部材接合構造
【課題】形材の補強に適した部材接合構造を提供する。
【解決手段】第１の個所８ａ及び第２の個所８ｂに孔９ａ，９ｂが正対するように穿設してある主部材６と、第１の個所８ａの孔９ａに連なるねじ孔１ａが穿設してあり且つ第２の個所８ｂとは真反対に位置するように主部材６の第１の個所８ａに当接する第１の締結部材５ａと、第２の個所８ｂの孔９ｂに連なるねじ孔１ｂが穿設してあり且つ第１の個所８ａとは真反対に位置するように主部材６の第２の個所８ｂに当接する第２の締結部材５ｂと、孔９ａ，９ｂ、並びにねじ孔１ａ，１ｂに差し込んだ補助部材７とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材７に由来する材料を、孔９ａ，９ｂやねじ孔１ａ，１ｂに詰め込み且つ第１、第２の締結部材５ａ，５ｂのねじ孔１ａ，１ｂの周囲を覆うように形作り、主部材６に補助部材７を接合する。
【解決手段】第１の個所８ａ及び第２の個所８ｂに孔９ａ，９ｂが正対するように穿設してある主部材６と、第１の個所８ａの孔９ａに連なるねじ孔１ａが穿設してあり且つ第２の個所８ｂとは真反対に位置するように主部材６の第１の個所８ａに当接する第１の締結部材５ａと、第２の個所８ｂの孔９ｂに連なるねじ孔１ｂが穿設してあり且つ第１の個所８ａとは真反対に位置するように主部材６の第２の個所８ｂに当接する第２の締結部材５ｂと、孔９ａ，９ｂ、並びにねじ孔１ａ，１ｂに差し込んだ補助部材７とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材７に由来する材料を、孔９ａ，９ｂやねじ孔１ａ，１ｂに詰め込み且つ第１、第２の締結部材５ａ，５ｂのねじ孔１ａ，１ｂの周囲を覆うように形作り、主部材６に補助部材７を接合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は部材接合構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
接合すべき部材を溶融させずに相互に接続する方法として摩擦撹拌接合がある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
この技法では、被接合部材を重ね合わせた被接合物を、裏当て部材である支持ツールに載せたうえ、被接合物に接合ツールを回転させながら押し付け、摩擦熱と塑性流動により軟化した材料を撹拌して同化させる。
【０００４】
次いで、接合ツールを被接合物から離して材料が同化した部位を硬化させ、被接合部材を相互に接合する。
【０００５】
接合ツールは、円柱状のショルダ部と、当該ショルダ部に同軸に連なり且つツール先端へ向けて突出する短円筒状でショルダ部よりも外径が小さいピン部とを備えている。
【０００６】
また、アルミニウム合金を素材とした中空押し出し形材を二つ並べたうえ、この形材を摩擦撹拌接合によって一体化して構造体を製作する手法も既に提案されている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００４−１３６３６５号公報
【特許文献２】特開２００２−１３７０７１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
二つの面板の間をリブによって接続した断面を呈する形材は、面板とリブの共同によりこれら単体を上回る剛性を発揮するが、時として形材の剛性を局所的に強めることが要求される。
【０００８】
この場合、二つの面板の間にリブを追加するという手立てが考えられるが、リブは形材の全長にわたって存在するため、結果的に形材の重量が増えてしまう。
【０００９】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、形材の補強に適した部材接合構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するため、請求項１に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作った構成を採る。
【００１１】
請求項２に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作った構成を採る。
【００１２】
請求項３に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１３】
請求項４に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１４】
請求項５に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１５】
請求項６に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１６】
請求項７に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材に同化させた構成を採る。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の部材接合構造によれば、下記のような優れた効果を奏し得る。
【００１８】
（１）請求項１、２に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１、第２の締結部材に係合させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【００１９】
（２）請求項３、４に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１の締結部材に係合させ且つ第２の締結部材に同化させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【００２０】
（３）請求項５、６に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１に同化させ且つ第２の締結部材に係合させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【００２１】
（４）請求項７に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１、第２の締結部材に同化させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２２】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００２３】
図１は本発明の部材接合構造の第１の例であり、請求項１、２に対応している。
【００２４】
この部材接合構造は、矩形断面の主部材６と、ねじ孔１ａ，１ｂが穿設してある第１、第２の締結部材５ａ，５ｂと、補助部材７とを備えている。
【００２５】
主部材６の第１の個所８ａには、部材厚み方向に貫通する孔９ａが穿設してあり、当該第１の個所８ａに向き合う第２の個所８ｂには、部材厚み方向に貫通する孔９ｂが、前記孔９ａに正対するように穿設してある。
【００２６】
また、第１の個所８ａと第２の個所８ｂの間にある第３の個所８ｃ及び第４の個所８ｄには、特に加工を施していない。
【００２７】
第１の締結部材５ａは、ねじ孔１ａが第１の個所８ａの孔９ａに連なり且つ第２の個所８ｂとは真反対に位置するように主部材６の第１の個所８ａに当接している。
【００２８】
第２の締結部材５ｂは、ねじ孔１ｂが第２の個所８ｂの孔９ｂに連なり且つ第１の個所８ａとは真反対に位置するように主部材６の第２の個所８ｂに当接している。
【００２９】
補助部材７はアルミニウム合金を素材とし、第１、第２の締結部材５ａ，５ｂは、アルミニウム合金よりも硬く且つ軟化温度が高い鋼を素材としている。
【００３０】
第１、第２の締結部材５ａ，５ｂとしては、ナットを利用することができ、ねじ孔１ａ，１ｂに代えて、内側面に周方向に延びる溝を平行に設けた孔でもよい。
【００３１】
第１、第２の締結部材５ａ，５ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００３２】
図１（ａ）に示すように、ねじ孔１ａ、孔９ａ，９ｂ、並びにねじ孔１ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００３３】
