説明

配信システム、路側無線装置及び車載器

【課題】受信処理が完了していない旨を通知し、又は受信処理が完了した後に無線通信を中断し得る配信システム、路側無線装置及び車載器を提供する。
【解決手段】コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に送信する路側無線装置20と、コンテンツ情報を受信する車載器10と、を備えて構成される配信システム100であって、路側無線装置20は、複数の情報グループのうち、最後に送信する情報グループに、送信完了を示す終端コードを含ませて、コンテンツ情報を車載器10に送信する送信制御部20aを備え、車載器10は、終端コードに基づいて、コンテンツ情報の受信が完了したか否かについて判断する制御部4を備える配信システム100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム、路側無線装置及び車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を利用して、路上に設置された路側無線装置と狭域無線通信する車載器が普及している。DSRCによれば、車載器は路側無線装置から各種情報(以下、「コンテンツ情報」という)を受信することができ、ユーザは地域に密着した情報を容易に取得することが可能となる。
【0003】
特許文献1によれば、DSRCによって受信したコンテンツ情報を記憶しておき、車両が無線通信可能エリアの外に移動した場合であっても、受信したコンテンツ情報を再生し得る車載器が開示されている。
【特許文献1】特開2007−109032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンテンツ情報を受信中に車両が無線通信可能エリアの外に移動した場合、車載器はコンテンツ情報の受信処理を完了せずに無線通信を中断してしまう。このような場合、受信処理が完了していない旨をユーザに通知することが望ましい。
また、車両のエンジンが切られたことに連動して車載器の電源も切られるような場合、受信処理を完了させた後に車載器の電源が切られるような制御を行い得ることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、受信処理が完了していない旨を通知し、又は受信処理が完了した後に無線通信を中断し得る配信システム、路側無線装置及び車載器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を送信する路側無線装置と、前記コンテンツ情報を受信する車載器と、を備えて構成される配信システムであって、
前記路側無線装置は、
前記コンテンツ情報に送信完了を示す終端コードを含ませて、当該コンテンツ情報を前記車載器に送信する送信制御手段を備え、
前記車載器は、
前記終端コードに基づいて、前記コンテンツ情報の受信が完了したか否かについて判断する制御手段を備える配信システムが提供される。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に送信し、かつ、最後に送信する情報グループのヘッダに、送信完了を示す終端コードを含ませる送信制御手段を備えた路側無線装置が提供される。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、
前記送信制御手段は、前記情報グループを分割して送信する場合、当該分割した各情報グループのヘッダに、前記情報グループの情報量を示すプッシュ通信コマンドを含ませて送信する路側無線装置が提供される。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明において、
前記送信制御手段は、前記終端コードを含ませた情報グループに、所定の情報グループへと遷移するための次再生コードを含ませる路側無線装置が提供される。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に受信し、かつ、最後に受信する情報グループのヘッダに含まれる終端コードに基づいて、前記コンテンツ情報の受信が完了したか否かについて判断する制御手段を備えた車載器が提供される。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記終端コードを含む情報グループを受信するまで、前記コンテンツ情報を継続して受信させる車載器が提供される。
【0012】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5又は6に記載の発明において、
表示手段を備え、
前記制御手段は、前記終端コードに基づいて、前記コンテンツ情報の受信が完了したと判断した場合、予め定められた受信完了通知画面を前記表示手段に表示させ、前記コンテンツ情報の受信が完了していないと判断した場合、予め定められた受信エラー通知画面を前記表示手段に表示させる車載器が提供される。
【0013】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明において、
前記制御手段は、前記終端コードを含む情報グループから次再生コードを取得し、当該取得した次再生コードと予め定められたボタン画面情報とを対応付けて、当該ボタン画面情報を前記表示手段に表示させる車載器が提供される。
【0014】
請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の発明において、
前記制御手段は、前記終端コードを含む情報グループから、1番始めに前記表示手段に表示すべき情報グループであることを示す開始コードを取得し、当該取得した開始コードと予め定められたボタン画面情報とを対応付けて、当該ボタン画面情報を前記表示手段に表示させる車載器が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コンテンツ情報の受信処理が完了したか否かについて、車載器が判断する事ができる。よって、コンテンツ情報の受信中に無線通信が中断されるような場合、受信処理を完了せずに中断した旨をユーザに通知し、又は無線通信を中断する前に受信処理を完了させることができる。また、受信完了後には、車載器の電源を切るようにすることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<第1実施形態>
まず、構成を説明する。
図1に、第1実施形態における配信システム100の構成図を示す。
配信システム100は、車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を備えて構成される。
車載器10は、DSRCによる無線通信によって、コンテンツ情報を受信する。コンテンツ情報とは、店舗情報や駐車場情報であって、テキスト、画像又は音声から構成される。コンテンツ情報については、図4、図5で後述する。
路側無線装置20は、路上や駐車場等に設置され、ネットワークNを介してセンター装置30と接続されている。また、路側無線装置20は、DSRCによる無線通信によって、車載器10にコンテンツ情報を送信する。
センター装置30は、路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を配信する。なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を配信する配信事業者は複数あり、センター装置30は配信事業者毎に備えられるものであってもよい。
【0017】
以下、路側無線装置20及び車載器10の各構成について説明する。
図2に、路側無線装置20の構成を示す。
路側無線装置20は、本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は、道路脇、道路上方又は駐車場脇等に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、路側無線装置20近傍に路側エリアZを形成する。路側無線装置20は、この路側エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。
【0018】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は数メートルから数十メートルである。路側無線装置20からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20がそれぞれ形成する路側エリアZは設置場所に関係なくほぼ一定である。
【0019】
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10に転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う送信制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。なお、本体装置20aは、センター装置30の機能の一部又は全部を有するとしてもよい。
【0020】
車載器10は、車両Cに搭載され、搭載された車両Cを目的地へ誘導するための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のための処理を行う機能等を有している。
【0021】
図3に、車載器10の構成を示す。
車載器10は、カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3、制御部4等を備えて構成されている。
