信部32を介して接続されたことを確認した後に(ステップS12)、そのホスト装置30から訪問客先毎の住所等の各種情報と共に検針等の業務情報などを外勤業務情報(携帯先情報)として受け取ってメモリ部16内に記憶保持する(ステップS13)。
【0038】
次いで、メモリ部16内の外勤業務情報に基づいて当日に記録印刷する検針票などの印字枚数mを積算カウントする(ステップS14)。また、使用するプリンタ20がピックアップされて無線通信部17、22を介して接続されたことを確認して、そのプリンタ20を特定する識別情報を受け取ってメモリ部16内に使用プリンタ20として記憶保持した後に(ステップS15)、そのプリンタ20からメモリ部23内の積算した検針票などの印字済み枚数nを受け取ってメモリ部16内に記憶保持する(ステップS16)。
【0039】
この後に、その印字枚数mと印字済み枚数nの加算枚数(n+m)が予め設定されているプリンタ20の印字可能枚数Aを超えているか否かを確認して(ステップS17)、プリンタ20が内勤中の印字処理が実行されるなどして印字可能枚数Aを超えるまで利用されていることが確認された場合には、予め準備されているプリンタ交換の要求メッセージを表示部11に表示出力してサーマルヘッドやプラテンの交換時期を過ぎていることを報知する(ステップS18)。次いで、この交換要求メッセージによって、別のプリンタ20がピックアップされて無線通信部17、22を介して接続されたことを確認したときに、そのプリンタ20を特定する識別情報を比較して別プリンタ20の接続を認識した後に(ステップS19)、ステップS16に戻って同様の処理を繰り返す。
【0040】
次いで、ステップS17において印字枚数mと印字済み枚数nの加算枚数(n+m)が印字可能枚数A未満であっても、その加算枚数(n+m)が予め設定されているプリンタ20の印字限界予告枚数Bを超えているか否かを確認して(ステップS21)、確認されなかった場合には後述するステップS23にスキップする。また、加算枚数(n+m)が印字限界予告枚数Bを超えて、当日の外勤業務では印字記録品質に問題が生じる恐れはないが、印字可能枚数A近くまで利用されていることが確認された場合には、予め準備されているプリンタ交換時期の予告メッセージを表示部11に表示出力してサーマルヘッドやプラテンの交換時期が近づいていることを報知する(ステップS22)。
【0041】
この後に、外勤業務への出発準備が完了して業務開始(準備OK)が入力されたことを確認したときに(ステップS23)、外勤業務中に入力操作等をする表示部11の表示画面に切り換えて(ステップS24)、このプリンタ20の確認処理を終了する。
【0042】
したがって、外勤業務で印字記録する検針票などの印字枚数mを考慮して、利用するプリンタ20で印字済み枚数nに加算したときに、印字可能枚数Aを超えてサーマルヘッドやプラテンの交換時期に達している場合には、その旨を外出前に報知することができ、例えば、別のプリンタ20を選択するなどして外勤業務に出ることができる。このため、プリンタ20のサーマルヘッドなどが使用限界を超えて印字品質に支障が出てしまうために、プリンタ20を交換するために戻るような事態になることを回避することができる。
【0043】
このように本実施形態においては、ハンディターミナル10とプリンタ20を携帯して外勤業務で外出する前に、プリンタ20のサーマルヘッドやプラテンの交換の要否を把握することができ、面倒なために確認せずに、外勤業務の途中で交換時期(寿命)が来てしまうことを回避することができる。したがって、プリンタ20(サーマルヘッドやプラテン)の使用限界のために外勤業務が中断せざるを得ないことを未然に防止することができるとともに、その耐用期限までプリンタ20を利用することができ、サーマルヘッドなどの交換期間中の代替機も含めてプリンタ20の保有台数を適正にして、外勤業務に掛かるコストを低減することができる。
【0044】
ここで、本実施形態の他の態様としては、図4に示すように、ハンディターミナル本体部とプリンタ60とが一体に形成されているハンディターミナル50に適用することもでき、この場合には、電源投入時に、外勤業務時に印字する感熱記録紙Pの枚数に応じて、サーマルヘッドやプラテンの交換時期を把握して、交換等の要求をすることができ、外勤業務中にサーマルヘッドなどの印字品質が低下してしまうことを未然に防止することができる。
【0045】
また、図示することは省略するが、サーマルヘッドとプラテンの耐用期間を別々に管理してもよく、また、サーマルヘッドなどの記録用部品に限る必要はなく、紙送りローラなど別の交換部品の耐用期間を管理するようにしてもよい。また、サーマルヘッドを利用する感熱記録タイプに限らず、インクリボンを利用するインパクトタイプなど、携帯可能でコンパクトなプリンタであれば適用することができる。
【0046】
また、プリントアウトする感熱記録紙Pの長さが検針票や領収書などに応じて異なる場合には、その印字長さを積算するようにして、例えば、メートルやキロメートルで管理するようにしてもよい。
【0047】
さらに、本実施形態は、ハンディターミナル10とプリンタ20とが直接無線通信するシステムであって、そのハンディターミナル10に適用する場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、プリンタ20側に適用してもよく、また、双方に本発明の構成要素を振り分けてもよく、さらに、汎用のハンディターミナルとプリンタの一方または双方に有線通信可能な、あるいは、無線通信可能な別装置を追加して、本発明の構成要素を適用して機能するようにしてもよい。
【0048】
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
10、50 ハンディターミナル
11 表示部
12 操作部
16、23、33、103 メモリ部
17、22、102 無線通信部
18 接続端子部
19 バッテリ
20、60 プリンタ
21、31、101 制御部
30 ホスト装置
32 接続通信部
34 充電端子部
100 電力量計
P 感熱記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定情報を取得して処理する携帯型処理装置を本体部と共に構成して当該処理結果を記録出力する記録部の交換部品の交換時期を管理するシステムであって、
前記携帯型処理装置を携帯しつつ前記所定情報を取得する予定の携帯先情報を予め入力する情報入力部と、
前記携帯先情報に基づいて前記記録部で記録出力する前記所定情報に応じた前記処理結果の記録予定情報量を導出する記録量導出部と、
前記記録部が記録出力した記録済み情報量を記憶保持するメモリ部と、
前記記録予定情報量を前記記録済み情報量に加算した加算情報量が予め設定されている前記交換部品の交換が必要となる交換情報量を超えるときに当該交換部品の交換要求を報知する交換判定報知部と、
を備えることを特徴とする部品管理システム。
【請求項2】
前記交換部品として、サーマルヘッドとプラテンの一方または双方が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項3】
前記情報量として、記録用紙の記録出力枚数または記録出力長で前記交換部品の前記交換時期を管理することを特徴とする請求項1または2に記載の部品管理システム。
【請求項4】
前記携帯型処理装置が前記本体部に前記記録部を着脱する交換可能な形式に構成されており、
前記情報入力部、前記記録量導出部、前記メモリ部および前記交換判定報知部は、それぞれ前記本体部と前記記録部の一方または双方に振り分けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の部品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−84131(P2013−84131A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223761(P2011−223761)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)