補助部材７の基端部分には、第１の締結部材５ａの端面に当接するフランジ１０が設けてあり、当該フランジ１０が、主部材６に対する補助部材７の位置決めを行う。
【００３４】
図１（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａ内周面、主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面、並びに第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第１、第２の締結部材５ａ，５ｂのねじ孔１ａ，１ｂの周囲を覆うように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００３５】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００３６】
裏当て部材１１と接合ツール１２は、アルミニウム合金よりも硬く且つ軟化温度が高い鋼を素材としている。
【００３７】
接合ツール１２は、短円柱状のピン部１３を円柱状のショルダ部１４の先端面に同軸に連ねた形をしており、また、裏当て部材１１は、第２の締結部材５ｂと補助部材７を受ける役割をする。
【００３８】
裏当て部材１１で保持されている補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図１（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００３９】
更に、補助部材７に由来する材料が、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａのねじ溝や主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００４０】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００４１】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００４２】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材５ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図１（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００４３】
更に、補助部材７に由来する材料が、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂのねじ溝や主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ｂが前記軟化材料で塞がれる。
【００４４】
この後、図１（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００４５】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００４６】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００４７】
図２は本発明の部材接合構造の第２の例であり、請求項３、４に対応し、図中、図１と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【００４８】
この部材接合構造は、 矩形断面の主部材６と、ねじ孔１ａが穿設してある第１の締結部材５ａと、孔２ｂが穿設してある第２の締結部材３ｂと、補助部材７とを備えている。
【００４９】
第２の締結部材３ｂは、補助部材７と同じアルミニウム合金を素材としている。
【００５０】
第１、第２の締結部材５ａ，３ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００５１】
図２（ａ）に示すように、ねじ孔１ａ、孔９ａ，９ｂ、並びに孔２ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００５２】
図２（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａ内周面、並びに主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第１の締結部材５ａのねじ孔１ａの周囲を覆い、第２の締結部材３ｂに同化するように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００５３】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００５４】
第２の締結部材３ｂと補助部材７を裏当て部材１１で保持したうえ、補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図２（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００５５】
更に、補助部材７に由来する材料が、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａのねじ溝や主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００５６】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００５７】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００５８】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材３ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図２（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００５９】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、第２の締結部材３ｂに同化する。
【００６０】
この後、図２（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材３ｂに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００６１】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００６２】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００６３】
図３は本発明の部材接合構造の第３の例であり、請求項５、６に対応し、図中、図１と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【００６４】
この部材接合構造は、 矩形断面の主部材６と、孔２ａが穿設してある第１の締結部材３ａと、ねじ孔１ｂが穿設してある第２の締結部材５ｂと、補助部材７とを備えている。
【００６５】
第１の締結部材３ａは、補助部材７と同じアルミニウム合金を素材としている。
【００６６】
第１、第２の締結部材３ａ，５ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００６７】
図３（ａ）に示すように、孔２ａ、孔９ａ，９ｂ、並びにねじ孔１ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００６８】
図３（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材３ａに同化し、第１の締結部材３ａの孔２ａ内周面、並びに主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面、並びに第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂの周囲を覆うように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００６９】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００７０】
