配信システム及びその管理方法
【課題】 画像形成装置に複数のファームウェアを一括で配信する際に、それら複数のファームウェアの構成を認識不明の場合にも、適切な配信の制御を可能とする。
【解決手段】 画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理し、画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する。収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループと一致するか否かを判定する。判定の結果、一致しない場合、収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む、管理されたファームウェアグループを特定する。そして、一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理する。
【解決手段】 画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理し、画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する。収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループと一致するか否かを判定する。判定の結果、一致しない場合、収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む、管理されたファームウェアグループを特定する。そして、一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の複数のファームウェアを管理して配信する配信システム及びその管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置のファームウェアのバージョンアップもしくは障害等の理由によりファームウェアを更新する必要が生じた場合に、次のようにファームウェアの更新を行っている。インターネット経由で配信サーバによりファームウェアの更新を行うか、USB経由/イントラネット経由のアップデートツールを使用することでファームウェアの更新を行う。
【0003】
配信サーバによりファームウェアの更新を行う場合、画像形成装置からファームウェアの構成情報を通知してもらい、その構成情報を元に、適用するファームウェアを決定し、配信処理を行う。その際に、配信サーバは画像形成装置のファームウェア構成を認識する必要がある。
【0004】
最近では、クライアントに最適なソフトウェアを配信するための技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この技術によると、クライアント/サーバシステムにおいて、個々のクライアントコンピュータで使用可能なマスタを管理する。サーバコンピュータは、マスタを更新する際に、そのバージョン情報の中に、クライアントコンピュータで稼働する機能を一意に識別するための機能識別情報を組み込む。そして、サーバコンピュータは、クライアントコンピュータから通知されたバージョン情報を含むマスタの送信要求と自身が保持するマスタのバージョン情報とを比較する。そして、サーバコンピュータは、比較結果からクライアントコンピュータの機能に応じた適切なバージョンのマスタを要求元のクライアントコンピュータに配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−268932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像形成装置は複数の機能の集合体であり、機能毎にファームウェアがあり、それぞれバージョンが付与されている(以後、機能毎のファームウェアを「機能別ファームウェア」と呼ぶ)。また、画像形成装置にファームウェアを配信する配信サーバには、複数の機能別ファームウェアが組み合わされたファームウェアの集合体を登録する(以後、この集合体を「ファームウェアグループ」と呼ぶ)。
【0007】
配信サーバに登録するファームウェアグループには、バージョンを発番して登録する(以後、このバージョンを「ファームウェアグループバージョン」と呼ぶ)。ファームウェアグループは、配信サーバで定義して登録するので、画像形成装置は、ファームウェアグループの情報は、持っていない。
【0008】
配信サーバは、画像形成装置のファームウェアを安全にアップデートするために、機能別ファームウェアの組み合わせが適切なファームウェアグループを登録している。
【0009】
画像形成装置に、ファームウェアを適用するには、まず、画像形成装置内に搭載されているクライアントモジュールが、画像形成装置内の機能別ファームウェアの情報を、配信サーバに通知する。
【0010】
配信サーバは、前記機能別ファームウェアの情報の通知を受け取り、配信サーバに登録されている複数のファームウェアグループと比較する。
【0011】
そして、配信サーバは、画像形成装置の情報と合致するファームウェアグループがあればそれを、画像形成装置のファームウェアグループバージョンとして認識する。
【0012】
合致しなければ、画像形成装置の情報を不正のものとして、画像形成装置のファームウェアグループバージョンを“不明”とする。
【0013】
配信サーバは、画像形成装置のファームウェアグループバージョンが認識できれば、アップデートを許可するが、“不明”であれば許可をしない。なぜなら、“不明”状態の画像形成装置に対して、ファームウェアをアップデートさせると、画像形成装置が誤動作をする恐れがあるからである。
【0014】
このような理由から、配信サーバでアップデートを可能とするために、市場にある画像形成装置の、機能別ファームウェア情報は、配信サーバに登録されているファームウェアグループのいずれかと、一致する必要がある。
【0015】
しかし、画像形成装置の利用者に適したカスタマイズを行うためには、配信サーバでのアップデートではなく、USB経由/イントラネット経由のアップデートツールなどを使用した個別のファームウェアのアップデートなどを可能とする必要がある。この場合、画像形成装置における複数のファームウェアの構成が配信サーバ上で管理されている組合せと異なってしまい、配信サーバでは画像形成装置のファームウェアグループバージョンが“不明”な状態であると判定される。つまり、一部のファームウェア構成の変更により、そのほかのファームウェアを含めた配信サーバでの一括でのアップデートが不可能になるという利便性の観点での課題が生じる。
【0016】
本発明は、画像形成装置に複数のファームウェアを一括で配信する際に、それら複数のファームウェアの構成を認識不明の場合にも、適切な配信の制御を可能とするための手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、画像形成装置の複数のファームウェアを管理して、ファームウェアの配信を制御する配信システムであって、
前記画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理する管理手段と、
画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する収集手段と、
前記収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループの構成情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、一致しない場合、前記収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む前記管理されたファームウェアグループを特定する特定手段と、を有し、
前記管理手段は、前記判定手段により一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、像形成装置に複数のファームウェアを一括で配信する際に、それら複数のファームウェアの構成を認識不明の場合にも、適切な配信の制御を可能とするためのシステムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態における監視システムの全体的な構成例を示す図。
【図2】監視センタホストのハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】監視装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図4】監視装置の別のハードウェア構成を示す図。
【図5】画像形成装置におけるハードウェア構成の一例を示す図。
【図6】監視センタホスト、配信サーバにおける監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を示す図。
【図7】監視装置における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を示す図。
【図8】画像形成装置における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を示す図。
【図9】監視センタホスト、配信サーバ、監視装置、又は画像形成装置のメモリマップの構造を示す図。
【図10A】配信システムによるファームウェアの配信処理の概念を示す図。
【図10B】画像形成装置に登録されている機能別ファームウェアの構成を示す図。
【図10C】“不明解消処理”の実行を説明するための図。
【図10D】“不明解消処理”を実行させるための画面を示す図。
【図11】画像形成装置のファームウェアを配信するシステムを示す図。
【図12】配信サーバにて実行される登録処理を示すフローチャート。
【図13】S1203の処理の詳細を示すフローチャート。
【図14】S1207の処理の詳細を示すフローチャート。
【図15】S1209の処理のの詳細を示すフローチャート。
【図16】モジュールを決定して送信する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0021】
<システム構成>
まず、本実施形態における監視システムの全体的な構成例を、図1を用いて説明する。図1に示すように、監視システムには、複数の販売会社のシステム101、106が接続されている。また、管轄の地域や顧客の販売情報や監視システムに関わる情報を蓄積するためのデータベース103、108もシステム101、106に含まれている。
【0022】
システム101、106には、データベース103、108へのデータ登録や修正などの制御を行うパーソナルコンピュータ(PC)104、109も含まれている。そして、PC104、109は、インターネット上のサーバである監視センタホスト111が提供するWebサイトにアクセスしてデータの閲覧等を行う。
【0023】
システム101、106には、販売会社ホスト102、107が含まれ、それぞれ監視センタホスト111のデータを使用して課金処理やサービスマン派遣処理などの販売会社の業務を行う役割を持つ。また、操作部及び表示部を持ち、PC104、109の役割を果たすことも可能である。
【0024】
上述の販売会社ホスト102、データベース103、PC104はLAN105で接続され、同様に販売会社ホスト107、データベース108、PC109もLAN110で接続されている。尚、図1では、販売会社のシステム101、106は、複数の装置から構成されるよう示されているが、後述する各機能が達成されるならば、1つの装置で構成されてもよい。例えば、データベース103、108は、物理的に販売会社ホスト102、107内にそれぞれ存在してもよく、販売会社ホスト102、107からアクセス可能であれば、インターネットを経由した別の場所に存在しても構わない。
【0025】
このように、販売会社側と顧客側の中間に監視センタホスト111が存在する。ここで、監視センタホスト111には、監視のための情報や顧客側から収集した画像形成装置のカウンタ、障害履歴情報、障害パターンテーブルなどを蓄積する履歴記憶装置として機能するデータベース112が含まれる。この監視センタホスト111とデータベース112とはLAN113で接続され、LAN113を介してインターネットに接続可能となっている。尚、データベース112は、物理的に監視センタホスト111内に存在してもよい。更に、監視センタホスト111からアクセス可能であれば、インターネットを経由した別の場所に存在しても構わない。
【0026】
