説明

部材管理票

【課題】 部材に貼り付けるだけで独自の受注番号の部材であることを目視可能とした部材管理票を提供することを課題とする。
【解決手段】 管理表示部30aを備えるとともに、独自の受注番号3が付された作業指示書に基づき、少なくとも調達される部材ごとに表示する部材管理票1である。管理表示部30aには、独自の受注番号3ごとに、同一の図形31、記号49もしくはこれらの組み合わせを表示したことを特徴とし、また、図形31、記号49もしくはこれらの組み合わせを、製品の完成期日を示すようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、ラベル作製時に調達する各種部材に貼り付け・表示する部材管理票に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の工程を順次経ることによって製造または処理される複数の製品を扱う工場においては、同時にあるいは連続して流れる複数種の製品が、納期遅れを生ずることなく効率よく処理できるよう工程管理が行われている。
その一環として、キャリアボックスなどに、内容物の識別情報を表示することが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によれば、所定部位に光透過用孔部および光反射部からなるバーコードパターンもしくは二次元コードパターンにより識別コードを形成した識別票を作成し、これをキャリアボックスに表示している。そして、各工程を経る段階で識別コードを読み込ませることにより物品の種別や加工進捗度合いなどの情報が得られるようになっている。
しかしながら、特許文献1の識別票には、パターン化されたバーコードもしくは二次元コードで表された識別コードが表示されているため、スキャナ等で読み取ることにより理解されるものであり、かつ、キャリアボックスの中味は、識別コードと紐付けされて管理されるパソコンの画面で確認する必要があり、煩わしいという問題があった。
特に、ラベル作製の工場では、原反(げんたん)と称する大径の元ロールを所望の幅に切断するとともに、円筒状の紙管と称する巻き芯に巻き付ける「小巻き」と称する工程を経るようになっており、一見しただけでは見分けにくい紙質の異なる原反や幅の異なる巻き芯などの部材が工程別の工場(建屋)に点在することが多く、各工程で作業を行なう都度、バーコードまたは二次元コードで表示された識別票を読取らせてパソコンに送信して照合する必要があったため効率が悪いものであり、部材の管理をコンピュータによる照合なしに行えることが望まれた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−287204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであり、部材に貼り付けるだけで、独自の受注番号の部材であることを目視可能とした部材管理票を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る部材管理票は、管理表示部を備えるとともに、独自の受注番号が付された作業指示書に基づき、少なくとも調達される部材ごとに表示する部材管理票であって、前記管理表示部には、前記独自の受注番号ごとに、同一の図形、記号もしくはこれらの組み合わせを表示したことを特徴とする。
また、管理表示部に表示される図形、記号もしくはこれらの組み合わせは、製品の完成期日を示すようにできる。
また、図形は、月曜日が月、火曜日が火、水曜日が水、木曜日が木、金曜日が金星、土曜日が土星、日曜日が太陽を模した形であるようにできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、管理表示部を備えるとともに、独自の受注番号が付された作業指示書に基づき、少なくとも調達される部材ごとに表示する部材管理票であって、管理表示部には、独自の受注番号ごとに、同一の図形、記号もしくはこれらの組み合わせを表示したので、目視により受注番号ごとの部材が明確になるという効果がある。
また、管理表示部に表示される図形、記号もしくはこれらの組み合わせを、製品の完成期日を示すようにすれば、目視で完成期日が明確になる。
また、図形を、月曜日が月、火曜日が火、水曜日が水、木曜日が木、金曜日が金星、土曜日が土星、日曜日が太陽を模した形にすれば、完成期日が曜日にて明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る部材管理票のうち、作業指示書の項目抜粋用の部材管理票を示す説明図である。
【図2】同、原反表示用の部材管理票を示す説明図である。
【図3】同、紙管表示用の部材管理票を示す説明図である。
【図4】同、部材管理票の使用状態を示す説明図である。
【図5】同、他の実施の形態の、図形部分を示す説明図である。
【図6】同、他の図形部分を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態につき、図1ないし図4に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る部材管理票の一実施の形態を示す図であり、「部材管理票」のうち、作業指示書の項目抜粋用の部材管理票である。
本発明の部材管理票の基になるラベル作製に関する「作業指示書」は図示を省略するが、受注番号、商品コード、印刷機名、デザイン名、注文数量、得意先名などが数字、バーコード、あるいは、文字などで印字されている。
作業指示書の項目抜粋用の部材管理票1は、前記作業指示書(図示省略)から所望の項目を抜粋して印字したものであり、デザイン名2(図示の例では、「使用期限ラベル・○×プリンタ用」)、独自の受注No(受注番号)3(図示の例では、「1−234567−01−00」およびそのバーコード)、商品コード4(図示の例では、「123456789」およびそのバーコード)、製品納期5(図示の例では、「2010年10月16日」)、担当6、原紙7、予定量8、発注量9、原紙希望納期10(図示の例では、「10/15」)などの項目のほか、管理表示部30aが設けてある。
前記管理表示部30aは、この受注番号3の製品(ラベル)の完成期日を示す図形31(図示の例では、黒塗りの菱形)と記号32が印字して表示されている。前記記号は、当該完成期日の何番目の受注かを示す日別受注順番号32(図示の例では、「49」)となっている。
図形31は、前記菱形のほか、例えば、星型、三角、逆三角形や丸などの形が採用可能であり、かつ、前記各図形の白抜き黒塗りにより異なった完成期日を表すことができるようになっている。
【0009】