第２の締結部材５ｂと補助部材７を裏当て部材１１で保持したうえ、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図３（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００７１】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、第１の締結部材３ａに同化する。
【００７２】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材３ａに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００７３】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００７４】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材５ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図３（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００７５】
更に、補助部材７に由来する材料が、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂのねじ溝や主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ｂが前記軟化材料で塞がれる。
【００７６】
この後、図３（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００７７】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００７８】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００７９】
図４は本発明の部材接合構造の第４の例であり、請求項７に対応し、図中、図２、図３と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【００８０】
この部材接合構造は、 矩形断面の主部材６と、孔２ａ，２ｂが穿設してある第１、第２の締結部材３ａ，３ｂと、補助部材７とを備えている。
【００８１】
第１、第２の締結部材３ａ，３ｂは、補助部材７と同じアルミニウム合金を素材としている。
【００８２】
第１、第２の締結部材３ａ，３ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００８３】
図４（ａ）に示すように、孔２ａ、孔９ａ，９ｂ、並びに孔２ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００８４】
図４（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材３ａに同化し、主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第２の締結部材３ｂに同化するように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００８５】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００８６】
第２の締結部材３ｂと補助部材７を裏当て部材１１で保持したうえ、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図４（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００８７】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００８８】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材３ａに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００８９】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００９０】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材３ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図４（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００９１】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、孔２ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００９２】
この後、図４（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材３ｂに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００９３】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００９４】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００９５】
なお、本発明の部材接合構造は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、ピン部がない単なる円柱状の接合ツールを用いるようにすること、筒状などの中実ではない補助部材を用いるようにすること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００９６】
本発明の部材接合構造は、様々な部品の接合組付工程に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００９７】
【図１】本発明の部材接合構造の第１の例の施工手順を示す概念図である。
【図２】本発明の部材接合構造の第２の例の施工手順を示す概念図である。
【図３】本発明の部材接合構造の第３の例の施工手順を示す概念図である。
【図４】本発明の部材接合構造の第４の例の施工手順を示す概念図である。
【符号の説明】
【００９８】
１ａ ねじ孔
１ｂ ねじ孔
２ａ 孔
２ｂ 孔
３ａ 第１の締結部材
３ｂ 第２の締結部材
５ａ 第１の締結部材
５ｂ 第２の締結部材
６ 主部材
７ 補助部材
８ａ 第１の個所
８ｂ 第２の個所
９ａ 孔
９ｂ 孔
【技術分野】
【０００１】
本発明は部材接合構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
接合すべき部材を溶融させずに相互に接続する方法として摩擦撹拌接合がある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
この技法では、被接合部材を重ね合わせた被接合物を、裏当て部材である支持ツールに載せたうえ、被接合物に接合ツールを回転させながら押し付け、摩擦熱と塑性流動により軟化した材料を撹拌して同化させる。
【０００４】
次いで、接合ツールを被接合物から離して材料が同化した部位を硬化させ、被接合部材を相互に接合する。
【０００５】
接合ツールは、円柱状のショルダ部と、当該ショルダ部に同軸に連なり且つツール先端へ向けて突出する短円筒状でショルダ部よりも外径が小さいピン部とを備えている。
【０００６】
また、アルミニウム合金を素材とした中空押し出し形材を二つ並べたうえ、この形材を摩擦撹拌接合によって一体化して構造体を製作する手法も既に提案されている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００４−１３６３６５号公報
【特許文献２】特開２００２−１３７０７１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
二つの面板の間をリブによって接続した断面を呈する形材は、面板とリブの共同によりこれら単体を上回る剛性を発揮するが、時として形材の剛性を局所的に強めることが要求される。
【０００８】
