説明

配信システム、配信システムの制御方法、制御プログラム、記録媒体

【課題】利用者に適したカテゴリの商業施設のクーポンを配信できる配信システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置30は、利用者の前記クーポンの使用率をカテゴリ毎に求める使用率算出部303と、前記カテゴリ毎に使用率に基づいて前記クーポンのカテゴリを選択するカテゴリ選択部305と、カテゴリ選択部305にて選択されたカテゴリのクーポンを携帯端末200に配信するクーポン配信部306とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が携帯している携帯端末に対してクーポンコンテンツを配信する配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複合商業施設として、カジノエリア、レストランエリア、娯楽エリア(劇場、映画館等)、ショッピングエリア(洋服店等)、美容エリア(美容室、エステ等)等を設置しているリゾートホテルが知られている。このようなリゾートホテルにおいて、各エリアに属する店舗に関するコンテンツ(例えば割引クーポン)を宿泊客(利用者)に配布すれば、各エリアの利用者増を期待できる。そして、コンテンツを配布する手法としては、以下の特許文献1に示すように、GPS(Global Positioning System)を用いて利用者が現在滞在している店舗に関するコンテンツを配信する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−16348号公報(2003年1月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者にクーポン配信を行うシステムにおいて、利用者側からすれば、過去に頻繁にクーポンを使用している商業施設のクーポンの配信を望む。これに対し、複合商業施設側からすれば、ある商業施設に興味があるものの当該商業施設の利用頻度の低い利用者に当該商業施設のクーポンを配信したいという要望がある(つまり当該商業施設のリピータを増加させたいという要望がある)。
【0005】
それゆえ、利用者の商業施設の属性毎のクーポンの利用状況に応じて、その利用者に適した属性の商業施設のクーポンを配信できるような情報配信システムが望まれているが、そのようなシステムは具体化されていなかった。
【0006】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、複合商業施設において、商業施設の属性毎の利用者のクーポンの利用状況に応じて、その利用者に適した属性の商業施設のクーポンを配信できる配信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の配信システムは、利用者が携帯する携帯端末と、前記携帯端末と無線通信を行う基地局と、複合商業施設に含まれる各商業施設に設置されており前記携帯端末が接近すると当該携帯端末と非接触通信を行うリーダライタと、前記基地局および前記リーダライタと接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、前記基地局を介して前記携帯端末に配信する配信処理を行うサーバ装置とを備え、前記携帯端末は、当該携帯端末の利用者の前記クーポンの使用頻度を前記商業施設の属性毎に示した使用頻度情報を記憶する記憶部を備え、前記サーバ装置は、前記携帯端末が前記リーダライタに接続された場合、このリーダライタが設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用頻度情報を、前記判定後の内容に合致するように更新する更新部と、前記基地局を介して前記携帯端末と接続して前記使用頻度情報を読み取る読取部と、前記読取部にて読み取られた使用頻度情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用程度情報を前記属性毎に求める使用程度情報出力部と、前記使用程度情報に基づいて、前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設の属性を選択する選択部とを備え、前記選択部にて選択された属性の商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信するようになっていることを特徴とする。
【0008】
本発明の配信システムは、前記属性別の前記利用者のクーポンの使用状況に応じて、属性(カテゴリ,業種)を選択し、選択した属性にて使用可能なクーポンを前記利用者に配信する構成である。それゆえ、複合商業施設において、属性(業種)別の利用者のクーポンの使用状況に応じて、その利用者に適した属性のクーポンを配信できるという効果を奏する。
【0009】
また、本発明の配信システムにおいて、前記選択部は、前記使用程度情報にて示されている使用の多さの程度が最も高い属性を選択するようになっていてもよい。
【0010】
これにより、過去に頻繁にクーポンを利用している商業施設と同じ属性の商業施設のクーポンの配信を望む利用者に対して当該クーポンを配信でき、利用者の満足度を高めるクーポン配信を行えるという効果を奏する。
【0011】
また、クーポンの使用回数がゼロ或いは過度に少ない業種(属性)は利用者に全く興味が持たれていない可能性が高い。そして、このような業種の商業施設のクーポンを利用者に配信しても、利用者は煩わしく感じる可能性が高い。そこで、本発明の配信システムにおいて、前記選択部は、前記使用程度情報にて示されている使用の多さの程度が所定の基準よりも低い属性を前記選択の対象から除外することが好ましい。この構成によれば、利用者が興味を抱かないクーポンの配信を抑制でき、不必要なクーポンの配信によって利用者が煩わしく感じてしまう事を抑制できるという効果を奏する。
【0012】
また、クーポンの使用回数が多くはないもののゼロでもない属性がある場合、前記利用者が当該属性(業種)に興味を持っているものの、何らかの理由によって当該属性の商業施設をあまり利用していないようなケースが考えられる。商業施設側からすれば、このような利用者に対して当該属性の商業施設のクーポンを配信することによって、当該属性の商業施設のリピータを増加させたいという要望がある。そこで、本発明の配信システムにおいて、前記選択部は、前記使用程度情報にて示されている使用の多さの程度が所定の基準以上の属性のうち、前記の程度が最も低い属性を選択することが好ましい。これにより、ある業種(属性)に興味があるものの何らかの理由にて当該業種の商業施設の利用回数が少ない利用者を当該業種の商業施設に誘導でき、当該業種の商業施設のリピータを増加させることができることを期待できる。
【0013】
また、前記の課題を解決するために、本発明の配信システムの制御方法は、利用者が携帯する携帯端末と、前記携帯端末と無線通信を行う基地局と、複合商業施設に含まれる各商業施設に設置されており前記携帯端末が接近すると当該携帯端末と非接触通信を行うリーダライタと、前記基地局および前記リーダライタと接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、前記基地局を介して前記携帯端末に配信する配信処理を行うサーバ装置とを備えた配信システムの制御方法であって、前記携帯端末が、当該携帯端末の利用者の前記クーポンの使用頻度を前記商業施設の属性毎に示した使用頻度情報を記憶する記憶部を備えており、前記サーバ装置が、前記携帯端末が前記リーダライタに接続された場合、このリーダライタが設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用頻度情報を、前記判定後の内容に合致するように更新する工程と、前記基地局を介して前記携帯端末と接続して前記使用頻度情報を読み取る工程と、読み取られた使用頻度情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用程度情報を前記属性毎に求める工程と、前記使用程度情報に基づいて、前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設の属性を選択する工程と、選択された属性の商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信する工程とを実行するようになっている。これにより、複合商業施設において、属性(業種)別の利用者のクーポンの使用状況に応じて、その利用者に適した属性のクーポンを配信できるという効果を奏する。