【0022】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g等を備え、車両Cの現在地から目的地までの経路を算出し、当該経路に従って車両Cを目的地へ誘導するための処理を行う。
【0023】
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから検出された現在地の位置情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させ、ナビゲーション制御手段として機能する。
【0024】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行い、車両の絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両の現在地を示す位置情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0025】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、通信モジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
【0026】
入力部1dは、操作キーや表示部1eと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力し、入力手段として機能する。
【0027】
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の内容を画面等に表示し、表示手段として機能する。
【0028】
記憶部1fは、メモリから構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは、センター装置30から受信したコンテンツ情報を複数記憶し、記憶手段として機能する。
【0029】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0030】
通信モジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、通信センターと光通信、FM通信、電波通信等の各種通信を行う。例えば、通信モジュール2は通信センターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。なお、通信センターとしてはVICSセンター等を挙げることができるが、これに限らず、また、通信センターから受信する情報としては、渋滞情報や道路交通情報に限らない。なお、通信モジュール2は他にもWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のDSRC以外の通信手段を使用することにより、インターネット等の情報を入手することもできる。
【0031】
DSRC部3は、DSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3d、ICカードI/F3eを備えて構成されており、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う通信手段として機能する。
【0032】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3dにより決済情報の書込処理を行わせる。
また、通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合には、当該コンテンツ情報を制御部4に出力する。
【0033】
通信部3bは、車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶する。
ETC処理部3dは、ICカードI/F3eに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F3eは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3dとの間で情報のやりとりを仲介する。
【0034】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部1f及び記憶部3cに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。例えば、路側無線装置20との無線通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、DSRC部3を介してセンター装置30から受信したコンテンツ情報の保存、再生、削除の制御等を行う。
【0035】
図4Aに、路側無線装置20から車載器10に送信されるコンテンツ情報のデータ構成例を示す。コンテンツ情報は、複数の情報グループから構成される1まとまりの情報で配信される。これ以降、コンテンツ情報と情報グループとを区別して説明する。
1つの情報グループは、通常カーナビにおいて表示されるコンテンツの1ページ分に対応し、各情報グループには、ヘッダ及び識別符号(ID)によって特徴付けられた複数の情報が含まれる。
【0036】
ヘッダには、情報グループの(1)情報コード、及び(2)情報グループのデータ情報量、が含まれる。
ヘッダに含まれる(1)情報コードは、情報グループごとにユニークに割り付けられたコードであり、車載器10は、情報コードに基づいて、受信した情報グループ(又はコンテンツ情報)を識別することができる。
第1実施形態では、路側無線装置が送信する情報グループのうち、最後に送信する情報グループnの情報コードを例えば「0×FFFFFFFFFF」とする。「0×FFFFFFFFFF」の情報コードは、配信終了を示す情報コードである。以下、「0×FFFFFFFFFF」を「終端コード」として説明する。
【0037】
図4Bに、情報グループの他のデータ構成例を示す。
1つの情報グループが大容量となる場合、路側無線装置20は、情報グループを分割して車載器10に送信する。このとき、路側無線装置20は、分割した各情報グループ(情報グループ1−1、1−2、・・・1−n)に、プッシュ通信コマンドを付加して送信する。
プッシュ通信コマンドには、(1)情報グループ1の情報量、及び(2)分割された各情報グループの情報量が含まれる。車載器10は、プッシュ通信コマンドを解析することで、情報グループ単位の情報量及び分割単位の情報グループの情報量を把握することができる。
【0038】
図5に、各IDの情報の概要を示す。
図5に示すように、ID毎に情報の内容が分類されている。
「ID00」の情報は、コンテンツ情報が持つIDの一覧を示す情報である。ID=00を参照することによりコンテンツ情報内に後述するどのIDの情報が含まれているかを判断することができる。ここで、それぞれのコンテンツ情報は必ずしも全てのIDを持つわけではなく必要なIDのみを持つ。例えば、あるコンテンツ情報はID00〜05により特徴付けられた情報を持ち、また別のあるコンテンツ情報はID00〜ID05、ID10、ID30により特徴付けられた情報を持つ。なお、ID00、ID01、ID02は基本的な情報であり、全てのコンテンツ情報は、これらのIDの情報を持つ。
【0039】
「ID01」の情報は、事業者を示す情報である。具体的には、「ID01」の情報は、「サービス事業者コード」、「サービス事業者表示テキスト」、「サービス事業者表音文字列」を含む。
【0040】
「サービス事業者コード」とは、DSRCの運用を管理する団体で規定されたコードで、サービス事業者毎にユニークに割り付けられる。このコードに基づいて、サービス事業者を特定できる。
「サービス事業者表示テキスト」とは、ナビ表示用サービス事業者名(サービス名)テキスト情報であり、サービス事業者をITS車載器の利用者に通知する目的で使用される。
「サービス事業者表音文字列」とは、ナビ発話用サービス事業者名(サービス名)表音文字列であり、サービス事業者やサービス名称等をITS車載器の利用者に音声で通知する際に用いられる。
【0041】
「ID02」の情報は、コンテンツ情報の内容を詳細に示す情報である。具体的には、「ID02」の情報は、「情報提供企業コード」、「情報提供企業表示テキスト」、「情報提供企業表音文字列」、「情報コード」、「情報表示テキスト」、「情報表音文字列」、「嗜好データカテゴリ」を含む。
【0042】
「情報提供企業コード」とは、コンテンツの提供元を示すコードであり、サービス事業者によって割り当てられる。
「情報提供企業表示テキスト」とは、ナビ表示用情報提供企業名テキスト情報であり、情報提供企業をITS車載器の利用者に通知する目的で使用される。
「情報提供企業表音文字列」とは、ナビ発話用情報提供企業名表音文字列であり、情報提供企業をITS車載器の利用者に音声で通知する際に用いられる。
「情報コード」とは、サービス事業者がコンテンツ情報毎にユニークに割り付けるコードであり、情報グループのヘッダに含まれる情報コードと同一のコードである。上記したように、車載器10は、この情報コードに基づいてコンテンツ情報を特定することができる。また、当該情報コードは、後述する「ID30」の遷移情報等に使用される。
なお、情報コードは、配信済みのコンテンツ情報と同様のコンテンツ情報をセンター装置30が送信する場合、基本的に同一の情報コードが使用される。例えば、あるコンテンツ情報の内容が新しく更新された場合は、同一の情報コードを付して当該更新されたコンテンツ情報を車載器10に対して配信する。これにより、車載器10では、古いコンテンツ情報に対して新たなコンテンツ情報を上書きする。
「情報表示テキスト」とは、画面に表示するためのテキストデータであり、典型的にはコンテンツ情報の題名である。