図2は、「部材管理票」のうち、原反(げんたん)18(図4参照)に表示される原反表示用の部材管理票11であり、スリット12、原紙納期13(図示の例では、「10/15」)、使用するダイカットの型名14(図示の例では、「F11−405ダイロール有」)、列数15(図示の例では、「4」)、紙管納期16(図示の例では、「10/16」)、段箱納期17(図示の例では、「有」)のほか、管理表示部30bが設けられており、この管理表示部30bには、前記作用指示書の項目抜粋用の部材管理票1に印字されたものと同一の図形30(黒塗りの菱形)および記号としての日別受注順番号32(「49」)が印字されている。
なお、段箱納期17の「有」は、作業指示書(図示省略)作成時の照合で、段箱(図示省略)の在庫があったことを示しており、在庫なしの場合は入荷予定納期が印字されるようになっている。
また、スリット12には、手書きで×が書かれており、今回スリット加工が無いことを示している。
【0010】
図3は、「部材管理票」のうち、図示省略の「小巻き」工程で使用する紙管19(図4参照)に表示される紙管表示用の部材管理票21であり、商品コード、受注No、デザイン名のほか、管理表示部30cが設けられており、この管理表示部30cには、前記作用指示書の項目抜粋用の部材管理票1に印字されたものと同一の図形30(黒塗りの菱形)および記号としての日別受注順番号32(「49」)が印字されている。
なお、前記部材管理票1、11、21は、裏面に図示省略の粘着剤が形成された「ラベル」で作製するものであり、作業指示書(図示省略)の印字時、図示省略のラベルプリンタにより印字するとともに、作業指示書(図示省略)に添付される。
【0011】
次に、主に図4に基づき、部材管理票11、21の使用例を説明する。
原反18が調達・入荷された際、図示省略の作業指示書に添付されている原反表示用の部材管理票11を、裏面に形成されている粘着剤(図示省略)を介して原反18に貼付して表示する。部材管理票11の管理表示部30bには、作業指示書の項目抜粋用の部材管理票1の管理表示部30aと同じ図形30および記号(日別受注順番号)32が印字されている。
また、同様に紙管19が調達・入荷された際、作業指示書に添付されている紙管表示用の部材管理票21を、裏面に形成されている粘着剤(図示省略)を介して紙管19に貼付して表示する。部材管理票21の管理表示部30cには、作業指示書の項目抜粋用の部材管理票1の管理表示部30aと同じ図形30および日別受注順番号32が印字されている。
なお、都合上、同図の日別受注順番号32は黒丸で図示してあるが、「49」が印字されているものとする。
【0012】
上述したように、使用する部材、例えば、原反18が入荷されたとき、あるいは、在庫が有って即、調達できた場合、使用する部材である原反18に原反表示用の部材管理票11を表示し、同様に、紙管19が調達・入荷された際は、紙管19に紙管表示用の部材管理票21を表示する。しかも、部材管理表11、21の管理表示部30b、30cには、独自の受注番号が付された作業指示書から所望の項目を抜粋して印字・表示した項目抜粋用の部材管理票1の管理表示部30aと同一の図形30および日別受注順番号32が印字されているため、パソコン等から受注番号を入力して確認する必要がなく、独自の受注番号の作業指示書に記載された材料が目視により確認できるので、作業効率が向上するものである。
また、工程ごとに異なる工場(建屋)に材料が点在していたとしても、同様に目視により同一受注番号の材料が確認できるものである。
【0013】
次に、主に、図5および図6に基づき、他の実施の形態につき説明する。
図5は、原反表示用の部材管理票11の管理表示部30bに印字された図形41の一例を示す図であり、また、図6は、図形51のみを示す一例である。
図5に示す図形41は月の形状をしており、製品(ラベル)の完成期日が、月により示唆される月曜日を表すようになっている。
また、図6(a)に示す図形51aは、火(炎)により示唆される火曜日、図6(b)に示される図形51bは、水(川)により示唆される水曜日、図6(c)に示される図形51cは、木により示唆される木曜日が、各々完成期日であること表している。図示を省略するが、例えば、金曜日は金星の図形を、また、土曜日は土星の図形を、さらに、日曜日は太陽の図形を、各々模した「図形」として採用すれば、製品の完成期日が日曜日から土曜日まで表されることになり、かつ、曜日を示唆する火(炎)や木を印字するので、完成期日が曜日により明確になるものである。
なお、図5におけるNNは、記号としての日別受注順番号32である。
その他の構成、作用、効果については、先の実施の形態とほぼ同様につき、詳説を省略する。
【0014】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0015】
1 部材管理票(作業指示書の項目抜粋用)
11 部材管理票(原反表示用)
21 部材管理票(紙管表示用)
30a、30b、30c 管理表示部
31、41、51a、51b、51c 図形
32 日別受注順番号(記号)
2 デザイン名
3 受注No(受注番号)
4 商品コード
5 担当
6 原紙
7 予定量
8 受注量
9 原紙希望納期
10 原反(げんたん)
11 部材管理票(原反管理用)
12 スリット
13 原紙納期
14 型名
15 列数
16 紙管納期
17 段箱納期
18 原反(げんたん)
19 紙管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理表示部を備えるとともに、独自の受注番号が付された作業指示書に基づき、少なくとも調達される部材ごとに表示する部材管理票であって、
前記管理表示部には、前記独自の受注番号ごとに、同一の図形、記号もしくはこれらの組み合わせを表示したことを特徴とする部材管理票。
【請求項2】
前記管理表示部に表示される図形、記号もしくはこれらの組み合わせは、製品の完成期日を示すことを特徴とする請求項1に記載の部材管理票。
【請求項3】
前記図形は、月曜日が月、火曜日が火、水曜日が水、木曜日が木、金曜日が金星、土曜日が土星、日曜日が太陽を模した形であることを特徴とする請求項1または2に記載の部材管理票。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−93526(P2012−93526A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240246(P2010−240246)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】