【0014】
また、前記の課題を解決するために、本発明の制御プログラムは、利用者が携帯する携帯端末と、前記携帯端末と無線通信を行う基地局と、複合商業施設に含まれる各商業施設に設置されており前記携帯端末が接近すると当該携帯端末と非接触通信を行うリーダライタと、前記基地局および前記リーダライタと接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、前記基地局を介して前記携帯端末に配信する配信処理を行うサーバ装置とを備えた配信システムを制御する制御プログラムであって、前記携帯端末が、当該携帯端末の利用者の前記クーポンの使用頻度を前記商業施設の属性毎に示した使用頻度情報を記憶する記憶部を備えており、前記サーバ装置のコンピュータに、前記携帯端末が前記リーダライタに接続された場合、このリーダライタが設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用頻度情報を、前記判定後の内容に合致するように更新する工程と、前記基地局を介して前記携帯端末と接続して前記使用頻度情報を読み取る工程と、読み取られた使用頻度情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用程度情報を前記属性毎に求める工程と、前記使用程度情報に基づいて、前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設の属性を選択する工程と、選択された属性の商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信する工程とを実行させるようになっている。これにより、複合商業施設において、属性(業種)別の利用者のクーポンの使用状況に応じて、その利用者に適した属性のクーポンを配信できるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明の制御プログラムはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複合商業施設において、属性(業種)別の利用者のクーポンの使用状況に応じて、その利用者に適した属性のクーポンを配信できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した情報配信システムにおいて利用される携帯端末の外観構成を示す図である。
【図3】図2に示した携帯端末が備える各構成要素を示したブロック図である。
【図4】図1に示したサーバ装置の各構成要素を示したブロック図である。
【図5】図4の記憶部に記憶されている利用者情報を示す図である。
【図6】図4の記憶部に記憶されているクーポン情報を示す図である。
【図7】図4の記憶部に記憶されているカテゴリ情報を示す図である。
【図8】図4の記憶部に記憶されている配信可否情報を示す図である。
【図9】図4の記憶部に記憶されている配信履歴情報を示す図である。
【図10】図3の記憶部に記憶されている使用履歴情報を示す図である。
【図11】図1に示したサーバ装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図4の記憶部に記憶されているリーダライタ情報を示す図である。
【図13】図4の記憶部に記憶されているサブカテゴリ情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態の情報配信システムは、レストランエリア、カジノエリア、ショッピングエリア、娯楽エリア、美容エリア等の互いに異なる業種(属性,カテゴリ)のエリアを複数有するリゾートホテルにて用いられるものである。
【0019】
そして、本実施形態において、一つのエリアは、互いに同業種の複数の店舗等(またはコーナ)からなる一つの商業施設を意味する。つまり、前記のレストランエリアとは複数の飲食店舗からなる一つの商業施設を意味する。また、前記のカジノエリアとは、トランプコーナ、スロットコーナ等の複数の遊技コーナからなる一つの商業施設を意味する。また、前記のショッピングエリアとは、洋服店や雑貨店等の複数の商品店からなる一つの商業施設を意味する。また、娯楽エリアとは、劇場、シネマ、ジャズクラブ、ショー等の複数の娯楽場からなる一つの商業施設を意味する。さらに、美容エリアとは、美容室、サロン、エステ、スパ等の複数の店舗からなる一つの商業施設を意味する。
【0020】
本実施形態の情報配信システム100は、図1に示すように、アンテナAT1〜AT3と、リーダライタ20a〜20cと、サーバ装置30と、携帯端末200とを備えている。また、サーバ装置30は、アンテナAT1〜AT3およびリーダライタ20a〜20cの各々に対して、LAN(Local Area Network)等の有線の通信ネットワークNTによって通信可能に接続されている。
【0021】
図1のレストラン10は、レストランエリアに属する複数の飲食店舗のうちの一つであり、図1のトランプコーナ11は、カジノエリアに属する複数の遊技コーナのうちの一つであり、図1の洋服店12は、ショッピングエリアに属する複数の店舗のうちの一つである。
【0022】
また、図1に示すように、アンテナAT1およびリーダライタ20aはレストラン10に設置され、アンテナAT2およびリーダライタ20bはトランプコーナ11に設置され、アンテナAT3およびリーダライタ20cは洋服店12に設置され、サーバ装置30は管理センタ14に設置されている。
【0023】
なお、説明の便宜上図示されていないが、実際には、レストランエリアにおけるレストラン10以外の多数の飲食店、カジノエリアにおけるトランプコーナ11以外の各遊技コーナ(スロットコーナ等)、ショッピングエリアにおける洋服店12以外の各店にも、アンテナAT1〜AT3と同じアンテナと、リーダライタとが設置されている。また、図示されていないが、レストランエリア、カジノエリア、ショッピングエリア以外の各商業エリアに属する各店舗(各コーナ)においても、アンテナAT1〜AT3と同じアンテナと、リーダライタとが設置されている。また、以下では、アンテナAT1〜AT3を総称する場合はアンテナATと記載し、リーダライタ20a〜20cを総称する場合はリーダライタ20と記載することにする。
【0024】
つぎに、情報配信システム100の各構成要素を順に説明する。アンテナATは、Zigbee(ジグビー)によって携帯端末200と近距離無線通信を行う基地局である。本実施形態において、アンテナATは通信距離が数メートル〜15メートル程度に設定されている。そして、互いに隣り合うアンテナATとアンテナATとの間隔が通信距離と略同一の距離になるように多数のアンテナATがリゾートホテル内に設置されている。つまり、リゾートホテルの内部はいずれかのアンテナATの通信圏内になる。
【0025】
リーダライタ20は、NFC(Near Field Communication)によって携帯端末200と非接触無線通信を行う装置である。つまり、リーダライタ20は、携帯端末200が接近すると、この携帯端末200と接続されて通信可能になる。本実施形態において、リーダライタ20は、通信距離が数センチに設定されている。また、本実施形態において、リーダライタ20は、リゾートホテル内の各店舗若しくは各コーナに設置されている。
【0026】
携帯端末200は、リゾートホテルの宿泊客(以下では「利用者」と称することもある)に携帯させる端末装置である。図1において携帯端末200はレストラン10に位置しているが、これは携帯端末200の利用者がレストラン10に位置しているからであり、携帯端末200の利用者がトランプコーナ11に位置しているときは当該携帯端末200もトランプコーナ11に位置し、携帯端末200の利用者が洋服店12に位置しているときは当該携帯端末200も洋服店12に位置することになる。
【0027】
各宿泊客は、リゾートホテルに滞在している間、携帯端末200を携帯していることになる。この携帯端末200は、アンテナATと近距離無線通信を行う機能と、リーダライタ20と非接触無線通信を行う機能と、情報を記憶する機能と、画像表示機能とを少なくとも有している。
【0028】
図2は携帯端末200の外観構成図であり、図3は携帯端末200の各構成要素を示したブロック図である。
【0029】