「情報表音文字列」とは、ナビ発話用コンテンツ内容表音文字列であり、コンテンツ情報を利用者に音声で通知する際に用いられる。
「嗜好データカテゴリ(嗜好カテゴリ)」とは、情報カテゴリを示すコードであり、例えば、最大96項目の分類でコンテンツ情報をカテゴリ分けするために用いられる。96項目の各項目は1bitで表される。
【0043】
「ID03」の情報は、コンテンツ情報の再生条件を示す情報であり、受信したコンテンツ情報を通信エリア外でも利用可能なコンテンツ情報として蓄積するか、受信したコンテンツ情報を即時再生するかについて示す情報である。基本的には、ID03は、ID10で配信されたコンテンツ情報の再生条件を示す。車載器10は、ID03に従ってコンテンツ情報を即時再生する場合、受信完了から表示までの時間は特に定められていないが、速やかに再生する。また、ID03が即時再生を示す情報である場合、蓄積するか否かは車載器10の任意である。ID03が即時再生を示す情報である場合、つまり蓄積する場合、コンテンツ情報は再生されず、受信のみ行われる。サービス事業者は、全てのコンテンツ情報を配信した後、配信が終了したことを利用者に通知する。
「ID04」の情報は、コンテンツ情報の有効期限の情報を示す情報である。
「ID05」の情報は、コンテンツ情報で示された店舗等の営業時間等を示す情報である。
「ID10」の情報は、対象地点情報(コンテンツ情報配信元の企業の広告情報、クーポン情報等)を示す情報である。
この対象地点情報に、動画や音声等のコンテンツ情報が格納される。
「ID20」の情報は、コンテンツ情報のポップアップの再生地点(情報提供地点)を示す情報である。
「ID30」の情報は、遷移の連携の有無を示す遷移情報(次に表示する画面(遷移先)を指定する情報等)である。
遷移情報は、最大8つの「次再生コード1〜8」で構成され、最大8分岐の遷移を可能とする。遷移情報は、例えば次の遷移先の情報コードを示す次再生コード等からなる。ID30の情報はID10の対象地点情報と関連する。
【0044】
図6を参照して、ID10、ID30の情報について説明する。
図6に示す各画面C1、C2、D1〜D6において、C1及びC2は車載器10側で保持している画面であり、D1〜D6は、配信されたコンテンツ情報に基づいて車載器10において表示される画面遷移例である。ここでは、1つの情報グループは1つの画面に対応する。画面D1〜D6は、情報グループのID30の次再生情報コードが参照されることにより画面遷移する。 画面C1は、メニュー画面であり遷移先が3つある。画面C1において「entertainment」が選択されると、サービス事業者(配信事業者)の一覧を示す画面C2に遷移する。
画面C2には遷移先が4つある。画面C2において1つの配信事業者が選択されると、選択された配信事業者の情報グループを示す画面D1に遷移する。
【0045】
画面D1には遷移先が4つある。つまり、画面D1に対応する情報グループにはID30の次再生情報コードが4つ格納されていることになる。画面D1において「くらし情報」が選択されると、「くらし情報」に対応する次再生情報コードが参照され、当該次再生情報コードとID02の情報コードが一致する情報グループである画面D2に遷移する。以下の画面遷移においても同様に、ID30の次再生情報コードと一致するID02の情報コードをもつ情報グループが表示されるよう、処理が行われることになる。
画面D2には遷移先が3つある。画面D2において「医療・病院」が選択されると、医療・病院の一覧を示す画面D3に遷移する。画面D3には遷移先が2つある。画面D3において「休日診療病院一覧」が選択されると、休日診療病院の一覧を示す画面D4に遷移する。画面D4には遷移先が7つある。画面D4において「小児科」が選択されると、小児科の病院一覧を示す画面D5に遷移する。画面D5には遷移先が4つある。画面D5において1つの小児科病院が選択されると、選択された小児科病院の情報を示す画面D6に遷移する。画面D6には遷移先がない(つまりID30の次再生情報コードにはデータがない)が、ID10の対象地点情報がある。
【0046】
「ID40」の情報は、詳細情報と呼ばれる情報であり、汎用的な利用をすることができる。具体的には、「ID40」の情報は、「コピーコントロールフラグ」、「情報内容フラグ」、「詳細情報データ」、「表音文字データ」等を含む。
コピーコントロールフラグは、車載器10がコンテンツ情報を受信した際に詳細情報データをアップリンク情報の会員情報に書き込むか否かを示すフラグである。なお、アップリンク情報とは、センター装置30においてどのような内容のコンテンツ情報を配信するかを決定する際に用いられる情報である。また、アップリンク情報は、サービス事業者ごとに作成され、車両Cが立寄った地点や、車載器10のユーザの嗜好情報、次回来店時の特典等を個別に配信するなどの多目的な情報を扱うための会員情報等が含まれる。コピーコントロールフラグがオン(値が「1」)の場合には、ID40の詳細情報データをアップリンク情報の会員情報に書き込み、コピーコントロールフラグがオフ(値が「0」)の場合には、ID40の詳細情報データをアップリンク情報の会員情報に書き込まないよう制御されることになる。
したがって、コピーコントロールフラグがオンになっている場合は、詳細情報データには会員情報が格納されていることになるので、上記の例では情報内容フラグは「2」の値をとることになる。
【0047】
情報内容フラグは、詳細情報データの内容の種別を示すための識別情報である。本実施形態においては、情報内容フラグが「0」の場合は詳細情報データに情報コードが格納されていることを示し、「1」の場合は詳細情報データに串刺し検索コードが格納されていることを示す。串刺し検索コードとは、当該コンテンツ情報の種類を識別するためのコードである。例えば、サービス事業者が、串刺し検索コードが「00001」であれば、当該コンテンツ情報はクーポンの情報であることを示し、「00002」であれば当該コンテンツは新着情報であること等を示すことを設定すれば、車載器10はその串刺し検索コードを用いてコンテンツ情報を検索することが可能である。情報内容フラグが「2」の場合は詳細情報データに会員情報が格納されていることを示す。
また、情報内容フラグは、コンテンツ情報の表示の際に参照され、ID40の詳細情報データに情報コードが格納されている場合、表示部1eに当該情報コードに対応するコンテンツに画面遷移させるためのボタンを表示させるためにも用いられる。
【0048】
詳細情報データは、情報コード、串刺し検索コード、会員情報等が格納される。他にも、当該コンテンツの内容の説明をするためのテキスト情報等が格納されてもよい。
表示用文字データは、サービス対象地点や画面遷移の案内を行う情報や、検索のための検索用語等、表示部1eに表示させてユーザを補助するための情報である。表音文字列は音声によってユーザに伝達するための情報を格納している。
なお、表示用文字データや表音文字列は、通常詳細情報データに関連するものである
【0049】
図7に、ID40の詳細情報のデータ形式を詳細に示す。
本実施形態においては、図7に示すように1つの情報グループにつき、ID40の詳細情報を8つまで格納することができる。つまり、ID40に対応するデータ領域には、図7に示す詳細情報1〜8が格納されており、使用しない詳細情報にはデータは格納されない。例えば、ID40の詳細情報のうち、詳細情報1〜3のみ使用したい場合には詳細情報4〜8にはデータは格納しないことになる。
【0050】
「ID50」の情報は駐車場情報であり、コンテンツ情報で示された店舗等の駐車場の満空情報を示す。
「ID60」の情報は、運転支援情報であり、駐車場の出入口付近/駐車場内合流/分岐・速度案内等、敷地内の運転に関して、運転の補助となる情報である。
「ID80」の情報は、嗜好データであり、サービス事業者が配信するコンテンツ情報を最大96項目に分類して、利用者の嗜好に合わせて配信するコンテンツ情報を選択するために利用される情報である。
【0051】
なお、この他、異なる番号のIDを付与して新たな情報内容を定義してもよい。また、上記の各IDのデータが全て存在する必要もない。例えば、ID50は駐車場情報であるが、対象となるコンテンツが店舗等の施設に関するものではない場合や、施設であっても駐車場がない施設に対応するコンテンツである場合にはID50には情報が存在しないことになる。
【0052】
次に、動作について説明する。
なお、本発明の各実施形態で説明される「次再生コード」とは、ID30の遷移情報に含まれる次再生コード、ID=40の詳細情報の情報内容フラグが「情報コード」を示している場合の詳細情報データ(情報コード)のどちらか一方、または両方を示している。
【0053】
図8に、受信処理を示す。
制御部4は、無線通信可能エリア内であるか否か判断する(ステップS1)。
無線通信可能エリア内でない場合(ステップS1;N)、制御部4は車両Cがエリア内に進入するまで待機する。
無線通信可能エリア内である場合(ステップS1;Y)、制御部4は、コンテンツ情報を受信中か否か判断する(ステップS2)。
【0054】
コンテンツ情報を受信中でない場合(ステップS2;N)、制御部4は、ステップS11に移行する。
コンテンツ情報を受信中の場合(ステップS2;Y)、制御部4は、各情報グループのヘッダに含まれるデータ情報量分のデータを受信したか否か判断する(ステップS3)。
なお、分割された情報グループを受信する場合(図4B参照)、制御部4は、ステップS3において、分割された全ての情報グループ(情報グループ1−1、1−2、・・・1−n)を受信したか否か判断する。
【0055】
ヘッダに含まれるデータ情報量分のデータを受信していない場合(ステップS3;N)、制御部4は、ステップS11に移行する。