また、監視センタホスト111は、後述する監視装置117、122、123、131から監視対象としての画像形成装置の情報、稼働状態を示す情報、障害情報などを収集、蓄積、加工し、警告などを外部に提供する機能を有する。例えば、販売会社ホスト102、107にこれらの情報を配信する役割(機能)を有する。これらの情報として、トナー切れ、ドアオープン、ドラム交換、カートリッジなし、冷却ファン異常、基板異常、原稿台ガラス汚れ、ステイプル切れ、給紙センサ光量不足などを例として挙げることができる。また、フォントメモリオーバーフロー、レンダリングエラー、定着器異常、カウンタ異常、両面ユニット異常、紙詰まりなどを挙げることもできる。更に、カウンタ情報として、販売会社の課金対象となる課金カウンタ、顧客の部門別に集計された部門カウンタ、用紙サイズ別に集計されたサイズ別カウンタ、画像形成装置内の部品の消耗度を示す部品カウンタなどが挙げられる。
【0027】
上述の課金カウンタは画像形成装置の印刷枚数を示し、部門カウンタは顧客が設定している部門毎の印刷枚数を示す。部品カウンタは、例えばドラムなどの部品では、その回転数をカウンタとし、スキャナランプなどの部品では、時間(秒)をカウンタとする。これらの稼働情報を示す情報が稼働情報となる。
【0028】
更に、販売会社ホスト102、107は、それぞれ監視センタホスト111に監視対象としている画像形成装置の情報や監視に関する設定を監視センタホスト111に登録することができる。監視センタホスト111では、各販売会社ホスト102、107から登録された監視対象の画像形成装置や監視に関する設定をマージして一括管理できる。また、監視装置117、122、123や画像形成装置131に対して監視に関わる設定を行うこともできる。
【0029】
ここで、監視システムによるサービスは、販売会社と顧客との契約に基づいて提供されるものである。従って、販売会社が契約に基づいて監視対象と決定した画像形成装置のみを、監視システムの監視対象としている。監視センタホスト111は、インターネットを介して接続されたPCに対して、データベース112に蓄積した情報又は加工した情報を閲覧するWebページを提供している。このWebページは、ユーザ認証により販売会社別、顧客別、ユーザの権限別に閲覧内容を限定して提供している。更に、Webページから一部データの変更も可能としている。
【0030】
また、販売会社側と顧客側の中間に配信サーバ133が存在する。また、データベース134には、画像形成装置に適用するためのファームウェアやアプリケーション、ソフトウェアライセンス情報などが蓄積され、データベース134は記憶装置として機能する。配信サーバ133とデータベース134はLAN135で接続され、LAN135を介してインターネットに接続可能となっている。尚、データベース134は、物理的に配信サーバ133内に存在してもよい。更に、配信サーバ133からアクセス可能であれば、インターネットを経由した別の場所に存在しても構わない。LAN113とLAN135は同一としてもよく、データベース134とデータベース112はデータを共有しても構わない。
【0031】
図1に示す例では、監視センタホスト111、データベース112、配信サーバ133、データベース134はそれぞれ1つ示されている。しかし、実際には、多くの画像形成装置及び監視装置からの情報収集やファームウェア配信の負荷分散を行うために、複数の監視センタホスト、データベースに分散処理をさせてもよい。また、複数の配信サーバ、データベースを用いて配信処理をさせてもよい。以下の説明では、配信サーバ133及び配信サーバ133と通信可能なデータベース134を総称して「配信システム」と呼び、説明を簡易化する。
【0032】
次に、顧客側のシステム構成について説明する。顧客側の環境としては、異なる複数の環境が存在する。図1では、顧客システム114、119、129が示されている。顧客システム114(A社X事業所)は、インターネットに接続可能なLAN118を介して画像形成装置115、116が監視装置117により監視され、監視装置117はインターネット経由で監視センタホスト111と通信可能である。
【0033】
一方、顧客システム119(A社Y事業所)は、監視装置122、123によりLAN128上の画像形成装置120、121、124〜127が管理されている。この例では、監視装置122が画像形成装置120、121、124、125を、監視装置123が画像形成装置126、127を管理している。
【0034】
また、顧客129(B社)は、インターネットに接続可能なLAN130を介して画像形成装置131自身が直接、インターネット経由で監視センタホスト111と通信可能である。画像形成装置131は、監視装置117、122,123と同じ機能を有し、自身の情報(例えばカウンタ情報や障害等の発生)を積極的に監視センタホスト111に送信する。
【0035】
尚、以下の点に留意する必要がある。
(1)上述の構成におけるインターネットを介した通信においては、HTTP/SOAPプロトコルが利用可能である。尚、SOAPは、Simple Object Access Protocolの略称である。また、SOAPは、XML(eXtended Markup Language)をベースとして、あるコンピュータから他のコンピュータへのデータやサービスを呼び出すためのプロトコルである。本例では、SOAPはHTTPの上に実装される。SOAPによる通信は、XML文書に付帯情報を付けたSOAPメッセージを交換することによって行われる。
【0036】
従って、このSOAPをサポートするコンピュータには、SOAPメッセージを生成するSOAPメッセージ生成部と、SOAPメッセージを解釈するSOAPメッセージ解釈部とが備えられている。画像形成装置の状態情報は、本実施形態ではSOAPメッセージによって監視センタホスト111に送信される。
(2)A社における各画像形成装置は監視装置を介して監視センタホスト111と通信を行うように説明した。しかし、設定の変更により、B社に設置される画像形成装置131と同様に監視装置を介することなく、監視センタホストとの通信を行ってもよい。
【0037】
<ハードウェア構成>
次に、監視センタホスト111のハードウェア構成の一例を、図2を用いて説明する。尚、配信サーバ133、販売会社ホスト102、107のハードウェア構成も監視センタホスト111の構成と同様である。
【0038】
図2において、第1CPU201、第2CPU202は、監視センタホスト111の各処理を司る。書換え不可能なROM203は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。RAM204は、各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶できかつ書き換え可能である。
【0039】
第1HDD205、第2HDD206は、各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などを記憶する。例えば、部品カウンタ、課金カウンタ、部門カウンタなどがハードディスクに保存される。
【0040】
監視センタホスト111の場合、後述する図6に示す処理を第1HDD205に有している。このプログラムは、RAM204を一時保存領域として使用し、第1CPU201もしくは、第2CPU202によって呼び出され実行される。配信サーバ133の場合も同様に、後述する図6に示す処理を第1HDD205に有している。このプログラムは、RAM204を一時保存領域として使用し、第1CPU201もしくは、第2CPU202によって呼び出され実行される。
【0041】
操作部207は、監視センタホスト111への指示入力を受け付けるキーボードやポインティングデバイスを含む入力装置として機能する。表示部208は、監視センタホスト111の動作状況や、動作する各プログラムが出力する情報を表示する。NetworkI/F209は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。外部機器I/F210は外部記憶機器などを接続する。これらの要素がシステムバス211により結び付き、データを授受している。
【0042】
次に、監視装置117、122、123のハードウェア構成の一例を、図3を用いて説明する。また、PC104、109のハードウェア構成も図3に示すハードウェア構成と同様である。
【0043】
CPU301は、監視装置上の各処理を司る。ROM302は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶し、書換え不可能である。RAM303は、各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶できかつ書き換え可能である。監視装置117では、各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などをHDD304に記憶する。また、PC104、109では、WebページなどをHDD304に記憶する。
【0044】
入力装置305は、監視装置への指示入力を受け付けるキーボードやポインティングデバイスである。表示部306は、監視装置の動作状況や装置上で動作する各プログラムが出力する情報を表示する。NetworkI/F307は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。外部機器I/F308は外部記憶機器等を接続する。これらがシステムバス309により結び付き、データを授受している。
【0045】
ここで、監視装置117、122、123の別のハードウェア構成を、図4を用いて説明する。CPU401は、監視装置上の各処理を司る。ROM402は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶し、書換え不可能である。FlashROM403は、各処理に関わるデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などを記憶する。シリアルI/F404は、監視装置上のプログラムがエラーやログを出力しており、シリアルケーブルを用いて端末を接続可能である。NetworkI/F405は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。これらがシステムバス406により結び付き、データを授受している。
【0046】
次に、画像形成装置115、116、120、121、124〜127、131におけるハードウェア構成の一例を、図5を用いて説明する。画像形成装置としては、具体的には、プリンタ及びファクシミリ機能が統合的に設けられた複合機、PCなどからデータを受信し印刷するプリンタ(電子写真方式及びインクジェット方式を含む)、スキャナー、ファクシミリなどが挙げられる。図5では、画像形成装置の一例として、複合機の構成を示している。
【0047】
イメージリーダ502は、原稿給送部501で原稿を読み込む。イメージリーダ502、画像形成部503は、読み込んだ原稿やネットワーク経由で受信したデータを印刷画像に変換し印刷出力する。排紙部504は、印刷出力した紙を排出し、ソートやステイプルといった処理を施す。NetworkI/F505は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。
【0048】
CPU506は、画像形成装置上の各処理を司る。画像形成装置の動作状態を監視し、障害等の特定のイベントが発生した場合には、その状態を示す状態情報を予め定めた宛先へと送信する。宛先は例えば、監視センタホスト111や監視装置などである。不揮発性記憶装置のROM507は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。書き換え可能なRAM508は、各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶する。HDD509は、各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、画像形成装置へ送信されてきたユーザデータなどを記憶する。
【0049】
画像形成装置は、後述する図8の処理をHDD509に有している。このプログラムは、RAM508を一時保存領域として使用し、CPU506によって呼び出され実行される。
【0050】
操作部510は、画像形成装置への指示入力を受け付ける。表示部511は、画像形成装置の動作状況や操作部510に対する操作に関わる情報を表示する。そして、これらがシステムバス512により結び付き、データを授受している。
【0051】
尚、画像形成装置自身が監視のための情報を積極的に送信する機能を持つ画像形成装置131では、ROM507或いはHDD509内に、監視データ送出処理にかかわるプログラムやデータを保持している。
【0052】
<ソフトウェア>
次に、監視センタホスト111、配信サーバ133における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を、図6を用いて説明する。SOAP通信部601は、監視装置117、122、123又は画像形成装置131よりNetworkI/F209を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部602に渡す。また、SOAPメッセージ作成部603により作成したSOAPデータをNetworkI/F209を介して監視装置117、122、123又は画像形成装置131に送信する。