携帯端末200は、図2に示すように、ホルダ(筐体)201、ICカード202、表示部203を備えている。ICカード202は、ホルダ201に対して着脱可能であり、携帯端末200が宿泊客に貸し出されている間、当該携帯端末200のホルダ201に装着されている。
【0030】
つぎに、図2および図3に基づいて携帯端末200のハードウェア構成を説明する。携帯端末200のホルダ201には、表示部203と、主制御部204と、バッテリー205と、駆動部206と、通信制御部207と、無線用アンテナ208と、NFCアンテナ209と、NFC制御部210と、記憶部211とが取り付けられている。また、携帯端末200のICカード202には、NFCアンテナ202a、NFC制御部202b、記憶部202cが備えられている。
【0031】
まず、ホルダ201側の構成要素について説明する。表示部203は、画像の書き換え時のみ電力を必要とし、電圧無印加でカラー画像を表示し続ける電子ペーパである(つまりメモリ性を有する)。この電子ペーパは、液晶層を有し、240×400ドットのサイズの画像を表示し、4096色の色表示が可能な画像表示媒体である。なお、表示部203は、電子ペーパに限られるものではなく、例えば小型の液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイであってもよい。
【0032】
主制御部204は、ホルダ201に備えられている各ハードウェアを統括制御するマイクロプロセッサ(Micro Processing Unit)である。
【0033】
バッテリー205は、携帯端末200に対して着脱可能に取り付けられる蓄電池であり、携帯端末200の電源として機能するものである。
【0034】
駆動部206は、主制御部204に制御され、表示部203を駆動するための駆動電圧を表示部203に印加する回路である。つまり、主制御部204は駆動部206を駆動して表示部203の画像を書き換えるようになっている。
【0035】
無線用アンテナ208は、Zigbeeに基づく近距離無線通信を行うための送受信装置である。通信制御部207は、主制御部204に制御され、無線用アンテナ208を介してZigbeeに基づく近距離無線通信を行う装置である。
【0036】
記憶部211は、ホルダ201に取り付けられている読み書き可能なメモリであり、携帯端末200に必要となる各種情報や表示部203にて表示される画像が保存されるブロックである。
【0037】
NFCアンテナ209は、ホルダ201に取り付けられており、ICカード202との間で非接触無線通信を行うための送受信装置である。NFC制御部210は、ホルダ201に取り付けられている集積回路であり、NFCアンテナ209を制御してICカード202との間でNFCに基づく非接触無線通信を行う装置である。
【0038】
つぎに、ICカード202側の構成について説明する。NFCアンテナ202aは、ICカード202に取り付けられており、ホルダ201側若しくはリーダライタ20との間で非接触無線通信を行うための送受信装置である。NFC制御部202bは、ICカード202に取り付けられている集積回路であり、NFCアンテナ202aを制御して、ホルダ201側若しくはリーダライタ20との間でNFCに基づく非接触無線通信を行う装置である。記憶部202cは、ICカード202に取り付けられている読み書き可能なメモリであり、各種情報が保存されるブロックである。
【0039】
以上の携帯端末202において、ホルダ201の主制御部204は、NFCアンテナ209・202aを用いた非接触無線通信によって記憶部202cにアクセス可能になっている。また、リーダライタ20は、NFCアンテナ202aを介した非接触無線通信によって記憶部202cにアクセス可能になっている。
【0040】
本実施形態のリゾートホテルは、新規顧客に対してICカード202を発行する。ICカード202の記憶部202cには当該新規顧客の利用者IDが記憶され、後述するサーバ装置30に記憶されている利用者情報(利用者IDと利用者の個人情報との対応関係(図5)を示したテーブル)に対して、前記新規顧客の利用者IDと個人情報との対応関係が追加される。
【0041】
さらに、リゾートホテルは、当該新規顧客が宿泊している間、携帯端末200のホルダ201を当該新規顧客に貸し出す。そして、この新規顧客は、リゾートホテルでの滞在中、前記のICカード202をホルダ201に挿入した状態で携帯端末200を使用するようになっている。よって、携帯端末200のICカード202の記憶部202cに記憶される利用者IDは、前記新規顧客が保持している携帯端末200を識別可能な識別情報として機能すると共に、当該携帯端末200の利用者を識別可能な識別情報としても機能する。
【0042】
そして、リゾートホテルは、前記の新規顧客がチェックアウトする際、当該新規顧客に携帯端末200のホルダ201の返却を要求し、当該新規顧客は、携帯端末200のホルダ201をリゾートホテル側に返却するようになっている。但し、リゾートホテルは、ICカード202を前記新規顧客に引き渡すようになっている。つまり、当該新規顧客はICカード202を持ち帰ることができる。
【0043】
当該新規顧客は、リピータとして再度リゾートホテルにチェックインした際、前記のICカード202を再利用することになる。つまり、リピータは、チェックイン時、リゾートホテルから携帯端末200のホルダ201が貸し出されるものの、ICカード202については以前にリゾートホテルから持ち帰った自己の専用品を再利用することになる。すなわち、リピータは、リゾートホテルから貸し出された携帯端末200のホルダ201に対して、以前にリゾートホテルから持ち帰った自己のICカード202を挿入して、携帯端末200を使用するようになっている。
【0044】
つまり、ICカード202は、リゾートホテルの顧客に対して、半永久的に利用させるものであり、且つ、専有させるものである。また、ICカード202の記憶部202cに記憶されている利用者IDも半永久的に用いられる。
【0045】
また、本実施形態のリゾートホテルと提携している他のリゾートホテル(以下「提携ホテル」と称す)がある場合、リゾートホテルの顧客は、リゾートホテルにて発行されたICカード202を提携ホテルでも利用できる。つまり、リゾートホテルからICカード202を持ち帰った顧客が、後日に提携ホテルにチェックインした際、提携ホテルから貸し出される携帯端末200のホルダ201に、リゾートホテルから持ち帰ったICカード202を挿入して、携帯端末200を使用するようになっている。
【0046】
つぎに、サーバ装置30について説明する。サーバ装置30は、アンテナATを用いた近距離無線通信によって携帯端末200の主制御部204と接続することにより、携帯端末200の記憶部211・記憶部202cからの情報の読み出しや、記憶部211・記憶部202cへの情報の書き込みを行う。また、サーバ装置30は、リーダライタ20を用いた非接触無線通信によって携帯端末200の記憶部202cからの情報の読み出しや記憶部202cへの情報の書き込みを行うようにもなっている。以下、サーバ装置30について詳述する。
【0047】
サーバ装置30は、リゾートホテルの外部にある管理センタ(リゾートホテルを管理する組織)14に設置されているサーバコンピュータである。サーバ装置30は、図1に示すように、リゾートホテルに設置されているアンテナATおよびリーダライタ20に対して通信ネットワークNTによって通信可能に接続されている。また、前述した提携ホテルがある場合、サーバ装置30は、提携ホテルに設置されているアンテナATおよびリーダライタ20に対しても通信ネットワークNTを介して接続されている。
【0048】
サーバ装置30は、通信ネットワークNTおよびアンテナATを介して、携帯端末200に対して、リゾートホテル内の商業エリアの各店舗や各コーナで利用できるクーポンを配信する処理を行う。つまり、サーバ装置30は、ある携帯端末200にクーポンを配信する場合、当該携帯端末200と通信可能なアンテナAT(通信圏内に携帯端末200が位置しているアンテナAT)をアクセスポイントとして携帯端末200に接続(アクセス)し、接続先の携帯端末200に対してクーポンを配信するようになっている。なお、携帯端末200に配信されるクーポンとしては、商業施設に属する店舗(コーナ)に関する割引クーポン、無料クーポン、優待クーポン等が挙げられる。
【0049】