この場合、二つの面板の間にリブを追加するという手立てが考えられるが、リブは形材の全長にわたって存在するため、結果的に形材の重量が増えてしまう。
【０００９】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、形材の補強に適した部材接合構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するため、請求項１に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作った構成を採る。
【００１１】
請求項２に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作った構成を採る。
【００１２】
請求項３に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１３】
請求項４に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１４】
請求項５に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１５】
請求項６に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させた構成を採る。
【００１６】
請求項７に記載の発明では、補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材に同化させた構成を採る。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の部材接合構造によれば、下記のような優れた効果を奏し得る。
【００１８】
（１）請求項１、２に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１、第２の締結部材に係合させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【００１９】
（２）請求項３、４に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１の締結部材に係合させ且つ第２の締結部材に同化させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【００２０】
（３）請求項５、６に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１に同化させ且つ第２の締結部材に係合させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【００２１】
（４）請求項７に記載の発明では、摩擦熱と塑性流動によって補助部材を、第１、第２の締結部材に同化させるので、主部材と補助部材が異種材であっても、両部材を効率よく且つ確実に接続することができ、主部材の剛性が局所的に高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２２】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００２３】
図１は本発明の部材接合構造の第１の例であり、請求項１、２に対応している。
【００２４】
この部材接合構造は、矩形断面の主部材６と、ねじ孔１ａ，１ｂが穿設してある第１、第２の締結部材５ａ，５ｂと、補助部材７とを備えている。
【００２５】
主部材６の第１の個所８ａには、部材厚み方向に貫通する孔９ａが穿設してあり、当該第１の個所８ａに向き合う第２の個所８ｂには、部材厚み方向に貫通する孔９ｂが、前記孔９ａに正対するように穿設してある。
【００２６】
また、第１の個所８ａと第２の個所８ｂの間にある第３の個所８ｃ及び第４の個所８ｄには、特に加工を施していない。
【００２７】
第１の締結部材５ａは、ねじ孔１ａが第１の個所８ａの孔９ａに連なり且つ第２の個所８ｂとは真反対に位置するように主部材６の第１の個所８ａに当接している。
【００２８】
第２の締結部材５ｂは、ねじ孔１ｂが第２の個所８ｂの孔９ｂに連なり且つ第１の個所８ａとは真反対に位置するように主部材６の第２の個所８ｂに当接している。
【００２９】
補助部材７はアルミニウム合金を素材とし、第１、第２の締結部材５ａ，５ｂは、アルミニウム合金よりも硬く且つ軟化温度が高い鋼を素材としている。
【００３０】
第１、第２の締結部材５ａ，５ｂとしては、ナットを利用することができ、ねじ孔１ａ，１ｂに代えて、内側面に周方向に延びる溝を平行に設けた孔でもよい。
【００３１】
第１、第２の締結部材５ａ，５ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００３２】
図１（ａ）に示すように、ねじ孔１ａ、孔９ａ，９ｂ、並びにねじ孔１ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００３３】
補助部材７の基端部分には、第１の締結部材５ａの端面に当接するフランジ１０が設けてあり、当該フランジ１０が、主部材６に対する補助部材７の位置決めを行う。
【００３４】
図１（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａ内周面、主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面、並びに第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第１、第２の締結部材５ａ，５ｂのねじ孔１ａ，１ｂの周囲を覆うように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００３５】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００３６】
裏当て部材１１と接合ツール１２は、アルミニウム合金よりも硬く且つ軟化温度が高い鋼を素材としている。
【００３７】
接合ツール１２は、短円柱状のピン部１３を円柱状のショルダ部１４の先端面に同軸に連ねた形をしており、また、裏当て部材１１は、第２の締結部材５ｂと補助部材７を受ける役割をする。
【００３８】
裏当て部材１１で保持されている補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図１（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００３９】
更に、補助部材７に由来する材料が、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａのねじ溝や主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００４０】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００４１】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００４２】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材５ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図１（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００４３】
更に、補助部材７に由来する材料が、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂのねじ溝や主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ｂが前記軟化材料で塞がれる。
【００４４】
この後、図１（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００４５】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００４６】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００４７】