【0053】
収集情報処理部604では、監視下の監視装置117、122、123や画像形成装置131から受信した情報をそのまま又は加工し、データベースアクセス部606を介してデータベース112、134に格納する。
【0054】
また、収集情報処理部604は、遠隔監視システムに関わる機能を実現する。監視下の監視装置117、122、123や画像形成装置131から受信した情報、データベース112、データベース134に格納されているデータを元にカウンタ情報の集計、エラー情報、ファーム最新情報を担当サービスマンや顧客側管理者へ通知する。
【0055】
監視制御部605は、監視装置117、122、123や画像形成装置131の情報を取得しに行くスケジュール管理、監視内容、方法の制御を行う。更に、監視制御部605は、必要に応じて、監視下の監視装置117、122、123や画像形成装置131へSOAPメッセージ作成部603、SOAP通信部601、NetworkI/F209を介して指示を送信する。
【0056】
次に、監視装置117、122、123における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を、図7を用いて説明する。SOAP通信部701は、監視センタホスト111よりNetworkI/F307、405を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部703に渡す。また、SOAP通信部701は、SOAPメッセージ作成部702が作成したSOAPデータをNetworkI/F307、405を介して監視センタホスト111、配信サーバ133に送信する。
【0057】
監視制御部704は、後述する監視センタホスト111からの監視設定に従って、情報蓄積部706に保持する監視画像形成装置情報の更新や、画像形成装置115、116の情報を取得し、スケジュール管理を行う。
【0058】
デバイス情報処理部705は、監視制御部704が管理するスケジュールにより、監視装置が積極的に画像形成装置115、116から収集したカウンタ情報、サービスコールやジャム、トナー切れなどの情報を、情報蓄積部706に蓄積する。また、この蓄積は、画像形成装置115、116の状態に応じて行われる。
【0059】
情報蓄積部706に蓄積されたデータは、デバイス情報処理部705を介してそのままSOAPメッセージ作成部702に渡されて監視センタホスト111へ送信される。又は、デバイス情報処理部705内で解釈、加工されてからSOAPメッセージ作成部702に渡されて監視センタホスト111へ送信される場合もある。
【0060】
次に、画像形成装置115、116、120、121、124〜127、131における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を、図8を用いて説明する。SOAP通信部801は、監視センタホスト111、配信サーバ133よりNetworkI/F505を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部803に渡す。また、SOAP通信部801は、SOAPメッセージ作成部802が作成したSOAPデータをNetworkI/F505を介して監視センタホスト111、配信サーバ133に送信する。
【0061】
ネットワーク情報取得部804は、DHCP環境の場合、IPアドレス、DNSサーバ、ゲートウェイアドレスを自動的に取得することが可能である。また、ネットワーク情報取得部804は、操作部510から入力されHDD509に保存されたネットワーク情報が存在する場合は、その情報を取得する。
【0062】
デバイス情報収集部805は、複合機内部のスケジュールにより、又は、監視センタホスト111からの指示により内部に保持するカウンタ情報を取得し、また、内部で発生したサービスコールやジャム、トナー切れなどの情報を取得する。取得したデータは、そのままSOAPメッセージ作成部802に渡し、監視センタホスト111へ送信する。また、デバイス情報収集部805内で蓄積、解釈、加工してからSOAPメッセージ作成部802に渡し、監視センタホスト111へ送信する。
【0063】
次に、監視センタホスト111、配信サーバ133或いは、監視装置117、122、123或いは、画像形成装置115、116、120、121、124〜127、131におけるメモリマップの構造を、図9を用いて説明する。図9は、処理プログラムを実行する際に、監視センタホスト111ではRAM204上に、各監視装置117ではRAM303或いはFlashROM403上に、各画像形成装置ではRAM508上にプログラムをロードしたメモリマップである。
【0064】
メモリマップは、基本I/Oプログラム901、システム・プログラム902、本実施形態の処理プログラムを初めとする各種処理プログラム903、関連データ904、プログラムのワークエリア905で構成されている。基本I/Oプログラム901は、本装置上の入出力を司る。システム・プログラム902は、各処理プログラムに動作環境を提供する。
【0065】
尚、容量の制約により、プログラムやデータ、ワークエリアとして利用する領域が足りなくなった場合、第1HDD205又は第2HDD206をRAM204、HDD304をRAM303、HDD509をRAM508、の領域の一部として扱ってもよい。
【0066】
以上の構成において、配信システムが画像形成装置の複数のファームウェアを管理し、画像形成装置へファームウェアを配信する際の処理を図10Aに示す概念図を用いて説明する。
【0067】
まず、図10Aに示すように、配信サーバ1004が市場に設置されている複数の画像形成装置1001、1002、1003の機能別ファームウェアの情報を収集する。複数の画像形成装置1001、1002、1003に登録されている機能別ファームウェアの情報の構成を図10Bに示す。
【0068】
図10Bにおいて、“シリアルNo.”は、画像形成装置固有の識別子(ID)である。また、“配信サーバが認識するファームウェアグループバージョン”は、画像形成装置の“機能別ファームウェア:バージョン”から、配信サーバ1004が認識したファームグループバージョンである。
【0069】
そして、図10Aに示す例では、配信サーバ1004に登録されているファームウェアグループバージョンはV22.2とV22.3である。V22.2とV22.3の詳細を図10Cの1021、1022、1023に示す。
【0070】
画像形成装置1001、1002、1003は、クライアントモジュールによって配信サーバ1004に自身の機能別ファームウェアの情報を送信する。配信サーバ1004は、機能別ファームウェアの情報を自身に登録されているファームグループと比較することで、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を認識する。
【0071】
次に、各画像形成装置の機能別ファームウェアのバージョンと、配信サーバ1004に登録されているファームウェアグループ1014のバージョンとを比較し、完全一致するか否かを確認する。その結果、画像形成装置1001の機能別ファームウェア1011は、配信サーバ1004のファームウェアグループバージョンが22.2と合致する。
【0072】
ここで図示される通り、配信サーバ1004は、複数のファームウェアグループを、画像形成装置の商品コードとファームグループのバージョンとを用いて分類して管理する。ここで、ファームグループのバージョンはメインコントローラ(MN_CONT)のバージョンが用いられるものとする。
【0073】
従って、画像形成装置1001は、一括更新を許可する組み合わせのファームグループバージョンがV22.2と認識できる。また同様に、画像形成装置1002は、一括更新を許可する組み合わせのファームグループバージョンがV22.3と認識できる。
【0074】
一方、画像形成装置1003は、配信サーバ1004のファームウェアグループの比較処理(1015、1016)で一致しないため、ファームグループバージョンが“不明”と判断(1017)される。
【0075】
このような状況に対して、本実施形態では、“不明解消処理”(1018)を実行することで、不明状態を解消する。この“不明解消処理”は、市場障害対応などで市場の画像形成装置を緊急にアップデートする必要がある場合に使用してもよいし、市場の画像形成装置の状態把握に使用してもよい。それ以外のケースで使用してもよい。
【0076】
また、“不明解消処理”は、配信サーバを操作するWeb画面から指定してもよいし、他の方法をトリガーとしてもよい。本実施形態では、図10Dに示す配信サーバ1004のWeb画面1024において不明解消処理実行ボタン1026を押下することにより、“不明解消処理”を実行させる。
【0077】
図10Aに示すように、“不明解消処理”が配信サーバ1004のWeb画面1024から指定されると、配信サーバ1004は不明状態となっている画像形成装置1003の機能別ファームウェアの構成を再検証する。この“不明解消処理”が実行されている状態を図10Cに示す。“不明解消処理”1018では、画像形成装置1003の機能別ファームウェアとバージョンとの組み合わせを配信サーバに登録されているファームグループバージョンと再度、チェックする。図10Cに示す例では、画像形成装置1003の機能別ファームウェアの情報1013により配信サーバのファームウェアグループ1014の何れと一致するかを判定する。ここで、機能別ファームウェアの情報1013とファームウェアグループ1021とは、画像形成装置の中枢ファームウェアのメインコントローラ(MN_CONT)のバージョンが異なり、一致しないと判定する。
【0078】
次に、機能別ファームウェアの情報1013とファームウェアグループ1022とは、MN_CONT、MN_CONT,LANG,MEAP,RUI,FINのバージョンが同じで、DCON, TRIM, TSP, NLSのバージョンが異なる。
【0079】
不明解消処理が実行され(1018)、チェック結果の差異が、画像形成装置の動作上、問題ないと判断できれば、配信サーバ1004に新たな組み合わせパターンとして登録する(1019)。この場合、配信サーバ1004は、画像形成装置のキーとなる機能別ファームウェア(MN_CONT,LANG,MEAP,RUI,FIN)のバージョンが同じなので、問題ないと判断する。この処理の詳細な説明は、図14を用いて更に後述する。
【0080】
このように、配信サーバ1004で検証した結果、問題ないと判断されると、ファームウェアグループ1023をV22.3の新規パターンとして登録する。従って、画像形成装置1003の機能別ファームウェアの情報1013がファームウェアグループ1023として登録され画像形成装置1003のファームグループバージョンの認識が可能となり、図10Dに示す不明1025が解消される(1020)。
【0081】
次に、配信システムが画像形成装置の複数のファームウェアを管理し、ファームウェアの配信を制御する処理を図11に示すブロック図を用いて説明する。尚、配信システムは、図1に示す配信サーバ133とデータベース134とで構成されるものであるが、以下では、「配信サーバ」として説明する。
【0082】
まず、画像形成装置1101の機能について説明する。通信I/F部1102は、画像形成装置1101と配信サーバ1108との間の通信を司る。通信データ制御部1103は、通信I/F部1102を介して通信されるデータを制御する。データ制御部1104は、画像形成装置1101内のデータの制御を司る。
【0083】
ソフトウェアインストール部1105は、配信サーバ1108から送信されたファームウェアのデータを画像形成装置1101にインストールする。ここで、「ソフトウェア」には、一般的なアプリケーションソフトウェアやファームウェアが含まれるものとする。ソフトウェア記憶部1106は、画像形成装置1101内のソフトウェアのデータを記憶する。
【0084】
次に、PC1107は、配信サーバ1108のWeb画面を操作し、ファームウェアのアップロードが可能である。また逆に、配信サーバ1108からPC1107へファームウェアをダウンロードすることも可能である。
【0085】
次に、配信サーバ1108の機能について説明する。画像形成装置1101の通信I/F部1109は、画像形成装置1101と配信サーバ1108との間の通信を司る。通信データ制御部1110は、通信I/F部1109を介して通信されるデータを制御する。ファームデータ登録部1111は、ファームウェアに関する情報をファームデータ記憶部1113に登録する。ファームデータ検索部1112は、ファームデータ記憶部1113に記憶されているファームウェアに関する情報の検索を行う。ファームデータ記憶部1113は、画像形成装置1101に配信するファームデータに関する情報を記憶する。