なお、クーポンを受信した携帯端末200の主制御部204は当該クーポンをホルダ201側に取り付けられている記憶部211に保存するようになっている。そして、携帯端末200の利用者が、携帯端末200の操作部250(図2参照)を操作して携帯端末200に保存されているクーポンを表示させるためのコマンドを入力すると、携帯端末200の主制御部204は当該クーポンを表示部203に表示させるようになっている。なお、携帯端末200にクーポンが複数記憶されている場合、利用者が、操作部250を操作して、前記複数のクーポンのうち、表示させるクーポンを一つ選択するためのコマンドを入力すると、携帯端末200の主制御部204は選択されたクーポンを表示部203に表示させるようになっている。
【0050】
そして、携帯端末200の利用者は、クーポンを使用する際、当該クーポンを表示させた携帯端末200を店員に手渡す。すると、店員は、携帯端末200に表示されているクーポンに示されているサービスを利用者に提供した後、店舗にあるリーダライタ20に携帯端末200を近づける。リーダライタ20の通信圏内に携帯端末200が入ると、リーダライタ20および通信ネットワークNTを介してサーバ装置30と携帯端末200とが接続される。そして、この接続によって、サーバ装置30は携帯端末200と接続されているリーダライタ20の設置されている商業施設において当該携帯端末200の利用者によってクーポンが使用された事を認識するようになっている。本実施形態ではこのようにしてクーポンが使用されるのである。
【0051】
ところで、本実施形態の情報配信システム100のサーバ装置30は、ある利用者の携帯端末200に対してクーポンを配信する際、カテゴリ別の当該利用者のクーポンの使用率(使用程度情報)に基づいて、配信対象のクーポンを選択するようになっている。
【0052】
ここで、「カテゴリ」とは、クーポンを利用できる店舗の属する商業施設の業種(属性)を意味するものである。つまり、本実施形態のカテゴリには、カジノ、レストラン、ショッピング、娯楽、美容等がある。また、「使用率」とは、ある利用者のクーポンの受信回数に対する当該利用者のクーポンの使用回数を百分率で示したものである。例えば、図10のテーブルに示すように、カテゴリIDが1である商業施設のクーポンにおいては、受信回数が100である一方、使用回数が30であるので、使用率は30%である。また、カテゴリIDが3である商業施設(娯楽)のクーポンにおいては、受信回数が25である一方、使用回数が10であるので、使用率は40%である。
【0053】
以下、クーポンの配信を行うサーバ装置30の構成を詳細に説明する。図4は、図1に示されるサーバ装置30の概略構成を示すブロック図である。サーバ装置30は制御部30aおよび記憶部30bを備えている。
【0054】
記憶部30bは、情報の書き込みと読み出しとが可能な記憶手段であり、外付け型または内蔵ハードディスク装置が挙げられる。なお、記憶部30bに記憶されている情報の内容については後に詳述する。
【0055】
制御部30aは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含むPCベースのコンピュータによって構成される。そして、制御部30aにおける各種情報処理は、プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディア(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、制御部30aがインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。なお、制御部30aにて実行される処理内容については後に詳述する。
【0056】
つぎに、記憶部30bに記憶されている情報を説明する。サーバ装置30の記憶部30bには、図5に示す利用者情報、図6に示すクーポン情報、図7に示すカテゴリ情報、図8に示す配信可否情報、図9に示す配信履歴情報、図12に示すリーダライタ情報が記憶されている。
【0057】
図5に示す利用者情報(顧客情報)は、利用者(顧客,宿泊客)の識別情報である利用者IDと、当該利用者の個人情報(利用者名、国籍、性別、生年月日等)との対応関係を、利用者毎に示したテーブルである。
【0058】
図6に示すクーポン情報は、サーバ装置30に登録されている各クーポン(コンテンツ)の特性および/または内容を示した情報である。具体的に、図6のクーポン情報は、サーバ装置30に登録されているクーポン毎に、クーポンの識別情報であるクーポンIDと、クーポンを使用可能な店舗の属する商業施設のカテゴリを示したカテゴリIDと、当該クーポンの内容を示す内容情報と、当該クーポンの使用期限と、当該クーポンの登録時刻と、当該クーポンの配信期間との対応関係を示したテーブルである。
【0059】
また、図7のカテゴリ情報に示されるように、各カテゴリIDには各商業施設のカテゴリの名称が対応付けられている。
【0060】
図8に示す配信可否情報は、各カテゴリのクーポンの配信可否を利用者毎に示した情報である。つまり、配信可否情報には、利用者IDと、各カテゴリのクーポンの配信可否を示す情報との対応関係が示されている。また、配信否のカテゴリについては配信停止期限も示されている。例えば、図8に示す配信可否情報では、利用者IDが355678の利用者に対しては、カテゴリIDが「1」「3」のクーポンの配信は可能であるが、カテゴリIDが「2」のクーポンの配信は2011年8月10日まで禁じられる。
【0061】
図9に示す配信履歴情報は、携帯端末200の利用者IDと、当該携帯端末200に配信されたクーポンのクーポンIDと、当該クーポンの配信時刻と、当該クーポンの使用期限との対応関係を示したテーブルである。
【0062】
図12に示すリーダライタ情報は、リゾートホテルに設置されている全てのリーダライタ20の各々について、リーダライタの識別情報であるリーダライタIDと、リーダライタの設置されている商業エリアのカテゴリのカテゴリIDとの対応関係を示したテーブルである。
【0063】
つぎに、携帯端末200の記憶部202cに記憶される情報を説明する。携帯端末200の記憶部202cには図10に示す使用履歴情報が記憶されている。図10に示す使用履歴情報は、当該使用履歴情報を記憶している携帯端末200の利用者について、カテゴリ毎に、各カテゴリのクーポンの受信回数(トータルの受信回数)と、各カテゴリのクーポンの使用回数(トータルの使用回数)と、クーポンの最終使用時刻との対応関係を示したものである。つまり、図10の情報が記憶されている携帯端末200の利用者は、カテゴリIDが「1」のクーポンを100回受信して30回使用しており、カテゴリIDが「2」のクーポンを10回受信しているが使用したことがない。さらに、以上にて説明したように、図10の使用履歴情報には、クーポンの受信回数と使用回数とがカテゴリ毎に示されているため、図10の使用履歴情報を参照すれば、携帯端末200の利用者のカテゴリ毎のクーポンの使用率を算出できる。なお、図10に示される使用履歴情報は、携帯端末200にアクセスするサーバ装置30によって作成および更新される。
【0064】
つぎに、サーバ装置30の制御部30aにて実行される処理内容を説明する。制御部30aは、図4に示すように、処理対象選択部301、読取部302、使用率算出部303、可否情報更新部304、カテゴリ選択部305、クーポン配信部306、情報管理部307を備えている。
【0065】
図4の処理対象選択部301は、クーポン配信処理を行う際、処理対象とされる利用者IDを選択する処理を実行するブロックである。具体的に、処理対象選択部301は、記憶部30bにアクセスして図5に示されている利用者情報を参照し、この利用者情報のなかから、処理対象とする利用者IDを一つ選択する。つまり、処理対象選択部301では処理対象とされる利用者を選択しているのである。
【0066】
図4の読取部302は、処理対象の利用者IDの携帯端末200にアンテナATを介してアクセスし、アクセス先の携帯端末200の記憶部202cから使用履歴情報(図10参照)を読み取る処理を行うブロックである。ここで、読み取られた使用履歴情報には、処理対象の利用者IDの利用者について、カテゴリ毎に、サーバ装置30からクーポンを受信した回数と、店舗等にてクーポンを使用した回数と、クーポンの最終使用時刻(直近の使用の際の時刻)とが示されている。
【0067】