図２は本発明の部材接合構造の第２の例であり、請求項３、４に対応し、図中、図１と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【００４８】
この部材接合構造は、 矩形断面の主部材６と、ねじ孔１ａが穿設してある第１の締結部材５ａと、孔２ｂが穿設してある第２の締結部材３ｂと、補助部材７とを備えている。
【００４９】
第２の締結部材３ｂは、補助部材７と同じアルミニウム合金を素材としている。
【００５０】
第１、第２の締結部材５ａ，３ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００５１】
図２（ａ）に示すように、ねじ孔１ａ、孔９ａ，９ｂ、並びに孔２ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００５２】
図２（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａ内周面、並びに主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第１の締結部材５ａのねじ孔１ａの周囲を覆い、第２の締結部材３ｂに同化するように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００５３】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００５４】
第２の締結部材３ｂと補助部材７を裏当て部材１１で保持したうえ、補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図２（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００５５】
更に、補助部材７に由来する材料が、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａのねじ溝や主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００５６】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材５ａのねじ孔１ａを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００５７】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００５８】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材５ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材３ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図２（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００５９】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、第２の締結部材３ｂに同化する。
【００６０】
この後、図２（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材３ｂに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００６１】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００６２】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００６３】
図３は本発明の部材接合構造の第３の例であり、請求項５、６に対応し、図中、図１と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【００６４】
この部材接合構造は、 矩形断面の主部材６と、孔２ａが穿設してある第１の締結部材３ａと、ねじ孔１ｂが穿設してある第２の締結部材５ｂと、補助部材７とを備えている。
【００６５】
第１の締結部材３ａは、補助部材７と同じアルミニウム合金を素材としている。
【００６６】
第１、第２の締結部材３ａ，５ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００６７】
図３（ａ）に示すように、孔２ａ、孔９ａ，９ｂ、並びにねじ孔１ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００６８】
図３（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材３ａに同化し、第１の締結部材３ａの孔２ａ内周面、並びに主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面、並びに第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂの周囲を覆うように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００６９】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００７０】
第２の締結部材５ｂと補助部材７を裏当て部材１１で保持したうえ、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図３（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００７１】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、第１の締結部材３ａに同化する。
【００７２】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材３ａに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００７３】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００７４】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材５ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図３（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００７５】
更に、補助部材７に由来する材料が、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂのねじ溝や主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ｂが前記軟化材料で塞がれる。
【００７６】
この後、図３（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材５ｂのねじ孔１ｂを塞いでいる補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００７７】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００７８】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００７９】
図４は本発明の部材接合構造の第４の例であり、請求項７に対応し、図中、図２、図３と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【００８０】
この部材接合構造は、 矩形断面の主部材６と、孔２ａ，２ｂが穿設してある第１、第２の締結部材３ａ，３ｂと、補助部材７とを備えている。
【００８１】
第１、第２の締結部材３ａ，３ｂは、補助部材７と同じアルミニウム合金を素材としている。
【００８２】
第１、第２の締結部材３ａ，３ｂは、主部材６に溶接などの手法により予め固着しておいてもよい。
【００８３】
図４（ａ）に示すように、孔２ａ、孔９ａ，９ｂ、並びに孔２ｂには補助部材７が差し込まれる。
【００８４】