【0086】
通信I/F部1114は、PC1107との間の通信を司る。データ制御部1115は、配信サーバ1108内のデータの制御を司る。商品データ検索部1116は、ファームウェアに関連する商品コードやシリアルNo.などのデータを商品データ記憶部1117から検索する。商品データ記憶部1117は、ファームウェアに関連する商品データなどを記憶している。
【0087】
ここで、配信サーバ1108にて実行される登録処理を図12に示すフローチャートを用いて説明する。S1201では、サービスマンが市場の画像形成装置のファームウェアをUSB経由で書き換えるツールやイントラネット経由で書き換えるツールなどでアップデートする。S1202では、S1201で画像形成装置のファームウェア構成が変更されたタイミングで、画像形成装置から配信サーバへ機能別ファームウェアが通知される。画像形成装置において、配信サーバと通信するクライアントモジュールは、ファームウェアの構成情報が変更されると、配信サーバに機能別ファームウェアの通知を行う。
【0088】
S1203では、S1202で送信された画像形成装置の機能別ファームウェアを配信サーバに登録されているファームウェアグループと比較し、“不明”か否かを判定する。この処理の詳細は、図13を用いて更に後述する。S1204で、比較の結果、画像形成装置の機能別ファームウェアと同一のものが配信サーバに存在しない場合は、“不明”と判定してS1205へ処理を進める。一方、同一のものが配信サーバに存在する場合は、“不明でない”と判定し、この処理を終了する。
【0089】
S1205では、上述した不明解消処理が実行されたか否かを判定する。判定の結果、実行された場合はS1206へ処理を進めるが、実行されていない場合は、実行されるまで待機する。本実施形態では、配信サーバのWeb画面から“不明解消処理”が指示され、S1205からS1206へ遷移する。
【0090】
S1206では、画像形成装置のメインコントローラと同じファームウェアを比較する。S1207では、S1206で比較した結果によって、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を配信サーバに登録しても問題ないか否かを判断する。この処理の詳細は、図14を用いて更に後述する。画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を配信サーバに登録しても問題ないなら、S1208からS1209へ処理を進めるが、問題があるなら、この処理を終了する。
【0091】
S1209では、配信サーバにファームウェアデータと構成情報の両方を登録するか、構成情報のみを登録するかを判断する。この処理の詳細は、図15を用いて更に後述する。ここで構成情報とは、図10Cに示す機能別ファームウェアグループ1014の機能別ファームウェアと、バージョンとの組み合わせ情報である。ファームウェアデータとは、ファームウェアのモジュールデータを指す。
【0092】
ファームウェアデータと構成情報の用途として、配信サーバは、市場の画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を認識するだけであれば、構成情報のみ持っていればよい。しかしながら、ファームウェアを配信するためには、当然、ファームウェアデータが必要になる。
【0093】
S1210で、構成情報のみ登録するのであれば、S1214へ処理を進め、そうでないなら、S1211へ処理を進める。S1214では、配信サーバのファームデータ記憶部1113構成情報だけを登録する。一方、S1211では、配信サーバの登録データから、構成情報と同じファームウェアのデータを検索する。S1212で、構成情報と同じファームウェアが検索できれば、S1213へ処理を進めるが、検索できなければ、上述のS1214へ処理を進める。S1213では、配信サーバにおいて構成情報とファームデータを登録する。S1214かS1213の何れかの処理が完了した時点で、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成が認識されるので、“不明”状態をなくすことができる。
【0094】
ここで、上述の“不明”か否かを判定する処理(S1203)の詳細を、図13に示すフローチャートを用いて説明する。S1301では、画像形成装置の商品コードとメインコントローラのバージョンとが同じファームを配信サーバのデータベースから検索する。S1302では、画像形成装置の商品コードとメインコントローラのバージョンとが同じファームが検索結果にあった場合、S1303へ処理を進め、なかった場合、S1307へ処理を進める。S1303では、配信サーバで検索されたファームウェアの種別(機能別ファームウェア)及びバージョンを画像形成装置のファームウェアと比較する。
【0095】
S1304では、S1303で比較した結果、ファームウェアの種別(機能別ファームウェア)及びバージョンと完全に一致するファームがあるか否かを判断する。S1305で、完全に一致した場合、S1306へ処理を進めるが、完全に一致しなかった場合、S1307へ処理を進める。このS1306では、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を、配信サーバが認識する。一方、S1307では、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を、配信サーバが認識できないので、画像形成装置を不明とする。
【0096】
次に、上述の登録しても問題ないかを判断する処理(S1207)の詳細を、図14に示すフローチャートを用いて説明する。S1401では、画像形成装置の商品コードと、配信サーバのデータベースに登録されている、メインコントローラのバージョンが、同じである機能別ファームウェアとの差分チェックを行う。
【0097】
S1402では、画像形成装置の組み込み型アプリケーションのプラットフォーム(図10BのMEAP)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1403へ処理を進める。
【0098】
S1403では、文書や画像などを印刷する際にビットマップイメージを作成するためのページ記述言語(図10BのLANG)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1404へ処理を進める。
【0099】
S1404では、ネットワーク経由で画像形成装置にアクセスし、現在の状況や各種情報を表示させて管理するためのリモートユーザインターフェース(RUI)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1405に進む。
【0100】
S1405では、画像形成装置に接続され、三つ折りや中綴じなどの後処理を行うフィニッシャー(FIN)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1407へ処理を進める。
【0101】
このS1406では、「登録すると、問題あり」と判定する。一方、S1407では、「登録しても、問題なし」と判定する。
【0102】
上述のS1403〜S1406でのファームウェアとメインコントローラは、ファームウェアの組み合わせとして、キーとなるものなので、これらのバージョンが配信サーバに登録されているものと異なると、登録したら問題ありと判定する。但し、何のファームウェアをキーとするかは、製品によって異なる。
【0103】
次に、構成情報だけ登録するか否かを判定する処理(S1209)の詳細を、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0104】
S1501では、画像形成装置の商品コードと、メインコントローラが、同じファームの更新履歴を検索する。S1502では、更新履歴が本日の三か月前以内かを判断する。三ヶ月以内であれば、S1503へ処理を進めるが、三ヶ月以上であれば、S1504へ処理を進める。S1503では、配信サーバのファームデータ記憶部1113に構成情報とファームウェアデータを登録する。その処理の結果、S1505でファームデータ記憶部1113は、「構成情報:あり、ファームデータ:あり」の状態になる。
【0105】
また、S1504では、配信サーバのファームデータ記憶部1113に構成情報のみを登録する。その処理の結果、S1506でファームデータ記憶部1113は、「構成情報:あり、ファームデータ:なし」の状態になる。つまり、三ヶ月以内のファームウェアであれば、配信用に使用したいので、構成情報とファームウェアデータとを登録する必要がある。しかし、三ヶ月以上前のファームウェアであれば、配信用ではなく、画像形成装置のファームウェア構成の認識のためだけに使用できればよいので、構成情報のみの登録で十分である。これにより、配信サーバのデータ量の削減も図ることができる。
【0106】
次に、配信サーバが配信するモジュールを決定して画像形成装置に配信する配信方法を、図16に示すフローチャートを用いて説明する。S1601では、画像形成装置の機能別ファームウェアの情報とバージョンとを画像形成装置から受信する。S1602では、受信した機能別ファームウェアの情報とバージョンとを、ファームデータ記憶部1113を参照して画像形成装置のファームウェアグループとして特定する。
【0107】
S1603では、ファームデータ記憶部1113の構成情報とファームウェアデータの両方があるファームウェアグループから、配信するモジュールを決定する。S1604では、S1603で決定したモジュールを画像形成装置に配信する。
【0108】
[他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の複数のファームウェアを管理して配信する配信システム及びその管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置のファームウェアのバージョンアップもしくは障害等の理由によりファームウェアを更新する必要が生じた場合に、次のようにファームウェアの更新を行っている。インターネット経由で配信サーバによりファームウェアの更新を行うか、USB経由/イントラネット経由のアップデートツールを使用することでファームウェアの更新を行う。
【0003】
配信サーバによりファームウェアの更新を行う場合、画像形成装置からファームウェアの構成情報を通知してもらい、その構成情報を元に、適用するファームウェアを決定し、配信処理を行う。その際に、配信サーバは画像形成装置のファームウェア構成を認識する必要がある。
【0004】
最近では、クライアントに最適なソフトウェアを配信するための技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この技術によると、クライアント/サーバシステムにおいて、個々のクライアントコンピュータで使用可能なマスタを管理する。サーバコンピュータは、マスタを更新する際に、そのバージョン情報の中に、クライアントコンピュータで稼働する機能を一意に識別するための機能識別情報を組み込む。そして、サーバコンピュータは、クライアントコンピュータから通知されたバージョン情報を含むマスタの送信要求と自身が保持するマスタのバージョン情報とを比較する。そして、サーバコンピュータは、比較結果からクライアントコンピュータの機能に応じた適切なバージョンのマスタを要求元のクライアントコンピュータに配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−268932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像形成装置は複数の機能の集合体であり、機能毎にファームウェアがあり、それぞれバージョンが付与されている(以後、機能毎のファームウェアを「機能別ファームウェア」と呼ぶ)。また、画像形成装置にファームウェアを配信する配信サーバには、複数の機能別ファームウェアが組み合わされたファームウェアの集合体を登録する(以後、この集合体を「ファームウェアグループ」と呼ぶ)。
【0007】
配信サーバに登録するファームウェアグループには、バージョンを発番して登録する(以後、このバージョンを「ファームウェアグループバージョン」と呼ぶ)。ファームウェアグループは、配信サーバで定義して登録するので、画像形成装置は、ファームウェアグループの情報は、持っていない。
【0008】
配信サーバは、画像形成装置のファームウェアを安全にアップデートするために、機能別ファームウェアの組み合わせが適切なファームウェアグループを登録している。
【0009】
画像形成装置に、ファームウェアを適用するには、まず、画像形成装置内に搭載されているクライアントモジュールが、画像形成装置内の機能別ファームウェアの情報を、配信サーバに通知する。