図4の使用率算出部303は、読取部302にて読み取られた使用履歴情報を参照して、処理対象の利用者IDの利用者のクーポンの使用率を、カテゴリ毎に算出する。例えば、図10に示す使用履歴情報が読取部302に読み取られた場合、使用率算出部303は、カテゴリIDが「1」使用率について30%を算出し、カテゴリIDが「2」のカテゴリの使用率について0%を算出し、カテゴリIDが「3」のカテゴリの使用率について40%を算出するようになっている。
【0068】
図4の可否情報更新部304は、使用率算出部303にて算出された使用率に基づいて、サーバ装置30の記憶部30bに記憶されている配信可否情報(図8)の作成および更新を行うブロックである。具体的に、可否情報更新部304は、使用率算出部303にて算出された使用率が閾値(本実施形態では20%)未満になっているカテゴリを検索する。そして、可否情報更新部304は、使用率が閾値未満になっているカテゴリを前記検索にて抽出した場合、図8の配信可否情報(テーブル)において、処理対象の利用者IDと、使用率が閾値未満になっているカテゴリのカテゴリIDとに対応付けられている欄に示されている情報を「可」から「否」に書き換え、且つ、前記の欄に配信停止期限を記入する。例えば、図8では、利用者IDが「355678」の利用者において、カテゴリID「2」のカテゴリについては、「否」が設定され、2011年8月11日の配信禁止期限が設定されている。
【0069】
また、可否情報更新部304は、図8の配信可否情報において、処理対象の利用者IDに対応付けられて示されている配信停止期限のうち、現時点よりも過去になっている配信停止期限を検索する。そして、可否情報更新部304は、現時点よりも過去になっている配信停止期限を抽出した場合、図8の配信可否情報(テーブル)において、当該配信停止期限が示されている欄の情報を、「否」から「可」に書き換え、且つ、当該欄に示されている配信停止期限を消去する処理を行う。
また、この処理に伴い、可否情報更新部304は、アンテナATを介して処理対象の利用者IDの携帯端末200にアクセスし、携帯端末200の記憶部202cに示されている使用履歴情報(図10)の書き換えを行う。具体的に、可否情報更新部304は、図8の配信可否情報(テーブル)において「否」から「可」に書き換えた欄に対応するカテゴリIDについて、図10の使用履歴情報のクーポン受信回数およびクーポン使用回数の値をゼロに書き換え、且つ、図10の使用履歴情報の最終使用時刻を消去する。例えば、図8の配信可否情報において「否」から「可」に書き換えられた欄に対応するカテゴリIDが「7」である場合、可否情報更新部304は、図10の使用履歴情報のうち、カテゴリIDが「7」の欄において、クーポン受信回数およびクーポン使用回数をゼロに書き換え、最終使用時刻を消去する。
【0070】
図4のカテゴリ選択部305は、クーポン配信部306に配信させるクーポンを使用できる商業施設のカテゴリを選択するブロックである。
【0071】
具体的に、カテゴリ選択部305は、図8に示す配信可否情報を参照し、処理対象の利用者IDについて、クーポン配信が禁止されているカテゴリを特定する。つまり、図8の配信可否情報において、処理対象の利用者IDに対応付けられている各欄のうち、「否」が記録されている欄を抽出し、この欄に対応するカテゴリIDのカテゴリを特定する。例えば、図8に示す例では、処理対象の利用者IDが「355678」の場合、「2」を示すカテゴリIDのカテゴリが特定される。そして、カテゴリ選択部305は、特定したカテゴリを選択の対象から除外した上で、使用率算出部303にて算出された使用率が最も使用率が高いカテゴリと最も使用率が低いカテゴリとを選択するようになっている。例えば、カテゴリIDが「10」〜「16」のカテゴリのみがあり、カテゴリIDが「10」のカテゴリについてはクーポンの配信が禁止されており、カテゴリIDが「11」のカテゴリの使用率が100%であり、カテゴリIDが「12」〜「5」のカテゴリの各々の使用率が50%であり、カテゴリIDが「16」のカテゴリの使用率が23%である場合、カテゴリ選択部305は、カテゴリIDが「11」のカテゴリを最も使用率が高いカテゴリとして選択し、カテゴリIDが「16」のカテゴリを最も使用率が低いカテゴリとして選択する。
【0072】
図4のクーポン配信部306は、カテゴリ選択部305にて選択されたカテゴリの商業施設にて使用できるクーポンを抽出し、抽出したクーポンを、処理対象の利用者IDを記憶する携帯端末200に配信するブロックである。
【0073】
具体的に、クーポン配信部306は、図6のクーポン情報において、最も使用率が高いカテゴリとしてカテゴリ選択部305にて選択されたカテゴリのカテゴリIDに対応付けられているクーポンIDのなかから、ランダムにクーポンIDを一つ抽出する。また、クーポン配信部306は、図6のクーポン情報において、最も使用率が低いカテゴリとしてカテゴリ選択部305にて選択されたカテゴリのカテゴリIDに対応付けられているクーポンIDのなかから、ランダムにクーポンIDを一つ抽出する。
【0074】
そして、クーポン配信部306は、以上のようにして抽出したクーポンIDのクーポンを、処理対象の利用者IDに対応する携帯端末200に対して配信する。
【0075】
また、クーポン配信部306は、クーポンの配信と共に配信先の携帯端末200にアクセスして、携帯端末200の記憶部202cに記憶されている使用履歴情報(図10)の更新を行う。さらに、クーポン配信部306は、クーポンの配信後に、サーバ装置30の記憶部30bにアクセスして、記憶部30bに記憶されている配信履歴情報(図9)の更新も行う。以下では、これら更新について説明する。
クーポン配信部306は、ある一つのクーポンを携帯端末200に配信する際、アンテナATを介して当該携帯端末200にアクセスして当該クーポンを配信することになるが、このアクセス時において携帯端末200の記憶部202cに記憶されている使用履歴情報の更新を行う。つまり、クーポン配信部306は、アンテナATを介して当該携帯端末200の記憶部202cの使用履歴情報(図10参照)にアクセスし、この使用履歴情報のうち、配信対象のクーポンのカテゴリIDに対応付けられているクーポン受信回数に1を加算することにより、この使用履歴情報の更新を行う。なお、配信対象のクーポンのカテゴリIDは図6のクーポン情報より特定可能である。
また、クーポン配信部306は、一つのクーポンを携帯端末200に配信した後、配信先の携帯端末200の利用者IDと、配信処理にて配信したクーポンのクーポンIDと、配信時刻と、使用期限との対応関係を、記憶部30bに記憶されている配信履歴情報(図9参照)に記述することにより、当該配信履歴情報を更新する。なお、使用期限は図6のクーポン情報から検出できる。
【0076】
つぎに、図4の情報管理部307について説明する。情報管理部307は、必要に応じて記憶部30bにアクセスして、図5の利用者情報、図6のクーポン情報の書き換えを行うブロックである。
【0077】
つまり、新たな宿泊客の予約、チェックイン、チェックアウト等によって図5の利用者情報を書き換える必要が生じた場合、フロントデスク(不図示)の店員は、フロントデスクの端末装置からサーバ装置30にアクセスして図5の利用者情報の書き換えに必要なコマンドおよび情報をサーバ装置30に入力する。情報管理部307は、この入力に基づいて図5の利用者情報の書き換えを行う。また、図1に示す管理センタ14の管理者がサーバ装置30を操作して新たなクーポンを登録するための情報を入力した場合、情報管理部307は、当該入力に基づいて、図6のクーポン情報を書き換えて新たなクーポンを登録する。また、情報管理部307は、図6のクーポン情報に示される配信期間を定期的にチェックし、現時点が配信期間を過ぎているクーポンに関する情報についてはクーポン情報から消去する処理を行う。
【0078】
また、情報管理部307は、リゾートホテル内に設置されているいずれかのリーダライタ20に携帯端末200が接続されると、当該携帯端末200と接続されているリーダライタ20の設置されている商業施設において、当該携帯端末200の利用者によってクーポンが使用されたものと判定する。この判定を行った情報管理部307は、携帯端末200に接続されているリーダライタ20を介して携帯端末200の記憶部202cに記憶されている使用履歴情報(図10)にアクセスし、前記判定後の状況に応じた内容になるように当該使用履歴情報を更新する。以下では当該更新について説明する。