図４（ｄ）に示すように、補助部材７に由来する材料は、摩擦熱と塑性流動によって、第１の締結部材３ａに同化し、主部材６の第１、第２の個所８ａ，８ｂの孔９ａ，９ｂ内周面のそれぞれに密着し且つ第２の締結部材３ｂに同化するように形作られ、補助部材７が主部材６に接合されている。
【００８５】
補助部材７を上述したような形状とする際には、裏当て部材１１と接合ツール１２を用いる。
【００８６】
第２の締結部材３ｂと補助部材７を裏当て部材１１で保持したうえ、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端面（フランジ１０）に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図４（ｂ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００８７】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第１の個所８ａの孔９ａの全般にわたって詰まり、ねじ孔１ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００８８】
この後、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第１の締結部材３ａに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第１の個所８ａと補助部材７の接合が完了する。
【００８９】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第１の個所８ａに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００９０】
次いで、主部材６及び補助部材７を逆向きにし、補助部材７の第１の締結部材３ａ側の端部を裏当て部材（図示せず）で受け、補助部材７の第２の締結部材３ｂ側の端面に、接合ツール１２を回転させながら押し付けると、図４（ｃ）に示すように、補助部材７が摩擦熱と塑性流動により軟化する。
【００９１】
更に、補助部材７に由来する材料が、主部材６の第２の個所８ｂの孔９ｂの全般にわたって詰まり、孔２ａが前記軟化材料で塞がれる。
【００９２】
この後、図４（ｄ）に示すように、接合ツール１２を補助部材７から引き離し、第２の締結部材３ｂに同化した補助部材７の塑性流動部位を硬化させると、主部材６の第２の個所８ｂと補助部材７の接合が完了する。
【００９３】
つまり、主部材６と補助部材７が異種材であっても、主部材６の第２の個所８ｂに補助部材７を効率よく且つ確実に接合することができる。
【００９４】
また、主部材６の素材が補助部材７と同じアルミニウム合金であれば、補助部材７に由来する材料が主部材６に同化する。
【００９５】
なお、本発明の部材接合構造は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、ピン部がない単なる円柱状の接合ツールを用いるようにすること、筒状などの中実ではない補助部材を用いるようにすること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００９６】
本発明の部材接合構造は、様々な部品の接合組付工程に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００９７】
【図１】本発明の部材接合構造の第１の例の施工手順を示す概念図である。
【図２】本発明の部材接合構造の第２の例の施工手順を示す概念図である。
【図３】本発明の部材接合構造の第３の例の施工手順を示す概念図である。
【図４】本発明の部材接合構造の第４の例の施工手順を示す概念図である。
【符号の説明】
【００９８】
１ａ ねじ孔
１ｂ ねじ孔
２ａ 孔
２ｂ 孔
３ａ 第１の締結部材
３ｂ 第２の締結部材
５ａ 第１の締結部材
５ｂ 第２の締結部材
６ 主部材
７ 補助部材
８ａ 第１の個所
８ｂ 第２の個所
９ａ 孔
９ｂ 孔
【特許請求の範囲】
【請求項１】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作ったことを特徴とする部材接合構造。
【請求項２】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作ったことを特徴とする部材接合構造。
【請求項３】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項４】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項５】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項６】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項７】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項１】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作ったことを特徴とする部材接合構造。
【請求項２】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作ったことを特徴とする部材接合構造。
【請求項３】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項４】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第１の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第１の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第２の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項５】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項６】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、第２の締結部材の孔内側面に周方向に延びる溝を設けておき、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第２の締結部材の孔内側面の溝に入り込ませ且つ第２の締結部材の孔の周囲を覆うように形作り、第１の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【請求項７】
補助部材挿入用の孔が第１の個所及び第２の個所に正対するように穿設してある主部材と、前記第１の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第２の個所とは真反対に位置するように主部材の第１の個所に当接する第１の締結部材と、前記第２の個所の孔に連なる補助部材挿入用の孔が穿設してあり且つ第１の個所とは真反対に位置するように主部材の第２の個所に当接する第２の締結部材と、主部材の第１、第２の個所の孔、並びに第１、第２の締結部材の孔に差し込んだ補助部材とを備え、摩擦熱と塑性流動により補助部材に由来する材料を、第１、第２の締結部材に同化させたことを特徴とする部材接合構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００８−１３７０６９（Ｐ２００８−１３７０６９Ａ）
【公開日】平成２０年６月１９日（２００８．６．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１５５６０（Ｐ２００７−１５５６０）
【出願日】平成１９年１月２５日（２００７．１．２５）
【出願人】（０００００５４６３）日野自動車株式会社 (1,484)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月１９日（２００８．６．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１月２５日（２００７．１．２５）
【出願人】（０００００５４６３）日野自動車株式会社 (1,484)
【Ｆターム（参考）】
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