【0010】
配信サーバは、前記機能別ファームウェアの情報の通知を受け取り、配信サーバに登録されている複数のファームウェアグループと比較する。
【0011】
そして、配信サーバは、画像形成装置の情報と合致するファームウェアグループがあればそれを、画像形成装置のファームウェアグループバージョンとして認識する。
【0012】
合致しなければ、画像形成装置の情報を不正のものとして、画像形成装置のファームウェアグループバージョンを“不明”とする。
【0013】
配信サーバは、画像形成装置のファームウェアグループバージョンが認識できれば、アップデートを許可するが、“不明”であれば許可をしない。なぜなら、“不明”状態の画像形成装置に対して、ファームウェアをアップデートさせると、画像形成装置が誤動作をする恐れがあるからである。
【0014】
このような理由から、配信サーバでアップデートを可能とするために、市場にある画像形成装置の、機能別ファームウェア情報は、配信サーバに登録されているファームウェアグループのいずれかと、一致する必要がある。
【0015】
しかし、画像形成装置の利用者に適したカスタマイズを行うためには、配信サーバでのアップデートではなく、USB経由/イントラネット経由のアップデートツールなどを使用した個別のファームウェアのアップデートなどを可能とする必要がある。この場合、画像形成装置における複数のファームウェアの構成が配信サーバ上で管理されている組合せと異なってしまい、配信サーバでは画像形成装置のファームウェアグループバージョンが“不明”な状態であると判定される。つまり、一部のファームウェア構成の変更により、そのほかのファームウェアを含めた配信サーバでの一括でのアップデートが不可能になるという利便性の観点での課題が生じる。
【0016】
本発明は、画像形成装置に複数のファームウェアを一括で配信する際に、それら複数のファームウェアの構成を認識不明の場合にも、適切な配信の制御を可能とするための手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、画像形成装置の複数のファームウェアを管理して、ファームウェアの配信を制御する配信システムであって、
前記画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理する管理手段と、
画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する収集手段と、
前記収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループの構成情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、一致しない場合、前記収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む前記管理されたファームウェアグループを特定する特定手段と、を有し、
前記管理手段は、前記判定手段により一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、像形成装置に複数のファームウェアを一括で配信する際に、それら複数のファームウェアの構成を認識不明の場合にも、適切な配信の制御を可能とするためのシステムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態における監視システムの全体的な構成例を示す図。
【図2】監視センタホストのハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】監視装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図4】監視装置の別のハードウェア構成を示す図。
【図5】画像形成装置におけるハードウェア構成の一例を示す図。
【図6】監視センタホスト、配信サーバにおける監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を示す図。
【図7】監視装置における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を示す図。
【図8】画像形成装置における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を示す図。
【図9】監視センタホスト、配信サーバ、監視装置、又は画像形成装置のメモリマップの構造を示す図。
【図10A】配信システムによるファームウェアの配信処理の概念を示す図。
【図10B】画像形成装置に登録されている機能別ファームウェアの構成を示す図。
【図10C】“不明解消処理”の実行を説明するための図。
【図10D】“不明解消処理”を実行させるための画面を示す図。
【図11】画像形成装置のファームウェアを配信するシステムを示す図。
【図12】配信サーバにて実行される登録処理を示すフローチャート。
【図13】S1203の処理の詳細を示すフローチャート。
【図14】S1207の処理の詳細を示すフローチャート。
【図15】S1209の処理のの詳細を示すフローチャート。
【図16】モジュールを決定して送信する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0021】
<システム構成>
まず、本実施形態における監視システムの全体的な構成例を、図1を用いて説明する。図1に示すように、監視システムには、複数の販売会社のシステム101、106が接続されている。また、管轄の地域や顧客の販売情報や監視システムに関わる情報を蓄積するためのデータベース103、108もシステム101、106に含まれている。
【0022】
システム101、106には、データベース103、108へのデータ登録や修正などの制御を行うパーソナルコンピュータ(PC)104、109も含まれている。そして、PC104、109は、インターネット上のサーバである監視センタホスト111が提供するWebサイトにアクセスしてデータの閲覧等を行う。
【0023】
システム101、106には、販売会社ホスト102、107が含まれ、それぞれ監視センタホスト111のデータを使用して課金処理やサービスマン派遣処理などの販売会社の業務を行う役割を持つ。また、操作部及び表示部を持ち、PC104、109の役割を果たすことも可能である。
【0024】
上述の販売会社ホスト102、データベース103、PC104はLAN105で接続され、同様に販売会社ホスト107、データベース108、PC109もLAN110で接続されている。尚、図1では、販売会社のシステム101、106は、複数の装置から構成されるよう示されているが、後述する各機能が達成されるならば、1つの装置で構成されてもよい。例えば、データベース103、108は、物理的に販売会社ホスト102、107内にそれぞれ存在してもよく、販売会社ホスト102、107からアクセス可能であれば、インターネットを経由した別の場所に存在しても構わない。
【0025】
このように、販売会社側と顧客側の中間に監視センタホスト111が存在する。ここで、監視センタホスト111には、監視のための情報や顧客側から収集した画像形成装置のカウンタ、障害履歴情報、障害パターンテーブルなどを蓄積する履歴記憶装置として機能するデータベース112が含まれる。この監視センタホスト111とデータベース112とはLAN113で接続され、LAN113を介してインターネットに接続可能となっている。尚、データベース112は、物理的に監視センタホスト111内に存在してもよい。更に、監視センタホスト111からアクセス可能であれば、インターネットを経由した別の場所に存在しても構わない。
【0026】
また、監視センタホスト111は、後述する監視装置117、122、123、131から監視対象としての画像形成装置の情報、稼働状態を示す情報、障害情報などを収集、蓄積、加工し、警告などを外部に提供する機能を有する。例えば、販売会社ホスト102、107にこれらの情報を配信する役割(機能)を有する。これらの情報として、トナー切れ、ドアオープン、ドラム交換、カートリッジなし、冷却ファン異常、基板異常、原稿台ガラス汚れ、ステイプル切れ、給紙センサ光量不足などを例として挙げることができる。また、フォントメモリオーバーフロー、レンダリングエラー、定着器異常、カウンタ異常、両面ユニット異常、紙詰まりなどを挙げることもできる。更に、カウンタ情報として、販売会社の課金対象となる課金カウンタ、顧客の部門別に集計された部門カウンタ、用紙サイズ別に集計されたサイズ別カウンタ、画像形成装置内の部品の消耗度を示す部品カウンタなどが挙げられる。
【0027】
上述の課金カウンタは画像形成装置の印刷枚数を示し、部門カウンタは顧客が設定している部門毎の印刷枚数を示す。部品カウンタは、例えばドラムなどの部品では、その回転数をカウンタとし、スキャナランプなどの部品では、時間(秒)をカウンタとする。これらの稼働情報を示す情報が稼働情報となる。
【0028】
更に、販売会社ホスト102、107は、それぞれ監視センタホスト111に監視対象としている画像形成装置の情報や監視に関する設定を監視センタホスト111に登録することができる。監視センタホスト111では、各販売会社ホスト102、107から登録された監視対象の画像形成装置や監視に関する設定をマージして一括管理できる。また、監視装置117、122、123や画像形成装置131に対して監視に関わる設定を行うこともできる。
【0029】
ここで、監視システムによるサービスは、販売会社と顧客との契約に基づいて提供されるものである。従って、販売会社が契約に基づいて監視対象と決定した画像形成装置のみを、監視システムの監視対象としている。監視センタホスト111は、インターネットを介して接続されたPCに対して、データベース112に蓄積した情報又は加工した情報を閲覧するWebページを提供している。このWebページは、ユーザ認証により販売会社別、顧客別、ユーザの権限別に閲覧内容を限定して提供している。更に、Webページから一部データの変更も可能としている。
【0030】
また、販売会社側と顧客側の中間に配信サーバ133が存在する。また、データベース134には、画像形成装置に適用するためのファームウェアやアプリケーション、ソフトウェアライセンス情報などが蓄積され、データベース134は記憶装置として機能する。配信サーバ133とデータベース134はLAN135で接続され、LAN135を介してインターネットに接続可能となっている。尚、データベース134は、物理的に配信サーバ133内に存在してもよい。更に、配信サーバ133からアクセス可能であれば、インターネットを経由した別の場所に存在しても構わない。LAN113とLAN135は同一としてもよく、データベース134とデータベース112はデータを共有しても構わない。
【0031】
図1に示す例では、監視センタホスト111、データベース112、配信サーバ133、データベース134はそれぞれ1つ示されている。しかし、実際には、多くの画像形成装置及び監視装置からの情報収集やファームウェア配信の負荷分散を行うために、複数の監視センタホスト、データベースに分散処理をさせてもよい。また、複数の配信サーバ、データベースを用いて配信処理をさせてもよい。以下の説明では、配信サーバ133及び配信サーバ133と通信可能なデータベース134を総称して「配信システム」と呼び、説明を簡易化する。
【0032】
次に、顧客側のシステム構成について説明する。顧客側の環境としては、異なる複数の環境が存在する。図1では、顧客システム114、119、129が示されている。顧客システム114(A社X事業所)は、インターネットに接続可能なLAN118を介して画像形成装置115、116が監視装置117により監視され、監視装置117はインターネット経由で監視センタホスト111と通信可能である。
【0033】
一方、顧客システム119(A社Y事業所)は、監視装置122、123によりLAN128上の画像形成装置120、121、124〜127が管理されている。この例では、監視装置122が画像形成装置120、121、124、125を、監視装置123が画像形成装置126、127を管理している。
【0034】
また、顧客129(B社)は、インターネットに接続可能なLAN130を介して画像形成装置131自身が直接、インターネット経由で監視センタホスト111と通信可能である。画像形成装置131は、監視装置117、122,123と同じ機能を有し、自身の情報(例えばカウンタ情報や障害等の発生)を積極的に監視センタホスト111に送信する。
【0035】
尚、以下の点に留意する必要がある。