まず、携帯端末200の利用者によってクーポンが使用されたものと判定を行った情報管理部307は、携帯端末200と接続されているリーダライタ20のリーダライタIDをリーダライタ20から取得する。そして、情報管理部307は、記憶部30bに記憶されているリーダライタ情報(図12)を参照して、リーダライタ20のリーダライタIDに対応付けられているカテゴリIDを検出する。つぎに、情報管理部307は、リーダライタ20に接続されている携帯端末200の記憶部202cに記憶されている使用履歴情報(図10)にリーダライタ20を介してアクセスし、前記のようにして検出されたカテゴリIDに対応付けられているクーポン使用回数に1を加算することにより、使用履歴情報の更新を行うようになっている。
【0079】
つぎに、サーバ装置30の配信処理の手順の一例を図11に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、本実施形態では、サーバ装置30は図11に示される配信処理を定期的(例えば1時間毎)に実行するものとする。
【0080】
まず、サーバ装置30は、図5に示されている利用者情報のなかから、処理対象とする利用者IDを一つ選択する(S1)。
【0081】
つぎに、サーバ装置30は、処理対象の利用者IDの携帯端末200にアンテナATを介してアクセスし、アクセス先の携帯端末200の記憶部202cから図10の使用履歴情報を読み取る処理を行う(S2)。
【0082】
つぎに、サーバ装置30は、S2にて読み取った使用履歴情報に基づき、処理対象の利用者IDの携帯端末200について、クーポンの受信履歴が10件以上あるか否かを判定する(S3)。より具体的に説明すると、サーバ装置30は、図10の使用履歴情報に記録されている全てのクーポン受信回数の合計を求め、合計が10件以上ではない場合、クーポンの受信履歴が10件以上ではないと判定し、前記の合計が10件以上の場合、クーポンの受信履歴が10件以上であると判定するのである。
【0083】
そして、S3においてクーポンの受信履歴が10件以上ではないと判定された場合、サーバ装置30は、処理をS11にスキップさせる(S3にてNO)。これに対し、S3においてクーポンの受信履歴が10件以上であると判定された場合、サーバ装置30は処理をS4に移行させる(S3にてYES)。
【0084】
S4において、サーバ装置30は、図10の使用履歴情報に基づき、処理対象の利用者IDの利用者のクーポンの使用率をカテゴリID毎に算出し、使用率が20%(閾値)未満になっているカテゴリが有るか否かを判定する。S4において使用率が20%未満のカテゴリがないと判定された場合、サーバ装置30は、処理をS6にスキップさせる(S4にてNO)。これに対し、S4において使用率が20%未満のカテゴリがあると判定された場合、サーバ装置30は処理をS5に移行させる(S4にてYES)。
【0085】
S5において、サーバ装置30は、処理対象の利用者IDについて、使用率が閾値未満になっているカテゴリのクーポンの配信停止登録を行う。具体的に、サーバ装置30は、記憶部30bに記憶されている配信可否情報(図8参照)にアクセスし、処理対象の利用者IDと、使用率が閾値未満になっているカテゴリのカテゴリIDとに対応付けられている欄に示されている情報を「可」から「否」に書き換え、且つ、この欄に配信停止期限を記入する。
【0086】
S5の処理を終えると、サーバ装置30は、配信停止期限を超えているカテゴリが有るか否かを判定する(S6)。具体的に、サーバ装置30は、図8の配信可否情報において、処理対象の利用者IDに対応付けられて示されている配信停止期限のうち、現時点が配信停止期限を超えてしまっている配信停止期限の有無を判定する。そして、サーバ装置30は、図8の配信可否情報において、処理対象の利用者IDに対応付けられて示されている配信停止期限のうち、現時点が配信停止期限を超えてしまっている配信停止期限が有る場合、配信停止期限を超えているカテゴリが有ると判定する。これに対し、サーバ装置30は、図8の配信可否情報において、処理対象の利用者IDに対応付けられて示されている配信停止期限のうち、現時点が配信停止期限を超えてしまっている配信停止期限が無い場合、配信停止期限を超えているカテゴリが無いと判定する。
【0087】
配信停止期限を超えているカテゴリが無いと判定された場合、サーバ装置30は処理をS9およびS10にスキップする(S6にてNO)。つまり、S6にてNOの場合、サーバ装置30はS9およびS10の両方のステップを実行するようになっている。
【0088】
これに対し、配信停止期限を超えているカテゴリが有ると判定された場合、サーバ装置30は処理をS7に移行する。S7において、サーバ装置30は、配信停止期限を超えているカテゴリについて配信可能登録を行う。具体的に、サーバ装置30は、図8の配信可否情報(テーブル)において、処理対象の利用者IDに対応付けられている欄のうち、配信停止期限を超えているカテゴリの欄の情報を、「否」から「可」に書き換え、且つ、当該欄に示されている配信停止期限を消去する処理を行う。
【0089】
S7の後、サーバ装置30は、アンテナATを介して処理対象の利用者IDの携帯端末200にアクセスし、携帯端末200の記憶部202cに示されている使用履歴情報(図10)のうち、配信可能登録されたカテゴリのカテゴリIDに対応付けられているクーポン受信回数およびクーポン使用回数をクリアする(S8)。つまり、配信可能登録されたカテゴリのクーポン受信回数およびクーポン使用回数をゼロに書き換える。また、サーバ装置30は、図10の使用履歴情報のうち、配信可能登録されたカテゴリのカテゴリIDに対応付けられている最終使用時刻も消去する。
【0090】
サーバ装置30は、S8を終えると、処理をS9およびS10に移行する。つまり、サーバ装置30は、S8の次に、S9およびS10の両方のステップを実行するようになっている。
【0091】
S9において、サーバ装置30は、処理対象の利用者IDの利用者について、配信可能登録されているカテゴリのうち、クーポンの使用率が最も高いカテゴリを選択し、選択したカテゴリのクーポンをランダムに1件抽出する。具体的に、サーバ装置30は、図8に示す配信可否情報を参照し、処理対象の利用者IDに対応付けられている各欄のうち、「否」が記録されている欄のカテゴリIDを特定する。そして、サーバ装置30は、特定したカテゴリIDのカテゴリを選択の対象から除外した上で、S4において算出された使用率が最も高いカテゴリを選択するようになっている。その後、サーバ装置30は、図6のクーポン情報において、前記選択されたカテゴリのカテゴリIDに対応付けられているクーポンIDのクーポンのなかからランダムにクーポンを一つ抽出する。
【0092】
S10において、サーバ装置30は、処理対象の利用者IDの利用者について、配信可能登録されているカテゴリのうち、クーポンの使用率が最も低いカテゴリを選択し、選択したカテゴリのクーポンをランダムに1件抽出する。具体的に、サーバ装置30は、図8に示す配信可否情報を参照し、処理対象の利用者IDに対応付けられている各欄のうち、「否」が記録されている欄のカテゴリIDを特定する。そして、サーバ装置30は、特定したカテゴリIDのカテゴリを選択の対象から除外した上で、S4において算出された使用率が最も低いカテゴリを選択するようになっている。その後、サーバ装置30は、図6のクーポン情報において、前記選択されたカテゴリのカテゴリIDに対応付けられているクーポンIDのクーポンのなかからランダムにクーポンを一つ抽出する。
【0093】
なお、サーバ装置30は、S9およびS10を実行した後、S12に移行するようになっている。
【0094】
つぎに、S3にてNOの場合に実行されるS11の処理内容を説明する。S11では、サーバ装置30は、図6のクーポン情報に示されている各クーポンIDのクーポンのなかから、処理対象の利用者IDの携帯端末200に未送信のクーポン(以下「未送信クーポン」と称すこともある)をランダムに2件抽出する。具体的に、サーバ装置30は、図6のクーポン情報に示されている各クーポンIDのうち、下記の条件aを満たすクーポンIDのクーポンを2件ランダムに抽出するようになっている。つまり、下記の条件aを満たすクーポンIDのクーポンは未送信クーポンに相当する。
条件a:記憶部30bに記憶されている配信履歴情報(図9)において、処理対象の利用者IDに対応付けられているクーポンIDではないこと。
【0095】
なお、サーバ装置30は、S11を実行した後、S12に移行するようになっている。
【0096】
S12において、サーバ装置30は、S9およびS10、或いは、S11にて抽出したクーポンを、処理対象の利用者IDの携帯端末200へ配信する。