ヘッダに含まれるデータ情報量分のデータを受信した場合(ステップS3;Y)、制御部4は、受信した情報グループの解析を行う(ステップS4)。例えば、制御部4は、情報グループに含まれる情報コードは終端コード(0×FFFFFFFFFFF)であるか否か、受信した情報グループには画像データが含まれているか否か等の判断を行う。
【0056】
制御部4は、解析済みの情報グループを記憶部1fに保存し(ステップS5)、保存した情報グループの情報コードは終端コードであるか否か判断する(ステップS6)。
終端コードである場合(ステップS6;Y)、制御部4は、電源OFFの要求が受信動作中にあったか否か判断する(ステップS7)。
【0057】
電源OFFの要求がある場合(ステップS7;Y)、制御部4は、電源OFF時処理を行う(ステップS8)。
【0058】
図9に、電源OFF時処理を示す。
制御部4は、受信した情報グループが即時再生コンテンツか否か判断する(ステップS21)。なお、即時再生コンテンツとは受信完了後即時再生が指示された情報グループであって、制御部4は、ID03によって即時再生コンテンツか否か判断する。
【0059】
即時再生コンテンツである場合(ステップS21;Y)、制御部4は、受信完了コンテンツフラグに「1」をセットする(ステップS22)。
即時再生コンテンツでない場合(ステップS21;N)、制御部4は、受信完了車載器フラグに「1」をセットする(ステップS23)。
なお、受信完了コンテンツフラグ及び受信完了車載器フラグは、記憶部1fに予め用意されており、電源がOFFされた後も各々のフラグの状態は記憶されているものとする。また、これらのフラグは、車載器10の電源がOFFからONになった際に用いられる(図13参照)。
制御部4は、車載器10の電源をOFFにして(ステップS24)、電源OFF時処理を終了する。
【0060】
図8のステップS7に戻り、電源OFFの要求がない場合(ステップS7;N)、制御部4は、継続動作時処理を行う(ステップS9)。
【0061】
図10に、継続動作時処理を示す。
制御部4は、受信した情報グループは、即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS31)。
即時再生コンテンツである場合(ステップS31;Y)、制御部4は、受信した情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS32)。
即時再生コンテンツでない場合(ステップS31;N)、制御部4は、受信完了した旨を通知する画面情報(以下、「受信完了通知画面」という)を表示部1eに表示させる(ステップS33)。なお、このとき表示される画面情報は、記憶部1fに予め記憶されているものとする。制御部4は、受信完了通知画面を表示させた後、ステップS35に移行する。
【0062】
制御部4は、表示部1eに表示させた即時再生コンテンツに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS34)。具体的には、制御部4は、ID30について解析する。
【0063】
次再生コードが含まれない場合(ステップS34;N)、制御部4は、情報コードが「0×0000000000」を関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS35)。なお、画面が遷移するコンテンツ情報において、1番始めに表示される情報グループ(トップ画面)の情報コードは「0×0000000000」(以下、「開始コード」という)である。つまり、ここで生成される「コンテンツ表示ボタン」が押下されたとき、制御部4は、1番始めに表示すべき情報グループを表示部1eに表示させることとなる。つまり、前述の図6の画面D1にあたる画面が表示されることとなる。
次再生コードが含まれる場合(ステップS34;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS34b)、「閉じる」ボタンを生成する(ステップS36)。
制御部4は、受信完了表示遷移処理を行い(ステップS37)、継続動作時処理を終了する。
【0064】
図11A、図11Bに、受信完了表示遷移処理を示す。
即時再生コンテンツが表示中の場合(ステップS41;Y)、制御部4は、表示中の即時再生コンテンツに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS42)。
【0065】
次再生コードが含まれる場合(ステップS42;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS42b)、次再生コードが関連付けられたボタンが押下されたか否か判断する(ステップS43)。
ボタンが押下された場合(ステップS43;Y)、制御部4は、関連付けられている次再生コードの情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS44)。
ボタンが押下されない場合(ステップS42;N)、制御部4は、「閉じる」ボタンが押下されたか否か判断する(ステップS45)。
【0066】
「閉じる」ボタンが押下されていない場合(ステップS45;N)、制御部4は、無線通信可能エリア内であるか否か判断する(ステップS46)。
無線通信エリア内である場合(ステップS46;Y)、制御部4は、即時再生コンテンツを表示してから所定時間が経過したか否か判断する(ステップS47)。
所定時間が経過していない場合(ステップS47;N)、制御部4は、ステップS43に移行する。
また、「閉じる」ボタンが押下された場合(ステップS45;Y)、無線通信エリア内でない場合(ステップS46;N)、所定時間が経過した場合(ステップS47;Y)、には、制御部4は、即時再生コンテンツの表示を終了する(ステップS48)。
【0067】
ステップS41に戻り、即時再生コンテンツが表示中でない場合(ステップS41;N)、又は、即時再生コンテンツに次再生コードが含まれない場合(ステップS42;N)、制御部4は、「コンテンツ表示」ボタンが押下されたか否か判断する(ステップS49)。
【0068】
「コンテンツ表示」ボタンが押下された場合(ステップS49;Y)、制御部4は、関連付けられている情報コードの情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS50)。
「コンテンツ表示」ボタンが押下されない場合(ステップS49;N)、制御部4は、「閉じる」ボタンが押下されたか否か判断する(ステップS51)。
「閉じる」ボタンが押下されない場合(ステップS51;N)、制御部4は、無線通信エリア内であるか否か判断する(ステップS52)。
無線通信エリア内である場合(ステップS52;Y)、制御部4は、即時再生コンテンツを表示してから所定時間が経過したか否か判断する(ステップS53)。
所定時間が経過していない場合(ステップS53;N)、制御部4は、ステップS49に移行する。
また、「閉じる」ボタンが押下された場合(ステップS51;Y)、無線通信エリア内でない場合(ステップS52;N)、所定時間が経過した場合(ステップS53;Y)、には、制御部4は、表示中の画面を終了する(ステップS54)。
【0069】
図8のステップS6に戻り、受信した情報グループの情報コードが終端コードでない場合(ステップS6;N)、制御部4は、即時再生確認処理を行う(ステップS10)。
【0070】
図12Aに、即時再生確認処理を示す。
制御部4は、受信した情報グループは即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS61)。
即時再生コンテンツでない場合(ステップS61;N)、制御部4は、即時再生確認処理を終了する。
即時再生コンテンツである場合(ステップS61;Y)、制御部4は、即時再生コンテンツを表示部1eに表示させて(ステップS62)、即時再生確認処理を終了する。
【0071】
また、図12Bに、他の即時再生確認処理を示す。
図12Bに示す他の即時再生確認処理は、
制御部4は、受信した情報グループは即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS61a)。
即時再生コンテンツでない場合(ステップS61a;N)、制御部4は、他の即時再生確認処理を終了する。
即時再生コンテンツである場合(ステップS61a;Y)、制御部4は、即時再生の情報グループを表示部1eに表示中であるか否か判断する(ステップS62a)。
【0072】
表示中でない場合(ステップS62a;N)、制御部4は、ステップS64aに移行する。
表示中である場合(ステップS62a;Y)、制御部4は、表示中の即時再生の情報グループを表示部1eから消去し(ステップS63a)、受信した情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS64a)。
【0073】
制御部4は、表示中の即時再生コンテンツに次再生コードがあるか否か判断する(ステップS65a)。
次再生コードがある場合(ステップS65a;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示する(ステップS66a)。
制御部4は、次再生コードと関連付けられたボタンが押下されたか否か判断する(ステップS67a)。
ボタンが押下されない場合(ステップS67a;N)、制御部4は、他の即時再生確認処理を終了する。
ボタンが押下された場合(ステップS67a;Y)、制御部4は、次再生コードで関連付けられた情報グループを表示部1eに表示させて(ステップS68a)、他の即時再生確認処理を終了する。