(1)上述の構成におけるインターネットを介した通信においては、HTTP/SOAPプロトコルが利用可能である。尚、SOAPは、Simple Object Access Protocolの略称である。また、SOAPは、XML(eXtended Markup Language)をベースとして、あるコンピュータから他のコンピュータへのデータやサービスを呼び出すためのプロトコルである。本例では、SOAPはHTTPの上に実装される。SOAPによる通信は、XML文書に付帯情報を付けたSOAPメッセージを交換することによって行われる。
【0036】
従って、このSOAPをサポートするコンピュータには、SOAPメッセージを生成するSOAPメッセージ生成部と、SOAPメッセージを解釈するSOAPメッセージ解釈部とが備えられている。画像形成装置の状態情報は、本実施形態ではSOAPメッセージによって監視センタホスト111に送信される。
(2)A社における各画像形成装置は監視装置を介して監視センタホスト111と通信を行うように説明した。しかし、設定の変更により、B社に設置される画像形成装置131と同様に監視装置を介することなく、監視センタホストとの通信を行ってもよい。
【0037】
<ハードウェア構成>
次に、監視センタホスト111のハードウェア構成の一例を、図2を用いて説明する。尚、配信サーバ133、販売会社ホスト102、107のハードウェア構成も監視センタホスト111の構成と同様である。
【0038】
図2において、第1CPU201、第2CPU202は、監視センタホスト111の各処理を司る。書換え不可能なROM203は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。RAM204は、各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶できかつ書き換え可能である。
【0039】
第1HDD205、第2HDD206は、各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などを記憶する。例えば、部品カウンタ、課金カウンタ、部門カウンタなどがハードディスクに保存される。
【0040】
監視センタホスト111の場合、後述する図6に示す処理を第1HDD205に有している。このプログラムは、RAM204を一時保存領域として使用し、第1CPU201もしくは、第2CPU202によって呼び出され実行される。配信サーバ133の場合も同様に、後述する図6に示す処理を第1HDD205に有している。このプログラムは、RAM204を一時保存領域として使用し、第1CPU201もしくは、第2CPU202によって呼び出され実行される。
【0041】
操作部207は、監視センタホスト111への指示入力を受け付けるキーボードやポインティングデバイスを含む入力装置として機能する。表示部208は、監視センタホスト111の動作状況や、動作する各プログラムが出力する情報を表示する。NetworkI/F209は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。外部機器I/F210は外部記憶機器などを接続する。これらの要素がシステムバス211により結び付き、データを授受している。
【0042】
次に、監視装置117、122、123のハードウェア構成の一例を、図3を用いて説明する。また、PC104、109のハードウェア構成も図3に示すハードウェア構成と同様である。
【0043】
CPU301は、監視装置上の各処理を司る。ROM302は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶し、書換え不可能である。RAM303は、各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶できかつ書き換え可能である。監視装置117では、各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などをHDD304に記憶する。また、PC104、109では、WebページなどをHDD304に記憶する。
【0044】
入力装置305は、監視装置への指示入力を受け付けるキーボードやポインティングデバイスである。表示部306は、監視装置の動作状況や装置上で動作する各プログラムが出力する情報を表示する。NetworkI/F307は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。外部機器I/F308は外部記憶機器等を接続する。これらがシステムバス309により結び付き、データを授受している。
【0045】
ここで、監視装置117、122、123の別のハードウェア構成を、図4を用いて説明する。CPU401は、監視装置上の各処理を司る。ROM402は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶し、書換え不可能である。FlashROM403は、各処理に関わるデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などを記憶する。シリアルI/F404は、監視装置上のプログラムがエラーやログを出力しており、シリアルケーブルを用いて端末を接続可能である。NetworkI/F405は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。これらがシステムバス406により結び付き、データを授受している。
【0046】
次に、画像形成装置115、116、120、121、124〜127、131におけるハードウェア構成の一例を、図5を用いて説明する。画像形成装置としては、具体的には、プリンタ及びファクシミリ機能が統合的に設けられた複合機、PCなどからデータを受信し印刷するプリンタ(電子写真方式及びインクジェット方式を含む)、スキャナー、ファクシミリなどが挙げられる。図5では、画像形成装置の一例として、複合機の構成を示している。
【0047】
イメージリーダ502は、原稿給送部501で原稿を読み込む。イメージリーダ502、画像形成部503は、読み込んだ原稿やネットワーク経由で受信したデータを印刷画像に変換し印刷出力する。排紙部504は、印刷出力した紙を排出し、ソートやステイプルといった処理を施す。NetworkI/F505は、ネットワーク経由でLANやインターネットに接続し、外部と情報交換を行う。
【0048】
CPU506は、画像形成装置上の各処理を司る。画像形成装置の動作状態を監視し、障害等の特定のイベントが発生した場合には、その状態を示す状態情報を予め定めた宛先へと送信する。宛先は例えば、監視センタホスト111や監視装置などである。不揮発性記憶装置のROM507は、各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。書き換え可能なRAM508は、各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶する。HDD509は、各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、画像形成装置へ送信されてきたユーザデータなどを記憶する。
【0049】
画像形成装置は、後述する図8の処理をHDD509に有している。このプログラムは、RAM508を一時保存領域として使用し、CPU506によって呼び出され実行される。
【0050】
操作部510は、画像形成装置への指示入力を受け付ける。表示部511は、画像形成装置の動作状況や操作部510に対する操作に関わる情報を表示する。そして、これらがシステムバス512により結び付き、データを授受している。
【0051】
尚、画像形成装置自身が監視のための情報を積極的に送信する機能を持つ画像形成装置131では、ROM507或いはHDD509内に、監視データ送出処理にかかわるプログラムやデータを保持している。
【0052】
<ソフトウェア>
次に、監視センタホスト111、配信サーバ133における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を、図6を用いて説明する。SOAP通信部601は、監視装置117、122、123又は画像形成装置131よりNetworkI/F209を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部602に渡す。また、SOAPメッセージ作成部603により作成したSOAPデータをNetworkI/F209を介して監視装置117、122、123又は画像形成装置131に送信する。
【0053】
収集情報処理部604では、監視下の監視装置117、122、123や画像形成装置131から受信した情報をそのまま又は加工し、データベースアクセス部606を介してデータベース112、134に格納する。
【0054】
また、収集情報処理部604は、遠隔監視システムに関わる機能を実現する。監視下の監視装置117、122、123や画像形成装置131から受信した情報、データベース112、データベース134に格納されているデータを元にカウンタ情報の集計、エラー情報、ファーム最新情報を担当サービスマンや顧客側管理者へ通知する。
【0055】
監視制御部605は、監視装置117、122、123や画像形成装置131の情報を取得しに行くスケジュール管理、監視内容、方法の制御を行う。更に、監視制御部605は、必要に応じて、監視下の監視装置117、122、123や画像形成装置131へSOAPメッセージ作成部603、SOAP通信部601、NetworkI/F209を介して指示を送信する。
【0056】
次に、監視装置117、122、123における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を、図7を用いて説明する。SOAP通信部701は、監視センタホスト111よりNetworkI/F307、405を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部703に渡す。また、SOAP通信部701は、SOAPメッセージ作成部702が作成したSOAPデータをNetworkI/F307、405を介して監視センタホスト111、配信サーバ133に送信する。
【0057】
監視制御部704は、後述する監視センタホスト111からの監視設定に従って、情報蓄積部706に保持する監視画像形成装置情報の更新や、画像形成装置115、116の情報を取得し、スケジュール管理を行う。
【0058】
デバイス情報処理部705は、監視制御部704が管理するスケジュールにより、監視装置が積極的に画像形成装置115、116から収集したカウンタ情報、サービスコールやジャム、トナー切れなどの情報を、情報蓄積部706に蓄積する。また、この蓄積は、画像形成装置115、116の状態に応じて行われる。
【0059】
情報蓄積部706に蓄積されたデータは、デバイス情報処理部705を介してそのままSOAPメッセージ作成部702に渡されて監視センタホスト111へ送信される。又は、デバイス情報処理部705内で解釈、加工されてからSOAPメッセージ作成部702に渡されて監視センタホスト111へ送信される場合もある。
【0060】
次に、画像形成装置115、116、120、121、124〜127、131における監視システムに関わる部分のソフトウェア構成の一例を、図8を用いて説明する。SOAP通信部801は、監視センタホスト111、配信サーバ133よりNetworkI/F505を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部803に渡す。また、SOAP通信部801は、SOAPメッセージ作成部802が作成したSOAPデータをNetworkI/F505を介して監視センタホスト111、配信サーバ133に送信する。
【0061】
ネットワーク情報取得部804は、DHCP環境の場合、IPアドレス、DNSサーバ、ゲートウェイアドレスを自動的に取得することが可能である。また、ネットワーク情報取得部804は、操作部510から入力されHDD509に保存されたネットワーク情報が存在する場合は、その情報を取得する。
【0062】
デバイス情報収集部805は、複合機内部のスケジュールにより、又は、監視センタホスト111からの指示により内部に保持するカウンタ情報を取得し、また、内部で発生したサービスコールやジャム、トナー切れなどの情報を取得する。取得したデータは、そのままSOAPメッセージ作成部802に渡し、監視センタホスト111へ送信する。また、デバイス情報収集部805内で蓄積、解釈、加工してからSOAPメッセージ作成部802に渡し、監視センタホスト111へ送信する。
【0063】
次に、監視センタホスト111、配信サーバ133或いは、監視装置117、122、123或いは、画像形成装置115、116、120、121、124〜127、131におけるメモリマップの構造を、図9を用いて説明する。図9は、処理プログラムを実行する際に、監視センタホスト111ではRAM204上に、各監視装置117ではRAM303或いはFlashROM403上に、各画像形成装置ではRAM508上にプログラムをロードしたメモリマップである。