【0097】
S12の後、サーバ装置30は、図5に示されている利用者情報の全ての利用者IDを処理対象としたか否かの判定を行う(S13)。サーバ装置30は、図5に示されている利用者情報の全ての利用者IDを処理対象としていないと判定した場合(S13においてNO)、処理をS1に移行し、未だ処理対象としていない利用者IDをS1にて選択した上でS2以降の処理を繰り返し行う。これに対し、サーバ装置30は、図5に示されている利用者情報の全ての利用者IDを処理対象にしたと判定した場合(S13にてYES)、処理を終了する。
【0098】
以上にて示したように、本実施形態の情報配信システム100は、利用者に携帯させる携帯端末200と、携帯端末200と近距離無線通信を行うアンテナ(基地局)ATと、リゾートホテル(複合商業施設)に含まれる各商業施設に設置されており携帯端末200が接近すると当該携帯端末200と非接触通信を行うリーダライタ20と、アンテナATおよびリーダライタ20と接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、アンテナATを介して携帯端末200に配信する配信処理を行うサーバ装置30とを備えている。携帯端末200は、当該携帯端末200の利用者の前記クーポンの使用回数(使用頻度)を前記商業施設のカテゴリ毎(属性毎)に示した使用履歴情報(使用頻度情報)を記憶する記憶部202cを備える。サーバ装置30は、情報管理部307と使用率算出部303とカテゴリ選択部305とクーポン配信部306とを備えている。情報管理部(更新部)307は、携帯端末200がリーダライタ20に接続された場合、このリーダライタ20が設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用履歴情報を、前記判定後の内容に合致するように更新する処理を行うものである。読取部302は、アンテナATを介して携帯端末200と接続して前記使用履歴情報を読み取る処理を行うものである。使用率算出部(使用程度情報出力部)303は、読取部302にて読み取られた使用履歴情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用率(使用程度情報)を前記カテゴリ毎に求めるものである。カテゴリ選択部(選択部)305は、使用率算出部303にて算出された使用率に基づいて前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設のカテゴリを選択するものである。クーポン配信部306は、カテゴリ選択部305にて選択されたカテゴリの商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信する。
【0099】
以上の構成によれば、カテゴリ毎の利用者のクーポンの使用状況に応じて、カテゴリ(業種)を選択し、選択したカテゴリにて使用可能なクーポンを前記利用者に配信するようになっている。それゆえ、複合商業施設において、各商業施設のカテゴリ(業種)別の利用者のクーポンの使用状況に応じて、その利用者に適したカテゴリのクーポンを配信できる。
【0100】
また、カテゴリ選択部305は、使用率算出部303にて算出された使用率(使用の多さの程度)が最も高いカテゴリを選択するようになっている(S9)。これにより、過去に頻繁にクーポンを利用している商業施設と同じカテゴリの商業施設のクーポンの配信を望む利用者に対して当該クーポンを配信でき、利用者の満足度を高めるクーポン配信を行えるという効果を奏する。
【0101】
さらに、カテゴリ選択部305は、使用率算出部303にて算出される使用率(使用の多さの程度)が閾値(所定の基準)よりも低いカテゴリを前記選択の対象から除外するようになっている(S5)。これにより、利用者が興味を抱かないクーポンの配信を抑制でき、不必要なクーポンの配信によって利用者が煩わしく感じてしまう事を抑制できるという効果を奏する。
【0102】
また、クーポンの使用回数が多くはないもののゼロでもないカテゴリがある場合、前記利用者が当該カテゴリに興味を持っているものの、何らかの理由によって当該カテゴリの商業施設をあまり利用していないようなケースが考えられる。この点、本実施形態の情報配信システム100によれば、カテゴリ選択部305は、使用率算出部303にて算出される使用率(使用の多さの程度)が閾値(所定の基準)以上のカテゴリのうち、前記使用率が最も低いカテゴリを選択するようになっている(S10)。これにより、あるカテゴリに興味があるものの何らかの理由にて当該カテゴリの商業施設の利用回数が少ない利用者を当該カテゴリの商業施設に誘導でき、当該カテゴリの商業施設のリピータを増加させることができることを期待できる。
【0103】
また、前述したように、本実施形態のリゾートホテルに経営者が同一の提携ホテルがある場合、図1のサーバ装置30は、リゾートホテルに設置されているアンテナATおよびリーダライタ20に接続されているのみならず、提携ホテルに設置されているアンテナATおよびリーダライタ20にも接続されている。つまり、この場合のサーバ装置30は、リゾートホテル内に位置している携帯端末200との間で図11に示す配信処理を実行すると共に、提携ホテル内に位置している携帯端末200との間でも図11に示す配信処理を実行できる。つまり、以下に示すような事が可能になる。すなわち、利用者Aがリゾートホテルの宿泊中に携帯端末200を使用し、この利用者Aが、リゾートホテルのチェックアウトの際、当該携帯端末200のICカード202を持ち帰ったものとする。そして、後日に、利用者Aは、提携ホテルにチェックインした際、提携ホテルから貸し出された携帯端末200のホルダ201に、以前にリゾートホテルから持ち帰ったICカード202を挿入した上で、当該携帯端末200を提携ホテルにて使用できるのである。この場合、提携ホテルにおいて利用者Aに利用される携帯端末200のICカード202には、リゾートホテルの宿泊中に書き込まれた使用履歴情報(図10)が残っているが、提携ホテルにおいても当該使用履歴情報が引き続き援用されるのである。
【0104】
なお、以上の実施形態では言及していないが、携帯端末200に電子マネー(金銭価値情報)を記憶させ、当該電子マネーによる決済が行われるようになっていてもよい。つまり、リゾートホテル内のフロントデスク等で携帯端末200に電子マネーをチャージし、携帯端末200をリーダライタ20に近づけると電子決済が行われるようになっていてもよい。また、この場合、カジノエリアに設置されている各スロットマシンにリーダライタを取り付け、スロットマシンにおいても電子決済を可能にしてもよい。
【0105】
なお、以上の実施形態では、リゾートホテルに設置される情報配信システムを例示したが、情報配信システムの設置先は、複数の商業施設を有する複合商業施設であればよく、リゾートホテルに限定されない。このような複合商業施設としては、リゾートホテルの他、ショッピングモール、テーマパーク等が挙げられる。
【0106】
また、図11の処理によれば、定期的に利用者の携帯端末200に対してクーポンが配信されるようになっているため、長時間宿泊エリアのみに滞在する利用者に対して定期的にクーポンを配信することになり、このような宿泊客に対しても定期的に各商業エリアの各店舗に誘導することができ、各商業エリアの各店舗の利用者増に繋がるという効果を有する。
【0107】
また、本実施形態では、図6および図7に示すように、各クーポンのクーポンIDに、各クーポンを使用できる商業施設のカテゴリ(属性)を示すカテゴリIDを対応付け、カテゴリ毎の使用率に基づいてクーポンの配信を行う形態であるが、当該形態に限定されない。例えば、カテゴリIDのカテゴリを細分化したサブカテゴリを作成し、各クーポンのクーポンIDに、各クーポンを使用できる商業施設のサブカテゴリ(属性)を示すサブカテゴリIDを対応付け、サブカテゴリ毎の使用率に基づいてクーポンの配信を行うようになっていてもよい。つまり、図13に示すように、サブカテゴリIDとサブカテゴリの名称との対応関係を示したサブカテゴリ情報を記憶部30bに記憶しておく。そして、図6のクーポン情報、図8の配信可否情報、図9の配信履歴情報、図10の使用履歴情報において、カテゴリIDの代わりにサブカテゴリIDが示され、カテゴリIDの代わりにサブカテゴリIDを用いて図11の配信処理が実行されることになる。
【0108】