【0074】
ステップS65aに戻り、表示中の即時再生コンテンツに次再生コードがない場合(ステップS65a;N)、制御部4は、情報コードが開始コードである情報グループを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS69a)。
生成した「コンテンツ表示」ボタンが押下された場合(ステップS70a;Y)、制御部4は、「コンテンツ表示」ボタンに関連付けた情報グループを再生し(ステップS71a)、他の即時再生確認処理を終了する。
生成した「コンテンツ表示」ボタンが押下されない場合(ステップS70a;N)、制御部4は、他の即時再生確認処理を終了する。
【0075】
図8のステップS10に戻り、制御部4は、即時再生確認処理を行った後(ステップS10)、無線通信可能エリア内であるか否か判断する(ステップS11)。
【0076】
無線通信可能エリア内の場合(ステップS11;Y)、制御部4は、ステップS2に移行する。
無線通信可能エリア内でない場合には(ステップS11;N)、制御部4は、エリアアウト処理を行う(ステップS12)。
【0077】
図13に、エリアアウト時処理を示す。
制御部4は、電源OFFの要求が受信動作中にあったか否か判断する(ステップS71)。
電源OFFの要求があった場合(ステップS71;Y)、制御部4は、受信エラーフラグに「1」をセットする(ステップS72)。なお、受信エラーフラグは、記憶部1fにおいて予め用意されており、電源がOFFされた後も受信エラーフラグの状態は記憶されているものとする。
制御部4は、受信エラーフラグを「1」にセットした後、車載器10の電源をOFFにして(ステップS73)、エリアアウト時処理を終了する。
【0078】
一方、電源OFFの要求がない場合(ステップS71;N)、制御部4は、受信エラーであることを通知する画面(以下、「受信エラー通知画面」という)を表示部1eに表示させる(ステップS74)。
その後、制御部4は、「閉じる」ボタンを生成して(ステップS75)、受信エラー表示遷移処理を行う(ステップS76)。受信エラー表示遷移処理を行った後、エリアアウト時処理を終了する。
【0079】
図14に、受信エラー表示遷移処理を示す。
制御部4は、無線通信可能エリア内であるか否か判断する(ステップS81)。
無線通信可能エリア内でない場合(ステップS81;N)、制御部4は、「閉じる」ボタンが押下されたか否か判断する(ステップS82)。
「閉じる」ボタンが押下された場合(ステップS82;Y)、制御部4は、受信エラー通知画面の表示を終了して(ステップS83)、ステップS81に移行する。
【0080】
「閉じる」ボタンが押下されていない場合(ステップS82;N)、制御部4は、受信エラー通知画面を表示部1eに表示させてから所定時間が経過したか否か判断する(ステップS84)。
所定時間が経過した場合(ステップS84;Y)、制御部4は、ステップS83に移行する。また、所定時間が経過していない場合(ステップS84;N)、制御部4は、ステップS81に移行する。
【0081】
ステップS81に戻り、無線通信可能エリア内である場合(ステップS81;Y)、制御部4は、受信が中断した情報グループを再受信している旨を通知する画面(以下、「再受信通知画面」という)を表示部1eに表示させる(ステップS85)。
その後、制御部4は、「閉じる」ボタンを生成する(ステップS86)。
【0082】
制御部4は、即時再生コンテンツを受信したか否か判断する(ステップS87)。
即時再生コンテンツを受信しない場合(ステップS87;N)、制御部4は、「閉じる」ボタンが押下されたか否か判断する(ステップS88)。
「閉じる」ボタンが押下された場合(ステップS88;Y)、制御部4は、再受信通知画面の表示を終了して(ステップS89)、ステップS87に移行する。
「閉じる」ボタンが押下されない場合(ステップS88;N)、制御部4は、再受信通知画面を表示させてから所定時間が経過したか否か判断する(ステップS90)。
所定時間が経過した場合(ステップS90;Y)、制御部4は、ステップS89に移行する。また、所定時間が経過していない場合(ステップS90;N)、制御部4は、ステップS87に移行する。
【0083】
ステップS87に戻り、即時再生コンテンツを受信した場合(ステップS87;Y)、制御部4は、即時再生コンテンツを表示部1eに表示させて(ステップS91)、受信エラー表示遷移処理を終了する。
以上、図8〜図14の処理を行い、制御部4は受信処理を終了する。
【0084】
次に、図15を参照して、起動時処理について説明する。
図15の起動時処理は、上記してきた図8〜図14の受信処理を行った後に一度車載器10の電源がOFFになり、その後車載器10の電源がONとなった際の処理である。
【0085】
車載器10の電源がONにされると、制御部4は、記憶部1fに保存されている受信完了コンテンツフラグを読み出し、受信完了コンテンツフラグが「1」であるか否か判断する(ステップS101)。
【0086】
受信完了コンテンツフラグが「1」である場合(ステップS101;Y)、制御部4は、直近に受信したコンテンツ情報(最後に受信したコンテンツ情報)から、情報コードが終端コードである情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS102)。そして、制御部4は、受信完了コンテンツフラグに「0」をセットする(ステップS103)。
【0087】
制御部4は、表示中の情報グループに次再生コードが含まれているか否か判断する(ステップS104)。
次再生コードが含まれていない場合(ステップS104;N)、制御部4は、ステップS110に移行する。
次再生コードが含まれている場合(ステップS104;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS104b)、「閉じる」ボタンを生成する(ステップS105)。そして、制御部4は、受信完了表示遷移処理(図9参照)を行い(ステップS106)、起動時処理を終了する。
【0088】
ステップS101に戻り、受信完了フラグが「1」でない場合(ステップS101;N)、制御部4は、受信完了車載器フラグが「1」であるか否か判断する(ステップS107)。
受信完了車載器フラグが「1」である場合(ステップS107;Y)、制御部4は、受信完了通知画面を表示部1eに表示させて(ステップS108)、受信完了車載器フラグを「0」にセットする(ステップS109)。そして、制御部4は、「コンテンツ表示」ボタンを生成し(ステップS110)、ステップS105に移行する。
【0089】
一方、受信完了車載器フラグが「1」でない場合(ステップS107;N)、制御部4は、受信エラーフラグが「1」であるか否か判断する(ステップS111)。
受信エラーフラグが「1」でない場合(ステップS111;N)、制御部4は、起動時処理を終了する。
受信エラーフラグが「1」である場合(ステップS111;Y)、制御部4は、受信エラー通知画面を表示部1eに表示させて(ステップS112)、受信エラーフラグに「0」をセットする(ステップS113)。
【0090】
制御部4は、「閉じる」ボタンを生成して(ステップS114)、受信エラー表示遷移処理(図14参照)を行い(ステップS115)、起動時処理を終了する。
【0091】
以下、車載器10の表示部1eに表示される画面例について説明する。
図16に、終端コードの情報グループが即時再生の情報グループであって、次再生コードが1つ含まれている場合に表示される受信完了通知画面の一例を示す。図16に示す受信完了通知画面は、受信完了表示遷移処理のステップS41において表示される画面である。
図16に示す受信完了通知画面では、受信が完了した旨の通知とともに、次再生コードと対応付けたボタンと「閉じる」ボタンとが表示される。図16の画面上で「1」と表示されたボタンが次再生コードで示す情報コードを有する情報グループへ遷移するボタンであることを示している。なお、次再生コードが複数含まれる場合には、その数に対応してボタンが表示されることとなる。次再生コードのボタンは、次再生コードがID=30の遷移情報に含まれるデータである場合には、ID=30の次再生コード1〜8に対応した数字のボタンが表示される。次再生コードがID=40の詳細情報データである場合には、詳細情報の表示文字データが表示される。
【0092】
図17に、終端コードの情報グループが即時再生の情報グループでなく、次再生コードが1つ含まれている場合に表示される受信完了画面の一例を示す。図17に示す受信完了通知画面は、継続動作時処理のステップS33において表示される画面である。図17に示す受信完了通知画面では、受信が完了した旨の通知とともに、次再生コードと対応付けたボタンと「閉じる」ボタンとが表示される。
【0093】
図18に、受信エラー発生時に表示される受信エラー通知画面の一例を示す。図18に示す受信エラー通知画面は、エリアアウト時処理のステップS74において表示される画面である。図18に示す受信エラー通知画面では、受信処理が中断して受信が完了していない旨の通知とともに、「閉じる」ボタンが表示される。
【0094】
図19に、受信エラー発生後に、再び無線通信可能エリアに進入した場合に表示される受信エラー通知画面の一例を示す。図19に示す受信エラー通知画面は、起動時処理のステップS112において表示される画面である。図19に示す受信エラー通知画面では、前回の受信処理が中断した旨の通知とともに、再受信している旨の通知と「閉じる」ボタンとが表示される。
【0095】