【0064】
メモリマップは、基本I/Oプログラム901、システム・プログラム902、本実施形態の処理プログラムを初めとする各種処理プログラム903、関連データ904、プログラムのワークエリア905で構成されている。基本I/Oプログラム901は、本装置上の入出力を司る。システム・プログラム902は、各処理プログラムに動作環境を提供する。
【0065】
尚、容量の制約により、プログラムやデータ、ワークエリアとして利用する領域が足りなくなった場合、第1HDD205又は第2HDD206をRAM204、HDD304をRAM303、HDD509をRAM508、の領域の一部として扱ってもよい。
【0066】
以上の構成において、配信システムが画像形成装置の複数のファームウェアを管理し、画像形成装置へファームウェアを配信する際の処理を図10Aに示す概念図を用いて説明する。
【0067】
まず、図10Aに示すように、配信サーバ1004が市場に設置されている複数の画像形成装置1001、1002、1003の機能別ファームウェアの情報を収集する。複数の画像形成装置1001、1002、1003に登録されている機能別ファームウェアの情報の構成を図10Bに示す。
【0068】
図10Bにおいて、“シリアルNo.”は、画像形成装置固有の識別子(ID)である。また、“配信サーバが認識するファームウェアグループバージョン”は、画像形成装置の“機能別ファームウェア:バージョン”から、配信サーバ1004が認識したファームグループバージョンである。
【0069】
そして、図10Aに示す例では、配信サーバ1004に登録されているファームウェアグループバージョンはV22.2とV22.3である。V22.2とV22.3の詳細を図10Cの1021、1022、1023に示す。
【0070】
画像形成装置1001、1002、1003は、クライアントモジュールによって配信サーバ1004に自身の機能別ファームウェアの情報を送信する。配信サーバ1004は、機能別ファームウェアの情報を自身に登録されているファームグループと比較することで、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を認識する。
【0071】
次に、各画像形成装置の機能別ファームウェアのバージョンと、配信サーバ1004に登録されているファームウェアグループ1014のバージョンとを比較し、完全一致するか否かを確認する。その結果、画像形成装置1001の機能別ファームウェア1011は、配信サーバ1004のファームウェアグループバージョンが22.2と合致する。
【0072】
ここで図示される通り、配信サーバ1004は、複数のファームウェアグループを、画像形成装置の商品コードとファームグループのバージョンとを用いて分類して管理する。ここで、ファームグループのバージョンはメインコントローラ(MN_CONT)のバージョンが用いられるものとする。
【0073】
従って、画像形成装置1001は、一括更新を許可する組み合わせのファームグループバージョンがV22.2と認識できる。また同様に、画像形成装置1002は、一括更新を許可する組み合わせのファームグループバージョンがV22.3と認識できる。
【0074】
一方、画像形成装置1003は、配信サーバ1004のファームウェアグループの比較処理(1015、1016)で一致しないため、ファームグループバージョンが“不明”と判断(1017)される。
【0075】
このような状況に対して、本実施形態では、“不明解消処理”(1018)を実行することで、不明状態を解消する。この“不明解消処理”は、市場障害対応などで市場の画像形成装置を緊急にアップデートする必要がある場合に使用してもよいし、市場の画像形成装置の状態把握に使用してもよい。それ以外のケースで使用してもよい。
【0076】
また、“不明解消処理”は、配信サーバを操作するWeb画面から指定してもよいし、他の方法をトリガーとしてもよい。本実施形態では、図10Dに示す配信サーバ1004のWeb画面1024において不明解消処理実行ボタン1026を押下することにより、“不明解消処理”を実行させる。
【0077】
図10Aに示すように、“不明解消処理”が配信サーバ1004のWeb画面1024から指定されると、配信サーバ1004は不明状態となっている画像形成装置1003の機能別ファームウェアの構成を再検証する。この“不明解消処理”が実行されている状態を図10Cに示す。“不明解消処理”1018では、画像形成装置1003の機能別ファームウェアとバージョンとの組み合わせを配信サーバに登録されているファームグループバージョンと再度、チェックする。図10Cに示す例では、画像形成装置1003の機能別ファームウェアの情報1013により配信サーバのファームウェアグループ1014の何れと一致するかを判定する。ここで、機能別ファームウェアの情報1013とファームウェアグループ1021とは、画像形成装置の中枢ファームウェアのメインコントローラ(MN_CONT)のバージョンが異なり、一致しないと判定する。
【0078】
次に、機能別ファームウェアの情報1013とファームウェアグループ1022とは、MN_CONT、MN_CONT,LANG,MEAP,RUI,FINのバージョンが同じで、DCON, TRIM, TSP, NLSのバージョンが異なる。
【0079】
不明解消処理が実行され(1018)、チェック結果の差異が、画像形成装置の動作上、問題ないと判断できれば、配信サーバ1004に新たな組み合わせパターンとして登録する(1019)。この場合、配信サーバ1004は、画像形成装置のキーとなる機能別ファームウェア(MN_CONT,LANG,MEAP,RUI,FIN)のバージョンが同じなので、問題ないと判断する。この処理の詳細な説明は、図14を用いて更に後述する。
【0080】
このように、配信サーバ1004で検証した結果、問題ないと判断されると、ファームウェアグループ1023をV22.3の新規パターンとして登録する。従って、画像形成装置1003の機能別ファームウェアの情報1013がファームウェアグループ1023として登録され画像形成装置1003のファームグループバージョンの認識が可能となり、図10Dに示す不明1025が解消される(1020)。
【0081】
次に、配信システムが画像形成装置の複数のファームウェアを管理し、ファームウェアの配信を制御する処理を図11に示すブロック図を用いて説明する。尚、配信システムは、図1に示す配信サーバ133とデータベース134とで構成されるものであるが、以下では、「配信サーバ」として説明する。
【0082】
まず、画像形成装置1101の機能について説明する。通信I/F部1102は、画像形成装置1101と配信サーバ1108との間の通信を司る。通信データ制御部1103は、通信I/F部1102を介して通信されるデータを制御する。データ制御部1104は、画像形成装置1101内のデータの制御を司る。
【0083】
ソフトウェアインストール部1105は、配信サーバ1108から送信されたファームウェアのデータを画像形成装置1101にインストールする。ここで、「ソフトウェア」には、一般的なアプリケーションソフトウェアやファームウェアが含まれるものとする。ソフトウェア記憶部1106は、画像形成装置1101内のソフトウェアのデータを記憶する。
【0084】
次に、PC1107は、配信サーバ1108のWeb画面を操作し、ファームウェアのアップロードが可能である。また逆に、配信サーバ1108からPC1107へファームウェアをダウンロードすることも可能である。
【0085】
次に、配信サーバ1108の機能について説明する。画像形成装置1101の通信I/F部1109は、画像形成装置1101と配信サーバ1108との間の通信を司る。通信データ制御部1110は、通信I/F部1109を介して通信されるデータを制御する。ファームデータ登録部1111は、ファームウェアに関する情報をファームデータ記憶部1113に登録する。ファームデータ検索部1112は、ファームデータ記憶部1113に記憶されているファームウェアに関する情報の検索を行う。ファームデータ記憶部1113は、画像形成装置1101に配信するファームデータに関する情報を記憶する。
【0086】
通信I/F部1114は、PC1107との間の通信を司る。データ制御部1115は、配信サーバ1108内のデータの制御を司る。商品データ検索部1116は、ファームウェアに関連する商品コードやシリアルNo.などのデータを商品データ記憶部1117から検索する。商品データ記憶部1117は、ファームウェアに関連する商品データなどを記憶している。
【0087】
ここで、配信サーバ1108にて実行される登録処理を図12に示すフローチャートを用いて説明する。S1201では、サービスマンが市場の画像形成装置のファームウェアをUSB経由で書き換えるツールやイントラネット経由で書き換えるツールなどでアップデートする。S1202では、S1201で画像形成装置のファームウェア構成が変更されたタイミングで、画像形成装置から配信サーバへ機能別ファームウェアが通知される。画像形成装置において、配信サーバと通信するクライアントモジュールは、ファームウェアの構成情報が変更されると、配信サーバに機能別ファームウェアの通知を行う。
【0088】
S1203では、S1202で送信された画像形成装置の機能別ファームウェアを配信サーバに登録されているファームウェアグループと比較し、“不明”か否かを判定する。この処理の詳細は、図13を用いて更に後述する。S1204で、比較の結果、画像形成装置の機能別ファームウェアと同一のものが配信サーバに存在しない場合は、“不明”と判定してS1205へ処理を進める。一方、同一のものが配信サーバに存在する場合は、“不明でない”と判定し、この処理を終了する。
【0089】
S1205では、上述した不明解消処理が実行されたか否かを判定する。判定の結果、実行された場合はS1206へ処理を進めるが、実行されていない場合は、実行されるまで待機する。本実施形態では、配信サーバのWeb画面から“不明解消処理”が指示され、S1205からS1206へ遷移する。
【0090】
S1206では、画像形成装置のメインコントローラと同じファームウェアを比較する。S1207では、S1206で比較した結果によって、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を配信サーバに登録しても問題ないか否かを判断する。この処理の詳細は、図14を用いて更に後述する。画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を配信サーバに登録しても問題ないなら、S1208からS1209へ処理を進めるが、問題があるなら、この処理を終了する。
【0091】
S1209では、配信サーバにファームウェアデータと構成情報の両方を登録するか、構成情報のみを登録するかを判断する。この処理の詳細は、図15を用いて更に後述する。ここで構成情報とは、図10Cに示す機能別ファームウェアグループ1014の機能別ファームウェアと、バージョンとの組み合わせ情報である。ファームウェアデータとは、ファームウェアのモジュールデータを指す。
【0092】
ファームウェアデータと構成情報の用途として、配信サーバは、市場の画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を認識するだけであれば、構成情報のみ持っていればよい。しかしながら、ファームウェアを配信するためには、当然、ファームウェアデータが必要になる。
【0093】
S1210で、構成情報のみ登録するのであれば、S1214へ処理を進め、そうでないなら、S1211へ処理を進める。S1214では、配信サーバのファームデータ記憶部1113構成情報だけを登録する。一方、S1211では、配信サーバの登録データから、構成情報と同じファームウェアのデータを検索する。S1212で、構成情報と同じファームウェアが検索できれば、S1213へ処理を進めるが、検索できなければ、上述のS1214へ処理を進める。S1213では、配信サーバにおいて構成情報とファームデータを登録する。S1214かS1213の何れかの処理が完了した時点で、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成が認識されるので、“不明”状態をなくすことができる。
【0094】
ここで、上述の“不明”か否かを判定する処理(S1203)の詳細を、図13に示すフローチャートを用いて説明する。S1301では、画像形成装置の商品コードとメインコントローラのバージョンとが同じファームを配信サーバのデータベースから検索する。S1302では、画像形成装置の商品コードとメインコントローラのバージョンとが同じファームが検索結果にあった場合、S1303へ処理を進め、なかった場合、S1307へ処理を進める。S1303では、配信サーバで検索されたファームウェアの種別(機能別ファームウェア)及びバージョンを画像形成装置のファームウェアと比較する。