なお、図13に示すサブカテゴリは、上述したように、カテゴリを細分化したものである。例えば、「スロット」「トランプ」「ルーレット」というサブカテゴリは「カジノ」というカテゴリを細分化したものであり、「スペイン料理」「イタリアン」「フレンチ」というサブカテゴリは「レストラン」というカテゴリを細分化したものである。
【0109】
また、本実施形態では、使用履歴情報に示されている使用回数(使用頻度)を受信回数で除算して使用率(使用程度情報)を求め、この使用率に基づいてカテゴリの選択処理が行われるが、使用率を求めることなく、使用履歴情報に示されている使用回数(使用頻度,使用程度情報)を用いてカテゴリの選択処理を行ってもよい。つまり、この場合、S9において、使用回数の最も多いカテゴリが選択され、S10において、使用回数の最も少ないカテゴリが選択されることになる。
【0110】
なお、上記した各実施形態における制御部30aの各部は、CPU(Central Processing Unit)などの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の情報配信システム100の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0111】
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0112】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0113】
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
【0114】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0115】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0116】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は複合商業施設の利用者に対してコンテンツを配信する情報配信システムに利用できる。
【符号の説明】
【0118】
20 リーダライタ
30 サーバ装置
30a 制御部
100 情報配信システム(配信システム)
200 携帯端末
202c 記憶部
301 処理対象選択部
302 読取部
303 使用率算出部(使用程度情報出力部)
304 可否情報更新部
305 カテゴリ選択部(選択部)
306 クーポン配信部
307 情報管理部(更新部)
AT アンテナ(基地局)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携帯する携帯端末と、前記携帯端末と無線通信を行う基地局と、複合商業施設に含まれる各商業施設に設置されており前記携帯端末が接近すると当該携帯端末と非接触通信を行うリーダライタと、前記基地局および前記リーダライタと接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、前記基地局を介して前記携帯端末に配信する配信処理を行うサーバ装置とを備え、
前記携帯端末は、当該携帯端末の利用者の前記クーポンの使用頻度を前記商業施設の属性毎に示した使用頻度情報を記憶する記憶部を備え、
前記サーバ装置は、
前記携帯端末が前記リーダライタに接続された場合、このリーダライタが設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用頻度情報を、前記判定の後の内容に合致するように更新する更新部と、
前記基地局を介して前記携帯端末と接続して前記使用頻度情報を読み取る読取部と、
前記読取部にて読み取られた使用頻度情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用程度情報を前記属性毎に求める使用程度情報出力部と、
前記使用程度情報に基づいて、前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設の属性を選択する選択部とを備え、
前記選択部にて選択された属性の商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信するようになっていることを特徴とする配信システム。
【請求項2】
前記選択部は、前記使用程度情報にて示されている使用の多さの程度が最も高い属性を選択することを特徴とする請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記選択部は、前記使用程度情報にて示されている使用の多さの程度が所定の基準よりも低い属性を前記選択の対象から除外することを特徴とする請求項1または2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記選択部は、前記使用程度情報にて示されている使用の多さの程度が所定の基準以上の属性のうち、前記の程度が最も低い属性を選択することを特徴とする請求項3に記載の配信システム。
【請求項5】
利用者が携帯する携帯端末と、前記携帯端末と無線通信を行う基地局と、複合商業施設に含まれる各商業施設に設置されており前記携帯端末が接近すると当該携帯端末と非接触通信を行うリーダライタと、前記基地局および前記リーダライタと接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、前記基地局を介して前記携帯端末に配信する配信処理を行うサーバ装置とを備えた配信システムの制御方法であって、
前記携帯端末が、当該携帯端末の利用者の前記クーポンの使用頻度を前記商業施設の属性毎に示した使用頻度情報を記憶する記憶部を備えており、
前記サーバ装置が、
前記携帯端末が前記リーダライタに接続された場合、このリーダライタが設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用頻度情報を、前記判定の後の内容に合致するように更新する工程と、
前記基地局を介して前記携帯端末と接続して前記使用頻度情報を読み取る工程と、
読み取られた使用頻度情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用程度情報を前記属性毎に求める工程と、
前記使用程度情報に基づいて、前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設の属性を選択する工程と、
選択された属性の商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信する工程とを実行するようになっている配信システムの制御方法。
【請求項6】
利用者が携帯する携帯端末と、前記携帯端末と無線通信を行う基地局と、複合商業施設に含まれる各商業施設に設置されており前記携帯端末が接近すると当該携帯端末と非接触通信を行うリーダライタと、前記基地局および前記リーダライタと接続されており、前記商業施設にて使用可能なクーポンを、前記基地局を介して前記携帯端末に配信する配信処理を行うサーバ装置とを備えた配信システムを制御する制御プログラムであって、
前記携帯端末が、当該携帯端末の利用者の前記クーポンの使用頻度を前記商業施設の属性毎に示した使用頻度情報を記憶する記憶部を備えており、
前記サーバ装置のコンピュータに、
前記携帯端末が前記リーダライタに接続された場合、このリーダライタが設置されている商業施設において前記クーポンが使用されたもの判定して、前記使用頻度情報を、前記判定の後の内容に合致するように更新する工程と、
前記基地局を介して前記携帯端末と接続して前記使用頻度情報を読み取る工程と、
読み取られた使用頻度情報に基づき、前記クーポンの使用の多さの程度を示した使用程度情報を前記属性毎に求める工程と、
前記使用程度情報に基づいて、前記配信処理にて配信されるクーポンを使用できる商業施設の属性を選択する工程と、
選択された属性の商業施設にて使用可能なクーポンを前記配信処理にて配信する工程とを実行させる制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−65109(P2013−65109A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202429(P2011−202429)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)