以上のように、第1実施形態によれば、コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に送信する路側無線装置20において、最後に送信する情報グループに終端コード(0×FFFFFFFFFF)を含ませて送信することができる。よって、路側無線装置20は、コンテンツ情報の送信が完了した旨を車載器10に通知することができる。
【0096】
また、終端コードを含ませた情報グループに、最初に送信した情報グループを遷移先とする次再生コードを更に含ませることができる。よって、路側無線装置20は、送信した複数の情報グループのうち、ユーザに最初に再生してもらいたい情報グループを車載器10に通知することができる。
【0097】
また、コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に受信する車載器10において、終端コードに基づき、コンテンツ情報の受信処理を完了したか否かについて判断することができる。
【0098】
また、通常、ユーザによって車両のエンジンが切られた場合、連動して車載器10の電源もOFFとなる。しかし、このような場合であっても、受信処理が完了するまで、車載器10は備え付けのバッテリーにて継続して受信処理を行うことができる。そして、車載器10は、受信完了後に電源をOFFにすることができる。
【0099】
また、車載器10は、受信が完了した場合、受信完了通知画面を表示部1eに表示させることができる。よって、ユーザはコンテンツ情報の受信が完了したことを把握することができる。
【0100】
また、終端コードを含む情報グループには、最初に再生すべき次再生コードが含まれる。よって、車載器10は、遷移先を当該次再生コードで示される情報グループとする「コンテンツ表示」ボタンを生成することができ、ユーザは「コンテンツ表示」ボタンを押下してトップ画面として再生すべき情報グループを表示させることができる。
【0101】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、必要最小限の解析処理を行う受信処理(図20〜図24参照)について説明する。なお、配信システム100、車載器10、路側無線装置20、センター装置30の基本的構成は、第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0102】
図20に、最小限の解析による受信処理を示す。
なお、図20に示す受信処理では、図8のステップS4における情報グループの解析処理を必要最小限のものとし、受信処理に費やす時間の短縮化を図ることを目的としている。
【0103】
制御部4は、無線通信可能エリア内であるか否か判断する(ステップS121)。
無線通信可能エリア内でない場合(ステップS121;N)、制御部4は車両Cがエリア内に進入するまで待機する。
無線通信可能エリア内である場合(ステップS121;Y)、制御部4は、コンテンツ情報を受信中か否か判断する(ステップS122)。
【0104】
コンテンツ情報を受信中でない場合(ステップS122;N)、制御部4は、ステップS130に移行する。
コンテンツ情報を受信中の場合(ステップS122;Y)、制御部4は、各情報グループのヘッダに含まれるデータ情報量分のデータを受信したか否か判断する(ステップS123)。
なお、分割された情報グループを受信する場合(図4B参照)、制御部4は、ステップS3において、分割された全ての情報グループ(情報グループ1−1、1−2、・・・1−n)を受信したか否か判断する。
【0105】
ヘッダに含まれるデータ情報量分のデータを受信していない場合(ステップS123;N)、制御部4は、ステップS130に移行する。
ヘッダに含まれるデータ情報量分のデータを受信した場合(ステップS123;Y)、制御部4は、受信した情報グループについて、ヘッダ及びID03、又はID02及びID03の解析を行う(ステップS124)。つまり、制御部4は、受信した情報グループの情報コードを取得し、当該情報グループが即時再生コンテンツであるか否かについて判断する。
【0106】
制御部4は、ヘッダ又はID02の解析を行い、受信した情報グループの情報コードが終端コードであるか否か判断する(ステップS125)。
終端コードである場合(ステップS125;Y)、制御部4は、電源OFFの要求があるか否か判断する(ステップS126)。
【0107】
電源OFFの要求がある場合(ステップS126;Y)、制御部4は、電源OFF時処理を行う(ステップS127)。
【0108】
図21に、電源OFF時処理を示す。
制御部4は、受信した情報グループを記憶部1fに保存する(ステップS141)。
制御部4は、受信した情報グループが即時再生コンテンツか否か判断する(ステップS142)。
【0109】
即時再生コンテンツである場合(ステップS142;Y)、制御部4は、終端コードを含む情報グループに、次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS143)。
次再生コードが含まれる場合(ステップS143;Y)、受信完了コンテンツフラグに「1」をセットする(ステップS144)。
【0110】
一方、即時再生コンテンツでない場合(ステップS142;N)、又は次再生コードが含まれない場合(ステップS143;N)、制御部4は、受信完了車載器フラグに「1」をセットする(ステップS145)。
【0111】
制御部4は、記憶部1fに保存した情報グループの解析を行い(ステップS146)、車載器10の電源をOFFにして(ステップS147)、電源OFF時処理を終了する。
【0112】
図20のステップS126に戻り、電源OFFの要求がない場合(ステップS126;N)、制御部4は、継続動作時処理を行う(ステップS128)。
【0113】
図22に、継続動作時処理を示す。
制御部4は、受信した情報グループが即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS151)。
即時再生コンテンツである場合(ステップS151;Y)、制御部4は、受信した情報グループを解析し(ステップS152)、表示部1eに表示させる(ステップS153)。
制御部4は、表示中の情報グループに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS154)。
【0114】
一方、即時再生コンテンツでない場合(ステップS151;N)、制御部4は、受信した情報グループを記憶部1fに保存し(ステップS155)、受信完了通知画面を表示部1eに表示させる(ステップS156)。
そして、制御部4は、保存した情報グループを解析し(ステップS157)、開始コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS158)。
【0115】
ステップS154に戻り、次再生コードが含まれない場合(ステップS154;N)、制御部4は、ステップS158に移行する。
次再生コードが含まれる場合(ステップS154;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS154b)、「閉じる」ボタンを生成し(ステップS159)、受信完了表示遷移処理を行う(ステップS160)。なお、受信完了表示遷移処理は、図11に示した処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0116】
図20のステップS125に戻り、受信した情報グループの情報コードが終端コードでない場合(ステップS125;N)、制御部4は、即時再生確認処理を行う(ステップS129)。
【0117】
図23に、即時再生確認処理を示す。
制御部4は、受信した情報グループは即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS161)。
即時再生コンテンツである場合(ステップS161;Y)、制御部4は、受信した情報グループを解析し(ステップS162)、即時再生コンテンツを表示部1eに表示させて(ステップS163)、即時再生確認処理を終了する。
一方、即時再生コンテンツでない場合(ステップS161;N)、制御部4は、受信した情報グループを記憶部1fに保存して(ステップS164)、即時再生確認処理を終了する。
【0118】
図20のステップS129に戻り、制御部4は、即時再生確認処理を行った後(ステップS129)、無線通信可能エリア内であるか否か判断する(ステップS130)。
【0119】
無線通信可能エリア内である場合(ステップS130;Y)、制御部4は、ステップS122に移行する。
無線通信可能エリア内でない場合には(ステップS130;N)、制御部4は、エリアアウト時処理を行う(ステップS131)。
【0120】
図24に、エリアアウト時処理を示す。
制御部4は、電源OFFの要求が受信動作中にあったか否か判断する(ステップS171)。
電源OFFの要求があった場合(ステップS171;Y)、制御部4は、受信エラーフラグに「1」をセットする(ステップS172)。
制御部4は、受信エラーフラグを「1」にセットした後、車載器10の電源をOFFにして(ステップS173)、エリアアウト時処理を終了する。
【0121】
一方、電源OFFの要求がない場合(ステップS171;N)、制御部4は、受信エラー通知画面を表示部1eに表示させる(ステップS174)。
その後、制御部4は、「閉じる」ボタンを生成して(ステップS175)、受信エラー表示遷移処理を行う(ステップS176)。受信エラー表示遷移処理を行った後、エリアアウト時処理を終了する。なお、受信エラー表示遷移処理は、図14の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以上、図20〜図24の処理を行い、制御部4は必要最小限の解析による受信処理を終了する。