【0095】
S1304では、S1303で比較した結果、ファームウェアの種別(機能別ファームウェア)及びバージョンと完全に一致するファームがあるか否かを判断する。S1305で、完全に一致した場合、S1306へ処理を進めるが、完全に一致しなかった場合、S1307へ処理を進める。このS1306では、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を、配信サーバが認識する。一方、S1307では、画像形成装置の機能別ファームウェアの構成を、配信サーバが認識できないので、画像形成装置を不明とする。
【0096】
次に、上述の登録しても問題ないかを判断する処理(S1207)の詳細を、図14に示すフローチャートを用いて説明する。S1401では、画像形成装置の商品コードと、配信サーバのデータベースに登録されている、メインコントローラのバージョンが、同じである機能別ファームウェアとの差分チェックを行う。
【0097】
S1402では、画像形成装置の組み込み型アプリケーションのプラットフォーム(図10BのMEAP)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1403へ処理を進める。
【0098】
S1403では、文書や画像などを印刷する際にビットマップイメージを作成するためのページ記述言語(図10BのLANG)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1404へ処理を進める。
【0099】
S1404では、ネットワーク経由で画像形成装置にアクセスし、現在の状況や各種情報を表示させて管理するためのリモートユーザインターフェース(RUI)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1405に進む。
【0100】
S1405では、画像形成装置に接続され、三つ折りや中綴じなどの後処理を行うフィニッシャー(FIN)のバージョンが異なる場合、S1406へ処理を進めるが、同じであれば、S1407へ処理を進める。
【0101】
このS1406では、「登録すると、問題あり」と判定する。一方、S1407では、「登録しても、問題なし」と判定する。
【0102】
上述のS1403〜S1406でのファームウェアとメインコントローラは、ファームウェアの組み合わせとして、キーとなるものなので、これらのバージョンが配信サーバに登録されているものと異なると、登録したら問題ありと判定する。但し、何のファームウェアをキーとするかは、製品によって異なる。
【0103】
次に、構成情報だけ登録するか否かを判定する処理(S1209)の詳細を、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0104】
S1501では、画像形成装置の商品コードと、メインコントローラが、同じファームの更新履歴を検索する。S1502では、更新履歴が本日の三か月前以内かを判断する。三ヶ月以内であれば、S1503へ処理を進めるが、三ヶ月以上であれば、S1504へ処理を進める。S1503では、配信サーバのファームデータ記憶部1113に構成情報とファームウェアデータを登録する。その処理の結果、S1505でファームデータ記憶部1113は、「構成情報:あり、ファームデータ:あり」の状態になる。
【0105】
また、S1504では、配信サーバのファームデータ記憶部1113に構成情報のみを登録する。その処理の結果、S1506でファームデータ記憶部1113は、「構成情報:あり、ファームデータ:なし」の状態になる。つまり、三ヶ月以内のファームウェアであれば、配信用に使用したいので、構成情報とファームウェアデータとを登録する必要がある。しかし、三ヶ月以上前のファームウェアであれば、配信用ではなく、画像形成装置のファームウェア構成の認識のためだけに使用できればよいので、構成情報のみの登録で十分である。これにより、配信サーバのデータ量の削減も図ることができる。
【0106】
次に、配信サーバが配信するモジュールを決定して画像形成装置に配信する配信方法を、図16に示すフローチャートを用いて説明する。S1601では、画像形成装置の機能別ファームウェアの情報とバージョンとを画像形成装置から受信する。S1602では、受信した機能別ファームウェアの情報とバージョンとを、ファームデータ記憶部1113を参照して画像形成装置のファームウェアグループとして特定する。
【0107】
S1603では、ファームデータ記憶部1113の構成情報とファームウェアデータの両方があるファームウェアグループから、配信するモジュールを決定する。S1604では、S1603で決定したモジュールを画像形成装置に配信する。
【0108】
[他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の複数のファームウェアを管理して、ファームウェアの配信を制御する配信システムであって、
前記画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理する管理手段と、
画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する収集手段と、
前記収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループの構成情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、一致しない場合、前記収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む前記管理されたファームウェアグループを特定する特定手段と、を有し、
前記管理手段は、前記判定手段により一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする配信システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記新たなファームウェアグループとして、前記収集した複数のファームウェアの情報をに基づくファームウェアの構成情報のみを登録して管理することを特徴とする請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記管理手段は、前記判定手段により一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報と前記特定されたファームウェアグループとの差分において、画像形成装置のアプリケーションのプラットフォーム、ページ記述言語、リモートユーザインターフェース、フィニッシャーの何れかのバージョンに違いがない場合に、当該収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記ファームウェアグループを、画像形成装置の商品コードと前記特定のファームウェアのバージョンとを用いて分類して管理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記ファームウェアの情報には、前記ファームウェアの種別とバージョンとが含まれることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の配信システム。
【請求項6】
画像形成装置の複数のファームウェアを管理して、ファームウェアの配信を制御する配信システムの管理方法であって、
管理手段が、前記画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理する管理工程と、
収集手段が、画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する収集工程と、
判定手段が、前記収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループと一致するか否かを判定する判定工程と、
特定手段が、前記判定の結果、一致しない場合、前記収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む前記管理されたファームウェアグループを特定する特定工程と、を有し、
前記管理工程においては、前記判定工程において一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする配信システムの管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の配信システムの管理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像形成装置の複数のファームウェアを管理して、ファームウェアの配信を制御する配信システムであって、
前記画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理する管理手段と、
画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する収集手段と、
前記収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループの構成情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、一致しない場合、前記収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む前記管理されたファームウェアグループを特定する特定手段と、を有し、
前記管理手段は、前記判定手段により一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする配信システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記新たなファームウェアグループとして、前記収集した複数のファームウェアの情報をに基づくファームウェアの構成情報のみを登録して管理することを特徴とする請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記管理手段は、前記判定手段により一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報と前記特定されたファームウェアグループとの差分において、画像形成装置のアプリケーションのプラットフォーム、ページ記述言語、リモートユーザインターフェース、フィニッシャーの何れかのバージョンに違いがない場合に、当該収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記ファームウェアグループを、画像形成装置の商品コードと前記特定のファームウェアのバージョンとを用いて分類して管理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記ファームウェアの情報には、前記ファームウェアの種別とバージョンとが含まれることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の配信システム。
【請求項6】
画像形成装置の複数のファームウェアを管理して、ファームウェアの配信を制御する配信システムの管理方法であって、
管理手段が、前記画像形成装置における一括更新を許可する複数のファームウェアと当該複数のファームウェアの構成情報を、ファームウェアグループとして登録して管理する管理工程と、
収集手段が、画像形成装置から複数のファームウェアの情報を収集する収集工程と、
判定手段が、前記収集した複数のファームウェアの情報が前記管理されたファームウェアグループと一致するか否かを判定する判定工程と、
特定手段が、前記判定の結果、一致しない場合、前記収集した複数のファームウェアの情報の中から特定のファームウェアの情報と一致する情報を含む前記管理されたファームウェアグループを特定する特定工程と、を有し、
前記管理工程においては、前記判定工程において一致しないと判定された前記収集した複数のファームウェアの情報を、新たな一括更新を許可する組み合わせのファームウェアグループとして登録して管理することを特徴とする配信システムの管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の配信システムの管理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−97678(P2013−97678A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241524(P2011−241524)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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