【0122】
以上のように、第2実施形態によれば、受信した情報グループの解析を必要最小限のものとし、処理の短縮化を図ることができる。
【0123】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、車載器10が受信した情報グループに次再生コードが含まれる場合であって、かつ、当該情報グループが初期画面情報である場合の処理について、特に説明する。ここで、初期画面情報とは、コンテンツ情報に必ず含まれる情報グループであり、1番始めに再生される情報グループである。
【0124】
なお、第3実施形態の説明に際して、配信システム100、車載器10、路側無線装置20、センター装置30の基本的構成は第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、受信処理(第1実施形態:図8〜図14、第2実施形態:図20〜図24)についても、基本的処理は同様であるため、異なる処理についてのみ説明する。
【0125】
図25に、初期画面情報に次再生コードが含まれる場合であって、かつ、受信処理において情報グループの全てについての解析を行う場合の継続動作時処理を示す。なお、図25の処理は、図10の変形例である。
【0126】
制御部4は、受信した情報グループは、即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS181)。
即時再生コンテンツである場合(ステップS181;Y)、制御部4は、受信した情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS182)。
即時再生コンテンツでない場合(ステップS181;N)、制御部4は、受信完了通知画面を表示部1eに表示させる(ステップS183)。
制御部4は、受信完了通知画面を表示させた後、ステップS185に移行する。
【0127】
制御部4は、表示部1eに表示させた即時再生コンテンツに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS184)。
次再生コードが含まれない場合(ステップS184;N)、制御部4は、受信完了後次再生コードを保存しているか否か判断する(ステップS185)。ここで、受信完了後次再生コードとは、後述する初期画面情報に含まれる次再生コードをいう。
【0128】
受信完了後次再生コードを保存している場合(ステップS185;Y)、制御部4は、受信完了後次再生コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS186)。なお、このとき生成する「コンテンツ表示ボタン」は、複数であってもよい。
次再生コードを保存していない場合(ステップS185;N)、制御部4は、開始コードを関連付けた「コンテンツ表示ボタン」を生成する(ステップS187)。
【0129】
次再生コードがある場合(ステップS184;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS184b)、「閉じる」ボタンを生成する(ステップS188)。そして、制御部4は、受信完了表示遷移処理を行い(ステップS189)、継続動作時処理を終了する。なお、受信完了表示遷移処理は、図9と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0130】
次に、図26を参照して、初期画面情報に次再生コードが含まれる場合であって、かつ、受信処理において情報グループの全てについての解析を行う場合の即時再生確認処理を説明する。なお、図26の処理は、図12の変形例である。
【0131】
制御部4は、受信した情報グループは即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS191)。
即時再生コンテンツである場合(ステップS191;Y)、制御部4は、即時再生コンテンツを表示部1eに表示させる(ステップS192)。
【0132】
制御部4は、今回のコンテンツ情報の受信処理で即時再生コンテンツを初めて受信したか否か判断する(ステップS193)。
初めての受信である場合(ステップS193;Y)、制御部4は、表示中の即時再生コンテンツに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS194)。
【0133】
次再生コードが含まれる場合(ステップS194;Y)、制御部4は、表示中の即時再生コンテンツの次再生コードを受信完了後次再生コードとして全て記憶部1fに保存し(ステップS195)、即時再生確認処理を終了する。
一方、即時再生コンテンツでない場合(ステップS191;N)、初めての受信でない場合(ステップS193;N)、又は次再生コードが含まれない場合(ステップS194;N)、制御部4は、即時再生確認処理を終了する。
【0134】
次に、図27を参照して、初期画面情報に次再生コードが含まれる場合であって、かつ、受信処理において情報グループの必要最小限の解析を行う場合の継続動作時処理を説明する。なお、図27の処理は、図22の変形例である。
【0135】
制御部4は、受信した情報グループが即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS201)。
即時再生コンテンツである場合(ステップS201;Y)、制御部4は、受信した情報グループを解析し(ステップS202)、表示部1eに表示させる(ステップS203)。
そして、制御部4は、表示中の情報グループに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS204)。
【0136】
一方、即時再生コンテンツでない場合(ステップS201;N)、制御部4は、受信した情報グループを記憶部1fに保存し(ステップS205)、受信完了通知画面を表示部1eに表示させる(ステップS206)。
そして、制御部4は、保存した情報グループを解析し(ステップS207)、受信完了後次再生コードを保存しているか否か判断する(ステップS208)。
【0137】
受信完了後次再生コードを保存している場合(ステップS208;Y)、制御部4は、受信完了後次再生コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS209)。
受信完了後次再生コードを保存していない場合(ステップS208;N)、制御部4は、開始コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS210)。
【0138】
ステップS204に戻り、次再生コードが含まれる場合(ステップS204;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS204b)、「閉じる」ボタンを生成し(ステップS211)、受信完了表示遷移処理を行う(ステップS222)。なお、受信完了表示遷移処理は、図11に示した処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
制御部4は、以上の処理を行い、継続動作時処理を終了する。
【0139】
図28に、初期画面情報に次再生コードが含まれる場合であって、かつ、受信処理において情報グループの必要最小限の解析を行う場合の即時再生確認処理を示す。なお、図28は、図23の変形例である。
【0140】
制御部4は、受信した情報グループが即時再生コンテンツであるか否か判断する(ステップS231)。
即時再生コンテンツでない場合(ステップS231;N)、制御部4は、受信した情報グループを記憶部1fに保存して(ステップS232)、即時再生確認処理を終了する。
即時再生コンテンツである場合(ステップS231;Y)、制御部4は、受信した情報グループを解析し(ステップS233)、即時再生コンテンツを表示部1eに表示させて(ステップS234)、制御部4は、今回のコンテンツ情報の受信処理で即時再生コンテンツを初めて受信したか否か判断する(ステップS235)。
【0141】
初めての受信である場合(ステップS235;Y)、制御部4は、表示中の即時再生コンテンツに次再生コードが含まれるか否か判断する(ステップS236)。
【0142】
次再生コードが含まれる場合(ステップS236;Y)、制御部4は、表示中の即時再生コンテンツの次再生コードを受信完了後次再生コードとして記憶部1fに保存し(ステップS237)、即時再生確認処理を終了する。
一方、初めての受信でない場合(ステップS235;N)、又は、次再生コードが含まれない場合(ステップS236;N)、制御部4は、即時再生確認処理を終了する。
【0143】
図29を参照して、起動時処理を説明する。
なお、図29に示す起動時処理は、初期画面情報に次再生コードが含まれていた場合、つまり、図25〜図28における受信処理を行った場合の起動時処理である。
【0144】
車載器10の電源がONにされると、制御部4は、記憶部1fに保存されている受信完了コンテンツフラグを読み出し、受信完了フラグが「1」であるか否か判断する(ステップS241)。
【0145】
受信完了フラグが「1」である場合(ステップS241;Y)、制御部4は、直近に受信したコンテンツ情報から、情報コードが終端コードである情報グループを表示部1eに表示させる(ステップS242)。そして、制御部4は、受信完了コンテンツフラグに「0」をセットする(ステップS243)。
【0146】
制御部4は、表示中の情報グループに次再生コードが含まれているか否か判断する(ステップS244)。
次再生コードが含まれていない場合(ステップS244;N)、制御部4は、ステップS250に移行する。
次再生コードが含まれている場合(ステップS244;Y)、制御部4は、次再生コードに関連付けたボタンを表示し(ステップS244b)、「閉じる」ボタンを生成する(ステップS245)。そして、制御部4は、受信完了表示遷移処理(図11参照)を行い(ステップS246)、起動時処理を終了する。
【0147】
ステップS241に戻り、受信完了フラグが「1」でない場合(ステップS241;N)、制御部4は、受信完了車載器フラグが「1」であるか否か判断する(ステップS247)。
受信完了車載器フラグが「1」である場合(ステップS247;Y)、制御部4は、受信完了通知画面を表示部1eに表示させて(ステップS248)、受信完了車載器フラグを「0」にセットする(ステップS249)。
【0148】
制御部4は、受信完了後次再生コードを保存しているか否か判断する(ステップS250)。
受信完了後次再生コードを保存している場合(ステップS250;Y)、制御部4は、受信完了後次再生コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS251)。
受信完了後次再生コードを保存していない場合(ステップS250;N)、制御部4は、開始コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成する(ステップS252)。
【0149】
制御部4は、「コンテンツ表示」ボタンを生成した後(ステップS251、S252)、ステップS245に移行する。
【0150】
ステップS247に戻り、受信完了車載器フラグが「1」でない場合(ステップS247;N)、制御部4は、受信エラーフラグが「1」であるか否か判断する(ステップS253)。
受信エラーフラグが「1」でない場合(ステップS253;N)、制御部4は、起動時処理を終了する。
受信エラーフラグが「1」である場合(ステップS253;Y)、制御部4は、受信エラー通知画面を表示部1eに表示させて(ステップS254)、受信エラーフラグを「0」にセットする(ステップS255)。
【0151】
制御部4は、「閉じる」ボタンを生成して(ステップS256)、受信エラー表示遷移処理(図12参照)を行い(ステップS257)、起動時処理を終了する。
【0152】
図30に、初期画面の一例を示す。
図30に示す初期画面は、車載器10が1番始めに受信する情報グループであって、即時再生の情報グループである。また、図30に示す初期画面は、継続動作時処理のステップS182において表示される画面である。
図30に示すように、初期画面では、所定のメッセージが表示されるとともに、関連する他の情報グループを受信中である旨が表示される。
【0153】
図31に、車載器10が1番始めに受信する即時再生の情報グループに、次再生コードが複数含まれていた場合に表示される受信完了通知画面の一例を示す。
図31に示す受信完了通知画面は継続動作処理のステップS183または起動時処理のステップS206において表示される画面である。図31に示す受信完了通知画面では、受信が完了した旨の通知とともに、各次再生コードと対応付けた「コンテンツ表示」ボタンと「閉じる」ボタンとが表示される。また、図31で示されている「コンテンツ表示」ボタンは、継続動作時処理のステップS209または起動時処理のステップS251で生成されるボタンである。コンテンツ表示ボタン上に表示するボタン名称は、各次再生コードに示される情報コードを有する情報グループのID02に含まれている情報表示用テキストや企業表示用テキストを使用することで、画面の遷移先を明確にすることができる。また次再生コードがID=40の詳細情報データである場合には、詳細情報に含まれる表示用文字データを利用してボタン名称を表示してもよい。
【0154】
以上のように、第3実施形態によれば、初期画面情報に次再生コードが含まれる場合、当該次再生コードを関連付けた「コンテンツ表示」ボタンを生成し、始めに再生してほしい情報グループへユーザを誘導することができる。また、「コンテンツ表示」ボタンを複数生成し、生成した複数の「コンテンツ表示」ボタンには即時再生の情報グループを対応付けることとしてもよい。これにより、複数の即時再生の情報グループにユーザを誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】配信システムの構成を示す図である。
【図2】路側無線装置の構成を示す図である。
【図3】車載器の構成を示す図である。
【図4A】コンテンツ情報のデータ構成例を示す図である。
【図4B】情報グループの他のデータ構成例を示す図である。
【図5】IDの概要を示す図である。
【図6】画面遷移を説明する図である。
【図7】詳細情報のデータ構成例を示す図である。
【図8】受信処理を示すフロー図である。
【図9】電源OFF時処理を示すフロー図である。
【図10】継続動作時処理を示すフロー図である。
【図11A】受信完了表示遷移処理を示すフロー図である。
【図11B】受信完了表示遷移処理を示すフロー図である。
【図12A】即時再生確認処理を示すフロー図である。
【図12B】他の即時再生確認処理を示すフロー図である。
【図13】エリアアウト時処理を示すフロー図である。
【図14】受信エラー表示遷移処理を示すフロー図である。
【図15】起動時処理を示すフロー図である。
【図16】受信完了通知画面の一例を示す図である。
【図17】受信完了通知画面の一例を示す図である。
【図18】受信エラー通知画面の一例を示す図である。
【図19】受信エラー通知画面の一例を示す図である。
【図20】最小限の解析による受信処理を示すフロー図である。
【図21】電源OFF時処理を示すフロー図である。
【図22】継続動作時処理を示すフロー図である。
【図23】即時再生確認処理を示すフロー図である。
【図24】エリアアウト時処理を示すフロー図である。
【図25】継続動作時処理を示すフロー図である。
【図26】即時再生確認処理を示すフロー図である。
【図27】継続動作時処理を示すフロー図である。
【図28】即時再生確認処理を示すフロー図である。
【図29】起動時処理を示すフロー図である。
【図30】初期画面の一例を示す図である。
【図31】受信完了通知画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0156】
100 配信システム
10 車載器
20 路側無線装置
30 センター装置
1 カーナビ部
2 通信モジュール
3 DSRC部
4 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報を送信する路側無線装置と、前記コンテンツ情報を受信する車載器と、を備えて構成される配信システムであって、
前記路側無線装置は、
前記コンテンツ情報に送信完了を示す終端コードを含ませて、当該コンテンツ情報を前記車載器に送信する送信制御手段を備え、
前記車載器は、
前記終端コードに基づいて、前記コンテンツ情報の受信が完了したか否かについて判断する制御手段を備える配信システム。
【請求項2】
コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に送信し、かつ、最後に送信する情報グループのヘッダに、送信完了を示す終端コードを含ませる送信制御手段を備えた路側無線装置。
【請求項3】
前記送信制御手段は、前記情報グループを分割して送信する場合、当該分割した各情報グループに、前記情報グループの情報量を示すプッシュ通信コマンドを含ませて送信する請求項2に記載の路側無線装置。
【請求項4】
前記送信制御手段は、前記終端コードを含ませた情報グループに、所定の情報グループへと遷移するための次再生コードを含ませる請求項2又は3に記載の路側無線装置。
【請求項5】
コンテンツ情報を構成する複数の情報グループを順次に受信し、かつ、最後に受信する情報グループのヘッダに含まれる終端コードに基づいて、前記コンテンツ情報の受信が完了したか否かについて判断する制御手段を備えた車載器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記終端コードを含む情報グループを受信するまで、前記コンテンツ情報を継続して受信させる請求項5に記載の車載器。
【請求項7】
表示手段を備え、
前記制御手段は、前記終端コードに基づいて、前記コンテンツ情報の受信が完了したと判断した場合、予め定められた受信完了通知画面を前記表示手段に表示させる請求項5又は6に記載の車載器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記終端コードを含む情報グループから次再生コードを取得し、当該取得した次再生コードと予め定められたボタン画面情報とを対応付けて、当該ボタン画面情報を前記表示手段に表示させる請求項7に記載の車載器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記終端コードを含む情報グループから、1番始めに前記表示手段に表示すべき情報グループであることを示す開始コードを取得し、当該取得した開始コードと予め定められたボタン画面情報とを対応付けて、当該ボタン画面情報を前記表示手段に表示させる請求項7又は8に記載の車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−273027(P2009−273027A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123619(P2008−123619)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】